直管型蛍光灯着脱交換器具
【課題】ガラス管をチャックで把持することから、灯全体を軸線方向に動かしても、ストレスをガラス管に加えないで、蛍光灯を簡単な機構乃至は操作で容易に取付け乃至は取外し可能に構成する。
【解決手段】長尺な取手用ポール1と、蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレーム2を基体とし、一対の湾曲爪3a,3bにより蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャック3,3’を横桁フレーム2に設け、可動フレーム4を横桁フレーム2より伸出し移動可能に設け、屈伸リンク12,屈伸リンク12の作動バー11を可動フレーム4の伸出し移動機構として備え、可動フレーム4を退却方向に引張る引張バネ4aを備え、ソケットケースの前面と当接可能なプッシャ5を可動フレーム4に設け、作動バー11を引張る操作レバー9を取手用ポール1に設け、作動バー11と操作レバー9とを牽引糸10で連携した。
【解決手段】長尺な取手用ポール1と、蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレーム2を基体とし、一対の湾曲爪3a,3bにより蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャック3,3’を横桁フレーム2に設け、可動フレーム4を横桁フレーム2より伸出し移動可能に設け、屈伸リンク12,屈伸リンク12の作動バー11を可動フレーム4の伸出し移動機構として備え、可動フレーム4を退却方向に引張る引張バネ4aを備え、ソケットケースの前面と当接可能なプッシャ5を可動フレーム4に設け、作動バー11を引張る操作レバー9を取手用ポール1に設け、作動バー11と操作レバー9とを牽引糸10で連携した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的高所の天井等に装備される直管型蛍光灯の着脱交換器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直管型の蛍光灯は、図20で示すように直線状のガラス管Gと、ガラス管Gの左右に取り付けられた口金C1,C2と、口金C1,C2より突出する口金ピンP1,P2とを備えて構成されている。この蛍光灯の取付け設備としては、ソケットケースN1,N2を反射カバーRの左右内側に備え、ソケットケースN1,N2でバネ変位可能に収容したソケットS1,S2に口金C1,C2を当接し、口金ピンP1,P2をソケットS1,S2の端子穴(符号なし)に差し込むことから電気的に接続するものがある。
【0003】
その蛍光灯の場合、取外し時には一方のソケットを灯全体で押すことによりソケットケースの内部に没入させると共に、他方の口金(「口金ピン」含む。以下同じ)を相対する他方のソケット(「端子穴」を含む。以下同じ)より外し出し、また、取付け時には一方のソケットを灯全体で押すことによりソケットケースの内部に没入させると共に、他方の口金を相対するソケットと合わせて取り付ける手順で着脱交換することが行われている。
【0004】
天井等の比較的高所に装備される蛍光灯の着脱交換に対応するべく、従来、高所にまで伸ばせる長尺な取手用ポールを備え、蛍光灯のガラス管を把持乃至は解放可能なチャックを取手用ポールの上端側に取付固定すると共に、蛍光灯の口金を銜えて灯全体を軸線方向に横ずらし可能な可動爪をチャックより離れた取手用ポールの横方向に備える直管型蛍光灯の着脱交換器具が知られている(特許文献1,2)。
【0005】
上述した可動爪に代えて、口金とソケットとの隙間に差し込んで灯全体を軸線方向に横ずらしするよう口金の端部面より押圧可能な係合片を取手用ポールの上端側に備え付けた直管型蛍光灯の着脱交換器具も知られている(特許文献3,4)。
【0006】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具は、蛍光灯の取外し時で説明すると、いずれも、蛍光灯のガラス管をチャックで把持すると共に、灯全体を可動爪または係合片でチャック側に向けて押し送りする。換言すると、ガラス管のチャックによる把持(固定点)に対し、灯全体を可動爪または係合片の可動側で押し送りするものとして構成されている。
【0007】
それによると、灯全体を可動爪または係合片で押し送りするに伴って、可動爪または係合片の押圧による過度なストレスがチャックとの間でガラス管に加わるおそれがある。
【0008】
上述した以外に、略台形に折り曲げた板バネでなる支持台を取手用ポールの上端側に取り付け、鰐口状のクリップを支持台の内側に介装すると共に、クリップと支持台とを支軸で相対的にズレ動可能に軸着し、支持台の側板を引張り紐で拡開する操作レバーを取手用ポールの握り手側に取り付け、更に、略Lの字状を呈する突張りリンクを支持台の下部側からソケットケースまで伸びるよう取手用ポールの側面に支軸で軸着した直管型蛍光灯の着脱交換器具が知られている(特許文献5)。
【0009】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具は、蛍光灯の取外し時で説明すると、まず、クリップを半開き状態でガラス管にあてがい、取手用ポールがクリップと支持台との支軸点より突張りリンクの張出し側と反対方向に斜めになるよう保ち、突張りリンクの先端側を片側のソケットケースにあてがうと共に、ガラス管をクリップで把持し、次いで、取手用ポールを垂直方向に移動することにより、突張りリンクをソケットケースに圧接させてテコとすることから、ガラス管を把持したクリップにより灯全体を軸線方向に動かせて口金をソケットより取り外せるよう構成されている。
【0010】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具では、上述したようにクリップを半開き状態でガラス管にあてがって取手用ポールの軸線方向を斜めに保つことにより、突張りリンクの上端側を片側のソケットケースにあてがうという不安定な手間の掛かる作業が必要となる。また、突張りリンクをソケットケースに圧接するテコ状態のままでソケットケースより擦り下げて灯全体をソケットから外すという無理な作業も必要となる。
【特許文献1】特開平10−255717
【特許文献2】実用新案登録第3099066号
【特許文献3】特開平9−57644
【特許文献4】特開平10−572
【特許文献5】実用新案登録第3017862号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ガラス管をチャックで把持することから、灯全体を軸線方向に動かしても、ストレスをガラス管に加えないで、蛍光灯を簡単な機構乃至は操作で容易に取付け乃至は取外し可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【0012】
別の課題は、ガラス管をチャックで安定よく把持することから、蛍光灯を簡単な操作で容易に取付け乃至は取外し可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【0013】
更なる課題は、直管型蛍光灯の取付け位置が高所,低所と変わっても対応可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の請求項1に係る発明は、各口金を両側のソケットケースでバネ変位可能に収容した各ソケットに当接し、各口金ピンを各ソケットの端子穴に差し込んで電気的に接続する直管型蛍光灯着脱交換器具であって、
長尺な直線状の取手用ポールと、取手用ポールの上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレームを基体とし、
横桁フレームの側部両側から向き合って上端側を開き,閉じ可能に引張バネで引合い支持した一対の湾曲爪により、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャックを横桁フレームに立て付けて設け、
可動フレームを横桁フレームの一方の筒端より伸出し移動可能に嵌め込んで設け、屈伸リンクを可動フレームの内端側と横桁フレームの筒内側との間に連結させて設け、屈伸リンクを屈折状態に保持する作動バーを取手用ポールの上部側より横桁フレームの筒内に臨ませて設け、可動フレームを退却方向に引張って屈伸リンクを屈折状態に保つ引張バネを横桁フレームの筒内に設け、
更に、蛍光灯の口金近くを受け入れてソケットケースの前面と当接可能なプッシャを可動フレームの外端側に設け、作動バーを引張り下降させる操作レバーを取手用ポールの握り手側に設け、作動バーと操作レバーとを牽引糸で繋いだことを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2に係る発明は、中央の横軸部より左右の縦軸部を直角に折り曲げて略コの字状を呈し、両縦軸部の上端寄りを蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部とし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部として湾曲軸部の円弧方向と同方向の略直角に折り曲げて形成した支持枠と、支持枠の横軸部より湾曲軸部の枠内に配置する緩衝用の弾性パッドを持って両側縁を湾曲軸部の軸上に折曲げ固定した支持板とからなる一対の湾曲爪を備え、
支持枠の各基軸部を横桁フレームの各側面に開口した係止穴より筒内に挿置させて一対の湾曲爪を横桁フレームの側部両側で相対し、横桁フレームの筒内に配置する引張バネの各バネ端を横桁フレームの各側面に開口する通し穴より外方に引き出させて相対する各基軸部の縦軸間に掛け渡し、
横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するべく、一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3に係る発明は、支持板の下側縁を湾曲させてガイド縁を設けた一対の湾曲爪を備え、
下部辺を横桁フレームの下側に配置し、各側部辺を横桁フレームの両側に配置し、各側部辺の上端側を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割込ませ可能に斜めに面取りした上向きコ字状の楔状片と、楔状片の底部辺に植立させて横桁フレームの筒内に挿通し、軸上側を湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出可能な外しピンとからなり、
外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持し、一方、互い開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げて楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出すキーを組み付けたことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項4に係る発明は、取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項5に係る発明は、滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことを特徴とする。
【0019】
本願の請求項6に係る発明は、内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことを特徴とする。
【0020】
本願の請求項7に係る発明は、ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対のアームを備えたことを特徴とする。
【0021】
本願の請求項8に係る発明は、横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項9に係る発明は、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接する位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことを特徴とする。
【0023】
本願の請求項10に係る発明は、取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする。
【0024】
本願の請求項11に係る発明は、牽引糸を所定長さ巻いたリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、備付け位置を調整可能な操作レバーを設けたことを特徴とする。
