説明

直列接続されたOLED

OLEDデバイス1は、複数の発光OLEDセグメントを頂部に有する基板4を有し、複数の発光OLEDセグメントの各々は、基板4に面する基板電極5とカウンタ電極7との間に挟まれた有機発光層を少なくとも含むエレクトロルミネセント層スタック6を有し、複数の発光OLEDセグメントは、直列接続され、且つ、隣接し合うOLEDセグメント間に位置する相互接続領域3によって隣接OLEDセグメントから分離され、相互接続領域は、隣接し合うOLEDセグメントの基板電極間に、これら隣接基板電極を相互に電気的に分離する非導電性材料の第1のアイソレーション層10と、OLEDセグメントのカウンタ電極を隣接OLEDセグメントの基板電極に接続する導電性材料の導電層9とを有し、非導電性材料及び/又は導電性材料は、隣接OLEDセグメントによって放射された光81を基板の外に向け直して相互接続領域から光を放射するのに適したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント化され、セグメント間に非発光の隙間なく基板上で直列接続されたOLED群を備えるOLEDデバイス、及びそのようなOLEDデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、典型的に2−5Vという低電圧で動作される大面積光源である。大きい発光面積を有するOLEDは、典型的に10A/mより高い大電流を必要とする。電流要求を低減する1つの好ましい解決策は、基板上でのOLED群の直列接続であり、電流はその場合、直列接続されたOLED群を流れる。これらの直列OLED群は、より小さい電流のみを必要とするが、多重にされた駆動電圧を必要とする。基板上の接続OLED群からなるこのような大面積光源は、接続OLED群の間に、エレクトロルミネセント層が存在しない隙間があるという欠点を有する。従って、それらの隙間は発光しないため、黒い線として目に見えてしまう。
【0003】
特許文献1は、直列に接続された各々が透明基板を有する複数の別個の有機エレクトロルミネセント素子を備えた発光ユニットを開示している。大面積光源を形成するため、エレクトロルミネセント素子の基板の側面(端面)が、接着剤を用いてともに接着される。その後、エレクトロルミネセント素子群の間には、エレクトロルミネセント光が生成されない隙間が存在する。このような隙間は外部から黒い領域として視認されることになる。このような黒い領域を回避するため、特許文献1は、隣接し合うエレクトロルミネセント素子を接合することに光散乱接着剤を適用し、エレクトロルミネセント光の一部を該接着剤から発光ユニットの外部に放射するようにしている。故に、黒い領域の出現が少なくとも抑制される。この発光ユニットの欠点は、大面積光源を形成するようにエレクトロルミネセント素子群を整列させて貼り合わせるために大きい労力を要することである。さらに、各エレクトロルミネセントユニットの両電極を、素子群の電気的な直接接続を可能とするように構造化することは、相異なるマスクを適用する複数のマスクプロセスを必要とする。最終的な電気的直列接続は、更なる労力を要する追加の処理工程である素子同士の接着の後にしか得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0111211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、黒い線を間に有さずに直列接続され、且つ製造が容易な、セグメント化されたOLED群を備えるOLEDデバイス、及びそのようなOLEDデバイスの製造するための対応する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、基板を有するOLEDデバイスであって、前記基板は、前記基板の頂部に複数の発光OLEDセグメントを具備し、前記複数の発光OLEDセグメントの各々は、前記基板に面する基板電極とカウンタ電極との間に挟まれた少なくとも1つの有機発光層を含むエレクトロルミネセント層スタックを有し、前記複数の発光OLEDセグメントは、直列接続され、且つ、隣接し合うOLEDセグメント間に位置する相互接続領域によって隣接OLEDセグメントから分離され、前記相互接続領域は、隣接し合うOLEDセグメントの基板電極間に、これら隣接基板電極を相互に電気的に分離する非導電性材料の第1のアイソレーション層と、OLEDセグメントの前記カウンタ電極を隣接OLEDセグメントの前記基板電極に接続する導電性材料の導電層とを有し、前記非導電性材料及び/又は前記導電性材料は、隣接OLEDセグメントによって放射された光を基板の外に向け直して前記相互接続領域から光を放射するのに適したものである、OLEDデバイスによって解決される。
【0007】
本発明の主な考えは、好適な電気的特性と光学的特性とを結合する好適材料を相互接続領域に用いることによって、直列接続OLEDデバイスの外観における黒い線を回避するというものである。有機エレクトロルミネセント層内での発光は等方的である。基板表面に基本的に垂直な伝播方向を有する光は、環境に向かって基板から出て行くことになる。しかしながら、基板の屈折率は一般的に環境の屈折率(例えば、空気は屈折率1を有する)より遙かに高く、有意量の光がOLEDデバイスの基板を出て行かないということが生じる。その後、基板内で捕捉(トラップ)された光は、OLEDセグメント間の相互接続領域上の領域へと伝播する。捕捉された光を基板表面に向け直すのに好適な光学特性を有する導電性材料及び非導電性材料を相互接続領域の位置に有することで、相互接続領域から環境への光放射が達成され、好ましくは、OLEDデバイスの発光領域全体で均一な輝度がもたらされる。例えば、非導電性材料及び導電性材料は、例えば光反射特性、光散乱特性、屈折率などの光学特性、及び/又は、第1のアイソレーション層及び/又は導電層を有する対応するレイヤ群の適応された幾何学形状が、向け直された光を外に結合するのに適した入射角で基板表面に光を向け直すのに望ましい効果を示す場合に、適したものと称される。代替的な製造工程を可能にする材料及びレイヤ形状の好適な選択は同時に、あまり複雑でなく且つ/或いはあまり高価でない製造プロセスをもたらす。相互接続領域の輝度は、光の向け直し効果が増大する場合に高まる。基本的に均一な輝度の外観を有するOLEDデバイスを達成するため、相互接続領域の大きさは、その輝度がOLEDセグメントの輝度に等しい場合、より大きくされることができる。許容可能な大型の相互接続領域は、より複雑でないコーティングプロセスを適用することができ、好ましくは一部のコーティングプロセスをシャドーマスクなしで実行することができるため、製造労力を更に低減する。
【0008】
本発明の文脈において、基板という表記は、エレクトロルミネセントデバイスの様々な層が上に堆積される基材を表す。通常、基板は透明あり且つガラスで製造される。また、基板が透明で、銀、金、ガラス又はセラミックのうちの少なくとも1つを有することが好ましくなり得る。基板はまた、水蒸気及び/又は酸素がエレクトロルミネセントデバイスのレイヤスタックに侵入することを基本的に阻止するのに好適な水蒸気及び酸素バリアを有するポリマーシート又は箔としてもよい。金属箔のような不透明材料を基板として用いることも可能である。基板は、例えば光の外部結合の強化のような光学的な目的又はその他の目的のために、更なる層を有していてもよい。基板は、通常は平坦であるが、望ましい3次元形状に成形されてもよい。一般的な基板は1.3と1.6との間の屈折率を有する。
【0009】
