説明

直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム

【課題】 1台の電力貯蔵装置であっても、常に充電と放電の両者に対応可能であり、その充電により回生失効を回避するとともに、その放電により電車線電圧の変動を抑制することが可能な直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム等を提供する。
【解決手段】 電圧監視部21と電力貯蔵装置9との間には、第1の制御部である制御部23が設けられる。制御部23は、電車線電圧を監視することで、近傍の電車の在線状況等を把握することができる。制御部23は、電車線電圧に応じて、電力変換器29に動作信号を送る。また、電力貯蔵装置9と電力変換装置11との間には、第2の制御部である制御部25が設けられる。制御部25は、電力貯蔵媒体27の電圧等を監視することで、その待機時充電量を把握することができる。制御部25は、電力貯蔵媒体27の待機時充電量に応じて、電力変換装置11に動作信号を送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電気鉄道における省エネルギー化と電力供給の安定化を達成可能な電力貯蔵装置の制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電気鉄道では、三相交流をシリコン整流器で直流に順変換して電力供給するケースがほとんどを占める。シリコン整流器は逆変換能力を持たないため、電車が電力回生を行う際、付近に力行する電車が存在しないと電力回生エネルギーの行き場がなく、回生失効(電気制動不能)となるケースがある。これを防ぐため、電力貯蔵装置を適用して、その充電により回生失効を回避し、かつ電力回生エネルギーを有効に活用することができる。また、電力貯蔵装置から適宜放電を行うことで、電車線電圧の変動を抑制し、より安定した電力供給が可能となる。
【0003】
このような電力貯蔵システムとしては、例えば、変電所から遠隔した駅の近傍に、電気二重層コンデンサを貯蔵媒体とする電力貯蔵装置として、電車の制動による回生エネルギーで電圧が上昇したときにコンデンサへの急速充電で回生電力を吸収し、電車の起動によってき電電圧が降下したときにコンデンサからの急速放電で電圧の降下を防止する電力貯蔵システムがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−233669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電力貯蔵装置を用いた方法では、電力貯蔵装置が最高充電状態付近にある場合に電車が近傍で電力回生した場合、電力貯蔵装置は充電できず、回生失効を回避できなくなる。また、電力貯蔵装置が最低充電状態付近にある場合に電車が近傍で力行した場合、電力貯蔵装置は放電できず、電圧降下を補償できなくなる。すなわち、その電力貯蔵装置の容量が十分に大きいものであっても、待機充電状態によっては、その効果を発揮できないこともあり得る。
【0006】
したがって、このような事象を回避するためには、充電と放電の両者に対応できるように電力貯蔵装置を制御する必要がある。なお、電力貯蔵装置の容量を更に大きくするシステムが考えられるが、経済性に劣り現実的ではない。
【0007】
一方、省エネルギーの観点から、太陽光発電システムや風力発電システムなどの自然エネルギーを有効に利用した発電システムがある。しかし、このような発電システムは、気象条件や時間帯によって発電量を安定させることが困難である。このため、安定した電力供給のためには、発電電力の平準化が必要である。
【0008】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたもので、自然エネルギー発電システムで得たエネルギーを常に活用することができ、また、1台の電力貯蔵装置であっても、常に充電と放電の両者に対応可能であり、その充電により回生失効を回避するとともに、その放電により電車線電圧の変動を抑制することが可能な直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明は、直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システムであって、直流電気鉄道に設置され、電力変換器を有する電力貯蔵装置と、前記電力貯蔵装置と接続され、配電線路との間に設置される第1の電力変換装置と、前記直流電気鉄道の電車線電圧に応じて、前記電力貯蔵装置内の前記電力変換器のスイッチング動作を制御する第1の制御部と、前記電力貯蔵装置の待機時充電量を監視し、前記電力貯蔵装置の待機時充電量に応じて、前記第1の電力変換装置のスイッチング動作を制御する第2の制御部と、を具備し、前記第1の制御部は、電車が電力回生を行う際には、回生電力を前記電力貯蔵装置に充電し、電車の力行による電車線電圧の電圧降下が生じた際には、前記電力貯蔵装置からの放電により電力補償を行い、前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以上であれば、前記配電線路に放電し、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下であれば、前記配電線路からの充電を可能にすることを特徴とする直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システムである。
【0010】
前記電力貯蔵装置と接続され、自然エネルギー発電システムとの間に設置される第2の電力変換装置をさらに備え、前記電力貯蔵装置は、前記自然エネルギー発電システムにより充電されることが望ましい。
【0011】
