説明

直鎖ヒドロフルオロカーボン共溶媒を用いるフラッシュ紡糸溶液およびフラッシュ紡糸方法

ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンの主溶媒と、直鎖ヒドロフルオロカーボンの共溶媒との溶液中のポリオレフィンを紡糸することによるプレキシフィラメント製品の製造方法、ならびにジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンの主溶媒と、直鎖ヒドロフルオロカーボンの共溶媒とに溶解されたポリオレフィンの紡糸溶液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン層破壊成分が大気中に放出されない高分子プレキシフィラメント(網状フィラメント)フィルム−フィブリルストランドのフラッシュ紡糸方法に関し、該方法は、低可燃性の雰囲気中で実行される。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドから製造される市販のスパンボンド製品は、トリクロロフルオロメタンからのフラッシュ紡糸によって製造されている。しかしながら、トリクロロフルオロメタンは、大気オゾンを破壊する化学物質であり、したがって、代替品が研究されている。特許文献1、ならびに関連特許の特許文献2および特許文献3は、ジクロロメタンおよびトランス−1,2−ジクロロエチレンの主溶媒と、様々な共溶媒との使用について開示している。それでも、フラッシュ紡糸に有効であり、オゾン層を破壊しない更なる紡糸流体を開発することが必要とされ続けている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,672,307号明細書
【特許文献2】米国特許第5,874,036号明細書
【特許文献3】米国特許第5,977,237号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、(c)直鎖ヒドロフルオロカーボンおよびその異性体よりなる群から選択される共溶媒とを含んでなる紡糸流体であり、該共溶媒は、(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有し、該共溶媒は、紡糸流体の曇点圧力(cloud point pressure)を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で存在する。
【0005】
また本発明は、
(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、(c)直鎖ヒドロフルオロカーボンおよびその異性体よりなる群から選択される共溶媒との紡糸流体を生成し、そして
紡糸流体の自生圧力(autogenous pressure)よりも大きい圧力で、紡糸流体をより低い圧力の領域内にフラッシュ紡糸して、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドを形成する
ことを含んでなる、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドの製造方法でもあり、該共溶媒は、(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有し、該共溶媒は、紡糸流体の曇点圧力を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で紡糸流体中に存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
「合成繊維形成ポリオレフィン」という用語は、フラッシュ紡糸技術分野での使用に適することが分かっているポリマー類を包含することを意図とする。更に、この用語は、本明細書中では、部分的にフッ素化されたポリマーを含むことを意図とすることに注意する。
【0007】
本明細書中で使用される「ポリエチレン」という用語は、エチレンのホモポリマーだけでなく、繰返し単位の少なくとも85%がエチレン単位であるコポリマーも包含することを意図とする。1つの好ましいポリエチレンは、約130〜140℃の溶融範囲の上限、0.94〜0.98グラム/立方センチメートルの範囲の密度、および0.1〜100、好ましくは4未満のメルトインデックス(MI)を有する高密度ポリエチレンである。
【0008】
「ポリプロピレン」という用語は、プロピレンのホモポリマーだけでなく、繰返し単位の少なくとも85%がプロピレン単位であるコポリマーも包含することを意図とする。アイソタクチックおよびシンジオタクチックポリプロピレンが好ましい形である。
【0009】
本明細書中で使用される「曇点圧力」という用語は、単相の液体溶液が、ポリマーリッチ/紡糸剤リッチの二相の液体/液体分散系に、相分離し始める圧力を意味する。
【0010】
曇点圧力を上昇させるために、紡糸流体中の共溶媒はポリマーに対して「非溶媒」であるか、あるいは少なくとも、主溶媒、すなわちジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンよりも貧溶媒でなければならない。
【0011】
