説明

直線状配管の配管検査装置

【課題】高速に直線状の配管の肉厚を測定することが可能な直線状配管の配管検査装置を提供する。
【解決手段】直線状配管の配管検査装置1は、本体部33と、配管101内の内周面101aに圧接し、本体部33の回転を抑制する回転抑制装置37と、配管101内の内周面101aに圧接し、本体部33を配管101内の軸方向に移動させる移動装置35と、本体部33の軸方向位置に配設され、かつ、本体部33の中心軸を中心として回転可能な測定部11と、を有し、測定部11は、配管の状態を検査可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、水道等の流体を搬送する配管を検査するための配管検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配管の肉厚を測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−27506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、水の噴射によって推進力を得て自走する測定台車を使用するため、水の噴射手段や圧送ホース、搬送ローラなどの複雑な機器構成をとらなければならないという問題点があった。
また、特許文献1では、設置された後の配管をその測定の対象としているが、設置の前の配管の肉厚を測定したいというニーズも存在する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、高速に直線状の配管の肉厚を測定することが可能な直線状配管の配管検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の直線状配管の配管検査装置は、本体部と、配管内の内周面に圧接し、前記本体部の回転を抑制する回転抑制装置と、配管内の内周面に圧接し、前記本体部を配管内の軸方向に移動させる移動装置と、前記本体部の軸方向位置に配設され、かつ、前記本体部の中心軸を中心として回転可能な測定部と、を有し、前記測定部は、前記配管の状態を検査可能である。
【0007】
好適には、前記回転抑制装置は複数の回転抑制装置を有し、複数の回転抑制装置は、前記本体部の中心軸を含み、かつ、上下方向に延びる面に対して、面対称となるように配設されている。
【0008】
好適には、複数の前記回転抑制装置は、前記本体部の中心軸方向に並んで配設されている。
【0009】
好適には、前記移動装置は、複数のモータと、前記モータによって駆動される複数の車輪と、を有し、複数の前記モータの回転は機械的に連結されており、前記複数のモータのうち、いずれか1つが回転駆動しなくても、すべての前記車輪が駆動される。
【0010】
好適には、前記測定部は3個以上の測定ユニットを有し、複数の前記測定ユニットは、前記本体部の中心軸を中心とした円上に等角度間隔に配設されている。
【0011】
好適には、前記本体部の回転角度を測定する角度センサを有し、前記測定ユニットが測定した情報の位置座標を前記角度センサの値によって補正する。
【0012】
好適には、前記測定ユニットは、超音波式板厚センサと、渦流式膜厚センサと、を有し、前記超音波式板厚センサ及び前記渦流式膜厚センサは、同一の基体上に配置されている。
【0013】
好適には、前記測定部に置換可能なファン部を有し、前記ファン部は、前記配管検査装置が直線状配管の配管検査を終了した後に同一の配管を戻る際に、配管内に残された液体を、空気流によって吹き飛ばす。
【0014】
好適には、前記ファン部は、ファン駆動モータと、前記ファン駆動モータによって回転して、軸位置に存在する空気を外周方向に送風して、配管内に残された液体を、空気流によって吹き飛ばす送風ファンと、前記送風ファンによって送られる送風を配管の内周面に導く導風板と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって、高速に直線上の配管の肉厚を測定することが可能な配管検査装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る配管検査装置が使用される配管の説明図である。
【図2】配管検査装置の構造及び配管検査装置が測定する様子の説明図である。
【図3】配管検査装置の構造をより詳細に説明する図である。
【図4】図3におけるIV方向から観察した図であり、測定部の構成を説明する図である。
【図5】測定ユニットの説明図である。
【図6】図3のVI方向から観察した図であり、回転抑制装置及び移動装置の配置の説明図である。
【図7】図3のVII方向から観察した図であり、第4側駆動機構及び第6側駆動機構の配置の説明図である。
【図8】回転抑制装置の説明図である。
【図9】移動装置の説明図である。
【図10】配管の外周面にきず等があった場合の測定結果の例である。
【図11】配管の内周面にきず等があった場合の測定結果の例である。
【図12】配管の内周面に障害物があった場合の測定結果の例である。
【図13】測定部に6つの測定ユニットを配置していることの利点を説明する図である。
【図14】ファン部の説明図である。
【図15】第2の実施形態の説明図である。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る配管検査装置1が使用される配管の説明図である。
【0018】
図1のように、配管101は、複数の配管101が結合されて地下等に埋没される前等に、地面Gに保管される場合がある。なお、必要に応じて、配管101は台座103等によって載置される。
配管101は直線状の配管101を想定している。
