説明

目眩を評価するための検定方法

薬物の副作用、具体的には又は目眩の副作用の評価のための検定であって、工程:第一の対照動物を提供しビーム上に設置すること;対照動物をビームを横切るように誘導すること;横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;第二の試験動物を提供しビーム又は二重のビーム上に設置すること;試験動物をビームを横切るように誘導すること;横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること、そして対照動物と比較して、試験動物によってなされた肢のスリップ数が増加したか、減少したか又は変化しなかったかどうかを決定することが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
検定方法
本発明は、薬物の副作用、具体的には目眩の副作用を評価するための臨床前動物モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ヒトの病状の治療に使用される多くの臨床的に有効な化合物は、それらの医学的に関連した活性に加えて副作用活性を有することが、一般的に認識されている。例えば、鎮痛効果に加えて、化合物のモルヒネ及びトラマドールは、傾眠(眠りに陥る傾向によって特徴付けられる)、精神錯乱、嗜眠状態、及び鎮静(神経興奮の鎮静、又は覚醒の低下、及び休息又は睡眠状態の誘導によって特徴付けられる)を含む副作用を生ずることで知られている。化合物に関連した副作用が服用した患者において現れる程度は、しばしば、服用した化合物の量、及び服用の投与からの経過時間で変化する。
【0003】
いくつかの化合物の副作用は、服用した患者の生活の質において、他よりも目立つ効果を有し、特に懸念されるものは、中枢神経系(CNS)に関連した副作用である。例えば、目眩は、歩行又は肉体労働のような協調を要する全体動作の安全性能を阻害することから及ぶ協調した移動作業を実行すること、加えて、自動車を運転し、又は階段を上り、又は物を扱う場合に要求されるような十分な運動技能の協調から患者を引き止めることができる。目眩の状態は複雑であり、失神状態、眩暈(giddiness)、めまい(light headedness)及び不安定であり、それは前庭覚、及び十分な運動協調の欠如に結びつく前庭運動機能における障害に関連付けられるかもしれない。目眩はまた、吐き気、及び時々嘔吐に結びつく吐き気を生ずる可能性がある。
【0004】
理想的薬物又は医薬化合物は、いかなる関連した副作用、具体的にはCNS効果なしに、所定の病状に対して臨床的有効性を示すであろう。したがって、できるだけ初期の段階、好ましくは化合物がヒトの臨床試験に入る前に、そのような化合物に関連した副作用について試験することができることが望ましい。その結果として、患者の質問表及び言語/視覚評価尺度におけるヒトにおいて一般に記録された臨床的に関連した副作用を検出し及び定量することができる臨床前動物モデルを提供することが望まれる。
【0005】
動物モデルは、化合物のCNSに関連した小規模の様々な化合物の副作用、例えば、鎮静、運動失調(筋弛緩又は筋緊張の欠如によって特徴付けられる)又は強硬症の測定を提供することができる移動試験のために開発され、使用されている。しかしながら、目眩の副作用についての測定はまだ示されていない。
【0006】
目眩は、動物で調べるには特に困難な副作用である。多くの副作用とは異なって、目眩は、単なる観察から容易には測定されない。例えば、動物の一般的な移動の観察は、ある期間に渡る動物の一般的な移動及び探索行動の正常からの低下によって示されるような強硬症(延長された期間に渡って随意運動の喪失又は体位の硬直した維持を伴う昏睡状態)、又は後肢で立つ動物の場合の数の正常からの低下によって示されるような運動失調(協調の障害へと導く筋弛緩又は筋緊張の欠如)を決定することができる。動物が目眩を経験しているかどうかを示す特定の実験的試験は、非常に有利であるだろうし、本発明前にはこれを利用することができなかった。
【0007】
本出願人は、ビーム(beam)歩行法が動物対象における薬物誘導の目眩を測定するために使用することができ、得られた結果が臨床において記録されたそれらと十分に相関していることを示した。さらに、ビーム歩行法から得られたデータは、臨床において目眩を引き起こすことが知られている化合物と、傾眠、催眠、運動失調又は精神刺激効果を引き起こす化合物と区別するために使用することができる。
【0008】
ビーム歩行法は既知であり、身体外傷後の動物における脳障害の程度を推測するために使用されていた。既存の方法は、ビームを横切るのに動物が費やした時間を記録し、又は動物が定位置に留まるか又は転倒するかどうかを記録するためにビーム上に動物を単に置くような、脳の運動領域において身体的に損傷している動物の測定に関係する(Feeney DM,Gonzalez A,Law WA,.Scinece.1982;217:855−857.Goldstein LB,Davis JN,Behav Neurosci,1990;104:318−325)。これら既存の測定はいずれも、CNSの運動領域に対して身体的障害によって影響されていない動物(つまり、脳障害の動物)においてより適度に測定される目眩の測定を提供しない。しかしながら、本出願人は、新規であり異なった利用可能な測定であるビーム歩行法におけるビームを横切る間の動物によって実行される肢のスリップ数が、この目眩の効果を測定することを決定し、つまり、バランス及び協調の終点測定を提供する。
