説明

相乗り支援装置、相乗り支援方法およびプログラム

【課題】乗り物の乗り場に並ぶ乗客同士の相乗りを支援することができるようにする。
【解決手段】乗客が操作するユーザ端末とサーバとが通信可能に接続される。待合データベースは、乗り場に並んでいる待合者を示すユーザID、待合者の現在位置、および目的地を含む待合情報を記憶する。待合者のユーザ端末からサーバには定期的に待合者の現在位置が送信され、待合情報の現在位置が更新される。ユーザデータベースは、ユーザIDに対応付けて、電話番号、メールアドレス、メッセンジャーIDを含む連絡先が記憶されている。サーバは、ユーザ端末から、現在位置を含む待合情報取得要求を受信し、所定距離内の現在位置を含む待合情報を待合データベースから読み出すとともに、連絡先取得要求に応じて、ユーザIDに対応する連絡先をユーザデータベースから読み出して、ユーザ端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相乗り支援装置、相乗り支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1台のタクシーなどの乗り物に複数の乗客を乗せることが行われている。特許文献1には、同乗可能なユーザをグループ化する配車サービスを管理するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−99892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、タクシー会社などによる配車サービスが前提となっており、ユーザがタクシー乗り場に並んでいた場合には、列から外れて配車されたタクシーを待つ必要がある。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、乗り物の乗り場に並ぶ乗客同士の相乗りを支援する相乗り支援装置、相乗り支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援する装置であって、第1および第2のユーザ端末のそれぞれと通信可能に接続され、第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信する待合情報受信部と、前記待合情報を記憶する待合データベースと、前記第1の乗客のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新する現在位置更新部と、前記乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースと、前記第2のユーザ端末から、前記第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信する待合情報取得要求受信部と、前記待合データベースに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出す待合情報取得部と、前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出す連絡先取得部と、前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信する待合情報送信部と、を備えることとする。なお、本発明の相乗り支援装置は、例えば、後述するサーバ20である。
【0007】
また、本発明の相乗り支援装置では、前記待合情報送信部は、前記待合情報のみを前記第2のユーザ端末に送信し、前記相乗り支援装置は、前記第2の乗客が選択した前記乗客IDを含む連絡先取得要求を前記第2のユーザ端末から受信する連絡先取得要求受信部を備え、前記連絡先取得部は、前記連絡先取得要求に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出し、前記待合情報送信部が、前記読み出した連絡先を前記第2のユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の相乗り支援装置では、前記待合情報受信部は、前記第2のユーザ端末から前記待合情報を受信した場合に、前記受信した待合情報を前記待合データベースに登録するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の相乗り支援装置では、前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれる前記現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記現在位置との間の前記距離が遠いほど高くなるように順位を決定し、前記待合情報送信部は、前記待合情報および前記連絡先に加えて、前記順位を前記ユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の相乗り支援装置では、前記乗り場ごとに、前記乗り場の地図上の位置である基準位置を記憶する乗り場位置記憶部を備え、前記待合情報取得部は、前記待合情報取得要求に含まれる前記現在位置から最も近い前記基準位置である乗り場位置を前記乗り場位置記憶部から取得し、前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれる前記現在位置と前記乗り場位置との間の距離を算出し、待ち行列において乗客1人当たりに占有する所定の長さで前記算出した距離を割って、前記乗客の順位を算出する順位算出部と、を備え、前記待合情報送信部は、前記待合情報および前記連絡先に加えて、前記順位を前記第2のユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0011】
この場合、第2の乗客(申込者)は、第1の乗客(待合者)の乗り場に並んでいる順番を把握することができる。したがって、申込者は前の方に並んでいる待合者に相乗りを申し込むことが可能となる。また、待合者も、前の方に並んでいるほど先に申込者から相乗りを申し込まれる可能性が高まるので、乗り物に乗り込んでしまう前に相乗りの申し込みを受ける可能性を高めることができる。
【0012】
