説明

目的地案内装置、目的地案内システム、サーバ装置および目的地案内方法

【課題】ユーザの身体に対して気象状態の影響をできるだけ及ぼすことが無いようにして、目的地までの案内を行えるようにする。
【解決手段】GPS部102を通じて測位した現在位置から操作部131を通じて受け付けた目的地までのルートを、ルート検索部103によって地図DB132の地図データから検索する。このとき、ルート検索部103が、通信部109を通じて契約会社サーバから取得した気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する。この検索したルートを、LCD106を通じてユーザに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目的地までのルートなどをユーザに対して案内するようにするいわゆるナビゲーション機能を実現する装置、システム、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるカーナビゲーションシステムが多くの自動車に搭載されて利用されている。カーナビゲーションシステムは、GPS(Global Positioning System)などを利用して、自動車の運行時に運転者に対して、ディスプレイ画面上に地図や現在位置を表示して、目的地への走行経路案内を行なうものである。なお、多くのカーナビゲーションシステムにおいては、ディスプレイ画面上への情報の表示に加えて、音声ガイダンスにより走行経路案内ができるようにされている。そして、カーナビゲーションシステムは種々の改良がなされている。例えば、後に記す特許文献1には、目的地までの最短距離のルートを検索したり、渋滞情報を受信して渋滞のない経路を検索したりすることにより、目的地へ最短時間でいけるルートの検索を行えるようにするものが提案されている。また、カーナビゲーションシステムとは異なるが、例えば、携帯電話端末を通じてサーバ装置にアクセスし、電車の乗り換え案内の提供をうけるなどの簡易的なナビゲーションサービスも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−30933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したカーナビゲーションシステムや携帯電話端末などを用いた簡易的なナビゲーションサービスを利用することにより、長距離を移動する場合であっても、迷うなどのことも無く、比較的に短時間に移動することができるようになってきている。このような移動時間の短縮化は時間の有効活用にもつながり利点が多い反面、却ってユーザの身体に負担をかけてしまう場合もあると考えられる。
【0005】
例えば、経験的に種々の気象状態(気象条件)が人間の生体(人体)に影響を及ぼすことが知られている。近年においては、それらが科学的、医学的にも解明されてきている。その一例として、低気圧が近づいてくると血圧が上昇することが知られている。例えば、
参考サイト1:「http://www5f.biglobe.ne.jp/~kinosita/hd.htm」
参考サイト2:「http://www5f.biglobe.ne.jp/~kinosita/he.htm」
等には、低気圧と高血圧との関連性についての情報が公開されている。また、他の例として、気圧が下がり、湿度が上昇すると、関節リュウマチや変形性関節症などの場合の関節の症状が悪化したり、気温がある程度まで下がると、腰痛や神経痛などを発症する確率が高くなったりするなどのことが知られている。
【0006】
そして、上述した移動時間の短縮化の実現により、例えば、低気圧が接近してきている地域に向かって急速に移動した場合には、血圧上昇を招き、高血圧症の人の場合には体調不良を引き起こす可能性があると考えられる。具体的には、高血圧症の人の脳出血や心臓発作などの健康障害を発生させるリスクを高めてしまう場合があると考えられる。また、湿度が低い地域から湿度が高い地域に急速に移動した場合には、関節リュウマチを患っている人の関節の症状を悪化させるおそれもある。このため、カーナビゲーションシステムや携帯電話端末などを用いた簡易のナビゲーションサービスを提供するシステムにおいては、移動時間の短縮化だけでなく、気象状態が及ぼすユーザの身体への影響を軽減できるようにすることが望まれている。
【0007】
以上のことに鑑み、この発明は、ユーザの身体に対して気象状態の影響をできるだけ及ぼすことが無いようにして、目的地までの案内を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の目的地案内装置は、
目的地の入力を受け付ける受付手段と、
即時的に現在位置を測位する測位手段と、
気象に関する情報を取得する取得手段と、
ルート検索のための地図データを保持する地図データベースと、
前記測位手段を通じて測位した現在位置から前記受付手段を通じて受け付けた目的地までのルートを前記地図データベースの地図データから検索する手段であって、前記取得手段を通じて取得する前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたルートをユーザに対して提示する提示手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明の目的地案内装置によれば、測位手段を通じて測位した現在位置から受付手段を通じて受け付けた目的地までのルートが、検索手段によって地図データベースの地図データから検索される。このとき、検索手段により、取得手段を通じて取得された気象に関する情報が考慮され、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートが検索される。この検索されたルートが、提示手段を通じてユーザに提示される。
【0010】
これにより、単に目的地までの最短ルートなどが案内されるのではなく、例えば、気圧、湿度、気温などの気象に関する情報の内の必要な情報が考慮され、ユーザの身体に対して気象状態の影響をできるだけ及ぼすことが無いようなルートを検索し、目的地までの案内を行うことができるようにされる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明の目的地案内システムは、
サーバ装置とユーザ端末とからなる目的地案内システムであって、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末からの出発地と目的地とを示す情報とを受信する受信手段と、
気象に関する情報を取得する取得手段と、
ルート検索のための経路データを保持する経路データベースと、
前記受信手段を通じて受け付けた情報により特定される前記出発地から前記目的地までのルートを前記経路データベースの前記経路データから検索する手段であって、前記取得手段を通じて取得する前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたルートを示す情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と
を備え、
前記ユーザ端末は、
出発地と目的地の指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて受け付けた前記出発地と前記目的地とを示す情報を、前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置の前記送信手段から送信される前記ルートを示す情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記ルートを示す情報をユーザに対して提示する提示手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項3に記載の発明の目的地案内システムによれば、ユーザ端末において受付手段を通じて受け付けられた出発地と目的地とを示す情報が、送信手段を通じてサーバ装置に送信される。サーバ装置においては、ユーザ端末からの当該出発地と目的地とを示す情報が受信手段を通じて受信され、この受信された受信した情報により示される出発地から目的地間でのルートが、検索手段により、経路データベースの経路データから検索される。この時、サーバ装置の検索手段により、取得手段を通じて取得された気象に関する情報が考慮され、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートが検索される。この検索されたルートが、送信手段を通じて、出発地と目的地とを示す情報を送信してきたユーザ端末に送信される。ユーザ端末においては、受信手段を通じてサーバ装置からのルートを示す情報が受信され、これが提供手段を通じてユーザに提供される。
【0013】
これにより、単に目的地までの最短ルートなどが案内されるのではなく、例えば、気圧、湿度、気温などの気象に関する情報の内の必要な情報が考慮され、ユーザの身体に対して気象状態の影響をできるだけ及ぼすことが無いようなルートを検索し、目的地までの案内を行うことができるようにされる。この場合、ルート検索はサーバ装置において行われるので、ユーザ端末に大きな負荷がかかることも無く、サーバ装置に負荷を分散し、迅速かつ適切な案内を、ユーザ端末を通じて提供することができるようにされる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、単に目的地までの最短ルートなどが案内されるのではなく、例えば、気圧、湿度、気温などの気象に関する情報の内の必要な情報を考慮し、ユーザの身体に対して気象状態の影響をできるだけ及ぼすことが無いようなルートを検索して、目的地までの案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明のシステムの一実施形態が適用されて構成された第1の実施の形態の目的地案内システムを説明するための図である。
【図2】第1の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
【図3】血圧安全ルートの具体例を説明するための図である。
【図4】血圧安全ルートの具体例を説明するための図である。
【図5】図1に示した目的地案内システムにおいて用いられる分析会社サーバ21の構成例を説明するためのブロック図である。
【図6】図1に示した目的地案内システムにおいて用いられる契約会社サーバ22の構成例を説明するためのブロック図である。
【図7】図1に示し目的地案内システムにおいて用いられる契約者のナビゲーション装置1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図8】図1、図2に示したナビゲーション装置1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】図1、図6に示した契約会社のサーバ22において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1、図5に示した分析会社サーバ21において行われる気象予測情報の生成処理を説明するための図である。
【図12】図1、図5に示した分析会社サーバ21において行われる低気圧に関するデータの提供処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】この発明のシステムの一実施形態が適用されて構成された第2の実施の形態の目的地案内システムを説明するための図である。
【図14】第2の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
【図15】図13に示した目的地案内システムにおいて用いられる契約会社サーバ22Xの構成例を説明するためのブロック図である。
【図16】第2の実施の形態の目的地案内システムにおいて用いられる携帯電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。
【図17】携帯電話端末4で乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いる必要情報の入力画面の例を説明するための図である。
【図18】携帯電話端末4で乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いる検索された乗り換えルートの報知画面の例について説明するための図である。
【図19】携帯電話端末4で乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いる検索された乗り換えルートの報知画面の例について説明するための図である。
【図20】第2の実施の形態の携帯電話端末4の動作について説明するためのフローチャートである。
【図21】第2の実施の形態の契約会社サーバ22Xにおいて行われる乗り換えルートの検索処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照しながらこの発明の一実施形態について説明する。上述もしたように、気圧、湿度、気温などの気象状態が、人間の生体(人体)に対して影響を及ぼすことが知られている。以下に説明する実施形態においては、種々の気象状態の内、低気圧の接近が血圧の上昇を招くことに着目している。そして、以下に説明する実施形態においては、出発地から目的地までのルート案内を行う場合に、低気圧の予想位置等をも考慮し、ユーザの身体に対して低気圧の影響をできるだけ及ぼすことが無いようなルートを検索して、目的地までの案内を行うことができるようにしている。
【0017】
なお、低気圧の接近が血圧の上昇を招くことについては、上述した参考サイト1に開示されている。当該参考サイト1には、北海道大学の定期健康診断で測定した2万人の学生血圧と天候との情報に基づいた、天候と血圧との関係について記載されている。そして、当該参考サイト1には、血圧はその日の気圧に影響を受けるのではなく、翌日の気圧変動が、既にその前日の血圧に影響を与えていることが観察できることが記載されている。このことは、低気圧がやってくる前の日に、既に血圧が高くなっていることを意味している。このため、以下に説明する実施形態においては、出発地から目的地までのルートを、低気圧の位置、勢力範囲、移動方向、移動速度などの低気圧に関するデータをも考慮する。そして、低気圧の接近状態に応じて、ユーザの血圧上昇を抑えたより安全なルートの検索ができるようにしている。
【0018】
[第1の実施の形態]
[目的地案内システムの構成例]
[目的地案内システムの構成の概要]
図1は、この発明の目的地案内装置の一実施形態が適用されて構成された第1の実施の形態の目的地案内システムを説明するための図である。図1に示すように、この実施形態の目的地案内システムは、例えば、自動車に搭載されて用いられるナビケーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)と、サービス提供センター2とからなっている。ここで、ナビケーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれが、この発明の目的地案内装置の一実施の形態が適用されたものである。
【0019】
そして、サービス提供センター2が、気象データ提供元3から気象データの提供を受け、これを処理して気象に関する必要なデータを契約者のナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)に対して供給することができる構成になっている。なお、詳しくは後述もするが、サービス提供センター2は、図1に示すように、気象データ分析会社のサーバ21と、契約会社のサーバ22とからなっている。
【0020】
また、この第1の実施の形態において、気象データ提供元3と気象データ分析会社のサーバ21との間、気象データ分析会社のサーバ21と契約会社のサーバ22と間は、専用線、あるいは、インターネットなどの高域通信網によって接続することができるようにされている。さらに、分析会社のサーバ22とナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれとの間も、例えばインターネット100を介して接続することができるようにされている。
【0021】
そして、ナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、詳しくは後述もするが、GPS機能を備え、目的地を設定することにより、現在位置から目的地までのルート(経路)を検索し、ディスプレイに地図と自機の現在位置を表示すると共に、音声ガイダンスを用いて道案内をすることができるものである。この第1の実施の形態のナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、最短距離となるルート(最短距離ルート)を検索できる。また、ナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、通信機能を備え、例えば、インターネット100を通じて所定のサーバにアクセスし、最新の交通渋滞情報を得て、交通渋滞を避けたルート(交通渋滞回避ルート)の検索もできる。