【発明の開示】
【0009】
発明の簡単な記載
本発明は、動物が目眩を経験する程度を評価する方法を利用できるようにすることである。本発明は、副作用として目眩を誘導する化合物の同定を可能にする。該方法の利点は、他の共通したCNS効果、例えば、傾眠、鎮静、運動失調又は精神刺激効果とは区別されるように動物における目眩の評価を可能にするものであり、この目眩の測定はまた均等な臨床方法による結果と十分に相関する。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明の第一の側面によれば、動物が目眩を経験する程度を決定する方法が提供され、下記の工程:
a)第一の「対照」動物を提供し、幅が狭く、高くなった、ある長さのビーム上に設置すること;
b)ビームを横切るように対照動物を誘導すること;
c)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること(ここで、肢のスリップは、ステップを行う過程における肢がビームと接触しないか、若しくは接触するが離れていく、又は接触した場合、動物の体重を上手く支える前に順応し若しくは置き換わり、又は動物の転倒を引き起こすようなステップをする過程における動物のいずれかの肢の置き違いである);
d)第二の「試験」動物を離れて提供し、幅の狭い高くなった長さのあるビーム又は二重のビーム上に設置すること;
e)ビームを横切るように試験動物を誘導すること;
f)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
g)対照動物と比較して試験動物によってなされた肢のスリップ数が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
が含まれる。
【0011】
本発明の第二の側面によれば、動物における目眩を生ずる効果について化合物を検定する方法が提供され、下記の工程:
a)「対照」動物を提供し、幅が狭く、高くなった、ある長さのビーム上に設置すること;
b)ビームを横切るように対照動物を誘導すること;
c)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること(ここで、肢のスリップは、ステップを行う過程における肢がビームと接触しないか、若しくは接触するが離れていく、又は接触した場合、動物の体重を上手く支える前に順応し若しくは置き換わり、又は動物の転倒を引き起こすようなステップをする過程における動物のいずれかの肢の置き違いである);
d)試験化合物を服用した「試験」動物を提供すること;
e)服用した「試験」動物を提供し、幅の狭い高くなった長さのあるビーム又は二重のビーム上に設置すること;
f)ビームを横切るように試験動物を誘導すること;
g)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
h)対照動物と比較して試験動物によってなされた肢のスリップ数が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
が含まれる。
【0012】
動物は、好ましくはヒト以外の動物であり、そして、肢を有し、表面上で一歩ずつの方法で肢を用いて移動することができる動物界の任意のメンバーであってよい。動物は、好ましくは哺乳類、より好ましくはげっ歯類、さらに好ましくはラット又はマウス、最も好ましくはラットである。
【0013】
「対照」動物は、明らかな身体的損傷、具体的には、例えば神経系疾患によるCNSに損傷を被っていない部類の典型的な通常の健常動物であり得る。対照動物は、好ましくは、ビームを横切る動作の停止又は麻痺することなくビームを横切る規準に基づいて選択される。より好ましくは、対照動物は、横断の間隔を通して2以下の肢のスリップを示すべきである。対照動物は、加えて、ベヒクルで処理され、即ち、活性化合物が試験動物に輸送されるであろうが、しかし、活性化合物を欠如している溶液、本質的にはプラセボ服用で処理されていてもよい。
【0014】
好ましくは、動物は、ビームの一端に向けて、ビーム上に設置される。
1より多くの対照動物は、典型的な対照動物についての肢のスリップの測定における統計学的な確かさを得るために、該方法の実行の目的のために使用することができる。
【0015】
ビームを横切る動物を誘導する方法は無数に存在し、例えば、動物は、負の刺激若しくは有害刺激の領域から移動する原因となり、又は正の刺激若しくは報いのある刺激の領域に向かって負の有害刺激から移動する原因となるかもしれない。負の刺激又は有害刺激の例は、騒音、明るい光、低温、疼痛刺激の供給の存在を含むことができ、そして、正の刺激又は報いの刺激の例は、静寂、暗闇、暖かさ、食物、水、アルコール、砂糖の存在を含むことができ、動物は、家のケージ若しくは居住、子、子孫若しくは仲間の存在、反対の性の動物を所有し、ビームの勾配はまた、動物が横切る動機を与えることができる。好ましくは、動物は、横断の始めにビームの領域で明るい光、そして、横断が終了するビームの反対の端での暗闇を提供することによってビームを横切るように誘導される。
