相互広告提供システム、広告配信計画装置、広告配信計画方法およびコンピュータプログラム
【課題】広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムにおいて、効果的に広告を配信するための技術を提供する。
【解決手段】
広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、広告表示システムは、広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、広告配信計画装置は、受信した視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、広告に対応した広告主の事業者を特定し、事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備える。
【解決手段】
広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、広告表示システムは、広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、広告配信計画装置は、受信した視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、広告に対応した広告主の事業者を特定し、事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムに関し、特に、相互広告提供システム内において効果的に広告を配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと呼ばれる一種の電子看板が普及してきており、店舗や街頭、交通機関等で見掛けられるようになっている。デジタルサイネージは、広告等のデジタルコンテンツをディスプレイやプロジェクタによって表示する装置である。デジタルコンテンツとしては主として動画データが用いられており、従来の静的な看板に比べて、視聴者の興味を惹きやすく、また、広告内容を容易に変更できるという特徴を有している。
【0003】
デジタルサイネージは、比較的小型で低価格のディスプレイやプロジェクタを用いることもできるため、小売店舗等の比較的小規模な事業者の店舗に設置されることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−128694号公報
【特許文献2】特開2008−112401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、事業者が店舗に設置したデジタルサイネージには、事業者自身の広告を再生し続ける。しかしながら、その広告を視聴するのは店舗近傍にいる顧客や通行者であるから、店舗に設置したデジタルサイネージで再生する広告によって遠方にいる人たちを引き寄せることはできない。遠方にいる人たちに広告を視聴させるためには、自身の店舗以外にもデジタルサイネージを設置すればよいが、設置場所確保等のために多大なコストが必要になる。
【0006】
そこで、デジタルサイネージを設置している事業者同士で相互に広告を提供し合う相互広告提供システムを構築することが有益と考えられる。相互広告提供システムでは、他の事業者に広告を配信することで、他の事業者の店舗に設置してあるデジタルサイネージで自身の広告を再生することができる。
【0007】
この場合、事業者毎に周辺環境や客層が異なるため、他の事業者のうち、どの事業者にどの程度広告を配信するかによって、広告効果が左右される。
【0008】
広告配信には相応のコストが必要になり、また相互にいろいろな広告を再生しなければならないため、相互広告提供システムで配信できる広告量には限りがある。したがって、広告効果がなるべく高くなるように広告配信先を設定することが望ましい。
【0009】
そこで、本発明は、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムにおいて、効果的に広告を配信するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である相互広告提供システムは、ネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、前記広告表示システムは、前記広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、前記電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、前記広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、前記広告配信計画装置は、受信した前記視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、前記視聴指標値は、前記電子看板に表示された広告それぞれについての視聴者数を検出し、所定期間における最大視聴者数で正規化した値とすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である広告配信計画装置は、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする。
あるいは、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の平均値である評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えるようにしてもよい。
いずれの場合も、前記事業者関連度算出部が算出する事業者同士の関連度は、第1事業者における第2事業者についての評価値と、第2事業者における第1事業者についての評価値との平均値とすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第3の態様である広告配信計画方法は、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信するステップと、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信し、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定するステップと、前記事業者毎に視聴指標値の評価値を算出するステップと、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出するステップと、前記関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップと、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の第4の態様であるコンピュータプログラムは、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、さらに前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムにおいて、効果的に広告を配信するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る相互広告提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】広告配信計画装置の構成を示すブロック図である。
【図3】事業者情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】広告情報テーブルの構成例を示す図である。
【図5】配信情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】視聴度情報テーブルの構成例を示す図である。
【図7】広告表示・視聴評価システムの構成を示すブロック図である。
【図8】視聴情報格納テーブルの構成例を示す図である。
【図9】広告表示・視聴評価システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】広告表示・視聴評価システムが生成するデータについて説明する図である。
【図11】広告配信計画装置の配信計画作成動作を説明するフローチャートである。
【図12】広告再生側事業者毎の広告主事業者別の平均視聴度を示した図である。
【図13】事業者同士の関連度と事業者毎の配信割合とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<相互広告提供システムの構成>
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る相互広告提供システムの構成を示すブロック図である。本図に示すように、相互広告提供システム10は、広告配信計画装置20と、複数個の広告表示・視聴評価システム30(30a、30b、30c…)とが、コンピュータネットワーク40を介して接続されて構成される。
【0014】
広告表示・視聴評価システム30は、広告表示を行なうデジタルサイネージを含んでおり、広告表示システムとして機能するのに加え、表示している広告の視聴状況を評価する視聴評価システムとしても機能する。広告表示・視聴評価システム30は、それぞれ異なる事業者の店舗等に設置されている。
【0015】
本図では、事業者の一部が表示されており、事業者Aの店舗に広告表示・視聴評価システム30aが設置され、事業者Bの店舗に広告表示・視聴評価システム30bが設置され、事業者Cの店舗に広告表示・視聴評価システム30cが設置されている。なお、特に区別する必要がない場合は、広告表示・視聴評価システム30と総称する。
【0016】
広告配信計画装置20は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30に事業者の広告を配信する装置であり、広告配信計画装置20の運営者は、各事業者から広告料金を徴収して広告配信計画装置20を管理する。広告配信計画装置20は、事業者が支払う広告料金に応じた量の広告を、各事業者の広告表示・視聴評価システム30に配信する。このとき、広告効果が高まるように広告配信計画を作成する。
【0017】