【0022】
さらに、ナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、契約会社のサーバ22からインターネット100を通じて低気圧に関するデータの提供を受け、低気圧が運転者等の血圧に影響を及ぼす可能性の低いルート(血圧安全ルート)を検索することもできる。すなわち、上述もしたように、低気圧の接近が人間の血圧上昇を招くことが知られている。そして、運転者等が例えば高血圧症である場合、低気圧に高速に接近するように移動した場合などにおいては、脳出血などの危険性を高めてしまう。このため、低気圧が運転者等の血圧に影響を及ぼす可能性の低いルートを検索できるようにしている。なお、ここで、運転者等とは、運転者の他、同乗者も含む意味である。このように、ナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)のそれぞれは、目的地までの幾つかの異なるルートを検索し、その中からユーザが選択したルートを用いて道案内を行うことができるようにしている。
【0023】
一方、サービス提供センター2は、図1に示すように、気象データ分析会社のサーバ21(以下、分析会社サーバという)と契約会社のサーバ(以下、契約会社サーバという)22とから構成されている。分析会社サーバ21は、後述する気象データ提供元3から気象データの提供を受け、これを分析することによって、契約会社サーバ22において必要とされる気象データ(この実施形態では低気圧に関するデータ)を形成する。そして、分析会社サーバ21は、分析することにより形成した気象データを契約会社サーバ22からの要求に応じて当該契約会社サーバ22に提供することができるものである。
【0024】
契約会社サーバ22は、自機にアクセス可能な契約者のナビゲーション装置を管理するための契約者データベース(以下、契約者DBという。)を備えたものである。そして、契約会社サーバ22は、自機にアクセスしてきたナビゲーション装置が、自機に接続可能な契約関係のある契約者のものであると認証が取れた場合に、当該ナビゲーション装置に対して、最新の低気圧に関するデータを提供する。これにより、当該ナビゲーション装置では、提供を受けた低気圧に関するデータを考慮して、低気圧が運転者等の血圧に影響を与える可能性の少ない経路を検索することができるようにされる。
【0025】
なお、図1においては説明を簡単にするため、異なる機能を実現する分析会社サーバ21と契約会社サーバ22との2つのサーバを設けるようにした。しかし、これに限るものではない。分析会社サーバ21の機能と契約会社サーバ22の機能とを1つのサーバ装置に持たせるようにすることももちろん可能である。
【0026】
そして、気象データ提供元3は、この実施形態においては、気象データ分析会社のサーバ21からの要求に応じて、種々の気象データを提供することができるものである。具体的には、気象庁や気象協会、或いは、気象情報の提供業務を行う種々の気象会社などが運営する情報提供サーバなどである。この第1の実施の形態において、気象データ提供元3は、例えば、気象庁の情報提供サーバである。
【0027】
例えば、気象庁は、気象警報、注意報等の情報、天気予報等の情報、気象観測データ等、種々の気象に関する情報を提供している。具体的には、気象観測データとして、高層天気図、実況天気図、予想天気図、気象庁天気図、各地の観測値と低気圧や前線の位置などの情報が気象庁から提供される。特に、予想天気図として、9時と21時の観測をもとに観測時刻から24時間後と48時間後の高・低気圧、前線と等圧線等の予想などを提供している。なお、9時の24時間後予想は15時頃、48時間後予想は17時頃、21時の同予想は、それぞれ翌朝の4時頃と6時頃というように、観測時点から予報発表までに6時間から9時間かかるため、これらの時間を考慮して情報を利用する必要がある。また、気象庁は、6時、12時、18時には、各地の観測値と低気圧や前線の位置を示す情報(テキスト形式の情報)を提供している。このように、気象庁は、種々の気象情報を発表し、これを自由に利用することができるようにしている。
【0028】
[目的地案内システムの動作の概要]
次に、図1に示したように構成されるこの第1の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要について説明する。図2は、この第1の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
【0029】
この第1の実施形態の目的地案内システムにおいて、分析会社サーバ21は、図2の右上側に点線矢印で示すように、所定時間毎に気象データ提供元3に対して必要となる気象データの提供を要求し、当該必要となる気象データの提供を受ける。ここで必要となる気象データは、主に気圧に関する情報であり、例えば、最新の天気図、24時間後、48時間後の予想天気図、各地の観測値や低気圧や前線の位置を示す情報等である。なお、低気圧や前線の位置を示す情報には、低気圧の中心位置と勢力範囲、移動方向、移動速度などの情報が含まれる。
【0030】
分析会社サーバ21は、新たに提供を受けた気象データや記憶保持している過去の気象データ等に基づいて、気象データ分析処理を実行し、気象予測情報を形成する。このように、気象データの取得処理から気象予測情報の分析処理までの一連の処理は、気象データ提供元3から新たな気象データの提供を受けることができるタイミングで随時に行われる。ここで、気象予測情報(気象予測データ)は、後述もするが、例えば、現時点などの所定時点から24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置、低気圧や高気圧の勢力範囲、低気圧の移動方向、移動速度などの必要な情報からなるものである。
【0031】
ここで形成された気象予測情報は、気象データ分析会社のサーバ21に保持され、後述するように、その内の低気圧に関するデータが、契約会社のサーバ22を介して、契約者のナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)に提供されることになる。なお、以下においては説明を簡単にするため、ナビゲーション装置1(1)、1(2)、…、1(n)を総称して、ナビゲーション装置1という。
【0032】
なお、ここでは、分析会社サーバ21が、気象データ提供元3に対して必要となる気象データの提供を要求して、その提供を受けるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、気象データ分析会社と気象データ提供元との間で予め契約を締結しておくことにより、最新の気象データを気象データ提供元3から分析会社サーバ21に自動的に送信して提供することも可能である。すなわち、分析会社サーバ21は、能動的に働きかけて気象データ提供元3から気象データの提供を受けたり、受動的に気象データ提供元3から気象データの提供を受けたりすることができるものである。
【0033】
また、ここでは、現時点などの所定時点から24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置やその他の必要な気象予測情報(気象予測データ)を形成(予測)するものとして説明した。このように、現時点などの所定の時点としたのは、気象データ提供元3から提供される気象データが、例えば数時間前のものであるために、数時間前の時点を基準にして、24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置等を予測する場合もあるためである。このように、現時点を基準にできない場合には、いつの時点を基準にしているかは、明確に把握され、契約会社サーバ22等にも通知するようにされる。
【0034】
一方、ナビゲーション装置1は、必要に応じて、契約会社サーバ22にインターネット100を通じてアクセスし、最新の低気圧に関するデータを取得することができるものである。すなわち、ナビゲーション装置1に目的地までのナビゲーション処理(道案内処理)を行わせる場合、ナビゲーション装置1に電源を投入した状態で、図2の左上側に示したように、目的地、高血圧症の運転者等の有無等の必要な情報の入力設定が行われる。この他、出発予定日時や到着予定日時など、目的に応じたルート検索を行うようにするための必要な情報の入力設定を行うようにすることもできる。ナビゲーション装置1に対して必要な情報の入力設定が行われると、当該ナビゲーション装置1は、図2に示すように、インターネット100を通じて契約会社サーバ22にアクセスし、低気圧に関するデータの提供を要求する。
【0035】
契約会社サーバ22は、契約者のナビゲーション装置1から低気圧に関するデータの提供要求を受信すると、低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを図2に示すように、分析会社サーバ21に対して送信する。これに応じて、分析会社サーバ21は、自己が保持する最新の気象予測情報の中から低気圧に関するデータを抽出し、これを契約会社サーバ22に提供する。契約会社サーバ22は、分析会社サーバ21から提供された低気圧に関するデータを、要求元のナビゲーション装置1に対して提供する。なお、ここで、低気圧に関するデータは、上述した種々の気象予測情報の内、例えば、現時点などの所定時点、および、24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置、現時点などの所定時点、および、24時間後、48時間後、72時間後等の低気圧の移動方向や移動速度などの情報である。
【0036】
そして、図2の左端側に示すように、ナビゲーション装置1においては、ルート検索を実行し、それをユーザに提示する。ここで検索されるルートは、取得した低気圧に関するデータをも考慮した血圧安全ルートや最短距離ルート、さらに交通渋滞情報をも考慮した交通渋滞回避ルートなどである。なお、図2には、交通渋滞情報の取得経路等は示さなかったが、後述もするように、ナビゲーション装置1の通信機能を用いて、所定のサーバにアクセスすることによって、交通渋滞情報を取得することもできるようにされる。
【0037】
そして、ナビゲーション装置1は、ユーザから道案内(ナビゲーション)に用いるルートの選択入力を受け付ける。そして、血圧安全ルートが選択されたときには当該血圧安全ルートを用いるように設定する。また、その他のルート(最短距離ルートや交通渋滞回避ルート)が選択されたときには、選択された当該他のルートを用いるように設定される。そして、ナビゲーション装置1においては、ユーザに選択されたルートを辿るようにナビゲーション処理(道案内処理)が実行される。
【0038】
このように、この実施の形態の目的地案内システムにおいては、ナビゲーション装置1は、複数種類のルート検索を行うことができる。その中の1つとして、契約会社のサーバ22から低気圧に関するデータを得て、低気圧が運転者等の血圧に影響を及ぼす可能性の低いルート(血圧安全ルート)を検索し、このルートを用いてナビゲーション処理(道案内処理)を行うことができるようにしている。
【0039】
[血圧安全ルートの具体例]
ここで、血圧安全ルートの具体例について説明する。図3、図4は、血圧安全ルートの具体例を説明するための図である。上述したように、血圧はその日の気圧に影響を受けるのではなく、低気圧がやってくる前の日に、既に血圧が高くなっていることが観察されている。即ち、低気圧が到来する前日、まだ、そんなに天気が崩れていない内に翌日に到来する低気圧の影響を受けて血圧が上がっていることが考えられる。したがって、24時間以内に低気圧の勢力範囲に属することになる地域に所在していることが、既に低気圧の影響を受け、血圧の上昇を招いている可能性がある。
【0040】
そこで、24時間以内に低気圧の勢力範囲に属する地域を通過しなければならない場合には、図3に示すように、高地を迂回するようにしたルートが血圧安全ルートとなる。高地においては、気圧の関係から血圧が上昇することが知られているためである。すなわち、図3において、ノーマルルートAは、高地を通る最短距離ルートや交通渋滞回避ルートであり、血圧安全ルートBは、高地を迂回して、低地を走行する高地迂回ルートである。
【0041】
また、図4に示すように、東北地方北部の出発地STから近畿地方の目的地EDに向かう場合であって、日本海側から低気圧が接近し、24時間以内に当該低気圧の勢力範囲が日本列島に到達する可能性があるとする。この場合には、図4に示すように、太平洋側を通るルートBが血圧安全ルートとなる。すなわち、図4において、ノーマルルートAは、日本海側を通る最短距離ルートや交通渋滞回避ルートであり、血圧安全ルートBは、接近中の低気圧の勢力範囲の到達がより遅い地域を通る低気圧迂回ルートということになる。
【0042】
この他、血圧安全ルートの場合には、低気圧の影響を極力小さくするために、出発時刻を指示したり、血圧安全ルートの途中で比較的に長い休憩をとることを勧めたり、場合によっては、途中で1泊することを勧めたりすることもできるようにされる。つまり、血圧安全ルートは、単にルートを示すだけでなく、血圧安全ルート上の進み方などをも示すことができるようにされる。
【0043】
[目的地案内システムを構成する各装置の構成]
[気象データ分析会社のサーバ21の構成例]
次に、この第1の実施形態の目的地案内システムを構成する各装置の構成例について説明する。まず、分析会社サーバ21について説明する。図5は、図1に示した目的地案内システムにおいて用いられる分析会社サーバ21の構成例を説明するためのブロック図である。図5に示すように、分析会社サーバ21は、制御部210、通信部211、気象予測情報生成部212、送信用低気圧情報生成部213、時計回路214、気象データファイル215、気象履歴ファイル216、気象予測ファイル217を備えたものである。
【0044】
制御部210は、分析会社サーバ21の各部を制御するものであり、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)2101、ROM(Read Only Memory)2102、RAM(Random Access Memory)2103が、CPUバス2104を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU2101は、後述するROM2102に保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、各部からの信号を受信して、これに応じた処理を実行したりするなど、分析会社サーバ21における制御の主体となるものである。
【0045】
また、ROM2102は、上述したように、CPU2101によって実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータ等が予め記録されたものである。また、RAM2103は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。なお、図5には図示しなかったが、CPUバス2104には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等のいわゆる不揮発性メモリも接続される。そして、当該不揮発性メモリに、電源が落とされた場合にも保持しておくべきパラメータや追加プログラムなどを記憶させることもできるようにしている。
【0046】
そして、通信部211は、気象データ提供元3や詳しくは後述する契約会社のサーバ22との間においての通信処理を行うものである。具体的に、通信部211は、制御部210の制御に応じて、自機から送信すべきデータから送信用データを形成し、これを目的とする相手先に送信することができるものである。また、通信部211は、自機宛の送信データを受信して、これを制御部210で処理可能な形式のデータに変換し、これを制御部210に供給することができるものである。
【0047】
気象予測情報生成部212は、通信部211を通じて取得する気象データや自機に保持する気象履歴データ等を用いて、例えば現時点など、予め決められた時点(時刻)を基準とし、気象予測情報を生成する。ここで気象予測情報は、例えば、24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置、24時間後、48時間後、72時間後等の低気圧や高気圧の移動方向や移動速度、その他、気温、湿度、風向き、風速、降水確率などの種々の予測情報である。また、気象予測情報には、例えば現時点など、基準となる所定の最新時点の気圧配置や低気圧や高気圧の移動方向や移動速度、その他、気温、湿度、風向き、風速、降水確率などの種々の最新の気象情報も含まれる。