本発明の文脈において、OLEDセグメントという表記は、エレクトロルミネセント発光を示すのに必要な全ての層を有するOLEDユニットを表す。OLEDセグメントは、本発明の範囲内で如何なる形状を有していてもよい。一例として、OLEDセグメントは、基板頂部の一連の平行ストライプ群として配列されたストライプ状の形状を有し得る。
【0010】
“の頂部”という表記は、列挙されたレイヤ群の順序を表す。この表記は、明らかなように、互いの頂部として表記された層との間に更なる層が存在し得ることを含む。例えば、基板と基板の頂部の基板電極との間に、光の外部結合を高めるための更なる光学層が配置されてもよい。
【0011】
本発明の文脈において、エレクトロルミネセント(EL)層スタックという表記は、基板とカウンタ電極との間に作成される全ての層を表す。EL層スタックの一実施形態において、EL層スタックは基板とカウンタ電極との間に作成された少なくとも1つの発光有機エレクトロルミネセント層を有する。他の実施形態において、層スタックは基板とカウンタ電極との間に作成された複数の層を有し得る。これら複数の層は、例えば1つ以上の正孔輸送層、電子阻止層、電子輸送層、正孔阻止層、発光層などの有機層、又は有機層と非有機層との組み合わせであってもよい。非有機層は、層スタック内に2つ以上の発光層がある場合の追加電極、及び/又は電荷注入層とし得る。好適な一実施形態において、基板電極及び/又はカウンタ電極は以下の材料:ITO、アルミニウム、銀、ドープトZnO、又は酸化物層、のうちの少なくとも1つを有する。
【0012】
本発明の文脈において、基板電極という表記は、基板の頂部に堆積された電極を表す。基板電極は通常、透明ITO(インジウム錫酸化物)で構成され、必要に応じて、ガラスから電極への可動原子若しくはイオンの拡散を抑圧するSiO又はSiOの下塗りを備える。ITO電極を備えたガラス基板では、ITOは通常はアノードであるが、特別な場合にはカソードとして使用されることも可能である。一部の場合において、基板電極として、薄いAg又はAuの層(8−15nm厚)が単独あるいはITOと組み合わせて使用される。金属箔が基板として使用される場合、金属箔は、アノード又はカソードの何れかである基板電極としての役割をも果たす。複数の発光OLEDセグメントに対して単一の基板を使用することは、従来技術と比較して、例えばOLEDタイルを貼り合わせるなどの、大面積光源を得るための更なるマウント工程を省くことになる。
【0013】
本発明の文脈において、カウンタ電極(対電極)という表記は、基板から遠い方の電極を表す。カウンタ電極は通常、不透明であり、且つ該電極が反射性となるように十分な厚さのAl層又はAg層からなる(典型的に、Alの場合には100nmであり、Agの場合には100−200nmである)。カウンタ電極は通常はカソードであるが、アノードとしてバイアスされることも可能である。上面発光型又は透過型のエレクトロルミネセントデバイスの場合には、カウンタ電極は透明でなければならない。透明なカウンタ電極は、先に堆積されたその他の層の頂部に堆積された、薄いAg層若しくはAl層(5−15nm)又はITO層からなる。
【0014】
本発明の文脈において、透明基板と透明基板電極と不透明カウンタ電極(通常は反射性)との組み合わせを備えた、基板を通して光を放射するエレクトロルミネセントデバイスは、“底面発光型”と称される。更なる電極を有するエレクトロルミネセントデバイスの場合、特定の実施形態において、内側の電極がカソード又はアノードとして駆動されるとき、基板及びカウンタ電極の双方がともにアノード又はともにカソードの何れかとされ得る。また、本発明の文脈において、不透明基板電極と透明カウンタ電極との組み合わせを備えた、カウンタ電極を通して光を放射するエレクトロルミネセントデバイスは、“上面発光型”と称される。
【0015】
本発明の文脈において、透過型エレクトロルミネセントデバイスという表記は、基板、基板電極、カウンタ電極及び封止手段が透明なエレクトロルミネセントデバイスを表す。ここで、このエレクトロルミネセントデバイスは底面発光型及び上面発光型の何れでもある。本発明の文脈において、層、基板又は電極は、可視域の光の透過率が50%より高く、残りが吸収あるいは反射される場合に透明と称される。また、本発明の文脈において、層、基板又は電極は、可視域の光の透過率が10%と50%との間であり、残りが吸収あるいは反射される場合に半透明と称される。さらに、本発明の文脈において、光は、450nmと650nmとの間の波長を有するときに可視光と称される。本発明の文脈において、光は、エレクトロルミネセントデバイスの有機エレクトロルミネセント層によって放射されるときに人工光と称される。
【0016】
本発明の文脈において、OLEDデバイスの層、基板、電極又は構成要素は、その界面に入射する光が反射の法則に従って戻され、巨視的な入射角が巨視的な反射角に等しい場合に反射性と称される。また、鏡面反射なる用語もこの場合に使用される。さらに、本発明の文脈において、OLEDデバイスの層、基板、電極又は構成要素は、それに入射する光が反射の法則に従っては戻されず、巨視的な入射角が戻される光の巨視的な角度に等しくない場合に散乱性と称される。また、戻される光の角度に分布が存在する。散乱性の代わりに、乱反射なる用語も使用される。
【0017】
また、本発明の文脈において、層又はその材料は、その電気抵抗が100000Ωより低い場合に導電性として表される。従って、層又はその材料は、その抵抗が100000Ωより高い場合には非導電性(又は絶縁性)と称される。第1のアイソレーション層及び導電層に使用される材料は、基板電極、有機エレクトロルミネセント層及びカウンタ電極に害を及ぼすべきでない。導電層は、本発明の範囲内で如何なる好適な導電層を有していてもよく、一例として、例えばAl、Agなどの金属を有し得る。当業者によって、本発明の範囲内でその他の導電性材料も選択され得る。
【0018】
一実施形態において、導電層の導電性材料は、好ましくは光散乱粒子、より好ましくは導電性光散乱粒子を有した、接着剤、ラッカー又はインクの材料からなるグループのうちの少なくとも1つの材料を有する。これらの材料は、それらの粘性のある形態により、基板電極とカウンタ電極との間に穏やかな手法で設けられることができ、例えば、印刷プロセス又は吹き付け(スプレー塗布)プロセスを用いて相互接続領域に塗布され得る。導電層の導電率は、例えば光散乱粒子などの異なる導電性充填材を用いることによって広範囲に変更されることができる。導電性接着剤の体積抵抗率の典型値は、例えば、銀粒子の場合に10−3Ωcm未満、ニッケル粒子の場合に5−10Ωcm、グラファイト粒子の場合に50−100Ωcmである。好適な一実施形態において、これらの材料は無水性且つ/或いはウォーターフリーである。本発明の文脈において、ウォーターフリー及び/又は無水性という表記は、エレクトロルミネセントデバイスの平均寿命の間に水分の含有による劣化が肉眼で観測されないことを表す。レイヤスタック内に水分が拡散することによる有機エレクトロルミネセント層の視認可能な劣化は、成長する黒点、又は発光領域のそのエッジからの縮小の形態を取り得る。ウォーターフリー及び/又は無水性という表記は、導電層自体の含有物に依存するだけでなく、有機エレクトロルミネセント層を損傷することなく該層によって吸収されることが可能な水分量にも依存する。更なる好適な一実施形態において、OLEDデバイスは水蒸気バリア及び/又は酸素バリアを有していてもよい。本発明の文脈において、エレクトロルミネセント層スタック内への水蒸気及び/又は酸素の有害な拡散を阻止する層を、水蒸気バリア及び/又は酸素バリアと称する。拡散は、OLEDデバイスの寿命の有意な短縮が観測され得る場合に、有害であるとして表される。最新技術に従った標準的なOLEDデバイスは、桁にして100000時間以上の保管寿命を達成している。有意な短縮とは、寿命が約1/2以下に短縮されることを表す。