【0016】
動物は、ビームを横断して最後までまたは途中まで横切るように誘導することができ、好ましくは、動物は、ビームを横断して最後まで横切るように誘導される。
肢のスリップ数の測定は、ビームの全長又は部分的な長さの距離を通じて動物によってなされてもよい。好ましくは、肢のスリップ数の測定は、任意の1つの方法の実行において、動物によるビームの横断の一定の距離を通じてなされ、最も好ましくはビームの全長の距離を通じてなされてもよい。最も好ましくは、肢のスリップの測定比較は、ビーム上の同じ距離を横切った動物の間でなされる。
【0017】
ビームは、好ましくは、動物が妥当な距離を横切ることができるようにするために、動物の縦の長さよりも長く、より好ましくは、対象となる動物の体長よりも数倍長い(例えば、ビームを横切るためのステップ数は10−20の範囲にあってよい)。ビームは、好ましくは、大きな変形なしに動物の体重を支えることができる長くて、狭い、直線の、素材(例えば、固体の棒、柱、厚板、又は緊張したロープ若しくはワイヤー)の一片であり、そして、本質的には地面に平行であるが距離がある縦の面をもって位置付けられるが、しかしながら、ビームの面は、必要であれば、地面に対して傾斜していてもよい。ビームは、好ましくは、動物の横方向幅よりも狭く、しかし、動物の個々の肢の幅よりも広く、より好ましくは、ビームは、動物の肢の幅の1ないし10倍の間の幅、最も好ましくは動物の肢の幅の1ないし3倍の間の幅である。好ましくは、ビームは、動物が歩行可能である本質的に平らであり平面を有する。試験動物又は対照動物として使用する前に、ビーム歩行で動物を訓練することが重要である。訓練は、通常、動物には、初期にビームを横切る短い距離が与えられ、そして、横切る距離が実験測定中に使用されるべき距離まで徐々に増加する間中、横断を繰り返すことが許容される一連の日数を通じて行われる。対照動物又は試験動物として使用されるべきものと意図される動物(例えば、化合物を用いた服用、又は任意の他の医療行為、手術若しくは処置の前)は、横断中の転倒、停止、又は麻痺、横断の開始から動かない、横断において2より多くの肢のスリップを行うことにより、ビームを横切るのを開始するどうかの検定において、将来の使用から除外される。
【0018】
用語、肢のスリップは、ステップを行う過程における肢がビームと接触しないか若しくはビームと接触するが離れてしまい、又は接触した場合、動物の体重を上手く支える前に順応し若しくは置き換わるようなステップをする過程において動物のいずれかの足の置き違えであると考えられる。それはまた、それを持ち上げることと、ステップにおいて、例えばジャンプ又は前へ飛び跳ねる過程において、その場所を置き換える他の肢に頼ることにおいて肢の誤用を含む。
【0019】
側面1の試験動物は、対照動物と同じであってもよく、又は異なった動物であるが同類であるものであってもよい。試験動物は、正常若しくは健常な動物であってよく、又は目眩を場合によって促進するかもしれない症状、例えば、外傷、手術方法、疾患、病原性感染、化学的若しくは生物学的物質又は放射線との接触、遺伝的表現型、遺伝子改変、代謝性若しくはホルモン不均衡又は変化によって引き起こされるCNSに対する障害又は変化による症状を有していてもよく;試験動物はまた、潜在的に目眩を誘導するかもしれない薬理学的に活性な化合物で処理されていてもよい。
【0020】
側面2の試験動物は、対照動物と同じであってもよく、又は異なった動物であるが同類であるものであってもよい。好ましくは、試験化合物を服用する前の試験動物は、CNS/神経系疾患の明らかな身体的損傷を被っていないその部類の典型的な通常の健常動物であり、ビームを横切る動作において、転倒すること、試験の始めから静止したままであること、停止すること、又は麻痺することなしにビームを横切る規準に基づいて選択される。より好ましくは、試験化合物を服用する前の試験動物は、横切る距離を通じて2以下の肢のスリップを示すべきである。
【0021】
化合物によって生じた目眩の副作用は、対照動物と比較して、服用した試験動物によってなされた肢のスリップ数の測定した増加又は減少があったという程度に従ってランク付けることができ、つまり、様々な試験化合物は、生じた効果の程度において、対照、及び互いに関してランク付けすることができる。
【0022】
1より多くの試験動物は、測定した観察における統計学的な確かさを得るために、方法の実行の目的のために使用することができる。
【0023】
本発明の第一若しくは第二の側面のいずれかの更なる態様において、横断するために費やした時間はまた記録することができ、そして、対照動物と比較して、試験動物によって横断するための時間が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定することができる。
【0024】
本発明の第三の側面に従って、側面1又は側面2のいずれかに従った方法が提供され、該方法は、さらに下記の工程:
a)試験動物及び対照動物についての移動活性の程度を測定するために設計された第二の異なった試験を実行すること;
b)対照動物と比較して、試験動物について測定した移動活性の程度が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
