直下型バックライト式液晶表示装置および光拡散板
本発明は、高い光拡散性を有し、優れた色調を保持し、高い輝度を有する直下型バックライト式液晶表示装置を提供することを目的とする。本発明は、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含んでなり、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する直下型バックライト式液晶表示装置であり、光拡散板が、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)の合計100重量部に対し、(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)、(D)紫外線吸収剤(D成分)および(E)蛍光増白剤(E成分)を所定量含有した組成物から形成される直下型バックライト式液晶表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、溶融滞留時の変色が抑制され、熱および光に曝されても優れた色調を保持するとともに、使用する熱安定剤を最適化し光吸収を最小限に抑制することで輝度を向上させたポリカーボネート樹脂組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
液晶テレビなど種々の液晶ディスプレイの光源として使用されているバックライトユニットの構成要素の一部である光拡散板においては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂をマトリックス樹脂に使用し、そこに種々の光拡散剤を添加した樹脂組成物より形成される光拡散板が使用されている。
近年15〜39インチと大型化してきている液晶テレビなどの液晶ディスプレイでは面積の増大により直下型バックライト方式が主流になりつつある。
アクリル樹脂製の光拡散板は、吸湿性が高く且つ耐熱性に劣るため大型化による影響を受けやすい。そのためこの用途にアクリル樹脂製の光拡散板を用いると、使用環境条件の変化により光拡散板のソリが大きくなる傾向があった。そのため、光拡散板が液晶板に接触するという重大な欠陥が発生するという問題があった。
これに対してポリカーボネート樹脂製光拡散板は、吸湿性、耐熱性、機械的特性、耐候性に優れており、高い光線透過率を備えていることから、かかる用途に好適に使用される。
ポリカーボネート樹脂に対して、一般的に使用される光拡散剤としては、架橋構造を有する有機系粒子がある。さらに詳しくは架橋アクリル系粒子、架橋シリコン系粒子などがポリカーボネート樹脂との屈折率差の観点から好適に使用されている。
ここで、液晶バックライト用途に使用する光拡散板において、最も重要な特性の一つに輝度が挙げられる。輝度とは、一般的には、我々が視覚として感じる明るさのことであり、光の強さと色度(白さ)の相関として考えられている。したがって、光拡散板内での光吸収による透過光量の低下により輝度は低下し、また光拡散板の黄変によっても輝度は低下することとなる。ポリカーボネート樹脂はアクリル樹脂に比べ輝度が劣るためその改善が求められている。
一般的に知られているように、ポリカーボネート樹脂は、その製造過程(反応、パウダー化、乾燥、ペレット化など)において熱履歴を受けることによって黄変し易い。さらに光拡散性を発現するために光拡散剤を添加するが、成形時などに光拡散剤自体が黄変したり、あるいはマトリックス樹脂の黄変を誘発する。
光拡散剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性を改良する方法としてはいくつか開示されている。例えば、特許文献1にはポリカーボネート樹脂にホスフィン化合物およびヒンダードフェノール系酸化防止剤を配合することにより有機光拡散剤を使用した場合においてもポリカーボネート樹脂の黄変を防止することが記載されている。
特許文献2には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂に安定剤として有機ホスファイト化合物やヒンダードフェノールを使用することが記載されている。
また、特許文献3には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂にホスホネート化合物、トリメチルホスフェートおよびヒンダードフェノールを配合した組成物は熱や湿気による変色が抑制されることが記載されている。
また特許文献4には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂にホスホネート化合物、トリアルキルホスフェート、ペンタエリスリトールジホスファイトおよびヒンダードフェノールを配合した組成物は熱による変色が抑制されることが記載されている。
しかしながら、上述の特許文献1〜4に記載のポリカーボネート樹脂組成物は、基本的にはポリカーボネート樹脂の変色防止という観点のみから到達した技術である。よって変色防止の効果はあるものの、種々の安定剤、添加剤の配合することにより光吸収種も増加させることとなり、光拡散板として用いた場合、透過光量の低下を引き起こすことになる。
輝度向上の方法としては上述したとおり、光拡散板内での光吸収を抑制し、且つ黄変などの変色を抑制することが必要となる。すなわち、変色防止と光吸収の抑制によってさらに輝度を向上させた直下型バックライト用光拡散板が求められている。
【特許文献1】特開平07−138464号公報
【特許文献2】特開平07−149995号公報
【特許文献3】特開2001−214049号公報
【特許文献4】特開2001−323149号公報
【発明の開示】
本発明の目的は、高い光拡散性を有し、変色が抑制され、熱および光に曝されても優れた色調を保持し、アクリル樹脂と比較しても遜色ない高い輝度を有する直下型バックライト用光拡散板を提供することにある。また本発明の目的は、かかる光拡散板を含む直下型バックライト式液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)高分子微粒子とからなる組成物に、(C)熱安定剤、(D)紫外線吸収剤および(E)蛍光増白剤を特定量含有させた樹脂組成物を見出した。
本発明者は、かかるポリカーボネート樹脂組成物の溶融滞留時の変色が抑制されること、またかかる樹脂組成物は熱および光に曝されても優れた色調を保持するとともに、光吸収を最小限に抑制することができることを見出した。
さらに本発明者は、該樹脂組成物からなるバックライト用光拡散板の輝度が向上することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂と高分子微粒子との組成物に配合する熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤の種類や配合量を最適化することで上記効果を得ることを特徴とする。
かかる効果を発揮する原因は特定されていないが以下のように予想される。すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂に各種の高分子微粒子を添加した組成物が溶融成形や長時間光源の熱などの熱負荷を受けた場合、高分子微粒子の耐熱安定性に起因する変質が生じ、それが因子となり芳香族ポリカーボネート樹脂の変質も加速されているものと考えられる。
例えば生成したラジカルが芳香族ポリカーボネート樹脂の異性化反応を促進することなどが考えられる。更に高分子微粒子が乳化重合法で製造される場合、乳化重合において使用される乳化剤等の残留物が溶融成形時や熱に曝された時の変質を促進しているものと考えられる。
したがって、本発明における特定の熱安定剤の組み合わせは、単に芳香族ポリカーボネート樹脂のそれらの因子により生ずる変質を抑制するのみではなく、高分子微粒子自体の変質を抑制し、高分子微粒子中に含有される不純物が変質を促進させない作用を発揮すると予想される。また、ホスフェート系熱安定剤、ホスファイト系熱安定剤、ホスホナイト系熱安定剤は前述の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の黄変防止効果と共に光吸収能が小さいため光拡散板として使用した際に高輝度を維持するものと考えられる。
すなわち、本発明によれば、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含んでなり、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する直下型バックライト式液晶表示装置であり、光拡散板が、
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト式液晶表示装置が提供される。
また、本発明によれば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の断面簡略図である。
図2は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の平面簡略図である。
図3は、本発明における分散度の測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1.試験片
2.白色反射樹脂板
3〜10.光源(冷陰極管)
11〜19.測定点
A.試験片(平板状)
B.光源
γ.拡散光角度
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の直下型バックライト式液晶表示装置について説明する。
本発明の直下型バックライト式液晶表示装置は、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含む。該装置は、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルをこの順序に配置し製造することができる。好ましくは該装置は、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する。
<バックライト光源>
バックライト光源は、発光面の真下に配置されていれば形状は平面状、点状、線状などのいずれでも良い。バックライト光源は可視光線を照射し得るものであればよく、白熱電球、蛍光放電管、発光ダイオード素子、及び蛍光発光素子などが使用できるが、輝度、色温度等の観点より蛍光放電管、その中でも冷陰極蛍光ランプが好ましい。特に最近では消費電力を少なくして、高輝度・高演色した三波長蛍光体を使用した冷陰極蛍光ランプが使用される。
バックライト光源に使用されている冷陰極蛍光ランプの構造は、適量の水銀と不活性ガス(アルゴン、ネオン、混合ガスなど)が封入されたガラス管内壁に蛍光体が塗布され、ガラス管の両端には柱状の電極が取り付けられた状態にある。
その冷陰極蛍光ランプの発光のメカニズムは、電極間に高電圧が印可されると、管内にわずかに存在する電子が電極へ高速に引かれて衝突し、この時に二次電子が放出され放電が始まる。この放電により、陽極に引かれる電子と管内の水銀分子が衝突して、紫外線(250nm前後)が放射され、この紫外線が蛍光体を励起して可視光線を発光させる。
<光線調節フィルム>
光線調節フィルムとしては、拡散板から出てきた光を、集光したり、拡散させたり、偏光させたりする機能を有するフィルムが挙げられる。光線調節フィルムは通常、光拡散板と液晶パネルの間に配置される。集光フィルムとしては表面をプリズム形状としたフィルム(例えば山形スリーエム製BEF)などが挙げられ、拡散フィルムとしては拡散剤を含むフィルムなどが挙げられ、偏光フィルムとしては多層フィルム(例えば山形スリーエム製D−BEF)などが挙げられる。
これらは、例えば拡散板側から、集光フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、拡散フィルムの順に構成され、拡散フィルムを透過した光は液晶パネル部に入射される。
<液晶パネル>
液晶パネルは、液晶セルの少なくとも一方に偏光板を有する構成である。液晶セルは電極が付いており、その少なくとも一方の面が透明であることが好ましい。また、所望によりカラーフィルターを液晶セルと偏光板との間に挟んだ構成とすることもできる。液晶セルは、ガラスや高分子フィルム等のプラスチックから作成できる。
<光拡散板>
光拡散板は、A〜E成分を含有する組成物から形成される。以下各成分について説明する。本願発明は光拡散板自体も包含する。
(芳香族ポリカーボネート樹脂)
芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)とは、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体、ビスフェノールAと9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンとの共重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用される。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式で表される単官能フェノール類を示すことができる。
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖若しくは分岐のアルキル基またはフェニル基で置換されたアルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
溶融エステル交換法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。
触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−8〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−7〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤の具体例としては、例えばオクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
かかる触媒の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が10,000未満であると高温特性等が低下し、50,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して10,000〜50,000のものが好ましく、14,000〜30,000のものが特に好ましい。また、ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発明でいう粘度平均分子量はまず次式にて算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
(高分子微粒子)
高分子微粒子(B成分)は、光拡散性の観点から球状であるものが好ましく、真球状に近い形態であるほどより好ましい。
高分子微粒子として架橋シリコーン粒子や、非架橋性モノマーと架橋性モノマーを重合して得られる架橋有機粒子を挙げることができる。ここで非架橋性モノマーとしてはアクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、オレフィン系モノマーなどを挙げることができる。これらは単独でも2種以上を混合して使用することもできる。更にかかるモノマー以外の他の共重合可能なモノマーを使用することもできる。
一方、ポリエーテルサルホン粒子等の非晶性耐熱ポリマーの粒子も本発明の高分子微粒子として挙げることができる。かかるポリマーの粒子の場合には、A成分と加熱溶融混練した場合であっても微粒子の形態が損なわれることがないため、必ずしも架橋性モノマーを必要としない。
