説明

直方体の流体貯蔵・計量分配容器

【課題】多種類の半導体ガスの貯蔵、供給装置を低圧で小型化する。
【解決手段】直方体形状の流体貯蔵・計量分配容器50,52を含む流体貯蔵・計量分配装置及び、こうした流体貯蔵・計量分配装置および/または使用時換気ガス清浄器61を、換気されたガスキャビネット20内に含む一体型ガスキャビネットアセンブリを開示する。たとえば、ガスキャビネット20から供給された処理ガスが、有毒又は有害な特性のものである場合、ガスキャビネット20は、物理的吸着剤及び化学吸着媒体の使用によって、運転の安全面で強化されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般には、直方体形状を有する流体貯蔵・計量分配容器を含む流体貯蔵・計量分配装置、およびかかる流体貯蔵・計量分配装置を含む一体型ガスキャビネットアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
吸着剤式の流体貯蔵・計量分配装置は、半導体製造用途で、様々な半導体製造装置の作業用のガス供給として、近年使用されるようになってきている。
【0003】
こうした半導体製造の作業の例としては、三フッ化ホウ素、アルシン、ホスフィンおよびジボランといった気体試薬を使用するイオン注入、多種多様の有機金属前駆体試薬ガスを使用する金属含有フィルムの化学蒸着、ならびに、シラン及びハロシランガスといったシリコン原料試薬を利用する絶縁体上シリコン(SOI)光電子構造体の製造を含むが、これらに限定されるものではない。
【0004】
市販の吸着剤式の流体貯蔵・計量分配装置としては、ATMI社(ATMI,Inc.)(コネチカット州、ダンベリー)及びマシソン・ガス・プロダクツ社(Matheson Gas Products, Inc.)(ニュージャージー州、パーシッパニー)のSDS(登録商標)及びSAGE(登録商標)が含まれる。こうしたシステムは、多くの場合、固体の物理的吸着剤媒体用の貯蔵容器として従来の高圧ガスシリンダ容器を含んでおり、こうした媒体としては、たとえば、分子篩(アルミノ珪酸塩)、活性炭または他の材料でガスシリンダ容器に貯蔵されもしくはそこから選択的に計量分配される流体に対して吸着親和性を有する材料等がある。ガスシリンダ容器は、吸着剤粒子床の形をした吸着媒体を保持しており、容器は吸着ガスで充填され、それによって吸着ガスは、ガス貯蔵用として、昔からこうしたガスシリンダで使用されてきた高圧(例えば、約1500〜5000トル又はそれ以上の圧力)より概してずっと低い圧力で、吸着剤床上に吸着して保持される。
【0005】
先行技術の高圧ガスシリンダは、ガス貯蔵用に実質的に大気圧より高い圧力を使用していた。こうした圧力レベルは、容器から供給される予定のガスの有効な貯蔵を可能にした。しかし、この実質的ガス供給容量には、高圧圧縮ガスの貯蔵に起こりやすい危険及び安全性の懸念が付き物である。シリンダ破裂または機能不全もしくは損傷した弁ヘッドからのガス漏れの場合において、高圧ガスシリンダは、加圧ガスが容器の周囲へ急速に放出される時に、大気中へのガスの破局的解放の危険を伴う。これは、半導体製造のような用途では特に問題で、多くの普通に使用される試薬及び洗浄ガスは、非常に有毒であるだけでなく、環境的に危険で、たとえば、大気との接触による自然発火性又は起爆性がある。
【0006】
先に参照したタイプの物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配容器は、低圧で、たとえば、400〜700トルの大気圧より低い圧力、そうでなければ高圧圧縮ガスシリンダに貯蔵されていた圧力よりかなり低い圧力で、ガスが吸着剤床に好適に保持されるので、ガス供給システムの安全性と有効性において著しい改善を実現している。したがって、容器の破損または弁ヘッドの故障の場合、周囲環境へのガスの放出率は非常に低く、たとえば、容器内の吸着剤床の含有ガスが大気圧より低い圧力で保持されている場合の拡散放出となる。安全性を強化された特性の結果、吸着剤式のガス貯蔵・計量分配容器は、これに応じて、運搬及び使用中に従来の高圧圧縮ガスシリンダに要求されるよりも、単純で低コストの収納、監視及び予備システムに収容される。
【0007】
物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムの使用において、計量分配は、容器の内部容積内に保持された物理的吸着媒体からのガスの脱着を引き起こすことで実行され、それによって脱着されたガスは容器から流出できる。
【0008】
脱着は、圧力差によって引き起こされることが可能で、それによって圧力は容器内の内部圧力より低い容器外部からもたらされる。その代わりにあるいはそれに加えて、脱着は、吸着ガスと物理的吸着媒体との間の結合性の低い結合を引き離すように、物理的吸着媒体の過熱によって引き起こされてもよい。さらに別の計量分配様式として、貫流する担体ガスによるその後の容器からの計量分配のために、担体ガス流内への吸着ガスの大量移入を引き起こす濃度差を吸着ガスに強制的に与えるように、担体ガスがガスシリンダ容器の内部容積を貫流してもよい。
【0009】
従来の高圧圧縮ガスの貯蔵及び計量分配用に使用され、かつ、物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムとして従来使用されている、ガスシリンダ容器は、その名称で表されるように、円筒形状容器であり、通常鋼材又は他の金属合金で形成され、上部の頚部開口部を有する。弁ヘッドアセンブリは、たとえば、溶接、蝋付け等で、頚部開口部に連結され、流路を含む弁ヘッド区画内に流量制御弁を含み、作動中の弁要素は流路内に配置され、必要に応じてガスシリンダ容器の内部容積から試薬流体の放出流を可能にするよう選択的に開放可能かつ閉鎖可能となっている。
【0010】
弁ヘッドは、手回しハンドル、自動弁作動装置または弁の操作用の他の構造的要素を含んでもよい。弁ヘッドは、通例、その放出面に流路管継ぎ手を付けて組み立てられ、あるいは流れの管路、導管、マニホールド等を連結するための他の手段を装備して、容器から弁ヘッドとそれに連結された流路回路を通って使用場所へガスが流されるのを可能にする。弁ヘッドは、オプションとして、その中に補足的な流路とポートとを含んでもよく、これらは、たとえば、容器への吸着媒体の装填用、設置された吸着剤床への吸着ガスの充填用、容器の浄化用、吸着媒体の前処理における容器での吸着媒体の焼き出し用等であり、さらに弁ヘッドは、ガス貯蔵・計量分配システムの運転にとっての必要に応じて、適した計量分配、監視、計測及び制御の装置に、一体化または連結されてもよい。
【0011】
上述したタイプの流体貯蔵・計量分配装置は、グレン・M・トム(Glenn M. Tom)およびジェームズ・V・マクマナス(James V. McManus)に対して発行された米国特許第5,518,528号明細書においてより詳細に述べられており、これによってその開示は全て本願に引用して援用する。
【0012】
市販の物理的吸着剤式の低圧ガス貯蔵・計量分配システムに採用されてきた容器は、依然として、高圧圧縮ガス貯蔵・計量分配装置で従来から使用されているタイプの重合金シリンダのままである。このように吸着剤式システムにおいて重合金シリンダの使用に固執するのは、多数の要因に起因する。
【0013】
こうした円筒形容器は、100年以上にわたって使用されてきており、ガスの貯蔵、運搬及び計量分配について、世界中の取り締まり当局によって一般に承認されている。これらの容器は、用意に入手可能で、多数の製造業者により大量生産されている。これらは比較的安価であり、広く一般に容認されている。
【0014】
これらの要因への補足として、貯蔵ガスの体積は圧力の関数なので、円筒形容器は、その断面形状の面積が最小(すなわち、円形)であるため、他の幾何学的形状に比べて、応力と変形が最小であり、含有ガスの高い圧力レベルに適応できる、という点がある。したがって、容器内のガス貯蔵を最大にするためには、安全性の配慮に合わせてこうした容器を高圧で使用することが一般的な方法となっていた。円筒形容器は高圧ガス用の本分として「過剰に設計」されているので、こうした容器は安全な輸送容器としみなされてきた。さらに、有毒かつ危険なガスが関与する場合、規制はこうした安全な輸送容器を義務付けてきた。
【0015】
これら全ての理由のため、重合金の円筒形容器は、物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムにとって標準的な輸送容器とされてきた。この事実にも関わらず、こうした容器が多大な関連した欠陥を有することは認識されるべきである。それらの過剰設計された特性の結果として、シリンダ壁は厚く、またそれらの鋼材もしくは他の構造金属の組み立てのために、こうした容器は著しい重量を有し、従ってより軽量の製品に比べると、輸送にコストがかかる。さらに、重い円筒形容器は、垂直に直立した細長い形態で、長さ対直径比は一般に1より大きく、したがって、移動、設置、及び交換するのにかさばって扱いにくい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムのための新しい改善された輸送容器に対する当該技術における切実な必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の概要
1つの実施態様では、本発明は、流体貯蔵・計量分配装置であって、内部容積を有する流体貯蔵・計量分配容器であり内部容積が流体を吸着して保持する物理的吸着剤を含みかつ容器から計量分配するために流体が該吸着剤から脱着可能である容器と、脱着された流体を容器から計量分配するため容器に連結された計量分配アセンブリと、を備え、流体貯蔵・計量分配容器は直方体形態である、流体貯蔵・計量分配装置に関する。
