説明

直線移動機構およびこれを用いた搬送ロボット

【課題】 簡単な構成により、より正確な直線移動行程を実現できる直線移動機構およびこれを用いた搬送ロボット、さらにはハンドを2つ備えることによってワークの搬送効率を高めた搬送ロボットを提供する。
【解決手段】 ガイド部材1と、このガイド部材1上に設定された水平直線状の移動行程に沿って移動可能な移動部2A,2B材と、これら移動部材2A,2Bを駆動する駆動機構3A,3Bと、を備えた直線移動機構B1であって、駆動機構3Aは、移動行程GLを挟んで配置され、かつ同期駆動される一対の往復動機構を含んでおり、移動部材2Aは、移動行程を挟んで離間する一対の連結部材24aにおいて、上記一対の往復動機構に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線移動機構およびこれを用いた搬送ロボットに関し、より詳しくは、基板等の薄板状のワークを直線状に搬送することができる搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送ロボットのうち、直線状の移動行程に沿ってハンドを移動させる機構(直線移動機構)をもつものは、いわゆる多関節型ロボットに比較して構成が簡単で安価であり、たとえば、半導体装置の製造工程、あるいは、液晶表示パネルの製造工程において、各処理室へのウエハ、あるいはガラス基板等の薄板状ワークの搬入あるいは搬出用のロボットとして多用されている。
【0003】
このような搬送ロボットにおける直線移動機構は、たとえば、特許文献1に示されるように、また、本願の図11に示すように、ベースに対して平行四辺形リンクを2つ組み合わせたものが一般的である。すなわち、図11に示した構成についていえば、ベースに固定されたベースプレート91に対し、軸O11を中心として第1主リンクアーム92が揺動可能に支持されるとともに、軸O12を中心として第1副リンクアーム93が揺動可能に支持されている。第1主リンクアーム92と第1副リンクアーム93の先端には、中間プレート96が軸O13および軸O14を中心として揺動可能に連結されて第1の平行四辺形リンクが形成される一方、中間プレート96には、第2主リンクアーム94が軸O13を中心として揺動可能に連結されるとともに軸O15を中心として第2副リンクアーム95が揺動可能に支持されている。第2主リンクアーム94と第2副リンクアーム95の先端には、移動プレート97が軸O16および軸O17を中心として揺動可能に連結された第2の平行四辺形リンクが形成される。移動プレート97には、薄板状ワークWを載置保持することができるハンド98が取付けられている。
【0004】
このような構成によれば、2つの平行四辺形リンクが変形しても、移動プレート97ないしハンド98の方向は一定に維持される。また、第1主リンクアーム92および第2主リンクアーム94の長さは同じに設定されているとともに、第1主リンクアーム92には、これが軸O11を中心として回動するとき、この回動方向とは逆方向に倍の角速度で第2主リンクアーム94を軸O13を中心として回動させるための機構が内蔵されている。これにより、第1主リンクアーム92を回動駆動すると、移動プレート97ないしハンド98は、その方向性を一定に維持しながら、直線状の移動行程GLを移動する。
【0005】
【特許文献1】特開平10−6258号公報
【0006】
ところで、最近においては、たとえば、半導体製造において取り扱うウエハの外径がますます大きくなり、また、液晶表示パネルの製造においても、パネルサイズが大きくなる傾向がある。それにともない、搬送ロボットにおけるハンドおよびこれに載置して搬送するべきワークの寸法が大きくなり、また、移動行程も長大化が求められている。そうすると、図11に示した2つの平行四辺形リンクを組み合わせた直線移動機構においては、とりわけリンクアームが伸長した状態において、ワークやこれを支持するハンドの重みがリンクアーム全体を上下方向に撓ませてしまうという傾向が生まれ、正確な直線移動行程を確保しづらくなるという問題が生じる。
【0007】
基本的な構成を変更することなくこの問題を解決するためには、各部の剛性をアップさせたり、軸受としてより精度のよい高価なものを採用せざるをえず、このことは、大幅なコストアップにつながる。また、リンク機構により所望の直線移動行程を実現する場合、基本的に、その移動行程が長大化するほど、コスト上昇を招くことなくその移動行程の正確な直線性を確保することが困難となる。たとえば図11に示される直線移動機構の場合、加熱されたワークWがハンド98に載置されると、このワークWからの輻射熱によって第2主リンクアーム94が第1主リンクアーム92よりも熱膨張しやすい。そうなると、第2主リンクアーム94と第1主リンクアーム92との長さに微妙な差が生じるため、直線状の移動行程に沿ってスムーズに移動できなくなる。また、移動行程の長さは、第1主リンクアーム92の長さと第2主リンクアーム94の長さによって変わるが、これらアームの長さを等しくする設計仕様では、一方のアームだけを長くするわけにいかず、移動行程を長くするには必ず両方のアームを長くしなければならない。
【0008】
また、このような搬送ロボットは、半導体装置、あるいは液晶表示パネルの製造工程において、プロセスチャンバへワークを搬入し、あるいは搬出するために用いられる。たとえば、各プロセスチャンバへのワークの搬入、搬出は、大気搬送モジュールと各プロセスチャンバとの間に真空搬送モジュールを配置し、この真空搬送モジュールを介した搬送によって行われる。真空搬送モジュールは、周部に複数のプロセスチャンバが配置されたトランスポートチャンバと、大気搬送モジュールと上記トランスポートチャンバをつなぐロードロックとを備え、トランスポートチャンバ内に真空雰囲気下で作動可能なこの種の直進搬送ロボットが配置されて構成される。直進搬送ロボットは、ロードロック内のワークを受け取ってトランスポートチャンバ内に搬送し、そして、いずれかのプロセスチャンバ内にワークを搬入し、処理済みのワークをプロセスチャンバから受け取り、ロードロック内へ搬送するといった作動をする。