【0019】
導電性の接着剤、ラッカー又はインクは、母材と充填材(フィラー)(有機材料及び/又は無機材料)とを有する。好ましくは、導電性の接着剤、ラッカー又はインクは、母材として、エポキシ、ポリウレタン又はシリコーンのうちの少なくとも1つを有する有機材料を有し、フィラーとして無機材料を有する。フィラー及び/又は母材は、1つのOLEDセグメントのカウンタ電極から隣接OLEDセグメントの基板電極に(あるいは、その逆に)電流を導くために導電性でなければならない。故に、好ましくは、例えば母材及び/又はフィラーである導電性材料は、導電性の薄片(フレーク)又は粒子を有する。この導電性薄片又は粒子は導電のために必要とされる。それは、低抵抗率、安定性及び耐久性を有していなければならない。故に、好ましくは、この薄片及び/又は粒子の材料は、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、若しくはその他の金属や、炭素、ガラス状炭素、グラファイト、カーボンナノチューブ、ドープトZnO、SnOのようなその他の非金属、導電性窒化物、導電性ホウ化物、金属被覆されたガラス若しくはプラスチックビーズ、金属被覆されたガラス若しくはプラスチック中空ビーズ、又は銅、銀若しくはそれらの組み合わせで被覆された金属若しくはグラファイト粒子からなるグループのうちの少なくとも1つの材料である。導電性薄片及び/又は粒子の例えば反射率などの光学特性に応じて、これらの薄片及び/又は粒子は光散乱性又は非光散乱性の何れかである。アイソレーション層がエレクトロルミネセント光を基板の外に向け直さない場合、導電層は散乱フレーク及び/又は粒子を有しなければならない。
【0020】
他の一実施形態において、第1のアイソレーション層は、例えばSiO、SiO、SiN、TiO、絶縁性酸化物、絶縁性窒化物、絶縁性フッ化物、ポリマー、非導電性接着剤、フォトレジスト、ラッカー、インク、ペンキ、若しくは再溶融ガラス原料から製造されたガラス層、又はこれらの組み合わせなどの、如何なる好適な非導電性材料を有していてもよい。アイソレーション層は、セグメント化されたOLED素子群の第1部分としてのセグメント化された金属電極同士の間に、例えば、好適なマスクを適用する蒸着又はスパッタリングなどの乾式(ドライ)の物理的処理といった、如何なる好適な方法で堆積されてもよい。好ましくは、第1のアイソレーション層は印刷プロセス又は吹き付けプロセスを用いて堆積され、真空チャンバを必要とせず、コーティング労力が低減される。故に、アイソレーション層の塗布を容易且つ経済的に行うことができる。名前を挙げた材料は各々、アイソレーション層が非導電性であり且つ有機エレクトロルミネセント層に害を与えないことを保証する。また、好ましくは、アイソレーション層の絶縁性接着剤は無水性且つ/或いはウォーターフリーである。当業者によって、本発明の範囲内でその他の材料も選択され得る。
【0021】
好適な一実施形態において、非導電性材料は更に光散乱粒子を有する。例えば接着剤である非導電性材料は有機材料又は無機材料を有し、好ましくは、有機母材と散乱粒子としての無機フィラーとを有する。例えば接着剤といった耐久性ある非導電性材料を達成するため、エポキシ、ポリウレタン、アクリル又はシリコーンのうちの少なくとも1つが使用され得る。無機フィラーが使用される場合、SiO、TiO、ZnO、BaSO、ZnSのような無機顔料は好ましいものであることが分かっている。名前を挙げた母材と名前を挙げたフィラーのうちの1つ以上とを組み合わせることにより、絶縁手段用の安定で耐久性のある非導電性材料が達成される。少なくとも第1のアイソレーション層のためのこの非導電性材料は、ウォーターフリーであること、電極及び/又は有機エレクトロルミネセント層を損傷しないこと、及び隣接基板電極間及び/又は各OLEDセグメントの基板とカウンタ電極との間での短絡を防止すること、という複数の利点を結合するとともに、基板からの光を環境の方に向け直す。
【0022】
他の一実施形態において、光散乱粒子の量、大きさ及び/又は材料は、OLEDセグメントの輝度の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも90%の、前記相互接続領域の輝度を提供するように適応される。高められた光散乱によって増大された相互接続領域の輝度は、均一な輝度の外観を有するOLEDデバイスをもたらす。故に、相互接続領域の幅を拡げて、非常に小さい相互接続領域が作成される場合と比較してあまり複雑でないコーティングプロセスを可能にすることができる。
【0023】
他の一実施形態において、基板に平行な、第1のアイソレーション層の幅は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間である。この幅の表記は、隣接し合う基板電極の間の基板に平行な、第1のアイソレーション層の如何なる種類の広がりをも表す。この意味での幅は、基板表面に投影された第1のアイソレーション層の幅である。隣接し合う基板電極間に信頼できる絶縁を得るために、0.1mmという最小幅が要求される。アイソレーション層で充填される隣接電極間の隙間が一層大きい場合、例えば印刷プロセス及び/又は吹き付けプロセスなどの、あまり複雑でないコーティングプロセスを適用することができる。さらに、より大きい幅の第1のアイソレーション層を用いることで、同じコーティングプロセスを一層信頼性高く実行することができる。しかしながら、第1のアイソレーション層の幅が大きいほど、均一な輝度のOLEDデバイスを達成することは難しくなる。幅広のアイソレーション層は相互接続領域を拡げることになる。相互接続領域が目に見えないこと、又は少なくとも相互接続領域があまり目に付かないことを維持するためには、好ましくは光の散乱である光の向け直しが強化されなければならない。故に、アイソレーション層の幅は、過度に大きくされるべきでなく、低下された輝度を有する領域(相互接続領域)が少なくとも見えにくくされたOLEDデバイス、好ましくは均一な輝度を有するOLEDデバイス、を提供するために、1.0mmを超えないようにすることが好ましい。散乱粒子を有するアイソレーション層は、より大きい幅のアイソレーション層を可能にする。
【0024】
他の一実施形態において、相互接続領域は更に、基板電極の頂部に、非導電性材料、好ましくは影を作る端部が基板電極上に出現することを防止する材料特性を有する非導電性材料の第2のアイソレーション層を有し、第2のアイソレーション層は、第1のアイソレーション層と当該第2のアイソレーション層との間に、上記導電層で被覆されるべき相互接続エリアを画成する。影を作る端部は、堆積される材料が材料源から基板への直線経路を辿る例えば真空蒸着といった指向性ある堆積を用いたプロセスによる材料堆積に対して、被覆されるべき領域(ここでは、基板電極)の一部を遮蔽してしまう。一部の実施形態において、第1及び第2のアイソレーション層の非導電性材料は同一材料である。他の実施形態において、第1及び第2のアイソレーション層の非導電性材料は相異なる。第2のアイソレーション層は、同一マスクを用いたレイヤスタックのコーティングプロセスを可能にする。堆積プロセスに応じて、同一マスクという表記は、基板電極の頂部にOLEDレイヤスタックの残りの層を堆積するために、複数のマスクの例では相等しいマスクを使用することができることを表し、他の例では1つの単一のマスクを使用することができることを表す。