が含まれる。
【0025】
測定した移動活性は、垂直及び/又は水平移動、旋回棒(rota rod)から転落する待ち時間、高くしたビームを横切る時間、開放された円形場の領域内への入場数であってよく、好ましくは、測定した移動活性は、垂直及び/又は水辺移動である。
【0026】
第二の試験は、当該技術分野において既知の試験のような移動活性又は運動協調を測定するために使用することができる異なった方法であってよく、好ましくは、旋回棒試験(Jones,B.J.及びRoberts,D.J.(1968):Naunun−Schmeidebergs Archives of Phamacology 259:211)、開放された広場試験(Prut L及びBelzung,C.,Eur J Pharmacol.2003;463::3−33)、移動活性試験(Salmi P及びAhlenius S.,Neuroreport.2000 Apr 27;11(6):1269−72)、最も好ましくは移動活性試験である。
【0027】
例えば、移動活性試験は、水平活性(ある期間内に踏破された全距離(cm)を含む移動活性、そして、中心距離(cm)中心距離は全距離に対する中心距離の比を得るために全距離によって割られることができる)、垂直活性(例えば、立つ、到達する、跳ぶ若しくは跳ね上がる又は上る過程において、後肢でバランスを保ち立ち上がる期間における事例の数)のための比較データを回収することによって、測定し、対照動物と試験動物とを比較するために使用することができる。例えば、そのようなデータは、対照動物及び試験動物について、30分の試験期間を通じて、2ないし5分の間隔で回収することができる。対照及び試験動物は、本発明の第一又は第二の側面のいずれかに使用される動物と同じであるか又は均等な動物であることが可能である。
【0028】
移動活性試験は、新しい環境における動物、例えばラットの無意識な移動活性を記録することによって実行することができる。試験円形場は、床面高さから適切な距離、ラットについては床面から約2及び15cmの距離に設置した光電セルで装備され、水辺活性及び垂直活性を記録することができる(San Diego Instrumens、カリフォルニア、米国)。各動物は、その領域の中心に置かれ、全体の移動活性(水平及び垂直)は、例えば、対照動物及び試験動物について30分の最大期間に対して5分毎に監視される。対照に関して試験動物の水辺移動の程度の減少は、強硬症、鎮静、催眠、又は傾眠を示す可能性がある。対照に関して試験動物の垂直移動の程度(例えば、正常な歩行又は走行の過程における期間内に動物によって踏破される水平距離)の増加は、精神運動刺激及び活動亢進を示す可能性がある。同様に、対照に関して試験動物のみの垂直移動の程度(例えば、動物がある期間内における後肢で立ち上がる回数)の減少は、運動失調を示す可能性がある。対照に関して試験動物の垂直移動の程度の増加は、精神運動刺激及び活動亢進を示す可能性がある。つまり、本発明の第一又は第二の側面のいずれかと、更なる第二の方法の実行、好ましくは移動活性試験との組み合わせは、任意の他の密接に関連した運動協調又は移動効果の有無を決定するために使用することができる。
【0029】
本発明の第一、第二、又は第三の側面のいずれか1つの更なる態様において、1より多くの対照及び/又は試験動物を使用してもよい。
用語「試験化合物」は、本明細書で使用されるように、薬学的化合物及び薬物を含むことが意図される。
【0030】
試験化合物は、任意の標準的な方法、例えば経口的若しくは静脈内若しくは腹腔内注射によって輸送することができ、又は筋肉内によって注射され、若しくは皮下的に注射され、又は吸入によって、又は坐薬若しくはペッサリー若しくは局所的によって輸送することができ、好ましくは、服用は経口的に輸送される。化合物の服用量は、典型的には、対象動物の体重1kg当たり0.01ないし1000mg、好ましくは1kg当たり0.1ないし100mgの範囲である。その代わりに、服用量は、静脈内注射によって、好ましくは0.001−1000mg/kg/時の服用量で、より好ましくは0.001−1000mg/kg/時の範囲の服用量で輸送することができる。上記の服用量は、平均的な場合の典型的なものであり、それ相応に凡その量であるかもしれない。
【0031】
本発明の第一、第二、又は第三の側面の変更において、1より多くの化合物を投与することができる。
下記の実施例は、本発明の態様及び原則を説明する。
【実施例】
【0032】
実施例
方法
動物
雄性Sprague−Dawleyラット200−300g(Charles River,マーゲート、英国)を適宜利用可能な食物と水と一緒に、12時間の昼/夜サイクルでケージ当たり5匹の群で飼育した。各実験は、最少7匹のラットの群を用いて行った。本研究における全ての手法は、Home Office Animals(Scientific Procedures)Act 1986に従って、そして、それ故に本出願人のプロジェクトライセンスをもって実行し、実験後には動物をスケジュール1の方法によって屠殺した。
【0033】
移動活性試験
