直流電源装置およびDC−DCコンバータ

【課題】乾電池を電源とする直流電源装置において、電池のエネルギーを充分に使い切ることができるようにする。
【解決手段】一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子(SW2)と、前記一次電池の電圧を検出して前記スイッチ素子を制御する信号を生成し出力する低電圧検出回路(16)とを備えた直流電源装置において、前記低電圧検出回路は、一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に前記スイッチ素子(SW2)を遮断状態にする制御信号を出力するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾電池を電源とする直流電源装置における電池の低電圧検出技術に関し、例えば乾電池の電圧を昇圧して負荷へ供給する昇圧型のDC−DCコンバータにおける低電圧検出に利用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
乾電池は過放電により液漏れを起こすことがある。従って、乾電池を電源として使用する直流電源装置においては、乾電池の電圧が低下したことを検出して電池から負荷への電流を遮断するための低電圧検出回路およびスイッチを設けることが望ましい。なお、電池の低電圧検出回路に関する発明としては、例えば特許文献1に記載されているものがあるが、この先願発明は、検出回路の消費電流によって電池の消耗が早くなるのを防止するのを回避するためのもので、本発明とは目的が異なる。
【0003】
本発明者らは、乾電池(以下、単に電池と称する)の電圧を昇圧する昇圧型のDC−DCコンバータの制御回路における低電圧検出回路として、図5に示すような回路を考え検討を行なった。図5の回路は、電池電圧Vbatを入力とするコンパレータCMPを設け、例えば0.9Vのような参照電圧Vrefと比較して、電池電圧が0.9Vよりも低くなった場合に、電池と負荷LDとの間の電流パスに設けられているスイッチ素子SWをオフさせることで電流を遮断するものである。図6の期間T1がこの状態での各部の電位の変化を示している。なお、図5においては、負荷LDがDC−DCコンバータを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−325160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図5の回路は、図6の期間T2のように、負荷電流Iloadが増加した場合、電池の内部インピーダンスにより電池の出力電圧Vbatが低下するため、コンパレータCMPが低電圧を検出してスイッチ素子SWをオフすることとなる。そのため、過渡的に負荷電流が増減を繰り返す動作をするようなシステムでは、負荷電流の増加によって低電圧を検出して直ちにスイッチ素子SWをオフしてしまい、電池のエネルギーを充分に使い切ることができない。
【0006】
例えば、電池の電圧をDC−DCコンバータで昇圧して負荷となるシステムに供給する直流電源装置においては、電池の残量が少ない状態でDC−DCコンバータを起動させると電池電圧が低下するので、低電圧検出回路がそれを検出して負荷としてのDC−DCコンバータへの電流を遮断する。そのため、電池のエネルギーを充分に使い切ることができず無駄が発生する。また、電池にエネルギーが残っているにもかかわらずシステムが動作できなくなると、1本の電池により稼動可能な時間が短くなるという課題があることが明らかとなった。
【0007】
この発明の目的は、乾電池を電源とする直流電源装置において、電池のエネルギーを充分に使い切ることができ、それによって無駄を減らすことができる低電圧検出技術を提供することにある。
【0008】
この発明の他の目的は、乾電池を電源とする直流電源装置において、1本の電池により稼動可能な時間を長くすることができる低電圧検出技術を提供することにある。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、電池を電源とする直流電源装置において、電池の消耗が進んで電圧が低下した際に出力電流が遮断されたり流されたりする動作を繰り返すのを防止する制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子と、前記一次電池の電圧を検出して前記スイッチ素子を制御する信号を生成し出力する低電圧検出回路とを備えた直流電源装置において、前記低電圧検出回路は、前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に前記スイッチ素子を遮断状態にする制御信号を出力するように構成したものである。
