説明

直接圧縮可能で高機能性な顆粒状のリン酸水素カルシウムベースの共に処理された賦形剤

圧縮性かつ高機能性で顆粒状のリン酸水素カルシウムベース賦形剤の実質的に均一な粒子を含む改良型賦形剤が提供される。この改良型賦形剤は、リン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤を含み、それらの成分の均一なスラリーを噴霧することによって形成される。この改良型賦形剤は、個別の成分と比べて、および同じ材料から従来の方法によって形成された賦形剤と比べて、高い流動性/優れた流動特性、APIの高い充填性および混和性ならびに高い圧縮性をもたらす。[0083]この改良型賦形剤は、成分間に強力な粒子間結合架橋を有し、かなりの開放性の構造または凹んだ孔を備えた独特の構造的形態がもたらされる。これらの孔が存在するおかげで表面がでこぼこになり、この表面のでこぼこは、APIとの混和の改善にとって理想的な環境である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
原薬を送達するために最もよく使用される手段は、錠剤であり、代表的には、適宜製剤化された賦形剤粉末を圧縮することによって得られる。錠剤は、欠陥があってはならず、機械的衝撃に耐える強度を有するべきであり、かつ貯蔵中に時間を経ても物理的特性を維持する化学的安定性および物理的安定性を有するべきである。化学的安定性または物理的安定性の望ましくない変化によって、その原薬のバイオアベイラビリティに容認できない変化が生じ得る。さらに、錠剤は、予測可能かつ再現可能な様式で原薬を放出できなければならない。本発明は、錠剤などの薬学的固体剤形の製造において使用するための新規賦形剤に関する。この新規賦形剤は、少なくとも1つの原薬(本明細書中以後、医薬品有効成分(API))と都合良く組み合わされ、直接圧縮製造法によって錠剤になる。
【0002】
錠剤形成が成功するためには、打錠用混合物は、フィーダーホッパー(feeder hopper)から打錠ダイ(tablet die)に向かって自由に流動しなければならないし、適切な圧縮性を有しなければならない。ほとんどのAPIは、流動性および圧縮性に乏しいので、APIは、代表的には、異なる割合の様々な賦形剤と混合されることにより、所望の流動特性および圧縮特性が付与される。代表的な慣例においては、APIを賦形剤(例えば、希釈剤/充填剤、結合剤/接着剤、崩壊剤、滑剤/流動促進剤、着色剤および矯味矯臭剤)と混和することによって、圧縮可能な混合物が得られる。これらの材料は、単純に混和されてもよいし、従来の方法によって湿式造粒または乾式造粒されてもよい。混合が完了すると、滑沢賦形剤が代表的には加えられ、得られた材料が錠剤に圧縮される。
【0003】
残念なことに、特定のAPIとの賦形剤の適合性に関する通則は、ほとんどない。ゆえに、特定の所望の特徴を満たす錠剤の調合を開発する際、製薬科学者は、代表的には、どの賦形剤が特定のAPIと物理的および化学的に適合性であるかを判定するために設計された大規模な一連の実験を行わなければならない。この研究が完了してやっと、その科学者らは、1つ以上の試用組成物において使用するのに適した成分にたどり着く。
【0004】
一般に使用される賦形剤は、微結晶性セルロース(MCC)である。MCCは、適当な圧縮性を有し、多くのAPIに対して化学的に不活性である。しかしながら、MCCの官能基は、ある特定のAPI官能基と反応する潜在能力を有する。MCCにとって代わる可能性のある1つは、リン酸水素カルシウム(DCP)であり、これはほとんどのAPIに対して化学的に不活性である。リン酸水素カルシウムは、薬学的賦形剤として使用される最も一般的な無機塩である。しかしながら、DCPの使用には、主に2つの不利益がある。第1に、DCPは、極端に圧縮性が低く、そのため、直接圧縮では適当な錠剤を形成することが困難である。さらに、DCPは、物理的に粗く、錠剤を望ましくない口当たりにさせ、ならびに打錠パンチ(tableting punches)の摩耗および裂傷を増加させる。
【0005】
改良型DCP製剤の製造が試みられている。Chuらに対する米国特許第4,675,188号では、効率的な直接圧縮打錠法にとって十分な粒径を有すると主張されている、直接圧縮可能な顆粒状の無水リン酸水素カルシウム賦形剤が開示されている。この開示によれば、リン酸水素カルシウムを脱水し、次いで、結合剤を用いて造粒する。その主張するところによれば、得られた生成物は、その粒子の少なくとも90パーセントが44ミクロンより大きいことを特徴とする、顆粒状の無水リン酸水素カルシウムである。この顆粒状の生成物は、一般に使用されている沈降無水リン酸水素カルシウムよりも改良されていると主張されており、微細で高密度の粉末であるが、直接圧縮打錠法において使用できるようになるためにその直接圧縮打錠法の前にデンプンなどの結合剤と凝塊形成されなければならない。Chuらにおいて開示されたプロセスは、無水リン酸カルシウムをデンプンまたは別の結合剤でコーティングし、その結果、その主張するところによれば、リン酸カルシウム粒子が互いに結合することにより、大きな粒子を形成する工程からなる。しかしながら、造粒されたこの生成物は、薬学的に許容され得る錠剤を作製するために圧縮後に必要とされる崩壊剤などの他の必要な賦形剤を欠いているという点において普遍的な賦形剤ではない。
【0006】
ゆえに、十分な圧縮性をもたらし、表面の粗さが少ない改良型DCP製剤をはじめとした普遍的な賦形剤が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
本発明の例示的な局面は、約75%〜約98%のリン酸水素カルシウム;約1%〜約10%の少なくとも1つの結合剤;および約1%〜約20%の少なくとも1つの崩壊剤を含む組成物である。