【0025】
本願の請求項12に係る発明は、牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出し、作動バーの繋ぎピンと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本願の請求項1に係る発明では、既設の蛍光灯を取り外すにあたり、作業者が具全体を取手用ポールで持って蛍光灯の装備場所まで持ち上げ、まず、プッシャの外端面を一方のソケットケースに当接し、これを基準面として具全体を押し上げると、チャックが蛍光灯のガラス管を湾曲爪の相対間に受け入れて把持すると共に、プッシャが蛍光灯のガラス管から口金を受け入れる。
【0027】
次いで、作業者が屈伸リンクの作動バーを操作レバーで引張り降下させると、可動フレームが屈伸リンクの伸長で横桁フレームの一方の筒端より延長方向に伸び出し、プッシャが一方の当接したソケットケースを押すことにより、具全体が蛍光灯のガラス管をチャックで挟持したままにプッシャと相対的にズレ動くことから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットをソケットケースの内部に没入させると同時に、プッシャ側のソケットから口金ピンを含む口金を該ソケットより抜き出せる。
【0028】
プッシャ側の口金外し状態では、他方の口金ピンを含む口金が没入側のソケットで保持されたままであるが、作業者が具全体を取手用ポールで引き下げることから、プッシャをソケットケースとの当接状態より摺り外し、蛍光灯のカラス管をチャックで挟持したまま口金ピンを含む口金をプッシャ側のソケットから外せば、灯全体をソケットケースより斜めに下ろせ、また、他方の口金ピンを含む口金を他方の没入したソケットより取り外せるから、チャックで挟持した蛍光灯を取手用ポールで手元まで取り寄せられる。
【0029】
蛍光灯の取付けにあたっては、まず、作業者がプッシャと片方の口金とを基準面の端面相互で合わせて蛍光灯のガラス管をチャックで把持することから蛍光灯を横桁フレームに予め組み付ける。次いで、作業者が取手用ポールを持って蛍光灯を装備場所まで持ち上げ、一方の口金ピンと相応するソケットの端子穴とを位置合わせし、口金ピンを端子穴に差し込み、プッシャを上部側から斜めにソケットケースにあてがうようレバー操作することによりソケットケースをプッシャで押すと、位置合せした一方の口金ピンを端子穴に差し込める。
【0030】
そのプッシャのあてがい状態より、作業者が上述したと逆にプッシャをソケットケースに対して摺り上げるよう取手用ポールを持ち上げると、プッシャがソケットケースを押すことから、具全体が蛍光灯のガラス管をチャックで挟持したままプッシャと相対的にズレ動き、蛍光灯の灯全体により先の口金ピンを位置合せした端子穴に差し込めると共に、ソケットをソケットケースの内部に没入させることにより、プッシャ側の口金を当該側のソケットと合わせられる。
【0031】
プッシャ側の口金を当該側のソケットと合わせたら、作業者が操作レバーの握りを解除すると、可動フレーム,屈伸リンク,作動バーが引張バネで復帰方向に戻ると共に、プッシャが退却移動することから、先の口金ピンを端子穴に差し込んだソケットをソケットケースの内部で迫り出させられると同時に、プッシャ側の口金ピンを当該側のソケットの端子穴に差し込める。これにより、蛍光灯を装備場所に取り付けられ、作業者が具全体を取手用ポールで引き下げれば、チャック,プッシャを蛍光灯のガラス管より外すようにできる。
【0032】
その蛍光灯の取付け,取外しのいずれに際しても、チャックが蛍光灯のガラス管と擦れ動くことがなく、また、プッシャも蛍光灯のガラス管と摺接することがないため、ストレスをガラス管に加えないで、蛍光灯を簡単な操作で容易に着脱交換するようにできる。
【0033】
本願の請求項2に係る発明では、横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持する一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことから、緩衝用の弾性パッドを支持板に設けた一対の湾曲爪により蛍光灯のガラス管を簡単な機構で安定よく把持できる。
【0034】
本願の請求項3に係る発明では、外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持可能なキーを組み付けたことから、蛍光灯の取外しにあたり、開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げることにより、楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出せば、蛍光灯のガラス管を一対の湾曲爪により把持できるため、天井等の比較的高所に装備される蛍光灯でもチャックで簡単且つ確実に把持するようにできる。
【0035】
本願の請求項4に係る発明では、取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことから、取手用ポールの立付け保持と共に、長尺な直管型の蛍光灯でもチャックで安定よく把持するようにできる。
【0036】
本願の請求項5に係る発明は、滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことから、蛍光灯のガラス管をチャックで把持すると共に、蛍光灯のガラス管を滑止め用の弾性パッドでズレ動かないよう安定よく保持できる。
【0037】
本願の請求項6に係る発明では、内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことから、蛍光灯が天井等の比較的高所に装備されている場合でも、囲いアームを二つに開いて蛍光灯の口金付近を簡単に受け入れられると共に、囲いアームを閉じてソケットケースに安定よく当接するようにできる。
【0038】
本願の請求項7に係る発明では、ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対の囲いアームを備えたことから、蛍光灯の外し時にプッシャをソケットケースとの当接状態より容易に摺り外せ、また、蛍光灯の取付け時にプッシャを上部側から斜めにソケットケースに容易にあてがえる。
【0039】
本願の請求項8に係る発明は、横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことをから、プッシャを相対するソケットケースに圧接するに、ストッパ片が他方のソケットケースに当接することにより、一方の口金の没入と共に、他方の口金の取外しを安定よく行える。
【0040】
本願の請求項9に係る発明では、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接可能な位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことから、蛍光灯を天井等の比較的高所に取り付けるにあたり、ストッパ片の当接する側の口金とソケットとを容易に位置合わせできる。
【0041】
本願の請求項10に係る発明では、取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で繋いだことから、レバー操作に伴って、可動環が取手用ポールに沿って安定よく下降し、可動環側が牽引糸で作動バーを引っ張って屈伸リンクを伸長させることにより、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に確実に移動させるようにできる。
【0042】
本願の請求項11に係る発明では、牽引糸を所定長さ巻き取るリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、レバー本体の配置位置を調整可能な操作レバーを設けたことから、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に移動できるばかりでなく、直管型蛍光灯の取付け位置が高所,低所と変わっても容易に対応できる。
【0043】
本願の請求項12に係る発明では、牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出したことから、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部で安定よく引張り下降させて屈伸リンクを伸長でき、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に移動させるようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図示実施の形態に係る直管型蛍光灯着脱交換器具は、図1,図2で示すように作業者が蛍光灯を持ち上げ乃至は持ち下げるに手で持つ長尺な直線状の取手用ポール1と、取手用ポール1の上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する四角筒形の横桁フレーム2を基体として構成されている。横桁フレーム2の上面側には、滑止め兼緩衝用の弾性パッド2aが蛍光灯のガラス管と接するよう張設配置されている。
【0045】
横桁フレーム2には、蛍光灯のガラス管を把持するチャック3,3’が中央位置の取手用ポール1を介して左右両側に配設されている。横桁フレーム2には、内端側の一部を筒内に嵌め込む可動フレーム4が一方の筒端から伸出し移動可能に設けられている。可動フレーム4の外端側には、ソケットケースの前面と当接可能なプッシャ5が設けられている。横桁フレーム2の他方筒端には、直線状に伸びる固定フレーム6が取り付けられている。固定フレーム6の外端側には、ストッパ片7,位置決めバー8が設けられている。
【0046】
取手用ポール1は丸パイプでなり、握り手側には操作レバー9が設けられている。操作レバー9は、後述するように可動フレーム4を横桁フレーム2の一方筒端から伸出し移動させるようナイロン等の強靭な牽引糸10で作動バーと繋がれている。
【0047】
チャック3,3’を片方に基づいて説明すると、チャック3は、図3で示すように横桁フレーム2を介して両側から向き合う一対の湾曲爪3a,3bを備えて組み立てられている。湾曲爪3a,3bは、一方に符号を付けて説明すると、図4a〜図4cでも示すように金属線材の支持枠30と、緩衝用の弾性パッド31を板面に貼付け固定した金属薄板の支持板32から形成されている。
【0048】
支持枠30は、中央の横軸部30aより左右の縦軸部を直角に折り曲げた略コの字状を呈し(図4a参照)、両縦軸部の上端寄りを湾曲させて蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部30b,30cとし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部30d,30eとして湾曲軸部30b,30cの円弧方向と同方向の略直角に折り曲げ、更に、湾曲軸部30b,30cから基軸部30d,30eに亘る軸線部分を段部30f,30gとして折曲げ形成されている(図4b参照)。
【0049】
弾性パッド31はゴム板でなり、支持枠30の横軸部30aから湾曲軸部30b,30cに亘る枠内で支持板32の板面に貼付け配置されている(図4c参照)。支持板32は、両側縁32a,32bを湾曲軸部30b,30cの軸上に曲込み固定し、また、下側縁を湾曲させて設けた円筒状のガイド縁32cを備えて支持枠30に取り付けられている。
【0050】
一対の湾曲爪3a,3bは、図3,図5で示すように支持枠31の各基軸部30d,30eを横桁フレーム2の各側面に開口した係止穴2b,2cより筒内に挿置し、横桁フレーム2の筒内に配置する引張バネ33a,33bの各バネ端を横桁フレーム2の各側面に開口する通し穴(符号なし)より外方に引き出させて相対する基軸部30d(相手方の符号なし)の縦軸部分に掛け渡すことから、横桁フレーム2の側部両側で互いに引張り合うよう組み付けられている。
【0051】
上述した構成から、チャック3,3’は、支持枠30の基軸部30d,30eを支点に、上端側を開き,閉じ可能に引張バネ33a,33bで引張り合う一対の湾曲爪3a,3bにより、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するよう横桁フレーム2に立て付けて設けられている。
【0052】
