説明

直管ランプ収容具

【課題】本発明は、電柱等の高所に設置される照明器具の直管ランプを交換する作業の際に、直管ランプが破損するのを好適に防止して、交換作業の効率を高めることのできる直管ランプ収容具を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る直管ランプ収容具1は、電柱等の高所に設置される照明器具に取り付けられる直管ランプLの交換作業の際に用いられる直管ランプ収容具1であって、少なくとも二つの直管ランプL,L…を別個に収容すべく一つの直管ランプLに対応した収容空間Sが少なくとも二つ確保され、一端側から前記直管ランプLが出し入れされるケース本体2と、該ケース本体2を作業者に保持させるための保持部材3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱等の高所に設置される照明器具の直管ランプを交換する作業の際に用いられる直管ランプ収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
路上に立設される電柱には、防犯等を目的として、防犯街路灯などと呼ばれる照明器具が地上から4m〜4.5m程度の高所位置に設置される。かかる照明器具には、棒状の蛍光灯に代表されるいわゆる直管ランプが取り付けられており、寿命が来ると新しいものに適宜交換される。
【0003】
直管ランプを交換するに際しては、作業者が直接電柱に昇って作業を行う方法が一般的であるが、高所作業車と呼ばれる車両を用いて作業者がリフトに乗り込んで照明器具まで接近して作業を行う方法もあり、また最近では、特許文献1に示すように、直管ランプの交換器具を低所から操作することによって作業を行う方法も提案されている。
【0004】
ところで、直接電柱に昇って作業を行う直管ランプの交換作業においては、作業者は、地上において布製の袋に新しい直管ランプを収容し、この布製の袋を携帯して照明器具が設置された高さ位置まで電柱を昇り、柱上において古い直管ランプを取り外してから新しい直管ランプを取り付けた後電柱を降りる。
【0005】
【特許文献1】特開平9−147793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように布製の袋を用いた場合には、直管ランプが周囲の物にぶつかった場合の衝撃に対する保護が十分でないため、交換作業中、特に作業者が電柱を昇降する際などに布製の袋の内部に収容された直管ランプを誤って破損してしまうおそれがある。しかも、布製の袋では、複数の直管ランプを同時に収容しようとすると、直管ランプ同士が当たって破損してしまうというおそれもある。このため、直管ランプの交換作業では、直管ランプ収容具から新しい直管ランプを取り出した後でなければ古い直管ランプを収容することができず、新旧の直管ランプを同時に手に持つ状況が発生して手が塞がるなどし、作業効率も悪い。
【0007】
そこで、本発明は、電柱等の高所に設置される照明器具の直管ランプを交換する作業の際に、直管ランプが破損するのを好適に防止して、交換作業の効率を高めることのできる直管ランプ収容具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る直管ランプ収容具は、電柱等の高所に設置される照明器具に取り付けられる直管ランプの交換作業の際に用いられる直管ランプ収容具であって、少なくとも二つの直管ランプを別個に収容すべく一つの直管ランプに対応した収容空間が少なくとも二つ確保され、一端側から前記直管ランプが出し入れされるケース本体と、該ケース本体を作業者に保持させるための保持部材とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記構成からなる直管ランプ収容具によれば、ケース本体に直管ランプが収容されるため、周囲の物にぶつかった場合の衝撃から直管ランプを保護することができる。また、少なくとも二つの直管ランプが別個に、即ち、互いに離間された状態で収容されるため、例えば新旧の直管ランプなど複数の直管ランプが同時に両方ともケース本体に収容される状況においても、互いが接触して破損するおそれがない。
【0010】
また、前記ケース本体は、直管ランプを一つ収容可能で他端側に底部を有する筒状体を少なくとも二つ連結させて構成されるものが好ましい。かかる構成を採用すれば、上記のような、一つの直管ランプに対応した空間が少なくとも二つ確保され、直管ランプを別個に収容可能なケース本体を容易に作製することができる。
【0011】