【0018】
本発明の別の実施態様は、ガスキャビネットアセンブリであって、
囲まれた内部容積の輪郭を定め、キャビネットからのガスを計量分配するように構成された上記内部容積内の流路回路を含む、ガスキャビネットと;
ガスキャビネットの内部容積内に配置されかつガス供給関係において流路回路へ連結されたガス供給源であって、上記ガス供給源は、少なくとも1つの直方体形態の流体貯蔵・計量分配容器を備え、上記流体貯蔵・計量分配容器の各々は、上記ガスを吸着して保持する物理的吸着剤を含み、さらに、流路回路への流れのために容器からの上記ガスの計量分配用に上記流体貯蔵・計量分配容器へ連結された計量分配アセンブリを備えている、ガス供給源と;
を備える、ガスキャビネットアセンブリに関する。
【0019】
本発明のさらに別の実施態様は、ガスキャビネットを含むガスキャビネットアセンブリの設置面積を削減する方法であって、該ガスキャビネットはガス貯蔵・計量分配容器を少なくとも1つ含むガス供給源を含んでおり、該容器は上記ガスを吸着して保持する物理的吸着剤を含み、上記方法は、少なくとも1つガス貯蔵・計量分配容器の各々を直方体形態の容器として提供するステップを含む、方法に関する。
【0020】
本発明のさらに別の実施態様は、低圧でガスを貯蔵及び計量分配する方法であって、直方体形態を有する容器を組み立てるステップと;上記ガスに対して吸着親和性を有する物理的吸着剤を容器に配置するステップと;上記物理的吸着剤に吸着させるため上記ガスを上記容器へ充填するステップと;上記容器を、作動可能弁を含む弁ヘッドで密閉して、物理的吸着剤と吸着されたガスを封入し、容器の外部環境からこれを隔離するステップと;物理的吸着剤から吸着されたガスを脱着するステップと;弁ヘッドの作動可能弁を作動させ、ガスの計量分配のために容器から作動可能弁を通してガスを流すステップと、を含む、方法に関する。
【0021】
別の実施態様では、本発明は、半導体製造設備の排気清浄器への流体負担量を軽減する方法であって、該設備は換気されたガスキャビネットを備えており、該ガスキャビネットはガスキャビネットの運転において換気ガスが流される時に通るガスキャビネットで、上記方法は、ガスキャビネットから放出する前に上記換気ガスをガスキャビネット内の浄化媒体と接触させて、該換気ガスから浄化可能な汚染物質を除去するステップと、浄化された換気ガスをガスキャビネットから放出するステップとを含み、それによって、半導体製造設備の上記消耗した清浄器による、放出された換気ガスの処理の必要性を不要にする、方法に関する。
【0022】
本発明のさらに別の実施態様は、ガスキャビネットアセンブリであって、囲まれた内部容積の輪郭を定め、キャビネットからの処理ガスを計量分配するように構成された上記内部容積内の流路回路を含む、換気されたガスキャビネットと、ガスキャビネットの内部容積内に配置されかつガス供給関係において流路回路へ連結された、処理ガス供給源と、換気されたガスキャビネットへ換気ガスを供給するよう構成された、換気ガス供給源と、換気されたガスキャビネットから換気ガスを放出するための、換気ガス出口と、換気されたガスキャビネットの内部容積内に配置され、換気されたガスキャビネットから換気ガス出口を通って換気ガスを放出する前に換気ガスから浄化可能な汚染物質を除去するよう構成された、使用時(point−of−use)清浄器と、を備えている、ガスキャビネットアセンブリに関する。
【0023】
本発明の他の実施態様、特徴及び実施形態は、この後に続く開示及び添付の特許請求の範囲からさらに詳細に明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明及びその好ましい実施形態
本発明は、物理的吸着剤式の流体貯蔵・計量分配装置は、直方体構造を有する流体貯蔵・計量分配容器を使用して組み立てられてもよい、という発見に基づいており、該直方体構造は、脱着処理の性質と程度、容器内の物理的吸着媒体にとって実現可能な装填密度、及び半導体製造作業用のこうした容器を備えた流体貯蔵・計量分配装置の有用性、に関して驚くべき予想外の利点を備えている。
【0025】
本発明の流体貯蔵・計量分配装置の直方体構造の容器の予想外の利点を説明するにあたって、説明に対する背景として、当初検討されたのは、物理的吸着剤式流体貯蔵・計量分配システム用に直方体構造を採用することは、非常に不利になる恐れがあるということだった。何故なら、(i)直方体容器は6面を有し、もし容器の各面が別個の断片である場合、組み立てには12の溶接線が必要であり(これに対して、円筒形容器は継ぎ目のない管状の圧延鋼材から形成してもよい);(ii)(i)に対応して、長方形構造の容器の組み立てコストは、これに相当する円筒形容器よりもかなり高いものになると予想され;(iii)直方体構造は、隣接する直角に向いた壁の接合部が「鋭」角で、これは接合部の線上に隙間を形成する可能性をもたらし、これに相当する円筒形形状容器(該円筒形形状容器は、こうした角がなく、代わりに容器の内部容積内の物理的吸着剤材料床に外接して断面面積が最小となる形状である)に比べて吸着剤床が角に「装填」せず;(iv)2つの直角をなす壁の互いの交差部は接合部を生成し、該接合部は、「継ぎ目のない」円筒形容器に比べると、接合部に向けられた圧力又は力による破断に対して影響を受けやすい、からである。
【0026】
しかし、直方体構造によって、容器は、隣接する壁の交差部の継ぎ目付近の領域では、装填された吸着剤床が余り緊密にならない領域を有し、実際はこうした低密度吸着剤床領域は、不利な点というよりむしろ、隙間にある脱着された又は未吸着のガスにとって、吸着剤床のかさ容積から流れ出るための、高ガス流量伝導経路として好適であることを、本出願人は発見した。
【0027】
さらに、正確には、円筒形容器は断面面積が最小となる構造で、壁面に外接した外周の長さは最小なので、円筒形容器内の壁に対して「存在」する吸着剤の量は、最大となる。逆の場合を考えると、断面において吸着剤床を取り囲む(に隣接する)壁の周辺の長さは、円筒形容器より直方体構造の方がずっと大きい。直方体構造はそれによって、相当する大きさの円筒形容器よりも、より多くの大量のガスが容器から放出するのを可能にする。これは吸着剤床を取り囲む壁面には非吸着の特性があり、長方形構造の容器内の吸着剤床の外側余白では、円筒形容器に存在するより、割合として多くの壁面が存在するからである。その結果、壁領域で脱着されたガスは、吸着剤床の内側部分で脱着されたガスよりも、吸着媒体から最初に脱着解放された後に続けて再び吸着されることが少ない。
【0028】
さらに、直方体構造は、特に、本願と同時に出願された、J・D・カラザーズ(J.D. Carruthers)の米国特許出願「モノリス炭素吸着剤備えたガス貯蔵・計量分配システム」に開示されたタイプのモノリス形態の吸着剤を保持することの有用性を有する。その内容で使用されるように、「モノリス」とは、吸着媒体が単一又はブロック状の形態をしていることを意味し、一般に多数の球状、粒状、顆粒状、ペレット等を含む吸着床の形態が使用されている、球状、粒状、顆粒状、ペレット等の従来の細粒化された形態でとは対照的である。従って、多数の細粒状物理的吸着剤要素の吸着床形態では、活性吸着剤の空隙率は、大部分は隙間又は粒子間のものであり、特性に合わせ、寸法、形状、吸着剤粒子の装填密度によって変動する。対照的に、モノリス形態では、可活性吸着剤及び空洞の空隙率とは、吸着剤の大きい本体の中におそらく加工中に形成される吸着剤材料自体の本来固有の気孔率となる。
【0029】
一の実施形態では、本発明は、直方体容器であって、閉鎖された内部容積の輪郭を定め、ガスを容器から選択的に放出するためにガス計量分配アセンブリを連結したポートを有する、直方体容器に関する。直方体容器は、適した形態の吸着媒体を含み、たとえば、所望量のガスを吸着保持するのに十分な能力と、脱着状態での良好な脱着解放と、良好な残量習性を備えた良好な作業能力(すなわち、当初吸着されたガスの高程度の脱着)とを提供し、並びに、対象となるガスに対する適切な吸着親和性を有し、それによってガスを容器内に貯蔵する間、低いガス圧が容器の内部容積内で維持される、形態である。
【0030】
したがって、物理的吸着剤は、分割された形態であることが可能で、該分割形態としては、たとえば、球状、ペレット、環状、小板、錠剤、円筒形押出物、顆粒、立方体形状、および成形された幾何学的に規則的および不規則な形状、または、直方体容器の内部容積内に配置され、こうした容器内に貯蔵されそこから選択的に計量分配されるガスを保持するのに使用される吸着媒体に通常適用される形態であれば、どのようなものでも可能である。
【0031】
こうした形態で用意される場合、物理的吸着剤は、吸着媒体床として、こうした形態の塊の形で使用される。こうした分割形態のサイズは、大量移送についての配慮および容器内に用いられる特定形状の分割形態にとっての装填要素に基づいて、本発明の所与の最終用途に合わせて直ちに決定することもできる。
【0032】
別の方法として、物理的吸着剤は、モノリス形態であることが可能であり、該モノリス形態としては、ブロック、煉瓦、ブール、又は、直方体容器と同じサイズの吸着媒体と同様の形態を備えていてもよく、それによって容器は1つ又は少数の、たとえば、75個未満、より好ましくは20個未満の、別個のモノリス物品を含む。別の好ましい実施態様では、容器はこうした別個のモノリス物品を8個以下含み、より好ましくは4個以下の物品、最も好ましくは容器が単一のモノリス物理的吸着剤物品を含む。
