説明

目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラム

【課題】ロボットが自動運転で移動障害物を回避するとき、搭乗者に対してロボットが最終的にどこに向かって移動しているのかを通知することのできる目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムを提供すること。
【解決手段】ロボットの周囲の状況を観測するための観測装置101と、固定障害物と移動障害物のロボットに対する相対位置を推定するための障害物位置推定手段102と、移動障害物を回避するためにロボットの自動運転の必要性を判断するための自動運転判断手段103と、移動障害物を回避する経路を生成するための回避経路生成手段104と、ロボットの移動制御を行うためのロボット制御手段105と、搭乗者からの入力を受け付けるための入力装置106と、ロボットが最終的にどこに向かって移動しているのかを入力装置106を通じて搭乗者に通知するための入力装置制御手段107と、を備えるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が搭乗して走行可能な移動ロボットにおいて、ロボットの自律運転中に、ロボットが目的としている位置を人に通知する目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、歩行弱者のための、電動車椅子などの移動機器が普及している。また、観光地などにおいてもパーソナルモビリティとして電動の移動機器が活用され始めている。これは、例えばジョイスティックのようなもので、手動で操作するものである。しかし、狭い通路でのすれ違い又は、出会い頭などの緊急時には、微妙、且つ、性格な操作を短時間で行わなければならず、手動操作が困難であった。そこで、ユーザが所望の移動方向を入力しつつ、緊急時のみ、移動機器自体が自律的に危険状態を回避する機能が有効である(特許文献1)。しかし、自律移動中は、ユーザが指示した方向とは異なる動作をすることになり、ユーザが混乱する可能性がある。具体的には、移動機器がユーザの移動方向の指示を受け付けているのかという機器の内部状態が分からず、危険状態を回避した後、所望の移動方向へ向かっていくのかが分からない、という課題がある。従来技術としては、人がロボットの状態を把握できるような技術として、ロボットが受けた力を人にフィードバックして伝えるものがあった(特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−282306号公報
【特許文献2】特開2009−136925号公報
【特許文献3】特開2010−231290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、上述したように、移動機器はユーザの想定している方向とは異なる動作をとることがあり、ユーザに対して不安感を与えることとなる。この時、ユーザが混乱してしまい、誤ってジョイスティックを操作してしまうと、特許文献1では、ユーザの入力を優先させてしまうため、移動機器をより危険な方向に移動させてしまうことにも繋がりかねない。
【0005】
また、特許文献2、特許文献3で考慮されているのは、現在のロボットの状態を人に伝達するに留まっており、ロボットが最終的にどこに向かって移動しているのかを人に伝達するものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題を解決するもので、人が進行したい方向を入力する入力装置を、ロボットの移動障害物の回避動作と連動させてロボット側からも制御することで、人に対してロボットの移動先を常時確認可能にすることができ、ロボットを安全に安定的移動させることができる目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、ロボットの車体に搭載され、周囲に存在する障害物を観測情報として観測する観測装置と、
前記ロボットの前記車体に搭載され、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付ける入力装置と、
前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する障害物位置推定手段と、
前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する自動運転判断手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する回避経路生成手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行うロボット制御手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する入力装置制御手段と、
を備える目的方向通知システムを提供する。
【0009】
本発明の別の態様によれば、ロボットの車体に搭載された観測装置により、周囲に存在する障害物を観測情報として観測し、
前記ロボットの前記車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定し、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する目的方向通知方法を提供する。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、コンピュータに、
ロボットの車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記ロボットの車体に搭載された観測装置により周囲に存在する障害物を観測した観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する機能と、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する機能と、
を実現させるための目的方向通知プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムによれば、入力装置制御手段が入力装置を制御することにより、人に対して、ロボットが終着位置として、どこに向かって移動しているのかを伝えることができる。これにより、ロボットの自動運転中であっても、ロボットの大局的な進行方向を人に伝えることで、ロボットがどこに向かって進んでいるのかが分からなくなるという人の不安を解消することができる。よって、ロボットを安全に安定的移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの一例を示す図(ジョイスティックの拡大平面図を併せて表示した図)
【図3A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットに設置されたジョイスティックを示す側面図
【図3B】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットに設置されたジョイスティックを示す上面図
【図4A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの進行状態と周囲の環境を示す図
【図4B】図4Aとは異なる時刻における、本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの進行状態と周囲の環境を示す図