更に本発明において、高分子微粒子としては、各種のエポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子等も使用可能である。
また、かかるB成分の平均粒径としては、0.01〜50μmのものが使用され、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜10μmのものが使用される。また粒径の分布については狭いものが好ましく、平均粒径±2μmである粒子が全体の70重量%以上の範囲である分布を有するものがより好ましい。
また、B成分の高分子微粒子の屈折率とA成分の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3であることが好ましく、0.10〜0.25であることがより好ましく、0.12〜0.20であることがさらに好ましく、0.14〜0.20であることが特に好ましい。上記の屈折率の範囲で屈折率差が大きい方が望ましく、この点より高分子微粒子の材質としては、特に架橋シリコーン粒子が望ましい。
ここで架橋シリコーン粒子としては、シロキサン結合を主骨格としてケイ素原子に有機置換基を有するものであり、ポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものと、メチルシリコーンゴム粒子に代表される架橋度の低いものがあるが、本発明ではポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものが好ましい。かかる架橋シリコーン粒子のケイ素原子に置換する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルカン基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の他、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基等を使用することができる。
かかる架橋シリコーン粒子の製造法としては、3官能性のアルコキシシラン等を水中で加水分解と縮合反応によってシロキサン結合を成長させながら3次元架橋した粒子を形成させる方法が一般的であり、かかる粒子径は例えば触媒のアルカリ量や攪拌工程等により制御可能である。
また、架橋有機粒子において使用されるアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。この中でも特にメチルメタクリレートが特に好ましい。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、エチルスチレン等のアルキルスチレン、ブロモ化スチレン等のハロゲン化スチレンを使用することができ、この中でも特にスチレンが好ましい。アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを使用することができる。またオレフィン系モノマーとしてはエチレン、各種ノルボルネン型化合物等を使用することができる。更に他の共重合可能な他のモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、無水マレイン酸等を例示でき、また結果としてN−メチルグルタルイミド等の単位を有することもできる。
一方前記非架橋性モノマーに対する架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系モノマー等からなる架橋有機粒子の製造方法としては、一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能である。
架橋有機粒子以外の高分子微粒子の製造方法としては、スプレードライ法、液中硬化法(凝固法)、相分離法(コアセルベーション法)、溶媒蒸発法、再沈殿法等の他、これらを行う際にノズル振動法等を組み合わせたものを挙げることができる。
B成分の形態としては、単相重合体の他、コアーシェル重合体の形態、また2種以上の成分が相互に絡み合った構造を有するIPN構造をとることも可能である。また無機微粒子のコアとし有機架橋粒子の成分をシェルとする、または有機架橋粒子をコアとしエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等をシェルとする等の複合型粒子も使用するとことができる。
B成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量%当たり、0.005〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.02〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%である。0.005重量%未満では十分な光拡散性が得られず、20重量%を超えると光線透過率が不十分となるので好ましくない。
(熱安定剤)
本発明において、C成分であるホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤は、ポリカーボネート樹脂組成物の黄変防止効果と共に光拡散板として使用した際に高輝度を維持する効果がある。
C成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.001〜5重量部であり、好ましくは0.002〜3重量部であり、より好ましくは0.005〜2重量部であり、さらに好ましくは0.01〜1重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.001重量部未満では十分な溶融加工時の耐変色性(以下“耐溶融変色性”と称することがある)および長期間空気中で熱に晒された場合の耐変色性(以下“耐乾熱変色性”と称することがある)が得られず、5重量部を超えると湿度の影響なども受け逆に耐乾熱変色性が劣ることがあり、またポリカーボネート樹脂組成物が変質を起こすことがあり好ましくない。
(C−1成分)
ホスフェート化合物(C−1成分)は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中Rは、同一または異なり、炭素数1〜15のアルキル基を表す。)
ホスフェート化合物(C−1成分)は、炭素数1〜12のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基を有するものがより好ましい。特に好ましくはトリメチルホスフェートである。C−1成分は特に十分な耐溶融変色性が必要とされる条件に適合した化合物であり、具体的にはポリカーボネート樹脂組成物を溶融押出して光拡散板に加工する際の変色を防止する効果がある。
C−1成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.001〜3重量部であり、より好ましくは0.01〜2重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.1重量部である。
(C−2成分)
ホスファイト化合物(C−2成分)は、下記式(2−1)または下記式(2−2)で表される化合物が好ましく使用される。特に、下記式(2−1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
炭素数1〜20のアルキル基として、ノニル基、オクタデシル基などが挙げられる。炭素数6〜30のアリール基としてフェニル基が挙げられる。炭素数4〜20のシクロアルキル基としてシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アリール基、アラルキル基およびシクロアルキル基に置換される置換基は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物は、高分子微粒子を含むポリカーボネート樹脂組成物において、耐溶融変色性および耐乾熱変色性が必要とされる条件に適合した化合物であり、具体的にはポリカーボネート樹脂組成物を溶融押出して光拡散板に加工する際の変色および拡散板を光源に曝した際の変色を防止する効果がある。
式(2−1)で表される化合物の具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができる。かかるホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
ホスファイト化合物(C−2成分)として、下記式(2−2)で表されるホスファイト化合物を用いることができる。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(2−2)で表されるホスファイト化合物の具体的例としては、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等があげられ、トリス(ジアルキル置換フェニル)ホスファイトが好ましく、トリス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。これらの化合物の1種または2種以上の混合物であってもよい。
C−2成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部であり、より好ましくは0.002〜3重量部であり、さらに好ましくは0.005〜2重量部であり、特に好ましくは0.01〜1重量部であり、もっとも好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.001重量部以上で十分な耐溶融変色性および耐乾熱変色性が得られ、5重量部以下では湿度の影響なども受け逆に耐乾熱変色性が劣ることがなく好ましい。
(C−3成分)
ホスホナイト化合物(C−3成分)は、下記式(3−1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(3−1)で表されるホスホナイト化合物の具体的例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−1成分)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−2成分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−3成分)の3種の混合物がより好ましい。また、この混合物の混合比は、C−3−a−1成分、C−3−a−2成分およびC−3−a−3成分を重量比で100:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
また下記式(3−2)で表されるホスホナイト化合物を用いることができる。
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(3−2)で表されるホスホナイト化合物の具体例としては、ビス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。
このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト(C−3−b−1成分)および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト(C−3−b−2成分)の混合物がより好ましい。また、この混合物の混合比は、C−3−b−1成分および、C−3−b−2成分を重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好ましい。
C−3成分を使用する場合、その割合はA成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.0001〜1.0重量部であり、より好ましくは0.001〜0.4重量部であり、特に好ましくは0.002〜0.3重量部である。C−3成分を使用することにより十分な耐溶融変色性および耐乾熱変色性が得られるため好ましい。
本発明の光拡散板を形成するポリカーボネート樹脂組成物はヒンダードフェノール化合物を実質的に含有しない。ヒンダードフェノール化合物はポリカーボネート樹脂の熱安定剤として一般的に使用される化合物であり、特に長期間空気中で熱に晒された場合の耐変色性(耐乾熱変色性)に優れた効果を示す化合物である。しかしながら、ヒンダードフェノール化合物をポリカーボネート樹脂組成物に配合すると、この樹脂組成物より形成した光拡散板は十分な輝度を有しないという問題が起こる。したがって、ポリカーボネート樹脂組成物に対するヒンダードフェノール化合物の含有量はA成分とB成分の合計100重量部に対して0.01重量部未満が好ましく、0.005重量部未満がより好ましく、0.001重量部未満が特に好ましい。
具体的なヒンダードフェノール化合物としては、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明においては、D成分として紫外線吸収剤が使用される。ポリカーボネート樹脂組成物から形成される光拡散板は、光源から長時間紫外線領域〜可視光領域の種々の波長分布、強度の光を断続的あるいは連続で照射を受けることにより変色し易い。この変色を防止するために、紫外線吸収剤が使用される。
本発明で使用される紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールが挙げられる。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。
ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤として、具体的には、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−p,p’−ジフェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
また、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤として、具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−エチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−プロピルオキシフェノール、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ブチルオキシフェノールなどが例示される。さらに2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなど、上記例示化合物のフェニル基が2,4−ジメチルフェニル基となった化合物が例示される。
さらに紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、およびベンゾオキサジン骨格を含有する化合物が好適に例示される。これらの紫外線吸収剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。
上記紫外線吸収剤の中でもベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤が好ましく使用される。
D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0〜2重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.8重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。紫外線吸収剤の含有量が2重量部を超えると本発明の光拡散板が変質を起こすようになり好ましくない。