【0033】
直方体容器内に採用されたモノリス物品は、直方体容器の内部容積にサイズおよび形状が好適に適合された吸着剤塊(まとめて、吸着剤が複数のモノリス物品の形で用意される場合)を提供し、それによってモノリス物品の吸着剤塊は、直方体容器の内部容積の少なくとも60%を占め、好ましくはこうした容器の内部容積の約75〜約95%を占める。
【0034】
単一のモノリス形態が提供される場合、吸着媒体は、こうした目的のために、容器内のその場で形成されてもよく、たとえば、液体もしくはその他の流動可能な形態の有機樹脂の熱分解により形成され、容器は、同樹脂が容器内において熱分解される前に、同樹脂で満たされる。
【0035】
別の方法として、複数のモノリス物品の形で用意する場合、こうした物品の各々は、容器の内部容積の高さの0.3〜1.0倍の長さと、容器の長方形断面面積の0.1〜0.5倍の断面面積を有する。各モノリス部材は、好ましくは容器の内部容積の容積利用を最大化するため直方体形状を有し、各モノリス部材は、容器の内部容積内で隣接モノリス部材と接触する面で、横方向および/または縦方向に隣接してもよい。別の方法として、ある例では、吸着剤モノリス部材が中実の円筒形の形をとることはおそらく望ましく、それぞれの円筒形部材は、それぞれの側面に沿って互いに接して隣接するように、並びに円形断面の末端面で少なくとも部分的に互いに直接接触して隣接するように、内部容積へ装填される。
【0036】
本発明のガス貯蔵・計量分配装置におけるガス貯蔵・計量分配容器の直方体形状は、半導体製造設備で広く使用されているようなガスキャビネットで、ガスキャビネット内部の無駄な容積が最小化されたガスキャビネット内へ設置及び格納できるよう、容器を収容する。このことは従来の円筒形容器と比べて著しい利益をもたらしており、従来の円筒形容器の方は、円形断面によって、壁、ならびにガス貯蔵・計量分配容器に隣接しているあるいは接近して近接している長方形及び正方形ガスキャビネットの他の構成部品、に近接して無駄な空間を作り出している。
【0037】
さらに、複数の容器がガスキャビネットに用いられ、並べて配置される場合、従来の円筒形容器の円形断面は、ガスキャビネットの内部にかなりの無駄な容積を作り出す一方で、本発明の直方体容器は、隣接する側壁面が互いに接触して隣接するあるいは接近して近接する横並びの位置関係に配置されることが可能で、ガスキャビネットの内部の無駄な空間の存在と量を最小限にすることができる。
【0038】
したがって、本発明のガス貯蔵・計量分配装置内の直方体容器は、ガスキャビネット内の未使用空間を、従来の円筒形容器に比べて著しく削減できる。その結果、先行技術の円筒形容器を備えて可能となる場合よりもさらに多くのガスを、本発明の容器を備えたガスキャビネットの同じ内部容積に貯蔵することが可能である。言い換えると、これは、ガスキャビネットの操作において容器交換の頻度を軽減し、このガスキャビネットは、使用済みガス供給容器の交換に費やす作業時間をさらに削減し、さらにガスキャビネット設備の所有者のコストを削減する。図1の直方体容器は、3.62リットルの容積充填空間を収容する一方で、ガスボックス内に同じ物理的配置をとる従来の円筒形容器は、2.2リットルしか容積充填空間を有しない。これに加えて、供給ガスの同じ在庫用のガスキャビネットは、さらに小型化して作成可能であり、それによって、ガスキャビネットの設置面積、ならびに、ガスキャビネット内の安全にとって必要な換気を生成するのに要する空気流、を削減する。
【0039】
本願で使用する際、「ガスキャビネット」および「ガスキャビネトリ」という用語は、少なくとも1つのガス供給容器が中に配備された囲いを指す。この囲いは、配管、マニホールド、弁、流体質量制御装置、圧力及び温度監視装置、を含む流路回路、を装備してもよく、またこの囲いは、流路回路を通り同じ外部の供給源から囲い内への清浄な乾燥した空気(CDA)の流れに関して換気されてもよく、換気された排気は、囲いが配備された設備用の建物排気処理システムへ放出されるか、でなければ、再利用スイープガスとして、囲いを通って処理され再利用される。
【0040】
特定の用途における囲いは、イオン注入システム内のガスボックスのような、半導体加工器具の構成部品であってもよい。
【0041】
囲いは、単一のガス供給容器を保持するように配置可能であり、あるいは、たとえば、2個または3個以上の容器の列を保持するように配置可能で、そこで、各々は同じまたは異なるガスを提供するよう配備されてもよく、また容器は、何らかの適した方法で流路回路と連結されてもよく、たとえば、囲い内の予備容器を備えてもよく、この予備容器へはガスを使い切った際に現在作動中の容器から流路回路が切り換えられ、この切り換えは、マイクロプロセッサ制御装置に接続されかつ所定時間又は1つ以上の監視されている処理状態が所定の設定点範囲にある間、稼動中の容器を操作するよう構成された周期タイマのような、囲い内の適切な監視・制御構成部品により行われる。
【0042】
本発明のガス供給装置の直方体容器は、何らかの適した方法で組み立て可能であり、たとえば、シートメタルの溶接による、あるいは薄いシートメタル材料の押出成形による組み立てが可能である。金属は、適したタイプのどのような金属でもよく、鋼材、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鋳、青銅または他の金属又は金属合金を含む。別の方法として、容器は、同様の技術又は他の技術、たとえば、超音波溶接、溶融接合、レーザー溶接、等の技術により、高分子材料、セラミック材料、ガラスおよびガラス質材料、およびガス貯蔵・計量分配容器用の構造材料として適した特性、たとえば、容器のガス包含機能用に十分に低い不透過性、を有する複合材料、で形成されてもよい。
【0043】
容器は、その表面に、たとえば、容器の上面に、ポートを備えて適切に組み立てられ、このポートには、弁ヘッドまたは他の計量分配アセンブリが、防漏洩密閉式に接合可能で、たとえば、容器及び計量分配手段の特定の材料にとって妥当である好適な接合または密閉の技術および材料により接合される。容器は、弁ヘッドの容器への接合より先に、開口ポートを通って粒状吸着剤を装填されてもよく、あるいは容器は、最終壁部材の取り付け前に、モノリス形態の吸着剤の設置を伴って形成されてもよく、もしくはモノリス吸着剤を、前述の通り、容器内のその場で形成可能である。
【0044】
一度容器内に設置されると、吸着媒体は、ガス抜きされてもよく、あるいは他の方法、たとえば、熱処理、加圧・減圧循環運動、または他の方法で、前処理されてもよい。吸着ガスは、最終密閉の前に容器に充填され、容器はこうした充填の間、冷却されてもよく、そうでなければ段階的充填等により温度管理され、吸着熱を分散させる。
【0045】
充填された容器は次に、たとえば、頭弁の閉鎖により密閉され、その後充填されたガス供給容器は必要に応じて、貯蔵、運搬又は使用のため設置されることが可能となる。
【0046】
ここで図面を参照すると、図1は、パイプ弁接続部弁ヘッド12と容器の上面に溶接されたハンドル14とを備えた、本発明の1つの実施形態による直方体の流体貯蔵・計量分配容器10の斜視図である。特定の実施形態の容器10は、溶接鋼材壁構造で形成され、容器の垂直(縦)軸に沿って正方形断面を有する。容器の壁は0.100インチ厚のカーボンスチールであり、容器の内部容量は3.62リットルである。ハンドル14は1/4インチのロッドストックで、示される形態に形成され、各端部で容器10へ溶接される。
【0047】
パイプ弁接続部弁ヘッド12の計量分配弁は、1インチ1/2のパイプスレッド接続により、貫通可能に容器10と結合される。弁ヘッドは、適切な数のポートをいくつ有してもよく、たとえば単一ポート弁ヘッド、2ポート弁ヘッド、3ポート弁ヘッド等がある。
【0048】
図2は、フランジタイプの弁接続部弁ヘッド12Aと容器10の上面に溶接されたハンドル14とを備えた、本発明の別の実施形態による直方体の流体貯蔵・計量分配容器10の斜視図である。図2の弁ヘッドは、図1に示すものとは異なり、図2の実施形態ではフランジタイプの弁接続部を有しており、図1に示すパイプタイプの接続部とは対照的である。図2に示すフランジ接続部は、容器10の上面に対してボルト締めするOリング溝を備えたフランジ部材を備える。
【0049】
図1および図2の実施形態のガス貯蔵・計量分配容器は、吸着ガスを吸着して保持する物理的吸着媒体を含む内部容積を有し、吸着ガスは、流路回路が弁ヘッドに連結され、弁ヘッド内の弁が開放されて、吸着ガスの脱着と容器から流路回路及び下流のガス消費工程への脱着ガスの放出とを許可する時、弁ヘッドを通り計量分配流路回路を通って計量分配される。吸着ガスは、容器から放出するために何らかの適した方法で、たとえば圧力仲介脱着、熱仲介脱着、および/または濃度勾配仲介脱着等が関わる方法で、吸着剤材料から脱着されてもよい。
【0050】
下流のガス消費工程は、適したタイプであればどのようなものでもよく、たとえば半導体製造工程などがある。こうした半導体製造工程の例証的例として、イオン注入、イオン注入以外の方法によるドーピング、化学蒸着、反応性イオンエッチング、フォトレジスト残留除去、等を含むが、これに限定されるものではない。
【0051】
吸着ガスは同様に、適したタイプであればどのようなものでも可能で、例として、アルシン、ホスフィン、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジシラン、シラン、ゲルマン、有機金属気体試薬、セレン化水素、テルル化水素、等を含むが、これに限定されるものではない。吸着ガスは、採用された物理的吸着媒体、および脱着されかつ計量分配されるガスが用いられる最終用途に合わせて、多種多様なタイプであってよい。