以下の実施形態では、自身の広告は配信対象から除くものとして説明する。すなわち、事業者Aの広告表示・視聴評価システム30aには、事業者A以外の広告である事業者Bの広告、事業者Cの広告、事業者…の広告を配信するものとする。この場合、事業者Aの広告表示・視聴評価システム30aのデジタルサイネージでは、通常、事業者A自身の広告を再生し、その合間の時間等に広告配信計画装置20から配信される他の事業者の広告を再生する。ただし、自身の広告を含めて配信対象とするようにしてもよい。
【0018】
相互広告提供システム10において、各事業者は、店舗等に設置されたデジタルサイネージに、配信された他の事業者の広告を再生する広告配信先として機能するのに加え、他の事業者のデジタルサイネージで再生する広告の提供者である広告主としても機能する。
<広告配信計画装置の構成>
【0019】
図2は、広告配信計画装置20の構成を示すブロック図である。広告配信計画装置20は、CPU、メモリ、入出力インタフェース、通信装置等を備え、コンピュータプログラムにしたがって動作を行なうPCやサーバコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成することができる。
【0020】
本図に示すように、広告配信計画装置20は、配信計画部210、広告配信部220、通信部230、視聴度情報受信部240、事業者情報テーブル250、広告情報テーブル260、配信情報テーブル270、視聴度情報テーブル280を備えている。各テーブルはハードディスク装置等のメモリに保存されている。
【0021】
配信計画部210は、各事業者に対する配信計画を作成して、配信情報テーブル270に記録する。この処理を行なうため、配信計画部210は、事業者関連度算出部211と広告割当部212とを備えている。
【0022】
事業者関連度算出部211は、後述する視聴度情報テーブル280と広告情報テーブル260とを参照して、事業者同士の関連度を算出し、広告割当部212に供給する。事業者同士の関連度は、ある事業者と別の事業者との関連度を示すものであり、本実施形態では、両事業者の広告に対して興味を持つ視聴者の度合いを評価した値である。
【0023】
具体的には、事業者Aのデジタルサイネージで再生した事業者Bの広告を視聴した人の多さを示す視聴指標値と、事業者Bのデジタルサイネージで再生した事業者Aの広告を視聴した人の多さを示す視聴指標値とを評価した値を、事業者Aと事業者Bとの関連度とする。
【0024】
関連度が高い事業者同士は、互いの広告を視聴する顧客や通行者が多いことを示すため、客層や周辺環境が似通っていたり、顧客の興味の対象が共通すると考えられるため、関連度が高い事業者に対して多くの広告を配信すれば、広告効果が高くなることが期待される。
【0025】
広告割当部212は、事業者関連度算出部211が算出した関連度に基づいて各事業者の広告の配信先の割り当てを行なって、配信情報テーブル270に記録する。このとき、広告情報テーブル260、事業者情報テーブル250を参照して配信先の割り当てを行なう。具体的には、広告効果が高まるように、関連度の高い事業者の広告表示・視聴評価システム30により多くの広告配信が行なわれるように割り当てる。
【0026】
広告配信部220は、広告情報テーブル260および配信情報テーブル270を参照して各事業者の広告表示・視聴評価システム30に広告を配信する処理を行なう。
【0027】
通信部230は、コンピュータネットワーク40を介して広告表示・視聴評価システム30と通信する。
【0028】
視聴度情報受信部240は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30から視聴度情報を受信し、事業者の識別子である事業者IDを付して視聴度情報テーブル280に記録する。ここで、視聴度は、その事業者の広告表示・視聴評価システム30において、配信された広告がどの程度視聴されたかを示す指標値である。具体的には、配信された広告それぞれの視聴者数を最大が1となるように正規化した値である。
【0029】
事業者情報テーブル250は、事業者に関する情報を格納するテーブルである。図3は、事業者情報テーブル250の構成例を示す図である。本図に示すように、事業者情報テーブル250は、「事業者ID」で識別される事業者毎に、「設置サイネージ情報」と、「広告主情報」とを記録する。「設置サイネージ情報」は、広告を表示する側としての情報であり、「広告主情報」は広告を提供する側としての情報である。
【0030】
また、広告表示・視聴評価システム30と事業者とは、1対1に対応しており、事業者情報テーブル250における事業者IDは、広告表示・視聴評価システム30をも識別することができる。
【0031】
「設置サイネージ情報」には、「サイネージ設置場所」と「広告再生時間帯」とが含まれる。「サイネージ設置場所」はデジタルサイネージが設置されている場所を示す情報である。場所は、本図のように「○○商店街」といった名称でもよいし、住所、行政区分、その他の表現であってもよい。
【0032】
「広告再生時間帯」は、配信される広告を再生する時間帯のリストである。例えば、事業者ID「B001」で表わされる事業者が設置するサイネージは、通常、自身の広告を再生し、「広告再生時間帯」が示す10:00〜10:02、10:14〜10:15…には、広告配信計画装置20から配信される他の事業者の広告の再生を行なうことを示している。「広告再生時間帯」は、例えば、平日と土日祝日のそれぞれについて、1日のうちで広告を再生する時間帯を示すようにしてもよい。あるいは、例えば、1週間のうちで広告を再生する曜日および時間帯を示すようにしてもよい。
【0033】
「広告再生時間帯」は、事業者が広告配信計画装置20の運営者に申請しておくものとする。広告を再生する時間帯が多ければ、他の事業者の広告再生時間が増えるため、例えば、広告再生時間帯が多いほど、広告料金を割り引いたり、配信する広告の量を増やしたりする特典を事業者に与える。
【0034】
「広告主情報」は、広告を提供する広告主としての事業者に関する情報であり、「支払広告料金」と「提供対象地域」とが含まれる。「支払広告料金」は、事業者が広告配信計画装置20の運営者にシステム利用料や他の事業者への広告配信の対価として支払う料金である。広告料金に応じて、配信される広告の量、回数、範囲等が定められる。なお、広告再生時間帯に応じた料金の割引が行なわれる場合は、割引前の料金を記録する。また、「支払広告料金」に代えて、支払広告料金に応じた「広告回数」「広告時間」等を記録するようにしてもよい。
【0035】
「提供対象地域」は、広告配信の対象とする地域を示す情報であり、対象となった地域に設置されたデジタルサイネージに広告が配信されることになる。このため、「サイネージ設置場所」との対応関係がとれるような情報としておく。「提供対象地域」は、事業者の申請にしたがって設定することができる。
【0036】
広告情報テーブル260は、事業者が提供する広告に関する情報を格納するテーブルである。図4は、広告情報テーブル260の構成例を示す図である。本図に示すように、広告情報テーブル260は、「広告ID」で識別される広告毎に、「広告主事業者ID」「再生時間」「動画データ」を記録する。「広告主事業者ID」は、広告を提供する広告主事業者の事業者IDである。同一の事業者が複数の広告を提供してもよい。「動画データ」は、デジタルサイネージで再生される広告のデジタルデータである。
【0037】
配信情報テーブル270は、各事業者に配信する広告のスケジュールを格納するテーブルである。図5は、配信情報テーブル270の構成例を示す図である。本図に示すように、配信情報テーブル270は、「配信時刻」「配信先事業者ID」「配信対象広告ID」を記録する。広告配信部220は、配信情報テーブル270を参照して、「配信時刻」が示す時刻に、「配信先事業者ID」が示す事業者の広告表示・視聴評価システム30に対して、「配信対象広告ID」が示す広告を配信する。
【0038】
視聴度情報テーブル280は、各事業者のデジタルサイネージにおいて再生された広告それぞれの視聴度を格納するテーブルである。本図に示すように、視聴度情報テーブル280は、「広告再生事業者ID」「再生広告ID」「視聴度」を記録し、「広告再生事業者ID」が示す事業者のデジタルサイネージで再生された「再生広告ID」が示す広告の「視聴度」を表わしている。本図の例では、事業者「B001」が設置するデジタルサイネージでは、広告「A001」の視聴度が0.82で、広告「A002」の視聴度が0.28であり、広告「B002」の視聴度が1.00であることが示されている。
<広告表示・視聴評価システムの構成>
【0039】
図7は、広告表示・視聴評価システム30の構成を示すブロック図である。本図に示すように、広告表示・視聴評価システム30は、1または複数台のデジタルサイネージ310(310a、310b、310c)と、デジタルサイネージ310と対になった1または複数台の視聴検出部320(320a、320b、320c)と、通信部330と、再生処理部340と、視聴情報集計部350と、視聴度算出部360と、視聴情報格納テーブル370とを備えている。
【0040】
デジタルサイネージ310は、電子看板であり、広告等のデジタルコンテンツをディスプレイやプロジェクタによって表示する装置である。デジタルサイネージ310が複数台設置されている場合、それぞれのデジタルサイネージ310は、同一の広告を同時に再生するものとする。
【0041】
視聴検出部320は、対になったデジタルサイネージ310で再生している広告を視聴している人の数を計測する。視聴検出部320は、例えば、特許文献2に記載されているように、デジタルサイネージ310の視聴エリアを撮影するためのカメラを備え、カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができる。
【0042】
ただし、視聴検出部320は、他の手法を用いて広告を視聴している人の数を計測するようにしてもよい。例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を用いて関連情報やクーポン等を配信する装置をデジタルサイネージと隣接して設置しておき、視聴者の保持する携帯機器との通信を検出することにより視聴者数を計測したり、視聴エリア内に入場する人と視聴エリア内から退場する人とをセンサにより検出することで視聴者数を計測するようにしてもよい。NFCにより視聴者を検出する場合は、視聴者が興味を持ってNFCの受信操作を行なうと考えられるため、より広告に興味を持った視聴者数をより正確に計測できる。また、監視者による目測等で視聴者数を実測して視聴者数としてもよい。