【0009】
図11に示した搬送ロボットは、ハンドを1つだけ有しているものであるため、上記したような真空搬送モジュール内でのワークの搬送を効率良く行うには、難点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、簡単な構成により、より正確な直線移動行程を実現できる直線移動機構およびこれを用いた搬送ロボット、さらにはハンドを2つ備えることによってワークの搬送効率を高めた搬送ロボットを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0012】
本発明の第1の側面によって提供される直線移動機構は、ガイド部材と、このガイド部材上に設定された水平直線状の移動行程に沿って移動可能な移動部材と、この移動部材を駆動する駆動機構と、を備えた直線移動機構であって、上記駆動機構は、上記移動行程を挟んで配置され、かつ同期駆動される一対の往復動機構を含んでおり、上記移動部材は、上記移動行程を挟んで離間する一対の連結部材において、上記一対の往復動機構に連結されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、上記移動部材は、上記移動工程を挟んで離間した部分に互いに同期された駆動力が作用することとなる。このため、上記移動部材が移動される際には、この移動部材を上記移動工程に対して傾けるような力は作用せず、上記移動部材がこじるような動きをすることもない。したがって、上記移動部材をスムーズに移動させることが出来る。また、こじるような動きを防止するために、たとえば上記移動部材をことさらに高剛性化する必要もない。したがって、上記移動部材の軽量化が可能であり、上記移動部材の移動速度や停止精度の向上を図ることができる。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記駆動機構は、上記移動行程を挟んで配置され、かつ互いに同期駆動される1対の出力ベルトを含んでおり、上記1対の出力ベルトのうち、上記移動行程を挟んで互いに離間し、かつ上記移動行程の平行線に沿って往復動する1対の往復動区間により、上記一対の往復動機構が構成されている。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記駆動機構は、互いに逆方向に同期回転する1対の駆動プーリを具備しており、上記1対の出力ベルトは、それぞれが上記1対の駆動プーリの一方ずつに掛け回されていることにより、互いに逆方向に同期回転させられるとともに、上記一対の出力ベルトのうち、上記移動行程に対して両外側に位置し、かつ上記移動行程の平行線に沿って延びる区間が、上記1対の往復動区間となっている。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記1対の駆動プーリは、上記移動行程上に並んで配置されており、上記各駆動プーリは、同軸上に配置されたギアと連結されているとともに、これらのギアが噛み合わされていることにより、上記1対の駆動プーリが互いに逆方向に同期回転させられる構成となっている。
【0017】
このような構成によれば、上記駆動機構について、上記移動部材をスムーズに駆動可能な構成としつつ、比較的簡素な構造とすることが可能であり、軽量化および低コスト化に有利である。
【0018】
好ましい実施の形態においては、上記移動部材は、上記移動行程に沿って相互に干渉することなく移動可能に上記ガイド部材に支持された第1移動部材および第2移動部材を含んでいるとともに、上記駆動機構は、上記第1移動部材および上記第2移動部材をそれぞれ駆動するように上記ガイド部材に設けられた第1駆動機構および第2駆動機構を含んでおり、かつ、上記第1駆動機構は、上記1対の出力ベルトおよび上記1対の駆動プーリを具備している。
【0019】
好ましい実施の形態においては、上記ガイド部材には、上記第1移動部材を移動可能に支持し、上記移動行程を挟んで位置する一対の第1ガイドレールと、上記第2移動部材を移動可能に支持し、上記一対の第1ガイドレールの内側において上記移動行程を挟んで位置する一対の第2ガイドレールとを備えている。
【0020】
好ましい実施の形態においては、上記第1移動部材および上記第2移動部材は、それぞれ、主板部を備えている一方、上記第1移動部材の主板部は、上記第2移動部材の主板部より上位に位置しているとともに、上記第1移動部材は、その主板部の両側部から上記第2移動部材の主板部の両側部を迂回して延びる一対の支持アームを介して上記一対の第1ガイドレールに支持されている。
【0021】
好ましい実施の形態においては、上記ガイド部材は、互いに区画された上位ハウジングおよび下位ハウジングを有する構造とされており、上記第1駆動機構は、上記下位ハウジングに収納されている一方、上記第2駆動機構は、上記上位ハウジングに収納されている。
【0022】
このような構成によれば、上下方向に重ね合わされた2つの移動部材を備える直線移動機構を適切に実現することができる。また、上記ガイド部材内においても、上記第1駆動機構および上記第2駆動機構を互いに干渉させることなく配置することが可能である。さらに、上位ハウジングおよび下位ハウジングを有する構造であることにより、上記直線移動機構は、平面視において不当に嵩張ることがなく、省スペース化に好適である。
【0023】
本発明の第2の側面によって提供される搬送ロボットは、上記本発明の第1の側面によって提供される直線移動機構が固定ベースに対し、上記移動行程上における鉛直状の旋回軸を中心として上記ガイド部材が旋回しうるように支持されているとともに、上記移動部材には、板状ワークを載置しうるハンドが設けられていることを特徴としている。
【0024】
