説明

直接圧縮製剤および方法

【課題】ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害化合物の錠剤等を提供すること。
【解決手段】
98.5から100%純度であり得るジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質(明細書中、DPP−IVと称する)は、所望の硬度、崩壊能および許容される溶解特性を有する錠剤およびカプセルのような、固形投与形態に特定の賦形剤と共に直接圧縮し得る高用量薬剤である。DPP−IVは、本質的には圧縮可能ではなく、故に、製剤の問題が存在する。本製剤に用いる賦形剤は、薬剤および錠剤混合物の流動性および圧縮特性を増強する。最適な流動性は、均一な金型充てんおよび重量制御に貢献する。用いる結合剤は、DPP−IVが直接圧縮法を用いて圧縮されるのに十分な凝集性を与える。製造される錠剤は、許容されるインビトロ溶解プロフィールを提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、錠剤、とりわけジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−IV)阻害化合
物の直接圧縮により形成される錠剤、その製造方法、新規製剤、および錠剤へ直接圧縮さ
れ得るDPP−IV阻害製剤を含む新規打錠用粉末に関する。本発明はさらに、活性成分
および特定の賦形剤を新規製剤中に混合し、その後製剤を直接圧縮錠剤に直接圧縮するこ
とにより錠剤を製造するための方法に関する。
【0002】
本発明が主として意図する好ましいDPP−IV阻害化合物を下記に記載する:
【0003】
本文脈中、“DPP−IV阻害物質”はまた、DPP−IV阻害物質の活性代謝物およ
びプロドラッグのような、その活性代謝物およびプロドラッグを含むことが意図される。
“代謝物”は、DPP−IV阻害物質が代謝されたとき産生されるDPP−IV阻害物質
の活性な誘導体である。“プロドラッグ”は、DPP−IV阻害物質に代謝されるか、ま
たはDPP−IV阻害物質と同じ代謝物に代謝される化合物である。
【0004】
DPP−IV阻害物質は、当技術分野で公知である。例えば、DPP−IV阻害物質は
、それぞれの場合に一般的かつ具体的に、例えばWO98/19998、DE19616
486A1、WO00/34241、WO95/15309、WO01/72290、W
O01/52825、WO9310127、WO9925719、WO9938501、
WO9946272、WO9967278およびWO9967279に記載されている。
【0005】
好ましいDPP−IV阻害物質は、下記の特許出願に記載されている;WO02053
548、とりわけ化合物1001から1293および実施例1から124、WO0206
7918、とりわけ化合物1000から1278および2001から2159、WO02
066627、とりわけ記載の実施例、WO02/068420、とりわけ実施例Iから
LXIIIに具体的に列記される全ての化合物および記載の対応する類似体、さらに好ま
しい化合物は、IC50を報告する表に記載の2(28)、2(88)、2(119)、
2(136)であり、WO02083128、とりわけ実施例1から13、US2003
096846、とりわけ具体的に記載の化合物、WO2004/037181、とりわけ
実施例1から33および請求項3から5の化合物、WO0168603、とりわけ実施例
1から109の化合物、EP1258480、とりわけ実施例1から60の化合物、WO
0181337、とりわけ実施例1から118、WO02083109、とりわけ実施例
1Aから1D、WO030003250、とりわけ実施例1から166の化合物、最も好
ましくは1から8、WO03035067、とりわけ実施例に記載の化合物、WO03/
035057、とりわけ実施例に記載の化合物、US2003216450、とりわけ実
施例1から450、WO99/46272、とりわけ請求項12、14、15および17
の化合物、WO0197808、とりわけ請求項2の化合物、WO03002553、と
りわけ実施例1から33の化合物、WO01/34594、とりわけ実施例1から4に記
載の化合物、WO02051836、とりわけ実施例1から712、EP1245568
、とりわけ実施例1から7、EP1258476、とりわけ実施例1から32、US20
03087950、とりわけ実施例に記載のもの、WO02/076450、とりわけ実
施例1から128、WO03000180、とりわけ実施例1から162、WO0300
0181、とりわけ実施例1から66、WO03004498、とりわけ実施例1から3
3、WO0302942、とりわけ実施例1から68、US6482844、とりわけ実
施例に記載のもの、WO0155105、とりわけ実施例1および2に列記される化合物
、WO0202560、とりわけ実施例1から166、WO03004496、とりわけ
実施例1から103、WO03/024965、とりわけ実施例1から54、WO030
3727、とりわけ実施例1から209、WO0368757、とりわけ実施例1から8
8、WO03074500、とりわけ実施例1から72、実施例4.1から4.23、実
施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施
例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、WO02038541、とりわけ実
施例1から53、WO02062764、とりわけ実施例1から293、好ましくは実施
例95の化合物、(2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−
1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミドヒドロクロ
ライド)、
【0006】
WO02308090、とりわけ実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−
9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1か
ら6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90頁の実施例7−1
から7−7、91−95頁の実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実
施例10−1から10−20、US2003225102、とりわけ化合物1から115
、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、b
a)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、WO0214271、とり
わけ実施例1から320、ならびにUS2003096857、WO2004/0528
50、とりわけ実施例1から42などの具体的に記載の化合物および請求項1の化合物、
DE10256264A1、とりわけ実施例1から181などの記載の化合物および請求
項5の化合物、WO04/076433、とりわけ表Aに列記されるような、具体的に記
載の化合物、好ましくは表Bに列記の化合物、好ましくは化合物IからXXXXVII、
または請求項6から49の化合物、WO04/071454、とりわけ具体的に記載の化
合物、例えば化合物1から53または表IaからIfの化合物、または請求項2から55
の化合物、WO02/068420、とりわけ化合物IからLXIIIなどの具体的に記
載の化合物、または実施例Iおよび類似体1から140または実施例2および類似体1か
ら174または実施例3および類似体1、または実施例4から5、または実施例6および
類似体1から5、または実施例7および類似体1−3、または実施例8および類似体1、
または実施例9、または実施例10および類似体1から531、さらに好ましくは、請求
項13の化合物であり、WO03/000250、とりわけ化合物1から166などの具
体的に記載の化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/024942、と
りわけ化合物1から59などの具体的に記載の化合物、表1の化合物(1から68)、請
求項6、7、8、9の化合物、WO03024965、とりわけ化合物1から54などの
具体的に記載の化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の
化合物などの具体的に記載の化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から20
9の化合物などの具体的に記載の化合物、WO03/000250、とりわけ化合物1か
ら166などの具体的に記載の化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/
024942、とりわけ化合物1から59などの具体的に記載の化合物、表1の化合物(
1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、WO03024965、とりわけ化合物
1から54などの具体的に記載の化合物、WO03002593、とりわけ表1または請
求項2から15の化合物などの具体的に記載の化合物、WO03037327、とりわけ
実施例1から209の化合物などの具体的に記載の化合物、WO0238541、WO0
230890、2001年2月16日出願の、米国特許出願番号第09/788,173
号(代理人ファイル番号LA50)、とりわけ記載の実施例、WO99/38501、と
りわけ記載の実施例、W099/46272、とりわけ記載の実施例、およびDE196
16486A1、とりわけval−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チア
ゾリジド、イソロイシル−ピロリジド、ならびにイソロイシル−チアゾリジドおよびイソ
ロイシル−ピロリジドのフマル酸塩(fumar salt)、WO0238541、とりわけ実施
例1から53の化合物などの具体的に記載の化合物、WO03/002531、とりわけ
具体的に記載の化合物、好ましくは9から13頁に列記される化合物、最も好ましくは実
施例1から46の化合物およびさらに好ましくは、実施例9の化合物、米国特許番号第6
,395,767号、好ましくは実施例1から109の化合物、最も好ましくは実施例6
0の化合物。
【0007】
さらなる好ましいDPP−IV阻害物質には、米国特許番号第6124305号および
US6107317、国際特許出願公開番号WO9819998、WO9515309お
よびWO9818763に開示される具体的な例が含まれる;例えば、1[2−[(5エ
ヤノピリジン−2−イル)アミノエチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリ
ジンおよび(2S)−I−[(2S)−2−アルニノ−3,3−ジメチルブタノイル]−
2−ピロリジンカルボニトリル。
【0008】
WO9819998は、N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、特に1
−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シ
アノ−(S)−ピロリジンを開示する。WO03/002553に記載の好ましい化合物
が9から11頁に列記され、参照により本明細書中に包含される。公開された特許出願P
WO0034241および公開された米国特許US6110949は、N−置換アダマン
チル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジンおよびN−(置換グリシル)−4−シア
ノピロリジンをそれぞれ開示する。興味のあるDPP−IV阻害物質は特に、請求項1か
ら4に記載のものである。特に、これらの出願は、1−[[(3−ヒドロキシ−1−アダ
マンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(LAF237として
も公知)を開示する。
【0009】
WO9515309は、DPP−IVの阻害物質としてのアミノ酸 2−シアノピロリ
ジンアミドを開示し、WO9529691は、α−アミノアルキルホスホン酸のジエステ
ルのペプチジル誘導体、特にプロリンまたは関係する構造とのものを開示する。興味のあ
るDPP−IV阻害物質は、特に、表1から8に記載のものである。WO01/7229
0において、興味のあるDPP−IV阻害物質は、特に、実施例1および請求項1、4お
よび6に記載のものである。WO9310127は、DPP−IV阻害物質として有用な
プロリンボロン酸エステルを開示する。興味のあるDPP−IV阻害物質は、特に、実施
例1から19に記載のものである。公開された特許出願WO9925719は、スルホス
チン、ストレプトマイセス微生物を培養することにより製造されるDPP−IV阻害物質
を開示する。WO9938501は、N−置換された4から8員のヘテロ環式環を開示す
る。興味のあるDPP−IV阻害物質は、特に、請求項15から20に記載のものである

【0010】
WO9946272は、DPP−IVの阻害物質としてリン酸化合物を開示する。興味
のあるDPP−IV阻害物質は、特に、請求項1から23に記載のものである。
【0011】
他の好ましいDPP−IV阻害物質は、特許出願WO03/057200の14から2
7頁に開示される式I、IIまたはIIIの化合物である。最も好ましいDPP−IV阻
害物質は、28および29頁に具体的に記載の化合物である。
【0012】
公開された特許出願WO9967278およびWO9967279は、A−B−C(こ
こで、Cは、DPP−IVの安定または不安定な阻害物質である)形態のDPP−IVプ
ロドラッグおよび阻害物質を開示する。
【0013】
好ましくは、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VII
【化1】