【0043】
通信部330は、コンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20と通信するための処理を行なう。
【0044】
再生処理部340は、広告配信計画装置20から配信された広告の再生処理を行ない、広告表示・視聴評価システム30が備える1または複数台のデジタルサイネージ310に表示させる。
【0045】
視聴情報集計部350は、視聴検出部320が検出した広告の視聴者数の平均を計算して、広告の再生時刻および広告IDを付して視聴情報格納テーブル370に記録する。例えば、広告表示・視聴評価システム30が備えるデジタルサイネージ310が2個の場合、2個のデジタルサイネージ310の視聴者数を合計した値を2で割って視聴者数とする。同一の広告が異なる時間に複数回再生される場合では、それぞれの再生毎に視聴者数の平均の計算を行なう。
【0046】
図8は、視聴情報格納テーブル370の構成例を示す図である。本図に示すように、視聴情報格納テーブル370は、「再生時刻」「再生広告ID」「視聴者数」を記録する。例えば、13:00:00から13:00:30に再生した広告「A001」の視聴者数が6人であったことが示されている。
【0047】
図7の説明に戻って、視聴度算出部360は、視聴情報格納テーブル370を参照して、所定の集計期間内の視聴者数を広告ID毎に集計し、視聴度を算出する。ここで、視聴度は、集計された広告ID毎の視聴者数を、最大が1となるように正規化した値とする。すなわち、所定の集計期間内で最も視聴者数の多かった広告の視聴度が1となる。ただし、視聴度は他の方法を用いて算出してもよい。例えば、集計された広告ID毎の視聴者数の、その事業者におけるのべ視聴者数に対する比率としてもよい。算出した視聴度は、通信部330からコンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20に送信される。
<広告表示・視聴評価システムの動作>
【0048】
次に、図9のフローチャートを参照して、本実施形態の広告表示・視聴評価システム30の動作について説明する。なお、本実施形態では、広告配信計画装置20は、リアルタイムに広告を配信するものとする。すなわち、10:00:00に事業者Aで再生する広告は、10:00:00に事業者Aに配信する。このとき、タイムラグを考慮するようにしてもよい。ただし、再生時間を指定して、事前に広告を配信するようにしてもよい。
【0049】
広告表示・視聴評価システム30は、広告配信計画装置20から配信された広告を受信すると(S101:Yes)、再生処理部340が、配信された広告の再生処理を行ない、1または複数台のデジタルサイネージ310が表示を行なう(S102)。ここで、再生処理部340が行なう再生処理とは、例えば、広告配信計画装置20から受信した広告のデジタルデータをデジタルサイネージ310で再生可能な形式に変換したり、広告が再生時間を指定して事前に配信される場合には、実際の再生時間に合わせて広告データをデジタルサイネージ310に送信するなどである。
【0050】
広告の再生中、視聴検出部320が、対になっているデジタルサイネージ310を視聴している人の数を測定する(S103)。広告の再生が終了すると、視聴情報集計部350が、各視聴検出部320から視聴者数を取得し、平均を計算した後、再生時刻と再生広告IDとを付して視聴情報格納テーブル370(図8参照)に記録する(S104)。以上の処理は、広告配信計画装置20から広告が配信される毎に行なう。
【0051】
また、広告表示・視聴評価システム30は、所定の集計タイミングになると(S105:Yes)、以下に手順を示す視聴度作成処理を行なう。ここで、所定の集計タイミングは、例えば、1日毎、1週間毎等とすることができ、各事業者の広告表示・視聴評価システム30で共通のタイミングとする。
【0052】
視聴度作成処理では、視聴情報格納テーブル370を参照し(S106)、広告ID毎に視聴者数の平均を算出する(S107)。すなわち、複数回再生された広告については、それぞれの視聴者数の平均を計算して平均視聴者数とする。図10(a)は、広告ID毎に計算された平均視聴者数の例を示している。
【0053】
次に、平均視聴者数を最大が1になるように正規化して、各広告IDの視聴度を算出する(S108)。図10(b)は、広告ID毎に集計された平均視聴者数に基づく視聴度の例を示している。本例では、広告「A002」の視聴者数が最も多かったものとしており、広告「A002」の視聴度が1となっている。
【0054】
そして、通信部330からコンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20に広告ID毎の視聴度を送信して(S109)、視聴度作成処理を終了する。
【0055】
広告ID毎の視聴度を受信した広告配信計画装置20の視聴度情報受信部240は、事業者情報テーブル250を参照して、送信元の広告表示・視聴評価システム30の事業者IDを特定し、特定された事業者IDを付して視聴度情報テーブル280(図6参照)に記録する。なお、視聴度の算出は、広告配信計画装置20側で行なうようにしてもよい。この場合、広告表示・視聴評価システム30は、視聴情報集計部350が処理(S107)で視聴者数の平均を計算する毎に、計算した視聴者数の平均に再生広告IDを付して広告配信計画装置20に送信すればよい。さらに、広告表示・視聴評価システム30は、広告配信計画装置20における視聴情報集計部350、視聴度算出部360、および視聴情報格納部370に相当する構成を備えるようにし、所定の集計タイミングになると、図9のフローチャートにおける処理(S106)から処理(S108)に相当する処理を行なうようにすればよい。
<広告配信計画装置の配信計画作成動作>
【0056】
次に、広告配信計画装置20における配信計画作成動作について図11のフローチャートを参照して説明する。配信計画作成動作は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30から送信される視聴度情報が揃ったタイミングで行なうようにする。すなわち、広告表示・視聴評価システム30の集計タイミングに応じて配信計画を示す配信情報テーブル270が更新されることになる。
【0057】
配信計画作成動作では、まず、配信計画部210の事業者関連度算出部211が、各事業者についての広告主毎の平均視聴度を算出し(S201〜S204)、その後、事業者関連度算出部211が、事業者同士の関連度を算出する(S205〜S207)。最後に、配信計画部210の広告割当部212が、事業者毎に配信割当比を算出し(S208〜S211)、配信割当比に基づいて実際の広告割当てを行なって配信情報テーブル270を更新する(S212)。
【0058】
各事業者についての広告主毎の平均視聴度を算出する処理(S201〜S204)では、まず、処理対象とする広告再生事業者を設定する(S201)。そして、視聴度情報テーブル280(図6参照)から処理対象事業者の視聴度情報を取得し(S202)、広告情報テーブル260(図4参照)を参照して、処理対象事業者の広告主毎の平均視聴度を算出する(S203)。
【0059】
例えば、視聴度情報テーブル280に、処理対象である事業者Aにおいて再生した広告a〜広告zそれぞれの視聴度が記録されている場合に、広告情報テーブル260を参照して、広告a〜zそれぞれの広告主事業者を特定する。そして、特定された広告主事業者毎に、視聴度の平均値を算出して平均視聴度とする。例えば、広告a〜広告dの広告主が事業者Dであれば、広告a〜広告dの視聴度の平均値を、広告主事業者Dの平均視聴度とする。
【0060】
以上の処理を、対象事業者を変更しながら繰り返し、すべての事業者について行なう(S204、S201)。この結果、算出される各事業者についての広告主毎の平均視聴度は、視聴指標値である視聴度の評価値として機能する。
【0061】
図12は、広告再生事業者毎の広告主事業者別の平均視聴度を示した図である。本例では、事業者「B001」が設置するデジタルサイネージ310において、事業者「B002」の広告の平均視聴度が0.92であり、事業者「B003」の広告の平均視聴度が0.46であり、事業者「B004」の広告の平均視聴度が0.85であり、事業者「B005」の広告の平均視聴度が0.29となっており、事業者「B001」のデジタルサイネージ310を視聴する人は、事業者「B002」の広告に興味を持っていることがわかる。
【0062】
事業者同士の関連度を算出する処理(S205〜S207)では、まず、処理対象とする2つの事業者の組合わせを設定する(S205)。
【0063】
次いで、処理対象事業者組合わせの2つの事業者の関連度を算出する(S206)。ここで、事業者Aと事業者Bとの関連度は、広告再生事業者Aにおける広告主事業者Bの平均視聴度と、広告再生事業者Bにおける広告主事業者Aの平均視聴度との平均値とする。
【0064】
この結果、事業者Aと事業者Bとの関連度が高いということは、事業者Aのデジタルサイネージ310で再生する事業者Bの広告の視聴者数が多く、かつ、事業者Bのデジタルサイネージ310で再生する事業者Aの広告の視聴者数が多いことを示すことになる。このことから、関連度の高い事業者Aと事業者Bとでは、客層や周辺環境が似通っていたり、顧客の興味の対象が共通すると考えられる。
【0065】
以上の処理を、対象事業者組合わせを変更しながら繰り返し、すべての事業者の組合わせについて行なう(S207、S205)。事業者Aと事業者Bとの関連度と、事業者Bと事業者Aとの関連度とは同じ値となるため、一方について算出すればよい。図13(a)は、事業者同士の関連度を示した図である。例えば、事業者「B001」について、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」との関連度は、それぞれ0.81、0.48、0.66であることが示されており、事業者「B001」にとって事業者「B002」との関連度が相対的に高いことがわかる。また、事業者「B002」について、事業者「B001」との関連度が括弧付きで「(0.81)」となっているのは、事業者「B001」についての事業者「B002」との関連度0.81と同じ値であり、算出する必要がないことを示している。
【0066】