【0008】
本発明の別の例示的な局面は、約75%〜98%のDCP、約1%〜約10%の少なくとも1つの結合剤および1%〜約20%の少なくとも1つの崩壊剤を含む賦形剤であり、ここで、その賦形剤は、DCP、結合剤および崩壊剤を含む水性スラリーを噴霧することによって形成される。そのリン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤は、実質的に均一な球状の粒子を形成し、ここで、そのリン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤は、SEMで見たとき、区別不能である。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な局面は、賦形剤を作製する方法である。この方法は、リン酸水素カルシウムスラリーを形成する工程;結合剤スラリーを形成する工程;および崩壊剤スラリーを形成する工程;そのリン酸水素カルシウムスラリーおよび崩壊剤スラリーを均質化することにより、DCP/崩壊剤スラリーを形成する工程;上記結合剤スラリーをDCP/崩壊剤スラリーに加える工程;ならびに最終的なスラリーを噴霧乾燥造粒することにより、賦形剤の均一な球状の粒子を形成する工程を包含する。そのリン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤は、SEMで見たときに区別不能であることによって、実質的に均一な球状の粒子を形成する。
【0010】
本発明のなおも別の例示的な局面は、賦形剤を作製する方法である。この方法は、リン酸水素カルシウムスラリーを形成する工程;ヒドロキシプロピルメチルセルローススラリーを形成する工程;架橋ポリビニルピロリドン(CPVD)スラリーを形成する工程;そのリン酸二カルシウムスラリーおよび架橋ポリビニルピロリドンスラリーを均質化することにより、DCP/CPVDスラリーを形成する工程;ヒドロキシプロピルメチルセルローススラリーをDCP/CPVDスラリーに加える工程;および最終的なスラリーを噴霧乾燥造粒することにより、賦形剤の均一な球状の粒子を形成する工程を包含する。そのリン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび架橋ポリビニルピロリドンは、SEMで見たときに区別不能であることによって、実質的に均一な粒子を形成する。
【0011】
本発明のなおも別の例示的な局面は、少なくとも1つの医薬品有効成分、ならびにリン酸水素カルシウム、少なくとも1つの結合剤および少なくとも1つの崩壊剤を含む実質的に均一な粒子の賦形剤を含む薬学的錠剤である。
【0012】
本発明のなおもさらなる例示的な局面は、薬学的錠剤を作製する方法であり、この方法は、少なくとも1つの医薬品有効成分を、リン酸水素カルシウム、少なくとも1つの結合剤および少なくとも1つの崩壊剤を含む実質的に均一な粒子の賦形剤と混合することにより、混合物を形成する工程;およびその混合物を圧縮することにより、錠剤を形成する工程を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に従って作製された本発明の改良型賦形剤のSEM顕微鏡写真の例証である。
【図2】図2は、実施例3に従って作製された顆粒状材料のSEM顕微鏡写真の例証である。
【図3】図3は、Malinckrodt Baker,Inc.から市販されているリン酸水素カルシウムのSEM顕微鏡写真の例証である。
【図4】図4は、Rhodia,Inc.から市販されているリン酸水素カルシウムのSEM顕微鏡写真の例証である。
【図5】図5は、Nitika Chemicalsから市販されているリン酸水素カルシウムのSEM顕微鏡写真の例証である。
【図6】図6は、実施例9に従って5000重量ポンド(lbs−force)において調製された錠剤からのジクロフェナクナトリウムについての溶解プロファイルの例証である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
圧縮性かつ高機能性で顆粒状のリン酸水素カルシウムベース賦形剤の実質的に均一な球状の粒子を含む改良型賦形剤が提供される。この改良型賦形剤は、個別の成分と比べて、および同じ材料から従来の方法によって形成された賦形剤と比べて、高い流動性/優れた流動特性、APIの高い充填性および混和性ならびに高い圧縮性をもたらす。この改良型賦形剤は、他の希釈剤/充填剤と反応する可能性を有するAPIとともに使用する際に特に有益である。
【0015】
この改良型賦形剤は、成分間に強力な粒子間結合架橋を有し、その結果、かなりの開放性の構造または凹んだ孔を備えた独特の構造的形態がもたらされる。これらの孔が存在するおかげで表面がでこぼこになり、この表面のでこぼこは、APIとの混和の改善にとって理想的な環境である。優秀な混和性は、均一量のAPIを含む錠剤の作製を可能にするので、賦形剤に不可欠な特徴である。さらに、この改良型賦形剤は、薬学的に許容され得る錠剤を作製するために必要とされる、任意の滑沢剤以外の必要な賦形剤を含んでいる。
【0016】
この改良型賦形剤は、従来のDCPよりも圧縮性を大きく改善する粒径および密度を有するように設計されている。これにより、この改良型賦形剤が、薬学的錠剤を作製する場合に、直接圧縮可能であり完全かつ普遍的な賦形剤になる。この賦形剤は、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含んでいるので、完全であると考えられ、また、種々のAPIと適合性であるので、普遍的であると考えられる。この改良型賦形剤の成分および物理的特徴は、多岐にわたるAPIを製剤化する際に使用できることを保証するために慎重に選択され、最適化された。