また、本発明の相乗り支援装置では、前記待合情報取得要求には、さらに目的地が設定されており、前記待合情報取得部は、前記待合情報取得要求に含まれる前記目的地に一致する目的地が含まれている前記待合情報を前記待合データベースから取得するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の相乗り支援装置では、目的地の位置を取得する目的地位置取得部を備え、前記待合情報取得要求には、さらに目的地が設定されており、前記目的地位置取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれている前記目的地の位置である第1位置を取得し、前記目的地位置取得部は、前記待合情報取得要求に含まれている前記目的地の位置である第2位置を取得し、前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報取得要求に含まれている前記乗り場特定情報が示す位置と前記第1位置とを結ぶ直線と、前記乗り場特定情報が示す位置と前記第2位置とを結ぶ直線との角度を算出し、前記待合情報送信部は、前記算出した角度が所定値より小さい前記待合情報のみを前記申込者のユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の他の態様は、乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援する方法であって、第1および第2のユーザ端末のそれぞれと通信可能に接続され、前記乗客を示す乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースを備えるコンピュータが、第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信し、前記受信した待合情報をメモリに記憶し、前記第1のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新し、前記第2のユーザ端末から、第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信し、前記待合データベースに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出し、前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出し、前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信することとする。
【0015】
また、本発明の他の態様は、乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援するためのプログラムであって、第1および第2のユーザ端末と通信可能に接続され、前記乗客を示す乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースを備えるコンピュータに、第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信するステップと、前記受信した待合情報をメモリに記憶するステップと、前記第1のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新するステップと、前記第2のユーザ端末から、第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信するステップと、前記待合データベースに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出すステップと、前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出すステップと、前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信するステップと、を実行させることとする。
【0016】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、乗り物の乗り場に並ぶ乗客同士の相乗りを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の相乗り支援システムによるタクシーの相乗りの支援について説明する図である。
【図2】本実施形態の相乗り支援システムの全体構成を示す図である。
【図3】ユーザ端末10のハードウェア構成を示す図である。
【図4】ユーザ端末10のソフトウェア構成を示す図である。
【図5】サーバ20のハードウェア構成を示す図である。
【図6】サーバ20のソフトウェア構成を示す図である。
【図7】ユーザデータベース231に記憶されるユーザ情報の構成例を示す図である。
【図8】乗り場データベース232に記憶されている乗り場情報の構成例を示す図である。
【図9】待合データベース233に記憶されている待合情報の構成例を示す図である。
【図10】本実施形態の相乗り支援システムにおける処理の流れを示す図である。
【図11】サーバ20にアクセスを開始するための画面50の一例を示す図である。
【図12】待合情報の検索処理の流れを示す図である。
【図13】待合情報が出力された画面51の一例を示す図である。
【図14】交渉相手との通信手段を選択させる画面52の一例を示す図である。
【図15】メッセンジャーの画面53の一例を示す図である。
【図16】目的地が同じ方向の待合者の待合情報のみを提供する場合のサーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【図17】目的地データベース234の構成例を示す図である。
【図18】目的地が同じ方向の待合者の待合情報のみを提供する場合における待合情報の検索処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る相乗り支援システムについて説明する。本実施形態の相乗り支援システムは、乗り物の乗り場において、複数の乗客が1台の乗り物に相乗りすることを支援するものである。なお、本実施形態では、乗り物はタクシーを想定しており、乗り場は、深夜のタクシー乗り場や、イベント会場におけるタクシー乗り場などを想定している。
【0020】
図1は、本実施形態の相乗り支援システムによるタクシーの相乗りの支援について説明する図である。タクシー乗り場1において、タクシー2に乗車するために乗客A〜Gが行列3をつくっている。乗客Bおよび乗客Eは相乗りを希望している。なお、以下の説明において、相乗りを希望する乗客を「相乗り希望者」といい、乗り場に並んで他の乗客からの相乗りの申し出を待受けている相乗り希望者を「待合者」(本発明の「第1の乗客」に該当する。)といい、待合者に対して相乗りの申し込みをする相乗り希望者を「申込者」(本発明の「第2の乗客」に該当する。)という。待合者Bの目的地は浦和であり、待合者Eの目的地は保谷である。待合者Bおよび待合者Eは、相乗り支援システムに目的地を登録することができる。新たに行列3の最後尾に並ぼうとしている申込者Hの目的地は赤羽である。申込者Hが相乗り支援システムにアクセスすると、待合者Bの目的地浦和と、待合者Eの目的地保谷とが提示される。申込者Hは、自身の目的地である赤羽と同じ方向の浦和を目的地としている待合者Bに対して相乗りを申し込むことができる。以上のようにして、乗客同士での相乗りの交渉が支援される。
【0021】
以下、詳細について説明する。
図2は、本実施形態の相乗り支援システムの全体構成を示す図である。本実施形態の相乗り支援システムは、ユーザ端末10とサーバ20とを含んで構成される。ユーザ端末10とサーバ20とは通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えば、インターネットや無線LAN(Local Area Network)であり、本実施形態では、携帯電話回線網や無線通信路などにより構築されることを想定している。