【0011】
上記のような構成によれば、一次電池を電源とする直流電源装置において、電池電圧が低下すると直ちに電流を遮断するのではなく、電池電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に電流を遮断するため、一時的な電池電圧の低下では電流が遮断されなくなって電池のエネルギーを充分に使い切ることができ、それによって無駄を減らすことができるようになる。
【0012】
本出願の他の発明は、一次電池からの直流電圧が入力される電圧入力端子と負荷が接続される出力端子との間に接続されたインダクタと、前記インダクタに電流を流す駆動素子と、出力のフィードバック電圧に応じて前記駆動素子を制御する信号を生成し出力する制御回路と、を備えたDC−DCコンバータでにおいて、前記制御回路は、前記一次電池の電圧を監視する低電圧検出回路を備え、該低電圧検出回路によって前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となったことを検出した場合に前記インダクタに流れる電流を遮断するように構成したものである。
【0013】
上記のような構成によれば、一次電池を電源とするDC−DCコンバータにおいて、電池電圧が低下すると直ちに電流を遮断するのではなく、電池電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に電流を遮断するため、一時的な電池電圧の低下では電流が遮断されなくなって電池のエネルギーを充分に使い切ることができ、それによって無駄を減らすことができるようになる。
【0014】
さらに、一次電池からの直流電圧が入力される電圧入力端子と負荷が接続される出力端子との間に、インダクタと整流素子が直列形態に接続され、前記インダクタと整流素子との接続ノードに結合され前記インダクタに電流を流す駆動素子と、出力のフィードバック電圧に応じて前記駆動素子を制御する信号を生成し出力する制御回路と、前記一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子と、を備えた昇圧型DC−DCコンバータにおいて、前記制御回路は、前記一次電池の電圧を監視し前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に前記スイッチ素子を遮断状態にする制御信号を生成し出力する低電圧検出回路を備えるように構成したものである。
【0015】
昇圧型DC−DCコンバータでは、昇圧することで負荷の駆動に必要な高い電圧が得られるので、入力電圧(電池電圧)が低下しても動作させることできれば、その分電池のエネルギーを充分に使い切ることができるようになる。
【0016】
また、昇圧型DC−DCコンバータにおいて、一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子を設けない場合には、駆動素子をオフして昇圧のための制御を停止したときに、電池電圧が整流素子の順方向電圧よりも高いとインダクタ−整流素子−負荷のパスを通して電流が流れ、電池が消耗するおそれがあるが、電流遮断用のスイッチ素子を設けて電池電圧が低下したときに電流を遮断することで、無駄な電池の消耗を防止することができる。
【0017】
ここで、望ましくは、前記制御回路は、前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となったことを前記低電圧検出回路が検出した場合に前記駆動素子の駆動を停止するように構成する。これにより、入力電圧としての電池電圧が低下すると、コンバータが自動的に昇圧動作を停止することができ、これによって電池の無駄な消耗を防止することができるようになる。
【0018】
さらに、望ましくは、前記電流遮断用のスイッチ素子は、前記整流素子と前記出力端子との間に接続されたPチャネル型電界効果トランジスタにより構成する。電流遮断用のスイッチ素子としてNチャネル型電界効果トランジスタを使用することも可能であるが、そのようにするとオン状態にさせたときの抵抗を減らすために電池電圧よりも高いゲート電圧を印加する必要があり制御回路の消費電流が多くなるが、Pチャネル型電界効果トランジスタを使用することにより、制御回路に高い電圧が不要となって制御回路の消費電流を抑制することができる。
【0019】