好ましい実施の形態においては、上記直線移動機構はまた、上記固定ベースに対し、上記旋回軸に沿って昇降しうるように支持されている。
【0025】
このような構成によれば、上述した直線移動機構を利用して、たとえばワークなどを正確かつ高速で搬送することができる。また、上記固定ベースに対して、上記直線移動機構を適宜旋回させることにより、たとえばこの搬送ロボットの上記固定ベースに対して放射状に配置された複数のプロセスチャンバに対して、任意のプロセスチャンバについてワークの受け渡しを行うことが可能である。
【0026】
本発明の第3の側面によって提供される搬送ロボットは、本発明の第1の側面によって提供される直線移動機構が固定ベースに対し、上記移動行程上における鉛直状の旋回軸を中心として上記ガイド部材が旋回しうるように支持されているとともに、上記第1移動部材および上記第2移動部材には、板状ワークを載置しうるハンドが設けられており、上記固定ベース内に設けられた第1駆動源および第2駆動源と、上記第1駆動源および上記第2駆動源からの駆動力を上記第1駆動機構および上記第2駆動機構に伝達するための第1伝動軸および第2伝動軸とを備えているとともに、上記第1伝動軸および上記第2伝動軸は、それぞれが上記旋回軸を中心軸とするように一方が他方に内挿通されていることを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、上記直線移動機構を上記固定ベースに対して旋回させつつ、上記第1駆動源および上記第2駆動源から上記第1駆動機構および上記第2駆動機構へと適切に駆動力を伝達することが可能である。特に、上記第1駆動源および上記第2駆動源は、上記固定ベース内に収納されているために、たとえば本実施形態に係る搬送ロボットを真空下において使用する場合に、上記第1駆動源および上記第2駆動源を真空領域から気密された大気圧の環境におくことが可能であり、搬送ロボットの低コスト化に適している。
【0028】
好ましい実施形態においては、上記第1伝動軸は、上記第2伝動軸に内挿通されているとともに、上記上位ハウジングおよび上記下位ハウジングの双方に一部ずつが位置する第3伝動軸を備えており、上記第3伝動軸のうち上記上位ハウジングに位置する部分には、上記第1伝動軸からベルトを介して駆動力が伝達されるためのプーリが設けられているとともに、上記第3伝動軸のうち上記下位ハウジングに位置する部分には、上記第1駆動機構の上記1対の駆動プーリの一方が設けられている一方、上記第2伝動軸のうち上記上位ハウジングに位置する部分には、上記第2の駆動機構を構成するベルトが掛け回されている。
【0029】
このような構成によれば、たとえば本実施形態に係る搬送ロボットをメンテナンスする際に、上記第1伝動軸および上記第2伝動軸からの駆動力の伝達具合を調節する場合には、上記上位ハウジングを開放して作業可能とすれば、上記第1伝動軸および上記第2伝動軸について調節作業を行うことができる。したがって、この搬送ロボットの作業性を向上するのに適している。
【0030】
好ましい実施の形態においては、上記直線移動機構はまた、上記固定ベースに対し、上記旋回軸に沿って昇降しうるように支持されている。
【0031】
本発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係る直線移動機構およびこれを用いた搬送ロボットの好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0033】
図1ないし図8は、本発明の第1の実施形態に係る搬送ロボットを示している。図1〜図4に表れているように、第1の実施形態に係る搬送ロボットA1は、概して、固定ベース200に対して旋回軸Osを中心に旋回可能かつ昇降可能に支持された直線移動機構B1を備えている。この直線移動機構B1は、概して、テーブル状をしたガイド部材1と、このガイド部材1上に設定された水平直線状の移動行程GLに沿って移動可能な第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bとを備えている。第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bには、たとえば、液晶パネル用のガラス基板等、薄板状のワークWを載置保持しうるハンド21a,21bが取付けられている。
【0034】
図5に良く表れているように、固定ベース200は、底壁部201と円筒状側壁部202と天井壁203とを備えた、略円柱状の外形を有するハウジング200Aを備えており、天井壁203には、中心開口204が形成されている。この固定ベース200の内部には、昇降ベース210が昇降可能に支持されている。昇降ベース210は、中心開口204よりも小径の外径をもち、上下方向に所定の寸法を有する円筒部211と、この円筒部211の下端に形成された外向フランジ部212とを有している。ハウジング200Aの円筒状側壁部202の内壁には、上下方向の直線ガイドレール220が複数取付けられているとともに、昇降ベース210の外向フランジ部212に設けた複数のガイド部材221が直線ガイドレール220に対して上下方向スライド移動可能に支持されている。これにより、昇降ベース210は、固定ベース200に対し、図中上下方向に移動可能であり、このとき、この昇降ベース210の円筒部211の上部がハウジング200Aの中心開口204から出没する。固定ベース200の天井壁203と昇降ベース210の外向フランジ部212との間には、この昇降ベース210の円筒部211を取り囲むようにして配置されたベローズ230の両端が連結されており、このベローズ230は、昇降ベース210の上下方向の移動にかかわらず、固定ベース200の天井壁203と昇降ベース210の外向フランジ部212との間を気密シールする。
【0035】
