説明

監視装置及び監視システム

【課題】 中央監視装置を安価にした監視装置及び監視システムを提供する。
【解決手段】ネットワークを介して又はネットワーク200に接続したモデム102を介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備え、1台又は複数台の監視装置子局301とネットワーク200を介して接続し、監視装置子局301内の監視データを通信で取得し、ネットワーク200を介して定期的に記憶装置108と接続し、監視データを保存する。接続した監視対象114からの信号を入力する信号入力部を備え、監視対象114から入力した信号を基に監視データを作成し、作成した監視データと監視装置子局301から通信で取得した監視データの両方を、ネットワーク200を介して定期的に記憶装置108に保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置及び監視システムに関し、特に上下水道の給水、配水設備や、産業用の生産設備、販売データ収集、設備等を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の監視システムにおいて、通信回線に常時接続と多重通信が可能なネットワークを利用する場合、中央監視装置に、インターネット・サーバー機能を持たせて、ネットワーク上のパソコンから監視データを検索し表示したり、ネットワーク上のパソコンから遠隔制御の設定を入力していた。この場合、中央監視装置に、インターネット・サーバー機能を持たせるため、中央監視装置としての機能とともに、インターネット・サーバーとして必要とされる一通りの機能(インターネット・エクスプローラと通信する機能、ユーザIDとパスワードを使って、ユーザを認証する機能など)を動作させる必要があるため、その機能の実現に多大な作業が必要だった。また、中央監視装置の中に監視データを保存しておく必要があるため、中央監視装置の記憶容量は大きいことが必要だった。このため、中央監視装置の価格は高額になっていた。
【特許文献1】特開平10−327259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、通信回線に常時接続と多重通信が可能なネットワークを利用する場合に、中央監視装置に、インターネット・サーバー機能を持たせずにネットワーク上のパソコンから監視データを検索、表示させる方法を提供する。これにより、中央監視装置を動作させるために多大な作業工数を要することが不要とするとともに、中央監視装置が記憶容量が小さくとも機能する手段を提供することにある。これにより、中央監視装置を安価に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題点を踏まえ、本発明においては、以下のように対応を図るものとする。すなわち、本発明は、ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備え、1台又は複数台の監視装置子局とネットワークを介して接続し、前記監視装置子局内の監視データを通信で取得し、ネットワークを介して記憶装置と定期的に接続し、取得した監視データを前記記憶装置に保存する監視装置である。
【0005】
また、本発明は、監視対象からの信号を入力する信号入力部を備え、前記監視対象から入力した信号を基に監視データを作成し、作成した監視データと前記監視装置子局から通信で取得した監視データの両方を、前記ネットワークを介して定期的に前記記憶装置に保存する監視装置である。
【0006】
そして、本発明は、前記記憶装置と接続する際のネットワークは、前記監視装置子局と接続する際のネットワークである監視装置である。
【0007】
更に、本発明は、前記記憶装置と接続する際のネットワークは、前記監視装置子局と接続する際のネットワークとは異なる監視装置である。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUと、監視対象からの信号を入力する信号入力部とを備え、前記監視対象から入力された信号を基に監視データを作成し、作成した監視データを、前記ネットワークを介して定期的に前記記憶装置に保存する監視装置である。
【0009】
そして、本発明は、監視対象の監視データを取得する1台又は複数台の監視装置子局と、前記監視装置子局から監視データを通信で取得する監視装置親局とからなる監視システムにおいて、前記監視装置子局及び監視装置親局は、それぞれ、ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備えており、前記監視装置親局は、前記監視装置子局とネットワークを介して接続し、前記監視子局内の監視データを通信で取得し、ネットワークを介して記憶装置と定期的に接続し、取得した監視データを前記記憶装置に保存する監視システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、中央監視装置を安価にした監視装置及び監視システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
以下、本発明の監視装置及び監視システムの実施例について、図面を用いて説明する。
【0012】
実施例1を説明する。図1に本実施例の監視システム全体の構成を示す。中央側には、監視装置親局101、104、モデム102、105を設置する。監視装置子局302、312、322には、モデム301、311、321と、監視対象設備303、313、323を接続する。図1の例では、監視装置親局には、監視対象とする設備が接続されていないが、監視装置親局にも、監視装置子局と同様に監視対象の設備を接続しても良い。監視装置親局101、104は、ネットワーク200に接続したモデム102、105を介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備えている。
