説明

目的地案内方法およびシステム

【課題】予約管理サーバの負荷を軽減し、目的地案内サービスの安定した提供を可能とする。
【解決手段】利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、携帯端末1は予約管理サーバ2に対し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を送信し、予約管理サーバ2は、携帯端末1より当該携帯端末1の現在地の位置情報を受信すると、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報、ここでは座席位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2より携帯端末1の現在地の位置情報と、座席位置情報を予約管理サーバ2より受信すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を予約管理サーバ2ヘ送信し、予約管理サーバ2は、経路検索サーバ2より受信した経路検索結果を、携帯端末へ送信するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、劇場やコンサート会場やスポーツ競技場において、広大な観客席において観客が自分の指定席へ到達する場合、印刷された案内図を見ながら自席を探す。しかし、多くの座席を有する会場では、会場内の構成が複雑である場合が多く、その中から自席を探すことはたいへん困難である。なお、場内に設置された案内板を見てから自席を確認し、探することもあるが、多くの観客が集まるため、少ない案内板の前に観客が集中し、案内板を見るのも困難な場合がある。また、劇やコンサートの最中は場内が暗くなるため、手元の案内図を識別するのは困難であり、自席を探すことはよりいっそう困難である。
このような問題点を解決するため、観客が携行する携帯電話あるいはPDA(Personal Digital Assistance)という携帯型の情報端末(両者を含めて以下携帯端末と称す)に自席までの案内図を表示させる座席案内システムあるいはナビゲーションシステムが提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−58057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の座席案内システムでは、システム利用者の認証、座席の予約管理のみならず、携帯端末の現在位置から座席位置までの経路計算、および地図データ作成までもが予約管理サーバにて行われる。このため、多数の観客が短期間に予約管理サーバにアクセスすると、当該予約管理サーバヘ処理依頼が殺到し、通信ネットワークの輻輳が発生し、予約管理サーバによるサービスの安定した提供が困難になる。
また、座席までの道順を案内するためには、会場内の座席位置のみならず、付近の通路や階段、壁面、その他歩行の妨げになる障害物等の詳細な位置情報が必要となる。したがって、予約管理サーバは、すべての会場の詳細な地図情報を常に正確に把握していなければならず、その位置情報データベース量は膨大なものとなり、位置情報データベースの維持、管理が非常に困難である。
【0005】
図6は、従来の目的地案内システムの構成を示す図である。61は携帯端末、62は携帯端末61の通信用アンテナ、63は携帯端末61のモニタ、64は予約管理サーバ、65は予約管理サーバ64の位置情報データベース、66は予約管理サーバ64の地図データ作成部、67は無線の通信ネットワーク、68は携帯端末61から予約管理サーバ64へ送信される携帯端末61の現在位置情報、69は予約管理サーバ64から携帯端末61へ送信される地図データである。
【0006】
本発明の目的は、予約管理サーバの負荷を軽減し、目的地案内サービスの安定した提供を可能とする目的地案内方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、前記携帯端末は前記予約管理サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記予約管理サーバヘ送信し、前記予約管理サーバは、前記経路検索サーバより受信した前記経路検索結果を、前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
【0008】
また、本発明の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、前記携帯端末は前記予約管理サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
【0009】
また、本発明の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、前記携帯端末は前記経路検索サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、前記経路検索サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記予約管理サーバに対して、前記携帯端末の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、前記予約管理サーバより前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
【0010】
また、本発明の目的地案内方法は、前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在し、前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記複数の経路検索サーバのうち、前記携帯端末と物理的に最も近い経路検索サーバに対し、前記携帯端末の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在し、前記携帯端末は、前記複数の経路検索サーバのうち、当該携帯端末に物理的に最も近い前記経路検索サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記複数の経路検索サーバは、それぞれ異なる小規模の無線もしくは有線通信ネットワークに接続されており、これらの小規模な通信ネットワークのそれぞれは、より大親模な無線もしくは有線通信ネットワークを介して前記予約管理サーバと接続されているという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記携帯端末は、前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバに対して、前記利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報および当該利用者を特定する認証情報を併せて送信するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記携帯端末は、前記認証情報を暗号化して送信するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバが前記端末装置に対して送信する前記経路検索結果は、地図情報であるという構成になっている。
