説明

目的位置までの経路を決定するためのシステム及び方法

【課題】改善された目的位置への経路決定のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】第1の装置12は、現在位置と目的位置とを、第2の装置14に送信する。そして、第1の装置は、第2の装置からN個(N≧3)の地点についてのデータを受信する。N個の地点は、現在位置、目的位置、及び1個以上の現在位置と目的位置との間の望ましい経路上の地点を示す。第1の装置12は、第1のデータベースの第1の情報から、N個の地点に関して、それぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定する。見つけることができないリンクに関して、第1の装置は、第2の装置にM個の地点を要求する。このM個の地点は、2地点間を結ぶための地点を示す。第1の装置は、N個の地点、第1のデータベースの第1の情報、及びM個の地点に基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに関するものであり、より具体的には、目的位置までの経路を決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の背景技術の説明は、全体として、本発明の背景を提示するとの目的のためのものである。出願時の公知技術としてみなされない説明はもちろん、この背景技術のセクションに記述された程度まで、本願発明者らによる探求により得られた成果は、明示的にも暗示的にも、本発明に対する公知技術として了承されたものではない。
【0003】
ナビゲーションシステムは、ユーザに目的位置までの経路を提供することができるものである。その経路は、一連の方向と対応する距離とを含む。また、ナビゲーションシステムは、車両用ナビゲーションシステムや、携帯型のナビゲーションシステムを含む。例えば、車両用ナビゲーションシステムは、運転者に、対応する曲がり角とともに、一連の対応する道路の距離を含む経路を提供する。ナビゲーションシステムは、記憶された情報に基づいて、目的位置までの経路を決定する。例えば、記憶された情報とは、データベースにおける地理的なデータである。
【0004】
ただし、ナビゲーションシステムは、目的位置(及び現在位置)を別の装置に送信しても良い。なお、現在位置は、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)を用いて決定される。その別の装置は、望ましい経路を決定し、その望ましい経路をナビゲーションシステムに返送する。すると、ナビゲーションシステムは、ユーザに対して、その経路を表示する。例えば、その別の装置は、第三者によるサービスプロバイダである。
【0005】
また、例えば特許文献1には、サーバが、端末側で経路探索、経路案内、マップマッチングの処理が可能な地図フォーマットに加工して、端末に配信する地図情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−296058号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明によるシステムは、第1のモジュールを含み、当該第1のモジュールは、離間装置からN個(N≧3)の地点のデータを受信する。N個の地点データは、(i)現在位置、(ii)目的位置、及び(iii)現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すものである。ただし、離間装置から受信するのは、現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すデータのみとしても良い。第2のモジュールが、システムの第1のデータベースにおける第1の情報から、N個の地点データにおけるそれぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定する。第3のモジュールが、N−1個のリンクの中の見つけることができない各リンクに対して、離間装置から、M個(M≧1)の地点データを受信する。M個の地点データは、見つからないリンクに関連付けられる、N個の地点の中の2地点間の経路上の地点を示すものである。第4のモジュールは、N個の地点データ、第1のデータベースの第1の情報、及びN−1個のリンクの中の見つからないリンクについて受信されたM個の地点データに基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成する。
【0008】