新しい環境におけるラットの無意識の移動活性は、35×20cm Perspexチャンバー内で30分間監視した。ケージは、床から2及び15cmに位置した2系統の光電セルを配備した(San Diego Instruments、カリフォルニア、米国)。薬物投与後の所定の時間で、モルホリン及びガバペンチンのような薬物誘導の移動減少を測定するために、各動物をケージの中心に置いた。フェンシクリジン(PCP)のような薬物誘導の移動の増加を測定するために、記録前の少なくとも30分間、ラットをケージに置き、全体の活性(歩行及び立ち上がり)を30分間で5分毎に監視した。
【0034】
ビーム歩行試験
ビーム歩行装置は、2.5×2.5平方cmの断面を有する1.5m長のビームから成り、床上75cmに上げられている。試験は、薄明かりの状態(18ルクス)で行った。光源(520ルクス)をビームの出発端に置き、一方、暗箱を他の側に置いた(Feeney DMら、アンフェタミン、ハロペリドール、及び体験が運動皮質の損傷後の回復率に影響するように相互作用する、Science 217、1982)。ラットを訓練セッションの開始前に少なくとも1時間薄明かりの状態に慣らした。ラットを一日に2回、2日に渡ってビームを横切るように訓練した。1日目は、げっ歯類をそれぞれ第一及び第二セッションにおいて、ビームの最後の4分の1及び半分からスタートして、暗箱まで横切るように訓練した。次の日は、げっ歯類をビームの全長を2回横切るように訓練した。各々の毎日のセッションの間を少なくとも2時間空けた。試験の当日に、化合物投与前に基準の記録を登録し、主な機能障害なしにビームを横切る能力に基づいてラットを選択した。したがって、10秒以内にビームを横切り、2又はそれ以下の肢のスリップを示すげっ歯類のみが薬物誘導による運転機能障害を評価するために使用した。次に、ラットを薬物注射後の様々な時点でビームを横切る能力について試験した。横切るのに費やした時間、及びラットがビームを横切っている最中に生じた肢のスリップ数をカウントした。30秒の最高の中断スコア及び5つの肢のスリップが、それぞれ、ビームを横切らなかった又は離れたそれらのラットに与えられた。動きなし又は麻痺の行動はまた、最大値をもって記録された。
【0035】
試験化合物
硫酸モルヒネ(1、3及び10mg/kg、sc)及びフェンシクリジン(PCP;0.1−1−10mg/kg、ip)はSigma Aldrich(Gillingham、UK)から提供され、生理食塩水に溶解した。ガバペンチン(30、100及び300mg/kg、PO)を会社内で合成し(Pfizer Lab、Ann Arbor、MI、米国)、そして水に溶解した。
【0036】
データ解析
移動活性作業において、総カウントは、30分の記録において水平及び垂直の動きの合計(フォトビームの中断)である。PCPについては、垂直及び水平活性は別々に解析される。データは、算数の平均±SEMとして表され、ANOVAによって解析した。ビーム歩行試験では、ビームを横切る時間(秒)及び肢のスリップ数は、平均±SEMとして表し、ANOVA及びMann Whitney U検定によってそれぞれ解析した。
【0037】
結果
移動活性試験
ラットの無意識の移動活性は、新しい環境に動物を置いて30分間測定した。生理食塩水で処理したラットの注射後30分の全体の動きは、研究を通じて一致し、平均400カウントに対応した。投薬していないラットに皮下的に(SC)投与した硫酸モルヒネ(1、3及び10mg/kg)は、自発的な活性において服用量に依存した減少を生じた(図1A;p<0.01)。3mg/kgのMEDによって、げっ歯類の探索行動は、対照の活性に関して67%まで低下した。さらに最大の投与量は、ベヒクルで処理したラットの自発的な活性の93%まで投与されていない動物の動きを低下する(28±6対424±23カウント;p<0.01)。
【0038】
抗てんかん性化合物のガバペンチンは、10、30及び100mg/kgで経口的に(PO)に与えた。薬物を投与して1時間後に、ガバペンチンは、最大服用量のみでラットの移動活性を顕著に減少させた(ベヒクル処理群の27%)。この効果は、ベヒクルで処理したラットと比較して61%の移動活性を常に低下するモルヒネ3mg/kgによって誘導したものとは顕著に異なっていた(262±25対138±26カウント;p<0.01)(図2A)。
【0039】
神経刺激物質のPCPは、腹腔内に(ip)1及び10mg/kgで投与した。注射1時間後に、両者の服用は、服用量に依存して水平活性を増加し(p<0.01)、一方、より低い服用だけが垂直運動を顕著に増加した(図3)。10mg/kg PCPで処理した動物は、垂直活性(立ち上がり)の減少に反映している肢の協調の欠如によって特徴付けられる運動失調の兆候を示した。全体の活性(垂直+水平)は、(薬物によって誘導された運動の減少を評価するための標準的なプロトコールを用いて)この実験において、ベヒクルで処理した群と比較して、PCP処理では顕著な変化はなかったが、PCP 10mg/kgは、垂直活性を顕著に低下させ(30±9対186±17(ベヒクルで処理した群)、p<0.01;データ示さず)、協調の障害を確かめる。
【0040】
ビーム歩行試験