そして、前記筒状体は、開放された一端側の開口部から他端側に向かう切り欠きを外周面に有し、該切り欠きは、前記両端間方向における一端が前記筒状体に収容される直管ランプの一端部よりも前記他端側に位置するように形成される構成が好ましい。かかる構成を採用すれば、筒状体に収容される直管ランプの一端部が切り欠きに臨出する状態となるため、直管ランプをケース本体の側面側から容易に視認することができ、新旧の直管ランプの取り違え等を防止して、交換作業を効率良く行うことができる。
【0012】
さらに、前記筒状体の内部には、前記直管ランプを受け止める弾性変形可能な緩衝部材が底部に配置される構成が好ましい。かかる構成を採用すれば、直管ランプを収容する際の衝撃が吸収されるため、交換作業中に直管ランプが破損するのを好適に防止することができる。
【0013】
また、前記筒状体の前記開口部は、前記他端側から一端側にかけて拡開するテーパー状に形成されるものであってもよい。かかる構成を採用すれば、大きく広がった開口部から直管ランプを挿入することで、直管ランプを容易に収容することができる。
【0014】
そして、前記少なくとも一つの筒状体が他の筒状体よりも一端を突出させて配置されるものであってもよい。かかる構成を採用すれば、筒状体を識別するのが容易となるため、例えば突出した筒状体を新しい直管ランプ用とし、その他の筒状体を古い直管ランプ用といったように取り決めることで、新旧の直管ランプの取り違え等を防止して、交換作業を効率良く行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る直管ランプ収容具によれば、電柱等の高所に設置される照明器具の直管ランプを交換する作業の際に、直管ランプが破損するのを好適に防止して、交換作業の効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に係る直管ランプ収容具の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
<第一実施形態>
本実施形態に係る直管ランプ収容具1は、図1に示すような電柱等の高所に設置される照明器具に取り付けられる直管ランプL(図1(B))を交換する作業の際に用いられる直管ランプ収容具1であり、図2に示すように、二つの直管ランプL,Lを別個に収容すべく一つの直管ランプLに対応した収容空間Sが二つ確保され、一端側から前記直管ランプLが出し入れされるケース本体2と、該ケース本体2を作業者に保持させるための保持部材3とを備える。
【0018】
ここで、電柱等の高所に設置される照明器具に用いられる直管ランプLは、規格によって直管の20形と定められており、具体的には管球部分L1の長さが580mm、両端に設けられる端子Lb2を含んだ全長L2が595mm以下となっている。また、管の径(直径)L3は28mmのものが一般的であるが、形式により太めのもの若しくは細めのものがある。
【0019】
前記直管ランプ収容具1の収容空間Sは、前記直管ランプLの形状に対応して細長く形成され、その大きさは、上記直管ランプLの大きさに基づいて決定される。具体的には、収容空間Sの長手方向の長さ寸法は直管ランプLの全長L2よりも大きく、また、長手方向に直交する断面は、直管ランプLの軸線方向に直交する断面よりも大きく設定されるものの、直管ランプLを二つ以上収容する必要がないことから、直管ランプLの二つ分に満たない大きさに設定される。
【0020】
具体的には、前記ケース本体2は、直管ランプLを一つ収容可能で他端側に底部4bを有する二つの筒状体4,4を連結させて構成される。即ち、筒状体4の内周面によって画定される内部空間が前記収容空間Sに対応する。この筒状体4としては、例えば塩化ビニル製のパイプや段ボール製のものが用いられ、各筒状体4は、例えばバインド線(図示しない)など、周知の手段によって連結される。より具体的には、前記筒状体4は、いわゆる円筒形状を有する筒状部材である。
【0021】
また、前記筒状体4は、図3(A)にも示すように、開放された一端側の開口部4aから他端側に向かう切り欠き6を外周面に有し、該切り欠き6は、前記両端間方向における一端6aが前記筒状体4に収容される直管ランプLの一端部Laよりも前記他端側に位置するように形成される。また、前記切り欠き6は、筒状体4の外周面に複数形成され、少なくとも二つの切り欠き6,6は、互いに対向する位置に形成される。さらに、作業者が筒状体4の外周側から内部に収容された直管ランプLを指で摘むことができるように、各切り欠き6は、直管ランプLの一端部に対応する部位が指の幅と同程度以上に設定される。
【0022】