前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下であり、かつ前記自然エネルギー発電システムによる発電量が所定値以下であれば、前記配電線路から前記電力貯蔵装置へ電力を供給して前記電力貯蔵装置の充電を行ってもよい。
【0012】
前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が、全容量の30〜70%の間となるように管理することが望ましい。
【0013】
本発明によれば、電力貯蔵装置の待機時充電量が所定範囲になるように制御を行うため、電力貯蔵装置が最高充電付近で待機することがなく、これにより回生失効を回避できなくなることがない。また、電力貯蔵装置が最低充電状態付近で待機することがなく、必要時に電力貯蔵装置が放電できなくなることがない。
【0014】
また、電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以上となると、配電線路に放電することで、充電された電力を有効に活用することができる。また、電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下かつ、自然エネルギー発電システムによる発電量が所定値以下であれば、配電線路からの充電が可能であるため、待機時充電量が低くなり過ぎることがない。また、回生電力によって電力貯蔵装置を効果的に充電することができる。
【0015】
また、電力貯蔵装置を自然エネルギー発電システムと接続することで、電力貯蔵装置を常に自然エネルギーによって充電することができる。また、電力貯蔵装置から電車負荷または配電線路に対して安定して電力を供給することができ、自然エネルギー発電システムで得たエネルギーを常に活用することができる。
【0016】
また、電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下となった場合に、配電線路からも電力貯蔵装置を充電可能とすることで、例えば回生電力のみでは十分な待機時充電量を確保することができず、また前述した自然エネルギー発電システムからの発電電力が十分でないような場合であっても、電力貯蔵装置の待機時充電量が低くなり過ぎることがない。なお、このような効果を効率良く得るためには、例えば、電力貯蔵装置の待機時充電量が、全容量の30〜70%の間となるように管理することが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、自然エネルギー発電システムで得たエネルギーを常に活用することができ、また、1台の電力貯蔵装置であっても、常に充電と放電の両者に対応可能であり、その充電により回生失効を回避するとともに、その放電により電車線電圧の変動を抑制することが可能な直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る電力貯蔵装置制御システム1の概略構成図
【図2】電力貯蔵装置9の概略構成図
【図3】(a)は電力変換装置11(17)の概略構成図、(b)は電力変換装置17aの概略構成図
【図4】制御部23の制御フローを示すフローチャート
【図5】制御部25の制御フローを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明に係る電力貯蔵装置制御システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、電力貯蔵装置制御システム1の概略構成図である。電力貯蔵装置制御システム1は、主に電力貯蔵装置9、電力変換装置11、17、制御部23、25等から構成される。
【0020】
図1に示すように、電車線3およびレール5には直流変電所7が接続される。電車線3およびレール5には、電車線3およびレール5間の電車線電圧を監視する電圧監視部21が設けられる。なお、電圧監視部21は、電車線電圧を直接測定するものでなくてもよく、例えば、電流等を監視することによって間接的に電車線電圧を監視しても良い。
【0021】
電車線3およびレール5には、電力貯蔵装置9が接続される。図2は、電力貯蔵装置9の一例を示す図である。電力貯蔵装置9は、例えば電気二重層コンデンサや電池等の電力貯蔵媒体へチョッパ回路を介して電力を貯蔵することが可能なものである。電力貯蔵装置9は、電力を貯蔵する電力貯蔵媒体27が電力変換器29に接続されている。電力変換器29を動作させることで、電力貯蔵媒体27に電力を充電することができ、または電力貯蔵媒体27から電力を放電させることが可能である。
【0022】
また、電力貯蔵装置9は、電力変換装置11を介して配電線路13に接続される。配電線路13は照明やエスカレータ等の駅設備や信号機器である電力消費設備15に電力供給するために、例えば軌道と平行して設けられ、三相高圧で供給される。
【0023】
図3(a)は、電力変換装置11の構成の一例を示す図である。図中矢印C方向が電力貯蔵装置9側であり、図中矢印D方向が配電線路13側である。すなわち、電力変換装置11は、電力変換器31aを動作することで、直流である電力貯蔵装置9と交流である配電線路13との直流/交流を変換することが可能な変換装置(コンバータ)である。
【0024】
また、電力貯蔵装置9には、電力変換装置17を介して自然エネルギー発電システム19が接続される。自然エネルギー発電システム19は、太陽光発電システムや風力発電システム等の発電システムである。なお、自然エネルギー発電システム19が風力発電システムのように交流出力の場合には、電力変換装置17は、図3(a)に示す構成とすればよい。この場合には、図3(a)における矢印D方向は自然エネルギー発電システム19側となる。
【0025】