本発明による方法は、離間装置からN個の地点のデータを受信するステップを含む。N個の地点データは、(i)現在位置、(ii)目的位置、及び(iii)現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すものである。なお、Nは3以上の整数である。ただし、離間装置から受信するのは、現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すデータのみとしても良い。また、本発明による方法は、第1のデータベースにおける第1の情報から、N個の地点データにおけるそれぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定するステップ、及び、N−1個のリンクの中の見つけることができない各リンクに対して、離間装置から、M個の地点データを受信するステップを含む。なお、Mは1以上の整数であり、M個の地点データは、見つからないリンクに関連付けられる、N個の地点の中の2地点間の経路上の地点を示すものである。さらに、本発明による方法は、N個の地点データ、第1のデータベースの第1の情報、及びN−1個のリンクの中の見つからないリンクについて受信されたM個の地点データに基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成するステップを含む。
【0009】
本発明のさらなる適用範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかとなる。ただし、その詳細な説明及び特定の例は、説明のみを目的とすることが意図され、本発明の範囲を制限することは何ら意図されないことが理解されるべきである。また、本発明は、以下の詳細な説明及び添付図面から、より完全に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態による通信システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による通信システムのより詳しい構成を示す機能ブロック図である。
【図3A】本発明の実施形態による、経路生成方法を説明するための説明図である。
【図3B】本発明の実施形態による、経路生成方法を説明するための説明図である。
【図3C】本発明の実施形態による、経路生成方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態による、目的位置までの経路を決定するための方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による、目的位置までの経路を決定するための別の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記載は、本質的に、単なる説明のためのものであって、本発明の開示内容、その適用や使用を制限することを僅かながらも意図するものではない。明確さのため、同じ参照番号が、類似する要素を特定するために図面等において使用される。本明細書において使用された、A,B,Cの少なくとも1つとのフレーズは、非排他的な論理的ORを用いて、AorBorCの論理を意味し、さらに、複数の要素を同時に用いることを排除しないことを意味するものと解釈されるべきものである。また、方法における各ステップは、本発明の原理を変更しない限り、異なる順序で実行されても良いことが理解されるべきである。
【0012】
本明細書において、モジュールとの用語は、特定用途向けIC(ASIC)、電子回路、組み合わせ論理回路、書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ(共用、専用、あるいは集合)、説明される機能を提供する他の適当な構成、もしくは、システムオンチップのような、上述した構成のいくつかもしくはすべての組み合わせの、一部又は全体の構成を含むものとして使用されている。また、モジュールとの用語はプロセッサによって実行されるコードを記憶するメモリ(共用、専用、あるいは集合)を含むものでもある。
【0013】
上記において使用された、コードとの用語は、ソフトウエア、ファームウエア、及び/又はマイクロコードを含み、プログラム、ルーチン、機能、クラス、及び/又はオブジェクトまで言い及ぶものである。また、上記の共用との用語は、複数のモジュールからの幾つか若しくは全てのコードが単一の(共用された)プロセッサを用いて実行されることを意味する。さらに、複数のモジュールからの幾つか若しくは全てのコードが、単一の(共用された)メモリに記憶されることも意味する。集合との用語は、単一のモジュールからの幾つかの若しくは全てのコードが複数のプロセッサのグループを用いて実行されることを意味する。さらに、単一のモジュールからの幾つかの若しくは全てのコードが複数のメモリのグループを用いて記憶されることを意味する。
【0014】
