説明

直流連結制御装置および直流連結開放制御装置

【目的】 小型小容量の電磁接触器によって直流電源装置間のパラレル連結、開放を可能とする。
【構成】 この発明の直流連結制御装置は、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部がまず第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なうことにより、第1の直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電抵抗によって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御し、起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、DC/DCコンバータのような直流電源装置の直流出力をパラレル接続するシステムにおいて、この直流出力を電源起動中、停止中にかかわりなく連結、開放動作制御する直流連結開放制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2つのDC/DCコンバータの直流出力を接続するような直流電源システムは、次の2つの方式のいずれかをとっていた。
【0003】1) パラレル接続しないシステム図5に示すようなパラレル接続しない直流電源システムでは、交流出力の電源システムと同様に各DC/DCコンバータ4,5の負荷側に負荷接触器2,3それぞれを設け、また両DC/DCコンバータ4,5間に受給電接触器1を設け、一方のDC/DCコンバータが停止したときにはそのコンバータ側の負荷接触器を開放し、受給電接触器1を投入することによって、起動中の他方のDC/DCコンバータより電源を供給するようにしていた。
【0004】ところがこのパラレル接続しない直流電源システムの場合には、1つのDC/DCコンバータが停止してから受給電動作が完了するまでの間は停電してしまうために、直流電源システムの大きな利点である、パラレル接続による電源システムの無停電化に対する冗長性が失われてしまう問題点があった。
【0005】2) パラレル接続するシステム図6に示すパラレル接続する直流電源システムでは、DC/DCコンバータ4,5の内のいずれか1台が停止しても、残りのDC/DCコンバータからそのまま給電することができるため、負荷側が停電することなく運転を継続することができる利点がある。
【0006】しかしながら、従来のパラレル接続する直流電源システムでは、DC/DCコンバータ4,5のような直流電源装置それぞれが負荷側に大容量の電解コンデンサ6,7を備えているために、出力側に僅かな電圧差がある場合(例えば、片側の電源装置が停止しており、他方の電源装置が起動している場合、あるいは片側の電源装置の負荷容量が大きく、他方の電源装置の負荷容量が小さい場合)、これらの直流電源装置を接続すると電圧の高い電源装置側からそれが低い電源装置側に電解コンデンサを充電する大電流が流れ、回路の接続部の溶着や電解コンデンサの低寿命化を起こす恐れがあり、これを避けるためには、パラレル接続する場合に接続しようとするすべての電源装置をひとまず停止させてから接続操作を行なう必要があり、連結、開放を行なうときに負荷側への電源供給が停止してサービスが低下する問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の直流電源装置をパラレル接続しない直流電源システムの場合には、1つの直流電源装置が停止してから受給電動作が完了するまでの間は停電してしまうために、直流電源システムの大きな利点である、パラレル接続による電源システムの無停電化に対する冗長性が失われてしまう問題点があった。
【0008】また従来のパラレル接続する直流電源システムの場合には、直流電源装置それぞれが負荷側に大容量の電解コンデンサを備えているために、出力側に僅かな電圧差がある場合(例えば、片側の電源装置が停止しており、他方の電源装置が起動している場合、あるいは片側の電源装置の負荷容量が大きく、他方の電源装置の負荷容量が小さい場合)、これらの直流電源装置を接続すると電圧の高い電源装置側からそれが低い電源装置側に電解コンデンサを充電する大電流が流れ、回路の接続部の溶着や電解コンデンサの低寿命化を起こす恐れがあり、これを避けるためには、直流電源装置を連結するときに連結しようとするすべての電源装置をひとまず停止させてから接続操作を行なう必要があり、連結、開放を行なうときに負荷側への電源供給が停止してサービスが低下する問題点があった。
【0009】この発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、パラレル接続する直流電源システムにおいて、接続しようとするすべての直流電源装置を停止させることなく連結操作、または連結、開放操作することができる直流連結制御装置および直流連結開放制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の直流連結制御装置は、2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の第1の直流電磁接触器と、直流電源装置の一方と第1の直流電磁接触器との間を連結、開放する第2の直流電磁接触器と、第2の直流電磁接触器に並列に設けられた、2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサを充電するための充電抵抗と、第2の直流電磁接触器の両側の電圧差を検知する電圧差検知器と、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なう制御部とを備えたものである。