また、本発明の目的地案内方法は、前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバが前記端末装置に対して送信する前記経路検索結果は、音声情報であるという構成になっている。
【0011】
また、本発明の目的地案内システムは、利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されているという構成になっている。
【0012】
また、本発明の目的地案内システムは、利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線ないしは有線の通信ネットワークを介して接続されており、前記携帯端末は、前記予約管理サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、前記予約管理サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記予約管理サーバヘ送信し、前記予約管理サーバは、前記経路検索サーバより受信した前記経路検索結果を、前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
【0013】
また、本発明の目的地案内システムは、利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されており、前記携帯端末は、前記予約管理サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、前記予約管理サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
【0014】
また、本発明の目的地案内システムは、利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバとを備え、前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されており、前記携帯端末は、前記経路検索サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、前記経路検索サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記予約管理サーバに対して、前記携帯端末の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、前記予約管理サーバより前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内システムは、前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在するという構成になっている。
また、本発明の目的地案内システムは、前記複数の経路検索サーバは、それぞれ異なる小規模の無線もしくは有線通信ネットワークに接続されており、これらの小規模な通信ネットワークのそれぞれは、より大親模な無線もしくは有線通信ネットワークを介して前記予約管理サーバと接続されているという構成になっている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、予約管理サーバの負荷を軽減し、目的地案内サービスの安定した提供が可能となり、位置情報データベースの維持、管理が容易となる目的地案内方法およびシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1の目的地案内システムの構成を示す図である。本実施の形態1では、目的地案内システムを、観劇、コンサートあるいはスポーツ観戦等のイベント時の座席予約および座席案内に適用した例について説明する。
図1において、1は携帯端末、11は携帯端末1の通信用アンテナ、12は携帯端末1のモニタ、4は無線通信装置、5は無線の通信ネットワーク、2は予約管理サーバ、21は予約管理サーバ2の座席情報データベース、3は経路検索サーバ、31は経路検索サーバ3の地図情報データベースである。
【0017】
本実施の形態1の目的地案内システムは、利用者が携行する携帯端末を操作することにより、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、携帯端末1と電波を介して無線通信可能な無線通信装置4と、特定の場所の利用に対する予約、ここでは座席の予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、予約席の位置情報を格納する座席情報データベース21と、指定された2地点間を結ぶ経路、ここでは携帯端末1の現在地と座席との経路を検索可能な経路検索サーバ3と、地図情報を格納する地図情報データベース31と、無線通信装置4、予約管理サーバ2および経路検索サーバ3とを接続する通信ネットワーク5とで構成されている。
【0018】
〈携帯端末〉
携帯端末1とは、例えば携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)、PDAなどである。あるいは携帯型のパーソナルコンピュータであってもよい。携帯端末1の無線通信機能とは、携帯端末1と無線通信装置4とが、電波を利用して互いにデータを送受信する機能である。例えば携帯電話に内蔵される無線通信機能であってもよい。PDAあるいは携帯型のパーソナルコンピュータに無線通信機能を備えさせるには、例えばPHSカードや無線LANカードという無線通信インタフェース装置を内蔵することにより可能である。また、無線通信インタフェース装置をケーブル等で接続することも可能である。さらには、BluetoothやHomeRFなどのPAN(Personal Area Network)であってもよい。また、無線通信の媒体は、マイクロ波などの電波でもよい。あるいは赤外線などの光であってもよい。