事業者同士の関連度を算出する処理(S205〜S207)が終了すると、広告主事業者毎に配信割当比の算出を行なう(S208〜S211)。まず、処理対象とする広告再生事業者を設定する(S208)。そして、事業者情報テーブル250を参照して、処理対象となった事業者の「提供対象地域」を取得し、配信先となる事業者をすべて抽出する(S209)。例えば、事業者AがP地区を提供対象地域として設定している場合は、P地区にデジタルサイネージ310を設定している事業者が配信先の事業者となる。
【0067】
次いで、処理対象となった広告主事業者の広告に関する配信先事業者それぞれの配信割当比を算出する(S210)。これは、広告効果を高めるために、配信先事業者毎に、関連度に応じた割合で広告配信比率を設定する処理であり、関連度が高い事業者ほど、配信する広告の回数、量が大きくなるようにする。以上の処理を、対象事業者を変更しながら繰り返し、すべての事業者について行なう(S211、S208)。
【0068】
図13(b)は、関連度に応じた配信割当比を示した図である。例えば、上述のように事業者「B001」について、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」との関連度が0.81、0.48、0.66の場合、全体を100%としたそれぞれの関連度の比率、すなわち配信割当比は、図に示すように42%、25%、34%となる。
【0069】
このため、事業者「B001」が広告主となる広告は、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」に対して、それぞれ42%、25%、34%の割合で割り当てればよいことになる。
【0070】
例えば、事業者「B001」が広告回数100回分の広告料金を支払っている場合は、事業者「B002」に42回配信し、事業者「B003」に25回配信し、事業者「B004」に34回配信することで、高い広告効果を得ることができるものと考えられる。また、事業者「B001」が広告時間100分分の広告料金を支払っている場合は、事業者「B002」に42分配信し、事業者「B003」に25分配信し、事業者「B004」に34分配信することで、高い広告効果を得ることができるものと考えられる。
【0071】
また、事業者「B004」について事業者「B003」との配信割当比が空欄になっているのは、事業者「B003」が事業者「B004」の広告の配信先ではないことを示している。この場合、事業者「B004」について、広告の配信先である事業者「B001」および事業者「B002」との配信割当比が、全体が100%となるように、それぞれ47%、53%となる。
【0072】
実際の配信割当比の算出は、算出結果が関連度に従っておれば足り、具体的な算出方法は任意で、上述のように、全体を100%とした関連度の比率を配信割当比とするのでなくともよい。例えば、関連度が高い事業者の配信割当比を特に大きくしたり、関連度が低い事業者の配信割当比を0%、すなわちまったく割当てないようにしてもよい。
【0073】
最後に、広告割当部212が、算出された配信割当比、事業者情報テーブル250の「広告再生時間帯」、広告情報テーブル260を参照して、広告主事業者毎に実際の広告割当てを行ない、配信情報テーブル270を更新する(S212)。
【0074】
実際の広告割当ては、割当て結果が配信割当比にしたがっておれば足り、具体的な割当て方法は任意で、従来の技術を用いることができる。例えば、処理対象事業者を設定し、配信先の事業者の空いている「広告再生時間帯」に再生回数分の広告を順次埋めていく作業を繰り返すことで実際の広告割当てを行なうことができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の相互広告提供システム10によれば、広告主の事業者にとって関連度の高い事業者に多くの広告が配信されるため、効果的に広告が配信されることになる。
【0076】
以上の実施形態に示すように、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、前記広告表示システムは、前記広告配信計画装置から配信され、広告識別子で識別される広告を表示する電子看板と、前記電子看板に表示された広告それぞれについて視聴者数の多さを示す視聴指標値を算出し、視聴指標値を広告識別子と対応付けて前記広告配信計画装置に送信する視聴指標値算出部と、を備え、前記広告配信計画装置は、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、前記広告表示システムと事業者識別子とを対応付けた事業者情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、前記事業者情報テーブルを参照して視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備えた相互広告提供システムとすることができる。
【0077】
ここで、前記視聴指標値算出部が算出する視聴指標値は、前記電子看板に表示された広告それぞれについて、所定期間における平均視聴者数を正規化した値とすることができる。
【0078】
また、本発明は、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備えた広告配信計画装置とすることができる。
【0079】
ここで、前記事業者関連度算出部が算出する事業者識別子毎の広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値は、視聴指標値の平均値とすることができる。
【0080】
また、前記事業者関連度算出部が算出する事業者識別子同士の関連度は、広告主の第1事業者識別子の第2事業者識別子についての評価値と、広告主の第2事業者識別子の第1事業者識別子についての評価値との平均値とすることができる。
【0081】
また、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信するステップと、各広告表示システムから視聴指標値を受信し、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定するステップと、事業者識別子毎に、広告識別子と広告主の事業者識別子とが対応付けられた広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出するステップと、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出するステップと、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップとを有する広告配信計画方法とすることができる。
【0082】
また、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させるコンピュータプログラムとすることができる。
【符号の説明】
【0083】
10…相互広告提供システム
20…広告配信計画装置
30…広告表示・視聴評価システム
210…配信計画部
211…事業者関連度算出部
212…広告割当部
220…広告配信部
230…通信部
240…視聴度情報受信部
250…事業者情報テーブル
260…広告情報テーブル
270…配信情報テーブル
280…視聴度情報テーブル
310…デジタルサイネージ
320…視聴検出部
330…通信部
340…再生処理部
350…視聴情報集計部
360…視聴度算出部
370…視聴情報格納テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムに関し、特に、相互広告提供システム内において効果的に広告を配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと呼ばれる一種の電子看板が普及してきており、店舗や街頭、交通機関等で見掛けられるようになっている。デジタルサイネージは、広告等のデジタルコンテンツをディスプレイやプロジェクタによって表示する装置である。デジタルコンテンツとしては主として動画データが用いられており、従来の静的な看板に比べて、視聴者の興味を惹きやすく、また、広告内容を容易に変更できるという特徴を有している。
【0003】
デジタルサイネージは、比較的小型で低価格のディスプレイやプロジェクタを用いることもできるため、小売店舗等の比較的小規模な事業者の店舗に設置されることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−128694号公報
【特許文献2】特開2008−112401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、事業者が店舗に設置したデジタルサイネージには、事業者自身の広告を再生し続ける。しかしながら、その広告を視聴するのは店舗近傍にいる顧客や通行者であるから、店舗に設置したデジタルサイネージで再生する広告によって遠方にいる人たちを引き寄せることはできない。遠方にいる人たちに広告を視聴させるためには、自身の店舗以外にもデジタルサイネージを設置すればよいが、設置場所確保等のために多大なコストが必要になる。
【0006】
そこで、デジタルサイネージを設置している事業者同士で相互に広告を提供し合う相互広告提供システムを構築することが有益と考えられる。相互広告提供システムでは、他の事業者に広告を配信することで、他の事業者の店舗に設置してあるデジタルサイネージで自身の広告を再生することができる。
【0007】
この場合、事業者毎に周辺環境や客層が異なるため、他の事業者のうち、どの事業者にどの程度広告を配信するかによって、広告効果が左右される。
【0008】
広告配信には相応のコストが必要になり、また相互にいろいろな広告を再生しなければならないため、相互広告提供システムで配信できる広告量には限りがある。したがって、広告効果がなるべく高くなるように広告配信先を設定することが望ましい。
【0009】
