直視型MEMSディスプレイ装置およびその上に画像を生成する方法
【課題】改良された画像品質、低消費電力および低電圧駆動可能な直視型ディスプレイを提供する。
【解決手段】直視型ディスプレイ700はMEMS光変調器のアレイ702と制御マトリクスとアレイ内の各光変調器の状態を制御するためのコントローラ704とを含み、制御マトリクス710、708はデータおよび作動電圧をアレイに伝え、コントローラはプロセッサとメモリと出力とを含み、表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信する。プロセッサは画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出し各サブフレームデータセットはアレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示し、メモリは複数のサブフレームデータセットを記憶し、出力は光変調器をサブフレームデータセット内で示された状態にするために出力シーケンスに従って複数のサブフレームデータセットを出力する。
【解決手段】直視型ディスプレイ700はMEMS光変調器のアレイ702と制御マトリクスとアレイ内の各光変調器の状態を制御するためのコントローラ704とを含み、制御マトリクス710、708はデータおよび作動電圧をアレイに伝え、コントローラはプロセッサとメモリと出力とを含み、表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信する。プロセッサは画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出し各サブフレームデータセットはアレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示し、メモリは複数のサブフレームデータセットを記憶し、出力は光変調器をサブフレームデータセット内で示された状態にするために出力シーケンスに従って複数のサブフレームデータセットを出力する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年12月19日出願の「Methods and Apparatus for a Backlight for Color Displays」と題された米国仮特許出願第60/751,909号の優先権と利益とを主張するものである。
【0002】
本出願は、さらに、2006年2月24日出願の「Methods and Apparatus for a Backlight for Color Displays」と題された米国仮特許出願第60/776,367号の優先権と利益とを主張するものである。
【0003】
本出願は、さらに、2006年2月23日出願の「Devices Having MEMS Displays」と題された米国特許出願第11/361,294号(2006年9月21日に米国特許出願公開第20060209012A1として公開されており、2005年2月23日出願の米国仮特許出願第60/655,827号および2005年4月29日出願の米国仮特許出願第60/676,053号の優先権と利益とを主張する)の一部継続出願であり、その利益を主張するものである。
【0004】
上記出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に援用されるものとする。
【技術分野】
【0005】
発明の分野
一般に、本発明は、画像ディスプレイの分野に関し、特に、本発明は、画像ディスプレイ内に組み込まれた光変調器を制御するための、制御回路およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0006】
発明の背景
機械的光変調器から構築されたディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの、魅力的な代替選択肢である。機械的光変調器は、映像コンテンツを、良好な視野角と、広範なカラーおよびグレースケールとを伴って表示するために十分高速である。機械的光変調器は、投写型ディスプレイの適用例において成功を収めてきた。機械的光変調器を使用する直視型ディスプレイが、輝度と低電力との十分に魅力的な組み合わせであることはまだ示されていない。
【0007】
シリコン基板から切り取られた比較的小さなダイ上にスイッチング回路と光変調器とが構築されることが可能な、投射型ディスプレイとは対照的に、ほとんどの直視型ディスプレイは、はるかに大きな基板上での光変調器の製造を必要とする。その上、多くの場合、特にバックライト付き直視型ディスプレイについては、制御回路と光変調器との両方が、透明基板上に形成されることが好ましい。結果として、多くの一般的な半導体製造プロセスは適用できず、スイッチング回路は、多くの場合、それに応じて設計し直される必要がある。詳細な画像を、豊富なレベルのグレースケールとコントラストとともにもたらす、スイッチング回路と組み合わせた表示プロセスを組み込んだ、MEMS直視型ディスプレイが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
概要
高速で、明るく、低電力の、機械的に作動させられる直視型ディスプレイが、当業界で必要とされている。特に、改良された画像品質と、低減された消費電力とのために、高速に、かつ低電圧で駆動されることが可能な、透明基板上に構築された直視型ディスプレイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成される)を含み、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝え、各光変調器について、トランジスタとコンデンサとを含んでもよい。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、入力と、プロセッサと、メモリと、出力とを含む。入力は、直視型ディスプレイ上での表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信する。プロセッサは、画像データから、複数のサブフレームデータセットを導き出す。各サブフレームデータセットは、アレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示す。メモリは、複数のサブフレームデータセットを記憶する。出力は、光変調器を、サブフレームデータセット内で示された状態にするために、出力シーケンスに従って、複数のサブフレームデータセットを出力する。複数のサブフレームデータセットは、画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つのための、または画像フレームの4つの色成分のための、別個のサブフレームデータセットを含んでもよく、4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなってもよい。
【0010】
一実施形態では、出力シーケンスは、サブフレームデータセットに対応する複数のイベントを含む。コントローラは、少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられた、さまざまな時間値を記憶する。時間値は、変調器が状態を変更する間の、アレイの照射を防止するように選択されてもよく、複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットの出力の結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連してもよい。直視型ディスプレイは、複数のランプを含んでもよく、その場合、コントローラは、出力シーケンス内に含まれるランプ点灯イベントおよび/またはランプ消灯イベントに関連付けられた時間値を記憶してもよい。出力シーケンスは、アドレス指定イベントを含んでもよく、その場合、コントローラは、アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する。
【0011】
別の実施形態では、出力シーケンスは、少なくとも部分的に、メモリ内に記憶される。直視型ディスプレイは、出力シーケンスへの変更を受信するための、外部プロセッサへのデータリンクを含んでもよい。直視型ディスプレイは複数のランプを含んでもよく、その場合、出力シーケンスは、ランプ点灯シーケンスを含む。ランプ点灯シーケンスは、出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、時間の長さ、および/または強度に対応するデータを含んでもよい。ランプ点灯シーケンス内の、各サブフレームデータセットについてランプが点灯される時間の長さは、好ましくは、4ミリ秒以下である。
【0012】
別の実施形態では、プロセッサは、画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解し、複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に重みを割り当てることによって、複数のサブフレームデータセットを導き出す。コントローラは、サブフレーム画像に割り当てられた重みに比例した長さの時間にわたって、かつ/または、サブフレーム画像に割り当てられた重みに比例した照射強度で、サブフレーム画像が照射されるようにしてもよい。プロセッサは、符号化方式に従って、重みを割り当ててもよい。一実装では、符号化方式は2進符号化方式であり、サブフレームデータセットはビットプレーンであり、画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される。最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与してもよい。出力シーケンスに従って、画像フレームの少なくとも1つの色成分の最上位サブ画像に対応するビットプレーンは、25ミリ秒以下の間隔であってもよい、2つの別個の時間において出力されてもよい。画像フレームの色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第1の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内であることが好ましい。
【0013】
別の実施形態では、画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットは、画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットの前に出力され、そして、画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットは、画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットの後で出力される。単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯されてもよく、1つの色のランプは、その他の色のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯されてもよい。
【0014】
別の実施形態では、直視型ディスプレイは、複数の代替の出力シーケンスを記憶するためのメモリを含み、そして、出力シーケンスと、複数の代替の出力シーケンスとの間を切り換えるための、出力シーケンス切り換えモジュールを含んでもよい。出力シーケンス切り換えモジュールは、プロセッサに応答してもよく、直視型ディスプレイ内に含まれるユーザインタフェースに応答してもよく、かつ/または、直視型ディスプレイが組み込まれている装置内に含まれる、コントローラの外部にある、第2のプロセッサから受信した命令に応答してもよい。ユーザインタフェースは、手動スイッチであってもよい。
【0015】
別の実施形態では、直視型ディスプレイは、出力シーケンスへの変更を導き出すための、シーケンスパラメータ計算モジュールを含む。受信した画像フレームの特性に基づいて、シーケンスパラメータ計算モジュールは、出力シーケンスへの変更、出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更、および/または、サブフレームデータセットへの変更を導き出してもよい。直視型ディスプレイは複数のランプを含んでもよく、その場合、シーケンスパラメータ計算モジュールは、出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出してもよい。
【0016】
別の実施形態では、光変調器のアレイは、複数の独立に作動可能な、光変調器のバンクを含む。制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を含んでもよく、ここで、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する。複数のバンクは、アレイ内で相互に隣接して配置されてもよい。あるいは、光変調器の各バンクは、アレイ内の複数の行を含んでもよく、ここで、バンクは、アレイ内で相互に織り合わされていてもよい。一実装では、バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、バンクのうちのもう1つの中での、その有意値と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、そして、その重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である。
【0017】
別の実施形態では、光変調器はシャッタを含む。シャッタは、画像フレームを形成するために、光を選択的に反射してもよく、かつ/または、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させてもよい。シャッタは、基板に対して横方向に駆動されてもよい。別の実施形態では、光変調器は、反射型光変調器である。別の実施形態では、光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる。別の実施形態では、光ガイドが、光変調器のアレイに隣接して配置される。
【0018】
別の実施形態では、出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む。直視型ディスプレイは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の光変調器を実質的に同時に作動させるための、光変調器のアレイに結合された大域的作動相互接続を含んでもよい。
【0019】
本発明の別の態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成され、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい)、少なくとも3つの色のランプとを含む。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝える。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、さらに、画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して光変調器のアレイを照射するように、ランプの点灯を制御する。光変調器のアレイを照射している色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度であってもよい。
【0020】
本発明の別の態様は、直視型ディスプレイ上に画像フレームを表示するための方法を含む。方法は、画像フレームを符号化した画像データを受信するステップと、画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すステップと、複数のサブフレームデータセットをメモリ内に記憶するステップと、出力シーケンスに従って複数のサブフレームデータセットを出力するステップとを含む。各サブフレームデータセットは、透明基板上に形成された光変調器アレイの、複数行および複数列内のMEMS光変調器の、所望の状態を示す。複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、MEMS光変調器を、各サブフレームデータセット内で示された所望の状態にし、そしてこのステップは、透明基板上に形成された制御マトリクスを介して光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成される)を含み、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝える。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、さらに、画像を表示するために、少なくとも4つの色のランプの点灯を制御する。ランプは、少なくとも、赤のランプと、緑のランプと、青のランプと、白のランプとを含んでもよい。ランプは、少なくとも、赤のランプと、緑のランプと、青のランプと、黄のランプとを含んでもよい。直視型ディスプレイは、3色画像データを4色画像データに変換するためのプロセッサを含んでもよい。
【0022】
本発明の別の態様は、直視型ディスプレイ上に画像を表示するための方法を含む。方法は、透明基板上に形成された光変調器アレイ内のMEMS光変調器の状態を制御するステップと(MEMS光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい)、透明基板上に形成された制御マトリクスを介して、光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップと、画像を表示するために、少なくとも4つの色のランプの点灯を制御するステップとを含む。
【0023】
以下の詳細な説明においては、添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
詳細な説明
図1は、本発明の例示的実施形態による、直視型MEMSベースディスプレイ装置100の概略図である。ディスプレイ装置100は、行および列内に配置された複数の光変調器102a〜102d(一般に「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100内で、光変調器102aおよび102dは、開状態になっており、光を通過させる。光変調器102bおよび102cは、閉状態になっており、光の通過を妨げている。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、ディスプレイ装置100は、バックライト付きディスプレイで、1つまたは複数のランプ105によって照射された場合に、画像104を形成するために利用されることが可能である。別の実装では、装置100は、装置の前方からもたらされる環境光の反射によって画像を形成してもよい。別の実装では、装置100は、ディスプレイの前方に配置された1つまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわち、フロントライトの使用によって、画像を形成してもよい。
【0025】
ディスプレイ装置100内で、各光変調器102は、画像104内のピクセル106に対応している。他の実装では、ディスプレイ装置100は、画像104内のピクセル106を形成するために、複数の光変調器を利用してもよい。例えば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含んでもよい。特定のピクセル106に対応する色固有光変調器102のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104内にカラーピクセル106を生成することが可能である。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104内にグレースケールを提供するために、ピクセル106につき2つ以上の光変調器102を含む。画像に関しては、「ピクセル」は、画像の解像度によって定義される最小の画素に対応する。ディスプレイ装置100の構造部品に関しては、用語「ピクセル」は、画像の1つのピクセルを形成する、光を変調するために利用される、機械的および電気的構成要素の組み合わせを意味する。
【0026】
ディスプレイ装置100は、投射型適用例のために必要な結像光学系を必要としないという点において、直視型ディスプレイである。投射型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面上に形成された画像が、スクリーン上に、または壁上に投射される。ディスプレイ装置は、投射される画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、光変調器と、任意選択で、ディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを向上させるためのバックライトまたはフロントライトとを含む、ディスプレイ装置を直接見ることによって、ユーザは画像を見る。
【0027】
直視型ディスプレイは、透過型または反射型モードのいずれかで動作してもよい。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの背後に配置された1つまたは複数のランプからもたらされる光を、フィルタリングするか、または選択的にブロックする。ランプからの光は、各ピクセルが均一に照射されることが可能なように、任意選択で、光ガイドまたは「バックライト」内に注入される。透過型の直視型ディスプレイは、多くの場合、光変調器を含む1つの基板がバックライトのすぐ上に配置される、サンドイッチ組立体配置を容易にするために、透明またはガラス基板上に構築される。
【0028】
各光変調器102は、シャッタ108と、アパーチャ109とを含む。画像104内のピクセル106を明るくするためには、シャッタ108は、見る人に向けて光をアパーチャ109に通過させるように配置される。ピクセル106を点灯されていないままにするためには、シャッタ108は、アパーチャ109を通した光の通過を妨げるように配置される。アパーチャ109は、各光変調器102内に、反射性または光吸収性材料を貫通してパターン形成された、開口部によって定義される。
【0029】
ディスプレイ装置は、さらに、シャッタの移動を制御するための、基板と光変調器とに接続された制御マトリクスを含む。制御マトリクスは、ピクセルの行につき少なくとも1つの書き込み許可相互接続110(「走査ライン相互接続」とも呼ばれる)と、ピクセルの各列について1つのデータ相互接続112と、すべてのピクセルに、または少なくとも、ディスプレイ装置100内の複数列および複数行の両方からのピクセルに、共通電圧を提供する、1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気的相互接続(例えば、相互接続110、112、および114)を含む。適切な電圧(「書き込み許可電圧、Vwe」)の印加に応えて、所与のピクセル行についての書き込み許可相互接続110は、行内のピクセルを、新しいシャッタ移動命令を受け入れるように準備させる。データ相互接続112は、新しい移動命令を、データ電圧パルスの形態で伝える。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、一部の実装では、シャッタの静電的な移動に直接寄与する。他の実装では、データ電圧パルスは、光変調器102への、通常はデータ電圧よりも大きさが大きい別個の作動電圧の印加を制御する、例えばトランジスタまたはその他の非線形回路素子などのスイッチを制御する。これらの作動電圧の印加は、次に、シャッタ108の静電的に駆動された移動をもたらす。
【0030】
図2Aは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、例示的なシャッタベースの光変調器200の斜視図である。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッタ202を含む。アクチュエータ204は、2005年10月14日出願の米国特許出願第11/251,035号明細書に記載されているような、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205(「アクチュエータ205」)から形成される。シャッタ202は、一方の側が、アクチュエータ205に結合されている。アクチュエータ205は、シャッタ202を、表面203に実質的に平行な移動平面内で、表面203の上を横方向に移動させる。シャッタ202の反対側は、アクチュエータ204によって及ぼされた力に対向する復元力を提供する、スプリング207に結合されている。
【0031】
各アクチュエータ205は、シャッタ202をロードアンカー208に接続する、コンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカー208はコンプライアントロードビーム206とともに、シャッタ202を表面203のすぐ近くに浮遊したままに保つ、機械的支持として働く。表面には、光の通過を許すための1つ以上のアパーチャ穴211が含まれる。ロードアンカー208は、物理的には、コンプライアントロードビーム206とシャッタ202とを表面203に接続し、電気的には、ロードビーム206をバイアス電圧に接続し、場合によっては、接地する。
【0032】
基板が、シリコンなどの不透明なものである場合、アパーチャ穴211は、基板204を貫通して穴のアレイをエッチングすることによって基板内に形成される。基板204が、ガラスまたはプラスチックなどの透明なものである場合、処理シーケンスの第1のステップは、基板上に遮光層を蒸着するステップと、遮光層をエッチングして穴のアレイ211にするステップとを含む。アパーチャ穴211は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。
【0033】
各アクチュエータ205は、さらに、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216を含む。駆動ビーム216は、一方の端において、駆動ビーム216間で共有される駆動ビームアンカー218に結合される。各駆動ビーム216のもう一方の端は、自由に動くことができる。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端およびロードビーム206の固定端の近くで、駆動ビーム216がロードビーム206に最も近くなるように、湾曲している。
【0034】
動作時、光変調器200を組み込んだディスプレイ装置は、駆動ビームアンカー218を介して、駆動ビーム216に、電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加されてもよい。結果としてもたらされる、駆動ビーム216とロードビーム206との間の電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方へ引き、そして、ロードビーム206のシャッタ端を、駆動ビーム216の固定端の方へ引き、それにより、シャッタ202を、駆動アンカー218の方へ横方向に駆動する。コンプライアント部材206はスプリングとして働き、それにより、ビーム206と216との電位間の電圧が除去された場合に、ロードビーム206は、ロードビーム206内に蓄積された応力を解放しながら、シャッタ202をその初期位置に押し戻す。
【0035】
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後でシャッタをその静止位置に戻すための、スプリングなどの、受動的復元力を組み込んでいる。米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書に記載されているような、その他のシャッタ組立体は、「開」および「閉」アクチュエータという2つの組と、「開」および「閉」電極という別個の組とを、シャッタを開または閉状態のいずれかに移動させるために組み込んでいる。
【0036】
米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書には、適切なグレースケールを有する画像(多くの場合、動画)を生成するために、シャッタおよびアパーチャのアレイを制御マトリクスを介して制御することが可能な、さまざまな方法が記載されている。場合によっては、制御は、ディスプレイの周辺部で駆動回路に接続された、行および列の相互接続の、パッシブマトリクスアレイを使用して達成されてもよい。他の場合には、ディスプレイの速度、グレースケール、および/または電力損失性能を向上するために、アレイの各ピクセル内に、スイッチングおよび/またはデータ蓄積要素を含めることが適切である(いわゆる、アクティブマトリクス)。
【0037】
本明細書に記載する制御マトリクスは、上述の光変調器などの、シャッタベースのMEMS光変調器を制御することに限定されない。例えば、図2Bは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、ローリングアクチュエータベースの光変調器220の断面図である。「Electric Display Device」と題された米国特許第5,233,459号明細書および「Spatial Light Modulator」と題された米国特許第5,784、189号明細書(これらの全体が、参照により本明細書に援用されるものとする)にさらに記載されているように、ローリングアクチュエータベースの光変調器は、固定電極の反対側に配置され、電場が印加されると好ましい方向に移動してシャッタを生成するように付勢された、可動電極を含む。一実施形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224との間に配置された平面電極226を含み、可動電極222は、絶縁層224に取り付けられた固定端230を有する。印加電圧がない場合、可動電極222の可動端232は、固定端230の方へ自由に巻かれて、圧延状態を生成する。電極222と226との間に電圧を印加すると、可動電極222は広がって、絶縁層224にぴったりと接して横たわり、それにより、可動電極222は、基板228を通して移動している光をブロックするシャッタとして働く。可動電極222は、電圧が除去された後は、圧延状態に戻る。圧延状態への付勢は、異方性応力状態を含むように可動電極222を製造することによって達成されてもよい。
【0038】
図2Cは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、光タップベースの光変調器250の断面図である。「Micromechanical Optical Switch and Flat Panel Display」と題された米国特許第5,771,321号明細書(この全体が、参照により本明細書に援用されるものとする)にさらに記載されているように、光タップは、洩れ内部全反射の原理に従って働く。すなわち、光252は光ガイド254内に導入され、その中で、妨害がなければ、光252の大部分は、内部全反射に起因して、光ガイド254からその前面または後面を通して脱出することができない。光タップ250は、十分に高い屈折率を有するタップ要素256を含み、タップ要素256が光ガイド254に接触することに応えて、タップ要素256に隣接する光ガイドの表面上に当たる光252は、見る人に向けて、タップ要素258を通して、光ガイド254を脱出し、それにより画像の形成に寄与する。
【0039】
一実施形態では、タップ要素256は、可撓性の透明材料の、ビーム258の一部として形成される。電極260は、ビーム258の一方の側の部分を覆う。対向する電極260は、光ガイド254の反対側上に、層258に隣接して配置された、カバープレート264上に配置される。電極260間に電圧を印加することにより、光ガイド254に対するタップ要素256の位置は、光ガイド254から光252を選択的に抽出するために制御されてもよい。
【0040】
図2Dは、本発明のさまざまな実施形態に含めるのに適した、第3の例示的な非シャッタベースの光変調器の断面図である。特に、図2Dは、エレクトロウェッティングベースの光変調アレイ270の断面図である。光変調アレイ270は、光キャビティ274上に形成された、複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル272a〜272d(一般に「セル272」)を含む。光変調アレイ270は、さらに、セル272に対応するカラーフィルタの組276も含む。
【0041】
各セル272は、水(または、その他の透明な導電性または極性流体)の層278と、光吸収性オイルの層280と、(例えば、インジウム−スズ酸化物を材料とする)透明電極282と、光吸収性オイルの層280と透明電極282との間に配置された絶縁層284とを含む。そのようなセルの例示的実装は、2005年5月19日公開の「Display Device」と題された米国特許出願公開第2005/0104804号明細書にさらに記載されている。本明細書に記載する実施形態では、電極は、セル272の後面の一部分を占める。
【0042】
セル272の後面の残りは、光キャビティ274の前面を形成する反射性アパーチャ層286から形成される。反射性アパーチャ層286は、反射性金属、または誘電体ミラーを形成する薄膜のスタックなどの、反射性材料から形成される。各セル272について、光を通過させるために、反射性アパーチャ層286内にアパーチャが形成される。セルのための電極282は、アパーチャ内に、そして、反射性アパーチャ層286を形成する材料上に、別の誘電体層によって隔てられて、蒸着される。
【0043】
光キャビティ274の残りは、反射性アパーチャ層286に隣接して配置された光ガイド288と、光ガイド288の、反射性アパーチャ層286とは反対の側上の、第2の反射性層290とを含む。一連の光リダイレクタ291が、光ガイドの後面上に、第2の反射性層に隣接して形成される。光リダイレクタ291は、拡散または鏡面反射体のいずれかであってもよい。1つ以上の光源292が、光ガイド288内に光294を注入する。
【0044】
代替の実装では、追加の透明基板が、光ガイド290と光変調アレイ270との間に配置される。この実装では、反射性アパーチャ層286は、光ガイド290の表面上ではなく、追加の透明基板上に形成される。
【0045】
動作時、セル(例えば、セル272bまたは272c)の電極282への電圧の印加は、セル内の光吸収性オイル280を、セル272の一部分内に集まらせる。結果として、光吸収性オイル280は、反射性アパーチャ層286内に形成されたアパーチャを通した光の通過を、もはや妨げなくなる(例えば、セル272bおよび272cを参照)。アパーチャにおいてバックライトを脱出している光は、次に、セルを通して、そして、カラーフィルタの組276の中の対応するカラー(例えば、赤、緑、または青)フィルタを通して脱出し、画像内のカラーピクセルを形成することが可能である。電極282が接地されると、光吸収性オイル280は、反射性アパーチャ層286内のアパーチャを覆い、アパーチャを通過しようと試みているあらゆる光294を吸収する。
【0046】
セル272に電圧が印加された場合に、下にオイル280が集まった領域は、画像の形成に関して無駄な空間を構成する。この領域は、電圧が印加されてもされなくても光を通過させることはできず、したがって、反射性アパーチャ層286の反射性部分が含まれないならば、さもなければ画像の形成に寄与するために使用されることが可能な光を吸収するであろう。しかし、反射性アパーチャ層286を含めることにより、さもなければ吸収されたであろうこの光は、異なるアパーチャを通した将来の脱出のために、反射されて光ガイド290内に戻される。
【0047】
本明細書に記載する制御マトリクスによる制御に適した、非シャッタベースのMEMS変調器の例は、ローラベースの光変調器220、光タップ250、およびエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ270のみではない。その他の形態の非シャッタベースのMEMS変調器が、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に記載する制御マトリクスのうちのさまざまなものによって同様に制御されることが可能である。
【0048】
図3Aは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内に組み込まれた光変調器の制御に適した、制御マトリクス300の概略図である。図3Bは、本発明の例示的実施形態による、図3Aの制御マトリクス300に接続されたシャッタベースの光変調器のアレイ320の斜視図である。制御マトリクス300は、ピクセルのアレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定してもよい。各ピクセル301は、アクチュエータ303によって制御される、図2Aのシャッタ組立体200などの、弾性シャッタ組立体302を含む。各ピクセルは、さらに、アパーチャ穴324を含む、アパーチャ層322を含む。シャッタ組立体302などのシャッタ組立体、およびその変形形態の、さらなる電気的および機械的説明は、米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書の中に見出すことができる。
【0049】
制御マトリクス300は、シャッタ組立体302が上に形成される基板304の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクス300は、制御マトリクス300内のピクセル301の各行についての、走査ライン相互接続306と、制御マトリクス300内のピクセル301の各列についての、データ相互接続308とを含む。各走査ライン相互接続306は、書き込み許可電圧源307を、ピクセル301の対応する行内のピクセル301に電気的に接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源(「Vdソース」)309を、ピクセル301の対応する列内のピクセル301に電気的に接続する。制御マトリクス300内で、データ電圧Vdは、シャッタ組立体302の作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源309は、作動電圧源としても働く。
【0050】
図3Aおよび図3Bを参照すると、ピクセルのアレイ320内の、各ピクセル301について、または各シャッタ組立体について、制御マトリクス300は、トランジスタ310とコンデンサ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、ピクセル301が配置されているアレイ320内の行の走査ライン相互接続306に電気的に接続される。各トランジスタ310のソースは、その対応するデータ相互接続308に電気的に接続される。各シャッタ組立体のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するコンデンサ312の一方の電極と、対応するアクチュエータ303の電極のうちの一方とに、並列に、電気的に接続される。コンデンサ312のもう一方の電極と、シャッタ組立体302内のアクチュエータ303のもう一方の電極とは、共通または接地電位に接続される。
【0051】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各走査ライン相互接続306にVweを次々に印加することによって、アレイ320内の各行を順に書き込み許可する。書き込み許可された行については、行内のピクセル301のトランジスタ310のゲートへのVweの印加により、データ相互接続308を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体302のアクチュエータ303に電位を印加することが可能になる。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続306とデータ相互接続308との交点に配置されたピクセル301の所望される輝度に関連して、変化させられる。ディジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続308へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体302内のアクチュエータ303が作動して、そのシャッタ組立体302内のシャッタを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセル301のコンデンサ312内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体302が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のコンデンサ312内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
【0052】
アレイ320のピクセル301は、基板304上に形成される。アレイには、アレイ320内の各ピクセル301のための一組のアパーチャ穴324を含む、基板上に配置されるアパーチャ層322が含まれる。アパーチャ穴324は、各ピクセル内のシャッタ組立体302と位置合わせされる。一実施では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料で作られる。別の実施では、基板304は、不透明材料で作られ、ただしその中に、アパーチャ穴324を形成するために穴がエッチングされる。
【0053】
シャッタ組立体302は、アクチュエータ303と合わせて、双安定にされてもよい。すなわち、シャッタは、少なくとも2つの平衡位置(例えば、開または閉)に、いずれの位置にそれらを保つためにも、電力はほとんどまたはまったく必要なしに、存在してもよい。より詳細には、シャッタ組立体302は、機械的に双安定であってもよい。シャッタ組立体302のシャッタが所定の位置に設定されたら、その位置を維持するために、電気的エネルギーまたは保持電圧は必要とされない。シャッタ組立体302の物理要素上の機械的応力が、シャッタを所定の位置に保持してもよい。
【0054】
シャッタ組立体302は、アクチュエータ303と合わせて、電気的に双安定にされてもよい。電気的に双安定なシャッタ組立体においては、シャッタ組立体の作動電圧未満の電圧範囲が存在し、閉じられたアクチュエータ(シャッタは開または閉のいずれか)にこの電圧が印加された場合、たとえ対向する力がシャッタ上に働かされたとしても、アクチュエータは閉じられたままに、そしてシャッタは所定の位置に保持される。対向する力は、シャッタベースの光変調器200内のスプリング207などの、スプリングによって働かされてもよく、または、対向する力は、「開」または「閉」アクチュエータなどの、対向するアクチュエータによって働かされてもよい。
【0055】
光変調器アレイ320は、ピクセルにつき単一のMEMS光変調器を有するとして示されている。各ピクセル内に複数のMEMS光変調器が提供され、それにより、単に2値の「オン」または「オフ」の光学的状態よりも多くの可能性を各ピクセル内に提供する、他の実施形態が可能である。ピクセル内に複数のMEMS光変調器が提供され、光変調器のそれぞれに関連付けられたアパーチャ穴324が、等しくない面積を有する、符号化された領域分割グレースケールの特定の形態が可能である。
【0056】
図3Dは、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の好適な制御マトリクス340である。制御マトリクス340は、シャッタ組立体344を含むピクセル342のアレイを制御する。制御マトリクス340は、制御マトリクス内のピクセル342の各列について、単一のデータ相互接続348を含む。シャッタ組立体344内のアクチュエータは、電気的に双安定または機械的に双安定のいずれかにされてもよい。
【0057】
制御マトリクス340は、制御マトリクス340内のピクセル342の各行について、走査ライン相互接続346を含む。制御マトリクス340は、さらに、充電相互接続350と、大域的作動相互接続354と、シャッタ共通相互接続355とを含む。これらの相互接続350、354、および355は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル342間で共有される。一実装では、相互接続350、354、および355は、制御マトリクス340内のすべてのピクセル342間で共有される。制御マトリクス内の各ピクセル342は、シャッタ充電トランジスタ356と、シャッタ放電トランジスタ358と、シャッタ書き込み許可トランジスタ357と、データ蓄積コンデンサ359とを含む。制御マトリクス340は、さらに、放電スイッチトランジスタ358のソースおよびドレインと並列に接続された、任意選択の電圧安定化コンデンサ352も組み込んでいる。充電トランジスタ356のゲート端子は、充電トランジスタ356のドレイン端子とともに、充電相互接続350に直接接続される。動作時、充電トランジスタ356は、本質的にダイオードとして動作し、それらは一方向にのみ電流を通過させることが可能である。
【0058】
各フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス340は、充電相互接続350に電圧パルスを印加して、電流を、充電トランジスタ356を通り、ピクセル342のシャッタ組立体344内に流れ込ませる。この充電パルスの後、シャッタ組立体344のシャッタ電極のそれぞれは、同じ電圧状態になる。電圧パルスの後、充電相互接続350の電位は0にリセットされ、充電トランジスタ356は、シャッタ組立体344内に蓄積された電荷が充電相互接続350を通して消散されるのを防止する。充電相互接続350は、一実装では、Vat(例えば、40V)以上のパルス電圧を伝える。一実装では、Vatを超える電圧の重畳は、充電相互接続350に接続されたシャッタ組立体のすべてを、同じ状態(例えば、シャッタ閉状態)に作動させるか、または移動させる。
【0059】
各行は、次に、順に書き込み許可される。制御マトリクス340は、書き込み許可電圧Vweを、各行に対応する走査ライン相互接続346に印加する。ピクセル342の特定の行が書き込み許可されている間、制御マトリクス340は、データ電圧を、制御マトリクス340内のピクセル342の各列に対応したデータ相互接続348に印加する。書き込み許可される行についての走査ライン相互接続346へのVweの印加により、対応する走査ライン内のピクセル342の書き込み許可トランジスタ357がオンになる。データ相互接続348に印加される電圧が、それにより、それぞれのピクセル342のデータ蓄積コンデンサ359上に蓄積されることが引き起こされる。
【0060】
制御マトリクス340において、大域的作動相互接続354は、シャッタ放電スイッチトランジスタ358のソースに接続される。大域的作動相互接続354を、シャッタ共通相互接続355の電位よりも大幅に上の電位に維持することにより、コンデンサ359上にどれだけの電荷が蓄積されているかにかかわらず、放電スイッチトランジスタ358がオンになることが防止される。制御マトリクス340における大域的作動は、大域的作動相互接続354上の電位を、接地に、またはシャッタ共通相互接続355と実質的に同じ電位にして、放電スイッチトランジスタ358が、コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されているかどうかに従ってオンになることを可能にすることによって達成される。大域的作動ステップの間、コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されているピクセルについては、放電トランジスタはオンになり、シャッタ組立体344のアクチュエータから電荷が流出して、シャッタ組立体344を、その緩和状態(例えば、シャッタ開状態)に移動させるか、または作動させる。コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されていないピクセルについては、放電トランジスタ358はオンにならず、シャッタ組立体344は充電されたままになる。それらのピクセルについては、シャッタ組立体344のアクチュエータの両端で電圧が存続し、それらのピクセルは、例えば、シャッタ閉状態のままになる。大域的作動ステップの間、同じ大域的作動相互接続に接続され、コンデンサ359上にデータが蓄積された、すべてのピクセルは、実質的に同時に、それらの新しい状態に移動する。制御マトリクス340は、大域的作動を達成するために、シャッタ組立体344内の電気的双安定性に依存しない。
【0061】
データ蓄積コンデンサ359に部分的電圧を印加することにより、大域的作動相互接続354がその作動電位にされている時間中の、放電スイッチトランジスタ358の部分的オンが可能となる。これにより、アナロググレースケールを提供するための、アナログ電圧がシャッタ組立体344上で作られる。
【0062】
一部の実装では、大域的作動相互接続354は、ピクセルのアレイ内の各行および列内の各シャッタ放電トランジスタ358に接続される。他の実装では、大域的作動相互接続354は、複数の行および列内のピクセルのサブグループのみの中のシャッタ放電トランジスタに接続される。図18および図19を参照して述べるように、ピクセルのアレイはバンク内に配置されてもよく、ピクセルの各バンクは、大域的作動相互接続によって、固有の大域的作動ドライバに接続されてもよい。この実装では、制御回路は、選択されたバンク内にデータをロードし、次に、選択された大域的作動ドライバによって、選択されたバンクのみを大域的に作動させてもよい。一実装では、ディスプレイは2つのバンクに分けられ、大域的ドライバおよび大域的作動相互接続の1つの組が、奇数番号行内のピクセルに接続され、一方、大域的ドライバおよび大域的作動相互接続の別個の組が、偶数番号行内のピクセルに接続されてもよい。他の実装では、6つまたは8つもの別個に作動可能なアドレス指定バンクが使用される。ディスプレイを制御するための回路の他の実装は、2006年12月1日出願の「Circuits for Controlling Display Apparatus」と題された米国特許出願第11/607,715号明細書(参照により本明細書に援用されるものとする)に記載されている。
【0063】
図3Cは、バックライト330の上に配置された、図3Bに示す光変調器のアレイ320を含む、直視型ディスプレイ380の部分を示す。一実装では、バックライト330は透明材料、すなわち、ガラスまたはプラスチックから作られ、ランプ382、384、および386からの光を表示面全体に均一に分散するための光ガイドとして機能する。ディスプレイ380をフィールド順次式ディスプレイとして組み立てる場合、ランプ382、384、および386は、それぞれ、例えば、赤、緑、および青のランプなどの、交互カラーランプであってもよい。
【0064】
白熱灯、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)を含む(ただし、これらに限定されない)、複数の異なるタイプのランプ382〜386が、ディスプレイ内で使用されてもよい。さらに、直視型ディスプレイ380のランプ382〜386は、複数のランプを含む1つの組立体の形に組み合わせられてもよい。例えば、赤、緑、および青のLEDの組み合わせが、小さな半導体チップ内で、白色LEDと組み合わせられるか、またはその代わりに使用されてもよく、あるいは、小さなマルチランプパッケージの形に組み立てられてもよい。同様に、各ランプは、例えば、赤、黄、緑、および青のLEDの組み合わせなどの、4色LEDの組立体を表してもよい。
【0065】
シャッタ組立体302は、光変調器として機能する。関連する制御マトリクスからの電気信号の使用により、シャッタ組立体302は、開または閉のいずれかの状態に設定されてもよい。開シャッタのみが、光ガイド330からの光が見る人の方へ通過して、それにより直視型画像を形成させる。
【0066】
直視型ディスプレイ380では、光変調器は、基板304の、光ガイド330から離れた側の、見る人の方を向いた面上に形成される。他の実装では、光変調器が光ガイドの方を向いた面上に形成されるように、基板304は裏返しにされてもよい。これらの実装では、アパーチャ層322などのアパーチャ層を、光ガイド330の上面上に直接形成することが好ましい場合がある。他の実装では、光ガイドと光変調器との間に、別個のガラスまたはプラスチック片を介在させることが有用であり、そのような別個のガラスまたはプラスチック片は、アパーチャ層322などのアパーチャ層と、アパーチャ穴324などの関連するアパーチャ穴とを含む。シャッタ組立体302の面と、アパーチャ層322との間の間隔は、可能な限り近接して、好ましくは10ミクロン未満、場合によっては1ミクロンもの近さに保たれることが好ましい。本発明のために有用な他の光学組立体は、2005年9月2日出願の「Methods and Apparatus for Spatial Light Modulation」と題された米国特許出願公開第20060187528A1号明細書、および2006年9月26日出願の「Display Apparatus with Improved Optical Cavities」と題された米国特許出願第11/528,191号明細書(これらは、両方とも、参照により本明細書に援用されるものとする)の中に見出すことができる。
【0067】
一部のディスプレイでは、カラーピクセルは、例えば、赤、緑、および青の、異なる色に対応する光変調器のグループを照射することによって生成される。グループ内の各光変調器は、所望の色を実現するための、対応するフィルタを有する。ただし、フィルタは、場合によってはフィルタを通過する光の60%もの、大量の光を吸収し、それにより、ディスプレイの効率および輝度を制限する。その上、ピクセルにつき複数の光変調器を使用することにより、表示される画像に寄与するために使用されることが可能なディスプレイ上の空間の量が減少し、そのようなディスプレイの輝度および効率はさらに制限される。
【0068】
人間の脳は、例えば20Hzを超える周波数で急速に変化する画像を見ることに応えて、画像を一緒に平均化して、対応する期間内に表示された画像の組み合わせである画像を知覚する。この現象は、当業界でフィールド順次式カラーと呼ばれる技術を使用して、ディスプレイの各ピクセルにつき1つの光変調器のみを使用しながら、カラー画像を表示するために利用されてもよい。ディスプレイ内でフィールド順次式カラー技術を使用することにより、カラーフィルタと、ピクセルにつき複数の光変調器との必要性がなくなる。フィールド順次式カラーが有効にされたディスプレイでは、表示される画像フレームは、複数のサブフレーム画像に分割され、それぞれのサブフレーム画像は、元の画像フレームの特定の色成分(例えば、赤、緑、または青)に対応する。各サブフレーム画像について、ディスプレイの光変調器は、画像への色成分の寄与に対応する状態に設定される。光変調器は、次に、対応する色のランプによって照射される。サブ画像は、一連のサブフレーム画像を脳が単一の画像として知覚するための十分な(例えば、60Hzを超える)周波数で、順に表示される。サブフレームを生成するために使用されるデータは、多くの場合、さまざまなメモリ構成要素内に分離される。例えば、一部のディスプレイにおいては、ディスプレイの所与の行のためのデータは、その行専用のシフトレジスタ内に保持される。画像データは、固定クロックサイクルに従って、ディスプレイのその行内の、対応する列内の光変調器に、各シフトレジスタにシフトインおよび各シフトレジスタからシフトアウトされる。
【0069】
図4は、本発明の例示的実施形態に従って、例えば図7に示すMEMS直視型ディスプレイによって実装されてもよい、フィールド順次式カラーを使用して画像を表示するための、表示プロセスに対応するタイミング図400である。図4のタイミング図400をはじめとする、本明細書に含まれるタイミング図は、以下の規則に従う。タイミング図の上部は、光変調器のアドレス指定イベント(addressing events)を示す。下部は、ランプ点灯イベント(lamp illumination events)を示す。
【0070】
アドレス指定部分は、時間的に間隔があけられた斜線によって、アドレス指定イベントを示す。各斜線は、一連の個別のデータロードイベントに対応し、その間に、データが光変調器のアレイの各行内に、一度に1行ずつロードされる。ディスプレイ内に含まれる変調器をアドレス指定および駆動するために使用される制御マトリクスによっては、各ロードイベントは、所与の行内の光変調器を作動させるための、待ち期間を必要とする場合がある。一部の実装では、いずれの光変調器の作動よりも前に、光変調器のアレイ内のすべての行がアドレス指定される。光変調器のアレイの最後の行内へのデータのロードが完了したら、すべての光変調器が実質的に同時に作動させられる。そのような作動のための一方法は、図11に関連してさらに説明する。
【0071】
ランプ点灯イベントは、ディスプレイ内に含まれるそれぞれの色のランプに対応する、パルス列によって示される。各パルスは、対応する色のランプが点灯され、それにより、直前のアドレス指定イベントにおいて光変調器のアレイ内にロードされたサブフレーム画像が表示されることを示す。
【0072】