[式中、
jは、0、1または2であり;
Rεは、天然アミノ酸の側鎖を示し;そして
Rεは、低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロを示す]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0014】
本発明の非常に好ましい態様において、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルア
ミンは、式VIIa
【化2】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0015】
例えば式VIIまたはVIIaの、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミン
、およびそれらの製造は、H.U. Demuth et al. in J. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2
の129−142頁、とりわけ130−132頁に記載される。
【0016】
最も好ましくは、阻害物質は、遊離型または酸付加塩形態の式(I)
【化3】

[式中、
Rは、置換アダマンチルであり;そして
nは、0から3である]
で示されるN−(置換グリシル)−2−シアノピロリジンである。
【0017】
用語“置換アダマンチル”は、1個またはそれ以上、例えば2個の、アルキル、−OR
または−NR(ここで、R、RおよびRは、独立して水素、アルキル、(
−Cアルカノイル)、カルバミルである)、または−CO−NR(ここでR
およびRは、独立してアルキル、非置換または置換アリールであり、さらにRおよ
びRの一方は水素であるか、またはRおよびRは一緒になってC−Cアルキレ
ンを示す)から選択される置換基により置換されている、アダマンチル、すなわち1−ま
たは2−アダマンチルを示す。
【0018】
用語“アリール”は、好ましくはフェニルを示す。置換フェニルは、好ましくは、1個
またはそれ以上、例えば2個の、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフル
オロメチルから選択される置換基により置換されているフェニルである。
【0019】
用語“アルコキシ”は、アルキル−O−を示す。
用語“ハロゲン”または“ハロ”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示す。
用語“アルキレン”は、2から7個の炭素原子、好ましくは3から6個の炭素原子、最
も好ましくは5個の炭素原子の直鎖架橋を示す。
【0020】
本発明の化合物の好ましいグループは、式(I)の化合物群であり、ここでアダマンチ
ル上の置換基は、橋頭または橋頭に隣接するメチレンに結合している。式(I)の化合物
群(ここで、グリシル−2−シアノピロリジン基は、橋頭に結合し、アダマンチルのR’
置換基は、好ましくは3−ヒドロキシである)。式(I)の化合物群(ここで、グリシル
−2−シアノピロリジン基は、橋頭に隣接するメチレンに結合し、アダマンチルのR’置
換基は、好ましくは5−ヒドロキシである)。
【0021】
本発明は、とりわけ、遊離型または薬学的に許容される酸付加塩形態の、式(IA)ま
たは(IB)
【化4】

[式中、
R’は、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−CアルカノイルオキシまたはR
N−CO−O−を示し、ここでRおよびRは、独立して、非置換か、またはC
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択さ
れる置換基により置換されているC−Cアルキルまたはフェニルであり、Rはさら
に、水素であるか;またはRおよびRは一緒になって、C−Cアルキレンを示し
;そして
R”は、水素を示すか;または
R’およびR”は、独立して、C−Cアルキルを示す]
で示される化合物に関する。
【0022】
これらのDPP−IV阻害物質である式(I)、(IA)または(IB)の化合物は公
知であり、かつ2000年12月26日発行の、米国特許番号第6,166,063号お
よびWO01/52825に記載されている。(S)−1−{2−[5−シアノピリジン
−2イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−
1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジ
ン(LAF237)が、具体的に開示されている。それらは、遊離型または酸付加塩形態
で存在し得る。薬学的に許容される、すなわち無毒かつ生理学的に許容される塩が好まし
いが、他の塩も、例えば本発明の化合物の単離または精製に有用である。好ましい酸付加
塩は、塩酸塩であるが、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酪酸および酢酸の
塩もまた、利用可能である。
【0023】
好ましいDPP−IV阻害物質は、Mona Patelおよび同僚らの(Expert Opinion Inves
tig Drugs. 2003 Apr;12(4):623−33)第5章に記載のもの、とりわけP32/98、K
−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728およびその他であり
、その刊行物、とりわけDPP−IV阻害物質を記載する刊行物は、参照により本明細書
に包含される。
FE−999011は、特許出願WO95/15309の14頁に化合物18として記
載されている。
【0024】
他の好ましい阻害物質は、米国特許第6,395,767号に開示の化合物BMS−4
77118(実施例60の化合物)であり、また、特許出願WO2004/052850
、2頁の式Mに記載の(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−
ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]
−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、ベンゾエート(1:
1)、および対応する遊離塩基、(lS,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−
2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オ
キソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M’
)、および特許出願WO2004/052850、3頁の式Mに記載のその一水和物(M
”)としても公知である。
【0025】
他の好ましい阻害物質は、WO03/002531に開示の化合物GSK23A(実施
例9)であり、また、(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メト
キシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−
カルボニトリル塩酸塩としても公知である。
【0026】
他の非常に好ましい本発明のDPP−IV阻害物質は、国際特許出願WO02/076
450(とりわけ実施例1から128)、およびWallace T. Ashton(Bioorganic & Med
icinal Chemistry Letters 14 (2004) 859−863 )に記載されており、とりわけ化合物1
および表1および2に列記の化合物である。好ましい化合物は、式
【化5】

で示される化合物21e(表1)である。
【0027】
3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジン
としても公知のP32/98またはP3298(CAS番号:251572−86−8)
は、下記
【化6】

に示すような3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チ
アゾリジンおよび(2E)−2−ブテンジオエート(2:1)の混合物として用いられ得
、そしてProbiodrugのWO99/61431におよびまた化合物P93/01として記載
されている。
【0028】
他の好ましいDPP−IV阻害物質は、特許出願WO02/083128の、請求項1
から5に開示のような化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害物質は、実施例1か
ら13および請求項6から10に具体的に開示の化合物である。
【0029】
他の好ましいDPP−IV阻害物質は、特許出願WO2004/037169に記載さ
れ、とりわけ実施例1から48に記載のもの、およびWO02/062764の、とりわ
け実施例1から293に記載のものであり、さらに好ましくは、7頁に記載の化合物3−
(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6
−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−
4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミ
ド、およびまた、特許出願WO2004/024184の、とりわけ参照例1から4に記
載されている。
【0030】
他の好ましいDPP−IV阻害物質は、特許出願WO03/004498の、とりわけ
実施例1から33に記載され、最も好ましくは、公知の実施例7に記載の、式
【化7】

で示される化合物であり、MK−0431としても公知である。
【0031】
好ましいDPP−IV阻害物質はまた、特許出願WO2004/037181、とりわ
け実施例1から33に記載され、最も好ましくは請求項3から5に記載の化合物である。
【0032】
好ましいDPP−IV阻害物質は、N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シ
アノピロリジン、N(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N’−置換グリシ
ル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリ
ジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−トレオ−イソロイシルピロリジン、な
らびにL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イ
ル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよびその薬学
的塩である。
【0033】
とりわけ好ましくは、式
【化8】

で示される、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}ア
セチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド(DPP728)、とりわけ
そのジヒドロクロライド、
および、式
【化9】