このような状態で保管された配管101は、表面にきず等がつき、表面に付着した塗料等が剥がれる等が生ずる恐れがある。また、内周面101aと外周面101fとの間の金属部がさび、経年劣化等によって肉厚が変化する場合もある。また、その他の事情から、配管101を検査しなければならない事情が生ずることもある。
また、長年放置しない場合であっても、配管101を何らかの問題が無いか検査する必要性がある場合もある。
このような検査では、配管101の全体を、一端側101bから他端側101cまで測定する必要がある。
【0019】
そして、測定された情報は、一端側101bからの距離lの情報及び図1(b)のX軸からのたとえば反時計回りの方向の角度θの情報と対応付けられて記録される。
X軸は水平方向にのび、配管101の軸に対して直角な軸である。また、Y軸は鉛直方向上向きに延びる軸である。もっとも、このX軸及びY軸の方向は、これに限定する趣旨ではない。
【0020】
図2は、配管検査装置1の構造及び配管検査装置1が測定する様子の説明図である。
【0021】
図2のように、配管検査装置1は配管101の内周面101a側から、配管101の肉厚(板厚)を超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23(特に、図5も参照のこと)を有する測定ユニット15によって測定する。
この図2においては、一端側101bからl位置、及び、角度θ位置の板厚等の測定を測定ユニット15が行っている。
なお、配管101は、内部側の塗装部101dと外部側の金属部101e等から形成されている場合をここでは想定している。もっとも、これに限る趣旨ではなく、例えば、金属部101等のみから形成されていてもよい。
【0022】
配管検査装置1は、測定部11と移動部31とを有している。また、配管検査装置1は、この測定部11と移動部31とを連結する連結部51を有している。
測定部11は、測定ユニット15、測定基板13及び半径方向移動装置17を有している。正六角形の板状の形状を有する測定基板13(以下の説明について、図4も参照のこと)に、60°毎の角度間隔で測定ユニット15及び半径方向移動装置17が配置されている。つまり、測定ユニット15及び半径方向移動装置17は全部で6セットが、測定基板13上に配置されることになる。
半径方向移動装置17は、測定ユニット15の半径方向の面が配管101の内周面に常に接するように、測定ユニット15を半径方向に移動させる機能を有している。
【0023】
移動部31は、本体部33、移動装置35及び回転抑制装置37を有している。
本体部33は、内部に空間を有する6角柱形状のフレームを形成し、この側面に軸方向に延びる長方形の板形状の板6枚をねじ止めしている。
さらに、本体部33の軸方向の前後方向には、それぞれ、6角形の板をねじ止めしている。
そして、本体部33の内部には、正6角柱の内部空間が形成されている。
この本体部33の内部の空間に、各種の制御を行うための制御基板等が配置されている。
そして、本体部33には、配管検査装置1を配管101の軸方向の前後に移動させるための移動装置35が配置されている。
また、本体部33には、回転抑制装置37が配置されている。
この回転抑制装置37は、配管検査装置1が、軸方向にある程度の長さを有する配管101内を進んでいくにつれて、配管101内で回転することを防止する機能を有している。
なお、移動部31は、配管検査装置1の中心軸を、配管101の中心軸の位置に概略一致させるために、本体部33と移動装置35の間にスペーサ(図示せず)を必要に応じて設けている。
【0024】
図3は、配管検査装置1の構造をより詳細に説明する図である。
【0025】
図3のように、本体部33は、第1本体部33a、第2本体部33b、第3本体部33c、第4本体部33d、第5本体部33e及び第6本体部33fを有している。
この第1本体部33a、第2本体部33b、第3本体部33c、第4本体部33d、第5本体部33e及び第6本体部33fは、板形状を有している。
第1本体部33a、第2本体部33b、第3本体部33c、第4本体部33d、第5本体部33e及び第6本体部33fは、内部に空間を有する6角柱形状のフレームの表面にそれぞれねじ止めされている。
この本体部33の内部の6角柱形状の空間内に、配管検査装置1を制御するための各種電子基板等の各種の装置が配置される。
第1本体部33aは、θが0°〜60°(図1(b)も参照のこと)の間の位置(以下、この方向を「30°方向」という)に配置される。第2本体部33bは、θが60°〜120°の間の位置(以下、この方向を「90°方向」という)に配置される。第3本体部33cは、θが120°〜180°の間の位置(以下、この方向を「150°方向」という)に配置される。第4本体部33dは、θが180°〜240°の間の位置(以下、この方向を「210°方向」という)に配置される。第5本体部33eは、θが240°〜300°の間の位置(以下、この方向を「270°方向」という)に配置される。第6本体部33fは、θが300°〜360°の間の位置(以下、この方向を「330°方向」という)に配置される。
【0026】
4つの回転抑制装置37(この30°方向に位置する回転抑制装置37を第1側回転抑制装置37aという)が第1本体部33aに、軸方向、かつ、等間隔に配置されている。4つの回転抑制装置37(この90°方向に位置する回転抑制装置37を第2側回転抑制装置37bという)が第2本体部33bに、軸方向、かつ、等間隔に配置されている。4つの回転抑制装置37(この150°方向に位置する回転抑制装置37を第3側位置回転抑制装置37cという)が第3本体部33cに、軸方向、かつ、等間隔に配置されている(図6参照のこと)。