薬物誘導の運動協調損傷の評価の前に、ラットを75cm上げたビームを横切るように訓練し、それらの実行に基づいて選択した。10秒未満でビームを横切り、2より少ない肢のスリップ数を示すラットのみを選択し、研究に使用した。通常、一群の40において1匹のラットだけ(時々、いない場合もある)が標準よりも低く見出された(<3%)。硫酸モルヒネは、3及び10mg/kg、SCで投与され、服用した後30分、1、2及び3時間で、上昇させたビームを横切るそれらの能力に基づいて試験をした。この作業におけるMED(最小有効服用量)は、10mg/kgであり、薬物投与後の30分及び1時間での肢のスリップ数の僅かな増加を誘導し、対照とは統計学的に異なっていなかった(1.0±0.6対0.1±0.1(服用後の30分及び1時間の両方でベヒクル処理した群))。代わりに横切る時間は、モルホリンのみを投与して30分後に顕著に増加した(12.6±0.7対4.1±0.7(対照);図3A)。3mg/kgのより低い投与量は任意の時間点でのビーム歩行におけるげっ歯類の移動を変化しなかった(図1B)。処置後にビームから離れ落ちるラットはなかった。
【0041】
ガバペンチンは、30、100及び300mg/kgで経口的に投与し、そして、ラットを6時間まで1時間の間隔でビーム作業において試験した(図2B)。ガバペンチンは、100mg/kgの服用量から始まり肢のスリップ数において服用量に依存した増加を生じた。服用後1時間で、ガバペンチンで処理した群は、肢のスリップ数の増加を示した(1.5±0.5対0.6±0.4(水で処理したラット))。ピーク効果は、4時間まで続けて2時間で観察された(2.9±0.5対0.2±0.2(ベヒクルで処理した群);**p<0.01)。2及び3時間で、ラットの25%がビームから離れて落ちた。横切る時間は、ガバペンチンで処理した動物において劇的には変化せず、そして、投与後の3及び4時間でのみ、最大服用量が横切る時間を顕著に増加する(p<0.05)。
【0042】
神経刺激化合物の効果は、投与後の30分、1、2、3及び4時間でPCP(0.1−1−10mg/kg、ip)を試験することによってビーム歩行試験において解析された。PCPは、より高い服用量のみでビームを横切るのに費やす時間を増加させたが、肢の踏み誤りは服用量に依存したものであった(図5)。1mg/kgで処理したラットは、薬物投与後の2時間で肢のスリップ数に僅かではあるが有意な増加を示したが(p<0.05)、より低い服用量では効果は観察されなかった。期待されるように、10mg/kgのPCPで処理したラットは、横切る時間及び肢のスリップ数の両方において増加を示した。投与後の30分及び1時間で、100%のげっ歯類が肢の協調の明らかな不足によりビーム上に位置することさえできなかった。2時間で、80%の動物がビームを横切ったが、大多数の肢のスリップを示した(5以上)。この時間点で、ビームを横切るのに費やした時間は、対照とはさらに有意に異なっていた(p<0.01)。後期では、時間及び肢のスリップ数の両方とも減少し、4時間でほとんどのラットが回復した。
【0043】
考察
本研究では、本出願人は、ビーム歩行試験が薬物誘導による目眩の評価のための刷新的な臨床前手段であり、移動活性試験と組み合わせて使用した場合、新規医薬の治療指数(TI)の評価のための包括的な方法の構成要素であることを示した。薬物誘導の有害事象は、しばしば、記述的範疇に共通して分類され、パーセント又は比率としてランク付けされたデータと共に、臨床における患者の質問表を用いて査定される。そのような有害事象の臨床前の調査は、動物モデルにおいては固有の限界のために複雑である。つまり、多くのパラダイムが運動作業(例えば、旋回棒又は移動活性)を行うげっ歯類の能力を測定することを目的として開発されている。回収された行動データの解釈は、しばしば、運動失調又は鎮静のような臨床の記述子の不適切な使用により幾分困惑している。例えば、ガバペンチンは、臨床前の移動活性データに基づいて運動失調を含むものとして記載され(Hunterら、Eur J Pharmacol、324、1997)、しかしながら、主要な臨床的有害事象が目眩や傾眠であり、運動失調でないことは、現在、十分に確立されている(Serpellら、Pain.、2002、99:557−66)。
【0044】
ビーム歩行作業は、CNS(中枢神経系)の障害を誘導するバランス及び協調機能不全の評価(Goldstein及びDavies、ラットにおけるビーム歩行:脳損傷後の機能回復の動物モデルの開発に向けた研究、31、1990)、又は遺伝的に変更した動物における運動障害の評価のために、一般的に使用される。このパラダイムは、目眩のような薬物誘導による有害事象を調べるために使用されていなかった。ある著者らは、エタノール誘導による運動失調にこの作業における欠損を関連付けたが(Crabbe JCら、運動不協調の2種の試験におけるエタノール感受性における遺伝子型の相違、J Appl Physiol.2003:1338−51)、しかしながら、エタノールは、ヒトにおいて、同様に、目眩、鎮静及びバランス問題を誘導する(Drake CLら、多睡眠潜伏試験、記憶、及び精神運動機能におけるエタノールの効果のカフェイン反転、Neuropsychopharmacology、2003、28:371−8;Wang GJら、アルコール泥酔中の局所的脳代謝、Alcohol Clin Exp Res.2000、24:822−9)。本研究において、本出願人は、伝統的な移動活性試験とビーム歩行作業との組み合わせが、標準的な化合物の有害事象プロフィールをより正確に定義するのを手助けすることができ、つまり、ヒトにおける新規な化合物の中枢神経系(CNS)の危険性を潜在的に予期することができる。