【0017】
この賦形剤の普遍性は、科学者らが、特定のAPIに対して流動性および圧縮性を最適化するために様々な賦形剤のカスタムブレンドを開発するという、調合の開発に時間がかかる旧来のアプローチの必要性を克服している。開示される組成物およびその改良型賦形剤を作製するプロセスが、優れた流動性および優れた圧縮性をもたらす非常に高い空隙率を有する実質的に均一で強固な球状の粒子を提供することが、予想外にも発見された。この改良型賦形剤は、代表的には、約0.5g/ccという含気(aerated)嵩密度を有する。
【0018】
加工されていないDCPは、SEMで見ると、平行六面体または不規則な形状を有する(図3、4および5に示されるように)。本明細書中に開示される改良型賦形剤の粒子形態は、予想外にも、APIの充填容積を改善し得る穴または孔および凹部をその粒子に有する実質的に均一な球状の構造として独特なものである。図1に示されるように、実質的に均一という用語は、本明細書中では、個別の成分がSEM走査によって区別できない構造のことを表すと意味される。
【0019】
旧来のプロセスおよび他に開示されたプロセスにおいて形成された顆粒は、粒子が単純に結合して、別個の粒子の凝塊形成によって生成された不規則な形状の顆粒になったものとして見られる。これは、実施例3および図2に見られる。これらの凝塊形成した粒子が輸送または乱暴な取り扱いによって別個の成分に分離することは、よく起きることである。凹部を含む改良型賦形剤の連続した球状の粒子は、予想外にも堅固であり、取り扱い中および加工中ももろくない。
【0020】
本発明において、DCPは、重合体の結合剤および吸湿性の架橋ポリマーとともに加工されることにより、高い空隙率および強い粒子間結合を有する球状の粒子を生成する。その重合体の結合剤は、約80℃〜約120℃において熱安定性を有し、約0.5%〜約5%wt/volの水溶液の場合、約2mPa〜約50mPaの範囲の動粘性率を有し、約0.5%〜約5%wt/volの範囲の水溶解性を有し、かつ約0.5%〜約5%wt/vol水溶液の場合、約40ダイン/cm〜約65ダイン/cmの範囲の表面張力をもたらす、セルロースポリマーまたは有機合成ポリマーのクラスから選択される。このクラスの好ましい結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウムならびにポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体およびビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。現在のところ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、好ましい。吸湿性の架橋ポリマー崩壊剤は、好ましくは、クロスポビドン(CPVD)である。図1に見られるように、加工された粒子は、球に少なくとも部分的に凹部をもたらす多孔部を備えた球の実質的に均一な組成物である。顆粒は、ノズルから排出されたときに別個の粒子になるスラリー混合物が実際に物理的に結合することによって生成される。その空隙率および凹部によって、APIの充填性および混和性が改善される。
【0021】
実施例1では、改良型賦形剤の製法が説明されており、実施例2および3では、同じ成分割合での従来の(高剪断湿式造粒の)製法が説明されており、実施例4では、従来の粉体混和が提供されている。
【0022】
実施例5では、実施例1の通り本発明に従って調製された顆粒の摩損度と、実施例3の通り従来の方法によって調製された顆粒の摩損度を比較している。微粒子のパーセンテージは、改良型賦形剤については実質的に変わりないが、従来の方法によって調製された賦形剤についての微粒子のパーセンテージは、約70%高い。このことから、改良型賦形剤が、乱暴な取り扱いに耐え得る非常に強固な粒子を有することが示唆される。
【0023】
改良型賦形剤は、優秀な流動性を有する。通常は、粒子の流動性が低いとき、二酸化ケイ素などの追加の滑剤を加えて流動性を改善する。粉体の流動性が十分でない場合、錠剤の生産力は、低いものとなる。当該分野において周知のCarr法による改良型賦形剤粒子の特徴づけによって、85を超える流動性指数が示された(70を超える流動性指数は優れた流動性を示唆する)。実施例6に見られるように、Carr法を用いる一連の自動試験によって粉体の特徴を測定する試験装置であるHosokawa粉体試験器を使用することにより、改良型賦形剤が、従来の方法によって調製された賦形剤と比べて非常に優れた流動性を有すると測定された。改良型賦形剤を調製するために使用したのと同じ成分の粉体混和物(実施例4b)の流動性は、極度に低く、測定が非常に困難である。
【0024】
実施例7では、実施例1、実施例3および実施例4bの賦形剤の圧縮性指数およびハウスナー比が比較されている。Carrの圧縮性指数については20〜21%またはそれ以下の値、およびハウスナー比については1.25未満の値が、優れた流動性を備えた材料であることを示唆する。実施例1の材料は、実施例3および実施例4bと比べて、最良の流動性を有する。
【0025】
従来のDCP製剤と比べたときの、改良型賦形剤を用いて作製された錠剤の崩壊時間および硬度の値が、実施例8で例証される。改良型賦形剤は、許容され得る硬度を有する錠剤をもたらしたが、実施例3および4bの賦形剤は、柔らかい錠剤を生成する。このことは、実施例1の賦形剤が、実施例3および4bの賦形剤よりも優れた圧縮性を有することを示す。
【0026】