ディスプレイ内で、所与の画像フレームの第1のアドレス指定イベントが開始される時間は、各タイミング図上でAT0とラベル付けされる。ほとんどのタイミング図において、この時間は、ディスプレイによって受信される各ビデオフレームの開始に先行する電圧パルスvsyncの、検出の直後に位置する。各後続のアドレス指定イベントが発生する時間は、AT1、AT2、...AT(n−1)とラベル付けされ、ここで、nは、画像フレームを表示するために使用されるサブフレーム画像の数である。一部のタイミング図では、光変調器のアレイ内にロードされているデータを示すために、斜線がさらにラベル付けされる。例えば、図4および図5のタイミング図では、D0は、フレームのために光変調器のアレイ内にロードされる第1のデータを表し、D(n−1)は、そのフレームのために光変調器のアレイ内にロードされる最後のデータを表す。図10、図12〜図17、および図19のタイミング図では、各アドレス指定イベントの間にロードされるデータは、ビットプレーンに対応する。
【0073】
図6A〜図6Cに関連してさらに詳細に説明するように、ビットプレーンは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の変調器についての、所望の変調器状態を識別する、コヒーレントなデータの組である。さらに、各ビットプレーンは、2進符号化方式に従って導き出される一連のサブフレーム画像のうちの1つに対応する。すなわち、画像フレームの色成分のための各サブフレーム画像は、2進数列1、2、4、8、16等に従って重み付けされる。最低の重み付けを有するビットプレーンは、最下位ビットプレーンと呼ばれ、対応する色成分の最初の文字とそれに続く数字0とによって、タイミング図内でラベル付けされ、本明細書内で呼ばれる。色成分のための、それぞれ次の上位のビットプレーンについては、色成分の最初の文字に続く数字が1だけ増加する。例えば、色ごとに4つに分かれた画像フレームについては、最下位の赤ビットプレーンは、R0ビットプレーンとラベル付けされ、かつ呼ばれる。次の上位の赤ビットプレーンは、R1とラベル付けされ、かつ呼ばれ、最上位の赤ビットプレーンは、R3とラベル付けされ、かつ呼ばれる。
【0074】
ランプ関連イベントは、LT0、LT1、LT2、...LT(n−1)とラベル付けされる。タイミング図内でラベル付けされる、ランプ関連イベントの時間は、タイミング図によって、ランプが点灯される時間、またはランプが消灯される時間のいずれかを表す。特定のタイミング図内でのランプ時間の意味は、特定のタイミング図の照射部分内のパルス列に相対的な、それらのランプ時間の、時間内での位置を比較することによって判定することができる。具体的には、図4のタイミング図400を再び参照すると、タイミング図400に従って画像フレームを表示するには、画像フレームの3つの色成分のそれぞれを表示するために、単一のサブフレーム画像が使用される。最初に、赤のサブフレーム画像のための所望される変調器状態を示すデータ、D0の、光変調器のアレイ内へのロードが、時間AT0において開始される。アドレス指定が完了した後で、時間LT0において、赤のランプが点灯され、それにより赤のサブフレーム画像が表示される。緑のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、D1が、時間AT1において、光変調器のアレイ内にロードされる。緑のランプが、時間LT1において点灯される。最後に、青のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、D2の、光変調器のアレイ内へのロードと、青のランプの点灯とが、時間AT2およびLT2において、それぞれ行われる。プロセスは、その後、表示される後続の画像フレームについて繰り返される。
【0075】
図4のタイミング図に従って画像を形成するディスプレイによって達成可能な、グレースケールのレベルは、各光変調器の状態がどれだけ細かく制御されることが可能かによって異なる。例えば、光変調器が本質的に2値である場合、すなわち、オンまたはオフのみになることが可能である場合、ディスプレイは8つの異なる色の生成に制限される。追加の中間状態にされることが可能な光変調器を提供することによって、そのようなディスプレイについての、グレースケールのレベルは増加させられてもよい。図4のフィールド順次式技術に関連する一部の実施形態では、印加される電圧へのアナログ応答を示すMEMS光変調器が提供されてもよい。そのようなディスプレイで達成可能なグレースケールレベルの数は、電圧源309などのデータ電圧源と組み合わせて提供されるディジタル/アナログ変換器の分解能によってのみ制限される。
【0076】
あるいは、各サブフレーム画像を表示するために使用される期間が、それぞれが独自の対応するサブフレーム画像を有する複数の期間に分割されるならば、より細かいグレースケールが生成されることが可能である。例えば、2値の光変調器を使用する場合、色成分ごとに、等しい長さおよび光強度の2つのサブフレーム画像を形成するディスプレイは、8つではなく、27の異なる色を生成することが可能である。画像フレームのそれぞれの色成分を、複数のサブフレーム画像に分けるグレースケール技術は、一般に、時分割グレースケール技術と呼ばれる。
【0077】
図5は、本発明のさまざまな実施形態によって実装されてもよい、色ごとに複数の等しく重み付けされたサブフレーム画像を表示することによって画像フレームを表示するための、表示プロセスに対応するタイミング図である。図5のタイミング図では、画像フレームのそれぞれの色成分は、4つの等しく重み付けされたサブフレーム画像に分割される。より詳細には、所与の色成分についての各サブフレーム画像は、同じ長さの時間にわたって、同じランプ強度で照射される。したがって、データ識別子(例えば、R0、R1、またはG3)の数字部分は、対応するサブフレーム画像が表示される順序のみを意味し、いかなる重み付け値も意味しない。光変調器が本質的に2値であると仮定すると、このグレースケール技術を利用するディスプレイは、色ごとに5つのグレースケールレベルを、すなわち125の別個の色を生成することが可能である。
【0078】
より具体的には、最初に、第1の赤のサブフレーム画像のための所望される変調器状態を示すデータ、R0の、光変調器のアレイ内へのロードが、時間AT0において開始される。データR0によって示される状態を光変調器が達成した後で、赤のランプが点灯され、それにより第1の赤のサブフレーム画像が表示される。赤のランプは時間AT1において消灯され、その時間AT1は、次の赤のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、R1が、光変調器のアレイ内にロードされる時である。同じステップが、データR1、R2、およびR3に対応するそれぞれの赤のサブフレーム画像について繰り返される。赤のサブフレーム画像R0〜R3について説明したステップは、次に、緑のサブフレーム画像G0〜G3について、そして次に、青のサブフレーム画像B0〜B3について、繰り返される。プロセスは、その後、表示される後続の画像フレームについて繰り返される。図5におけるアドレス指定時間は、さまざまな方法によって定められてもよい。データは一定の間隔でロードされるため、そして、サブフレーム画像は等しい時間にわたって照射されるため、vsyncの周波数の12倍の周波数で動作する、固定クロックサイクルが、表示プロセスを調整するために十分な可能性がある。
【0079】
色ごとの4つのサブフレーム画像のそれぞれについて等しい重み付けを使用する、図5に示すタイミング図とは異なり、本発明により可能にされるその他の表示プロセスは、サブフレーム画像間で等しくない照射重み付け(illumination weightings)を使用する。そのような等しくない重み付けは、同じ数のサブフレーム画像を使用して、はるかにより多数のグレースケールレベルを表示することができる、符号化時分割グレースケール技術を可能にする。符号化時分割グレースケールを使用する表示プロセスは、場合によっては、サブフレーム画像の2進重み付け方式を実装するために、ビットプレーンを利用する。図6A〜図6Cは、本発明の例示的実施形態による、ビットプレーンを生成するためのプロセスを示す。図6Aは、ディスプレイ装置によって受信されるディジタル画像信号600の概略図である。画像信号600は、画像フレームに対応するデータを符号化する。画像信号600内に符号化される所与の画像フレームについて、画像信号600は、画像フレーム内に含まれる各ピクセルについての一連のビットを含む。データは、ピクセルごとの方式で符号化される。すなわち、画像信号は、画像フレーム内の1つのピクセルの色についてのすべてのデータを含めてから、次のピクセルについてのデータを含める。
【0080】
例えば、図6Aにおいて、画像フレームのためのデータは、画像フレームの開始を示すvsync信号から始まる。画像信号600は、次に、画像フレームの第1列の第1行内のピクセルの色を示す、例えば24ビットを含む。24ビットのうち、8つはピクセルの赤成分を符号化し、8つは緑成分を符号化し、8つはピクセルの青成分を符号化する。8ビットの各組は、符号化ワードと呼ばれる。各色についての8ビットの符号化ワードは、各色について256の固有の輝度レベル、すなわち、赤、緑、および青の色の、1600万の固有の組み合わせの記述を可能にする。符号化ワード内の、8ビットのそれぞれは、符号化ワード内の特定の位置または桁の値(有意値(significance value)とも呼ばれる)を表す。図6Aでは、これらの桁の値は、R0、R1、R2、R3などの符号化方式によって示される。R0は、赤の色のための最下位ビットを表す。R7は、赤の色のための最上位ビットを表す。G7は、緑の色のための最上位ビットであり、B7は、青の色のための最上位ビットである。量的には、2進符号化においては、R0、R1、R2、...R7に対応する桁の値は、2進数列20、21、22、...27によって与えられる。他の例では、画像信号600は、画像の色成分につき、より多くの、またはより少ないビットを含んでもよい。例えば、画像信号600は、画像フレームの色成分につき、3、4、5、6、7、9、10、11、12,またはより多くのビットを含んでもよい。
【0081】
画像信号600内で受信されるデータは、行および列によって編成される。一般に、画像信号は、第1の行内のピクセルについてのすべてのデータを提供してから、後続の行に進む。第1の行内では、第1の列内のピクセルについてのすべてのデータが受信されてから、同じ行の後続の列内のピクセルについてのデータが受信される。
【0082】
図6Bは、本発明の例示的実施形態による、受信された画像信号をビットプレーンに変換するために役立つメモリバッファ620の概略図である。上述のように、ビットプレーンは、画像フレームの色成分についてのグレースケール符号化ワードの単一の有意値に対応する、ディスプレイの複数列および複数行内のピクセルについてのデータを含む。図6Aの画像信号600などの、2進符号化画像信号を、ビットプレーンに変換するために、有意レベルを有するビットは、単一データ構造としてグループ化される。小さなメモリバッファ620が、入力画像データを編成するために使用される。メモリバッファ620は、行および列のアレイに編成されており、個々の行をアドレス指定することにより、または個々の列をアドレス指定することにより、データが読み込みおよび読み出しされることを可能にする。
【0083】
上述のようにピクセルごとの形式で受信される入力データは、メモリバッファ620の連続する行内に読み込まれる。メモリバッファ620は、ディスプレイの単一の指定された行のみに関連するデータを記憶する、すなわち、任意の所与の時間において、入力データの一部分のみについて機能する。メモリバッファ620内の、それぞれの番号付けされた行は、指定された行の、所与の列についての、完全なピクセルデータを含む。メモリバッファ620の各行は、所与のピクセルについての完全なグレースケールデータを含む。
【0084】
小さなメモリバッファ620に、ディスプレイの所与の行のすべての列についてのデータがロードされたら、メモリバッファ620内のデータは、ビットプレーンデータ構造を配置するために読み出されてもよい。データは、列ごとに読み出される。各列は、ディスプレイのピクセル行の、グレースケール符号ワードの1つの桁の値を含む。これらの値は、ディスプレイ内の光変調器の所望の状態に対応する。例えば、0は「開」の光変調器状態を意味してもよく、1は「閉」の光変調器状態を表してもよく、またはその逆であってもよい。このプロセスは、ディスプレイ内の複数行について繰り返される。
【0085】
図6Cは、本発明の例示的実施形態による、2つのビットプレーン650および660の部分の概略図である。第1のビットプレーン650は、ディスプレイのピクセルの最初の10列および15行についての、赤のレベルを識別するグレースケール符号化ワードの最下位ビット(すなわち、R0値)に対応するデータを含む。第2のビットプレーン660は、ディスプレイのピクセルの同じ10列および15行についての、赤のレベルを識別するグレースケール符号化ワードの最下位から2番目のビット(すなわち、R1)に対応するデータを含む。
【0086】
代替の重み付け方式が、符号化時分割グレースケールの方法内で利用可能である。空間光変調器が、例えば開または閉、あるいは、例えばオンまたはオフなどの、2つの状態のみを許可する場合は、2進符号化が適切である。3進重み付けシステムも可能性の1つである。例えば、空間光変調器および関連する制御マトリクスは、光の透過または反射の、3つの固有の状態を許可してもよい。これらは、閉、1/2開、および全開であってもよい。1/2開および全開状態が、別個の作動電圧の印加によってもたらされる、MEMSベースの変調器が、例えば構築されてもよい。あるいは、1/2開状態は、各ピクセル内に提供される2つの等しい面積のMEMS変調器のうちの1つのみの作動によって達成されてもよい。
【0087】
サブフレームデータセットは、本明細書では、必ずしもビットプレーンとは限らない、データ構造の一般的な場合を、すなわち、アレイの複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を記憶するデータ構造を、意味する。3進符号化の場合、1つのサブフレームデータセットは、複数の行および列内の各ピクセルについて、例えば0、1、または2などの、3進数値を含む。3進符号化方式による一連のサブフレーム画像は、数列1、3、9、27等の中の重みを使用して、3進法に従って重み付けされる。2進符号化システムに比較して、3進符号化システムは、同じ数のサブフレーム画像を使用して表示する場合、さらにより多くの数の達成可能なグレースケールレベルを可能にする。ひいては、各ピクセルにおいて4つまたは5つの固有の変調状態が可能なMEMSピクセルまたは変調器が開発されるにつれて、4進または5進符号化システムの使用が制御システム内で有利となる。
【0088】
図7は、本発明の例示的実施形態による、直視型ディスプレイ700のブロック図である。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702と、コントローラ704と、ランプ706の組と、ドライバセット708、710、714、および716とを含む。光変調器のアレイ702は、行および列内に配置された光変調器を含む。好適な光変調器としては、図2A〜図2Dに関連して上述したMEMSベース光変調器のうちの任意のものが挙げられるが、それらに限定されない。一実装では、光変調器のアレイ702は、図3Bに示す光変調器のアレイ320の形態を取る。光変調器は、図3Aおよび図3Dで説明した制御マトリクスなどの、制御マトリクスによって制御されるものである。
【0089】
一般に、コントローラは、外部ソースから画像信号717を受信し、光変調器のアレイ702内の光変調器と、ランプ706とを制御するための、データおよび制御信号を生成して、ドライバ708、710、714、および716に出力する。データおよび制御信号が出力される順序は、本明細書では「出力シーケンス」と呼ばれ、出力シーケンスについては以下でさらに説明する。より詳細には、コントローラ704は、入力処理モジュール718と、メモリ制御モジュール720と、フレームバッファ722と、タイミング制御モジュール724と、スケジュールテーブルストア726とを含む。
【0090】
モジュールは、特定用途向け集積回路、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、(論理チップ、メモリ、トランジスタなどの)既製の半導体、あるいはその他の個別部品を含む、ハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、または同様のものなどの、プログラマブルハードウェアデバイス内に実装されてもよい。
【0091】
モジュールは、また、さまざまなタイプのプロセッサによる実行のために、ソフトウェア内に実装されてもよい。実行可能コードの、識別されるモジュールは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成されてもよく、例えば、コンピュータ命令の1つ以上の物理または論理ブロックを含んでもよい。それにもかかわらず、識別されるモジュールの実行可能ファイルは、物理的に一緒に置かれる必要はなく、論理的に結合された場合にモジュールを構成してモジュールの規定された目的を達成する、さまざまな位置に記憶された異種の命令を含んでもよい。
【0092】
実際には、実行可能コードのモジュールは、単一命令、または多くの命令であってもよく、さらには、いくつかの異なるコードセグメント上に、異なるプログラム間に、および、いくつかのメモリ装置にわたって、分散されてもよい。同様に、動作データが、モジュール内で識別されて本明細書において例示されてもよく、そして、任意の適切な形態で実施され、任意の適切なタイプのデータ構造内に編成されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして集められてもよく、または、異なる記憶装置上をはじめとする、異なる位置上に分散されてもよく、そして、少なくとも部分的に、システムまたはネットワーク上の単なる電子信号として存在してもよい。
【0093】
図7の直視型ディスプレイ700の例は、コントローラ704と、ドライバ708、710、714、および716とを、別個の機能ブロックとして描いている。これらのブロックは、区別可能な回路を、および/または実行可能コードのモジュールを表すと理解される。一部の実装では、ブロック704、708、710、714、および716は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらのブロックのうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、単一の半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。一部の実装では、フレームバッファ722と呼ばれる記憶領域は、コントローラ回路704のカスタム設計内の機能領域として提供される。他の実装では、フレームバッファ722は、DRAMまたはSRAMなどの、別個の既製のメモリチップによって表される。
【0094】
入力処理モジュール718は、画像信号717を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイ702を介した表示のために適した形式にする。入力処理モジュール718は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。サブフレームデータセットは、コヒーレントなデータ構造内に集約された、光変調器のアレイ702の複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を含む。画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットの数および内容は、コントローラ704によって使用されるグレースケール技術によって異なる。例えば、符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを形成するために必要なサブフレームデータセットは、未符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットとは、数および内容が異なる。さまざまな実施形態において、画像処理モジュール718は、画像信号717を、未符号化サブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、画像処理モジュール718は、画像信号717を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0095】
サブフレームデータセットを導き出すことに加えて、そして多くの場合、それに先立って、入力処理モジュールは、複数のその他の任意選択の処理タスクを実行してもよい。その処理タスクは、入力データの再フォーマット、または補間を行ってもよい。例えば、その処理タスクは、変調器アレイ702の空間解像度の制限内に収まるように、入力データの、水平、垂直、または両方の再スケーリングを行ってもよい。その処理タスクは、また、入力データを、インターレースフォーマットから順次走査フォーマットに変換してもよい。その処理タスクは、また、MEMSディスプレイ700の特性内の許容されるフリッカを維持しながら、フレームレートを減少させるために、入力データを正しいテンポで再サンプリングしてもよい。その処理タスクは、MEMSディスプレイ700内で得られるガンマ特性および/またはコントラスト精度をより良く整合させるために、場合によってはガンマ補正と呼ばれる、入力データのコントラストグラデーションへの調節を実行してもよい。その処理タスクは、ディスプレイ内で得られるグレースケール精度を向上させるために、隣接するピクセル間で割り当てられる(空間ディザリング)、および/または、引き続いて起こる画像フレーム間で割り当てられる(時間ディザリング)、グレースケールレベルを変更してもよい。さらに、その処理タスクは、ピクセルデータ内で表現される色値への調節を実行してもよい。色調節の一例においては、データは、ディスプレイ700内で使用されるランプ706の色座標に一致するように変換される。4つ以上の別個の色のランプが使用される実施形態については、入力処理モジュールは、データを入力3色空間から変換して、4色空間に適合する座標にマッピングする。
【0096】
入力処理モジュール718は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール720に出力する。メモリ制御モジュール720は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ722内に記憶する。フレームバッファは、ランダムアクセスメモリであることが好ましいが、その他のタイプのシリアルメモリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。メモリ制御モジュール720は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール720は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ722は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0097】
メモリ制御モジュール720は、さらに、タイミング制御モジュール724からの命令があり次第、フレームバッファ722からサブ画像データセットを取り出して、それらをデータドライバ708に出力することも担当する。データドライバ708は、メモリ制御モジュール720から出力されたデータを、光変調器のアレイ702の光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール720は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ722は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール720は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイ702に出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0098】
タイミング制御モジュール724は、コントローラ704による、出力シーケンスに従ったデータおよびコマンド信号の出力を管理する。出力シーケンスは、光変調器のアレイ702にサブフレームデータセットが出力される順序およびタイミングと、点灯イベントのタイミングおよび特性とを含む。出力シーケンスは、一部の実装では、大域的作動イベントも含む。出力シーケンスを定義するパラメータのうちの少なくとも一部は、揮発性メモリ内に記憶される。この揮発性メモリは、スケジュールテーブルストア726と呼ばれる。スケジュールテーブルストア726内に記憶されるデータを含むテーブルは、本明細書では、「スケジュールテーブル」、あるいは「シーケンステーブル」と呼ばれる。その中に記憶されるデータは、実際にテーブル形式で記憶される必要はない。概念上、スケジュールテーブルストア726内に記憶されるデータは、テーブル形式で表示される場合、人間にとって理解することがより容易である。出力シーケンスデータを記憶するために使用される実際のデータ構造は、例えば、一連のビット列であってもよい。それぞれのビット列は、タイミング値、メモリ、アドレス、および照射データに対応する一連の符号化ワードを含む。出力シーケンスパラメータを記憶するための例示的データ構造は、図24に関連してさらに説明する。その他のデータ構造が、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。
【0099】
いくつかの出力シーケンスパラメータは、タイミング制御モジュール724内に、ハードワイヤードロジックとして記憶されてもよい。例えば、タイミング制御モジュール内に組み込まれる、特定のイベント時間まで待つためのロジックは、次のように表現されてもよい。
mycount <= mycount + 1;
if mycount = 1324 then
triggersignal <= ’1’;
else
triggersignal <= ’0’;
このロジックは、各クロックサイクルにおいてインクリメントされる、カウンタを使用する。クロックカウンタがタイミング値1324に達したら、トリガ信号が送られる。例えば、トリガ信号は、変調器内へのビットプレーンのロードを開始するために、メモリ制御モジュール720に送られてもよい。または、トリガ信号は、ランプのオンまたはオフを切り換えるために、ランプドライバ706に送られてもよい。上記の例において、ロジックは、タイミング制御モジュール724内に直接構築される論理回路の形態を取る。特定のタイミングパラメータ1324は、コマンドシーケンス内に含まれるスカラ値である。タイミング制御モジュール724の別の実装では、ロジックは、待つためのクロックパルスの数についての、特定の値を含まず、代わりに、スケジュールテーブルストア726内に記憶された一連のタイミング値のうちの1つを参照する。
【0100】
スケジュールテーブルストア726内に記憶される出力シーケンスパラメータは、本発明のさまざまな実施形態によって異なる。一実施形態では、スケジュールテーブルストア726は、各サブフレームデータセットに関連付けられたタイミング値を記憶する。例えば、スケジュールテーブルストア726は、出力シーケンス内の各アドレス指定イベントの開始に関連付けられたタイミング値と、ランプ点灯および/またはランプ消灯イベントに関連付けられたタイミング値とを記憶してもよい。他の実施形態では、スケジュールテーブルストア726は、アドレス指定イベントに関連付けられたタイミング値の代わりに、またはそれに加えて、ランプ強度値を記憶する。さまざまな実施形態において、スケジュールテーブルストア726は、フレームバッファ722内の各サブ画像データセットが記憶される場所を示す識別子と、各それぞれのサブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。
【0101】
スケジュールテーブルストア726内に記憶されるタイミング値の性質は、コントローラ704の特定の実装によってさまざまであってもよい。スケジュールテーブルストア726内に記憶されるタイミング値は、一実装においては、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0102】
表1は、タイミング制御モジュール724による使用のための、スケジュールテーブルストア726内での記憶に適したパラメータを示す、例示的スケジュールテーブルである。いくつかの追加の例示的スケジュールテーブルを、図13、図14A〜図14B、図15〜図17、および図19に関連してさらに詳細に説明する。
【0103】
【表1】
【0104】
表1のスケジュールテーブルは、各サブフレームデータセットのための2つのタイミング値、アドレス指定時間とランプ点灯時間とを含む。アドレス指定時間AT0〜AT(n−1)は、メモリ制御モジュール720がそれぞれのサブフレームデータセット、この場合はビットプレーンを、光変調器のアレイ702に出力する時間に関連する。ランプ点灯時間LT0〜LT(n−1)は、対応するランプが点灯される時間に関連する。実際には、スケジュールテーブル内の各時間値は、2つ以上のイベントをトリガしてもよい。例えば、一部のグレースケール技術においては、光変調器がアドレス指定された状態にない間に光変調器を照射することを回避するために、ランプ動作は光変調器の作動と同期される。したがって、一部の実装においては、アドレス指定時間ATは、アドレス指定イベントをトリガするだけでなく、ランプ消灯イベントもトリガする。同様に、他の実装においては、ランプ消灯イベントがアドレス指定イベントもトリガする。
【0105】
スケジュールテーブル内の、「サブフレームデータセットのメモリ位置」とテーブル内でラベル付けされたアドレスデータは、いくつかの形態で記憶されてもよい。例えば、一実装では、アドレスは、バッファ、列、および行番号によって参照される、対応するビットプレーンの冒頭の、フレームバッファ内での特定のメモリ位置である。別の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶されるアドレスは、メモリ制御モジュール720によって維持されるルックアップテーブルと組み合わせて使用するための識別子である。例えば、識別子は、単純な6ビットの2進「xxxxxx」ワード構造を有してもよく、ここで、最初の2ビットは、ビットプレーンに関連付けられた色を識別し、一方、次の4ビットは、ビットプレーンの重みを意味する。ビットプレーンの実際のメモリ位置は、その後、メモリ制御モジュール720がフレームバッファ内にビットプレーンを記憶する際に、メモリ制御モジュール720によって維持されるルックアップテーブル内に記憶される。他の実装では、出力シーケンス内の、ビットプレーンのためのメモリ位置は、タイミング制御モジュール724内のハードワイヤードロジックとして記憶されてもよい。
【0106】
タイミング制御モジュール724は、スケジュールテーブルのエントリを、いくつかの異なる方法を使用して取り出してもよい。一実装では、スケジュールテーブル内でのエントリの順序は固定されており、タイミング制御モジュール724は、シーケンスの終わりを示す特別なエントリに到達するまで、各エントリを順番に取り出す。あるいは、シーケンステーブルのエントリは、テーブル内の次のエントリとは異なってもよいエントリを取り出すように、タイミング制御モジュール724に指示するコードを含んでもよい。これらの追加のフィールドは、標準的なマイクロプロセッサ命令セットの制御機能と同様に、ジャンプ、分岐、およびループを実行する機能を組み込んでもよい。タイミング制御モジュール724の動作への、そのようなフロー制御の変更は、シーケンステーブルのサイズの縮小を可能にする。
【0107】
直視型ディスプレイ700は、さらに、プログラミングリンク730を含む。プログラミングリンク730は、外部回路またはコンピュータによってスケジュールテーブルストア726が変更されることを可能にする手段を提供する。他の実施形態では、プログラミングリンクは、直視型ディスプレイ700と同じハウジング内のシステムプロセッサに直接接続される。システムプロセッサは、ディスプレイ700によって表示される画像またはデータのタイプに従って、スケジュールテーブルストアを変更するようにプログラムされてもよい。プログラミングリンク730を使用する外部プロセッサは、コントローラ704によって使用される出力シーケンスを変更するために、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたパラメータを変更してもよい。例えば、プログラミングリンク730は、さまざまなフレームレートに対応するように、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミングパラメータを変更するために使用されてもよい。ディスプレイが提供可能な色またはグレースケールの数を調節するために、各ビットプレーンに関連付けられたタイミングパラメータと、表示されるビットプレーンの数とは、プログラミングリンク730によって変更されてもよい。平均輝度は、ランプ強度値を変更することによって調節されてもよい。色飽和度は、プログラミングリンクによって、白色フィールドを使用して形成される輝度のパーセンテージを変更することにより、または混色を調節することにより(図17に関連してさらに説明する)、変更されてもよい。
【0108】
直視型ディスプレイは、光変調器のアレイ702を照射するための、ランプ706の組を含む。一実装では、直視型ディスプレイ700は、赤のランプと、緑のランプと、青のランプとを含む。別の実装では、直視型ディスプレイ700は、白のランプも含む。さらに別の実装では、直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702の辺に沿って間隔をおいて配置された、各色のための複数のランプを含む。
【0109】
赤、緑、青、白の、色の組み合わせに加えて、達成可能な色空間または色域を拡張する、その他のランプの組み合わせが可能である。拡張された色域を有する有用な4色のランプの組み合わせは、赤、青、トゥルーグリーン(約520nm)、およびパロットグリーン(約550nm)である。色域を拡張する、別の5色の組み合わせは、赤、緑、青、シアン、および黄である。よく知られているYIQ色空間の5色類似物は、白、橙、青、紫、および緑のランプを使用して規定されてもよい。よく知られているYUV色空間の5色類似物は、白、青、黄、赤、およびシアンのランプを使用して規定されてもよい。
【0110】
その他のランプの組み合わせが可能である。例えば、有用な6色空間が、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、および黄のランプ色を使用して規定されてもよい。6色空間は、白、シアン、マゼンタ、黄、橙、および緑の色を使用して規定されてもよい。多数のその他の4色および5色の組み合わせが、上にすでに記載した色の中から導き出されてもよい。さまざまな色を有する、6、7、8、または9個のランプのさらなる組み合わせが、上に記載した色から生成されてもよい。上に記載した色の中間に位置するスペクトルを有するランプを使用して、追加の色が使用されてもよい。
【0111】
直視型ディスプレイ700は、さらに、コントローラ704のさまざまな構成要素によって制御され、かつそれらと電気通信を行う、ドライバ回路の複数の組708、710、714、および716も含む。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイの行のそれぞれを順に書き込み許可するための、走査ドライバの組708を含む。走査ドライバ708は、タイミング制御モジュール724によって制御され、かつそれと電気通信を行う。データドライバ710は、メモリ制御720と電気通信を行う。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702内の各列につき1つのドライバ回路710を含んでもよく、あるいは、光変調器のアレイ702の複数列内へのデータのロードをそれぞれが担当する、何らかのより小さな数のデータドライバ710を有してもよい。
【0112】
直視型ディスプレイ700は、大域的作動ドライバと、作動電圧ドライバと、一部の実施形態では、追加の共通電圧ドライバとを含む、一連の共通ドライバ714を含む。共通ドライバ714は、タイミング制御モジュール724と、そして、光変調器のアレイ702の複数行および複数列内の光変調器と、電気通信を行う。
【0113】
ランプ706は、ランプドライバ716によって駆動される。ランプは、メモリ制御モジュール720および/またはタイミング制御モジュール724の両方と電気通信を行ってもよい。タイミング制御モジュール724は、ランプ706の点灯のタイミングを制御する。照射強度情報も、タイミング制御モジュール724によって提供されてもよく、あるいは、照射強度情報は、メモリ制御モジュール720によって提供されてもよい。
【0114】
本発明によるディスプレイを使用する一部の電子装置は、コントローラ704の設計における変形を使用する。そのようなディスプレイについては、コントローラは、入力処理モジュールまたはフレームバッファを含まない。その代わりに、電子装置に取り付けられたシステムプロセッサは、コントローラ、ドライバ、およびMEMS光変調器のアレイによる表示のために、ビットプレーンの、あらかじめフォーマットされた出力シーケンスを提供する。そのようなディスプレイにおいては、タイミング制御モジュールは、変調器のアレイのための、ビットプレーンデータの出力を調整し、各ビットプレーンに関連付けられたランプの点灯を制御する。タイミング制御モジュールは、スケジュールテーブルストアを参照してもよく、スケジュールテーブルストア内には、アドレス指定イベントとランプイベントとのためのタイミング値、および/または、ビットプレーンのそれぞれに関連付けられたランプ強度が記憶される。
【0115】
図8は、本発明の例示的実施形態による、図7の直視型ディスプレイ700などの直視型ディスプレイによる使用に適した、ビデオを表示するための方法800(「表示方法800」)のフローチャートである。図7および図8を参照すると、表示方法800は、光変調器のアレイ702などの、光変調器のアレイの提供(ステップ801)から始まる。次に、表示方法800は、並列に動作する、2つの相互に関連のあるプロセスを進める。第1のプロセスは、本明細書では、表示方法800の画像処理プロセス802と呼ばれる。第2のプロセスは、表示プロセス804と呼ばれる。
【0116】
画像処理プロセス802は、ビデオ入力718による画像信号の受信(ステップ806)から始まる。上述のように、画像信号は、直視型ディスプレイ700上での表示のために、1つ以上の画像フレームを符号化する。一実施形態では、画像信号は、図6Aに示されているとおりに受信される。すなわち、各ピクセルについてのデータが、ピクセルごと、行ごとに、順次受信される。所与のピクセルのためのデータは、ピクセルの各色成分についての1つ以上のビットを含む。
【0117】
画像フレームのデータを受信したら(ステップ806)、直視型ディスプレイ700のコントローラ704は、画像フレームのための複数のサブフレームデータセットを導き出す(ステップ808)。好ましくは、コントローラ704の画像処理モジュール718は、図6A〜図6Cに関連して上述したように、画像信号717内のデータに基づいて、複数のビットプレーンを導き出す。ステップ810において、画像化プロセスは継続され、その中で、サブフレームデータセットはメモリ内に記憶される。好ましくは、ビットプレーンは、プロセス内の後の時点でそれらのビットプレーンがランダムにアクセスされることを可能にするアドレス情報に従って、フレームバッファ722内に記憶される。
【0118】
表示プロセス804は、例えば、入力信号717内のvsyncパルスの検出に応じた、画像フレームの表示の開始(ステップ812)から始まる。次に、画像フレームに対応する第1のサブフレームデータセットが、アドレス指定イベントの中で、光変調器のアレイ702に、メモリ制御モジュール720によって出力される(ステップ814)。この第1のサブフレームデータセットのメモリアドレスは、スケジュールテーブルストア726内のデータに基づいて判定される。好ましくは、サブフレームデータセットは、ビットプレーンである。第1のサブフレームデータセット内でアドレス指定された変調器が、サブフレームデータセット内で示された状態を達成した後で、光変調機内にロードされたサブフレームデータセットに対応するランプが点灯される(ステップ816)。ライトが点灯される時間は、サブフレーム画像に関連付けられた、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミング値によって統御されてもよい。ランプは、光変調器のアレイ内の光変調器が次に状態を変え始める時間まで点灯されたままになり、その時間において、ランプは消灯される。消灯時間も、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間値に基づいて決定されてもよい。コントローラ704によって実装されるアドレス指定技術に応じて、消灯時間は、次のアドレス指定イベントが始まる前または後であってもよい。
【0119】
光変調器のアレイが照射された後に、しかし必ずしもランプが消灯される前またはそれと同時にとは限らず、コントローラ704は、出力シーケンスに基づいて、最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのために表示される最後のサブフレーム画像であるかどうかを判定する(決定ブロック818)。それが最後のサブフレーム画像ではない場合は、別のアドレス指定イベントの中で、次のサブフレームデータセットが、光変調器のアレイ702内にロードされる(ステップ814)。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームの最後のサブフレーム画像である場合、コントローラ704は、後続の表示開始イベントの、表示の開始を待つ(ステップ812)。
【0120】
図9は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス900のより詳細なフローチャートである。表示プロセス900では、直視型ディスプレイによって使用されるサブフレームデータセットは、ビットプレーンである。表示プロセス900は、画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ902)。例えば、画像フレームの表示は、コントローラ704による、画像信号717内のvsyncパルスの検出に応えて開始されてもよい(ステップ902)。次に、画像フレームに対応するビットプレーンが、コントローラ704によって、光変調器のアレイ702に出力される(ステップ904)。サブフレームデータの各行は、順次ロードされる。各行がアドレス指定される際に、コントローラ704は、それぞれの行内の光変調器の作動を確実にするための、十分な長さの時間だけ待ってから、光変調器のアレイ702内の次の行のアドレス指定を開始する。この時間の間は、光変調器のアレイ702内の光変調器の状態は流動的なので、直視型ディスプレイ700のランプはオフのままになる。
【0121】
ビットプレーン内のデータに従って光変調器のアレイ702のすべての行が作動したことを確実にするための、十分な長さの時間だけ待った後で、ビットプレーンに対応するカラーランプ702が点灯され(ステップ906)、それにより、光変調器のアレイ702内にロードされたビットプレーンに対応するサブフレーム画像が表示される。一実装では、この待ち時間は、スケジュールテーブルストア726内に記憶される。他の実装では、この待ち時間は、アドレス指定イベントの開始に続くクロックサイクル数として、タイミング制御モジュール724内にハードワイヤードされた、固定値である。
【0122】
コントローラは、次に、サブフレーム画像に関連付けられた、スケジュールテーブルデータ記憶726内に記憶された時間だけ待ってから、ランプを消灯する(ステップ908)。決定ブロック910において、コントローラ704は、最近表示されたサブフレーム画像が、表示されている画像フレームの最後のサブフレーム画像であるかどうかを判定する。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのための最後のサブフレーム画像である場合、コントローラは、後続の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ902)。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのための最後のサブフレーム画像ではない場合、コントローラ704は、光変調器のアレイ702内への、次のビットプレーンのロードを開始する(ステップ904)。このアドレス指定イベントは、ステップ908におけるランプの消灯によって直接トリガされてもよく、または、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミング値に関連付けられた時間が経過した後で始まってもよい。
【0123】
図10は、表1のスケジュールテーブル内に記憶された値をパラメータとして有する出力シーケンスを利用する、表示プロセス900の実装に対応する、タイミング図1000である。タイミング図1000は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールの表示プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。
【0124】
画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表1のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶された、第1のサブフレームデータセットR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。表1のスケジュールテーブルに従って、赤のランプは、次に、時間LT0において点灯される。LT0は、光変調器のアレイ702内の各行のアドレス指定が完了し、そして、その中に含まれる光変調器の作動が完了した後で発生するように選択される。時間AT1において、直視型ディスプレイのコントローラ704は、赤のランプの消灯と、後続のビットプレーン、R2の、光変調器のアレイ702内へのロードの開始との、両方を行う。表1のスケジュールテーブルに従って、このビットプレーンは、メモリ位置M1から始まる位置に記憶されている。プロセスは、表1のスケジュールテーブル内で識別されるすべてのビットプレーンの表示が完了するまで繰り返される。例えば、時間AT4において、コントローラ704は、赤のランプを消灯し、そして、最上位の緑ビットプレーン、G3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。同様に、時間LT6において、コントローラ704は、緑のランプをオンにして、時間AT7まで継続し、その時間において緑のランプは再び消灯される。
【0125】
タイミング図内の、vsyncパルスの間の期間は、フレーム時間を示す記号FTによって示されている。一部の実装では、アドレス指定時間AT0、AT1等およびランプ時間LT0、LT1等は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、16.6ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、60Hzのフレームレートに従って、達成するように設計される。他の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶される時間値は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、33.3ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、30Hzのフレームレートに従って、達成するように変更されてもよい。他の実装では、24Hzという低いフレームレートが使用されてもよく、または、100Hzを超えるフレームレートが使用されてもよい。
【0126】
タイミング図1000によって示される、符号化時分割グレースケールの特定の実装では、コントローラは、表示される各色について、4つのサブフレーム画像を、光変調器のアレイ702に出力する。4つのサブフレーム画像のそれぞれの照射は、2進数列1、2、4、8に従って重み付けされる。タイミング図1000における表示プロセスは、したがって、各色のグレースケールのために4桁の2進ワードを表示する、すなわち、色ごとに4つのサブ画像のみをロードするにもかかわらず、各色について16の別個のグレースケールレベルを表示することが可能である。色の組み合わせにより、タイミング図1000の実装は、4000を超える別個の色を表示することが可能である。
【0127】
表示プロセス800の他の実装では、サブフレーム画像のシーケンス内のサブフレーム画像は、2進数列1、2、4、8等に従って重み付けされる必要はない。上記のとおり、3進重み付けの使用が、3進符号化方式から導き出されたサブフレームデータセットを表現する手段として有用な場合がある。さらに他の実装は、混合符号化方式を使用する。例えば、最下位ビットに関連付けられたサブフレーム画像は、2進重み付け方式に従って導き出され、そして照射されてもよく、一方、最上位ビットに関連付けられたサブフレーム画像は、より直線的な重み付け方式を使用して導き出され、照射されてもよい。そのような混合符号化は、最上位ビットのための照射期間における大きな差を減らすために役立ち、動的偽輪郭(dynamic false contouring)などの画像アーティファクトを減らすのに有用である。
【0128】
図11は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス1100のより詳細なフローチャートである。表示プロセス900におけるのと同様に、表示プロセス1100は、ビットプレーンを、サブフレームデータセットのために利用する。ただし、表示プロセス900とは異なり、表示プロセス1100は、大域的作動機能を含む。大域的作動を利用するディスプレイでは、ディスプレイの複数行および複数列内のピクセルがアドレス指定されてから、アクチュエータが作動する。表示プロセス1100では、作動の前に、ディスプレイのすべての行がアドレス指定される。したがって、表示プロセス900では、コントローラは、光変調器のそれぞれの行内にデータをロードした後で、光変調器が作動するための十分な時間をとるために、一定の長さの時間待たなければならないのに対して、表示プロセス1100では、コントローラは、すべての行がアドレス指定された後で、この「作動時間」を一度待つ必要があるだけである。大域的作動機能を提供することが可能な、1つの制御マトリクスは、図3Dに関連して上述した。
【0129】
表示プロセス1100は、新しい画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ1102)。そのような開始は、画像信号717内のvsync電圧パルスの検出によってトリガされてもよい。次に、画像フレームのための表示プロセスの開始後の、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において、コントローラ704は、光変調器のアレイ702の光変調器内への、第1のビットプレーンのロードを開始する(ステップ1104)。
【0130】
ステップ1106において、現在点灯されているランプがあればすべて消灯される。ステップ1106は、ビットプレーンの重みに応じて、特定のビットプレーンのロード(ステップ1104)が完了した時、または完了する前に発生してもよい。例えば、一部の実施形態では、ビットプレーンの2進重み付けを相互に維持するために、一部のビットプレーンは、次のビットプレーンを光変調器のアレイ702内にロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されなければならない場合がある。したがって、そのようなビットプレーンを照射しているランプは、次のビットプレーンが光変調器のアレイ内にロードされている間に(ステップ1104)、消灯される。適切な時間にランプが消灯されることを確実にするために、一実施形態では、適切なライト消灯時間を示すためのタイミング値が、スケジュールテーブルストア726内に記憶される。
【0131】
コントローラ704が、光変調器のアレイ702内への所与のビットプレーンのロードを完了し(ステップ1104)、点灯されているランプをすべて消灯したら(ステップ1106)、コントローラ704は、大域的作動ドライバに大域的作動コマンドを発行して(ステップ1108)、光変調器のアレイ702内のすべての光変調器を実質的に同時に作動させる。大域的作動ドライバは、ディスプレイ700の部分として含まれる共通ドライバ714の1つのタイプを表す。大域的作動ドライバは、例えば、制御マトリクス340の相互接続354などの、大域的作動相互接続によって、光変調器のアレイ内の変調器に接続されてもよい。
【0132】
一部の実装では、ステップ1108の大域的作動は、一連のステップ、または、タイミング制御モジュール724によって発行される一連のコマンドを含む。例えば、同時係属中の米国特許出願第11/607,715号明細書に記載された特定の制御マトリクスでは、大域的作動ステップは、(第1の)充電相互接続によってシャッタ機構を充電するステップと、それに続く、(第2の)シャッタ共通相互接続を接地電位に向けて駆動するステップと(この時点で、すべての共通接続された光変調器は、それらの閉状態に移動する)、シャッタ作動のための一定の待ち期間の後に続く、(第3の)大域的作動相互接続を接地するステップと(この時点で、選択されたシャッタのみが、それらの指定された開状態に移動する)を含んでもよい。充電相互接続、シャッタ共通相互接続、および大域的作動相互接続のそれぞれは、タイミング制御モジュール724内に記憶されたタイミング値に従って適切な時間に送信されるトリガ信号に応答する、別個のドライバ回路に接続される。
【0133】
光変調器の作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、最近ロードされたビットプレーンに対応するランプをオンにするために、ランプドライバに点灯コマンドを発行する(ステップ1110)。作動時間は、ロードされる各ビットプレーンについて同じであり、したがって、スケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。作動時間は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0134】
ビットプレーンに対応するランプが点灯された後(ステップ1110)、決定ブロック1112において、コントローラ704は、出力シーケンスに基づいて、現在ロードされているビットプレーンが、表示される画像フレームの最後のビットプレーンであるかどうかを判定する。そうである場合、コントローラ704は、次の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ1102)。それ以外の場合、コントローラ704は、次のビットプレーンの、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0135】
図12は、表1のスケジュールテーブル内に記憶された値をパラメータとして有する出力シーケンスを利用する、表示プロセス1100の実装に対応する、タイミング図1200である。図10および図12に対応する表示プロセスは、同様の記憶されたパラメータを利用するが、それらの動作はかなり異なる。図10のタイミング図1000に対応する表示プロセスと同様に、タイミング図1200に対応する表示プロセスは、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスを使用する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。しかし、タイミング図1200に対応する表示プロセスは、表示プロセス1100の中で説明した大域的作動機能を組み込むという点で、タイミング図1000とは異なる。そのため、ディスプレイ内のランプは、フレーム時間のうちの、大幅により大きな部分にわたって点灯される。ディスプレイは、したがって、より明るい画像を表示することが可能であるか、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能である。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。
【0136】
より具体的には、タイミング図1200における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表1のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、赤のランプを点灯させる。上記に示したように、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0137】
ランプ消灯イベント時間LT0〜LT11は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0138】
しかし、R0、G0、およびB0などの、一部のビットプレーンは、アレイ内にビットプレーンをロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されることが意図されている。したがって、LT3、LT7、およびLT11は、後続のアドレス指定イベントの途中で発生する。
【0139】