同一マスクを用いて、有機層及びカウンタ電極層の双方が第2のアイソレーション層の頂部で終端される。カウンタ電極の端部が完全に定められない場合であっても、基板表面に平行な幅が0.1mmより大きいこの第2のアイソレーション層によって、カウンタ電極と基板電極との間に不慮の短絡が生じる虞が防止される。現行のマスク技術はこの限界より小さい不確定さを提供する。しかしながら、好適な一実施形態において、第2のアイソレーション層の基板に平行な幅は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間にされる。この幅の表記は、隣接し合う基板電極の間の基板に平行な、第2のアイソレーション層の如何なる種類の広がりをも表す。この意味での幅は、基板表面に投影された第2のアイソレーション層の幅である。この幅が大きいほど、コーティングプロセスはカウンタ電極の端部の品質(例えば、減じられた端部)の影響を受けにくくなる。大きい幅を有することにより、カウンタ電極の端部が非常にボロボロな場合、及び/又は先立つ有機層の堆積に対して同一マスクに位置不整合(ミスアライメント)がある場合であっても、カウンタ電極と基板電極との間に短絡が生じる虞が防止される。
【0025】
好ましくは、第1及び第2のアイソレーション層は何れも、影を作る端部の出現を防止するようなこれらの層の好適な材料特性及び塗布手順によって達成される、滑らかで、且つ/或いは連続的で、且つ/或いは急勾配でない端部を有する形状、及び/又は丘状の形状を有する。影を作る端部は、堆積される材料が材料源から基板への直線経路を辿る例えば真空蒸着といった指向性ある堆積を用いたプロセスによる材料堆積に対して、被覆されるべき領域(ここでは、基板電極)の一部を遮蔽してしまう。好適な一実施形態において、影を作る端部の出現を防止する1つの材料特性は低い粘性(例えば昇温時の低い粘性)である。一例として、非導電性接着剤が基板電極上に塗布され得る。この非導電性接着剤が、当該接着剤が流れることを可能にする粘度を有する場合、シャドーイング効果を防止する滑らかな形状を有するアイソレーション層が得られる。唯一の堆積源が使用される場合にシャドーイング効果を生み出し得る急勾配な端部を生じさせる材料がアイソレーション層に用いられる場合、複数の堆積源を使用して、異なる複数の方向から基板上に材料を堆積してもよい。第1及び第2のアイソレーション層の全体で連続した層の堆積を確保するように堆積中に基板を回転あるいはその他の方法で移動させることも望ましくなり得る。
【0026】
また、第2のアイソレーション層の存在は、相互接続領域を構築するために第1及び第2のアイソレーション層の頂部で切断及びリフトオフプロセスを適用することを可能にする。明記した非導電性材料は、カウンタ電極の影響、及び/又はカウンタ電極に適用される切断プロセスの影響から基板電極を保護するのに十分な硬さを有するからである。一例として、基板電極を損傷することなく、且つ/或いは1つのOLEDセグメントのカウンタ電極と基板電極との間に短絡を生じさせることなく、第2のアイソレーション層の頂部に作成されたレイヤスタックをレーザー切断することが可能である。第2のアイソレーション層に要求される厚さは切断方法に依存するが、典型的に、1μm超、好ましくは10μm超、より好ましくは25μm超の厚さが使用される。
【0027】
第1のアイソレーション層にも同じ切断及びリフトオフプロセスが適用され得る。その場合、第1のアイソレーション層は一般的に、その下に基板電極なくして、基板の頂部に作成されるので、短絡が発生する虞は非常に低い。第1のアイソレーション層の下に基板電極を有する他の実施形態の場合、第1のアイソレーション層の厚さは、切断プロセス中の第1のアイソレーション層の損傷の結果として1つのOLEDセグメントの基板電極とカウンタ電極との間で短絡が生じることを防止するよう、十分に大きくされるべきである。第1のアイソレーション層に要求される厚さは切断方法に依存するが、典型的に、1μm超、好ましくは10μm超、より好ましくは25μm超の厚さが使用される。
【0028】
他の一実施形態において、相互接続エリアの幅は少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間である。このような相互接続エリアの幅は、例えば印刷プロセス及び/又は吹き付けプロセスといった単純且つ/或いは一層信頼性の高いコーティングプロセスで、相互接続領域内に導電層を堆積して、1つのOLEDセグメントのカウンタ電極と隣接OLEDセグメントの基板電極との間に電気導通接続を得ることを可能にする。また、第1のアイソレーション層の堆積プロセス及び第2のアイソレーション層の堆積プロセスにおける如何なるミスアライメントも導電層の堆積にとってさほど重要でなくなり、双方のアイソレーション層間の少なくとも0.1mm幅の相互接続エリアを有することで、隣接OLEDセグメントのカウンタ電極への短絡は生じない。より幅広の相互接続エリアは、この虞を更に軽減する。しかしながら、相互接続領域を可能な限り不可視に保つ(OLEDセグメントの輝度に可能な限り近い相互接続領域の輝度を保つことに相当する)ために、この幅は1.0mmより大きくされるべきでない。より幅広の相互接続エリアにおいては、光の向け直し効果が高められなければならない。これは、一例として、第1及び第2のアイソレーション層並びに導電層が、相互接続領域の全体にわたって光散乱効果を高めるのに好適な量、大きさ及び光学特性の散乱粒子を有することによって達成され得る。他の実施形態において、第1若しくは第2のアイソレーション層又は導電層の何れか、又はこれらの層の組み合わせが散乱粒子を有していてもよい。例えば、第1及び第2のアイソレーション層が散乱粒子を有し、導電層は散乱粒子を有しなくてもよいし、導電層が散乱粒子を有し、第1又は第2のアイソレーション層の何れかは散乱粒子を有しなくてもよいし、あるいは全ての層が散乱粒子を有してもよい。さらに、これら可能な組み合わせの全てにおいて、散乱粒子の量、大きさ及び種類は等しくされてもよいし、異なるように調整されてもよい。
【0029】
好ましくは、第1及び第2のアイソレーション層は何れも、影を作る端部が基板電極上に出現することを防止するこれらの層の好適な材料特性及び塗布手順によって達成される滑らかで急勾配でない端部を有する。好適な一実施形態において、影を作る端部の出現を防止する1つの材料特性は低い粘性(例えば昇温時の低い粘性)である。一例として、丘状の形状のアイソレーション層はシャドーイング効果を防止する結果となる。唯一の堆積源が使用される場合にシャドーイング効果を生み出し得る急勾配な端部を生じさせる材料がアイソレーション層に用いられる場合、複数の堆積源を使用して、異なる複数の方向から基板上に材料を堆積してもよい。アイソレーション層の全体で連続した層の堆積を確保するように堆積中に基板を回転あるいはその他の方法で移動させることも望ましくなり得る。
【0030】
本発明は更に、請求項1に記載のOLEDデバイスを製造する方法であって、
基板の頂部に基板電極の複数のセグメントを作成する工程と、
前記基板電極の前記複数のセグメント間に、隣接し合う基板電極間での電気的な接触を防止する第1のアイソレーション層を堆積する工程と、
前記OLEDデバイスを完成させる工程と、を有する方法に関する。
【0031】