本明細書の装置及び方法は、1つあるいはそれ以上のプロセッサによって実行される1つあるいはそれ以上のコンピュータプログラムによって実行されるものである。コンピュータプログラムは、固定の実体的なコンピュータ読み出し可能媒体に記憶された、プロセッサが実行可能な命令を含むものである。コンピュータプログラムは、記憶されたデータも含むものであっても良い。固定の実態的なコンピュータ読み出し可能媒体の非制限的な例は、不揮発性メモリ、磁気メモリ、光メモリである。
【0015】
各装置は位置データを送信し、及び/又は受信するように構成されている。位置データは、グローバルポジションシステム(GPS)を用いて決定される。例えば、第1の装置は、その現在位置と目的位置とを、当該第1の装置から離れたところにある第2の装置(離間装置)に送信する。すると、第2の装置(例えば、第三者であるサービスプロバイダ)は、現在位置から目的位置までの望ましい経路を決定する。このとき、第2の装置は、第2のデータベースの情報を用いて望ましい経路を決定する。例えば、第1の装置は車両内にあり、経路は、対応する曲がり角とともに、一連の対応する道路の距離を含むものであっても良い。ただし、第1の装置は携帯式の装置のような別の装置であっても良く、それゆえ、経路は、異なる情報を含むものであっても良い。
【0016】
第2の装置は、第1の装置に望ましい経路を送信する。しかしながら、送信帯域幅を減少させるために、第2の装置は、望ましい経路に沿って、いくつかの地点を選択し、それらの地点を第1の装置に送信する。例えば、それらの地点としては、決断が必要となる重要な位置(例えば、多数の選択肢を持つ交差点など)が選択される。すると、第1の装置は、それらの地点及び第1のデータベースの情報に基づいて経路を生成(再構成)する。しかしながら、第1のデータベースの情報は、第2のデータベースの情報と異なっている可能性がある。例えば、第1のデータベースは、2つの地点を接続する情報を有していないかもしれない。そのため、第1の装置は、経路を生成するとき、適切な経路を生成し得ない虞がある。適切な経路を生成できないと、ユーザが道に迷う原因となりうる(例えば、交差点において、どちらに進むべきか判らないなど)。
【0017】
そこで、本実施形態では、改善された目的位置への経路決定のためのシステム及び方法が提供される。そのシステム及び方法は、現在位置と目的位置とを、遠隔装置(第2の装置)に送信する。そして、システム及び方法は、遠隔装置からN個(N≧3)の地点についてのデータを受信する。N個の地点は、現在位置、目的位置、及び1個以上の現在位置と目的位置との間の地点を示す。例えば、現在位置と目的位置との間の1個以上の地点は、第2のデータベースの第2の情報に基づいて遠隔装置によって生成された望ましい経路上の重要地点(決断地点)である。なお、第1の装置において、遠隔装置に送信した現在位置及び目的位置を保持させておき、遠隔装置からは、現在位置と目的位置との間の地点に関するデータのみを送信させることも可能である。
【0018】
システム及び方法は、第1のデータベースの第1の情報から、N個の地点に関して、それぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定する。それぞれ判定された見つけることができないリンクに関して、システム及び方法は、遠隔装置にM個の地点を要求する。このM個の地点は、N個の地点の内、見つけることができないリンクで関連付けられる2地点間を結ぶための地点を示すものである。そして、システム及び方法は、N個の地点、第1のデータベースの第1の情報、及びN−1のリンクの中で見つけることができないリンクに関して受信したM個の地点に基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成する。
【0019】
さらに、遠隔装置との通信が失敗したとき(例えば、無線接続の失敗など)、もしくはユーザが、システム(方法)により、第1のデータベースの第1の情報のみを使用して経路を生成することを選択したとき(つまり、見つけることができない各々のリンクのための追加的なM個の地点を用いないことを選択したとき)、システム及び方法は、N個の地点と、第1のデータベースの第1の情報とに基づいて経路を生成しても良い。この場合、例えば、システム及び方法は、望ましい経路よりも長い距離の経路(つまり、見つからないリンクを迂回した経路)を生成する。最後に、システム及び方法は、生成した経路を(例えば、音声及び/又は映像を介して)ユーザに対して出力する。
【0020】
図1を参照すると、通信システム10の一例が示されている。通信システム10は、第1の装置12と、その第1の装置12と離間した位置に置かれる第2の装置14とを有している。第1の装置12及び第2の装置14は、無線通信路16を介して互いに通信する。第1の装置12は、車両用ナビゲーションシステムや携帯式ナビゲーション装置のようなナビゲーションシステムである。ただし、第1の装置12は、別の適当な型式のナビゲーションシステム/装置であっても良い。第1の装置12は、その現在位置を決定するために、グローバルポジショニングシステム(GPS)を使用する。第2の装置14は、第三者による、ナビゲーション情報/サービスのサービスプロバイダである。例えば、第2の装置14は、離れた位置に置かれたサーバである。さらに、無線通信路16は、無線周波数(RF)の周波数帯である。ただし、無線通信路16は、別の適当な型式の無線通信チャンネルであっても良い。