代替の実装では、ランプ点灯とデータアドレス指定とのシーケンスは、逆にされてもよい。例えば、後続のサブフレーム画像に対応するビットプレーンのアドレス指定は、大域的作動イベントの完了の直後に続いてもよく、一方、ランプの点灯は、アドレス指定が始まった後の何らかの時点におけるランプ点灯イベントまで遅らされてもよい。
【0140】
図13は、表2に類似した表をスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1300である。タイミング図1300は、所与の色成分(赤、緑、および青)についての各サブフレーム画像が同じ長さの時間にわたって照射されるという点で、図5に関連して説明したアドレス指定プロセスに類似した、符号化された強度グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。ただし、図5に示した表示プロセスとは異なり、タイミング図1300に対応する表示プロセスでは、特定の色成分の各サブフレーム画像は、その色成分の、前のサブフレーム画像の半分の強度で照射され、それにより、ランプ点灯時間を変化させることなしに、2進重み付け方式が実装される。
【0141】
【表2】
【0142】
より具体的には、タイミング図1300における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表2のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを、表2のスケジュールテーブル内に記憶されたランプ強度IL0で点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR2に対応するサブフレーム画像は、表2に示されているように、強度レベルIL0の半分に等しい強度レベルIL1で照射される。同様に、ビットプレーンR1のための強度レベルIL2は、強度レベルIL1の半分に等しく、ビットプレーンR0のための強度レベルIL3は、強度レベルIL2の半分に等しい。
【0143】
各サブフレーム画像について、コントローラ704は、点灯しているランプを、次のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了時に消灯してもよい。したがって、ランプ点灯時間に対応して、スケジュールテーブルストア726内に記憶されなければならない、対応する時間値はない。
【0144】
図14Aは、表3に類似した表をスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1400である。タイミング図1400は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて5つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。色成分ごとに追加のサブフレーム画像を含めることによって、タイミング図1400に対応する表示プロセスは、各色において、タイミング図1200に対応する表示プロセスの2倍の数のグレースケールレベルを表示することが可能である。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進パルス幅重み付け方式が実装される。
【0145】
【表3】
【0146】
より具体的には、タイミング図1200における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0147】
ランプ消灯イベント時間は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR3のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0148】
図12のタイミング図1200に対応するアドレス指定プロセスと同様に、R1とR0、G1とG0、およびB1とB0などの、一部のビットプレーンは、アレイ内にビットプレーンをロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されることが意図されている。したがって、それらの対応するランプ消灯時間は、後続のアドレス指定イベントの途中で発生する。ランプ消灯時間は、対応する照射時間が、アドレス指定のために必要とされる時間よりも短いか、または長いかによって異なるため、対応するスケジュールテーブルは、例えば、LT0、LT1、LT2などの、ランプ時間を含む。
【0149】
図14Bは、表4内に記憶されたパラメータをスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1450である。タイミング図1450は、最下位のサブ画像および最下位から2番目のサブ画像の重み付けが、ランプ点灯時間に加えて、ランプ強度も変化させることによって達成されることを除いては、タイミング図1400のアドレス指定プロセスに類似した、符号化時分割および強度グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。特に、最下位のビットプレーンおよび最下位から2番目のビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、最下位から3番目のビットプレーンに対応するサブフレーム画像と同じ長さの時間にわたって照射されるが、ただし、それぞれ、4分の1および2分の1の強度で照射される。強度グレースケールを時分割グレースケールと組み合わせることによって、すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間と等しいか、またはそれよりも長い期間にわたって照射されてもよい。これにより、スケジュールテーブルストア726内にランプ消灯時間が記憶される必要がなくなる。
【0150】
【表4】
【0151】
より具体的には、タイミング図1450における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図およびスケジュールテーブル4上に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたランプ強度IL0で、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR3に対応するサブフレーム画像は、表2内に示されているように、強度レベルIL0に等しい強度レベルIL1で照射される。同様に、ビットプレーンR2のための強度レベルIL2は、強度レベルIL1に等しい。しかし、ビットプレーンR1のための強度レベルIT3は、強度レベルIL2の半分であり、ビットプレーンR0のための強度レベルIT4は、強度レベルIT3の半分である。図13に関して説明した表示プロセスと同様に、各サブフレーム画像について、コントローラ704は、次のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了時に、点灯しているランプを消灯してもよい。したがって、この時間を決定するために、対応する時間値が、スケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。
【0152】
タイミング図1450は、出力シーケンスのサブフレーム画像の知覚される輝度が、複合形式で制御される表示プロセスに対応する。出力シーケンス内の一部のサブフレーム画像については、輝度は、サブフレーム画像の照射期間を変更することによって制御される。出力シーケンス内のその他のサブフレーム画像については、輝度は、照射強度を変更することによって制御される。直視型ディスプレイにおいて、パルス幅と強度とを独立に制御するための機能を提供することは有用である。そのような独立制御の一実装では、ランプドライバ714は、タイミング制御モジュール724から発行される可変強度コマンドと、ランプの点灯および消灯のための、タイミング制御モジュール724からのタイミングまたはトリガ信号とに応答する。パルス幅と強度との独立制御のために、スケジュールテーブルストア726は、ランプの点灯に関連するタイミング値に加えて、ランプの、必要とされる強度を記述する、パラメータを記憶する。
【0153】
照射期間(またはパルス幅)と、その照射の強度との積(または積分)として、照射値を定義することは有用である。ビットプレーンの照射のために出力シーケンス内で割り当てられた所与の時間間隔について、任意の必要とされる照射値を達成するためにランプを制御するための、多数の代替の方法がある。本発明に適合する、ランプのための3つのそのような代替のパルスプロファイルが、図14C内で比較されている。図14Cで、時間マーカ1482および1484は時間制限を決定し、その時間制限の中で、ランプパルスはその照射値を表さなければならない。MEMSベースディスプレイを駆動するための、大域的作動方式では、時間マーカ1482は、1つの大域的作動サイクル(その中で、前にロードされたビットプレーンについての変調器状態が設定される)の終わりを表してもよく、一方、時間マーカ1484は、後続のビットプレーンに適合する変調器状態の設定のための、後続の大域的作動サイクルの始まりを表してもよい。より小さな重みを有するビットプレーンについては、マーカ1482と1484との間の時間間隔は、例えばビットプレーンなどの、データサブセットを、変調器のアレイ内にロードするために必要な時間によって制限されてもよい。これらの場合における、利用可能な時間間隔は、より大きな重みのビットに割り当てられるパルス幅からの単純なスケーリングを仮定した場合に、ビットプレーンの照射のために必要とされる時間よりも、実質的に長い。
【0154】
ランプパルス1486は、特定の照射値の表現に適合するパルスである。パルス幅1486は、マーカ1482と1484との間で利用可能な時間を完全に埋める。ただし、ランプパルス1486の強度または振幅は、必要な照射値を達成するために調節される。ランプパルス1486による振幅変調方式は、ランプ効率が線形ではなく、ランプに要求されるピーク強度を減らすことによって電力効率を向上することが可能な場合、特に有用である。
【0155】
ランプパルス1488は、ランプパルス1486におけるのと同じ照射値の表現に適合するパルスである。パルス1488の照射値は、振幅変調による代わりに、パルス幅変調によって表現される。タイミング図1400に示すように、多くのビットプレーンについて、適切なパルス幅は、ビットプレーンのアドレス指定によって決定される、利用可能な時間よりも短くなる。
【0156】
一連のランプパルス1490は、ランプパルス1486におけるのと同じ照射値を表現する、別の方法を表す。一連のパルスは、パルス幅と、パルスの周波数との、両方の制御を介して、照射値を表現することが可能である。照射値は、パルス振幅と、マーカ1482と1484との間の利用可能な期間と、パルスのデューティサイクルとの積として考えられてもよい。
【0157】
ランプドライバ回路は、上記の代替のランプパルス1486、1488、または1490のうちの任意のものを生成するためにプログラムされてもよい。例えば、ランプドライバ回路は、タイミング制御モジュール724から、ランプ強度のための符号化ワードを受け入れて、強度に適合するパルスのシーケンスを構築するようにプログラムされてもよい。強度は、パルス振幅またはパルスデューティサイクルのいずれかの関数として変化させられてもよい。
【0158】
図15は、表5に類似したスケジュールテーブルを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1500である。タイミング図1500は、最上位ビットについての照射期間に制限が加えられていること、および表示シーケンス内でのビットプレーンの順序付けについて規則が定められていることを除いては、図12に関して説明したアドレス指定プロセスに類似した、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。タイミング図1500について示されている順序付け規則は、フィールド順次色ディスプレイにおける画像品質を損なう2つの視覚的アーティファクト、すなわち、色割れおよびフリッカを、減らすために役立つように定められている。色割れは、色の変化の頻度を増加することによって、すなわち、好ましくは180Hzを超える周波数で、異なる色のサブ画像を順に交代させることによって減らされる。フリッカは、その最も単純な顕現においては、フレームレートが30Hzよりも実質的に大きいことを確実にすることによって、すなわち、後続の画像フレーム内で現れる、同様の重みのビットプレーンが、25ミリ秒未満の期間によって隔てられていることを確実にすることによって減らされる。
【0159】
【表5】
【0160】
色割れおよびフリッカに関連する順序付け規則は、ビット分割(bit splitting)の技術によって実装されてもよい。特に、タイミング図1500において、最上位ビット(例えば、R3、G3、およびB3)は、2つに分割され、すなわち、それらの公称の照射期間の半分に減らされ、次に、任意の所与の画像フレームの時間内で2回繰り返されるかまたは表示される。例えば、赤のビットプレーンR3は、時間イベントAT0において変調アレイに最初にロードされ、次に、時間イベントAT9において2回目にロードされる。時間イベントAT9においてロードされる、最上位ビットプレーンR3に関連付けられた照射期間は、時間イベントAT12においてロードされる、ビットプレーンR2に関連付けられた照射期間と等しい。しかし、最上位ビットプレーンR3は画像フレーム内で2回現れるため、ビットプレーンR3内に含まれる情報に関連する照射値は、依然として、最上位の次のビットプレーンR2に割り当てられる照射値の2倍である。
【0161】
その上、タイミング図1000、1200、1300、1400、および1450に示すように、色によってグループ化された、画像のサブフレーム画像を表示する代わりに、タイミング図1500では、所与の色に対応するサブフレーム画像は、他の色に対応するサブフレーム画像の間に散在させられて表示される。例えば、タイミング図1500に従って画像を表示するために、ディスプレイは、最初に、赤のための最上位ビットプレーンR3の第1の発生をロードして表示し、その直後に、最上位の緑のビットプレーンG3が続き、その直後に、最上位の青のビットプレーンB3が続く。最上位ビットプレーンは分割されているため、これらの色の変化はかなり急速に発生し、色の変化の間の最長期間は、最上位の次のビットプレーンR2の照射時間にほぼ等しい。タイミング図1500内に期間Jとして示されている、異なる色のサブフレーム画像の照射の間の期間は、好ましくは4ミリ秒未満に、より好ましくは2.8ミリ秒未満に維持される。より小さなビットプレーン、R1とR0、G1とG0、およびB1とB0は、それらの照射時間を合計しても4ミリ秒未満であるため、依然としてグループ化されていてもよい。
【0162】
ビットプレーンまたは異なる色の間の、散在または交代は、色割れの画像アーティファクトを減らすために役立つ。ビットプレーンの出力の、色によるグループ分けは、回避することが好ましい。例えば、ビットプレーンB3は、(アドレス指定イベントAT2において)コントローラによって出力される、3つ目のビットプレーンであるが、青のビットプレーンB3の出現は、フレーム時間内での、赤のビットプレーンの、すべての可能性のある出現の終了を意味しない。実際に、タイミング図1500のシーケンスでは、赤の色のためのビットプレーンR1が、B3の直後に続いている。画像フレーム内では、可能な最高の周波数で、異なる色のビットプレーンを順に交代させることが好ましい。
【0163】
ディスプレイのリフレッシュに関連する電力を減らすために、30Hzを超えるフレームレートを設定することは常に可能とは限らない。しかし、知覚される画像内のフリッカを最小にするために、ビットプレーンの順序付けに関連する代替の規則が、それでもなお適用されてもよい。タイミング図1500内で、期間KおよびLは、赤の最上位ビットプレーン、すなわち最上位ビットプレーンR3が、ディスプレイに出力されるイベントの間の、時間の分離を表す。その他の最上位ビットプレーンG3およびB3の連続した発生の間に、同様の期間KおよびLが存在する。期間Kは、所与の画像フレーム内での、最上位ビットプレーンの出力の間の、最大時間を表す。期間Lは、2つの連続した画像フレーム内での、最上位ビットプレーンの出力の間の、最大時間を表す。タイミング図1500では、K+Lの合計はフレーム時間に等しく、そしてこの実施形態については、フレーム時間は、(30Hzのフレームレートに対応する)33ミリ秒もの長さであってもよい。両方の時間間隔KおよびLが25ミリ秒未満に、好ましくは17ミリ秒未満に保たれる場合、ビット分割が使用されるディスプレイにおいて、フリッカはさらに減らされる可能性がある。
【0164】
フリッカは、30Hzという低い周波数においてディスプレイの特性が繰り返される、さまざまな要因から発生する場合がある。タイミング図1500で、例えば、下位のビットプレーンR1およびR0は、フレームにつき1回だけ照射され、フレームレートは30Hzという長さである。したがって、これらの下位ビットプレーンに関連付けられた画像は、フリッカの知覚に寄与する場合がある。ただし、図19に関して説明するバンク別アドレス指定方法は、下位のビットプレーンでさえ、フレームレートよりも実質的に大きな周波数で繰り返されることが可能な、別の機構を提供する。
【0165】
フリッカは、さらに、ビットプレーンジッタの特性によって生成される場合がある。ジッタは、表示されるビットプレーンのシーケンス内で、類似したビットプレーンの間の間隔が等しくない場合に現れる。フリッカは、例えば、MSB赤ビットプレーンの間の期間KおよびLが等しくない場合に、結果として起こる。フリッカは、期間KおよびLが10%以内で等しいことを確実にすることによって、減らされることが可能である。すなわち、画像フレームの色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第1の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である。
【0166】
図16は、表6内に示されたパラメータを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1600である。タイミング図1600は、画像フレームのそれぞれの色成分について4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。タイミング図1600は、図12のタイミング図1200に類似しているが、赤、緑、および青の色に対応するサブフレーム画像に加えて、白色ランプを使用して照射される、白の色に対応するサブフレーム画像を有する。白色ランプの追加により、ディスプレイは、より明るい画像を表示すること、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能になる。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。その上、白色ランプは、しばしばより効率的である、すなわち、同じ輝度を達成するために、他の色のランプより少ない電力を消費する。
【0167】
より具体的には、タイミング図1600における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表6のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT4において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M4から始まる位置に記憶された、緑の第1のビットプレーンG3のロードを開始する。時間AT8において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M8から始まる位置に記憶された、青の第1のビットプレーンB3のロードを開始する。時間AT12において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M12から始まる位置に記憶された、白の第1のビットプレーンW3のロードを開始する。白の第1のビットプレーンW3に対応するアドレス指定を完了した後で、そして、作動時間だけ待った後で、コントローラは、白色ランプを初めて点灯させる。
【0168】
すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるため、コントローラ704は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了したら、サブフレーム画像を照射しているランプを消灯する。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0169】
タイミング図内の、vsyncパルスの間の期間は、フレーム時間を示す記号FTによって示されている。一部の実装では、アドレス指定時間AT0、AT1等およびランプ時間LT0、LT1等は、4色のぞれぞれについての、4つのサブフレーム画像を、16.6ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、60Hzのフレームレートに従って、達成するように設計される。他の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶される時間値は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、33.3ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、30Hzのフレームレートに従って、達成するように変更されてもよい。他の実装では、24Hzという低いフレームレートが使用されてもよく、または、100Hzを超えるフレームレートが使用されてもよい。
【0170】
【表6】
【0171】
白色ランプの使用は、ディスプレイの効率を向上させる可能性がある。サブフレーム画像における、4つの別個の色の使用は、入力処理モジュール718内のデータ処理への変更を必要とする。3つの異なる色のそれぞれについてのビットプレーンを導き出す代わりに、タイミング図1600による表示プロセスは、4つの異なる色のそれぞれに対応するビットプレーンが記憶されることを必要とする。入力処理モジュール718は、したがって、データ構造をビットプレーンに変換する前に、3色空間内の色のために符号化された入力ピクセルデータを、4色空間に適合する色座標に変換してもよい。
【0172】
タイミング図1600に示された、赤、緑、青、および白のランプの組み合わせに加えて、達成可能な色空間または色域を拡張する、その他のランプの組み合わせが可能である。拡張された色域を有する有用な4色のランプの組み合わせは、赤、青、トゥルーグリーン(約520nm)、およびパロットグリーン(約550nm)である。色域を拡張する、別の5色の組み合わせは、赤、緑、青、シアン、および黄である。よく知られているYIQ色空間の5色類似物は、白、橙、青、紫、および緑のランプを使用して規定されてもよい。よく知られているYUV色空間の5色類似物は、白、青、黄、赤、およびシアンのランプを使用して規定されてもよい。
【0173】
その他のランプの組み合わせが可能である。例えば、有用な6色空間が、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、および黄のランプ色を使用して規定されてもよい。6色空間は、白、シアン、マゼンタ、黄、橙、および緑の色を使用して規定されてもよい。多数のその他の4色および5色の組み合わせが、上にすでに記載した色の中から導き出されてもよい。さまざまな色を有する、6、7、8、または9個のランプのさらなる組み合わせが、上に記載した色から生成されてもよい。上に記載した色の中間に位置するスペクトルを有するランプを使用して、追加の色が使用されてもよい。
【0174】
図17は、表7のスケジュールテーブル内に示されたパラメータを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1700である。タイミング図1700は、異なる色のランプが同時に点灯されてもよい、符号化時分割および強度グレースケールの複合表示プロセスに対応する。各サブフレーム画像が、すべての色のランプによって照射されるが、特定の色のためのサブフレーム画像は、その色のランプによって主に照射される。例えば、赤のサブフレーム画像のための照射期間の間、赤のランプは、緑のランプおよび青のランプよりも高い強度で点灯される。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、複数のランプを、それぞれ、より低い点灯レベルの動作モードで使用することは、その同じ輝度を、1つのランプをより高い点灯レベルで使用して達成することよりも、少ない電力を必要とする場合がある。
【0175】
アドレス指定タイミングは、各サブフレーム画像が、前のサブフレーム画像と同じ強度で、半分の長さの期間にわたって表示されるという点で、図12で説明したものに類似しているが、ただし、最下位ビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、それぞれ、前のサブフレーム画像と同じ長さの時間にわたって、半分の強度で照射されるという点は異なる。したがって、最下位ビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、アレイ内にビットプレーンをロードするために必要とされる期間と同じか、またはそれよりも長い期間にわたって照射される。
【0176】
【表7】
【0177】
より具体的には、タイミング図1700における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表7のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤、緑、および青のランプを、表7のスケジュールによって示される強度レベル、すなわち、それぞれ、RI0、GI0、BI0で、点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR2に対応するサブフレーム画像、およびその後の、ビットプレーンR1に対応するサブフレーム画像は、それぞれ、表7のスケジュールによって示されているように、ビットプレーンR1についてと同じ強度レベルの組で照射される。それに対して、メモリ位置M3から始まる位置に記憶された、最下位ビットプレーンR0に対応するサブフレーム画像は、各ランプについて、半分の強度レベルで照射される。すなわち、強度レベルRI3、GI3、およびBI3は、それぞれ、強度レベルRI0、GI0、およびBI0の半分の強度レベルに等しい。プロセスは、時間AT4から開始して継続され、その時間においては、緑の強度が優位を占めるビットプレーンが表示される。その後、時間AT8において、コントローラ704は、青の強度が優位を占めるビットプレーンのロードを開始する。
【0178】
すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるため、コントローラ704は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了したら、サブフレーム画像を照射しているランプを消灯する。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0179】
タイミング図1700における、サブフレーム画像内でのカラーランプの混合は、ディスプレイ内の電力効率の向上をもたらす可能性がある。混色は、高度に飽和した色を画像が含まない場合に、特に有用な可能性がある。
【0180】
図18は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス1800のより詳細なフローチャートである。表示プロセス1100におけるのと同様に、表示プロセス1800は、ビットプレーンを、サブフレームデータセットのために利用する。表示プロセス1800は、さらに、表示プロセス1100において使用されているものと同様の、大域的作動機能を含む。表示プロセス1800は、ただし、ディスプレイ内の照射効率を向上させるためのツールとして、バンク別アドレス指定機能を追加する。
【0181】
多くの表示プロセスでは、特に、画像の各色成分について(例えば6つ以上の)多数のビットプレーンをディスプレイがロードして表示する場合、それに比例して、より多くの時間が、対応するサブ画像の照射を犠牲にして、ディスプレイのアドレス指定のために割り当てられなければならない。これは、表示プロセス1100におけるように、大域的作動技術が使用される場合でさえ、当てはまる。この状況は、図14Aのタイミング図1400によって示されている。タイミング図1400は、2進重みシーケンス16:8:4:2:1に従ってビットプレーンに照射値が割り当てられる、色ごとの5ビットシーケンスを示す。ただし、ビットプレーンR1およびR0に関連付けられる照射期間は、次のビットプレーンに適合するデータセットをアレイ内にロードするために必要とされる時間よりもかなり短い。結果として、R1およびR0ビットプレーンを照射しているランプが消灯される時間と、それぞれ、R0およびG4ビットプレーンを照射するランプがオンにされる時間との間に、かなりの長さの時間が経過する。この状況は、デューティサイクルの減少と、したがって、ランプ点灯の効率の減少とをもたらす。
【0182】
バンク別アドレス指定は、アドレス指定のために必要とされる時間を減らすことによって、ランプのデューティサイクルを増加させることが可能な機能である。これは、1回にディスプレイの一部のみがアドレス指定され作動させられる必要があるように、ディスプレイを、複数の独立に作動させることが可能な、行のバンクに分割することによって達成される。より短いアドレス指定サイクルは、最も短い照射時間のみを必要とするビットプレーンについて、ディスプレイの効率を向上させる。
【0183】
特定の一実装では、バンク別アドレス指定は、ディスプレイの行を2つのセグメントに分離することを含む。一実施形態では、ディスプレイの上半分内の行は、ディスプレイの下半分内の行とは別個に制御される。別の実施形態では、ディスプレイは、1行置きの方式で、偶数番号の行が一方のバンクまたはセグメントに属し、奇数番号の行がもう一方のバンクに属するように、分離される。各セグメントのための、別個のビットプレーンが、バッファメモリ722内の別個のアドレスに記憶される。バンク別アドレス指定のために、入力処理モジュール718は、入力ビデオストリームからビットプレーン情報を導き出すだけでなく、異なるバンクへのそれらの割り当てに従って、ビットプレーンの部分を別個に識別し、場合によっては記憶するように、プログラムされる。以下の説明では、ビットプレーンは、色、バンク、および有意値によってラベル付けされる。例えば、色成分につき5ビットのグレースケールプロセスにおける、ビットプレーンRE3は、ディスプレイ装置の偶数番号行についての、最上位から2番目のビットプレーンを意味する。ビットプレーンBO0は、奇数番号行についての、最下位の青のビットプレーンに対応する。
【0184】
バンク別アドレス指定方式が、大域的作動機能を使用する場合、各バンクについて、独立した大域的作動電圧ドライバと、独立した大域的作動相互接続とが提供される。例えば、奇数番号行は、大域的作動ドライバおよび大域的作動相互接続の、1つの組に接続され、一方、偶数番号行は、大域的作動ドライバおよび相互接続の、独立した組に接続される。
【0185】
表示プロセス1800は、新しい画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ1802)。そのような開始は、画像信号717内のvsync電圧パルスの検出によってトリガされてもよい。次に、画像フレームの表示プロセスの開始後の、スケジュールテーブルストア726内で識別される時間において、コントローラ704は、光変調器のアレイ702の光変調器内への、第1のビットプレーンのロードを開始する(ステップ1804)。図11のステップ1104とは異なり、ステップ1804では、ディスプレイのバンクのうちの一方または両方のいずれかについてのビットプレーンが、光変調器のアレイ702の対応する行内にロードされる。一実施形態では、ステップ1804において、タイミング制御モジュール724は、その出力シーケンスを解析して、所与のアドレス指定イベントの中でアドレス指定される必要があるバンクの数を調べて、次に、アドレス指定される必要がある各バンクを順にアドレス指定する。一実装では、一方のバンクについては、ビットプレーンは、対応する光変調器の行内に、重みが小さいものから順にロードされ、もう一方のバンクについては、ビットプレーンは、対応する光変調器の行内に、重みが大きいものから順にロードされる。
【0186】
ステップ1806において、現在点灯されているランプがあればすべて消灯される。ステップ1806は、ビットプレーンの重みに応じて、特定のビットプレーンのロード(ステップ1804)が完了した時、または完了する前に発生してもよい。例えば、一部の実施形態では、ビットプレーンの2進重み付けを相互に維持するために、一部のビットプレーンは、次のビットプレーンを光変調器のアレイ702内にロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されなければならない場合がある。したがって、そのようなビットプレーンを照射しているランプは、次のビットプレーンが光変調器のアレイ内にロードされている間に(ステップ1804)、消灯される。適切な時間にランプが消灯されることを確実にするために、適切なライト消灯時間を示すためのタイミング値がスケジュールテーブル内に記憶される。
【0187】
コントローラ704が、光変調器のアレイ702内のいずれかまたは両方のバンク内への、いずれかまたは両方のビットプレーンデータのロードを完了し(ステップ1804)、そしてコントローラが、点灯されているランプをすべて消灯したら(ステップ1806)、コントローラ704は、大域的作動コマンドを、その出力シーケンス内のどこにそれがあるかに応じて、いずれかまたは両方の大域的作動ドライバに発行して(ステップ1808)、それにより、光変調器のアレイ702内の、アドレス指定可能な変調器のバンクのうちの一方のみを、または両方のバンクを、実質的に同時に作動させる。大域的作動のタイミングは、一方のバンクがアドレス指定を必要とすることをスケジュールが示しているか、または両方のバンクがアドレス指定を必要とすることをスケジュールが示しているかに基づいて、タイミング制御モジュール内のロジックによって決定される。すなわち、スケジュールテーブルストア726に従って、1つのバンクがアドレス指定を必要とする場合、タイミング制御モジュール724は、第1の長さの時間だけ待ってから、コントローラ704に大域的作動コマンドを発行させる。スケジュールテーブルストア726が、両方のバンクがアドレス指定を必要とすることを示す場合、タイミング制御モジュール724は、その長さの約2倍の時間だけ待ってから、大域的作動をトリガする。大域的作動のタイミングのためには、可能性のある2つの時間値のみが必要とされるため(すなわち、シングルバンク時間、またはデュアルバンク時間)これらの値は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0188】
光変調器の作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、最近ロードされたビットプレーンに対応するランプをオンにするために、ランプドライバに点灯コマンドを発行する(ステップ1810)。作動時間は、大域的作動コマンドが発行された時から測定され(ステップ1808)、したがってロードされた各ビットプレーンについて同じである。そのため、作動時間は、スケジュールテーブル内に記憶される必要はない。作動時間は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0189】
ビットプレーンに対応するランプが点灯された後(ステップ1810)、決定ブロック1812において、コントローラ704は、スケジュールテーブルストア726に基づいて、現在ロードされているビットプレーンが、表示される画像フレームの最後のビットプレーンであるかどうかを判定する。そうである場合、コントローラ704は、後続の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ1802)。それ以外の場合、スケジュールテーブルストア726内に示された次のアドレス指定イベントの時間において、コントローラ704は、対応するビットプレーンの、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する(ステップ1804)。
【0190】
図19は、表8のスケジュールテーブル内に示されたパラメータの利用を介した表示プロセス1800の実装に対応する、タイミング図1900である。タイミング図1900は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて5つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールの表示プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。その上、タイミング図1900は、表示プロセス1100の中で説明した大域的作動機能と、表示プロセス1800の中で説明したバンク別アドレス指定機能とを組み込んでいる。アドレス指定のために必要とされる時間を減らすことによって、ディスプレイは、したがって、より明るい画像を表示することが可能であるか、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能である。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。
【0191】
【表8】
【0192】
より具体的には、タイミング図1900における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表8のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置MO0から始まる位置に記憶されたビットプレーンRO4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702の奇数行のみの中にロードされる。その直後に、ビットプレーンRE1が、位置ME0内に記憶されたデータを使用して、光変調器のアレイの偶数行のみの中にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の偶数行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを、偶数および奇数行のバンクに接続された、独立にアドレス指定可能な大域的作動ドライバの両方に出力する。大域的作動コマンドの発行に続いて、作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、赤のランプを点灯させる。上記に示したように、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定であり、かつ、大域的作動コマンドの発行に基づくため、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。
【0193】
時間AT1において、コントローラ704は、メモリ位置ME1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンRE0の、光変調器のアレイ702の偶数行内へのロードを開始する。AT1において始まるアドレス指定イベントの間、タイミング制御モジュール724は、奇数行内へのデータのロードに関連するプロセスをすべて省略する。これは、スケジュールテーブルストア726内に、タイミング値AT1に関連付けられた符号化されたパラメータ(例えば数字0など)を記憶することによって達成されてもよい。これにより、時間AT1において開始されるアドレス指定イベントを完了するための時間の長さは、時間AT0において両方のバンクの行をアドレス指定するために必要とされる時間の、1/2のみとなる。奇数行についての、最下位の赤のビットプレーンは、かなり後の、時間AT5まで、光変調器のアレイ702内にロードされないことに注意されたい。
【0194】
ランプ消灯イベント時間LT0〜LTn−1は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、偶数番号行のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT0は、AT1の後の、偶数番号行内へのビットプレーンRE0のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT3は、AT4の後の、奇数番号行内へのビットプレーンRO1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。各バンクについての、すべての赤のビットプレーンがロードされ、適切な長さの時間照射された後、プロセスは、緑のビットプレーンについて再び開始される。
【0195】
タイミング図1900によるバンク別アドレス指定の例は、2つのみの独立にアドレス指定可能かつ作動可能なバンクを提供する。他の実施形態では、MEMS変調器のアレイおよびそれらの駆動回路は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれよりも多くの、独立にアドレス指定可能なバンクを提供するように相互接続されてもよい。6つの独立にアドレス指定可能なバンクを有するディスプレイは、ディスプレイ全体のアドレス指定のために必要とされる時間に比較して、1/6のみの時間を、1つのバンク内の行のアドレス指定のために必要とする。6つのバンクを使用する場合、同じ色のランプによる6つの異なるビットプレーンが、インターリーブされ、同時に照射されてもよい。6ビットの例では、各バンクに関連付けられる行は、ディスプレイの6番目の行ごとに割り当てられてもよい。
【0196】
バンク別アドレス指定を使用する一部の実施形態では、他の同時バンク内の行の状態が同じ色に関連付けられている限り、所与のバンクの行を、1つのビットプレーンによって示される状態から、次のビットプレーン内で示される状態に切り換える間、ランプをオフにする必要はない。
【0197】
タイミング図1500に関して導入された順序付け規則を再び参照すると、バンク別アドレス指定方式は、MEMSベースのフィールド順序式ディスプレイ内のフリッカを減らすための追加の機会を提供する。特に、アドレス指定イベントAT0において導入される、偶数行についての赤のビットプレーンR1は、タイミングイベントAT4において導入される、奇数行についての赤のビットプレーンR1と同じ、赤のサブ画像のグループの中で表示される。これらのビットプレーンのそれぞれは、フレームにつき1回だけ表示される。タイミング図19におけるフレームレートが、30Hzという低い値である場合、これらの下位ビットプレーンの表示は、フレーム間で実質的に25ミリ秒よりも長く隔てられて、フリッカの知覚に寄与する。しかし、隣接するフレーム間でのR1ビットプレーンの表示の間隔が、決して25ミリ秒を超えることがないように、好ましくは17ミリ秒未満となるように、タイミング図19内のビットプレーンがさらに再配置されるならば、この状況は改善されることが可能である。
【0198】
特に、赤の最上位ビットプレーン、すなわち、最上位ビット−R4の表示は、例えば、アドレス指定イベントAT3とAT4との間のいずれかの点において、分割されてもよい。赤のサブ画像の、2つのグループは、次に、緑および青のサブ画像内の類似したサブグループの間に再配置されてもよい。赤、緑、および青のサブグループは、タイミング図1500におけるように、散在させられてもよい。その結果として、例えば、R1、G1、B1のサブフレームデータセットの表示は、連続する画像フレーム内、および連続する画像フレーム間の両方で、ほぼ等しい時間間隔で現れるように配置されてもよい。この例では、偶数行についてのR1ビットプレーンは、依然として、画像フレームにつき1回だけ現れる。しかし、R1ビットプレーンの表示が奇数行と偶数行との間で順に交代するならば、そして、ビットプレーンの奇数部分または偶数部分の表示の間の時間間隔が、決して25ミリ秒を超えず、好ましくは17ミリ秒未満であるならば、フリッカは減らされることが可能である。
【0199】
図20は、本発明の例示的実施形態による、直視型ディスプレイ内で使用するためのコントローラ2000のブロック図である。例えば、コントローラ2000は、図7の直視型MEMSディスプレイ700のコントローラ704に取って代わってもよい。コントローラ2000は、外部ソースから画像信号2017を受信し、そのコントローラが組み込まれているディスプレイの光変調器とランプとを制御するための、データおよび制御信号の両方を出力する。
【0200】
コントローラ2000は、入力処理モジュール2018と、メモリ制御モジュール2020と、フレームバッファ2022と、タイミング制御モジュール2024と、4つの固有のスケジュールテーブルストア2026、2027、2028、および2029とを含む。コントローラ2000については、スケジュールテーブルストア内のパラメータの変更を可能にするプログラミングリンクの代わりに、コントローラは、任意の所与の時間において、4つのスケジュールテーブルストアのうちのいずれがアクティブになるかを決定する、スイッチ制御モジュール2040を提供する。一部の実装では、構成要素2018〜2040は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらの構成要素のうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、1つの半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。
【0201】
入力処理モジュール2018は、入力処理モジュール718と同様に、画像信号2017を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイを介した表示のために適したフォーマットにする。入力処理モジュール2018は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。さまざまな実施形態において、入力処理モジュール2018は、画像信号2017を、符号化されていないサブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、入力処理モジュール2018は、画像信号2017を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0202】
入力処理モジュール2018は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール2020に出力する。メモリ制御モジュール2020は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ2022内に記憶する。フレームバッファは、ランダムアクセスメモリであることが好ましいが、その他のタイプのシリアルメモリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。メモリ制御モジュール2020は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール2020は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ2022は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0203】
メモリ制御モジュール2020は、タイミング制御モジュール2024からの命令があり次第、フレームバッファ2022からサブ画像データセットを取り出して、それらをデータドライバに出力することも担当する。データドライバは、メモリ制御モジュール2020によって出力されたデータを、光変調器のアレイの、光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール2020は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ2022は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール2020は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイに出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0204】
「サブフレームデータセット出力シーケンス」と呼ばれる、サブ画像データセットが出力される順序と、メモリ制御モジュール2022が各サブ画像データセットの出力を開始する時とは、少なくとも部分的には、代替のスケジュールテーブルストア2026、2027、2028、および2029のうちの1つの中に記憶されたデータによって制御される。スケジュールテーブルストア2026〜2029のそれぞれは、各サブフレームデータセットに関連付けられた少なくとも1つのタイミング値と、サブ画像データセットが記憶されたフレームバッファ2022内の場所を示す識別子と、サブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。一部の実装では、スケジュールテーブルストア2026〜2029は、さらに、特定のサブフレームデータセットについて、対応するランプが点灯されるべき強度を示す、強度値も記憶する。
【0205】
一実装では、スケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶されたタイミング値は、サブフレームデータセットを使用した、光変調器のアレイのアドレス指定を、いつ開始するかを決定する。別の実装では、タイミング値は、サブフレームデータセットに関連付けられたランプが、いつ点灯および/または消灯されるべきかを決定するために使用される。一実装では、タイミング値は、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0206】
さまざまなスケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶される別個のタイミング値は、例えば、フレームレート、ランプ輝度、達成可能なグレースケール精度の特性において、または表示される色の飽和度において異なる、表示モード間などの、別個の画像化アルゴリズム間の、選択肢を提供する。複数のスケジュールテーブルの記憶は、したがって、画像を表示する方法における柔軟性、特に、携帯用電子機器内で使用するための、電力を節約する方法を提供する場合に特に有利な柔軟性を、提供する。直視型ディスプレイ2000は、メモリ内に記憶された、4つの固有のスケジュールテーブルを含む。他の実装では、記憶される別個のスケジュールの数は、2、3、または任意のその他の数であってもよい。例えば、100個もの数の固有のスケジュールテーブルストアについて、スケジュールパラメータを記憶することが有利な場合がある。
【0207】
コントローラ2000内に記憶された複数のスケジュールテーブルは、画像品質と消費電力との間のトレードオフの利用を可能にする。より濃い飽和色の表示を必要としない、一部の画像については、輝度を提供するために、白色ランプまたは混合色に依拠することが可能である(特に、これらのカラー方式が、電力効率がより良い可能性がある場合)。同様に、すべての画像またはアプリケーションが1600万色の表示を必要とするわけではない。一部の画像またはアプリケーションについては、250,000色のパレットで十分な場合がある(色ごとに6ビット)。他の画像またはアプリケーションについては、わずか4000色(色ごとに4ビット)または500色(色ごとに3ビット)に制限された色の範囲で十分な場合がある。省電力の機会を利用するために、表示の柔軟性を提供するための電子回路を、直視型MEMSディスプレイコントローラ内に含めることは有利である。
【0208】
MEMS直視型ディスプレイ内の画像品質および消費電力の両方に影響を与える変数の多くは、スケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶されたタイミングおよびビットプレーンパラメータによって統御される。タイミング制御モジュール2024内に記憶されたシーケンシングコマンドとともに、これらのパラメータは、コントローラ2000が、ランプ強度、フレームレート、(サブフィールド内でのランプ色の混合に基づく)色のさまざまなパレット、または(画像フレームを表示するために使用されるビットプレーンの数に基づく)さまざまなグレースケールビット深度についての、変更を出力することを可能にする。
【0209】
一実装では、各スケジュールテーブルは、異なる表示プロセスに対応する。例えば、スケジュールテーブル2026は、約1600万色(色ごとに8ビット)を、高い色飽和度とともに生成することが可能な表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2027は、例えば20フレーム/秒未満の、非常に低いフレームレートまたはリフレッシュレートを有する、白黒(例えば、テキスト)画像のみに適した表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2028は、輝度が重要視され、しかしそれにもかかわらず、バッテリ電力は節約されなければならない、カラーまたはビデオ画像の屋外での表示に適した表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2029は、ビデオを除く、ほとんどのアイコンまたはテキストタイプの情報に適した、読みやすい、低電力の表示を提供する、制限された色の選択肢(例えば、4000)を提供する表示プロセスに対応する。スケジュールテーブルストア2026〜2029によって表される表示プロセスのうち、スケジュールテーブル2026によって表される表示プロセスは、最も多くの電力を必要とするのに対して、スケジュールテーブル2027によって表される表示プロセスは、最も少ない電力を必要とする。スケジュールテーブル2028および2029に対応する表示プロセスは、その他の表示プロセスによって必要とされる電力消費の、中間の電力消費を必要とする。
【0210】
コントローラ2000内で、任意の所与の画像フレームについて、タイミング制御モジュール2024は、その表示プロセスパラメータまたは定数を、4つの可能なシーケンステーブルのうちの1つのみから導き出す。スイッチ制御モジュール2040は、シーケンステーブルのうちのいずれが、タイミング制御モジュール2040によって参照されるかを統御する。このスイッチ制御モジュール2040は、ユーザ制御されるスイッチであってもよく、あるいは、MEMSディスプレイ装置と同じハウジング内に含まれるか、またはその外部にあってもよい、外部プロセッサ(「外部モジュール」と呼ばれる)からのコマンドに応答してもよい。外部モジュールは、例えば、表示される情報がテキストであるか、またはビデオであるかを、あるいは、表示される情報がカラーでなければならないか、または厳密に白黒でなければならないかを決定してもよい。一部の実施形態では、スイッチコマンドは、入力処理モジュール2018からもたらされてもよい。ユーザからの、または外部モジュールからの命令に応答して、スイッチ制御モジュール2040は、所望の表示プロセスまたは表示パラメータに対応するスケジュールテーブルストアを選択する。
【0211】
図21は、本発明の例示的実施形態による、図20のコントローラ2000などの、直視型ディスプレイによる使用に適した、画像を表示するためのプロセス2100(「表示プロセス2100」)のフローチャートである。図20および図21を参照すると、表示プロセス2100は、画像フレームの表示において使用するための適切なスケジュールテーブルの選択(ステップ2102)から始まる。例えば、選択は、スケジュールテーブルストア2026〜2029の間で行われる。この選択は、入力処理モジュール2018によって、または直視型MEMSディスプレイが組み込まれている装置の別の部分内のモジュールによって行われてもよく、あるいは、装置のユーザによって直接行われてもよい。入力処理モジュールまたは外部モジュールによって、スケジュールテーブル間での選択が行われる場合、その選択は、表示される画像のタイプに応じて行われてもよい(例えば、ビデオまたは静止画像は、(テキスト画像などの)限られた数のコントラストレベルしか必要としない画像に対比して、より詳細なレベルのグレースケールコントラストを必要とする)。画像化モードまたはスケジュールテーブルの選択に影響を及ぼす可能性がある別の要因は、ユーザによる直接選択の場合でも、外部モジュールによる自動的な選択の場合でも、照明環境であってもよい。例えば、ディスプレイが明るい日光の環境内で対抗しなければならない屋外に対比して、屋内またはオフィス環境内で表示される場合のディスプレイのために、1つの輝度が好まれてもよい。より明るいディスプレイは、直射日光の環境内で視認可能である可能性がより高いが、より明るいディスプレイは、より多くの量の電力を消費する。外部モジュールは、環境光に基づいてスケジュールテーブルを選択する場合、組み込まれた光検出器を介して受信する信号に応えて、その決定を行ってもよい。画像化モードまたはスケジュールテーブルの選択に影響を及ぼす可能性がある別の要因は、ユーザによる直接選択の場合でも、外部モジュールによる自動的な選択の場合でも、ディスプレイが組み込まれている装置に電力を供給しているバッテリ内に蓄積されたエネルギーのレベルであってもよい。バッテリがそれらの蓄積能力の終わりに近付くに従って、バッテリの寿命を延ばすために、より少ない電力を消費する画像化モードに切り換えることが好ましい場合がある。