なお、回転抑制装置37の構造の詳細は図8のところで説明する。
【0027】
回転抑制装置37と本体部33との間には図示しないスペーサが必要に応じて挿入される。スペーサが挿入される理由は、配管101の内周半径にはある程度の幅があり、内周面101aの半径の異なる配管101に対応するためである。
つまり、内周面101aの半径が異なる配管101にも、挿入されるスペーサの厚さを変化させることによって配管検査装置1を対応させることが可能となる。
【0028】
第4本体部33d及び第6本体部33fにも、それぞれ4つの移動装置35が、軸方向かつ等間隔に配置されている(図6も参照のこと)。なお、第4本体部33dに配置されている移動装置35を第4側移動装置35dといい、第6本体部33fに配置されている移動装置35を第6側移動装置35fという(なお、第1側〜第3側移動装置、第5側移動装置は存在しないが、位置関係を明確にするために本体部33に合わせた表記としている)。
【0029】
第6側移動装置35fは、第6側駆動機構53f(及び第4側駆動機構53d)によって回転駆動される。
この第6側移動装置35f(及び第4側移動装置35d)の回転駆動によって、配管検査装置1は軸方向の前後に移動する。
第6側駆動機構53fは、第6側モータ39f、第6側モータギア41f、第6側駆動ギア43f、第6側駆動軸51f、第6側連結第1ギア45f、第6側連結第2ギア47f及び第6側連結第3ギア49fを有している(以下の説明について図7も参照のこと)。
本体33内部の制御機構等からの制御命令(及び電力)に従って、第6側モータ39fが回転駆動される。その第6側モータ39fに結合された第6側モータギア41fは、第6側モータ39fの回転に応じて回転する。
さらに、第6側モータギア41fと第6側駆動ギア43fとは相互にギアがかみ合っている為、第6側モータギア41fが回転するのに伴い、第6側駆動ギア43fも回転する。
第6側駆動ギア43fと第6側駆動軸51fとは結合されている為、第6側駆動ギア43fが回転するのに伴い、第6側駆動軸51fも回転する。
第6側駆動軸51fが回転駆動すると、この回転によって、第6側移動装置35fも駆動される。
また、第6側駆動ギア43fと第6側連結第1ギア45fとは相互にギアがかみ合っている為、第6側駆動ギア43fが回転するのに伴い、第6側連結第1ギア45fも回転する。
この、第6側連結第1ギア45fと第6側連結第2ギア47fとは結合されている為、第6側連結第1ギア45fが回転するのに伴い、第6側連結第2ギア47fも回転する。
第6側連結第2ギア47fと第6側連結第3ギア49fとは、傘歯車構造となっている。そのため、第6側連結第2ギア47fが回転するのに伴い、第6側連結第3ギア49fも回転する。なお、第6側連結第2ギア47fの回転軸と第6側連結第3ギア49fの回転軸とは、直交関係を有している。
なお、第4本体部33d側にも同様の構造を有しており、面対称の構造を有している。
【0030】
本体部33内には、測定基板13(測定ユニット15、半径方向移動装置17)を本体部33に連結している連結部51を回転させるモータ等の機構も内蔵されている。
測定基板13上には、測定ユニット15及び半径方向移動装置17が6個ずつ配置されているが、ここでは90°方向の1つのみを記載している(図4も参照のこと)。
測定部11によって検出された板厚等の測定情報は、本体部33内部の制御機器によって処理された後(又は、処理させずに直接)コード91を介して、コード91に電気的に接続された処理装置に送られる。この処理装置は、必要に応じて演算等して、ユーザが認識可能な状態にして表示部等に表示(たとえば、超音波式板厚センサ21の測定値表示、渦流式膜厚センサ23の測定値表示、および超音波式板厚センサ21の測定値を渦流式膜厚センサ23の測定値で補正した値の表示など)し、かつ、この情報を記憶部に記憶する。
【0031】
測定ユニット15には、超音波式板厚センサ21が配置されている(図5参照のこと)。この超音波式板厚センサ21は、測定対象物との間に空気が入り込むと測定できないことから、測定対象物との空隙に接触媒質、たとえば水などの液体を供給する必要がある。この水もコード91を介して供給される。
上述の処理装置を本体外部に設け、たとえば水が本体部33外部から供給されるようにしたことによって、配管検査装置1を小型化、軽量化等することが可能となる。
また、コード91によって有線でつながっていることから、外部から、容易に配管検査装置1を制御することが可能となる。
【0032】
なお、上述の処理装置及び水を供給するタンクを本体部33内部に配置することも可能である。このようにすると、配管検査装置1を自立した形で運用することが可能となる。
【0033】
図4は、図3におけるIV方向から観察した図であり、測定部11の構成を説明する図である。
【0034】
図4のように、測定ユニット15及び半径方向移動装置17が6個、それぞれ、30°方向、90°方向、150°方向、210°方向、270°方向、330°方向に配置されている。
測定ユニット15は、半径方向移動装置17によって、半径方向に移動可能である。そして、測定ユニット15が常に配管101の内周面101aに当接(ほぼ当接することも含む)するように、半径方向移動装置17が制御されている。
【0035】
図5は、測定ユニット15の説明図である。図5(a)は、図3におけるV方向から観察した図であり、図5(b)は図5(a)のBから観察した図であり、図5(c)は図5(a)のCから観察した図である。
【0036】
図5のように、測定基板13上に半径方向移動装置17が配置され、軸方向の進行方向側に測定ユニット15が配置される(図2及び図3も参照のこと)。
