説明

監視装置

【課題】 効率的に異常の確認を行うことのできる監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置4は、監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)が設置された複数の監視領域における異常状態を遠隔から監視する。監視装置4には、異常が検知された監視手段の識別情報と、異常検知時刻及び異常種別を示す異常情報と、異常情報の確認フラグと、を対応付けた異常管理テーブルが記憶されている。監視装置4は、操作部9から確認操作入力があったときに、記憶部12の異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が生じている一の監視手段についての全ての未確認の異常情報を表示部8に表示する。そして、操作部9からの確認操作入力に基づいて、表示された未確認の異常情報の確認フラグを未確認から確認済みへと変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラや画像記録装置などの監視手段が設置された複数の監視領域における異常状態を遠隔から監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視物件内にセンサや監視カメラなどを設置し、監視端末によって監視物件内で生じた異常を集中的に監視する監視装置が利用されている。このような監視装置では、火災や侵入等の異常又は機器異常等といった状態変化に迅速に対処できるよう、状態変化が発生した位置を監視者が容易に特定できるようにする必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、火災等のイベント発生時にイベント発生場所を平面図上に表示する平面図画面と、発生したイベントを時系列に表示するイベントメッセージ画面とを表示するシステムが開示されている。この従来のシステムでは、あるイベントを確認したい監視者によってイベントメッセージ画面の特定イベントが選択されると、選択したイベントに対応する機器のシンボルが平面図上に色等によって識別可能に表示される。これによって、監視者は、発生したイベントの発生箇所を平面図により容易に確認でき、当該イベントに対して迅速な措置をとることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−287199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムにおいては、発生したイベント(異常)が時系列で表示されるので、監視者は、異常の確認を異常単位で行わざるを得なかった。したがって、同じ機器に何度も異常が発生した場合には、監視者は、何度も同じ機器に対して異常の確認をしなければならなかった。例えば、ある機器(機器A)で異常が発生した後に、別の機器(機器B)で異常が発生し、さらにその後、また同じ機器(機器A)で異常が発生した場合には、利用者は、何度も(この例では2度)同じ機器(機器A)の異常を確認しなければならなかった。同じ機器に何度も異常が発生した場合には、それらの異常をまとめて確認するほうが効率的である。その機器について発生した複数の異常の発生状況を的確に把握するためにも、同じ機器で発生した複数の異常をまとめて確認することが望ましい。
【0006】
特に、近年では、利用者が必要に応じて監視装置を起動させ、所定の時間帯のみ監視カメラ等によって異常監視する運用形態(いわゆる随時監視)が広く行われるようになりつつある。このような随時監視の監視運用においては、利用者が監視を行っていない期間(監視中断期間)中に生じた異常を、利用者が監視を行う期間(監視期間)中にまとめて確認する必要がある。ところが、上述のように、従来のシステムでは、同じ機器で発生した複数の異常をまとめて確認することができないので、このような随時監視には適していない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、その監視手段に発生した複数の異常をまとめて確認することができ、効率的に異常の確認を行うことのできる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の監視装置は、監視手段が設置された複数の監視領域における異常状態を監視する監視装置であって、利用者に映像を表示する表示部と、前記利用者による確認操作入力を受ける操作部と、異常が検知された監視手段の識別情報と、異常検知時刻及び異常種別を示す異常情報と、当該異常情報が利用者によって未確認であるか否かを示す確認フラグと、を対応付けた異常管理テーブルを記憶する記憶部と、前記操作部から前記確認操作入力があったときに、前記異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が生じている一の監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する未確認異常表示処理を行う表示制御部と、表示された前記未確認の異常情報の確認フラグを未確認から確認済みへと変更するフラグ制御手段と、を備えている。
【0009】
これにより、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、利用者は、その監視手段に発生した複数の異常を、監視手段単位(例えば、カメラ単位)でまとめて確認できるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0010】
また、本発明の監視装置では、前記記憶部は、監視手段の設置位置に基づく複数の前記監視手段の間の対応関係を示す対応情報を記憶し、前記表示制御部は、前記未確認異常表示処理を行うときに、前記対応情報を参照して、前記一の監視手段に対応する他の監視手段を抽出し、未確認の異常が生じている他の監視手段についての全ての未確認の異常情報を併せて表示してもよい。