【0212】
選択ステップ2102は、4つのスケジュールテーブルストア2026〜2029のうちの1つのみへの、タイミング制御モジュール2024内での参照を変更する、メカニカルリレーを用いて達成されてもよい。あるいは、選択ステップ2102は、スケジュールテーブルストア2026〜2029のうちの1つの位置を示すアドレスコードの受信によって達成されてもよい。タイミング制御モジュール2024は、次に、スイッチ制御モジュール2040を介して受信した選択アドレスを利用して、そのスケジュールパラメータのための正しいメモリソースを示す。あるいは、タイミング制御モジュール2024は、メモリ制御回路に類似したマルチプレクサ回路を用いてメモリ内に記憶された、スケジュールテーブルへの参照を行ってもよい。スイッチ制御モジュール2040によってコントローラ2000内に選択コードが入れられたら、タイミング制御モジュール2024によって要求されたスケジュールテーブルパラメータがメモリ内の正しいアドレスに送られるように、マルチプレクサは再設定される。
【0213】
プロセス2100は、次に、画像フレームのためのデータの受信を継続する。データは、ステップ2104において、入力線2017を用いて、入力処理モジュール2018によって受信される。入力処理モジュールは、次に、例えばビットプレーンなどの、複数のサブフレームデータセットを導き出して、それらをフレームバッファ2022内に記憶する(ステップ2106)。サブフレームデータセットの記憶の後、タイミング制御モジュール2024は、ステップ2108における、サブフレームデータセットのそれぞれの、それらの正しい順序での、選択されたスケジュールテーブル内に記憶されたタイミング値に従った、表示に進む。
【0214】
プロセス2100は、次に、画像データの後続のフレームの受信を反復して継続する。ステップ2104における画像データの受信から、ステップ2108におけるサブフレームデータセットの表示までのシーケンスは、多数回繰り返されてもよく、表示される各画像フレームは、同じ選択されたスケジュールテーブルによって統御される。このプロセスは、後で、例えばステップ2102を繰り返すことによって、新しいスケジュールテーブルの選択が行われるまで継続されてもよい。あるいは、入力処理モジュール2018は、受信する各画像フレームについてスケジュールテーブルを選択してもよく、または、入力画像データを定期的に調べて、スケジュールテーブルの変更が適切かどうかを判定してもよい。
【0215】
図22は、本発明の例示的実施形態による、MEMS直視型ディスプレイ内に含めるのに適した、コントローラ2200のブロック図である。例えば、コントローラ2200は、MEMS直視型ディスプレイ700のコントローラ704に取って代わってもよい。コントローラ2200は、外部ソースから画像信号2217を受信し、そのコントローラが含まれているディスプレイの、ドライバと、光変調器と、ランプとを制御するための、データおよび制御信号の両方を出力する。
【0216】
コントローラ2200は、入力処理モジュール2218と、メモリ制御モジュール2220と、フレームバッファ2222と、タイミング制御モジュール2224とを含む。コントローラ704および2000とは異なり、コントローラ2200は、シーケンスパラメータ計算モジュール2228を含む。シーケンスパラメータ計算モジュールは、入力処理モジュール2218から監視データを受信し、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたシーケンシングパラメータへの変更を、および一部の実施形態では、所与の画像フレームについて記憶されたビットプレーンへの変更を、出力する。一部の実装では、構成要素2218、2220、2222、2224、2226、および2228は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらの構成要素のうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、1つの半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。
【0217】
入力処理モジュール2218は、画像信号2217を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイを介した表示のために適したフォーマットにする。入力処理モジュール2218は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。サブフレームデータセットは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を含む。画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットの数および内容は、コントローラ2200によって使用されるグレースケール技術によって異なる。例えば、符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを形成するために必要なサブフレームデータセットは、符号化されていない時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットとは、数および内容が異なる。さまざまな実施形態において、入力処理モジュール2218は、画像信号2217を、符号化されていないサブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、入力処理モジュール2218は、画像信号2217を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0218】
入力処理モジュール2218は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール2220に出力する。メモリ制御モジュール2220は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ2222内に記憶する。メモリ制御モジュール2220は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール2220は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ2222は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0219】
メモリ制御モジュール2220は、タイミング制御モジュール2224からの命令があり次第、フレームバッファ2222からビットプレーンの組を取り出して、それらをデータドライバ2208に出力することも担当する。データドライバ2208は、メモリ制御モジュール2220によって出力されたデータを、光変調器のアレイの、光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール2220は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ2222は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール2220は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイに出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0220】
「サブフレームデータセット出力シーケンス」と呼ばれる、サブ画像データセットが出力される順序と、メモリ制御モジュール2220が各サブ画像データセットの出力を開始する時とは、少なくとも部分的には、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたデータによって制御される。スケジュールテーブルストア2226は、各サブフレームデータセットに関連付けられた少なくとも1つのタイミング値と、サブ画像データセットが記憶されたフレームバッファ2222内の場所を示す識別子と、サブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。一部の実装では、スケジュールテーブルストア2226は、さらに、特定のサブフレームデータセットについて、対応するランプが点灯されるべき強度を示す、強度値も記憶する。
【0221】
一実装では、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたタイミング値は、各サブフレームデータセットを使用した、光変調器のアレイのアドレス指定を、いつ開始するかを決定する。別の実装では、タイミング値は、サブフレームデータセットに関連付けられたランプが、いつ点灯および/または消灯されるべきかを決定するために使用される。一実装では、タイミング値は、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0222】
コントローラ2200は、再構成可能なスケジュールテーブルストア2226を含む。コントローラ704および2000に関して上述したように、スケジュールテーブルストア2226は、柔軟な、またはプログラム可能な構成要素をコントローラに提供する。インタフェース730などの、プログラミングリンクは、コントローラ704内のスケジュールテーブルストア726が、さまざまなランプ強度、フレームレート、カラー方式、またはグレースケールビット深度に従って、変更されること、または再プログラムされることを可能にした。コントローラ2200内のスケジュールテーブルストア2226について、表示プロセスへの同様の変更が可能であるが、ここでは、それらの変更は、個々の画像フレームの要求に応じて、入力処理モジュール2218によって検出されたそれらの画像フレームの特性に基づいて、自動的に発生するという点が異なる。
【0223】
画像フレーム内に含まれるデータに基づいて、ランプ輝度、色飽和度、およびビット深度などの変数を制御することによって、画像内に認められるいかなる変化またはひずみもなしに、ディスプレイ内の消費電力を減らすことがしばしば可能である。この理由は、多くの画像は、ランプからのフル輝度を必要としないため、あるいは、最大深度または最大飽和度の色を必要としないため、あるいは、限られた数のグレースケールレベルのみを必要とするためである。コントローラ2200は、画像フレーム内のデータに基づいて、画像フレームのための表示要件を検出し、スケジュールテーブルストア2226への変更によって、表示アルゴリズムを適合させるように構成される。
【0224】
入力画像データの内容に基づいてコントローラ2200が表示特性を適合させることを可能にする方法を、図23に、表示方法2300として示す。表示方法2300は、本発明の例示的実施形態による、図22のMEMS直視型ディスプレイ2200などのMEMS直視型ディスプレイによる使用に適している。図22および図23を参照すると、表示方法2300は、ステップ2302における、画像フレームのためのデータの受信から始まる。データは、入力線2217を用いて、入力処理モジュール2218によって受信される。入力処理モジュール2218は、例えばビットプレーンなどの、複数のサブフレームデータセットをデータから導き出して、フレームバッファ2222内にビットプレーンを記憶する。ただし、さらに加えて、ステップ2306におけるビットプレーンの記憶の前の、ステップ2304において、入力処理モジュールは、入力画像の内容を監視および解析して、その画像の表示に影響を与える可能性のある特性を探す。例えば、ステップ2304において、入力処理モジュールは、画像フレーム内の、最大飽和度の色を有する1つまたは複数のピクセルを、すなわち、1つの色からの、バランスの取れていない大きな輝度値を必要とするピクセル(同じ画像フレーム内で、他のカラーランプからの、同じピクセル内での点灯を要求することによって、希釈される、または非飽和にされるピクセル)を、記憶してもよい。入力データ監視の別の例では、入力処理モジュール2218は、色飽和度に関係なく、それぞれのランプに要求される最も高い輝度値を有するピクセルを、記憶してもよい。
【0225】
完全な画像フレームが受信され、フレームバッファ2222内に記憶された後で、方法2300はステップ2308に進む。ステップ2308において、シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、ステップ2304において収集されたデータを評価して、シーケンステーブル2226内の値を調節することによって実施されてもよい、表示プロセスへの変更を識別する。シーケンステーブル2226への変更は、次に、ステップ2310において、テーブル2226内に記憶されたパラメータのうちの特定のものを書き換えることによって影響を及ぼされる。最後に、ステップ2312において、方法2300は、スケジュールテーブル2226内で再プログラムされた、順序付けパラメータとタイミング値とに従った、サブ画像の表示に進む。
【0226】
方法2300は、次に、画像データの後続のフレームの受信を反復して継続する。方法800において示したように、受信するプロセス(ステップ2302)と画像データを表示するプロセス(ステップ2312)とは並列に実行されてもよく、その際には、再プログラムされたスケジュールテーブルに従って1つの画像が一方のバッファメモリのデータから表示されるのと同時に、新しいサブフレームデータセットが解析されて並列バッファメモリ内に記憶されてもよい。ステップ2302における画像データの受信から、ステップ2312におけるサブフレームデータセットの表示までのシーケンスは、無期限に繰り返されてもよく、その場合、表示される各画像フレームは、入力データに応じて再プログラムされるスケジュールテーブルによって統御される。
【0227】
方法2300が、ステップ2304において収集されるデータに応じて、スケジュールテーブルストア2226内の表示特性を調節することによって、消費電力を減らすことがいかにして可能であるかの、いくつかの例を考慮することは有益である。これらの例は、適応的電力方式(adaptive power scheme)と呼ばれる。
【0228】
入力画像データに応じた適応的電力のための一方式では、ステップ2304におけるデータ監視は、各フレーム内の、最大飽和度の色を有するピクセルを検出する。フレームのために必要とされる最大飽和度の色が、カラーランプから得られる飽和度の82%にすぎないと判定された場合、画像によって要求される82%の飽和度レベルを引き続き提供しながら、電力が節約されることが可能なように、ビットプレーンに提供される色を混合し直すことが可能である。各フレーム内の主要な色に、例えば、従属する赤、緑、または青の色を追加することによって、ディスプレイ内の電力は節約されてもよい。この例では、シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、許容される混色の程度を示す信号を、入力処理モジュール2218から受信する。フレームが表示される前に、シーケンスパラメータ計算モジュールは、各ビットプレーンにおける混色を決定する、シーケンステーブル2226内の強度パラメータを書き換え、それに対応して、色は非飽和にされ、電力が節約される。
【0229】
別の適応的電力方式では、画像が、ビデオまたは写真画像とは対照的に、テキストまたはテキストと記号とのみからなるかどうかを判定するプロセスが、シーケンスパラメータ計算モジュール2228内で提供される。シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、次に、シーケンステーブル内のパラメータを、それに応じて書き換える。テキスト画像、特に白黒テキスト画像は、ビデオ画像ほど頻繁にリフレッシュされる必要はなく、そして通常は、限られた数の、異なる色またはグレーシェードのみを必要とする。シーケンスパラメータ計算器2228は、したがって、フレームレートと、各画像フレームのために表示されるサブ画像の数との両方を、調節してもよい。テキスト画像は、表示プロセスにおいて、写真画像よりも少ない数のサブ画像を必要とする。
【0230】
さらに別の適応的電力方式では、ステップ2304における監視機能は、各ピクセル内の各色による最大強度を解析するか、または調べる。いずれのピクセルについても、いずれのランプからも、輝度の65%以下しか必要としない画像が表示されるべきであるならば、場合によっては、ランプの平均強度をそれに応じて減らすことによって、その画像を正しく表示することが可能である。スケジュールテーブルストア2226内のランプ強度値は、シーケンスパラメータ計算モジュール2228内のコマンドの組によって減らされてもよい。
【0231】
付属書類1
付属書類1は、本発明のタイミングシーケンスのための実施形態を表現する、スケジュールテーブル9を用いて表現されるタイミングシーケンス3000を提示する。
【0232】
付属書類1のタイミングシーケンス3000は、30Hzのフレームレート(例えば、vsyncパルスの間が33.3ミリ秒)における画像情報の表示に適合し、赤、緑、および青の色のそれぞれについての、7ビットの表示を含む。タイミングシーケンス3000は、アレイ内の変調器状態の設定に関連する、以下のパラメータによって制約される。
・完全なビットプレーンをアレイにロードするために、240マイクロ秒が必要とされる
・1つのバンク(奇数または偶数)の行のみにビットプレーンをロードするために、120マイクロ秒が必要とされる
・大域的作動のために、100マイクロ秒が必要とされる
【0233】
タイミングシーケンス3000のためのスケジュールテーブルは、サブ画像の表示のためにタイミング制御モジュール724によって必要とされる、以下の情報を含む。
・サブフィールド番号
・ビットプレーン間隔(大域的作動パルスの間の経過時間)
・ビットプレーンのメモリ位置のための、それらの割り当てられたバンクによって区別された、英数字コード(例えば、R0、R1、R2、...R6)
・照射強度
【0234】
タイミングシーケンス3000のためのスケジュールテーブルは、アドレス指定時間と照射時間との間を区別しない。代わりに、タイミング制御モジュール724内のロジックは、各ビットプレーン間隔が、大域的作動イベントの完了直後に始まると仮定する。大域的作動の後の、シーケンスの最初の動作において、表9内に示された強度値に従ってランプが点灯される。
【0235】
タイミングシーケンス3000は、前に説明した、以下の特徴を含む。タイミングシーケンス1200と同様に、タイミングシーケンス3000を使用するディスプレイは、大域的作動の機能を含む。タイミングシーケンス3000を使用するディスプレイは、奇数および偶数バンクのそれぞれのための、2つの独立した大域的作動回路を含む。タイミングシーケンス3000は、タイミングシーケンス1450で説明したものに類似した、ランプの制御のための方式を含み、その方式では、照射値を表すためにパルス期間とパルス強度との両方が使用される。タイミングシーケンス3000は、タイミングシーケンス1700におけるのと同様に、色の混合が可能であるが、本実施形態では、一度に1つのランプのみが点灯される。
【0236】
タイミングシーケンス3000は、バンク別アドレス指定を含む。下位ビットプレーン(例えば、R0、R1、R2、およびR3)は、所与のバンク(例えば、奇数行)内で、常に連続的に表示され、下位ビットプレーンのこのシーケンスは、他方のバンク内(例えば、偶数行内)で最上位ビット(例えば、R6)が照射されるのと同時に照射される。
【0237】
タイミングシーケンス3000は、最上位ビット(例えば、R6、G6、およびB6)を、4つの別個の、しかし等しく時間が定められたサブ画像に分割する。タイミングシーケンスは、色の間の最大期間1.38ミリ秒で、頻繁に色を順に交代させる。最上位ビットの表示の間の時間は、最上位ビットの連続するペア間で、必ずしも等しいとは限らないが、最上位ビット間の期間が4.16ミリ秒よりも大きくなることは決してない。
【0238】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【0239】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の例示的実施形態による、直視型MEMSベースディスプレイの概略図である。
【図2A】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、例示的なシャッタベースの光変調器の斜視図である。
【図2B】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、ローラーシェードベースの光変調器の断面図である。
【図2C】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、光タップベースの光変調器の断面図である。
【図2D】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、エレクトロウェッティングベースの光変調器の断面図である。
【図3A】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内に組み込まれた光変調器の制御に適した、制御マトリクスの概略図である。
【図3B】本発明の例示的実施形態による、図3Aの制御マトリクスに接続されたシャッタベースの光変調器のアレイの斜視図である。
【図3C】本発明の例示的実施形態による、バックライトの上に配置された、図3Bに示す光変調器のアレイを含む、直視型ディスプレイの部分を示す。
【図3D】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内に含めるための、別の好適な制御マトリクスの概略図である。
【図4】フィールド順次式カラー技術を使用してディスプレイ上に画像を表示するための方法の、タイミング図である。
【図5】時分割グレースケール技術を使用してディスプレイ上に画像を表示するための方法の、タイミング図である。
【図6A】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置によって受信されるディジタル画像信号の概略図である。
【図6B】本発明の例示的実施形態による、受信された画像信号をビットプレーンに変換するために役立つメモリバッファの概略図である。
【図6C】本発明の例示的実施形態による、2つのビットプレーンの部分の概略図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置のブロック図である。
【図8】本発明の例示的実施形態による、図6のディスプレイ装置による使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【図9】本発明の例示的実施形態による、図7の方法の第1の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図10】本発明の例示的実施形態による、図9の方法内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図11】本発明の例示的実施形態による、図8の方法の第2の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図12】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第1の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図13】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第2の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第3の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第4の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14C】本発明の例示的実施形態による、ランプのためのさまざまなパルスプロファイルを示す。
【図15】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第4の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図16】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第5の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図17】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第6の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図18】本発明の例示的実施形態による、図8の方法の第3の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図19】本発明の例示的実施形態による、図18の方法の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図20】本発明の例示的実施形態による、図1のディスプレイ装置内に含めるのに適したコントローラのブロック図である。
【図21】本発明の例示的実施形態による、図20のコントローラによる使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【図22】本発明の例示的実施形態による、図1のディスプレイ装置内に含めるのに適した第2のコントローラのブロック図である。
【図23】本発明の例示的実施形態による、図22のコントローラによる使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【関連出願の相互参照】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年12月19日出願の「Methods and Apparatus for a Backlight for Color Displays」と題された米国仮特許出願第60/751,909号の優先権と利益とを主張するものである。
【0002】
本出願は、さらに、2006年2月24日出願の「Methods and Apparatus for a Backlight for Color Displays」と題された米国仮特許出願第60/776,367号の優先権と利益とを主張するものである。
【0003】
本出願は、さらに、2006年2月23日出願の「Devices Having MEMS Displays」と題された米国特許出願第11/361,294号(2006年9月21日に米国特許出願公開第20060209012A1として公開されており、2005年2月23日出願の米国仮特許出願第60/655,827号および2005年4月29日出願の米国仮特許出願第60/676,053号の優先権と利益とを主張する)の一部継続出願であり、その利益を主張するものである。
【0004】
上記出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に援用されるものとする。
【技術分野】
【0005】
発明の分野
一般に、本発明は、画像ディスプレイの分野に関し、特に、本発明は、画像ディスプレイ内に組み込まれた光変調器を制御するための、制御回路およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0006】
発明の背景
機械的光変調器から構築されたディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの、魅力的な代替選択肢である。機械的光変調器は、映像コンテンツを、良好な視野角と、広範なカラーおよびグレースケールとを伴って表示するために十分高速である。機械的光変調器は、投写型ディスプレイの適用例において成功を収めてきた。機械的光変調器を使用する直視型ディスプレイが、輝度と低電力との十分に魅力的な組み合わせであることはまだ示されていない。
【0007】
シリコン基板から切り取られた比較的小さなダイ上にスイッチング回路と光変調器とが構築されることが可能な、投射型ディスプレイとは対照的に、ほとんどの直視型ディスプレイは、はるかに大きな基板上での光変調器の製造を必要とする。その上、多くの場合、特にバックライト付き直視型ディスプレイについては、制御回路と光変調器との両方が、透明基板上に形成されることが好ましい。結果として、多くの一般的な半導体製造プロセスは適用できず、スイッチング回路は、多くの場合、それに応じて設計し直される必要がある。詳細な画像を、豊富なレベルのグレースケールとコントラストとともにもたらす、スイッチング回路と組み合わせた表示プロセスを組み込んだ、MEMS直視型ディスプレイが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
概要
高速で、明るく、低電力の、機械的に作動させられる直視型ディスプレイが、当業界で必要とされている。特に、改良された画像品質と、低減された消費電力とのために、高速に、かつ低電圧で駆動されることが可能な、透明基板上に構築された直視型ディスプレイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成される)を含み、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝え、各光変調器について、トランジスタとコンデンサとを含んでもよい。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、入力と、プロセッサと、メモリと、出力とを含む。入力は、直視型ディスプレイ上での表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信する。プロセッサは、画像データから、複数のサブフレームデータセットを導き出す。各サブフレームデータセットは、アレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示す。メモリは、複数のサブフレームデータセットを記憶する。出力は、光変調器を、サブフレームデータセット内で示された状態にするために、出力シーケンスに従って、複数のサブフレームデータセットを出力する。複数のサブフレームデータセットは、画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つのための、または画像フレームの4つの色成分のための、別個のサブフレームデータセットを含んでもよく、4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなってもよい。
【0010】
一実施形態では、出力シーケンスは、サブフレームデータセットに対応する複数のイベントを含む。コントローラは、少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられた、さまざまな時間値を記憶する。時間値は、変調器が状態を変更する間の、アレイの照射を防止するように選択されてもよく、複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットの出力の結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連してもよい。直視型ディスプレイは、複数のランプを含んでもよく、その場合、コントローラは、出力シーケンス内に含まれるランプ点灯イベントおよび/またはランプ消灯イベントに関連付けられた時間値を記憶してもよい。出力シーケンスは、アドレス指定イベントを含んでもよく、その場合、コントローラは、アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する。
【0011】
別の実施形態では、出力シーケンスは、少なくとも部分的に、メモリ内に記憶される。直視型ディスプレイは、出力シーケンスへの変更を受信するための、外部プロセッサへのデータリンクを含んでもよい。直視型ディスプレイは複数のランプを含んでもよく、その場合、出力シーケンスは、ランプ点灯シーケンスを含む。ランプ点灯シーケンスは、出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、時間の長さ、および/または強度に対応するデータを含んでもよい。ランプ点灯シーケンス内の、各サブフレームデータセットについてランプが点灯される時間の長さは、好ましくは、4ミリ秒以下である。
【0012】
別の実施形態では、プロセッサは、画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解し、複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に重みを割り当てることによって、複数のサブフレームデータセットを導き出す。コントローラは、サブフレーム画像に割り当てられた重みに比例した長さの時間にわたって、かつ/または、サブフレーム画像に割り当てられた重みに比例した照射強度で、サブフレーム画像が照射されるようにしてもよい。プロセッサは、符号化方式に従って、重みを割り当ててもよい。一実装では、符号化方式は2進符号化方式であり、サブフレームデータセットはビットプレーンであり、画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される。最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与してもよい。出力シーケンスに従って、画像フレームの少なくとも1つの色成分の最上位サブ画像に対応するビットプレーンは、25ミリ秒以下の間隔であってもよい、2つの別個の時間において出力されてもよい。画像フレームの色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第1の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内であることが好ましい。
【0013】
別の実施形態では、画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットは、画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットの前に出力され、そして、画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットは、画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットの後で出力される。単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯されてもよく、1つの色のランプは、その他の色のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯されてもよい。
【0014】
別の実施形態では、直視型ディスプレイは、複数の代替の出力シーケンスを記憶するためのメモリを含み、そして、出力シーケンスと、複数の代替の出力シーケンスとの間を切り換えるための、出力シーケンス切り換えモジュールを含んでもよい。出力シーケンス切り換えモジュールは、プロセッサに応答してもよく、直視型ディスプレイ内に含まれるユーザインタフェースに応答してもよく、かつ/または、直視型ディスプレイが組み込まれている装置内に含まれる、コントローラの外部にある、第2のプロセッサから受信した命令に応答してもよい。ユーザインタフェースは、手動スイッチであってもよい。
【0015】
別の実施形態では、直視型ディスプレイは、出力シーケンスへの変更を導き出すための、シーケンスパラメータ計算モジュールを含む。受信した画像フレームの特性に基づいて、シーケンスパラメータ計算モジュールは、出力シーケンスへの変更、出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更、および/または、サブフレームデータセットへの変更を導き出してもよい。直視型ディスプレイは複数のランプを含んでもよく、その場合、シーケンスパラメータ計算モジュールは、出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出してもよい。
【0016】
別の実施形態では、光変調器のアレイは、複数の独立に作動可能な、光変調器のバンクを含む。制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を含んでもよく、ここで、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する。複数のバンクは、アレイ内で相互に隣接して配置されてもよい。あるいは、光変調器の各バンクは、アレイ内の複数の行を含んでもよく、ここで、バンクは、アレイ内で相互に織り合わされていてもよい。一実装では、バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、バンクのうちのもう1つの中での、その有意値と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、そして、その重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である。
【0017】
別の実施形態では、光変調器はシャッタを含む。シャッタは、画像フレームを形成するために、光を選択的に反射してもよく、かつ/または、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させてもよい。シャッタは、基板に対して横方向に駆動されてもよい。別の実施形態では、光変調器は、反射型光変調器である。別の実施形態では、光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる。別の実施形態では、光ガイドが、光変調器のアレイに隣接して配置される。
【0018】
別の実施形態では、出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む。直視型ディスプレイは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の光変調器を実質的に同時に作動させるための、光変調器のアレイに結合された大域的作動相互接続を含んでもよい。
【0019】
本発明の別の態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成され、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい)、少なくとも3つの色のランプとを含む。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝える。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、さらに、画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して光変調器のアレイを照射するように、ランプの点灯を制御する。光変調器のアレイを照射している色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度であってもよい。
【0020】
本発明の別の態様は、直視型ディスプレイ上に画像フレームを表示するための方法を含む。方法は、画像フレームを符号化した画像データを受信するステップと、画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すステップと、複数のサブフレームデータセットをメモリ内に記憶するステップと、出力シーケンスに従って複数のサブフレームデータセットを出力するステップとを含む。各サブフレームデータセットは、透明基板上に形成された光変調器アレイの、複数行および複数列内のMEMS光変調器の、所望の状態を示す。複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、MEMS光変調器を、各サブフレームデータセット内で示された所望の状態にし、そしてこのステップは、透明基板上に形成された制御マトリクスを介して光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様では、直視型ディスプレイは、MEMS光変調器のアレイと、制御マトリクスと(両方とも透明基板上に形成される)を含み、光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい。制御マトリクスは、データおよび作動電圧をアレイに伝える。直視型ディスプレイは、さらに、アレイ内の光変調器のそれぞれの状態を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、さらに、画像を表示するために、少なくとも4つの色のランプの点灯を制御する。ランプは、少なくとも、赤のランプと、緑のランプと、青のランプと、白のランプとを含んでもよい。ランプは、少なくとも、赤のランプと、緑のランプと、青のランプと、黄のランプとを含んでもよい。直視型ディスプレイは、3色画像データを4色画像データに変換するためのプロセッサを含んでもよい。
【0022】
本発明の別の態様は、直視型ディスプレイ上に画像を表示するための方法を含む。方法は、透明基板上に形成された光変調器アレイ内のMEMS光変調器の状態を制御するステップと(MEMS光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされてもよい)、透明基板上に形成された制御マトリクスを介して、光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップと、画像を表示するために、少なくとも4つの色のランプの点灯を制御するステップとを含む。
【0023】
以下の詳細な説明においては、添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
詳細な説明
図1は、本発明の例示的実施形態による、直視型MEMSベースディスプレイ装置100の概略図である。ディスプレイ装置100は、行および列内に配置された複数の光変調器102a〜102d(一般に「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100内で、光変調器102aおよび102dは、開状態になっており、光を通過させる。光変調器102bおよび102cは、閉状態になっており、光の通過を妨げている。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、ディスプレイ装置100は、バックライト付きディスプレイで、1つまたは複数のランプ105によって照射された場合に、画像104を形成するために利用されることが可能である。別の実装では、装置100は、装置の前方からもたらされる環境光の反射によって画像を形成してもよい。別の実装では、装置100は、ディスプレイの前方に配置された1つまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわち、フロントライトの使用によって、画像を形成してもよい。
【0025】
ディスプレイ装置100内で、各光変調器102は、画像104内のピクセル106に対応している。他の実装では、ディスプレイ装置100は、画像104内のピクセル106を形成するために、複数の光変調器を利用してもよい。例えば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含んでもよい。特定のピクセル106に対応する色固有光変調器102のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104内にカラーピクセル106を生成することが可能である。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104内にグレースケールを提供するために、ピクセル106につき2つ以上の光変調器102を含む。画像に関しては、「ピクセル」は、画像の解像度によって定義される最小の画素に対応する。ディスプレイ装置100の構造部品に関しては、用語「ピクセル」は、画像の1つのピクセルを形成する、光を変調するために利用される、機械的および電気的構成要素の組み合わせを意味する。
【0026】
ディスプレイ装置100は、投射型適用例のために必要な結像光学系を必要としないという点において、直視型ディスプレイである。投射型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面上に形成された画像が、スクリーン上に、または壁上に投射される。ディスプレイ装置は、投射される画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、光変調器と、任意選択で、ディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを向上させるためのバックライトまたはフロントライトとを含む、ディスプレイ装置を直接見ることによって、ユーザは画像を見る。
【0027】
直視型ディスプレイは、透過型または反射型モードのいずれかで動作してもよい。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの背後に配置された1つまたは複数のランプからもたらされる光を、フィルタリングするか、または選択的にブロックする。ランプからの光は、各ピクセルが均一に照射されることが可能なように、任意選択で、光ガイドまたは「バックライト」内に注入される。透過型の直視型ディスプレイは、多くの場合、光変調器を含む1つの基板がバックライトのすぐ上に配置される、サンドイッチ組立体配置を容易にするために、透明またはガラス基板上に構築される。
【0028】
各光変調器102は、シャッタ108と、アパーチャ109とを含む。画像104内のピクセル106を明るくするためには、シャッタ108は、見る人に向けて光をアパーチャ109に通過させるように配置される。ピクセル106を点灯されていないままにするためには、シャッタ108は、アパーチャ109を通した光の通過を妨げるように配置される。アパーチャ109は、各光変調器102内に、反射性または光吸収性材料を貫通してパターン形成された、開口部によって定義される。
【0029】
ディスプレイ装置は、さらに、シャッタの移動を制御するための、基板と光変調器とに接続された制御マトリクスを含む。制御マトリクスは、ピクセルの行につき少なくとも1つの書き込み許可相互接続110(「走査ライン相互接続」とも呼ばれる)と、ピクセルの各列について1つのデータ相互接続112と、すべてのピクセルに、または少なくとも、ディスプレイ装置100内の複数列および複数行の両方からのピクセルに、共通電圧を提供する、1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気的相互接続(例えば、相互接続110、112、および114)を含む。適切な電圧(「書き込み許可電圧、Vwe」)の印加に応えて、所与のピクセル行についての書き込み許可相互接続110は、行内のピクセルを、新しいシャッタ移動命令を受け入れるように準備させる。データ相互接続112は、新しい移動命令を、データ電圧パルスの形態で伝える。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、一部の実装では、シャッタの静電的な移動に直接寄与する。他の実装では、データ電圧パルスは、光変調器102への、通常はデータ電圧よりも大きさが大きい別個の作動電圧の印加を制御する、例えばトランジスタまたはその他の非線形回路素子などのスイッチを制御する。これらの作動電圧の印加は、次に、シャッタ108の静電的に駆動された移動をもたらす。
【0030】
図2Aは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、例示的なシャッタベースの光変調器200の斜視図である。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッタ202を含む。アクチュエータ204は、2005年10月14日出願の米国特許出願第11/251,035号明細書に記載されているような、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205(「アクチュエータ205」)から形成される。シャッタ202は、一方の側が、アクチュエータ205に結合されている。アクチュエータ205は、シャッタ202を、表面203に実質的に平行な移動平面内で、表面203の上を横方向に移動させる。シャッタ202の反対側は、アクチュエータ204によって及ぼされた力に対向する復元力を提供する、スプリング207に結合されている。
【0031】
各アクチュエータ205は、シャッタ202をロードアンカー208に接続する、コンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカー208はコンプライアントロードビーム206とともに、シャッタ202を表面203のすぐ近くに浮遊したままに保つ、機械的支持として働く。表面には、光の通過を許すための1つ以上のアパーチャ穴211が含まれる。ロードアンカー208は、物理的には、コンプライアントロードビーム206とシャッタ202とを表面203に接続し、電気的には、ロードビーム206をバイアス電圧に接続し、場合によっては、接地する。
【0032】
基板が、シリコンなどの不透明なものである場合、アパーチャ穴211は、基板204を貫通して穴のアレイをエッチングすることによって基板内に形成される。基板204が、ガラスまたはプラスチックなどの透明なものである場合、処理シーケンスの第1のステップは、基板上に遮光層を蒸着するステップと、遮光層をエッチングして穴のアレイ211にするステップとを含む。アパーチャ穴211は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。
【0033】
各アクチュエータ205は、さらに、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216を含む。駆動ビーム216は、一方の端において、駆動ビーム216間で共有される駆動ビームアンカー218に結合される。各駆動ビーム216のもう一方の端は、自由に動くことができる。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端およびロードビーム206の固定端の近くで、駆動ビーム216がロードビーム206に最も近くなるように、湾曲している。
【0034】
動作時、光変調器200を組み込んだディスプレイ装置は、駆動ビームアンカー218を介して、駆動ビーム216に、電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加されてもよい。結果としてもたらされる、駆動ビーム216とロードビーム206との間の電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方へ引き、そして、ロードビーム206のシャッタ端を、駆動ビーム216の固定端の方へ引き、それにより、シャッタ202を、駆動アンカー218の方へ横方向に駆動する。コンプライアント部材206はスプリングとして働き、それにより、ビーム206と216との電位間の電圧が除去された場合に、ロードビーム206は、ロードビーム206内に蓄積された応力を解放しながら、シャッタ202をその初期位置に押し戻す。
【0035】
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後でシャッタをその静止位置に戻すための、スプリングなどの、受動的復元力を組み込んでいる。米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書に記載されているような、その他のシャッタ組立体は、「開」および「閉」アクチュエータという2つの組と、「開」および「閉」電極という別個の組とを、シャッタを開または閉状態のいずれかに移動させるために組み込んでいる。
【0036】
米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書には、適切なグレースケールを有する画像(多くの場合、動画)を生成するために、シャッタおよびアパーチャのアレイを制御マトリクスを介して制御することが可能な、さまざまな方法が記載されている。場合によっては、制御は、ディスプレイの周辺部で駆動回路に接続された、行および列の相互接続の、パッシブマトリクスアレイを使用して達成されてもよい。他の場合には、ディスプレイの速度、グレースケール、および/または電力損失性能を向上するために、アレイの各ピクセル内に、スイッチングおよび/またはデータ蓄積要素を含めることが適切である(いわゆる、アクティブマトリクス)。
【0037】
本明細書に記載する制御マトリクスは、上述の光変調器などの、シャッタベースのMEMS光変調器を制御することに限定されない。例えば、図2Bは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、ローリングアクチュエータベースの光変調器220の断面図である。「Electric Display Device」と題された米国特許第5,233,459号明細書および「Spatial Light Modulator」と題された米国特許第5,784、189号明細書(これらの全体が、参照により本明細書に援用されるものとする)にさらに記載されているように、ローリングアクチュエータベースの光変調器は、固定電極の反対側に配置され、電場が印加されると好ましい方向に移動してシャッタを生成するように付勢された、可動電極を含む。一実施形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224との間に配置された平面電極226を含み、可動電極222は、絶縁層224に取り付けられた固定端230を有する。印加電圧がない場合、可動電極222の可動端232は、固定端230の方へ自由に巻かれて、圧延状態を生成する。電極222と226との間に電圧を印加すると、可動電極222は広がって、絶縁層224にぴったりと接して横たわり、それにより、可動電極222は、基板228を通して移動している光をブロックするシャッタとして働く。可動電極222は、電圧が除去された後は、圧延状態に戻る。圧延状態への付勢は、異方性応力状態を含むように可動電極222を製造することによって達成されてもよい。
【0038】
図2Cは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内への組み込みに適した、光タップベースの光変調器250の断面図である。「Micromechanical Optical Switch and Flat Panel Display」と題された米国特許第5,771,321号明細書(この全体が、参照により本明細書に援用されるものとする)にさらに記載されているように、光タップは、洩れ内部全反射の原理に従って働く。すなわち、光252は光ガイド254内に導入され、その中で、妨害がなければ、光252の大部分は、内部全反射に起因して、光ガイド254からその前面または後面を通して脱出することができない。光タップ250は、十分に高い屈折率を有するタップ要素256を含み、タップ要素256が光ガイド254に接触することに応えて、タップ要素256に隣接する光ガイドの表面上に当たる光252は、見る人に向けて、タップ要素258を通して、光ガイド254を脱出し、それにより画像の形成に寄与する。
【0039】
一実施形態では、タップ要素256は、可撓性の透明材料の、ビーム258の一部として形成される。電極260は、ビーム258の一方の側の部分を覆う。対向する電極260は、光ガイド254の反対側上に、層258に隣接して配置された、カバープレート264上に配置される。電極260間に電圧を印加することにより、光ガイド254に対するタップ要素256の位置は、光ガイド254から光252を選択的に抽出するために制御されてもよい。
【0040】
図2Dは、本発明のさまざまな実施形態に含めるのに適した、第3の例示的な非シャッタベースの光変調器の断面図である。特に、図2Dは、エレクトロウェッティングベースの光変調アレイ270の断面図である。光変調アレイ270は、光キャビティ274上に形成された、複数のエレクトロウェッティングベースの光変調セル272a〜272d(一般に「セル272」)を含む。光変調アレイ270は、さらに、セル272に対応するカラーフィルタの組276も含む。
【0041】
各セル272は、水(または、その他の透明な導電性または極性流体)の層278と、光吸収性オイルの層280と、(例えば、インジウム−スズ酸化物を材料とする)透明電極282と、光吸収性オイルの層280と透明電極282との間に配置された絶縁層284とを含む。そのようなセルの例示的実装は、2005年5月19日公開の「Display Device」と題された米国特許出願公開第2005/0104804号明細書にさらに記載されている。本明細書に記載する実施形態では、電極は、セル272の後面の一部分を占める。
【0042】
セル272の後面の残りは、光キャビティ274の前面を形成する反射性アパーチャ層286から形成される。反射性アパーチャ層286は、反射性金属、または誘電体ミラーを形成する薄膜のスタックなどの、反射性材料から形成される。各セル272について、光を通過させるために、反射性アパーチャ層286内にアパーチャが形成される。セルのための電極282は、アパーチャ内に、そして、反射性アパーチャ層286を形成する材料上に、別の誘電体層によって隔てられて、蒸着される。