そして、測定ユニット15は、基体19、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23を有している。
このように、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23は、1つの基体19内に配置されている。
そのため、基体19と配管101の内周面101aとの間に小石などの障害物が入り込んだ場合(図12の場合)には、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23の両者が同時に浮き上がることになり、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23の両者の測定値に影響が生ずる。なお、この点については、図12のところで詳説する。
【0037】
測定ユニット15(基体19、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23)は、測定対象物である配管101の内周面101aの形状に合わせて常に当接させるために、半径方向移動装置17を設けているが、これに加えて、測定ユニット15の基体19は、軸方向及び周方向にある程度、回動可能としている。
具体的には、ジンバル構造を有しており、図5(b)のように軸方向を中心とした回転が可能であり、図5(c)のように半径方向に直交する軸を中心とした回転が可能である。
このように、図5(b)のように軸方向を中心とした回転が可能であり、図5(c)のように半径方向に直交する軸を中心とした回転が可能であることから、たとえ、配管101の内周面に傾き等が存在しても、測定ユニット15を常に、配管101の内周面101aに当接させることが可能となる。
【0038】
図6は、図3のVIから観察した図であり、回転抑制装置37及び移動装置35の配置の説明図である。
【0039】
図6のように、本体部33の第1本体部33a、第2本体部33b及び第3本体部33cには回転抑制装置37が配置されている。
また、第4本体部33d及び第6本体部33fには、移動装置35が配置されている。
また、これらは、鉛直方向に延びる軸に対して、対称に配置されている。
このように、鉛直方向に延びる軸に対して対称な配置としていることから、配管検査装置1が、測定のために配管101内を移動するのに伴い、徐々に配管101内を回転するということを抑制することが可能となる。
【0040】
また、特に第1本体部33aの第1側回転抑制装置37a及び第3本体部33cの第3側回転抑制装置37cが左右にそれぞれ伸びていることから、重力等によって配管検査装置1が傾くことをより確実に防止することが可能となる。そして、傾きが防止されることから、傾いたまま配管検査装置1が配管101の内部を進むことによる配管検査装置1が配管101内で徐々に回転するということを防ぐことができる。
【0041】
図7は、図3のVIIから観察した図であり、第4側駆動機構53d及び第6側駆動機構53fの配置の説明図である。
【0042】
図7のように、第4側移動装置35dと第6側移動装置35fとは、連結シャフト55によって、回転が同期するように形成されている(以下の説明について図3も参照のこと)。
また、第4側モータ39d及び第6側モータ39fは、それぞれ単独で、第4側駆動機構53dによって駆動される第4側移動装置35d、及び、第6側駆動機構53fによって駆動される第6側移動装置35fを駆動可能なものが用いられている。
このため、第4側モータ39d及び第6側モータ39fの一方が故障等によって回転駆動できなくなっても、一方のモータのみが回転して、動力を他方側に連結シャフト55によって伝達することによって、他方のみで配管検査装置1は直線移動が可能となっている。
【0043】
図8は、回転抑制装置37の説明図である。
【0044】
回転抑制装置37は、回転抑制装置台座部57と、回転抑制装置アーム部61、回転抑制装置車輪65、回転抑制装置ばね67を有している。
回転抑制装置台座部57は第1本体部33a、第2本体部33b、もしくは第3本体部33cに結合している。回転抑制装置アーム部61は、回転抑制装置台座部57と第1回転抑制装置回転軸59によって回動可能に保持されている。回転抑制装置車輪65は、回転抑制装置アーム部61と第2回転抑制装置回転軸63によって回動可能に保持されている。
回転抑制装置アーム部61及び回転抑制装置車輪65は、回転抑制装置ばね67によって半径方向の一定位置に位置するように保持されている。
このような構造を有することから、回転抑制装置車輪65は回転抑制装置ばね67によって常にある程度の力で配管101の内周面101aに当接させることが可能となる。
また、このような構造を有することから、回転抑制装置車輪65は、配管101の内周面101aの半径が異なるものについても、対応することが可能となる。
【0045】
回転抑制装置車輪65は、図8のように、並列に2つの車輪から構成されている。
このように2つの車輪を回転軸63方向に並列に並べたことによって、より、直進性を向上させることが可能となる。
【0046】
そして、この回転抑制装置37は、配管検査装置1の軸方向に複数(本実施形態では4個毎)並んでいることから、より確実に、配管検査装置1を回転等せずに直線移動させることが可能となっている。
なお、本体部33には角度センサが組み込まれており、配管検査装置1が万一回転したとしても、この角度センサによって、角度θの値を補正することによって、確実に測定ユニット15の測定した情報の位置がどの角度θの情報であるかを知ることが可能となっている。
【0047】