【0011】
これにより、利用者は、監視手段に発生した複数の異常を、複数の監視手段単位(例えば、同じフロアに設置された複数のカメラ単位、すなわちフロア単位)でまとめて確認できるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0012】
また、本発明の監視装置は、前記異常管理テーブルでは、前記監視手段から前記異常情報の入力がある都度、当該異常情報を追加する処理が行われ、前記未確認異常表示処理では、前記操作部から前記確認操作入力があったときに、当該確認操作入力を受けた時刻を起点にして前記異常管理テーブル内で最も近い時刻の未確認の異常情報が前記表示部に表示されてもよい。
【0013】
これにより、利用者が過去の異常情報を順次確認しているときであっても、最新に発生した異常を優先的に表示(割込み表示)することができるため、利用者は今起こっている異常にいち早く対応でき、リアルタイム性を損なわずに異常確認を行うことができる。
【0014】
また、本発明の監視装置では、前記記憶部は、利用者による前回の監視が終了した時刻から利用者による監視が再開された時刻までの期間を示す監視中断期間を更に記憶し、前記表示制御部は、前記監視中断期間が経過した後の初回の確認操作入力があった場合には、前記未確認異常表示処理を行う代わりに、前記異常管理テーブルから、前記監視中断期間中に生じた未確認の異常情報を抽出し、当該未確認の異常が生じている監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する中断後表示処理を行ってもよい。
【0015】
これにより、利用者によって監視が行われていない期間(監視中断期間)中に生じた異常のみを未確認の異常として確認対象とすることができる。したがって、利用者は、監視期間中に(本方式における順次確認によらず)他の方法によって既に確認した異常についてまで再度確認する必要が無くなるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0016】
本発明のプログラムは、監視手段が設置された複数の監視領域における異常状態を監視する監視装置で実行されるプログラムであって、前記監視装置には、利用者に映像を表示する表示部と、前記利用者による確認操作入力を受ける操作部と、異常が検知された監視手段の識別情報と、異常検知時刻及び異常種別を示す異常情報と、当該異常情報が利用者によって未確認であるか否かを示す確認フラグと、を対応付けた異常管理テーブルを記憶する記憶部と、が備えられ、前記プログラムは、コンピュータを、前記操作部から前記確認操作入力があったときに、前記異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が生じている一の監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する未確認異常表示処理を行う手段、表示された前記未確認の異常情報の確認フラグを未確認から確認済みへと変更する手段、として機能させる。
【0017】
このプログラムによっても、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、利用者は、その監視手段に発生した複数の異常を、監視手段単位(例えば、カメラ単位)でまとめて確認できるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、その監視手段に発生した複数の異常をまとめて確認することができ、効率的に異常の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における監視システムの全体構成の説明図
【図2】本発明の実施の形態における監視装置の機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態における異常管理テーブルの説明図
【図4】本発明の実施の形態における対応情報の説明図
【図5】本発明の実施の形態における表示処理(カメラ単位の異常確認)の説明図
【図6】本発明の実施の形態における表示処理(カメラ単位の異常確認)の説明図
【図7】本発明の実施の形態における表示処理(カメラ単位の異常確認)の説明図
【図8】本発明の実施の形態において新たな異常が発生した場合の表示処理(カメラ単位の異常確認)の説明図
【図9】本発明の実施の形態における表示処理(フロア単位の異常確認)の説明図
【図10】本発明の実施の形態における表示処理(フロア単位の異常確認)の説明図
【図11】本発明の実施の形態における表示処理(フロア単位の異常確認)の説明図
【図12】本発明の実施の形態において新たな異常が発生した場合の表示処理(フロア単位の異常確認)の説明図
【図13】本発明の実施の形態における表示処理(スクロールおよび表示倍率の変更)の説明図
【図14】本発明の実施の形態における監視装置の動作説明のためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態の監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、随時監視の監視システム等に用いられる監視装置の場合を例示する。この監視装置は、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、その監視手段に発生した複数の異常をまとめて確認する機能を有している。この機能は、監視装置で実行されるプログラムにより実現される。
【0021】
<監視システム>