チャック3,3’には、一対の湾曲爪3a,3bを開き保持可能なキー3cが組み付けられている。キー3cは、図3,図5で示すように横桁フレーム2の側面と支持板32のガイド縁32cとの間に割込ませ可能な上向きコ字状の楔状片34と、軸上端側を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面側に突出可能な外しピン35と、外しピン35を立付け保持する固定ナット36とから組み立てられている。
【0053】
楔状片34は、底部辺34aを横桁フレーム2の下面側に配置し、各側部辺34b,34cを横桁フレーム2の両側面に配置するよう組み付けられている。外しピン35は、楔状片34aの底部辺34aに植立させて横桁フレーム2の筒内に挿通し、緩衝用のゴム管36を軸中腹まで嵌装することから、キー全体が横桁フレーム2から脱落しないよう組み付けられている。横桁フレーム2の底面には、外しピン35の挿通穴がゴム管36の径よりも小さく設けられている。
【0054】
楔状片34としては、先端側の外面側を鋭角に面取って形成したものが備えられている。これにより、楔状片34は各側辺部34a,34bが横桁フレーム2の側面を規制面として内面側で摺接し、支持板32のガイド縁32cを引張バネ33a,33bに抗して離間方向に押圧するよう支持板32のガイド縁32cと摺接するよう組み付けられている。
【0055】
キー3cは、外しピン35を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面に突出させ、且つ、楔状片34の各側部辺34a,34bを横桁フレーム2の側面と支持板32のガイド縁32cとの間に割り込ませて一対の湾曲爪3a,3bを開き保持する。一方、互いに開いた湾曲爪3a,3bの間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピン35を押し下げ、楔状片3a,3bを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間より外し出すことから、蛍光灯のガラス管をチャック3,3’の湾曲爪3a,3bで把持させるよう組み付けられている。
【0056】
可動フレーム4は、底部面が開放されたC型の金属チャンネル材でなり、図2で示すようにコイルスプリングの引張バネ4aを可動フレーム4の植立ピン4bと横桁フレーム2の植立ピン2dとの間に掛け渡すことから横桁フレーム2の筒内に退却移動可能にバネ引張されている。可動フレーム4には、上述した支持枠30の基軸部30d,30eが当接しないよう切欠4cが設けられている。また、キー3cの外しピン35と相対的にズレ動けるよう長穴(図示せず)が外しピン35の挿通穴として上部面に設けられている。
【0057】
プッシャ5は、図6,図7で示すように内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアーム5a,5bでなり、一対の囲いアーム5a,5bとしてはソケットケースの前面と相対する側の上部縁50a,50bを斜めに面取り形成したものが備えられている。各囲いアーム5a,5bは、可動フレーム4の長手方向で相対する立上りフレーム51a,51bを外端寄り上部に設け、立上りフレーム51a,51bに掛け渡す支軸ピン52a,52bで軸承させて開き,閉じ可能に取り付けられている。
【0058】
プッシャ5は、二つ割れに開いて蛍光灯の口金付近を受け入れられると共に、内端側が蛍光灯の口金付近で押されて蛍光灯の口金付近を取り込めるよう備え付けられている。口金付近の取込み状態では、図8で示すように各囲いアーム5a,5bの内面側が蛍光灯の口金と摺接しない略円形を呈するよう形成されている。
【0059】
ストッパ片7は、図9で示すように蛍光灯の口金C1を受入れ可能な広がり形状を持ってソケットケースS1の前面から側面に亘る略V字状を呈するよう金属薄板から折り曲げて形成されている。このストッパ片7は、略V字の基部側を固定フレーム6から伸びる金属パイプ6aの下面側にあてがって締付けビス6bで取付け固定されている。
【0060】
位置決めバー8は、図10で示すように金属線材もL字状バー8a,8bを二本備えてなり、L字状バー8a,8bをストッパ片7の各上端側に設けた円筒ホルダー7a,7bでスライド可能に保持させて組み付けられている。L字状バー8a,8bは、後述する如くストッパ片7の当接する側の口金とソケットとを位置合わせするよう、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接するものであり、その当接状態から可動フレーム4によるプッシャ5の移動に伴って長さを変えられるようスライド可能に備えられている。
【0061】
プッシャ5の伸出し移動機構は、図11で示すように作動バー11,屈伸リンク12とから組み立てられている。作動バー11は一本の棒状のものでなり、取手用ポール1の上部側より横桁フレーム2の筒内に臨ませて設けられている。
【0062】
屈伸リンク12は、二本の直線バー12a,12bを組み合わせてなる。各直線バー12a,12bは、上端側が作動バー11の上端側に同軸の支ピン11aで枢着されている。一方12aは下端側が横桁フレーム2の側面に軸承連結され、他方12bは下端側が可動フレーム4の側面に軸承連結されている。これにより、屈伸リンク12は、直線バー12aを支点に屈伸可能に組み付けられている。なお、各直線バー12a,12bは作動バー11を介して両側に取り付けるようにできる。
【0063】
取手用ポール1は、図11で示すように横桁フレーム2の中央位置に設けた円筒状のポールホルダー13に嵌込み連結することから、蛍光灯の装備場所の高さに応じて長さの異なるものと締付けねじ13aで着脱交換可能に備え付けられている。ポールホルダー13は、横桁フレーム2の底部面との間に掛渡し固定する筋交い板14a,14bで立付け補強されている。
【0064】
作動バー11を内部に収容配置することの関係から、ポールホルダー13には縦長穴13bが上端寄り側面に設けられている。作動バー11には、牽引糸の繋ぎピン11bが側方に突出するよう設けられている。繋ぎピン11bは、突端側をL字状に折り曲げてポールホルダー12の縦長穴12bより外部に突出することから作動バー11の上下動と共に縦長穴13bの穴内で移動可能に組み付けられている。
【0065】
操作レバー9は、図12で示すようにレバー本体9a,橋絡杆9bを備えて組み立てられている。また、取手用ポール1の外側に嵌め合わす固定環90を上部側に、取手用ポール1の外側にスライド可能に嵌め合わす可動環91を下部側に備え、レバー本体9aの上端側を固定環90に軸承連結し、橋絡杆9bの片端側をレバー本体9aの中腹辺に枢着ピン9cで連結し、他端側を可動環9bに枢軸ピン91aで連結することから取手用ポール1に取り付けられている。
【0066】
固定環90には、レバー全体の位置調整時に緩め可能な締付けねじ90bが備えられている。また、可動環91にはスライドに伴う作業者の手との接触を避けられるよう、面取り部91bが枢軸ピン91aによる橋絡杆9bの連結位置から下方の周面を斜めに切欠いて設けられている。
【0067】
固定環90,可動環91に加えて、操作レバー9は牽引糸10を所定長さ巻いたリール環92を固定環91の上部側に備えて組み立てられている。リール環92には箆状の立上り辺92aを設け、牽引糸10を巻き付ける上下の糸巻きピン92b,92cが立上り辺92aに植立されている。リール環90からは、牽引糸10が作動バー11の繋ぎピン11bに絡め止められている。
【0068】
リール環92は、可動環91と一体にスライド可能に固定環91の上部側で取手用ポール1の外側に嵌め合わせて備え付けられている。可動環91とリール環92とは、上端側を巻取りピン92cでリール環92に締付け固定し、下端側を止めビス94aで可動環91に締付け固定する掛渡しプレート94で連結されている。掛渡しプレート94には、可動環側91,92の復帰時に固定環90と当接する位置決め用のストッパピン94bが設けられている。
【0069】
このように構成する直管型蛍光灯の着脱交換器具では、既設の蛍光灯を取り外すにあたり、作業者が具全体を取手用ポール1で持って蛍光灯の装備場所まで持ち上げ、まず、図13で示すようにプッシャ4の外側面を相対するソケットケースN2の前面にあてがい、それを基準面として具全体を押し上げると、チャック3,3’が蛍光灯のガラス管Gを一対の湾曲爪3a,3bの相対間に受け入れて把持すると共に、プッシャ4が蛍光灯の口金C2を非接触状態で受け入れる。
【0070】
その作業に先立って、チャック3,3’の湾曲爪3a,3bは、図14で示すように外しピン35を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面側に突出させ、且つ、楔状片34の各側部辺34b,34cを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間に割り込ませて一対の湾曲爪3a,3bをキー3cで開いた状態に保つ。
【0071】
一対の湾曲爪3a,3bをキー3cで開いた状態に保ってから、上述したようにチャック3,3’を蛍光灯の装備場所まで持ち上げて蛍光灯のガラス管Gを互いに開いた湾曲爪3a,3bの間に受け入れると、蛍光灯のガラス管Gにより外しピン35が押し下げられると共に、楔状片3cを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間より外し出せるから、図15で示すように蛍光灯のガラス管Gを一対の湾曲爪3a,3bにより把持できる。このため、天井等の比較的高所に装備される蛍光灯でもチャック3,3’で簡単且つ確実に把持するようにできる。
【0072】
チャック3,3’の開き保持と共に、プッシャ5は一対の囲いアームを50a,50bを支軸ピン52a,52bで開き状態に保つ(図6参照)。このプッシャ5では、蛍光灯のガラス管Gが囲いアーム50a,5bの内端側に当接すると、各囲いアーム5a,5bの内面側が蛍光灯の口金と摺接しない略円形を呈するよう閉じる(図8参照)。これにより、蛍光灯が天井等の比較的高所に装備されている場合でも、プッシャ5が蛍光灯の口金C2を中央に取り込んでソケットケースN2に安定よく当接するようにできる。
【0073】
蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持し、蛍光灯の口金C2をプッシャ5で取り込んだならば、図16で示すように作業者が操作レバー9のレバー本体9を掴んで取手用ポール1の周面と近接方向に引くと、橋絡杆9bを介して可動環91と共に、リール環92が取手用ポールの周面に沿って下降し、図17で示すように作動バー11が牽引糸10で引張られて下降すると共に、屈伸リンク12が作動バー11を斜めに倒しながら伸長する。
【0074】
屈伸リンク12が伸長動すると、可動フレーム4が横桁フレーム2の一方の筒端より延長方向に伸び出し、プッシャ5が一方の当接したソケットケースN2を押し、図18で示すように具全体が蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持したままにプッシャ5と相対的にズレ動くことから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットS1をソケットケースN1の内部に没入させる。これと同時に、プッシャ側のソケットS2から口金ピンP2を含む口金C2をソケットS2より抜き出せる。
【0075】
具全体がプッシャ5と相対的にズレ動くに伴って、ストッパ片7がソケットケースN1の前面に当接することから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットS1をソケットケースN1の内部に安定よく没入できると同時に、プッシャ側のソケットS2から口金ピンP2を含む口金C2をソケットS2より確実に抜き出せる。この時に、位置決めバー8ではソケットケースN1の設置面に当接するL字状バー8a,8bをストッパ片7の各上端側に設けた円筒ホルダー7a,7bでスライドすることからズレ動く。
【0076】
プッシャ側の口金C2がソケットS2から外れた状態では、作業者が具全体を取手用ポール1でやや斜めにしながら引き下げれば、図19で示すようにプッシャ5をソケットケースN2との当接状態より摺り外せ、蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で挟持したまま口金ピンP2を含む口金C2をソケットケースN2より斜めに下ろせ、また、他方の口金ピンP1を含む口金C1を他方の没入したソケットS1より取り外せる。
【0077】