図9は、移動装置35の説明図である。
【0048】
移動装置35は、第1移動台座部69と、第2移動台座部71、移動車輪75を有している。
第1移動台座部69及び第2移動台座部71は第4本体部33d、もしくは第6本体部33fに結合している。移動車輪75は、第1移動台座部69及び第2移動台座部71と移動回転軸73によって回動可能に保持されている。
なお、図9の右側の図は、第6本体部33fにおける移動装置35の図である。
なお、第4本体部33dに設置されている移動装置35と、第6本体部33fに結合している移動装置35は、図6のように、左右対称に形成されている。
【0049】
図10及び図11は、測定ユニット15による測定結果の説明図である。より詳細には、図10は、配管101の外周面101fにきず等があった場合の測定結果の例である。図11は、配管101の内周面101aにきず等があった場合の測定結果の例である。
図12は、配管101の内周面101aに障害物105があった場合の測定結果の例である。
【0050】
配管101は、図10(a)のように、金属部101eと塗装部101dとを有している。
そして、配管101の内周面101aに測定ユニット15が密着することによって板厚等が測定される。なお、測定ユニット15が測定可能なのは板厚のみに限定されない。例えば、腐食の有無、ヒビ、塗装の剥がれ、材質の不均一等も測定することが可能であってよい。
【0051】
測定ユニット15は、渦流式膜厚センサ23及び超音波式板厚センサ21によって板厚等を測定している。
渦流式膜厚センサ23は、内周面101aの情報を測定することが可能である。他方、超音波式板厚センサ21は、内周面101aによる板厚の変化と外周面101fによる板厚の変化のどちらの情報も(内周面に起因するか、外周面に起因するかの区別はできないものの)測定可能である。
その結果、図10(a)のように、外周面101fにのみきず等(外部きずA)がある場合には、図10(c)のように超音波式板厚センサ21の測定結果(a1)にのみその情報が現れ、図10(b)の渦流式膜厚センサ23の測定結果には何ら現れない。
【0052】
逆に、図11(a)のように、内周面101aにのみきず等(内部きずB)がある場合には、図11(c)のように超音波式板厚センサ21の測定結果(b1)にその情報が現れるのみならず、図11(b)の渦流式膜厚センサ23の測定結果(b2)にもその情報が現れる。
【0053】
このように、きず等が内周面101a側にあるのか、外周面101f側にあるのかによって、超音波式板厚センサ21の測定結果にのみ情報が現れるのか、超音波式板厚センサ21の測定結果及び渦流式膜厚センサ23の測定結果の両方に情報が現れるのかの違いがあるので、きず等が内周面101a側にあるのか、もしくは外周面101f側にあるのかを知ることが可能となる。
これによって、より緻密な配管101の板厚等の測定が可能となる。
なお、図11(a)のように、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23はl2の距離だけ位置が異なるため、内部きずBの測定は渦流式膜厚センサ23が測定し、配管検査装置1が軸方向に前進した後に、超音波式板厚センサ21が内部きずBを測定することになる。
しかし、そのl2の距離だけ位置が異なる点については補正して、図11(b)及び図11(c)のように渦流式膜厚センサ23の測定結果及び超音波式板厚センサ21の測定結果で同一の位置に内部きずBの測定結果が位置するようにしている。
【0054】
しかし、図12(b)及び図12(c)のように、同一のきず等の測定結果がl2だけ位置を異ならせて、渦流式膜厚センサ23の測定結果及び超音波式板厚センサ21の測定結果に現れる現象が生ずる場合がある。
この現象は、図12(a)のように、配管101の内周面101aに小石等の障害物105が存在した場合に発生する。
通常、測定ユニット15は、配管101の内周面101aに図12(d)のように当接して測定している。
しかし、測定ユニット15は配管101の内周面101aとの間に、小石等の障害物105が侵入してしまった場合(配管101を野外に保管している場合にはこのような事態が生じる可能性がある)には、図12(e)のように測定ユニット15と内周面101aとが離れてしまうことが生じてしまう。
その場合には、渦流式膜厚センサ23の測定結果及び超音波式板厚センサ21の測定結果に同時に、その情報が測定(記録)されることになる。
その結果、渦流式膜厚センサ23の測定結果(c1)と超音波式板厚センサ21の測定結果(c2)両方に、同一のきずのような測定結果が観測されることになる。
もっとも、超音波式板厚センサ21の測定結果と渦流式膜厚センサ23の測定結果は、l2の距離だけ異なることになる。これは、前述したように、超音波式板厚センサ21と渦流式膜厚センサ23はl2だけ渦流式膜厚センサ23の方が進行方向前方位置に配置されているが、その分、補正していることから生ずるものである。
【0055】
以上のように、超音波式板厚センサ21の測定結果と渦流式膜厚センサ23の両方を同一の基体19上に配置し、かつ、渦流式膜厚センサ23を超音波式板厚センサ21よりも進行方向前方位置に配置したことによって、測定結果が板厚等によるものか障害物105によるものかを判定することが可能となる。
【0056】
図13は、測定部11に6つの測定ユニット15を配置していることの利点を説明する図である。
【0057】
図13(a)のように、配管101の中心軸はO点であり、配管検査装置1の中心軸O1点はこのO点と一致することが好ましい。
配管検査装置1の中心軸O1点を配管101の中心であるO点となるべく一致させるために、移動装置35と本体部33の間に設けるスペーサの厚さを決定している。