【0048】
送信用低気圧情報生成部213は、気象予測情報生成部212により生成された気象予測情報から契約会社のサーバ22に提供する低気圧に関するデータを抽出し、これから契約会社サーバ22に送信する送信用低気圧情報(送信用の低気圧に関するデータ)を生成する。ここで、低気圧に関するデータは、上述した種々の気象予測情報の内、例えば、現時点などの所定時点、および、24時間後、48時間後、72時間後等の気圧配置、現時点などの所定時点、および、24時間後、48時間後、72時間後等の低気圧の移動方向や移動速度などの情報である。送信用低気圧情報生成部213で生成された送信用低気圧情報(送信用の低気圧に関するデータ)は、上述した通信部211を通じて契約会社のサーバ22に送信されることになる。
【0049】
時計回路214は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するものであり、気象データ提供元3から気象データを取得する時刻などの到来を検出する場合などに用いられる。また、気象データファイル215、気象履歴ファイル216、気象予測ファイル217のそれぞれは、ハードディスク、書き換え可能な光ディスク、半導体メモリなどの大容量記録媒体に形成されるデータファイルである。この実施形態において、気象データファイル215、気象履歴ファイル216、気象予測ファイル217のそれぞれは、分析会社サーバ21が有するハードディスクに形成されたものである。
【0050】
ここで、気象データファイル215は、気象データ提供元3から提供を受けた最新の気象データを記憶保持する。気象履歴ファイル216は、過去に取得した気象データを取得タイミングが区別可能なように記憶保持する。つまり、気象履歴ファイル216に格納された気象履歴データはいつ取得されたものかが分かるようにされている。なお、最新の気象データを気象データ提供元3から提供を受ける毎に、気象データファイル215の気象データが気象履歴データとして気象履歴ファイル216に移し替えられるようになっている。気象予測ファイル217は、上述した気象予測情報生成部212で生成される気象予測情報(気象予測データ)を記憶保持する。
【0051】
なお、図5においては、気象予測情報生成部212と送信用低気圧情報生成部213とは、それぞれ独立した生成部として示したが、これに限るものではない。気象予測情報生成部212の機能や送信用低気圧情報生成部213の機能は、制御部210のCPU2101によって実行されるソフトウェアにより、制御部210の機能として実現するように構成することも可能である。すなわち、気象予測情報生成部212の機能と送信用低気圧情報生成部213の機能との一方あるいは両方の機能を、制御部210の機能として実現するように構成することも可能である。
【0052】
[契約会社のサーバ22の構成例]
次に、契約会社サーバ22について説明する。図6は、図1に示した目的地案内システムにおいて用いられる契約会社サーバ22の構成例を説明するためのブロック図である。図6に示すように、契約会社サーバ22は、制御部220、通信部221、低気圧情報ファイル222、契約者データベース(以下、契約者DBという。)223を備えている。
【0053】
制御部220は、契約会社サーバ22の各部を制御するものであり、図6に示すように、CPU2201、ROM2202、RAM2203が、CPUバス2204を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU2201は、後述するROM2202に保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、各部からの信号を受信して、これに応じた処理を実行したりするなど、契約会社サーバ22における制御の主体となるものである。
【0054】
また、ROM2202は、上述のように、CPU2201によって実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータが予め記録されたものである。また、RAM2203は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。なお、図6には図示しなかったが、CPUバス2204には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等のいわゆる不揮発性メモリも接続される。そして、当該不揮発性メモリに対して、電源が落とされた場合にも保持しておくべきパラメータや追加プログラムなどを記憶させることもできるようにしている。
【0055】
そして、通信部221は、上述した分析会社サーバ21や後述するナビゲーション装置1などとの間においての通信処理を行うものである。具体的に、通信部221は、上述した分析会社サーバ21の通信部211と同様の機能を有するものである。すなわち、通信部221は、自機から送信すべきデータから送信用データを形成し、これを目的とする相手先に送信することができるものである。また、通信部221は、自機宛の送信データを受信して、これを制御部220で処理可能な形式のデータに変換し、これを制御部220に供給することができるものである。
【0056】
また、図6において、低気圧情報ファイル222、契約者DB223のそれぞれは、ハードディスク、書き換え可能な光ディスク、半導体メモリなどの大容量記録媒体に形成されるデータファイルである。この実施形態において、契約会社サーバ22においても、低気圧情報ファイル222、契約者DB223のそれぞれは、契約会社サーバ22が有するハードディスクに形成されるものである。ここで、低気圧情報ファイル222は、上述したように、分析会社サーバ21から提供され、通信部221を通じて受信した低気圧に関するデータを保持するものである。また、契約者DB223は、契約会社と契約関係にあり、契約会社サーバ22に対してアクセス可能な契約者のナビゲーション装置の認証に関する情報を記憶保持するものである。具体的に契約者DB223には、契約者の氏名、住所、電話番号の他、認証情報として契約者毎に付与される識別情報(識別ID)などからなるものである。
【0057】
そして、ナビゲーション装置1が、契約会社サーバ22から低気圧に関するデータの提供を受けようとする場合には、契約会社サーバ22の契約者DB223に契約者に関する情報が登録されている必要がある。契約者DB223には、契約会社とナビゲーション装置1のユーザが契約を行った場合に、契約会社の担当者によって契約に関する情報が登録される。この他、ナビゲーション装置1のユーザが、例えば、パーソナルコンピュータなどを通じて契約会社サーバ22にアクセスし、契約に必要な情報を入力して契約を行うようにする。この場合に、契約が整えば、同時に契約者DB22に契約者に関する情報を登録することによって、契約者DB223を整えるようにすることができる。このようにして、契約者DB223に契約者に関する情報が登録された後においては、契約会社サーバ22を通じて、契約者に関する情報が登録済みの契約者のナビゲーション装置に対して、低気圧に関する情報の提供ができるようにされる。
【0058】
[ナビゲーション装置1の構成例]
次に、契約者の使用するナビゲーション装置1の構成例について説明する。図7は、図1に示した目的地案内システムにおいて用いられる契約者のナビゲーション装置1の構成例を説明するためのブロック図である。図7に示すように、この実施の形態の目的地案内システムで用いられるナビゲーション装置1は、GPS用受信アンテナ101、GPS部102、ルート検索部103、ナビゲーション制御部104、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ(図4ではLCDCTLと記載。)105、LCD106、音声処理部107、スピーカ108、制御部120、操作部131、地図データベース(以下、地図DBという。)132、取得データファイル133、通信部109、送受信アンテナ110を備えたものである。
【0059】
制御部120は、ナビゲーション装置1の各部を制御するものであり、CPU121、ROM122、RAM123、EEPROM124が、CPUバス125を通じて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU121は、制御の主体となるものであり、後述するROM122などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。
【0060】
ROM122は、上述もしたように、CPU121によって実行される種々のプログラムやフォントデータなどの処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。RAM123は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、いわゆる不揮発性メモリであり、このナビゲーション装置1の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、新たに提供された追加プログラムなどを記憶保持するものである。
【0061】
そして、図7に示すように、制御部120には操作部131が接続されている。操作部131は、図示しないが、数字キー、矢印キー、各種のファクションキーなどの複数の操作キーが設けられたものであり、ユーザからの操作入力を受け付けるものである。そして、操作部131を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部120に供給される。これにより、制御部120は、ユーザからの指示に応じて各部を制御し、ユーザの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
【0062】
また、制御部120には、地図DB132、取得データファイル133が接続されている。地図DB132、取得データファイル133は、ハードディスク、書き換え可能な光ディスク、半導体メモリなどの大容量記録媒体に形成されるデータファイルである。この実施形態において、地図DB132、取得データファイル133のそれぞれは、ナビゲーション装置1が有するハードディスクに形成されたものである。そして、地図DB132には、日本全国の地図情報(道路情報)が記憶保持されている。なお、地図DB132の地図情報は、例えば標高データ等の情報も含むものである。また、取得データファイル133には、契約会社サーバ22から取得する低気圧に関するデータや、所定のサーバから提供される交通渋滞情報を記憶保持するものである。
【0063】
そして、GPS用受信アンテナ101は、複数の人口衛星からの測位データを受信し、これをGPS部102に供給するものである。GPS部102は、GPS用受信アンテナ101からの測位データを用いて測位演算を行い、自機の現在位置を示す経度、緯度を正確に求め、これを制御部120に供給する。ルート検索部103は、GPS部102を通じて測位された開始位置(スタート位置)から、操作部131を通じて受け付けた目的地までの経路を、地図DB132の地図情報や取得データファイル133に記憶されている取得データに基づいて検索する。この場合、ルート検索部103は、上述もしたように、最短距離ルート、交通渋滞回避ルート、血圧安全ルートを検索することができるものである。これらの検索されたルートの中から契約者であるユーザは好みのものを選択して利用することができるようにされる。
【0064】
ナビゲーション制御部104は、制御部120の制御に応じて、ユーザによって選択されたルートにしたがって、自己の現在位置を示す情報や地図DB132の地図データに基づき、LCD106に表示する案内情報を形成する。ここで形成された案内情報は、LCDコントローラ105に供給される。LCDコントローラ105は、制御部120の制御に応じて、これに供給される案内情報(表示用データ)から、LCD106に表示する映像信号を形成し、これをLCD106に供給する。これにより、現在位置を含む地図がLCD106の表示画面に表示されると共に、当該表示された地図上に自機の現在位置を示すマークが表示するようにされ、当該表示により道案内を行うことができるようにされる。なお、LCDコントローラ105、LCD106は、道案内のための画像だけでなく、種々のエラーメッセージやガイダンスメッセージなども表示することができるものである。
【0065】
また、音声処理部107は、制御部120の制御に応じて、制御部120からの音声データをアナログ音声信号に変換し、これをスピーカ108に供給する。これにより、スピーカ108からは当該音声データに応じた音声が放音される。例えば、ナビゲーション制御部104の制御により、EEPROM124などからナビゲーション用の音声ガイダンスが読み出されて音声処理部107に供給される。音声処理部107は、これに供給された音声ガイダンスをアナログ音声信号に変換し、これをスピーカ108に供給する。これにより、例えば、「2つ目の交差点を右折してください。」、「突き当たりを左折して下さい。」といったナビゲーション用の音声ガイダンスが放音され、音声によっても、道案内を行うことができるようにされる。
【0066】
そして、通信部109及び送受信アンテナ110は、通信機能を実現するためのものである。すなわち、通信部109及び送受信アンテナ110は、インターネット100を通じて契約会社サーバ22にアクセスして低気圧に関するデータの提供を受けるようにするためのものである。この他にも、通信部109及び送受信アンテナ110は、所定のサーバにサクセスして交通渋滞の情報の提供を受けるようにすることもできるものである。
【0067】
なお、図7においては、ルート検索部103とナビゲーション制御部104とは、それぞれ独立した回路部として示したが、これに限るものではない。ルート検索部103の機能やナビゲーション制御部104の機能は、制御部120のCPU121によって実行されるソフトウェアにより、制御部120の機能として実現するように構成することも可能である。すなわち、ルート検索部103の機能とナビゲーション制御部104の機能との一方あるいは両方の機能を、制御部120の機能として実現するように構成することも可能である。
【0068】
[第1の実施の形態のシステムの各装置における具体的な処理]
次に、上述したように構成される、この第1の実施の形態のナビゲーション装置1、分析会社サーバ21、契約会社サーバ22のそれぞれにおいて行われる処理について具体的に説明する。
【0069】
[ナビゲーション装置1の処理]
まず、自動車に搭載されて利用されるナビゲーション装置1の動作について説明する。図8、図9は、この第1の実施の形態のナビゲーション装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図8、図9のフローチャートに示す処理は、この実施の形態のナビゲーション装置1に電源が投入された場合に、主に制御部120によって実行される処理である。
【0070】
すなわち、ナビゲーション装置1に電源が投入されると、制御部120は、GPS部102を制御して、現在位置の測位処理を開始する(ステップS101)。これにより、GPS部102は、GPS受信アンテナ101を通じて受信する複数の人口衛星からの測位データを受信し、測位演算を行って自己の現在位置を取得し、これを制御部120に通知することができるようにされる。
【0071】
この後、制御部120は、ルート設定がされているか否かを判断する(ステップS102)。この実施の形態のナビゲーション装置1においては、後述もするが、ルートが選択されると、例えば、EEPROM124に選択されたルートに関する情報が設定される。また、EEPROM124に設定された当該ルートに関する情報は、例えば目的地に到着するなどして所定の操作が行われるとクリアーするようにされる。このため、ステップS102においては、まだ目的地に到達しておらず、EEPROM124に対してルートに関する情報が設定されたままか否かを判断する。なお、ステップS102の判断処理を行うのは、例えば、出発日の前日などにおいて、事前にルートの検索と設定を行い、出発までの間はナビゲーション装置1の電源を落としておくなどの場合があることを考慮したものである。
【0072】