【図5】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの障害物回避動作に関するフローチャート
【図6A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの観測装置の一例としての測域センサの観測データの一例を示す図
【図6B】図6Aとは異なる時刻における、本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの観測装置の一例としての測域センサの観測データの一例を示す図
【図7】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの障害物位置履歴データベースの一例を示す図
【図8】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの自動運転の判断基準に関する図
【図9A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を検出したときの状況を示す図
【図9B】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を検出したときのジョイスティックの状況を示す図
【図10A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を回避しているときの状況を示す図
【図10B】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を回避しているときのジョイスティックの状況を示す図
【図11A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を回避し終えたときの状況を示す図
【図11B】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットが移動障害物を回避し終えたときのジョイスティックの状況を示す図
【図12A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの回避経路を示す図
【図12B】図12Aで示した回避経路に従ってロボットが走行したときのジョイスティックの状況を示す図
【図13】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの左右の車輪の速度差を求めるための図
【図14A】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの自動運転中に搭乗者がジョイスティック操作を行ったときの状況を示す図
【図14B】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載されたロボットの自動運転中に搭乗者がジョイスティック操作を行ったときのジョイスティックの状況を示す図
【図15】本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの運転モード切替に関するタイミングチャートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
【0015】
本発明の第1態様によれば、ロボットの車体に搭載され、周囲に存在する障害物を観測情報として観測する観測装置と、
前記ロボットの前記車体に搭載され、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付ける入力装置と、
前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する障害物位置推定手段と、
前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する自動運転判断手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する回避経路生成手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行うロボット制御手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する入力装置制御手段と、
を備える目的方向通知システムを提供する。
【0016】
本発明の第2態様によれば、前記自動運転判断手段が自動運転有りと自動運転無しとの間で判断を変えたとき、前記搭乗者に対して、前記ロボットの運転モードが切り替わったことを通知する通知装置をさらに備える第1の態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0017】
本発明の第3態様によれば、前記回避経路生成手段は、ポテンシャル法を使用して、前記ロボットの目標地点からの引力と前記障害物からの斥力との合成ベクトルの示す方向に前記ロボットを走行させる経路を前記回避経路として生成する第1又は2の態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0018】
本発明の第4態様によれば、前記回避経路生成手段は、前記回避経路の終着位置を、前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したときの前記入力装置の前記入力情報が示す方向に、前記障害物までの距離よりも長い距離進んだ位置に設定する第1〜3のいずれか1つの態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0019】
本発明の第5態様によれば、前記自動運転判断手段において、前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断している状態から、自動運転有りと判断しない状況に切り替わる条件は、前記ロボットが前記終着位置に到達したこと、又は、前記ロボットが前記終着位置に到達し、更に、前記入力装置からの入力情報が示す方向が前記ロボットの前方である第1〜4のいずれか1つの態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0020】
本発明の第6態様によれば、前記入力装置は、ジョイスティック台に対して全方向に傾動可能でかつロボット停止時には中立位置に位置するジョイスティック本体部で構成されるジョイスティックであり、
前記入力装置制御手段は、前記ジョイスティック台に対する前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御し、
前記入力装置制御手段は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っている間に前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を傾動させるための力は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っていない間に前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を傾動させるための力よりも大きくなるように前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御する第1〜5のいずれか1つの態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0021】