【0013】
ネットワーク200では、TCP/IP等を利用した多重通信を利用するため、監視装置親局を複数箇所設置することができる。本実施例では、監視装置親局1(101)と監視装置親局2(104)の2箇所を設置した例を示す。
【0014】
ネットワーク200には、監視データを記憶するネットワーク・ドライブ108が接続される。ネットワーク・ドライブ108は、モデム106を介してネットワーク200に接続する。パソコン109は、モデム107を介してネットワーク200に接続される。図1では、パソコン109は1台のみ記載されているが、パソコンは複数台からなり、ネットワーク200に接続されても良い。
【0015】
監視装置子局302、312、322は、監視対象設備303、313、323と接続し、監視対象設備の運転状況を時々刻々監視装置子局内に監視データとして保存する。監視装置親局101は、監視装置子局302、312、322と順番に接続して、監視装置子局内に保存されている監視データを取得して、ネットワーク・ドライブ108の中に保存する。パソコン109は、ネットワーク200内に保存された監視データを検索して、監視装置子局302、312、322の監視データを表示することができる。
【0016】
パソコン109が個々の監視装置子局303、313、323に直接接続して監視装置子局内の監視データを表示するのに比べて、ネットワーク・ドライブ108のデータを表示する場合は、パソコンは1箇所にまとめられたデータを検索すれば、監視システム全体のデータを表示することができるため、検索する効率が高い。特に監視装置子局の台数が多い場合には、その効率が高くなる。
【0017】
ネットワーク・ドライブ108は、監視装置親局101や、監視装置子局303、313、323に比べて、記憶容量が大きいため、ネットワーク・ドライブ108に長期間の監視データを保存することができる。監視装置親局や監視装置子局は、監視装置親局が定期的に巡回してくるまでの間のデータを一時的に保存しておけば良いため、ネットワーク・ドライブ108に比べて、小さい記憶容量で良い。このため、監視装置親局や監視装置子局の監視データ保存エリアは、メモリ等の小型の記憶装置とすることができるため、安価な構成とすることができるとともに、ハードディスクを使用しないで済むため、環境の苛酷な屋外に設置する装置の中に監視装置を設置することが可能となる。これに対して、ネットワーク・ドライブ108は、ハードディスクを内蔵し、空調の効いたオフィス内に設置することができる。
【0018】
以上の説明は、監視装置親局が監視装置子局を巡回して、監視装置子局内の監視データをネットワーク・ドライブ108内に保存する構成に関して説明したが、監視装置親局が監視装置子局の監視データとともに、監視装置親局に接続される監視対象設備の監視データをネットワーク・ドライブ108に保存しても良い。ここで、監視装置親局は、監視装置子局を巡回して、監視データを取得する機能をもつ監視装置を意味し、監視装置子局は、監視装置を巡回する機能を持たない監視装置を意味する。
【0019】
また、本実施例の変形例として、全ての監視装置は、他の監視装置を巡回することなく、それぞれの監視装置が直接自局の監視データのみをネットワーク・ドライブ内に保存しても良い。この場合、監視装置親局と呼ぶ監視装置は、監視システムの中になく、複数の監視装置子局とネットワーク・ドライブとパソコンからなる監視システムとなる。
【0020】
ネットワーク・ドライブは、インターネット・エクスプローラ(登録商標)と接続するインターネット・サーバー(HTTPサーバー、または、HTTPD)と比べ、監視データのファイルを保存するだけの機能があれば良く、機能は少ない。ネットワーク・ドライブとして、インターネット・サーバー(HTTPサーバー、または、HTTPD)を利用することも可能である。
【0021】
ネットワークに接続する、ネットワーク・ドライブ(あるいは、インターネット・サーバーをネットワーク・ドライブとして使用)を利用することにより、ネットワークに接続するパソコンは、ネットワークのどこからでも、監視データを利用することができるため、利用し易い。すなわち、ネットワークに接続すれば、事務所や出張先などから監視データを検索できるため、どこからでも監視対象設備のメンテナンスをどうするかの指示を出せる。
【0022】
実施例2を説明する。図2に、本実施例の監視システムの構成を詳細に示す。監視装置親局101のLAN111には、IP電話112、IP電話用のルータ113、監視装置親局に接続された監視対象114、監視対象の信号を入力する入力装置115、パソコン116、カメラ117が接続されている。これらの装置は、監視装置101、モデム102を介して、ネットワーク200に接続する。
【0023】
監視装置子局302、312、322には、それぞれLAN304、314、324が接続され、LANには、それぞれIP電話306、監視対象設備303、313、317、323や入出力装置307、315、316、325、パソコン326が接続されている。
【0024】
図2の構成で、監視装置親局に接続するIP電話112、入力装置115、パソコン116、カメラ117と監視装置子局に接続するIP電話306、入出力装置307、パソコン326は互いに通信することができる。これは、監視装置親局と監視装置子局がこれらの装置のデータをルーティングすることによる。監視装置親局または、監視装置子局は、監視対象設備の動作を監視データとして、ネットワーク・ドライブ108内に保存する。