携帯端末1の位置情報提供機能とは、携帯端末1が該携帯端末1の現在地の位置情報を検出し、その位置情報を無線通信機能により遠隔にある予約管理サーバ2もしくは経路検索サーバ3などに送信する機能である。携帯端末1が現在地の位置情報を検出する方法としては、屋外であれば、例えば人工衛星を利用するGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いた方法でもよい。また、屋内であれば、例えば複数の無線LANアクセスポイントから出力される電波を受信し、三辺測量により位置情報を検出する方法でもよい。また、ICタグあるいはRFタグと称されるタグを、利用者が歩行する場所近傍に配置し、携帯端末1がタグに記憶された位置情報を読み取ることにより、現在地の位置情報を検出する方法を採用してもよい。
また、携帯端末1には、地図などの静止画像あるいは動画像を表示させることができるモニタ12が搭載されている。しかし、モニタ12は必ずしも備えてなくてもよい(音声情報による案内も可能であるから)。なお、本発明の目的地案内システムに関わる携帯端末1は、複数であってもよい。その数量については、携帯端末1と無線通信装置4が行う無線通信の方式に依存する。
【0019】
〈無線通信装置〉
無線通信装置4は、携帯端末1との間で無線通信を直接行い、かつ、通信ネットワーク5に接続される装置である。例えば、無線通信システムの親局あるいは親機に相当する。これらは、あるいはアクセスポイントと呼ばれる装置であってもよい。なお、無線通信装置4は、携帯端末1と予約管理サーバ2もしくは経路検索サーバ3との通信の仲介を行う装置であるため、通信ネットワーク5を構成する1つのデバイスと考えることができる。
【0020】
〈通信ネットワーク〉
通信ネットワーク5とは、例えば公衆電話網あるいは携帯電話網であってもよい。また、インターネットや専用線、さらには構内通信網(LAN:Local Area Network)などであってもよい。この通信ネットワーク5の媒体は、有線であっても無線であってもよい。例えば、携帯端末1が予約管理サーバ2にアクセスする方法は、有線あるいは無線による通信回線もしくは通信ネットワーク5を利用したアクセス手段であってもよい。また、携帯端末1、予約管理サーバ2、もしくは経路検索サーバ3が交信する方法に関しても同様の方法であってもよい。携帯端末1の現在地の位置情報を予約管理サーバ2ヘ送信する方法は、例えば、携帯端末1が該携帯端末1の現在地の位置情報を自動で取得し、前記アクセス手段を用いて送信する方法であってもよい。あるいは、利用者が携帯端末1に入力し、前記アクセス手段を用いて送信する方法であってもよい。
【0021】
〈予約管理サーバ〉
予約管理サーバ2は、観劇、コンサートあるいはスポーツ観戦等のイベントが行われる際、観客からの座席予約リクエストを受け付け、当該イベントにおける空席を検索し、当該顧客に指定された数量の空席を割り当て、顧客へ座席予約完了の応答を行うサーバである。ここで、イベントの行われる会場、日時、座席位置、その座席に誰が割り当てられているか、あるいは空席か、といった座席予約に必要な情報は座席情報データベース21に収められている。座席情報データベース21とは、イベントの行われる会場、日時、座席位置、その座席に誰が割り当てられているか、あるいは空席か、といった座席予約に必要な情報の集合である。図1では予約管理サーバ2と座席情報データベース21は異なる装置として図示されているが、座席情報データベース21は、予約管理サーバ2に内蔵されていてもよい。また、図1では予約管理サーバ2と座席情報データベース21は1対1で接続されているように図示されているが、予約管理サーバ2と座席情報データベース21とは、通信ネットワークにより接続されていてもよい。
【0022】
〈経路検索サーバ〉
経路検索サーバ3は、指定された2地点間の経路を検索し、経路検索結果を出力するサーバである。より具体的には、座席案内の例では、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した座席を終点とする経路あるいは道順を、地図情報データベース31から得た地図情報を用いて検索し、経路検索結果を携帯端末1へ送信するサーバである。
経路検索結果は、例えば平面地図上に道順を記したような静止画像、3次元表示された静止画像、携帯端末1の歩行に応じて表示画面を動的に変化させる動画像などであってもよい。さらには、経路検索結果を音声で出力する音声案内などであってもよい。ここで、経路検索結果として携帯端末1の歩行に応じて表示画面を動的に変化させる動画像を用いる場合は、経路検索サーバ3は、携帯端末1あるいは無線通信装置4に近い場所にある方が望ましい。ゆえに、例えば通信ネットワーク5がTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いている場合は、無線通信装置4と経路検索サーバ3は同一LAN内に存在し、予約管理サーバ2は、無線通信装置4あるいは経路検索サーバ3とはインターネットもしくは公衆電話網、専用線などで接続されていてもよい。
【0023】
なお、図1では経路検索サーバ3と地図情報データベース31とは異なる装置として図示されているが、地図情報データベース31は、経路検索サーバ3に内蔵されていてもよい。また、図1では経路検索サーバ3と地図情報データベース31は1対1で接続されているように図示されているが、経路検索サーバ3と地図情報データベース31とは、通信ネットワークにより接続されていてもよい。このようにデータベースが収容されている記憶装置が通信ネットワークにより接続される形態は、一般には、NAS(Network Attached Storage)などとも呼ばれる。なお、地図情報データベース21には、経路検索を行う必要がある場所の地図が格納されている。地図には、例えば屋内であれば、座席のみならず、付近の通路や階段、壁面、その他歩行の妨げになる障害物等が記載されていてもよい。
【0024】