本発明の第7態様によれば、前記入力装置は、ジョイスティック台に対して全方向に傾動可能でかつロボット停止時には中立位置に位置するジョイスティック本体部で構成されるジョイスティックであり、
前記入力装置制御手段は、前記ジョイスティック台に対する前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御し、
前記ジョイスティック本体部には、前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を操作するときに加わる力を検出する力センサが配置されており、
前記入力装置制御手段は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っている間、前記力センサで所定値以上の力が検出されるまで、前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制限するように制御する第1〜5のいずれか1つの態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0022】
本発明の第8態様によれば、前記ロボット制御手段が、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行っているときに、前記入力装置制御手段以外からの入力情報を前記入力装置から受け取ると、前記入力情報が示す方向に基づいて、前記回避経路生成手段が前記回避経路を生成し直す第1〜6のいずれか1つの態様に記載の目的方向通知システムを提供する。
【0023】
本発明の第9態様によれば、ロボットの車体に搭載された観測装置により、周囲に存在する障害物を観測情報として観測し、
前記ロボットの前記車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定し、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する目的方向通知方法を提供する。
【0024】
本発明の第10態様によれば、コンピュータに、
ロボットの車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記ロボットの車体に搭載された観測装置により周囲に存在する障害物を観測した観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する機能と、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する機能と、
を実現させるための目的方向通知プログラムを提供する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムの構成を示す図である。本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムは、観測装置101と、障害物位置推定手段(障害物位置推定部)102と、自動運転判断手段(自動運転判断部)103と、回避経路生成手段(回避経路生成部)104と、ロボット制御手段(ロボット制御部)105と、入力装置106(入力部)と、入力装置制御手段107(入力装置制御部)と、障害物位置履歴データベース108と、自動運転判断基準データベース109と、通知装置(通知部)110と、を備える。目的方向通知システムは、ロボット201に搭載している。
【0027】
観測装置101は、所定の周期間隔毎に、ロボット201の周囲の環境を観測情報として観測する。具体的には、測域センサを用いて、ロボット201の周囲に存在する、障害物などの観測対象物までの距離を観測情報として測定する。
【0028】
障害物位置推定手段102は、観測装置101によって取得した距離データに基づいて、移動障害物301のロボット201に対する相対位置を推定する。具体的には、障害物位置推定手段102は、距離データの履歴(変異)に基づいて、固定障害物か、あるいは、移動障害物かの判定を行う判定部102aと、前記判定部102aによって判定した移動障害物301の位置及び方向を推定する位置推定部102bとを有する。この推定された位置が移動障害物301のロボット201に対する相対位置である。障害物位置推定手段102で推定された移動障害物301のロボット201に対する相対位置の情報は、移動障害物301を検出した時刻と関連付けられて、障害物履歴データベース108に移動障害物情報として記録される。移動障害物情報の例としては、移動障害物301を検出した時刻と、移動障害物301が存在する角度と距離とを含む。なお、移動障害物履歴データベース108には、静止障害物の情報も記録できる(後述する図7参照)。
【0029】
自動運転判断手段103は、障害物位置推定手段102で推定された移動障害物301のロボット201に対する相対位置と自動運転判断基準データベース109に記録された自動運転判断基準とに基づいて、ロボット201の自動運転の有無、言い換えれば、自動運転の必要性を判断する。具体的には、自動運転判断手段103は、ロボット201の進行方向に対して移動障害物301が存在する角度と、ロボット201と移動障害物301との間の距離にそれぞれ閾値を設けて、それぞれの閾値を自動運転判断基準データベース109に自動運転判断基準として予め記録しておく。そして、自動運転判断手段103は、前記角度と前記距離とが共にそれぞれの閾値を満たしている場合(つまり、ロボット201の進行方向に近い角度で、且つ、ロボット201に近い距離に移動障害物301が存在していた場合)、ロボット201の自動運転が必要である(自動運転有り)と判断する。逆に、自動運転判断手段103は、前記角度と前記距離とが共にそれぞれの閾値を満たしていない場合(つまり、ロボット201の進行方向に近い角度で、且つ、ロボット201に近い距離に移動障害物301が存在していない場合)、ロボット201の自動運転は不必要である(自動運転無し)と判断する。
【0030】
自動運転判断基準データベース109には、ロボット201の走行パラメータに応じた自動運転の判断基準が予め記録されており、必要に応じて、自動運転判断手段103が参照可能なようにしている。例えば、自動運転判断基準データベース109には、走行パラメータとして直進速度と旋回速度とが予め記録され、そのときの自動運転判断基準として、ロボット201の正面方向からの角度の範囲と移動障害物301までの距離の閾値が予め記録されている。よって、自動運転判断手段103が自動運転判断基準データベース109内のこれらの記録された情報を参照して、走行パラメータの条件を満たすときに、ロボットの正面方向から移動障害物301までの角度と移動障害物301までの距離とが自動運転判断基準のそれぞれ閾値以内ならば、自動運転判断手段103が自動運転を必要と判断できるようにしている。それ以外の場合には、自動運転判断手段103が自動運転を不必要と判断できるようにしている。
【0031】
回避経路生成手段104は、自動運転判断手段103から出力された移動障害物301のロボット201との相対位置と入力装置106からの入力情報とポテンシャル法などに代表される障害物回避アルゴリズムを用いることにより、移動障害物301を回避する経路を生成する。なお、本発明では、ロボット201が走行する環境マップの情報が記録されている環境マップデータベースは必須ではない。すなわち、通常時(自動運転無し)は、搭乗者がロボットを操作し、緊急時(自動運転有り)においても、LRF等のセンサで取得可能な、周囲の壁位置の情報と、回避すべき対向者(移動障害物)の位置の情報のみに基づいて、対向者を回避することができるためである。