まず、本実施の形態の監視システムの全体構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態の監視システム1では、一つの監視区画に複数の監視領域が設定されている。監視区画は、例えば、超高層ビルや大規模商業施設などの監視対象の物件(監視物件)であり、監視領域は、例えば、監視物件の各フロア(1階、2階・・・)である。本実施の形態の監視システム1では、複数の監視区画から各監視領域の監視情報(映像情報や検知情報)を遠隔の監視センタにて受信することで、遠隔からの集中監視が行われる。監視センタは、例えば、複数の事業所を統括的に監視する管理本部などである。
【0022】
図1に示すように、監視システム1は、監視領域の画像を撮影して画像データを取得する監視カメラ2と、監視カメラ2で撮影した画像データを記録する画像記録装置3と、複数の監視区画を遠隔から監視する監視装置4を備えている。監視カメラ2や画像記録装置3は、監視区画の各監視領域に設置され、監視装置4は、遠隔の監視センタに設置される。監視センタは、複数の監視区画を統括的に監視する管理本部などである。監視装置4を用いることにより、遠隔の監視センタから複数の監視区画を監視することができる。
【0023】
監視カメラ2と画像記録装置3は、本発明の監視手段に相当する。なお、図1に示すように、一つの監視区画には、監視カメラ2と画像記録装置3の両方が設置されてもよい。また、一つの監視区画には、監視カメラ2だけが設置されてもよい(監視区画には、必ずしも画像記録装置3が設けられていなくてもよい)。また、本発明の監視手段として、監視センサ等(図示せず)の装置が設置されてもよい。
【0024】
監視カメラ2は、監視領域を撮影して取得した画像データをネットワーク網5を介して監視装置4に出力する機能を備えている。つまり、監視カメラ2は、取得した画像データや異常情報などを、監視装置4へ直接送信することができる。監視カメラ2は、一つの監視区画に複数台設置されてもよく(図1の例では3台設置されている)、一つの監視区画に一台だけ設置されてもよい。
【0025】
画像記録装置3は、例えば各監視区画に一台ずつ設置されている。監視カメラ2と画像記録装置3とは互いにローカルエリアネットワーク(LAN)6で接続されており、監視カメラ2で取得した画像データは、画像記録装置3に送られる。画像記録装置3は、監視カメラ2から送られた画像データを記録する機能を備えている。また、画像記録装置3は、記録した画像データをネットワーク網5を介して監視装置4に出力する機能を備えている。
【0026】
ネットワーク網5は、例えば、インターネット網で構成されるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、公衆電話網、携帯電話網など適宜利用可能なものを選択してよい。なお、ここでは、通信プロトコル、交換設備、インターネットサービスプロバイダの設備などは、一般的な技術を使用するので詳細に説明するのを省略する。
【0027】
<監視カメラ>
ここで、監視カメラ2について、さらに詳しく説明しておく。監視カメラ2は、監視区画内の任意の設置場所に設置されており、監視区画内の画像を撮影する機能を備えている。また、監視カメラ2は、画像データの監視装置4への出力や自己の装置(監視カメラ2)への記録などの処理を行う機能を備えている。さらに、監視カメラ2は、自己の装置(監視カメラ2)に異常が発生しているか否か(監視カメラ2に異常が生じているか否か、監視カメラ2の撮影が妨害されているか否かなど)を検知する機能を備えている。そして、この監視カメラ2は、自己の装置の異常(例えば、画像の撮影や記録にかかる異常)の発生を検知すると、その検知した異常状態を異常情報として記録する機能を備えている。
【0028】
この監視カメラ2には、予め、各監視カメラ2を識別するための識別情報として監視カメラ番号(識別子)が設定されている。監視カメラ番号は、監視カメラ2に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶されている。この監視カメラ番号は、監視カメラ2で撮影した画像データと監視カメラ2の設置場所との関連付けに用いられる。そして、監視カメラ2は、各設置場所にて撮影した画像データをデジタル符号化し、画像記録装置3や監視装置4へその画像データと監視カメラ番号とを送信する機能を備えている。また、監視カメラ2は、画像記録装置3や監視装置4へ自己の装置の異常情報と監視カメラ番号とを送信する機能を備えている。
【0029】
<画像記録装置>
つぎに、画像記録装置3について、さらに詳しく説明しておく。画像記録装置3は、監視区画ごとに設置されており、その監視区画内に設置された監視カメラ2から入力される画像データを受け付けて、その画像データの監視装置4への出力や自己の装置(画像記録装置3)への記録などの処理を行う機能を備えている。また、画像記録装置3は、監視カメラ2や自己の装置に異常が発生しているか否か(監視カメラ2又は自己の設定や制御処理に異常が生じているか否か、監視カメラ2の撮影が妨害されているか否かなど)を検知する機能を備えている。そして、この画像記録装置3は、監視カメラ2や自己の装置の異常(例えば、画像の撮影や記録にかかる異常)の発生を検知すると、その検知した異常状態を異常情報として記録する機能を備えている。
【0030】
この画像記録装置3にも、予め、画像記録装置3を識別するための識別情報としてレコーダ番号(識別子)が設定されている。レコーダ番号は、画像記録装置3に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶されている。このレコーダ番号は、監視カメラ2とその監視カメラ2の画像データを記録する画像記録装置3との対応付けに用いられる。そして、画像記録装置3は、記録された画像データをデジタル符号化し、その画像データを監視カメラ番号とレコーダ番号とともに、監視装置4へ送信する機能を備えている。また、画像記録装置3は、自己の装置の異常情報をレコーダ番号とともに、監視装置4へ送信する機能を備えている。
【0031】
<監視装置>