本実施の形態1で例示される構成とすることにより、目的地案内システムにおける座席予約処理と経路検索処理は分散処理されるため、予約管理サーバ2や通信ネットワーク5の輻輳を抑制し、安定した座席案内サービスの提供が可能になる。また、地図情報データベース31が分散されるため、位置情報データベース21の維持、管理が容易となる。
【0025】
《第1の例》
図2は、本実施の形態1において、経路を検索するプロセスの第1の例を示す図である。第1の例の目的地案内システムでは、以下に示す方法により、目的地までの案内を行う。
(1)利用者は携帯端末1を操作して、予約管理サーバ2にアクセスすることにより、座席案内サービスを開始する。携帯端末1は、利用者を特定する認証情報と当該利用者が携行している携帯端末1の現在地の位置情報101を、予約管理サーバ2ヘ送信する。なお、利用者を特定する認証情報とは、例えば固有のID(Identification:識別記号)とパスワードの組であってもよい。また、指紋や声紋などを利用したバイオメトリクス認証であってもよい。また、これ以外でも、携帯端末1を利用するユーザが特定可能で、かつ、無線や有線での通信により情報を送信可能な方法であってもよい。さらには、これらの認証情報は暗号化されて予約管理サーバ2ヘ送信されてもよい。
(2)携帯端末1より経路検索の依頼を受けた予約管理サーバ2は、受信した認証情報を利用して当該利用者を特定するとともに、該予約管理サーバ2と接続されている座席情報データベース21(図1参照)を参照することにより、当該利用者が予約している座席の位置情報を取得する。
【0026】
(3)予約管理サーバ2は、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と利用者が予約している座席の位置情報201を送信するとともに、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者が予約している座席を終点とする経路を検索するよう依頼する。
(4)予約管理サーバ2の依頼を受けた経路検索サーバ3は、該経路検索サーバ3と接続されている地図情報データベース31(図1)を参照することにより、前記条件に対する経路検索を実施する。
【0027】
(5)経路検索サーバ3は、経路検索結果として地図データを作成し、当該地図データ301を予約管理サーバ2ヘ送信する。
(6)予約管理サーバ2は、経路検索サーバ3より受信した地図データ301を携帯端末1へ転送する。
(7)携帯端末1は、受信した地図データ301を該携帯端末1に搭載されているモニタ12に表示させる。
【0028】
上記のように第1の例の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線もしくは有線の通信ネットワーク5を介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、利用者が携帯端末1を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、携帯端末1は予約管理サーバ2に対し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を送信し、予約管理サーバ2は、携帯端末1より当該携帯端末1の現在地の位置情報を受信すると、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報、ここでは座席位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2より携帯端末1の現在地の位置情報と、座席位置情報を予約管理サーバ2より受信すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を予約管理サーバ2ヘ送信し、予約管理サーバ2は、経路検索サーバ2より受信した経路検索結果を、携帯端末へ送信するようになっている。
また、第1の例の目的地案内システムは、利用者が携帯端末1を操作することにより、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線ないしは有線の通信ネットワーク5を介して接続されており、携帯端末1は、予約管理サーバ2に対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を併せて送信し、予約管理サーバ2は、携帯端末1より経路検索の要求を受け付けると、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2より携帯端末1の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を予約管理サーバ2より受信すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を予約管理サーバ2ヘ送信し、予約管理サーバ2は、経路検索サーバ3より受信した経路検索結果を、携帯端末1へ送信するようになっている。
【0029】
また、携帯端末1は、予約管理サーバ2に対して、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報および当該利用者を特定する認証情報を併せて送信するようになっている。また、携帯端末1は、この認証情報を暗号化して送信するようになっている。
さらに、予約管理サーバ2が端末装置1に対して送信する経路検索結果は、地図情報である。あるいは地図情報の代わりに音声情報を用いてもよい。すなわち、本実施の形態1では、経路検索結果として地図データを用いて説明しているが、既に述べているとおり、経路検索結果としては、静止画像、動画像、あるいは案内音声であってもよい。
【0030】
《第2の例》
図2に示した第1の例の目的地案内システムでは、経路検索サーバ3から出力された検索結果は、予約管理サーバ2を介して携帯端末1に送られているが、経路検索サーバ3が直接携帯端末1に検索結果を送信する方法であってもよい。
以下、図3を用いて、経路を検索するプロセスの第2の例について説明する。図3は、本実施の形態1の経路を検索するプロセスの第2の例を示す図である。
(1)利用者は携帯端末1を操作して、予約管理サーバ2にアクセスすることにより、座席案内サービスを開始する。携帯端末1は、利用者を特定する認証情報と当該利用者が携行している携帯端末1の現在地の位置情報101を、予約管理サーバ2ヘ送信する。なお、利用者を特定する認証情報に関しては、上記第1の例と同様の認証情報であってよい。