具体的には、前記切り欠き6は、前記筒状体4の軸線方向に沿う四角形状を有する。さらに、該四角形状の切り欠き6を画定する端縁のうち前記軸線方向に沿う対向する二端縁6b,6b間の距離、即ち、前記切り欠き6の幅寸法は、約2cmに設定される。また、該切り欠き6は、直管ランプLが筒状体4の奥まで収容された状態で該直管ランプLの一端部Laが約2cm程度前記開口部4a側(即ち、筒状体4の一端側)に突出するように形成される。ところで、前記対向する二つの切り欠き6,6は、前記筒状体4,4同士が接触する部分とは異なる位置に形成される。さらに、前記対向する二つの切り欠き6,6は、各切り欠き6,6を結ぶ直線と、連結される二つの筒状体4,4の軸心を結ぶ直線とが直交する位置関係となるように形成される。
【0023】
さらに、図3(B)に示すように、前記筒状体4の内部には、前記直管ランプLを受け止める弾性変形可能な緩衝部材7が底部4bに配置される。該緩衝部材7は、筒状体4の底部4b近傍における内周面を覆うように配置される。また、緩衝部材7は、前記軸線方向他端側(即ち、底部4b側)ほど空間が狭まるテーパー形状を有する。該緩衝部材7のテーパーは、筒状体4の一端側(即ち、開口部4a側)が前記直管ランプLよりも大きく形成され、底部4b側が直管ランプLよりも小さく形成される。より具体的には、前記緩衝部材7は、内径が徐々に狭まる漏斗形状のテーパーを有する。そして、該テーパーの径と直管ランプLの径L3とが同等となる位置において、直管ランプLの他端部Lbにおける円形状の端縁部Lb1が緩衝部材7に当接するように設定される。即ち、直管ランプLの前記端縁部Lb1が前記緩衝部材7に当接する位置から筒状体4の底面4b1までの軸線方向距離、及び、該底面4b1を覆うように配置される緩衝部材7までの軸線方向距離が、直管ランプLの他端部Lbから突出する端子Lb2の長さよりも長くなるように形成される。従って、直管ランプLの端子Lb2は、緩衝部材7などの周囲の部材と接触しない。なお、緩衝部材7としては、弾性変形可能なウレタン等の素材が用いられる。
【0024】
さらに、前記直管ランプ収容具1は、前記筒状体4の開放された開口部4aを閉塞する蓋体8を備える。蓋体8としては、各筒状体4,4をそれぞれ別に閉塞するように筒状体4の個数分設けられる。なお、該蓋体8は、筒状体4の外側に嵌め込まれる(即ち、外嵌される)ものであるが、筒状体4の内側に嵌め込まれる(即ち、内嵌される)ものであってもよい。また、蓋体8としては、筒状体4の個数分設けられるものに限定されず、蓋体8は、各筒状体4,4が連結して構成されるケース本体2の一端部2a全体を閉塞するものであってもよい。なお、蓋体8は、鎖8a等を用いてケース本体2に着脱自在な状態で連結される。
【0025】
前記保持部材3は、ケース本体2に取り付けられる紐状体として構成される。具体的には、該保持部材3は、前記ケース本体2の一端部2aに取り付けられる環状体である。具体的には、該環状体は、環が作業者の身体を収容可能な大きさに形成され、作業者は、環状体を肩から斜めに掛ける態様でケース本体2を保持することができる。
【0026】
さらに、直管ランプ収容具1は、掃除用具等が収納される収納体10を備える。該収納体10は、前記ケース本体2の外周の所定箇所に取り付けられ、例えば照明装置のフード等を掃除するための掃除布等が収納される。
【0027】
次に、本実施形態に係る直管ランプ収容具1の使用方法について説明する。まず、地上において直管ランプ収容具1の準備を行い、ケース本体2を構成する二つの筒状体4,4のうち一方に新しい直管ランプLを収容する。このとき、他方の筒状体4には何も入っていない空きの状態としておく。次に、作業者は、保持部材3を肩から斜めに掛けてケース本体2を保持する態様で直管ランプ収容具1を携帯する。そして、照明器具が設置された高さ位置まで電柱を昇り、照明器具のフードを開ける等した後、古い直管ランプLを取り外す。作業者は、取り外した古い直管ランプLを前記他方の筒状体4に収容する。ここで、前記収納体10から掃除用具を取り出して、照明器具のフードや受け側端子等を掃除する。次に、前記一方の筒状体4に収容された新しい直管ランプLを取り出して照明器具に取り付ける。その後、作業者は、照明器具のフードを閉める等して取り付けを完了すると、電柱を降りる。
【0028】
上記実施形態に係る直管ランプ収容具1によれば、電柱等の高所に設置される照明器具の直管ランプLを交換する作業の際に、直管ランプLが破損するのを好適に防止して、交換作業の効率を高めることができる。
【0029】