また、自然エネルギー発電システム19が太陽光発電システムのように直流出力の場合には、図3(b)に示す電力変換装置17aを用いればよい。電力変換装置17aは、図中矢印E方向が電力貯蔵装置9側であり、図中矢印F方向が自然エネルギー発電システム19側である。すなわち、電力変換装置17aは、電力変換器31bを動作することで、直流/直流を変換することが可能な変換装置(昇降圧チョッパ)である。
【0026】
電圧監視部21と電力貯蔵装置9との間には、第1の制御部である制御部23が設けられる。制御部23は、電車線電圧を監視することで、近傍の電車の在線状況等を把握することができる。制御部23は、電車線電圧に応じて、電力変換器29に動作信号を送る(図2矢印B方向)。
【0027】
例えば、近傍を走行する電車が電力回生を行う際には、電車線電圧が上昇するため、制御部23は、電力貯蔵装置9の電力変換器29を動作させて回生電力を電力貯蔵媒体27に充電する。したがって回生失効を防止することができる。一方、近傍を電車が力行する場合には、電車線電圧が降下する。このため、制御部23は、電力貯蔵装置9の電力変換器29を動作させて電力を電力貯蔵媒体27から放電させる。したがって、電車線電圧の電圧降下を補償することができる。
【0028】
また、電力貯蔵装置9と電力変換装置11との間には、第2の制御部である制御部25が設けられる。制御部25は、電力貯蔵媒体27の電圧等を監視することで、その待機時充電量を監視することができる。制御部25は、電力貯蔵媒体27の待機時充電量に応じて、電力変換装置11に動作信号を送る(図2矢印A方向)。
【0029】
制御部25は、電力貯蔵媒体27の待機時充電量が、所定範囲内になるように監視する。例えば、自然エネルギー発電システム19からの発電電力や、回生電力の充電により、電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値を超えると、制御部25は、電力貯蔵装置9から配電線路13に電力を放電する。すなわち、電力貯蔵装置9の電力を電力消費設備15に供給することで、配電線路13の消費電力を抑制する。
【0030】
電力貯蔵媒体27を放電させることで、待機時充電量が所定値以下となるように制御することで、近傍を走行する電車が電力回生を行う際に、回生失効を防止することができる。
【0031】
配電線路13側での利用のために電力を放電することで、電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値を下回ると、制御部25は、電力貯蔵装置9から配電線路13への放電を停止する。
【0032】
電力貯蔵媒体27からの放電を停止させ、かつ配電線路からの充電を可能にすることで、待機時充電量がある程度以上になるように制御することにより、近傍を力行する電車による電車線電圧の降下を補償することができる。
【0033】
次に、電力貯蔵装置制御システム1の制御フローについて説明する。図4は、電力貯蔵装置制御システム1の制御部23の処理を示すフローチャートである。まず、制御部23は、周囲の電車が電力回生を実施しているかどうかを判定する(ステップ101)。制御部23は、電圧監視部21による電車線電圧を検知し、電力回生を実施しているかどうかを判定する。
【0034】
電力回生が行われている場合には、制御部23は、電力貯蔵装置9の電力変換器29のスイッチング動作を制御して、回生電力を電力貯蔵媒体に充電することで、回生電力を吸収し、回生失効を防止する(ステップ102)。
【0035】
制御部23によって、電力回生が行われていないと判定されると、次に、制御部23は、周囲の電車の力行によって、電車線電圧が低下していないかどうかを判定する(ステップ103)。
【0036】
電車線電圧が低下している場合には、制御部23は、電力貯蔵装置9の電力変換器29のスイッチング動作を制御して、電力貯蔵媒体に充電されている電力を電車線3およびレール5間に放電して、電車線電圧の低下を補償する(ステップ104)。
【0037】
以上の処理を繰り返し、電力貯蔵装置9の充電および放電を、電車線電圧に応じて切り替えることで、回生失効の防止および電車線電圧降下に対する補償を行うことができる。
【0038】
図5は、電力貯蔵装置制御システム1の制御部25の処理を示すフローチャートである。まず、制御部25は、電力貯蔵装置9の電力貯蔵媒体27に充電される待機時充電量が所定値以上であるか判定する(ステップ201)。例えば、電力貯蔵媒体27の最大充電容量に対して、70%以上の待機時充電量であるかを判定する。なお、待機時充電量の判定は、例えば電力貯蔵媒体27の端子間電圧を検出し、事前に求められた電力貯蔵媒体の充電量と端子間電圧との関係から、待機時充電量(%)を算出する。
【0039】
電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値以上(例えば最大電気容量の70%以上)であれば、制御部25は、電力変換装置11のスイッチング動作を制御して、電力貯蔵媒体27を配電線路13に放電する(ステップ202)。配電線路13に電力を放電することで、電力貯蔵装置9に貯蔵された電力を、電力消費設備15に利用することができる。したがって、全体として、省エネルギー化に貢献することができる。
【0040】
電力貯蔵装置9の電力貯蔵媒体27に充電される待機時充電量が所定値以上でないと判定されると、制御部25は、電力貯蔵装置9の電力貯蔵媒体27に充電される待機時充電量が所定値以下であるか判定する(ステップ203)。例えば、電力貯蔵媒体27の最大電気容量に対して、30%以下の待機時充電量であるかを判定する。なお、待機時充電量の判定は、前述と同様の方法で算出することができる。
【0041】
電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値以下(例えば最大電気容量の30%以下)であれば、制御部25は、電力変換装置11のスイッチング動作を制御して、配電線路13側から、電力貯蔵媒体27の充電を行う(ステップ204)。電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値以下の場合には、回生電力と自然エネルギー発電による充電のみでは、電車線電圧降下の補償が賄いきれない状態となるためである。