固定ベース200の内部にはまた、ベローズ230の外側において、鉛直方向に配置されて回転するネジ軸241と、このネジ軸241に螺合され、かつ昇降ベース210の外向フランジ部212に貫通状に固定されたナット部材242とからなるボールネジ機構240が配置されている。ネジ軸241は、その下端に取付けたプーリ243に掛け回されたベルト244によってモータM1に連携されており、このモータM1の駆動により、正逆方向に回転させられる。このようにしてネジ軸241を回転することにより、昇降ベース210が昇降させられる。
【0036】
直線移動機構B1は、昇降ベース210に対し、鉛直状の旋回軸Osを中心として旋回可能に支持される。直線移動機構B1の下部には、円筒部15が形成されており、この円筒部15が昇降ベース210の円筒部211の内部にベアリング302を介して回転可能に支持されている。そうして、直線移動機構B1の円筒部15の下端部には、プーリ15aが一体的に形成されており、昇降ベース210の円筒部211の中間壁213に支持させたモータM2の出力軸に取り付けたプーリ304との間にベルト305が掛け回されている。これにより、モータM2を駆動することにより、直線移動機構B1が旋回軸Osを中心として旋回させられる。
【0037】
昇降ベース210の円筒部211と直線移動機構B1の円筒部15との間にはまた、ベアリング302より上位に位置するシール機構306が介装されている。このシール機構306より下位の空間は、ベローズ230の外周側の固定ベース200内空間と連通しており、これにより、このような連通空間は、外部に対して気密シールされた閉じた空間となる。
【0038】
直線移動機構B1の円筒部15には、第1駆動機構3Aと第2駆動機構3Bとに駆動力を伝達するための第1伝動軸251および第2伝動軸252が同軸状に挿通されている。より具体的には、第2伝動軸252は円筒状の軸とされ、円筒部15の内側にベアリング253を介して回転可能に支持されているとともに、この第2伝動軸252の内部に、第1伝動軸251がベアリング254を介して回転可能に支持されている。第1伝動軸251の下端は、昇降ベース210の中間壁213に支持させたモータM3の出力軸に連結されている。第2伝動軸252の下端には、プーリ255が設けられており、昇降ベース210の中間壁213に支持させたモータM4の出力軸に取付けたプーリ256との間にベルト257が掛け回されている。ベアリング253,254の上位には、シール機構306が介装されている。なお、モータM3およびモータM4は、本発明でいう第1駆動源および第2駆動源の一例に相当する。また、モータM1,M2,M3,M4は、いずれも真空領域から気密された空間におかれているため、たとえば真空用途などの特殊なモータを用いる必要がなく、大気圧での使用を前提とした一般的なモータを用いることができる。
【0039】
図5に示すように、直線移動機構B1は、ガイド部材1と、このガイド部材1上に設けられた一対の第1ガイドレール4Aと、一対の第2ガイドレール4Bとを有する。なお、図5および図6は、図2と異なり、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bの双方が固定ベース200の上方に位置する状態とされた搬送ロボットA1を示している。ガイド部材1は、水平方向に延びる長手軸線(移動行程GL)を有する平面視長矩形状をしているとともに、底壁11、側壁12、中壁13、およびカバー14を備えている。一対の第1ガイドレール4Aは、ガイド部材1の底壁11上に、移動行程GLを挟んでこれに平行に、相互に所定間隔を置いて配置されている。一対の第2ガイドレール4Bは、一対の第1ガイドレール4Aの内側において、移動行程GLを挟んでこれに平行に配置されている。第1ガイドレール4Aには、第1移動部材2Aがその下部に設けたスライダ22aを介して移動行程GLに沿って移動可能に支持され、第2ガイドレール4Bには、第2移動部材2Bがスライダ22bを介して移動行程GLに沿って移動可能に支持されている。各ガイドレール4A,4Bの上方は、カバー14により覆われている。
【0040】
第1移動部材2Aと第2移動部材2Bとは、図1および図2に表れているように、ガイド部材1の幅方向に所定長さ延びる水平板状の主板部20a,20bを備えている。これら主板部20a,20bは、図3および図4に示すように、すきまを介して上下に重なるように位置させられ、互いに干渉することなく移動行程GLに沿って移動可能である。
【0041】
図5に示すように、第2移動部材2Bの主板部20bは、その下部に形成された支持アーム23b、およびこの支持アーム23bの下面に左右一対設けた上記スライダ22bを介して一対の第2ガイドレール4Bに支持されている。一方、第1移動部材20Aの主板部20aは、その幅方向両端部から第2移動部材2Aの主板部20aの両側部を迂回して延びる一対の支持アーム23a、およびこの支持アーム23aに設けたスライダ22aを介して一対の第1ガイドレール4Aに支持されている。これにより、第1移動部材2Aと第2移動部材2Bとは、全体としても、互いに干渉することなく移動行程GLに沿って移動可能であるとともに、第1移動部材2Aについては、その主板部20aが両持ち状に第1ガイドレール4Aに支持されるため、安定的な支持状態を得ることができる。なお、第1移動部材2Aにおいては、一対の支持アーム23aがガイド部材1の側壁12とカバー14との間に形成したスリット14aを貫通している。この1対の支持アーム23aには、1対の連結部材24aが設けられており、これらの連結部材24aは、中壁13に形成された1対のスリット13aを貫通して第1駆動機構3Aに連結されている。また、第2移動部材2Bにおいては、スリット14bを貫通する支持アーム23bから延びる連結部材24bを介して第2駆動機構3Bに連結されている。
【0042】
図1〜図3に示されているように、各主板部20a,20bには、ガイド部材1の長手方向に延びるホーク状のハンド21a,21bが一体的に形成されており、これらのハンド21a,21b上には、液晶表示パネルの製造用ガラス基板等の、比較的大型の薄板状ワークWが載置保持される。
【0043】