で示される、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−
2−シアノ−ピロリジン(LAF237)、ならびにL−トレオ−イソロイシルチアゾリ
ジン(Pribiodrugの化合物コード:上記のP32/98)、MK−0431、GSK23
A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−
フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(ア
ミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イ
ソキノリル]オキシ}アセトアミド、ならびに所望により任意の場合にその薬学的塩であ
る。
【0034】
DPP728およびLAF237は、非常に好ましい化合物であり、WO98/199
98の実施例3およびWO00/34241の実施例1にそれぞれ具体的に開示される。
DPP−IV阻害物質P32/98(上記を参照)は、Diabetes 1998, 47, 1253−1258
に具体的に記載されている。DPP728およびLAF237は、WO98/19998
の20頁またはWO00/34241に記載の通りに製剤され得る。LAF237の投与
に好ましい製剤は、米国仮特許出願60/604274に記載されている。
とりわけ好ましくは、経口で有効なDPP−IV阻害物質である。
【0035】
それぞれの場合、特に化合物の請求項および実施例の最終製品において、最終製品、医
薬調製物および特許請求の範囲の主題は、本明細書に記載の刊行物または特許出願を参照
することにより本出願に包含される。
【0036】
DPP−IV阻害化合物、例えば式(I)の化合物、およびそれらの対応する薬学的に
許容される酸付加塩は、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と、および所望に
より、1個またはそれ以上の他の常套の薬学的アジュバントと併用され得、経腸的に、例
えば錠剤、カプセル、カプレットなどの形態で経口的に、または非経腸的に、例えば無菌
注射溶液または懸濁液の形態で静脈内に投与される。経腸的および非経腸的組成物は、常
套的手段により製造され得る。
【0037】
DPP−IV阻害化合物、例えば式(I)の化合物、およびそれらの対応する薬学的に
許容される酸付加塩は、DPP−IV阻害により介在される状態の処置に有効な、一定量
の有効物質を含む経腸的および非経腸的医薬組成物に製剤され得、かかる組成物は単位投
与形態で、かつ薬学的に許容される担体を含む。
【0038】
その従属範囲のそれぞれの化合物および実施例のそれぞれの化合物を含む、DPP−I
V阻害化合物、例えば式(I)の化合物を、例えば>98%、好ましくは>99%のエナ
ンチオマー的に純粋な形態で;または、エナンチオマーと共に、例えばラセミ形態で投
与することができる。上記の投与範囲は、エナンチオマーの量を除く、式(I)の化合
物に基づく。
【0039】
DPP−IVを阻害するそれらの能力を考慮すると、DPP−IV阻害化合物、例えば
式(I)の化合物、およびそれらの対応する薬学的に許容される酸付加塩は、DPP−I
V阻害により介在される状態の処置に有用である。上記および文献中の発見に基づき、本
明細書に開示の化合物は、インスリン非依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移植片移植お
よびカルシトニン−骨粗鬆症のような状態の処置に有用であると期待される。さらに、G
LP−1およびGLP−2のようなグルカゴン様ペプチドの役割、およびDPP−IV阻
害とのそれらの関連に基づき、本明細書に開示の化合物は、例えば鎮静または抗不安作用
の産生、または外科手術後の異化変化およびストレスに対するホルモン応答の減弱、また
は心筋梗塞後の死亡率および罹患率の減少、またはGLP−1および/またはGLP−2
レベルにより介在され得る上記の効果に関係する状態の処置において有用であり得ると期
待される。
【0040】
より具体的には、例えば、DPP−IV阻害化合物、例えば式(I)の化合物およびそ
の対応する薬学的に許容される酸付加塩は、経口グルコース負荷に対する早期のインスリ
ン応答を改善し、故に、インスリン非依存性糖尿病の処置に有用である。
【0041】
本発明において有用な、DPP−IV阻害化合物、とりわけ式I、IAまたはIBの化
合物は吸湿性であり、安定性の問題が存在し、そして本質的に圧縮不可能である。それ故
に、許容されるインビトロ溶解プロフィールを有する強固な錠剤へ直接圧縮され得る、自
由流動性および凝集性組成物を提供する必要がある。錠剤は、好適な増量剤と共にかまた
はなしで原体を含む固形の投与用医薬形態として定義され得る。それらは、活性成分と、
加工における補助の目的のため、および製品の特性を改善するために選択される任意の賦
形剤を含む製剤の圧縮または圧密により製造される。錠剤は、コートされ得るかまたはコ
ートされ得ず、そして粉末化、結晶化物質から作製される。それらは、様々な希釈剤、結
合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、および多くの場合に着色剤が含まれる。用いる賦形
剤は、それらが果たす機能に従い分類される。例えば、流動促進剤は、ホッパー中のおよ
び錠剤金型への、粉末混合の流動を改善するために用いられる。
【0042】
19世紀後半から錠剤が広範に使用されるようになり、多数の薬学的投与形態が錠剤と
して市販されている。投与形態として錠剤が人気のある主な理由は、製造の単純さ、低コ
スト、およびスピードである。他の理由には、薬剤製品の安定性、包装、輸送および調剤
の簡便性が含まれる。患者または消費者にとって、錠剤は、投与の簡便性、正確な投薬の
容易さ、小ささ、携帯性、刺激の少ない味、投与の容易さ、および洗練された特徴的な外
観を提供する。
【0043】
錠剤は、そのまま、フィルムまたは糖被覆された、二分割した、型押しした、重層した
または持続放出であり得る。それらは、様々なサイズ、形状および色に作製され得る。錠
剤は、口腔または舌下にて飲み込まれるか、噛み砕かれるかまたは溶解され得る。それら
は、局部または局所投与用に水中に溶解され得る。滅菌錠剤は通常、非経腸的溶液用、お
よび皮膚下への移植用に用いられる。
【0044】
活性または治療成分に加えて、錠剤は、賦形剤として公知の多数の不活性物質を含み得
る。それらを、最終錠剤中でのそれらの果たす役割に従い分類し得る。主要な組成物には
、増量剤、結合剤、潤滑剤および流動促進剤が含まれる。最終錠剤に物理的特徴を与える
他の賦形剤は、着色剤、およびチュアブル錠の場合に風味剤である。賦形剤なしでは、多
くの薬剤および医薬成分は錠剤へ直接圧縮され得ない。このことは、主に、ほとんどの薬
剤の乏しい流動性および凝集特性が原因である。典型的に、賦形剤は、良好な流動性およ
び圧縮される物質の圧縮特性を与えるために製剤に添加される。かかる特性は、湿式造粒
、スラグ形成、噴霧乾燥、球形化または結晶化のような、前処理工程を介してこれらの賦
形剤に付与される。
【0045】
滑剤は一般的に、錠剤化物質がパンチに付着するのを防ぎ、錠剤圧縮の間摩擦を少なく
し、そして、金型からの圧縮錠剤の取り外しを可能にするために加えられる。かかる潤滑
剤は一般に、通常1重量%未満の量で最終錠剤中に包含される。
【0046】
加えて、錠剤はしばしば、混合物の原体重量を増し、圧縮のための実用的なサイズを得
るために添加される希釈剤を包含する。これはしばしば、薬剤の投与量が比較的少量であ
るとき、必要である。
【0047】
他の一般的に用いられる錠剤の賦形剤の群は、結合剤である。結合剤とは、粉末化物質
に凝集性を付与する薬剤である。一般的に用いられる結合剤には、デンプン、ならびにス
クロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースのような糖が含まれる。
【0048】
崩壊剤は、しばしば、錠剤が、錠剤分解の許容できる速度を有することを確実にするた
めに含まれる。一般的に、崩壊剤には、カルボキシメチルセルロースのデンプン誘導体お
よび塩が包含される。
【0049】
賦形剤の他の望ましい特性には、下記:
・低い圧縮力で強固な錠剤を作製するのを可能にする高い圧縮性;
・製剤中の他の賦形剤の流動性を改善し得る良好な流動特性;および
・凝集性(加工、輸送および取り扱い中に錠剤が崩壊するのを防ぐため)
が含まれる。
【0050】
圧縮錠剤を作製するための3つの商業上重要な方法:湿式造粒法、直接圧縮法および乾
式造粒法(スラグ形成またはローラー圧縮)がある。製造方法および賦形剤のタイプが、
錠剤の早期の圧縮を可能にする所望の物理的特性を錠剤製剤に与えるために選択される。
圧縮後、錠剤は、外観、硬度、崩壊能力および許容される溶解プロフィールのような、多
くのさらなる特性を有すべきである。増量剤および他の賦形剤の選択は、薬剤の化学的お
よび物理的特性、加工中の混合物の挙動および最終錠剤の特性に依存し得る。製剤前実験
を、提案される賦形剤と活性成分との化学的および物理的適合性を決定するために行う。
【0051】
薬剤の特性、その投与形態および操作の経済性は、錠剤化に最も良い方法の選択を決定
し得る。概して、湿式造粒法および直接圧縮法は両方とも、錠剤の作製に用いられる。
【0052】
乾式造粒法は、構成要素のうちの1個、薬剤または希釈剤のどちらかが、錠剤化される
のに十分な凝集性を有するときに用いられ得る。前記方法は、混合、成分のスラグ形成、
乾式スクリーニング、潤滑および圧縮からなる。
【0053】
湿式造粒法は、粉末混合物を、錠剤化のための好適な流動性および凝集性を有する顆粒
に変換するために用いる。その方法は、好適な混合器中で粉末を混合し、次いでせん断力
下顆粒溶液を混合粉末に添加し、顆粒を得ることからなる。その後、湿塊を好適なスクリ
ーンを通してスクリーニングし、トレイ乾燥かまたは流動層乾燥により乾燥する。あるい
は、湿塊を乾燥させ、ミルを通すことができる。前記方法全体には、計量、乾燥粉末混合
、湿式造粒、乾燥、製粉、潤滑剤の混合および圧縮が含まれる。
【0054】
一般に、粉末は、硬く、強固な顆粒を形成するのに粘性または凝集特性が十分でない。
結合剤は通常、ほとんどの粉末の弱い凝集特性のために粉末粒子同士の結合に必要とされ
る。熱および湿度感受性薬剤は、通常、湿式造粒法を用いて製造できない。多くの加工工
程および加工時間が、高い製造コストのために問題となる。湿式造粒法はまた、微結晶セ
ルロースのような、いくつかの薬学的賦形剤の圧縮性を低下することも知られている。
【0055】
直接圧縮は、粉末物質が薬剤の物理的および化学的特性を変更することなしに直接圧縮
されるとき、比較的迅速な方法として見なされている。活性成分(複数可)、直接圧縮賦
形剤、ならびに流動促進剤および潤滑剤のような他の助剤を、錠剤に圧縮する前に双筒(
twin shell)混合器または類似の低せん断器中で混合する。このタイプの混合は、“薬学
的に許容される”投与形態を製造するために必須であると考えられていた。薬学者の一部
は、潤滑剤を製剤に添加する方法は、注意深く制御されなければならないと信じている。
従って、潤滑剤は通常、穏やかに混合することにより顆粒に添加される。潤滑剤と顆粒の
長期の混合が、実質的に得られる錠剤の硬度および崩壊時間に影響を与え得ることも信じ
られている。潤滑剤と顆粒成分の過度の混合は、顆粒の防水性の原因となり、圧縮錠剤の
錠剤硬度または強度を減じる。これらの理由により、高せん断混合条件は、直接圧縮投与
形態を製造するために用いられていない。
【0056】
直接圧縮の利点には、混合の均一性、関与する製造工程の少なさ、すなわち全工程が粉
末の計量、混合および圧縮に関与し、故に低コスト;熱および湿度の排除、最良の粒子分
離および物理的安定性が含まれる。
【0057】
製薬業者は、迅速な加工時間およびコストの利点のために湿式または乾式造粒法よりも
直接圧縮技術を好んで用いるだろう。しかしながら、直接圧縮は通常、薬剤または活性成
分が、薬学的に許容される錠剤を形成するために必要な物理的特徴を有するような状況に
限定される。しかしながら、1個またはそれ以上の賦形剤を、しばしば、多くの成分が必
要な特性を有しないために、直接圧縮法を用い得るより前に活性成分と組合せなければな
らない。製剤に添加される各賦形剤が最終製品の錠剤サイズを増すため、製造業者はしば
しば、直接圧縮法を用いるのを圧縮錠剤当たり低用量の活性成分を含む製剤に限定する。
【0058】
高用量の薬剤を含む固形投与形態(すなわち、薬剤自体が圧縮錠剤の全重量の大部分を
構成する)は、薬剤自体が、直接圧縮されるべき成分の十分な物理的特性、例えば凝集性
を有するときしか、直接圧縮できない。
【0059】
例えば、DPP−IV阻害物質、例えば式(I)の阻害物質は、高用量薬剤と見なされ
る。ほとんどの錠剤製剤には、錠剤当たり70−85重量%の範囲のDPP−IV阻害物
質が含まれる。この高用量薬剤は、直接圧縮のためには幾分弱いその物理的特性と組み合
わせると、最終錠剤を製造するための方法として直接圧縮は不可能である。さらに、前記
活性成分は、湿式造粒法の使用に対して不利に働くその他の因子である水の存在下で弱い
安定性を有する。
【0060】
錠剤製造の方法としての直接圧縮の他の制限は、圧縮錠剤の可能なサイズである。活性
成分の量が多いとき、製薬業者は、所望の量の活性成分を有する許容されるサイズの錠剤
を得るために、活性成分を他の賦形剤と共に湿式造粒することを選択し得る。湿式造粒に
必要な増量剤、結合剤または他の賦形剤の量は、湿式造粒法が錠剤の所望の物理的特性に
貢献するため、直接圧縮に必要な量よりも少ない。
【0061】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、固形用量形態用の直接圧縮賦形剤として医薬
業界で利用されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、加工されたセルロース
であり、薬剤の固形投与形態からの放出を制御する。
【0062】
加工時間および費用の減少などの直接圧縮の利点にもかかわらず、湿式造粒が、固形投
与形態を製造するために業界で広く利用されている。湿式造粒はしばしば、湿式造粒が、
製剤中の様々な成分の物理的特性と関係する何らかの問題を克服する高い可能性を有する
ために、直接圧縮よりも好ましい。これは、許容される固形投与形態を得るために必要な
必須の流動特性および凝集特性を有する物質を提供する。
【0063】
直接圧縮と比べて湿式造粒が好評であるのは、少なくとも3個の利点に基づく。第一に
、湿式造粒は、特に疎水性原体の場合、圧縮される物質により良い湿潤特性を提供する。
親水性賦形剤の添加は、疎水性薬剤の表面をより親水性にし、崩壊および溶解の問題を減
ずる。第二に、固形投与形態の含量均一性は、全ての顆粒が通常同量の薬剤を含むため、
湿式造粒により一般的に改善される。最後に、薬剤(複数可)と賦形剤との分離が回避さ
れる。
【0064】
分離は、直接圧縮の起こり得る問題であろう。圧縮されるべき顆粒を包含する粒子のサ
イズおよび形状は、湿式造粒法により最適化される。これは、乾燥固体が湿式造粒される
とき、結合剤が粒子を“接着”させ、それらが球状の顆粒に凝集するためである。
【0065】