【0021】
図2を参照すると、通信システム10のより詳細な構成が示されている。具体的には、第1の装置12及び第2の装置14が、より詳細に示されている。第1の装置12は、第1の制御モジュール20、第1の通信モジュール22、及び第1のデータベース24を有する。同様に、第2の装置14は、第2の制御モジュール30、第2の通信モジュール32、及び第2のデータベース34を有する。
【0022】
第1の制御モジュール20は、ユーザと通信する。具体的には、ユーザは、第1の制御モジュール20に対して、目的位置(施設、住所など)を入力する。例えば、ユーザは、車両の運転者である。ユーザは、音声コマンド、及び/又は物理的な入力装置(例えば、タッチパッドやタッチスクリーン)を介して、目的位置を入力する。第1の制御モジュール20は、その目的位置を第1の通信モジュール22に送る。
【0023】
第1の通信モジュール22は、無線通信路16を介して、第2の装置14へ目的位置を送信する。例えば、第1の通信モジュール22は、無線通信路16を通じて、情報を送信し、受信するためのトランシーバーを有する。第1の通信モジュール22は、無線通信路16を介して、第2の装置14に、第1の装置12の現在位置も送信する。例えば、第1の装置12の現在位置は、GPSシステムを用いて決定され得る。
【0024】
第2の装置14も、第1の装置12と同様に、第2の制御モジュール30、第2の通信モジュール32、及び第2のデータベース34を有する。第2の通信モジュール32は、無線通信路16を介して、目的位置、及び第1の装置12の現在位置を受信する。例えば、第2の通信モジュール32は、無線通信路16を通じて、情報を送信し、受信するためのトランシーバーを有する。第2の通信モジュール32は、受信した目的位置、及び第1の装置12の現在位置を、第2の制御モジュール30に送る。
【0025】
第2の制御モジュール30は、第1の装置12の現在位置から目的位置までの望ましい経路を生成する。具体的には、第2の制御モジュール30は、第2のデータベース34の情報を用いて望ましい経路を生成する。第2のデータベース34は、2つの地点間の経路を生成する際に使用される地理的な情報を含んでいる。例えば、第2のデータベース34は、小道、道路、ハイウエイなどの情報を含んでいる。ただし、第2のデータベース34は、他の適切な形式の地理的情報を含むものであっても良い。
【0026】
望ましい経路を生成した後、第2の制御モジュール30は、第1の装置12への返送のために、望ましい経路に沿って複数の地点を決定する。複数の地点の送信は、望ましい経路全体の送信に比較して、帯域幅を削減可能である。具体的には、第2の制御モジュール30は、望ましい経路に沿ってN個(N>1)の地点を選択する。なお、第1の装置12に送信するN個の地点には、現在位置、目的位置、及び現在位置と目的位置との間にある1つ以上の地点が含まれる(N≧3)。地点の各々は、例えば緯度、経度の組み合わせによって示される。
【0027】
第2の制御モジュール30は、N個の地点の各々が、決断が必要とされる重要な位置となるように、N個の地点を選択する。例えば、N個の地点の各々は、ユーザが多数の異なる方向に進むことができる交差点となるように、第2の制御モジュール30は、N個の地点を選択する。ただし、第2の制御モジュール30は、他の適切な方法に従って、N個の地点を選択するようにしても良い。
【0028】
第2の通信モジュール32は、第2の制御モジュール30から、N個の地点を示すデータを受け取る。そして、第2の通信モジュール32は、無線通信路16を介して、第1の装置12に、N個の地点データを送信する。さらに、第2の通信モジュール32は、例えばN個の個数などの追加データを第1の装置12に送信しても良い。例えば、N個の個数は、第1の装置12に送信される第1報のデータであっても良い。N個の個数により、どれくらいの数の地点が送信されるかを第1の装置12に通知することができるためである。第1の通信モジュール22は、無線通信路16を介して、N個の地点データ及び追加データを受信する。第1の通信モジュール22は、受信したN個の地点データを第1の制御モジュール20に送出する。
【0029】
第1の制御モジュール22は、N個の地点データに基づいて経路を生成する。換言すれば、第1の制御モジュール20は、第2の制御モジュール30によって生成された望ましい経路を再構成するよう試みる。
【0030】