【0032】
入力装置106は、搭乗者により使用されて、搭乗者から、ロボット201の操作情報(進行指示方向すなわち移動方向、移動速度、停止など)を入力信号(入力情報)として受け付ける。
【0033】
ロボット制御手段105は、回避経路生成手段104が生成した回避経路、あるいは、入力装置106で受け付けた操作情報に基づいて、ロボット201の動作を制御する。具体的には、ロボット制御手段105は、左右の車輪205をそれぞれ駆動する左右のモータ205Mの回転数をそれぞれ検出する左右のエンコーダ205Eからの出力に基づき、左右のモータ205Mを駆動制御して、左右の車輪205の回転速度を個別に駆動制御する。この左右の車輪205の回転速度の駆動制御により、ロボット201が前進、後退、右旋回、左旋回、停止などの動作を行う。
【0034】
入力装置制御手段107は、回避経路生成手段104が生成した回避経路に基づいて、ロボット制御手段105が左右の車輪205の駆動制御を行っている間、入力装置106を動作制御することによって、搭乗者に対して、前記回避経路の終着位置にロボット201が向かって走行していることを知らせる。
【0035】
図2は、本発明の第1実施形態に係る目的方向通知システムが搭載された独立両輪駆動のロボット201の外観を示している。ロボット201には、車体の一例としてのロボット本体201aと、ロボット本体201aの上に配置されかつ搭乗者200が座る座席202と、座席202の一方のアームレスト(例えば左側のアームレスト)202Lの先端に配置されかつ周囲の状況を観測する観測装置101の一例としての測域センサ203と、座席202の他方のアームレスト(例えば右側のアームレスト)202Rの先端に配置されかつ前記搭乗者の入力を受け付ける入力装置106の一例としてのジョイスティック204と、ロボット201を移動させる手段の一例としての左右の車輪205がロボット本体201aの下部の左右に設置されている。ロボット201としては、図面を単純化するために左右の車輪205のみ図示しているが、これ以外に補助輪が配置されていてもよい。すなわち、ロボット201としては、搭乗者が搭乗できて搭乗者の指示の基に移動できるならば、ロボットの形態としては二輪、三輪、四輪など、どのような構造でもよい。
【0036】
図3A及び図3Bに、ロボット201に設置されたジョイスティック204の詳細を示す。図3Aは、ジョイスティック204の側面図、図3Bは、ジョイスティック204の上面図を示している。ジョイスティック204は、ジョイスティック台1300と、ジョイスティック台1300に基端が全方向に傾動可能に支持されたレバー状のジョイスティック本体部1301と、ジョイスティック本体部1301に一端が装着されたアーム1302と、アーム1302の他端が連結されたモータなどのアーム用駆動装置1304とで構成されている。入力装置制御手段107の制御により駆動装置1304が駆動されて、ロボット201の停止状態では中立位置に位置するジョイスティック本体部1301が基端を支点として傾動動作して、ジョイスティック本体部1301を所定の方向に傾動させるようにしている。搭乗者がロボット201を操作するときには、搭乗者が手でジョイスティック本体部1301を握って、搭乗者が進みたい方向にジョイスティック台1300に対してジョイスティック本体部1301を傾けるとともに、ジョイスティック本体部1301の傾斜角度を大きくすれば早い速度で移動ロボット201が移動し、ジョイスティック本体部1301の傾斜角度を小さくすれば遅い速度で移動ロボット201が移動するようにしている。このとき、ロボット201を手動で運転する場合には、入力装置制御手段107の制御により、搭乗者のジョイスティック本体部1301の操作に追従するようにアーム1302が動作することで、前記搭乗者はジョイスティック本体部1301の操作中に違和感を覚えることはない。また、ロボット201を自動で運転する場合、入力装置制御手段107の指示に従って、駆動装置1304を介してアーム1302を動作することにより、入力装置制御手段107によりジョイスティック本体部1301を任意の方向に押し倒すことができる。アーム1302は、前記搭乗者の操作に対する追従動作と、入力装置制御手段107の指示に従う動作とを切り替えて動作するようになっており、入力装置制御手段107からの指示により両者の切り替えを行う。言い換えれば、入力装置制御手段107からの指示が無い場合、前記搭乗者の操作に対する追従動作を行う。
【0037】
また、ジョイスティック本体部1301と、アーム1302の一端との接続部には、力センサ1303が取り付けられており、ジョイスティック本体部1301がニュートラル(ジョイスティック本体部1301のレバーがどの方向にも倒されていない状態)のときに、前記搭乗者がジョイスティック本体部1301の操作を行おうとしたことを力センサ1303で検知できるようになっている。
【0038】
尚、図3では、アーム1302がむき出しになっており、前記搭乗者が触れられる状態になっているが、ジョイスティック本体部1301の上部のみ突出するようなカバーを上から被せ、前記搭乗者がアーム1302に直接触れられないようにしても良い。
【0039】
以下、図4A及び図4Bに示す、ロボット201が十字路300で移動障害物301と遭遇したときの状況を例として、図5のフローチャートに対応させながら、各構成要素について説明する。尚、図5は、前記目的方向通知システムの障害物回避動作に関するフローチャートである。
【0040】
図4では、十字路300を構成する壁である固定障害物302と、移動障害物301とが存在する。尚、図4Aは、時刻2011年07月22日10時20分45秒200ミリ秒における状況を表し、図4Bは、時刻2011年07月22日10時20分45秒700ミリ秒における状況を表している。
【0041】
まず、ステップS501の処理において、入力装置106の一例としてのジョイスティック204は、ロボット201の搭乗者の入力を受け付ける。
【0042】
次いで、ステップS502の処理において、測域センサ203は、所定の観測周期(この実施形態の具体的な例では100msecとして説明する。)毎に、周囲の環境を観測し、前記周囲に存在する障害物までの距離情報を取得する。図6A及び図6Bに測域センサ203が取得した距離データの一例を示す。図6Aは、時刻2011年07月22日10時20分45秒200ミリ秒において取得された距離データを表し、図6Bは、時刻2011年07月22日10時20分45秒700ミリ秒において取得された距離データを表す。図6A及び図6Bの距離データには、角度毎の距離が示されている。測域センサ203の設置位置からロボット201の正面方向を90°とし、そこから反時計回りに91°、92°となっている。例えば図6Bの例では、0°の方向には、100.53cmの距離に障害物があることが分かる。ここで、90°の方向(ロボット201の正面方向)の距離が−1cmとなっているのは、検知可能距離内に障害物が存在していなかった等の理由により、距離を計測できなかったことを表している。
【0043】