さらに、望ましくは、前記制御回路は、前記低電圧検出回路の後段に設けられ該低電圧検出回路の出力をラッチするラッチ回路を備えるようにする。これにより、電池電圧が下がり低電圧検出回路の出力が一旦変化すると、ラッチ回路によってその状態がラッチされるため、その後電池電圧が高くなって低電圧検出回路の出力が元の状態に変化しても、ラッチ回路の出力は変化しないため、電池の消耗が進んで電圧が低下した際に電流遮断用のスイッチ素子がオン、オフを繰り返し、負荷電流(出力電流)が遮断されたり流されたりする動作を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、乾電池を電源とする直流電源装置において、電池のエネルギーを充分に使い切ることができ、それによって無駄を減らすことができる。また、乾電池を電源とする直流電源装置において、1本の電池により稼動可能な時間を長くすることができるという効果がある。さらに、電池の消耗が進んで電圧が低下した際に出力電流が遮断されたり流されたりする動作を繰り返すのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を昇圧型のDC−DCコンバータに適用した場合の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明を適用したDC−DCコンバータの変形例を示すブロック構成図である。
【図3】実施形態における低電圧検出回路の具体的な構成例を示す回路構成図である。
【図4】実施形態のDC−DCコンバータにおける低電圧検出回路の動作を示すタイムチャートである。
【図5】従来の低電圧検出回路の構成例を示すブロック構成図である。
【図6】従来の低電圧検出回路の動作を示すタイムチャートである。
【図7】図1の実施形態のDC−DCコンバータにおいて、電池の消耗が進んで電圧が低下した際の動作を示すタイムチャートである。
【図8】図9に示す第2の実施形態のDC−DCコンバータにおいて、電池の消耗がかなり進んで電圧が低下した際の動作を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態のDC−DCコンバータの構成を示すブロック構成図である。
【図10】第2の実施形態のDC−DCコンバータの変形例を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は本発明を昇圧型のDC−DCコンバータに適用した場合の一実施形態を示す。
【0024】
本実施形態のDC−DCコンバータは、電池20からの直流電圧Vinが入力される電圧入力端子INと出力端子OUTとの間に直列形態に接続されたコイル(インダクタ)L1および整流用ダイオードD1、前記コイルL1とダイオードD1との接続ノードと接地点GNDとの間に接続されたNチャネルMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)からなる駆動用トランジスタSW1、該駆動用トランジスタSW1をオン、オフ制御するスイッチング制御回路10、出力端子OUTと接地点との間に接続された平滑コンデンサC1などによって、昇圧型のスイッチングレギュレータとして構成されている。
【0025】
また、出力端子OUTと接地点との間には、上記平滑コンデンサC1と並列に、直列形態の抵抗R1,R2からなる抵抗分圧回路が接続され、抵抗R1,R2によって分圧された電圧がスイッチング制御回路10のフィードバック端子FBに印加されるように構成されている。
【0026】
さらに、この実施形態では、上記整流用ダイオードD1と出力端子OUTとの間に、PチャネルMOSFETからなる電流遮断用スイッチSW2がダイオードD1と直列をなすように接続されているとともに、電池20の電圧が所定の電位(例えば0.9V)以下に下がっていないか検出する低電圧検出回路16が設けられ、該低電圧検出回路16の出力によって電流遮断用スイッチSW2がオン、オフされるように構成されている。ここで、電池20としてアルカリ乾電池を使用する場合、上記所定の電位としては例えば0.9Vのような電位を選択するのが望ましい。
【0027】
なお、特に限定されるものではないが、上記スイッチング制御回路10は、駆動用トランジスタSW1および電流遮断用スイッチSW2とともに一つの半導体チップ上に半導体集積回路(以下、電源駆動用ICと称する)として形成され、コイルL1および平滑コンデンサC1は、ディスクリート部品で構成され上記電源駆動用ICに外付け素子として接続されるように構成することができる。
【0028】
スイッチング制御回路10は、基準電圧回路11からの基準電圧Vref1が反転入力端子に印加され上記フィードバック端子FBの電圧が非反転入力端子に印加されフィードバック電圧と基準電圧Vref1との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプ12と、該誤差アンプ12の出力が反転入力端子に入力されるPWM(パルス幅変調)コンパレータ13と、該PWMコンパレータ13の出力に応じて前記駆動用トランジスタSW1のオン、オフ駆動信号を生成し出力するインバータからなる駆動回路(ドライバ)15を有する。PWMコンパレータ13と駆動回路15との間には、PWMコンパレータ13の出力と低電圧検出回路16の出力を反転した信号とを入力とするANDゲートG1が設けられている。