ユーザ端末10は、タクシー乗り場において乗客が操作するコンピュータである。本実施形態では、ユーザ端末10は、例えば、携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートブック型のパーソナルコンピュータなどの可搬型コンピュータを想定している。
サーバ20は、待合者の目的地などを管理するコンピュータである。サーバ20には、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどを採用することができる。
【0022】
図3は、ユーザ端末10のハードウェア構成を示す図である。同図に示すように、ユーザ端末10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、GPS電波受信機105、入力装置106および出力装置107を備えている。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどである。CPU101は、記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。通信インタフェース104は、例えば無線通信器などの、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースである。GPS電波受信機105は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信する。入力装置106は、乗客からの情報の入力を受け付ける、例えば、プッシュボタンやキーボード、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置107は、乗客に対して情報を出力する、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、ユーザ端末10は、入力装置106や出力装置107を複数備えるようにしてもよい。
【0023】
図4は、ユーザ端末10のソフトウェア構成を示す図である。同図に示すように、ユーザ端末10は、位置情報取得部111、待合情報取得部112、待合情報出力部113、交渉相手指定部114、連絡先取得部115、通信開始部116、目的地入力部117、待合情報送信部118、現在位置送信部119を備えている。なお、上記各機能部111〜119は、ユーザ端末10のCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現される。
【0024】
位置情報取得部111は、GPS電波受信機105が受信した電波から、ユーザ端末10の現在位置を算出する。なお、本実施形態では、現在位置は、緯度および経度により表されるものとする。
待合情報取得部112は、待合者を検索するためのコマンド(以下、「待合情報取得要求」という。)をサーバ20に送信する。待合情報取得要求には、位置情報取得部111が取得した現在位置が設定される。また、待合情報取得部112は、待合情報取得要求に応じてサーバ20から送信される、乗り場に並んでいる待合者に関する情報(以下、「待合情報」という。)を受信する。待合情報には、待合者を表すユーザIDと、待合者の目的地とが含まれる。なお、待合情報を、ユーザ端末10の画面に出力するための画面データとして記述するようにしてもよい。
待合情報出力部113は、待合情報を出力装置107に出力する。
交渉相手指定部114は、出力された待合者の中から交渉相手の指定を受け付ける。交渉相手指定部114は、例えば、表示された待合者の中から1つを、タッチパネルやマウスなどにより受け付けるようにしてもよいし、プッシュボタンやキーボードなどの入力装置106から直接交渉相手の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0025】
連絡先取得部115は、交渉相手の連絡先を取得するためのコマンド(以下、「連絡先情報取得要求」という。)をサーバ20に送信する。連絡先情報取得要求には、交渉相手のユーザIDが指定される。また、連絡先取得部115は、連絡先情報取得要求に応じてサーバ20から送信される、交渉相手の連絡先を含む情報(以下、「連絡先情報」という。)を受信する。本実施形態では、連絡先情報には、携帯電話番号や電子メールのアドレス、メッセンジャーサービスにおける交渉相手の識別情報(以下、「メッセンジャーID」という。)などが含まれる。
【0026】
通信開始部116は、交渉相手との間のコミュニケーションを行うための通信を開始する。通信開始部116は、例えば、メッセンジャープログラムや電子メールプログラムを起動して、メッセンジャーIDやメールアドレスに対するメッセージを送信したり、交渉相手の携帯電話の電話番号に発呼したりする。なお、通信開始部116は、交渉相手との通信が確立したときには、ユーザ端末10を操作している乗客のユーザIDなどを含むメッセージを交渉相手に送信するようにしてもよい。
【0027】
目的地入力部117は、ユーザの目的地の入力を受け付ける。目的地入力部117は、交渉相手が見つからない場合や、交渉がまとまらなかった場合などに、ユーザが、自身を待合者として登録を行いたいときに、目的地の入力を受け付ける。
【0028】
待合情報送信部118は、ユーザを待合者として登録するために、待合情報をサーバ20に送信する。待合情報には、ユーザを示すユーザIDと現在位置と目的地とが含まれる。なお、ユーザIDは、目的地の入力と併せてユーザから入力を受け付けてもよいし、ユーザ端末10が記憶しておくようにしてもよい。
【0029】
現在位置送信部119は、定期的に待合者の現在位置をサーバ20に送信する。現在位置送信部119は、待合情報送信部118が待合情報をサーバ20に送信した後、所定の時間(例えば、1分や5分など)おきに、待合情報を、位置情報取得部111が取得した現在位置にユーザを示すユーザIDを付帯させてサーバ20に送信する。また、現在位置送信部119は、上記所定の時間が経過しなくても、ユーザが所定距離以上移動した場合には現在位置をサーバ20に送信するようにしてもよい。例えば、前回に送信した現在位置を記憶しておき、位置情報取得部111が上記所定の時間よりも短い時間(例えば、1秒や5秒など)で現在位置を取得するようにし、現在位置送信部119は、前回の現在位置から、取得した現在位置までの距離が所定の距離以上になった場合は、上記所定の時間が経過していなくても、現在位置にユーザIDを付帯させてサーバ20に送信するようにすることができる。
【0030】