次いで、ステップS503の処理において、障害物位置推定手段102は、障害物履歴データベース108を参照して、測域センサ203で取得した距離データに基づいて、移動障害物301のロボット201に対する相対位置を推定する。これは、障害物履歴データベース108内の前回の測域センサ203の観測した距離データの履歴に基づいて、障害物位置推定手段102で推定可能である。例えば、ロボット201の90°の方向に100.00cmの履歴の距離データが測域センサ203で取得されて障害物履歴データベース108内に記録されていたとき、ロボット201が秒速100cmで前進していたとすると、100msec後に観測される90°の方向の距離データは、90cmとなっているはずである、と障害物位置推定手段102で推定する。通常、ロボット201の移動速度及び移動角度、測域センサ203が観測して取得した距離データには、それぞれ誤差が生じる(路面状態又は測域センサの精度にもよるが、ここではNcmの範囲で誤差が生じるとする。)。そのため、90°方向の距離データが90cm−Ncmから90cm+Ncmの範囲で得られていた場合、90°方向の距離データは、固定障害物302を検出して得られたデータと障害物位置推定手段102で判断しても良い。Nは、路面の状態又は測域センサの誤差特性(誤差の傾向)などに応じて障害物位置推定手段102で設定するものとする。路面の状態とは、ロボット201のタイヤがスリップしやすい状態か否かを示す。例えば、床面が絨毯のようなスリップが発生しにくい状態であれば、Nの値は小さく設定しておき、雨が降った後の路面のような場所では、Nの値は大きく設定しておく。また、測域センサ203の誤差特性は、使用する測域センサ203の仕様に基づいて決定して障害物位置推定手段102内に記憶しておくことが望ましい。同様に、90°以外の各方向に対しても、固定障害物302か否かの判断を障害物位置推定手段102で行う。取得された全ての角度における距離データに対して前記処理を障害物位置推定手段102で行い、固定障害物302と障害物位置推定手段102で判断されなかった角度の距離データの位置には、移動障害物301が存在すると障害物位置推定手段102で推定する。また、移動障害物301か否かを判断するための距離データの履歴が存在しない場合、距離データが得られている方向には、固定障害物302であると判断しておくものとする。
【0044】
ここで、図6Bの距離データを例にして説明する。時刻45秒700ミリ秒(年から分までは省略する。)で得られた距離データを見てみると、角度45°、距離108cm付近の位置に障害物があることが分かる。しかし、時刻45秒200ミリ秒で得られた距離データを見てみると、前記位置には、障害物は存在していないため、前記位置に移動障害物301が存在すると推定し、障害物履歴データベース108に障害物情報を障害物位置推定手段102で記録する。
【0045】
ここで、図7に障害物履歴データベース108の一例を示す。図7に示す障害物履歴データベース108には、図6A及び図6Bにて説明を行った距離データに、障害物属性を付与したものが記録されている。45度の角度から47度の角度で取得された距離データには、移動障害物301を観測したことによって得られた距離データであると障害物位置推定手段102が推定したことによって、それぞれの障害物属性に「移動障害物」と記録されている。また、90度と91度の角度では距離データがそれぞれ取得されていないため、障害物属性として、「障害物無し」と記録されている。その他の角度における距離データ(障害物位置推定手段102に移動障害物301と推定されず、且つ、距離データが取得されているもの)に対しては、それぞれ「静止障害物」と記録される。
【0046】
次いで、ステップS504の処理において、自動運転判断手段103は、障害物位置推定手段102で推定された移動障害物301の推定位置と自動運転判断基準データベース109に記録された自動運転判断基準とに基づいて、自動運転の有無、言い換えれば、自動運転の必要性を判断する。例えば、ロボット201の進行方向に移動障害物301が存在した場合、自動運転を必要と自動運転判断手段103で判断する。具体例を挙げると、測域センサ203の45°から135°(90°がロボット201の正面方向)の何れかの方向3m以内の範囲(自動運転可否判断用範囲)に移動障害物301が存在した場合、自動運転を必要と自動運転判断手段103で判断する。尚、前記自動運転の判断基準は一例であり、これに限るものではない。例えば、ロボット201の直進速度又は旋回速度に基づいて前記判断基準を決定しても良い。図8に、ロボット201の走行パラメータに応じた自動運転の判断基準の一例としての、自動運転判断基準データベース109の記録内容を示す。図8によると、前記走行パラメータが、直進速度0.5m/sec,旋回速度10.0deg/secと閾値としてそれぞれ設定されていたとすると、障害物位置推定手段102が、ロボットの正面方向から±45°の範囲、且つ、3m以内に移動障害物が存在すると推定した場合、自動運転判断手段103は、自動運転を必要と判断する。同様に、移動障害物301の移動速度又は移動方向に基づいて前記判断基準を決定しても良い。自動運転が必要と自動運転判断手段103で判断された場合は、ステップS506へ進み、自動運転が必要と自動運転判断手段103で判断されなかった場合は、ステップS505へ進む。尚、自動運転が不必要な状況から自動運転が必要な状況へと切り替わった場合、搭乗者に対して、ロボット201の運転モードが手動運転から自動運転に切り替わることを、通知装置110を用いて通知しても良い。同様に、自動運転が必要な状況から不必要な状況へと切り替わった場合にも、搭乗者に対して、ロボット201の運転モードが自動運転から手動運転に切り替わることを、通知装置110を用いて通知しても良い。すなわち、自動運転判断手段103が自動運転有りと自動運転無しとの間で判断を変えたとき、搭乗者に対して、ロボット201の運転モードが切り替わったことを通知装置110を用いて通知しても良い。尚、通知装置110は、音声で前記搭乗者に状況を通知するスピーカ、画像で視覚的に前記搭乗者に状況を通知する画像表示装置、又は、振動で前記搭乗者に状況を通知する振動装置、などが例として挙げられる。
【0047】
ステップS505の処理において、ロボット制御手段105は、ロボット201の搭乗者がジョイスティック204を操作した方向にロボット201が走行するように、左右のモータ205Mを駆動制御して、左右の車輪205の回転速度を個別に制御し、その後、ステップS501に戻る。例えば、走行パラメータが直進速度0.5m/sec,旋回速度10.0deg/secと閾値としてそれぞれ設定されていたとすると、ジョイスティック204を前方へ倒した場合、ロボット201が0.5m/secの速度で前進を行い、ジョイスティック204を右へ倒した場合、ロボット201は10.0deg/secの速度で右旋回を行う。尚、ジョイスティック204を倒した割合(傾斜角度)に応じてロボット201の速度を変化させても良い。例えば、ジョイスティック204を最大傾斜角度の7割だけ前方へ倒した場合、ロボット201は、0.35m/secの速度で前進することとなる。
【0048】
ステップS506の処理において、回避経路生成手段104は、障害物位置履歴データベース108に記録されている移動障害物301のロボット201との相対位置と、静止障害物302のロボット201との相対位置と、入力装置106からの入力情報とに基づいて、移動障害物301を回避するための回避経路を生成する。前記回避経路は、例えば、ポテンシャル法などを用いて生成することができる。ポテンシャル法とは、目標地点からの引力と障害物からの斥力との合成ベクトルの示す方向にロボット201を走行させる経路を生成する手法である。尚、目標地点は、例えば、自動運転判断手段103が自動運転を必要と判断した時刻におけるジョイスティック204の倒れている方向に、ロボット201から移動障害物301までの距離を進んだ位置などと設定することができる。尚、前記目標地点が固定障害物(壁)302により阻まれていた場合には、固定障害物(壁)302の手前(例えば30cmなど)に目標地点を設定しても良い。これにより、移動障害物301を回避しつつ、前記時刻におけるジョイスティック204の倒れている方向へとロボット201を走行させる経路を生成することができる。