【0029】
また、上記PWMコンパレータ13の非反転入力端子には、発振器を内蔵し所定の周波数の三角波もしくは鋸波のような波形信号(RAMP信号)を生成する波形生成回路14からの波形信号が入力され、フィードバック電圧に応じて出力電圧が高いときは出力駆動パルスのパルス幅を狭くしフィードバック電圧が低いときはパルス幅を広くするような制御を行なう。そして、このPWMコンパレータ13により生成されたパルス信号がANDゲートG1を介して駆動回路15に供給される。
【0030】
駆動回路15はこのパルスに基いてスイッチトランジスタSW1をオンさせてコイルL1に電流を流してエネルギーを蓄積し、SW1をオフさせることでコイルからエネルギーを放出させ、ダイオードD1で整流して出力端子に接続されているコンデンサC1に電荷を供給して、電池からの入力電圧を昇圧した出力電圧Voutを発生させる。また、分圧抵抗R1,R2からの電圧に基づくフィードバック制御により、負荷が変動しても出力電圧Voutを一定に保持することができる。
【0031】
図3には、本実施形態における低電圧検出回路16の具体的な構成例が示されている。図3に示すように、低電圧検出回路16は、非反転入力端子に電池20からの電圧Vbatが入力され反転入力端子に例えば0.9Vのような参照電圧Vref2が入力された電圧比較回路としてのコンパレータ61と、該コンパレータ61の出力が所定時間(以下、不感応時間と称する)ロウレベルを維持した場合に出力がハイレベルに変化する不感応時間設定回路62と備える。不感応時間設定回路62は、例えばコンパレータ61の出力を不感応時間Tdに相当する時間だけ遅延させる遅延回路DLYと、該遅延回路で遅延された信号とコンパレータ61の出力との論理積をとるNORゲートG2とにより構成することができる。不感応時間は、例えば電池としてアルカリ乾電池を使用する場合、10m秒〜50m秒程度に設定するのが望ましい。
【0032】
次に、図1のDC−DCコンバータの動作を、図4を用いて説明する。この実施例の低電圧検出回路16は、図4の期間T3のように、電池電圧Vbatが参照電圧Vref2よりも低くなる(図4のタイミングt1)と、コンパレータ61の出力がロウレベルに変化する。そして、その状態が不感応時間Tdよりも長い時間続くと、不感応時間設定回路62の出力SDがハイレベルに変化して電流遮断用スイッチSW2をオフさせ、それに応じて出力電圧Voutが立ち下がる(図4のタイミングt2)。その後、電池電圧VbatがVref2以上に回復すると、コンパレータ61の出力CMPOUTがハイレベルに変化し、直ちに不感応時間設定回路62の出力SDがロウレベルに変化して電流遮断用スイッチSW2をオンさせ、それに応じて出力電圧Voutが立ち上がる(図4のタイミングt3)。
【0033】
一方、図4の期間T4のように、負荷電流Iloadが増加することによって電池電圧Vbatが一時的に参照電圧Vref2よりも下がった場合には、その状態が不感応時間Tdよりも短いと不感応時間設定回路62の出力SDがハイレベルに変化することなくロウレベルを維持する。そのため、電流遮断用スイッチSW2がオフされることがなく、出力電圧Voutも立ち下がることがない。これに対し、図4の期間T5のように、負荷電流Iloadが増加することによって電池電圧Vbatが参照電圧Vref2よりも下がり、その状態が不感応時間Tdよりも長い時間続くと、不感応時間設定回路62の出力SDがハイレベルに変化して電流遮断用スイッチSW2をオフさせ、それに応じて出力電圧Voutが立ち下がる(図4のタイミングt4)。
【0034】
上述したように、本実施形態のDC−DCコンバータにおいては、過渡的に負荷電流が増減を繰り返し電池電圧が一時的に低下するような場合には、電池電圧の低下で直ちに低電圧検出回路16が電流遮断用スイッチSW2をオフして電流を遮断することはないため、電池のエネルギーを充分に使い切ることが可能となる。
【0035】
図2には、上記DC−DCコンバータの変形例が示されている。この変形例は、電流遮断用スイッチSW2を、ダイオードD1と出力端子OUTとの間ではなく、分圧抵抗R2と接地点との間に設けるとともに、電流遮断用スイッチSW2としてPチャネルMOSFETの代わりにNチャネルMOSFETを用いるようにしたものである。
【0036】