なお、第2の装置14から第1の装置12へ送信されるN個の地点データには、現在位置及び目的位置を含まなくても良い。この場合、第1の装置12において、第2の装置14に送信した現在位置及び目的位置を保持しておけば、第2の装置14から、現在位置と目的位置との間の地点に関するデータを取得するだけで、現在位置から目的位置へ達する経路の再構成を行うことができる。
【0031】
しかしながら、第2のデータベース34における情報は、第1のデータベース24における情報と異なる場合がある。例えば、第1のデータベース24は、N個の地点の中の2個の地点を接続する情報を含んでいないかもしれない。図3Aは、一例として、見つけることができないリンクを示している。図3Aにおいて、望ましい経路40は、現在位置42と目的位置44との間の、4個の地点(N=4)によって分割されている。4個の地点は、それぞれ、(現在位置42から目的位置44へ向かって)参照番号46,48,50,52によって示されている。見つからないリンクは、4番目の地点52と目的位置44との間にある。換言すると、第1のデータベース24は、この経路部分を含んでいない。このような状況において、第1の制御モジュール10は、以下の(1)もしくは(2)の処理を行う。
【0032】
(1)第1の制御モジュール20は、第2の装置14に、追加の地点を要求する。具体的には、第1の制御モジュール20は、見つからないリンクを持つ2個の地点(例えば、地点52と目的位置44)を第1の通信モジュール22に送る。第1の通信モジュール22は、その2個の地点を第2の装置14に送信する。第1の通信モジュール22は、その2個の地点間の距離のような他の情報、つまり、追加の情報を送信しても良い。第2の通信モジュール32は、2個の地点及びすべての追加の情報を受信し、その受信データを第2の制御モジュール30に送る。
【0033】
すると、第2の制御モジュール30は、受信された2個の地点間の望ましい経路に沿ってM個(M>1)の地点を選択する。ただし、M個のポイントは、重要な位置に相当するものである必要はない。例えば、M個の地点の各々は、2個の地点間において、互いに等距離にあるものであっても良い。また、図3Bに示されるように、コーナーの頂点に相当する地点であっても良い。図3Bは、2個の地点(52と44)間の望ましい経路に沿った、追加の3個の地点(M=3)を示している。第2の制御モジュール30は、第2の通信モジュール32にM個の地点を送る。すると、第2の通信モジュール32は、第1の装置12にM個の地点を返送する。
【0034】
第1の通信モジュール22は、そのM個の地点を受信する。すると、第1の制御モジュール20は、そのM個の地点に基づいて、見つからないリンクを持つ2個の地点間のサブ経路を生成する。例えば、図3Bに示されるように、参照番号60,62,64によって表された3個の地点(M=3)を順番に結んだ経路が、現在位置から目的位置までの経路として生成されている経路を完成させるために使用される。換言すれば、第1の制御モジュール20は、N個の地点と、見つからないリンクにそれぞれ関連付けられたM個の地点とに基づいて経路を生成する。そして、第1の制御モジュール22は、ユーザに経路を出力する。例えば、経路は、音声及び/又は映像を介してユーザに提示される。
【0035】
(2)もしくは、第1の制御モジュール20は、第1のデータベース24内の情報を使用して、生成した経路を完成させるようにしても良い。例えば、第1の制御モジュール20は、見つからないリンクを持つ2個の地点間において、その2個の地点間の望ましい経路よりも長く、非効率な経路を生成しても良い。図3Cは、地点52から目的位置44までの見つからないリンクの周囲に、代わりに生成された経路を示している。図示されるように、第1の制御モジュール20は、参照番号70、72によって表された既知の経路(つまり、第1のデータベースの情報から得られる経路)を用いて、経路を生成する。さらに、例えば、第1の制御モジュール20は、第1の装置12と第2の装置14との通信が不通であるとき(例えば、無線通信路16が切断されたとき)、経路全体を生成するようにしても良い。付加的に、もしくは代わりに、ユーザは、第2の装置14に追加のM個の地点を要求せずに、経路全体の生成を完了するよう第1の制御モジュール20に指示可能としても良い。
【0036】