【0043】
光キャビティ274の残りは、反射性アパーチャ層286に隣接して配置された光ガイド288と、光ガイド288の、反射性アパーチャ層286とは反対の側上の、第2の反射性層290とを含む。一連の光リダイレクタ291が、光ガイドの後面上に、第2の反射性層に隣接して形成される。光リダイレクタ291は、拡散または鏡面反射体のいずれかであってもよい。1つ以上の光源292が、光ガイド288内に光294を注入する。
【0044】
代替の実装では、追加の透明基板が、光ガイド290と光変調アレイ270との間に配置される。この実装では、反射性アパーチャ層286は、光ガイド290の表面上ではなく、追加の透明基板上に形成される。
【0045】
動作時、セル(例えば、セル272bまたは272c)の電極282への電圧の印加は、セル内の光吸収性オイル280を、セル272の一部分内に集まらせる。結果として、光吸収性オイル280は、反射性アパーチャ層286内に形成されたアパーチャを通した光の通過を、もはや妨げなくなる(例えば、セル272bおよび272cを参照)。アパーチャにおいてバックライトを脱出している光は、次に、セルを通して、そして、カラーフィルタの組276の中の対応するカラー(例えば、赤、緑、または青)フィルタを通して脱出し、画像内のカラーピクセルを形成することが可能である。電極282が接地されると、光吸収性オイル280は、反射性アパーチャ層286内のアパーチャを覆い、アパーチャを通過しようと試みているあらゆる光294を吸収する。
【0046】
セル272に電圧が印加された場合に、下にオイル280が集まった領域は、画像の形成に関して無駄な空間を構成する。この領域は、電圧が印加されてもされなくても光を通過させることはできず、したがって、反射性アパーチャ層286の反射性部分が含まれないならば、さもなければ画像の形成に寄与するために使用されることが可能な光を吸収するであろう。しかし、反射性アパーチャ層286を含めることにより、さもなければ吸収されたであろうこの光は、異なるアパーチャを通した将来の脱出のために、反射されて光ガイド290内に戻される。
【0047】
本明細書に記載する制御マトリクスによる制御に適した、非シャッタベースのMEMS変調器の例は、ローラベースの光変調器220、光タップ250、およびエレクトロウェッティングベースの光変調アレイ270のみではない。その他の形態の非シャッタベースのMEMS変調器が、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に記載する制御マトリクスのうちのさまざまなものによって同様に制御されることが可能である。
【0048】
図3Aは、本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ装置100内に組み込まれた光変調器の制御に適した、制御マトリクス300の概略図である。図3Bは、本発明の例示的実施形態による、図3Aの制御マトリクス300に接続されたシャッタベースの光変調器のアレイ320の斜視図である。制御マトリクス300は、ピクセルのアレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定してもよい。各ピクセル301は、アクチュエータ303によって制御される、図2Aのシャッタ組立体200などの、弾性シャッタ組立体302を含む。各ピクセルは、さらに、アパーチャ穴324を含む、アパーチャ層322を含む。シャッタ組立体302などのシャッタ組立体、およびその変形形態の、さらなる電気的および機械的説明は、米国特許出願第11/251,035号明細書および米国特許出願第11/326,696号明細書の中に見出すことができる。
【0049】
制御マトリクス300は、シャッタ組立体302が上に形成される基板304の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクス300は、制御マトリクス300内のピクセル301の各行についての、走査ライン相互接続306と、制御マトリクス300内のピクセル301の各列についての、データ相互接続308とを含む。各走査ライン相互接続306は、書き込み許可電圧源307を、ピクセル301の対応する行内のピクセル301に電気的に接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源(「Vdソース」)309を、ピクセル301の対応する列内のピクセル301に電気的に接続する。制御マトリクス300内で、データ電圧Vdは、シャッタ組立体302の作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源309は、作動電圧源としても働く。
【0050】
図3Aおよび図3Bを参照すると、ピクセルのアレイ320内の、各ピクセル301について、または各シャッタ組立体について、制御マトリクス300は、トランジスタ310とコンデンサ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、ピクセル301が配置されているアレイ320内の行の走査ライン相互接続306に電気的に接続される。各トランジスタ310のソースは、その対応するデータ相互接続308に電気的に接続される。各シャッタ組立体のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するコンデンサ312の一方の電極と、対応するアクチュエータ303の電極のうちの一方とに、並列に、電気的に接続される。コンデンサ312のもう一方の電極と、シャッタ組立体302内のアクチュエータ303のもう一方の電極とは、共通または接地電位に接続される。
【0051】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各走査ライン相互接続306にVweを次々に印加することによって、アレイ320内の各行を順に書き込み許可する。書き込み許可された行については、行内のピクセル301のトランジスタ310のゲートへのVweの印加により、データ相互接続308を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体302のアクチュエータ303に電位を印加することが可能になる。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続306とデータ相互接続308との交点に配置されたピクセル301の所望される輝度に関連して、変化させられる。ディジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続308へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体302内のアクチュエータ303が作動して、そのシャッタ組立体302内のシャッタを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセル301のコンデンサ312内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体302が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のコンデンサ312内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
【0052】
アレイ320のピクセル301は、基板304上に形成される。アレイには、アレイ320内の各ピクセル301のための一組のアパーチャ穴324を含む、基板上に配置されるアパーチャ層322が含まれる。アパーチャ穴324は、各ピクセル内のシャッタ組立体302と位置合わせされる。一実施では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料で作られる。別の実施では、基板304は、不透明材料で作られ、ただしその中に、アパーチャ穴324を形成するために穴がエッチングされる。
【0053】
シャッタ組立体302は、アクチュエータ303と合わせて、双安定にされてもよい。すなわち、シャッタは、少なくとも2つの平衡位置(例えば、開または閉)に、いずれの位置にそれらを保つためにも、電力はほとんどまたはまったく必要なしに、存在してもよい。より詳細には、シャッタ組立体302は、機械的に双安定であってもよい。シャッタ組立体302のシャッタが所定の位置に設定されたら、その位置を維持するために、電気的エネルギーまたは保持電圧は必要とされない。シャッタ組立体302の物理要素上の機械的応力が、シャッタを所定の位置に保持してもよい。
【0054】
シャッタ組立体302は、アクチュエータ303と合わせて、電気的に双安定にされてもよい。電気的に双安定なシャッタ組立体においては、シャッタ組立体の作動電圧未満の電圧範囲が存在し、閉じられたアクチュエータ(シャッタは開または閉のいずれか)にこの電圧が印加された場合、たとえ対向する力がシャッタ上に働かされたとしても、アクチュエータは閉じられたままに、そしてシャッタは所定の位置に保持される。対向する力は、シャッタベースの光変調器200内のスプリング207などの、スプリングによって働かされてもよく、または、対向する力は、「開」または「閉」アクチュエータなどの、対向するアクチュエータによって働かされてもよい。
【0055】
光変調器アレイ320は、ピクセルにつき単一のMEMS光変調器を有するとして示されている。各ピクセル内に複数のMEMS光変調器が提供され、それにより、単に2値の「オン」または「オフ」の光学的状態よりも多くの可能性を各ピクセル内に提供する、他の実施形態が可能である。ピクセル内に複数のMEMS光変調器が提供され、光変調器のそれぞれに関連付けられたアパーチャ穴324が、等しくない面積を有する、符号化された領域分割グレースケールの特定の形態が可能である。
【0056】
図3Dは、本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置100内に含めるための、さらに別の好適な制御マトリクス340である。制御マトリクス340は、シャッタ組立体344を含むピクセル342のアレイを制御する。制御マトリクス340は、制御マトリクス内のピクセル342の各列について、単一のデータ相互接続348を含む。シャッタ組立体344内のアクチュエータは、電気的に双安定または機械的に双安定のいずれかにされてもよい。
【0057】
制御マトリクス340は、制御マトリクス340内のピクセル342の各行について、走査ライン相互接続346を含む。制御マトリクス340は、さらに、充電相互接続350と、大域的作動相互接続354と、シャッタ共通相互接続355とを含む。これらの相互接続350、354、および355は、アレイ内の複数行および複数列内のピクセル342間で共有される。一実装では、相互接続350、354、および355は、制御マトリクス340内のすべてのピクセル342間で共有される。制御マトリクス内の各ピクセル342は、シャッタ充電トランジスタ356と、シャッタ放電トランジスタ358と、シャッタ書き込み許可トランジスタ357と、データ蓄積コンデンサ359とを含む。制御マトリクス340は、さらに、放電スイッチトランジスタ358のソースおよびドレインと並列に接続された、任意選択の電圧安定化コンデンサ352も組み込んでいる。充電トランジスタ356のゲート端子は、充電トランジスタ356のドレイン端子とともに、充電相互接続350に直接接続される。動作時、充電トランジスタ356は、本質的にダイオードとして動作し、それらは一方向にのみ電流を通過させることが可能である。
【0058】
各フレームアドレス指定サイクルの最初に、制御マトリクス340は、充電相互接続350に電圧パルスを印加して、電流を、充電トランジスタ356を通り、ピクセル342のシャッタ組立体344内に流れ込ませる。この充電パルスの後、シャッタ組立体344のシャッタ電極のそれぞれは、同じ電圧状態になる。電圧パルスの後、充電相互接続350の電位は0にリセットされ、充電トランジスタ356は、シャッタ組立体344内に蓄積された電荷が充電相互接続350を通して消散されるのを防止する。充電相互接続350は、一実装では、Vat(例えば、40V)以上のパルス電圧を伝える。一実装では、Vatを超える電圧の重畳は、充電相互接続350に接続されたシャッタ組立体のすべてを、同じ状態(例えば、シャッタ閉状態)に作動させるか、または移動させる。
【0059】
各行は、次に、順に書き込み許可される。制御マトリクス340は、書き込み許可電圧Vweを、各行に対応する走査ライン相互接続346に印加する。ピクセル342の特定の行が書き込み許可されている間、制御マトリクス340は、データ電圧を、制御マトリクス340内のピクセル342の各列に対応したデータ相互接続348に印加する。書き込み許可される行についての走査ライン相互接続346へのVweの印加により、対応する走査ライン内のピクセル342の書き込み許可トランジスタ357がオンになる。データ相互接続348に印加される電圧が、それにより、それぞれのピクセル342のデータ蓄積コンデンサ359上に蓄積されることが引き起こされる。
【0060】
制御マトリクス340において、大域的作動相互接続354は、シャッタ放電スイッチトランジスタ358のソースに接続される。大域的作動相互接続354を、シャッタ共通相互接続355の電位よりも大幅に上の電位に維持することにより、コンデンサ359上にどれだけの電荷が蓄積されているかにかかわらず、放電スイッチトランジスタ358がオンになることが防止される。制御マトリクス340における大域的作動は、大域的作動相互接続354上の電位を、接地に、またはシャッタ共通相互接続355と実質的に同じ電位にして、放電スイッチトランジスタ358が、コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されているかどうかに従ってオンになることを可能にすることによって達成される。大域的作動ステップの間、コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されているピクセルについては、放電トランジスタはオンになり、シャッタ組立体344のアクチュエータから電荷が流出して、シャッタ組立体344を、その緩和状態(例えば、シャッタ開状態)に移動させるか、または作動させる。コンデンサ359上にデータ電圧が蓄積されていないピクセルについては、放電トランジスタ358はオンにならず、シャッタ組立体344は充電されたままになる。それらのピクセルについては、シャッタ組立体344のアクチュエータの両端で電圧が存続し、それらのピクセルは、例えば、シャッタ閉状態のままになる。大域的作動ステップの間、同じ大域的作動相互接続に接続され、コンデンサ359上にデータが蓄積された、すべてのピクセルは、実質的に同時に、それらの新しい状態に移動する。制御マトリクス340は、大域的作動を達成するために、シャッタ組立体344内の電気的双安定性に依存しない。
【0061】
データ蓄積コンデンサ359に部分的電圧を印加することにより、大域的作動相互接続354がその作動電位にされている時間中の、放電スイッチトランジスタ358の部分的オンが可能となる。これにより、アナロググレースケールを提供するための、アナログ電圧がシャッタ組立体344上で作られる。
【0062】
一部の実装では、大域的作動相互接続354は、ピクセルのアレイ内の各行および列内の各シャッタ放電トランジスタ358に接続される。他の実装では、大域的作動相互接続354は、複数の行および列内のピクセルのサブグループのみの中のシャッタ放電トランジスタに接続される。図18および図19を参照して述べるように、ピクセルのアレイはバンク内に配置されてもよく、ピクセルの各バンクは、大域的作動相互接続によって、固有の大域的作動ドライバに接続されてもよい。この実装では、制御回路は、選択されたバンク内にデータをロードし、次に、選択された大域的作動ドライバによって、選択されたバンクのみを大域的に作動させてもよい。一実装では、ディスプレイは2つのバンクに分けられ、大域的ドライバおよび大域的作動相互接続の1つの組が、奇数番号行内のピクセルに接続され、一方、大域的ドライバおよび大域的作動相互接続の別個の組が、偶数番号行内のピクセルに接続されてもよい。他の実装では、6つまたは8つもの別個に作動可能なアドレス指定バンクが使用される。ディスプレイを制御するための回路の他の実装は、2006年12月1日出願の「Circuits for Controlling Display Apparatus」と題された米国特許出願第11/607,715号明細書(参照により本明細書に援用されるものとする)に記載されている。
【0063】
図3Cは、バックライト330の上に配置された、図3Bに示す光変調器のアレイ320を含む、直視型ディスプレイ380の部分を示す。一実装では、バックライト330は透明材料、すなわち、ガラスまたはプラスチックから作られ、ランプ382、384、および386からの光を表示面全体に均一に分散するための光ガイドとして機能する。ディスプレイ380をフィールド順次式ディスプレイとして組み立てる場合、ランプ382、384、および386は、それぞれ、例えば、赤、緑、および青のランプなどの、交互カラーランプであってもよい。
【0064】
白熱灯、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)を含む(ただし、これらに限定されない)、複数の異なるタイプのランプ382〜386が、ディスプレイ内で使用されてもよい。さらに、直視型ディスプレイ380のランプ382〜386は、複数のランプを含む1つの組立体の形に組み合わせられてもよい。例えば、赤、緑、および青のLEDの組み合わせが、小さな半導体チップ内で、白色LEDと組み合わせられるか、またはその代わりに使用されてもよく、あるいは、小さなマルチランプパッケージの形に組み立てられてもよい。同様に、各ランプは、例えば、赤、黄、緑、および青のLEDの組み合わせなどの、4色LEDの組立体を表してもよい。
【0065】
シャッタ組立体302は、光変調器として機能する。関連する制御マトリクスからの電気信号の使用により、シャッタ組立体302は、開または閉のいずれかの状態に設定されてもよい。開シャッタのみが、光ガイド330からの光が見る人の方へ通過して、それにより直視型画像を形成させる。
【0066】
直視型ディスプレイ380では、光変調器は、基板304の、光ガイド330から離れた側の、見る人の方を向いた面上に形成される。他の実装では、光変調器が光ガイドの方を向いた面上に形成されるように、基板304は裏返しにされてもよい。これらの実装では、アパーチャ層322などのアパーチャ層を、光ガイド330の上面上に直接形成することが好ましい場合がある。他の実装では、光ガイドと光変調器との間に、別個のガラスまたはプラスチック片を介在させることが有用であり、そのような別個のガラスまたはプラスチック片は、アパーチャ層322などのアパーチャ層と、アパーチャ穴324などの関連するアパーチャ穴とを含む。シャッタ組立体302の面と、アパーチャ層322との間の間隔は、可能な限り近接して、好ましくは10ミクロン未満、場合によっては1ミクロンもの近さに保たれることが好ましい。本発明のために有用な他の光学組立体は、2005年9月2日出願の「Methods and Apparatus for Spatial Light Modulation」と題された米国特許出願公開第20060187528A1号明細書、および2006年9月26日出願の「Display Apparatus with Improved Optical Cavities」と題された米国特許出願第11/528,191号明細書(これらは、両方とも、参照により本明細書に援用されるものとする)の中に見出すことができる。
【0067】
一部のディスプレイでは、カラーピクセルは、例えば、赤、緑、および青の、異なる色に対応する光変調器のグループを照射することによって生成される。グループ内の各光変調器は、所望の色を実現するための、対応するフィルタを有する。ただし、フィルタは、場合によってはフィルタを通過する光の60%もの、大量の光を吸収し、それにより、ディスプレイの効率および輝度を制限する。その上、ピクセルにつき複数の光変調器を使用することにより、表示される画像に寄与するために使用されることが可能なディスプレイ上の空間の量が減少し、そのようなディスプレイの輝度および効率はさらに制限される。
【0068】
人間の脳は、例えば20Hzを超える周波数で急速に変化する画像を見ることに応えて、画像を一緒に平均化して、対応する期間内に表示された画像の組み合わせである画像を知覚する。この現象は、当業界でフィールド順次式カラーと呼ばれる技術を使用して、ディスプレイの各ピクセルにつき1つの光変調器のみを使用しながら、カラー画像を表示するために利用されてもよい。ディスプレイ内でフィールド順次式カラー技術を使用することにより、カラーフィルタと、ピクセルにつき複数の光変調器との必要性がなくなる。フィールド順次式カラーが有効にされたディスプレイでは、表示される画像フレームは、複数のサブフレーム画像に分割され、それぞれのサブフレーム画像は、元の画像フレームの特定の色成分(例えば、赤、緑、または青)に対応する。各サブフレーム画像について、ディスプレイの光変調器は、画像への色成分の寄与に対応する状態に設定される。光変調器は、次に、対応する色のランプによって照射される。サブ画像は、一連のサブフレーム画像を脳が単一の画像として知覚するための十分な(例えば、60Hzを超える)周波数で、順に表示される。サブフレームを生成するために使用されるデータは、多くの場合、さまざまなメモリ構成要素内に分離される。例えば、一部のディスプレイにおいては、ディスプレイの所与の行のためのデータは、その行専用のシフトレジスタ内に保持される。画像データは、固定クロックサイクルに従って、ディスプレイのその行内の、対応する列内の光変調器に、各シフトレジスタにシフトインおよび各シフトレジスタからシフトアウトされる。
【0069】
図4は、本発明の例示的実施形態に従って、例えば図7に示すMEMS直視型ディスプレイによって実装されてもよい、フィールド順次式カラーを使用して画像を表示するための、表示プロセスに対応するタイミング図400である。図4のタイミング図400をはじめとする、本明細書に含まれるタイミング図は、以下の規則に従う。タイミング図の上部は、光変調器のアドレス指定イベント(addressing events)を示す。下部は、ランプ点灯イベント(lamp illumination events)を示す。
【0070】
アドレス指定部分は、時間的に間隔があけられた斜線によって、アドレス指定イベントを示す。各斜線は、一連の個別のデータロードイベントに対応し、その間に、データが光変調器のアレイの各行内に、一度に1行ずつロードされる。ディスプレイ内に含まれる変調器をアドレス指定および駆動するために使用される制御マトリクスによっては、各ロードイベントは、所与の行内の光変調器を作動させるための、待ち期間を必要とする場合がある。一部の実装では、いずれの光変調器の作動よりも前に、光変調器のアレイ内のすべての行がアドレス指定される。光変調器のアレイの最後の行内へのデータのロードが完了したら、すべての光変調器が実質的に同時に作動させられる。そのような作動のための一方法は、図11に関連してさらに説明する。
【0071】
ランプ点灯イベントは、ディスプレイ内に含まれるそれぞれの色のランプに対応する、パルス列によって示される。各パルスは、対応する色のランプが点灯され、それにより、直前のアドレス指定イベントにおいて光変調器のアレイ内にロードされたサブフレーム画像が表示されることを示す。
【0072】
ディスプレイ内で、所与の画像フレームの第1のアドレス指定イベントが開始される時間は、各タイミング図上でAT0とラベル付けされる。ほとんどのタイミング図において、この時間は、ディスプレイによって受信される各ビデオフレームの開始に先行する電圧パルスvsyncの、検出の直後に位置する。各後続のアドレス指定イベントが発生する時間は、AT1、AT2、...AT(n−1)とラベル付けされ、ここで、nは、画像フレームを表示するために使用されるサブフレーム画像の数である。一部のタイミング図では、光変調器のアレイ内にロードされているデータを示すために、斜線がさらにラベル付けされる。例えば、図4および図5のタイミング図では、D0は、フレームのために光変調器のアレイ内にロードされる第1のデータを表し、D(n−1)は、そのフレームのために光変調器のアレイ内にロードされる最後のデータを表す。図10、図12〜図17、および図19のタイミング図では、各アドレス指定イベントの間にロードされるデータは、ビットプレーンに対応する。
【0073】
図6A〜図6Cに関連してさらに詳細に説明するように、ビットプレーンは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の変調器についての、所望の変調器状態を識別する、コヒーレントなデータの組である。さらに、各ビットプレーンは、2進符号化方式に従って導き出される一連のサブフレーム画像のうちの1つに対応する。すなわち、画像フレームの色成分のための各サブフレーム画像は、2進数列1、2、4、8、16等に従って重み付けされる。最低の重み付けを有するビットプレーンは、最下位ビットプレーンと呼ばれ、対応する色成分の最初の文字とそれに続く数字0とによって、タイミング図内でラベル付けされ、本明細書内で呼ばれる。色成分のための、それぞれ次の上位のビットプレーンについては、色成分の最初の文字に続く数字が1だけ増加する。例えば、色ごとに4つに分かれた画像フレームについては、最下位の赤ビットプレーンは、R0ビットプレーンとラベル付けされ、かつ呼ばれる。次の上位の赤ビットプレーンは、R1とラベル付けされ、かつ呼ばれ、最上位の赤ビットプレーンは、R3とラベル付けされ、かつ呼ばれる。
【0074】
ランプ関連イベントは、LT0、LT1、LT2、...LT(n−1)とラベル付けされる。タイミング図内でラベル付けされる、ランプ関連イベントの時間は、タイミング図によって、ランプが点灯される時間、またはランプが消灯される時間のいずれかを表す。特定のタイミング図内でのランプ時間の意味は、特定のタイミング図の照射部分内のパルス列に相対的な、それらのランプ時間の、時間内での位置を比較することによって判定することができる。具体的には、図4のタイミング図400を再び参照すると、タイミング図400に従って画像フレームを表示するには、画像フレームの3つの色成分のそれぞれを表示するために、単一のサブフレーム画像が使用される。最初に、赤のサブフレーム画像のための所望される変調器状態を示すデータ、D0の、光変調器のアレイ内へのロードが、時間AT0において開始される。アドレス指定が完了した後で、時間LT0において、赤のランプが点灯され、それにより赤のサブフレーム画像が表示される。緑のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、D1が、時間AT1において、光変調器のアレイ内にロードされる。緑のランプが、時間LT1において点灯される。最後に、青のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、D2の、光変調器のアレイ内へのロードと、青のランプの点灯とが、時間AT2およびLT2において、それぞれ行われる。プロセスは、その後、表示される後続の画像フレームについて繰り返される。
【0075】
図4のタイミング図に従って画像を形成するディスプレイによって達成可能な、グレースケールのレベルは、各光変調器の状態がどれだけ細かく制御されることが可能かによって異なる。例えば、光変調器が本質的に2値である場合、すなわち、オンまたはオフのみになることが可能である場合、ディスプレイは8つの異なる色の生成に制限される。追加の中間状態にされることが可能な光変調器を提供することによって、そのようなディスプレイについての、グレースケールのレベルは増加させられてもよい。図4のフィールド順次式技術に関連する一部の実施形態では、印加される電圧へのアナログ応答を示すMEMS光変調器が提供されてもよい。そのようなディスプレイで達成可能なグレースケールレベルの数は、電圧源309などのデータ電圧源と組み合わせて提供されるディジタル/アナログ変換器の分解能によってのみ制限される。
【0076】
あるいは、各サブフレーム画像を表示するために使用される期間が、それぞれが独自の対応するサブフレーム画像を有する複数の期間に分割されるならば、より細かいグレースケールが生成されることが可能である。例えば、2値の光変調器を使用する場合、色成分ごとに、等しい長さおよび光強度の2つのサブフレーム画像を形成するディスプレイは、8つではなく、27の異なる色を生成することが可能である。画像フレームのそれぞれの色成分を、複数のサブフレーム画像に分けるグレースケール技術は、一般に、時分割グレースケール技術と呼ばれる。
【0077】
図5は、本発明のさまざまな実施形態によって実装されてもよい、色ごとに複数の等しく重み付けされたサブフレーム画像を表示することによって画像フレームを表示するための、表示プロセスに対応するタイミング図である。図5のタイミング図では、画像フレームのそれぞれの色成分は、4つの等しく重み付けされたサブフレーム画像に分割される。より詳細には、所与の色成分についての各サブフレーム画像は、同じ長さの時間にわたって、同じランプ強度で照射される。したがって、データ識別子(例えば、R0、R1、またはG3)の数字部分は、対応するサブフレーム画像が表示される順序のみを意味し、いかなる重み付け値も意味しない。光変調器が本質的に2値であると仮定すると、このグレースケール技術を利用するディスプレイは、色ごとに5つのグレースケールレベルを、すなわち125の別個の色を生成することが可能である。
【0078】
より具体的には、最初に、第1の赤のサブフレーム画像のための所望される変調器状態を示すデータ、R0の、光変調器のアレイ内へのロードが、時間AT0において開始される。データR0によって示される状態を光変調器が達成した後で、赤のランプが点灯され、それにより第1の赤のサブフレーム画像が表示される。赤のランプは時間AT1において消灯され、その時間AT1は、次の赤のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示すデータ、R1が、光変調器のアレイ内にロードされる時である。同じステップが、データR1、R2、およびR3に対応するそれぞれの赤のサブフレーム画像について繰り返される。赤のサブフレーム画像R0〜R3について説明したステップは、次に、緑のサブフレーム画像G0〜G3について、そして次に、青のサブフレーム画像B0〜B3について、繰り返される。プロセスは、その後、表示される後続の画像フレームについて繰り返される。図5におけるアドレス指定時間は、さまざまな方法によって定められてもよい。データは一定の間隔でロードされるため、そして、サブフレーム画像は等しい時間にわたって照射されるため、vsyncの周波数の12倍の周波数で動作する、固定クロックサイクルが、表示プロセスを調整するために十分な可能性がある。
【0079】
色ごとの4つのサブフレーム画像のそれぞれについて等しい重み付けを使用する、図5に示すタイミング図とは異なり、本発明により可能にされるその他の表示プロセスは、サブフレーム画像間で等しくない照射重み付け(illumination weightings)を使用する。そのような等しくない重み付けは、同じ数のサブフレーム画像を使用して、はるかにより多数のグレースケールレベルを表示することができる、符号化時分割グレースケール技術を可能にする。符号化時分割グレースケールを使用する表示プロセスは、場合によっては、サブフレーム画像の2進重み付け方式を実装するために、ビットプレーンを利用する。図6A〜図6Cは、本発明の例示的実施形態による、ビットプレーンを生成するためのプロセスを示す。図6Aは、ディスプレイ装置によって受信されるディジタル画像信号600の概略図である。画像信号600は、画像フレームに対応するデータを符号化する。画像信号600内に符号化される所与の画像フレームについて、画像信号600は、画像フレーム内に含まれる各ピクセルについての一連のビットを含む。データは、ピクセルごとの方式で符号化される。すなわち、画像信号は、画像フレーム内の1つのピクセルの色についてのすべてのデータを含めてから、次のピクセルについてのデータを含める。
【0080】
例えば、図6Aにおいて、画像フレームのためのデータは、画像フレームの開始を示すvsync信号から始まる。画像信号600は、次に、画像フレームの第1列の第1行内のピクセルの色を示す、例えば24ビットを含む。24ビットのうち、8つはピクセルの赤成分を符号化し、8つは緑成分を符号化し、8つはピクセルの青成分を符号化する。8ビットの各組は、符号化ワードと呼ばれる。各色についての8ビットの符号化ワードは、各色について256の固有の輝度レベル、すなわち、赤、緑、および青の色の、1600万の固有の組み合わせの記述を可能にする。符号化ワード内の、8ビットのそれぞれは、符号化ワード内の特定の位置または桁の値(有意値(significance value)とも呼ばれる)を表す。図6Aでは、これらの桁の値は、R0、R1、R2、R3などの符号化方式によって示される。R0は、赤の色のための最下位ビットを表す。R7は、赤の色のための最上位ビットを表す。G7は、緑の色のための最上位ビットであり、B7は、青の色のための最上位ビットである。量的には、2進符号化においては、R0、R1、R2、...R7に対応する桁の値は、2進数列20、21、22、...27によって与えられる。他の例では、画像信号600は、画像の色成分につき、より多くの、またはより少ないビットを含んでもよい。例えば、画像信号600は、画像フレームの色成分につき、3、4、5、6、7、9、10、11、12,またはより多くのビットを含んでもよい。
【0081】
画像信号600内で受信されるデータは、行および列によって編成される。一般に、画像信号は、第1の行内のピクセルについてのすべてのデータを提供してから、後続の行に進む。第1の行内では、第1の列内のピクセルについてのすべてのデータが受信されてから、同じ行の後続の列内のピクセルについてのデータが受信される。
【0082】
図6Bは、本発明の例示的実施形態による、受信された画像信号をビットプレーンに変換するために役立つメモリバッファ620の概略図である。上述のように、ビットプレーンは、画像フレームの色成分についてのグレースケール符号化ワードの単一の有意値に対応する、ディスプレイの複数列および複数行内のピクセルについてのデータを含む。図6Aの画像信号600などの、2進符号化画像信号を、ビットプレーンに変換するために、有意レベルを有するビットは、単一データ構造としてグループ化される。小さなメモリバッファ620が、入力画像データを編成するために使用される。メモリバッファ620は、行および列のアレイに編成されており、個々の行をアドレス指定することにより、または個々の列をアドレス指定することにより、データが読み込みおよび読み出しされることを可能にする。
【0083】
上述のようにピクセルごとの形式で受信される入力データは、メモリバッファ620の連続する行内に読み込まれる。メモリバッファ620は、ディスプレイの単一の指定された行のみに関連するデータを記憶する、すなわち、任意の所与の時間において、入力データの一部分のみについて機能する。メモリバッファ620内の、それぞれの番号付けされた行は、指定された行の、所与の列についての、完全なピクセルデータを含む。メモリバッファ620の各行は、所与のピクセルについての完全なグレースケールデータを含む。
【0084】
小さなメモリバッファ620に、ディスプレイの所与の行のすべての列についてのデータがロードされたら、メモリバッファ620内のデータは、ビットプレーンデータ構造を配置するために読み出されてもよい。データは、列ごとに読み出される。各列は、ディスプレイのピクセル行の、グレースケール符号ワードの1つの桁の値を含む。これらの値は、ディスプレイ内の光変調器の所望の状態に対応する。例えば、0は「開」の光変調器状態を意味してもよく、1は「閉」の光変調器状態を表してもよく、またはその逆であってもよい。このプロセスは、ディスプレイ内の複数行について繰り返される。
【0085】
図6Cは、本発明の例示的実施形態による、2つのビットプレーン650および660の部分の概略図である。第1のビットプレーン650は、ディスプレイのピクセルの最初の10列および15行についての、赤のレベルを識別するグレースケール符号化ワードの最下位ビット(すなわち、R0値)に対応するデータを含む。第2のビットプレーン660は、ディスプレイのピクセルの同じ10列および15行についての、赤のレベルを識別するグレースケール符号化ワードの最下位から2番目のビット(すなわち、R1)に対応するデータを含む。
【0086】
代替の重み付け方式が、符号化時分割グレースケールの方法内で利用可能である。空間光変調器が、例えば開または閉、あるいは、例えばオンまたはオフなどの、2つの状態のみを許可する場合は、2進符号化が適切である。3進重み付けシステムも可能性の1つである。例えば、空間光変調器および関連する制御マトリクスは、光の透過または反射の、3つの固有の状態を許可してもよい。これらは、閉、1/2開、および全開であってもよい。1/2開および全開状態が、別個の作動電圧の印加によってもたらされる、MEMSベースの変調器が、例えば構築されてもよい。あるいは、1/2開状態は、各ピクセル内に提供される2つの等しい面積のMEMS変調器のうちの1つのみの作動によって達成されてもよい。
【0087】
サブフレームデータセットは、本明細書では、必ずしもビットプレーンとは限らない、データ構造の一般的な場合を、すなわち、アレイの複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を記憶するデータ構造を、意味する。3進符号化の場合、1つのサブフレームデータセットは、複数の行および列内の各ピクセルについて、例えば0、1、または2などの、3進数値を含む。3進符号化方式による一連のサブフレーム画像は、数列1、3、9、27等の中の重みを使用して、3進法に従って重み付けされる。2進符号化システムに比較して、3進符号化システムは、同じ数のサブフレーム画像を使用して表示する場合、さらにより多くの数の達成可能なグレースケールレベルを可能にする。ひいては、各ピクセルにおいて4つまたは5つの固有の変調状態が可能なMEMSピクセルまたは変調器が開発されるにつれて、4進または5進符号化システムの使用が制御システム内で有利となる。
【0088】
図7は、本発明の例示的実施形態による、直視型ディスプレイ700のブロック図である。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702と、コントローラ704と、ランプ706の組と、ドライバセット708、710、714、および716とを含む。光変調器のアレイ702は、行および列内に配置された光変調器を含む。好適な光変調器としては、図2A〜図2Dに関連して上述したMEMSベース光変調器のうちの任意のものが挙げられるが、それらに限定されない。一実装では、光変調器のアレイ702は、図3Bに示す光変調器のアレイ320の形態を取る。光変調器は、図3Aおよび図3Dで説明した制御マトリクスなどの、制御マトリクスによって制御されるものである。
【0089】
一般に、コントローラは、外部ソースから画像信号717を受信し、光変調器のアレイ702内の光変調器と、ランプ706とを制御するための、データおよび制御信号を生成して、ドライバ708、710、714、および716に出力する。データおよび制御信号が出力される順序は、本明細書では「出力シーケンス」と呼ばれ、出力シーケンスについては以下でさらに説明する。より詳細には、コントローラ704は、入力処理モジュール718と、メモリ制御モジュール720と、フレームバッファ722と、タイミング制御モジュール724と、スケジュールテーブルストア726とを含む。
【0090】
モジュールは、特定用途向け集積回路、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、(論理チップ、メモリ、トランジスタなどの)既製の半導体、あるいはその他の個別部品を含む、ハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、または同様のものなどの、プログラマブルハードウェアデバイス内に実装されてもよい。
【0091】
モジュールは、また、さまざまなタイプのプロセッサによる実行のために、ソフトウェア内に実装されてもよい。実行可能コードの、識別されるモジュールは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成されてもよく、例えば、コンピュータ命令の1つ以上の物理または論理ブロックを含んでもよい。それにもかかわらず、識別されるモジュールの実行可能ファイルは、物理的に一緒に置かれる必要はなく、論理的に結合された場合にモジュールを構成してモジュールの規定された目的を達成する、さまざまな位置に記憶された異種の命令を含んでもよい。
【0092】
実際には、実行可能コードのモジュールは、単一命令、または多くの命令であってもよく、さらには、いくつかの異なるコードセグメント上に、異なるプログラム間に、および、いくつかのメモリ装置にわたって、分散されてもよい。同様に、動作データが、モジュール内で識別されて本明細書において例示されてもよく、そして、任意の適切な形態で実施され、任意の適切なタイプのデータ構造内に編成されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして集められてもよく、または、異なる記憶装置上をはじめとする、異なる位置上に分散されてもよく、そして、少なくとも部分的に、システムまたはネットワーク上の単なる電子信号として存在してもよい。
【0093】
図7の直視型ディスプレイ700の例は、コントローラ704と、ドライバ708、710、714、および716とを、別個の機能ブロックとして描いている。これらのブロックは、区別可能な回路を、および/または実行可能コードのモジュールを表すと理解される。一部の実装では、ブロック704、708、710、714、および716は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらのブロックのうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、単一の半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。一部の実装では、フレームバッファ722と呼ばれる記憶領域は、コントローラ回路704のカスタム設計内の機能領域として提供される。他の実装では、フレームバッファ722は、DRAMまたはSRAMなどの、別個の既製のメモリチップによって表される。
【0094】
入力処理モジュール718は、画像信号717を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイ702を介した表示のために適した形式にする。入力処理モジュール718は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。サブフレームデータセットは、コヒーレントなデータ構造内に集約された、光変調器のアレイ702の複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を含む。画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットの数および内容は、コントローラ704によって使用されるグレースケール技術によって異なる。例えば、符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを形成するために必要なサブフレームデータセットは、未符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットとは、数および内容が異なる。さまざまな実施形態において、画像処理モジュール718は、画像信号717を、未符号化サブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、画像処理モジュール718は、画像信号717を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0095】
サブフレームデータセットを導き出すことに加えて、そして多くの場合、それに先立って、入力処理モジュールは、複数のその他の任意選択の処理タスクを実行してもよい。その処理タスクは、入力データの再フォーマット、または補間を行ってもよい。例えば、その処理タスクは、変調器アレイ702の空間解像度の制限内に収まるように、入力データの、水平、垂直、または両方の再スケーリングを行ってもよい。その処理タスクは、また、入力データを、インターレースフォーマットから順次走査フォーマットに変換してもよい。その処理タスクは、また、MEMSディスプレイ700の特性内の許容されるフリッカを維持しながら、フレームレートを減少させるために、入力データを正しいテンポで再サンプリングしてもよい。その処理タスクは、MEMSディスプレイ700内で得られるガンマ特性および/またはコントラスト精度をより良く整合させるために、場合によってはガンマ補正と呼ばれる、入力データのコントラストグラデーションへの調節を実行してもよい。その処理タスクは、ディスプレイ内で得られるグレースケール精度を向上させるために、隣接するピクセル間で割り当てられる(空間ディザリング)、および/または、引き続いて起こる画像フレーム間で割り当てられる(時間ディザリング)、グレースケールレベルを変更してもよい。さらに、その処理タスクは、ピクセルデータ内で表現される色値への調節を実行してもよい。色調節の一例においては、データは、ディスプレイ700内で使用されるランプ706の色座標に一致するように変換される。4つ以上の別個の色のランプが使用される実施形態については、入力処理モジュールは、データを入力3色空間から変換して、4色空間に適合する座標にマッピングする。
【0096】
入力処理モジュール718は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール720に出力する。メモリ制御モジュール720は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ722内に記憶する。フレームバッファは、ランダムアクセスメモリであることが好ましいが、その他のタイプのシリアルメモリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。メモリ制御モジュール720は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール720は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ722は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0097】
メモリ制御モジュール720は、さらに、タイミング制御モジュール724からの命令があり次第、フレームバッファ722からサブ画像データセットを取り出して、それらをデータドライバ708に出力することも担当する。データドライバ708は、メモリ制御モジュール720から出力されたデータを、光変調器のアレイ702の光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール720は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ722は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール720は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイ702に出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0098】
タイミング制御モジュール724は、コントローラ704による、出力シーケンスに従ったデータおよびコマンド信号の出力を管理する。出力シーケンスは、光変調器のアレイ702にサブフレームデータセットが出力される順序およびタイミングと、点灯イベントのタイミングおよび特性とを含む。出力シーケンスは、一部の実装では、大域的作動イベントも含む。出力シーケンスを定義するパラメータのうちの少なくとも一部は、揮発性メモリ内に記憶される。この揮発性メモリは、スケジュールテーブルストア726と呼ばれる。スケジュールテーブルストア726内に記憶されるデータを含むテーブルは、本明細書では、「スケジュールテーブル」、あるいは「シーケンステーブル」と呼ばれる。その中に記憶されるデータは、実際にテーブル形式で記憶される必要はない。概念上、スケジュールテーブルストア726内に記憶されるデータは、テーブル形式で表示される場合、人間にとって理解することがより容易である。出力シーケンスデータを記憶するために使用される実際のデータ構造は、例えば、一連のビット列であってもよい。それぞれのビット列は、タイミング値、メモリ、アドレス、および照射データに対応する一連の符号化ワードを含む。出力シーケンスパラメータを記憶するための例示的データ構造は、図24に関連してさらに説明する。その他のデータ構造が、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。
【0099】
いくつかの出力シーケンスパラメータは、タイミング制御モジュール724内に、ハードワイヤードロジックとして記憶されてもよい。例えば、タイミング制御モジュール内に組み込まれる、特定のイベント時間まで待つためのロジックは、次のように表現されてもよい。
mycount <= mycount + 1;
if mycount = 1324 then
triggersignal <= ’1’;
else
triggersignal <= ’0’;
このロジックは、各クロックサイクルにおいてインクリメントされる、カウンタを使用する。クロックカウンタがタイミング値1324に達したら、トリガ信号が送られる。例えば、トリガ信号は、変調器内へのビットプレーンのロードを開始するために、メモリ制御モジュール720に送られてもよい。または、トリガ信号は、ランプのオンまたはオフを切り換えるために、ランプドライバ706に送られてもよい。上記の例において、ロジックは、タイミング制御モジュール724内に直接構築される論理回路の形態を取る。特定のタイミングパラメータ1324は、コマンドシーケンス内に含まれるスカラ値である。タイミング制御モジュール724の別の実装では、ロジックは、待つためのクロックパルスの数についての、特定の値を含まず、代わりに、スケジュールテーブルストア726内に記憶された一連のタイミング値のうちの1つを参照する。
【0100】
スケジュールテーブルストア726内に記憶される出力シーケンスパラメータは、本発明のさまざまな実施形態によって異なる。一実施形態では、スケジュールテーブルストア726は、各サブフレームデータセットに関連付けられたタイミング値を記憶する。例えば、スケジュールテーブルストア726は、出力シーケンス内の各アドレス指定イベントの開始に関連付けられたタイミング値と、ランプ点灯および/またはランプ消灯イベントに関連付けられたタイミング値とを記憶してもよい。他の実施形態では、スケジュールテーブルストア726は、アドレス指定イベントに関連付けられたタイミング値の代わりに、またはそれに加えて、ランプ強度値を記憶する。さまざまな実施形態において、スケジュールテーブルストア726は、フレームバッファ722内の各サブ画像データセットが記憶される場所を示す識別子と、各それぞれのサブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。
【0101】
スケジュールテーブルストア726内に記憶されるタイミング値の性質は、コントローラ704の特定の実装によってさまざまであってもよい。スケジュールテーブルストア726内に記憶されるタイミング値は、一実装においては、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0102】
表1は、タイミング制御モジュール724による使用のための、スケジュールテーブルストア726内での記憶に適したパラメータを示す、例示的スケジュールテーブルである。いくつかの追加の例示的スケジュールテーブルを、図13、図14A〜図14B、図15〜図17、および図19に関連してさらに詳細に説明する。
【0103】
【表1】
【0104】
表1のスケジュールテーブルは、各サブフレームデータセットのための2つのタイミング値、アドレス指定時間とランプ点灯時間とを含む。アドレス指定時間AT0〜AT(n−1)は、メモリ制御モジュール720がそれぞれのサブフレームデータセット、この場合はビットプレーンを、光変調器のアレイ702に出力する時間に関連する。ランプ点灯時間LT0〜LT(n−1)は、対応するランプが点灯される時間に関連する。実際には、スケジュールテーブル内の各時間値は、2つ以上のイベントをトリガしてもよい。例えば、一部のグレースケール技術においては、光変調器がアドレス指定された状態にない間に光変調器を照射することを回避するために、ランプ動作は光変調器の作動と同期される。したがって、一部の実装においては、アドレス指定時間ATは、アドレス指定イベントをトリガするだけでなく、ランプ消灯イベントもトリガする。同様に、他の実装においては、ランプ消灯イベントがアドレス指定イベントもトリガする。
【0105】
スケジュールテーブル内の、「サブフレームデータセットのメモリ位置」とテーブル内でラベル付けされたアドレスデータは、いくつかの形態で記憶されてもよい。例えば、一実装では、アドレスは、バッファ、列、および行番号によって参照される、対応するビットプレーンの冒頭の、フレームバッファ内での特定のメモリ位置である。別の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶されるアドレスは、メモリ制御モジュール720によって維持されるルックアップテーブルと組み合わせて使用するための識別子である。例えば、識別子は、単純な6ビットの2進「xxxxxx」ワード構造を有してもよく、ここで、最初の2ビットは、ビットプレーンに関連付けられた色を識別し、一方、次の4ビットは、ビットプレーンの重みを意味する。ビットプレーンの実際のメモリ位置は、その後、メモリ制御モジュール720がフレームバッファ内にビットプレーンを記憶する際に、メモリ制御モジュール720によって維持されるルックアップテーブル内に記憶される。他の実装では、出力シーケンス内の、ビットプレーンのためのメモリ位置は、タイミング制御モジュール724内のハードワイヤードロジックとして記憶されてもよい。
【0106】
タイミング制御モジュール724は、スケジュールテーブルのエントリを、いくつかの異なる方法を使用して取り出してもよい。一実装では、スケジュールテーブル内でのエントリの順序は固定されており、タイミング制御モジュール724は、シーケンスの終わりを示す特別なエントリに到達するまで、各エントリを順番に取り出す。あるいは、シーケンステーブルのエントリは、テーブル内の次のエントリとは異なってもよいエントリを取り出すように、タイミング制御モジュール724に指示するコードを含んでもよい。これらの追加のフィールドは、標準的なマイクロプロセッサ命令セットの制御機能と同様に、ジャンプ、分岐、およびループを実行する機能を組み込んでもよい。タイミング制御モジュール724の動作への、そのようなフロー制御の変更は、シーケンステーブルのサイズの縮小を可能にする。
【0107】
直視型ディスプレイ700は、さらに、プログラミングリンク730を含む。プログラミングリンク730は、外部回路またはコンピュータによってスケジュールテーブルストア726が変更されることを可能にする手段を提供する。他の実施形態では、プログラミングリンクは、直視型ディスプレイ700と同じハウジング内のシステムプロセッサに直接接続される。システムプロセッサは、ディスプレイ700によって表示される画像またはデータのタイプに従って、スケジュールテーブルストアを変更するようにプログラムされてもよい。プログラミングリンク730を使用する外部プロセッサは、コントローラ704によって使用される出力シーケンスを変更するために、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたパラメータを変更してもよい。例えば、プログラミングリンク730は、さまざまなフレームレートに対応するように、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミングパラメータを変更するために使用されてもよい。ディスプレイが提供可能な色またはグレースケールの数を調節するために、各ビットプレーンに関連付けられたタイミングパラメータと、表示されるビットプレーンの数とは、プログラミングリンク730によって変更されてもよい。平均輝度は、ランプ強度値を変更することによって調節されてもよい。色飽和度は、プログラミングリンクによって、白色フィールドを使用して形成される輝度のパーセンテージを変更することにより、または混色を調節することにより(図17に関連してさらに説明する)、変更されてもよい。
【0108】
直視型ディスプレイは、光変調器のアレイ702を照射するための、ランプ706の組を含む。一実装では、直視型ディスプレイ700は、赤のランプと、緑のランプと、青のランプとを含む。別の実装では、直視型ディスプレイ700は、白のランプも含む。さらに別の実装では、直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702の辺に沿って間隔をおいて配置された、各色のための複数のランプを含む。
【0109】