ジクロロメタン(DCM)および1,2−ジクロロエチレン(DCE)は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)に対する市販の優れた良溶媒の例である。しかしながら、これらの曇点圧力は泡立ち点に非常に近接するので、紡糸剤として単独で使用することが可能であるとは考えられない。以下の共溶媒のうちの1つを使用することによって、混合物の溶媒力は十分に低下され、所望のプレキシフィラメント生成物を得るためのフラッシュ紡糸が容易に達成される。HFC−245fa(CFCHCHF、すなわち1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)は、分子量134、沸点15.3℃を有し、引火点または爆発限界を持たない。HFC−338pcc(CHFCFCFCHF、すなわち1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン)は、分子量202、沸点38.5℃を有し、引火点または爆発限界を持たない。HFC−365mfc(CFCHCFCH、すなわち1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)は、分子量148、沸点40.2℃を有し、引火点を持たず、爆発限界は3.5〜9.0である。DCEおよびDCMが共溶媒と同様に低い可燃性を有することを考えると、本発明の溶媒混合物は、実質的に可燃性を示さないか、あるいは非常に低い可燃性を示すであろう。また、溶媒混合物は室温に近い沸点を有するので、高圧溶媒回収システムも高圧溶媒注入システムも必要でない。
【0012】
ポリマーが商業的工程でフラッシュ紡糸される場合に形成されるウェブを広げるために、フラッシュ紡糸された材料は、回転バッフルに対して放出され、(ブレトハウア(Brethauer)らの米国特許第3,851,023号明細書に記載されるように)、次に、静電荷にさらされる。バッフルによって生成物は方向を変えて広がり始め、静電荷によって生成物(ウェブ)は更に広がる。商業的に許容できる時間内に満足できる商品を達成するために、ウェブはかなりの程度の広がりを達成することが必要であり、これは、所望される時間の間、ウェブ上に十分な静電荷が残存する場合にのみ達成され得る。ウェブを包囲する大気の絶縁耐力が低すぎると、電荷は非常に急速に消失し得る。ウェブを包囲する大気の主要な成分は蒸発した溶媒であり、これは、フラッシュ紡糸の前にフラッシュ紡糸ポリマーを溶解した溶媒である。主溶媒のジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンと、本明細書中に挙げられる共溶媒との混合物は、蒸発すると、ウェブ上に十分な電荷を保持するのに十分な絶縁耐力を有し、満足できる生成物が保証される。これらの混合物は、ASTM D−2477により測定して、約40キロボルト/センチメートルより大きい絶縁耐力を有する。
【0013】
ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンのいずれかの主溶媒と共に使用される共溶媒の量は、通常、溶媒混合物100重量部あたり約10〜80重量部の範囲内であろう。
【0014】
本明細書において使用されるプレキシフィラメント繊維を形成するためのポリマーは、通常、紡糸流体混合物全体の5〜30重量%の量である。ポリマーとしては、ポリエチレン(例えば、エクイスター(Equistar)から入手可能な高密度ポリエチレン(HDPE)と、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE)のバセル(Basell)(以前はハイモント(Himont)として知られ、モンテル(Montell)としても知られる)から入手可能なポリプロピレンと、ポリメチルペンテン(例えば、三井(Mitsui)から入手可能なTPX)と、キナール(KYNAR)(登録商標)(アトフィナ(Atofina)から入手可能なポリフッ化ビニリデン)と、テフゼル(TEFZEL)(登録商標)(デュポン(DuPont)から入手可能なエチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー)と、ヘイラー(HALAR)(登録商標)(アウジモント(Ausimont)から入手可能なエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーの樹脂)とが挙げられる。
【0015】
試験方法
70°Fおよび65%の相対湿度でストランドをコンディショニングおよび試験する。フラッシュ紡糸ストランドのデニールを以下のように決定する。1本の90cm長さの糸のストランドを切断し、糸の一方の端部に所定の重量を3分間吊るし、湾曲およびたるみを除去する。長い単糸ストランドから、18cmの個々の糸片を5本切断し、各糸片についてデニールを決定する。
【0016】
次にサンプルに1インチあたり10回(tpi)の撚りをかけ、インストロン(Instron)引張り試験機の挟み部に取り付ける。2インチのゲージ長、および100%/分の伸長速度を使用する。破断時の靭性(ten)をグラム/デニール(gpd)で記録する。モジュラス(mod)は応力/歪み極性の傾きに相当し、gpdの単位で表される。
【0017】
フラッシュ紡糸ストランドの伸びは破断伸びとして測定され、パーセントで報告される。
【0018】
様々なポリマーについてのMFRまたはMIの決定は、実施例12を除いて、ASTM D−1238に従って行なった。実施例12では、ASTM D−3159に従ってMFRを実行した。
【実施例】
【0019】