この変形例のように構成しても前記実施形態のDC−DCコンバータとほぼ同様の効果が得られる。負荷30およびコンデンサC1は、出力端子OUTと、分圧抵抗R2と電流遮断用スイッチSW2の接続ノードとの間に接続されている。これにより、負荷内部に常時電流パスがある場合にも電流を遮断することができる。コンデンサC1は出力端子OUTと接地点との間に接続するようにしても良い。
【0037】
次に本発明の他の実施形態を説明する。上記実施形態のDC−DCコンバータにおいては、急に大きな負荷電流が流れて一時的に入力電圧が低下したときに、負荷電流が遮断されるのを防止できる。しかし、電池の消耗がかなり進んで電圧が低下した場合には、電池の内部抵抗で見かけ上の電池電圧が低下するため電流が遮断される。すると、電池の内部抵抗が見えなくなって電池の電圧が上昇し、低電圧検出回路16がそれを検出して出力SDが変化し、電流遮断用スイッチSW2をオンさせてしまう。そして、電流が流れることによって再び電池の内部抵抗によって電池電圧が低下し、低電圧検出回路16がそれを検出して電流遮断用スイッチSW2をオンさせる。そのため、図7(B)に示すように、SW2がオン、オフを繰り返し、負荷電流Iloadが遮断されたり流されたりする動作を繰り返してしまうという不具合がある。
【0038】
図9に、上記のような不具合を解消したDC−DCコンバータの実施形態を示す。この実施形態は、図1の実施形態における低電圧検出回路16の後段にラッチ回路として機能するRSフリップフロップ17を設けたものである。そして、このフリップフロップ17のセット端子Sに低電圧検出回路16の出力が入力され、リセット端子Rには外部端子からスイッチング制御回路(電源駆動用IC)10の動作/非動作を指令するイネーブル信号SHDNをインバータINVで反転した信号が入力されるように構成されている。イネーブル信号SHDNは、回路を動作させる場合にハイレベルにされる。
【0039】
上記のような構成を有することにより、図1や図2のDC−DCコンバータにあっては、電池の消耗がかなり進んで入力電圧が低下した場合に、低電圧検出回路16が電池電圧Vbatの低下を検出して所定遅延時間Td経過後に出力SDが一旦ハイレベルに変化すると、フリップフロップ17によってその状態がラッチされ、電流遮断用スイッチSW2がオフされる。そして、その後電池電圧Vbatが高くなって低電圧検出回路16の出力がロウレベルに変化しても、図8(B)に示すように、フリップフロップ(Latch)17の出力は変化しないため、SW2がオン、オフを繰り返し、負荷電流Iloadが遮断されたり流されたりする動作を防止することができる。
【0040】
図10に、上記実施形態の変形例を示す。この変形例は、図2のDC−DCコンバータにおける低電圧検出回路16の後段にラッチ回路として機能するRSフリップフロップ17を設けたものである。この変形例においても、図9のDC−DCコンバータと同様に、低電圧検出回路16の出力が一旦ハイレベルに変化すると、フリップフロップ17によってその状態がラッチされ、その後電池電圧が高くなって低電圧検出回路16の出力がロウレベルに変化しても、フリップフロップ17の出力は変化しないため、SW2がオン、オフを繰り返し、負荷電流Iloadが遮断されたり流されたりする動作を防止することができる。
【0041】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、誤差アンプ12の後段にPWMコンパレータ13を設けているが、PWMコンパレータの代わりにPFM(パルス周波数変調)コンパレータを設けたものであっても良い。入力電源としての電池も1本に限定されず、2本直列、3本直列、2本並列、3本並列等の場合にも適用することができる。
【0042】
また、前記実施形態においては、駆動用トランジスタSW1および電流遮断用スイッチSW2は、制御回路10が形成されたICのチップ内に形成されていると説明したが、外付け素子としてICに接続するように構成しても良い。また、出力電圧を分圧する抵抗R1,R2として外付け素子を用いる代わりに、チップ内部にこれらの抵抗を形成するように構成しても良い。
【0043】
さらに、チップの外部からICの動作(オン、オフ)を制御する制御信号を入力するための端子と、該端子からの制御信号と低電圧検出回路16の出力との論理和(もしくは論理積)をとる論理ゲートを設けて、外部からの制御信号または低電圧検出回路16の出力のいずれによっても電流遮断用スイッチトランジスタSW2をオン、オフ制御できるように構成しても良い。
【0044】