また、光拡散板が紫外線吸収剤を含有する保護膜を有する場合は、D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0〜0.5重量部であり、より好ましくは0〜0.3重量部である。一方、光拡散板が保護膜を有しない場合は、D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.02〜1重量部である。
(蛍光増白剤)
ポリカーボネート樹脂組成物においてE成分として蛍光増白剤が使用される。蛍光増白剤を使用することによりポリカーボネート樹脂組成物の色調を白色あるいは青白色に改善し、且つポリカーボネート樹脂組成物より形成される拡散板の輝度を向上させる効果がある。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。
本発明で使用される蛍光増白剤としては、スチルベン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。なかでも、ベンズオキサゾール系化合物およびクマリン系化合物が好ましい。これらの蛍光増白剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。具体的には、日本化薬(株)製カヤライトOS(CI Fluorescent Brightener 219:1、ベンズオキサゾール系化合物)、ハッコールケミカル(株)製ハッコールPSR(クマリン系化合物)、イーストマンケミカル社製EASTOBRITE OB−1、などを挙げることができる。
蛍光増白剤の配合割合はA成分とB成分の合計100重量部に対して0.0001〜3重量部であり、好ましくは0.0002〜0.5重量部であり、より好ましくは0.0003〜0.1重量部であり、特に好ましくは0.0005〜0.05重量部である。0.0001重量部未満では色調の改善および輝度の向上の効果が得られず、3重量部を超えても色調の改良効果は小さい。
(離型剤)
本発明では必要に応じて離型剤を用いることができる。ここで離型剤は、その90%重量以上が一価アルコールと一価脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸のエステルからなる離型剤が挙げられる。
離型剤としての一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルは、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数5〜30の飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ソルビタンジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート等が挙げられ、単独あるいは二種以上の混合物で用いることができる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。
かかる離型剤を使用する場合は、目的に応じて種々の割合をとることが可能であるが、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.02〜1重量部程度が好ましい。
(染料)
更にポリカーボネート樹脂組成物には、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料などに代表される各種の蛍光染料や、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等に代表される有機系染料を配合することができる。
特に、ポリカーボネート樹脂や紫外線吸収剤に基づく成形品の黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA,No 61500;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solvent Violet36[CA.No 68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No 61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]が代表例として挙げられる。これらブルーイング剤の使用量はA成分およびB成分の合計100重量部に対して0.00001〜0.0006重量部程度が好ましい。
(ポリカーボネート樹脂組成物の製造法)
ポリカーボネート樹脂組成物は、タンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、一軸押出機や二軸押出機等の押出機等でA〜Eの各成分を混合する方法により製造することができる。その他、溶融重合終了後ポリカーボネート樹脂を溶融状態に保ったまま添加剤を添加する方法や、溶液状態の芳香族ポリカーボネート樹脂と乳化液状の高分子微粒子を混合し更に添加剤を配合して、その後溶媒等を除去する方法も取ることができる。
また、本発明の光拡散板は通常高度な光学的特性を要求される分野に使用されることが多いことから、かかる光学特性を阻害する異物の存在を少なくすることが好ましい。これらの用途に好ましいポリカーボネート樹脂組成物を得るためには、原料として異物量の少ないものを使用するとともに、押出機やペレタイザー等の製造装置を清浄な空気の雰囲気下に設置すると共に、冷却バス用の冷却水についても異物量の少ないものを使用し、更に原料の供給ホッパー、供給流路や、得られたペレットの貯蔵タンク等についてもより清浄な空気等で満たすことが好ましい。例えば特開平11−21357号公報に提案されているのと同様な方法をとることができる。
(光拡散板の製造方法)
かくして得られるポリカーボネート樹脂組成物は、各種押出機や射出成形機等を使用して溶融押出成形や射出成形によりフィルム状またはシート状の成形品形状として、光拡散板を得ることができる。光拡散板の厚みは0.5〜10mmが好ましく、0.5〜8mmがより好ましく、1〜8mmがさらに好ましい。
<保護膜>
保護膜は、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に配置することができる。
保護膜は紫外線吸収剤(Dp成分)を0.1〜50重量%含有する厚さ0.1〜500μmの有機高分子膜であることが好ましい。
保護膜を構成する有機高分子が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリエステル樹脂であることが好ましく、なかでもアクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂がより好ましい。
アクリル樹脂はアクリル系モノマーを重合して得られる樹脂であり、アクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂が挙げられる。また、ポリエステルエラストマーも使用することができる。
保護膜中には、紫外線吸収剤(Dp成分)として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。これらの紫外線吸収剤の具体例として、前述のD成分と同じものが例示される。保護膜中の紫外線吸収剤(Dp成分)の濃度は0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、1〜30重量%がさらに好ましい。
光拡散板に保護膜を積層する方法としては、押出成形されたポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシート上に保護膜を形成する有機高分子組成物をTダイより溶融押出するラミネート方法、あらかじめフィルム状に成形された保護膜をポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシートの製造工程途中で加熱ロール等を用い該フィルム又はシート表面に連続的にラミネートする方法、ポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシートと保護膜を形成する有機高分子組成物とを同時に溶融押出しして積層する共押出し法、または保護膜を形成する有機高分子組成物を含有する塗料を用いてディップコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法等のコーティング法によりポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシート上に塗布する方法のいずれの方法でも構わない。
なお、保護膜の厚みは0.1〜500μmの範囲が好ましく、1〜100μmの範囲がより好ましく、2〜70μmの範囲がさらに好ましい。なかでも、ラミネート方法または共押出し法の場合は10〜500μmの範囲が好ましく、20〜100μmの範囲がより好ましい。また、コーティング法の場合は0.1〜20μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲がより好ましい。
保護膜中に紫外線吸収剤を含有させることにより、バックライト光源からの光によるポリカーボネート樹脂製光拡散板の樹脂の劣化を効率的に抑制し、輝度の低下および色調の変化を防止する効果がある。バックライト光源からの光によるポリカーボネート樹脂製光拡散板の樹脂の劣化は、バックライト光源側の光拡散板の表面から進行するため、表面に紫外線吸収剤の密度を高くすることが重要である。
保護膜中の紫外線吸収剤の量W(g)は、以下の式で表される。
W(g)=t(m)×A(m2)×r(g/cm3)×106×u(wt%)×10−2
W:保護膜中の紫外線吸収剤の量(g)
t:保護膜の厚み(m)
A:保護膜の面積(m2)
r:保護膜の樹脂の比重(g/cm3)
u:保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(wt%)
よって、保護膜中の紫外線吸収剤の単位面積当りの含有量W/A(g/m2)は、以下の式で表される。
W/A(g/m2)=t×r×u×104
本発明では、W/Aが、好ましくは0.01〜20g/m2、より好ましくは0.1〜10g/m2、さらに好ましくは0.2〜5g/m2、特に好ましくは0.3〜2g/m2の範囲が好ましい。従って、本発明においては、保護膜を厚くすると、保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(u)を小さくし、保護膜の厚さをうすくすると、保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(u)を大きくすることが好ましい。
また、保護膜の厚み(t:単位m)と、光拡散板の厚み(T:単位m)との比(t/T)は、好ましくは1/10000〜1/10の範囲であり、より好ましくは1/8000〜1/15の範囲であり、さらに好ましくは1/5000〜1/20の範囲である。
保護膜の厚みを上記範囲にすることにより、アクリル樹脂膜を使用した際、アクリル樹脂の吸水やポリカーボネート樹脂との収縮率の違いに伴う反りの問題が顕在化せず好ましい。
<直下型バックライト式液晶表示装置の製造方法>
直下型バックライト光源は上面が開口された筐体と光源(例えば冷陰極蛍光ランプ)からなり、筐体内は高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させる等の処理を行う。冷陰極蛍光ランプは、所望により任意の本数を使用することが出来る。この直下型バックライト光源の開口部に光拡散板を配置させ、その上に光線調整フィルムを配置させ、直下型バックライトユニットを作成する。直下型バックライト式液晶表示装置は、上記直下型バックライトユニットと液晶パネルを組合せて作成することが出来る。
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。
なお、実施例1〜22、比較例1〜5における評価項目および方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率:一辺50mm、厚み2mmの平板状試験片を用いJIS K−7361に従い、日本電色工業(株)製のヘーズメーターNDH 2000により測定した。
(2)平均輝度:NEC製10.4型TFTカラー液晶ディスプレイモジュール(NL6448CC33−30W)に使用された直下型バックライトユニットに一辺150mm、厚み2mmの試験片を組み込み、試験片の9点の輝度(cd/m2)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定し、その平均値を平均輝度とした。評価装置を図1および図2に示した。なお、実施例20〜22および比較例5の試験片は保護膜の面が冷陰極ランプ側になるように組み込み評価した。
(3)滞留試験後平均輝度:射出成形機内で10分間滞留させた後成形した一辺150mm、厚み2mmの試験片について、上記(2)と同様に平均輝度を測定した。
(4)拡散度:一辺150mm、厚み2mmの平板状試験片を日本電色工業(株)製の分散度測定計を使用して測定した。測定方法を図3に示した。尚、拡散度とは図3において光線を上方から垂直に試験片面に当てたときγ=0度のときの透過光量を100とした場合、その透過光量が50になるときのγの角度をいう。
(5)色相YI値:一辺50mm、厚み2mmの試験片を用いカラーマシン〔日本電色工業(株)製Z−1001DP〕によりC光源透過法にて測定した。
(6)耐候性:促進試験として、SUGA TEST INSTRUMENTS社製の強エネルギーキセノンウェザーメーターを使用して、放射照度90W/m2、試験機内温度60℃にて250時間照射後の初期値に対するΔYI値を測定した。
(I)射出成形
<実施例1〜11、比較例1〜2>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量18,000のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、下記に示した高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表1および表2に示す割合で混合したパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−30]により表1および表2に示すシリンダー温度で脱気しながら溶融混錬し、押出し、ストランドカットしてペレットを得た。得られたペレットをファナック(株)製150t射出成形機を用いて射出成形し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表1および表2に示した。
(II)押出成形
<実施例12〜19、比較例3〜4>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、下記に示した高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表3および表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。得られた厚み2mmのシートを一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表3および表4に示した。
なお、表1〜表4に示す各成分は以下のとおりである。
B成分;高分子微粒子