【0031】
(2)携帯端末1より経路検索の依頼を受けた予約管理サーバ2は、受信した認証情報を利用して当該利用者を特定するとともに、該予約管理サーバ2と接続されている座席情報データベース21(図1)を参照することにより、当該利用者が予約している座席の位置情報を取得する。
(3)予約管理サーバ2は、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と利用者が予約している座席の位置情報201を送信するとともに、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者が予約している座席を終点とする経路を検索するように依頼する。
【0032】
(4)予約管理サーバ2の依頼を受けた経路検索サーバ3は、該経路検索サーバ3と接続されている地図情報データベース31(図1)を参照することにより、前記条件に対する経路検索を実施する。
(5)経路検索サーバ3は、経路検索結果として地図データを作成し、当該地図データ301を直接携帯端末1へ送信する。
(6)携帯端末1は、受信した地図データを該携帯端末1に搭載されているモニタ12に表示させる。
【0033】
上記のように第2の例の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線もしくは有線の通信ネットワーク5を介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、利用者が携帯端末1を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、携帯端末1は予約管理サーバ2に対し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を送信し、予約管理サーバ2は、携帯端末1より当該携帯端末1の現在地の位置情報を受信すると、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2より携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を予約管理サーバ2より受信すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を携帯端末1へ送信するようになっている。
また、第2の例の目的地案内システムは、利用者が携帯端末1を操作することにより、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線もしくは有線の通信ネットワーク5を介して接続されており、携帯端末1は、予約管理サーバ2に対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を併せて送信し、予約管理サーバ2は、携帯端末1より経路検索の要求を受け付けると、経路検索サーバ3に対して、携帯端末1の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2より携帯端末1の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を予約管理サーバ2より受信すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を携帯端末1へ送信するようになっている。
【0034】
また、携帯端末1は、予約管理サーバ2に対して、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報および当該利用者を特定する認証情報を併せて送信するようになっている。また、携帯端末1は、この認証情報を暗号化して送信するようになっている。
さらに、予約管理サーバ2が端末装置1に対して送信する経路検索結果は、地図情報である。あるいは地図情報の代わりに音声情報を用いてもよい。すなわち、本実施の形態1では、経路検索結果として地図データを用いて説明しているが、既に述べているとおり、経路検索結果としては、静止画像、動画像、あるいは案内音声であってもよい。
【0035】
《第3の例》
図2、図3に示した第1、第2の例の目的地案内システムでは、携帯端末1が予約管理サーバ2にアクセスして座席案内サービスを開始しているが、携帯端末1が経路検索サーバ3にアクセスして座席案内サービスを開始させる方法であってもよい。
以下、図4を用いて、経路を検索するプロセスの第3の例を説明する。図4は、本実施の形態1の経路を検索するプロセスの第3の例を示す図である。
(1)利用者は携帯端末1を操作して、経路検索サーバ3にアクセスすることにより、座席案内サービスを開始させる。携帯端末1は、利用者を特定する認証情報と当該利用者が携行している携帯端末1の現在地の位置情報101を、経路検索サーバ3ヘ送信する。なお、利用者を特定する認証情報に関しては、上記第1、第2の例と同様の認証情報であってよい。
【0036】
(2)携帯端末1より経路検索の依頼を受けた経路検索サーバ3は、予約管理サーバ2に対して、携帯端末1の利用者の認証情報302を予約管理サーバ2に送信し、当該利用者が予約している座席の位置情報を要求する。
(3)予約管理サーバ2は、該予約管理サーバ2と接続されている座席情報データベース21(図1)を参照することにより、当該利用者が予約している座席の位置情報を取得し、依頼先である経路検索サーバ3ヘ当該座席の位置情報202を送信する。
【0037】
(4)予約管理サーバ2より利用者が予約している座席の位置情報202を取得した経路検索サーバ3は、該経路検索サーバ3と接続されている地図情報データベース31(図1)を参照することにより、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者が予約している座席を終点とする経路を検索する。
(5)経路検索サーバ3は、経路検索結果として地図データを作成し、当該地図データ301を携帯端末1へ送信する。
(6)携帯端末1は、受信した地図データ301を該携帯端末1に搭載されているモニタ12に表示させる。
【0038】