【0011】請求項2の発明の直流連結開放制御装置は、2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の第1の直流電磁接触器と、直流電源装置の一方と第1の直流電磁接触器との間を連結、開放する第2の直流電磁接触器と、第2の直流電磁接触器に並列に設けられた、2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサを充電するための充電抵抗と、第2の直流電磁接触器の両側の電圧差を検知する電圧差検知器と、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御と、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて第2の直流電磁接触器を開放し、その後、第1の直流電磁接触器を開放する開放制御とを行なう制御部を備えたものである。
【0012】請求項3の発明の直流連結制御装置は、2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の直流電磁接触器と、直流電磁接触器を介して2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサに流れる充電電流の断続制御をなす充電用トランジスタと、充電用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出器と、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて直流電磁接触器を投入し、その後、電流検出器の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御を行なう制御部とを備えたものである。
【0013】請求項4の発明の直流連結開放制御装置は、2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の直流電磁接触器と、直流電磁接触器を介して2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサに流れる充電電流の断続制御をなす充電用トランジスタと、充電用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出器と、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて直流電磁接触器を投入し、その後、電流検出器の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御と、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて電流検出器の電流検出値を監視しながら、それが所定値以下になるまで充電用トランジスタのベース電流を徐々に下げてオフさせ、その後、直流電磁接触器を開放する開放制御とを行なう制御部とを備えたものである。
【0014】
【作用】請求項1の発明の直流連結制御装置では、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部がまず第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なうことにより、第1の直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電抵抗によって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0015】請求項2の発明の直流連結開放制御装置では、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部がまず第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なうことにより、第1の直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電抵抗によって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、小容量の直流電磁接触器であっても起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0016】また2つの直流電源装置間を開放する場合、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて、制御部がまず第2の直流電磁接触器を開放し、その後、第1の直流電磁接触器を開放する開放制御を行なうことにより、まず第2の直流電磁接触器の開放によって充電抵抗を通して遮断電流が両直流電源装置間に流れ、十分減流した後に第1の直流電磁接触器を開放するので大きな遮断電流が開放時に流れることがなく、2つの直流電源装置間に相互に電流が流れていた場合でも両直流電源装置間を開放するときに流れる遮断電流が小さくなり、小さな電流容量の直流電磁接触器であっても直流電源装置を停止させることなく安全に開放することができる。