(1)架橋シリコーン樹脂〔東芝シリコーン(株)製トスパール120、重量平均粒径2μm、屈折率1.44〕
(2)不融性アクリル系重合体微粒子〔ローム・アンド・ハーズ・カンパニー製パラロイドEXL−5136、重量分布平均粒径7μm、屈折率1.46〕
(3)架橋アクリル粒子〔積水化成工業(株)製 MBX−3S 重量平均粒径3μm、屈折率1.49〕
C−1成分;ホスフェート化合物(熱安定剤)
(1)トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製TMP)
C−2成分;ホスファイト化合物(熱安定剤)
(1)ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製アデカスタブ PEP−8)
(2)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(日本チバガイギー(株)製イルガフォス168)
(3)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(C−2−c成分)
C−3成分;ホスホナイト化合物(熱安定剤)
(1)以下のC−3−a成分、C−3−b成分および上記C−2−c成分の71:15:14(重量比)の混合物(サンド社製サンドスタブP−EPQ)
C−3−a成分:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの100:50:10(重量比)混合物、
C−3−b成分:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの5:3(重量比)混合物、
その他の熱安定剤(ヒンダードフェノール系熱安定剤)
(1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャリティーケミカル(株)製 イルガノックス1010)
D成分;紫外線吸収剤
(1)ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤;2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(竹本油脂(株)製 CEi−P)
(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(ケミプロ化成(株)製 ケミソーブ79)
E成分;蛍光増白剤
(1)クマリン系蛍光増白剤(ハッコールケミカル(株)製 ハッコールPSR)
(2)ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤(日本化薬(株)製 カヤライトOS)
その他の成分
ブルーイング剤(バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」)
【実施例20】
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。得られたシートの一面に下記組成で調整したアクリル樹脂塗料A(塗料の固形分濃度14重量%)をフローコート法で塗布し、25分間室温に放置した後、120℃の熱風循環乾燥機中で40分間加熱乾燥して、紫外線吸収剤を含むアクリル硬化層(厚さ4μm)を被覆した透明被覆ポリカーボネート樹脂製光拡散板を得た。なお、得られた透明被覆ポリカーボネート樹脂製光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が0.67g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/500であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
アクリル樹脂塗料Aの組成
(イ)硬化樹脂;ポリメチルメタアクリレート11.5重量部
(ロ)紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール2.5重量部
(ハ)溶剤;イソブチルアルコール28重量部
(ニ)溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル28重量部
(ホ)溶剤;4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン30重量部
<実施例21、比較例5>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。ポリカーボネート樹脂製シートを溶融押出する際、そのシートの表面温度が140℃を保持している間に直径300mmの2対のロールで挟持して0.05MPaで加圧し、該シートの一方の面(表面)に厚さ50μm、幅1,000mmのポリメタアクリル酸エステル系のフィルムB[三菱レイヨン(株)製アクリプレンHBS006;紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、量はアクリル系樹脂100重量部に対して約1重量部]を挿入して熱圧着した。なお、得られた保護膜付きの光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が0.47g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/40であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
【実施例22】
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、スクリュー径120mmの押出機に供給して250〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して溶融し、一方スクリュー径50mmの補助押出機にビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂100重量部と紫外線吸収剤として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール(チバガイギー社製:商品名;チヌビン1577FF)3重量部を添加混合して押出造粒した紫外線吸収剤含有ポリカーボネート樹脂組成物を供給して、押出機温度250〜300℃で溶融し、フィードブロックおよびTダイを経由し、紫外線吸収剤含有樹脂被覆層Cの厚さ50μm、ポリカーボネート樹脂シートの厚さ2mmに制御して幅1,000mmの積層体(保護膜付きの光拡散板)を共押出した。なお、得られた保護膜付きの光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が1.8g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/40であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
<直下型バックライト式液晶表示装置の実施例>
<実施例23および比較例6>
実施例21および比較例5で得られた試験片を、CHI MEI製15型カラー液晶ディスプレイモジュール(A150X1)の拡散板として保護膜の面が冷陰極ランプ側になるように組み込み、かかる液晶ディスプレイを目視で観察した。実施例21で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの輝度は360cd/m2となり、一方、比較例5で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの輝度は330cd/m2となった。実施例21で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイより比較例5で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの方が画面は暗くなった。
【発明の効果】
本発明の光拡散板および直下型バックライト式液晶表示装置は、高い輝度、高い光拡散性を有し、熱および光に曝されても優れた色調を保持する。
【産業上の利用可能性】
本発明の直下型バックライト式液晶表示装置は、液晶テレビ、15〜39インチの大型液晶ディスプレー等に好適に使用することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【技術分野】
本発明は、溶融滞留時の変色が抑制され、熱および光に曝されても優れた色調を保持するとともに、使用する熱安定剤を最適化し光吸収を最小限に抑制することで輝度を向上させたポリカーボネート樹脂組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
液晶テレビなど種々の液晶ディスプレイの光源として使用されているバックライトユニットの構成要素の一部である光拡散板においては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂をマトリックス樹脂に使用し、そこに種々の光拡散剤を添加した樹脂組成物より形成される光拡散板が使用されている。
近年15〜39インチと大型化してきている液晶テレビなどの液晶ディスプレイでは面積の増大により直下型バックライト方式が主流になりつつある。
アクリル樹脂製の光拡散板は、吸湿性が高く且つ耐熱性に劣るため大型化による影響を受けやすい。そのためこの用途にアクリル樹脂製の光拡散板を用いると、使用環境条件の変化により光拡散板のソリが大きくなる傾向があった。そのため、光拡散板が液晶板に接触するという重大な欠陥が発生するという問題があった。
これに対してポリカーボネート樹脂製光拡散板は、吸湿性、耐熱性、機械的特性、耐候性に優れており、高い光線透過率を備えていることから、かかる用途に好適に使用される。
ポリカーボネート樹脂に対して、一般的に使用される光拡散剤としては、架橋構造を有する有機系粒子がある。さらに詳しくは架橋アクリル系粒子、架橋シリコン系粒子などがポリカーボネート樹脂との屈折率差の観点から好適に使用されている。
ここで、液晶バックライト用途に使用する光拡散板において、最も重要な特性の一つに輝度が挙げられる。輝度とは、一般的には、我々が視覚として感じる明るさのことであり、光の強さと色度(白さ)の相関として考えられている。したがって、光拡散板内での光吸収による透過光量の低下により輝度は低下し、また光拡散板の黄変によっても輝度は低下することとなる。ポリカーボネート樹脂はアクリル樹脂に比べ輝度が劣るためその改善が求められている。
一般的に知られているように、ポリカーボネート樹脂は、その製造過程(反応、パウダー化、乾燥、ペレット化など)において熱履歴を受けることによって黄変し易い。さらに光拡散性を発現するために光拡散剤を添加するが、成形時などに光拡散剤自体が黄変したり、あるいはマトリックス樹脂の黄変を誘発する。
光拡散剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性を改良する方法としてはいくつか開示されている。例えば、特許文献1にはポリカーボネート樹脂にホスフィン化合物およびヒンダードフェノール系酸化防止剤を配合することにより有機光拡散剤を使用した場合においてもポリカーボネート樹脂の黄変を防止することが記載されている。
特許文献2には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂に安定剤として有機ホスファイト化合物やヒンダードフェノールを使用することが記載されている。
また、特許文献3には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂にホスホネート化合物、トリメチルホスフェートおよびヒンダードフェノールを配合した組成物は熱や湿気による変色が抑制されることが記載されている。
また特許文献4には光拡散剤を含むポリカーボネート樹脂にホスホネート化合物、トリアルキルホスフェート、ペンタエリスリトールジホスファイトおよびヒンダードフェノールを配合した組成物は熱による変色が抑制されることが記載されている。
しかしながら、上述の特許文献1〜4に記載のポリカーボネート樹脂組成物は、基本的にはポリカーボネート樹脂の変色防止という観点のみから到達した技術である。よって変色防止の効果はあるものの、種々の安定剤、添加剤の配合することにより光吸収種も増加させることとなり、光拡散板として用いた場合、透過光量の低下を引き起こすことになる。
輝度向上の方法としては上述したとおり、光拡散板内での光吸収を抑制し、且つ黄変などの変色を抑制することが必要となる。すなわち、変色防止と光吸収の抑制によってさらに輝度を向上させた直下型バックライト用光拡散板が求められている。
【特許文献1】特開平07−138464号公報
【特許文献2】特開平07−149995号公報
【特許文献3】特開2001−214049号公報
【特許文献4】特開2001−323149号公報
【発明の開示】
本発明の目的は、高い光拡散性を有し、変色が抑制され、熱および光に曝されても優れた色調を保持し、アクリル樹脂と比較しても遜色ない高い輝度を有する直下型バックライト用光拡散板を提供することにある。また本発明の目的は、かかる光拡散板を含む直下型バックライト式液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)高分子微粒子とからなる組成物に、(C)熱安定剤、(D)紫外線吸収剤および(E)蛍光増白剤を特定量含有させた樹脂組成物を見出した。
本発明者は、かかるポリカーボネート樹脂組成物の溶融滞留時の変色が抑制されること、またかかる樹脂組成物は熱および光に曝されても優れた色調を保持するとともに、光吸収を最小限に抑制することができることを見出した。
さらに本発明者は、該樹脂組成物からなるバックライト用光拡散板の輝度が向上することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂と高分子微粒子との組成物に配合する熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤の種類や配合量を最適化することで上記効果を得ることを特徴とする。
かかる効果を発揮する原因は特定されていないが以下のように予想される。すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂に各種の高分子微粒子を添加した組成物が溶融成形や長時間光源の熱などの熱負荷を受けた場合、高分子微粒子の耐熱安定性に起因する変質が生じ、それが因子となり芳香族ポリカーボネート樹脂の変質も加速されているものと考えられる。
例えば生成したラジカルが芳香族ポリカーボネート樹脂の異性化反応を促進することなどが考えられる。更に高分子微粒子が乳化重合法で製造される場合、乳化重合において使用される乳化剤等の残留物が溶融成形時や熱に曝された時の変質を促進しているものと考えられる。
したがって、本発明における特定の熱安定剤の組み合わせは、単に芳香族ポリカーボネート樹脂のそれらの因子により生ずる変質を抑制するのみではなく、高分子微粒子自体の変質を抑制し、高分子微粒子中に含有される不純物が変質を促進させない作用を発揮すると予想される。また、ホスフェート系熱安定剤、ホスファイト系熱安定剤、ホスホナイト系熱安定剤は前述の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の黄変防止効果と共に光吸収能が小さいため光拡散板として使用した際に高輝度を維持するものと考えられる。
すなわち、本発明によれば、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含んでなり、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する直下型バックライト式液晶表示装置であり、光拡散板が、