上記のように第3の例の目的地案内方法は、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線もしくは有線の通信ネットワーク5を介して接続され、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、利用者が携帯端末1を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、携帯端末1は経路検索サーバ3に対し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を送信し、経路検索サーバ3は、携帯端末1より当該携帯端末1の現在地の位置情報を受信すると、予約管理サーバ2に対して、携帯端末1の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、予約管理サーバ2より利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を携帯端末1へ送信するようになっている。
また、第3の例の目的地案内システムは、利用者が携帯端末1を操作することにより、利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末1と、特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバ3とを備え、携帯端末1と予約管理サーバ2と経路検索サーバ3とは、無線もしくは有線の通信ネットワーク5を介して接続されており、携帯端末1は、経路検索サーバ3に対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報を併せて送信し、経路検索サーバ3は、携帯端末1より経路検索の要求を受け付けると、予約管理サーバ2に対して、携帯端末1の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、予約管理サーバ2より利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、携帯端末1の現在地を起点とし、利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を携帯端末1へ送信するようになっている。
【0039】
また、携帯端末1は、経路検索サーバ3に対して、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末1の現在地の位置情報および当該利用者を特定する認証情報を併せて送信するようになっている。また、携帯端末1は、この認証情報を暗号化して送信するようになっている。
さらに、経路検索サーバ3が端末装置1に対して送信する経路検索結果は、地図情報である。あるいは地図情報の代わりに音声情報を用いてもよい。すなわち、本実施の形態1では、経路検索結果として地図データを用いて説明しているが、既に述べているとおり、経路検索結果としては、静止画像、動画像、あるいは案内音声であってもよい。
本実施の形態1によれば、目的地を利用するための予約処理と経路検索処理が分散されるため、予約管理サーバ2の負荷が軽減され、かつ通信ネットワーク5の輻輳が抑制され、安定した目的地案内サービスの提供が可能になる。また、利用者は携帯端末1に現在地あるいは目的地の位置情報を入力する必要がないため、利用者の利便性が向上する。
【0040】
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2の目的地案内システムの構成を示す図である。本実施の形態2においても、目的地案内システムを、観劇、コンサートあるいはスポーツ観戦等のイベント時の座席予約および座席案内に適用した例について説明する。
図5において、6はLAN、7は広域ネットワークである。
本実施の形態2の目的地案内システムは、利用者が携行する無線通信機能および位置情報提供機能を備える携帯端末1と、携帯端末1と電波を介して無線通信可能な複数の無線通信装置4と、座席の予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバ2と、座席情報を格納する座席情報データベース21と、携帯端末1の現在地と座席との経路を検索可能な複数の経路検索サーバ3と、地図情報を格納する複数の地図情報データベース31と、無線通信装置4および1つもしくは複数の経路検索サーバ3とが接続される複数のLAN6と、これら複数のLAN7と予約管理サーバ2とを接続する広域ネットワーク7とで構成されている。
【0041】
携帯端末1、無線通信装置4、予約管理サーバ2、座席情報データベース21、経路検索サーバ3、および地図情報データベース31の具体的な説明については、上記実施の形態1に記載したそれぞれの装置およびデータベースと同様でよい。また、予約管理サーバ2と座席情報データベース21、および経路検索サーバ3と地図情報データベース31との接続形態については、上記実施の形態1に記載した接続形態であってもよい。複数のLAN6は、例えばイベントの行われる会場ごとに異なるLANとしてもよい。この場合、各LAN6内に存在する地図情報データベース31には、その会場内の地図情報のみ格納されていてもよい。これにより、位置情報データベース31の維持、管理が容易となる。広域ネットワーク7とは、例えばインターネットもしくは公衆電話網、専用線などであってもよい。すなわち、複数のLANを接続し得る通信ネットワークであればよい。
【0042】
本実施の形態2における経路を検索するプロセスについては、上記実施の形態1に記載したプロセスに準じてもよい。ただし、本実施の形態2では、経路検索サーバ3は複数存在することから、図2もしくは図3に準じた目的地案内システムでは、予約管理サーバ2は、携帯端末1に物理的に最も近い経路検索サーバ3に経路検索を依頼すればよい。あるいは、携帯端末1と同一LAN6内に存在する経路検索サーバ3に経路検索を依頼すればよい。また、図4に準じた目的地案内システムでは、携帯端末1は、該携帯端末1に物理的に最も近い経路検索サーバ3に経路検索を依頼すればよい。あるいは、該携帯端末1と同一LAN6内に存在する経路検索サーバ3に経路検索を依頼すればよい。ここで、携帯端末1が該携帯端末1に最も近い経路検索サーバ3を選択する方法としては、例えば通信ネットワーク5上に経路検索サーバ3の実際の位置が記憶可能なサーバを配置しておき、携帯端末1は該サーバに問合せることにより、該携帯端末1の位置と最も近い場所にある経路検索サーバ3を選ぶ方法であってもよい。また、経路検索サーバ3と携帯端末1との位置関係は、実際の位置ではなく、通信経路の位置としてもよい。