上記作成する工程は、基板の頂部に基板電極を堆積することと、OLEDセグメントの残りの層が堆積されることになる基板電極の複数のセグメントに基板電極を構造化することとを有する。基板電極の堆積及び構造化は、所望の基板電極セグメント群を得るのに好適なマスクを適用する1つの堆積工程に結合され得る。一例として、一般的にITOからなる基板電極がスパッタリングによって堆積されるが、そのとき、堆積される層を構造化するマスクを適用することは極めて通常のことである。他の例では、フォトリソグラフィ又はレーザー切断による構造化が用いられてもよい。第1のアイソレーション層を堆積する工程は、如何なる好適なプロセスを用いて実行されてもよく、好ましくは、短い処理時間をもたらす一層高い堆積速度を提供する容易で十分に信頼性のある印刷プロセス及び/又は吹き付けプロセスを用いて実行され得る。有機層を堆積する前に第1のアイソレーション層を堆積する利点は、第1のアイソレーション層の堆積プロセスの最中又は後に、より高い温度を適用する自由度である。第1のアイソレーション層の堆積プロセスは、例えば基板電極セグメント間の隙間に非導電性材料としてガラス原料を設けた後に、シンタープロセスを有し得る。OLEDデバイスを完成させるという表記は、本発明に従ったOLEDデバイスを得るために必要な、全ての好適な堆積プロセス、及び全ての好適な層の堆積を有する。
【0032】
他の一実施形態において、OLEDデバイスを完成させる工程は更に、基板電極の頂部に、第2のアイソレーション層を堆積する工程を有し、第2のアイソレーション層は、各OLEDセグメントの相互接続領域内で第1のアイソレーション層と第2のアイソレーション層との間に相互接続エリアを画成する。第2のアイソレーション層は、必要に応じて例えばシンターなどの高温堆積プロセスの適用を可能にするとともに、例えば同一マスクを用いてOLEDセグメントの残りの層を堆積するように、堆積されるレイヤ群を構造化するために必要なマスク数の削減を可能にするものであるので、OLEDセグメントの残りの層を堆積する前に堆積されなければならない。他の例では、基板電極の頂部に第2のアイソレーション層を堆積するために、印刷プロセス及び/又は吹き付けプロセスが使用され、短い処理時間をもたらす一層高い堆積速度が提供される。第2のアイソレーション層の堆積は更に、OLEDデバイスを損傷することなく、後に相互接続領域に切断プロセス及びリフトオフプロセスを適用することを可能にする。
【0033】
好適な一実施形態において、第2のアイソレーション層を堆積する工程は更に、影を作る端部を防止する第2のアイソレーション層の形状を達成するように、少なくとも1つのプロセスパラメータ、好ましくは温度、を調整することを有する。有機層及びカウンタ電極を堆積するための好適な堆積技術は、堆積される材料が蒸発源から基板への直線経路を辿って指向性ある堆積をもたらす真空蒸着である。第2のアイソレーション層又は双方のアイソレーション層が急勾配な端部を有する場合、有機層及びカウンタ電極内に穴を生じさせるシャドーイング効果が発生する。昇温された温度では、非導電性材料の粘度が低下し、滑らかで、且つ/或いは連続的で、且つ/或いは急勾配でない端部を有する形状、及び/又は丘状の形状がもたらされる。低い粘度は、影を作る端部の出現を防止する。室温で十分に低い粘度を有する材料の場合、処理温度は室温にされてもよい。
【0034】
他の一実施形態において、OLEDデバイスを完成させる工程は、第2のアイソレーション層を堆積する工程後に更に、
エレクトロルミネセント層スタックと、エレクトロルミネセント層スタックの頂部のカウンタ電極とを、相互接続領域内の少なくとも相互接続エリアを遮蔽する同一マスクのプロセスで堆積する工程と、
OLEDセグメントのカウンタ電極を隣接OLEDセグメントの基板電極に接続するように、相互接続エリア及びアイソレーション層を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、覆う導電層を堆積する工程と、を有する。
【0035】
堆積プロセスに応じて、同一マスクという表記は、基板電極の頂部にOLEDレイヤスタックの残りの層を堆積するために、複数のマスクの例では相等しいマスクを使用することができることを表し、他の例では1つの単一のマスクを使用することができることを表す。同一マスクを用いて、有機層及びカウンタ電極層の双方が第2のアイソレーション層の頂部で終端される。カウンタ電極の端部が完全に定められない場合であっても、基板表面に平行な幅が0.1mmより大きいこの第2のアイソレーション層によって、カウンタ電極と基板電極との間に不慮の短絡が生じる虞が防止される。現行のマスク技術はこの限界より小さい不確定さを提供する。しかしながら、好適な一実施形態において、第2のアイソレーション層の基板に平行な幅は、少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間にされる。導電層は、蒸着プロセス又はスパッタリングプロセスによって堆積され得る。好ましくは、導電層は、短い処理時間をもたらす一層高い堆積速度を提供する印刷プロセス又は吹き付けプロセスによって堆積される。
【0036】
代替的な一実施形態において、OLEDデバイスを完成させる工程は、第2のアイソレーション層を堆積する工程後に更に、
エレクトロルミネセント層スタックと、エレクトロルミネセント層スタックの頂部の前ウンタ電極とを、相互接続領域を遮蔽することなく堆積する工程と、
好ましくはレーザー切断又は機械的な切断を適用して、第1及び第2のアイソレーション層の頂部のエレクトロルミネセント層スタック及びカウンタ電極を切断する工程と、
第1のアイソレーション層と第2のアイソレーション層との間のエレクトロルミネセント層スタック及びカウンタ電極をリフトオフする工程と、
OLEDセグメントのカウンタ電極を隣接OLEDセグメントの基板電極に接続するように、相互接続エリア及びアイソレーション層を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、覆う導電層を堆積する工程と、を有する。
【0037】
この代替実施形態の利点は、OLEDセグメントを構造化するための如何なるマスクも存在しないことである。基板電極並びに第1及び第2のアイソレーション層の頂部に堆積される残りの全ての層が、OLEDデバイス全体を覆う1つの単一の層として堆積される。OLEDデバイス全体とは、発光領域である機能領域を表すものとして理解される。機能領域の外側のOLED領域は依然として、例えば、電源への接続を実現するため、且つ/或いはカバー蓋又は例えば薄膜封止などの等価な封止を用いてOLEDデバイスを封止するための、構造化を必要とし得る。1つのOLEDセグメントのカウンタ電極と隣接OLEDセグメントの基板電極との間の電気接続を構築するため、相互接続領域を覆っているレイヤスタックは除去されなければならない。誤解を避けるために言及するに、第1及び第2のアイソレーション層並びに基板電極は、除去されるべき上記レイヤスタックに含まれない。この除去は二段階で実行され、先ず、アイソレーション層の頂部に堆積されたレイヤスタックを切断する。アイソレーション層は、損傷されないのに十分な硬さを有する。損傷という表記は、層の機能の破壊を表す。層の一部が切断プロセス中に変性され得ることは、層の機能に変化がなければ許容可能である。この場合には、切断プロセス後にアイソレーション層が依然として絶縁していれば損傷とは言わない。十分に硬く且つ/或いは厚いアイソレーション層(先に述べたような材料及びプロセスの特性)は、切断プロセスがアイソレーション層の機能に影響を及ぼさないことを可能にする。切断後、相互接続領域内の層は、OLEDセグメントの部分としての対応する層から分離されており、好適なプロセスによって除去されることができる。しかしながら、OLEDセグメント内のレイヤスタックを損傷する虞を低減するため、接着ツールを用いたリフトオフ工程、又はレーザーを用いたレーザーアブレーションプロセスを実行することが好ましい。