【0052】
吸着ガスは、適した圧力であればあらゆる圧力で容器に含まれることが可能で、大気圧より低い圧力、大気圧、および大気圧より高い圧力を含む。貯蔵流体の圧力は、大気圧より低くてもよく、たとえば、本発明のドーピング及びイオン注入用途用には約700トル以下の大気圧より低い圧力でもよい。例として、イオン注入ガス、たとえば、アルシン、ホスフィン、及び三フッ化ホウ素は、約400〜約700トルの範囲の圧力で貯蔵されてもよい。ガスは、本発明の種々の特定の用途において、ほぼ大気圧で容器に貯蔵されてもよく、あるいは少し大気圧より高い圧力、たとえば約1500トル以下の圧力で貯蔵されてもよい。
【0053】
図3は、図2に示したタイプの直方体の流体貯蔵・計量分配容器の、構造の詳細を示す、正面立面図である。図示されるように、ガス貯蔵・計量分配容器は、中に物理的吸着剤が配置された内部容積16を含む。物理的吸着剤は、適したタイプであればどのようなものでもよく、炭素、活性炭、金属添着炭、分子篩(アルミノ珪酸塩)材料、多孔質シリコン、シリカ、アルミナ、スチレン、ジビニルベンゼン高分子材料、吸着粘土、及び機能化焼結ガラス媒体、等を含む。
【0054】
物理的吸着剤は、同様に、それが採用される特定の用途におけるガス貯蔵・計量分配システムの使用にとって妥当な適した形態であればどのようなものでもよい。吸着媒体は、球状、顆粒状、ペレット等の分割形態でもよく、あるいは本願において上述したようにモノリス形状でもよい。
【0055】
容器にはフランジタイプの弁接続部弁ヘッド12Aが装備され、フランジ部材はOリングシール18により防漏洩密閉式に容器の上壁に固定され、ハンドルは容器の上壁に溶接により固定される。
【0056】
平行六面体形状の貯蔵・計量分配容器の構造の別の変化形態として、図3は、オプションのキャップ13が設けられた容器を示している。キャップ13は、概略的な形で描かれているが、同様に直方体形状であり、キャップのそれぞれの側面に開口部15が設けられている。容器は、こうしたキャップが設けられている場合、図3に示すハンドルなしで組み立て可能であり、あるいは別の方法として、ハンドルはキャップ13上に作成することも可能である。キャップ13上の開口部15は、ハンドル構造を提供し、容器アセンブリ全体を手動で掴んで運搬することを可能にし、こうした開口部はさらに、たとえば計量分配管路を弁ヘッドの放出ポートへ連結するために、弁ヘッド12Aに近づくことを許可する。
【0057】
キャップ13は、図3の改良された容器構造において、容器本体に何らかの適した方法で固定されることが可能で、たとえば、容器本体及びキャップ上の補足的接合連結要素を用いて固定可能であり、それによってキャップ及び容器本体は、互いに機械的に連結され、たとえば、バヨネット型連結、貫通可能に係合可能かつかみ合わせ可能な連結、機械的固定連結(ラッチ型連結、ボルト・ナット型連結、等)、ばね式圧縮嵌合連結等がある。
【0058】
キャップは、他の構造体または物体との接触における衝撃、圧縮/引張りの力、および、弁ヘッドを損傷する又はその有用性を阻害する可能性を保持する他の物体とのその他の相互作用から、弁ヘッドを保護する利点を提供する。
【0059】
キャップにはさらにハンドル要素を設けることも可能で、キャップ13に、たとえばその側面へ、溶接されるかそうでなければ接合され、あるいは他の方法でキャップに取り付けられる。
【0060】
さらに別の代替方法として、容器アセンブリは、分離したキャップ及びハンドル部材を含むことも可能であり、各々は別々に容器本体へ連結される。
【0061】
本発明による流体貯蔵・計量分配装置の特定の例として、図3に図示しこれを参照して述べた装置は、4.5インチ×4.5インチの断面図を有する容器で組み立てられる。容器の高さは、12.3インチ、容器の壁及底は、厚み0.188インチである。容器は、溶接された箱型管材料で形成される。容器は、フランジの付いたOリングシール天板、またはその代わりに溶接された天板を用いて、組み立て可能である。
【0062】
フランジの付いたOリングシール天板装置は、適した厚み、たとえば、0.61インチ、の天板によって有効となり、中央開口部を有する。Oリング、たとえば、ビトン(登録商標)エラストマは、中央開口部の外縁の周りに配置され、弁挿入リングは、開口部内の位置に固定される。弁挿入リングは、上部円盤部を含み、そこから下向きに上部円盤部より直径が小さいプラグ部分が伸び、このプラグ部分は、上部円盤部の下面と天板の上面との間のOリングにより、天板の中央開口部の中に密着して嵌合している。
【0063】
容器キャップは、キャップ基盤に細長いスロットを含むばねプランジャ係合鍵を備えたねじり係合機構と、三段ボルトと、を有する。使用中は、キャップ基盤の細長いスロットは、三段ボルトを覆うように押し下げられ、15度回転してボルトを固定し、また係合プランジャはその後さらに回転するのを防ぎ、キャップの位置を容器に固定する。別の方法として、容器キャップは、直接取り付け部品及び2つの係合プランジャを有する。
【0064】
キャップ側壁開口部(図3の開口部15)は、3インチ×3インチの開口部であり、プラスチックの握り手パッドを開口部の上縁端部に付けることができ、装置を手で取り扱うための握り易さを助ける。
【0065】
例証的装置の容器は、心棒を覆って引き抜き加工された(DOM)正方形断面の管材料であることが可能であり、丸められた角又は90度の尖った角を有することができ、正方形断面の管材料は溶接された管素材から形成され、低温引き抜き加工で溶接部は目に見えなくなる。こうした低温伸ばし加工の結果、一方の端で閉じ反対の端は開いている継ぎ目のない正方形断面の管となる。モノリス吸着剤が正方形断面管の内部容積内へ挿入された後、天板は、引き抜き加工された正方形断面管の開放端へ溶接される。天板は、弁ヘッドアセンブリを収容するNPTスレッドと、キャップがバヨネットキャップ様式であるキャップを収容する段付きピンと、を有することができる。
【0066】
例証的装置の容器は、鍛造されたアルミニウム、鋼材、または他の適した構造材料から形成可能である。天板は、同じまたは異なる構造材料で形成することができる。
【0067】
本願の上記において検討したように、本発明による流体貯蔵・計量分配装置は、先行技術において従来使用されている円筒形容器について実質的改良を提供する方法で、ガスキャビネット内に有効的に配置される。直方体形状により、本発明の容器は、従来のガスキャビネトリの長方形幾何学形状について、適合する方法でガスキャビネット内に用いられる。ガスキャビネットへの形状適合性により(すなわち、ガスキャビネットの側壁に対して接近して近くに面している、または、好ましくは隣接した関係にある流体貯蔵・計量分配容器の壁により)、円筒形容器に起因し得る「失われた体積」は、本発明の実践において回避される。
【0068】
図4は、本発明の別の実施態様によるガスキャビネットアセンブリの概略図で、内部容積30を有するガスキャビネット20を含み、その中に直方体のガス貯蔵・計量分配容器50、52が、本発明に従って構築されたそれぞれのガス貯蔵・計量分配装置の構成部品として配置されている。
【0069】
ガス貯蔵・計量分配容器50を含むガス貯蔵・計量分配装置は弁ヘッド48を有し、該弁ヘッド48は自動弁作動装置44に連結されており、ならびに、弁ヘッド48内の弁の開口操作が可能で、容器50からマニホールド管路24に接続された支流放出管路34の中へ脱着された吸着ガスを流す。
【0070】
自動弁作動装置44は、信号伝送ライン46により、中央演算処理装置(CPU)58へ接続されており、該CPUは、ガスキャビネットシステムの運転の所定時間の間、自動弁作動装置44の作動により、容器50からのガスの計量分配を伴う運転と、ならびに、ライン46で自動弁作動装置44へ送信された適切な信号により、弁ヘッド48内のガス流量制御弁の遮断と、を実行するようプログラム可能に構成された汎用のプログラム可能なコンピュータを含んでもよい。
【0071】
したがって、容器50から計量分配されたガスは、弁ヘッド48および放出管路34を通って、ガス流計量分配制御装置36に連結されたマニホールド管路24へ流れ、最後にガス流計量分配制御装置36に連結された出口管路38へ放出される。ガス流計量分配制御装置36は、下流のガス消費工程(図4には図示せず)のガス需要にしたがって、ガス流計量分配制御装置36を調節するために、信号伝送ライン60によりCPU58へ接続される。
【0072】
図4のガスキャビネットアセンブリは、さらに同様に構成されたガス貯蔵・計量分配容器52を含み、該容器は、弁ヘッド54と、CPU58に信号伝送ライン66により接続された自動弁作動装置56とを装備しており、それによって容器52からのガスは、選択的に支流の放出管路22に流れ込み、最初に述べた容器50を備えるガス貯蔵・計量分配装置と同様に、ガス流計量分配制御装置36に連結されたマニホールド管路24まで流れてもよい。
【0073】
図4のガスキャビネットアセンブリでは、ガス貯蔵・計量分配容器50、52は、互いに隣接した関係で並んで配置され、容器50は、ガスキャビネット20の側壁に対しても隣接して置かれ、容器50、52は両方とも、ガスキャビネット20の裏壁に対して隣接して置かれる。
【0074】