赤、緑、青、白の、色の組み合わせに加えて、達成可能な色空間または色域を拡張する、その他のランプの組み合わせが可能である。拡張された色域を有する有用な4色のランプの組み合わせは、赤、青、トゥルーグリーン(約520nm)、およびパロットグリーン(約550nm)である。色域を拡張する、別の5色の組み合わせは、赤、緑、青、シアン、および黄である。よく知られているYIQ色空間の5色類似物は、白、橙、青、紫、および緑のランプを使用して規定されてもよい。よく知られているYUV色空間の5色類似物は、白、青、黄、赤、およびシアンのランプを使用して規定されてもよい。
【0110】
その他のランプの組み合わせが可能である。例えば、有用な6色空間が、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、および黄のランプ色を使用して規定されてもよい。6色空間は、白、シアン、マゼンタ、黄、橙、および緑の色を使用して規定されてもよい。多数のその他の4色および5色の組み合わせが、上にすでに記載した色の中から導き出されてもよい。さまざまな色を有する、6、7、8、または9個のランプのさらなる組み合わせが、上に記載した色から生成されてもよい。上に記載した色の中間に位置するスペクトルを有するランプを使用して、追加の色が使用されてもよい。
【0111】
直視型ディスプレイ700は、さらに、コントローラ704のさまざまな構成要素によって制御され、かつそれらと電気通信を行う、ドライバ回路の複数の組708、710、714、および716も含む。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイの行のそれぞれを順に書き込み許可するための、走査ドライバの組708を含む。走査ドライバ708は、タイミング制御モジュール724によって制御され、かつそれと電気通信を行う。データドライバ710は、メモリ制御720と電気通信を行う。直視型ディスプレイ700は、光変調器のアレイ702内の各列につき1つのドライバ回路710を含んでもよく、あるいは、光変調器のアレイ702の複数列内へのデータのロードをそれぞれが担当する、何らかのより小さな数のデータドライバ710を有してもよい。
【0112】
直視型ディスプレイ700は、大域的作動ドライバと、作動電圧ドライバと、一部の実施形態では、追加の共通電圧ドライバとを含む、一連の共通ドライバ714を含む。共通ドライバ714は、タイミング制御モジュール724と、そして、光変調器のアレイ702の複数行および複数列内の光変調器と、電気通信を行う。
【0113】
ランプ706は、ランプドライバ716によって駆動される。ランプは、メモリ制御モジュール720および/またはタイミング制御モジュール724の両方と電気通信を行ってもよい。タイミング制御モジュール724は、ランプ706の点灯のタイミングを制御する。照射強度情報も、タイミング制御モジュール724によって提供されてもよく、あるいは、照射強度情報は、メモリ制御モジュール720によって提供されてもよい。
【0114】
本発明によるディスプレイを使用する一部の電子装置は、コントローラ704の設計における変形を使用する。そのようなディスプレイについては、コントローラは、入力処理モジュールまたはフレームバッファを含まない。その代わりに、電子装置に取り付けられたシステムプロセッサは、コントローラ、ドライバ、およびMEMS光変調器のアレイによる表示のために、ビットプレーンの、あらかじめフォーマットされた出力シーケンスを提供する。そのようなディスプレイにおいては、タイミング制御モジュールは、変調器のアレイのための、ビットプレーンデータの出力を調整し、各ビットプレーンに関連付けられたランプの点灯を制御する。タイミング制御モジュールは、スケジュールテーブルストアを参照してもよく、スケジュールテーブルストア内には、アドレス指定イベントとランプイベントとのためのタイミング値、および/または、ビットプレーンのそれぞれに関連付けられたランプ強度が記憶される。
【0115】
図8は、本発明の例示的実施形態による、図7の直視型ディスプレイ700などの直視型ディスプレイによる使用に適した、ビデオを表示するための方法800(「表示方法800」)のフローチャートである。図7および図8を参照すると、表示方法800は、光変調器のアレイ702などの、光変調器のアレイの提供(ステップ801)から始まる。次に、表示方法800は、並列に動作する、2つの相互に関連のあるプロセスを進める。第1のプロセスは、本明細書では、表示方法800の画像処理プロセス802と呼ばれる。第2のプロセスは、表示プロセス804と呼ばれる。
【0116】
画像処理プロセス802は、ビデオ入力718による画像信号の受信(ステップ806)から始まる。上述のように、画像信号は、直視型ディスプレイ700上での表示のために、1つ以上の画像フレームを符号化する。一実施形態では、画像信号は、図6Aに示されているとおりに受信される。すなわち、各ピクセルについてのデータが、ピクセルごと、行ごとに、順次受信される。所与のピクセルのためのデータは、ピクセルの各色成分についての1つ以上のビットを含む。
【0117】
画像フレームのデータを受信したら(ステップ806)、直視型ディスプレイ700のコントローラ704は、画像フレームのための複数のサブフレームデータセットを導き出す(ステップ808)。好ましくは、コントローラ704の画像処理モジュール718は、図6A〜図6Cに関連して上述したように、画像信号717内のデータに基づいて、複数のビットプレーンを導き出す。ステップ810において、画像化プロセスは継続され、その中で、サブフレームデータセットはメモリ内に記憶される。好ましくは、ビットプレーンは、プロセス内の後の時点でそれらのビットプレーンがランダムにアクセスされることを可能にするアドレス情報に従って、フレームバッファ722内に記憶される。
【0118】
表示プロセス804は、例えば、入力信号717内のvsyncパルスの検出に応じた、画像フレームの表示の開始(ステップ812)から始まる。次に、画像フレームに対応する第1のサブフレームデータセットが、アドレス指定イベントの中で、光変調器のアレイ702に、メモリ制御モジュール720によって出力される(ステップ814)。この第1のサブフレームデータセットのメモリアドレスは、スケジュールテーブルストア726内のデータに基づいて判定される。好ましくは、サブフレームデータセットは、ビットプレーンである。第1のサブフレームデータセット内でアドレス指定された変調器が、サブフレームデータセット内で示された状態を達成した後で、光変調機内にロードされたサブフレームデータセットに対応するランプが点灯される(ステップ816)。ライトが点灯される時間は、サブフレーム画像に関連付けられた、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミング値によって統御されてもよい。ランプは、光変調器のアレイ内の光変調器が次に状態を変え始める時間まで点灯されたままになり、その時間において、ランプは消灯される。消灯時間も、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間値に基づいて決定されてもよい。コントローラ704によって実装されるアドレス指定技術に応じて、消灯時間は、次のアドレス指定イベントが始まる前または後であってもよい。
【0119】
光変調器のアレイが照射された後に、しかし必ずしもランプが消灯される前またはそれと同時にとは限らず、コントローラ704は、出力シーケンスに基づいて、最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのために表示される最後のサブフレーム画像であるかどうかを判定する(決定ブロック818)。それが最後のサブフレーム画像ではない場合は、別のアドレス指定イベントの中で、次のサブフレームデータセットが、光変調器のアレイ702内にロードされる(ステップ814)。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームの最後のサブフレーム画像である場合、コントローラ704は、後続の表示開始イベントの、表示の開始を待つ(ステップ812)。
【0120】
図9は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス900のより詳細なフローチャートである。表示プロセス900では、直視型ディスプレイによって使用されるサブフレームデータセットは、ビットプレーンである。表示プロセス900は、画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ902)。例えば、画像フレームの表示は、コントローラ704による、画像信号717内のvsyncパルスの検出に応えて開始されてもよい(ステップ902)。次に、画像フレームに対応するビットプレーンが、コントローラ704によって、光変調器のアレイ702に出力される(ステップ904)。サブフレームデータの各行は、順次ロードされる。各行がアドレス指定される際に、コントローラ704は、それぞれの行内の光変調器の作動を確実にするための、十分な長さの時間だけ待ってから、光変調器のアレイ702内の次の行のアドレス指定を開始する。この時間の間は、光変調器のアレイ702内の光変調器の状態は流動的なので、直視型ディスプレイ700のランプはオフのままになる。
【0121】
ビットプレーン内のデータに従って光変調器のアレイ702のすべての行が作動したことを確実にするための、十分な長さの時間だけ待った後で、ビットプレーンに対応するカラーランプ702が点灯され(ステップ906)、それにより、光変調器のアレイ702内にロードされたビットプレーンに対応するサブフレーム画像が表示される。一実装では、この待ち時間は、スケジュールテーブルストア726内に記憶される。他の実装では、この待ち時間は、アドレス指定イベントの開始に続くクロックサイクル数として、タイミング制御モジュール724内にハードワイヤードされた、固定値である。
【0122】
コントローラは、次に、サブフレーム画像に関連付けられた、スケジュールテーブルデータ記憶726内に記憶された時間だけ待ってから、ランプを消灯する(ステップ908)。決定ブロック910において、コントローラ704は、最近表示されたサブフレーム画像が、表示されている画像フレームの最後のサブフレーム画像であるかどうかを判定する。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのための最後のサブフレーム画像である場合、コントローラは、後続の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ902)。最近表示されたサブフレーム画像が、画像フレームのための最後のサブフレーム画像ではない場合、コントローラ704は、光変調器のアレイ702内への、次のビットプレーンのロードを開始する(ステップ904)。このアドレス指定イベントは、ステップ908におけるランプの消灯によって直接トリガされてもよく、または、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたタイミング値に関連付けられた時間が経過した後で始まってもよい。
【0123】
図10は、表1のスケジュールテーブル内に記憶された値をパラメータとして有する出力シーケンスを利用する、表示プロセス900の実装に対応する、タイミング図1000である。タイミング図1000は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールの表示プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。
【0124】
画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表1のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶された、第1のサブフレームデータセットR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。表1のスケジュールテーブルに従って、赤のランプは、次に、時間LT0において点灯される。LT0は、光変調器のアレイ702内の各行のアドレス指定が完了し、そして、その中に含まれる光変調器の作動が完了した後で発生するように選択される。時間AT1において、直視型ディスプレイのコントローラ704は、赤のランプの消灯と、後続のビットプレーン、R2の、光変調器のアレイ702内へのロードの開始との、両方を行う。表1のスケジュールテーブルに従って、このビットプレーンは、メモリ位置M1から始まる位置に記憶されている。プロセスは、表1のスケジュールテーブル内で識別されるすべてのビットプレーンの表示が完了するまで繰り返される。例えば、時間AT4において、コントローラ704は、赤のランプを消灯し、そして、最上位の緑ビットプレーン、G3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。同様に、時間LT6において、コントローラ704は、緑のランプをオンにして、時間AT7まで継続し、その時間において緑のランプは再び消灯される。
【0125】
タイミング図内の、vsyncパルスの間の期間は、フレーム時間を示す記号FTによって示されている。一部の実装では、アドレス指定時間AT0、AT1等およびランプ時間LT0、LT1等は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、16.6ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、60Hzのフレームレートに従って、達成するように設計される。他の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶される時間値は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、33.3ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、30Hzのフレームレートに従って、達成するように変更されてもよい。他の実装では、24Hzという低いフレームレートが使用されてもよく、または、100Hzを超えるフレームレートが使用されてもよい。
【0126】
タイミング図1000によって示される、符号化時分割グレースケールの特定の実装では、コントローラは、表示される各色について、4つのサブフレーム画像を、光変調器のアレイ702に出力する。4つのサブフレーム画像のそれぞれの照射は、2進数列1、2、4、8に従って重み付けされる。タイミング図1000における表示プロセスは、したがって、各色のグレースケールのために4桁の2進ワードを表示する、すなわち、色ごとに4つのサブ画像のみをロードするにもかかわらず、各色について16の別個のグレースケールレベルを表示することが可能である。色の組み合わせにより、タイミング図1000の実装は、4000を超える別個の色を表示することが可能である。
【0127】
表示プロセス800の他の実装では、サブフレーム画像のシーケンス内のサブフレーム画像は、2進数列1、2、4、8等に従って重み付けされる必要はない。上記のとおり、3進重み付けの使用が、3進符号化方式から導き出されたサブフレームデータセットを表現する手段として有用な場合がある。さらに他の実装は、混合符号化方式を使用する。例えば、最下位ビットに関連付けられたサブフレーム画像は、2進重み付け方式に従って導き出され、そして照射されてもよく、一方、最上位ビットに関連付けられたサブフレーム画像は、より直線的な重み付け方式を使用して導き出され、照射されてもよい。そのような混合符号化は、最上位ビットのための照射期間における大きな差を減らすために役立ち、動的偽輪郭(dynamic false contouring)などの画像アーティファクトを減らすのに有用である。
【0128】
図11は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス1100のより詳細なフローチャートである。表示プロセス900におけるのと同様に、表示プロセス1100は、ビットプレーンを、サブフレームデータセットのために利用する。ただし、表示プロセス900とは異なり、表示プロセス1100は、大域的作動機能を含む。大域的作動を利用するディスプレイでは、ディスプレイの複数行および複数列内のピクセルがアドレス指定されてから、アクチュエータが作動する。表示プロセス1100では、作動の前に、ディスプレイのすべての行がアドレス指定される。したがって、表示プロセス900では、コントローラは、光変調器のそれぞれの行内にデータをロードした後で、光変調器が作動するための十分な時間をとるために、一定の長さの時間待たなければならないのに対して、表示プロセス1100では、コントローラは、すべての行がアドレス指定された後で、この「作動時間」を一度待つ必要があるだけである。大域的作動機能を提供することが可能な、1つの制御マトリクスは、図3Dに関連して上述した。
【0129】
表示プロセス1100は、新しい画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ1102)。そのような開始は、画像信号717内のvsync電圧パルスの検出によってトリガされてもよい。次に、画像フレームのための表示プロセスの開始後の、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において、コントローラ704は、光変調器のアレイ702の光変調器内への、第1のビットプレーンのロードを開始する(ステップ1104)。
【0130】
ステップ1106において、現在点灯されているランプがあればすべて消灯される。ステップ1106は、ビットプレーンの重みに応じて、特定のビットプレーンのロード(ステップ1104)が完了した時、または完了する前に発生してもよい。例えば、一部の実施形態では、ビットプレーンの2進重み付けを相互に維持するために、一部のビットプレーンは、次のビットプレーンを光変調器のアレイ702内にロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されなければならない場合がある。したがって、そのようなビットプレーンを照射しているランプは、次のビットプレーンが光変調器のアレイ内にロードされている間に(ステップ1104)、消灯される。適切な時間にランプが消灯されることを確実にするために、一実施形態では、適切なライト消灯時間を示すためのタイミング値が、スケジュールテーブルストア726内に記憶される。
【0131】
コントローラ704が、光変調器のアレイ702内への所与のビットプレーンのロードを完了し(ステップ1104)、点灯されているランプをすべて消灯したら(ステップ1106)、コントローラ704は、大域的作動ドライバに大域的作動コマンドを発行して(ステップ1108)、光変調器のアレイ702内のすべての光変調器を実質的に同時に作動させる。大域的作動ドライバは、ディスプレイ700の部分として含まれる共通ドライバ714の1つのタイプを表す。大域的作動ドライバは、例えば、制御マトリクス340の相互接続354などの、大域的作動相互接続によって、光変調器のアレイ内の変調器に接続されてもよい。
【0132】
一部の実装では、ステップ1108の大域的作動は、一連のステップ、または、タイミング制御モジュール724によって発行される一連のコマンドを含む。例えば、同時係属中の米国特許出願第11/607,715号明細書に記載された特定の制御マトリクスでは、大域的作動ステップは、(第1の)充電相互接続によってシャッタ機構を充電するステップと、それに続く、(第2の)シャッタ共通相互接続を接地電位に向けて駆動するステップと(この時点で、すべての共通接続された光変調器は、それらの閉状態に移動する)、シャッタ作動のための一定の待ち期間の後に続く、(第3の)大域的作動相互接続を接地するステップと(この時点で、選択されたシャッタのみが、それらの指定された開状態に移動する)を含んでもよい。充電相互接続、シャッタ共通相互接続、および大域的作動相互接続のそれぞれは、タイミング制御モジュール724内に記憶されたタイミング値に従って適切な時間に送信されるトリガ信号に応答する、別個のドライバ回路に接続される。
【0133】
光変調器の作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、最近ロードされたビットプレーンに対応するランプをオンにするために、ランプドライバに点灯コマンドを発行する(ステップ1110)。作動時間は、ロードされる各ビットプレーンについて同じであり、したがって、スケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。作動時間は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0134】
ビットプレーンに対応するランプが点灯された後(ステップ1110)、決定ブロック1112において、コントローラ704は、出力シーケンスに基づいて、現在ロードされているビットプレーンが、表示される画像フレームの最後のビットプレーンであるかどうかを判定する。そうである場合、コントローラ704は、次の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ1102)。それ以外の場合、コントローラ704は、次のビットプレーンの、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0135】
図12は、表1のスケジュールテーブル内に記憶された値をパラメータとして有する出力シーケンスを利用する、表示プロセス1100の実装に対応する、タイミング図1200である。図10および図12に対応する表示プロセスは、同様の記憶されたパラメータを利用するが、それらの動作はかなり異なる。図10のタイミング図1000に対応する表示プロセスと同様に、タイミング図1200に対応する表示プロセスは、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスを使用する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。しかし、タイミング図1200に対応する表示プロセスは、表示プロセス1100の中で説明した大域的作動機能を組み込むという点で、タイミング図1000とは異なる。そのため、ディスプレイ内のランプは、フレーム時間のうちの、大幅により大きな部分にわたって点灯される。ディスプレイは、したがって、より明るい画像を表示することが可能であるか、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能である。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。
【0136】
より具体的には、タイミング図1200における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表1のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、赤のランプを点灯させる。上記に示したように、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0137】
ランプ消灯イベント時間LT0〜LT11は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0138】
しかし、R0、G0、およびB0などの、一部のビットプレーンは、アレイ内にビットプレーンをロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されることが意図されている。したがって、LT3、LT7、およびLT11は、後続のアドレス指定イベントの途中で発生する。
【0139】
代替の実装では、ランプ点灯とデータアドレス指定とのシーケンスは、逆にされてもよい。例えば、後続のサブフレーム画像に対応するビットプレーンのアドレス指定は、大域的作動イベントの完了の直後に続いてもよく、一方、ランプの点灯は、アドレス指定が始まった後の何らかの時点におけるランプ点灯イベントまで遅らされてもよい。
【0140】
図13は、表2に類似した表をスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1300である。タイミング図1300は、所与の色成分(赤、緑、および青)についての各サブフレーム画像が同じ長さの時間にわたって照射されるという点で、図5に関連して説明したアドレス指定プロセスに類似した、符号化された強度グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。ただし、図5に示した表示プロセスとは異なり、タイミング図1300に対応する表示プロセスでは、特定の色成分の各サブフレーム画像は、その色成分の、前のサブフレーム画像の半分の強度で照射され、それにより、ランプ点灯時間を変化させることなしに、2進重み付け方式が実装される。
【0141】
【表2】
【0142】
より具体的には、タイミング図1300における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表2のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを、表2のスケジュールテーブル内に記憶されたランプ強度IL0で点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR2に対応するサブフレーム画像は、表2に示されているように、強度レベルIL0の半分に等しい強度レベルIL1で照射される。同様に、ビットプレーンR1のための強度レベルIL2は、強度レベルIL1の半分に等しく、ビットプレーンR0のための強度レベルIL3は、強度レベルIL2の半分に等しい。
【0143】
各サブフレーム画像について、コントローラ704は、点灯しているランプを、次のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了時に消灯してもよい。したがって、ランプ点灯時間に対応して、スケジュールテーブルストア726内に記憶されなければならない、対応する時間値はない。
【0144】
図14Aは、表3に類似した表をスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1400である。タイミング図1400は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて5つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。色成分ごとに追加のサブフレーム画像を含めることによって、タイミング図1400に対応する表示プロセスは、各色において、タイミング図1200に対応する表示プロセスの2倍の数のグレースケールレベルを表示することが可能である。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進パルス幅重み付け方式が実装される。
【0145】
【表3】
【0146】
より具体的には、タイミング図1200における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。
【0147】
ランプ消灯イベント時間は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR3のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0148】
図12のタイミング図1200に対応するアドレス指定プロセスと同様に、R1とR0、G1とG0、およびB1とB0などの、一部のビットプレーンは、アレイ内にビットプレーンをロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されることが意図されている。したがって、それらの対応するランプ消灯時間は、後続のアドレス指定イベントの途中で発生する。ランプ消灯時間は、対応する照射時間が、アドレス指定のために必要とされる時間よりも短いか、または長いかによって異なるため、対応するスケジュールテーブルは、例えば、LT0、LT1、LT2などの、ランプ時間を含む。
【0149】
図14Bは、表4内に記憶されたパラメータをスケジュールテーブルとして利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1450である。タイミング図1450は、最下位のサブ画像および最下位から2番目のサブ画像の重み付けが、ランプ点灯時間に加えて、ランプ強度も変化させることによって達成されることを除いては、タイミング図1400のアドレス指定プロセスに類似した、符号化時分割および強度グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。特に、最下位のビットプレーンおよび最下位から2番目のビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、最下位から3番目のビットプレーンに対応するサブフレーム画像と同じ長さの時間にわたって照射されるが、ただし、それぞれ、4分の1および2分の1の強度で照射される。強度グレースケールを時分割グレースケールと組み合わせることによって、すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間と等しいか、またはそれよりも長い期間にわたって照射されてもよい。これにより、スケジュールテーブルストア726内にランプ消灯時間が記憶される必要がなくなる。
【0150】
【表4】
【0151】
より具体的には、タイミング図1450における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図およびスケジュールテーブル4上に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、スケジュールテーブルストア726内に記憶されたランプ強度IL0で、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR3の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR3に対応するサブフレーム画像は、表2内に示されているように、強度レベルIL0に等しい強度レベルIL1で照射される。同様に、ビットプレーンR2のための強度レベルIL2は、強度レベルIL1に等しい。しかし、ビットプレーンR1のための強度レベルIT3は、強度レベルIL2の半分であり、ビットプレーンR0のための強度レベルIT4は、強度レベルIT3の半分である。図13に関して説明した表示プロセスと同様に、各サブフレーム画像について、コントローラ704は、次のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントの完了時に、点灯しているランプを消灯してもよい。したがって、この時間を決定するために、対応する時間値が、スケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。
【0152】
タイミング図1450は、出力シーケンスのサブフレーム画像の知覚される輝度が、複合形式で制御される表示プロセスに対応する。出力シーケンス内の一部のサブフレーム画像については、輝度は、サブフレーム画像の照射期間を変更することによって制御される。出力シーケンス内のその他のサブフレーム画像については、輝度は、照射強度を変更することによって制御される。直視型ディスプレイにおいて、パルス幅と強度とを独立に制御するための機能を提供することは有用である。そのような独立制御の一実装では、ランプドライバ714は、タイミング制御モジュール724から発行される可変強度コマンドと、ランプの点灯および消灯のための、タイミング制御モジュール724からのタイミングまたはトリガ信号とに応答する。パルス幅と強度との独立制御のために、スケジュールテーブルストア726は、ランプの点灯に関連するタイミング値に加えて、ランプの、必要とされる強度を記述する、パラメータを記憶する。
【0153】
照射期間(またはパルス幅)と、その照射の強度との積(または積分)として、照射値を定義することは有用である。ビットプレーンの照射のために出力シーケンス内で割り当てられた所与の時間間隔について、任意の必要とされる照射値を達成するためにランプを制御するための、多数の代替の方法がある。本発明に適合する、ランプのための3つのそのような代替のパルスプロファイルが、図14C内で比較されている。図14Cで、時間マーカ1482および1484は時間制限を決定し、その時間制限の中で、ランプパルスはその照射値を表さなければならない。MEMSベースディスプレイを駆動するための、大域的作動方式では、時間マーカ1482は、1つの大域的作動サイクル(その中で、前にロードされたビットプレーンについての変調器状態が設定される)の終わりを表してもよく、一方、時間マーカ1484は、後続のビットプレーンに適合する変調器状態の設定のための、後続の大域的作動サイクルの始まりを表してもよい。より小さな重みを有するビットプレーンについては、マーカ1482と1484との間の時間間隔は、例えばビットプレーンなどの、データサブセットを、変調器のアレイ内にロードするために必要な時間によって制限されてもよい。これらの場合における、利用可能な時間間隔は、より大きな重みのビットに割り当てられるパルス幅からの単純なスケーリングを仮定した場合に、ビットプレーンの照射のために必要とされる時間よりも、実質的に長い。
【0154】
ランプパルス1486は、特定の照射値の表現に適合するパルスである。パルス幅1486は、マーカ1482と1484との間で利用可能な時間を完全に埋める。ただし、ランプパルス1486の強度または振幅は、必要な照射値を達成するために調節される。ランプパルス1486による振幅変調方式は、ランプ効率が線形ではなく、ランプに要求されるピーク強度を減らすことによって電力効率を向上することが可能な場合、特に有用である。
【0155】
ランプパルス1488は、ランプパルス1486におけるのと同じ照射値の表現に適合するパルスである。パルス1488の照射値は、振幅変調による代わりに、パルス幅変調によって表現される。タイミング図1400に示すように、多くのビットプレーンについて、適切なパルス幅は、ビットプレーンのアドレス指定によって決定される、利用可能な時間よりも短くなる。
【0156】
一連のランプパルス1490は、ランプパルス1486におけるのと同じ照射値を表現する、別の方法を表す。一連のパルスは、パルス幅と、パルスの周波数との、両方の制御を介して、照射値を表現することが可能である。照射値は、パルス振幅と、マーカ1482と1484との間の利用可能な期間と、パルスのデューティサイクルとの積として考えられてもよい。
【0157】
ランプドライバ回路は、上記の代替のランプパルス1486、1488、または1490のうちの任意のものを生成するためにプログラムされてもよい。例えば、ランプドライバ回路は、タイミング制御モジュール724から、ランプ強度のための符号化ワードを受け入れて、強度に適合するパルスのシーケンスを構築するようにプログラムされてもよい。強度は、パルス振幅またはパルスデューティサイクルのいずれかの関数として変化させられてもよい。
【0158】
図15は、表5に類似したスケジュールテーブルを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1500である。タイミング図1500は、最上位ビットについての照射期間に制限が加えられていること、および表示シーケンス内でのビットプレーンの順序付けについて規則が定められていることを除いては、図12に関して説明したアドレス指定プロセスに類似した、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。タイミング図1500について示されている順序付け規則は、フィールド順次色ディスプレイにおける画像品質を損なう2つの視覚的アーティファクト、すなわち、色割れおよびフリッカを、減らすために役立つように定められている。色割れは、色の変化の頻度を増加することによって、すなわち、好ましくは180Hzを超える周波数で、異なる色のサブ画像を順に交代させることによって減らされる。フリッカは、その最も単純な顕現においては、フレームレートが30Hzよりも実質的に大きいことを確実にすることによって、すなわち、後続の画像フレーム内で現れる、同様の重みのビットプレーンが、25ミリ秒未満の期間によって隔てられていることを確実にすることによって減らされる。
【0159】
【表5】
【0160】
色割れおよびフリッカに関連する順序付け規則は、ビット分割(bit splitting)の技術によって実装されてもよい。特に、タイミング図1500において、最上位ビット(例えば、R3、G3、およびB3)は、2つに分割され、すなわち、それらの公称の照射期間の半分に減らされ、次に、任意の所与の画像フレームの時間内で2回繰り返されるかまたは表示される。例えば、赤のビットプレーンR3は、時間イベントAT0において変調アレイに最初にロードされ、次に、時間イベントAT9において2回目にロードされる。時間イベントAT9においてロードされる、最上位ビットプレーンR3に関連付けられた照射期間は、時間イベントAT12においてロードされる、ビットプレーンR2に関連付けられた照射期間と等しい。しかし、最上位ビットプレーンR3は画像フレーム内で2回現れるため、ビットプレーンR3内に含まれる情報に関連する照射値は、依然として、最上位の次のビットプレーンR2に割り当てられる照射値の2倍である。
【0161】
その上、タイミング図1000、1200、1300、1400、および1450に示すように、色によってグループ化された、画像のサブフレーム画像を表示する代わりに、タイミング図1500では、所与の色に対応するサブフレーム画像は、他の色に対応するサブフレーム画像の間に散在させられて表示される。例えば、タイミング図1500に従って画像を表示するために、ディスプレイは、最初に、赤のための最上位ビットプレーンR3の第1の発生をロードして表示し、その直後に、最上位の緑のビットプレーンG3が続き、その直後に、最上位の青のビットプレーンB3が続く。最上位ビットプレーンは分割されているため、これらの色の変化はかなり急速に発生し、色の変化の間の最長期間は、最上位の次のビットプレーンR2の照射時間にほぼ等しい。タイミング図1500内に期間Jとして示されている、異なる色のサブフレーム画像の照射の間の期間は、好ましくは4ミリ秒未満に、より好ましくは2.8ミリ秒未満に維持される。より小さなビットプレーン、R1とR0、G1とG0、およびB1とB0は、それらの照射時間を合計しても4ミリ秒未満であるため、依然としてグループ化されていてもよい。
【0162】
ビットプレーンまたは異なる色の間の、散在または交代は、色割れの画像アーティファクトを減らすために役立つ。ビットプレーンの出力の、色によるグループ分けは、回避することが好ましい。例えば、ビットプレーンB3は、(アドレス指定イベントAT2において)コントローラによって出力される、3つ目のビットプレーンであるが、青のビットプレーンB3の出現は、フレーム時間内での、赤のビットプレーンの、すべての可能性のある出現の終了を意味しない。実際に、タイミング図1500のシーケンスでは、赤の色のためのビットプレーンR1が、B3の直後に続いている。画像フレーム内では、可能な最高の周波数で、異なる色のビットプレーンを順に交代させることが好ましい。
【0163】
ディスプレイのリフレッシュに関連する電力を減らすために、30Hzを超えるフレームレートを設定することは常に可能とは限らない。しかし、知覚される画像内のフリッカを最小にするために、ビットプレーンの順序付けに関連する代替の規則が、それでもなお適用されてもよい。タイミング図1500内で、期間KおよびLは、赤の最上位ビットプレーン、すなわち最上位ビットプレーンR3が、ディスプレイに出力されるイベントの間の、時間の分離を表す。その他の最上位ビットプレーンG3およびB3の連続した発生の間に、同様の期間KおよびLが存在する。期間Kは、所与の画像フレーム内での、最上位ビットプレーンの出力の間の、最大時間を表す。期間Lは、2つの連続した画像フレーム内での、最上位ビットプレーンの出力の間の、最大時間を表す。タイミング図1500では、K+Lの合計はフレーム時間に等しく、そしてこの実施形態については、フレーム時間は、(30Hzのフレームレートに対応する)33ミリ秒もの長さであってもよい。両方の時間間隔KおよびLが25ミリ秒未満に、好ましくは17ミリ秒未満に保たれる場合、ビット分割が使用されるディスプレイにおいて、フリッカはさらに減らされる可能性がある。
【0164】
フリッカは、30Hzという低い周波数においてディスプレイの特性が繰り返される、さまざまな要因から発生する場合がある。タイミング図1500で、例えば、下位のビットプレーンR1およびR0は、フレームにつき1回だけ照射され、フレームレートは30Hzという長さである。したがって、これらの下位ビットプレーンに関連付けられた画像は、フリッカの知覚に寄与する場合がある。ただし、図19に関して説明するバンク別アドレス指定方法は、下位のビットプレーンでさえ、フレームレートよりも実質的に大きな周波数で繰り返されることが可能な、別の機構を提供する。
【0165】
フリッカは、さらに、ビットプレーンジッタの特性によって生成される場合がある。ジッタは、表示されるビットプレーンのシーケンス内で、類似したビットプレーンの間の間隔が等しくない場合に現れる。フリッカは、例えば、MSB赤ビットプレーンの間の期間KおよびLが等しくない場合に、結果として起こる。フリッカは、期間KおよびLが10%以内で等しいことを確実にすることによって、減らされることが可能である。すなわち、画像フレームの色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第1の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンが出力される第2の時と、その色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である。
【0166】
図16は、表6内に示されたパラメータを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1600である。タイミング図1600は、画像フレームのそれぞれの色成分について4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールのアドレス指定プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。タイミング図1600は、図12のタイミング図1200に類似しているが、赤、緑、および青の色に対応するサブフレーム画像に加えて、白色ランプを使用して照射される、白の色に対応するサブフレーム画像を有する。白色ランプの追加により、ディスプレイは、より明るい画像を表示すること、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能になる。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。その上、白色ランプは、しばしばより効率的である、すなわち、同じ輝度を達成するために、他の色のランプより少ない電力を消費する。
【0167】
より具体的には、タイミング図1600における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表6のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤のランプを点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT4において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M4から始まる位置に記憶された、緑の第1のビットプレーンG3のロードを開始する。時間AT8において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M8から始まる位置に記憶された、青の第1のビットプレーンB3のロードを開始する。時間AT12において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M12から始まる位置に記憶された、白の第1のビットプレーンW3のロードを開始する。白の第1のビットプレーンW3に対応するアドレス指定を完了した後で、そして、作動時間だけ待った後で、コントローラは、白色ランプを初めて点灯させる。
【0168】
すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるため、コントローラ704は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了したら、サブフレーム画像を照射しているランプを消灯する。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0169】
タイミング図内の、vsyncパルスの間の期間は、フレーム時間を示す記号FTによって示されている。一部の実装では、アドレス指定時間AT0、AT1等およびランプ時間LT0、LT1等は、4色のぞれぞれについての、4つのサブフレーム画像を、16.6ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、60Hzのフレームレートに従って、達成するように設計される。他の実装では、スケジュールテーブルストア726内に記憶される時間値は、色ごとに4つのサブフレーム画像を、33.3ミリ秒のフレーム時間FT以内に、すなわち、30Hzのフレームレートに従って、達成するように変更されてもよい。他の実装では、24Hzという低いフレームレートが使用されてもよく、または、100Hzを超えるフレームレートが使用されてもよい。
【0170】
【表6】
【0171】
白色ランプの使用は、ディスプレイの効率を向上させる可能性がある。サブフレーム画像における、4つの別個の色の使用は、入力処理モジュール718内のデータ処理への変更を必要とする。3つの異なる色のそれぞれについてのビットプレーンを導き出す代わりに、タイミング図1600による表示プロセスは、4つの異なる色のそれぞれに対応するビットプレーンが記憶されることを必要とする。入力処理モジュール718は、したがって、データ構造をビットプレーンに変換する前に、3色空間内の色のために符号化された入力ピクセルデータを、4色空間に適合する色座標に変換してもよい。
【0172】
タイミング図1600に示された、赤、緑、青、および白のランプの組み合わせに加えて、達成可能な色空間または色域を拡張する、その他のランプの組み合わせが可能である。拡張された色域を有する有用な4色のランプの組み合わせは、赤、青、トゥルーグリーン(約520nm)、およびパロットグリーン(約550nm)である。色域を拡張する、別の5色の組み合わせは、赤、緑、青、シアン、および黄である。よく知られているYIQ色空間の5色類似物は、白、橙、青、紫、および緑のランプを使用して規定されてもよい。よく知られているYUV色空間の5色類似物は、白、青、黄、赤、およびシアンのランプを使用して規定されてもよい。
【0173】
その他のランプの組み合わせが可能である。例えば、有用な6色空間が、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、および黄のランプ色を使用して規定されてもよい。6色空間は、白、シアン、マゼンタ、黄、橙、および緑の色を使用して規定されてもよい。多数のその他の4色および5色の組み合わせが、上にすでに記載した色の中から導き出されてもよい。さまざまな色を有する、6、7、8、または9個のランプのさらなる組み合わせが、上に記載した色から生成されてもよい。上に記載した色の中間に位置するスペクトルを有するランプを使用して、追加の色が使用されてもよい。
【0174】
図17は、表7のスケジュールテーブル内に示されたパラメータを利用する、表示プロセス1100の別の実装に対応する、タイミング図1700である。タイミング図1700は、異なる色のランプが同時に点灯されてもよい、符号化時分割および強度グレースケールの複合表示プロセスに対応する。各サブフレーム画像が、すべての色のランプによって照射されるが、特定の色のためのサブフレーム画像は、その色のランプによって主に照射される。例えば、赤のサブフレーム画像のための照射期間の間、赤のランプは、緑のランプおよび青のランプよりも高い強度で点灯される。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、複数のランプを、それぞれ、より低い点灯レベルの動作モードで使用することは、その同じ輝度を、1つのランプをより高い点灯レベルで使用して達成することよりも、少ない電力を必要とする場合がある。
【0175】
アドレス指定タイミングは、各サブフレーム画像が、前のサブフレーム画像と同じ強度で、半分の長さの期間にわたって表示されるという点で、図12で説明したものに類似しているが、ただし、最下位ビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、それぞれ、前のサブフレーム画像と同じ長さの時間にわたって、半分の強度で照射されるという点は異なる。したがって、最下位ビットプレーンに対応するサブフレーム画像は、アレイ内にビットプレーンをロードするために必要とされる期間と同じか、またはそれよりも長い期間にわたって照射される。
【0176】
【表7】
【0177】
より具体的には、タイミング図1700における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表7のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置M0から始まる位置に記憶されたビットプレーンR3は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702内にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを出力する。作動時間だけ待った後で、コントローラは、赤、緑、および青のランプを、表7のスケジュールによって示される強度レベル、すなわち、それぞれ、RI0、GI0、BI0で、点灯させる。図12に関して説明したアドレス指定プロセスと同様に、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定なので、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。時間AT1において、コントローラ704は、スケジュールテーブルに従って、メモリ位置M1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンR2の、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する。ビットプレーンR2に対応するサブフレーム画像、およびその後の、ビットプレーンR1に対応するサブフレーム画像は、それぞれ、表7のスケジュールによって示されているように、ビットプレーンR1についてと同じ強度レベルの組で照射される。それに対して、メモリ位置M3から始まる位置に記憶された、最下位ビットプレーンR0に対応するサブフレーム画像は、各ランプについて、半分の強度レベルで照射される。すなわち、強度レベルRI3、GI3、およびBI3は、それぞれ、強度レベルRI0、GI0、およびBI0の半分の強度レベルに等しい。プロセスは、時間AT4から開始して継続され、その時間においては、緑の強度が優位を占めるビットプレーンが表示される。その後、時間AT8において、コントローラ704は、青の強度が優位を占めるビットプレーンのロードを開始する。
【0178】
すべてのビットプレーンは、光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるため、コントローラ704は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了したら、サブフレーム画像を照射しているランプを消灯する。例えば、LT0は、AT0の後の、ビットプレーンR2のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT1は、AT1の後の、ビットプレーンR1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。
【0179】
タイミング図1700における、サブフレーム画像内でのカラーランプの混合は、ディスプレイ内の電力効率の向上をもたらす可能性がある。混色は、高度に飽和した色を画像が含まない場合に、特に有用な可能性がある。
【0180】
図18は、直視型ディスプレイ700上に画像を表示するための、表示方法800の部分として使用するのに適した、例示的表示プロセス1800のより詳細なフローチャートである。表示プロセス1100におけるのと同様に、表示プロセス1800は、ビットプレーンを、サブフレームデータセットのために利用する。表示プロセス1800は、さらに、表示プロセス1100において使用されているものと同様の、大域的作動機能を含む。表示プロセス1800は、ただし、ディスプレイ内の照射効率を向上させるためのツールとして、バンク別アドレス指定機能を追加する。
【0181】
多くの表示プロセスでは、特に、画像の各色成分について(例えば6つ以上の)多数のビットプレーンをディスプレイがロードして表示する場合、それに比例して、より多くの時間が、対応するサブ画像の照射を犠牲にして、ディスプレイのアドレス指定のために割り当てられなければならない。これは、表示プロセス1100におけるように、大域的作動技術が使用される場合でさえ、当てはまる。この状況は、図14Aのタイミング図1400によって示されている。タイミング図1400は、2進重みシーケンス16:8:4:2:1に従ってビットプレーンに照射値が割り当てられる、色ごとの5ビットシーケンスを示す。ただし、ビットプレーンR1およびR0に関連付けられる照射期間は、次のビットプレーンに適合するデータセットをアレイ内にロードするために必要とされる時間よりもかなり短い。結果として、R1およびR0ビットプレーンを照射しているランプが消灯される時間と、それぞれ、R0およびG4ビットプレーンを照射するランプがオンにされる時間との間に、かなりの長さの時間が経過する。この状況は、デューティサイクルの減少と、したがって、ランプ点灯の効率の減少とをもたらす。
【0182】
バンク別アドレス指定は、アドレス指定のために必要とされる時間を減らすことによって、ランプのデューティサイクルを増加させることが可能な機能である。これは、1回にディスプレイの一部のみがアドレス指定され作動させられる必要があるように、ディスプレイを、複数の独立に作動させることが可能な、行のバンクに分割することによって達成される。より短いアドレス指定サイクルは、最も短い照射時間のみを必要とするビットプレーンについて、ディスプレイの効率を向上させる。
【0183】
特定の一実装では、バンク別アドレス指定は、ディスプレイの行を2つのセグメントに分離することを含む。一実施形態では、ディスプレイの上半分内の行は、ディスプレイの下半分内の行とは別個に制御される。別の実施形態では、ディスプレイは、1行置きの方式で、偶数番号の行が一方のバンクまたはセグメントに属し、奇数番号の行がもう一方のバンクに属するように、分離される。各セグメントのための、別個のビットプレーンが、バッファメモリ722内の別個のアドレスに記憶される。バンク別アドレス指定のために、入力処理モジュール718は、入力ビデオストリームからビットプレーン情報を導き出すだけでなく、異なるバンクへのそれらの割り当てに従って、ビットプレーンの部分を別個に識別し、場合によっては記憶するように、プログラムされる。以下の説明では、ビットプレーンは、色、バンク、および有意値によってラベル付けされる。例えば、色成分につき5ビットのグレースケールプロセスにおける、ビットプレーンRE3は、ディスプレイ装置の偶数番号行についての、最上位から2番目のビットプレーンを意味する。ビットプレーンBO0は、奇数番号行についての、最下位の青のビットプレーンに対応する。
【0184】
バンク別アドレス指定方式が、大域的作動機能を使用する場合、各バンクについて、独立した大域的作動電圧ドライバと、独立した大域的作動相互接続とが提供される。例えば、奇数番号行は、大域的作動ドライバおよび大域的作動相互接続の、1つの組に接続され、一方、偶数番号行は、大域的作動ドライバおよび相互接続の、独立した組に接続される。
【0185】
表示プロセス1800は、新しい画像フレームの表示の開始から始まる(ステップ1802)。そのような開始は、画像信号717内のvsync電圧パルスの検出によってトリガされてもよい。次に、画像フレームの表示プロセスの開始後の、スケジュールテーブルストア726内で識別される時間において、コントローラ704は、光変調器のアレイ702の光変調器内への、第1のビットプレーンのロードを開始する(ステップ1804)。図11のステップ1104とは異なり、ステップ1804では、ディスプレイのバンクのうちの一方または両方のいずれかについてのビットプレーンが、光変調器のアレイ702の対応する行内にロードされる。一実施形態では、ステップ1804において、タイミング制御モジュール724は、その出力シーケンスを解析して、所与のアドレス指定イベントの中でアドレス指定される必要があるバンクの数を調べて、次に、アドレス指定される必要がある各バンクを順にアドレス指定する。一実装では、一方のバンクについては、ビットプレーンは、対応する光変調器の行内に、重みが小さいものから順にロードされ、もう一方のバンクについては、ビットプレーンは、対応する光変調器の行内に、重みが大きいものから順にロードされる。
