説明

目地材の取付構造およびそれに用いられる目地材

【課題】 浴槽フランジと、浴槽フランジに隣接する壁面部との隙間に取り付けられる目地材が隙間から浮き上がることを防止できる目地材の取付構造およびそれに用いられる目地材を提供すること。
【解決手段】 フランジ部14aと、フランジ部14aに隣接する前壁面部11等との隙間に取り付けられる目地材の取付構造で用いられる目地材20を、フランジ部14aの表面側部分に沿って設置される表面シール部21と、表面シール部21から隙間の内部側に向って延び、フランジ部14a側に凹部25が形成された差込部22とで構成した。そして、凹部25の上下方向の幅をフランジ部14aの上下方向の長さよりも短くして、凹部25の内面とフランジ部14aの側面との間に空間部を形成し、その空間部に弾性接着剤26を充填した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽フランジと、浴槽フランジに隣接する壁面部との隙間に取り付けられる目地材の取付構造およびそれに用いられる目地材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内に設置される浴槽のフランジと、浴室の壁面部との間に生じる隙間には、目地材が設けられており、この目地材によって、隙間内に水が浸入することが防止されている(例えば、特許文献1)。この目地材は、壁面部と浴槽との間を塞ぐ覆い片部と、覆い片部から下方に延びる脚片部とを備えている。そして、脚片部の浴槽側には、斜め上方に延びる複数のひれ片が形成され、脚片部の壁面部側には、複数の緩衝突条が形成されている。このため、浴槽フランジと壁面部との隙間に、脚片部を圧入すると、ひれ片が浴槽フランジに弾接され、ひれ片の反力によって脚片部が壁面部に圧接するとともに、覆い片部が壁面部に圧接する。これによって止水効果が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−190036号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、浴槽に湯を入れると、その重さによって浴槽が設置されるフロアに撓みが生じ、浴槽自体も上下方向へ変位する。浴槽に入れた湯を排水すると、浴槽が設置されるフロアの撓みが解消し、浴槽位置も元に戻る。浴槽が上下方向に変位すると、浴槽のフランジと壁面部との間にもずれが生じる。これらが繰り返されることによって、目地材が隙間から浮き上がることがある。また、浴室内の温度変化によって目地材が膨張したり収縮したりする。これによっても、目地材にずれが生じて隙間から浮き上がりやすくなる。このように、目地材が隙間から浮き上がるとシール性が低下する。
【0005】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、浴槽フランジと、浴槽フランジに隣接する壁面部との隙間に取り付けられる目地材が隙間から浮き上がることを防止できる目地材の取付構造およびそれに用いられる目地材を提供することである。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係る目地材の取付構造の構成上の特徴は、浴槽フランジ(14a)と浴槽フランジに隣接する壁面部(11,15)との隙間に取り付けられる目地材(20,30,40)の取付構造であって、目地材は、浴槽フランジの表面側部分に沿って設置される表面シール部(21)と、表面シール部から隙間の内部側に向って延び、浴槽フランジ側に凹部(25,35,45)が形成された差込部(22)とを有し、凹部の上下方向の幅が浴槽フランジの上下方向の長さよりも短く設定されて、凹部の内面と浴槽フランジの側面との間に空間部が形成され、空間部に接着剤(26)が充填されていることにある。
【0007】
本発明に係る目地材の取付構造では、目地材が表面シール部と差込部とで構成されている。そして、表面シール部は、浴槽フランジの表面側部分に沿って設置されて、浴槽フランジの上端縁部と壁面部との間をシールし、差込部は、浴槽フランジと壁面部との隙間に差し込まれて、浴槽フランジの側面と壁面部とに圧接して表面シール部を適正位置に配置する。また、差込部における浴槽フランジ側には、凹部が形成されており、この凹部の上下方向の幅は、浴槽フランジの上下方向の長さよりも短くなっている。このため、凹部の上下の差込部が浴槽フランジの側面に当接し、凹部の内面と浴槽フランジの側面とには略密閉された空間が形成される。そして、その空間部内に接着剤が充填されるため、浴槽フランジと目地材の差込部とは所定の厚さの接着剤によって接着固定される。
【0008】