【0045】
例えば、モルヒネは、傾眠、鎮静及び中毒を含む多様な中心的な有害事象を生ずることが報告されており、そして、本出願人は、これらが目眩と比較して有害効果プロフィールを支配すると信じている(Caldwell JR、アヴィンザ(Avinza)−24時間持続放出の経口的モルヒネ治療、Expert Opin Pharmacother、2004;5(2):469−72;Slatkin NEら、オピオイド誘導による鎮静の治療におけるドネペジル:6症例の報告、J Pain Symptom Manage、2001 21(5):425−38)。これは、モルヒネが、3mg/kgで見られた有意な欠損を伴う歩行及び立ち上がりの両方における服用量に依存した減少を生じるという移動活性試験における観察によって前臨床的に支持される。本出願人は、より低い服用量で測定された効果が、目眩よりむしろ傾眠によるものであると信じている。実際に、この服用量(3mg/kg)は、ビームを横切るラットの能力を弱めることはなく、ラットは運動協調における欠損の兆候を示さなかった。より高い服用量のモルヒネ(10mg/kg)は、移動活性における著しい減少を生ずるが、同時にビーム歩行作業(特に横切る時間)において実行を弱めた。これは、文献(Caldwell JR、アヴィンザ−24時間持続放出の経口的モルヒネ治療、Expert Opin Pharmacother、2004;5(2):469−72;)に報告されたモルヒネの鎮静作用様の有害事象と一致する。
【0046】
ガバペンチンは、てんかん及び神経病的疼痛を治療するために使用される効果的な医薬である。臨床試験は、報告された最も頻出の有害事象が目眩及び傾眠のものであることを示している(Backonja Mら、真性糖尿病を有する患者における痛みを伴う神経障害の対症治療のためのガバペンチン:ランダム化比較試験、JAMA、1998;280:1381−1386;Rowothamら、帯状疱疹後神経痛の治療のためのガバペンチン:ランダム化比較試験、JAMA、1998;280:1837−1842)。本出願の研究は、ラットにおける100mg/kgのガバペンチンが移動活性の少ない(統計学的に有意であるにもかかわらず)減少を生じたことを示す。しかしながら、ビーム歩行試験では、この服用量は、肢のスリップ数における強固な増加を生じたが、一方では、ビームを横切る時間は、劇的には増加しなかった。これは、鎮静又は傾眠とは対照的に、運動協調及びバランスにおける欠損、即ち、目眩と一致する。
【0047】
フェンシクリジン(PCP)は、ヒト(Jacob MS、フェンシクリジン摂取:薬物乱用及び精神病 Int J Addict.1981;Pradhan SN、フェンシクリジン(PCP):あるヒトの研究 Neurosci Biobehav Rev.1984)及びげっ歯類(Melnickら、ラットにおける運動失調を査定する単純な手法:フェンシクリジンの効果、Phamacol Biochem Behav.2002)における運動失調を誘導することが示された薬物である。この化合物で処理したラットは、目立つ運転協調問題を発現し、ビーム歩行試験における肢のスリップ数の増加に反映し、同時に移動試験の活性が増加していた。
【0048】
本出願人の観察に基づいて、ビーム歩行試験における肢の踏み誤り/肢のスリップの有意な増加は、運動失調及び目眩の両方に臨床的に関連付けることができた。したがって、移動活性との比較は、これらの行動を区別するために重要である。運動失調は、随意運動中の筋肉活性を協調することができないものとして定義される運動機能障害である(ステッドマン医薬辞典、27版)。移動活性データにおいて、確かに、垂直活性と水平活性の両方の増加の不足は、協調の不足を示す。この行動は、ガバペンチンを用いて唯一最小限観察され、歩行の減少と関連し、一般的な不活性な行動(即ち、傾眠)を示す。
【0049】
結果的に、本研究は、ビーム歩行試験が、薬物誘導による目眩の評価のための価値の高い手法であり、そして、他の運動作業(例えば、移動活性試験)と組み合わせて、有害事象の予期及び新規化合物の治療指数を改善する手助けとなることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1:モルヒネ誘導による運動障害。(A)移動活性試験におけるモルヒネの効果。ラットを1、3及び10mg/kg、sc(皮下)で処理し、薬物を投与して30分後に試験した。(B)ビーム歩行試験(肢のスリップ数)におけるモルヒネの効果。ラットを3及び10mg/kg、scで処理し、投与して30分、1、2及び3時間後に試験した。ベヒクルで処理した動物の一群を両研究において負の対照として使用した。データは、群当り8匹のラットの平均±SEM(平均の標準誤差)である。**p<0.01対全カウントに対するベヒクルで処理した群(ANOVA);MS(統計学的に有意でない群)対ベヒクルで処理した群(Mann Whitney U試験)。