【0186】
ステップ1806において、現在点灯されているランプがあればすべて消灯される。ステップ1806は、ビットプレーンの重みに応じて、特定のビットプレーンのロード(ステップ1804)が完了した時、または完了する前に発生してもよい。例えば、一部の実施形態では、ビットプレーンの2進重み付けを相互に維持するために、一部のビットプレーンは、次のビットプレーンを光変調器のアレイ702内にロードするために要する時間の長さよりも短い期間にわたって照射されなければならない場合がある。したがって、そのようなビットプレーンを照射しているランプは、次のビットプレーンが光変調器のアレイ内にロードされている間に(ステップ1804)、消灯される。適切な時間にランプが消灯されることを確実にするために、適切なライト消灯時間を示すためのタイミング値がスケジュールテーブル内に記憶される。
【0187】
コントローラ704が、光変調器のアレイ702内のいずれかまたは両方のバンク内への、いずれかまたは両方のビットプレーンデータのロードを完了し(ステップ1804)、そしてコントローラが、点灯されているランプをすべて消灯したら(ステップ1806)、コントローラ704は、大域的作動コマンドを、その出力シーケンス内のどこにそれがあるかに応じて、いずれかまたは両方の大域的作動ドライバに発行して(ステップ1808)、それにより、光変調器のアレイ702内の、アドレス指定可能な変調器のバンクのうちの一方のみを、または両方のバンクを、実質的に同時に作動させる。大域的作動のタイミングは、一方のバンクがアドレス指定を必要とすることをスケジュールが示しているか、または両方のバンクがアドレス指定を必要とすることをスケジュールが示しているかに基づいて、タイミング制御モジュール内のロジックによって決定される。すなわち、スケジュールテーブルストア726に従って、1つのバンクがアドレス指定を必要とする場合、タイミング制御モジュール724は、第1の長さの時間だけ待ってから、コントローラ704に大域的作動コマンドを発行させる。スケジュールテーブルストア726が、両方のバンクがアドレス指定を必要とすることを示す場合、タイミング制御モジュール724は、その長さの約2倍の時間だけ待ってから、大域的作動をトリガする。大域的作動のタイミングのためには、可能性のある2つの時間値のみが必要とされるため(すなわち、シングルバンク時間、またはデュアルバンク時間)これらの値は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0188】
光変調器の作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、最近ロードされたビットプレーンに対応するランプをオンにするために、ランプドライバに点灯コマンドを発行する(ステップ1810)。作動時間は、大域的作動コマンドが発行された時から測定され(ステップ1808)、したがってロードされた各ビットプレーンについて同じである。そのため、作動時間は、スケジュールテーブル内に記憶される必要はない。作動時間は、タイミング制御モジュール724内の、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア内に、恒久的に記憶されてもよい。
【0189】
ビットプレーンに対応するランプが点灯された後(ステップ1810)、決定ブロック1812において、コントローラ704は、スケジュールテーブルストア726に基づいて、現在ロードされているビットプレーンが、表示される画像フレームの最後のビットプレーンであるかどうかを判定する。そうである場合、コントローラ704は、後続の画像フレームの表示の開始を待つ(ステップ1802)。それ以外の場合、スケジュールテーブルストア726内に示された次のアドレス指定イベントの時間において、コントローラ704は、対応するビットプレーンの、光変調器のアレイ702内へのロードを開始する(ステップ1804)。
【0190】
図19は、表8のスケジュールテーブル内に示されたパラメータの利用を介した表示プロセス1800の実装に対応する、タイミング図1900である。タイミング図1900は、画像フレームの3つの色成分(赤、緑、および青)のそれぞれについて5つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレースケールの表示プロセスに対応する。所与の色の、表示される各サブフレーム画像は、同じ強度で、前のサブフレーム画像の半分の長さの期間にわたって表示され、それにより、サブフレーム画像のための2進重み付け方式が実装される。その上、タイミング図1900は、表示プロセス1100の中で説明した大域的作動機能と、表示プロセス1800の中で説明したバンク別アドレス指定機能とを組み込んでいる。アドレス指定のために必要とされる時間を減らすことによって、ディスプレイは、したがって、より明るい画像を表示することが可能であるか、または、同じ輝度レベルを維持しながら、より低い電力レベルでそのランプを動作させることが可能である。輝度と消費電力とは線形的に関連してはいないため、より低い点灯レベルの動作モードで、同等の画像輝度を提供する方が、エネルギー消費はより少ない。
【0191】
【表8】
【0192】
より具体的には、タイミング図1900における画像フレームの表示は、vsyncパルスが検出され次第、始まる。タイミング図上に、および表8のスケジュールテーブル内に示されているように、メモリ位置MO0から始まる位置に記憶されたビットプレーンRO4は、時間AT0において始まるアドレス指定イベントにおいて、光変調器のアレイ702の奇数行のみの中にロードされる。その直後に、ビットプレーンRE1が、位置ME0内に記憶されたデータを使用して、光変調器のアレイの偶数行のみの中にロードされる。コントローラ704は、ビットプレーンの最後の偶数行のデータを光変調器のアレイ702に出力したら、大域的作動コマンドを、偶数および奇数行のバンクに接続された、独立にアドレス指定可能な大域的作動ドライバの両方に出力する。大域的作動コマンドの発行に続いて、作動時間だけ待った後で、コントローラ704は、赤のランプを点灯させる。上記に示したように、作動時間はすべてのサブフレーム画像について一定であり、かつ、大域的作動コマンドの発行に基づくため、この時間を決定するために、対応する時間値がスケジュールテーブルストア726内に記憶される必要はない。
【0193】
時間AT1において、コントローラ704は、メモリ位置ME1から始まる位置に記憶された、後続のビットプレーンRE0の、光変調器のアレイ702の偶数行内へのロードを開始する。AT1において始まるアドレス指定イベントの間、タイミング制御モジュール724は、奇数行内へのデータのロードに関連するプロセスをすべて省略する。これは、スケジュールテーブルストア726内に、タイミング値AT1に関連付けられた符号化されたパラメータ(例えば数字0など)を記憶することによって達成されてもよい。これにより、時間AT1において開始されるアドレス指定イベントを完了するための時間の長さは、時間AT0において両方のバンクの行をアドレス指定するために必要とされる時間の、1/2のみとなる。奇数行についての、最下位の赤のビットプレーンは、かなり後の、時間AT5まで、光変調器のアレイ702内にロードされないことに注意されたい。
【0194】
ランプ消灯イベント時間LT0〜LTn−1は、スケジュールテーブルストア726内に記憶された時間において発生する。時間は、vsyncパルスの検出に続くクロックサイクルによって記憶されてもよく、または、光変調器のアレイ702内への前のビットプレーンのロードの開始に続くクロックサイクルによって記憶されてもよい。光変調器のアレイ702内にビットプレーンをロードするために要する時間よりも長い期間にわたって照射されるべきビットプレーンについては、ランプ消灯時間は、対応するアドレス指定イベントの完了と一致するように、スケジュールテーブル内で設定される。例えば、LT0は、AT0の後の、偶数番号行のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT0は、AT1の後の、偶数番号行内へのビットプレーンRE0のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。LT3は、AT4の後の、奇数番号行内へのビットプレーンRO1のロードの完了に一致する時間において発生するように設定される。各バンクについての、すべての赤のビットプレーンがロードされ、適切な長さの時間照射された後、プロセスは、緑のビットプレーンについて再び開始される。
【0195】
タイミング図1900によるバンク別アドレス指定の例は、2つのみの独立にアドレス指定可能かつ作動可能なバンクを提供する。他の実施形態では、MEMS変調器のアレイおよびそれらの駆動回路は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれよりも多くの、独立にアドレス指定可能なバンクを提供するように相互接続されてもよい。6つの独立にアドレス指定可能なバンクを有するディスプレイは、ディスプレイ全体のアドレス指定のために必要とされる時間に比較して、1/6のみの時間を、1つのバンク内の行のアドレス指定のために必要とする。6つのバンクを使用する場合、同じ色のランプによる6つの異なるビットプレーンが、インターリーブされ、同時に照射されてもよい。6ビットの例では、各バンクに関連付けられる行は、ディスプレイの6番目の行ごとに割り当てられてもよい。
【0196】
バンク別アドレス指定を使用する一部の実施形態では、他の同時バンク内の行の状態が同じ色に関連付けられている限り、所与のバンクの行を、1つのビットプレーンによって示される状態から、次のビットプレーン内で示される状態に切り換える間、ランプをオフにする必要はない。
【0197】
タイミング図1500に関して導入された順序付け規則を再び参照すると、バンク別アドレス指定方式は、MEMSベースのフィールド順序式ディスプレイ内のフリッカを減らすための追加の機会を提供する。特に、アドレス指定イベントAT0において導入される、偶数行についての赤のビットプレーンR1は、タイミングイベントAT4において導入される、奇数行についての赤のビットプレーンR1と同じ、赤のサブ画像のグループの中で表示される。これらのビットプレーンのそれぞれは、フレームにつき1回だけ表示される。タイミング図19におけるフレームレートが、30Hzという低い値である場合、これらの下位ビットプレーンの表示は、フレーム間で実質的に25ミリ秒よりも長く隔てられて、フリッカの知覚に寄与する。しかし、隣接するフレーム間でのR1ビットプレーンの表示の間隔が、決して25ミリ秒を超えることがないように、好ましくは17ミリ秒未満となるように、タイミング図19内のビットプレーンがさらに再配置されるならば、この状況は改善されることが可能である。
【0198】
特に、赤の最上位ビットプレーン、すなわち、最上位ビット−R4の表示は、例えば、アドレス指定イベントAT3とAT4との間のいずれかの点において、分割されてもよい。赤のサブ画像の、2つのグループは、次に、緑および青のサブ画像内の類似したサブグループの間に再配置されてもよい。赤、緑、および青のサブグループは、タイミング図1500におけるように、散在させられてもよい。その結果として、例えば、R1、G1、B1のサブフレームデータセットの表示は、連続する画像フレーム内、および連続する画像フレーム間の両方で、ほぼ等しい時間間隔で現れるように配置されてもよい。この例では、偶数行についてのR1ビットプレーンは、依然として、画像フレームにつき1回だけ現れる。しかし、R1ビットプレーンの表示が奇数行と偶数行との間で順に交代するならば、そして、ビットプレーンの奇数部分または偶数部分の表示の間の時間間隔が、決して25ミリ秒を超えず、好ましくは17ミリ秒未満であるならば、フリッカは減らされることが可能である。
【0199】
図20は、本発明の例示的実施形態による、直視型ディスプレイ内で使用するためのコントローラ2000のブロック図である。例えば、コントローラ2000は、図7の直視型MEMSディスプレイ700のコントローラ704に取って代わってもよい。コントローラ2000は、外部ソースから画像信号2017を受信し、そのコントローラが組み込まれているディスプレイの光変調器とランプとを制御するための、データおよび制御信号の両方を出力する。
【0200】
コントローラ2000は、入力処理モジュール2018と、メモリ制御モジュール2020と、フレームバッファ2022と、タイミング制御モジュール2024と、4つの固有のスケジュールテーブルストア2026、2027、2028、および2029とを含む。コントローラ2000については、スケジュールテーブルストア内のパラメータの変更を可能にするプログラミングリンクの代わりに、コントローラは、任意の所与の時間において、4つのスケジュールテーブルストアのうちのいずれがアクティブになるかを決定する、スイッチ制御モジュール2040を提供する。一部の実装では、構成要素2018〜2040は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらの構成要素のうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、1つの半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。
【0201】
入力処理モジュール2018は、入力処理モジュール718と同様に、画像信号2017を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイを介した表示のために適したフォーマットにする。入力処理モジュール2018は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。さまざまな実施形態において、入力処理モジュール2018は、画像信号2017を、符号化されていないサブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、入力処理モジュール2018は、画像信号2017を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0202】
入力処理モジュール2018は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール2020に出力する。メモリ制御モジュール2020は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ2022内に記憶する。フレームバッファは、ランダムアクセスメモリであることが好ましいが、その他のタイプのシリアルメモリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用されてもよい。メモリ制御モジュール2020は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール2020は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ2022は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0203】
メモリ制御モジュール2020は、タイミング制御モジュール2024からの命令があり次第、フレームバッファ2022からサブ画像データセットを取り出して、それらをデータドライバに出力することも担当する。データドライバは、メモリ制御モジュール2020によって出力されたデータを、光変調器のアレイの、光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール2020は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ2022は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール2020は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイに出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0204】
「サブフレームデータセット出力シーケンス」と呼ばれる、サブ画像データセットが出力される順序と、メモリ制御モジュール2022が各サブ画像データセットの出力を開始する時とは、少なくとも部分的には、代替のスケジュールテーブルストア2026、2027、2028、および2029のうちの1つの中に記憶されたデータによって制御される。スケジュールテーブルストア2026〜2029のそれぞれは、各サブフレームデータセットに関連付けられた少なくとも1つのタイミング値と、サブ画像データセットが記憶されたフレームバッファ2022内の場所を示す識別子と、サブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。一部の実装では、スケジュールテーブルストア2026〜2029は、さらに、特定のサブフレームデータセットについて、対応するランプが点灯されるべき強度を示す、強度値も記憶する。
【0205】
一実装では、スケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶されたタイミング値は、サブフレームデータセットを使用した、光変調器のアレイのアドレス指定を、いつ開始するかを決定する。別の実装では、タイミング値は、サブフレームデータセットに関連付けられたランプが、いつ点灯および/または消灯されるべきかを決定するために使用される。一実装では、タイミング値は、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0206】
さまざまなスケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶される別個のタイミング値は、例えば、フレームレート、ランプ輝度、達成可能なグレースケール精度の特性において、または表示される色の飽和度において異なる、表示モード間などの、別個の画像化アルゴリズム間の、選択肢を提供する。複数のスケジュールテーブルの記憶は、したがって、画像を表示する方法における柔軟性、特に、携帯用電子機器内で使用するための、電力を節約する方法を提供する場合に特に有利な柔軟性を、提供する。直視型ディスプレイ2000は、メモリ内に記憶された、4つの固有のスケジュールテーブルを含む。他の実装では、記憶される別個のスケジュールの数は、2、3、または任意のその他の数であってもよい。例えば、100個もの数の固有のスケジュールテーブルストアについて、スケジュールパラメータを記憶することが有利な場合がある。
【0207】
コントローラ2000内に記憶された複数のスケジュールテーブルは、画像品質と消費電力との間のトレードオフの利用を可能にする。より濃い飽和色の表示を必要としない、一部の画像については、輝度を提供するために、白色ランプまたは混合色に依拠することが可能である(特に、これらのカラー方式が、電力効率がより良い可能性がある場合)。同様に、すべての画像またはアプリケーションが1600万色の表示を必要とするわけではない。一部の画像またはアプリケーションについては、250,000色のパレットで十分な場合がある(色ごとに6ビット)。他の画像またはアプリケーションについては、わずか4000色(色ごとに4ビット)または500色(色ごとに3ビット)に制限された色の範囲で十分な場合がある。省電力の機会を利用するために、表示の柔軟性を提供するための電子回路を、直視型MEMSディスプレイコントローラ内に含めることは有利である。
【0208】
MEMS直視型ディスプレイ内の画像品質および消費電力の両方に影響を与える変数の多くは、スケジュールテーブルストア2026〜2029内に記憶されたタイミングおよびビットプレーンパラメータによって統御される。タイミング制御モジュール2024内に記憶されたシーケンシングコマンドとともに、これらのパラメータは、コントローラ2000が、ランプ強度、フレームレート、(サブフィールド内でのランプ色の混合に基づく)色のさまざまなパレット、または(画像フレームを表示するために使用されるビットプレーンの数に基づく)さまざまなグレースケールビット深度についての、変更を出力することを可能にする。
【0209】
一実装では、各スケジュールテーブルは、異なる表示プロセスに対応する。例えば、スケジュールテーブル2026は、約1600万色(色ごとに8ビット)を、高い色飽和度とともに生成することが可能な表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2027は、例えば20フレーム/秒未満の、非常に低いフレームレートまたはリフレッシュレートを有する、白黒(例えば、テキスト)画像のみに適した表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2028は、輝度が重要視され、しかしそれにもかかわらず、バッテリ電力は節約されなければならない、カラーまたはビデオ画像の屋外での表示に適した表示プロセスに対応する。スケジュールテーブル2029は、ビデオを除く、ほとんどのアイコンまたはテキストタイプの情報に適した、読みやすい、低電力の表示を提供する、制限された色の選択肢(例えば、4000)を提供する表示プロセスに対応する。スケジュールテーブルストア2026〜2029によって表される表示プロセスのうち、スケジュールテーブル2026によって表される表示プロセスは、最も多くの電力を必要とするのに対して、スケジュールテーブル2027によって表される表示プロセスは、最も少ない電力を必要とする。スケジュールテーブル2028および2029に対応する表示プロセスは、その他の表示プロセスによって必要とされる電力消費の、中間の電力消費を必要とする。
【0210】
コントローラ2000内で、任意の所与の画像フレームについて、タイミング制御モジュール2024は、その表示プロセスパラメータまたは定数を、4つの可能なシーケンステーブルのうちの1つのみから導き出す。スイッチ制御モジュール2040は、シーケンステーブルのうちのいずれが、タイミング制御モジュール2040によって参照されるかを統御する。このスイッチ制御モジュール2040は、ユーザ制御されるスイッチであってもよく、あるいは、MEMSディスプレイ装置と同じハウジング内に含まれるか、またはその外部にあってもよい、外部プロセッサ(「外部モジュール」と呼ばれる)からのコマンドに応答してもよい。外部モジュールは、例えば、表示される情報がテキストであるか、またはビデオであるかを、あるいは、表示される情報がカラーでなければならないか、または厳密に白黒でなければならないかを決定してもよい。一部の実施形態では、スイッチコマンドは、入力処理モジュール2018からもたらされてもよい。ユーザからの、または外部モジュールからの命令に応答して、スイッチ制御モジュール2040は、所望の表示プロセスまたは表示パラメータに対応するスケジュールテーブルストアを選択する。
【0211】
図21は、本発明の例示的実施形態による、図20のコントローラ2000などの、直視型ディスプレイによる使用に適した、画像を表示するためのプロセス2100(「表示プロセス2100」)のフローチャートである。図20および図21を参照すると、表示プロセス2100は、画像フレームの表示において使用するための適切なスケジュールテーブルの選択(ステップ2102)から始まる。例えば、選択は、スケジュールテーブルストア2026〜2029の間で行われる。この選択は、入力処理モジュール2018によって、または直視型MEMSディスプレイが組み込まれている装置の別の部分内のモジュールによって行われてもよく、あるいは、装置のユーザによって直接行われてもよい。入力処理モジュールまたは外部モジュールによって、スケジュールテーブル間での選択が行われる場合、その選択は、表示される画像のタイプに応じて行われてもよい(例えば、ビデオまたは静止画像は、(テキスト画像などの)限られた数のコントラストレベルしか必要としない画像に対比して、より詳細なレベルのグレースケールコントラストを必要とする)。画像化モードまたはスケジュールテーブルの選択に影響を及ぼす可能性がある別の要因は、ユーザによる直接選択の場合でも、外部モジュールによる自動的な選択の場合でも、照明環境であってもよい。例えば、ディスプレイが明るい日光の環境内で対抗しなければならない屋外に対比して、屋内またはオフィス環境内で表示される場合のディスプレイのために、1つの輝度が好まれてもよい。より明るいディスプレイは、直射日光の環境内で視認可能である可能性がより高いが、より明るいディスプレイは、より多くの量の電力を消費する。外部モジュールは、環境光に基づいてスケジュールテーブルを選択する場合、組み込まれた光検出器を介して受信する信号に応えて、その決定を行ってもよい。画像化モードまたはスケジュールテーブルの選択に影響を及ぼす可能性がある別の要因は、ユーザによる直接選択の場合でも、外部モジュールによる自動的な選択の場合でも、ディスプレイが組み込まれている装置に電力を供給しているバッテリ内に蓄積されたエネルギーのレベルであってもよい。バッテリがそれらの蓄積能力の終わりに近付くに従って、バッテリの寿命を延ばすために、より少ない電力を消費する画像化モードに切り換えることが好ましい場合がある。
【0212】
選択ステップ2102は、4つのスケジュールテーブルストア2026〜2029のうちの1つのみへの、タイミング制御モジュール2024内での参照を変更する、メカニカルリレーを用いて達成されてもよい。あるいは、選択ステップ2102は、スケジュールテーブルストア2026〜2029のうちの1つの位置を示すアドレスコードの受信によって達成されてもよい。タイミング制御モジュール2024は、次に、スイッチ制御モジュール2040を介して受信した選択アドレスを利用して、そのスケジュールパラメータのための正しいメモリソースを示す。あるいは、タイミング制御モジュール2024は、メモリ制御回路に類似したマルチプレクサ回路を用いてメモリ内に記憶された、スケジュールテーブルへの参照を行ってもよい。スイッチ制御モジュール2040によってコントローラ2000内に選択コードが入れられたら、タイミング制御モジュール2024によって要求されたスケジュールテーブルパラメータがメモリ内の正しいアドレスに送られるように、マルチプレクサは再設定される。
【0213】
プロセス2100は、次に、画像フレームのためのデータの受信を継続する。データは、ステップ2104において、入力線2017を用いて、入力処理モジュール2018によって受信される。入力処理モジュールは、次に、例えばビットプレーンなどの、複数のサブフレームデータセットを導き出して、それらをフレームバッファ2022内に記憶する(ステップ2106)。サブフレームデータセットの記憶の後、タイミング制御モジュール2024は、ステップ2108における、サブフレームデータセットのそれぞれの、それらの正しい順序での、選択されたスケジュールテーブル内に記憶されたタイミング値に従った、表示に進む。
【0214】
プロセス2100は、次に、画像データの後続のフレームの受信を反復して継続する。ステップ2104における画像データの受信から、ステップ2108におけるサブフレームデータセットの表示までのシーケンスは、多数回繰り返されてもよく、表示される各画像フレームは、同じ選択されたスケジュールテーブルによって統御される。このプロセスは、後で、例えばステップ2102を繰り返すことによって、新しいスケジュールテーブルの選択が行われるまで継続されてもよい。あるいは、入力処理モジュール2018は、受信する各画像フレームについてスケジュールテーブルを選択してもよく、または、入力画像データを定期的に調べて、スケジュールテーブルの変更が適切かどうかを判定してもよい。
【0215】
図22は、本発明の例示的実施形態による、MEMS直視型ディスプレイ内に含めるのに適した、コントローラ2200のブロック図である。例えば、コントローラ2200は、MEMS直視型ディスプレイ700のコントローラ704に取って代わってもよい。コントローラ2200は、外部ソースから画像信号2217を受信し、そのコントローラが含まれているディスプレイの、ドライバと、光変調器と、ランプとを制御するための、データおよび制御信号の両方を出力する。
【0216】
コントローラ2200は、入力処理モジュール2218と、メモリ制御モジュール2220と、フレームバッファ2222と、タイミング制御モジュール2224とを含む。コントローラ704および2000とは異なり、コントローラ2200は、シーケンスパラメータ計算モジュール2228を含む。シーケンスパラメータ計算モジュールは、入力処理モジュール2218から監視データを受信し、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたシーケンシングパラメータへの変更を、および一部の実施形態では、所与の画像フレームについて記憶されたビットプレーンへの変更を、出力する。一部の実装では、構成要素2218、2220、2222、2224、2226、および2228は、回路基板および/またはケーブルによって一緒に接続された、別個のチップまたは回路として提供されてもよい。他の実装では、これらの構成要素のうちのいくつかは、それらの境界が、機能による以外は、ほとんど区別できないように、1つの半導体チップ内にまとめて設計されてもよい。
【0217】
入力処理モジュール2218は、画像信号2217を受信し、その中に符号化されたデータを処理して、光変調器のアレイを介した表示のために適したフォーマットにする。入力処理モジュール2218は、各画像フレームを符号化したデータを取り込んで、そのデータを一連のサブフレームデータセットに変換する。サブフレームデータセットは、光変調器のアレイの複数行および複数列内の変調器の所望の状態に関する情報を含む。画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットの数および内容は、コントローラ2200によって使用されるグレースケール技術によって異なる。例えば、符号化時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを形成するために必要なサブフレームデータセットは、符号化されていない時分割グレースケール技術を使用して画像フレームを表示するために使用されるサブフレームデータセットとは、数および内容が異なる。さまざまな実施形態において、入力処理モジュール2218は、画像信号2217を、符号化されていないサブフレームデータセット、3進符号化されたサブフレームデータセット、またはその他の形態の符号化されたサブフレームデータセットに変換してもよいが、好ましくは、入力処理モジュール2218は、画像信号2217を、図6A〜図6Cに関連して上述したビットプレーンに変換する。
【0218】
入力処理モジュール2218は、サブフレームデータセットを、メモリ制御モジュール2220に出力する。メモリ制御モジュール2220は、次に、サブフレームデータセットを、フレームバッファ2222内に記憶する。メモリ制御モジュール2220は、一実装では、サブフレームデータセットの符号化方式における色と重みとに基づいて、所定のメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶する。他の実装では、メモリ制御モジュール2220は、動的に決定されるメモリ位置内にサブフレームデータセットを記憶し、その位置を、後で識別するために、ルックアップテーブル内に記憶する。特定の一実装においては、フレームバッファ2222は、ビットプレーンの記憶のために構成される。
【0219】
メモリ制御モジュール2220は、タイミング制御モジュール2224からの命令があり次第、フレームバッファ2222からビットプレーンの組を取り出して、それらをデータドライバ2208に出力することも担当する。データドライバ2208は、メモリ制御モジュール2220によって出力されたデータを、光変調器のアレイの、光変調器内にロードする。メモリ制御モジュール2220は、サブ画像データセット内のデータを、一度に1行ずつ出力する。一実装では、フレームバッファ2222は、役割を交代する2つのバッファを含む。メモリ制御モジュール2220は、新しい画像フレームに対応する、新たに生成されたビットプレーンを、一方のバッファ内に記憶する間、以前に受信した画像フレームに対応するビットプレーンを、光変調器のアレイに出力するために、もう一方のバッファから取り出す。両方のバッファメモリは、同じ回路内に、アドレスのみによって区別されて存在してもよい。
【0220】
「サブフレームデータセット出力シーケンス」と呼ばれる、サブ画像データセットが出力される順序と、メモリ制御モジュール2220が各サブ画像データセットの出力を開始する時とは、少なくとも部分的には、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたデータによって制御される。スケジュールテーブルストア2226は、各サブフレームデータセットに関連付けられた少なくとも1つのタイミング値と、サブ画像データセットが記憶されたフレームバッファ2222内の場所を示す識別子と、サブ画像データセットに関連付けられた色を示す照射データとを記憶する。一部の実装では、スケジュールテーブルストア2226は、さらに、特定のサブフレームデータセットについて、対応するランプが点灯されるべき強度を示す、強度値も記憶する。
【0221】
一実装では、スケジュールテーブルストア2226内に記憶されたタイミング値は、各サブフレームデータセットを使用した、光変調器のアレイのアドレス指定を、いつ開始するかを決定する。別の実装では、タイミング値は、サブフレームデータセットに関連付けられたランプが、いつ点灯および/または消灯されるべきかを決定するために使用される。一実装では、タイミング値は、例えば、画像フレームの表示の開始以来、あるいは、最後のアドレス指定またはランプイベントがトリガされて以来の、経過したクロックサイクル数である。あるいは、タイミング値は、マイクロ秒またはミリ秒で記憶された、実際の時間値であってもよい。
【0222】
コントローラ2200は、再構成可能なスケジュールテーブルストア2226を含む。コントローラ704および2000に関して上述したように、スケジュールテーブルストア2226は、柔軟な、またはプログラム可能な構成要素をコントローラに提供する。インタフェース730などの、プログラミングリンクは、コントローラ704内のスケジュールテーブルストア726が、さまざまなランプ強度、フレームレート、カラー方式、またはグレースケールビット深度に従って、変更されること、または再プログラムされることを可能にした。コントローラ2200内のスケジュールテーブルストア2226について、表示プロセスへの同様の変更が可能であるが、ここでは、それらの変更は、個々の画像フレームの要求に応じて、入力処理モジュール2218によって検出されたそれらの画像フレームの特性に基づいて、自動的に発生するという点が異なる。
【0223】
画像フレーム内に含まれるデータに基づいて、ランプ輝度、色飽和度、およびビット深度などの変数を制御することによって、画像内に認められるいかなる変化またはひずみもなしに、ディスプレイ内の消費電力を減らすことがしばしば可能である。この理由は、多くの画像は、ランプからのフル輝度を必要としないため、あるいは、最大深度または最大飽和度の色を必要としないため、あるいは、限られた数のグレースケールレベルのみを必要とするためである。コントローラ2200は、画像フレーム内のデータに基づいて、画像フレームのための表示要件を検出し、スケジュールテーブルストア2226への変更によって、表示アルゴリズムを適合させるように構成される。
【0224】
入力画像データの内容に基づいてコントローラ2200が表示特性を適合させることを可能にする方法を、図23に、表示方法2300として示す。表示方法2300は、本発明の例示的実施形態による、図22のMEMS直視型ディスプレイ2200などのMEMS直視型ディスプレイによる使用に適している。図22および図23を参照すると、表示方法2300は、ステップ2302における、画像フレームのためのデータの受信から始まる。データは、入力線2217を用いて、入力処理モジュール2218によって受信される。入力処理モジュール2218は、例えばビットプレーンなどの、複数のサブフレームデータセットをデータから導き出して、フレームバッファ2222内にビットプレーンを記憶する。ただし、さらに加えて、ステップ2306におけるビットプレーンの記憶の前の、ステップ2304において、入力処理モジュールは、入力画像の内容を監視および解析して、その画像の表示に影響を与える可能性のある特性を探す。例えば、ステップ2304において、入力処理モジュールは、画像フレーム内の、最大飽和度の色を有する1つまたは複数のピクセルを、すなわち、1つの色からの、バランスの取れていない大きな輝度値を必要とするピクセル(同じ画像フレーム内で、他のカラーランプからの、同じピクセル内での点灯を要求することによって、希釈される、または非飽和にされるピクセル)を、記憶してもよい。入力データ監視の別の例では、入力処理モジュール2218は、色飽和度に関係なく、それぞれのランプに要求される最も高い輝度値を有するピクセルを、記憶してもよい。
【0225】
完全な画像フレームが受信され、フレームバッファ2222内に記憶された後で、方法2300はステップ2308に進む。ステップ2308において、シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、ステップ2304において収集されたデータを評価して、シーケンステーブル2226内の値を調節することによって実施されてもよい、表示プロセスへの変更を識別する。シーケンステーブル2226への変更は、次に、ステップ2310において、テーブル2226内に記憶されたパラメータのうちの特定のものを書き換えることによって影響を及ぼされる。最後に、ステップ2312において、方法2300は、スケジュールテーブル2226内で再プログラムされた、順序付けパラメータとタイミング値とに従った、サブ画像の表示に進む。
【0226】
方法2300は、次に、画像データの後続のフレームの受信を反復して継続する。方法800において示したように、受信するプロセス(ステップ2302)と画像データを表示するプロセス(ステップ2312)とは並列に実行されてもよく、その際には、再プログラムされたスケジュールテーブルに従って1つの画像が一方のバッファメモリのデータから表示されるのと同時に、新しいサブフレームデータセットが解析されて並列バッファメモリ内に記憶されてもよい。ステップ2302における画像データの受信から、ステップ2312におけるサブフレームデータセットの表示までのシーケンスは、無期限に繰り返されてもよく、その場合、表示される各画像フレームは、入力データに応じて再プログラムされるスケジュールテーブルによって統御される。
【0227】
方法2300が、ステップ2304において収集されるデータに応じて、スケジュールテーブルストア2226内の表示特性を調節することによって、消費電力を減らすことがいかにして可能であるかの、いくつかの例を考慮することは有益である。これらの例は、適応的電力方式(adaptive power scheme)と呼ばれる。
【0228】
入力画像データに応じた適応的電力のための一方式では、ステップ2304におけるデータ監視は、各フレーム内の、最大飽和度の色を有するピクセルを検出する。フレームのために必要とされる最大飽和度の色が、カラーランプから得られる飽和度の82%にすぎないと判定された場合、画像によって要求される82%の飽和度レベルを引き続き提供しながら、電力が節約されることが可能なように、ビットプレーンに提供される色を混合し直すことが可能である。各フレーム内の主要な色に、例えば、従属する赤、緑、または青の色を追加することによって、ディスプレイ内の電力は節約されてもよい。この例では、シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、許容される混色の程度を示す信号を、入力処理モジュール2218から受信する。フレームが表示される前に、シーケンスパラメータ計算モジュールは、各ビットプレーンにおける混色を決定する、シーケンステーブル2226内の強度パラメータを書き換え、それに対応して、色は非飽和にされ、電力が節約される。
【0229】
別の適応的電力方式では、画像が、ビデオまたは写真画像とは対照的に、テキストまたはテキストと記号とのみからなるかどうかを判定するプロセスが、シーケンスパラメータ計算モジュール2228内で提供される。シーケンスパラメータ計算モジュール2228は、次に、シーケンステーブル内のパラメータを、それに応じて書き換える。テキスト画像、特に白黒テキスト画像は、ビデオ画像ほど頻繁にリフレッシュされる必要はなく、そして通常は、限られた数の、異なる色またはグレーシェードのみを必要とする。シーケンスパラメータ計算器2228は、したがって、フレームレートと、各画像フレームのために表示されるサブ画像の数との両方を、調節してもよい。テキスト画像は、表示プロセスにおいて、写真画像よりも少ない数のサブ画像を必要とする。
【0230】
さらに別の適応的電力方式では、ステップ2304における監視機能は、各ピクセル内の各色による最大強度を解析するか、または調べる。いずれのピクセルについても、いずれのランプからも、輝度の65%以下しか必要としない画像が表示されるべきであるならば、場合によっては、ランプの平均強度をそれに応じて減らすことによって、その画像を正しく表示することが可能である。スケジュールテーブルストア2226内のランプ強度値は、シーケンスパラメータ計算モジュール2228内のコマンドの組によって減らされてもよい。
【0231】
付属書類1
付属書類1は、本発明のタイミングシーケンスのための実施形態を表現する、スケジュールテーブル9を用いて表現されるタイミングシーケンス3000を提示する。
【0232】
付属書類1のタイミングシーケンス3000は、30Hzのフレームレート(例えば、vsyncパルスの間が33.3ミリ秒)における画像情報の表示に適合し、赤、緑、および青の色のそれぞれについての、7ビットの表示を含む。タイミングシーケンス3000は、アレイ内の変調器状態の設定に関連する、以下のパラメータによって制約される。
・完全なビットプレーンをアレイにロードするために、240マイクロ秒が必要とされる
・1つのバンク(奇数または偶数)の行のみにビットプレーンをロードするために、120マイクロ秒が必要とされる
・大域的作動のために、100マイクロ秒が必要とされる
【0233】
タイミングシーケンス3000のためのスケジュールテーブルは、サブ画像の表示のためにタイミング制御モジュール724によって必要とされる、以下の情報を含む。
・サブフィールド番号
・ビットプレーン間隔(大域的作動パルスの間の経過時間)
・ビットプレーンのメモリ位置のための、それらの割り当てられたバンクによって区別された、英数字コード(例えば、R0、R1、R2、...R6)
・照射強度
【0234】
タイミングシーケンス3000のためのスケジュールテーブルは、アドレス指定時間と照射時間との間を区別しない。代わりに、タイミング制御モジュール724内のロジックは、各ビットプレーン間隔が、大域的作動イベントの完了直後に始まると仮定する。大域的作動の後の、シーケンスの最初の動作において、表9内に示された強度値に従ってランプが点灯される。
【0235】
タイミングシーケンス3000は、前に説明した、以下の特徴を含む。タイミングシーケンス1200と同様に、タイミングシーケンス3000を使用するディスプレイは、大域的作動の機能を含む。タイミングシーケンス3000を使用するディスプレイは、奇数および偶数バンクのそれぞれのための、2つの独立した大域的作動回路を含む。タイミングシーケンス3000は、タイミングシーケンス1450で説明したものに類似した、ランプの制御のための方式を含み、その方式では、照射値を表すためにパルス期間とパルス強度との両方が使用される。タイミングシーケンス3000は、タイミングシーケンス1700におけるのと同様に、色の混合が可能であるが、本実施形態では、一度に1つのランプのみが点灯される。
【0236】
タイミングシーケンス3000は、バンク別アドレス指定を含む。下位ビットプレーン(例えば、R0、R1、R2、およびR3)は、所与のバンク(例えば、奇数行)内で、常に連続的に表示され、下位ビットプレーンのこのシーケンスは、他方のバンク内(例えば、偶数行内)で最上位ビット(例えば、R6)が照射されるのと同時に照射される。
【0237】
タイミングシーケンス3000は、最上位ビット(例えば、R6、G6、およびB6)を、4つの別個の、しかし等しく時間が定められたサブ画像に分割する。タイミングシーケンスは、色の間の最大期間1.38ミリ秒で、頻繁に色を順に交代させる。最上位ビットの表示の間の時間は、最上位ビットの連続するペア間で、必ずしも等しいとは限らないが、最上位ビット間の期間が4.16ミリ秒よりも大きくなることは決してない。
【0238】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【0239】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の例示的実施形態による、直視型MEMSベースディスプレイの概略図である。
【図2A】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、例示的なシャッタベースの光変調器の斜視図である。
【図2B】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、ローラーシェードベースの光変調器の断面図である。
【図2C】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、光タップベースの光変調器の断面図である。
【図2D】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内への組み込みに適した、エレクトロウェッティングベースの光変調器の断面図である。
【図3A】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内に組み込まれた光変調器の制御に適した、制御マトリクスの概略図である。
【図3B】本発明の例示的実施形態による、図3Aの制御マトリクスに接続されたシャッタベースの光変調器のアレイの斜視図である。
【図3C】本発明の例示的実施形態による、バックライトの上に配置された、図3Bに示す光変調器のアレイを含む、直視型ディスプレイの部分を示す。
【図3D】本発明の例示的実施形態による、図1の直視型MEMSベースディスプレイ内に含めるための、別の好適な制御マトリクスの概略図である。
【図4】フィールド順次式カラー技術を使用してディスプレイ上に画像を表示するための方法の、タイミング図である。
【図5】時分割グレースケール技術を使用してディスプレイ上に画像を表示するための方法の、タイミング図である。
【図6A】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置によって受信されるディジタル画像信号の概略図である。
【図6B】本発明の例示的実施形態による、受信された画像信号をビットプレーンに変換するために役立つメモリバッファの概略図である。
【図6C】本発明の例示的実施形態による、2つのビットプレーンの部分の概略図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置のブロック図である。
【図8】本発明の例示的実施形態による、図6のディスプレイ装置による使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【図9】本発明の例示的実施形態による、図7の方法の第1の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図10】本発明の例示的実施形態による、図9の方法内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図11】本発明の例示的実施形態による、図8の方法の第2の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図12】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第1の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図13】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第2の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第3の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第4の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図14C】本発明の例示的実施形態による、ランプのためのさまざまなパルスプロファイルを示す。
【図15】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第4の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図16】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第5の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図17】本発明の例示的実施形態による、図11の方法の第6の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図18】本発明の例示的実施形態による、図8の方法の第3の実装の一部分の、より詳細なフローチャートである。
【図19】本発明の例示的実施形態による、図18の方法の実装内でのさまざまな画像形成イベントのタイミングを示す、タイミング図である。
【図20】本発明の例示的実施形態による、図1のディスプレイ装置内に含めるのに適したコントローラのブロック図である。
【図21】本発明の例示的実施形態による、図20のコントローラによる使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【図22】本発明の例示的実施形態による、図1のディスプレイ装置内に含めるのに適した第2のコントローラのブロック図である。
【図23】本発明の例示的実施形態による、図22のコントローラによる使用に適した、画像を表示するための方法のフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板上に形成されたMEMS光変調器のアレイであって、前記光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるアレイと、
前記アレイにデータと作動電圧とを伝えるために前記透明基板上に形成された制御マトリクスと、
前記アレイ内の前記光変調器のそれぞれの前記状態を制御するためのコントローラと、を備える直視型ディスプレイであって、
前記コントローラは、
前記直視型ディスプレイ上での表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信するための入力と、
前記画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すためのプロセッサであって、各サブフレームデータセットは、前記アレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示すプロセッサと、
前記複数のサブフレームデータセットを記憶するためのメモリと、
光変調器を、前記サブフレームデータセット内で示された前記状態にするために、出力シーケンスに従って前記複数のサブフレームデータセットを出力するための出力と、を備える、直視型ディスプレイ。
【請求項2】
前記出力シーケンスは、複数のイベントを含み、前記コントローラは、少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられたさまざまな時間値を記憶する、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項3】
前記時間値は、前記変調器が状態を変更する間の前記アレイの照射を防止するように選択される、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項4】
複数のランプを備え、前記メモリは、前記出力シーケンス内に含まれるランプ点灯イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項3に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項5】
複数のランプを備え、前記メモリは、前記出力シーケンス内に含まれるランプ消灯イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項3に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項6】
前記出力シーケンスはアドレス指定イベントを含み、前記メモリは、前記アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項7】
前記時間値は、前記複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットの出力の結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連している、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項8】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つについての別個のサブフレームデータセットを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項9】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの4つの色成分についての別個のサブフレームデータセットを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項10】
前記4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなる、請求項9に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項11】
前記出力シーケンスは、少なくとも部分的にメモリ内に記憶される、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項12】
複数のランプを備え、前記出力シーケンスはランプ点灯シーケンスを含む、請求項11に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項13】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、強度に対応するデータを含む、請求項12に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項14】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットのためにランプが点灯される、時間の長さと相互に関連するデータを含む、請求項12に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項15】
前記ランプ点灯シーケンス内の各サブフレームデータセットについてランプが点灯される前記時間の長さは、4ミリ秒以下である、請求項14に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項16】
前記複数のサブフレームデータセットの前記導き出しは、
前記画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解することと、
前記複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に重みを割り当てることと、を含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項17】
前記プロセッサは、符号化方式に従って前記重みを割り当てる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項18】
前記コントローラは、サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した長さの時間にわたって照射させる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項19】
前記コントローラは、サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した照射強度で照射させる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項20】
前記符号化方式は2進符号化方式であり、前記サブフレームデータセットは、ビットプレーンであり、前記画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される、請求項17に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項21】