ステップS102の判断処理において、まだ、目的地には到達しておらず、ルートに関する情報がEEPROM124に設定されていると判断したときには、後述する図9のステップS121からの処理を行うようにする。ステップS102の判断処理において、EEPROM124にルートに関する情報は設定されていないと判断したときには、制御部120は、設定情報の入力を受け付けるようにする(ステップS103)。具体的に、ステップS103において、制御部120は、LCDコントローラ105を制御して、設定情報の入力を促すメッセージをLCD106に表示すると共に、操作部131を通じて、目的地や高血圧症の運転者等の有無などの必要な設定情報の入力を受け付ける。
【0073】
この後、制御部120は、設定情報の入力が終了したか否かを判断し(ステップS104)、終了していないと判断したときには、ステップS103からの処理を繰り返すようにする。ステップS104の判断処理において、設定情報の入力は終了したと判断したときには、制御部120は、入力された設定情報に基づいて、運転者等に高血圧症の人がいることが設定されたか否かを判断する(ステップS105)。
【0074】
ステップS105の判断処理において、高血圧症の運転者等がいると判断したときには、制御部120は、低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを通信部109、送受信アンテナ110を通じて契約会社サーバ22に送信する(ステップS106)。この後、制御部120は、契約会社サーバ22から送信されてくる低気圧に関するデータを受信して、取得データファイル133に格納する処理を行うようにする(ステップS107)。そして、制御部120は、低気圧に関するデータを受信したか否かを判断する(ステップS108)。
【0075】
ステップS108の判断処理において、低気圧に関するデータを受信していないと判断したときには、制御部120は、タイムアウトになったか否かを判断する(ステップS109)。このステップS109の判断処理は、ナビゲーション装置1の図示しないカウンタや時計回路の機能を用いることにより、低気圧に関するデータの提供要求の送信から一定時間が経過したか否かを判断する処理である。ステップS109の判断処理において、まだタイムアウトになっていないと判断したときには、制御部120は、ステップS107からの処理を繰り返すようにする。ステップS109の判断処理において、タイムアウトになったと判断したときには、低気圧に関するデータが取得できない旨のエラーメッセージを出力し(ステップS110)、この後、ステップS103からの処理を繰り返すようにする。
【0076】
また、ステップS108の判断処理において、低気圧に関するデータを受信したと判断したときには、制御部120は、入力された目的地、地図DBの地図情報、取得データファイル133の取得データに基づいて、ルート検索を実行し、検索結果をユーザに提示する処理を実行する(ステップS111)。なお、ステップS105の判断処理において、運転者等に高血圧症の人はいないと判断したときには、血圧安全ルートを検索する必要は無いので、ステップS107〜ステップS108の処理葉は行わず、ステップS111のルートを検索する処理を行うことになる。
【0077】
ステップS111においては、上述もした最短距離ルート、交通渋滞回避ルート、血圧安全ルートの検索が可能であるが、高血圧症の同乗者が存在せず、低気圧に関するデータを取得しなかった場合には、血圧安全ルートの検索を行わないようにすることができる。そして、ステップS111においては、検索結果がLCDコントローラ105を通じてLCD106に表示され、どのようなルートが検索されたかがユーザに提示される。
【0078】
なお、ここでは説明を簡単にするため、図8に交通渋滞情報の取得処理を示さなかった。しかし、交通渋滞情報の取得は、ステップS106〜ステップS110の処理と同様に、目的とするサーバ装置に交通渋滞情報の提供要求を送信し、これに応じて返信されてくる交通渋滞情報を受信することにより取得することができる。この処理は、図8に示したステップS111において、あるいは、ステップS111の前段において行うようにされる。また、以下では、説明を簡単にするため、血圧安全ルート以外の最短距離ルート、交通渋滞回避ルートを総称して他のルートとしている。
【0079】
そして、制御部120は、ステップS111において検索され提示されたルートの中から、実際に用いるルートの選択を、操作部131を通じて受け付け(ステップS112)、血圧安全ルートが選択されたか否かを判断する(ステップS113)。ステップS113の判断処理において、血圧安全ルートが選択されたと判断したときには、ステップS111において検索された血圧安全ルートを辿ることができるようにする血圧安全ルートに関する情報をEEPROM124に設定する(ステップS114)。また、ステップS113の判断処理において、血圧安全ルートは選択されていない判断したときには、ステップS112において選択された他のルートを辿ることができるようにする当該他のルートに関する情報をEEPROM124に設定する(ステップS115)。
【0080】
この後、制御部120は、図9のステップS116の処理に進み、ナビゲーション装置1の電源がオフにされたか否かを判断する(ステップS116)。このステップS116の判断処理は、目的地に向かう途中で例えば休憩などにために停車し、ナビゲーション装置1の電源をオフにした場合などを考慮したものである。
【0081】
ステップS116の判断処理において、電源はオフにされていないと判断したときには、制御部120は、図7には図示しなかったが、ナビゲーション装置1が有するカウンタや時計回路の機能を用いることにより、電源オンのまま一定時間(例えば数時間)が経過したか否かを判断する(ステップS117)。具体的には、ステップS114またはステップS115のルート設定時から、一定時間毎のタイミングが順次検出するようにされる。このステップS117の判断処理は、血圧安全ルートが設定されている場合に、時間の経過と共に変化する気象状態に対応するため、後述するように、最新の低気圧データを確認するためのタイミングの到来を検知するための処理である。なお、当該一定時間は、走行時と停止時とを区別すること無く、これらの両方の状態を含めた時間である。
【0082】
そして、ステップS117の判断処理において、一定時間はまだ経過していないと判断したときには、制御部120は、ナビゲーション制御部104を制御し、設定されたルートに沿った目的地までの道案内処理(ナビゲーション処理)を開始させる(ステップS118)。このステップS118の処理は、ナビゲーション制御部104の制御により行われ、現在位置を含む地図をLCD106に表示し、地図上に辿るべきルートを示すと共に、スピーカ108から放音される音声により辿るべきルートを指示する処理である。この後、制御部120は、目的地に到達したり、ルート設定がクリアーされたりするなど、ナビゲーション処理を終了させる事象が発生したか否かを判断する(ステップS119)。
【0083】
ステップS119の判断処理において、ナビゲーション処理を終了させる事象が発生していないと判断したときには、制御部120は、ステップS116からの処理を繰り返す。また、ステップS119の判断処理において、ナビゲーション処理を終了させる事象が発生したと判断したときには、制御部120は、例えば、EEPROM124に設定されたルートに関する情報等をクリアーするなどの所定の終了処理を行って(ステップS120)、この図8、図9に示す処理を終了する。
【0084】
また、ステップS116の判断処理において、ナビゲーション装置1の電源がオフにされたと判断したときには、ナビゲーション装置の電源がオンにされたか否かを判断し(ステップS121)、電源がオンにされていないと判断した時には、このステップS121の処理を繰り返す。すなわち、ナビゲーション装置1の制御部120は、ステップS121の判断処理により、ナビゲーション装置1の電源がオンにされるまで待ち状態となる。なお、ステップS121の判断処理は、メイン電源がオフされた後の処理であるので、制御部120は必要最小限の電力供給により、主電源の投入の有無を監視するようにしている。
【0085】
そして、ステップS121の判断処理において、ナビゲーション装置1の電源がオンにされたと判断した場合と、上述したステップS117の判断処理において、一定時間が経過したと判断した場合においては、制御部120は、EEPROM124のルート設定は、血圧安全ルートに関する設定か否かを判断する(ステップS122)。また、図8のステップS102の判断処理において、ルート設定はされているがまだナビゲーション処理が開始されていないために、ルート設定有りと判断した場合にも、制御部120は、EEPROM124のルート設定は、血圧安全ルートの設定か否かを判断する(ステップS122)。
【0086】
ステップS122の判断処理において、EEPROM124のルート設定は、血圧安全ルートの設定ではないと判断したときには、ステップS118からのナビゲーション処理を再開させる。この場合、ステップS118においては、当該ルート設定を用いるとともに、現在位置の測位処理を再開させ、ナビゲーション処理を再開させることになる。
【0087】
また、ステップS122の判断処理において、ルート設定は、血圧安全ルートの設定であると判断したときには、制御部120は、低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを通信部109等を通じて契約会社サーバ22に送信する(ステップS123)。このように、低気圧に関するデータを再度要求するのは、ナビゲーション装置1の電源がオフにされていた時間が比較的に長時間の場合には、気象状態が大きく変わってしまっている場合もあると考えられるためである。この後、制御部120は、契約会社サーバ22から送信されてくる低気圧に関するデータを受信して、取得データファイル133に格納するようする(ステップS124)。そして、制御部120は、低気圧に関するデータを受信したか否かを判断する(ステップS125)。
【0088】
ステップS125の判断処理において、低気圧に関するデータを受信していないと判断したときには、制御部120は、タイムアウトになったか否かを判断する(ステップS126)。このステップS126の判断処理は、図8のステップS109と同様の処理であり、ナビゲーション装置1の図示しないカウンタや時計回路の機能を用いることにより、低気圧に関するデータの提供要求の送信から一定時間が経過したか否かを判断する処理である。ステップS126の判断処理において、まだタイムアウトになっていないと判断したときには、制御部120は、ステップS124からの処理を繰り返すようにする。ステップS126の判断処理において、タイムアウトになったと判断したときには、低気圧に関するデータが取得できない旨のエラーメッセージ出力し(ステップS127)、この後、この実施の形態においては、図8に示したステップS103からの処理を行うようにして、再度の情報設定、ルート検索を行えるようにする。
【0089】
また、ステップS125の判断処理において、低気圧に関するデータを受信したと判断したときには、制御部120は、入力された目的地、地図DBの地図情報、取得データファイル133の取得データに基づいて、血圧安全ルートの再度の検索を実行する(ステップS128)。この後、制御部120は、EEPROM124に設定されている血圧安全ルートと、新たに検索した血圧安全ルートとを比較し、血圧安全ルートに変更があるか否かを判断する(ステップS129)。ステップS129の判断処理において、血圧安全ルートに変更はないと判断したときには、ステップS116からの処理を繰り返し、EEPROM124に設定されている血圧安全ルートに従ったナビゲーション処理を再開させる。
【0090】
ステップS129の判断処理において、血圧安全ルートに変更があると判断したときには、制御部120は、当該変更をLCDコントローラ105を通じてLCD106に表示し、ユーザに通知する(ステップS130)。このステップS130の通知は、例えば、低気圧の接近が予想よりも遅いために、より高速に移動可能なルートが検索されたり、逆に、低気圧の接近が早まったために、別ルートが検索されたりしたために、これを通知するものである。
【0091】
そして、制御部120は、新たに検索された血圧安全ルートに変更するか否かの確認入力を受け付け(ステップS131)、変更することが指示されたか否かを判断する(ステップS132)。ステップS132の判断処理において、新たな血圧安全ルートへの変更は指示されないと判断したときには、ステップS116からの処理を繰り返し、設定されている既存の血圧安全ルートに従ったナビゲーション処理を再開させる。ステップS132の判断処理において、新たな血圧安全ルートへの変更が指示されたと判断したときには、制御部120は、新たな血圧安全ルートをEEPROM124に設定する(ステップS133)。そして、制御部120は、ステップS116からの処理を繰り返し、新たに設定された血圧安全ルートに従ったナビゲーション処理を開始させる。
【0092】
このように、この実施の形態のナビゲーション装置1は、契約会社サーバ22を通じて低気圧に関するデータを得ることができるものである。そして、ナビゲーション装置1は、低気圧に関するデータを考慮し、低気圧の勢力範囲が接近してきている場合には、当該低気圧が運転者等の血圧に影響を及ぼす可能性の低い血圧安全ルートを検索することができるようにしている。そして、検索された血圧安全ルートに従ったナビゲーション処理を行うことができるようになっている。
【0093】
[契約会社サーバ22の処理]
次に、契約会社サーバ22において行われる低気圧に関するデータの提供処理について説明する。図10は、契約会社サーバ22において行われる低気圧に関するデータの提供処理について説明するためのフローチャートである。この図10に示す処理は、契約会社サーバ22の制御部220において行われる処理である。
【0094】
契約会社サーバ22は、通信部221を通じて、常時、契約者のナビゲーション装置1からの低気圧に関するデータの提供要求を受信するようにしている(ステップS201)。そして、制御部220は、通信部221を通じて契約者のナビゲーション装置1からの低気圧に関するデータの提供要求を受信したか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202の判断処理において、契約者のナビゲーション装置1からの低気圧に関するデータの提供要求を受信していないと判断したときには、制御部220はステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0095】
ステップS202の判断処理において、契約者のナビゲーション装置1からの低気圧に関するデータの提供要求を受信したと判断したときには、制御部220は、分析会社サーバ21に対して送信する低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを通信部221を通じて分析会社サーバ21に送信する(ステップS203)。そして、制御部220は、通信部221を通じて分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信するようにし(ステップS204)、通信部221を通じて分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信したか否かを判断する(ステップS205)。
【0096】
ステップS205の判断処理において、分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信していないと判断したときには、制御部220はステップS204からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS205の判断処理において、分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信したと判断したときには、制御部220は、受信した最新の低気圧に関するデータを、通信部221を通じて要求元のナビゲーション装置1に対して送信し(ステップS206)、この後、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0097】
このように、契約会社サーバ22は、契約者のナビゲーション装置1からの低気圧に関するデータの提供要求を受け付け、分析会社サーバ21から低気圧に関するデータを取得し、これを要求元のナビゲーション装置1に提供することができるものである。すなわち、この実施の形態において、契約会社サーバ22は、契約者のナビゲーション装置1と分析会社サーバ21とを仲介する機能を有している。
【0098】
[分析会社サーバ21の処理]