図4を参照すると、目的位置までの経路を決定するための方法の一例が示されており、それは、ステップ100から始まる。ステップ100では、第1の装置12が、(ユーザによって入力された)目的位置及び現在位置を第2の装置14に送信する。ステップ104では、第2の装置14からN個の地点データが受信されたかどうかを、第1の装置12が判定する。例えば、第1の装置12は、最初にN個の個数を示すデータを受信しておくことで、その後、N個の地点データが受信されたかどうかを判定することができる。N個の地点データが受信されないと判定されると、ステップ108の処理に進む。一方、N個の地点データが受信されたと判定されると、ステップ112の処理に進む。ステップ108では、タイムアウトしたかどうかを、第1の装置12が判定する。このとき、例えば、第1の装置12は、N個の地点データを受信することなく、所定期間が経過したかどうかを判定する。タイムアウトしたと判定した場合、図4のフローチャートに示される処理は終了する。タイムアウトしていないと判定した場合、ステップ104の処理に戻る。
【0037】
ステップ112では、第1の装置12が、ノード(i)とノード(i+1)との間にリンクが存在するかどうかを判定する。例えば、第1の装置12は、最初に変数iを1に初期化し、そして、N個の地点データの最初の地点(ノード(i))から、N個の地点データの次の地点(ノード(i+1))へのリンクがあるかどうかを判定する。このとき、第1の装置12は、第1のデータベース24を用いて、リンクの存在を判定する。もしリンクが存在しない場合(すなわち、見つけられないリンクである場合)、ステップ116の処理に進む。一方、リンクが存在する場合には、ステップ124の処理に進む。
【0038】
ステップ116では、第1の装置12は、さらにM個の地点についてのデータを第2の装置14に要求する。この場合、M個の地点は、見つからないリンクを持つ2個の地点(ノード(i)とノード(i+1))間に位置する地点である。ステップ120では、M個の地点データが受信されたかどうかを、第1の装置12が判定する。M個の地点データが受信されていない場合、ステップ120の処理を再度実行する。一方、M個の地点データが受信された場合、ステップ124の処理に進む。ステップ124では、第1の装置12が、変数iがNに等しいかどうかを判定する。もし等しくなければ、ステップ128の処理に進む。一方、等しければ、ステップ132の処理に進む。
【0039】
ステップ128では、第1の装置12は、変数iを1だけインクリメントする(i=i+1)。換言すると、処理対象を、次のリンクに移行させる。そのため、ステップ112の処理に戻り、次のリンクの存在を判定する。ステップ132では、第1の装置12が経路を生成し、その生成した経路をユーザに出力する。この場合、生成した経路は、N個の地点データを接続したものと、N個の地点データ間において見つからないリンクのために第2の装置14から受信したM個の地点データを接続したものとを含む。そして、図4のフローチャートに示す処理が終了する。
【0040】
次に、図5のフローチャートを参照すると、目的位置までの経路を決定するための方法の別の一例が示されており、それは、ステップ150から始まる。ステップ150では、第1の装置12が、(ユーザによって入力された)目的位置及び現在位置を第2の装置14に送信する。ステップ154では、第2の装置14からN個の地点データが受信されたかどうかを、第1の装置12が判定する。例えば、第1の装置12は、最初にN個の個数を示すデータを受信しておくことで、その後、N個の地点データが受信されたかどうかを判定することができる。N個の地点データが受信されないと判定されると、ステップ158の処理に進む。一方、N個の地点データが受信されたと判定されると、ステップ162の処理に進む。ステップ158では、タイムアウトしたかどうかを、第1の装置12が判定する。このとき、例えば、第1の装置12は、N個の地点データを受信することなく、所定期間が経過したかどうかを判定する。タイムアウトしたと判定した場合、図5のフローチャートに示される処理は終了する。タイムアウトしていないと判定した場合、ステップ154の処理に戻る。
【0041】
ステップ162では、第1の装置12が、ノード(i)とノード(i+1)との間にリンクが存在するかどうかを判定する。例えば、第1の装置12は、最初に変数iを1に初期化し、そして、N個の地点データの最初の地点(ノード(i))から、N個の地点データの次の地点(ノード(i+1))へのリンクがあるかどうかを判定する。このとき、第1の装置12は、第1のデータベース24を用いて、リンクの存在を判定する。もしリンクが存在しない場合(すなわち、見つけられないリンクである場合)、ステップ166の処理に進む。一方、リンクが存在する場合には、ステップ182の処理に進む。
【0042】
ステップ166では、第1の装置12が、(例えば、無線通信路16の切断により)第1の装置12と第2の装置14との通信が不通であるかどうか、あるいはユーザが自己生成(つまり、見つからないリンクに対するM個の地点データのセットを要求せずに、第1のデータベース24を用いて経路を生成すること)を選択したかどうかを判定する。通信が不通であったり、ユーザが自己生成を選択したりした場合には、ステップ170の処理に進む。一方、それらに該当しない場合、ステップ174の処理に進む。ステップ170では、第1の装置12は、見つからないリンクを持つ2個の地点(ノード(i)とノード(i+1))間のサブ経路を自身で(すなわち、第1のデータベース24の情報を用いて)生成する。その後。ステップ182の処理に進む。