【0017】請求項3の発明の直流連結制御装置では、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部が直流電磁接触器を投入し、その後、電流検出器の電流検出値をそれが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御を行なうことにより、直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電用トランジスタによって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0018】請求項4の発明の直流連結開放制御装置では、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて直流電磁接触器を投入し、その後、電流検出器の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御を行なうことにより、直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電用トランジスタによって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、小容量の直流電磁接触器であっても起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0019】また2つの直流電源装置間を開放する場合、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて電流検出器の電流検出値を監視しながら、それが所定値以下になるまで充電用トランジスタのベース電流を徐々に下げて遮断し、その後、直流電磁接触器を開放する開放制御を行なうことにより、まず充電用トランジスタを通して遮断電流を徐々に減流させ、十分減流した後に直流電磁接触器を開放するので大きな遮断電流が開放時に流れることがなく、2つの直流電源装置間に相互に電流が流れていた場合でも両直流電源装置間を開放するときに流れる遮断電流が小さくなり、小さな電流容量の直流電磁接触器であっても直流電源装置を停止させることなく安全に開放することができる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は請求項1の発明の直流連結制御装置の発明と請求項2の直流連結開放制御装置の発明の共通する実施例の回路図を示しており、直流電源装置としてDC/DCコンバータ11,12間をパラレルに接続するために2極の連結開放用電磁接触器13と、1極の充電抵抗短絡用電磁接触器14と、この充電抵抗短絡用電磁接触器14に並列に設けられた充電抵抗15と、この充電抵抗15の両端電圧を監視する電圧検知器16と、外部からの連結指令17を受けて連結開放用電磁接触器13を投入し、その後、電圧差検知器16が検知する電圧差が所定値以下になったときに充電抵抗短絡用電磁接触器14を投入する連結制御と、外部からの開放指令17を受けてまず充電抵抗短絡用電磁接触器14を開放し、その後、連結開放用電磁接触器13を開放する開放制御とを行なう制御部18から構成されている。そして各DC/DCコンバータ11,12それぞれには電解コンデンサ19,20が設けられている。
【0021】上記構成の直流連結制御装置、また直流連結開放制御装置の動作について説明<<連結動作>>制御部18が外部から連結指令17を受けると、まず連結開放用電磁接触器13を投入する。このとき、例えばDC/DCコンバータ11が起動中で、DC/DCコンバータ12が停止中の場合、起動中のDC/DCコンバータ11から充電抵抗15を通してピーク値が制限された充電電流が停止中のDC/DCコンバータ12側に流れ、電解コンデンサ20が充電される(図2のフローチャートにおけるステップS1,S2)。
【0022】制御部18は電圧検知器16によって両DC/DCコンバータ11,12の電圧差を検知し、所定値以下になったところで充電抵抗短絡用電磁接触器14を投入する(ステップS4,S5)。
【0023】以上の動作によって、両DC/DCコンバータ11,12が起動中、停止中いずれであっても関係なしに、電解コンデンサ19あるいは20へ大きな充電電流を流すことなく直流回路を連結することができるようになる。
【0024】<<開放動作>>制御部18が外部から開放指令17を受けると、まず充電抵抗短絡用電磁接触器14を開放する。この結果、両DC/DCコンバータ11,12間で相互に電流が流れていた場合でも電流は充電抵抗15に流れ、減流することになる(ステップS6,S7)。
【0025】そこで制御部18は、電圧検知器16の検知電圧を監視しながら、それが所定値以下にまで減流したと判断すれば連結開放用電磁接触器13を開放する(ステップS8〜S10)。
【0026】こうして、制御部18によって開放制御することによって、連結開放用電磁接触器13が開放されるときには電流が十分小さくなっており、その遮断電流も小さくなる。したがって、連結開放用電磁接触器13は遮断電流容量が小さいものであっても安全に動作させることができるようになり、装置全体の小型化が図れることになる。
【0027】次に、請求項3の発明の直流連結制御装置と請求項4の発明の直流連結開放制御装置の共通する実施例について、図3に基づいて説明する。この図3の直流連結制御装置および直流連結開放制御装置の実施例で、図1の装置と共通する要素については同一の符号を付して示してあるが、さらに充電抵抗短絡用電磁接触器14に代えて充電用トランジスタ21が備えられ、電圧検知器16に代えて電流検知器22が備えられている。そして、制御部23は外部からの連結指令17を受けて連結開放用電磁接触器13を投入し、その後、電流検出器22の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタ21のベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御と、外部からの開放指令17を受けてまず電流検知器22の検知電流を見ながら充電用トランジスタ21のベース電流を徐々に減じてオフさせ、この後、連結開放用電磁接触器13を開放する開放制御とを行なう機能を備えている。