そのプッシャ5の摺外し途上で、口金ピンP2がソケットケースN2の下端縁から外れたならば、操作レバー9の握りを解除すると、可動フレーム4が引張バネ4aで横桁フレーム2の筒内に退却移動すると共に、屈伸リンク12が屈折状態に戻って作動バー11を上方に引き上げる。作動バー11が上方に引き上げられると、牽引糸10を介して操作レバー9の可動環側91,92を含む操作レバー9が復帰動する。
【0078】
蛍光灯の取付けにあたっては、まず、作業者がプッシャ5の外側面と片方の口金C2とを基準面の端面相互で合わせて蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持することから蛍光灯を横桁フレーム2に予め組み付ける。
【0079】
次いで、取手用ポール1を持って蛍光灯を装備場所まで持ち上げ、具全体から蛍光灯を斜めに保って一方の口金ピンP1と相応するソケットS1の端子穴とを位置合わせする。この際には、位置決めバー8の金属バー8a,8bをソケットケースN1の両側部から設置面に向けて当接することから、蛍光灯を天井等の比較的高所に取り付けるにも、ストッパ片7の当接する側の口金C1とソケットS1とを容易に位置合わせできる(図19参照)。
【0080】
口金C1とソケットS1とを位置合わせしたならば、作業者が操作レバー9を軽く握りながらことから、プッシャ5を上部側の面取り部50a,50bから斜めにソケットケースN2の下端縁にあてがう。このプッシャ5のあてがい状態より、作業者が操作レバー9の握りを強めながら、上述したと逆に、プッシャ5をソケットケースN2に対して摺り上げるよう取手用ポールを持ち上げる。これにより、口金ピンP1をソケットS1の端子穴に差し込めると共に、プッシャ5をソケットケースN2の前面にあてがえる。
【0081】
そのプッシャ5のあてがい状態では、プッシャ5がソケットケースN2を押すことから、具全体が蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で挟持したままプッシャ5と相対的にズレ動き、蛍光灯の灯全体により先の口金ピンP1を位置合せした端子穴に差し込めてソケットC1をソケットケースN1の内部に没入させると共に、プッシャ側の口金ピンP2を含む口金C2を当該側のソケットS2と位置合わせできる。
【0082】
プッシャ側の口金C2を当該側のソケットS2と合わせたら、作業者が操作レバーPの握りを解除すると、上述したように可動フレーム4,屈伸リンク12,作動バー11を含む操作レバー9までが引張バネ4aで復帰方向に戻ると共に、プッシャ5が退却移動することから、先の口金ピンP1を端子穴に差し込んだソケットS1をソケットケースN1の内部で迫り出させられると同時に、プッシャ側の口金ピンP2を当該側のソケットS2の端子穴に差し込める。
【0083】
これにより、蛍光灯を高所の装備場所にも取り付けられ、作業者が具全体を取手用ポール1で引き下げれば、チャック3,3’、プッシャ5を蛍光灯より外すようにできる。その蛍光灯の取付け,取外しのいずれに際しても、チャック3,3’が蛍光灯のガラス管Gと擦れ動くことがなく、また、プッシャ5も蛍光灯のガラス管Gと摺接することがないため、ストレスをガラス管Gに加えないで、蛍光灯を簡単な操作で容易に着脱交換するようにできる。
【0084】
取手用ポール1を長尺なものに代えるには、ホールホルダー13の締付けねじ13aを弛めて既設の取手用ポール1を取り外せば、別のものに代えられる。これと共に、操作レバー9締付けねじ90bを緩めて操作レバー9を前の取手用ポール1から取り外し、牽引糸10を巻き戻すことから取り替えた取手用ポールに取付け直し、牽引糸10の長さを調整すればよい。
【0085】
上述した実施の形態では、可動フレーム4から操作レバー9の復帰動を可動フレーム4の引張バネ4aで行わせる場合に基づいて説明したが、例えば作動バー11の繋ぎピン11bとポールホルダー13または横桁フレーム2との間に掛け渡す引張バネを加えるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る直管型蛍光灯の着脱交換器具を全体的に示す正面図である。
【図2】図1の器具における横桁フレームに備える機構側を示す備え正面図である。
【図3】図2の横桁フレームに備えるチャックの一つを示す側面図である。
【図4a】図3のチャックを構成する湾曲爪を示す正面図である。
【図4b】図4aの湾曲爪を示す側面図である。
【図4c】図4aの湾曲爪を示す背面図である。
【図5】図3のチャックを示す正面図である。
【図6】図2の横桁フレームに備えるプッシャを示す側面図である。
【図7】図6のプッシャを示す正面図である。
【図8】図6のプッシャによる口金付近の取込み状態を示す説明図である。
【図9】図2の横桁フレームに備えるストッパ片を示す側面図である。
【図10】図9のストッパ片に備える位置決めバーを示す正面図である。
【図11】図2の横桁フレームに備える可動フレームの伸出し,退却機構を示す断面図である。
【図12】図1の取手用ポールに備える操作レバーを示す側面図である。
【図13】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し初期段階を示す説明図である。
【図14】図13の器具による既設蛍光灯の取外し初期手順におけるチャックの開き状態を示す説明図である。
【図15】図13のチャックによる蛍光灯のガラス管把持状態を示す説明図である。
【図16】図12の操作レバーを作業者による握り状態で示す説明図である。
【図17】図16のレバー操作に伴う可動フレームの伸出し機構を示す作動状態で説明図である。
【図18】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し途中段階を示す説明図である。
【図19】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し最終段階を示す説明図である。
【図20】既存の蛍光灯並びに取付け設備を示す説明図である。
【符号の説明】
【0087】
G ガラス管
C1,C2 口金
N1,N2 ソケットケース
S1,S2 ソケット
1 取手用ポール
2 横桁フレーム
2a 横桁フレームの弾性パッド
3,3’ チャック
3a,3b 一対の湾曲爪
30 湾曲爪の支持枠
30a 支持枠の横軸部
30b,30c 支持枠の湾曲軸部
30c,30d 支持枠の基軸部
31 湾曲爪の弾性パッド
32 湾曲爪の支持板
33a,33b 挟持爪の引張バネ
3c キー
34 キーの楔状片
35 キーの外しピン
4 可動フレーム
4a 可動フレームの引張バネ
5 プッシャ
5a,5b 一対の囲いアーム
50a,50b プッシャの面取り部
51a,51b プッシャの立上りフレーム
52a,52b プッシャの支軸ピン
6 固定フレーム
7 ストッパ
8 位置決めバー
9 操作レバー
9a 操作レバーのレバー本体
9b 操作レバーの橋絡杆
90 操作レバーの固定環
91 操作レバーの可動環
92 操作レバーのリール環
10 牽引糸
11 作動バー
11b 作動バーの繋ぎピン
12 屈伸リンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的高所の天井等に装備される直管型蛍光灯の着脱交換器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直管型の蛍光灯は、図20で示すように直線状のガラス管Gと、ガラス管Gの左右に取り付けられた口金C1,C2と、口金C1,C2より突出する口金ピンP1,P2とを備えて構成されている。この蛍光灯の取付け設備としては、ソケットケースN1,N2を反射カバーRの左右内側に備え、ソケットケースN1,N2でバネ変位可能に収容したソケットS1,S2に口金C1,C2を当接し、口金ピンP1,P2をソケットS1,S2の端子穴(符号なし)に差し込むことから電気的に接続するものがある。
【0003】
その蛍光灯の場合、取外し時には一方のソケットを灯全体で押すことによりソケットケースの内部に没入させると共に、他方の口金(「口金ピン」含む。以下同じ)を相対する他方のソケット(「端子穴」を含む。以下同じ)より外し出し、また、取付け時には一方のソケットを灯全体で押すことによりソケットケースの内部に没入させると共に、他方の口金を相対するソケットと合わせて取り付ける手順で着脱交換することが行われている。
【0004】
天井等の比較的高所に装備される蛍光灯の着脱交換に対応するべく、従来、高所にまで伸ばせる長尺な取手用ポールを備え、蛍光灯のガラス管を把持乃至は解放可能なチャックを取手用ポールの上端側に取付固定すると共に、蛍光灯の口金を銜えて灯全体を軸線方向に横ずらし可能な可動爪をチャックより離れた取手用ポールの横方向に備える直管型蛍光灯の着脱交換器具が知られている(特許文献1,2)。
【0005】
上述した可動爪に代えて、口金とソケットとの隙間に差し込んで灯全体を軸線方向に横ずらしするよう口金の端部面より押圧可能な係合片を取手用ポールの上端側に備え付けた直管型蛍光灯の着脱交換器具も知られている(特許文献3,4)。
【0006】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具は、蛍光灯の取外し時で説明すると、いずれも、蛍光灯のガラス管をチャックで把持すると共に、灯全体を可動爪または係合片でチャック側に向けて押し送りする。換言すると、ガラス管のチャックによる把持(固定点)に対し、灯全体を可動爪または係合片の可動側で押し送りするものとして構成されている。
【0007】
それによると、灯全体を可動爪または係合片で押し送りするに伴って、可動爪または係合片の押圧による過度なストレスがチャックとの間でガラス管に加わるおそれがある。
【0008】
上述した以外に、略台形に折り曲げた板バネでなる支持台を取手用ポールの上端側に取り付け、鰐口状のクリップを支持台の内側に介装すると共に、クリップと支持台とを支軸で相対的にズレ動可能に軸着し、支持台の側板を引張り紐で拡開する操作レバーを取手用ポールの握り手側に取り付け、更に、略Lの字状を呈する突張りリンクを支持台の下部側からソケットケースまで伸びるよう取手用ポールの側面に支軸で軸着した直管型蛍光灯の着脱交換器具が知られている(特許文献5)。
【0009】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具は、蛍光灯の取外し時で説明すると、まず、クリップを半開き状態でガラス管にあてがい、取手用ポールがクリップと支持台との支軸点より突張りリンクの張出し側と反対方向に斜めになるよう保ち、突張りリンクの先端側を片側のソケットケースにあてがうと共に、ガラス管をクリップで把持し、次いで、取手用ポールを垂直方向に移動することにより、突張りリンクをソケットケースに圧接させてテコとすることから、ガラス管を把持したクリップにより灯全体を軸線方向に動かせて口金をソケットより取り外せるよう構成されている。
【0010】
その直管型蛍光灯の着脱交換器具では、上述したようにクリップを半開き状態でガラス管にあてがって取手用ポールの軸線方向を斜めに保つことにより、突張りリンクの上端側を片側のソケットケースにあてがうという不安定な手間の掛かる作業が必要となる。また、突張りリンクをソケットケースに圧接するテコ状態のままでソケットケースより擦り下げて灯全体をソケットから外すという無理な作業も必要となる。
【特許文献1】特開平10−255717
【特許文献2】実用新案登録第3099066号
【特許文献3】特開平9−57644
【特許文献4】特開平10−572
【特許文献5】実用新案登録第3017862号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ガラス管をチャックで把持することから、灯全体を軸線方向に動かしても、ストレスをガラス管に加えないで、蛍光灯を簡単な機構乃至は操作で容易に取付け乃至は取外し可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【0012】
別の課題は、ガラス管をチャックで安定よく把持することから、蛍光灯を簡単な操作で容易に取付け乃至は取外し可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【0013】
更なる課題は、直管型蛍光灯の取付け位置が高所,低所と変わっても対応可能な直管型蛍光灯の着脱交換器具を構成するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の請求項1に係る発明は、各口金を両側のソケットケースでバネ変位可能に収容した各ソケットに当接し、各口金ピンを各ソケットの端子穴に差し込んで電気的に接続する直管型蛍光灯着脱交換器具であって、