そこで、本発明は、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムにおいて、効果的に広告を配信するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である相互広告提供システムは、ネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、前記広告表示システムは、前記広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、前記電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、前記広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、前記広告配信計画装置は、受信した前記視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、前記視聴指標値は、前記電子看板に表示された広告それぞれについての視聴者数を検出し、所定期間における最大視聴者数で正規化した値とすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である広告配信計画装置は、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする。
あるいは、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の平均値である評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えるようにしてもよい。
いずれの場合も、前記事業者関連度算出部が算出する事業者同士の関連度は、第1事業者における第2事業者についての評価値と、第2事業者における第1事業者についての評価値との平均値とすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第3の態様である広告配信計画方法は、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信するステップと、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信し、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定するステップと、前記事業者毎に視聴指標値の評価値を算出するステップと、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出するステップと、前記関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップと、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の第4の態様であるコンピュータプログラムは、ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、さらに前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広告表示を行なう事業者が相互に広告を提供し合う相互広告提供システムにおいて、効果的に広告を配信するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る相互広告提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】広告配信計画装置の構成を示すブロック図である。
【図3】事業者情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】広告情報テーブルの構成例を示す図である。
【図5】配信情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】視聴度情報テーブルの構成例を示す図である。
【図7】広告表示・視聴評価システムの構成を示すブロック図である。
【図8】視聴情報格納テーブルの構成例を示す図である。
【図9】広告表示・視聴評価システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】広告表示・視聴評価システムが生成するデータについて説明する図である。
【図11】広告配信計画装置の配信計画作成動作を説明するフローチャートである。
【図12】広告再生側事業者毎の広告主事業者別の平均視聴度を示した図である。
【図13】事業者同士の関連度と事業者毎の配信割合とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<相互広告提供システムの構成>
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る相互広告提供システムの構成を示すブロック図である。本図に示すように、相互広告提供システム10は、広告配信計画装置20と、複数個の広告表示・視聴評価システム30(30a、30b、30c…)とが、コンピュータネットワーク40を介して接続されて構成される。
【0014】
広告表示・視聴評価システム30は、広告表示を行なうデジタルサイネージを含んでおり、広告表示システムとして機能するのに加え、表示している広告の視聴状況を評価する視聴評価システムとしても機能する。広告表示・視聴評価システム30は、それぞれ異なる事業者の店舗等に設置されている。
【0015】
本図では、事業者の一部が表示されており、事業者Aの店舗に広告表示・視聴評価システム30aが設置され、事業者Bの店舗に広告表示・視聴評価システム30bが設置され、事業者Cの店舗に広告表示・視聴評価システム30cが設置されている。なお、特に区別する必要がない場合は、広告表示・視聴評価システム30と総称する。
【0016】
広告配信計画装置20は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30に事業者の広告を配信する装置であり、広告配信計画装置20の運営者は、各事業者から広告料金を徴収して広告配信計画装置20を管理する。広告配信計画装置20は、事業者が支払う広告料金に応じた量の広告を、各事業者の広告表示・視聴評価システム30に配信する。このとき、広告効果が高まるように広告配信計画を作成する。
【0017】
以下の実施形態では、自身の広告は配信対象から除くものとして説明する。すなわち、事業者Aの広告表示・視聴評価システム30aには、事業者A以外の広告である事業者Bの広告、事業者Cの広告、事業者…の広告を配信するものとする。この場合、事業者Aの広告表示・視聴評価システム30aのデジタルサイネージでは、通常、事業者A自身の広告を再生し、その合間の時間等に広告配信計画装置20から配信される他の事業者の広告を再生する。ただし、自身の広告を含めて配信対象とするようにしてもよい。
【0018】
相互広告提供システム10において、各事業者は、店舗等に設置されたデジタルサイネージに、配信された他の事業者の広告を再生する広告配信先として機能するのに加え、他の事業者のデジタルサイネージで再生する広告の提供者である広告主としても機能する。
<広告配信計画装置の構成>
【0019】
図2は、広告配信計画装置20の構成を示すブロック図である。広告配信計画装置20は、CPU、メモリ、入出力インタフェース、通信装置等を備え、コンピュータプログラムにしたがって動作を行なうPCやサーバコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成することができる。
【0020】
本図に示すように、広告配信計画装置20は、配信計画部210、広告配信部220、通信部230、視聴度情報受信部240、事業者情報テーブル250、広告情報テーブル260、配信情報テーブル270、視聴度情報テーブル280を備えている。各テーブルはハードディスク装置等のメモリに保存されている。
【0021】
配信計画部210は、各事業者に対する配信計画を作成して、配信情報テーブル270に記録する。この処理を行なうため、配信計画部210は、事業者関連度算出部211と広告割当部212とを備えている。
【0022】
事業者関連度算出部211は、後述する視聴度情報テーブル280と広告情報テーブル260とを参照して、事業者同士の関連度を算出し、広告割当部212に供給する。事業者同士の関連度は、ある事業者と別の事業者との関連度を示すものであり、本実施形態では、両事業者の広告に対して興味を持つ視聴者の度合いを評価した値である。
【0023】
具体的には、事業者Aのデジタルサイネージで再生した事業者Bの広告を視聴した人の多さを示す視聴指標値と、事業者Bのデジタルサイネージで再生した事業者Aの広告を視聴した人の多さを示す視聴指標値とを評価した値を、事業者Aと事業者Bとの関連度とする。
【0024】
関連度が高い事業者同士は、互いの広告を視聴する顧客や通行者が多いことを示すため、客層や周辺環境が似通っていたり、顧客の興味の対象が共通すると考えられるため、関連度が高い事業者に対して多くの広告を配信すれば、広告効果が高くなることが期待される。
【0025】
広告割当部212は、事業者関連度算出部211が算出した関連度に基づいて各事業者の広告の配信先の割り当てを行なって、配信情報テーブル270に記録する。このとき、広告情報テーブル260、事業者情報テーブル250を参照して配信先の割り当てを行なう。具体的には、広告効果が高まるように、関連度の高い事業者の広告表示・視聴評価システム30により多くの広告配信が行なわれるように割り当てる。
【0026】
広告配信部220は、広告情報テーブル260および配信情報テーブル270を参照して各事業者の広告表示・視聴評価システム30に広告を配信する処理を行なう。
【0027】
通信部230は、コンピュータネットワーク40を介して広告表示・視聴評価システム30と通信する。
【0028】
視聴度情報受信部240は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30から視聴度情報を受信し、事業者の識別子である事業者IDを付して視聴度情報テーブル280に記録する。ここで、視聴度は、その事業者の広告表示・視聴評価システム30において、配信された広告がどの程度視聴されたかを示す指標値である。具体的には、配信された広告それぞれの視聴者数を最大が1となるように正規化した値である。
【0029】
事業者情報テーブル250は、事業者に関する情報を格納するテーブルである。図3は、事業者情報テーブル250の構成例を示す図である。本図に示すように、事業者情報テーブル250は、「事業者ID」で識別される事業者毎に、「設置サイネージ情報」と、「広告主情報」とを記録する。「設置サイネージ情報」は、広告を表示する側としての情報であり、「広告主情報」は広告を提供する側としての情報である。