【0049】
図9A〜図11Bに示すように、ロボット201が移動障害物301を回避する場面を例として説明する。
【0050】
図9Aは、障害物位置推定手段102が移動障害物301のロボット201に対する相対位置を推定し、自動運転判断手段103が、前記移動障害物301の推定位置に基づいて、ロボット201の自動運転が必要であると判断した時刻における状況を示している。また、図9Bは、図9Aの時刻におけるジョイスティック204の状況を示している。図9Bにおけるジョイスティック204は、前方に倒されており、ロボット201に前進するように搭乗者が指示を与えていることを示している。
【0051】
このとき、回避経路生成手段104は、回避経路の終着位置としての目標位置303を、ジョイスティック204が倒されている方向である前方であって、かつ、測域センサ203(ロボット201)から移動障害物301までの距離である110cmの位置に設ける。
【0052】
その後、ロボット201は、ポテンシャル法に従い、ロボット制御手段105で、目標位置303に向かって自動運転を行う。そのときの様子を図10Aに示す。ロボット201は、目標位置303からの引力802と、移動障害物301からの斥力801との合成ベクトル803の示す方向であって、図10Aの例では左前方の方向へと進む。尚、ポテンシャル法では、斥力を受け始める距離と斥力の大きさとを障害物毎にパラメータとして設定することができ、図10Aの状況においては、ロボット201は、固定障害物302からの斥力を受けていないことを示している。
【0053】
その後、ロボット201が移動障害物301の回避を終了し、目標位置303へ到着したときの図を図11Aに示す。
【0054】
以上のように、ロボット201は、ポテンシャル法に従い、移動障害物301を回避しつつ目標位置303へ移動運転を行い、目標位置303へ移動することができる。
【0055】
ここで、ロボット201が目標位置303に到着することで、自動運転判断手段103は、ロボット201の自動運転の必要はないと判断するが、前記搭乗者はジョイスティック204を傾けていた方向に、すなわち、今回のケースでは前方に、ロボット201の正面(90°の方向)が向くように移動させてから、自動運転判断手段103は、ロボット201の自動運転の必要はないと判断しても良い。尚、ロボット201が目標位置303へ到着したことは、ロボット制御手段105が自動運転判断手段103へ向けて出力しかつ左右のエンコーダ205Eで取得した左右の車輪205の回転速度の履歴に基づいて、自動運転判断手段103で判断できるものとする。さらに、目標位置303を中心とした半径Mcmの円内にロボット201(の例えば重心位置)が進入したことを、ロボット201が目標位置303へ到着したことの自動運転判断手段103による判断としても良い。尚、ロボット201が目標位置303に到着していなくとも、図8に示す自動運転の判断基準に基づいて自動運転の必要性がないと自動運転判断手段103で判断される場合には、ロボット201の自動運転から前記搭乗者の手動運転へと切り替えても構わない。上述した通り、図8の自動運転の判断基準は一例であり、これに限るものではない。
【0056】
次いで、ステップS507の処理において、ロボット制御手段105は、回避経路生成手段104が生成した前記回避経路の通りロボット201が走行するように、左右のモータ205Mを駆動制御して左右の車輪205の回転速度を個別に制御する。尚、速度は、予め設定した速度パラメータに基づき制御するものとする。ここで、ポテンシャル法により生成される回避経路が直線のみで表現されている例を図12Aに示す。ロボット201が、ロボット位置1001から中継位置1002を経て目標位置303に到着できることを示している。図12Aでは、中継位置の数は1個であるが、実際は2個以上設定しても構わない。
【0057】
また、図12Bに、図12Aで示した回避経路に従ってロボット201が走行したときのジョイスティック204の状況を示す。ロボット201がロボット位置1001の位置に北(図12Bの上方向)を向いて存在するときには、ジョイスティック204は、搭乗者から見て目標位置303の方向を示すように、前方に倒れている。ロボット201が中継位置1002の位置に北西(図12Bの左上方向)を向いて存在するときには、ジョイスティック204は、前記搭乗者から見て目標位置303の方向を示すように、右前方に倒れている。そして、ロボット201が目標位置303に到着する寸前の位置にロボット201が北東(図12Bの右上方向)を向いて存在するときには、ジョイスティック204は、前記搭乗者から見て目標位置303の方向を示すように、前方に倒れている。
【0058】
図13に、ロボット位置1001から中継位置1002にロボット201が移動するための両車輪205の速度の算出例を示す。図13の例では、左車輪205の移動量がx1=2πRθ/360、右車輪205の移動量がx2=2π(R+d)θ/360となっており、前記左右の車輪205の移動量の比と同じになるように左右の車輪205の速度を決定すれば良い。また、予め設定された走行パラメータが直進速度1.0m/secであった場合、ロボット201の中心位置の速度、すなわち、左右の車輪205の平均の速度を1.0m/secとなるようにすれば良い。
【0059】
次いで、ステップS508の処理において、入力装置制御手段107は、ロボット制御手段105が制御する左右の車輪205の回転速度の履歴、つまり、目標位置303に対するロボット201の傾き(ロボットの正面方向に対する傾き)に基づいて、ジョイスティック204を目標位置303に傾くように制御する(入力装置制御手段107により、アーム用駆動装置1304を介してアーム1302を制御して、ジョイスティック本体部1301の傾きを変更する)。その後、ステップS501に戻る。図10Bに、入力装置制御手段107によって制御されたジョイスティック204の状況を示す。ロボット201自体は前方やや左の方向を向いているのに対して、ジョイスティック204は、ロボット201の位置と傾きとに対する目標位置303の方向を示している。
【0060】
ここで、図10Bの状況が示すようにジョイスティック204が右前方に傾いている状況の直後に、前記搭乗者がジョイスティック204を左へ傾けたときのロボット201の周辺の状況を、図14Aに、このときのジョイスティック204の状況を図14Bにそれぞれ示す。
【0061】
前記搭乗者が、入力装置制御手段107の制御によって図10Bに示すように右前方に傾いているジョイスティック204を、図14Bが示すように左の方向へ傾けたとする。すると、ジョイスティック204である入力装置106からの入力情報に基づき、回避経路生成手段104が、ジョイスティック204が傾いている方向(図14Bが示すように左の方向)に目標位置303を再設定し、ロボット201が目標位置303に向かって走行するための新たな経路を生成する。ここで、前記搭乗者がジョイスティック204を傾けた方向に移動障害物301が存在しなかった場合、つまり、障害物位置推定手段102がステップS504の判断基準を満たす位置に移動障害物301が存在しないと推定した場合、自動運転判断手段103は自動運転を終了し、自動運転判断手段103が前記搭乗者が操作を行う手動運転へと切り替えても良い。