上記のように本実施の形態2の目的地案内方法では、複数の経路検索サーバ3が、それぞれ異なる小規模の無線もしくは有線通信ネットワーク、例えばLAN6に接続されており、これらの小規模な通信ネットワークであるLAN6のそれぞれは、より大親模な無線もしくは有線通信ネットワーク、例えば広域ネットワーク7を介して予約管理サーバ2と接続されている。
【0043】
本発明の実施の形態2によれば、目的地を利用するための予約処理と経路検索処理が分散されるため、予約管理サーバ2の負荷が軽減され、かつ通信ネットワーク5の輻輳が抑制され、安定した目的地案内サービスの提供が可能になる。さらに、本発明の実施の形態2では、予約管理サーバ2のみならず、経路検索サーバ3の処理も分散されるため、より安定した目的地案内サービスの提供が可能になるとともに、地図情報データベース31が分散されるため、位置情報データベース21の維持、管理が容易となる。また、利用者は携帯端末1に現在地あるいは目的地の位置情報を入力する必要がないため、利用者の利便性が向上する。
【0044】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、本発明の実施の形態として、イベントの座席予約および座席案内に適用する例を示したが、例えば電車や航空機、客船の指定席案内、あるいはデパートなどの駐車場案内などに適用してもよい。本発明はその適用先を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1の目的地案内システムの構成を示す図である。
【図2】本実施の形態1の経路を検索するプロセスの第1の例を示す図である。
【図3】本実施の形態1の経路を検索するプロセスの第2の例を示す図である。
【図4】本実施の形態1の経路を検索するプロセスの第3の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2の目的地案内システムの構成を示す図である。
【図6】従来の目的地案内システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…携帯端末 2…予約管理サーバ
3…経路検索サーバ 4…無線通信装置
5…通信ネットワーク
6…LAN 7…広域ネットワーク
11…通信用アンテナ 12…モニタ
21…座席情報データベース 31…地図情報データベース
61…携帯端末 62…通信用アンテナ
63…モニタ 64…予約管理サーバ
65…位置情報データベース 66…地図データ作成部
67…通信ネットワーク 68…現在位置情報
69…地図データ
101…認証情報・現在位置情報
201…現在位置情報・座席位置情報 202…座席位置情報
301…地図データ 302…認証情報






【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、
利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、
前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、
前記携帯端末は前記予約管理サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、
前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、
前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記予約管理サーバヘ送信し、
前記予約管理サーバは、前記経路検索サーバより受信した前記経路検索結果を、前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内方法。
【請求項2】
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、
利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、
前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、
前記携帯端末は前記予約管理サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、
前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、
前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内方法。
【請求項3】
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続され、
利用者を指定された場所へ案内する目的地案内方法であって、
前記利用者が前記携帯端末を用いて目的地案内サービスの要求の操作を実行すると、
前記携帯端末は前記経路検索サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信し、
前記経路検索サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記予約管理サーバに対して、前記携帯端末の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、前記予約管理サーバより前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内方法。
【請求項4】
前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の目的地案内方法。
【請求項5】
前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在し、
前記予約管理サーバは、前記携帯端末より当該携帯端末の現在地の位置情報を受信すると、前記複数の経路検索サーバのうち、前記携帯端末と物理的に最も近い経路検索サーバに対し、前記携帯端末の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信することを特徴とする請求項1または2記載の目的地案内方法。
【請求項6】
前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在し、