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト式液晶表示装置が提供される。
また、本発明によれば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の断面簡略図である。
図2は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の平面簡略図である。
図3は、本発明における分散度の測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1.試験片
2.白色反射樹脂板
3〜10.光源(冷陰極管)
11〜19.測定点
A.試験片(平板状)
B.光源
γ.拡散光角度
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の直下型バックライト式液晶表示装置について説明する。
本発明の直下型バックライト式液晶表示装置は、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含む。該装置は、バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルをこの順序に配置し製造することができる。好ましくは該装置は、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する。
<バックライト光源>
バックライト光源は、発光面の真下に配置されていれば形状は平面状、点状、線状などのいずれでも良い。バックライト光源は可視光線を照射し得るものであればよく、白熱電球、蛍光放電管、発光ダイオード素子、及び蛍光発光素子などが使用できるが、輝度、色温度等の観点より蛍光放電管、その中でも冷陰極蛍光ランプが好ましい。特に最近では消費電力を少なくして、高輝度・高演色した三波長蛍光体を使用した冷陰極蛍光ランプが使用される。
バックライト光源に使用されている冷陰極蛍光ランプの構造は、適量の水銀と不活性ガス(アルゴン、ネオン、混合ガスなど)が封入されたガラス管内壁に蛍光体が塗布され、ガラス管の両端には柱状の電極が取り付けられた状態にある。
その冷陰極蛍光ランプの発光のメカニズムは、電極間に高電圧が印可されると、管内にわずかに存在する電子が電極へ高速に引かれて衝突し、この時に二次電子が放出され放電が始まる。この放電により、陽極に引かれる電子と管内の水銀分子が衝突して、紫外線(250nm前後)が放射され、この紫外線が蛍光体を励起して可視光線を発光させる。
<光線調節フィルム>
光線調節フィルムとしては、拡散板から出てきた光を、集光したり、拡散させたり、偏光させたりする機能を有するフィルムが挙げられる。光線調節フィルムは通常、光拡散板と液晶パネルの間に配置される。集光フィルムとしては表面をプリズム形状としたフィルム(例えば山形スリーエム製BEF)などが挙げられ、拡散フィルムとしては拡散剤を含むフィルムなどが挙げられ、偏光フィルムとしては多層フィルム(例えば山形スリーエム製D−BEF)などが挙げられる。
これらは、例えば拡散板側から、集光フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、拡散フィルムの順に構成され、拡散フィルムを透過した光は液晶パネル部に入射される。
<液晶パネル>
液晶パネルは、液晶セルの少なくとも一方に偏光板を有する構成である。液晶セルは電極が付いており、その少なくとも一方の面が透明であることが好ましい。また、所望によりカラーフィルターを液晶セルと偏光板との間に挟んだ構成とすることもできる。液晶セルは、ガラスや高分子フィルム等のプラスチックから作成できる。
<光拡散板>
光拡散板は、A〜E成分を含有する組成物から形成される。以下各成分について説明する。本願発明は光拡散板自体も包含する。
(芳香族ポリカーボネート樹脂)
芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)とは、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体、ビスフェノールAと9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンとの共重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用される。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式で表される単官能フェノール類を示すことができる。
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖若しくは分岐のアルキル基またはフェニル基で置換されたアルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
溶融エステル交換法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。
触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−8〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−7〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤の具体例としては、例えばオクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
かかる触媒の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が10,000未満であると高温特性等が低下し、50,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して10,000〜50,000のものが好ましく、14,000〜30,000のものが特に好ましい。また、ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発明でいう粘度平均分子量はまず次式にて算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
(高分子微粒子)
高分子微粒子(B成分)は、光拡散性の観点から球状であるものが好ましく、真球状に近い形態であるほどより好ましい。
高分子微粒子として架橋シリコーン粒子や、非架橋性モノマーと架橋性モノマーを重合して得られる架橋有機粒子を挙げることができる。ここで非架橋性モノマーとしてはアクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、オレフィン系モノマーなどを挙げることができる。これらは単独でも2種以上を混合して使用することもできる。更にかかるモノマー以外の他の共重合可能なモノマーを使用することもできる。
一方、ポリエーテルサルホン粒子等の非晶性耐熱ポリマーの粒子も本発明の高分子微粒子として挙げることができる。かかるポリマーの粒子の場合には、A成分と加熱溶融混練した場合であっても微粒子の形態が損なわれることがないため、必ずしも架橋性モノマーを必要としない。
更に本発明において、高分子微粒子としては、各種のエポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子等も使用可能である。
また、かかるB成分の平均粒径としては、0.01〜50μmのものが使用され、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜10μmのものが使用される。また粒径の分布については狭いものが好ましく、平均粒径±2μmである粒子が全体の70重量%以上の範囲である分布を有するものがより好ましい。
また、B成分の高分子微粒子の屈折率とA成分の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3であることが好ましく、0.10〜0.25であることがより好ましく、0.12〜0.20であることがさらに好ましく、0.14〜0.20であることが特に好ましい。上記の屈折率の範囲で屈折率差が大きい方が望ましく、この点より高分子微粒子の材質としては、特に架橋シリコーン粒子が望ましい。
ここで架橋シリコーン粒子としては、シロキサン結合を主骨格としてケイ素原子に有機置換基を有するものであり、ポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものと、メチルシリコーンゴム粒子に代表される架橋度の低いものがあるが、本発明ではポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものが好ましい。かかる架橋シリコーン粒子のケイ素原子に置換する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルカン基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の他、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基等を使用することができる。
かかる架橋シリコーン粒子の製造法としては、3官能性のアルコキシシラン等を水中で加水分解と縮合反応によってシロキサン結合を成長させながら3次元架橋した粒子を形成させる方法が一般的であり、かかる粒子径は例えば触媒のアルカリ量や攪拌工程等により制御可能である。
また、架橋有機粒子において使用されるアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。この中でも特にメチルメタクリレートが特に好ましい。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、エチルスチレン等のアルキルスチレン、ブロモ化スチレン等のハロゲン化スチレンを使用することができ、この中でも特にスチレンが好ましい。アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを使用することができる。またオレフィン系モノマーとしてはエチレン、各種ノルボルネン型化合物等を使用することができる。更に他の共重合可能な他のモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、無水マレイン酸等を例示でき、また結果としてN−メチルグルタルイミド等の単位を有することもできる。
一方前記非架橋性モノマーに対する架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系モノマー等からなる架橋有機粒子の製造方法としては、一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能である。
架橋有機粒子以外の高分子微粒子の製造方法としては、スプレードライ法、液中硬化法(凝固法)、相分離法(コアセルベーション法)、溶媒蒸発法、再沈殿法等の他、これらを行う際にノズル振動法等を組み合わせたものを挙げることができる。
B成分の形態としては、単相重合体の他、コアーシェル重合体の形態、また2種以上の成分が相互に絡み合った構造を有するIPN構造をとることも可能である。また無機微粒子のコアとし有機架橋粒子の成分をシェルとする、または有機架橋粒子をコアとしエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等をシェルとする等の複合型粒子も使用するとことができる。
B成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量%当たり、0.005〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.02〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%である。0.005重量%未満では十分な光拡散性が得られず、20重量%を超えると光線透過率が不十分となるので好ましくない。
(熱安定剤)
本発明において、C成分であるホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤は、ポリカーボネート樹脂組成物の黄変防止効果と共に光拡散板として使用した際に高輝度を維持する効果がある。
C成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.001〜5重量部であり、好ましくは0.002〜3重量部であり、より好ましくは0.005〜2重量部であり、さらに好ましくは0.01〜1重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.001重量部未満では十分な溶融加工時の耐変色性(以下“耐溶融変色性”と称することがある)および長期間空気中で熱に晒された場合の耐変色性(以下“耐乾熱変色性”と称することがある)が得られず、5重量部を超えると湿度の影響なども受け逆に耐乾熱変色性が劣ることがあり、またポリカーボネート樹脂組成物が変質を起こすことがあり好ましくない。
(C−1成分)
ホスフェート化合物(C−1成分)は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中Rは、同一または異なり、炭素数1〜15のアルキル基を表す。)
ホスフェート化合物(C−1成分)は、炭素数1〜12のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基を有するものがより好ましい。特に好ましくはトリメチルホスフェートである。C−1成分は特に十分な耐溶融変色性が必要とされる条件に適合した化合物であり、具体的にはポリカーボネート樹脂組成物を溶融押出して光拡散板に加工する際の変色を防止する効果がある。
C−1成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.001〜3重量部であり、より好ましくは0.01〜2重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.1重量部である。
(C−2成分)
ホスファイト化合物(C−2成分)は、下記式(2−1)または下記式(2−2)で表される化合物が好ましく使用される。特に、下記式(2−1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
炭素数1〜20のアルキル基として、ノニル基、オクタデシル基などが挙げられる。炭素数6〜30のアリール基としてフェニル基が挙げられる。炭素数4〜20のシクロアルキル基としてシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アリール基、アラルキル基およびシクロアルキル基に置換される置換基は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物は、高分子微粒子を含むポリカーボネート樹脂組成物において、耐溶融変色性および耐乾熱変色性が必要とされる条件に適合した化合物であり、具体的にはポリカーボネート樹脂組成物を溶融押出して光拡散板に加工する際の変色および拡散板を光源に曝した際の変色を防止する効果がある。
式(2−1)で表される化合物の具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができる。かかるホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