【0028】次に、上記構成の直流連結制御装置および直流連結開放制御装置の動作について説明する。
【0029】<<連結動作>>制御部23が外部から連結指令17を受けると、まず連結開放用電磁接触器13を投入する。この投入の初期には充電用トランジスタ21はベース電流が与えられておらず、両DC/DCコンバータ11,12間に電流が流れない(図4のフローチャートにおけるステップS11,S12)。
【0030】しかしながら、制御部23の連結開放用電磁接触器13の投入後、電流検知器22の検知電流が所定値以上にならないように見守りながら、充電用トランジスタ21のベース電流を徐々に上昇させ、最終的には飽和電流を与えるようにする(ステップS13,S14)。
【0031】こうして、この実施例の場合にも、以上の動作によって両DC/DCコンバータ11,12が起動中、停止中いずれであっても関係なしに、電解コンデンサ19あるいは20へ大きな充電電流を流すことなく直流回路を連結することができるようになる。
【0032】<<開放動作>>制御部23が外部から開放指令17を受けると、まず電流検知器22の検知電流を見ながら充電用トランジスタ21のベース電流を徐々に減じてオフさせ、両DC/DCコンバータ11,12間で相互に電流が流れていた場合でもその電流を徐々に減流して遮断する(ステップS15〜S17)。
【0033】この後、連結開放用電磁接触器13を開放して開放動作を完了する(ステップS18)。
【0034】こうしてこの実施例の場合にも、制御部23によって開放制御することによって、連結開放用電磁接触器13が開放されるときには電流が十分小さくなっており、その遮断電流も小さくなる。したがって、連結開放用電磁接触器13は遮断電流容量が小さいものであっても安全に動作させることができるようになり、装置全体の小型化が図れることになる。
【0035】なおこの第2実施例の場合には、第1実施例で用いていた充電抵抗15が省略でき、また充電抵抗短絡用電磁接触器14に代えて無接点の充電用トランジスタ21が用いられるので、メンテナンスの軽減化が図れるようになる。また、第1実施例の場合、充電抵抗15と充電抵抗短絡用電磁接触器14を使用しているので、両DC/DCコンバータ11,12の負荷の大きさが相違している場合、両DC/DCコンバータ11,12間に電圧差が僅かに生じ、充電抵抗15を短絡した瞬間に少しの突入電流が電解コンデンサに対して流れ込むことがあるが、第2実施例の場合には、充電用トランジスタ21によって連結される両DC/DCコンバータ11,12のインピーダンスがリニアに小さくなるため、電解コンデンサへの突入電流を完全に抑制することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明の直流連結制御装置によれば、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部がまず第1の直流電磁接触器を投入し、その後、電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なうようにしているので、第1の直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電抵抗によって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0037】請求項2の発明の直流連結開放制御装置によれば、請求項1の発明に加えてさらに、2つの直流電源装置間を開放する場合、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて、制御部がまず第2の直流電磁接触器を開放し、その後、第1の直流電磁接触器を開放する開放制御を行なうようにしているので、第2の直流電磁接触器の開放によって充電抵抗を通して遮断電流が両直流電源間に流れ、十分減流した後に第1の直流電磁接触器を開放するので大きな遮断電流が開放時に流れることがない。そして2つの直流電源装置間に相互に電流が流れていた場合でも両直流電源装置間を開放するときに流れる遮断電流を小さくすることができ、小容量の直流電磁接触器であっても起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続し、また開放することができ、さらに小容量の直流電磁接触器であっても直流電源装置を停止させることなく安全に連結、開放することができ、装置全体の小型化が図れる。
【0038】請求項3の発明の直流連結制御装置によれば、2つの直流電源装置間を連結する場合、外部からの2つの直流電源装置間の連結指令を受けて、制御部が直流電磁接触器を投入し、その後、電流検出器の電流検出値をそれが一定値以上にならないように監視しながら充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御を行なうようにしているので、直流電磁接触器が投入されたときにそれまで停止していた直流電源装置側の電解コンデンサに起動中の直流電源装置から流れ込もうとする大電流を充電用トランジスタによって抑制し、徐々に電流が停止中の直流電源装置側の電解コンデンサに流れ込むように制御することができ、起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続することができる。