前記携帯端末は、前記複数の経路検索サーバのうち、当該携帯端末に物理的に最も近い前記経路検索サーバに対し、当該携帯端末の現在地の位置情報を送信することを特徴とする請求項3記載の目的地案内方法。
【請求項7】
前記複数の経路検索サーバは、それぞれ異なる小規模の無線もしくは有線通信ネットワークに接続されており、これらの小規模な通信ネットワークのそれぞれは、より大親模な無線もしくは有線通信ネットワークを介して前記予約管理サーバと接続されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか記載の目的地案内方法。
【請求項8】
前記携帯端末は、前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバに対して、前記利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報および当該利用者を特定する認証情報を併せて送信することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の目的地案内方法。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記認証情報を暗号化して送信することを特徴とする請求項8記載の目的地案内方法。
【請求項10】
前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバが前記端末装置に対して送信する前記経路検索結果は、地図情報であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の目的地案内方法。
【請求項11】
前記予約管理サーバもしくは前記経路検索サーバが前記端末装置に対して送信する前記経路検索結果は、音声情報であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の目的地案内方法。
【請求項12】
利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されていることを特徴とする目的地案内システム。
【請求項13】
利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線ないしは有線の通信ネットワークを介して接続されており、
前記携帯端末は、前記予約管理サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、
前記予約管理サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と、利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、
前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記予約管理サーバヘ送信し、
前記予約管理サーバは、前記経路検索サーバより受信した前記経路検索結果を、前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内システム。
【請求項14】
利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されており、
前記携帯端末は、前記予約管理サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、
前記予約管理サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記経路検索サーバに対して、前記携帯端末の現在地の位置情報と利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を送信し、
前記経路検索サーバは、前記予約管理サーバより前記携帯端末の現在地の位置情報と、前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を前記予約管理サーバより受信すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内システム。
【請求項15】
利用者が携帯端末を操作することにより、前記利用者を指定された場所へ案内する目的地案内システムであって、
無線通信機能および位置情報提供機能を備えた前記携帯端末と、
特定場所の利用に対する予約を受け付け、かつ予約を実施する予約管理サーバと、
指定された2地点間を結ぶ経路を検索可能な経路検索サーバと、
を備え、
前記携帯端末と前記予約管理サーバと前記経路検索サーバとは、無線もしくは有線の通信ネットワークを介して接続されており、
前記携帯端末は、前記経路検索サーバに対し、利用者があらかじめ予約した場所までの経路検索を要求するに際し、当該携帯端末の現在地の位置情報を併せて送信し、
前記経路検索サーバは、前記携帯端末より経路検索の要求を受け付けると、前記予約管理サーバに対して、前記携帯端末の利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を問合せ、前記予約管理サーバより前記利用者があらかじめ予約した場所の位置情報を取得すると、前記携帯端末の現在地を起点とし、前記利用者があらかじめ予約した場所を終点とする経路を検索し、かつ、経路検索結果を前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする目的地案内システム。
【請求項16】
前記経路検索サーバは、異なる地点に複数存在することを特徴とする請求項12ないし15のいずれか記載の目的地案内システム。
【請求項17】
前記複数の経路検索サーバは、それぞれ異なる小規模の無線もしくは有線通信ネットワークに接続されており、これらの小規模な通信ネットワークのそれぞれは、より大親模な無線もしくは有線通信ネットワークを介して前記予約管理サーバと接続されていることを特徴とする請求項16記載の目的地案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−18573(P2006−18573A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195554(P2004−195554)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】