ホスファイト化合物(C−2成分)として、下記式(2−2)で表されるホスファイト化合物を用いることができる。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(2−2)で表されるホスファイト化合物の具体的例としては、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等があげられ、トリス(ジアルキル置換フェニル)ホスファイトが好ましく、トリス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。これらの化合物の1種または2種以上の混合物であってもよい。
C−2成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部であり、より好ましくは0.002〜3重量部であり、さらに好ましくは0.005〜2重量部であり、特に好ましくは0.01〜1重量部であり、もっとも好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.001重量部以上で十分な耐溶融変色性および耐乾熱変色性が得られ、5重量部以下では湿度の影響なども受け逆に耐乾熱変色性が劣ることがなく好ましい。
(C−3成分)
ホスホナイト化合物(C−3成分)は、下記式(3−1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(3−1)で表されるホスホナイト化合物の具体的例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−1成分)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−2成分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−3−a−3成分)の3種の混合物がより好ましい。また、この混合物の混合比は、C−3−a−1成分、C−3−a−2成分およびC−3−a−3成分を重量比で100:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
また下記式(3−2)で表されるホスホナイト化合物を用いることができる。
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
置換するアルキル基として炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。アリール基としてフェニル基が挙げられる。
上記式(3−2)で表されるホスホナイト化合物の具体例としては、ビス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。
このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト(C−3−b−1成分)および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト(C−3−b−2成分)の混合物がより好ましい。また、この混合物の混合比は、C−3−b−1成分および、C−3−b−2成分を重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好ましい。
C−3成分を使用する場合、その割合はA成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.0001〜1.0重量部であり、より好ましくは0.001〜0.4重量部であり、特に好ましくは0.002〜0.3重量部である。C−3成分を使用することにより十分な耐溶融変色性および耐乾熱変色性が得られるため好ましい。
本発明の光拡散板を形成するポリカーボネート樹脂組成物はヒンダードフェノール化合物を実質的に含有しない。ヒンダードフェノール化合物はポリカーボネート樹脂の熱安定剤として一般的に使用される化合物であり、特に長期間空気中で熱に晒された場合の耐変色性(耐乾熱変色性)に優れた効果を示す化合物である。しかしながら、ヒンダードフェノール化合物をポリカーボネート樹脂組成物に配合すると、この樹脂組成物より形成した光拡散板は十分な輝度を有しないという問題が起こる。したがって、ポリカーボネート樹脂組成物に対するヒンダードフェノール化合物の含有量はA成分とB成分の合計100重量部に対して0.01重量部未満が好ましく、0.005重量部未満がより好ましく、0.001重量部未満が特に好ましい。
具体的なヒンダードフェノール化合物としては、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明においては、D成分として紫外線吸収剤が使用される。ポリカーボネート樹脂組成物から形成される光拡散板は、光源から長時間紫外線領域〜可視光領域の種々の波長分布、強度の光を断続的あるいは連続で照射を受けることにより変色し易い。この変色を防止するために、紫外線吸収剤が使用される。
本発明で使用される紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールが挙げられる。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である。
ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤として、具体的には、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−p,p’−ジフェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
また、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤として、具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−エチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−プロピルオキシフェノール、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ブチルオキシフェノールなどが例示される。さらに2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなど、上記例示化合物のフェニル基が2,4−ジメチルフェニル基となった化合物が例示される。
さらに紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、およびベンゾオキサジン骨格を含有する化合物が好適に例示される。これらの紫外線吸収剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。
上記紫外線吸収剤の中でもベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤が好ましく使用される。
D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して0〜2重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.8重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。紫外線吸収剤の含有量が2重量部を超えると本発明の光拡散板が変質を起こすようになり好ましくない。
また、光拡散板が紫外線吸収剤を含有する保護膜を有する場合は、D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0〜0.5重量部であり、より好ましくは0〜0.3重量部である。一方、光拡散板が保護膜を有しない場合は、D成分の割合は、A成分とB成分の合計100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.02〜1重量部である。
(蛍光増白剤)
ポリカーボネート樹脂組成物においてE成分として蛍光増白剤が使用される。蛍光増白剤を使用することによりポリカーボネート樹脂組成物の色調を白色あるいは青白色に改善し、且つポリカーボネート樹脂組成物より形成される拡散板の輝度を向上させる効果がある。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。
本発明で使用される蛍光増白剤としては、スチルベン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。なかでも、ベンズオキサゾール系化合物およびクマリン系化合物が好ましい。これらの蛍光増白剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。具体的には、日本化薬(株)製カヤライトOS(CI Fluorescent Brightener 219:1、ベンズオキサゾール系化合物)、ハッコールケミカル(株)製ハッコールPSR(クマリン系化合物)、イーストマンケミカル社製EASTOBRITE OB−1、などを挙げることができる。
蛍光増白剤の配合割合はA成分とB成分の合計100重量部に対して0.0001〜3重量部であり、好ましくは0.0002〜0.5重量部であり、より好ましくは0.0003〜0.1重量部であり、特に好ましくは0.0005〜0.05重量部である。0.0001重量部未満では色調の改善および輝度の向上の効果が得られず、3重量部を超えても色調の改良効果は小さい。
(離型剤)
本発明では必要に応じて離型剤を用いることができる。ここで離型剤は、その90%重量以上が一価アルコールと一価脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸のエステルからなる離型剤が挙げられる。
離型剤としての一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルは、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数5〜30の飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ソルビタンジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート等が挙げられ、単独あるいは二種以上の混合物で用いることができる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。
かかる離型剤を使用する場合は、目的に応じて種々の割合をとることが可能であるが、A成分とB成分の合計100重量部に対して0.02〜1重量部程度が好ましい。
(染料)
更にポリカーボネート樹脂組成物には、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料などに代表される各種の蛍光染料や、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等に代表される有機系染料を配合することができる。
特に、ポリカーボネート樹脂や紫外線吸収剤に基づく成形品の黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA,No 61500;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solvent Violet36[CA.No 68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No 61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]が代表例として挙げられる。これらブルーイング剤の使用量はA成分およびB成分の合計100重量部に対して0.00001〜0.0006重量部程度が好ましい。
(ポリカーボネート樹脂組成物の製造法)
ポリカーボネート樹脂組成物は、タンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、一軸押出機や二軸押出機等の押出機等でA〜Eの各成分を混合する方法により製造することができる。その他、溶融重合終了後ポリカーボネート樹脂を溶融状態に保ったまま添加剤を添加する方法や、溶液状態の芳香族ポリカーボネート樹脂と乳化液状の高分子微粒子を混合し更に添加剤を配合して、その後溶媒等を除去する方法も取ることができる。
また、本発明の光拡散板は通常高度な光学的特性を要求される分野に使用されることが多いことから、かかる光学特性を阻害する異物の存在を少なくすることが好ましい。これらの用途に好ましいポリカーボネート樹脂組成物を得るためには、原料として異物量の少ないものを使用するとともに、押出機やペレタイザー等の製造装置を清浄な空気の雰囲気下に設置すると共に、冷却バス用の冷却水についても異物量の少ないものを使用し、更に原料の供給ホッパー、供給流路や、得られたペレットの貯蔵タンク等についてもより清浄な空気等で満たすことが好ましい。例えば特開平11−21357号公報に提案されているのと同様な方法をとることができる。
(光拡散板の製造方法)
かくして得られるポリカーボネート樹脂組成物は、各種押出機や射出成形機等を使用して溶融押出成形や射出成形によりフィルム状またはシート状の成形品形状として、光拡散板を得ることができる。光拡散板の厚みは0.5〜10mmが好ましく、0.5〜8mmがより好ましく、1〜8mmがさらに好ましい。
<保護膜>
保護膜は、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に配置することができる。
保護膜は紫外線吸収剤(Dp成分)を0.1〜50重量%含有する厚さ0.1〜500μmの有機高分子膜であることが好ましい。
保護膜を構成する有機高分子が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリエステル樹脂であることが好ましく、なかでもアクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂がより好ましい。
アクリル樹脂はアクリル系モノマーを重合して得られる樹脂であり、アクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂が挙げられる。また、ポリエステルエラストマーも使用することができる。
保護膜中には、紫外線吸収剤(Dp成分)として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。これらの紫外線吸収剤の具体例として、前述のD成分と同じものが例示される。保護膜中の紫外線吸収剤(Dp成分)の濃度は0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、1〜30重量%がさらに好ましい。
光拡散板に保護膜を積層する方法としては、押出成形されたポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシート上に保護膜を形成する有機高分子組成物をTダイより溶融押出するラミネート方法、あらかじめフィルム状に成形された保護膜をポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシートの製造工程途中で加熱ロール等を用い該フィルム又はシート表面に連続的にラミネートする方法、ポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシートと保護膜を形成する有機高分子組成物とを同時に溶融押出しして積層する共押出し法、または保護膜を形成する有機高分子組成物を含有する塗料を用いてディップコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法等のコーティング法によりポリカーボネート樹脂組成物のフィルム又はシート上に塗布する方法のいずれの方法でも構わない。