次に、分析会社サーバ21において行われる気象予測情報の生成処理と、低気圧に関するデータの提供処理について説明する。図11は、分析会社サーバ21において行われる気象予測情報の生成処理を説明するための図であり、図12は、分析会社サーバ21において行われる低気圧に関するデータの提供処理を説明するためのフローチャートである。
【0099】
まず、図11を参照しながら、分析会社サーバ21で行われる気象予測情報の生成処理について説明する。この図11に示す処理は、分析会社サーバ21の制御部210において常時行うようにされる処理である。
【0100】
分析会社サーバ21の制御部210は、時計回路214が提供する現在時刻を確認し(ステップS301)、気象データ提供元3から目的とする気象データを取得することができる時刻になったか否かを判断する(ステップS302)。ステップS302の判断処理において、まだ目的とする気象データを取得することができる時間になっていないと判断したときには、制御部210はステップS301からの処理を繰り返すようにする。
【0101】
ステップS302の判断処理において、目的とする気象データを取得することができる時間になったと判断したときには、制御部210は、気象データファイル215の気象データを気象履歴ファイル216に移し替える(ステップS303)。そして、制御部210は、気象データの提供要求を形成し、これを通信部211を通じて気象データ提供元3に送信する(ステップS304)。この後、制御部210は、通信部211を通じて気象データ提供元3から送信されてくる気象データを受信するようにし(ステップS305)、気象データを受信したか否かを判断する(ステップS306)。
【0102】
ステップS306の判断処理において、気象データを受信していないと判断したときには、ステップS305からの処理を繰り返すようにする。ステップS306の判断処理において、気象データを受信したと判断したときには、受信した当該気象データを気象データファイル215に格納する(ステップS307)。そして、制御部210は、気象予測情報生成部212を制御し、気象データファイルに格納した最新の気象データと、気象履歴ファイル216の気象履歴データとを用いると共に、例えば独自の手法を用いて、気象予測情報を生成し、これを気象予測ファイル217に格納する(ステップS308)。この後、ステップS301からの処理を繰り返すようにする。
【0103】
このように、分析会社サーバ21においては、気象データ提供元3から最新の気象データを取得するようにし、その気象データや過去の気象データを用いると共に、独自の手法を用いて、気象予測情報を生成する。この生成した気象予測情報は、気象予測ファイルに格納され、保持し、利用することができるようにしている。
【0104】
次に、図12を参照しながら、分析会社サーバ21で行われる低気圧に関するデータの提供処理について説明する。この図12に示す処理は、分析会社サーバ21の制御部210において常時行うようにされる処理である。
【0105】
分析会社サーバ21の制御部210は、通信部211を通じて、契約会社サーバ22からの低気圧に関するデータの提供要求を常時するようにしている(ステップS401)。そして、分析会社サーバ21の制御部210は、当該低気圧に関するデータの提供要求を受信したか否かを判断する(ステップS402)。ステップS402の判断処理において、低気圧に関するデータの提供要求を受信していないと判断したときには、制御部210は、ステップS401からの処理を繰り返す。
【0106】
ステップS402の判断処理において、契約会社サーバ22からの低気圧に関するデータの提供要求を受信したと判断したときには、制御部210は、送信用低気圧情報生成部213を制御し、気象予測ファイル217に格納されている気象予測情報の中から低気圧に関するデータを抽出する(ステップS403)。さらに、制御部210は、送信用低気圧情報生成部213を制御し、ステップS403で抽出した最新の低気圧に関するデータに基づいて送信用の低気圧に関するデータ(送信用低気圧情報)を生成し、これを通信部211を通じて要求元である契約会社サーバ22に送信する(ステップS404)。この後、制御部210は、ステップS401からの処理を繰り返す。
【0107】
このように、この実施の形態の分析会社サーバ21は、契約会社サーバ22からの要求に応じて、気象予測情報の中から必要となる低気圧に関するデータを抽出し、これを契約会社サーバ22に提供することができるものである。
【0108】
[第1の実施の形態のまとめ]
このように、この第1の実施の形態の目的地案内システムの場合には、自動車に搭載されて用いられるナビゲーション装置1が、いわゆる高機能のものである。そして、ナビゲーション装置1は、必要となる低気圧に関するデータの提供を受けて、自装置において、目的地までのルートを検索し、そのルートに基づくナビゲーション処理を行うことができるようにしている。
【0109】
そして、ナビゲーション装置1においては、低気圧に関するデータをも考慮した血圧安全ルートを検索して、これを用いたナビゲーション処理を行うことができる。これにより低気圧の接近してきている地方に高血圧症の人が高速に移動したり、低気圧の接近してきているエリアにおいて、血圧を上昇させる可能性のある高地ルートを通ったりすることにより、血圧上昇の危険性を高めないようにすることができる。したがって、低気圧の影響を極力受けないルートで移動することが可能となり、血圧上昇に伴う脳出血等の危険性を低下させることが期待できる。
【0110】
また、上述した第1の実施の形態のナビゲーション装置1においては、最短距離ルート、交通渋滞回避ルート、血圧安全ルートの3種類のルート検索を行えるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、血圧安全ルートの検索時において、交通渋滞情報をも考慮し、血圧安全ルートであるが、できるだけ交通渋滞を避けるようなルートを検索するようにすることも可能である。この他、複数の目的地を指定し、その指定した目的地を順次に辿るルートを検索するなどのこともできるようにされる。
【0111】
また、上述した第1の実施の形態のナビゲーション装置1においては、血圧安全ルートが設定されている場合に、目的地に到着するまでの間に電源が落とされたときには、電源再立ち上げ時に、再度、血圧安全ルートの検索を行うようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、ナビゲーション装置1において、電源がオフにされてからの時間を計測するようにし、所定時間以上オフにされていた場合に、電源再立ち上げ時に、再度、血圧安全ルートの検索を行うようしてもよい。この場合の所定時間は、気象状態が大きく変化する可能性が大きくなる。例えば、数時間程度の時間となる。
【0112】
なお、上述した第1の実施の形態において、ナビゲーション装置は自動車に搭載されるものとして説明した。当該ナビゲーション装置には、オンダッシュ型、インダッシュ型、AV一体型、ポータブル型、簡易型など種々のタイプのものを用いることが可能である。
【0113】
[第2の実施の形態]
[目的地案内システムの構成例]
[目的地案内システムの構成の概要]
図13は、この発明のシステムの一実施形態が適用されて構成された第2の実施の形態の目的地案内システムを説明するための図である。この図13に示す第2の実施の形態の目的地案内システムにおいて、図1に示した第1の実施の形態の目的地案内システムと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、当該部分の詳細な説明は重複するので省略する。
【0114】
図13に示すように、この第2の実施形態の目的地案内システムは、契約者であるユーザが使用する携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)と、サービス提供センター2Xとからなっている。そして、サービス提供センター2Xが、気象データ提供元3から気象データの提供を受け、これを処理して、契約者の携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)に対して必要な情報を供給することができる構成になっている。サービス提供センター2Xは、上述した第1の実施の形態のサービス提供センター2と同様に、気象データ分析会社のサーバ(以下、分析会社サーバという。)21と契約会社のサーバ(以下、契約会社サーバという。)22Xとからなるものである。しかし、詳しくは後述もするように、契約会社のサーバ22Xの構成が第1の実施の形態の契約会社サーバ22とは異なっている。
【0115】
そして、上述した第1の実施の形態の目的地案内システムは、自動車で移動する場合の道路案内をナビゲーション装置1を通じて行うものであった。これに対し、この第2の実施の形態の目的地案内システムは、鉄道や航空機などの公共交通機関を用いて移動する場合の乗り換えルート案内を携帯電話端末を通じて行うものである。ここで、携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれは、携帯用であり小型化、軽量化がなされているものである。このため、携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)においては、第1の実施の形態のナビゲーション装置1におけるルート検索処理のような負荷の大きな処理を行うには無理がある。
【0116】
そこで、この第2の実施の形態の目的地案内システムにおいては、負荷の重い乗り換えルート検索をサービス提供センター2の契約会社のサーバ22Xにおいて行うようにしている。このように、この第2の実施の形態において、携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれがユーザ端末であり、主に契約会社サーバ22Xが、この発明によるサーバ装置に対応している。なお、この第2の実施の形態において、乗り換えルートと言う文言は、どこで乗り換えるかを示すものだけではなく、公共交通機関を乗り換える必要がない場合、単純に、どの公共交通機関を利用して移動するのかを示す情報をも含むものである。したがって、「X鉄道会社のY線でZ駅に向かって下さい。」といった乗り換えの必要のない情報も、この第2の実施の形態の乗り換えルートに含まれる。
【0117】
そして、図13に示すように、気象データ提供元3と気象データ分析会社のサーバ21との間、気象データ分析会社のサーバ21と契約会社のサーバ22Xと間は、専用線、あるいは、インターネットなどの高域通信網によって接続することができるようにされている。さらに、分析会社のサーバ22Xと携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれとの間も、例えばインターネット100を介して接続することができるようにされている。
【0118】
携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれは、携帯電話網を通じて電話通信を行う機能やインターネット100を通じて行う電子メール機能や情報閲覧機能などを備えたものである。そして、携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれは、契約会社サーバ22Xを通じて、公共交通機関を利用して移動する場合の乗り換えルート検索を行い、乗り換えルート案内サービスの提供を受けることができるものである。そして、この場合、携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれは、低気圧の接近に伴う血圧上昇の危険性を避けるため、低気圧がユーザの血圧に影響を及ぼす可能性の低いルートを利用した乗り換えルート案内の提供を受けることができるものである。
【0119】
サービス提供センター2Xは、図13に示すように、分析会社サーバ21と契約会社サーバ22Xとから構成されている。分析会社サーバ21は、上述した第1の実施の形態の分析会社サーバ21と同様に構成され、同様の機能を有するものである。すなわち、分析会社サーバ21は、気象データ提供元3から気象データの提供を受け、これを分析することによって、気象予測情報を形成する。そして、分析会社サーバ21は、契約会社サーバ22Xからの要求に応じて低気圧に関するデータを気象予測情報から抽出して、これを契約会社のサーバ22Xに提供することができるものである。
【0120】
契約会社サーバ22Xは、自機にアクセス可能な契約者を管理するための契約者データベース(以下、契約者DBという。)や鉄道や航空機などの公共交通機関の移動経路情報やダイヤグラムの情報等からなる経路データベース(以下、経路DBという。)を備えたものである。契約会社サーバ22Xは、自機にアクセスしてきた携帯電話端末が、自機に接続可能な契約関係のある契約者のものであると認証が取れた場合に、目的地などの種々の情報を受け付け、受け付けた情報に応じた乗り換えルート検索を行い、その結果を当該携帯電話端末に提供する。この乗り換えルート検索時において、契約会社サーバ22Xは、気象データ分析会社のサーバ21から低気圧に関するデータを得て、これをも考慮した乗り換えルート検索を行うことができるようにしている。
【0121】
なお、図13においても説明を簡単にするため、異なる機能を実現する分析会社サーバ21と契約会社サーバ22Xとの2つのサーバを設けるようにした。しかし、これに限るものではない。分析会社サーバ21の機能と契約会社サーバ22Xの機能とを1つのサーバ装置に持たせるようにすることももちろん可能である。
【0122】
[目的地案内システムの動作の概要]
次に、図13に示したように構成されるこの第2の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要について説明する。図14は、この第2の実施の形態の目的地案内システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。なお、以下においては、説明を簡単にするため、同様の機能を実現する携帯電話端末4(1)、4(2)、…、4(n)のそれぞれを総称して携帯電話端末4という。
【0123】
この第2の実施の形態の目的地案内システムの分析会社サーバ21は、第1の実施の形態の目的地案内システムの分析会社サーバ21と同様の処理を行う。すなわち、この第2の実施形態の目的地案内システムにおいても、分析会社サーバ21は、図14の右上側に点線矢印で示すように、所定時間毎に気象データ提供元3に対して必要となる気象データの提供を要求し、当該必要となる気象データの提供を受ける。そして、分析会社サーバ21は、新たに提供を受けた気象データや記憶保持している過去の気象データ等に基づいて、気象データ分析処理を実行し、気象予測情報を形成し、これを保持する。ここで、気象データの取得処理から気象予測情報の分析処理までの一連の処理は、気象データ提供元3から新たな気象データの提供を受けることができるタイミングで随時に行われる。
【0124】
一方、携帯電話端末4は、ユーザから出発地、目的地、出発予定時刻または到着予定時刻、利用する交通機関、ユーザが高血圧症か否か等の情報の入力を受け付ける。そして、携帯電話端末4は、入力された情報を含む乗り換えルート検索要求を形成し、これを契約会社のサーバ22Xに対してインターネット100を通じて送信する。契約会社のサーバ22は、携帯電話端末4からの乗り換えルート検索要求を受信すると、まず、当該検索要求にユーザが高血圧症であることを通知する情報が含まれているか否かを確認する。高血圧症であることを示す情報が含まれていないときには、契約会社のサーバ22Xは、低気圧に関する情報を考慮しない通常の乗り換えルート検索(通常ルート検索)を実行する。
【0125】
また、当該検索要求にユーザが高血圧症であることを示す情報が含まれているときには、契約会社サーバ22Xは、低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを分析会社サーバ21に送信する。分析会社サーバ21は、契約会社サーバ22Xからの低気圧に関するデータの提供要求を受信すると、最新の気象予測情報の中から低気圧に関するデータを抽出し、これを契約会社サーバ22Xに提供する。契約会社サーバ22Xは、分析会社サーバ21から低気圧に関するデータの提供を受けると、当該低気圧に関するデータをも考慮し、低気圧がユーザの血圧に影響を及ぼす可能性の低い乗り換えルートの検索(血圧安全ルート検索)を実行する。
【0126】
そして、契約会社サーバ22Xは、通常ルート検索あるいは血圧安全ルート検索を行った後、その検索結果を検索要求元の携帯電話端末4に送信する。携帯電話端末4は、契約会社サーバ22Xからの検索結果を受信したら、その検索結果を表示し、ユーザに提供する。
【0127】