【0039】請求項4の発明の直流連結開放制御装置によれば、請求項3の発明に加えてさらに、2つの直流電源装置間を開放する場合、外部からの2つの直流電源装置間の開放指令を受けて電流検出器の電流検出値を監視しながら、それが所定値以下になるまで充電用トランジスタのベース電流を徐々に下げて遮断し、その後、直流電磁接触器を開放する開放制御を行なうようにしているので、まず充電用トランジスタを通して遮断電流を徐々に減流させ、十分減流した後に直流電磁接触器を開放するので大きな遮断電流が開放時に流れることがない。そして2つの直流電源装置間に相互に電流が流れていた場合でも両直流電源装置間を開放するときに流れる遮断電流を小さくすることができ、小容量の直流電磁接触器であっても起動中の直流電源装置を停止させることなく2つの直流電源装置をパラレルに接続し、また開放することができ、さらに小さな電流容量の直流電磁接触器であっても直流電源装置を停止させることなく安全に連結、開放することができ、装置全体の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および2の発明の共通する実施例の回路図。
【図2】上記実施例の動作を示すフローチャート。
【図3】請求項3および4の発明の共通する実施例の回路図。
【図4】上記実施例の動作を示すフローチャート。
【図5】従来例の回路図。
【図6】他の従来例の回路図。
【符号の説明】
11,12 DC/DCコンバータ
13 連結開放用電磁接触器
14 充電抵抗短絡用電磁接触器
15 充電抵抗
16 電圧検知器
17 連結開放指令
18 制御部
19,20 電解コンデンサ
21 充電用トランジスタ
22 電流検知器
23 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の第1の直流電磁接触器と、前記直流電源装置の一方と前記第1の直流電磁接触器との間を連結、開放する第2の直流電磁接触器と、前記第2の直流電磁接触器に並列に設けられた、前記2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサを充電するための充電抵抗と、前記第2の直流電磁接触器の両側の電圧差を検知する電圧差検知器と、外部からの前記2つの直流電源装置間の連結指令を受けて前記第1の直流電磁接触器を投入し、その後、前記電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに前記第2の直流電磁接触器を投入する連結制御を行なう制御部とを備えて成る直流連結制御装置。
【請求項2】 2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の第1の直流電磁接触器と、前記直流電源装置の一方と前記第1の直流電磁接触器との間を連結、開放する第2の直流電磁接触器と、前記第2の直流電磁接触器に並列に設けられた、前記2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサを充電するための充電抵抗と、前記第2の直流電磁接触器の両側の電圧差を検知する電圧差検知器と、外部からの前記2つの直流電源装置間の連結指令を受けて前記第1の直流電磁接触器を投入し、その後、前記電圧差検知器が検知する電圧差が所定値以下になったときに前記第2の直流電磁接触器を投入する連結制御と、外部からの前記2つの直流電源装置間の開放指令を受けて前記第2の直流電磁接触器を開放し、その後、前記第1の直流電磁接触器を開放する開放制御とを行なう制御部を備えて成る直流連結開放制御装置。
【請求項3】 2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の直流電磁接触器と、前記直流電磁接触器を介して前記2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサに流れる充電電流の断続制御をなす充電用トランジスタと、前記充電用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出器と、外部からの前記2つの直流電源装置間の連結指令を受けて前記直流電磁接触器を投入し、その後、前記電流検出器の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら前記充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御を行なう制御部とを備えて成る直流連結制御装置。
【請求項4】 2つの直流電源装置間を連結、開放する2極以上の直流電磁接触器と、前記直流電磁接触器を介して前記2つの直流電源装置それぞれの電解コンデンサに流れる充電電流の断続制御をなす充電用トランジスタと、前記充電用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出器と、外部からの前記2つの直流電源装置間の連結指令を受けて前記直流電磁接触器を投入し、その後、前記電流検出器の電流検出値を、それが一定値以上にならないように監視しながら前記充電用トランジスタのベース電流を徐々に上げて導通させる連結制御と、外部からの前記2つの直流電源装置間の開放指令を受けて前記電流検出器の電流検出値を監視しながら、それが所定値以下になるまで前記充電用トランジスタのベース電流を徐々に下げてオフさせ、その後、前記直流電磁接触器を開放する開放制御とを行なう制御部とを備えて成る直流連結開放制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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