つぎに、監視装置4について、詳しく説明する。監視装置4は、監視センタに設置されており、各監視区画の監視カメラ2や画像記録装置3の状態を集中管理する機能を備えている。この監視装置4は、例えば、専用の端末装置や、汎用のパソコン(専用のプログラムがインストールされる)などで構成される。また、監視装置4は、例えば、監視センタの監視員が監視区画のモニタリングを行うときに起動され、モニタリングが終わると終了される。この監視装置4は、監視装置4を常時起動させるシステムに適用することもできる。なお、起動と終了とは、監視装置4のハードウェアの起動とシャットダウンに限らず、監視装置4が汎用のパソコンで構成される場合には、専用プログラムの起動と終了であってよい。
【0032】
この監視装置4は、監視員の操作により、監視カメラ2や画像記録装置3に画像データの要求信号(画像要求信号)を送信し、これに対する応答として監視カメラ2や画像記録装置3から画像データを受信し、受信した画像データを表示出力する機能を備えている。また、監視装置4は、監視カメラ2や画像記録装置3から異常情報を受信して、受信した異常情報を記録するとともに表示出力する機能を備えている。
【0033】
監視員は、表示出力される画像データを参照することにより監視区画を監視するとともに、表示出力される異常情報を参照して各監視カメラ2や各画像記録装置3に異常が発生しているか否か(正常に動作しているか否か)を確認する。そして、監視員は、表示出力された画像データからある監視区画に異常事態が発生したと判断すると、あるいは、表示出力された異常情報からある監視区画の監視カメラ2や画像記録装置3に異常が発生したと判断すると、例えば、その監視区画の画像データの記録や、その監視区画の管理者に対する確認処理、その監視区画の警備員への対処指示などの必要な措置をとる。
【0034】
ここで、図2を参照しながら、監視装置4の構成について、さらに詳しく説明しておく。監視装置4は、通信部7と表示部8と操作部9を備えている。また、この監視装置4は、制御部10と画像記録部11と記憶部12を備えている。制御部10は、通信制御部13と表示制御部14と記録処理部15と異常情報受信部16を含んでいる。
【0035】
通信部7は、インターネット網に接続された通信インターフェースである。監視装置4は、通信部7により各監視区画に設置された監視カメラ2や画像記録装置3と接続される。
【0036】
表示部8は、LCD等のディスプレイ及びスピーカより構成され、監視カメラ2や画像記録装置3から受信する画像(監視画像)をモニタリング用に表示する機能を備えている。
【0037】
操作部9は、キーボードやポインティグデバイスなどから構成される。操作部9は、監視員により操作がなされて、各種情報の表示要求や、監視カメラ2あるいは画像記録装置3に対する画像の受信要求や画像受信の停止要求などが入力される。具体的には、操作部9により、監視区画や監視領域(監視区画内の監視領域)を指定する操作がなされる。これにより、監視区画や監視領域の情報の表示要求が入力される。また、操作部9により、監視カメラ2や画像記録装置3を指定する操作がなされる。これにより、その監視カメラ2や画像記録装置3に対する画像の受信要求が入力される。この入力操作はGUI(Graphical User Interface)により実現されてよい。
【0038】
画像記録部11は、DVD−RやHDDなどの記憶媒体で構成される。画像記録部11には、記録処理部15(後述する)により書き込み制御されて監視カメラ2や画像記録装置3から受信する画像データを、その画像を撮影した時刻情報及び監視カメラ2の識別情報とともに記録する。
【0039】
記憶部12は、ROM/RAM、HDDなどで構成される。記憶部12には、各監視区画を構成する監視領域と監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)の情報である監視区画情報と、各監視領域における間取りなどのレイアウト情報を示した平面図の情報である図面情報と、監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)の異常情報を示した異常管理テーブルと、利用者による前回の監視が終了した時刻から利用者による監視が再開された時刻までの期間を示す監視中断期間と、監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)の設置位置に基づく監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)の間の対応関係を示す対応情報が記憶される。
【0040】
監視区画情報としては、各監視区画を構成する監視領域の識別情報と、各監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の識別情報とが、互いに対応付けて記憶される。監視領域の識別情報には、監視区画における階床情報(例えば、1階フロア)やエリア情報(例えば、介護エリア)などが含まれる。また、監視区画情報として、監視領域における監視カメラ2及び画像記録装置3の通信アドレスと設置位置の情報も記憶される。監視区画情報としては、監視対象物件である監視区画の住所や緯度経度などの位置情報が記憶されてもよい。
【0041】
図面情報としては、地図上で監視物件の所在をシンボル(物件シンボル)で示した平面図(エリアマップ)と、各監視領域におけるレイアウト配置を示した相対的に小さな縮小平面図(サムネイル画像)と、監視領域のレイアウト配置とともに当該監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の設置位置に対応する位置に監視カメラ2又は画像記録装置3を示すシンボル(カメラシンボル、画像記録装置シンボル)を重畳表示した相対的に大きな拡大平面図(フロアマップ)が、記憶されている。
【0042】