このため、浴槽に上下方向の変位が生じたり、目地材に膨張収縮が生じたりしても、目地材は浴槽フランジに追従して移動するため、隙間から浮き上がることはない。このように、目地材を、壁面部ではなく、変位が生じやすい浴槽側に固定することにより、目地材が隙間から浮き上がることをより確実に防止できる。また、浴室内は、温度変化が大きく、浴槽、壁面部および目地材の各部材を構成する材質の違いによって、膨張、収縮の量が異なってくる。これによって、接着剤に引っ張りや圧縮の力が加わる。このため、本発明で用いる接着剤としては、弾性接着剤を用いることが好ましく、これによると、接着剤に引っ張りや圧縮の力が加わっても、剥がれ等の不具合が生じにくくなる。
【0009】
また、本発明に係る目地材の構成上の特徴は、前述した目地材の取付構造に用いられる目地材であって、浴槽フランジの表面側部分に沿って設置される表面シール部と、表面シール部から隙間の内部側に向って延び、浴槽フランジ側に凹部が形成された差込部とを有し、凹部の上下方向の幅が浴槽フランジの上下方向の長さよりも短く設定されていることにある。本発明によると、前述した目地材の取付構造に適した目地材を得ることができる。
【0010】
また、本発明に係る目地材の他の構成上の特徴は、凹部の深さが凹部全体にわたって略同一になっていることにある。本発明に係る目地材によると、凹部内に接着剤を充填すると略均一な厚みの接着剤層を形成することができる。このため、浴槽フランジと目地材の差込部との間の接着強度にむらが生じなくなる。これによると、差込部によるシール性が向上し、より確実な止水が可能になる。なお、本発明における凹部の深さとは、開口縁部から凹部底までの寸法である。
【0011】
また、本発明に係る目地材のさらに他の構成上の特徴は、差込部における凹部の下方に、下方よりも上方が浴槽(14)側に突出する段部(22c)を形成したことにある。
【0012】
本発明に係る目地材によると、まず、差込部の先端側を隙間に差し込み、段部を浴槽フランジの上面と側面との角部に当てた状態で、目地材を浴槽フランジに仮止めすることができる。そして、凹部に接着剤を充填したのちに、差込部を隙間に押し込むことにより、簡単な作業で、目地材を浴槽フランジと壁面部との隙間に取り付けることができる。予め凹部に接着剤を充填した目地材を浴槽フランジと壁面部との隙間に取り付けようとすると、接着剤が他の部分に付かないようにするための注意が必要になり、作業をし難くなるが、前述したように段部を利用して目地材の取り付けを行うと、そのような注意が不要になるため作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る目地材が取り付けられた浴室を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る目地材を示した斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る目地材の断面図である。
【図4】フランジ部と前壁面部との隙間に仮止めした目地材の凹部に接着剤を充填した状態を示した断面図である。
【図5】フランジ部と前壁面部との隙間に目地材を取り付けた状態を示した断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る目地材の断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る目地材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る目地材20が取り付けられた浴室10を示している。この浴室10では、前壁面部11に窓12が設けられており、床面13における窓12側部分に浴槽14が設置されている。そして、浴槽14の左右(図1では前後)の側面部は、左壁面部(図示せず)と右壁面部15にそれぞれ対向している。また、浴槽14の前側(図1では右側)における右壁面部15に沿った部分にカウンター16が設置されている。
【0015】
そして、カウンター16の上方に形成された壁面に鏡17や収容棚18等が設けられている。また、カウンター16の上面の高さは、浴槽14のフランジ部14aの上面の高さと略等しくなるように設定されている。そして、浴槽14のフランジ部14aの縁部における左壁面部、前壁面部11および右壁面部15との境界部に生じる隙間に目地材20が取り付けられている(左壁面部側の目地材20は図示していない。)。また、カウンター16の上縁部と右壁面部15との間に生じる隙間にも目地材20が取り付けられている。浴槽14の前面におけるフランジ部14aの下方部分はエプロン14bによって覆われている。