【0030】
また、広告表示・視聴評価システム30と事業者とは、1対1に対応しており、事業者情報テーブル250における事業者IDは、広告表示・視聴評価システム30をも識別することができる。
【0031】
「設置サイネージ情報」には、「サイネージ設置場所」と「広告再生時間帯」とが含まれる。「サイネージ設置場所」はデジタルサイネージが設置されている場所を示す情報である。場所は、本図のように「○○商店街」といった名称でもよいし、住所、行政区分、その他の表現であってもよい。
【0032】
「広告再生時間帯」は、配信される広告を再生する時間帯のリストである。例えば、事業者ID「B001」で表わされる事業者が設置するサイネージは、通常、自身の広告を再生し、「広告再生時間帯」が示す10:00〜10:02、10:14〜10:15…には、広告配信計画装置20から配信される他の事業者の広告の再生を行なうことを示している。「広告再生時間帯」は、例えば、平日と土日祝日のそれぞれについて、1日のうちで広告を再生する時間帯を示すようにしてもよい。あるいは、例えば、1週間のうちで広告を再生する曜日および時間帯を示すようにしてもよい。
【0033】
「広告再生時間帯」は、事業者が広告配信計画装置20の運営者に申請しておくものとする。広告を再生する時間帯が多ければ、他の事業者の広告再生時間が増えるため、例えば、広告再生時間帯が多いほど、広告料金を割り引いたり、配信する広告の量を増やしたりする特典を事業者に与える。
【0034】
「広告主情報」は、広告を提供する広告主としての事業者に関する情報であり、「支払広告料金」と「提供対象地域」とが含まれる。「支払広告料金」は、事業者が広告配信計画装置20の運営者にシステム利用料や他の事業者への広告配信の対価として支払う料金である。広告料金に応じて、配信される広告の量、回数、範囲等が定められる。なお、広告再生時間帯に応じた料金の割引が行なわれる場合は、割引前の料金を記録する。また、「支払広告料金」に代えて、支払広告料金に応じた「広告回数」「広告時間」等を記録するようにしてもよい。
【0035】
「提供対象地域」は、広告配信の対象とする地域を示す情報であり、対象となった地域に設置されたデジタルサイネージに広告が配信されることになる。このため、「サイネージ設置場所」との対応関係がとれるような情報としておく。「提供対象地域」は、事業者の申請にしたがって設定することができる。
【0036】
広告情報テーブル260は、事業者が提供する広告に関する情報を格納するテーブルである。図4は、広告情報テーブル260の構成例を示す図である。本図に示すように、広告情報テーブル260は、「広告ID」で識別される広告毎に、「広告主事業者ID」「再生時間」「動画データ」を記録する。「広告主事業者ID」は、広告を提供する広告主事業者の事業者IDである。同一の事業者が複数の広告を提供してもよい。「動画データ」は、デジタルサイネージで再生される広告のデジタルデータである。
【0037】
配信情報テーブル270は、各事業者に配信する広告のスケジュールを格納するテーブルである。図5は、配信情報テーブル270の構成例を示す図である。本図に示すように、配信情報テーブル270は、「配信時刻」「配信先事業者ID」「配信対象広告ID」を記録する。広告配信部220は、配信情報テーブル270を参照して、「配信時刻」が示す時刻に、「配信先事業者ID」が示す事業者の広告表示・視聴評価システム30に対して、「配信対象広告ID」が示す広告を配信する。
【0038】
視聴度情報テーブル280は、各事業者のデジタルサイネージにおいて再生された広告それぞれの視聴度を格納するテーブルである。本図に示すように、視聴度情報テーブル280は、「広告再生事業者ID」「再生広告ID」「視聴度」を記録し、「広告再生事業者ID」が示す事業者のデジタルサイネージで再生された「再生広告ID」が示す広告の「視聴度」を表わしている。本図の例では、事業者「B001」が設置するデジタルサイネージでは、広告「A001」の視聴度が0.82で、広告「A002」の視聴度が0.28であり、広告「B002」の視聴度が1.00であることが示されている。
<広告表示・視聴評価システムの構成>
【0039】
図7は、広告表示・視聴評価システム30の構成を示すブロック図である。本図に示すように、広告表示・視聴評価システム30は、1または複数台のデジタルサイネージ310(310a、310b、310c)と、デジタルサイネージ310と対になった1または複数台の視聴検出部320(320a、320b、320c)と、通信部330と、再生処理部340と、視聴情報集計部350と、視聴度算出部360と、視聴情報格納テーブル370とを備えている。
【0040】
デジタルサイネージ310は、電子看板であり、広告等のデジタルコンテンツをディスプレイやプロジェクタによって表示する装置である。デジタルサイネージ310が複数台設置されている場合、それぞれのデジタルサイネージ310は、同一の広告を同時に再生するものとする。
【0041】
視聴検出部320は、対になったデジタルサイネージ310で再生している広告を視聴している人の数を計測する。視聴検出部320は、例えば、特許文献2に記載されているように、デジタルサイネージ310の視聴エリアを撮影するためのカメラを備え、カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができる。
【0042】
ただし、視聴検出部320は、他の手法を用いて広告を視聴している人の数を計測するようにしてもよい。例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を用いて関連情報やクーポン等を配信する装置をデジタルサイネージと隣接して設置しておき、視聴者の保持する携帯機器との通信を検出することにより視聴者数を計測したり、視聴エリア内に入場する人と視聴エリア内から退場する人とをセンサにより検出することで視聴者数を計測するようにしてもよい。NFCにより視聴者を検出する場合は、視聴者が興味を持ってNFCの受信操作を行なうと考えられるため、より広告に興味を持った視聴者数をより正確に計測できる。また、監視者による目測等で視聴者数を実測して視聴者数としてもよい。
【0043】
通信部330は、コンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20と通信するための処理を行なう。
【0044】
再生処理部340は、広告配信計画装置20から配信された広告の再生処理を行ない、広告表示・視聴評価システム30が備える1または複数台のデジタルサイネージ310に表示させる。
【0045】
視聴情報集計部350は、視聴検出部320が検出した広告の視聴者数の平均を計算して、広告の再生時刻および広告IDを付して視聴情報格納テーブル370に記録する。例えば、広告表示・視聴評価システム30が備えるデジタルサイネージ310が2個の場合、2個のデジタルサイネージ310の視聴者数を合計した値を2で割って視聴者数とする。同一の広告が異なる時間に複数回再生される場合では、それぞれの再生毎に視聴者数の平均の計算を行なう。
【0046】
図8は、視聴情報格納テーブル370の構成例を示す図である。本図に示すように、視聴情報格納テーブル370は、「再生時刻」「再生広告ID」「視聴者数」を記録する。例えば、13:00:00から13:00:30に再生した広告「A001」の視聴者数が6人であったことが示されている。
【0047】
図7の説明に戻って、視聴度算出部360は、視聴情報格納テーブル370を参照して、所定の集計期間内の視聴者数を広告ID毎に集計し、視聴度を算出する。ここで、視聴度は、集計された広告ID毎の視聴者数を、最大が1となるように正規化した値とする。すなわち、所定の集計期間内で最も視聴者数の多かった広告の視聴度が1となる。ただし、視聴度は他の方法を用いて算出してもよい。例えば、集計された広告ID毎の視聴者数の、その事業者におけるのべ視聴者数に対する比率としてもよい。算出した視聴度は、通信部330からコンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20に送信される。
<広告表示・視聴評価システムの動作>
【0048】
次に、図9のフローチャートを参照して、本実施形態の広告表示・視聴評価システム30の動作について説明する。なお、本実施形態では、広告配信計画装置20は、リアルタイムに広告を配信するものとする。すなわち、10:00:00に事業者Aで再生する広告は、10:00:00に事業者Aに配信する。このとき、タイムラグを考慮するようにしてもよい。ただし、再生時間を指定して、事前に広告を配信するようにしてもよい。
【0049】
広告表示・視聴評価システム30は、広告配信計画装置20から配信された広告を受信すると(S101:Yes)、再生処理部340が、配信された広告の再生処理を行ない、1または複数台のデジタルサイネージ310が表示を行なう(S102)。ここで、再生処理部340が行なう再生処理とは、例えば、広告配信計画装置20から受信した広告のデジタルデータをデジタルサイネージ310で再生可能な形式に変換したり、広告が再生時間を指定して事前に配信される場合には、実際の再生時間に合わせて広告データをデジタルサイネージ310に送信するなどである。
【0050】
広告の再生中、視聴検出部320が、対になっているデジタルサイネージ310を視聴している人の数を測定する(S103)。広告の再生が終了すると、視聴情報集計部350が、各視聴検出部320から視聴者数を取得し、平均を計算した後、再生時刻と再生広告IDとを付して視聴情報格納テーブル370(図8参照)に記録する(S104)。以上の処理は、広告配信計画装置20から広告が配信される毎に行なう。
【0051】
また、広告表示・視聴評価システム30は、所定の集計タイミングになると(S105:Yes)、以下に手順を示す視聴度作成処理を行なう。ここで、所定の集計タイミングは、例えば、1日毎、1週間毎等とすることができ、各事業者の広告表示・視聴評価システム30で共通のタイミングとする。
【0052】
視聴度作成処理では、視聴情報格納テーブル370を参照し(S106)、広告ID毎に視聴者数の平均を算出する(S107)。すなわち、複数回再生された広告については、それぞれの視聴者数の平均を計算して平均視聴者数とする。図10(a)は、広告ID毎に計算された平均視聴者数の例を示している。