異常管理テーブルには、監視カメラ2及び画像記録装置3の異常情報がテーブル形式で記憶される。例えば、図3に示すように、「監視カメラの識別子」と「監視カメラの状態」と「その異常が発生した時刻」と「その異常の確認フラグ」とが対応付けて記録される。監視カメラ2の状態には、例えば「異常発生中」「ライブ表示中」「威嚇中」「音声取得中」「断線中」などの状態が含まれる。この例では、「異常発生中」が、特定状態(特に監視すべき状態)として予め設定されている。確認フラグは、その異常情報が利用者によって確認されたか否かを示すフラグである。なお、図3の例では「確認済み」を示すフラグが丸印で示されている。
【0043】
監視中断期間としては、例えば、前回、利用者が監視装置4の専用プログラムを終了した時刻(ログアウトした時刻)と、今回、利用者が監視装置4の専用プログラムを起動した時刻(ログインした時刻)などが記憶される。
【0044】
対応情報としては、例えば、図4に示すように、監視カメラ2の識別子(C101、C102、・・・など)と、その監視カメラ2の設置フロアの情報(1階、2階、・・・など)とが、互いに対応付けて記憶される。
【0045】
制御部10は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、監視装置4の種々の制御を行う。制御部10は、このマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、通信制御部13と表示制御部14と記録処理部15と異常情報受信部16とを有している。
【0046】
通信制御部13は、複数の監視カメラ2及び画像記録装置3との間の通信を制御する機能を備えており、複数機器との同時セッションが可能に構成されている。通信制御部13は、HTTP等のプロトコルを用いて監視カメラ2や画像記録装置3から画像データを受信する機能を備えている。
【0047】
また、通信制御部13は、操作部9から画像データの受信要求が入力されると、該当する監視カメラ2や画像記録装置3に対して画像要求信号を送信し、これに応答して監視カメラ2や画像記録装置3から送信される画像データを受信する機能を備えている。画像データは、ストリーミング配信としての動画データのパケット伝送であってよく、静止画として連続的に伝送されてもよい。また、通信制御部13は、操作部9から画像受信の停止要求が入力されると、該当する監視カメラ2や画像記録装置3に通信終了要求信号を送信し、画像データの受信を停止する。
【0048】
なお、通信帯域が十分に確保されている場合には、通信制御部13は、全ての監視カメラ2とのセッションを常時保持して常に画像データを受信する構成であってよい。その場合、操作部9から画像データの受信要求が入力されてから停止要求が入力されるまでの間、該当する監視カメラ2の画像データを表示制御部14に出力する。
【0049】
異常情報受信部16は、監視カメラ2や画像記録装置3から異常情報を受信する機能を備えている。異常情報受信部16は、監視カメラ2や画像記録装置3から異常情報を受信すると、記憶部12の異常管理テーブルに「容量低下」「機器異常」「回線異常」「電源断」などの異常を、その異常になった時刻とともに記録する。また、異常情報受信部16は、その異常が復旧したことを示す情報を受信すると、異常管理テーブルに記録した異常(「容量低下」「機器異常」「回線異常」「電源断」などの異常)を消去する。
【0050】
表示制御部14は、表示部8を、複数の表示領域(例えば、画像データ表示領域、異常情報表示領域、図面表示領域)に分割して、各領域ごとに該当する情報を表示制御する。画像データ表示領域には、監視カメラ2の画像データが表示される。なお、画像データ表示領域は、さらに複数の小領域に分割されて、複数の監視カメラ2の画像を同時に表示してよい。例えば、4つの小領域に分割されて、4つの監視カメラ2(カメラA〜D)の画像を同時に表示できるようにしてもよい。また、異常情報表示領域には、監視カメラ2や画像記録装置3から送信される異常情報が表示される。さらに、図面表示領域には、地図上で監視物件の所在がシンボルで示された平面図(エリアマップ)や、各監視領域におけるレイアウト配置を平面図上に示した相対的に小さな縮小平面図(サムネイル画像)や、監視領域に設置された監視カメラ2及び画像記録装置3の設置位置に対応する平面図上の位置に監視カメラ2又は画像記録装置3を示すシンボルを重畳表示した相対的に大きな拡大平面図(フロアマップ)が表示される。
【0051】
表示制御部14は、監視領域の拡大平面図(フロアマップ)を表示するときに、操作部9から利用者による確認操作入力(例えば「異常確認」ボタンのクリックなど)が行われると、異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が発生している監視カメラ2(一つの監視カメラ2)について全ての未確認の異常情報を表示する機能を備えている。すなわち、この表示制御部14は、「カメラ単位」で異常を確認する機能を備えている。
【0052】
また、表示制御部14は、対応情報を参照して、その監視カメラ2に対応する他の監視カメラ2(例えば、同じフロアに設置されている監視カメラ2)を抽出し、未確認の異常が発生している他の監視カメラ2についての全ての未確認の異常情報を表示する機能を備えている。すなわち、この表示制御部14は、「フロア単位」で異常を確認する機能を備えている。
【0053】
さらに、表示制御部14は、操作部9から利用者による確認操作入力(例えば「異常確認」ボタンのクリックなど)があったときに、その確認操作入力を受けた時刻を起点にして異常管理テーブル内で最も近い時刻の未確認の異常情報を表示する機能を備えている。すなわち、この表示制御部14は、最新に発生した異常を優先的に表示(割込み表示)して確認する機能を備えている。
【0054】