【0016】
目地材20は、硬質材料と軟質材料とを同時に押し出し成形した、いわゆる二色成形で成形されており、弾性を備えた細長い部材として構成されている。この目地材20は、図2および図3に示したように、上部に位置する表面シール部21と、表面シール部21の下部から下方に延びる差込部22と、差込部22の凹面(図2の左側の面で、前壁面部11等に対向する面)に上下に間隔を保って形成された一対の弾性ヒレ部23,24とで構成されており、表面シール部21が略水平に延び、上下に延びる差込部22が湾曲した略T字状の断面形状を備えている。
【0017】
表面シール部21は、浴槽14側に配置される浴槽密接部21aと、前壁面部11等の壁面部側に配置される壁面密接部21bと、浴槽密接部21aと壁面密接部21bとの境界部分からから下方に突出する連結部21cとで構成されている。浴槽密接部21aと壁面密接部21bとは、浴槽密接部21a側が壁面密接部21b側よりも低くなるように傾斜した断面形状を備えた細長い板状に形成されている。また、浴槽密接部21aの幅は、壁面密接部21bの幅の2倍程度に設定されている。連結部21cは、厚みが浴槽密接部21aや壁面密接部21bよりも厚く、上下方向の長さが厚みと同程度になっている。
【0018】
差込部22は、表面シール部21の連結部21cの下部から真っ直ぐに下方に延びたのちに、壁面密接部21b側に傾斜するように湾曲して延びている。そして、差込部22の上部側の真っ直ぐな部分の断面形状は、肉厚板状体の浴槽14側の面に凹部25を設けて略コ字状になるように形成されている。凹部25の深さは一定になり、凹部25の上部には段部22aが形成され、凹部25の下部には突部22bが形成されている。連結部21c、段部22aおよび突部22bの浴槽14側の面は同一面上に位置するように形成されている。また、段部22aと突部22bとの間(凹部25)の幅は、浴槽14のフランジ部14aの上下方向の長さよりも短く設定されている。
【0019】
また、差込部22の下部側の湾曲した部分は、上部側の真っ直ぐな部分の凹部25が形成された部分と同じ厚みに形成されている。この湾曲した部分の凹面側は上部側と滑らかに連なり、凸面側は突部22bとの間に段差が生じており、この段差によって段部22cが形成されている。弾性ヒレ部23,24は、ともに、差込部22側の基端側が厚く、先端側に行くほど徐々に薄くなっており、弾性ヒレ部23は、凹部25の上下方向の略中央に対応する部分から斜め上方に延び、弾性ヒレ部24は、突部22bに対応する部分から弾性ヒレ部23と平行して斜め上方に延びている。
【0020】
表面シール部21および弾性ヒレ部23,24は、軟質材料(図2−図7において斜線を施した部分)で構成され、差込部22は硬質材料で構成されている。表面シール部21および弾性ヒレ部23,24を構成する軟質材料としては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、軟質アクリルなどを用いることができる。また、差込部22を構成する硬質材料としては、ABS(アクリロニトリルブタジエン),PP(ポリプロピレン),PE(ポリエチレン),硬質塩ビ,POM(ポリアセタール),PET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いることができる。
【0021】
つぎに、このように構成された目地材20を、浴室10に設置された浴槽14と、左壁面部、前壁面部11および右壁面部15との間およびカウンター16と右壁面部15との間にそれぞれ生じる隙間に取り付けて、目地材の取付構造を形成する方法について説明する。まず、目地材20を取り付ける隙間の長さを測るとともに、目地材20をその測定値の長さに切断する。
【0022】
つぎに、隙間の一方の端部、例えば、浴槽14と左壁面部との隙間における浴槽14のフランジ部14aの正面上部側部分から順次差込部22を隙間に差し込んでいく。このとき、図4(前壁面部11の部分を示している)に示したように、差込部22の湾曲した部分を隙間に差し込んで、段部22cがフランジ部14aの上面縁部に位置するようにして仮り止めする。その際、目地材20の差込部22は、直線状に近づくように変形しながら浴槽14のフランジ部14aと前壁面部11等との間に入っていく。その状態で、凹部25内に弾性接着剤26を充填する。この場合、凹部25を設けたことにより弾性接着剤26を適量充填することができる。
【0023】