実施例において使用される紡糸装置は、シン(Shin)らの米国特許第5,250,237号明細書の10欄以下に記載されている。装置は、2つの高圧円筒型チャンバからなり、各チャンバには、チャンバの内容物に圧力をかけるように適合されたピストンが備えられる。シリンダは内径1.0インチ(2.54cm)を有し、それぞれの内容量は50立方センチメートルである。シリンダは、直径3/32インチ(0.23cm)のチャネルと、一連の微細メッシュスクリーンを含有するスタティックミキサの役割を果たす混合チャンバとを介して、互いに一端が接続される。混合は、スタティックミキサを介して容器の内容物を2つのシリンダ間で前後に強制的に動かすことによって達成される。オリフィスを開放するための速効手段を有する紡糸口金アセンブリは、T字型によりチャネルに取り付けられる。紡糸口金アセンブリは、直径0.25インチ(0.63cm)および長さ約2.0インチ(5.08cm)で、オリフィスに対する入口角度が60度であるリード孔と、長さおよび直径がそれぞれ30ミル(0.762mm)である紡糸口金オリフィスとからなる。ピストンは、油圧装置により供給される高圧水によって駆動される。
【0020】
実施例で報告される試験では、上記の装置に、適切なポリマーペレットおよび紡糸剤を装入した。高圧水を使用してピストンを駆動し、約2000psig(13790kPa、ゲージ)の混合圧力(背圧)を発生させた。次に、ポリマーおよび紡糸剤を混合温度に加熱し、この間、ピストンを用いて2つのシリンダ間に差圧(ΔP)を交互に生じさせ、ポリマーおよび紡糸剤を、混合チャネルを通って一方のシリンダから他方のシリンダへ繰返し強制的に移動させ、混合を提供すると共に、紡糸流体の形成をもたらした。以下の実施例では、ΔP値は、全て約300psi(2068kPa)であった。次に、紡糸流体の温度を最終紡糸温度に調整し、その温度で約15分間以上保持して温度をつり合わせ、この間混合を継続した。減圧チャンバをシミュレートするために、紡糸流体の圧力を紡糸の直前に所望の紡糸圧力まで低下させた。これは、紡糸セルと、所望の紡糸圧力に保持された非常に大きい高圧水タンク(「アキュムレータ」)との間のバルブを開放することによって達成した。紡糸セルとアキュムレータとの間のバルブを開けたら、紡糸口金オリフィスをできるだけ速く開放する。使用した紡糸口金は、直径30ミルおよび長さ30ミル(30ミル=0.030インチ=0.0762cm)のオリフィスを有した。これは、通常約1秒かかる。これは、より大規模の紡糸工程で使用される減圧チャンバの効果をシミュレートすることを意図とする。結果として得られるフラッシュ紡糸生成物をステンレス鋼のオープンメッシュスクリーンバスケットに捕集した。紡糸中にコンピュータを用いて紡糸口金直前で記録された圧力は、紡糸圧力として入力される。
【0021】
圧力は、psig(ポンド/平方インチ、ゲージ)で表すことができ、psia(ポンド/平方インチ、絶対圧)よりも約15psi低いことに注意する。単位psiはpsiaと同一であると考えられる。SI単位への変換では、1psi=6.9kPaである。
【0022】
使用したポリマーは以下の通りであった。
実施例1−5、0.75のMIを有するポリエチレン、
実施例6−8、1.43のMFRを有するポリプロピレン、
実施例9−11、7のMFRを有するテフゼル(TEFZEL)(登録商標)、
実施例12、約3のMFRを有するキナール(KYNAR)(登録商標)、
実施例13、0.7のMFRを有するヘイラー(HALAR)(登録商標)
実施例14、8のMFRを有するポリ(4−メチルペンテン−1)
【0023】
それぞれの例において、ポリマー量は、ポリマー、主溶媒、および共溶媒を含む紡糸流体の全重量のパーセントで提供される。処理条件と、フラッシュ紡糸して得られたプレキシフィラメント繊維の物理特性とは、以下の表に提供される。表中、主溶媒(すなわち、DCMまたはDCE)はS1で表され、共溶媒はS2で表される。
【0024】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1−5】ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンのいずれかの溶媒、および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンまたは1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンのいずれかの共溶媒中の12重量%の高密度ポリエチレン溶液についての曇点データのプロットである。
【図6−9】ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンのいずれかの溶媒、および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンまたは1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンのいずれかの共溶媒中の10重量%のポリプロピレン溶液についての曇点データのプロットである。
【図10】1,2−ジクロロエチレンの溶媒および1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの共溶媒中の12重量%のポリメチルペンテン溶液についての曇点データのプロットである。
【図11−13】ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエチレンのいずれかの溶媒、および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンまたは1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンのいずれかの共溶媒中の20重量%のテフゼル(TEFZEL)(登録商標)溶液についての曇点データのプロットである。
【図14】1,2−ジクロロエチレンの溶媒および1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン共溶媒中の20重量%のヘイラー(HALAR)(登録商標)溶液についての曇点データのプロットである。