また、ケース本体2に直管ランプLが収容されるため、周囲の物にぶつかった場合の衝撃から直管ランプLを保護することができる。また、少なくとも二つの直管ランプL,Lが別個に、即ち、互いに離間された状態で収容されるため、例えば新旧の直管ランプL,Lが同時に両方ともケース本体2に収容される状況においても、互いが接触して破損するおそれがない。
【0030】
しかも、ケース本体2は容易に入手可能な塩化ビニル製のパイプや段ボール製のものが用いられるため、容易且つ安価に作製することができるとともに、軽量である。
【0031】
さらに、前記筒状体4には収容される直管ランプLの一端部Laが臨出する状態で切り欠き6が設けられるため、直管ランプLをケース本体2の側面側から容易に視認することができ、新旧の直管ランプL.Lの取り違え等を防止して、交換作業を効率良く行うことができる。しかも、切り欠き6は互いに対向するように少なくとも二つ形成されるとともに、各切り欠き6,6は直管ランプLの一端部Laに対応する部位が指の幅と同程度以上に設定されるため、作業者が筒状体4の外周側から内部に収容された直管ランプLを指で摘むことができ、直管ランプLの取り出しが容易となる。
【0032】
また、前記筒状体4の内部には、前記直管ランプLを受け止める緩衝部材7が底部4bに配置されるため、直管ランプLを収容する際の衝撃が吸収され、直管ランプLが破損するのを好適に防止することができる。そして、緩衝部材7は、上述のようなテーパー形状を有するため、収容される直管ランプLは、緩衝部材7によって直管ランプLの他端部Lbにおける円形状の端縁部Lb1を支持されることとなる。そのため、直管ランプLの端子が緩衝部材7等の周囲の部材と接触するのを防止できる。しかも、緩衝部材7が弾性変形可能なため、直管ランプLが緩衝部材7にいわば食い込む状態となって直管ランプLが緩衝部材7の復元力によって挟持されることとなり、好適に抜け止めされる。
【0033】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る直管ランプ収容具20は、直管ランプLを挿入し易いように工夫されたものであり、図4に示すように、筒状体24の前記開口部24aが、前記他端側から一端側にかけて拡開するテーパー状に形成されるものである。具体的には、前記筒状体24は、全長に亘って一定の径を有する筒状部材241と、前記他端側から一端側にかけて拡開するテーパー形状を有するガイド部材242とで構成され、該ガイド部材242が前記筒状部材241の一端側に設けられるものである。また、該ガイド部材242は、前記筒状部材241の内側に嵌め込まれる(即ち、内嵌される)態様で取り付けられる。また、筒状体24に形成される切り欠き26は、ガイド部材242から筒状部材241に至るように設けられる。なお、筒状体24は、筒状部材241とガイド部材242とが別体として設けられるものに限られず、一体的なもの、即ち、筒状部材の開口部が拡開するように構成されたものであってもよい。
【0034】
第二実施形態に係る直管ランプ収容具20は、上記第一実施形態に係る直管ランプ収容具1と同様の効果を奏するものであることに加えて、大きく広がった開口部24aから直管ランプLを挿入することで、直管ランプLを容易に収容することができる。
【0035】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る直管ランプ収容具30は、図5に示すように、少なくとも一つの筒状体34が他の筒状体34よりも一端部を突出させて配置される。また、直管ランプ収容具30は、該一つの筒状体34の開口部34aに装着される蓋体38を備え、該蓋体38は、装着状態において前記他の筒状体34の一端側に位置する突出部38aを備えて構成される。即ち、前記蓋体38の突出部38aは、図5(B)に示すように、上面視において前記他の筒状体34の断面領域のうち前記突出部38aに覆われない領域(即ち、隙間)が、該他の筒状体34に収容される直管ランプLよりも小さくなるように構成される。
【0036】
第三実施形態に係る直管ランプ収容具30は、上記第一実施形態に係る直管ランプ収容具1と同様の効果を奏することに加えて、筒状体34を識別するのが容易となるため、例えば突出した筒状体34を新しい直管ランプ用とし、その他の筒状体34を古い直管ランプ用とするといったように取り決めることで、新旧の直管ランプL,Lの取り違え等を防止して、交換作業を効率良く行うことができる。しかも、蓋体38を装着すると、前記他の筒状体34の中に収容された直管ランプLが突出部38aと干渉し得ることとなる。従って、突出した筒状体34のみに蓋体38を装着すれば、その筒状体34に収容された直管ランプLだけでなく、さらにその他の筒状体34に収容された直管ランプLに対しても不用意に飛び出すのを規制することができる。このため、前記ケース本体32が収容可能な直管ランプLの数よりも少ない数の蓋体38で済み、直管ランプ収容具30を構成する部材の数を少なく抑えることができる。