【0053】
次に、平均視聴者数を最大が1になるように正規化して、各広告IDの視聴度を算出する(S108)。図10(b)は、広告ID毎に集計された平均視聴者数に基づく視聴度の例を示している。本例では、広告「A002」の視聴者数が最も多かったものとしており、広告「A002」の視聴度が1となっている。
【0054】
そして、通信部330からコンピュータネットワーク40を介して広告配信計画装置20に広告ID毎の視聴度を送信して(S109)、視聴度作成処理を終了する。
【0055】
広告ID毎の視聴度を受信した広告配信計画装置20の視聴度情報受信部240は、事業者情報テーブル250を参照して、送信元の広告表示・視聴評価システム30の事業者IDを特定し、特定された事業者IDを付して視聴度情報テーブル280(図6参照)に記録する。なお、視聴度の算出は、広告配信計画装置20側で行なうようにしてもよい。この場合、広告表示・視聴評価システム30は、視聴情報集計部350が処理(S107)で視聴者数の平均を計算する毎に、計算した視聴者数の平均に再生広告IDを付して広告配信計画装置20に送信すればよい。さらに、広告表示・視聴評価システム30は、広告配信計画装置20における視聴情報集計部350、視聴度算出部360、および視聴情報格納部370に相当する構成を備えるようにし、所定の集計タイミングになると、図9のフローチャートにおける処理(S106)から処理(S108)に相当する処理を行なうようにすればよい。
<広告配信計画装置の配信計画作成動作>
【0056】
次に、広告配信計画装置20における配信計画作成動作について図11のフローチャートを参照して説明する。配信計画作成動作は、各事業者の広告表示・視聴評価システム30から送信される視聴度情報が揃ったタイミングで行なうようにする。すなわち、広告表示・視聴評価システム30の集計タイミングに応じて配信計画を示す配信情報テーブル270が更新されることになる。
【0057】
配信計画作成動作では、まず、配信計画部210の事業者関連度算出部211が、各事業者についての広告主毎の平均視聴度を算出し(S201〜S204)、その後、事業者関連度算出部211が、事業者同士の関連度を算出する(S205〜S207)。最後に、配信計画部210の広告割当部212が、事業者毎に配信割当比を算出し(S208〜S211)、配信割当比に基づいて実際の広告割当てを行なって配信情報テーブル270を更新する(S212)。
【0058】
各事業者についての広告主毎の平均視聴度を算出する処理(S201〜S204)では、まず、処理対象とする広告再生事業者を設定する(S201)。そして、視聴度情報テーブル280(図6参照)から処理対象事業者の視聴度情報を取得し(S202)、広告情報テーブル260(図4参照)を参照して、処理対象事業者の広告主毎の平均視聴度を算出する(S203)。
【0059】
例えば、視聴度情報テーブル280に、処理対象である事業者Aにおいて再生した広告a〜広告zそれぞれの視聴度が記録されている場合に、広告情報テーブル260を参照して、広告a〜zそれぞれの広告主事業者を特定する。そして、特定された広告主事業者毎に、視聴度の平均値を算出して平均視聴度とする。例えば、広告a〜広告dの広告主が事業者Dであれば、広告a〜広告dの視聴度の平均値を、広告主事業者Dの平均視聴度とする。
【0060】
以上の処理を、対象事業者を変更しながら繰り返し、すべての事業者について行なう(S204、S201)。この結果、算出される各事業者についての広告主毎の平均視聴度は、視聴指標値である視聴度の評価値として機能する。
【0061】
図12は、広告再生事業者毎の広告主事業者別の平均視聴度を示した図である。本例では、事業者「B001」が設置するデジタルサイネージ310において、事業者「B002」の広告の平均視聴度が0.92であり、事業者「B003」の広告の平均視聴度が0.46であり、事業者「B004」の広告の平均視聴度が0.85であり、事業者「B005」の広告の平均視聴度が0.29となっており、事業者「B001」のデジタルサイネージ310を視聴する人は、事業者「B002」の広告に興味を持っていることがわかる。
【0062】
事業者同士の関連度を算出する処理(S205〜S207)では、まず、処理対象とする2つの事業者の組合わせを設定する(S205)。
【0063】
次いで、処理対象事業者組合わせの2つの事業者の関連度を算出する(S206)。ここで、事業者Aと事業者Bとの関連度は、広告再生事業者Aにおける広告主事業者Bの平均視聴度と、広告再生事業者Bにおける広告主事業者Aの平均視聴度との平均値とする。
【0064】
この結果、事業者Aと事業者Bとの関連度が高いということは、事業者Aのデジタルサイネージ310で再生する事業者Bの広告の視聴者数が多く、かつ、事業者Bのデジタルサイネージ310で再生する事業者Aの広告の視聴者数が多いことを示すことになる。このことから、関連度の高い事業者Aと事業者Bとでは、客層や周辺環境が似通っていたり、顧客の興味の対象が共通すると考えられる。
【0065】
以上の処理を、対象事業者組合わせを変更しながら繰り返し、すべての事業者の組合わせについて行なう(S207、S205)。事業者Aと事業者Bとの関連度と、事業者Bと事業者Aとの関連度とは同じ値となるため、一方について算出すればよい。図13(a)は、事業者同士の関連度を示した図である。例えば、事業者「B001」について、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」との関連度は、それぞれ0.81、0.48、0.66であることが示されており、事業者「B001」にとって事業者「B002」との関連度が相対的に高いことがわかる。また、事業者「B002」について、事業者「B001」との関連度が括弧付きで「(0.81)」となっているのは、事業者「B001」についての事業者「B002」との関連度0.81と同じ値であり、算出する必要がないことを示している。
【0066】
事業者同士の関連度を算出する処理(S205〜S207)が終了すると、広告主事業者毎に配信割当比の算出を行なう(S208〜S211)。まず、処理対象とする広告再生事業者を設定する(S208)。そして、事業者情報テーブル250を参照して、処理対象となった事業者の「提供対象地域」を取得し、配信先となる事業者をすべて抽出する(S209)。例えば、事業者AがP地区を提供対象地域として設定している場合は、P地区にデジタルサイネージ310を設定している事業者が配信先の事業者となる。
【0067】
次いで、処理対象となった広告主事業者の広告に関する配信先事業者それぞれの配信割当比を算出する(S210)。これは、広告効果を高めるために、配信先事業者毎に、関連度に応じた割合で広告配信比率を設定する処理であり、関連度が高い事業者ほど、配信する広告の回数、量が大きくなるようにする。以上の処理を、対象事業者を変更しながら繰り返し、すべての事業者について行なう(S211、S208)。
【0068】
図13(b)は、関連度に応じた配信割当比を示した図である。例えば、上述のように事業者「B001」について、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」との関連度が0.81、0.48、0.66の場合、全体を100%としたそれぞれの関連度の比率、すなわち配信割当比は、図に示すように42%、25%、34%となる。
【0069】
このため、事業者「B001」が広告主となる広告は、事業者「B002」、事業者「B003」、事業者「B004」に対して、それぞれ42%、25%、34%の割合で割り当てればよいことになる。
【0070】
例えば、事業者「B001」が広告回数100回分の広告料金を支払っている場合は、事業者「B002」に42回配信し、事業者「B003」に25回配信し、事業者「B004」に34回配信することで、高い広告効果を得ることができるものと考えられる。また、事業者「B001」が広告時間100分分の広告料金を支払っている場合は、事業者「B002」に42分配信し、事業者「B003」に25分配信し、事業者「B004」に34分配信することで、高い広告効果を得ることができるものと考えられる。
【0071】
また、事業者「B004」について事業者「B003」との配信割当比が空欄になっているのは、事業者「B003」が事業者「B004」の広告の配信先ではないことを示している。この場合、事業者「B004」について、広告の配信先である事業者「B001」および事業者「B002」との配信割当比が、全体が100%となるように、それぞれ47%、53%となる。
【0072】
実際の配信割当比の算出は、算出結果が関連度に従っておれば足り、具体的な算出方法は任意で、上述のように、全体を100%とした関連度の比率を配信割当比とするのでなくともよい。例えば、関連度が高い事業者の配信割当比を特に大きくしたり、関連度が低い事業者の配信割当比を0%、すなわちまったく割当てないようにしてもよい。
【0073】
最後に、広告割当部212が、算出された配信割当比、事業者情報テーブル250の「広告再生時間帯」、広告情報テーブル260を参照して、広告主事業者毎に実際の広告割当てを行ない、配信情報テーブル270を更新する(S212)。
【0074】
実際の広告割当ては、割当て結果が配信割当比にしたがっておれば足り、具体的な割当て方法は任意で、従来の技術を用いることができる。例えば、処理対象事業者を設定し、配信先の事業者の空いている「広告再生時間帯」に再生回数分の広告を順次埋めていく作業を繰り返すことで実際の広告割当てを行なうことができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の相互広告提供システム10によれば、広告主の事業者にとって関連度の高い事業者に多くの広告が配信されるため、効果的に広告が配信されることになる。
【0076】
以上の実施形態に示すように、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、前記広告表示システムは、前記広告配信計画装置から配信され、広告識別子で識別される広告を表示する電子看板と、前記電子看板に表示された広告それぞれについて視聴者数の多さを示す視聴指標値を算出し、視聴指標値を広告識別子と対応付けて前記広告配信計画装置に送信する視聴指標値算出部と、を備え、前記広告配信計画装置は、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、前記広告表示システムと事業者識別子とを対応付けた事業者情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、前記事業者情報テーブルを参照して視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備えた相互広告提供システムとすることができる。