【0043】
ステップ174では、第1の装置12は、さらにM個の地点についてのデータを第2の装置14に要求する。この場合、M個の地点は、見つからないリンクを持つ2個の地点(ノード(i)とノード(i+1))間に位置する地点である。ステップ178では、M個の地点データが受信されたかどうかを、第1の装置12が判定する。M個の地点データが受信されていない場合、ステップ178の処理を再度実行する。一方、M個の地点データが受信された場合、ステップ182の処理に進む。ステップ182では、第1の装置12が、変数iがNに等しいかどうかを判定する。もし等しくなければ、ステップ186の処理に進む。一方、等しければ、ステップ190の処理に進む。ステップ186では、第1の装置12は、変数iを1だけインクリメントする(i=i+1)。換言すると、処理対象を、次のリンクに移行させる。そのため、ステップ162の処理に戻り、次のリンクの存在を判定する。ステップ190では、第1の装置12が経路を生成し、その生成した経路をユーザに出力する。この場合、生成した経路は、N個の地点データを接続したものと、N個の地点データ間において見つからないリンクのために第2の装置14から受信したM個の地点データを接続したものとを含む。そして、図5のフローチャートに示す処理が終了する。
【0044】
本発明の広範な教示は、種々の形態で実施されえるものである。本明細書では、特定の例について記載しているが、他の変形例は図面、明細書、及び特許請求の範囲の内容から、当業者にあきらかとなるので、本発明の真の範囲は、そのようなものに限定されるべきものではない。
【符号の説明】
【0045】
12 第1の装置
14 第2の装置
20 第1の制御モジュール
22 第1の通信モジュール
23 第1のデータベース
30 第2の制御モジュール
32 第2の通信モジュール
33 第2のデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間装置からN個の地点のデータを受信するものであって、そのN個の地点データは、少なくとも現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すものである第1のモジュールと、
第1のデータベースにおける第1の情報から、現在位置及び目的位置を含むN個の地点データにおけるそれぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定する第2のモジュールと、
N−1個のリンクの中の見つけることができない各リンクに対して、前記離間装置から、M個(M≧1)の地点データを受信するものであって、そのM個の地点データは、見つからないリンクに関連付けられる、N個の地点の中の2地点間の経路上の地点を示すものである第3のモジュールと、
N個の地点データ、第1のデータベースの第1の情報、及びN−1個のリンクの中の見つからないリンクについて受信されたM個の地点データに基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成する第4のモジュールと、を備えることを特徴とする経路を決定するためのシステム。
【請求項2】
前記第1のモジュールが受信するN個の地点データには、現在位置及び目的位置が含まれることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ユーザから入力された目的位置を受信する第5のモジュールを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
目的位置と現在位置とを前記離間装置に送信する第6のモジュールを備えることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記離間装置は、前記目的位置、前記現在位置、及び第2のデータベースの第2の情報に基づいて、望ましい経路を生成することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記離間装置は、望ましい経路に基づいてN個の地点を選択するものであり、N個の地点のそれぞれは、望ましい経路において、進路の決断が必要となる位置に定められることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