【0037】
<第四実施形態>
第四実施形態に係る直管ランプ収容具40は、図6に示すように、少なくとも一つの筒状体44は、開放された一端側の開口部44aから他端側に向かう切り欠き46を外周面に有し、該切り欠き46は、前記両端間方向における一端が前記筒状体44に収容される直管ランプLの一端部よりも前記他端側に位置するように形成される。また、その他の筒状体44の開口部44aは、前記他端側から一端側にかけて拡開するテーパー状に形成される。具体的には、二つの筒状体44,44のうちの一方が切り欠き46を有し、他方の筒状体44がテーパー状の開口部44aを有する。
【0038】
前記他の筒状体44は、第二実施形態に係る筒状体24と同様に、全長に亘って一定の大きさの断面を有する筒状部材441Aと、該筒状部材441Aの一端側に設けられるテーパー形状を有するガイド部材442とで構成されるものである。しかも、前記各筒状体44,44は、一端部の位置を揃えて配置される。即ち、第四実施形態に係る直管ランプ収容具40は、少なくとも一つの筒状体44を構成する筒状部材441Aが他の筒状体44を構成する筒状部材441Bよりも一端部を突出させて配置され、さらに、該他の筒状体44を構成する筒状部材441Bにガイド部材442が前記少なくとも一つの筒状体44を構成する筒状部材441Aと面一となるように取り付けられるものである。
【0039】
第四実施形態に係る直管ランプ収容具40は、上記第一実施形態に係る直管ランプ収容具1と同様の効果を奏することに加えて、筒状体44,44を識別するのが容易となるため、交換作業を効率良く行うことができる。即ち、例えば切り欠き46が形成される筒状体44を新しい直管ランプ用とし、開口部44aがテーパー状に形成される筒状体44を古い直管ランプ用とするといったように取り決めることで、新旧の直管ランプの取り違え等を防止できる上に、柱上で直管ランプ収容具40から新しい直管ランプLを取り出す場合には切り欠き46が形成されているので取り出しやすく、取り外した直管ランプLを直管ランプ収容具40に収容する場合には開口部44aが大きく広がっているので直管ランプLを挿入しやすい。
【0040】
なお、本発明に係る直管ランプ収容具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、上記各実施形態においては、筒状体が二つ設けられるものに基づいて説明したが、これに限定されるものではなく、筒状体が三つ以上設けられる直管ランプ収容具であってもよい。このような直管ランプ収容具であれば、例えば照明器具が同一の電柱に二つ以上取り付けられる電柱に対して交換作業をおこなう場合であっても対応可能となる。
【0042】
また、上記各実施形態においては、筒状体(若しくは筒状部材)が円筒状であるものに基づいて説明したが、これに限定されるものではなく、角筒状のものであってもよい。
【0043】
そして、上記各実施形態においては、ケース本体が複数の筒状体を連結して形成されるものに基づいて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば中空なケース本体の内部空間を仕切りを用いて二つの収容空間に分割するものであってもよい。また、この場合を含め、前記収容空間は、内周面によって完全に包囲されるものでなくてよく、直管ランプの移動を規制すべく設けられる突起等によって仮想的に画定されるものであってもよい。
【0044】
さらに、上記各実施形態においては、切り欠きは、前記筒状体の軸線方向に沿う四角形状を有するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば三角形状を有するものであってもよい。また、切り欠きは、指の幅と同程度以上に設定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、より細いものであってもよい。この場合であっても、切り欠きから直管ランプを視認することができるという効果を奏する。
【0045】
また、上記各実施形態においては、切り欠きやテーパー状の部位が筒状体ごとに設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、切り欠き及び/又はテーパー部が形成されたアダプター部材を別途用意し、連結された状態の筒状体の一端部に対して該アダプター部材を嵌め込むものであってもよい。