図5は、サーバ20のハードウェア構成を示す図である。同図に示すように、サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。CPU201は、記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース204は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えば、無線通信網に接続するための無線通信器である。
【0031】
図6は、サーバ20のソフトウェア構成を示す図である。同図に示すように、サーバ20は、待合情報提供部211、連絡先提供部212、待合情報登録部213、現在位置更新部214、ユーザデータベース231、乗り場データベース232、待合データベース233を備えている。なお、上記各機能部211〜214は、サーバ20が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。また、上記各記憶部231〜233は、サーバ20が備えるメモリ202や記憶装置203が提供する記憶領域として実現される。
【0032】
ユーザデータベース231は、システムのユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)を記憶する。図7は、ユーザデータベース231に記憶されるユーザ情報の構成例を示す図である。同図に示すように、ユーザ情報には、ユーザを特定するための情報であるユーザIDと、ユーザの携帯電話番号メールアドレスおよびメッセンジャーIDとが含まれている。
【0033】
乗り場データベース232は、タクシー乗り場に関する情報(以下、「乗り場情報」という。)を記憶する。図8は、乗り場データベース232に記憶されている乗り場情報の構成例を示す図である。同図に示すように、乗り場情報には、乗り場名および基準位置が含まれている。基準位置は、タクシー乗り場において乗客がタクシーに乗り込む地図上の位置である。本実施形態では、基準位置も緯度および経度で表すものとする。
【0034】
待合データベース233は、待合情報を記憶する。図9は、待合データベース233に記憶されている待合情報の構成例を示す図である。同図に示すように、待合情報には、相乗り希望者を示すユーザID、待合者の現在位置および目的地が含まれる。
【0035】
待合情報提供部211は、ユーザ端末10に待合情報を提供する。待合情報提供部211は、申込者のユーザ端末10(本発明の「第2のユーザ端末」に該当する。)から送信される待合情報取得要求を受信し、受信した待合情報取得要求に含まれる申込者の現在位置に基づいて、近くに並んでいる待合者に関する待合情報を待合データベース233から検索し、検索した待合情報を申込者のユーザ端末10に送信する。なお、近くに並んでいる相乗り希望者に関する待合情報の検索は、後述するように、待合データベース233に登録されている待合情報のうち、待合情報取得要求に含まれている申込者の現在位置から、待合情報に含まれる待合者の現在位置までの距離が所定の閾値以内であるものを検索することにより行われる。なお、待合情報の検索は、現在位置から所定距離内で最も近い基準位置の乗り場情報を検索し、乗り場情報の基準位置または待合情報取得要求に含まれる現在位置のいずれかから所定の閾値以内の現在位置に対応する待合情報を待合データベース233から検索するようにしてもよい。
【0036】
連絡先提供部212は、連絡先情報をユーザ端末10に提供する。連絡先提供部212は、ユーザ端末10から送信される連絡先取得要求を受信し、受信した連絡先取得要求に含まれるユーザIDに対応する連絡先情報をユーザデータベース231から読み出し、読み出したユーザ情報に含まれる携帯電話番号、メールアドレスおよびメッセンジャーIDの少なくともいずれかを含む連絡先情報をユーザ端末10に送信する。
【0037】
待合情報登録部213は、ユーザから相乗り希望者としての登録を受け付ける。待合情報登録部213は、ユーザ端末10から送信される待合情報を受信し、受信した待合情報を待合データベース233に登録する。なお、待合情報登録部213は、受信した待合情報に含まれるユーザIDに対応するものが待合データベース233に登録されている場合には、待合データベース233に含まれるユーザIDに対応する待合情報を更新する。
【0038】
現在位置更新部214は、待合データベース233に登録されている待合情報の現在位置を更新する。現在位置更新部214は、ユーザ端末10から送信される現在位置を受信し、受信した現在位置に付帯されるユーザIDに対応する待合情報を待合データベース233から検索し、ユーザIDに対応する待合情報が待合データベース233に記憶されている場合には、当該ユーザIDに対応する待合情報の現在位置を、受信した現在位置に更新する。上述したように、待合情報を送信したユーザ端末10(すなわち、待合者のユーザ端末10(本発明の「第1のユーザ端末」に該当する。)である。)からは、定期的に現在位置が送信されるため、常に最新の待合者の現在位置が待合データベース233に登録されるようになる。
【0039】
図10は、本実施形態の相乗り支援システムにおける処理の流れを示す図である。
まず、申込者の操作に応じてユーザ端末10の位置情報取得部111は、GPS電波受信部105が受信した電波から、現在位置を算出する(S31)。ユーザ端末10には、例えば、図11に示すような画面50が表示される。画面50が備えるボタン501が押下されると、待合情報取得部112は、現在位置を含む待合情報取得要求をサーバ20に送信する(S32)。
【0040】
サーバ20は、待合情報取得要求の受信に応じて、申込者の近傍にいる待合者に関する待合情報の検索処理を行う(S33)。待合情報の検索処理の流れを図12に示す。
待合情報提供部211は、待合データベース233に記憶されている各待合情報について、待合情報取得要求に含まれている申込者の現在位置から、待合情報に含まれている待合者の現在位置までの距離を算出し、算出した距離が所定の閾値以内である待合情報を待合データベース233から読み出す(S401)。待合情報提供部211は、申込者の現在位置から所定距離内で最も近い基準位置の乗り場情報を乗り場データベース232から検索する(S402)。例えば、待合情報提供部211は、乗り場データベース232に登録されている乗り場情報のそれぞれについて、乗り場情報の基準位置から、待合情報取得要求に含まれている待合者の現在位置までの距離を算出し、算出した距離の中で最も短いものを選択し、選択した距離が所定距離より短いか否かを判定する。なお、ステップS401における所定の閾値と、ステップS402における所定距離とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0041】
上記のようにして検索した乗り場情報がある場合(S403:YES)、待合情報提供部211は、読み出した各待合情報について、乗り場の基準位置から待合者の現在位置までの距離を、所定の間隔(例えば、50センチメートルや1メートルなどの所定値である。例えば、行列を作る場合の乗客間の間隔を調査し、統計処理した値とすることができる。)で割った商を、待合者の順位として算出し、各待合情報に順位を付帯させる(S404)。なお、上記商を四捨五入や切捨てなどにより整数にまるめた結果を上記順位とするものとする。また、待合情報提供部211は、待合情報の乗り場名を乗り場名とする(S405)。