本明細書中に開示されるプロセスは、新規形態の噴霧乾燥造粒プロセスである。この新しいプロセスは、各成分を脱イオン水と混合することにより、DCPスラリー、結合剤スラリーおよび崩壊剤スラリーを形成する工程からなる。まず、DCPスラリーおよび崩壊剤スラリーを混合し、次いで、結合剤スラリーを加える。均質化プロセスを行うことにより、2つの不溶性成分であるDCPおよび崩壊剤を互いに接触させ、粘稠性の結合剤スラリー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと密接に会合させる。120℃以上の高温かつ高速での水の蒸発およびすべての成分を共に保持するHPMCの局所作用によって、独特の形状および形態を有する粒子が生成される。この方法の例示的な非限定的な例は、実施例1に開示されている。
【0027】
対照的に、実施例2および3に提示される旧来の湿式造粒法は、3種の成分を乾式混合する工程および液体の結合剤(水)を加える工程からなるものだった。図2は、旧来の湿式造粒法によって加工された本発明の組成物成分を用いて得られた顆粒状材料を図示している。従来の高剪断湿式造粒プロセスから生成された材料は、本発明によって形成された生成物と同様には機能しない不規則な形状のもろい粒子からなるものだった。圧縮性は低く、実施例1に記載の改良型賦形剤と比べて、従来法で生成された材料をプレスしたプラセボ錠剤の硬さの2.25倍低い硬さだった。実施例8を参照のこと。その粒子の形態は、図2に見られるように、単純な顆粒間架橋によって互いに結合した不規則な粒子から構成される。
【0028】
改良型賦形剤の成分を、改善された湿式均質化/噴霧乾燥造粒法によって加工する。このプロセスでは、スラリーは、水に不溶の2つの成分(代表的には、水に不溶の2つの成分の間に大きな組成の差があるもの)および第3の水溶性成分から形成される。得られるスラリーは、所望の粒径、代表的には、約50μm超、好ましくは、約50μm〜約250μm、より好ましくは、約90μm〜約150μmに造粒される。
【0029】
改良型賦形剤は、脱イオン水を用いてDCPをスラリーに変換すること;結合剤スラリーを形成すること;および崩壊剤スラリーを形成すること;リン酸水素カルシウムスラリーおよび崩壊剤スラリーを均質化することにより、DCP/崩壊剤スラリーを形成すること;結合剤スラリーをDCP/崩壊剤スラリーに加えること;ならびに最終的なスラリーを噴霧乾燥造粒することにより、均一な球状の賦形剤粒子を形成することによって、形成される。例示的な実施形態において、この賦形剤は、約1%〜約10%の結合剤および約1%〜約20%の崩壊剤とともに約75%〜約98%のDCPから形成される。好ましい実施形態において、この賦形剤は、約80%〜約90%のDCP、約2%〜約8%の結合剤および約3%〜約12%の崩壊剤から形成される。より好ましい実施形態において、この賦形剤は、約85%〜約93%のDCP、約2%〜約5%の結合剤および約10%の少なくとも崩壊剤から形成される。
【0030】
改良型賦形剤を使用することにより、調合の開発が、一連の混和工程:APIを改良型賦形剤(錠剤の製剤化に必須の成分、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含む賦形剤)および必要に応じて滑沢剤と混和する工程にまで減少する。
【0031】
APIとは、治療的、診断的または予防的な有用性をはじめとした薬剤活性を有する1つ以上の化合物のことをいう。医薬品は、非晶質状態、結晶状態またはそれらの混合物として存在し得る。活性成分は、そのままで、食味がマスクされた状態で、または腸内放出もしくは制御放出のためにコーティングされた状態で、存在し得る。適当なAPIは、それがDCPおよび他の賦形剤の成分と適合性であるという点においてのみ限定される。このことにより、本発明の改良型DCP賦形剤が、他の充填剤/希釈剤との化学反応の可能性を有するAPIとともに利用できるようになる。混和プロセスに続いて、直接圧縮によって高品質の錠剤がプレスされる。
【0032】
本発明とともに使用され得る例示的な適当なAPIとしては:抗ウイルス剤(アシクロビル、ファムシクロビルを含むがこれらに限定されない);駆虫剤(アルベンダゾールを含むがこれに限定されない);脂質調節剤(アトルバスタチンカルシウム、シンバスタチンを含むがこれらに限定されない);アンギオテンシン変換酵素インヒビター(塩酸ベナゼプリル、フォシノプリル(fosinopril)ナトリウムを含むがこれらに限定されない);アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト(イルベサルタン、ロサルタンカリウム、バルサルタンを含むがこれらに限定されない);抗生物質(塩酸ドキシサイクリンを含むがこれに限定されない);抗菌剤(リネゾリド、メトロニダゾール、ノルフロキサシンを含むがこれらに限定されない);抗真菌剤(テルビナフィンを含むがこれに限定されない);抗微生物剤(シプロフロキサシン、セフジニル、セフィキシムを含むがこれらに限定されない);抗うつ薬(塩酸ブプロピオン(bupropione hydrochloride)、フルオキセチンを含むがこれらに限定されない);抗痙攣薬(カルバマゼピンを含むがこれに限定されない);抗ヒスタミン剤(ロラタジンを含むがこれに限定されない);抗マラリア薬(メフロキンを含むがこれに限定されない);抗精神病薬(オランザピンを含むがこれに限定されない);抗凝固薬(ワルファリンを含むがこれに限定されない);α−アドレナリン(andrenergic)遮断薬(カルベジロール、プロプラノロールを含むがこれらに限定されない);選択的H1−レセプターアンタゴニスト(塩酸セチリジン、フェキソフェナジンを含むがこれらに限定されない);ヒスタミンH2−レセプターアンタゴニスト(シメチジン、ファモチジン、塩酸ラニチジン、ラニチジンを含むがこれらに限定されない);抗不安薬(ジアゼパム、ロラゼパムを含むがこれらに限定されない);抗痙攣薬(ジバルプロエクスナトリウム、ラモトリジンを含むがこれらに限定されない);ステロイド5α−レダクターゼII型のインヒビター(フィナステリドを含むがこれに限定されない);アセチルコリンエステラーゼ(actetylcholinesterase)インヒビター(ガランタミンを含むがこれに限定されない);血糖低下薬(グリメピリド、グリブリドを含むがこれらに限定されない);血管拡張薬(イソソルビドジニトレートを含むがこれに限定されない);カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピンを含むがこれに限定されない);胃酸分泌インヒビター(オメプラゾールを含むがこれに限定されない);鎮痛薬/解熱薬(アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、モルヒネおよびコデインを含むがこれらに限定されない);勃起不全(シルデナフィルを含むがこれに限定されない);利尿薬(ヒドロクロロチアジドを含むがこれに限定されない);ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKまたは葉酸を含むがこれらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
改良型賦形剤およびAPI、具体的にはジクロフェナクナトリウムを含む錠剤の非限定的な例が、実施例9において調製される。実施例9の即時放出錠剤は、約30分未満の崩壊時間をもたらした。溶解プロファイルは、図6に図示されている。
【0034】
ゆえに、本明細書中に開示される組成物および加工工程によって、新規の最終的な粒子形態、加工されていないDCPよりも予想外にも改善された圧縮性を示し、ならびに粗さが少ない、改良型賦形剤が作製される。
【実施例】
【0035】
実施例1
本発明のリン酸水素カルシウム−5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース−クロスポビドン賦形剤の調製:
この賦形剤は、86%のリン酸水素カルシウム(DCP)、5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および9%のクロスポビドン(CPVD)からなる。この賦形剤は、湿式均質化/噴霧乾燥造粒プロセスによって作製された。この賦形剤を作製するために使用された装置は、ディスクのRPMが12000〜25000であり、入口温度が180〜250℃である並流アトマイザーディスクタイプ(Co−current atomizer disc type)である。造粒の後、サイクロン分離デバイスを使用して、微粒子を除去した。粉末状のDCPを、混合チャンバー内で脱イオン水を用いて28.7%w/wの濃度に達するようにスラリーに変換した。異なるタンクにおいて、クロスポビドンを脱イオン水と混合することにより、15.3%w/wの濃度のスラリーを得た。そのクロスポビドンスラリーをDCPスラリーに加え、その混合物を75分間にわたって撹拌し、循環させ、均質化した。そのDCP/CPVDスラリーに14.3%w/wのHPMC/脱イオン水スラリーを加え、得られた混合物を60分間にわたって撹拌し、循環させ、均質化することにより、総スラリー濃度25.0%の均一なスラリーを得た。次いで、このスラリー混合物を、113〜118℃という出口温度の熱風の存在下、22〜28Hzのモーター周波数で回転ノズルを通して噴霧乾燥させた。これは、顆粒形成工程を構成する。実施例1の賦形剤のSEM顕微鏡写真は、図1に見られる。SEM顕微鏡写真を、FEI XL30 ESEM(環境制御型走査型電子顕微鏡)の電圧5kV、スポットサイズ2.5のSE検出器を用いて記録した。SEM解析の前に、イリジウムを用いてサンプルをスパッタリングした(スパッタリング時間40秒)。
【0036】
顆粒状材料の圧縮度、含気嵩密度およびタップ嵩密度を、Powder Tester(Hosokawa Micron Corporation)Model PT−Sを用いて測定した。使用およびデータ処理を簡単にする、Hosokawa Powder Testerソフトウェアを使用するコンピュータを用いることにより、測定操作においてHosokawa Powder Testerを制御した。含気嵩密度およびタップ嵩密度を測定するために、50ccカップを使用した。タップ嵩密度を測定するための標準的なタップ回数は、180回とし、タップ距離は、18mmとした。「粒子サイズ分布」測定において収集されたデータに基づいてD50値を算出した。Air Jet Sieving装置(Hosokawa Micron System)を使用することにより、顆粒状材料の粒子サイズ分布を測定した。4種の篩(270メッシュ、200メッシュ、100メッシュおよび60メッシュ)一式を使用した。真空圧を10〜12in.HOに維持しつつ、各篩に対するふるい時間は、60秒とした。サンプルの量は、5gだった。
【0037】
「乾燥減量」(LOD)値を、Mettler Toledo Infrared Dryer LP16を用いて測定した。設定温度は、120℃であり、重量が一定になったときに解析を停止した。
【0038】
【表1】

実施例2
リン酸水素カルシウム(89%)−HPMC(2%)−クロスポビドン(9%)の高剪断湿式造粒:
179.1gのリン酸水素カルシウム、4.0gのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび18.1gのクロスポビドンを、1Lのステンレス鋼ボウルに入れた。そのボウルをGMX.01 vectorマイクロ高剪断撹拌機/造粒機(Vector Corporation)に取り付けた。乾燥混合物を、870rpmのインペラー速度および1000rpmのチョッパー速度で2分間混合した。その乾燥混和物に35gの脱イオン水(「液体結合剤」)を、43rpmの投与速度(dose rate)の蠕動ポンプを用いて一滴ずつ加えた。液体結合剤を添加中のインペラー速度は、1450rpmとし、チョッパー速度は、1500rpmとした。インペラー速度およびチョッパー速度は、液体添加中と同じ速度を維持し、湿った塊にする時間(wet massing time)は、180秒とした。造粒後、湿った顆粒状材料を60℃のトレーにおいて乾燥させた。得られた顆粒状材料(水分含有量2.5%)を30メッシュの篩に通して選別した。30メッシュの選別を通過した顆粒状材料の収量は、123.0gだった。
【0039】
実施例3
リン酸水素カルシウム(86%)−HPMC(5%)−クロスポビドン(9%)の高剪断湿式造粒:
173.0gのリン酸水素カルシウム、10.1gのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび18.1gのクロスポビドンを、1Lのステンレス鋼ボウルに入れた。そのボウルをGMX.01 vectorマイクロ高剪断撹拌機/造粒機(Vector Corporation)に取り付けた。乾燥混合物を、870rpmのインペラー速度および1000rpmのチョッパー速度で2分間混合した。その乾燥混和物に35gの脱イオン水(「液体結合剤」)を、43rpmの投与速度の蠕動ポンプを用いて一滴ずつ加えた。液体結合剤を添加中のインペラー速度は、1450rpmとし、チョッパー速度は、1500rpmとした。液体添加中と同じインペラー速度およびチョッパー速度を維持したままで、湿った塊にする時間は、180秒とした。造粒後、湿った顆粒状材料を60℃のトレーにおいて乾燥させた。得られた顆粒状材料(水分含有量2.0%)を30メッシュの篩に通して選別した。30メッシュの選別を通過した顆粒状材料の収量は、97.3gだった。この材料のSEM顕微鏡写真を、FEI XL30 ESEM(環境制御型走査型電子顕微鏡)の電圧5kV、スポットサイズ2.5のSE検出器を用いて記録した。SEM解析の前に、イリジウムを用いてサンプルをスパッタリングした(スパッタリング時間40秒)。図2を参照のこと。
【0040】
実施例4
リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびクロスポビドンの粉体混和:
所定量(表2を参照のこと)のリン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびクロスポビドンを、4LのV−ブレンダー内で2時間混和した。
【0041】
【表2】

実施例5
実施例1の賦形剤および実施例3の通り高剪断湿式造粒によって得られた材料についての顆粒摩損度試験:
75〜100gの顆粒状材料を粒子サイズ分布について解析し、次いで、4LのV−Blenderに充填し、2時間にわたって回転させた。顆粒状材料を回収し、再度、粒子サイズ分布について解析した。Air Jet Sieving装置(Hosokawa Micron System)を使用して、回転前および回転後の顆粒状材料の粒子サイズ分布を測定した。4種の篩(270メッシュ、200メッシュ、100メッシュおよび60メッシュ)一式を使用した。真空圧を12〜14in.HOに維持しつつ、各篩に対するふるい時間は、60秒とした。サンプルの量は、5gだった。
【0042】
【表3】

実施例6
実施例1、実施例3および実施例4bの賦形剤についての粉体の特徴の比較:
実施例1、実施例3および実施例4bにおいて調製された材料の粉体の特性を、Powder Tester(Hosokawa Micron Corporation)Model PT−Sを使用して測定した。このHosokawa Powder testerは、R.L.Carrの証明された方法に従って乾燥固体の流動性を測定するものである。使用およびデータ処理を簡単にする、Hosokawa Powder Testerソフトウェアを使用するコンピュータを用いることにより、測定操作においてHosokawa Powder Testerを制御した。含気嵩密度およびタップ嵩密度を測定するために、50ccカップを使用した。タップ嵩密度を測定するための標準的なタップ回数は、180回とし、タップ距離は、18mmとした。
【0043】
【表4】

実施例7
実施例1、実施例3および実施例4bの賦形剤についてのハウスナー比およびCarrの圧縮性指数(%)の比較:
含気嵩密度およびタップ嵩密度を用いると、Carrの圧縮性指数およびハウスナー比を計算することができる。Carrの圧縮性指数については20〜21%またはそれ以下の値、およびハウスナー比については1.25未満の値が、優れた流動性を有する材料を示唆する。
【0044】
【表5】

実施例8
実施例1を用いて調製されたプラセボ錠剤、実施例3の通り高剪断湿式造粒によって得られた材料および実施例4bの通り得られた粉体混和物についての錠剤の硬度および錠剤の崩壊時間の比較:
Carver手動プレス機および13mmのダイを用いて、対応する顆粒状材料に様々な圧縮力でプレスしておよそ0.5gの錠剤を得た。ドエル時間は、5秒とした。滑沢剤は加えなかった。錠剤の硬度を、Varian,BenchsaverTM Series,VK 200 Tablet Hardness Testerを用いて測定した。下記の表に記録された値は、3回測定した平均値である。
【0045】
【表6】

実施例9
実施例1の通りに調製された賦形剤を用いた33.3%ジクロフェナクナトリウム即時放出錠剤の調製:
100gのジクロフェナクナトリウムを、V−ブレンダーにおいて20rpmで15分間、197gの実施例1の賦形剤と混和した。得られた混和物に3gのステアリン酸マグネシウムを加え、その混合物をさらに2分間、20rpmで混和した。Carver手動プレス機および13mmのダイを用いて、最終的な混和物に様々な圧縮力でプレスしておよそ0.5gの錠剤を得た。ドエル時間は、5秒とした。錠剤の硬度を、Varian,BenchsaverTM Series,VK 200 Tablet Hardness Testerを用いて測定した。37±0.5℃の摂氏温度の900mLの脱イオン水を使用し、Distek Disintegration System 3100を用いて崩壊実験を行った。
【0046】
溶解媒質として37±0.5℃の900mLのリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8を使用し、USP Apparatus 2 Distek Dissolution System 2100Aを用いて溶解研究を行った。パドル回転は、50rpmとした。5、10、15、20、30、45および60分後にそれぞれサンプルを採取した。溶解したジクロフェナクナトリウムの量を、ジクロフェナクナトリウムを含む標準液と比較して、媒質で適切に希釈された試験用の溶液の濾過した一部に対する約276nmにおけるUV吸光度から測定した。
【0047】
【表7】

実施例9に従って調製された錠剤の崩壊時間は、20分〜30分だった。実施例9に従って5000重量ポンドで調製された錠剤からのジクロフェナクナトリウムについての溶解プロファイルは、図6に示されている。
【0048】
本発明は、詳細に記載されてきたので、本発明の精神および範囲から逸脱することなく改変が行われ得ると当業者は認識するだろう。ゆえに、本発明の範囲は、記載された特定の実施形態に限定されないと意図される。逆に、添付の請求項およびそれらの等価物が、本発明の範囲を決定すると意図される。
【0049】
別段述べられない限り、すべてのパーセンテージは、重量/重量パーセンテージである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約75%から約98%のリン酸水素カルシウム;
約1%から約10%の少なくとも1つの結合剤;および
約1%から約20%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む組成物であって、ここで、該リン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤は、実質的に均一な球状の粒子を形成し、該リン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤は、SEMで見たとき、区別不能である、組成物。
【請求項2】
前記組成物が:
約80%から約90%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約8%の少なくとも1つの結合剤;および
約3%から約12%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が:
約85%から約93%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約5%の少なくとも1つの結合剤;および
約10%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記崩壊剤が、架橋ポリビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記賦形剤が、前記リン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤を含む水性スラリーを噴霧することによって形成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
賦形剤を作製する方法であって、該方法は:
リン酸水素カルシウムスラリーを形成する工程;
結合剤スラリーを形成する工程;
崩壊剤スラリーを形成する工程;
該リン酸水素カルシウムスラリーおよび該崩壊剤スラリーを均質化することにより、DCP/崩壊剤スラリーを形成する工程;
該結合剤スラリーを該DCP/崩壊剤スラリーに加える工程;
および最終的なスラリーを噴霧乾燥造粒することにより、賦形剤の粒子を形成する工程
を包含し、ここで、SEMで見たとき、該リン酸水素カルシウム、結合剤および崩壊剤が区別不能であることによって、実質的に均一な球状の粒子が形成される、方法。
【請求項7】
約75%から約98%のリン酸水素カルシウム;
約1%から約10%の少なくとも1つの結合剤;および
約1%から約20%の少なくとも1つの崩壊剤
である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
約80%から約90%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約8%の少なくとも1つの結合剤;および
約3%から約12%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
約85%から約93%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約5%の少なくとも1つの結合剤;および
約10%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記崩壊剤が、架橋ポリビニルピロリドンを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
賦形剤を作製する方法であって、該方法は:
リン酸水素カルシウムスラリーを形成する工程;
ヒドロキシプロピルメチルセルローススラリーを形成する工程;