【図15】ジクロロメタンの溶媒および1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの共溶媒中の20重量%のキナール(KYNAR)(登録商標)溶液についての曇点データのプロットである。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、
(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、
(c)(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有する直鎖ヒドロフルオロカーボンよりなる群から選択される共溶媒と
を含んでなる紡糸流体であって、共溶媒が、紡糸流体の曇点圧力を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で紡糸流体中に存在する紡糸流体。
【請求項2】
共溶媒が、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、ならびにこれらの異性体よりなる群から選択される請求項1に記載の紡糸流体。
【請求項3】
合成繊維形成ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、およびエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーよりなる群から選択される請求項1に記載の紡糸流体。
【請求項4】
ポリプロピレンが、アイソタクチックポリプロピレンである請求項3に記載の紡糸流体。
【請求項5】
(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、(c)(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有する直鎖ヒドロフルオロカーボンよりなる群から選択される共溶媒との紡糸流体であって、共溶媒が、紡糸流体の曇点圧力を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で紡糸流体中に存在する紡糸流体を生成し、そして
紡糸流体の自生圧力よりも大きい圧力で、紡糸流体をより低い圧力の領域内にフラッシュ紡糸して、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドを形成する
ことを含んでなる、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドの製造方法。
【請求項6】
共溶媒が、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、ならびにこれらの異性体よりなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
繊維形成ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、およびエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーよりなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ポリプロピレンが、アイソタクチックポリプロピレンである請求項7に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、
(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、
(c)(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有する直鎖ヒドロフルオロカーボンよりなる群から選択される共溶媒と
を含んでなる紡糸流体であって、共溶媒が、紡糸流体の曇点圧力を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で紡糸流体中に存在する紡糸流体。
【請求項2】
(a)5〜30重量%の合成繊維形成ポリオレフィンと、(b)ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエチレンよりなる群から選択される主溶媒と、(c)(i)3〜4個の炭素原子、(ii)10〜50℃の大気圧沸点、および(iii)219未満の分子量を有する直鎖ヒドロフルオロカーボンよりなる群から選択される共溶媒との紡糸流体であって、共溶媒が、紡糸流体の曇点圧力を少なくとも50ポンド/平方インチだけ上昇させるのに十分な量で紡糸流体中に存在する紡糸流体を生成し、そして
紡糸流体の自生圧力よりも大きい圧力で、紡糸流体をより低い圧力の領域内にフラッシュ紡糸して、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドを形成する
ことを含んでなる、合成繊維形成ポリオレフィンのプレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドの製造方法。

【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2006−511724(P2006−511724A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563687(P2004−563687)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/040244
【国際公開番号】WO2004/059049
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】