一般に、湿式造粒による利点にもかかわらず、水の存在下での化合物の不安定性のため
、例えば式(I)に定義の通りの、高用量のDPP−IV阻害物質を含む錠剤を直接圧縮
するのが望ましい。当業界において、製造者に高用量のDPP−IV阻害錠剤を直接圧縮
により製造するのを可能にし得る技術および薬学的賦形剤が必要とされる。
【0066】
DPP−IV阻害製剤を、錠剤へ直接圧縮され得る自由流動性、凝集性の打錠用粉末の
形態で提供することは、本発明の主題である。
【0067】
許容される溶解プロフィール、ならびに許容される程度の硬度および欠けに対する抵抗
性、ならびに短い崩壊時間を有する単位投与形態に直接圧縮されたDPP−IV阻害錠剤
を提供することは、本発明のさらなる主題である。
【0068】
単位投与形態に直接圧縮することにより、圧縮したDPP−IV阻害錠剤を製造するた
めの方法を提供することは、本発明のさらなる主題である。
【0069】
本発明は、適当な硬度、早い崩壊時間および許容される溶解パターンを有する錠剤へ直
接圧縮され得る打錠用粉末の形態の、直接打錠される、自由流動性粒子であるDPP−I
V阻害製剤を提供する。
【0070】
活性成分に加えて、前記打錠用粉末は、賦形剤として公知の多数の不活性物質を含む。
それらは、最終錠剤において果たす役割により分類され得る。主要な組成物には、増量剤
、結合剤または希釈剤、潤滑剤、崩壊剤および流動促進剤が含まれる。完成錠剤に物理的
特性を与える他の賦形剤は、着色剤、およびチュアブル錠の場合、風味剤である。典型的
に、賦形剤は、圧縮される物質に良好な流動性および圧縮特性を与えるために、製剤に添
加される。
【0071】
本発明の好ましい製剤には、下記が含まれる:DPP−IV阻害化合物である活性成分
、微結晶セルロースおよびラクトースである結合剤または希釈剤、デンプングリコール酸
ナトリウムである崩壊剤およびステアリン酸マグネシウムである潤滑剤。
【0072】
1個、2個、3個またはそれ以上の希釈剤を、選択することができる。薬学的に許容さ
れる増量剤および薬学的に許容される希釈剤の例には、粉砂糖、圧縮可能な糖、デキスト
レート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース
、粉末セルロース、ソルビトール、スクロースおよびタルクが含まれるが、それらに限定
されない。増量剤および/または希釈剤は、例えば、組成物の約15重量%から約40重
量%の量で存在し得る。好ましい希釈剤には、繊維性植物物質由来のパルプとして得られ
るアルファ−セルロースの希釈した無機酸溶液での制御された加水分解により製造される
微結晶セルロースが含まれる。加水分解後、前記ヒドロセルロースは、ろ過により精製さ
れ、水性スラリーは、広範なサイズ分布の乾燥多孔性粒子を形成するためにスプレー乾燥
される。好適な微結晶セルロースは、約20nmから約200nmの平均粒子サイズを有
し得る。微結晶セルロースは、いくつかの供給元から市販されている。好適な微結晶セル
ロースには、アビセルPH101、アビセルPH102、アビセルPH103、アビセル
PH105およびアビセルPH200(FMC社により製造)が含まれる。本発明の実施
に特に好ましいのは、最小の表面積および細孔構造を有するアビセルPH102である。
好ましくは、微結晶セルロースは、約25重量%から約70重量%の量で錠剤製剤に存在
する。この物質の他の好ましい範囲は、約30重量%から約35重量%であり;さらに他
の好ましい範囲は、約30重量%から約32重量%である。
【0073】
他の希釈剤はラクトースである。好ましくは、ラクトースは、製剤前に、約50μmか
ら約500μmの平均粒子サイズを有するように粉末化される。ラクトースは、約5重量
%から約40重量%、そして約18重量%から約35重量%であり得、最も好ましくは約
20重量%から約25重量%であり得る量で錠剤製剤中に存在する。
【0074】
1個、2個、3個またはそれ以上の崩壊剤を、選択することができる。薬学的に許容さ
れる崩壊剤の例には、デンプン;粘土;セルロース;アルギン酸塩;ゴム;架橋ポリマー
、例えば架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルシウムカルボキシメチルセルロースおよび
架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース;大豆多糖類;および、グアーガムが含まれ
るが、それらに限定されない。崩壊剤は、例えば組成物の約2重量%から約20重量%、
例えば約5重量%から約10重量%、例えば約7重量%の量で存在し得る。崩壊剤は、任
意であるが、錠剤製剤の有用な成分でもある。崩壊剤は、錠剤が崩壊の許容される速度を
有するのを可能にするために包含される。典型的な崩壊剤には、デンプン誘導体およびカ
ルボキシメチルセルロースの塩が含まれる。デンプングリコール酸ナトリウムは、この製
剤に好ましい崩壊剤である。好ましくは、崩壊剤は、約0重量%から約10重量%、そし
て約1重量%から約4重量%であり得、最も好ましくは約1.5重量%から約2.5重量
%であり得る量で錠剤製剤中に存在する。
【0075】
1個、2個、3個またはそれ以上の潤滑剤が選択され得る。薬学的に許容される潤滑剤
および薬学的に許容される流動促進剤の例には、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウ
ム、デンプン、タルク、三塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
ポリエチレングリコール、粉末セルロースおよび微結晶セルロースが含まれるが、それら
に限定されない。潤滑剤は、例えば組成物の約0.1重量%から約5重量%の量で存在し
得;一方、流動促進剤は、例えば約0.1重量%から約10重量%の量で存在し得る。潤
滑剤は典型的に、錠剤化物質が付着するのを防ぎ、錠剤圧縮中の摩擦を最小にし、そして
圧縮錠剤の金型からの取り外しを可能にするためにパンチに添加される。かかる潤滑剤は
、一般に、通常1重量%未満の量で最終錠剤混合物中に含まれる。潤滑剤成分は、疎水性
または親水性であり得る。かかる潤滑剤の例には、ステアリン酸、タルクおよびステアリ
ン酸マグネシウムが含まれる。ステアリン酸マグネシウムは、圧縮および錠剤放出中、金
型壁および錠剤混合物間の摩擦を減ずる。それは、錠剤のパンチおよび金型への接着を妨
げるのを助長する。ステアリン酸マグネシウムはまた、ホッパーおよび金型中への粉末の
流入に役立つ。それは、450−550ミクロンの粒子サイズ範囲、および1.00−1
.80g/mLの密度範囲を有する。それは安定であり、かつ錠剤化混合物に重合化され
ない。好ましい潤滑剤であるステアリン酸マグネシウムはまた、製剤に用いられる。好ま
しくは、潤滑剤は、錠剤製剤中に約0.25重量%から約6重量%の量で存在し;また、
好ましくは約0.5重量%から約4重量%のレベルであり;および、最も好ましくは約0
.1重量%から約2重量%である。他の可能性のある潤滑剤には、タルク、ポリエチレン
グリコール、シリカおよび硬化植物油が含まれる。本発明の任意の態様において、潤滑剤
は製剤中に存在しないが、製剤に直接添加されるよりはむしろ金型またはパンチ上にスプ
レーされる。
【0076】
他の常套的な固形増量剤または担体、例えばコーンスターチ、リン酸カルシウム、硫酸
カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、モノ
−およびジステアリン酸グリセリン、スルビトール、マンニトール、ゼラチン、天然また
は合成ゴムなど、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸塩
、デキストラン、アカシアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントなど
、希釈剤、結合剤、潤滑剤、分解剤、着色剤および風味剤を、所望により用いることがで
きる。
【0077】
薬学的に許容される結合剤の例には、デンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば
微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロースおよ
びヒドロキシルプロピルメチルセルロース;スクロース;デキストロース;コーンシロッ
プ;多糖類;および、ゼラチンが含まれるが、それらに限定されない。結合剤は、例えば
、組成物の約10%から約40重量%の量で存在し得る。
【0078】
有用な賦形剤のさらなる例が、American Pharmaceutical Association, Washington DC
, ISBN:0−917330−96−Xにより出版されたHandbook of pharmaceutical excipients, 3
rd edition , A.H.Kibbe編著、またはHandbook of Pharmaceutical Excipients (4th edi
tion), Raymond C Rowe−Publisher編著:Science and Practice(これらは参照により本
明細書に包含される)に記載されている。
【0079】
故に、第一の態様において、本発明は、
(a)遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237;
(b)薬学的に許容される希釈剤
を含む医薬組成物に関し、ここで単位投与形態中、乾燥重量ベースでDPP−IV阻害物
質、好ましくはLAF237の重量対希釈剤の錠剤の重量比が、0.5:0.25、好ま
しくは0.4:0.28である。
【0080】
上記の組成物に関し、ここで少なくとも1個の希釈剤が微結晶セルロースであり、単位
投与形態中、乾燥重量ベースでDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237の重量対
微結晶セルロースの錠剤の重量比が2:0.333、好ましくは1:0.333、最も好
ましくは0.7:0.333である。
【0081】
20から120mgのLAF237、好ましくは25から100mgのLAF237、
またはその薬学的に許容される酸付加塩を包含する上記の組成物に関する。
前記組成物中、希釈剤が、微結晶セルロースおよびラクトース、好ましくは微結晶セル
ロースおよびラクトースから選択される上記の組成物に関する。
【0082】
(c)乾燥重量ベースで0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
をさらに含む、上記の医薬組成物に関する。
【0083】
好ましくは、
(c)乾燥重量ベースで1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
をさらに含む、上記の組成物に関する。
【0084】
上記の割合は、DPP−IV阻害物質および希釈剤の乾燥重量ベースで得られる。
単位投与形態は、カプセル、錠剤、顆粒、チュアブル錠などのような薬学的投与形態の
何れかの種類である。
【0085】
さらなる態様において、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで5−60重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害
物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0086】
好ましくは本発明は、
(a)乾燥重量ベースで20−40重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0087】
最も好ましくは、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0088】
最も好ましくは、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0089】
最も好ましくは、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望により
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0090】
最も好ましくは、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで22−28重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで66−76重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望により
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0091】
最も好ましくは、本発明は、
(a)乾燥重量ベースで22−28重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで66−76重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望により
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0092】
本出願において、薬学的に許容される希釈剤への言及は、少なくとも1個の希釈剤を意
味し、例えば2または3個の希釈剤の混合物も包含される。
【0093】
好ましくは、上記の組成物は、
i)微結晶セルロースおよびラクトースから選択される1個または2個の希釈剤
ii)微結晶セルロースおよびラクトースである2個の希釈剤
iii)乾燥重量ベースで25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許
容される微結晶セルロース、または
iv)乾燥重量ベースで25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容
される微結晶セルロース、および5−40重量%、好ましくは18−35重量%のラクト
ース
を含む。
【0094】
最も好ましくは、上記の組成物は、アビセルPH102およびラクトースのような微結
晶セルロースから選択される1個または2個の希釈剤を含む。
【0095】
最も好ましくは、前記医薬組成物は、薬学的に許容される潤滑剤(d)を含む。
【0096】
本出願において、薬学的に許容される崩壊剤なる言及は、少なくとも1個の崩壊剤を意
味し、例えば2または3個の崩壊剤の混合物も包含される。
【0097】
本出願において、薬学的に許容される潤滑剤への言及は、少なくとも1個の潤滑剤を意
味し、例えば2または3個の潤滑剤の混合物も包含される。
【0098】
好ましいDPP−IV阻害物質はLAF237であり、好ましい希釈剤は微結晶セルロ
ースまたはラクトースであるか、または好ましくは微結晶セルロースおよびラクトースの
組合せであり、好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、そして好まし
い潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0099】
好ましい組成物中の特定の成分は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237