【0042】
一方、上記のように検索した乗り場情報がない場合(S403:NO)、待合情報提供部211は、読み出した各待合情報について、順位が不明であることを示す値(本実施形態では「0」とする。)を付帯させる(S406)。また、待合情報提供部211は、乗り場名には現在位置を設定する(S407)。なお、待合情報提供部211は、例えば、地図情報を提供する地図データベースにアクセスして、現在位置に対応する地図上の地名などを取得して乗り場名としてもよい。
【0043】
以上のようにして、待合情報が検索されると、待合情報提供部211は、読み出した待合情報と乗り場名とをユーザ端末10に送信する(S34)。
【0044】
ユーザ端末10の待合情報取得部112は、サーバ20から待合情報と乗り場名とを受信すると、待合情報出力部113は、受信した待合情報と乗り場名とを出力装置107に出力する(S35)。図13は、待合情報が出力された画面51の一例を示す図である。同図に示すように、画面51では、乗り場名511が表示されるとともに、検索された待合情報の一覧512が表示される。画面51において、プッシュボタンやマウス、タッチパネルなどの入力装置106の操作に応じて、待合情報513が選択される。交渉相手指定部114が、選択された待合情報513を受け付けると、連絡先取得部115は、受け付けた待合情報513に含まれるユーザIDを設定した連絡先取得要求をサーバ20に送信する(S36)。
【0045】
サーバ20の連絡先提供部212は、ユーザ端末10から連絡先取得要求を受信すると、受信した連絡先取得要求に含まれるユーザIDに対応するユーザ情報をユーザデータベース231から読み出す(S37)。連絡先提供部212は、読み出したユーザ情報に含まれているユーザID、携帯電話番号、メールアドレスおよびメッセンジャーIDを設定した連絡先情報をユーザ端末10に送信する(S38)。
【0046】
ユーザ端末10の連絡先取得部115がサーバ20から連絡先情報を受信すると、通信開始部116は、電話の発呼を行うプログラムや電子メールプログラム、メッセンジャープログラムなどの起動により、交渉相手との間でのコミュニケーションを行うための通信を確立する(S39)。通信開始部116は、例えば、図14に示すような画面52を表示して、交渉相手との通信手段を選択させることができる。図14の例に示す画面52は、通話を選択するボタン521、電子メールを選択するボタン522およびメッセンジャーを選択するボタン523を備えている。通信開始部116は、連絡先情報に携帯電話番号、メールアドレスおよびメッセンジャーIDのいずれかが設定されていない場合には、対応するボタン521〜523を選択できないようにする。図14の例では、連絡先情報に携帯電話番号が含まれておらず、画面52においてボタン521が選択できないようになっているところが示されている。ユーザは、ボタン522またはボタン523を押下することにより、電子メールまたはメッセンジャーにより交渉相手とのコミュニケーションをとることを選択することができる。例えば、ボタン523が押下されると、通信開始部116は、例えば、連絡先情報に含まれているメッセンジャーIDを通信相手とするパラメータを指定してメッセンジャープログラムを起動する。図15は、メッセンジャーの画面53の一例を示す図である。図15の例では、申込者Hは、待合者Bとの間でメッセージのやり取りを行い、Bに対して相乗りを申し込んでいる。このようにして、申込者と待合者との間で相乗りの交渉が行われる。
【0047】
一方、同じ方向の目的地の待合者がいないような場合には、ステップS35において表示された図13の画面51において、入力欄514に申込者の目的地が入力され、登録ボタン515が押下される。目的地入力部117が、入力欄514に入力された目的地を受け付けると、待合情報送信部118は、受け付けた目的地と、ユーザ端末10を操作しているユーザIDとを指定した待合情報をサーバ20に送信する(S42)。なお、画面51においてユーザIDも入力するようにしてもよい。
【0048】
サーバ20の待合情報登録部213は、ユーザ端末10から受信した待合情報を待合データベース233に登録する(S41)。このようにして、申込者が新たに待合者として目的地とともに登録される(すなわち、申込者(本発明の「第2の乗客」)が、待合者(本発明の「第1の乗客」)になるということである)。
【0049】
以上のように、本実施形態の相乗り支援システムによれば、申込者に対して、待合者とその目的地の一覧を提示することができる。したがって、申込者は、どのような目的地の待合者が他にいるのかを容易に把握することができる。
【0050】
また、本実施形態の相乗り支援システムによれば、申込者は、待合者の目的地を参考にして、待合者を1人選択し、携帯電話による通話や、電子メールの送受信、メッセンジャーサービスにおけるメッセージの交換などにより、選択した待合者との間で相乗りの交渉を行うことができる。したがって、相乗りの交渉をスムーズに行うことが可能となり、相乗り希望者間でのニーズを満たすことができる。
【0051】
また、本実施形態の相乗り支援システムでは、待合者の現在位置は定期的にサーバ20に送信され、サーバ20の待合データベース233が更新される。したがって、タクシー乗り場のように、刻々と待合者の現在位置が変化するような状況においても、待合者の最新の現在位置に基づいて待合情報が検索される。よって、申込者の近傍に確実に存在する待合者を検索することができる。また、待合者について最新の順位を提供することができる。
【0052】
また、本実施形態の相乗り支援システムによれば、待合者がどれだけ前の方に並んでいるのかを示す待合者の順位が待合情報に付帯されるので、申込者は順位を参考にして、前の方に並んでいる待合者に対して相乗りの交渉を行うことができる。したがって、申込者は迅速にタクシーに乗車することが可能となる。また、待合者は、前の方に並んでいるほど先に申込者から相乗りを申し込まれる可能性が高まるので、実際にタクシーに乗り込んでしまう前に相乗りの相手からの申し込みをうける可能性を高めることができる。
【0053】
なお、本実施形態の相乗り支援システムでは、申込者の近傍にいる待合者の待合情報を全て申込者に送信するものとしたが、待合情報取得要求に目的地を設定し、待合情報取得要求に設定されている目的地と一致する待合情報のみをユーザ端末10に送信するようにしてもよい。
【0054】