また、表示制御部14は、監視中断期間が経過した後の初回の確認操作入力(例えば「異常確認」ボタンのクリックなど)があったときに、異常管理テーブルから、監視中断期間中に発生した未確認の異常情報を抽出し、その未確認の異常が発生している監視カメラ2についての全ての未確認の異常情報を表示する機能を備えている。すなわち、この表示制御部14は、監視中断期間中に生じた異常のみを未確認の異常として確認する機能を備えている。
【0055】
ここで、本実施の形態の表示処理について、図面を参照して詳しく説明しておく。まず、図5〜図8を参照して「カメラ単位」で異常を確認するときの表示処理(カメラ単位確認モードの表示処理)について説明する。
【0056】
例えば、図5に示すように、時刻20:30に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻20:11に異常が発生した「C202」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻20:11の「回線異常」と、時刻06:25の「機器異常」)が抽出され(図5(b)参照)、その監視カメラ2の異常情報が表示部8にまとめて表示される(図5(a)参照)。
【0057】
つぎに、図6に示すように、時刻20:32に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合にも、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻16:25に異常が発生した「C303」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻16:25の「電源断」)が抽出され(図6(b)参照)、その監視カメラ2の異常情報が表示部8に表示される(図6(a)参照)。
【0058】
つづいて、図7に示すように、時刻20:35に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合にも、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻15:35に異常が発生した「C101」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻15:35の「回線異常」と、時刻10:10の「電源断」)が抽出され(図7(b)参照)、その監視カメラ2の異常情報が表示部8にまとめて表示される(図7(a)参照)。
【0059】
ここで、図8に示すように、時刻20:33に「新たな異常」が発生していたとする。この場合には、時刻20:35に「異常確認」ボタンがクリックされると、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻20:33に異常が発生した「C202」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(すなわち、最新に発生した時刻20:33の「機器異常」)が抽出され(図8(b)参照)、その監視カメラ2の異常情報が表示部8に表示される(図8(a)参照)。
【0060】
つぎに、図9〜図12を参照して「フロア単位」で異常を確認するときの表示処理(フロア単位確認モードの表示処理)について説明する。
【0061】
例えば、図9に示すように、時刻20:30に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻20:11に異常が発生した「C202」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻20:11の「回線異常」と、時刻06:25の「機器異常」)が抽出されるとともに、その監視カメラと同じフロア(2階フロア)に設置された監視カメラ2(「C201」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻15:11の「回線異常」)が抽出され(図9(b)参照)、それらの監視カメラ2の異常情報が表示部8にまとめて表示される(図9(a)参照)。
【0062】
つぎに、図10に示すように、時刻20:32に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合にも、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻16:25に異常が発生した「C303」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻16:25の「電源断」)が抽出されるとともに、その監視カメラと同じフロア(3階フロア)に設置された監視カメラ2(「C301」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻04:25の「容量低下」)が抽出され(図10(b)参照)、それらの監視カメラ2の異常情報が表示部8にまとめて表示される(図10(a)参照)。
【0063】
つづいて、図11に示すように、時刻20:35に「異常確認」ボタンがクリックされたとする。この場合にも、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻15:35に異常が発生した「C101」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻15:35の「回線異常」と、時刻10:10の「電源断」)が抽出されるとともに、その監視カメラと同じフロア(1階フロア)に設置された監視カメラ2(「C102」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(時刻08:15の「回線異常」と、時刻06:23の「機器異常」)が抽出され(図11(b)参照)、それらの監視カメラ2の異常情報が表示部8にまとめて表示される(図11(a)参照)。