本発明の物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムの使用において、ガスキャビネットアセンブリは、ガスキャビネットから、施設の排気流の処理用の大型清浄器を含む半導体製造設備の排気システムへ、換気ガスを流すため通常採用される管路系統を排除することで、実質的な簡素化が可能である。本発明の物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムは、低圧のガス供給システムなので、ガスキャビネット内における損傷した又は機能不全の弁ヘッド、カップリング等からのガスの潜在的漏出率は最小化され、さらに、CDAのようなスイープガスがキャビネットの内部容積を通る流量は、先行技術の高圧ガスシリンダを採用しているガスキャビネットシステムと比べて、著しく削減可能である。
【0075】
本発明の別の実施態様では、物理的吸着剤式のガス貯蔵・計量分配システムの強化された安全性は、排気浄化システムへの配管を排除するよう活用されることが可能で、ガスキャビネットの中の簡易使用時清浄器を排気浄化システムの場所で使用し、ガスキャビネットから放出される換気ガス内の如何なる低レベルの汚染物質も確実に除去する。
【0076】
こうした使用時清浄器の例証的実施形態が、概略的に図4のガスキャビネットシステムに示されている。図示されるように、吸気口管路25は、CDAまたは他のスイープガスをキャビネット20へ搬送し、キャビネットの内部容積30を浄化し、それによってキャビネットのあらゆる有毒又は危険な汚染物質は、内部容積から移動させられ、キャビネット内のガス供給源容器に関するガス計量分配運転に伴う特定の危険な成分の閾限界値(TLV)に近づくレベルまでは蓄積しない。
【0077】
キャビネットは、キャビネット20の内部容積30内に使用時ガス清浄器61を装備し、該清浄器は、内部容積30からの換気ガスを取り込み、そのガスを、適した浄化媒体、例えばガス汚染物質種と反応してそれを検出可能かつ危険な濃度未満まで除去する化学吸着剤、と接触させる。ガス清浄器61は、図示するように、キャビネットの側壁に壁付けしてもよい。浄化媒体と接触したガスは、キャビネット20から換気ガス放出管路63に放出される。
【0078】
図解及び記述を簡略にするために概略的に図示してあるが、清浄器は、ガスキャビネット内のガスパネルの中のベンチュリ管装置の吸気口(低圧側)上の小型浄化装置として、適した方法であればどのような方法で配備してもよいことは、理解されるであろう。換気ガス放出管路63内のガスは、建物の排気口のダクトへ通されてもよく、ガスキャビネットから放出されるガスの特性について高レベルの安全性を維持する一方で、建物の排気清浄器を迂回し、それによって建物の清浄器にとってのガス負担量を削減する。
【0079】
図4の実施形態で採用された使用時清浄器では、清浄器は終点検知器を装備していてもよく、浄化媒体の終点(すなわち、ガスキャビネット内での継続した使用における浄化媒体の反応減少の結果、完全消耗に近づいたこと)を確認する。様々なタイプの終点検知が採用可能である。
【0080】
終点検知器の第1のタイプでは、ガスキャビネット換気ガス内の標的汚染物質種と接触すると変色するタイプの清浄器である場合、覗き窓が清浄器の中に組み込まれてもよく、たとえば、清浄器ハウジング又は容器の開口窓にそれを設置することにより組み込む。浄化媒体の初期の消耗は、従ってガスキャビネット及び浄化媒体交換の操作者により視覚的に監視可能であり、使い切った材料を新しい浄化媒体と交換することは、覗き窓を通して浄化媒体を点検する定例作業のプログラムの一部として、効率的に予定に組み込まれることが可能である。
【0081】
終点検知器の第2のタイプは比色センサを使用し、浄化媒体の変色を自動的に検知して、警報または報告を作動させ、清浄器を交換する必要性を操作人員へ警告する。センサは、ガスキャビネット内の流量弁を遮断して、浄化媒体が交換されるまでは運転再開を阻止するよう構成されてもよい。
【0082】
終点判定についての第3の手法では、有毒ガス監視装置(TGM)が、清浄器ユニットの本体内に組み込まれてもよい。この手法は、使用時清浄器ユニットに採用された浄化媒体が、標的ガス汚染種と接触して変色したことを証明しない場合、有用に用いられる。
【0083】
第4の終点判定技術は、プログラム可能論理制御装置(PLC)ユニットを使用し、清浄器ユニットを設置してからのガス貯蔵・計量分配容器の交換回数を数えて、清浄器ユニットを交換する必要を示す出力を提供する警報又は報告手段を作動させる。PLCユニットは、清浄器が露出される、単一のガス貯蔵・計量分配容器からのガスの量を算出するよう構成されてもよく、並びに入力された浄化媒体の処理能力から、浄化媒体が消耗する迄に実施可能なガス貯蔵・計量分配容器の交換回数が決定される。
【0084】
本発明の構成及び方法は、本願における主要な開示に沿って、多種多様な方法で実践されてもよいことは理解されるであろう。従って、本発明は、本願において具体的な特徴、実施態様、及び実施形態を参照しつつ説明してきたが、本発明はこれに限定されず、他の変化形態、改良形態及び実施形態における実行を受け入れることができることも理解されるであろう。したがって、本発明は、本発明の特許請求の範囲内において、こうした他の変化形態、改良形態および実施形態を全て含んで広く解釈されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一の実施形態による、パイプ弁接続部を備えた直方体の流体貯蔵・計量分配容器の斜視図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、フランジタイプの弁接続部を備えた直方体の流体貯蔵・計量分配容器の斜視図である。
【図3】図2に示したタイプの直方体の流体貯蔵・計量分配容器の、構造の詳細を示す、正面立面図である。
【図4】ガスキャビネットアセンブリに配置された複数の本発明による直方体の流体貯蔵・計量分配容器を有する、本発明の別の実施態様によるガスキャビネットアセンブリの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動で運搬可能な流体貯蔵・計量分配装置であって、
内部容積を有する流体貯蔵・計量分配容器であり前記内部容積が流体を吸着して保持する物理的吸着剤を含み、かつ、前記容器から計量分配するために前記流体が該吸着剤から脱着可能である容器と、
脱着された流体を前記容器から計量分配するため前記容器に連結された計量分配アセンブリと、を備え、
前記流体貯蔵・計量分配容器は直方体形態である、
流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項2】
前記物理的吸着剤は、前記容器の前記内部容積内の吸着床を構成する分割形態である、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項3】
前記分割形態は、球状、粒状、顆粒、ペレット、環状、小板、錠剤、円筒形押出物、立方体形状、及び成形された幾何学的に規則的および不規則な形状からなる群から選択される形態を含む、請求項2に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項4】
前記物理的吸着剤は、モノリス形態である、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項5】
前記モノリス形態は、ブロック、煉瓦およびブールからなる群から選択される、請求項4に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項6】
前記モノリス形態は、単一のモノリス物品を含む、請求項4に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項7】
前記モノリス形態は、複数の別個のモノリス物品を含む、請求項4に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項8】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を75個未満含む、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項9】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を20個未満含む、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項10】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を8個未満含む、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項11】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を4個未満含む、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置
【請求項12】
前記モノリス物理的吸着剤は、前記容器の前記内部容積にサイズおよび形状が適合した吸着剤塊を提供する、請求項4に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項13】
前記吸着剤塊は、前記容器の前記内部容積の少なくとも60%を占める、請求項12に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項14】
前記吸着剤塊は、前記容器の前記内部容積の約75〜約95%を占める、請求項12に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項15】
前記物理的吸着剤は、有機樹脂の熱分解生成物である、請求項4に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項16】