長尺な直線状の取手用ポールと、取手用ポールの上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレームを基体とし、
横桁フレームの側部両側から向き合って上端側を開き,閉じ可能に引張バネで引合い支持した一対の湾曲爪により、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャックを横桁フレームに立て付けて設け、
可動フレームを横桁フレームの一方の筒端より伸出し移動可能に嵌め込んで設け、屈伸リンクを可動フレームの内端側と横桁フレームの筒内側との間に連結させて設け、屈伸リンクを屈折状態に保持する作動バーを取手用ポールの上部側より横桁フレームの筒内に臨ませて設け、可動フレームを退却方向に引張って屈伸リンクを屈折状態に保つ引張バネを横桁フレームの筒内に設け、
更に、蛍光灯の口金近くを受け入れてソケットケースの前面と当接可能なプッシャを可動フレームの外端側に設け、作動バーを引張り下降させる操作レバーを取手用ポールの握り手側に設け、作動バーと操作レバーとを牽引糸で繋いだことを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2に係る発明は、中央の横軸部より左右の縦軸部を直角に折り曲げて略コの字状を呈し、両縦軸部の上端寄りを蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部とし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部として湾曲軸部の円弧方向と同方向の略直角に折り曲げて形成した支持枠と、支持枠の横軸部より湾曲軸部の枠内に配置する緩衝用の弾性パッドを持って両側縁を湾曲軸部の軸上に折曲げ固定した支持板とからなる一対の湾曲爪を備え、
支持枠の各基軸部を横桁フレームの各側面に開口した係止穴より筒内に挿置させて一対の湾曲爪を横桁フレームの側部両側で相対し、横桁フレームの筒内に配置する引張バネの各バネ端を横桁フレームの各側面に開口する通し穴より外方に引き出させて相対する各基軸部の縦軸間に掛け渡し、
横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するべく、一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3に係る発明は、支持板の下側縁を湾曲させてガイド縁を設けた一対の湾曲爪を備え、
下部辺を横桁フレームの下側に配置し、各側部辺を横桁フレームの両側に配置し、各側部辺の上端側を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割込ませ可能に斜めに面取りした上向きコ字状の楔状片と、楔状片の底部辺に植立させて横桁フレームの筒内に挿通し、軸上側を湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出可能な外しピンとからなり、
外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持し、一方、互い開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げて楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出すキーを組み付けたことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項4に係る発明は、取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項5に係る発明は、滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことを特徴とする。
【0019】
本願の請求項6に係る発明は、内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことを特徴とする。
【0020】
本願の請求項7に係る発明は、ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対のアームを備えたことを特徴とする。
【0021】
本願の請求項8に係る発明は、横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項9に係る発明は、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接する位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことを特徴とする。
【0023】
本願の請求項10に係る発明は、取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする。
【0024】
本願の請求項11に係る発明は、牽引糸を所定長さ巻いたリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、備付け位置を調整可能な操作レバーを設けたことを特徴とする。
【0025】
本願の請求項12に係る発明は、牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出し、作動バーの繋ぎピンと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本願の請求項1に係る発明では、既設の蛍光灯を取り外すにあたり、作業者が具全体を取手用ポールで持って蛍光灯の装備場所まで持ち上げ、まず、プッシャの外端面を一方のソケットケースに当接し、これを基準面として具全体を押し上げると、チャックが蛍光灯のガラス管を湾曲爪の相対間に受け入れて把持すると共に、プッシャが蛍光灯のガラス管から口金を受け入れる。
【0027】
次いで、作業者が屈伸リンクの作動バーを操作レバーで引張り降下させると、可動フレームが屈伸リンクの伸長で横桁フレームの一方の筒端より延長方向に伸び出し、プッシャが一方の当接したソケットケースを押すことにより、具全体が蛍光灯のガラス管をチャックで挟持したままにプッシャと相対的にズレ動くことから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットをソケットケースの内部に没入させると同時に、プッシャ側のソケットから口金ピンを含む口金を該ソケットより抜き出せる。
【0028】
プッシャ側の口金外し状態では、他方の口金ピンを含む口金が没入側のソケットで保持されたままであるが、作業者が具全体を取手用ポールで引き下げることから、プッシャをソケットケースとの当接状態より摺り外し、蛍光灯のカラス管をチャックで挟持したまま口金ピンを含む口金をプッシャ側のソケットから外せば、灯全体をソケットケースより斜めに下ろせ、また、他方の口金ピンを含む口金を他方の没入したソケットより取り外せるから、チャックで挟持した蛍光灯を取手用ポールで手元まで取り寄せられる。
【0029】
蛍光灯の取付けにあたっては、まず、作業者がプッシャと片方の口金とを基準面の端面相互で合わせて蛍光灯のガラス管をチャックで把持することから蛍光灯を横桁フレームに予め組み付ける。次いで、作業者が取手用ポールを持って蛍光灯を装備場所まで持ち上げ、一方の口金ピンと相応するソケットの端子穴とを位置合わせし、口金ピンを端子穴に差し込み、プッシャを上部側から斜めにソケットケースにあてがうようレバー操作することによりソケットケースをプッシャで押すと、位置合せした一方の口金ピンを端子穴に差し込める。
【0030】
そのプッシャのあてがい状態より、作業者が上述したと逆にプッシャをソケットケースに対して摺り上げるよう取手用ポールを持ち上げると、プッシャがソケットケースを押すことから、具全体が蛍光灯のガラス管をチャックで挟持したままプッシャと相対的にズレ動き、蛍光灯の灯全体により先の口金ピンを位置合せした端子穴に差し込めると共に、ソケットをソケットケースの内部に没入させることにより、プッシャ側の口金を当該側のソケットと合わせられる。
【0031】
プッシャ側の口金を当該側のソケットと合わせたら、作業者が操作レバーの握りを解除すると、可動フレーム,屈伸リンク,作動バーが引張バネで復帰方向に戻ると共に、プッシャが退却移動することから、先の口金ピンを端子穴に差し込んだソケットをソケットケースの内部で迫り出させられると同時に、プッシャ側の口金ピンを当該側のソケットの端子穴に差し込める。これにより、蛍光灯を装備場所に取り付けられ、作業者が具全体を取手用ポールで引き下げれば、チャック,プッシャを蛍光灯のガラス管より外すようにできる。
【0032】
その蛍光灯の取付け,取外しのいずれに際しても、チャックが蛍光灯のガラス管と擦れ動くことがなく、また、プッシャも蛍光灯のガラス管と摺接することがないため、ストレスをガラス管に加えないで、蛍光灯を簡単な操作で容易に着脱交換するようにできる。
【0033】
本願の請求項2に係る発明では、横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持する一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことから、緩衝用の弾性パッドを支持板に設けた一対の湾曲爪により蛍光灯のガラス管を簡単な機構で安定よく把持できる。
【0034】
本願の請求項3に係る発明では、外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持可能なキーを組み付けたことから、蛍光灯の取外しにあたり、開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げることにより、楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出せば、蛍光灯のガラス管を一対の湾曲爪により把持できるため、天井等の比較的高所に装備される蛍光灯でもチャックで簡単且つ確実に把持するようにできる。
【0035】
本願の請求項4に係る発明では、取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことから、取手用ポールの立付け保持と共に、長尺な直管型の蛍光灯でもチャックで安定よく把持するようにできる。
【0036】
本願の請求項5に係る発明は、滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことから、蛍光灯のガラス管をチャックで把持すると共に、蛍光灯のガラス管を滑止め用の弾性パッドでズレ動かないよう安定よく保持できる。
【0037】
本願の請求項6に係る発明では、内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことから、蛍光灯が天井等の比較的高所に装備されている場合でも、囲いアームを二つに開いて蛍光灯の口金付近を簡単に受け入れられると共に、囲いアームを閉じてソケットケースに安定よく当接するようにできる。
【0038】
本願の請求項7に係る発明では、ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対の囲いアームを備えたことから、蛍光灯の外し時にプッシャをソケットケースとの当接状態より容易に摺り外せ、また、蛍光灯の取付け時にプッシャを上部側から斜めにソケットケースに容易にあてがえる。
【0039】
本願の請求項8に係る発明は、横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことをから、プッシャを相対するソケットケースに圧接するに、ストッパ片が他方のソケットケースに当接することにより、一方の口金の没入と共に、他方の口金の取外しを安定よく行える。
【0040】
本願の請求項9に係る発明では、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接可能な位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことから、蛍光灯を天井等の比較的高所に取り付けるにあたり、ストッパ片の当接する側の口金とソケットとを容易に位置合わせできる。
【0041】
本願の請求項10に係る発明では、取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で繋いだことから、レバー操作に伴って、可動環が取手用ポールに沿って安定よく下降し、可動環側が牽引糸で作動バーを引っ張って屈伸リンクを伸長させることにより、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に確実に移動させるようにできる。