(b)乾燥重量ベースで25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナト
リウム;
(e)乾燥重量ベースで0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0100】
好ましい組成物の特定の成分は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで25−35重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237

(b)乾燥重量ベースで25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナト
リウム;
(e)乾燥重量ベースで0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0101】
他の好ましい組成は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで約30重量%から約32重量%のDPP−IV阻害物質または式
(I)のDPP−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで約40重量%から約45重量%の薬学的に許容される微結晶セル
ロース;
(c)乾燥重量ベースで約20重量%から約25重量%の薬学的に許容されるラクトース

(d)乾燥重量ベースで約1.5重量%から約2.5重量%の薬学的に許容されるデンプ
ングリコール酸ナトリウム;および、
(e)乾燥重量ベースで約0.1重量%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0102】
他の好ましい組成は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで20−35%、好ましくは22−28重量%のDPP−IV阻害
物質、例えばLAF237;
(b)乾燥重量ベースで35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリ
ウム;および、
(e)乾燥重量ベースで0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0103】
さらに他の好ましい組成は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで約22%から約28%、好ましくは24−26重量%のDPP−
IV阻害物質または式(I)のDPP−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで約45%から約50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロー
ス;
(c)乾燥重量ベースで約20%から約25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで約1.5%から約2.5重量%の薬学的に許容されるデンプング
リコール酸ナトリウム;および、
(e)乾燥重量ベースで約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0104】
さらに他の好ましい組成は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで24−26重量%のDPP−IV阻害物質または式(I)のDP
P−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで約46%から約48重量%の薬学的に許容される微結晶セルロー
ス;
(c)乾燥重量ベースで約23%から約24.5重量%の薬学的に許容されるラクトース

(d)乾燥重量ベースで約1.5%から約2.5重量%の薬学的に許容されるデンプング
リコール酸ナトリウム;および、
(e)乾燥重量ベースで約0.1%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0105】
さらに他の好ましい組成は、下記の通りである:
(a)乾燥重量ベースで30−35重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237

(b)乾燥重量ベースで35−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリ
ウム;および、
(e)乾燥重量ベースで0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム。
【0106】
さらなる態様において、本発明は、薬学的に許容される潤滑剤(d)のみが所望により
製剤に含まれる上記の組成物の何れか1個に関する。しかし、好ましくは、薬学的に許容
される潤滑剤(d)は、組成物中に含まれる。
【0107】
好ましくは、圧縮錠剤のため、とりわけ直接圧縮錠剤のために、上記の組成物は、遊離
型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、とりわけLAF237を乾燥重量ベース
で20から35%、最も好ましくは22から28重量%含む。
【0108】
さらに、上記の従来の固体増量剤または担体のような従来の賦形剤が、所望により本明
細書に記載の製剤に添加され得る。
【0109】
上記の製剤は、特に、医薬錠剤、例えば圧縮錠剤または好ましくは直接圧縮錠剤、カプ
レットまたはカプセルの製造に適し、当業者が要する必要な物理的特性、溶解性および薬
剤放出プロフィールを提供する。故に、さらなる態様において、本発明は、特に造粒、直
接圧縮および乾式造粒(スラグ形成またはローラー圧縮)のため、医薬錠剤、カプレット
またはカプセルの製造のための、上記の製剤の何れかの使用に関する。
【0110】
上記の製剤はまた、特に、錠剤、とりわけ圧縮錠剤、およびより好ましくは直接圧縮錠
剤の製造に有用である。
【0111】
特に、上記製剤により得られる錠剤は、とりわけ直接圧縮錠剤または下記の直接圧縮錠
剤の形態に加工されるとき、非常に少ないもろさの問題、非常に強い破壊強度、改善され
た製造ロバスト性、最適な錠剤の厚さ対錠剤の重量比(直接圧縮錠剤)、低水分量の製剤
、とりわけ直接圧縮錠剤、British Pharmacopoeia 1988に従った良好な分解崩壊時間DT
、良好な分散品質を有する。
【0112】
本発明のDPP−IV阻害物質の直接圧縮は、混合および圧縮を伴う。賦形剤の等級の
選択は、粉末混合物の均一性および内容物のDPP−IV阻害物質の均一性を可能とする
範囲内に維持された粒子サイズを考慮に入れて行う。それは、直接圧縮中にポッパー中で
粉末が分離するのを防ぐ。これらの賦形剤を使用する利点は、それらが、粉末混合の圧縮
性、凝集性および流動性を与えることである。さらに、直接圧縮の使用は、競争できる単
位製造コスト、貯蔵期間を与え、熱および湿度を排除し、最良の粒子分離を可能にし、物
理的安定性および粒子サイズの均一性を確実にする。
【0113】
請求する組成物の記載の利点はまた、例えばローラー圧縮または湿式造粒、もしくはカ
プセルへの充填に非常に有用である。
【0114】
本明細書に記載の医薬組成物の開発において、本出願人らは、圧縮錠剤、とりわけ直接
錠剤が、
i)250μm未満、好ましくは10から250μmmの粒径分布を有するDPP−IV
阻害物質を含む粒子、および/または
ii)25℃および60%(RH)で1週間後に、錠剤の水分含量が10%未満、および
/または
iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mgであるとき、
特に有利であることを発見した。
【0115】
故に、本発明は、直接圧縮医薬錠剤に錠剤化する見込みのないまたは非常に困難な物理
的特性を有する、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質を含む、圧縮医薬錠
剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関する。好ましいDPP−IV阻害物質は、LAF2
37である。
【0116】
故に、第一の態様(a)において、本発明は、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤
であって、ここで前記分散が、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ま
しくはLAF237を含む粒子を包含し、そして錠剤中少なくとも60%、好ましくは8
0%およしそれ以上、好ましくは90%の粒径分布が、250μm未満か、または好まし
くは10から250μmであるものに関する。
【0117】
本発明は、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関し、ここで分散剤は、遊離型ま
たは酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む粒子を包含し
、そして錠剤中少なくとも60%、好ましくは80%およびそれ以上、好ましくは90%
の粒径分布が10μm以上である。
【0118】
用語“少なくとも60%、好ましくは80%、および最も好ましくは90%”は、少な
くとも60%、好ましくは少なくとも80%およびそれ以上、好ましくは少なくとも90
%を意味する。
【0119】
用語“少なくとも少なくとも25%、好ましくは35%およびそれ以上、好ましくは4
5%”は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%およびそれ以上、最も好まし
くは少なくとも45%を意味する。
【0120】
特に、本発明は、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関し、ここで分散剤は、遊
離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む粒子を
包含し、そして錠剤中少なくとも25%、好ましくは35%およびそれ以上、好ましくは
45%の粒径分布が、50から150μmである。
【0121】
第二の態様(b)において、本発明は、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関し
、ここで分散剤は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLA
F237を含む粒子を包含し、そして錠剤の厚さ対錠剤の重量の比は、0.002から0
.06mm/mg、好ましくは0.01から0.03mm/mgである。
【0122】
上記の第一および第二の態様(a)および(b)の組合せは、良好な圧縮特性を有する
圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤を提供する。
【0123】
故に、本発明はまた、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤に関し、ここで分散剤は、遊
離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む粒子を
包含し、そして
i)錠剤中、少なくとも60%、好ましくは80%、および最も好ましくは90%の粒径
分布が、250μm未満、または好ましくは10から250μmであり、そして
ii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mgまたは0.01
から0.03mm/mgであり、
好ましくは;
i)錠剤中、少なくとも25%、好ましくは35%、および最も好ましくは45%の粒径
分布が、50から150μmであり、そして
ii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01か
ら0.03mm/mgである。
【0124】
第三の態様において、本発明は、圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮医薬錠剤に関し、ここ
で分散剤は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF23
7を含む粒子を包含し、そして;
i)錠剤中、少なくとも60%、好ましくは80%、および最も好ましくは90%の粒径
分布が、250μm未満、好ましくは10から250μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、10%未満であり、そ
して
iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mgである。
【0125】
好ましくは、本発明は、圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤に関し、ここで分散剤
は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む
粒子を包含し、そして;
i)錠剤中、少なくとも25%、好ましくは35%、および最も好ましくは45%の粒径
分布が、50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、10%未満であり、そ
して
iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mgである。
【0126】
好ましくは、本発明は、圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤に関し、ここで分散剤
は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む
粒子を包含し、そして;
i)錠剤中、少なくとも25%、好ましくは35%、および最も好ましくは45%の粒径
分布が、50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、5%未満であり、そし

iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mgである。
【0127】
好ましくは、本発明は、圧縮錠剤、最も好ましくは直接圧縮錠剤に関し、ここで分散剤
は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237を含む
粒子を包含し、そして;
i)錠剤中、少なくとも25%、好ましくは35%、および最も好ましくは45%の粒径
分布が、50から150μmであり、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、5%未満であり、そし

iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.01から0.03mm/mgである。
【0128】
非常に好ましい局面において、上記の三態様、すなわち、圧縮錠剤および直接圧縮錠剤
は、
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む医薬組成物のような、本明細書に記載の組成物を含む。
【0129】
好ましくは、DPPIV粒子、とりわけLAF237粒子は、70%以上のDPPIV
阻害物質、最も好ましくは90%または95%以上、ならびにさらにより好ましくは98
%以上のDPPIV阻害物質を含む。
【0130】
好ましくは、LAF237粒子は、70%以上のLAF237、より好ましくは90%
または95%以上、ならびにさらにより好ましくは98%以上のLAF237を含む。
【0131】
DPPIV阻害物質、とりわけLAF237の選択された粒径分布が、錠剤に最高の圧
縮を提供するのに特に重要であることが明らかになった。
【0132】
さらなる好ましい態様において、選択された賦形剤(b)、(c)および/または(d
)の粒径分布は、DPP−IV阻害物質粒子、好ましくはLAF237粒子の粒径分布と
類似する。
【0133】
用語“類似”とは、錠剤中、賦形剤の粒径分布が、5から400μm、または10から
300μm、好ましくは10から250μmであることを意味する。
【0134】
適する粒径分布を有する好ましい賦形剤を、例えばHandbook of Pharmaceutical Excip
ients (4th edition), Edited by Raymond C Rowe−Publisher: Science and Practiceか
ら選択することができる。
【0135】
薬剤の粒子サイズ、例えばLAF237粒子サイズは、結晶化、乾燥および/または粉
砕/ふるい分け(限定されない例を下記に記載する)により制御される。粒子サイズはま
た、ローラー圧縮および粉砕/ふるい分けを用いて粉砕され得る。正確な粒子サイズの製
造は、よく知られており、そして“Pharmaceutical dosage forms: volume 2, 2nd editi
on, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartz (Chapter 3: SIZE REDUCTION)”の
ように当技術分野で記載されている。
【0136】
多数の粒子サイズが、研究されており、そして本明細書に記載の特定のサイズ範囲が、
直接圧縮のための予期せぬ良い結果を提供すること発見されている。
【0137】
分析的ふるい分けにより概算される粒子サイズ分布:粒子サイズ分布は、ふるい分析、
光子相関法またはレーザー回折(国際標準ISO13320−1)、または当業者に周知
の方法である電子センシングゾーン法、光障害法(light obstruction)、沈殿法または顕
微鏡法を用いて測定される。ふるい分けは、粒径分布による粉末分類の最も古い方法の1
個である。かかる方法は、公知であり、かつ何らかの分析化学テキストまたは連邦食品医
薬品局(FDA)の実施基準を記載するUnited State Pharmacopeia’s (USP) publicati
on USP−NF (2004−Chapter 786−(The United States Pharmacopeial Convention, Inc.
, Rockville, MD))のような技術分野に記載される。例えばPharmaceutical dosage for
ms: volume 2, 2nd edition, Ed.: H.A.Lieberman, L.Lachman, J.B.Schwartzに記載され
る用いた技術は、よい例である。また、(187頁)にさらなる方法が記載されている:
電子センシングゾーン法、光障害法、空気浸透法、ガスまたは液体中の沈殿法。
【0138】
粒子サイズの空気ジェットふるい測定において、ふるい上の物質が流動されるように、
回転スリットから空気を上方に引き込み、ふるいを通す。同時に、収集装置へ微細粒子を
移すふるいの下部に、陰圧を用いる。サイズ分析および平均粒子サイズの測定を、単一の
ふるいを一定して用いることにより最も微細なサイズ分布からの粒子の取り出しにより行
う。このことのさらに詳細は、“Particle Size Measurement”、5th Ed. , p 178, vol.
1; T. Allen, Chapman & Hall, London, UK, 1997も参照のこと。当業者にとっては、
サイズ測定自体は、故に、従来形式のままである。
【0139】
錠剤の水分含量は、当業者に公知の方法である乾燥減量法またはKarl−Fisch
er法を用いて測定することができる(例えば、水分含量を、サーモグラム法による乾燥
減量により測定することができる)。かかる方法は公知であり、何らかの分析化学テキス
トブック(J.A. Dean, Analytical Chemistry Handbook, Section 19, McGraw−Hill, Ne
w York, 1995)にか、または連邦食品医薬品局(FDA)の実施基準を記載する米国薬局
方(USP)公布USP−NF(2004)(2004−USP−Chapter 921)などに技術的に
記載されている。
【0140】
錠剤の厚さは、定規、副尺付きカリパス、ねじゲージまたは容積を測定するための何ら
かの電子的方法を用いて測定することができる。本発明者らは、錠剤の厚さ(mm)を錠
剤の重量(mg)で割り、その比を得る。かかる方法は公知であり、何らかの分析化学テ
キストブックまたは連邦食品医薬品局(FDA)の実施基準を記載する米国薬局方(US
P)公布USP−NF(2004)などに技術的に記載されている。
【0141】
本発明は、特に、本明細書中に定義の分散性錠剤に関する英国薬局方委員会の試験に従
い710μmのメッシュ孔を有するふるいスクリーンを通過できる分散性を与えるため、
5から15分間内に水に分散できる圧縮錠剤または直接圧縮錠剤を提供する。
【0142】
本発明の錠剤、ならびに水に素早く分散可能な錠剤は、分散時間および分散性(すなわ
ち、710μmふるいの通過)について、分散性錠剤に関する英国薬局方(B.P.)の
試験を満たすさらなる利点を有する。
【0143】
好ましくは、本発明の錠剤の分散時間は、15分未満、より好ましくは12分未満、最
も好ましくは10分未満である。
【0144】
本発明の錠剤のさらなる利点は、比較的細かい分散が錠剤を形成するため、より短い溶
解時間を有し得、それ故に、薬剤がより早く血流に吸収され得ることである。さらに、本
発明の錠剤で得られる早い分散時間および比較的細かい分散はまた、嚥下可能な錠剤にと
って有利である。故に、本発明の錠剤は、水への分散、およびまた直接嚥下の両方のため
に提供し得る。嚥下を意図した本発明の錠剤は、好ましくは、嚥下を助けるためにフィル
ムコートされる。
【0145】
さらなる態様において、本発明は、改善された溶解率(薬剤の溶解)を有する圧縮錠剤
に関し、ここで、前記分散は、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ま
しくはLAF237を含む粒子、すなわちDPPIV粒子、とりわけLAF237粒子を
含み、錠剤中少なくとも60%、好ましくは80%、最も好ましくは90%の粒径分布が
10から250mmであり、
そして
i)0から10分間に、85から99.5%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分間に、90から99.5%の活性成分が放出され、
好ましくは、
i)0から10分間に、88から99.5%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分間に、95から99.5%の活性成分が放出されるか、
または、好ましくは、
i)0から10分間に、89から94%の活性成分が放出され、そして
ii)10から15分間に、96から99%の活性成分が放出される。
【0146】
薬剤溶解率(放出%)を測定するためのパドル法を、1000mlの0.01N HC
lを用いて行う。かかる方法は公知であり、何らかの分析化学テキストブックまたは連邦
食品医薬品局(FDA)の実施基準(2004−USP−Chapter 921)に記載の米国薬局方(U
SP)公布USP−NF(2004 − Chapter 711)などに技術的に記載されている。
【0147】
本発明はまた、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮錠剤の製造方法であって、こ
こで
i)錠剤中、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF23
7を含む少なくとも60%、好ましくは80%、最も好ましくは90%の粒子が、10か
ら250μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に10%未満であり、そし

iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が0.002から0.06mmである、
方法を提供し、それは
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで5−60重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237;
および
(ii)希釈剤、崩壊剤および潤滑剤から選択される少なくとも1個の賦形剤、
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態でDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮
錠剤を形成することを含む。
【0148】
好ましくは、上記の工程は、
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで5−60重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237;
(ii)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量ベースで0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態でDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮
錠剤を形成することを含む。
【0149】
最も好ましくは、前記工程は、
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで25−35重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237