前記物理的吸着剤は、前記容器内のその場で形成される、請求項15に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項17】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、前記容器の前記内部容積の高さの0.3〜1.0倍の長さと、前記容器の長方形断面積の0.1〜0.5倍の断面積とを有する、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項18】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、直方体形状を有する、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項19】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、前記容器の前記内部容積において、隣接モノリス部材と接触する面で、横方向及び/又は長手方向に隣接する、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項20】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、中実の円筒形態を有する、請求項7に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項21】
前記流体は、半導体製造において有用性がある流体を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項22】
前記流体は、アルシン、ホスフィン、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジシラン、シラン、ゲルマンおよび有機金属気体試薬からなる群から選択される流体種を含む、請求項21に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項23】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約1500トル以下である、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項24】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約700トル以下である、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項25】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約400〜約700トルの範囲である、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項26】
前記容器は、金属、ガラス、セラミック、ガラス質材料、ポリマーおよび複合材料からなる群から選択される構造材料を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項27】
前記容器は、金属の構造材料を含む、請求項26に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項28】
前記金属は、鋼材、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鋳、青銅およびそれらの合金からなる群から選択される、請求項27に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項29】
前記物理的吸着剤は、炭素、活性炭、金属添着炭、分子篩(アルミノ珪酸塩)材料、多孔質シリコン、シリカ、アルミナ、スチレン、ジビニルベンゼン高分子材料、吸着粘土および機能化焼結ガラス媒体からなる群から選択される吸着剤材料を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項30】
前記物理的吸着剤は、炭素を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項31】
前記物理的吸着剤は、活性炭を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項32】
前記計量分配アセンブリは、前記容器から脱着された流体を計量分配するため、前記容器の上部分に連結されている、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項33】
前記容器に取り外し可能に固定されたキャップをさらに備える、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項34】
前記計量分配アセンブリは、前記キャップによって保護されるよう囲繞されている、請求項33に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項35】
前記キャップは、その中に開口部を有する、請求項33に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項36】
前記キャップは、直方体形状を有する、請求項35に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項37】
前記キャップは、前記容器の断面と同一の広がりを持つ断面である、請求項36に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項38】
前記開口部は、前記キャップを用いて前記装置を手動搬送するよう適合されたサイズである、請求項35に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項39】
前記装置の搬送用に、前記容器に固定されたハンドルをさらに備える、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項40】
前記容器は、心棒を覆って引き抜き加工した鍛造金属体を含む、請求項1に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項41】
前記鍛造金属体は、アルミニウムで形成される、請求項40に記載の流体貯蔵・計量分配装置。
【請求項42】
ガスキャビネットアセンブリであって、
(a)囲まれた内部容積の輪郭を定め、前記キャビネットからのガスを計量分配するように構成された前記内部容積内の流路回路を含む、ガスキャビネットと、
(b)前記ガスキャビネットの前記内部容積内に配置されかつガス供給関係において前記流路回路へ連結されたガス供給源であって、前記ガス供給源は、少なくとも1つの直方体形態の流体貯蔵・計量分配容器を備え、前記流体貯蔵・計量分配容器の各々は、前記ガスを吸着して保持する物理的吸着剤を含み、さらに、前記流路回路への流れのために前記容器からの前記ガスの計量分配用に前記流体貯蔵・計量分配容器へ連結された計量分配アセンブリを備える、ガス供給源と、
を備える、ガスキャビネットアセンブリ。
【請求項43】
少なくとも2つの直方体形態の流体貯蔵・計量分配容器を備える、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項44】
前記少なくとも2つの直方体形態の流体貯蔵・計量分配容器の連続した容器が、互いに並んで配置される、請求項43に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項45】
前記少なくとも2つの直方体形態の流体貯蔵・計量分配容器の連続する容器が、それらが面する壁面で互いに隣接して配置される、請求項43に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項46】
前記ガスキャビネットは、換気される、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項47】
換気ガスの供給源は、前記ガスキャビネットの前記内部容積を通る換気ガス流のために、前記ガスキャビネットへ連結され、これを換気する、請求項46に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項48】
前記換気ガスの供給源は、空気供給源を含む、請求項47に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項49】
前記ガスキャビネットは、半導体製造設備の建物の排気系統に対して換気される、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項50】
前記ガスキャビネットは、処理・再循環装置に対して換気され、そこで換気されたガスは処理され、前記ガスキャビネットへ再利用される、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項51】
前記ガスキャビネットは、イオン注入システムのガスボックスを備える、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項52】
前記流路回路に連結された少なくとも2つの容器と、前記流路回路へのガス供給用に、ガスを使い切った容器を切り離すと同時にガスが満杯の容器を作動させるよう構成された監視・制御装置と、を備える、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項53】