【0025】
実施例3を説明する。図3にネットワーク・ドライブ118を監視装置親局のLAN111内に設置した例を示す。この構成では、ネットワーク・ドライブ118内の監視データをネットワーク200に接続したパソコン109から検索することができないように、監視装置親局101のルーティングを設定することができる。この場合は、LAN111内に設置したパソコン116からネットワーク・ドライブ118のデータが検索できる。このような構成とすることにより、ネットワーク・ドライブ118内の監視データは中央側の施設内のパソコンだけからだけ、利用できるようになり、監視データのセキュリティを高めることができる。
【0026】
以上説明したように、本発明の実施例により、ネットワークを利用した監視システムにおいて、中央監視装置内インターネット・サーバー機能を動作させなくとも、監視データをパソコンから検索表示する監視システムを構成することが可能となり、監視システムを安価に構築することができる。また、ネットワーク・ドライブ内に監視データを保存する頻度を高めることにより、監視対象設備の現在の運転状態をリアルタイムに表示することが可能である。また、ネットワークに接続するパソコンを利用して、ネットワークのどこからでも監視データを検索、表示することが可能なため、出張、外出時に監視対象設備のメンテナンスに対して、指示を出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1の監視装置を含む全体システム構成を示す。
【図2】実施例2であるネットワーク・ドライブを監視装置と別のネットワークに設置した例を示す。
【図3】実施例3であるネットワーク・ドライブを監視装置と同一のネットワークに設置した例を示す。
【符号の説明】
【0028】
100・・・中央監視装置1、101・・・監視装置(親局1)、102・・・モデム、104・・・監視装置(親局2)、105・・・モデム、106・・・モデム、107・・・モデム、108・・・ネットワーク・ドライブ、109・・・パソコン、111・・・LAN、112・・・電話機、113・・・IP電話装置、114・・・監視対象、115・・・パソコン、116・・・カメラ、117・・・監視装置と同一LAN上のネットワーク・ドライブ、120・・・通信モジュール、121・・・通信モジュール、200…ネットワーク、301・・・モデム、302・・・監視装置、303・・・監視対象設備、304・・・LAN1、305・・・IP電話通信機、306・・・IP電話本体、307・・・入出力装置、311・・・モデム、312・・・監視装置、313・・・監視対象設備、314・・・LAN2、315・・・入出力装置、316・・・入出力装置、317・・・監視対象、321・・・モデム、322・・・監視装置、324・・・LAN3、325・・・入出力装置、326・・・パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備え、
1台又は複数台の監視装置子局とネットワークを介して接続し、前記監視装置子局内の監視データを通信で取得し、ネットワークを介して記憶装置と定期的に接続し、取得した監視データを前記記憶装置に保存することを特徴とする監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の監視装置において、
監視対象からの信号を入力する信号入力部を備え、
前記監視対象から入力した信号を基に監視データを作成し、作成した監視データと前記監視装置子局から通信で取得した監視データの両方を、前記ネットワークを介して定期的に前記記憶装置に保存することを特徴とする監視装置。
【請求項3】
請求項1記載の監視装置において、
前記記憶装置と接続する際のネットワークは、前記監視装置子局と接続する際のネットワークであることを特徴とする監視装置。
【請求項4】
請求項1記載の監視装置において、
前記記憶装置と接続する際のネットワークは、前記監視装置子局と接続する際のネットワークとは異なることを特徴とする監視装置。
【請求項5】
ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUと、監視対象からの信号を入力する信号入力部とを備え、
前記監視対象から入力された信号を基に監視データを作成し、作成した監視データを、前記ネットワークを介して定期的に前記記憶装置に保存することを特徴とする監視装置。
【請求項6】
監視対象の監視データを取得する1台又は複数台の監視装置子局と、前記監視装置子局から監視データを通信で取得する監視装置親局とからなる監視システムにおいて、
前記監視装置子局及び監視装置親局は、それぞれ、ネットワークを介して又はネットワークに接続したモデムを介して通信するコネクタと、メモリと、CPUとを備えており、
前記監視装置親局は、前記監視装置子局とネットワークを介して接続し、前記監視子局内の監視データを通信で取得し、ネットワークを介して記憶装置と定期的に接続し、取得した監視データを前記記憶装置に保存することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−11288(P2008−11288A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180622(P2006−180622)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】