なお、浴室10内の各部材は、その材質の違いによって、温度変化によって生じる膨張、収縮の量が異なる。したがって、浴室10内の温度が変化する度に、接着剤層にも応力が加わる。この応力に耐える接着剤として弾性接着剤26を用いている。そして、弾性接着剤26は、作業性を考慮すると、複数の液体を混合して使用する接着剤よりも1液タイプの接着剤を用いることが望ましい。このような理由から、弾性接着剤26としては、変性シリコーン樹脂をベースとする弾性接着剤や、エポキシ変性シリコーン系弾性接着剤を用いることが好ましい。
【0024】
弾性接着剤26の凹部25への充填が終了すると、さらに、差込部22を浴槽14のフランジ部14aと前壁面部11等との間に差し込んでいく。これによって、表面シール部21の壁面密接部21b、弾性ヒレ部23,24および差込部22の下端部が、前壁面部11等に圧接するとともに、差込部22の段部22aと突部22bとがフランジ部14a側に付勢されてフランジ部14aの側面に圧接する。この際、弾性接着剤26は、凹部25の内面とフランジ部14aの側面とで形成される空間を埋めて、余剰分は、図5に示したように、表面シール部21の浴槽密接部21aとフランジ部14aの上面との間に押し込まれる。
【0025】
この弾性接着剤26によって、差込部22の上部とフランジ部14aの側面および表面シール部21の浴槽密接部21aとフランジ部14aの上面とが接着固定される。このとき、弾性ヒレ部23,24は押し潰されて前壁面部11等に密着する。これによって、目地材20は、浴槽14のフランジ部14aと前壁面部11等の壁面部との間に固定される。なお、差込部22の下部側部分は、フランジ部14aと前壁面部11等との隙間を通過して前壁面部11等に沿った状態になる。また、弾性接着剤26が、表面シール部21の浴槽密接部21aとフランジ部14aの上面との間から外部に押し出された場合には、その外部に押し出された弾性接着剤26は拭き取る。
【0026】
また、差込部22が、浴槽14のフランジ部14aと前壁面部11等との間に差し込まれることによって、表面シール部21の浴槽密接部21aはフランジ部14aの上面に密接するとともに、壁面密接部21bは前壁面部11等に密接して、フランジ部14aの上面縁部と前壁面部11等との間がシールされる。このシール状態は、目地材20が、浴槽14のフランジ部14aと前壁面部11等との間に固定されることによって維持される。また、カウンター16と右壁面部15との間に生じる隙間にも同様にして目地材20を取り付ける。これによって、目地材の取付構造を形成することができる。
【0027】
このように、本実施形態に係る目地材の取付構造で用いられる目地材20は、表面シール部21、差込部22および弾性ヒレ部23,24で構成されている。そして、表面シール部21は、フランジ部14aの表面側部分に沿って設置されて、フランジ部14aの上端縁部と前壁面部11等との間を塞ぎ、差込部22は、フランジ部14aと前壁面部11等との隙間に差し込まれて、フランジ部14aの側面と前壁面部11等とに圧接して表面シール部21を適正位置に配置する。
【0028】
また、差込部22のフランジ部14a側の面には、凹部25が形成されており、この凹部25の上下方向の幅は、フランジ部14aの上下方向の長さよりも短くなっている。このため、凹部25の内面とフランジ部14aの側面とには略密閉された空間が形成される。そして、その空間部内に弾性接着剤26が充填されるため、フランジ部14aと差込部22とは弾性接着剤26によって接着固定される。また、弾性接着剤26の余剰分は、表面シール部21の浴槽密接部21aとフランジ部14aの上面との間に押し込まれ、浴槽密接部21aとフランジ部14aの上面とを接着固定する。
【0029】
このため、浴槽14に上下方向の変位が生じたり、目地材20に膨張収縮が生じたりしても、目地材20がフランジ部14aの変位にしたがって移動したり、弾性接着剤26で形成される接着剤層が変形したりするため、目地材20が隙間から浮き上がることはない。また、凹部25の深さを全体にわたって同一にして、弾性接着剤26で形成される接着剤層の厚みが均一になるようにしたため、フランジ部14aと差込部22との接着強度にむらが生じなくなる。これによって、目地材20がフランジ部14aにより強固に接着されて、目地材20が隙間から浮き上がることをより確実に防止できる。
【0030】
さらに、差込部22における凹部25の下方に突部22bを設けることによって、その下部に、下方よりも上方が浴槽14側に突出する段部22cが形成されている。このため、この段部22cをフランジ部14aの上面と側面との角部に当てた状態で、目地材20をフランジ部14aに位置決めし、凹部25に弾性接着剤26を充填したのちに、差込部22を隙間に押し込むことができる。このため、差込部22を隙間に押し込む際に、弾性接着剤26が他の部分に付くことを防止できるとともに、目地材20を取り付けるときの作業性が向上する。