しかし、配管検査装置1の中心軸O1点を配管101の中心であるO点と完全に一致させることは困難である。
つまり、実際の装置は、図13(a)のように、配管101の中心軸O点と配管検査装置1の中心軸O1点とは、異なっていることになる。
その結果、もし測定ユニット15が1個の場合には、配管検査装置1の測定ユニット15は、下位置DPと上位置UPとの両方の距離に対応しなければならない。この下位置DPと上位置UPへの対応は、半径方向移動装置17(特に、図4を参照のこと)が行うことになるが、O1−DPの長さとO1−UPとの長さの差が大きいと、それだけの大きなストロークを持った半径方向移動装置とすることが必要となり、機構が複雑になってしまう。
また、測定ユニット15が1個であるため、配管101の全周を測定するために、測定ユニット15を360°回転させねばならず、測定時間も多く要することになる。
そこで、本発明では、複数(実施形態では6個)の測定ユニット15を設け、60°毎に測定することによって、機構の簡素化と高速化の両立を図っている。
【0058】
ここで、測定ユニット15の個数について考察する。
前述のように、測定ユニット15が1個の場合には、その1個の測定ユニット15は、必ず下位置DPと上位置UPを通らなければならず、半径方向移動装置17のストロ−クが大きく、このためにたとえばスライド式のレールを複数用いて、多段式で大きなストロークを持たせたりする必要があるなど、機構が複雑になってしまう。また、測定ユニット15が1個であるので、測定のとき、測定ユニット15を360°回転させねばならず、測定時間も多く要することになる。
【0059】
次に、測定ユニット15が2個の場合には、図13(b)のように、その2個の測定ユニット15は、必ず下位置DP又は上位置UPのどちらかを通らなければならい。測定ユニット15の測定時の回転は、測定ユニット15が2個あるため、180°でよくなるので、測定ユニット15が1個の場合に比べ、測定時間の短縮は図ることができる。
ストロークについては、あらかじめ、下位置DP又は上位置UPが判明していれば、あらかじめ、その箇所を通る測定ユニット15を決定しておき、たとえば、測定ユニット15のうち1個は、下位置DPを中心とした180°の範囲を測定対象とし、残りの1個は上位置UPを中心とした180°の範囲を測定対象とすることで、測定ユニット15が1個の場合に比べてストロークを短くして、構造を単純化できる。
しかしながら、実際には、配管101の中心軸O点と配管検査装置1の中心軸O1点のズレを正確にもとめ、そこから、下位置DPおよび上位置UPの円周方向の位置(角度)と、その箇所を通る測定ユニット15を決定することは、容易ではない。
仮に、あらかじめ、配管101の内径(円周)形状を精密に測定しておいても、配管101に配管検査装置1を挿入したときの配管検査装置1の鉛直方向に対する角度は、挿入のたびに、若干異なる可能性が高く、このため、下位置DPおよび上位置UPの円周方向の箇所を通る測定ユニット15を決定することは、現実的には困難である。
このため、ストロークについては、最悪、下位置DP又は上位置UPのどちらか一方を必ず通り、もう一方の直近位置まで対応可能なように、半径方向移動装置17に、大きなストロークを持たせる必要がある。したがって、測定ユニット15が1個の場合と同様に、半径方向移動装置17のストロ−クが大きく、このためにたとえばスライド式のレールを複数用いて、多段式で大きなストロークを持たせたりする必要があるなど、機構が複雑になってしまう。
【0060】
測定ユニット15が3個の場合には、図13(c)のように、その3個の測定ユニット15のいずれか1つは、下位置DP又は上位置UPのいずれも通らないことになる。
また、測定ユニット15が2個の場合のように、下位置DP又は上位置UPのどちらか一方を必ず通り、もう一方の直近位置までの対応が必要な測定ユニット15も必要なくなるので、半径方向移動装置17のストロ−クを比較的小さくすることができ、このため機構の簡素化をすることができる。
また、測定ユニット15の測定時の回転は、測定ユニット15が3個あるため、120°でよく、測定ユニット15が1〜2個の場合に比べ、さらなる測定時間の短縮を図ることができる。
このように、測定ユニット15を多くすればするほど、半径方向移動装置17のストロ−クの増大による機構の複雑化の問題と測定ユニット15の回転角度による測定時間の問題は解決される。しかし、多くの測定ユニット15を配置することは、レイアウトの問題、コスト上昇の問題、制御の複雑化の問題等がありやみくもに増やせるものではない。
以上から、適切な測定ユニット15の数として本実施形態では6個を選択している。
しかし、これに限定する趣旨ではなく、配管101の内周面101aの半径、測定ユニット15の大きさ、コスト調整等によって、これを増減することは可能である。もっとも、前述した理由によって、3個以上とすることが好適であることは変わらない。
【0061】
測定ユニット15による測定は、まず、測定ユニット15が設置されている測定基板13を測定しつつ60°回転させる。なお、この時、測定ユニット15は配管101の内周面101aに当接させられている。
その後、移動装置35によって、配管検査装置1は軸方向にわずかに前進する。
その後、測定ユニット15が設置されている測定基板13を測定しつつ先ほどとは逆方向に60°回転させる。
その後、移動装置35によって、配管検査装置1は軸方向にわずかに前進する。
これを、配管検査装置1が一端側101bから他端側101cまで到達するまで繰り返す(図1も参照のこと)。