【0038】
リフトオフプロセスの場合、導電層を堆積する工程は、他の一実施形態において、基板電極と隣接OLEDセグメントのカウンタ電極との間に十分な電気的接触を提供するよう、請求項2に記載の導電性材料を用いて実行される。リフトオフプロセス中、エレクトロルミネセント層の一部は、相互接続領域の相互接続エリア内で基板電極に付着したままとなり得る。好ましくは導電性光散乱粒子である粒子を有する例えば接着剤、ラッカー又はインクなどの導電性材料は、有機材料が存在する場合であっても信頼性ある接触を作り出す。何故なら、このような導電性材料は、リフトオフされたエレクトロルミネセント層スタックの残存有機材料を僅かに溶解し、且つ導電層の乾燥プロセスにおいて、導電性粒子が基板電極表面へと押し進められて導電層と基板電極との間に信頼性ある電気的接触を構築するためである。
【0039】
上述のOLEDデバイス及び/又は方法、並びに説明される実施形態にて本発明に従って使用される請求項記載の構成要素は、大きさ、形状、材料選択に関して特別な例外を受けるものではない。例えば関連分野で知られた選択基準などの技術概念は制限なく適用され得る。本発明の対象の更なる詳細、特徴及び利点が、従属請求項、及び本発明に従ったOLEDデバイスの複数の好適実施形態を示す単に典型的なものである以下のそれぞれの図の説明にて開示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下の図を含む図面を参照しながら、本発明の更なる実施形態を説明する。
【図1】従来技術に従った直列接続されたOLEDセグメント群を備えたOLEDデバイスを、発光基板の上面図として示す図である。
【図2】図1に示した従来技術に従ったOLEDデバイスの断面図である。
【図3】1マスクプロセスで作成される本発明に従ったOLEDデバイスを示す断面図である。
【図4】相互接続領域内のレイヤ群をリフトオフする前の、リフトオフプロセスを用いて作成される本発明に従ったOLEDデバイスを示す断面図である。
【図5】相互接続領域内のレイヤ群をリフトオフした後、且つ導電層を堆積する前の、リフトオフプロセスを用いて作成される本発明に従ったOLEDデバイスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、従来技術に従ったOLEDデバイス2を上面図にて示すとともに、OLEDデバイス2を動作させるためのドライバ12を示している。OLEDデバイス2は、光を放射する直列接続されたOLEDセグメント(区画)群21(白い領域として示す)を備えており、OLEDセグメント群21は、これらOLEDセグメント間の相互接続領域22内に、エレクトロルミネセント層から光が放射されない黒い線を示す。ドライバ12は、OLEDデバイスに動作電圧(又は動作電流)を印加してエレクトロルミネセント層スタック(レイヤスタック、積層体)からの発光を得るために、直列接続されたOLEDセグメント群のうちの最初のセグメントの一方の電極と、直列接続されたOLEDセグメント群のうちの最後のセグメントの他方の電極とに接続されている。この動作電圧(又は電流)は、一定であってもよいし交流であってもよく、且つ/或いは、例えば、電圧若しくは電流の平均値、ピーク値、その交番周波数、又はその他の好適な駆動パラメータを変化させるように、調整可能であってもよい。ドライバ及び駆動方式も本発明に当たる。
【0042】
図2は、図1のOLEDデバイスを側面図にて示している。従来技術に従ったOLEDデバイス2は、基板4と、基板電極5と、エレクトロルミネセント層(又は層スタック)6と、対電極(カウンタ電極)7とを有し、これらが、直列接続されたOLEDセグメント群21を形成している。直列接続は、破線の矢印で指し示した相互接続領域22内でエレクトロルミネセント層6を介して達成される。エレクトロルミネセント層6は、相互接続領域22の第1部分S1を遮蔽する第1マスクM1を適用して、隣接し合う基板電極5を互いに絶縁するための隣接基板電極要素間の隙間内にエレクトロルミネセント層6を延在させる第1堆積プロセスで作成される。遮蔽部S1は、堆積される隣接エレクトロルミネセント層スタックセグメント6間の短い領域内で、基板電極5上への材料堆積を阻止する。後続の第2の堆積プロセスにて、第1部分S1とは位置及び/又は範囲において異なる相互接続領域22の第2部分S2を遮蔽する第2マスクM2を適用して、カウンタ電極7が作成される。異なる遮蔽部S2は、複数のOLEDセグメント21を電気的に直接接続するように隣接OLEDセグメント21の基板電極5まで延在するカウンタ電極7の堆積を可能にする。相互接続領域22内に存在するカウンタ電極が、隣接し合うOLEDセグメント21間の電気接続ブリッジである。第2の遮蔽部S2には、隣接し合うOLEDセグメント21の隣接カウンタ電極7間での如何なる短絡をも阻止することが要求される。従来技術に従ったOLEDデバイスの堆積プロセスは、2つの異なるマスクを相互に且つ基板に対して注意深くアライメントすることを必要とし、従来技術に係るプロセスを複雑且つ低信頼性ひいては高価なものにしている。さらに、相互接続領域は基板からの光を向け直すことができず、少なくとも相互接続領域22の遮蔽部S1及びS2からは発光が起こらない。セグメント化された基板電極5間の隙間の発光8全体への寄与は無視できる程度である。
【0043】
図3は本発明に従ったOLEDデバイスを示しており、相互接続領域が、基板内で捕捉(トラップ)された光の有意な部分を、環境に向けて結合されるのに好適な入射角で、基板表面に向け直すものである。図示したOLEDデバイス1は、基板4とOLEDセグメント群とを有し、OLEDセグメント群は、基板電極5と、エレクトロルミネセント層スタック6(ここでは、1つのエレクトロルミネセント層として示す)と、カウンタ電極7とを有している。隣接し合うOLEDセグメントの基板電極5は、これら隣接基板電極間の隙間に堆積された第1のアイソレーション層10によって互いに電気的に分離されている。第1のアイソレーション層を形成するために例えば接着剤、インク、ラッカー、ペンキ、フォトレジスト、ポリマーなどの材料が使用される場合、この層は、図3−5に示すような急勾配でない端部を有する滑らかな丘状の形状を形成するように、隣接基板電極の端部上まで延在してもよい。このような形状は、第1のアイソレーション層の頂部に残りの層を堆積するときにシャドーイング(陰影)効果をもたらすような影を作る端部を回避する好適な形状である。特に、このアイソレーション層の周りの領域にクラック、ボイド又はその他の欠陥なしで、エレクトロルミネセント層スタック及びカウンタ電極を作成することができる。基板電極5の頂部で相互接続領域3内に、相互接続領域3より小さい相互接続エリア31を形成するように第2のアイソレーション層11が作成される場合、基板電極及び第1のアイソレーション層の頂部の残りの層を、相互接続エリア31を遮蔽する同一のシャドーマスクM3を用いて作成することができる。エレクトロルミネセント層スタック6(ここでは、1つのEL層)及びカウンタ電極7の双方が同一のマスクM3を用いて堆積され、第2のアイソレーション層の頂部にともに位置する双方の層の実質的に同一の外縁がもたらされる。これらの層の端部の更に小さい不揃いは基板電極5への如何なる短絡も生じさせない。第2のアイソレーション層11が、同一のOLEDセグメントのカウンタ電極7と基板電極5との間の如何なる電気的接触をも阻止するからである。本発明に従ったOLEDデバイスのこの1マスクプロセスは、従来技術と比較して一層単純なOLEDデバイス製造プロセスであり、故に一層安価である。1つのOLEDセグメントのカウンタ電極7を隣接OLEDセグメントの基板電極5に電気的に接続するため、散乱粒子91を有する導電層9が相互接続領域3の相互接続エリア31内に設けられる。導電層9は、OLEDセグメント群の間の直列接続を構築するとともに、基板4内で捕捉された光81を基板表面の方に向け直し、相互接続領域3からの光放射を提供する。OLEDデバイス1を正面から見たとき、黒い線は現れない。相互接続領域の輝度は、粒子及び/又は薄片(フレーク)として導電層に付加される好適な散乱材料(反射率、屈折率)、それら粒子及び/又は薄片の好適な量及び大きさを選定することによって適応され得る。散乱効果を更に高めるため、第1及び第2のアイソレーション層も好適な量、大きさ及び材料の散乱粒子を有するようにしてもよい。当業者は、好適な粒子及び/又は薄片の濃度及び対応する大きさを選定し、相互接続領域の輝度を所望値、好ましくはOLEDセグメントの輝度に等しい輝度、に適応させることができる。