第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bをそれぞれ上記のようにガイド部材1の移動行程GLに沿って移動させるための第1駆動機構3Aおよび第2駆動機構3Bは、以下に説明するように構成されている。
【0044】
すなわち、第1駆動機構3Aおよび第2駆動機構3Bは、図5および図6に示すように、ガイド部材1内に収納されている。ガイド部材1は、その内部において上位ハウジング10aおよび下位ハウジング10bに区画された構造となっている。第1駆動機構3Aは、下位ハウジング10b内に収納されており、第2駆動機構3Bは、上位ハウジング10a内に収納されている。
【0045】
図8に示すように、第1駆動機構3Aは、第3伝動軸31、第4伝動軸32、1対の出力ベルト41a,41bを具備している。図6に示すように、上位ハウジング10a内において、第1伝動軸251の上端に設けられたプーリ251aと第3伝動軸31の上端に設けられたプーリ31bとには、ベルト40が掛け回されている。これにより、第1伝動軸251からの駆動力が第3伝動軸31へと伝達される。第3伝動軸31は、中壁13にベアリング37を介して移動行程GL上の垂直O1を中心として回転可能に支持されている。第3伝動軸31の下端は、下位ハウジング10b内に位置している。第4伝動軸32は、中壁13にベアリング38を介して移動行程GL上の垂直軸O2を中心として回転可能に支持されている。このように、第3伝動軸31および第4伝動軸32は、移動行程GL上に並んで配置されており、下位ハウジング10b内にほぼ同寸法だけ突出している。
【0046】
第3伝動軸31および第4伝動軸32の下端には、駆動プーリ31a,32bおよびギア31c、32cが形成されている。ギア31c、32cは、互いに噛み合っており、これにより第1伝動軸251からの駆動力により、第3伝動軸31と第4伝動軸32とが互いに逆方向に同期して回転させられる構成となっている。駆動プーリ31a,32aのそれぞれには、出力ベルト41a,41bが掛け回されている。出力ベルト41a,41bは、それぞれ1対ずつのプーリ33a,33b,34a,34bにも掛け回されている。1対ずつのプーリ33a,33bは、側壁12に沿ようにして移動工程GLを挟んで対称に配置されている。また、1対ずつのプーリ33a,33bのそれぞれは、下位ハウジング10bの長手方向両端に離間して配置されている。一対ずつのプーリ34a,24bは、それぞれが第3伝動軸31および第4伝動軸32から移動工程GLと垂直な方向に離間して配置されている。出力ベルト41a,41bは、1対ずつのプーリ33a,33bをその内側に含むように掛け回されている。一方、一対ずつのプーリ34a,34bは、出力ベルト41a,41bの外側に位置している。出力ベルト41a,41bは、これらのプーリ34a,34bに掛け回されることにより、第3伝動軸31および第4伝動軸32の側へと引き出されて、駆動プーリ31a,32aに掛け回されている。これにより、出力ベルト41a,41bのうち、1対ずつのプーリ33a,33b間に掛けられた区間は、移動行程GLを挟んで離間しつつ、移動行程GLの平行線に沿って延びる区間3Aa,3Abとなっている。第3伝動軸31および第4伝動軸32に駆動力が伝達されると、駆動プーリ31a,32aは、互いに逆方向R1,R2に同期して回転させられる。このとき、区間3Aa,3Abにおいては、出力ベルト41a,41bの進行方向は、ともに方向N1となり同方向である。このように、区間3Aa,3Abは、移動行程GLを挟んで離間しつつ、出力ベルト41a,41bが同方向に同期して往復動する1対の往復動機構を構成している。出力ベルト41a,41bのうち区間3Aa,3Abにある部分に第1移動部材2Aの1対の連結部材24aが連結されており、これにより、第1移動部材2Aは、第1駆動機構3Aにより移動行程GLに沿って移動自在とされている。
【0047】
第2駆動機構3Bは、図7に示すように、出力ベルト42、および一対ずつのプーリ35,36を備えており、図5に示すように、上位ハウジング10a内に収納されている。第2伝動軸252の上端には、プーリ252aが設けられている。このプーリ252aには、図7に示す出力ベルト42が掛け回されている。出力ベルト42は、上位ハウジング10a内において、1対ずつのプーリ35,36にも掛け回されている。1対のプーリ35は、移動工程GLと第2ガイドレール4Bの間において、上位ハウジング10aの長手方向に互いに離間して配置されている。1対のプーリ36は、第2伝動軸252に添うようにして、第2伝動軸252に対して移動工程GLと垂直な方向に離間して配置されている。出力ベルト42は、1対のプーリ35をその内側に含むように掛け回されている。一方、一対のプーリ36は、出力ベルト42の外側に位置している。出力ベルト2は、1対のプーリ36に掛け回されることにより、第2伝動軸252の側へと引き出されて、第2伝動軸252のプーリ252aに掛け回されている。この結果、出力ベルト42のうち、移動行程GLに対する外側において1対のプーリ35間に掛けられた区間は、移動行程GLから離間しつつ、これと平行な区間となっている。第2伝動軸252から出力ベルト42に駆動力が伝達されると、出力ベルト42は回転させられるとともに、1対のプーリ35間の区間においては、移動行程GLの平行線に沿って往復動することとなる。出力ベルト42のうち1対のプーリ42間にある部分には、第2移動部材2Bの連結部材24bが連結されている。これらにより、第2移動部材2Bは、第2駆動機構2Bにより移動行程GLに沿って移動自在とされている。
【0048】
次に、上記構成を備える搬送ロボットA1の動作について、説明する。
【0049】