これによって、配管101の全体の板厚等を測定することが可能となる。
このように、測定ユニット15が設置されている測定基板13の回転が、正回転と逆回転を交互に繰り返すことから、配管検査装置1が配管101内を進むことによって徐々に回転することを防ぐことも可能となっている。
また、測定ユニット15が複数あることから、高速で配管101の板厚等を測定することが可能となる。
【0062】
図14は、ファン部121の説明図である。
配管検査装置1は、超音波式板厚センサ21を用いていることから接触媒質、たとえば水を配管101内に供給し続けなければならないことは前述した。
この水をそのままに放置しておくと、配管101のさび等の原因となるし、そのまま、ガス管等に用いると、ガス管等内に水が侵入してしまうことになり適切ではない。
そこで、この水を吹き飛ばすために、ファン部121が用いられる。
【0063】
このファン部は、測定部11を取り外し、これに代わって取り付け可能である(図1も参照のこと)。
実際の使用では、測定部11を本体部33に取り付けた状態で一端側101bから他端側101cまで測定する。そして、この測定が終了した他端側101cの位置で、測定部11を取り外し、ファン部121を代わりに取り付ける。
そして、ファン部121を本体部33に取り付けた状態で他端側101cから一端側101b側まで移動させる。
これによって、配管101内部に放出された水を、配管101外に排出することが可能となる。
【0064】
ファン部121は、導風板123、ファン駆動モータ129、取付装置127、送風ファン130、回転軸129a及び背板125を有する。
取付装置127は、ファン部121を本体部33に取り付けるための装置である。
また、ファン駆動モータ129の回転軸129aには送風ファン130が結合している。そのため、ファン駆動モータ129が回転すると、送風ファン130も回転する。この送風ファン130の回転によって、空気流が送られる。
生じた空気流は、導風板123及び背板125によって、内周面101aに衝突して、本体部33側(一端側101b側)に導かれる。
そして、この空気流によって、水を本体部33側(一端側101b側)に移動させる。
配管検査装置1(ファン部121、本体部33)は、徐々に一端側101bに移動していくのであるから、この空気流によって水は徐々に移動していき、最終的に一端側101bから排出される。
【0065】
<第2の実施形態>
図15は、第2の実施形態の説明図である。
【0066】
図15のように、回転抑制装置37に相当する回転抑制機構201を用いてもよい。このような回転抑制機構201であっても、配管検査装置1を回転させずに直線移動させることが可能である。
もっとも、第1の実施形態では、複数の回転抑制装置37があること、第1本体部33a側及び第3本体部33c側にも回転抑制装置37があることから、より確実に回転させずに配管検査装置1を直線移動させることが可能となる。
また、回転抑制機構201では、伸長短縮することが可能な伸長短縮機構205を有している為、配管101の内周面101aの半径が異なるものにも容易に適用可能であり、また、配管検査装置1を曲がらせることも可能である。
しかし、このことは逆に、直線状の配管101を測定する場合には、好適であるとは言えない。
つまり、配管101の内周面101aと圧接する回転機構203は、前後に2つの車輪しかなく、回転を防ぐという意味では、複数の回転抑制装置37や第1本体部33a側及び第3本体部33c側にも回転抑制装置37を有する第1の実施形態の方がより確実である。
【0067】
<実施形態の構成及び効果>
本実施形態の直線状配管の配管検査装置1は、本体部33と、配管101内の内周面101aに圧接し、本体部33の回転を抑制する回転抑制装置37と、配管101内の内周面101aに圧接し、本体部33を配管101内の軸方向に移動させる移動装置35と、本体部33の軸方向位置に配設され、かつ、本体部33の中心軸を中心として回転可能な測定部11と、を有し、測定部11は、配管の状態を検査可能である。
このような構成を有すること、すなわち回転抑制装置37があることから配管検査装置1が配管101内を進んでもほとんど回転することがないため、正確に直線上の配管の肉厚を測定することが可能となる。
【0068】
回転抑制装置37は複数の回転抑制装置37を有し、複数の回転抑制装置37は、本体部33の中心軸を含み、かつ、上下方向に延びる面に対して、面対称となるように配設されている。
このような構成を有することから、配管検査装置1はほとんど回転せずに管路101を測定することが可能となる。
【0069】
複数の回転抑制装置37は、本体部33の中心軸方向に並んで配設されている。
このような構成を有することから、複数の回転抑制装置37の効果によって、より回転を抑制することが可能となる。
【0070】
移動装置35は、複数のモータ39と、モータ39によって駆動される複数の移動車輪75と、を有し、複数のモータ39の回転は機械的に連結されており、複数のモータ39のうち、いずれか1つが回転駆動しなくても、すべての移動車輪75が駆動される。
このような構成を有することから、1方のモータ39が故障等した場合であっても、測定を継続することが可能となる。
さらに、複数のモータ39の回転は機械的に連結されていることから、通常時は、移動装置35の回転が同期し、より確実に配管検査装置1を回転せずに直進させることが可能となる。
【0071】
測定部11は3個以上の測定ユニット15を有し、複数の測定ユニット15は、本体部33の中心軸を中心とした円上に等角度間隔に配設されている。
このような構成を有することから、より高速に配管101の検査が可能となる。
【0072】