ユーザによって選択されたとき、もしくは前記離間装置との通信が不通であるときに、前記第5のモジュールは、前記第3のモジュールを無効とし、N−1個のリンクの中の見つからないリンクについて、N個の地点データの要求及び受信をできなくすることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記第4のモジュールは、前記第3のモジュールが無効にされたとき、前記N個の地点データ及び前記第1のデータベースの第1の情報に基づいて経路を生成することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のデータベースの第1の情報は、前記第2のデータベースの第2の情報と異なることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
生成された経路は、望ましい経路とは異なることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
請求項3に記載のシステムを有する車両であって、前記ユーザは車両の運転者であり、前記離間装置は、第三者のサービスプロバイダであることを特徴とする車両。
【請求項12】
離間装置からN個の地点のデータを受信するものであって、そのN個の地点データは、少なくとも現在位置と目的位置との間の1つ以上の地点を示すものである第1のステップと、
第1のデータベースにおける第1の情報から、現在位置及び目的位置を含むN個の地点データにおけるそれぞれ隣接する一対の地点間のリンクを見つけることができないかどうかを判定する第2のステップと、
N−1個のリンクの中の見つけることができない各リンクに対して、前記離間装置から、M個(M≧1)の地点データを受信するものであって、そのM個の地点データは、見つからないリンクに関連付けられる、N個の地点の中の2地点間の経路上の地点を示すものである第3のステップと、
N個の地点データ、第1のデータベースの第1の情報、及びN−1個のリンクの中の見つからないリンクについて受信されたM個の地点データに基づいて、現在位置から目的位置までの経路を生成する第4のステップと、を備えることを特徴とする経路を決定するための方法。
【請求項13】
前記第1のモジュールが受信するN個の地点データには、現在位置及び目的位置が含まれることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザから入力された目的位置を受信する第5のステップを備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
目的位置と現在位置とを前記離間装置に送信する第6のステップを備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記離間装置は、前記目的位置、前記現在位置、及び第2のデータベースの第2の情報に基づいて、望ましい経路を生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記離間装置は、望ましい経路に基づいてN個の地点を選択するものであり、N個の地点のそれぞれは、望ましい経路において、進路の決断が必要となる位置に定められることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ユーザによって選択されたとき、もしくは前記離間装置との通信が不通であるときに、前記第5のステップは、前記第3のステップを無効とし、N−1個のリンクの中の見つからないリンクについて、N個の地点データの要求及び受信をできなくすることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第4のステップは、前記第3のステップが無効にされたとき、前記N個の地点データ及び前記第1のデータベースの第1の情報に基づいて経路を生成することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のデータベースの第1の情報は、前記第2のデータベースの第2の情報と異なることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
生成された経路は、望ましい経路とは異なることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法を実行する車両であって、前記ユーザは車両の運転者であり、前記離間装置は、第三者のサービスプロバイダであることを特徴とする車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−202992(P2012−202992A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58989(P2012−58989)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(500164385)デンソー インターナショナル アメリカ インコーポレーテッド (49)
【Fターム(参考)】