【0062】
ここで、前記搭乗者のジョイスティック204の誤操作への対応について説明する。前記搭乗者は、ロボット201が移動障害物301を回避するため自動運転を開始したこと(前記搭乗者の想定と異なる動作を行ったこと)から、思わずジョイスティック204を、入力装置制御手段107が制御している方向とは異なる方向へ倒してしまうことが懸念される。
【0063】
このような場合、入力装置制御手段107がジョイスティック204の制御を行っている間、前記搭乗者からのジョイスティック204による入力を受け付けにくくするため、ジョイスティック204の操作性を悪くする(通常時よりも大きな力をかけないとジョイスティック204が倒れないように、入力装置制御手段107が力をかけてジョイスティック204を制御する)ことが考えられる。
【0064】
上述してあるが、ジョイスティック本体部1301と、アーム1302との接続部に力センサ1303を取り付けて、前記搭乗者の誤操作を防止可能としている。例えば、アーム1302は、通常の人間では操作不可能な力をかけてジョイスティック204を制御する。つまり、ロボット201の自動運転中は、ロボット制御手段105及び入力装置制御手段107により、駆動装置1304を介してアーム1302によりによりジョイスティック204を固定的に保持するように制御して、前記搭乗者はジョイスティック204を操作することができない状態となる。この状態において、前記搭乗者がジョイスティック204に力を加えると、力センサ1303によって力加減が検出される。例えば、ジョイスティック本体部1301が右方向に倒れるように、アーム1302により制御されていたとすると、ジョイスティック本体部1301が倒れている方向とは逆の位置の力センサ(左側の力センサ)1303が反応する。このような状況において、左側以外の力センサ1303が反応した場合、もしくは、左側の力センサ1303の反応が無くなった場合、前記搭乗者により、ジョイスティック本体部1301の操作が行われたと判断することができる。力センサ1303によって検出された力加減が所定値以上の大きさ(通常(ロボット201を手動で運転する場合)、ジョイスティック204を操作するときにかかる力加減よりも大きな値に設定することが好ましい)を越えると(力センサ1303で所定値以上の力が検出されると)、入力装置制御手段107がジョイスティック204を制御する力を低下させ、前記搭乗者の力でもジョイスティック204の操作を行えるようになる。逆に、力センサ1303で所定値以上の力が検出されるまでは、入力装置制御手段107がジョイスティック204を制御する力を大きくして、ジョイスティック本体部1301の傾動動作を制限するように制御するようにする。
【0065】
以上のような方式を取ることによって、一時の混乱状態によって発生する前記搭乗者のジョイスティック204の誤操作を防止することが可能となる。
【0066】
ここで、図15にタイミングチャートを示す。時刻tから時刻tにかけて、搭乗者がロボット201の手動運転を行っていたとする。時刻tにて移動障害物301を検出し、自動運転の必要性を自動運転判断手段103で判断すると、運転モードが自動運転に自動運転判断手段103により切り替わる。時刻tにて、回避対象としていた移動障害物301の測域センサ203での検出が行われなくなる。時刻tにて、回避経路生成手段104で生成された回避経路の目標位置に近づいたため、ロボット201がロボット制御手段105で減速を開始する。時刻tにて、ロボット201が前記回避経路の目標位置に到達したことによりロボット201がロボット制御手段105で停止、運転モードが前記搭乗者による手動運転に自動運転判断手段103により切り替わる。時刻tにて、再び移動障害物301を測域センサ203で検出し、自動運転の必要性を自動運転判断手段103により判断し、運転モードを自動運転に自動運転判断手段103により切り替える。時刻tにて、力センサ1303が一定以上の力を検出し、前記搭乗者によりジョイスティック204操作が行われたことを自動運転判断手段103により判断する。時刻tにて、前記搭乗者による手動運転に自動運転判断手段103により切り替える。
【0067】
以上のような構成により、入力装置制御手段107により制御される入力装置106の一例としてのジョイスティック204の傾きを搭乗者に通知することができる。これによって、ロボット201が移動障害物301を回避するために一時的に旋回したとしても、前記搭乗者に対して、ロボット201が最終的にはどこ(目標位置)に向かおうとしているのかをジョイスティック204の傾きにより常に通知することができる。具体的には、そのときのロボット201の傾き(ロボットの正面方向に対する傾き)に対する、ロボット201の自律運転の終着位置(目標位置)の方向に、ジョイスティック204を傾けることで、前記搭乗者に対してロボット201の終着位置(目標位置)の方向を通知することができる。これによって、搭乗者の、ロボット201がどこに向かおうとしているのかが分からない、という不安感を払拭させることができる。したがって、本発明の前記実施形態にかかる目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムによれば、人が進行したい方向を入力する入力装置106を、ロボット201の移動障害物301の回避動作と連動させてロボット側からも制御することで、人(搭乗者)に対してロボット201の移動先を常時確認することができる。これにより、ロボット201の自動運転中であっても、ロボット201の大局的な進行方向を人に伝えることで、ロボット201がどこに向かって進んでいるのかが分からなくなるという人の不安を解消することができる。よって、ロボットを安全に安定的移動させることができる。
【0068】
なお、前記様々な実施形態又は変型例のうちの任意の実施形態又は変型例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る目的方向通知システム、目的方向通知方法、及び、目的方向通知プログラムは、移動障害物の急な出現、又は、狭い通路におけるロボットと移動障害物とのすれ違い時に自動でロボットの運転を行うことができ、ロボット回避動作時もロボットが終着位置としてどこに向かおうとしているのかを入力装置を通じて搭乗者に常に伝えることで、搭乗者の、ロボットがどこに向かおうとしているのかが分からない、という不安感を払拭させることができる。このことから、搭乗者の手動運転と、ロボットの自動運転を切り替えながら走行することのできるパーソナルトランスポータの分野に関して特に有用である。
【符号の説明】
【0070】
101 観測装置
102 障害物位置推定手段
103 自動運転判断手段
104 回避経路生成手段
105 ロボット制御手段
106 入力装置
107 入力装置制御手段
108 障害物履歴データベース
201 ロボット
202 座席
203 測域センサ
204 ジョイスティック
205 車輪
300 十字路
301 移動障害物
302 固定障害物
303 目標位置
1001 ロボット位置
1002 中継位置
1300 ジョイスティック台
1301 ジョイスティック本体部
1302 アーム
1303 力センサ
1304 アーム用駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの車体に搭載され、周囲に存在する障害物を観測情報として観測する観測装置と、