また、前記第2の実施形態においては、低電圧検出回路16の直後にその出力をラッチするラッチ回路(17)を設けているが、インバータや論理ゲートあるいはロジック回路を挟んで低電圧検出回路16の後段にラッチ回路を設けるようにしても良い。なお、ラッチ回路はRSフリップフロップに限定されるものでなく、信号をラッチできるものであればどのようなものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である昇圧型のDC−DCコンバータに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されず、降圧型のDC−DCコンバータなど電池を電源とする直流電源装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 スイッチング制御回路
11 基準電圧回路
12 誤差アンプ
13 PWMコンパレータ
14 波形生成回路
15 駆動回路(ドライバ)
16 低電圧検出回路
17 ラッチ回路(RSフリップフロップ)
20 二次電池(リチウムイオン電池)
30 負荷
61 電圧比較回路(コンパレータ)
62 不感応時間設定回路
L1 コイル(インダクタ)
C1 平滑コンデンサ
SW1 コイル駆動用トランジスタ(駆動素子)
SW2 電流遮断用スイッチ(スイッチ素子)
R1,R2 出力の分圧抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子と、前記一次電池の電圧を検出して前記スイッチ素子を制御する信号を生成し出力する低電圧検出回路とを備えた直流電源装置であって、
前記低電圧検出回路は、前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に前記スイッチ素子を遮断状態にする制御信号を出力することを特徴とする直流電源装置。
【請求項2】
一次電池からの直流電圧が入力される電圧入力端子と負荷が接続される出力端子との間に接続されたインダクタと、前記インダクタに電流を流す駆動素子と、出力のフィードバック電圧に応じて前記駆動素子を制御する信号を生成し出力する制御回路と、を備えたDC−DCコンバータであって、
前記制御回路は、前記一次電池の電圧を監視する低電圧検出回路を備え、該低電圧検出回路によって前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となったことを検出した場合に前記インダクタに流れる電流を遮断することを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項3】
一次電池からの直流電圧が入力される電圧入力端子と負荷が接続される出力端子との間に、インダクタと整流素子が直列形態に接続され、前記インダクタと整流素子との接続ノードに結合され前記インダクタに電流を流す駆動素子と、出力のフィードバック電圧に応じて前記駆動素子を制御する信号を生成し出力する制御回路と、前記一次電池から負荷に流される電流を遮断可能なスイッチ素子と、を備えた昇圧型DC−DCコンバータであって、
前記制御回路は、前記一次電池の電圧を監視し前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となった場合に前記スイッチ素子を遮断状態にする制御信号を出力する低電圧検出回路を備えることを特徴とする昇圧型DC−DCコンバータ。
【請求項4】
前記制御回路は、前記一次電池の電圧が所定時間以上所定電位以下となったことを前記低電圧検出回路が検出した場合に、前記駆動素子の駆動を停止するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の昇圧型DC−DCコンバータ。
【請求項5】
前記電流遮断用のスイッチ素子は、前記整流素子と前記出力端子との間に接続されたPチャネル型電界効果トランジスタにより構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の昇圧型DC−DCコンバータ。
【請求項6】
前記制御回路は、前記低電圧検出回路の後段に設けられ該低電圧検出回路の出力をラッチするラッチ回路を備えていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の昇圧型DC−DCコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−213559(P2010−213559A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119807(P2009−119807)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】