前述したように、図5に示すモータM3の駆動力が第1伝動軸251を介して第1駆動機構3Aに伝達されると、図8に示す第1移動部材2Aが移動行程GLに沿って移動させられる一方、図5に示すモータM4の駆動力が第2伝動軸252を介して第2駆動機構3Bに伝達されると、図7に示す第2移動部材2Bが移動行程GLに沿って移動させられる。また、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bは、互いに干渉することが防止されている。したがって、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bの移動は、それぞれ独立して行うことができる。たとえば、図1に示すように、第1移動部材2Aを固定ベース200上方の待機位置におき、第2移動部材2Bを移動行程GLに沿って移動させて前進位置におくと、第2移動部材2Bにより、ワークWの受け渡しを行うことができる。また、この状態においては、第1移動部材2A上に別のワークWを保持しておくことも可能である。これとは逆に、第1移動部材2Aを上記前進位置においてワークWの受け渡しを行うとともに、第2移動部材2Bを上記待機位置において別のワークWを保持させておくことも可能である。このように、搬送ロボットA1によれば、2つのワークWを同時に保持するとともに、それぞれを独立して受け渡しすることが可能であり、半導体の製造工程におけるウエハの搬送や、液晶表示パネルの製造工程におけるガラス基板の搬送をフレキシブルに行って、製造効率を向上させることができる。
【0050】
また、搬送ロボットA1においては、直線移動機構B1が、固定ベース200に対して旋回および昇降可能とされている。たとえば、トランスポートチャンバと、このトランスポートチャンバを中心として放射状に連結された複数のプロセスチャンバを備える製造装置において、搬送ロボットA1の固定ベース200を上記トランスポートチャンバに設置する。このような構成によれば、搬送ロボットA1の直線移動機構B1を適宜旋回させることにより、上記複数のプロセスチャンバのうち任意のプロセスチャンバ内へとハンド21a,21bを進入させて、ワークWの受け渡しを行うことができる。また、各プロセスチャンバ内において、各工程の高さに応じてワークWを適切に昇降させることができる。したがって、搬送ロボットA1によれば、製造装置の省スペース化や、製造工程の多機能化および高効率化を図るのに好適である。
【0051】
本実施形態においては、第1移動部材2Aは、第2移動部材2Bとの干渉を避けるために、比較的大型の枠状とされている。このような構成の第1移動部材2Aを、本実施形態とは異なり、その一箇所だけを支持して移動行程GL上を移動させると、移動行程GL上の箇所を支持しない限りは、こじるような動きが生じる。このような動きは、正確なハンドリングを阻害してしまう。また、こじるような動きを抑制するためには、第1移動部材2A全体の剛性を高める手段もあるが、第1移動部材2Aの重量が増加することとなるため、第1移動部材の移動速度や停止精度などの低下が問題となる。本実施形態においては、第1移動部材2Aは、1対の連結部材24aにより、移動行程GLを挟んでほぼ対称な箇所で支持されているため、こじるような動きを防止して移動行程GL上をスムーズに移動可能である。したがって、第1移動部材2A全体の重量増を回避しつつ、その移動速度および停止精度の向上を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態においては、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bの移動距離を延長するには、第1駆動機構2Aおよび第2駆動機構2Bの第1ガイドレール4Aおよび第2ガイドレール4Bや、出力ベルト41a,41b,42を長尺化することにより容易に対応することができる。このような延長を行っても、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bは、第1ガイドレール4Aおよび第2ガイドレール4Bに支持される構造であるために、その剛性を高くすることが可能であり、移動速度や動作精度が低下することを回避できる。
【0053】
第1駆動機構3Aは、互いに逆方向に同期回転する1対の出力ベルト41a,41bを備えることにより、区間3Aa,3Abにおいて移動行程GLの平行線に沿って同期して第1移動部材2Aを駆動可能である。したがって、第1移動部材2Aの1対の連結部材24aには第1移動部材2Aが移動させられる際に相対変位が生じるおそれが無く、第1移動部材2Aをスムーズに移動させるのに好適である。また、第1移動部材2Aは、移動工程GLを挟んで離間した1対の連結部材24aを介して駆動されるために、第1移動部材2Aの幅方向における剛性をそれほど高くすることなく、スムーズな移動が可能である。したがって、第1移動部材2Aの軽量化にも適している。なお、1対の駆動プーリ31a,32aを用いていることにより、このような同期された駆動を容易に達成するとともに、第1駆動機構3Aが複雑化することを回避できる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、第1駆動機構2Aおよび第2駆動機構2Bは、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bを互いに独立して駆動可能としながら、ガイド部材1内に比較的コンパクトに収納されている。特に第1駆動機構2Aおよび第2駆動機構2Bを下位ハウジング10bおよび上位ハウジング10aに独立して収納することにより、平面視において不当に嵩張ることを防止できる。また、1対の出力ベルト41a,41bのうち移動工程GLに対して両外側に位置する区間2Aa,2Abにおいて第1移動部材2Aと連結される構成であることにより、第1駆動機構3Aは、第1移動部材2Aからその幅方向に大きく突出することが無く、省スペース化を図ることができる。これらに加えて、第1伝動軸251および第2伝動軸252の双方の上端が上位ハウジング10a内にあるために、たとえば搬送ロボットA1のメンテナンスに際して、カバー14をはずすことにより、第1伝動軸251および第2伝動軸252に掛け回されたベルト40および出力ベルト42の調整を容易に行うことができる。