(ii)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態のDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮錠
剤を形成することを含む。
【0150】
好ましくは、工程(a)で用いる混合組成物は、本明細書に記載の好ましい製剤から選
択される。
【0151】
好ましいDPP−IV阻害物質はLAF237であり、好ましい希釈剤は、微結晶セル
ロースまたはラクトースであるか、または好ましくは微結晶セルロースとラクトースの組
合せであり、好ましい崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムであり、そして好まし
い潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0152】
最高の態様において、前記工程は、(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで20−35重量%、または好ましくは25−30重量%の遊離型
または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量ベースで25−70重量%、または好ましくは35−50重量%のアビ
セルPH102のような薬学的に許容される微結晶セルロース;
(iii)乾燥重量ベースで5−40重量%、または好ましくは18−35重量%の薬学
的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量ベースで0−10重量%、または好ましくは1−4重量%の薬学的に許
容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および
(v)乾燥重量ベースで0.25−6重量%、または好ましくは0.5−4重量%の薬学
的に許容されるステアリン酸マグネシウム
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態のDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮
錠剤を形成することを含む。
【0153】
本発明はまた、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮錠剤を製造するための方法で
あって、
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで30−32重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量ベースで40−45重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース(ア
ビセルPH102);
(iii)乾燥重量ベースで20−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量ベースで1.5−2重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸
ナトリウム;および
(v)乾燥重量ベースで0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態のDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮
錠剤を形成することを含む方法を提供する。
【0154】
本発明はまた、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮錠剤を製造するための方法で
あって、
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで23−28重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量ベースで45−50重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース(ア
ビセルPH102);
(iii)乾燥重量ベースで20−25重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量ベースで1.5−2重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸
ナトリウム;および
(v)乾燥重量ベースで0.1−2重量%のステアリン酸マグネシウム
を混合し、錠剤へ直接圧縮できる、打錠用粉末の形態のDPP−IV阻害製剤を形成し;
そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮し、単位投与形態のDPP−IV阻害物質圧縮
錠剤を形成することを含む方法を提供する。
【0155】
圧縮(b)の前に、ふるい工程を、すなわち、全ての凝集体/ケイクを除去するために
簡単な脱集合を、製剤に行うことが好ましい。
【0156】
他の態様において、本発明は、上記の医薬組成物を含むカプセルであって、好ましくは

i)カプセル中、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF
237を含む、少なくとも60%、好ましくは80%、最も好ましくは90%の粒子が、
10から500μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、10%未満である
カプセルを包含する。
【0157】
より好ましくは、上記の医薬組成物を含むカプセルであって、好ましくは;
i)カプセル中、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF
237を含む、少なくとも60%、好ましくは80%、最も好ましくは90%の粒子が、
10から250μmの粒径分布を有し、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に、5%未満である
カプセルを包含する。
【0158】
最終製品を、常套的な打錠機または類似の機械を用いて、錠剤、カプセルなどの形態で
製造する。
最も好ましくは、本明細書に記載の製剤、圧縮錠剤または方法のためのDPP−IV阻
害物質は、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセ
チル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)−1−[(3−ヒドロ
キシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イ
ソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−
(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6
−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−
4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミ
ド、ならびに所望により何らかの場合にその薬学的塩から選択される。
【0159】
最も好ましくは、DPP−IV阻害物質は、1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1
−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリル(LAF237ま
たはビルダグリプチン)である。
【0160】
さらなる局面において、本発明は、インスリン非依存性糖尿病、関節炎、肥満、同種移
植片移植術、カルシトニン−骨粗鬆症、心不全、グルコース代謝障害、IGT(耐糖能異
常)、アルツハイマー病およびパーキンソン病のような神経変性疾患などの状態の処置の
ため、高脂血症の調節、高脂血症に関係する状態の調節またはVLDL、LDLおよびL
p(a)レベルの低下のため、心疾患または腎疾患、例えば糖尿病性心筋症、左または右
心室肥大、動脈および/または大血管の肥大性内側肥厚、腸間膜脈管肥大、メサンギウム
肥大、神経変性障害および認知障害のような状態の処置のため、鎮静作用または抗不安作
用を産するため、外科手術後の代謝変化およびストレスに対するホルモン応答を軽減する
ため、心筋梗塞後の死亡率および罹患率を減少するため、GLP−1および/またはGL
P−2レベルにより仲介され得る上記の効果に関係する状態の処置のための本明細書に記
載の製剤、カプセル、錠剤、圧縮錠剤、直接圧縮錠剤の使用に関する。
【0161】
それぞれの場合において、特に化合物の請求項、実施例の最終製品、最終製品の主題、
正確な粒子サイズを得るための分析および測定方法(例えば、USP文献)、医薬製造物
、賦形剤および請求の化合物は、本明細書に記載の刊行物または特許出願を参照すること
により、本出願に包含される。
【0162】
本発明を、下記の実施例によりさらに説明する:
【0163】
実施例1
25mgの錠剤サイズ(直接圧縮錠剤)を製造するため、7kgサイズのバッチを、単
位当たり下記の対応する量を用いて製造する:単位当たり25mgの化合物1−[(3−
ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カル
ボニトリルを、35.1mgの微結晶セルロース、17.5mgの無水ラクトースおよび
1.6mgのデンプングリコール酸ナトリウムと共に混合する。成分を、市販の蓋付き混
合器中で共に予め混合し、その後500μmまたは850μmスクリーンを通してふるい
分けする。混合物を、前記蓋付き混合器中で再び混合し、その後、25mgの錠剤サイズ
当たり0.8mgのステアリン酸マグネシウムを得るために、必要量のステアリン酸マグ
ネシウムを加える。各工程での混合を約150−450回転で行い、混合物の均一を確実
にする。蓋付き混合器中で再び混合後、混合物を、従来の打錠機で錠剤にできる。25m
gの錠剤の個々の錠剤の重量は、80mgである。それぞれ、50mgの活性成分を有す
る錠剤の重量は160mgであり、100mgの活性成分を有する錠剤の重量は320m
gである。混合物は、望ましい錠剤サイズへの優れた圧縮性を有する粉末である。
【0164】
実施例2
実施例1に上記の方法と同様の方法を、下記の好ましい50mgの錠剤(直接圧縮)を
製造するために用いることができる。
【表1】

【0165】
実施例3:
上記の詳細な記載および例に従い製造された錠剤を、下記のように試験することができ
る。
錠剤評価法
1.平均錠剤の重量。20個の錠剤を、化学天秤で重さを量り、平均錠剤の重量を測定す
る。
2.錠剤破壊強度(キロ結合−kp)。5個の錠剤を、Schleunigerの破砕強
度試験器、および計算された平均破壊強度を用いて別個に試験する。
3.もろさ(%損失)。正確に計量した10個の錠剤を、Roche Friabila
torを用いて10分間のもろさ試験に付す。錠剤を脱塵し、再び計量し、もろさによる
損失重量を、最初の重量の割合として計算する。
4.分散崩壊時間DT(分散性錠剤の試験は、British Pharmacopoeia, 1988, Volume II
, page 895−BP 1988に定義されている)。6個の錠剤を、分散性錠剤について上に定義
のBP試験(ディスクなし)に従い試験する。これは、19℃−21℃の温度で水を利用
する。
5.分散性。分散性錠剤(BP 1988 Volume II page 895)についてのBP分散均一性試験
に従い。2個の錠剤を100mlの水に19℃−21℃で放置し、分散させる。
【0166】
顆粒評価法
1.乾燥減量(LOD)。顆粒の余剰の水分含量(LOD)を、Computrac m
oisture分析器を90℃の設定で、製造業者の指示に従って用い、3−4gの試料
で測定することができる。
2.重量中央径(WMD)。10gの顆粒試料を、製造業者の指示に従いAllen B
radley sonicふるい器で、適切なパルスおよびふるい振幅にて2分間ふるい
にかける。300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、53μmお
よび40μmのふるいを用いる。WMDを、コンピュータプログラムを用いてより小さい
サイズのサイズ分布の累積率から計算する。
【0167】
実施例4:
改善された製造上のロバスト性
予備的適合性評価を、異なる製剤、ならびにLAF237と異なる賦形剤、例えば微結
晶セルロース(アビセルPH102)の二元混合物を用いてCarver press上
で行う。
【0168】
データは、高圧(圧縮力)で圧縮された本組成物が、実質的に錠剤強度の有益な増加を
示すことを証明する。特に、例えばLAF237とアビセルの混合物は、実質的に錠剤強
度の有益な増加を示す。これらの結果は、微結晶セルロース、例えばアビセルがLAF2
37と組み合わされる好ましい賦形剤であり得るという圧縮性の観点から示される。高圧
(圧縮力)で、本製剤および選択範囲は、実質的に、錠剤強度の有用な増加を示す。
【0169】
圧縮性試験(D. Becker, personal communication)を、上部および下部両方の孔上に
力および変位センサーを備えるKorsch single station pres
s器で行う。
【0170】
明らかな表示が、優れた圧縮性に十分量の増量剤を用いて希釈したにもかかわらず、L
AF237錠剤は、弱い錠剤硬度/破砕強度を有する可能性が高いというこれらのデータ
から得られる。本製剤および選択した範囲は、特に、必要な圧縮性を与えるために適当で
ある。微結晶セルロース、例えばアビセルは、この観点で増量剤として良い選択である。
【0171】
実施例5:もろさ
評価を、6つの異なる設定でManesty Betapressを用いて行う:66
−90rpmのひずみ速度設定(63,000−86,000TPH)および7.5−1
5kNの力。前記検定は、250mgの錠剤に9mm直径および310mgの錠剤に10
mm直径(他の直径を、試験錠剤の重量に依存して用いる)の器具で、Flat−fac
ed Beveled−edge(FFBE)を用いる。全錠剤重量は、9および10m
mの両方のFFBE錠剤が、100mgのLAF237、および同じ錠剤の厚さを有し得
るように選択された。もろさ、圧縮性プロフィール、ひずみ速度プロフィールおよび様々
な重量を、測定により得る。試験デザインおよび試験から得られたもろさの結果を、硬度
の結果に影響する変数(製剤の粒径分布、錠剤の重量、錠剤の厚さおよび重量、錠剤の水
分含量など)を決定するために用いる。
【0172】
実施例6:機械的ストレス(粒径分布)
所望の粒子サイズ範囲の物質を、ビルダグリプチンの何らかの形態、例えば無定形ビル
ダグリプチンから、機械的ストレスにより製造することができる。この圧力を、衝撃、せ
ん断または圧縮で仲介することができる。ほとんどの商業的に利用可能な粉砕装置で、こ
れらの原理の組み合わせが起こる。ビルダグリプチンでは、好ましくは衝撃またはジェッ
トミル機械を用いる。最も好ましい衝撃ミル機械は、異なる種類のビーター、スクリーン
、ライナーまたはピンプレートを備え得る。本方法に関して、好ましくは、5×2.5c
mプレートビーターおよびスリットスクリーンを備える衝撃式ミルを用いる。衝撃スピー
ドは、全てのバッチ間にも適合するように20から100m/s(末端スピードとして)
の間で可変であるべきである。本件の場合、約40−50m/sのビーターの末端スピー
ドが用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)乾燥重量ベースで5−60重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻
害物質;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
(a)乾燥重量ベースで20−40重量%、好ましくは20−35重量%の遊離型また
は酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV
阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで62−78重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(c)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および、所望によ