また、目的地が同じ方向の待合者の待合情報のみを提供するようにしてもよい。この場合のサーバ20のソフトウェア構成例を図16に示す。サーバ20は、目的地データベース234を更に備えるようにする。目的地データベース234は、図17に示すように、目的地ごとに、その目的地の地図上の位置を記憶する。なお、目的地データベース234は、一般的な地図情報を管理するようにしてもよいし、目的地データベース234を設けず、地図情報を提供している地図サーバにアクセスして目的地の位置を取得するようにしてもよい。また、目的地が同じ方向の待合者の待合情報のみを提供する場合、ユーザ端末10の待合情報取得部112は、申込者の目的地の入力を受け付けて、待合情報取得要求には、申込者の現在位置とともに申込者の目的地も設定するようにする。サーバ20の待合情報提供部211は、乗り場の位置から申込者の目的地の位置への方向と、乗り場の位置から待合者の目的地の位置への方向とが近い待合情報のみをユーザ端末10に提供するようにする。
【0055】
図18は、目的地が同じ方向の待合者の待合情報のみを提供する場合における待合情報の検索処理の流れを示す図である。図18に示す処理は、ステップS407までは上述した図12の処理と同様である。
【0056】
待合情報提供部211は、待合情報取得要求に含まれている目的地に対応する位置を目的地データベース234から読み出して、その経度および緯度を(Lo1,La1)とする(S408)。待合情報提供部211は、乗り場の位置(経度,緯度)を(Lo0,La0)として、乗り場から申込者の目的地への第1のベクトル(x1,y1)を、(Lo1−Lo0,La1−La0)により算出する(S409)。待合情報提供部211は、ステップS407までに取得した待合情報のそれぞれについて、以下の処理を行う。
【0057】
待合情報提供部211は、当該待合情報に含まれている目的地の位置を目的地データベース234から読み出して、その経度および緯度を(Lo2,La2)とする(S410)。待合情報提供部211は、乗り場から待合者の目的地への第2のベクトル(x2,y2)を、(Lo2−Lo0,La2−La0)により算出する(S411)。待合情報提供部211は、上記第1および第2のベクトルの角度θを、x1×y1+x2×y2についてのアークコサイン、すなわちθ=acos(x1×y1+x2×y2)により算出する(S412)。
【0058】
待合情報提供部211は、角度θが所定の閾値より小さければ(S413:YES)、当該待合情報を送信するものと決定し(S414)、角度θが所定の閾値以上であれば(S413:NO)、当該待合情報を送信しないものと決定する(S415)。
【0059】
待合情報提供部211は、送信すると決定した待合情報のみをユーザ端末10に送信するようにする。このようにして、目的地が申込者と同じ方向である待合者の待合情報のみを抽出するようにすることができる。なお、待合情報提供部211は、ステップS413〜S415において、待合情報を送信するか否かを決定するのではなく、角度θが小さいほど大きくなるように、待合情報の優先度を決定し、待合情報に優先度を付帯させるようにしてもよい。
【0060】
また、待合情報提供部211は、乗り場の位置から目的地の位置に向っての方位を、例えば、16方位(北、北北東、北東・・・北北西)で算出し、乗り場から申込者の目的地に向かった方位と、乗り場から待合者の目的地に向かった方位とが同じである待合情報のみをユーザ端末10に送信するようにしてもよい。
【0061】
また、待合情報提供部211は、乗り場から目的地に向かうルートが同じになる待合者のみを提示するようにしてもよい。例えば、待合情報提供部211は、待合情報取得要求に含まれている目的地の位置および待合情報に含まれている目的地の位置を取得し、カーナビゲーションシステムに用いられている一般的な方法により、乗り場の位置から申込者の目的地の位置までの第1のルートと、乗り場の位置から待合者の目的地までの第2のルートとを算出し、第1および第2のルートの重なり具合が所定の閾値より大きい、すなわち、距離の短い方のルートについて、距離の長い方のルートと重なっている距離を算出し、距離の短い方のルートの全体距離に対する上記重なっている距離の比率が、所定の閾値より大きいか否かを判定するようにして、重なり具合が大きいと判定した待合情報のみをユーザ端末10に送信するようにすることができる。また、上記重なっている比率を待合情報に付帯させて申込者のユーザ端末10に送信するようにしてもよい。上記重なっている距離を待合情報に付帯させて申込者のユーザ端末10に送信するようにしてもよい。上記重なっている比率や上記重なっている距離を、待合者のユーザ端末10に送信するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、ユーザ端末10は、携帯電話やPDAなどの可搬型コンピュータを想定していたが、これに限らず、例えば、タクシー乗り場に設置されたパーソナルコンピュータやワークステーションなどの非可搬型コンピュータとしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、乗り物はタクシーであるものとしたが、タクシーに限らず、乗客の求めに応じて乗客を目的地まで乗せる乗り物であればよい。つまり、例えば、自転車やオートバイなどであってもよい。
【0064】
また、待合情報取得要求には、現在位置を設定するものとしたが、タクシー乗り場を特定する情報(以下、「乗り場ID」という。)を設定し、待合情報取得要求に含まれる乗り場IDに対応する基準位置を乗り場データベース232から検索し、基準位置から所定距離以内の現在位置を含む待合情報を待合データベース233から検索するようにしてもよい。例えば、相乗り支援システムによるサービスを提供しているタクシー乗り場ごとに、乗り場IDを掲示しておき、申込者や待合者が、掲示されている乗り場IDをユーザ端末10に入力したり、乗り場IDを無線通信や赤外線通信などによりユーザ端末10に提供する乗り場ID提供装置を乗り場ごとに設置したりすることができる。これにより、GPSの機能を持たないユーザ端末10を利用する申込者であっても、本実施形態の相乗り支援システムによるサービスに参加することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態では、待合情報取得要求に含まれる申込者の現在位置から所定距離内の待合者についての待合情報を検索するものとしたが、これに限らず、申込者の現在位置に最も近い乗り場を乗り場データベース232から検索し、乗り場の基準位置から所定距離以内の待合者の現在位置を含む待合情報を待合データベース233から検索するようにしてもよい。この場合、図12の処理において、ステップS401を省略し、申込者の現在位置から所定距離内で最も近い乗り場情報がある場合(S403:YES)には、ステップS404の前に、待合情報提供部211は、待合データベース233に記憶されている各待合情報について、乗り場の基準位置から待合情報の現在位置までの距離を算出し、算出した距離が所定の閾値以下である待合情報を待合データベース233から読み出すようにする。また、申込者の現在位置から所定距離内の乗り場情報がない場合(S403:NO)には、ステップS406の前に、待合情報提供部211は、待合データベース233に記憶されている各待合情報について、待合情報取得要求に含まれている申込者の現在位置から、待合情報の現在位置までの距離を算出し、算出した距離が所定の閾値以下である待合情報を待合データベース233から読み出すようにする。 