【0064】
ここで、図12に示すように、時刻20:33に「新たな異常」が発生していたとする。この場合には、時刻20:35に「異常確認」ボタンがクリックされると、異常管理テーブルから、その時刻に最も近い時刻に異常(未確認の異常)が発生した監視カメラ2(時刻20:33に異常が発生した「C202」の監視カメラ2)について、すべての未確認の異常情報(すなわち、最新に発生した時刻20:33の「機器異常」)が抽出され(図12(b)参照)、その監視カメラ2の異常情報が表示部8に表示される(図12(a)参照)。なお、その監視カメラ(「C202」の監視カメラ2)と同じフロア(2階フロア)に設置された他の監視カメラ2にも「新たな異常」が発生していれば、それらの未確認の異常情報も抽出されて、表示部8にまとめて表示される。
【0065】
なお、本実施の形態では、表示対象の監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)が一画面に収まるように、フロアマップに「スクロール」と「表示倍率の変更」の処理が行われてもよい。例えば、図13(a)に示すように、表示対象の監視カメラ2が1台である場合には、その監視カメラ2が画面の中央に適度なサイズで配置されるように「スクロール」と「表示倍率の変更」の処理が行われる。一方、図13(b)に示すように、表示対象の監視カメラ2が2台である場合には、それらの監視カメラ2が一画面に収まるように「スクロール」と「表示倍率の変更」の処理が行われる。
【0066】
記録処理部15は、操作部9から表示中の画像データが指定されて画像の記録要求が入力されると、監視カメラ2から受信する画像データを、監視カメラ2の識別情報と撮影時刻に対応させて画像記録部11に記録する。
【0067】
また、記録処理部15は、操作部9からの確認操作入力(例えば「異常確認」ボタンのクリックなど)に基づいて、表示された未確認の異常情報(利用者により確認された異常情報)の確認フラグを「未確認」から「確認済み」へ変更する処理を行う。例えば、図5(b)に示すように、記録処理部15は、操作部9からの確認操作入力により、ある監視カメラ2(識別子が「C202」の監視カメラ2)の異常情報が確認されたときに、異常管理テーブルにおいて、その異常情報の確認フラグを「未確認」から「確認済み」へ変更する。
【0068】
さらに、記録処理部15は、監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)から異常情報の入力がある都度、その異常情報を異常管理テーブルへ追加する機能を備えている。例えば、図8(b)に示すように、記録処理部15は、新たな異常が発生する度に、その異常情報を異常管理テーブルへ追加する。
【0069】
以上のように構成された監視装置について、図14のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0070】
図14に示すように、監視装置4の専用プログラムを起動してフロアマップが表示されたときに、利用者からの確認操作入力がなされると(S1)、その確認操作入力が監視中断期間を経過した後の初回の確認操作入力であるか否かの判定が行われる(S2)。
【0071】
そして、監視中断期間を経過した後の初回の確認操作入力である場合には、異常管理テーブルにおける監視中断期間に発生した異常が、抽出対象の異常に設定される(S3)。一方、監視中断期間を経過した後の初回の確認操作入力でない場合には、異常管理テーブルにおける全期間の未確認の異常が、抽出対象の異常に設定される(S4)。
【0072】
未確認の異常情報がある場合には(S5)、抽出対象の異常の中から現在の時刻に最も近い時刻に発生した未確認の異常が抽出され(S6)、その異常が発生した監視手段(監視カメラ2)が特定される(S7)。
【0073】
つぎに、機器単位(カメラ単位)で異常を確認するモードであるか否かの判定が行われる(S8)。カメラ単位で異常を確認するモードである場合には、異常が発生した監視手段(監視カメラ2)が、表示対象の監視手段として設定される(S9)。一方、フロア単位で異常を確認するモードである場合には、その監視手段に対応する全ての監視手段(同じフロアに設置されている監視カメラ2)が、表示対象の監視手段として設定される(S10)。
【0074】
そして、抽出対象の異常の中から、表示対象の監視手段についての全ての未確認の異常が、表示対象の異常として抽出され(S11)、表示対象の監視手段が一画面に収まるようにスクロールおよび表示倍率の変更が行われて(S12)、表示対象の異常の異常情報が表示される(S13)。異常情報の表示・確認が完了すると、その異常情報の確認フラグが「確認済み」に変更される(S14)。
【0075】
このような本実施の形態の監視装置4によれば、同じ監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)に何度も異常が発生した場合に、その監視手段(監視カメラ2や画像記録装置3)に発生した複数の異常をまとめて確認することができ、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0076】
すなわち、本実施の形態の監視装置4では、同じ監視手段(例えば、監視カメラ2)に何度も異常が発生した場合に、利用者は、その監視手段(監視カメラ2)に発生した複数の異常を、監視手段単位(例えば、カメラ単位)でまとめて確認できるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0077】
また、本実施の形態の監視装置4では、利用者は、監視手段(例えば、監視カメラ2)に発生した複数の異常を、複数の監視手段単位(例えば、同じフロアに設置された複数のカメラ単位、すなわちフロア単位)でまとめて確認できるため、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0078】