このように、この第2の実施の形態の目的地案内システムにおいては、携帯電話端末4は、ユーザが高血圧症である場合に、契約会社サーバ22Xに低気圧に関するデータをも考慮した乗り換えルートを検索させ、その結果を利用することができるようにしている。
【0128】
[目的地案内システムを構成する各装置の構成]
次に、この第2の実施の形態の目的地案内システムを構成する各装置の構成と動作について説明する。上述もしたように、この第2の実施の形態においても、分析会社サーバ21は、図5を用いて説明した第1の実施の形態の分析会社サーバ21と同様に構成され、同様の動作を行うものである。このため、以下では、分析会社サーバ21についての詳細な説明は省略し、契約会社サーバ22Xと携帯電話端末4の構成と動作について説明する。
【0129】
[契約会社のサーバ22Xの構成例]
まず、この第2の実施の形態の目的地案内システムで用いられる契約会社サーバ22Xについて説明する。図15は、図13に示した目的地案内システムにおいて用いられる契約会社サーバ22Xの構成例を説明するためのブロック図である。図15に示した契約会社サーバ22Xにおいて、図6に示した第1の実施の形態の契約会社サーバ22と同様に構成される部分には、同じ参照符号を付し、それらの部分の詳細な説明については省略する。
【0130】
図15に示すように、契約会社サーバ22Xは、制御部220、通信部221、低気圧情報ファイル222、契約者データベース(以下、契約者DBという。)223、経路データベース(以下、経路DBという。)224、経路検索部225を備えている。制御部220は、契約会社サーバ22Xの各部を制御するものであり、図15に示すように、CPU2201、ROM2202、RAM2203が、CPUバス2204を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。なお、図15には図示しなかったが、CPUバス2204には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等のいわゆる不揮発性メモリも接続される。そして、当該不揮発性メモリに対して、電源が落とされた場合にも保持しておくべきパラメータや追加プログラムなどを記憶させることもできるようにしている。
【0131】
そして、通信部221は、上述した分析会社サーバ21や後述する携帯電話端末4などとの間においての通信処理を行うものである。また、図15において、低気圧情報ファイル222、契約者DB223、経路DB224のそれぞれは、ハードディスク、書き換え可能な光ディスク、半導体メモリなどの大容量記録媒体に形成されるデータファイルである。この第2の実施形態の契約会社サーバ22Xにおいても、低気圧情報ファイル222、契約者DB223、経路DBのそれぞれは、契約会社サーバ22Xが有するハードディスクに形成されるものである。
【0132】
ここで、低気圧情報ファイル222は、上述したように、分析会社サーバ21から提供され、通信部221を通じて受信した低気圧に関するデータを保持するものである。また、契約者DB223は、契約会社と契約関係にあり、契約会社サーバ22Xに対してアクセス可能な契約者の携帯電話端末の認証に関する情報を記憶保持するものである。具体的に契約者DB223には、契約者の氏名、住所、電話番号の他、認証情報として契約者毎に付与される識別情報(識別ID)などからなるものである。また、経路DB224は、鉄道、航空機、汽船、フェリーボートなど、不特定多数の人々が利用する公共交通機関の移動経路を示す移動経路情報や出発時刻や到着時刻などからなるダイヤグラムの情報等を記憶保持するものである。
【0133】
そして、契約会社サーバ22Xが有する経路検索部225は、通信部221を通じて受け付ける携帯電話端末4からの出発地や目的地などの情報に基づいて、経路DB224の情報を検索し、公共交通機関の公的な乗り換えルート案内情報を検索するものである。更に、経路検索部225は、携帯電話端末4からの情報に、ユーザが高血圧であることを示す情報が含まれているときは、低気圧情報ファイル222に格納されている低気圧に関するデータをも考慮して、乗り換えルート案内情報を検索する。この場合、乗り換えルート案内情報は、低気圧がユーザの血圧に影響を及ぼす可能性の低いルートを示すものである。このように、経路検索部225は、通常ルート検索と血圧安全ルート検索の両方を行うことができるものである。
【0134】
[携帯電話端末4の構成例]
次に、契約者の使用する携帯電話端末4の構成例について説明する。図16は、この第2の実施の形態の目的地案内システムにおいて用いられる携帯電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。図16に示すように、この第2の実施の形態のシステムで用いられる携帯電話端末4は、送受信アンテナ401、アンテナ共用器402、受信部403、ベースバンド処理部404、コーデック405、受話器(スピーカ)406、送話器(マイクロホン)407、送信部408、局発部409、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ410、LCD411、リンガ412、制御部420、操作部430、地図データメモリ431、GPS部432、GPSアンテナ433を備えたものである。
【0135】
制御部420は、携帯電話端末4の各部を制御するものであり、CPU421、ROM422、RAM423、EEPROM424が、CPUバス425を通じて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU421は、制御の主体となるものであり、後述するROM422などに記憶保持されているプログラムを実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部からの信号を受け付けて、これを処理したりする。ROM422は、上述もしたように、CPU421によって実行される種々のプログラムやフォントデータなどの処理に必要になる各種のデータを記憶保持しているものである。RAM423は、各種の処理において途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM424は、いわゆる不揮発性メモリであり、この携帯電話端末4の電源が落とされても保持しておくべき情報、例えば、各種の設定パラメータ、電話帳データ、電子メールデータ、新たに提供されたプログラムなどを記憶保持するものである。
【0136】
このような制御部420に対しては、図16に示すように、操作部430が接続されている。操作部430は、図示しないが、テンキーや各種のファクションキーなどの複数の操作キーが設けられたものであり、ユーザからの操作入力を受け付けるものである。そして、操作部430を通じて受け付けた使用者からの操作入力は、電気信号に変換されて制御部420に供給される。これにより、制御部420は、ユーザからの指示に応じて各部を制御し、ユーザの指示に応じた処理を行うことができるようにしている。
【0137】
また、制御部420に対しては、LCDコントローラ410と、リンガ412とが接続されている。LCDコントローラ410は、制御部420により制御され、制御部420からの表示データからLCD411に供給する映像信号を形成し、これをLCD411に供給する。これにより、LCD411に制御部420からの表示データに応じて情報が表示される。また、リンガ412はリンガコントローラを備え、制御部420からの制御信号に応じて、警告音や着信音を放音することができるものである。
【0138】
さらに、制御部420に対しては、地図データメモリ431が接続されている。この地図データメモリ431には、後述するGPS部432を通じて取得する現在位置を示す情報を用いて、例えば、経路案内(道案内)を行う場合などに用いられる地図データが格納されている。なお、地図データメモリ431には、必要な地域の地図データを、例えば、インターネット100を通じて所定のサーバからダウンロードしてきて格納しておくことができるようにされる。
【0139】
そして、GPS部432及びGPSアンテナ433は、現在位置を取得するためのものであり、複数の人口衛星からの測位データがGPSアンテナ433を通じて受信され、これがGPS部432に供給される。GPS部432は、受信した複数の人口衛星からの測位データを分析することにより、自己の現在位置を示す情報(経度、緯度)を精度良く特定する。そして、制御部420は、GPS部432により特定された現在位置を示す情報と、地図データメモリ431に格納されている地図データとにより、経路案内を行うことができるようにされる。
【0140】
次に、携帯電話端末4において、電話網やインターネットを通じた通信を行う場合の受信系および送信系について説明する。先ず、携帯電話端末4の受信系について説明する。送受信アンテナ401を通じて受信した受信信号は、アンテナ共用器402を通じて受信部403に供給される。受信部403は、受信信号が適正なレベルになるように、必要な帯域制限、AGC(Automatic Gain Control)を行なうとともに、局発部(周波数シンセサイザ)409からの信号に基づいて、受信信号の周波数を一定の周波数にするなどの処理を行って、処理後の信号をベースバンド処理部404に供給する。
【0141】
ベースバンド処理部404は、受信部403からの信号をA/D変換し、フェージングなどの影響除去や、受信した信号の種別判別、デ・インターリーブ、エラー訂正を行ない、適切な復号処理を行って、音声データとその他の通信データとを分離する。そして、音声データは、DSP(Digital Signal Processor)の構成とされたコーデック405に供給され、その他の通信データである、例えば、各種の制御情報や文字データなどは、制御部420に供給される。
【0142】
コーデック405は、ベースバンド処理部404からの音声データをD/A変換してアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ406に供給する。スピーカ406は、コーデック405からのアナログ音声信号により駆動され、受信信号に応じた音声を放音する。一方、ベースバンド処理部404から制御部420に供給された通信データは、携帯電話端末4用の制御データや文字データなどの場合には、制御部420のRAM423に一時記憶されて、この携帯電話端末4において使用される。そして、契約会社サーバ22Xからの種々の通知情報は、自機に対するいわゆる制御データをも含んでおり、上述したように、送受信アンテナ401、アンテナ共用器402、受信部403、ベースバンド処理部404を通じて制御部420に供給されて、危険度の報知に用いられるようにされる。
【0143】
次に、この実施の形態の携帯電話端末4の送信系について説明する。マイクロホン407は、収音した音声をアナログ音声信号に変換し、これをコーデック405に供給する。コーデック405は、マイクロホン407からのアナログ音声信号をA/D変換して、デジタル音声信号を形成し、これをベースバンド処理部404に供給する。ベースバンド処理部404は、コーデック405からのデジタル音声信号を所定の符号化方式で符号化して圧縮し、所定のブロックにまとめる。またベースバンド処理部404は、制御部420を通じて供給されるキー操作部430を通じて受け付けた送信用のデジタルデータついても所定のブロックにまとめることができるものである。ベースバンド処理部404は、圧縮されたデジタル音声信号や操作部430を通じて受け付けた送信用のデジタルデータをまとめ、送信部408に供給する。
【0144】
送信部408は、ベースバンド処理部404からのデジタルデータから変調信号を形成し、この変調信号を所定の送信周波数に変換するために、変調信号と、局発部409からの変換用の信号とを混合して、送信用変調信号を形成する。この送信部408において形成された送信用変調信号は、アンテナ共用器402を経由して、送受信アンテナ401から送信される。したがって、操作部430を操作することにより、形成される契約会社サーバ22Xに対する種々の要求も、ベースバンド処理部404、送信部408、アンテナ共用器402、送受信アンテナ401を通じて送出され、契約会社サーバ22Xに対して送信することができるようにされる。
【0145】
このような受信系および送信系を備えた携帯電話端末4においては、待ち受け受信時(待ち受け時)においては、制御部420は、ベースバンド処理部404からの受信信号を監視することにより、自機への着信を検出する。そして、制御部420は、自機への着信を検出した場合には、リンガ412を制御して、呼び出し音(リンガ音)を放音することにより、自機への着信を当該携帯電話端末4の使用者に通知する。
【0146】
そして、携帯電話端末4の使用者が、携帯電話端末4に設けられている操作部430の通話開始キー(オフフックキー)を押下するなどのオフフック操作を行なうことにより、着信に応答した場合には、制御部420は、送信系を通じて、接続応答を送出するなどして通信回線を接続し、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
【0147】
また、この携帯電話端末4から発信(発呼)する場合には、例えば、操作部430のダイヤルキーを通じて電話番号を入力し、あるいは、予め登録された電話帳データから相手先の電話番号を選択することにより、目的とする相手先を特定するようにし、操作部430の通話開始キーを押下するなどのオフフック操作を行うことによって、ダイヤル動作(発呼処理)を行なうようにすることができる。
【0148】
これにより、制御部420は、発呼要求を形成し、送信系を通じて送信することにより、目的とする相手先の電話端末との間に通信回線を接続するようにする。そして、相手先からの着信応答が返信されてきて、通信回線の接続を確認すると、前述したように、受信系、送信系の動作によって通話が可能となる。
【0149】
また、この実施の形態の携帯電話端末は、インターネットに接続が可能なものであり、例えば、電話会社が提供するプロバイダ機能を通じて、URL(Uniform Resource Locators)を入力して送信することにより、Webページなどの情報を得て、この情報を、制御部420を通じてLCD411に表示したりすることもできるようにしている。また、この実施の形態の携帯電話端末1は、操作部430、LCD411を通じて情報を入力して、送信用の電子メールデータをEEPROM424に作成し、これをインターネットを通じて目的とする相手先のメールサーバに送信したり、また、自機宛の電子メールをメールサーバから受信してEEPROM424に格納し、これをLCD411に表示して利用したりするなどのこともできるものである。
【0150】
このように、携帯電話端末4は、携帯電話ネットワークやインターネット100などの広域ネットワークを通じて、電話通信やデータ通信を行うことができるものである。そして、上述もしたように、この第2の実施の形態の携帯電話端末4は、インターネット接続機能を用いることにより、インターネット100を通じて契約会社サーバ22Xにアクセスし、乗り換えルート検索要求を送信することができる。これにより、契約会社サーバ22Xにおいて、乗り換えルートの検索処理が行われ、その結果の提供を受けて、LCD411に表示してユーザに提供することができるようになっている。
【0151】
[検索用情報の入力画面と検索結果の報知画面]
次に、この第2の実施の形態の携帯電話端末4で用いられる乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いられる、必要情報の入力画面の例と、検索された乗り換えルートの報知画面の例について説明する。
【0152】
図17は、この第2の実施の形態の携帯電話端末4で用いられる乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いられる、必要情報の入力画面の例について説明するための図である。図17(A)は、出発日時を指定して乗り換えルートの検索を行うための情報入力画面であり、出発地、目的地、出発時刻、高血圧症の別の各入力欄が設けられている。ここで、出発地の入力欄には、出発することになる駅、空港、港などの名称などが入力される。目的地の入力欄には、到着したい駅、空港、港などの名称などが入力される。なお、駅については、鉄道会社を区別する情報の入力もできるようにされる。出発日時の入力欄には、出発しようとしている予定日時が入力される。また、高血圧の入力欄には、高血圧症である場合には、「1:高血圧症」か、「0:正常」かの別が入力される。
【0153】