前記ロボットの前記車体に搭載され、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付ける入力装置と、
前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する障害物位置推定手段と、
前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する自動運転判断手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する回避経路生成手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行うロボット制御手段と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する入力装置制御手段と、
を備える目的方向通知システム。
【請求項2】
前記自動運転判断手段が自動運転有りと自動運転無しとの間で判断を変えたとき、前記搭乗者に対して、前記ロボットの運転モードが切り替わったことを通知する通知装置をさらに備える請求項1に記載の目的方向通知システム。
【請求項3】
前記回避経路生成手段は、ポテンシャル法を使用して、前記ロボットの目標地点からの引力と前記障害物からの斥力との合成ベクトルの示す方向に前記ロボットを走行させる経路を前記回避経路として生成する請求項1又は2に記載の目的方向通知システム。
【請求項4】
前記回避経路生成手段は、前記回避経路の終着位置を、前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したときの前記入力装置の前記入力情報が示す方向に、前記障害物までの距離よりも長い距離進んだ位置に設定する請求項1〜3のいずれか1つに記載の目的方向通知システム。
【請求項5】
前記自動運転判断手段において、前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断している状態から、自動運転有りと判断しない状況に切り替わる条件は、前記ロボットが前記終着位置に到達したこと、又は、前記ロボットが前記終着位置に到達し、更に、前記入力装置からの入力情報が示す方向が前記ロボットの前方である請求項1〜4のいずれか1つに記載の目的方向通知システム。
【請求項6】
前記入力装置は、ジョイスティック台に対して全方向に傾動可能でかつロボット停止時には中立位置に位置するジョイスティック本体部で構成されるジョイスティックであり、
前記入力装置制御手段は、前記ジョイスティック台に対する前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御し、
前記入力装置制御手段は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っている間に前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を傾動させるための力は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っていない間に前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を傾動させるための力よりも大きくなるように前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御する請求項1〜5のいずれか1つに記載の目的方向通知システム。
【請求項7】
前記入力装置は、ジョイスティック台に対して全方向に傾動可能でかつロボット停止時には中立位置に位置するジョイスティック本体部で構成されるジョイスティックであり、
前記入力装置制御手段は、前記ジョイスティック台に対する前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制御し、
前記ジョイスティック本体部には、前記搭乗者が前記ジョイスティック本体部を操作するときに加わる力を検出する力センサが配置されており、
前記入力装置制御手段は、前記入力装置制御手段が前記ジョイスティック本体部の動作制御を行っている間、前記力センサで所定値以上の力が検出されるまで、前記ジョイスティック本体部の傾動動作を制限するように制御する請求項1〜5のいずれか1つに記載の目的方向通知システム。
【請求項8】
前記ロボット制御手段が、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行っているときに、前記入力装置制御手段以外からの入力情報を前記入力装置から受け取ると、前記入力情報が示す方向に基づいて、前記回避経路生成手段が前記回避経路を生成し直す請求項1〜6のいずれか1つに記載の目的方向通知システム。
【請求項9】
ロボットの車体に搭載された観測装置により、周囲に存在する障害物を観測情報として観測し、
前記ロボットの前記車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記観測装置の観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定し、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成し、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行い、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する目的方向通知方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ロボットの車体に搭載された入力装置により、搭乗者の進行指示方向の入力情報を受け付けたのち、
障害物位置推定手段により、前記ロボットの車体に搭載された観測装置により周囲に存在する障害物を観測した観測情報に基づいて、前記障害物の存在位置を推定位置として推定する機能と、
自動運転判断手段により、前記ロボットに対する前記障害物の推定位置に基づいて、前記ロボットの自動運転の有無を判断する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、回避経路生成手段により、前記障害物の存在位置と前記入力装置の前記入力情報とに基づいて、前記障害物の回避経路を生成する機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、ロボット制御手段により、前記回避経路に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転無しと判断したとき、前記ロボット制御手段により、前記入力装置の前記入力情報に基づいて前記ロボットの移動制御を行う機能と、
前記自動運転判断手段が自動運転有りと判断したとき、入力装置制御手段により、前記ロボットの自動運転中に前記ロボットの前記回避経路の終着位置の方向を示すように前記入力装置を制御する機能と、
を実現させるための目的方向通知プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−86234(P2013−86234A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230867(P2011−230867)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】