なお、保護膜の厚みは0.1〜500μmの範囲が好ましく、1〜100μmの範囲がより好ましく、2〜70μmの範囲がさらに好ましい。なかでも、ラミネート方法または共押出し法の場合は10〜500μmの範囲が好ましく、20〜100μmの範囲がより好ましい。また、コーティング法の場合は0.1〜20μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲がより好ましい。
保護膜中に紫外線吸収剤を含有させることにより、バックライト光源からの光によるポリカーボネート樹脂製光拡散板の樹脂の劣化を効率的に抑制し、輝度の低下および色調の変化を防止する効果がある。バックライト光源からの光によるポリカーボネート樹脂製光拡散板の樹脂の劣化は、バックライト光源側の光拡散板の表面から進行するため、表面に紫外線吸収剤の密度を高くすることが重要である。
保護膜中の紫外線吸収剤の量W(g)は、以下の式で表される。
W(g)=t(m)×A(m2)×r(g/cm3)×106×u(wt%)×10−2
W:保護膜中の紫外線吸収剤の量(g)
t:保護膜の厚み(m)
A:保護膜の面積(m2)
r:保護膜の樹脂の比重(g/cm3)
u:保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(wt%)
よって、保護膜中の紫外線吸収剤の単位面積当りの含有量W/A(g/m2)は、以下の式で表される。
W/A(g/m2)=t×r×u×104
本発明では、W/Aが、好ましくは0.01〜20g/m2、より好ましくは0.1〜10g/m2、さらに好ましくは0.2〜5g/m2、特に好ましくは0.3〜2g/m2の範囲が好ましい。従って、本発明においては、保護膜を厚くすると、保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(u)を小さくし、保護膜の厚さをうすくすると、保護膜中の紫外線吸収剤の濃度(u)を大きくすることが好ましい。
また、保護膜の厚み(t:単位m)と、光拡散板の厚み(T:単位m)との比(t/T)は、好ましくは1/10000〜1/10の範囲であり、より好ましくは1/8000〜1/15の範囲であり、さらに好ましくは1/5000〜1/20の範囲である。
保護膜の厚みを上記範囲にすることにより、アクリル樹脂膜を使用した際、アクリル樹脂の吸水やポリカーボネート樹脂との収縮率の違いに伴う反りの問題が顕在化せず好ましい。
<直下型バックライト式液晶表示装置の製造方法>
直下型バックライト光源は上面が開口された筐体と光源(例えば冷陰極蛍光ランプ)からなり、筐体内は高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させる等の処理を行う。冷陰極蛍光ランプは、所望により任意の本数を使用することが出来る。この直下型バックライト光源の開口部に光拡散板を配置させ、その上に光線調整フィルムを配置させ、直下型バックライトユニットを作成する。直下型バックライト式液晶表示装置は、上記直下型バックライトユニットと液晶パネルを組合せて作成することが出来る。
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。
なお、実施例1〜22、比較例1〜5における評価項目および方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率:一辺50mm、厚み2mmの平板状試験片を用いJIS K−7361に従い、日本電色工業(株)製のヘーズメーターNDH 2000により測定した。
(2)平均輝度:NEC製10.4型TFTカラー液晶ディスプレイモジュール(NL6448CC33−30W)に使用された直下型バックライトユニットに一辺150mm、厚み2mmの試験片を組み込み、試験片の9点の輝度(cd/m2)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定し、その平均値を平均輝度とした。評価装置を図1および図2に示した。なお、実施例20〜22および比較例5の試験片は保護膜の面が冷陰極ランプ側になるように組み込み評価した。
(3)滞留試験後平均輝度:射出成形機内で10分間滞留させた後成形した一辺150mm、厚み2mmの試験片について、上記(2)と同様に平均輝度を測定した。
(4)拡散度:一辺150mm、厚み2mmの平板状試験片を日本電色工業(株)製の分散度測定計を使用して測定した。測定方法を図3に示した。尚、拡散度とは図3において光線を上方から垂直に試験片面に当てたときγ=0度のときの透過光量を100とした場合、その透過光量が50になるときのγの角度をいう。
(5)色相YI値:一辺50mm、厚み2mmの試験片を用いカラーマシン〔日本電色工業(株)製Z−1001DP〕によりC光源透過法にて測定した。
(6)耐候性:促進試験として、SUGA TEST INSTRUMENTS社製の強エネルギーキセノンウェザーメーターを使用して、放射照度90W/m2、試験機内温度60℃にて250時間照射後の初期値に対するΔYI値を測定した。
(I)射出成形
<実施例1〜11、比較例1〜2>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量18,000のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、下記に示した高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表1および表2に示す割合で混合したパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−30]により表1および表2に示すシリンダー温度で脱気しながら溶融混錬し、押出し、ストランドカットしてペレットを得た。得られたペレットをファナック(株)製150t射出成形機を用いて射出成形し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表1および表2に示した。
(II)押出成形
<実施例12〜19、比較例3〜4>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、下記に示した高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表3および表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。得られた厚み2mmのシートを一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表3および表4に示した。
なお、表1〜表4に示す各成分は以下のとおりである。
B成分;高分子微粒子
(1)架橋シリコーン樹脂〔東芝シリコーン(株)製トスパール120、重量平均粒径2μm、屈折率1.44〕
(2)不融性アクリル系重合体微粒子〔ローム・アンド・ハーズ・カンパニー製パラロイドEXL−5136、重量分布平均粒径7μm、屈折率1.46〕
(3)架橋アクリル粒子〔積水化成工業(株)製 MBX−3S 重量平均粒径3μm、屈折率1.49〕
C−1成分;ホスフェート化合物(熱安定剤)
(1)トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製TMP)
C−2成分;ホスファイト化合物(熱安定剤)
(1)ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製アデカスタブ PEP−8)
(2)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(日本チバガイギー(株)製イルガフォス168)
(3)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(C−2−c成分)
C−3成分;ホスホナイト化合物(熱安定剤)
(1)以下のC−3−a成分、C−3−b成分および上記C−2−c成分の71:15:14(重量比)の混合物(サンド社製サンドスタブP−EPQ)
C−3−a成分:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの100:50:10(重量比)混合物、
C−3−b成分:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの5:3(重量比)混合物、
その他の熱安定剤(ヒンダードフェノール系熱安定剤)
(1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバスペシャリティーケミカル(株)製 イルガノックス1010)
D成分;紫外線吸収剤
(1)ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤;2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(竹本油脂(株)製 CEi−P)
(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(ケミプロ化成(株)製 ケミソーブ79)
E成分;蛍光増白剤
(1)クマリン系蛍光増白剤(ハッコールケミカル(株)製 ハッコールPSR)
(2)ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤(日本化薬(株)製 カヤライトOS)
その他の成分
ブルーイング剤(バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」)
【実施例20】
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。得られたシートの一面に下記組成で調整したアクリル樹脂塗料A(塗料の固形分濃度14重量%)をフローコート法で塗布し、25分間室温に放置した後、120℃の熱風循環乾燥機中で40分間加熱乾燥して、紫外線吸収剤を含むアクリル硬化層(厚さ4μm)を被覆した透明被覆ポリカーボネート樹脂製光拡散板を得た。なお、得られた透明被覆ポリカーボネート樹脂製光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が0.67g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/500であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
アクリル樹脂塗料Aの組成
(イ)硬化樹脂;ポリメチルメタアクリレート11.5重量部
(ロ)紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール2.5重量部
(ハ)溶剤;イソブチルアルコール28重量部
(ニ)溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル28重量部
(ホ)溶剤;4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン30重量部
<実施例21、比較例5>
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シート(光拡散板)を溶融押出した。ポリカーボネート樹脂製シートを溶融押出する際、そのシートの表面温度が140℃を保持している間に直径300mmの2対のロールで挟持して0.05MPaで加圧し、該シートの一方の面(表面)に厚さ50μm、幅1,000mmのポリメタアクリル酸エステル系のフィルムB[三菱レイヨン(株)製アクリプレンHBS006;紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、量はアクリル系樹脂100重量部に対して約1重量部]を挿入して熱圧着した。なお、得られた保護膜付きの光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が0.47g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/40であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
【実施例22】
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂パウダー(屈折率1.59)に、高分子微粒子、熱安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を表4に示す割合で混合したパウダーを、スクリュー径120mmの押出機に供給して250〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して溶融し、一方スクリュー径50mmの補助押出機にビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂100重量部と紫外線吸収剤として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール(チバガイギー社製:商品名;チヌビン1577FF)3重量部を添加混合して押出造粒した紫外線吸収剤含有ポリカーボネート樹脂組成物を供給して、押出機温度250〜300℃で溶融し、フィードブロックおよびTダイを経由し、紫外線吸収剤含有樹脂被覆層Cの厚さ50μm、ポリカーボネート樹脂シートの厚さ2mmに制御して幅1,000mmの積層体(保護膜付きの光拡散板)を共押出した。なお、得られた保護膜付きの光拡散板は、保護膜の単位面積(1m2)当りの紫外線吸収剤の量が1.8g/m2であり、{保護膜の厚み(mm)/光拡散板の厚み(mm)}は1/40であった。得られた光拡散板を一辺50mmと一辺150mmの大きさに切り出し各種平板状試験片(角板)を得た。この試験片を用いて各種評価を行い、その結果を表4に示した。
<直下型バックライト式液晶表示装置の実施例>
<実施例23および比較例6>
実施例21および比較例5で得られた試験片を、CHI MEI製15型カラー液晶ディスプレイモジュール(A150X1)の拡散板として保護膜の面が冷陰極ランプ側になるように組み込み、かかる液晶ディスプレイを目視で観察した。実施例21で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの輝度は360cd/m2となり、一方、比較例5で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの輝度は330cd/m2となった。実施例21で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイより比較例5で得られた試験片を組み込んだ液晶ディスプレイの方が画面は暗くなった。
【発明の効果】
本発明の光拡散板および直下型バックライト式液晶表示装置は、高い輝度、高い光拡散性を有し、熱および光に曝されても優れた色調を保持する。
【産業上の利用可能性】