【0046】
そして、前記保持部材の環状体は、環が上記各実施形態のものよりも小さく形成され、作業者の身に付ける安全ベルト等に通されることにより、ケース本体が腰から吊り下げられる態様で作業者に保持されるものであってもよい。さらには、保持部材は、前記ケース本体の全長よりも長尺な紐状体であり、該紐状体の両端部がそれぞれ前記ケース本体の一端部と他端部に取り付けられるものであってもよい。この場合、紐状体と該紐状体が取り付けられたケース本体とによって、内部に作業者の身体を収容可能な一繋がりの環が形成される態様となる。作業者が直管ランプ収容具を携帯する際には、保持部材が前側、ケース本体が後ろ側となるように直管ランプ収容具を背負う。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)は、直管ランプを備える照明器具が高所に設置される電柱を示し、(B)は、直管ランプを示す。
【図2】本発明の第一実施形態に係る直管ランプ収容具の斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係る直管ランプ収容具に直管ランプが収容された状態を示す図であって、(A)は、開口部近傍部位を示し、(B)は、底部側部位を示す。
【図4】本発明の第二実施形態に係る直管ランプ収容具の開口部近傍部位を示す。
【図5】本発明の第三実施形態に係る直管ランプ収容具を示す図であって、(A)は、平面図を示し、(B)は、上面図を示す。
【図6】本発明の第四実施形態に係る直管ランプ収容具を示す。
【符号の説明】
【0048】
1…直管ランプ収容具、2…ケース本体、2a…一端部、2b…他端部、3…保持部材、4…筒状体、4a…開口部、4b…底部、4b1…底面、6…切り欠き、6a…一端、6b,6b…二端縁、7…緩衝部材、8…蓋体、8a…鎖、10…収納体、20…直管ランプ収容具、24…筒状体、24a…開口部、30…直管ランプ収容具、32…ケース本体、34…筒状体、34a…開口部、38…蓋体、38a…突出部、40…直管ランプ収容具、44…筒状体、44a…開口部、46…切り欠き、241…筒状部材、242…ガイド部材、441…筒状部材、442…ガイド部材、L…直管ランプ、L1…管球部分、L2…全長、L3…径、La…一端部、Lb…他端部、Lb1…端縁部、Lb2…端子、S…収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱等の高所に設置される照明器具に取り付けられる直管ランプの交換作業の際に用いられる直管ランプ収容具であって、
少なくとも二つの直管ランプを別個に収容すべく一つの直管ランプに対応した収容空間が少なくとも二つ確保され、一端側から前記直管ランプが出し入れされるケース本体と、
該ケース本体を作業者に保持させるための保持部材とを備えることを特徴とする直管ランプ収容具。
【請求項2】
前記ケース本体は、直管ランプを一つ収容可能で他端側に底部を有する筒状体を少なくとも二つ連結させて構成されることを特徴とする請求項1に記載の直管ランプ収容具。
【請求項3】
前記筒状体は、開放された一端側の開口部から他端側に向かう切り欠きを外周面に有し、
該切り欠きは、前記両端間方向における一端が前記筒状体に収容される直管ランプの一端部よりも前記他端側に位置するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の直管ランプ収容具。
【請求項4】
前記筒状体の内部には、前記直管ランプを受け止める弾性変形可能な緩衝部材が底部に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の直管ランプ収容具。
【請求項5】
前記筒状体の前記開口部は、前記他端側から一端側にかけて拡開するテーパー状に形成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の直管ランプ収容具。
【請求項6】
前記少なくとも一つの筒状体が他の筒状体よりも一端を突出させて配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の直管ランプ収容具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−66079(P2008−66079A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241683(P2006−241683)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】