【0077】
ここで、前記視聴指標値算出部が算出する視聴指標値は、前記電子看板に表示された広告それぞれについて、所定期間における平均視聴者数を正規化した値とすることができる。
【0078】
また、本発明は、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部とを備えた広告配信計画装置とすることができる。
【0079】
ここで、前記事業者関連度算出部が算出する事業者識別子毎の広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値は、視聴指標値の平均値とすることができる。
【0080】
また、前記事業者関連度算出部が算出する事業者識別子同士の関連度は、広告主の第1事業者識別子の第2事業者識別子についての評価値と、広告主の第2事業者識別子の第1事業者識別子についての評価値との平均値とすることができる。
【0081】
また、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信するステップと、各広告表示システムから視聴指標値を受信し、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定するステップと、事業者識別子毎に、広告識別子と広告主の事業者識別子とが対応付けられた広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出するステップと、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出するステップと、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップとを有する広告配信計画方法とすることができる。
【0082】
また、例えば、コンピュータネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴者数の多さを示し、広告識別子に対応付けられた視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、広告識別子と広告主の事業者識別子とを対応付けた広告情報テーブルと、各広告表示システムから視聴指標値を受信すると、視聴指標値の送信に係る事業者識別子を特定した後、事業者識別子毎に、前記広告情報テーブルを参照して視聴指標値に対応付けられた広告識別子から広告主の事業者識別子を特定し、広告主の事業者識別子別の視聴指標値の評価値を算出し、さらに、事業者識別子相互の評価値に基づいて、事業者識別子同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、広告主の事業者識別子毎に、算出された関連度の大きさに応じて広告の配信対象となる各広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させるコンピュータプログラムとすることができる。
【符号の説明】
【0083】
10…相互広告提供システム
20…広告配信計画装置
30…広告表示・視聴評価システム
210…配信計画部
211…事業者関連度算出部
212…広告割当部
220…広告配信部
230…通信部
240…視聴度情報受信部
250…事業者情報テーブル
260…広告情報テーブル
270…配信情報テーブル
280…視聴度情報テーブル
310…デジタルサイネージ
320…視聴検出部
330…通信部
340…再生処理部
350…視聴情報集計部
360…視聴度算出部
370…視聴情報格納テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、
前記広告表示システムは、
前記広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、
前記電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、前記広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、
前記広告配信計画装置は、
受信した前記視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする相互広告提供システム。
【請求項2】
前記視聴指標値は、
前記電子看板に表示された広告それぞれについての視聴者数を検出し、所定期間における最大視聴者数で正規化した値であることを特徴とする請求項1に記載の相互広告提供システム。
【請求項3】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする広告配信計画装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の平均値である評価値を算出し、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする広告配信計画装置。
【請求項5】
前記事業者関連度算出部が算出する事業者同士の関連度は、第1事業者における第2事業者についての評価値と、第2事業者における第1事業者についての評価値との平均値であることを特徴とする請求項3または4に記載の広告配信計画装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信するステップと、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信し、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定するステップと、
前記事業者毎に視聴指標値の評価値を算出するステップと、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出するステップと、
前記関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップと、を有することを特徴とする広告配信計画方法。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、さらに前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して接続された広告配信計画装置と、複数台の広告表示システムとを備えた相互広告提供システムであって、
前記広告表示システムは、
前記広告配信計画装置から配信された広告を表示する電子看板と、
前記電子看板に表示された広告毎に視聴指標値を算出し、前記広告配信計画装置に配信する視聴指標値算出部とを備え、
前記広告配信計画装置は、
受信した前記視聴指標値に基づき、広告表示システム毎に、前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする相互広告提供システム。
【請求項2】
前記視聴指標値は、
前記電子看板に表示された広告それぞれについての視聴者数を検出し、所定期間における最大視聴者数で正規化した値であることを特徴とする請求項1に記載の相互広告提供システム。
【請求項3】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする広告配信計画装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の平均値である評価値を算出し、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当を設定する広告割当部と、を備えたことを特徴とする広告配信計画装置。
【請求項5】
前記事業者関連度算出部が算出する事業者同士の関連度は、第1事業者における第2事業者についての評価値と、第2事業者における第1事業者についての評価値との平均値であることを特徴とする請求項3または4に記載の広告配信計画装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信するステップと、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信し、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定するステップと、
前記事業者毎に視聴指標値の評価値を算出するステップと、
前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出するステップと、
前記関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定するステップと、を有することを特徴とする広告配信計画方法。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された複数台の広告表示システムから、表示した広告の視聴指標値を受信する視聴度情報受信部と、
各広告表示システムから前記視聴指標値を受信すると、前記広告表示システム毎に前記広告に対応した広告主の事業者を特定し、前記事業者毎の視聴指標値の評価値を算出し、さらに前記評価値に基づいて、事業者同士の関連度を算出する事業者関連度算出部と、
前記事業者算出部によって算出された関連度の大きさに応じて、前記広告表示システムに配信する広告の割当度を設定する広告割当部として、情報処理装置を機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−80270(P2013−80270A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218411(P2011−218411)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
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