【図2】図2:ガバペンチン誘導による運動障害。(A)移動活性試験におけるガバペンチンの効果。ラットを10、30及び100mg/kg、POで処理し、薬物投与して1時間後に試験した。(B)ビーム歩行試験(肢のスリップ数)におけるモルヒネの効果。ラットを30、100及び300mg/kg、POで処理し、そして、投与後30分、及び6時間まで毎時試験した。ベヒクルで処理した動物の一群を両研究における負の対照として使用した。データは、群当り8匹のラットの平均±SEMである。*p<0.05及び**p<0.01対全カウントに対するベヒクルで処理した群(ANOVA);**p<0.01対肢のスリップに対するベヒクルで処理した群(Mann Whitney U試験)。
【図3】モルヒネ(A)及びガバペンチン(B)はビーム歩行試験において横切る時間を増加する。ラットをモルヒネ1、3及び10mg/kg、SC又はガバペンチン10、30及び100mg/kg、POで処理し、投与後30分、それぞれ4又は6時間まで毎時試験した。ベヒクルで処理した動物の一群を両研究において負の対照として使用した。データは、群当り8匹のラットの平均±SEMである。*p<0.05及び**p<0.01対横切る時間に対するベヒクルで処理した群(ANOVA)。
【図4】移動活性試験におけるフェンシクリジン(PCP)誘導による運動障害。ラットをPCP(1及び10mg/kg、IP[腹腔内])又はベヒクル(生理食塩水)で処理し、順応のために移動活性ケージに置き、薬物を投与して1時間後に試験した。データは、群当り8匹のラットの平均±SEMである。*p<0.05及び**p<0.01対ベヒクルで処理した群(ANOVA)。
【図5】ビーム歩行試験におけるフェンシクリジン(PCP)誘導による運動障害。ラットをPCP(0.1、1及び10mg/kg、IP)又はベヒクル(生理食塩水)で処理し、ビーム歩行作業において薬物を投与して30分後に試験した。データは、群当り8匹のラットの平均±SEMである。**p<0.01対横切る時間に対するベヒクルで処理した群(ANOVA)。*p<0.05及び**p<0.01対肢のステップに対するベヒクルで処理した群(Mann Whitney U試験)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物が目眩を経験する程度を決定する方法であって、下記の工程:
a)第一の対照動物を提供しビーム(beam)上に設置すること;
b)ビームを横切るように対照動物を誘導すること;
c)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
d)第二の試験動物を提供しビーム又は二重のビーム上に設置すること;
e)ビームを横切るように試験動物を誘導すること;
f)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
g)対照動物と比較して試験動物によってなされた肢のスリップ数が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
動物における目眩を生ずる効果に関して化合物を検定する方法であって、下記の工程:
a)対照動物を提供しビーム上に設置すること;
b)ビームを横切るように対照動物を誘導すること;
c)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
d)試験化合物を服用した試験動物を提供すること;
e)服用した試験動物を提供しビーム又は二重のビーム上に設置すること;
f)ビームを横切るように試験動物を誘導すること;
g)横断中に動物によってなされた肢のスリップ数を記録すること;
h)対照動物と比較して試験動物によってなされた肢のスリップ数が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
を含む、前記方法。
【請求項3】
さらに下記の工程:
a)試験動物及び対照動物に関する移動活性の程度を測定するために設計された第二の異なった試験を実行すること;
b)対照動物と比較して試験動物について測定した移動活性の程度が増加したか、減少したか、又は変化しなかったかどうかを決定すること
を含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
測定した移動活性が垂直移動及び/又は水平移動である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第二の試験が移動活性試験である、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
対照動物及び試験動物が同じ動物である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1より多くの対照動物及び/又は試験動物が使用される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−537749(P2007−537749A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517495(P2007−517495)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001387
【国際公開番号】WO2005/112761
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)