前記最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、前記最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与する、請求項20に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項22】
前記出力シーケンスは、前記画像フレームの少なくとも1つの色成分の前記最上位サブ画像に対応する前記ビットプレーンを、2つの別個の時間において出力することを含む、請求項20に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項23】
前記出力シーケンスに従って、前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記2つの別個の時間は、25ミリ秒以下の間隔である、請求項22に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項24】
前記出力シーケンスに従って、前記画像フレームの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第1の時と、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記第2の時と、前記色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である、請求項22に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項25】
前記出力シーケンスは、
前記画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力する前に出力することと、
前記画像フレームの前記第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの前記第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力した後で出力することと、を含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項26】
単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯される、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項27】
前記少なくとも2つの色のうちの1つのランプは、前記少なくとも2つの色のうちのその他のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯される、請求項26に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項28】
前記出力シーケンスへの変更を受信するための、外部プロセッサへのデータリンクを備える、請求項11に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項29】
複数の代替の出力シーケンスを記憶するためのメモリを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項30】
前記出力シーケンスと、前記複数の代替の出力シーケンスとの間を切り換えるための、出力シーケンス切り換えモジュールを備える、請求項29に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項31】
前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記直視型ディスプレイが組み込まれた装置内に含まれている、前記コントローラの外部にある、第2のプロセッサから受信した命令に応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項32】
ユーザインタフェースを備え、前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記ユーザインタフェースに応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項33】
前記ユーザインタフェースは、手動スイッチである、請求項32に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項34】
前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記プロセッサに応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項35】
前記出力シーケンスへの変更を導き出すための、シーケンスパラメータ計算モジュールを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項36】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、前記出力シーケンスへの変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項37】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項38】
複数のランプを備え、前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項39】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、サブフレームデータセットへの変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項40】
光変調器の前記アレイは、複数の独立に作動可能な、光変調器のバンクを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項41】
前記制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を備え、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項42】
前記複数のバンクは、前記アレイ内で相互に隣接して配置される、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項43】
光変調器の各バンクは、前記アレイ内の複数の行を備え、前記バンクは、前記アレイ内で相互に織り合わされる、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項44】
前記バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、前記バンクのうちのもう1つの中での、前記有意性と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、かつ、前記重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項45】
前記光変調器はシャッタを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項46】
前記シャッタは、光を選択的に反射する、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項47】
前記シャッタは、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させる、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項48】
前記シャッタは、前記基板に対して横方向に駆動される、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項49】
前記光変調器は、反射型光変調器である、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項50】
前記光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項51】
光変調器の前記アレイに隣接して配置された、光ガイドを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項52】
前記出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項53】
光変調器の前記アレイの複数行および複数列内の光変調器を実質的に同時に作動させるための、光変調器の前記アレイに結合された大域的作動相互接続を備える、請求項52に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項54】
前記制御マトリクスは、各光変調器について、トランジスタとコンデンサとを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項55】
透明基板と、
前記透明基板上に形成された、MEMS光変調器のアレイであって、前記光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるアレイと、
前記アレイにデータと作動電圧とを伝えるために前記透明基板上に形成された制御マトリクスと、
少なくとも3つの色のランプと、
コントローラと、を備える直視型ディスプレイであって、
前記コントローラは、
前記アレイ内の前記光変調器のそれぞれの前記状態を制御するため、および
画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して光変調器の前記アレイを照射するように、ランプの点灯を制御するためのものである、直視型ディスプレイ。
【請求項56】
光変調器の前記アレイを照射している前記色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度のものである、請求項55に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項57】
直視型ディスプレイ上に画像フレームを表示するための方法であって、
前記画像フレームを符号化した画像データを受信するステップと、
前記画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すステップであって、各サブフレームデータセットは、透明基板上に形成された光変調器アレイの、複数行および複数列内のMEMS光変調器の、所望の状態を示すステップと、
前記複数のサブフレームデータセットをメモリ内に記憶するステップと、
前記MEMS光変調器を、各サブフレームデータセット内で示された前記所望の状態にするために、出力シーケンスに従って前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップと、を含み、前記出力するステップは、前記透明基板上に形成された制御マトリクスを介して前記光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップを含む、方法。
【請求項58】
少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられた、さまざまな時間値を記憶するステップを含み、前記出力シーケンスは前記イベントを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記時間値は、前記MEMS光変調器が状態を変更する間の、前記光変調器アレイの照射を防止するように選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに従って、複数のランプのうちの少なくとも1つを点灯するステップを含み、前記時間値は、前記ランプ点灯イベントと関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記出力シーケンス内に含まれているランプ消灯イベントに従って、複数のランプのうちの少なくとも1つを消灯するステップを含み、前記時間値は、前記ランプ消灯イベントと関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記出力シーケンスはアドレス指定イベントを含み、前記メモリは、前記アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記時間値は、前記複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットを出力する前記ステップの結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連している、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つについての、別個のサブフレームデータセットを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの4つの色成分についての、別個のサブフレームデータセットを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記出力シーケンスは、少なくとも部分的に、メモリ内に記憶される、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
前記出力シーケンスは、複数のランプに対応するランプ点灯シーケンスを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、強度に対応するデータを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットのためにランプが点灯される、時間の長さに対応するデータを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ランプ点灯シーケンス内の、各サブフレームデータセットについてランプが点灯される前記時間の長さは、4ミリ秒以下である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数のサブフレームデータセットを導き出すステップは、
前記画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解するステップと、
前記複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に、重みを割り当てるステップと、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項73】
前記重みを割り当てるステップは、符号化方式に従って行われる、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した長さの時間にわたって照射するステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した照射強度で照射するステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記符号化方式は2進符号化方式であり、前記サブフレームデータセットはビットプレーンであり、前記画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、前記最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、前記画像フレームの少なくとも1つの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンを、2つの別個の時間において出力するステップを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記出力シーケンスに従って、前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記2つの別個の時間は、25ミリ秒以下の間隔である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記出力シーケンスに従って、前記画像フレームの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第1の時と、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記第2の時と、前記色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、
前記画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力する前に出力するステップと、
前記画像フレームの前記第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの前記第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力した後で出力するステップと、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項82】
単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯される、請求項57に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも2つの色のうちの1つのランプは、前記少なくとも2つの色のうちのその他のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記出力シーケンスへの変更を、外部プロセッサへのデータリンクを介して受信するステップを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項85】
複数の代替の出力シーケンスをメモリ内に記憶するステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項86】
前記出力シーケンスと、前記複数の代替の出力シーケンスとの間を、出力シーケンス切り換えモジュールを介して切り換えるステップを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記出力シーケンス切り換えモジュールが応答する、外部プロセッサからの命令を受信するステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記出力シーケンス切り換えモジュールが応答する、ユーザインタフェースからの命令を受信するステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記ユーザインタフェースは、手動スイッチである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
複数のサブフレームデータセットを導き出す前記ステップは、画像処理モジュールによって実行され、前記出力シーケンス切り換えモジュールは、画像処理モジュールに応答する、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
シーケンスパラメータ計算モジュールを介して、前記出力シーケンスへの変更を導き出すステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項92】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、前記出力シーケンスへの変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは前記出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
複数のランプを備え、前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、サブフレームデータセットへの変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記光変調器アレイは、光変調器の複数のバンクを備え、各バンクを独立に作動させることが可能である、請求項57に記載の方法。
【請求項97】
前記制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を備え、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記複数のバンクのうちのバンクは、前記光変調器アレイ内で相互に隣接して配置される、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記複数のバンクのうちの各バンクは、前記光変調器アレイ内の複数の行を備え、前記複数のバンクのうちのバンクは、前記光変調器アレイ内で相互に織り合わされる、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、前記バンクのうちのもう1つの中での、前記有意値と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、かつ、前記重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記MEMS光変調器はシャッタを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項102】
前記シャッタは、光を選択的に反射する、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記シャッタは、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させる、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記シャッタを、前記基板に対して横方向に駆動するステップを含む、請求項101に記載の方法。
【請求項105】
前記MEMS光変調器は、反射型光変調器である、請求項57に記載の方法。
【請求項106】
前記MEMS光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる、請求項57に記載の方法。
【請求項107】
前記光変調器アレイに隣接して配置された光ガイドを介して、光を導くステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項108】
前記出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項109】
前記光変調器アレイに結合された大域的作動相互接続を介して、前記光変調器アレイの複数行および複数列内のMEMS光変調器を実質的に同時に作動させるステップを含む、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記制御マトリクスは、各MEMS光変調器について、トランジスタとコンデンサとを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項111】
直視型ディスプレイ上に画像を表示するための方法であって、
透明基板上に形成された光変調器アレイ内のMEMS光変調器の状態を制御するステップであって、前記MEMS光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるステップと、
前記透明基板上に形成された制御マトリクスを介して、前記光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップと、
前記画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して前記光変調器アレイを照射するように、少なくとも3つの色のランプの点灯を制御するステップと、を含む、方法。
【請求項112】
光変調器の前記アレイを照射している前記色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度のものである、請求項111に記載の方法。
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板上に形成されたMEMS光変調器のアレイであって、前記光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるアレイと、
前記アレイにデータと作動電圧とを伝えるために前記透明基板上に形成された制御マトリクスと、
前記アレイ内の前記光変調器のそれぞれの前記状態を制御するためのコントローラと、を備える直視型ディスプレイであって、
前記コントローラは、
前記直視型ディスプレイ上での表示のために画像フレームを符号化した画像データを受信するための入力と、
前記画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すためのプロセッサであって、各サブフレームデータセットは、前記アレイの複数行および複数列内の光変調器の所望の状態を示すプロセッサと、
前記複数のサブフレームデータセットを記憶するためのメモリと、
光変調器を、前記サブフレームデータセット内で示された前記状態にするために、出力シーケンスに従って前記複数のサブフレームデータセットを出力するための出力と、を備える、直視型ディスプレイ。
【請求項2】
前記出力シーケンスは、複数のイベントを含み、前記コントローラは、少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられたさまざまな時間値を記憶する、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項3】
前記時間値は、前記変調器が状態を変更する間の前記アレイの照射を防止するように選択される、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項4】
複数のランプを備え、前記メモリは、前記出力シーケンス内に含まれるランプ点灯イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項3に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項5】
複数のランプを備え、前記メモリは、前記出力シーケンス内に含まれるランプ消灯イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項3に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項6】
前記出力シーケンスはアドレス指定イベントを含み、前記メモリは、前記アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項7】
前記時間値は、前記複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットの出力の結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連している、請求項2に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項8】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つについての別個のサブフレームデータセットを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項9】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの4つの色成分についての別個のサブフレームデータセットを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項10】
前記4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなる、請求項9に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項11】
前記出力シーケンスは、少なくとも部分的にメモリ内に記憶される、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項12】
複数のランプを備え、前記出力シーケンスはランプ点灯シーケンスを含む、請求項11に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項13】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、強度に対応するデータを含む、請求項12に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項14】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットのためにランプが点灯される、時間の長さと相互に関連するデータを含む、請求項12に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項15】
前記ランプ点灯シーケンス内の各サブフレームデータセットについてランプが点灯される前記時間の長さは、4ミリ秒以下である、請求項14に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項16】
前記複数のサブフレームデータセットの前記導き出しは、
前記画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解することと、
前記複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に重みを割り当てることと、を含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項17】
前記プロセッサは、符号化方式に従って前記重みを割り当てる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項18】
前記コントローラは、サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した長さの時間にわたって照射させる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項19】
前記コントローラは、サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した照射強度で照射させる、請求項16に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項20】
前記符号化方式は2進符号化方式であり、前記サブフレームデータセットは、ビットプレーンであり、前記画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される、請求項17に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項21】
前記最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、前記最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与する、請求項20に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項22】
前記出力シーケンスは、前記画像フレームの少なくとも1つの色成分の前記最上位サブ画像に対応する前記ビットプレーンを、2つの別個の時間において出力することを含む、請求項20に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項23】
前記出力シーケンスに従って、前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記2つの別個の時間は、25ミリ秒以下の間隔である、請求項22に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項24】
前記出力シーケンスに従って、前記画像フレームの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第1の時と、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記第2の時と、前記色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である、請求項22に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項25】
前記出力シーケンスは、
前記画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力する前に出力することと、
前記画像フレームの前記第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの前記第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力した後で出力することと、を含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項26】
単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯される、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項27】
前記少なくとも2つの色のうちの1つのランプは、前記少なくとも2つの色のうちのその他のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯される、請求項26に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項28】
前記出力シーケンスへの変更を受信するための、外部プロセッサへのデータリンクを備える、請求項11に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項29】
複数の代替の出力シーケンスを記憶するためのメモリを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項30】
前記出力シーケンスと、前記複数の代替の出力シーケンスとの間を切り換えるための、出力シーケンス切り換えモジュールを備える、請求項29に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項31】
前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記直視型ディスプレイが組み込まれた装置内に含まれている、前記コントローラの外部にある、第2のプロセッサから受信した命令に応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項32】
ユーザインタフェースを備え、前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記ユーザインタフェースに応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項33】
前記ユーザインタフェースは、手動スイッチである、請求項32に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項34】
前記出力シーケンス切り換えモジュールは、前記プロセッサに応答する、請求項30に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項35】
前記出力シーケンスへの変更を導き出すための、シーケンスパラメータ計算モジュールを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項36】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、前記出力シーケンスへの変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項37】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項38】
複数のランプを備え、前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項39】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、サブフレームデータセットへの変更を導き出す、請求項35に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項40】
光変調器の前記アレイは、複数の独立に作動可能な、光変調器のバンクを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項41】
前記制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を備え、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項42】
前記複数のバンクは、前記アレイ内で相互に隣接して配置される、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項43】
光変調器の各バンクは、前記アレイ内の複数の行を備え、前記バンクは、前記アレイ内で相互に織り合わされる、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項44】
前記バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、前記バンクのうちのもう1つの中での、前記有意性と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、かつ、前記重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である、請求項40に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項45】
前記光変調器はシャッタを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項46】
前記シャッタは、光を選択的に反射する、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項47】
前記シャッタは、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させる、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項48】
前記シャッタは、前記基板に対して横方向に駆動される、請求項45に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項49】
前記光変調器は、反射型光変調器である、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項50】
前記光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項51】
光変調器の前記アレイに隣接して配置された、光ガイドを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項52】
前記出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項53】
光変調器の前記アレイの複数行および複数列内の光変調器を実質的に同時に作動させるための、光変調器の前記アレイに結合された大域的作動相互接続を備える、請求項52に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項54】
前記制御マトリクスは、各光変調器について、トランジスタとコンデンサとを備える、請求項1に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項55】
透明基板と、
前記透明基板上に形成された、MEMS光変調器のアレイであって、前記光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるアレイと、
前記アレイにデータと作動電圧とを伝えるために前記透明基板上に形成された制御マトリクスと、
少なくとも3つの色のランプと、
コントローラと、を備える直視型ディスプレイであって、
前記コントローラは、
前記アレイ内の前記光変調器のそれぞれの前記状態を制御するため、および
画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して光変調器の前記アレイを照射するように、ランプの点灯を制御するためのものである、直視型ディスプレイ。
【請求項56】
光変調器の前記アレイを照射している前記色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度のものである、請求項55に記載の直視型ディスプレイ。
【請求項57】
直視型ディスプレイ上に画像フレームを表示するための方法であって、
前記画像フレームを符号化した画像データを受信するステップと、
前記画像データから複数のサブフレームデータセットを導き出すステップであって、各サブフレームデータセットは、透明基板上に形成された光変調器アレイの、複数行および複数列内のMEMS光変調器の、所望の状態を示すステップと、
前記複数のサブフレームデータセットをメモリ内に記憶するステップと、
前記MEMS光変調器を、各サブフレームデータセット内で示された前記所望の状態にするために、出力シーケンスに従って前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップと、を含み、前記出力するステップは、前記透明基板上に形成された制御マトリクスを介して前記光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップを含む、方法。
【請求項58】
少なくとも2つのサブフレームデータセットに対応するイベントに関連付けられた、さまざまな時間値を記憶するステップを含み、前記出力シーケンスは前記イベントを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記時間値は、前記MEMS光変調器が状態を変更する間の、前記光変調器アレイの照射を防止するように選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに従って、複数のランプのうちの少なくとも1つを点灯するステップを含み、前記時間値は、前記ランプ点灯イベントと関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記出力シーケンス内に含まれているランプ消灯イベントに従って、複数のランプのうちの少なくとも1つを消灯するステップを含み、前記時間値は、前記ランプ消灯イベントと関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記出力シーケンスはアドレス指定イベントを含み、前記メモリは、前記アドレス指定イベントに関連付けられた時間値を記憶する、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記時間値は、前記複数のサブフレームデータセットのうちのサブフレームデータセットを出力する前記ステップの結果として生じる、サブフレーム画像の輝度と相互に関連している、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの少なくとも3つの色成分のうちの少なくとも2つについての、別個のサブフレームデータセットを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
前記複数のサブフレームデータセットは、前記画像フレームの4つの色成分についての、別個のサブフレームデータセットを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記4つの色成分は、赤、緑、青、および白からなる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記出力シーケンスは、少なくとも部分的に、メモリ内に記憶される、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
前記出力シーケンスは、複数のランプに対応するランプ点灯シーケンスを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットに関連してランプが点灯される、強度に対応するデータを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ランプ点灯シーケンスは、前記出力シーケンス内で出力されるサブフレームデータセットのためにランプが点灯される、時間の長さに対応するデータを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ランプ点灯シーケンス内の、各サブフレームデータセットについてランプが点灯される前記時間の長さは、4ミリ秒以下である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数のサブフレームデータセットを導き出すステップは、
前記画像フレームを複数のサブフレーム画像に分解するステップと、
前記複数のサブフレーム画像のうちの各サブフレーム画像に、重みを割り当てるステップと、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項73】
前記重みを割り当てるステップは、符号化方式に従って行われる、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した長さの時間にわたって照射するステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
サブフレーム画像を、前記サブフレーム画像に割り当てられた前記重みに比例した照射強度で照射するステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記符号化方式は2進符号化方式であり、前記サブフレームデータセットはビットプレーンであり、前記画像フレームの各色成分は、少なくとも、最上位サブフレーム画像と、最上位の次のサブフレーム画像とに分解される、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記最上位サブフレーム画像は、表示される画像フレームに、前記最上位の次のサブフレーム画像の2倍寄与する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、前記画像フレームの少なくとも1つの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応するビットプレーンを、2つの別個の時間において出力するステップを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記出力シーケンスに従って、前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記2つの別個の時間は、25ミリ秒以下の間隔である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記出力シーケンスに従って、前記画像フレームの色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第1の時と、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される第2の時との間の時間の長さは、前記色成分の前記最上位サブフレーム画像に対応する前記ビットプレーンが出力される前記第2の時と、前記色成分の最上位サブフレーム画像に対応するサブフレーム画像が出力される後続の時との間の時間の長さから10%の範囲内である、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記複数のサブフレームデータセットを出力するステップは、
前記画像フレームの第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力する前に出力するステップと、
前記画像フレームの前記第1の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを、前記画像フレームの前記第2の色成分に対応する少なくとも1つのサブフレームデータセットを出力した後で出力するステップと、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項82】
単一のサブフレームデータセットに対応する単一のサブフレーム画像を表示するために、少なくとも2つの異なる色のランプが点灯される、請求項57に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも2つの色のうちの1つのランプは、前記少なくとも2つの色のうちのその他のランプよりも、実質的に大きな強度で点灯される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記出力シーケンスへの変更を、外部プロセッサへのデータリンクを介して受信するステップを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項85】
複数の代替の出力シーケンスをメモリ内に記憶するステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項86】
前記出力シーケンスと、前記複数の代替の出力シーケンスとの間を、出力シーケンス切り換えモジュールを介して切り換えるステップを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記出力シーケンス切り換えモジュールが応答する、外部プロセッサからの命令を受信するステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記出力シーケンス切り換えモジュールが応答する、ユーザインタフェースからの命令を受信するステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記ユーザインタフェースは、手動スイッチである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
複数のサブフレームデータセットを導き出す前記ステップは、画像処理モジュールによって実行され、前記出力シーケンス切り換えモジュールは、画像処理モジュールに応答する、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
シーケンスパラメータ計算モジュールを介して、前記出力シーケンスへの変更を導き出すステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項92】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、前記出力シーケンスへの変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは前記出力シーケンス内に含まれているイベントに関連して記憶されたタイミング値への変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
複数のランプを備え、前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、前記出力シーケンス内に含まれているランプ点灯イベントに関連して記憶されたランプ強度値への変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記シーケンスパラメータ計算モジュールは、受信した画像フレームの特性に基づいて、サブフレームデータセットへの変更を導き出す、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記光変調器アレイは、光変調器の複数のバンクを備え、各バンクを独立に作動させることが可能である、請求項57に記載の方法。
【請求項97】
前記制御マトリクスは、複数の大域的作動相互接続を備え、各大域的作動相互接続は、光変調器のそれぞれのバンクに対応する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記複数のバンクのうちのバンクは、前記光変調器アレイ内で相互に隣接して配置される、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記複数のバンクのうちの各バンクは、前記光変調器アレイ内の複数の行を備え、前記複数のバンクのうちのバンクは、前記光変調器アレイ内で相互に織り合わされる、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記バンクのうちの1つの中での、特定の重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の表示は、前記バンクのうちのもう1つの中での、前記有意値と色成分とに対応するサブフレーム画像の後続の表示から25ミリ秒以下の間隔であり、かつ、前記重みと色成分とに対応するサブフレーム画像の、以前の表示の後、25ミリ秒以下の間隔である、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記MEMS光変調器はシャッタを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項102】
前記シャッタは、光を選択的に反射する、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記シャッタは、対応するアパーチャに微光を選択的に通過させる、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記シャッタを、前記基板に対して横方向に駆動するステップを含む、請求項101に記載の方法。
【請求項105】
前記MEMS光変調器は、反射型光変調器である、請求項57に記載の方法。
【請求項106】
前記MEMS光変調器は、見る人の方への光を選択的に通過させる、請求項57に記載の方法。
【請求項107】
前記光変調器アレイに隣接して配置された光ガイドを介して、光を導くステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項108】
前記出力シーケンスは、複数の大域的作動イベントを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項109】
前記光変調器アレイに結合された大域的作動相互接続を介して、前記光変調器アレイの複数行および複数列内のMEMS光変調器を実質的に同時に作動させるステップを含む、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記制御マトリクスは、各MEMS光変調器について、トランジスタとコンデンサとを備える、請求項57に記載の方法。
【請求項111】
直視型ディスプレイ上に画像を表示するための方法であって、
透明基板上に形成された光変調器アレイ内のMEMS光変調器の状態を制御するステップであって、前記MEMS光変調器のそれぞれは、少なくとも2つの状態にされることが可能であるステップと、
前記透明基板上に形成された制御マトリクスを介して、前記光変調器アレイにデータと作動電圧とを伝えるステップと、
前記画像の部分を形成するために、同時に少なくとも2つの色のランプを使用して前記光変調器アレイを照射するように、少なくとも3つの色のランプの点灯を制御するステップと、を含む、方法。
【請求項112】
光変調器の前記アレイを照射している前記色のうちの少なくとも1つは、その他の色よりも大きな強度のものである、請求項111に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−50719(P2013−50719A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−193978(P2012−193978)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2008−547518(P2008−547518)の分割
【原出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193978(P2012−193978)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2008−547518(P2008−547518)の分割
【原出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
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