本発明の直下型バックライト式液晶表示装置は、液晶テレビ、15〜39インチの大型液晶ディスプレー等に好適に使用することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含んでなり、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する直下型バックライト式液晶表示装置であり、光拡散板が、
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト式液晶表示装置。
【請求項2】
高分子微粒子(B成分)は、その平均粒径が0.1〜10μmである請求項1記載の装置。
【請求項3】
高分子微粒子(B成分)の屈折率と、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3である請求項1記載の装置。
【請求項4】
高分子微粒子(B成分)は、架橋シリコーン粒子または架橋アクリル粒子である請求項1記載の装置。
【請求項5】
熱安定剤(C成分)は、トリアルキルホスフェート(C−1成分)および下記一般式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物(C−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の装置。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
【請求項6】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)である請求項1記載の装置。
【請求項7】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)である請求項1記載の装置。
【請求項8】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)からなる請求項1記載の装置。
【請求項9】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項1記載の装置。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項10】
熱安定剤(C成分)が、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項1記載の装置。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基である。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項11】
光拡散板は、厚みが0.5〜10mmである請求項1記載の装置。
【請求項12】
紫外線吸収剤(D成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項1記載の装置。
【請求項13】
保護膜を有しない場合は、該光拡散板を形成する組成物中の紫外線吸収剤(D成分)の含有量がA成分およびB成分の合計100重量部に対し0.01〜2重量部である請求項1記載の装置。
【請求項14】
保護膜を有する場合は、保護膜は紫外線吸収剤(Dp成分)を0.1〜50重量%含有する厚さ0.1〜500μmの有機高分子膜であり、該光拡散板を形成する組成物中の紫外線吸収剤(D成分)の含有量がA成分およびB成分の合計100重量部に対し、0〜0.5重量部である請求項1記載の装置。
【請求項15】
保護膜を構成する有機高分子が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1記載の装置。
【請求項16】
保護膜中の紫外線吸収剤(Dp成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項1記載の装置。
【請求項17】
蛍光増白剤(E成分)が、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤および/またはクマリン系蛍光増白剤である請求項1記載の装置。
【請求項18】
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板。
【請求項19】
高分子微粒子(B成分)は、その平均粒径が0.1〜10μmである請求項18記載の光拡散板。
【請求項20】
高分子微粒子(B成分)の屈折率と、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3である請求項18記載の光拡散板。
【請求項21】
高分子微粒子(B成分)は、架橋シリコーン粒子または架橋アクリル粒子である請求項18記載の光拡散板。
【請求項22】
熱安定剤(C成分)は、トリアルキルホスフェート(C−1成分)および下記一般式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物(C−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項18記載の光拡散板。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
【請求項23】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)である請求項18記載の光拡散板。
【請求項24】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)である請求項18記載の光拡散板。
【請求項25】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
【請求項26】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項27】
熱安定剤(C成分)が、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基である。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項28】
紫外線吸収剤(D成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項18記載の光拡散板。
【請求項29】
厚みが0.5〜10mmである請求項18記載の光拡散板。
【請求項30】
蛍光増白剤(E成分)が、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤および/またはクマリン系蛍光増白剤である請求項18記載の光拡散板。
【請求項1】
バックライト光源、光拡散板、光線調節フィルムおよび液晶パネルを含んでなり、所望により光拡散板のバックライト光源側あるいは光拡散板の両面に保護膜を有する直下型バックライト式液晶表示装置であり、光拡散板が、
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト式液晶表示装置。
【請求項2】
高分子微粒子(B成分)は、その平均粒径が0.1〜10μmである請求項1記載の装置。
【請求項3】
高分子微粒子(B成分)の屈折率と、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3である請求項1記載の装置。
【請求項4】
高分子微粒子(B成分)は、架橋シリコーン粒子または架橋アクリル粒子である請求項1記載の装置。
【請求項5】
熱安定剤(C成分)は、トリアルキルホスフェート(C−1成分)および下記一般式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物(C−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の装置。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
【請求項6】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)である請求項1記載の装置。
【請求項7】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)である請求項1記載の装置。
【請求項8】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)からなる請求項1記載の装置。
【請求項9】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項1記載の装置。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項10】
熱安定剤(C成分)が、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項1記載の装置。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基である。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項11】
光拡散板は、厚みが0.5〜10mmである請求項1記載の装置。
【請求項12】
紫外線吸収剤(D成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項1記載の装置。
【請求項13】
保護膜を有しない場合は、該光拡散板を形成する組成物中の紫外線吸収剤(D成分)の含有量がA成分およびB成分の合計100重量部に対し0.01〜2重量部である請求項1記載の装置。
【請求項14】
保護膜を有する場合は、保護膜は紫外線吸収剤(Dp成分)を0.1〜50重量%含有する厚さ0.1〜500μmの有機高分子膜であり、該光拡散板を形成する組成物中の紫外線吸収剤(D成分)の含有量がA成分およびB成分の合計100重量部に対し、0〜0.5重量部である請求項1記載の装置。
【請求項15】
保護膜を構成する有機高分子が、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1記載の装置。
【請求項16】
保護膜中の紫外線吸収剤(Dp成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項1記載の装置。
【請求項17】
蛍光増白剤(E成分)が、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤および/またはクマリン系蛍光増白剤である請求項1記載の装置。
【請求項18】
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)80〜99.995重量%および
(B)平均粒径が0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.005〜20重量%、並びに
A成分およびB成分の合計100重量部に対し、
(C)ホスフェート化合物(C−1成分)、ホスファイト化合物(C−2成分)およびホスホナイト化合物(C−3成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱安定剤(C成分)0.001〜5重量部、
(D)紫外線吸収剤(D成分)0〜2重量部および
(E)蛍光増白剤(E成分)0.0001〜3重量部、
を含有する組成物から形成される直下型バックライト用光拡散板。
【請求項19】
高分子微粒子(B成分)は、その平均粒径が0.1〜10μmである請求項18記載の光拡散板。
【請求項20】
高分子微粒子(B成分)の屈折率と、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の屈折率との差の絶対値が0.02〜0.3である請求項18記載の光拡散板。
【請求項21】
高分子微粒子(B成分)は、架橋シリコーン粒子または架橋アクリル粒子である請求項18記載の光拡散板。
【請求項22】
熱安定剤(C成分)は、トリアルキルホスフェート(C−1成分)および下記一般式(2−1)で表されるペンタエリスリトールジホスファイト化合物(C−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項18記載の光拡散板。
(式中R1、R2はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜20のシクロアルキル基または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を表す。)
【請求項23】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)である請求項18記載の光拡散板。
【請求項24】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)である請求項18記載の光拡散板。
【請求項25】
熱安定剤(C成分)は、トリメチルホスフェート(C−1成分)およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
【請求項26】
熱安定剤(C成分)は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(C−2成分)、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基を表す。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項27】
熱安定剤(C成分)が、下記一般式(2−2)で表されるホスファイト化合物(C−2成分)および下記一般式(3−1)で表されるホスホナイト化合物(C−3成分)からなる請求項18記載の光拡散板。
(式中、Ar2は互いに同一若しくは異なり、2〜4個のアルキル基により置換された炭素数8〜20のアリール基である。)
(式中、Ar3は互いに同一または異なり、非置換若しくはアルキル基により置換された炭素数6〜20のアリール基を表す。)
【請求項28】
紫外線吸収剤(D成分)が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾオキサジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤である請求項18記載の光拡散板。
【請求項29】
厚みが0.5〜10mmである請求項18記載の光拡散板。
【請求項30】
蛍光増白剤(E成分)が、ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤および/またはクマリン系蛍光増白剤である請求項18記載の光拡散板。
【国際公開番号】WO2004/111692
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507020(P2005−507020)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008766
【国際出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000215888)帝人化成株式会社 (504)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/008766
【国際出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000215888)帝人化成株式会社 (504)
【Fターム(参考)】
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