前記監視・制御装置は、マイクロプロセッサ制御装置に接続され、かつ、所定時間又は1つ以上の監視されている処理状態が所定の設定点範囲にある間、前記稼動中の容器を操作するよう構成された、周期タイマを備える、請求項52に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項54】
前記流路回路は、前記ガスキャビネット内の前記ガス貯蔵・計量分配容器の各々からのガスの流れを制御する弁を備えており、前記弁の各々は前記監視・制御装置に信号伝送ラインで接続された自動弁作動装置に連結されており、前記監視・制御装置は汎用のプログラム可能なコンピュータを備え、該コンピュータは、前記ガスキャビネットアセンブリの第1所定期間の操作の間、第1容器からのガスの計量分配を伴う操作であって、前記第1弁からのガス流を制御する前記弁の前記自動弁作動装置の作動と前記ガスキャビネットアセンブリの前記第1所定期間の操作の終了時に前記第1容器からのガス流を制御する前記弁の遮断とによる操作と、前記ガスキャビネットアセンブリの第2の所定期間の操作の間、第2容器からのガスの計量分配を伴う操作であって、前記第2容器からのガス流を制御する前記弁の前記自動弁作動装置の作動と前記ガスキャビネットアセンブリの前記第2の所定期間の操作の終了時に前記第2容器からのガス流を制御する前記弁の遮断とによる操作と、を実施するようプログラム可能に構成される、請求項52に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項55】
前記ガスキャビネットは換気され、そこを通る換気ガス流のために構成されており、前記換気されたガスキャビネットから放出する前に前記換気ガスを浄化するため、前記ガスキャビネット内に使用時(point−of−use)清浄器をさらに備え、そこから汚染物質を除去する、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項56】
前記使用時清浄器は、前記換気ガスから汚染物質を除去するため、前記汚染物質に反応する化学吸着剤材料を含む、請求項55に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項57】
前記化学吸着剤材料は、閾限界値(TLV)濃度未満まで前記汚染物質を除去することが有効である、請求項56に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項58】
前記使用時清浄器は、前記ガスキャビネットの壁に取り付けられる、請求項55に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項59】
前記使用時清浄器用の終点検知器をさらに備える、請求項55に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項60】
前記使用時清浄器は、中に浄化媒体を含む清浄器ハウジングを備え、前記浄化媒体は前記汚染物質と接触して変色を起こし、前記ハウジングは、前記浄化媒体の完全消耗を視覚的に判定するため、中に覗き窓を有する、請求項59に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項61】
前記使用時清浄器は、中に浄化媒体を含む清浄器ハウジングを備え、前記浄化媒体は前記汚染物質と接触して変色を起こし、前記ガスキャビネットアセンブリはさらに、前記変色を検知し前記浄化媒体の完全消耗を示す出力を生成する比色センサを含む、請求項59に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項62】
前記出力は、前記ガスキャビネット内のガス流制御弁を遮断し、前記消耗した浄化媒体が新しい浄化媒体と交換されるまで、前記ガスキャビネットアセンブリの運転の再開を阻止するよう構成される、請求項61に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項63】
前記使用時清浄器は浄化媒体を含み、さらに前記ガスキャビネットアセンブリは有毒ガス監視(TGM)装置を備え、該装置は(i)前記浄化媒体からの前記汚染物質の漏出を検知し、(ii)前記浄化媒体の完全消耗を示す出力を生成するよう構成される、請求項59に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項64】
前記使用時清浄器は浄化媒体を含み、さらに前記ガスキャビネットアセンブリはプログラム可能な論理制御(PLC)装置を備え、該装置は、前記浄化媒体の投入時からガス貯蔵・計量分配容器の交換回数を数え、前記浄化媒体の交換の必要性を示す出力を提供するよう構成される、請求項59に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項65】
前記PLC装置は、(i)前記使用時清浄器が露出される単一のガス貯蔵・計量分配容器からのガスの量と、(ii)入力された浄化媒体の処理能力に基づいて、前記浄化媒体が消耗する前に実行可能なガス貯蔵・計量分配容器の交換回数とを計算するよう構成される、請求項64に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項66】
前記物理的吸着剤は、前記容器の前記内部容積内の吸着床を構成する分割形態である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項67】
前記分割形態は、球状、粒状、顆粒、ペレット、環状、小板、錠剤、円筒形押出物、立方体形状、及び成形された幾何学的に規則的および不規則な形状からなる群から選択される形態を含む、請求項66に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項68】
前記物理的吸着剤は、モノリス形態である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項69】
前記モノリス形態は、ブロック、煉瓦およびブールからなる群から選択される、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項70】
前記モノリス形態は、単一モノリス物品を含む、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項71】
前記モノリス形態は、複数の別個のモノリス物品を含む、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項72】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を75個未満含む、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項73】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を20個未満含む、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項74】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を8個未満含む、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項75】
前記容器の前記内部容積は、前記物理的吸着剤の別個のモノリス物品を4個未満含む、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項76】
前記モノリス物理的吸着剤は、前記容器の前記内部容積にサイズ及び形状が適合した吸着剤塊を提供する、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項77】
前記吸着剤塊は、前記容器の前記内部容積の少なくとも60%を占める、請求項76に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項78】
前記吸着剤塊は、前記容器の前記内部容積の約75〜約95%を占める、請求項76に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項79】
前記物理的吸着剤は、有機樹脂の熱分解生成物である、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項80】
前記物理的吸着剤は、前記容器内のその場で形成される、請求項68に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項81】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、前記容器の前記内部容積の高さの0.3〜1.0倍の長さと、前記容器の長方形断面面積の0.1〜0.5倍の断面面積とを有する、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項82】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、直方体形状を有する、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項83】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、前記容器の前記内部容積において、隣接モノリス部材と接触する面で、横方向及び/又は長手方向に境を接している、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項84】