【0042】
なお、自然エネルギー発電システム19からの充電量が十分である場合には、必ずしも配電線路13から電力貯蔵媒体27への充電を行う必要はなく、例えば、電力貯蔵媒体27の待機時充電量が所定値以下であり、かつ自然エネルギー発電システム19からの充電量が所定値以下である場合に、制御部25が、電力変換装置11のスイッチング動作を制御して、配電線路13側から、電力貯蔵媒体27の充電を行うようにしてもよい。
【0043】
電力貯蔵媒体の待機時充電量が所定範囲内である場合には、制御部25は、その状態を保持すべく、電力変換装置11による電力変換の動作を停止する(ステップ205)。すなわち、電力貯蔵装置9から配電線路13への放電または、配電線路13から電力貯蔵装置9への充電を停止する。
【0044】
以上の制御を行うことで、電力貯蔵装置9の電力貯蔵媒体27の待機時充電量を常に所定の範囲に保持することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態の電力貯蔵装置制御システム1によれば、電力貯蔵装置9に貯蔵される電力量が、満充電または空充電となることがない。したがって、常に電力貯蔵装置9の充電容量に余裕があるため、電力回生を行う場合に、電力回生エネルギーを確実に電力貯蔵媒体に充電して吸収することができる。このため、回生失効の恐れがない。
【0046】
また、常に電力貯蔵装置9の待機時充電量が所定値以上確保されるため、付近を電車が力行する際の電車線電圧降下に対しても、確実に電力補償を行うことができる。
【0047】
また、電力貯蔵装置9の待機時充電量を監視し、待機時充電量が多くなり過ぎる場合には、配電線路13に放電することで、電力を電力消費設備15で利用することができる。したがって、無駄に電力を放電することがない。また、自然エネルギー発電システム19による発電電力を、状況に応じて電力貯蔵装置9に貯蔵し、または、電車負荷や配電線路の電力として消費することができる。したがって、電力貯蔵装置を自然エネルギー発電システムと接続することで、自然エネルギー発電システムで得たエネルギーを常に活用することができる。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0049】
1………電力貯蔵装置制御システム
3………電車線
5………レール
7………直流変電所
9………電力貯蔵装置
11………電力変換装置
13………配電線路
15………電力消費設備
17、 17a………電力変換装置
19………自然エネルギー発電システム
21………電圧監視部
23………制御部
25………制御部
27………電力貯蔵媒体
29………電力変換器
31a、31b………電力変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システムであって、
直流電気鉄道に設置され、電力変換器を有する電力貯蔵装置と、
前記電力貯蔵装置と接続され、配電線路との間に設置される第1の電力変換装置と、
前記直流電気鉄道の電車線電圧に応じて、前記電力貯蔵装置内の前記電力変換器のスイッチング動作を制御する第1の制御部と、
前記電力貯蔵装置の待機時充電量を監視し、前記電力貯蔵装置の待機時充電量に応じて、前記第1の電力変換装置のスイッチング動作を制御する第2の制御部と、
を具備し、
前記第1の制御部は、電車が電力回生を行う際には、回生電力を前記電力貯蔵装置に充電し、電車の力行による電車線電圧の電圧降下が生じた際には、前記電力貯蔵装置からの放電により電力補償を行い、
前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以上であれば、前記配電線路に放電し、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下であれば、前記配電線路からの充電を可能にすることを特徴とする直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム。
【請求項2】
前記電力貯蔵装置と接続され、自然エネルギー発電システムとの間に設置される第2の電力変換装置をさらに備え、
前記電力貯蔵装置は、前記自然エネルギー発電システムにより充電されることを特徴とする請求項1記載の直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム。
【請求項3】
前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が所定値以下であり、かつ前記自然エネルギー発電システムによる発電量が所定値以下である場合に、前記配電線路から前記電力貯蔵装置へ電力を供給して前記電力貯蔵装置の充電を行うことを特徴とする請求項2記載の直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム。
【請求項4】
前記第2の制御部は、前記電力貯蔵装置の待機時充電量が、所定の範囲となるように管理すること特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の直流電気鉄道用電力貯蔵装置の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−95265(P2013−95265A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239891(P2011−239891)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)