【0044】
図4は、本発明に従ったOLEDデバイスの製造プロセスにおける中間工程を示している。相互接続エリア31を形成するように相互接続領域3内の基板電極5の頂部に第2のアイソレーション層11が作成される場合、直接接続されたOLEDセグメント群の製造プロセスは、相互接続領域3及び/又は相互接続エリア31を遮蔽するマスクをも用いずに実行され得る。その場合、OLEDデバイスのアクティブ領域全体が、1つの連続したエレクトロルミネセント層スタック6とその頂部の連続したカウンタ電極7とで覆われる。図5に示すように、OLEDセグメント群は、相互接続エリア31内に堆積された層6及び7のリフトオフプロセスを、これらの層をOLEDセグメントを覆う層5、6、7から分離した後に実行することによって形成される。この分離は、第1及び第2のアイソレーション層10及び11の頂部でこれらの層を切断することによって達成されることができる。この切断プロセスは、機械工具(例えば、メス)によるもの、又はレーザー切断プロセスによるものとし得る。これらのプロセスはコンピュータ制御されることが可能であるので、再現可能で高速且つ安価である。第1及び第2のアイソレーション層10及び11は、一観点において、非導電性であることを保証する特性を有しなければならない。さらに、第1及び第2のアイソレーション層10及び11は、基板電極5を切断プロセスから保護するのに十分な厚さ及び硬さを有しなければならない。的確な厚さ及び硬さは、切断プロセスによって使用される実際のパラメータ(例えば、圧力、温度)に依存するが、典型的に、1−100μmの厚さで十分である。10−200μm厚の非導電性接着剤のアイソレーション層で所望の保護が達成されているが、より厚い層の使用可能である。同じことが再溶融ガラスにも当てはまる。また、アイソレーション層10及び11が基板電極、有機エレクトロルミネセント層又はカウンタ電極の何れかを損傷することがないことも確保されなければならない。好適な実施形態において、第1及び/又は第2のアイソレーション層10、11は非導電性接着剤を有する。さらに、アイソレーション層の非導電性接着剤は、無水性且つ/或いはウォーターフリーであることが好ましい。相互接続領域内のこれら分離された層は、例えば接着テープといった接着ツールを用いたリフトオフプロセスによって、あるいはレーザー切断(アブレーション)プロセスによって除去されることができる。後者の場合、除去すべき層は、レーザーアブレーションプロセスの適用に先立ってOLEDセグメントの層から分離される必要はない。
【0045】
実験にて、第1及び第2のアイソレーション層を二液型エポキシ接着剤(UHU plus schnellfest、硬化時間5分)で作成した。結合剤及び硬化剤を1:1なる規定比で混合し、室温で、ITOで覆われたガラス基板で基板電極同士の間及び基板電極上に塗布した。その後、基板を熱板上で60℃まで15分間で加熱した。これにより、接着剤を先ず滑らかな形状へと流れ出させ、その後に急速に固まらせることができた。この手順は、グローブボックス内で乾燥窒素雰囲気(水1ppm未満)にて行った。その後、硬化した第1及び第2のアイソレーション層を備えた基板を真空チャンバ内に導入し、同一の堆積マスクを用いて、基板電極セグメント及びアイソレーション層の頂部にエレクトロルミネセント層スタック及びカウンタ電極を堆積した。導電層として、Ag薄片を光散乱粒子として有する導電性接着剤(Chemitronics社製のCircuitworks導電性エポキシCW2400)を、ブラシを用いて相互接続領域に塗布した。出来上がったデバイスをガラスカバーの蓋で封止した。このカバーはUV硬化性接着剤によって貼り付けた。基板と蓋とによって形成される空洞内に水の吸着剤を配置した。全ての接着剤の凝結(およそ1時間)の後、基板電極が露出した基板の縁に電源のプラスリード線を接続し、且つカウンタ電極が露出した基板の縁にマイナスリード線を接続することによって、OLEDを確実に駆動することができた。有機層、及びアルミニウムからなるカウンタ電極は、クラック又は穴を生じることなくアイソレーション層を覆っていた。相互接続領域はアイソレーション層の位置で暗く見え、導電性接着剤を使用した領域で明るく見えた。
【0046】
第2の実験にて、白い物質をもたらすように接着剤の結合剤をTiOと混合した。上記手順の残りの部分は上述の説明に正確に従うものとした。全ての接着剤の凝結(およそ1時間)の後、基板電極が露出した基板の縁に電源のプラスリード線を接続し、且つカウンタ電極が露出した基板の縁にマイナスリード線を接続することによって、OLEDを確実に駆動することができた。有機層、及びアルミニウムからなるカウンタ電極は、クラック又は穴を生じることなくアイソレーション層を覆っていた。この場合、接着剤内に埋め込まれたTiO粒子と導電性接着剤内のAg粒子とによる、基板内を導かれる光の散乱によって、相互接続領域の全体から光放射が存在した。
【0047】
説明した実施形態は、一例として、レイヤスタック内に1つのエレクトロルミネセント層6を有している。本発明の範囲内の他の実施形態においては、レイヤスタックは、層6に加えて、例えば正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子阻止層、電荷注入層、更なる導電層などの層を有し得る。
【符号の説明】
【0048】
1 本発明に従ったOLEDデバイス
2 従来技術に従ったOLEDデバイス
21 OLEDセグメント
22 従来技術に従った相互接続領域
M1 従来技術に従ったエレクトロルミネセント層スタックを設けるための第1マスク
M2 従来技術に従ったエレクトロルミネセント層スタックを設けるための第2マスク
S1 第1マスクによる遮蔽領域
S2 第2マスクによる遮蔽領域
3 本発明に従った相互接続領域
31 相互接続エリア
4 基板
5 基板電極
6 エレクトロルミネセント層スタック
7 カウンタ電極
8 OLEDセグメントから放射される光
81 相互接続領域から基板外に散乱される光
9 導電層
91 光散乱粒子
10 第1のアイソレーション層
11 第2のアイソレーション層
12 ドライバ
M3 本発明に従ったOLEDデバイスを堆積するために使用されるマスク
S3 M3による遮蔽領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を有するOLEDデバイスであって、
前記基板は、前記基板の頂部に複数の発光OLEDセグメントを具備し、