【0055】
第1駆動機構3Aおよび第2駆動機構3Bは、カバー14により覆われているために、たとえばワークWが比較的高温であってもその輻射熱を直接受けることがなく、熱膨張などが生じにくい。したがって、ワークWが高温となる製造工程に用いられた場合であっても、本実施形態の搬送ロボットA1は、高い動作精度を実現可能である。
【0056】
図9は、本発明に係る直線移動機構および搬送ロボットの第2の実施形態を示している。図示された直線移動機構B2および搬送ロボットA2は、第1駆動機構3Aの構成が、上述した本発明の第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1実施形態と同様である。なお、図9以降の図面においては、上記第1の実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0057】
図9は、下位ハウジング10bを含む水平面における搬送ロボットA2の断面図である。本実施形態の第1駆動機構3Aは、第3伝動軸31のみを備えている。第3伝動軸の上端に設けられたプーリ(図示略)には、図外の上位ハウジング内において、第1伝動軸251とともにベルト40が掛け回されている。また、下位ハウジング10b内においては、第3伝動軸31には、上下方向において重ねるように二つの駆動プーリ31aが設けられている。これらの駆動プーリ31aには、それぞれ出力ベルト41a,41bが掛け回されている。これにより、本実施形態においては、出力ベルト41a,41bは、同一方向に同期して回転させられる。出力ベルト41a,41bのうち、第3伝動軸31が方向R1に回転させられたときに方向N1へと進行する区間3Aa,3Abにおいて、1対の連結部材24aが連結されている。
【0058】
このような実施形態によっても、1対の連結部材24aを介して第1移動部材2Aをスムーズに移動させることができる。また、第3伝動軸31のみにより、2つの出力ベルト41a,41bを駆動する構成であることにより、第1駆動機構3Aとしても簡素化を図るのに有利である。
【0059】
図10は、本発明に係る直線移動機構および搬送ロボットの第3の実施形態を示している。図示された直線移動機構B3および搬送ロボットA3においては、第1伝動軸251および第2伝動軸252と第1駆動機構3Aおよび第2駆動機構3Bとの連携が、上述した第1実施形態および第2実施形態と異なった構成となっている。
【0060】
具体的には、まず、第1伝動軸251に第2伝動軸252が内挿通された構成となっており、上述した実施形態とは、第1伝動軸251および第2伝動軸252の位置関係が逆である。第2伝動軸252は、その上端が上位ハウジング10aに突出している一方、第1伝動軸251は、その上端が下位ハウジング10b内に位置している。そして、上位ハウジング10a内において、第2伝動軸252からの駆動力が第2駆動機構3Bに伝達される一方、下位ハウジング10b内において、第1伝動軸251からの駆動力が駆動機構3Aに伝達されている。第1駆動機構3Aおよび第2駆動機構3Bの具体的な構成については、たとえば上述した第1実施形態と同様の構成とすればよい。
【0061】
本実施形態によれば、第1実施形態において図6に示すように、第3伝動軸31を用いて上位ハウジング10aから下位ハウジング10bへと駆動力を伝達する必要がない。したがって、直線移動機構B1の構成を簡素化することが可能である。
【0062】
なお、本発明に係る直線移動機構および搬送ロボットは、上記した各実施形態に限定されるものではない。
【0063】
上記第1実施形態等では、第1駆動機構3Aの出力ベルト41a,41b、および第2駆動機構3Bの出力ベルト42は、いわゆる平ベルトとされているが、本発明はこれに限定されず、たとえば、スチールベルトやワイヤを用いてもよい。
【0064】
搬送ロボットとしては、第1移動部材2Aおよび第2移動部材2Bを備えるものに限定されず、たとえば、上記第1実施形態の第1移動部材2Aおよび第1駆動機構3Aのみを備えたいわゆるワンハンドロボットとしてもよい。この場合にも、ワークの長大化や、搬送距離の延長に適切に対応することができる。
【0065】
上記実施形態では、真空雰囲気下で用いることを前提として説明をしたが、もちろん、本発明に係る搬送ロボットは、大気圧下で用いるものとして構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る搬送ロボットの全体斜視図である。
【図2】図1に示す搬送ロボットの平面図である。
【図3】図1に示す搬送ロボットの側面図である。
【図4】図1に示す搬送ロボットの正面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図2のVI−VI線に沿う断面図およびその部分拡大図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る搬送ロボットの断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る搬送ロボットの断面図である。
【図11】従来の搬送ロボットの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
A1,A2,A3 搬送ロボット
B1,B2,B3 直線移動機構
GL 移動行程
Os 旋回軸
O1,O2 垂直軸
W ワーク
1 ガイド部材
11 底壁
12 側壁
13 中壁
13a スリット
14 カバー
14a,14b スリット
2A 第1移動部材
2B 第2移動部材
20a,20b 主板部
21a,21b ハンド
22a,22b スライダ
23a,23b 支持アーム
24a,24b 連結部材
31 第3伝動軸
31a 駆動プーリ
31b プーリ
31c ギア