図17(A)に示した入力画面の各入力欄に、操作部430を通じて情報を入力し、操作部130の数字キーを通じて、「1:OK」を選択すると、当該入力された情報を含む検索要求が形成されて契約会社サーバ22Xに送信されることになる。また、図17(A)に示した入力画面の各入力欄に、操作部430を通じて情報を入力している段階で、操作部130の数字キーを通じて、「2:NG」を選択すると、各入力欄への再度の情報の入力を行うことができるようにされる。また、図17(A)が表示されている場合に、操作部130の数字キーを通じて、「9:終了」を選択すると、当該入力画面は消去され、例えば、元の処理モードとなるようにされる。
【0154】
また、図17(B)は、到着日時を指定して乗り換えルートの検索を行うための情報入力画面であり、図17(A)に示した入力画面の出発日時の入力欄が、到着日時の入力欄に変わったことを除けば、他の入力欄は、図17(A)に示した入力画面と同様のものである。これにより、図17(A)の入力画面を用いれば、出発時刻を基準にして乗り換えルートの検索を行うように指示することができるようにされる。また、図17(B)の入力画面を用いれば、到着時刻を基準に乗り換えルートの検索を行うように指示することができるようにされる。
【0155】
なお、ここでは、2つの入力画面(図17(A)、(B))を示したが、出発日時の入力欄と到着日時の入力欄との両方を備えた入力画面を用いるようにし、それらに入力された情報に基づいて、乗り換えルートの検索を行うように指示することもできる。この場合、出発日時の入力欄と到着日時の入力欄とのいずれか一方への情報の入力を省略することができるようにしておけば、入力された情報に応じた検索を要求することができる。また、出発日時の入力欄と到着日時の入力欄との両方に情報が入力された場合には、例えば、入力された出発日時から到着日時の間に移動できるようにする乗り換えルートが検索するなどのことが行うようにされる。
【0156】
このように、携帯電話端末4においては、たとえば、図17(A)、(B)に示したように構成される入力画面を用いて、操作部430を通じて必要な情報を入力し、この入力した情報を含む、検索要求を形成して、契約会社サーバ22Xに送信することができる。
【0157】
図18、図19は、この第2の実施の形態の携帯電話端末4で用いられる乗換えルート検索サービスを受ける場合に用いられる、検索された乗り換えルートの報知画面の例について説明するための図である。図18(A)、(B)、(C)は、図17(A)、(B)を用いて説明した入力画面を通じて、10月30日に東京駅から青森駅に向かう場合の乗り換えルートの検索を行うようにした場合の検索結果の表示例である。
【0158】
図18(A)は、低気圧に関するデータが、現在、日本海側から低気圧が接近中であり、24時間以内にその低気圧の勢力範囲が東北地方の日本海側に到達する可能性があることを示して場合の契約会社サーバ22Xの検索結果の報知画面の表示例を示すものである。この例の場合、図18(A)に示すように、日本海側から低気圧が接近中であるため、日本海側のルートは避け、東北新幹線を使って、青森に向かうようにすることを報知する情報がLCD411の表示画面411Gに表示されている。
【0159】
また、図18(B)は、低気圧に関するデータが、現在、太平洋側を低気圧が北上中であり、24時間以内にその低気圧の勢力範囲が東北地方の太平洋側に到達する可能性があることを示している場合の契約会社サーバ22Xの検索結果の報知画面の表示例を示すものである。この例の場合、図18(B)に示すように、太平洋側を低気圧が北上中であるため、太平洋側のルートは避け、上越新幹線を使って新潟まで行き、新潟から羽越線経由の日本海ルートで青森に向かうようにすることを報知する情報がLCD411の表示画面411Gに表示されている。
【0160】
また、図18(C)は、低気圧に関するデータが、現在、北東北地方に急速に低気圧が接近中であり、高速に青森に向かうと低気圧の影響を受けて、血圧が上昇する可能性があることを示している場合の契約会社サーバ22Xの検索結果の報知画面の表示例を示すものである。この例の場合、新幹線などの高速な移動手段の利用はやめ、普通列車や急行列車などの比較的に低速な移動手段を用いるか、10月30日の移動は断念し、10月31日以降に移動したほうが安全であることを報知する情報がLCD411の表示画面411Gに表示されている。
【0161】
また、図19(A)は、低気圧に関するデータが、現在、低気圧が日本列島に接近中であり、当該低気圧の勢力範囲が48時間後に北東北に到達する可能性があることを示している場合の契約会社サーバ22Xの検索結果の報知画面の表示例を示すものである。この例の場合、48時間以内に低気圧の勢力範囲が到達する可能性があるので、早めに青森まで行き、24時間以内に帰京することが安全であることを報知する情報がLCD411の表示画面411Gに表示されている。
【0162】
また、図19(B)は、低気圧に関するデータが、現在、低気圧の勢力範囲が24時間以内に東北地方に到達する可能性があることを示している場合の契約会社サーバ22Xの検索結果の報知画面の表示例を示すものである。この例の場合、青森に向かうことは、低気圧の接近に伴って血圧が上昇する可能性が高いので、無理に移動せず、指定席やグリーン席を利用して、ゆったりと移動したほうが安全であることを報知する情報がLCD411の表示画面411Gに表示されている。
【0163】
この他にも、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、低気圧が接近中の場合には、飛行機を利用したり、高地を移動する経路の列車を利用したりするルートは除外して、できるだけ安全な乗り換えルートを検索し、これを報知することもできる。また、目的地までの間の所定の地点で1泊したり、数時間程度の休憩を取ったりするなどの情報を報知するようにすることも可能である。
【0164】
[第2の実施の形態のシステムの各装置における具体的な処理]
次に、上述したように構成される、携帯電話端末4、契約会社サーバ22Xのそれぞれにおいて行われる処理について具体的に説明する。なお、分析会社サーバ21で行われる処理は、第1の実施の形態の分析会社サーバ21で行われる処理と基本的に同じで有るので、この第2の実施の形態の説明では省略する。
【0165】
[携帯電話端末4の処理]
まず、この第2の実施の形態の目的地案内システムで用いられる携帯電話端末4の動作について説明する。図20は、この第2の実施の形態の携帯電話端末4の動作について説明するためのフローチャートである。この図20に示す処理は、例えば、実行可能な処理や機能が登録され、LCD411に表示するようにされるメニューから、操作部430を通じて、乗り換えルート検索が選択された場合に、主に制御部420において実行される処理である。
【0166】
上述のように、メニューから乗り換えルート検索が選択されると、制御部420は図20に示した処理を実行し、図17を用いて説明した入力画面をLCD411に表示して、検索に必要となる情報の入力を受け付ける(ステップS501)。なお、図17を用いて説明したように、複数種類の入力画面を用いることができる場合には、例えば、「乗り換えルート検索(出発日時指定)」、「乗り換えルート検索(到着日時指定)」などの項目を有するメニューから目的とする入力画面を用いる処理を選択することができるようにされる。
【0167】
そして、制御部420は、設定情報の入力が完了したか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502の判断処理において、設定情報の入力がまだ完了していないと判断したときには、検索の終了が指示されたか否かを判断する(ステップS503)。ステップS503の判断処理において、検索の終了が指示されたと判断したときには、LCD411に表示した入力画面を消去し、元の表示画面に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS504)、この図20に示す処理を終了する。また、ステップS503の判断処理において、検索の終了は指示されていないと判断したときには、制御部420はステップS501からの処理を繰り返し、設定情報の入力を受け付けるようにする。
【0168】
また、ステップS502の判断処理において、設定情報の入力が完了したと判断したときには、制御部420は、入力された設定情報を含む乗り換えルートの検索要求を形成し、これを送信系を通じて、契約会社サーバ22Xに送信する(ステップS505)。ここで、携帯電話端末4の送信系は、ここでは上述の説明からも分かるように、ベースバンド処理部404、送信部408、アンテナ共用器402、送受信アンテナ401からなる部分である。
【0169】
この後、制御部420は、契約会社サーバ22Xから送信されてくる自機宛の検索結果を受信系を通じて受信するようにする(ステップS506)。ここで、携帯電話端末4の受信系は、上述した説明からも分かるように、送受信アンテナ401、アンテナ共用器402、受信部403、ベースバンド処理部404からなる部分である。この後、制御部420は、自機宛の検索結果を受信したか否かを判断する(ステップS507)。ステップS507の判断処理において、自機宛の検索結果を受信していないと判断したときには、制御部420は、タイムアウトになったか否かを判断する(ステップS508)。
【0170】
このステップS508の判断処理は、携帯電話端末4の図示しないカウンタや時計回路の機能を用いることにより、ステップS504の検索要求の送信から一定時間が経過したか否かを判断する処理である。ステップS508の判断処理において、タイムアウトになったと判断したときには、乗り換えルートの検索結果が取得できない旨のエラーメッセージを出力する(ステップS509)。この後、この第2の実施の形態の携帯電話端末4においては、ステップS501からの処理を繰り返し、再度、設定情報の入力からやり直すことができるようにされる。また、ステップS508の判断処理において、タイムアウトになっていないと判断したときには、ステップS506からの処理を繰り返し、契約会社サーバ22Xからの検索結果の受信処理を繰り返す。
【0171】
ステップS507の判断処理において、自機宛の検索結果を受信したと判断したときには、制御部420は、当該検索結果を例えばRAM423に取り込み、これをLCDコントローラ410を通じてLCD411に表示する処理を行う(ステップS510)。この後、操作部430を通じて、検索結果表示の終了確認を受け付け(ステップS511)、終了確認を受け付けたか否かを判断する(ステップS512)。このステップS512の判断処理において、終了確認を受け付けていないと判断したときには、制御部420はステップS511からの処理を繰り返す。また、ステップS512の判断処理において終了確認を受け付けたと判断したときには、制御部420は、LCD411に表示した検索結果を消去して、検索処理前の状態に復帰させる所定の終了処理を実行し(ステップS513)、この図20に示す処理を終了する。
【0172】
このように、この第2の実施の形態の携帯電話端末4は、乗り換えルートの検索を行う場合に、ユーザから必要な設定情報の入力を受け付けて、これを含む検索要求を形成して契約会社サーバ22Xに送信する。これにより、契約会社サーバ22Xにおいて入力した設定情報に応じた乗り換えルートの検索処理を実行させることができる。そして、携帯電話端末4は、契約会社サーバ22Xから乗り換えルートの検索結果の提供を受け、これをLCD411に表示してユーザに提供することができる。この場合、携帯電話端末4からの設定情報の中に、ユーザが高血圧症であることを示す情報が含まれるときには、後述もするように、契約会社サーバ22Xは、分析会社サーバ21から低気圧に関するデータを取得し、これをも考慮して、低気圧がユーザの血圧に影響与える可能性の低い乗り換えルートを検索して、これをユーザに提示することができるようにされる。
【0173】
[契約会社サーバ22Xの処理]
次に、契約会社サーバ22Xにおいて行われる乗り換えルートの検索処理について説明する。図21は、第2の実施の形態の契約会社サーバ22Xにおいて行われる乗り換えルートの検索処理について説明するためのフローチャートである。この図21に示す処理は、契約会社サーバ22Xの制御部220において行われる処理である。
【0174】
契約会社サーバ22Xは、通信部221を通じて、常時、契約者の携帯電話端末4からの乗り換えルートの検索要求を受信するようにしている(ステップS601)。そして、制御部220は、通信部221を通じて契約者の携帯電話端末4からの乗り換えルートの検索要求を受信したか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602の判断処理において、契約者の携帯電話端末4からの乗り換えルートの検索要求を受信していないと判断したときには、制御部220はステップS601からの処理を繰り返すようにする。
【0175】
ステップS602の判断処理において、契約者の携帯電話端末4からの乗り換えルートの検索要求を受信したと判断したときには、制御部220は、受信した検索要求に含まれるユーザからの設定情報の中に、ユーザが高血圧症であることを示す情報が含まれているか否かを判断する(ステップS603)。ステップS603の判断処理において、ユーザが高血圧症であることを示す情報が含まれていると判断したときには、制御部220は、分析会社サーバ21に対して送信する低気圧に関するデータの提供要求を形成し、これを通信部221を通じて分析会社サーバ21に送信する(ステップS604)。そして、制御部220は、通信部221を通じて分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信して、低気圧情報ファイル222に格納するようにし(ステップS605)、通信部221を通じて分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信したか否かを判断する(ステップS606)。
【0176】
ステップS606の判断処理において、分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信していないと判断したときには、制御部220はステップS605からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS606の判断処理において、分析会社サーバ21からの低気圧に関するデータを受信したと判断したときには、制御部220は、経路検索部225を制御して、受信して低気圧情報ファイル222に格納した最新の低気圧に関するデータをも考慮した血圧安全ルート検索を実行する(ステップS607)。また、ステップS603の判断処理において、ユーザが高血圧症であることを示す情報は含まれていないと判断したときには、制御部220は、経路検索部225を制御して低気圧に関するデータを考慮しない通常ルート検索を実行する(ステップS608)。
【0177】
そして、ステップS607の血圧安全ルート検索を実行した後、あるいは、ステップS608の通常ルート検索を実行した後においては、制御部220は、それらの検索結果を通信部221を通じて検索要求元の携帯電話端末4に送信する(ステップS609)。この後、制御部220は、ステップS601からの処理を繰り返すようにする。
【0178】
このように、この第2の実施の形態の契約会社サーバ22Xは、携帯電話端末4からの検索要求に応じて、乗り換えルートの検索処理を行う。そして、携帯電話端末4からの検索要求に、携帯電話端末4のユーザが高血圧症であることを示す情報が含まれているときには、分析会社サーバ21から低気圧に関するデータの提供を受けて、血圧安全ルート検索を行う。この結果、低気圧が携帯電話端末のユーザの血圧に影響を与える可能性の少ない乗り換えルートを検索し、これを要求元の携帯電話端末4に提供することができるようにしている。
【0179】
[第2の実施の形態のまとめ]
このように、この第2の実施の形態の目的地案内システムの場合には、携帯電話端末4は、持ち運びに適するように小型化、軽量化がなされたものであり、第1の実施の形態のナビゲーション装置に比べれば処理能力の点で、いわば低機能の装置であるといえる。しかし、乗り換えルートの検索機能をインターネット100に接続された契約会社サーバ22Xに代行させることによって、携帯電話端末4自身に大きな負荷をかけることなく、乗り換えルートの検索を行い、その検索結果を利用することができるようにされる。
【0180】
しかも、契約会社サーバ22Xにおいては、低気圧に関するデータを考慮した血圧安全ルート検索を行うこともできるので、従来実現できていなかった低気圧が携帯電話端末のユーザの血圧に影響を与える可能性の低い乗り換えルートを検索し、これを携帯電話端末4のユーザに提供することができるようになる。したがって、この第2の実施の形態の目的地案内システムは、公共交通機関を利用する場合であっても、低気圧の影響を極力受けないルートで移動することが可能となり、血圧上昇に伴う脳出血等の危険性を低下させることが期待できる。