また、本実施の形態の監視装置4では、利用者が過去の異常情報を順次確認しているときであっても、最新に発生した異常を優先的に表示(割込み表示)することができるため、利用者は今起こっている異常にいち早く対応でき、リアルタイム性を損なわずに異常確認を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態の監視装置4では、利用者によって監視が行われていない期間(監視中断期間)中に生じた異常のみを未確認の異常として確認対象とすることにより、利用者は、(本方式における順次確認によらず)他の方法によって確認した異常について、再度確認する必要が無くなり、効率的に異常の確認を行うことができる。
【0080】
また、複数の監視装置4を用いた複数人による監視運用においては、自らの監視期間に基づいた異常確認できるため、複数人による相互確認によって、より正確な異常確認を行うことができる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明にかかる監視装置は、同じ監視手段に何度も異常が発生した場合に、その監視手段に発生した複数の異常をまとめて確認することができ、効率的に異常の確認を行うことができるという効果を有し、監視システム(特に、随時監視の監視システム)等に適用され、有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 監視システム
2 監視カメラ
3 画像記録装置
4 監視装置
5 ネットワーク網
6 ローカルエリアネットワーク
7 通信部
8 表示部
9 操作部
10 制御部
11 画像記録部
12 記憶部
13 通信制御部
14 表示制御部
15 記録処理部
16 異常情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視手段が設置された複数の監視領域における異常状態を遠隔から監視装置であって、
利用者に映像を表示する表示部と、
前記利用者による確認操作入力を受ける操作部と、
異常が検知された監視手段の識別情報と、異常検知時刻及び異常種別を示す異常情報と、当該異常情報が利用者によって未確認であるか否かを示す確認フラグと、を対応付けた異常管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記操作部から前記確認操作入力があったときに、前記異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が生じている一の監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する未確認異常表示処理を行う表示制御部と、
表示された前記未確認の異常情報の確認フラグを未確認から確認済みへと変更するフラグ制御手段と、
を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記記憶部は、監視手段の設置位置に基づく複数の前記監視手段の間の対応関係を示す対応情報を記憶し、
前記表示制御部は、前記未確認異常表示処理を行うときに、前記対応情報を参照して、前記一の監視手段に対応する他の監視手段を抽出し、未確認の異常が生じている他の監視手段についての全ての未確認の異常情報を併せて表示する、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記異常管理テーブルでは、前記監視手段から前記異常情報の入力がある都度、当該異常情報を追加する処理が行われ、
前記未確認異常表示処理では、前記操作部から前記確認操作入力があったときに、当該確認操作入力を受けた時刻を起点にして前記異常管理テーブル内で最も近い時刻の未確認の異常情報が前記表示部に表示される、請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記記憶部は、利用者による前回の監視が終了した時刻から利用者による監視が再開された時刻までの期間を示す監視中断期間を更に記憶し、
前記表示制御部は、前記監視中断期間が経過した後の初回の確認操作入力があった場合には、前記未確認異常表示処理を行う代わりに、前記異常管理テーブルから、前記監視中断期間中に生じた未確認の異常情報を抽出し、当該未確認の異常が生じている監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する中断後表示処理を行う、請求項1から3のいずれかに記載の監視装置。
【請求項5】
監視手段が設置された複数の監視領域における異常状態を監視する監視装置で実行されるプログラムであって、
前記監視装置には、
利用者に映像を表示する表示部と、
前記利用者による確認操作入力を受ける操作部と、
異常が検知された監視手段の識別情報と、異常検知時刻及び異常種別を示す異常情報と、当該異常情報が利用者によって未確認であるか否かを示す確認フラグと、を対応付けた異常管理テーブルを記憶する記憶部と、
が備えられ、
前記プログラムは、コンピュータを、
前記操作部から前記確認操作入力があったときに、前記異常管理テーブルから未確認の異常情報を抽出し、未確認の異常が生じている一の監視手段についての全ての未確認の異常情報を前記表示部に表示する未確認異常表示処理を行う手段、
表示された前記未確認の異常情報の確認フラグを未確認から確認済みへと変更する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−101463(P2013−101463A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244339(P2011−244339)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】