32 第4伝動軸
32a 駆動プーリ
32c ギア
40 ベルト
41a,41b 出力ベルト
42 出力ベルト
251 第1伝動軸
252 第2伝動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド部材と、このガイド部材上に設定された水平直線状の移動行程に沿って移動可能な移動部材と、この移動部材を駆動する駆動機構と、を備えた直線移動機構であって、
上記駆動機構は、上記移動行程を挟んで配置され、かつ同期駆動される一対の往復動機構を含んでおり、
上記移動部材は、上記移動行程を挟んで離間する一対の連結部材において、上記一対の往復動機構に連結されていることを特徴とする、直線移動機構。
【請求項2】
上記駆動機構は、上記移動行程を挟んで配置され、かつ互いに同期駆動される1対の出力ベルトを含んでおり、
上記1対の出力ベルトのうち、上記移動行程を挟んで互いに離間し、かつ上記移動行程の平行線に沿って往復動する1対の往復動区間により、上記一対の往復動機構が構成されている、請求項1に記載の直線移動機構。
【請求項3】
上記駆動機構は、互いに逆方向に同期回転する1対の駆動プーリを具備しており、
上記1対の出力ベルトは、それぞれが上記1対の駆動プーリの一方ずつに掛け回されていることにより、互いに逆方向に同期回転させられるとともに、
上記一対の出力ベルトのうち、上記移動行程に対して両外側に位置し、かつ上記移動行程の平行線に沿って延びる区間が、上記1対の往復動区間となっている、請求項2に記載の直線移動機構。
【請求項4】
上記1対の駆動プーリは、上記移動行程上に並んで配置されており、
上記各駆動プーリは、同軸上に配置されたギアと連結されているとともに、これらのギアが噛み合わされていることにより、上記1対の駆動プーリが互いに逆方向に同期回転させられる構成となっている、請求項3に記載の直線移動機構。
【請求項5】
上記移動部材は、上記移動行程に沿って相互に干渉することなく移動可能に上記ガイド部材に支持された第1移動部材および第2移動部材を含んでいるとともに、
上記駆動機構は、上記第1移動部材および上記第2移動部材をそれぞれ駆動するように上記ガイド部材に設けられた第1駆動機構および第2駆動機構を含んでおり、かつ、上記第1駆動機構は、上記1対の出力ベルトおよび上記1対の駆動プーリを具備している、請求項4に記載の直線移動機構。
【請求項6】
上記ガイド部材には、上記第1移動部材を移動可能に支持し、上記移動行程を挟んで位置する一対の第1ガイドレールと、上記第2移動部材を移動可能に支持し、上記一対の第1ガイドレールの内側において上記移動行程を挟んで位置する一対の第2ガイドレールとを備えている、請求項5に記載の直線移動機構。
【請求項7】
上記第1移動部材および上記第2移動部材は、それぞれ、主板部を備えている一方、上記第1移動部材の主板部は、上記第2移動部材の主板部より上位に位置しているとともに、上記第1移動部材は、その主板部の両側部から上記第2移動部材の主板部の両側部を迂回して延びる一対の支持アームを介して上記一対の第1ガイドレールに支持されている、請求項6に記載の直線移動機構。
【請求項8】
上記ガイド部材は、互いに区画された上位ハウジングおよび下位ハウジングを有する構造とされており、
上記第1駆動機構は、上記下位ハウジングに収納されている一方、上記第2駆動機構は、上記上位ハウジングに収納されている、請求項7に記載の直線移動機構。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の直線移動機構が固定ベースに対し、上記移動行程上における鉛直状の旋回軸を中心として上記ガイド部材が旋回しうるように支持されているとともに、上記移動部材には、板状ワークを載置しうるハンドが設けられていることを特徴とする、搬送ロボット。
【請求項10】
上記直線移動機構はまた、上記固定ベースに対し、上記旋回軸に沿って昇降しうるように支持されている、請求項9に記載の搬送ロボット。
【請求項11】
請求項8に記載の直線移動機構が固定ベースに対し、上記移動行程上における鉛直状の旋回軸を中心として上記ガイド部材が旋回しうるように支持されているとともに、上記第1移動部材および上記第2移動部材には、板状ワークを載置しうるハンドが設けられており、
上記固定ベース内に設けられた第1駆動源および第2駆動源と、上記第1駆動源および上記第2駆動源からの駆動力を上記第1駆動機構および上記第2駆動機構に伝達するための第1伝動軸および第2伝動軸とを備えているとともに、
上記第1伝動軸および上記第2伝動軸は、それぞれが上記旋回軸を中心軸とするように一方が他方に内挿通されていることを特徴とする、搬送ロボット。
【請求項12】
上記第1伝動軸は、上記第2伝動軸に内挿通されているとともに、
上記上位ハウジングおよび上記下位ハウジングの双方に一部ずつが位置する第3伝動軸を備えており、
上記第3伝動軸のうち上記上位ハウジングに位置する部分には、上記第1伝動軸からベルトを介して駆動力が伝達されるためのプーリが設けられているとともに、上記第3伝動軸のうち上記下位ハウジングに位置する部分には、上記第1駆動機構の上記1対の駆動プーリの一方が設けられている一方、
上記第2伝動軸のうち上記上位ハウジングに位置する部分には、上記第2駆動機構を構成するベルトが掛け回されている、請求項11に記載の搬送ロボット。
【請求項13】
上記直線移動機構はまた、上記固定ベースに対し、上記旋回軸に沿って昇降しうるように支持されている、請求項12に記載の搬送ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−123135(P2006−123135A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317509(P2004−317509)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】