前記複数の発光OLEDセグメントの各々は、前記基板に面する基板電極とカウンタ電極との間に挟まれた有機発光層を少なくとも含むエレクトロルミネセント層スタックを有し、
前記複数の発光OLEDセグメントは、直列接続され、且つ、隣接し合うOLEDセグメント間に位置する相互接続領域によって隣接OLEDセグメントから分離され、
前記相互接続領域は、隣接し合うOLEDセグメントの基板電極間に、これら隣接基板電極を相互に電気的に分離する非導電性材料の第1のアイソレーション層と、OLEDセグメントの前記カウンタ電極を隣接OLEDセグメントの前記基板電極に接続する導電性材料の導電層とを有し、
前記非導電性材料及び/又は前記導電性材料は、隣接OLEDセグメントによって放射された光を基板の外に向け直して前記相互接続領域から光を放射するのに適したものである、
OLEDデバイス。
【請求項2】
前記導電性材料は、好ましくは光散乱粒子、より好ましくは導電性光散乱粒子を有した、接着剤、ラッカー又はインクの材料からなるグループのうちの少なくとも1つの材料を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のOLEDデバイス。
【請求項3】
前記非導電性材料は、好ましくは光散乱粒子を有した、フォトレジスト、接着剤、ラッカー、インク、ペンキ、ポリマー又は再溶融ガラス原料からなるグループのうちの少なくとも1つの材料を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のOLEDデバイス。
【請求項4】
前記光散乱粒子の量、大きさ及び/又は材料は、前記OLEDセグメントの輝度の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、更に好ましくは少なくとも90%の、前記相互接続領域の輝度を提供するように適応されている、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のOLEDデバイス。
【請求項5】
前記基板に平行な、前記第1のアイソレーション層の幅は少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間である、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のOLEDデバイス。
【請求項6】
前記相互接続領域は更に、前記基板電極の頂部に、前記非導電性材料、好ましくは影を作る端部が前記基板電極上に出現することを防止する材料特性を有する非導電性材料の第2のアイソレーション層を有し、前記第2のアイソレーション層は、前記第1のアイソレーション層と前記第2のアイソレーション層との間に、前記導電層で被覆されるべき相互接続エリアを画成する、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のOLEDデバイス。
【請求項7】
前記基板に平行な、前記第2のアイソレーション層の幅は少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間である、ことを特徴とする請求項6に記載のOLEDデバイス。
【請求項8】
前記相互接続エリアの幅は少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは0.5mmと1.0mmとの間である、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のOLEDデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のOLEDデバイスを製造する方法であって、
基板の頂部に基板電極の複数のセグメントを作成する工程と、
前記基板電極の前記複数のセグメント間に、隣接し合う基板電極間での電気的な接触を防止する第1のアイソレーション層を堆積する工程と、
前記OLEDデバイスを完成させる工程と
を有する方法。
【請求項10】
前記OLEDデバイスを完成させる工程は更に、前記基板電極の頂部に、第2のアイソレーション層を堆積する工程を有し、前記第2のアイソレーション層は、各OLEDセグメントの相互接続領域内で前記第1のアイソレーション層と前記第2のアイソレーション層との間に相互接続エリアを画成する、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のアイソレーション層を堆積する工程は、影を作る端部を防止する前記第2のアイソレーション層の形状を達成するように、少なくとも1つのプロセスパラメータ、好ましくは温度、を調整することを有する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記OLEDデバイスを完成させる工程は、前記第2のアイソレーション層を堆積する工程後に更に、
前記エレクトロルミネセント層スタックと、前記エレクトロルミネセント層スタックの頂部の前記カウンタ電極とを、前記相互接続領域内の少なくとも前記相互接続エリアを遮蔽する同一マスクのプロセスで堆積する工程と、
OLEDセグメントの前記カウンタ電極を隣接OLEDセグメントの前記基板電極に接続するように、前記相互接続エリア及び前記アイソレーション層を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、覆う前記導電層を堆積する工程と
を有する、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記OLEDデバイスを完成させる工程は、前記第2のアイソレーション層を堆積する工程後に更に、
前記エレクトロルミネセント層スタックと、前記エレクトロルミネセント層スタックの頂部の前記カウンタ電極とを、前記相互接続領域を遮蔽することなく堆積する工程と、
好ましくはレーザー切断又は機械的な切断を適用して、前記第1及び第2のアイソレーション層の頂部の前記エレクトロルミネセント層スタック及び前記カウンタ電極を切断する工程と、
前記第1のアイソレーション層と前記第2のアイソレーション層との間の前記エレクトロルミネセント層スタック及び前記カウンタ電極をリフトオフする工程と、
OLEDセグメントの前記カウンタ電極を隣接OLEDセグメントの前記基板電極に接続するように、前記相互接続エリア及び前記アイソレーション層を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、覆う前記導電層を堆積する工程と
を有する、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
前記リフトオフする工程は接着ツール又はレーザーを用いて実行される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記導電層を堆積する工程は、前記基板電極と隣接OLEDセグメントの前記カウンタ電極との間に十分な電気的接触を提供するよう、請求項2に記載された導電性材料を用いて実行される、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−519955(P2012−519955A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552546(P2011−552546)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050825
【国際公開番号】WO2010/100584
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】