【0031】
図6は、本発明の他の実施形態に係る目地材30を示している。この目地材30では、凹部35の上下方向の中央に、凹部35の下方に形成された突部32bと同じ大きさの突部31が形成されている。この目地材30のそれ以外の部分の構成は、前述した目地材20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は、省略する。この目地材30によると、目地材30の差込部22を、フランジ部14aと前壁面部11等との間に差し込んだときに、突部31が変形防止部材として機能し、凹部35の潰れ(凹部35の深さが減少する)を抑制するため、弾性接着剤26で形成される接着剤層の厚みを適正にできる。この目地材30のそれ以外の作用効果は、前述した目地材20と同様である。
【0032】
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る目地材40を示している。この目地材40では、凹部45の内面における上下方向に延びる部分が凹凸を形成された粗面で構成されている。この目地材40のそれ以外の部分の構成は、前述した目地材20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して、説明を省略する。この目地材40によると、被着面である凹部45を粗面にしているので接着強度を高めることができる。この目地材40のそれ以外の作用効果は、前述した目地材20と同様である。
【0033】
また、本発明に係る目地材は、前述した実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。例えば、前述した実施形態では、弾性接着剤26として、変性シリコーン樹脂をベースとする弾性接着剤や、エポキシ変性シリコーン系弾性接着剤を用いているが、この弾性接着剤26としては、これ以外のものを用いることもできる。また、前述した実施形態では、2つの弾性ヒレ部23,24を設けているが、この弾性ヒレ部は、1つでもよいし3つ以上であってもよい。また、弾性ヒレ部は省略してもよい。さらに、図6に示した目地材30では、突部31を1つだけ設けているが、この突部は、上下に間隔を保って複数設けてもよい。また、目地材20,30,40を構成する各部分の形状等についても適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0034】
11…前壁面部、14…浴槽、14a…フランジ部、15…右壁面部、20,30,40…目地材、21…表面シール部、22…差込部、22c…段部、25,35,45…凹部、26…弾性接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽フランジと前記浴槽フランジに隣接する壁面部との隙間に取り付けられる目地材の取付構造であって、
前記目地材は、
前記浴槽フランジの表面側部分に沿って設置される表面シール部と、
前記表面シール部から前記隙間の内部側に向って延び、前記浴槽フランジ側に凹部が形成された差込部とを有し、
前記凹部の上下方向の幅が前記浴槽フランジの上下方向の長さよりも短く設定されて、前記凹部の内面と前記浴槽フランジの側面との間に空間部が形成され、前記空間部に接着剤が充填されていることを特徴とする目地材の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の目地材の取付構造に用いられる目地材であって、
前記浴槽フランジの表面側部分に沿って設置される表面シール部と、
前記表面シール部から前記隙間の内部側に向って延び、前記浴槽フランジ側に凹部が形成された差込部とを有し、
前記凹部の上下方向の幅が前記浴槽フランジの上下方向の長さよりも短く設定されている目地材。
【請求項3】
前記凹部の深さが前記凹部全体にわたって略同一になっている請求項2に記載の目地材。
【請求項4】
前記差込部における前記凹部の下方に、下方よりも上方が浴槽側に突出する段部を形成した請求項2または3に記載の目地材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−245135(P2012−245135A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118732(P2011−118732)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(392008529)ヤマハリビングテック株式会社 (349)
【Fターム(参考)】