【0181】
なお、この第2の実施の形態においては、ユーザが用いるユーザ端末として携帯電話端末を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、通信機能を備え、インターネットに接続可能なパーソナルコンピュータを用いるようにしてもよいし、また、通信機能を備え、インターネットに接続可能なPDA(Personal Digital Assistant)などと呼ばれる携帯型の個人情報端末を用いるようにすることもできる。また、ユーザ端末は、持ち運ばれて利用されるものに限るものではなく、例えば、家庭や会社に設置されるデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどを用いるようにすることもできる。また、ユーザ端末が、パーソナルコンピュータやPDAなどの高機能装置である場合には、第1の実施の形態のナビゲーション装置1の場合と同様に、パーソナルコンピュータやPDAに低気圧に関する情報の提供を受けて、当該パーソナルコンピュータやPDAにおいて、血圧安全ルートの検索や通常ルートの検索を行うようにしてもよい。
【0182】
また、上述した第2の実施の形態の携帯電話端末4は、GPS機能をも備えている。このため、GPS機能を用いて測位した現在位置を出発地として、目的地は操作部430を通じて受け付けたものを用いるようにすることもできる。
【0183】
[変形例]
[高血圧症のユーザか否かの事前設定]
なお、上述した第1の実施の形態においては、ナビゲーション装置1に対して、ルートの検索、設定時に、運転者等が高血圧症か否かを示す情報を入力するようにした。しかし、これに限るものではない。当該ナビゲーション装置1が搭載された自動車に乗る人が高血圧症の人であると分かっている場合には、ナビゲーション装置1の例えばEEPROMなどに、運転者等が高血圧症であることを示す情報を予め設定しておくようにしてもよい。この場合には、ルートの検索、設定時に、運転者等が高血圧症か否かを示す情報を一々入力する必要が無くなる。
【0184】
また、第2の実施の形態においては、乗り換えルートの検索要求時に、ユーザが高血圧症か否かを示す情報を入力するようにした。しかし、携帯電話端末4のユーザが高血圧症である場合には、予め契約会社サーバ22Xの契約者DB223に、携帯電話端末4のユーザが高血圧症であることを示す情報を登録しておく。このようにすれば、乗り換えルートの検索要求時に、ユーザが高血圧症か否かを示す情報を一々入力する必要がなくなる。
【0185】
なお、第1の実施の形態のナビゲーション装置1においては、運転者等が高血圧症か否かに関わらず、必ず血圧安全ルートも検索するようにし、どのルートを使うかをユーザが選択するように構成することも可能である。同様に、第2の実施の形態の契約会社サーバ22Xにおいても、必ず、血圧安全ルート検索と通常ルート検索を行い、そのいずれをも携帯電話端末4を通じて提供するように構成することも可能である。
【0186】
[気圧変動と血圧変動の関係の詳細化]
なお、上述した実施の形態においては、例えば、24時間以内に低気圧の勢力範囲に到達する地方に移動する場合には、更なる血圧の上昇を避けるために高地を迂回するようにしたり、低気圧が接近する地方をできるだけ迂回したりするようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、上述した参考サイト2には、気圧変動曲線と血圧変動曲線との関係から、低気圧の接近に伴い気圧が下がるどの位前から血圧が上昇するかについて、詳細な考察がなされている。当該参考サイト2には、気圧変動より血圧変動の方がどの位早く始まるかを計算により予測する手法が開示されている。
【0187】
そこで、上述した第1の実施の形態のナビゲーション装置においては、運転者等が高血圧症である場合に、参考サイト2に開示されている当該手法を用いることにより、低気圧が接近している地域における血圧が上昇する可能性が高くなる時点を把握する。そして、把握した当該時点以降においては、血圧安全ルートを用いるようにすることもできる。同様に、第2の実施の形態の場合にも、契約会社サーバ22Xにおいては、携帯電話端末4のユーザが高血圧症である場合に、参考サイト2に開示されている当該手法を用いることにより、低気圧が接近している地域における血圧が上昇する可能性が高くなる時点を把握する。そして、把握した当該時点以降においては、血圧安全ルート検索を行って、その結果を通知するようにすることもできる。
【0188】
[気圧に関する情報以外の気象情報の利用可能性]
また、上述した実施形態においては、低気圧の位置、勢力範囲、移動方向、移動速度などを考慮して、ルート検索や乗り換えルート検索を行うものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、関節リュウマチなどの関節に病気のある人の場合、湿度の上昇は関節の状態に影響を及ぼし、関節痛を誘発させる可能性がある。そこで、湿度が所定値以上に上昇する地域に移動したり、当該地域を通過するような場合に、当該地域を迂回したり、到着時間を早めたり、遅らせたりすることを進めるなどのことも可能である。
【0189】
また、湿度に替えて気温に着目し、同様のことを行うことも可能であるし、低気圧の接近の状態、湿度、温度などの種々の気象情報を考慮することもできる。この場合、好ましくない気象状態になる可能性のある地域を迂回したり、その地域への到着時間を早めたり、逆に遅くしたりするなど、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことができるだけ少なくなるようなルートや日程で移動するように促すことも可能である。このように、気象状態としては、低気圧に関する情報だけでなく、湿度や温度など、人間の身体に影響を及ぼす可能性のある種々の気象に関する情報を考慮することができる。
【0190】
[気象状態の急速な変化時の処理]
また、上述した実施形態においては、分析会社サーバ21が所定時間ごとに気象データ提供元に気象データを取りにいくものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、急に気象状態が大きく変化した場合などにおいては、分析会社サーバ21は自動的に気象データ提供元から最新の気象データの提供を自動的に受けることができるようにする。このように緊急に気象データの提供を受けたときには、分析会社サーバは直ちに気象予測情報を生成しなおし、契約会社サーバ22Xに提供する。このようにすることによって、ナビゲーション装置1のユーザや携帯電話端末4のユーザは、正確性の高い気象データを考慮した安全性の高いルートの検索結果を利用することができる。
【0191】
[その他]
なお、上述した第1の実施形態のナビゲーション装置1において、操作部131が受付手段の機能を実現し、GPS部102が測位手段の機能を実現し、通信部109が取得手段の機能を実現し、地図DB132が地図データベースの機能を実現している。また、当該ナビゲーション装置1において、主にルート検索部103が検索手段の機能を実現し、LCDコントローラとLCD106や音声処理部107とスピーカ108が制御部120と協働して提示手段としての機能を実現している。また、当該ナビゲーション装置1において、制御部120が制御手段としての機能を実現している。
【0192】
また、上述した第2の実施の形態においては、契約会社サーバ22Xの通信部221が受信手段、取得手段、送信手段としての機能を実現し、経路DB224が経路データベースの機能を実現し、主に経路検索部225が検索手段の機能を実現している。また、携帯電話端末4の操作部430が受付手段の機能を実現している。また、送受信アンテナ401、共用器1402、受信部403、ベースバンド処理部404、制御部420に至る受信系が受信手段としての機能を実現している。また、制御部420からベースバンド処理部404、送信部408、共用器402、送受信アンテナ401に至る送信系が送信手段としての機能を実現している。更に、LCDコントローラ410とLCD411と制御部420とが協働して、提示手段としての機能を実現している。
【0193】
[この発明の方法、プログラム]
そして、上述した実施形態からも分かるように、図2のシーケンス図や図8〜図9及び図10のフローチャートを用いて説明した処理方法や、図14のシーケンス図や図20、図21のフローチャートを用いて説明した処理方法が、この発明の方法の一実施形態に対応するものである。
【0194】
また、図8〜図9に示したフローチャートの処理を行うプログラムを形成し、インターネットに接続可能なナビゲーション装置に搭載することにより、この発明の目的地案内疎装置を実現することができる。また、図20に示したフローチャートの処理を行うプログラムを形成し、インターネットに接続可能な通信端末に搭載することにより、この発明のユーザ端末を実現することができる。また、図21に示したフローチャートの処理を行うプログラムを形成し、インターネットに接続可能なサーバ装置に搭載することにより、この発明のサーバ装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0195】
1…ナビゲーション装置、101…GPS用受信アンテナ、102…GPS部、103…ルート検索部、104…ナビゲーション制御部、105…LCDコントローラ、106…LCD、107…音声処理部、108…スピーカ、109…通信部、110…送受信アンテナ、120…制御部、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…EEPROM、131…キー操作部、132…地図データベース、133…取得データファイル、2、2X…サービス提供センター、21…気象データ分析会社のサーバ、210…制御部、211…通信部、212…気象予測情報生成部、213…送信用低気圧情報生成部、214…時計回路、215…気象データファイル、216…気象履歴ファイル、217…気象予測ファイル、22、22X…契約会社のサーバ、220…制御部、221…通信部、222…低気圧情報ファイル、223…契約者データベース、224…経路データベース、225…経路検索部、4…携帯電話端末、401…送受信アンテナ、402…アンテナ共用器、403…受信部、404…ベースバンド処理部、405…コーデック、406…受話器(スピーカ)、407…送話器(マイクロホン)、408…送信部、409…局発部、410…LCDコントローラ、411…LCD、412…リンガ、420…制御部、430…操作部、431…地図データメモリ、432…GPS部、433…GPSアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地の入力を受け付ける受付手段と、
即時的に現在位置を測位する測位手段と、
気象に関する情報を取得する取得手段と、
ルート検索のための地図データを保持する地図データベースと、
前記測位手段を通じて測位した現在位置から前記受付手段を通じて受け付けた目的地までのルートを前記地図データベースの地図データから検索する手段であって、前記取得手段を通じて取得する前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたルートをユーザに対して提示する提示手段と
を備えることを特徴とする目的地案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の目的地案内装置であって、
前記目的地に到達する前に電源が落とされた後、電源が立ち上げられた場合に、前記取得手段と前記検索手段とを制御し、最新の気象に関する情報を取得し、当該最新の気象に関する情報を考慮して、再度のルート検索を実行するようにする制御手段を備えることを特徴とする目的地案内装置。
【請求項3】
サーバ装置とユーザ端末とからなる目的地案内システムであって、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末からの出発地と目的地とを示す情報とを受信する受信手段と、
気象に関する情報を取得する取得手段と、
ルート検索のための経路データを保持する経路データベースと、
前記受信手段を通じて受け付けた情報により特定される前記出発地から前記目的地までのルートを前記経路データベースの前記経路データから検索する手段であって、前記取得手段を通じて取得する前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたルートを示す情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と
を備え、
前記ユーザ端末は、
出発地と目的地の指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段を通じて受け付けた前記出発地と前記目的地とを示す情報を、前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置の前記送信手段から送信される前記ルートを示す情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記ルートを示す情報をユーザに対して提示する提示手段と
を備えることを特徴とする目的地案内システム。
【請求項4】
ユーザ端末からの要求に応じて、出発地から目的地までのルートを検索するサーバ装置であって、
前記ユーザ端末装置からの出発地と目的地とを示す情報とを受信する受信手段と、
気象に関する情報を取得する取得手段と、
ルート検索のための経路データを保持する経路データベースと、
前記受信手段を通じて受け付けた情報により特定される前記出発地から前記目的地までのルートを前記経路データベースの前記経路データから検索する手段であって、前記取得手段を通じて取得する前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたルートを示す情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
受付手段を通じて目的地の入力を受け付ける受付工程と、
測位手段を通じて即時的に現在位置を測位する測位工程と、
取得手段を通じて気象に関する情報を取得する取得工程と、
前記測位工程において測位した現在位置から前記受付工程において受け付けた目的地までのルートを、ルート検索のための地図データを保持する地図データベースの前記地図データから検索する工程であって、前記取得工程において取得した前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索手段が検索する検索工程と、
前記検索工程において検索したルートを提示手段がユーザに対して提示する提示工程と
を有することを特徴とする目的地案内方法。
【請求項6】
サーバ装置とユーザ端末装置とからなる目的地案内システムにおいて行われる目的地案内方法であって、
前記サーバ装置においては、
受信手段を通じて前記ユーザ端末装置からの出発地と目的地とを示す情報とを受信する受信工程と、
取得手段を通じて気象に関する情報を取得する取得工程と、
前記受信工程において受け付けた情報により特定される前記出発地から前記目的地までのルートを、ルート検索のための経路データを保持する経路データベースの前記経路データから検索する工程であって、前記取得工程において取得した前記気象に関する情報を考慮し、気象状態がユーザの身体に影響を及ぼすことが少ないと考えられるルートを検索手段が検索する検索工程と、
送信手段を通じて前記検索工程において検索したルートを示す情報を前記ユーザ端末に送信する送信工程と
を有し、
前記ユーザ端末においては、
受付手段を通じて出発地と目的地の指示入力を受け付ける受付工程と、
送信手段を通じて前記受付工程において受け付けた前記出発地と前記目的地とを示す情報を前記サーバ装置に送信する送信工程と、
受信手段を通じて前記サーバ装置から送信される前記ルートを示す情報を受信する受信工程と、
前記受信工程において受信した前記ルートを示す情報を提示手段がユーザに対して提示する提示工程と
を有することを特徴とする目的地案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−180005(P2011−180005A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45204(P2010−45204)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】