本体部33の回転角度を測定する角度センサを有し、測定ユニット15が測定した情報の位置座標を角度センサの値によって補正する。
このような構成を有することから、万一、配管検査装置1が回転しても正確な測定座標の補正が可能である。
【0073】
測定ユニットは、超音波式板厚センサ21と、渦流式膜厚センサ23と、を有し、超音波式板厚センサ21及び渦流式膜厚センサ23は、同一の基体19上に配置されている。
このような構成を有することから、小石などの障害物105と、きず等との区別が可能となり、より詳細な検査が可能となる。
【0074】
測定部に置換可能なファン部を有し、ファン部は、配管検査装置1が直線状配管の配管検査を終了した後に同一の配管を戻る際に、配管101内の接触媒質(たとえば水などの液体)を、空気流によって吹き飛ばす。
このような構成を有することから、検査に使用した接触媒質(たとえば水などの液体)を吹き飛ばして、検査前の状態に配管101を戻すことが可能となる。
【0075】
ファン部121は、ファン駆動モータ129と、ファン駆動モータ129によって回転して、軸位置に存在する空気を外周方向に送風して、配管101内に残された接触媒質を、空気流によって吹き飛ばす送風ファン130と、送風ファンによって送られる送風を配管101の内周面に導く導風板123と、を有する。
このような構成を有することから、簡易な構成によって、検査に使用した接触媒質、たとえば水などの液体を吹き飛ばして、検査前の状態に配管101を戻すことが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
1 配管検査装置
11 測定部
15 測定ユニット
17 半径方向移動装置
19 基体
21 超音波式板厚センサ
23 渦流式膜厚センサ
31 移動部
33 本体部
35 移動装置
37 回転抑制装置
39f 第6側モータ(モータ)
51 連結部
55 連結シャフト
65 回転抑制装置車輪
75 移動車輪(車輪)
101 配管
101a 内周面
121 ファン部
129 ファン駆動モータ
130 送風ファン
123 導風板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
配管内の内周面に圧接し、前記本体部の回転を抑制する回転抑制装置と、配管内の内周面に圧接し、前記本体部を配管内の軸方向に移動させる移動装置と、
前記本体部の軸方向位置に配設され、かつ、前記本体部の中心軸を中心として回転可能な測定部と、を有し、
前記測定部は、前記配管の状態を検査可能である
直線状配管の配管検査装置。
【請求項2】
前記回転抑制装置は複数の回転抑制装置を有し、
複数の前記回転抑制装置は、
前記本体部の中心軸を含み、かつ、上下方向に延びる面に対して、面対称となるように配設されている
請求項1に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項3】
複数の前記回転抑制装置は、
前記本体部の中心軸方向に並んで配設されている
請求項2に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項4】
前記移動装置は、
複数のモータと、
前記モータによって駆動される複数の車輪と、を有し、
複数の前記モータの回転は機械的に連結されており、
前記複数のモータのうち、いずれか1つが回転駆動しなくても、すべての前記車輪が駆動される
請求項2又は3に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項5】
前記測定部は3個以上の測定ユニットを有し、
複数の前記測定ユニットは、前記本体部の中心軸を中心とした円上に等角度間隔に配設されている
請求項2〜4いずれか一項に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項6】
前記本体部の回転角度を測定する角度センサを有し、
前記測定ユニットが測定した情報の位置座標を前記角度センサの値によって補正する
請求項5項に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項7】
前記測定ユニットは、
超音波式板厚センサと、
渦流式膜厚センサと、を有し、
前記超音波式板厚センサ及び前記渦流式膜厚センサは、同一の基体上に配置されている
請求項5又は6に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項8】
前記測定部に置換可能なファン部を有し、
前記ファン部は、
前記配管検査装置が直線状配管の配管検査を終了した後に同一の配管を戻る際に、配管内に残された液体を、空気流によって吹き飛ばす
請求項2〜7いずれか1項に記載の直線状配管の配管検査装置。
【請求項9】
前記ファン部は、
ファン駆動モータと、
前記ファン駆動モータによって回転して、軸位置に存在する空気を外周方向に送風して、配管内に残された液体を、空気流によって吹き飛ばす送風ファンと、
前記送風ファンによって送られる送風を配管の内周面に導く導風板と、を有する
請求項8に記載の直線状配管の配管検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−61209(P2013−61209A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199165(P2011−199165)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(591053856)新日本非破壊検査株式会社 (29)
【Fターム(参考)】