【0042】
本願の請求項11に係る発明では、牽引糸を所定長さ巻き取るリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、レバー本体の配置位置を調整可能な操作レバーを設けたことから、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に移動できるばかりでなく、直管型蛍光灯の取付け位置が高所,低所と変わっても容易に対応できる。
【0043】
本願の請求項12に係る発明では、牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出したことから、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部で安定よく引張り下降させて屈伸リンクを伸長でき、可動フレームを含むプッシャを簡単な機構で伸出し方向に移動させるようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図示実施の形態に係る直管型蛍光灯着脱交換器具は、図1,図2で示すように作業者が蛍光灯を持ち上げ乃至は持ち下げるに手で持つ長尺な直線状の取手用ポール1と、取手用ポール1の上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する四角筒形の横桁フレーム2を基体として構成されている。横桁フレーム2の上面側には、滑止め兼緩衝用の弾性パッド2aが蛍光灯のガラス管と接するよう張設配置されている。
【0045】
横桁フレーム2には、蛍光灯のガラス管を把持するチャック3,3’が中央位置の取手用ポール1を介して左右両側に配設されている。横桁フレーム2には、内端側の一部を筒内に嵌め込む可動フレーム4が一方の筒端から伸出し移動可能に設けられている。可動フレーム4の外端側には、ソケットケースの前面と当接可能なプッシャ5が設けられている。横桁フレーム2の他方筒端には、直線状に伸びる固定フレーム6が取り付けられている。固定フレーム6の外端側には、ストッパ片7,位置決めバー8が設けられている。
【0046】
取手用ポール1は丸パイプでなり、握り手側には操作レバー9が設けられている。操作レバー9は、後述するように可動フレーム4を横桁フレーム2の一方筒端から伸出し移動させるようナイロン等の強靭な牽引糸10で作動バーと繋がれている。
【0047】
チャック3,3’を片方に基づいて説明すると、チャック3は、図3で示すように横桁フレーム2を介して両側から向き合う一対の湾曲爪3a,3bを備えて組み立てられている。湾曲爪3a,3bは、一方に符号を付けて説明すると、図4a〜図4cでも示すように金属線材の支持枠30と、緩衝用の弾性パッド31を板面に貼付け固定した金属薄板の支持板32から形成されている。
【0048】
支持枠30は、中央の横軸部30aより左右の縦軸部を直角に折り曲げた略コの字状を呈し(図4a参照)、両縦軸部の上端寄りを湾曲させて蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部30b,30cとし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部30d,30eとして湾曲軸部30b,30cの円弧方向と同方向の略直角に折り曲げ、更に、湾曲軸部30b,30cから基軸部30d,30eに亘る軸線部分を段部30f,30gとして折曲げ形成されている(図4b参照)。
【0049】
弾性パッド31はゴム板でなり、支持枠30の横軸部30aから湾曲軸部30b,30cに亘る枠内で支持板32の板面に貼付け配置されている(図4c参照)。支持板32は、両側縁32a,32bを湾曲軸部30b,30cの軸上に曲込み固定し、また、下側縁を湾曲させて設けた円筒状のガイド縁32cを備えて支持枠30に取り付けられている。
【0050】
一対の湾曲爪3a,3bは、図3,図5で示すように支持枠31の各基軸部30d,30eを横桁フレーム2の各側面に開口した係止穴2b,2cより筒内に挿置し、横桁フレーム2の筒内に配置する引張バネ33a,33bの各バネ端を横桁フレーム2の各側面に開口する通し穴(符号なし)より外方に引き出させて相対する基軸部30d(相手方の符号なし)の縦軸部分に掛け渡すことから、横桁フレーム2の側部両側で互いに引張り合うよう組み付けられている。
【0051】
上述した構成から、チャック3,3’は、支持枠30の基軸部30d,30eを支点に、上端側を開き,閉じ可能に引張バネ33a,33bで引張り合う一対の湾曲爪3a,3bにより、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するよう横桁フレーム2に立て付けて設けられている。
【0052】
チャック3,3’には、一対の湾曲爪3a,3bを開き保持可能なキー3cが組み付けられている。キー3cは、図3,図5で示すように横桁フレーム2の側面と支持板32のガイド縁32cとの間に割込ませ可能な上向きコ字状の楔状片34と、軸上端側を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面側に突出可能な外しピン35と、外しピン35を立付け保持する固定ナット36とから組み立てられている。
【0053】
楔状片34は、底部辺34aを横桁フレーム2の下面側に配置し、各側部辺34b,34cを横桁フレーム2の両側面に配置するよう組み付けられている。外しピン35は、楔状片34aの底部辺34aに植立させて横桁フレーム2の筒内に挿通し、緩衝用のゴム管36を軸中腹まで嵌装することから、キー全体が横桁フレーム2から脱落しないよう組み付けられている。横桁フレーム2の底面には、外しピン35の挿通穴がゴム管36の径よりも小さく設けられている。
【0054】
楔状片34としては、先端側の外面側を鋭角に面取って形成したものが備えられている。これにより、楔状片34は各側辺部34a,34bが横桁フレーム2の側面を規制面として内面側で摺接し、支持板32のガイド縁32cを引張バネ33a,33bに抗して離間方向に押圧するよう支持板32のガイド縁32cと摺接するよう組み付けられている。
【0055】
キー3cは、外しピン35を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面に突出させ、且つ、楔状片34の各側部辺34a,34bを横桁フレーム2の側面と支持板32のガイド縁32cとの間に割り込ませて一対の湾曲爪3a,3bを開き保持する。一方、互いに開いた湾曲爪3a,3bの間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピン35を押し下げ、楔状片3a,3bを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間より外し出すことから、蛍光灯のガラス管をチャック3,3’の湾曲爪3a,3bで把持させるよう組み付けられている。
【0056】
可動フレーム4は、底部面が開放されたC型の金属チャンネル材でなり、図2で示すようにコイルスプリングの引張バネ4aを可動フレーム4の植立ピン4bと横桁フレーム2の植立ピン2dとの間に掛け渡すことから横桁フレーム2の筒内に退却移動可能にバネ引張されている。可動フレーム4には、上述した支持枠30の基軸部30d,30eが当接しないよう切欠4cが設けられている。また、キー3cの外しピン35と相対的にズレ動けるよう長穴(図示せず)が外しピン35の挿通穴として上部面に設けられている。
【0057】
プッシャ5は、図6,図7で示すように内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアーム5a,5bでなり、一対の囲いアーム5a,5bとしてはソケットケースの前面と相対する側の上部縁50a,50bを斜めに面取り形成したものが備えられている。各囲いアーム5a,5bは、可動フレーム4の長手方向で相対する立上りフレーム51a,51bを外端寄り上部に設け、立上りフレーム51a,51bに掛け渡す支軸ピン52a,52bで軸承させて開き,閉じ可能に取り付けられている。
【0058】
プッシャ5は、二つ割れに開いて蛍光灯の口金付近を受け入れられると共に、内端側が蛍光灯の口金付近で押されて蛍光灯の口金付近を取り込めるよう備え付けられている。口金付近の取込み状態では、図8で示すように各囲いアーム5a,5bの内面側が蛍光灯の口金と摺接しない略円形を呈するよう形成されている。
【0059】
ストッパ片7は、図9で示すように蛍光灯の口金C1を受入れ可能な広がり形状を持ってソケットケースS1の前面から側面に亘る略V字状を呈するよう金属薄板から折り曲げて形成されている。このストッパ片7は、略V字の基部側を固定フレーム6から伸びる金属パイプ6aの下面側にあてがって締付けビス6bで取付け固定されている。
【0060】
位置決めバー8は、図10で示すように金属線材もL字状バー8a,8bを二本備えてなり、L字状バー8a,8bをストッパ片7の各上端側に設けた円筒ホルダー7a,7bでスライド可能に保持させて組み付けられている。L字状バー8a,8bは、後述する如くストッパ片7の当接する側の口金とソケットとを位置合わせするよう、ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接するものであり、その当接状態から可動フレーム4によるプッシャ5の移動に伴って長さを変えられるようスライド可能に備えられている。
【0061】
プッシャ5の伸出し移動機構は、図11で示すように作動バー11,屈伸リンク12とから組み立てられている。作動バー11は一本の棒状のものでなり、取手用ポール1の上部側より横桁フレーム2の筒内に臨ませて設けられている。
【0062】
屈伸リンク12は、二本の直線バー12a,12bを組み合わせてなる。各直線バー12a,12bは、上端側が作動バー11の上端側に同軸の支ピン11aで枢着されている。一方12aは下端側が横桁フレーム2の側面に軸承連結され、他方12bは下端側が可動フレーム4の側面に軸承連結されている。これにより、屈伸リンク12は、直線バー12aを支点に屈伸可能に組み付けられている。なお、各直線バー12a,12bは作動バー11を介して両側に取り付けるようにできる。
【0063】
取手用ポール1は、図11で示すように横桁フレーム2の中央位置に設けた円筒状のポールホルダー13に嵌込み連結することから、蛍光灯の装備場所の高さに応じて長さの異なるものと締付けねじ13aで着脱交換可能に備え付けられている。ポールホルダー13は、横桁フレーム2の底部面との間に掛渡し固定する筋交い板14a,14bで立付け補強されている。
【0064】
作動バー11を内部に収容配置することの関係から、ポールホルダー13には縦長穴13bが上端寄り側面に設けられている。作動バー11には、牽引糸の繋ぎピン11bが側方に突出するよう設けられている。繋ぎピン11bは、突端側をL字状に折り曲げてポールホルダー12の縦長穴12bより外部に突出することから作動バー11の上下動と共に縦長穴13bの穴内で移動可能に組み付けられている。
【0065】
操作レバー9は、図12で示すようにレバー本体9a,橋絡杆9bを備えて組み立てられている。また、取手用ポール1の外側に嵌め合わす固定環90を上部側に、取手用ポール1の外側にスライド可能に嵌め合わす可動環91を下部側に備え、レバー本体9aの上端側を固定環90に軸承連結し、橋絡杆9bの片端側をレバー本体9aの中腹辺に枢着ピン9cで連結し、他端側を可動環9bに枢軸ピン91aで連結することから取手用ポール1に取り付けられている。
【0066】
固定環90には、レバー全体の位置調整時に緩め可能な締付けねじ90bが備えられている。また、可動環91にはスライドに伴う作業者の手との接触を避けられるよう、面取り部91bが枢軸ピン91aによる橋絡杆9bの連結位置から下方の周面を斜めに切欠いて設けられている。
【0067】
固定環90,可動環91に加えて、操作レバー9は牽引糸10を所定長さ巻いたリール環92を固定環91の上部側に備えて組み立てられている。リール環92には箆状の立上り辺92aを設け、牽引糸10を巻き付ける上下の糸巻きピン92b,92cが立上り辺92aに植立されている。リール環90からは、牽引糸10が作動バー11の繋ぎピン11bに絡め止められている。
【0068】