また、本実施形態では、申込者が交渉相手として選択した相手についてのみ連絡先情報を提供するものとしたが、例えば、待合情報提供部211が、待合情報とともに、待合情報に含まれるユーザIDに対応するユーザ情報を待合情報に付帯させてユーザ端末10に送信するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末10では、交渉相手が選択されると同時に、通信を開始することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、申込者からの要求に応じて無条件に連絡先情報を提供するものとしたが、待合者に確認をするようにしてもよい。この場合、申込者は、性別や年齢などを入力するようにし、サーバ20が、待合者に対して、電子メールやメッセージングサービス、通話による音声メッセージなどにより、申込者の性別や年齢などを通知し、待合者が申込者からの相乗りの交渉を受けるか否かを示す承諾情報を、電子メールやメッセージ、電話のDTMF音認識などにより待合者のユーザ端末10から受け付け、待合者が交渉を受けることを示す承諾情報を受け付けた場合にのみ、連絡先情報を申込者のユーザ端末10に送信するようにすることができる。これにより、待合者は申込者がどのような人であるかの概略を把握することができるので、例えば、異性との相乗りを避けることなどを容易に行うことが可能となる。
【0067】
また、サーバ20が、ユーザごとに、個人情報が登録されているか否かを示す、個人情報の登録状況を管理するようにして、連絡先情報を申込者のユーザ端末10に送信する前に、申込者のユーザIDや電話番号とともに申込者の登録状況を、待合情報に係る待合者のユーザ端末10に送信するようにしてもよい。これにより、待合者は、申込者の匿名性に応じて、申込者を信頼するか否かを決定することができるので、例えば、個人情報を登録していないユーザIDを信用しない場合には、そのユーザIDからの連絡(電子メールやメッセージ、電話の着呼)を拒否することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、乗り場の基準位置からの距離に応じて、順位を算出するようにしたが、順位を待合者が入力してサーバ20に登録するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末10の目的地入力部117は、目的地とともに、待合者の順位を受け付けるようにして、待合情報に目的地と順位とを設定するようにすることができる。
【0069】
また、申込者の現在位置から所定距離内の乗り場情報が存在しない場合、図12および18のステップS406において、順位が不明であるものとしたが、待合情報に含まれる現在位置のみから順位を算出するようにしてもよい。この場合、例えば、申込者から遠い待合者ほど順位が高くなるように順位を決定することができる。また、ステップS406で読み出した待合情報のうち、待合情報取得要求に含まれている現在位置から最も遠い現在位置を含むものを基準待合情報として、基準待合情報の順位を「1」とし、他の待合情報に含まれる現在位置から、基準待合情報に含まれる現在位置までの距離を上述した所定の間隔で割ることにより、他の待合情報についての順位を算出するようにしてもよい。このようにして順位を決定することは、例えば、乗り場情報を省略する場合にも適用することができる。
【0070】
また、待合情報の更新時刻を待合情報に付帯させるようにして、現在位置を更新するたびに更新時刻を最新時刻に更新するようにし、所定の時間前以前に登録された待合情報は定期的に削除するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施形態では、申込者に待合者の情報を提供するものとしたが、待合者に申込者の情報を提供するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末10は、申込者からユーザIDと目的地との入力を受け付けて、受け付けたユーザID、現在位置および目的地を含む情報(以下、「申込情報」という。)をサーバ20に送信し、サーバ20は、申込情報に含まれている現在位置に最も近く所定距離内の基準位置の乗り場を特定し、特定した乗り場の基準位置から所定距離内の待合情報を待合データベース233から検索し、検索した待合情報に含まれるユーザIDに対応する連絡先情報を連絡先データベース232から読み出し、 読み出した連絡先に含まれているメールアドレスやメッセンジャーID、電話番号などを宛先として、電子メールやテキストメッセージ、音声メッセージなどにより、申込者のユーザIDや目的地、連絡先などを送信するようにしてもよい。これにより、待合者の方から申込者に対して交渉を行うことが可能となる。また、サーバ20は、申込者のユーザ端末10に対して待合情報を送信するとともに、待合者のユーザ端末10に対して申込者のユーザIDや目的地、連絡先などを送信するようにしてもよい。これにより、申込者からも、待合者からも相乗りの交渉を行うことができるので、迅速に相乗りの相手を探すことが可能となる。
【0072】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 タクシー乗り場
2 タクシー
3 行列
10 ユーザ端末
20 サーバ
30 通信ネットワーク
50 画面
51 画面
52 画面
53 画面
101 CPU
102 メモリ
103 記億装置
104 通信インタフェース
105 GPS電波受信機
106 入力装置
107 出力装置
111 位置情報取得部
112 待合情報取得部
113 待合情報出力部
114 交渉相手指定部
115 連絡先取得部
116 通信開始部
117 目的地入力部
118 待合情報送信部
201 CPU
202 メモリ
203 記億装置
204 通信インタフェース
211 待合情報提供部
212 連絡先提供部
213 待合情報登録部
231 ユーザデータベース
232 乗り場データベース
233 待合データベース
234 目的地データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援する装置であって、
第1および第2のユーザ端末のそれぞれと通信可能に接続され、
第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信する待合情報受信部と、
前記受信した待合情報を記憶する待合データベースと、
前記第1のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新する現在位置更新部と、
前記乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースと、