(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)乾燥重量ベースで22−28重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV
阻害物質を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(a)乾燥重量ベースで30−35重量%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV
阻害物質、および
(b)乾燥重量ベースで58−72重量%の薬学的に許容される希釈剤
を含む、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
i)微結晶セルロースおよびラクトースから選択される1個または2個の希釈剤
ii)微結晶セルロースおよびラクトースである2個の希釈剤
iii)乾燥重量ベースで25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許
容される微結晶セルロース、または
iv)乾燥重量ベースで25−70重量%、好ましくは35−55重量%の薬学的に許容
される微結晶セルロース、および乾燥重量ベースで5−40重量%、好ましくは18−3
5重量%のラクトース
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(c)乾燥重量ベースで1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤、および/または(
d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤を含む、請求項1
から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%のDPP−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナト
リウム;(e)乾燥重量ベースで0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)乾燥重量ベースで25−35%の遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害
物質;
(b)乾燥重量ベースで25−70重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで5−40重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナト
リウム;
(e)乾燥重量ベースで0.25−6重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(a)乾燥重量ベースで30−35重量%、好ましくは30−32重量%のDPP−I
V阻害物質、例えばLAF237;
(b)乾燥重量ベースで35−50重量%、好ましくは40−45重量%の薬学的に許容
される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで18−35重量%、好ましくは20−25重量%の薬学的に許容
されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで1−4重量%、好ましくは1.5−2.5重量%の薬学的に許容
されるデンプングリコール酸ナトリウム;および
(e)乾燥重量ベースで0.5−4重量%、好ましくは0.1−2重量%のステアリン酸
マグネシウム
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(a)乾燥重量ベースで20−35重量%、好ましくは22−28重量%のDPP−I
V阻害物質、例えばLAF237;
(b)乾燥重量ベースで35−55重量%の薬学的に許容される微結晶セルロース;
(c)乾燥重量ベースで18−35重量%の薬学的に許容されるラクトース;
(d)乾燥重量ベースで1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナトリ
ウム;および
(e)乾燥重量ベースで0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
(a)乾燥重量ベースで約22重量%から約28重量%のDPP−IV阻害物質または
式(I)のDPP−IV阻害物質;
(b)乾燥重量ベースで約45重量%から約50重量%の薬学的に許容される微結晶セル
ロース;
(c)乾燥重量ベースで約20重量%から約25重量%の薬学的に許容されるラクトース

(d)乾燥重量ベースで約1.5重量%から約2.5重量%の薬学的に許容されるデンプ
ングリコール酸ナトリウム;および
(e)乾燥重量ベースで約0.1重量%から約2重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記DPP−IV阻害物質が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ
]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)
−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリ
ジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS
−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−
1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル
)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル
]オキシ}アセトアミド、ならびに所望により任意の場合にその薬学的塩から選択される
、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記DPP−IV阻害物質が、1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ
)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請
求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
分散剤が、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質を含んでなる粒子を含み
、そして錠剤の粒子サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満である、圧縮医薬錠
剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項16】
分散剤が、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質を含んでなる粒子を含み
、そして錠剤の厚さ対錠剤の重量比が、0.002から0.06mm/mg、好ましくは
0.01から0.03mm/mgである、圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項17】
分散剤が、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質を含んでなる粒子を含み
、そして;
i)錠剤の粒径サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から2
50μmの間であり、そして
ii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が0.002から0.06mm/mgまたは0.01か
ら0.03mm/mgである、
圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項18】
分散剤が、遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF23
7を含んでなる粒子を含み、そして;
i)錠剤の粒径サイズ分布の少なくとも60%が250μm未満、好ましくは10から2
50μmの間であり、
ii)錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に10%未満であり、
iii)錠剤の厚さ対錠剤の重量比が0.002から0.06mm/mgである、
圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項19】
錠剤の粒径サイズ分布が50から150μmの間である、請求項15から18のいずれ
か一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項20】
錠剤の水分含量が、25℃および60%RHで1週間後に5%未満である、請求項15
から19のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項21】
錠剤の厚さ対錠剤の重量比が0.01から0.03mm/mgである、請求項15から
20のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項22】
錠剤の粒径サイズ分布の少なくとも60%または少なくとも80%が、10から250
μmの間である、請求項15から21のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧
縮医薬錠剤。
【請求項23】
錠剤の粒径分布の少なくとも25%または少なくとも35%が、50から150μmの
間である、請求項15から21のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬
錠剤。
【請求項24】
前記錠剤が、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を含む、請求項15から
23のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項25】
i)0から10分に、活性成分の85から99.5%が放出され、そして
ii)10から15分に、活性成分の90から99.5%が放出される、
請求項15から24のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項26】
錠剤中の薬学的賦形剤の粒径サイズ分布が5から400μmの間である、請求項15か
ら24のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項27】
前記DPP−IV阻害物質が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ
]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)
−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリ
ジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS
−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−
1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル
)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル
]オキシ}アセトアミド、ならびに所望により任意の場合にその薬学的塩から選択される
、請求項15から26のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項28】
前記DPP−IV阻害物質が、N−(置換グリシル)−2−シアノピロリジン、とりわ
け1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−
2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請求項15から26のいずれか一
項に記載の圧縮医薬錠剤または直接圧縮医薬錠剤。
【請求項29】
直接圧縮錠剤である、請求項15から28のいずれか一項に記載の圧縮医薬錠剤。
【請求項30】
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の固形投与形態。
【請求項31】
錠剤である、請求項30の固形投与形態。
【請求項32】
カプセル剤である、請求項30の固形投与形態。
【請求項33】
圧縮錠剤、好ましくは直接圧縮錠剤である、請求項1から14のいずれか一項に記載の
組成物の固形投与形態。
【請求項34】
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで6−60重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237;
および
(ii)希釈剤、崩壊剤および潤滑剤から選択される少なくとも1個の賦形剤、
を混合し、錠剤へ直接圧縮され得る、打錠用粉末の形態にDPP−IV阻害製剤を形成し
;そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮して、単位投与形態の圧縮されたDPP−IV
阻害錠剤を形成すること
を含む、単位投与形態の請求項15から29のいずれか一項に記載の直接圧縮錠剤を製造
する方法。
【請求項35】
(a)乾燥重量ベースの重量%として:
(i)乾燥重量ベースで25−35重量%のDPP−IV阻害物質、例えばLAF237

(ii)乾燥重量ベースで40−95重量%の薬学的に許容される希釈剤;
(iii)乾燥重量ベースで0−10重量%の薬学的に許容される崩壊剤;および
(iv)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
を混合し、錠剤へ直接圧縮され得る、打錠用粉末の形態にDPP−IV阻害製剤を形成し
;そして
(b)工程(a)で製造された製剤を圧縮して、単位投与形態の圧縮DPP−IV阻害錠
剤を形成すること
を含む、単位投与形態の請求項15から29のいずれか一項に記載の直接圧縮錠剤を製造
するための方法。
【請求項36】
前記混合製剤が:
(i)乾燥重量ベースで20−35重量%、または好ましくは25−30重量%の遊離型
または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、好ましくはLAF237;
(ii)乾燥重量ベースで25−70重量%、または好ましくは35−50重量%のアビ
セルPH102のような薬学的に許容される微結晶セルロース;
(iii)乾燥重ベースで5−40重量%、または好ましくは18−35重量%の薬学的
に許容されるラクトース;
(iv)乾燥重量ベースで0−10重量%、または好ましくは1−4重量%の薬学的に許
容されるデンプングリコール酸ナトリウム;および
(v)乾燥重量ベースで0.25−6重量%、または好ましくは0.5−4重量%の薬学
的に許容されるステアリン酸マグネシウム
を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
工程(a)に用いる混合製剤が、請求項1から14に記載の組成物から選択される、請
求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記DPP−IV阻害物質が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ
]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)
−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリ
ジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS
−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−
1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル
)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル
]オキシ}アセトアミド、および所望により任意の場合にその薬学的塩から選択される、
請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記DPP−IV阻害物質が、1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ
)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請
求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
単位投与形態中、乾燥重量ベースでのDPP−IV阻害物質の重量対希釈剤の錠剤の重
量比が、0.5:0.25、好ましくは0.4:0.28である、
(a)遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質、
(b)薬学的に許容される希釈剤
を含む、医薬組成物。
【請求項41】
前記希釈剤が、微結晶セルロースおよびラクトースから選択される、請求項40に記載
の組成物。
【請求項42】
少なくとも1個の希釈剤が微結晶セルロースであり、そして単位投与形態中、乾燥重量
ベースでのDPP−IV阻害物質の重量対微結晶セルロースの錠剤の重量比が、2:0.
333、好ましくは1:0.333、より好ましくは0.7:0.333である、請求項
40または請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
微結晶セルロースに加えて希釈剤としてラクトースを含む、請求項42または請求項4
0に記載の組成物。
【請求項44】
前記DPP−IV阻害物質が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ
]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)
−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリ
ジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS
−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−
1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル
)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル
]オキシ}アセトアミド、および所望により任意の場合にその薬学的塩から選択される、
請求項40から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記DPP−IV阻害物質が、1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ
)−アセチル]−ピロリジン−2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的塩である、請
求項40から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
1−[(3−ヒドロキシ−アダマント−1−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−
2(S)−カルボニトリルまたはその薬学的に許容される酸付加塩を20から120mg
、好ましくは25から100mg含む、請求項1から33または40から45のいずれか
一項に記載の組成物。
【請求項47】
(c)乾燥重量ベースで0−20重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量ベースで0.1−10重量%の薬学的に許容される潤滑剤
をさらに含む、請求項40から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
(c)乾燥重量ベースで1−6重量%の薬学的に許容される崩壊剤;
(d)乾燥重量ベースで0.25−6重量%の薬学的に許容される潤滑剤
をさらに含む、請求項40から47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
(c)乾燥重量ベースで1−4重量%の薬学的に許容されるデンプングリコール酸ナト
リウム;および
(d)乾燥重量ベースで0.5−4重量%のステアリン酸マグネシウム
をさらに含む、請求項40から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
請求項40から49の組成物を含む、請求項15から29のいずれか一項に記載の圧縮
医薬錠剤。
【請求項51】
(なし)
【請求項52】
錠剤である、請求項40から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
カプセル剤である、請求項40から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
遊離型または酸付加塩形態のDPP−IV阻害物質を含む、圧縮医薬錠剤、好ましくは
直接圧縮錠剤。
【請求項55】
前記DPP−IV阻害物質が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ
]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジンジヒドロクロライド、(S)
−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリ
ジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS
−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−
1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル
)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル
]オキシ}アセトアミド、ならびに所望により任意の場合にその薬学的塩から選択される
、請求項54に記載の圧縮医薬錠剤。

【公開番号】特開2012−176968(P2012−176968A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107450(P2012−107450)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2006−549999(P2006−549999)の分割
【原出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】