リール環92は、可動環91と一体にスライド可能に固定環91の上部側で取手用ポール1の外側に嵌め合わせて備え付けられている。可動環91とリール環92とは、上端側を巻取りピン92cでリール環92に締付け固定し、下端側を止めビス94aで可動環91に締付け固定する掛渡しプレート94で連結されている。掛渡しプレート94には、可動環側91,92の復帰時に固定環90と当接する位置決め用のストッパピン94bが設けられている。
【0069】
このように構成する直管型蛍光灯の着脱交換器具では、既設の蛍光灯を取り外すにあたり、作業者が具全体を取手用ポール1で持って蛍光灯の装備場所まで持ち上げ、まず、図13で示すようにプッシャ4の外側面を相対するソケットケースN2の前面にあてがい、それを基準面として具全体を押し上げると、チャック3,3’が蛍光灯のガラス管Gを一対の湾曲爪3a,3bの相対間に受け入れて把持すると共に、プッシャ4が蛍光灯の口金C2を非接触状態で受け入れる。
【0070】
その作業に先立って、チャック3,3’の湾曲爪3a,3bは、図14で示すように外しピン35を湾曲爪3a,3bの相対する横桁フレーム2の上面側に突出させ、且つ、楔状片34の各側部辺34b,34cを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間に割り込ませて一対の湾曲爪3a,3bをキー3cで開いた状態に保つ。
【0071】
一対の湾曲爪3a,3bをキー3cで開いた状態に保ってから、上述したようにチャック3,3’を蛍光灯の装備場所まで持ち上げて蛍光灯のガラス管Gを互いに開いた湾曲爪3a,3bの間に受け入れると、蛍光灯のガラス管Gにより外しピン35が押し下げられると共に、楔状片3cを横桁フレーム2の側面と各支持板32のガイド縁32cとの間より外し出せるから、図15で示すように蛍光灯のガラス管Gを一対の湾曲爪3a,3bにより把持できる。このため、天井等の比較的高所に装備される蛍光灯でもチャック3,3’で簡単且つ確実に把持するようにできる。
【0072】
チャック3,3’の開き保持と共に、プッシャ5は一対の囲いアームを50a,50bを支軸ピン52a,52bで開き状態に保つ(図6参照)。このプッシャ5では、蛍光灯のガラス管Gが囲いアーム50a,5bの内端側に当接すると、各囲いアーム5a,5bの内面側が蛍光灯の口金と摺接しない略円形を呈するよう閉じる(図8参照)。これにより、蛍光灯が天井等の比較的高所に装備されている場合でも、プッシャ5が蛍光灯の口金C2を中央に取り込んでソケットケースN2に安定よく当接するようにできる。
【0073】
蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持し、蛍光灯の口金C2をプッシャ5で取り込んだならば、図16で示すように作業者が操作レバー9のレバー本体9を掴んで取手用ポール1の周面と近接方向に引くと、橋絡杆9bを介して可動環91と共に、リール環92が取手用ポールの周面に沿って下降し、図17で示すように作動バー11が牽引糸10で引張られて下降すると共に、屈伸リンク12が作動バー11を斜めに倒しながら伸長する。
【0074】
屈伸リンク12が伸長動すると、可動フレーム4が横桁フレーム2の一方の筒端より延長方向に伸び出し、プッシャ5が一方の当接したソケットケースN2を押し、図18で示すように具全体が蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持したままにプッシャ5と相対的にズレ動くことから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットS1をソケットケースN1の内部に没入させる。これと同時に、プッシャ側のソケットS2から口金ピンP2を含む口金C2をソケットS2より抜き出せる。
【0075】
具全体がプッシャ5と相対的にズレ動くに伴って、ストッパ片7がソケットケースN1の前面に当接することから、蛍光灯の灯全体により他方のソケットS1をソケットケースN1の内部に安定よく没入できると同時に、プッシャ側のソケットS2から口金ピンP2を含む口金C2をソケットS2より確実に抜き出せる。この時に、位置決めバー8ではソケットケースN1の設置面に当接するL字状バー8a,8bをストッパ片7の各上端側に設けた円筒ホルダー7a,7bでスライドすることからズレ動く。
【0076】
プッシャ側の口金C2がソケットS2から外れた状態では、作業者が具全体を取手用ポール1でやや斜めにしながら引き下げれば、図19で示すようにプッシャ5をソケットケースN2との当接状態より摺り外せ、蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で挟持したまま口金ピンP2を含む口金C2をソケットケースN2より斜めに下ろせ、また、他方の口金ピンP1を含む口金C1を他方の没入したソケットS1より取り外せる。
【0077】
そのプッシャ5の摺外し途上で、口金ピンP2がソケットケースN2の下端縁から外れたならば、操作レバー9の握りを解除すると、可動フレーム4が引張バネ4aで横桁フレーム2の筒内に退却移動すると共に、屈伸リンク12が屈折状態に戻って作動バー11を上方に引き上げる。作動バー11が上方に引き上げられると、牽引糸10を介して操作レバー9の可動環側91,92を含む操作レバー9が復帰動する。
【0078】
蛍光灯の取付けにあたっては、まず、作業者がプッシャ5の外側面と片方の口金C2とを基準面の端面相互で合わせて蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で把持することから蛍光灯を横桁フレーム2に予め組み付ける。
【0079】
次いで、取手用ポール1を持って蛍光灯を装備場所まで持ち上げ、具全体から蛍光灯を斜めに保って一方の口金ピンP1と相応するソケットS1の端子穴とを位置合わせする。この際には、位置決めバー8の金属バー8a,8bをソケットケースN1の両側部から設置面に向けて当接することから、蛍光灯を天井等の比較的高所に取り付けるにも、ストッパ片7の当接する側の口金C1とソケットS1とを容易に位置合わせできる(図19参照)。
【0080】
口金C1とソケットS1とを位置合わせしたならば、作業者が操作レバー9を軽く握りながらことから、プッシャ5を上部側の面取り部50a,50bから斜めにソケットケースN2の下端縁にあてがう。このプッシャ5のあてがい状態より、作業者が操作レバー9の握りを強めながら、上述したと逆に、プッシャ5をソケットケースN2に対して摺り上げるよう取手用ポールを持ち上げる。これにより、口金ピンP1をソケットS1の端子穴に差し込めると共に、プッシャ5をソケットケースN2の前面にあてがえる。
【0081】
そのプッシャ5のあてがい状態では、プッシャ5がソケットケースN2を押すことから、具全体が蛍光灯のガラス管Gをチャック3,3’で挟持したままプッシャ5と相対的にズレ動き、蛍光灯の灯全体により先の口金ピンP1を位置合せした端子穴に差し込めてソケットC1をソケットケースN1の内部に没入させると共に、プッシャ側の口金ピンP2を含む口金C2を当該側のソケットS2と位置合わせできる。
【0082】
プッシャ側の口金C2を当該側のソケットS2と合わせたら、作業者が操作レバーPの握りを解除すると、上述したように可動フレーム4,屈伸リンク12,作動バー11を含む操作レバー9までが引張バネ4aで復帰方向に戻ると共に、プッシャ5が退却移動することから、先の口金ピンP1を端子穴に差し込んだソケットS1をソケットケースN1の内部で迫り出させられると同時に、プッシャ側の口金ピンP2を当該側のソケットS2の端子穴に差し込める。
【0083】
これにより、蛍光灯を高所の装備場所にも取り付けられ、作業者が具全体を取手用ポール1で引き下げれば、チャック3,3’、プッシャ5を蛍光灯より外すようにできる。その蛍光灯の取付け,取外しのいずれに際しても、チャック3,3’が蛍光灯のガラス管Gと擦れ動くことがなく、また、プッシャ5も蛍光灯のガラス管Gと摺接することがないため、ストレスをガラス管Gに加えないで、蛍光灯を簡単な操作で容易に着脱交換するようにできる。
【0084】
取手用ポール1を長尺なものに代えるには、ホールホルダー13の締付けねじ13aを弛めて既設の取手用ポール1を取り外せば、別のものに代えられる。これと共に、操作レバー9締付けねじ90bを緩めて操作レバー9を前の取手用ポール1から取り外し、牽引糸10を巻き戻すことから取り替えた取手用ポールに取付け直し、牽引糸10の長さを調整すればよい。
【0085】
上述した実施の形態では、可動フレーム4から操作レバー9の復帰動を可動フレーム4の引張バネ4aで行わせる場合に基づいて説明したが、例えば作動バー11の繋ぎピン11bとポールホルダー13または横桁フレーム2との間に掛け渡す引張バネを加えるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る直管型蛍光灯の着脱交換器具を全体的に示す正面図である。
【図2】図1の器具における横桁フレームに備える機構側を示す備え正面図である。
【図3】図2の横桁フレームに備えるチャックの一つを示す側面図である。
【図4a】図3のチャックを構成する湾曲爪を示す正面図である。
【図4b】図4aの湾曲爪を示す側面図である。
【図4c】図4aの湾曲爪を示す背面図である。
【図5】図3のチャックを示す正面図である。
【図6】図2の横桁フレームに備えるプッシャを示す側面図である。
【図7】図6のプッシャを示す正面図である。
【図8】図6のプッシャによる口金付近の取込み状態を示す説明図である。
【図9】図2の横桁フレームに備えるストッパ片を示す側面図である。
【図10】図9のストッパ片に備える位置決めバーを示す正面図である。
【図11】図2の横桁フレームに備える可動フレームの伸出し,退却機構を示す断面図である。
【図12】図1の取手用ポールに備える操作レバーを示す側面図である。
【図13】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し初期段階を示す説明図である。
【図14】図13の器具による既設蛍光灯の取外し初期手順におけるチャックの開き状態を示す説明図である。
【図15】図13のチャックによる蛍光灯のガラス管把持状態を示す説明図である。
【図16】図12の操作レバーを作業者による握り状態で示す説明図である。
【図17】図16のレバー操作に伴う可動フレームの伸出し機構を示す作動状態で説明図である。
【図18】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し途中段階を示す説明図である。
【図19】本発明に係る器具による既設蛍光灯の取外し最終段階を示す説明図である。
【図20】既存の蛍光灯並びに取付け設備を示す説明図である。
【符号の説明】
【0087】
G ガラス管
C1,C2 口金
N1,N2 ソケットケース
S1,S2 ソケット
1 取手用ポール
2 横桁フレーム
2a 横桁フレームの弾性パッド
3,3’ チャック
3a,3b 一対の湾曲爪
30 湾曲爪の支持枠
30a 支持枠の横軸部
30b,30c 支持枠の湾曲軸部
30c,30d 支持枠の基軸部
31 湾曲爪の弾性パッド
32 湾曲爪の支持板
33a,33b 挟持爪の引張バネ
3c キー
34 キーの楔状片
35 キーの外しピン
4 可動フレーム
4a 可動フレームの引張バネ
5 プッシャ
5a,5b 一対の囲いアーム
50a,50b プッシャの面取り部
51a,51b プッシャの立上りフレーム
52a,52b プッシャの支軸ピン
6 固定フレーム
7 ストッパ
8 位置決めバー
9 操作レバー
9a 操作レバーのレバー本体
9b 操作レバーの橋絡杆
90 操作レバーの固定環
91 操作レバーの可動環
92 操作レバーのリール環
10 牽引糸
11 作動バー
11b 作動バーの繋ぎピン
12 屈伸リンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各口金を両側のソケットケースでバネ変位可能に収容した各ソケットに当接し、各口金ピンを各ソケットの端子穴に差し込んで電気的に接続する直管型蛍光灯着脱交換器具であって、
長尺な直線状の取手用ポールと、取手用ポールの上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレームを基体とし、
横桁フレームの側部両側から向き合って上端側を開き,閉じ可能に引張バネで引合い支持した一対の湾曲爪により、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャックを横桁フレームに立て付けて設け、
可動フレームを横桁フレームの一方の筒端より伸出し移動可能に嵌め込んで設け、屈伸リンクを可動フレームの内端側と横桁フレームの筒内側との間に連結させて設け、屈伸リンクを屈折状態に保持する作動バーを取手用ポールの上部側より横桁フレームの筒内に臨ませて設け、可動フレームを退却方向に引張って屈伸リンクを屈折状態に保つ引張バネを横桁フレームの筒内に設け、