架橋ポリビニルピロリドンスラリーを形成する工程;
該リン酸水素カルシウムスラリーおよび該架橋ポリビニルピロリドンスラリーを均質化することにより、DCP/架橋ポリビニルピロリドン(cross−linked polyvinylpyrollidone)スラリーを形成する工程;
該ヒドロキシプロピルメチルセルローススラリーを該DCP/架橋ポリビニルピロリドンスラリーに加える工程;および
最終的なスラリーを噴霧乾燥造粒することにより、賦形剤の粒子を形成する工程
を包含し、ここで、SEMで見たとき、該リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび架橋ポリビニルピロリドンが区別不能であることによって、実質的に均一な球状の粒子が形成される、方法。
【請求項12】
約75%から約98%のリン酸水素カルシウム;
約1%から約10%のヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約1%から約20%の少なくとも1つの架橋ポリビニルピロリドン
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
約80%から約90%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約8%のヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約3%から約12%の少なくとも1つの架橋ポリビニルピロリドン
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
約85%から約93%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約10%の少なくとも1つの架橋ポリビニルピロリドン
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの医薬品有効成分;ならびに
a)リン酸水素カルシウム;
b)少なくとも1つの結合剤;および
c)少なくとも1つの崩壊剤
を含む実質的に均一な粒子の賦形剤
を含む、薬学的錠剤。
【請求項16】
前記賦形剤が:
約75%から約98%のリン酸水素カルシウム;
約1%から約10%の少なくとも1つの結合剤;および
約1%から約20%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項15に記載の錠剤。
【請求項17】
前記賦形剤が:
約80%から約90%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約8%の少なくとも1つの結合剤;および
約3%から約12%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項15に記載の錠剤。
【請求項18】
前記賦形剤が:
約85%から約93%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約5%の少なくとも1つの結合剤;および
約10%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項15に記載の錠剤。
【請求項19】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記崩壊剤が、架橋ポリビニルピロリドンを含む、請求項15に記載の錠剤。
【請求項20】
薬学的錠剤を作製する方法であって、該方法は:
少なくとも1つの医薬品有効成分を:
a)リン酸水素カルシウム;
b)少なくとも1つの結合剤;および
c)少なくとも1つの崩壊剤を含む実質的に均一な粒子の賦形剤と混合することにより、混合物を形成する工程;および
該混合物を圧縮することにより、錠剤を形成する工程
を包含する、方法。
【請求項21】
前記賦形剤が:
約75から約98%のリン酸水素カルシウム;
約1%から約10%の少なくとも1つの結合剤;および
約1%から約20%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記賦形剤が:
約80%から約90%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約8%の少なくとも1つの結合剤;および
約3%から約12%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記賦形剤が:
約85%から約93%のリン酸水素カルシウム;
約2%から約5%の少なくとも1つの結合剤;および
約10%の少なくとも1つの崩壊剤
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記崩壊剤が、架橋ポリビニルピロリドンを含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−509326(P2012−509326A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537512(P2011−537512)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064289
【国際公開番号】WO2010/059506
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(592162807)アバントール パフォーマンス マテリアルズ, インコーポレイテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】J T BAKER INCORPORATED
【Fターム(参考)】