前記複数の別個のモノリス物品の各々は、中実の円筒形態を有する、請求項71に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項85】
前記流体は、半導体製造において有用性がある流体である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項86】
前記流体は、アルシン、ホスフィン、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジシラン、シラン、ゲルマンおよび有機金属気体試薬からなる群から選択される流体種を含む、請求項85に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項87】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約1500トル未満である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項88】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約700トル未満である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項89】
前記流体は、前記内部容積内の圧力が約400〜約700トルの範囲である、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項90】
前記容器は、金属、ガラス、セラミック、ガラス質材料、ポリマーおよび複合材料からなる群から選択される構造材料を含む、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項91】
前記容器は、金属の構造材料を含む、請求項90に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項92】
前記金属は、鋼材、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鋳、青銅およびそれらの合金からなる群から選択される、請求項91に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項93】
前記物理的吸着剤は、炭素、活性炭、金属添着炭、分子篩(アルミノ珪酸塩)材料、多孔質シリコン、シリカ、アルミナ、スチレン、ジビニルベンゼン高分子材料、吸着粘土および機能化焼結ガラス媒体からなる群から選択される吸着剤材料を含む、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項94】
前記物理的吸着剤は、炭素を含む、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項95】
前記物理的吸着剤は、活性炭を含む、請求項42に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項96】
ガスキャビネットを含むガスキャビネットアセンブリの設置面積を削減する方法であって、該ガスキャビネットは、前記ガスキャビネットの運転における容器交換のために手動で運搬可能な、ガス貯蔵・計量分配容器を少なくとも1つ含むガス供給源を含み、前記ガスキャビネットは前記ガスを吸着して保持する物理的吸着剤を含み、前記方法は、前記少なくとも1つガス貯蔵・計量分配容器の各々を直方体形態の容器として提供するステップを含む、方法。
【請求項97】
直方体形態の各前記容器は、シートメタルから組み立てられる、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記ガス供給源は、2つ以上のガス貯蔵・計量分配容器を備え、連続するガス貯蔵・計量分配容器を互いに並んだ位置関係に配置するステップを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
連続するガス貯蔵・計量分配容器を、それらの面する壁に沿って互いに境を接する位置関係に配置するステップを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
少なくともいくつかの前記ガス貯蔵・計量分配容器を、前記ガスキャビネットの1つ以上の壁に対して隣接する位置関係に配置するステップを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
低圧でガスを貯蔵及び計量分配する方法であって、
直方体形態を有する手動で運搬可能な容器を組み立てるステップと、
前記ガスに対して吸着親和性を有する物理的吸着剤を前記容器に配置するステップと、
前記物理的吸着剤に吸着させるため前記ガスを前記容器へ充填するステップと、
前記容器を、作動可能弁を含む弁ヘッドで密閉して、前記物理的吸着剤と吸着されたガスを封入し、前記容器の外部環境からこれを隔離するステップと、
前記物理的吸着剤から前記吸着されたガスを脱着するステップと、
前記弁ヘッドの前記作動可能弁を作動させ、ガスの計量分配のために前記容器から前記作動可能弁を通してガスを流すステップと、
を含む方法。
【請求項102】
半導体製造設備の排気清浄器への流体負担量を軽減する方法であって、該設備は換気されたガスキャビネットを備え、該ガスキャビネットは前記ガスキャビネットの運転において換気ガスが流される時に通るガスキャビネットで、前記方法は、
前記ガスキャビネットから放出する前に前記換気ガスを前記ガスキャビネット内の浄化媒体と接触させて、該換気ガスから浄化可能な汚染物質を除去するステップと、
浄化された換気ガスを前記ガスキャビネットから放出するステップと、を含み、
それによって、前記半導体製造設備の前記消耗した清浄器による、放出された換気ガスの処理の必要性を不要にする、方法。
【請求項103】
補給換気ガスの要求を軽減するため、前記浄化された換気ガスを前記換気されたガスキャビネットへ再循環するステップを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記浄化媒体は、前記換気ガスから汚染物質を除去するため、前記汚染物質と反応する化学吸着剤を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
ガスキャビネットアセンブリであって、
囲まれた内部容積の輪郭を定め、前記キャビネットからの処理ガスを計量分配するように構成された前記内部容積内の流路回路を含む、換気されたガスキャビネットと、
前記ガスキャビネットの前記内部容積内に配置されかつガス供給関係において前記流路回路へ連結された、処理ガス供給源と、
前記換気されたガスキャビネットへ換気ガスを供給するように構成された、換気ガス供給源と、
前記換気されたガスキャビネットから換気ガスを放出するための、換気ガス出口と、
前記換気されたガスキャビネットの前記内部容積内に配置され、前記換気されたガスキャビネットから前記換気ガス出口を通って前記換気ガスを放出する前に前記換気ガスから浄化可能な汚染物質を除去するよう構成された、使用時清浄器と、
を備える、ガスキャビネットアセンブリ。
【請求項106】
前記使用時清浄器は、前記換気ガスから汚染物質を反応除去するため、前記換気ガス内の汚染物質と反応する化学吸着剤媒体を含む、請求項105に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項107】
前記処理ガス供給源は、前記処理ガスに対して吸着親和性を有する物理的吸着剤を含むガス貯蔵・計量分配容器を備える、請求項105に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項108】
前記物理的吸着剤は、炭素を含む、請求項107に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項109】
前記物理的吸着剤は、活性炭を含む、請求項107に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項110】
前記処理ガスは、半導体製造において有用性があるガスを含む、請求項105に記載のガスキャビネットアセンブリ。
【請求項111】
前記処理ガスは、アルシン、ホスフィン、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、ジボラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジシラン、シラン、ゲルマンおよび有機金属気体試薬からなる群から選択されるガスを含む、請求項110に記載のガスキャビネットアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−87930(P2012−87930A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226626(P2011−226626)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【分割の表示】特願2007−210120(P2007−210120)の分割
【原出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】