更に、蛍光灯の口金近くを受け入れてソケットケースの前面と当接可能なプッシャを可動フレームの外端側に設け、作動バーを引張り下降させる操作レバーを取手用ポールの握り手側に設け、作動バーと操作レバーとを牽引糸で繋いだことを特徴とする直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項2】
中央の横軸部より左右の縦軸部を直角に折り曲げて略コの字状を呈し、両縦軸部の上端寄りを蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部とし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部として湾曲軸部の円弧方向と同方向の略直角に折り曲げて形成した支持枠と、支持枠の横軸部より湾曲軸部の枠内に配置する緩衝用の弾性パッドを持って両側縁を湾曲軸部の軸上に折曲げ固定した支持板とからなる一対の湾曲爪を備え、
支持枠の各基軸部を横桁フレームの各側面に開口した係止穴より筒内に挿置させて一対の湾曲爪を横桁フレームの側部両側で相対し、横桁フレームの筒内に配置する引張バネの各バネ端を横桁フレームの各側面に開口する通し穴より外方に引き出させて相対する各基軸部の縦軸間に掛け渡し、
横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するべく、一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項3】
支持板の下側縁を湾曲させてガイド縁を設けた一対の湾曲爪を備え、
下部辺を横桁フレームの下側に配置し、各側部辺を横桁フレームの両側に配置し、各側部辺の上端側を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割込ませ可能に斜めに面取りした上向きコ字状の楔状片と、楔状片の底部辺に植立させて横桁フレームの筒内に挿通し、軸上側を湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出可能な外しピンとからなり、
外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持し、一方、開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げて楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出すキーを組み付けたことを特徴とする請求項2に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項4】
取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項5】
滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項6】
内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項7】
ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対の囲いアームを備えたことを特徴とする請求項6に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項8】
横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項9】
ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接する位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことを特徴とする請求項8に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項10】
取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項11】
牽引糸を所定長さ巻いたリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、備付け位置を調整可能な操作レバーを設けたことを特徴とする請求項10に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項12】
牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出し、作動バーの繋ぎピンと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする請求項10または11に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項1】
各口金を両側のソケットケースでバネ変位可能に収容した各ソケットに当接し、各口金ピンを各ソケットの端子穴に差し込んで電気的に接続する直管型蛍光灯着脱交換器具であって、
長尺な直線状の取手用ポールと、取手用ポールの上部側で直交方向に亘って蛍光灯のガラス管と相対する筒形の横桁フレームを基体とし、
横桁フレームの側部両側から向き合って上端側を開き,閉じ可能に引張バネで引合い支持した一対の湾曲爪により、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するチャックを横桁フレームに立て付けて設け、
可動フレームを横桁フレームの一方の筒端より伸出し移動可能に嵌め込んで設け、屈伸リンクを可動フレームの内端側と横桁フレームの筒内側との間に連結させて設け、屈伸リンクを屈折状態に保持する作動バーを取手用ポールの上部側より横桁フレームの筒内に臨ませて設け、可動フレームを退却方向に引張って屈伸リンクを屈折状態に保つ引張バネを横桁フレームの筒内に設け、
更に、蛍光灯の口金近くを受け入れてソケットケースの前面と当接可能なプッシャを可動フレームの外端側に設け、作動バーを引張り下降させる操作レバーを取手用ポールの握り手側に設け、作動バーと操作レバーとを牽引糸で繋いだことを特徴とする直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項2】
中央の横軸部より左右の縦軸部を直角に折り曲げて略コの字状を呈し、両縦軸部の上端寄りを蛍光灯のガラス管と略相応する円弧状の湾曲軸部とし、両縦軸部の下端寄りをL字状の基軸部として湾曲軸部の円弧方向と同方向の略直角に折り曲げて形成した支持枠と、支持枠の横軸部より湾曲軸部の枠内に配置する緩衝用の弾性パッドを持って両側縁を湾曲軸部の軸上に折曲げ固定した支持板とからなる一対の湾曲爪を備え、
支持枠の各基軸部を横桁フレームの各側面に開口した係止穴より筒内に挿置させて一対の湾曲爪を横桁フレームの側部両側で相対し、横桁フレームの筒内に配置する引張バネの各バネ端を横桁フレームの各側面に開口する通し穴より外方に引き出させて相対する各基軸部の縦軸間に掛け渡し、
横桁フレームの係止穴より筒内に挿置する支持枠の基軸部を支点に、蛍光灯のガラス管を把持し乃至は解放するべく、一対の湾曲爪を引張バネで離間乃至は近接可能に支持したチャックを組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項3】
支持板の下側縁を湾曲させてガイド縁を設けた一対の湾曲爪を備え、
下部辺を横桁フレームの下側に配置し、各側部辺を横桁フレームの両側に配置し、各側部辺の上端側を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割込ませ可能に斜めに面取りした上向きコ字状の楔状片と、楔状片の底部辺に植立させて横桁フレームの筒内に挿通し、軸上側を湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出可能な外しピンとからなり、
外しピンを湾曲爪の相対する横桁フレームの上面側に突出させ、且つ、楔状片の各側部辺を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間に割り込ませて一対の湾曲爪を開き保持し、一方、開いた湾曲爪の間に受け入れる蛍光灯のガラス管により外しピンを押し下げて楔状片を横桁フレームの側面と各支持板のガイド縁との間より外れ出すキーを組み付けたことを特徴とする請求項2に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項4】
取手用ポールを中央位置に備え、取手用ポールの上部側で直交方向両側に亘る横桁フレームを備え、取手用ポールを介してチャックを横桁フレームの両側に配設したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項5】
滑止め兼緩衝用の弾性パッドを蛍光灯のガラス管と相対する横桁フレームの上面側に張設したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項6】
内面側がソケットよりも大きな円弧状を呈する一対の囲いアームを備えると共に、可動フレームの長手方向で相対する立上りフレームを可動フレームの外端寄り上部に設け、各囲いアームを内面側で相対させて立上りフレームに掛け渡す支軸ピンで開き,閉じ可能に軸承支持したプッシャを設けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項7】
ソケットケースの前面と相対する側の上部縁を斜めに面取り形成した一対の囲いアームを備えたことを特徴とする請求項6に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項8】
横桁フレームの他方の筒端より直線状に伸びる固定フレームを設け、蛍光灯の口金付近を受入れ可能な広がりを持ってソケットケースの前面から側面に亘る略V字状のストッパ片を固定フレームの外端側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項9】
ソケットケースの両側部から設置面に向けて当接する位置決めバーをストッパ片の各上端側にスライド可能に設けたことを特徴とする請求項8に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項10】
取手用ポールの外側に嵌め合わす固定環を上部側に、取手用ポールの外側にスライド可能に嵌め合わす可動環を下部側に備え、レバー本体の上端側を固定環に軸承連結し、片端側をレバー本体の中腹辺に軸承連結すると共に、他端側を可動環に軸承連結する橋絡杆を備える操作レバーを設け、屈伸リンクの作動バーと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする請求項1に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項11】
牽引糸を所定長さ巻いたリール環を固定環の上部側で可動環と一体にスライド可能に取手用ポールの外側に嵌め合わせ、取手用ポールの長さに応じて牽引糸の長さ調整と共に、備付け位置を調整可能な操作レバーを設けたことを特徴とする請求項10に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【請求項12】
牽引糸の繋ぎピンを側方に向けて植立した屈伸リンクの作動バーを備え、屈伸リンクの作動バーを取手用ポールの上端寄り内部に配置すると共に、繋ぎピンを取手用ポールの上端寄り側面に開口した縦長穴より外部に突出し、作動バーの繋ぎピンと操作レバーの可動環側を牽引糸で連携したことを特徴とする請求項10または11に記載の直管型蛍光灯着脱交換器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−211917(P2009−211917A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53363(P2008−53363)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(391042379)株式会社太田興産 (28)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(391042379)株式会社太田興産 (28)
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