前記第2のユーザ端末から、第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信する待合情報取得要求受信部と、
前記待合データベースに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出す待合情報取得部と、
前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出す連絡先取得部と、
前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信する待合情報送信部と、
を備えることを特徴とする相乗り支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
前記待合情報送信部は、前記待合情報のみを前記第2のユーザ端末に送信し、
前記相乗り支援装置は、前記第2の乗客が選択した前記乗客IDを含む連絡先取得要求を前記第2のユーザ端末から受信する連絡先取得要求受信部を備え、
前記連絡先取得部は、前記連絡先取得要求に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出し、
前記待合情報送信部が、前記読み出した連絡先を前記第2のユーザ端末に送信すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
前記待合情報受信部は、前記第2のユーザ端末から前記待合情報を受信した場合に、前記受信した待合情報を前記待合データベースに登録すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれる前記現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記現在位置との間の前記距離が遠いほど高くなるように順位を決定し、
前記待合情報送信部は、前記待合情報および前記連絡先に加えて、前記順位を前記ユーザ端末に送信すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
前記乗り場ごとに、前記乗り場の地図上の位置である基準位置を記憶する乗り場位置記憶部を備え、
前記待合情報取得部は、前記待合情報取得要求に含まれる前記現在位置から最も近い前記基準位置である乗り場位置を前記乗り場位置記憶部から取得し、
前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれる前記現在位置と前記乗り場位置との間の距離を算出し、待ち行列において乗客1人当たりに占有する所定の長さで前記算出した距離を割って、前記乗客の順位を算出する順位算出部と、
を備え、
前記待合情報送信部は、前記待合情報および前記連絡先に加えて、前記順位を前記第2のユーザ端末に送信すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
前記待合情報取得要求には、さらに目的地が設定されており、
前記待合情報取得部は、前記待合情報取得要求に含まれる前記目的地に一致する目的地が含まれている前記待合情報を前記待合データベースから取得すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の相乗り支援装置であって、
目的地の位置を取得する目的地位置取得部を備え、
前記待合情報取得要求には、さらに目的地が設定されており、
前記目的地位置取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報に含まれている前記目的地の位置である第1位置を取得し、
前記目的地位置取得部は、前記待合情報取得要求に含まれている前記目的地の位置である第2位置を取得し、
前記待合情報取得部は、前記読み出した待合情報のそれぞれについて、前記待合情報取得要求に含まれている前記乗り場特定情報が示す位置と前記第1位置とを結ぶ直線と、前記乗り場特定情報が示す位置と前記第2位置とを結ぶ直線との角度を算出し、
前記待合情報送信部は、前記算出した角度が所定値より小さい前記待合情報のみを前記申込者のユーザ端末に送信すること、
を特徴とする相乗り支援装置。
【請求項8】
乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援する方法であって、
第1および第2のユーザ端末のそれぞれと通信可能に接続され、前記乗客を示す乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースを備えるコンピュータが、
第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信し、
前記受信した待合情報をメモリに記憶し、
前記第1のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新し、
前記第2のユーザ端末から、第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信し、
前記メモリに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出し、
前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出し、
前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信すること、
を特徴とする相乗り支援方法。
【請求項9】
乗客が指定する目的地まで前記乗客を乗せる乗り物の乗り場において相乗りを支援するためのプログラムであって、
第1および第2のユーザ端末と通信可能に接続され、前記乗客を示す乗客IDに対応付けて前記乗客の連絡先を記憶する連絡先データベースを備えるコンピュータに、
第1の乗客を示す乗客ID、前記第1の乗客の現在位置、および前記第1の乗客の目的地を含む待合情報を前記第1のユーザ端末から受信するステップと、
前記受信した待合情報をメモリに記憶するステップと、
前記第1のユーザ端末から前記第1の乗客の現在位置を定期的に受信し、前記第1の乗客を示す前記乗客IDに対応する前記待合情報の現在位置を、前記受信した現在位置に更新するステップと、
前記第2のユーザ端末から、第2の乗客の現在位置を含む待合情報取得要求を受信するステップと、
前記待合データベースに記憶されている前記待合情報のうち、前記待合情報に含まれる前記第1の乗客の現在位置と前記待合情報取得要求に含まれる前記第2の乗客の現在位置との間の距離が所定値以内であるものを読み出すステップと、
前記読み出した待合情報に含まれる前記乗客IDに対応する前記連絡先を前記連絡先データベースから読み出すステップと、
前記読み出した待合情報および前記連絡先を前記第2のユーザ端末に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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