説明

相互相関データから位置情報を計算し、表示する方法及びシステム

【課題】相互相関データから位置情報を計算して表示する方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】複数のレシーバ(102,104)の中から2以上のレシーバを選択し、各レシーバから信号データを得る。選択されたレシーバにおけるレシーバ対のそれぞれについて、信号データの相互相関を求める。各相互相関の結果を組み合わせ、グラフィックインジケータ関数にマッピングする。グラフィックインジケータ関数は、各相互相関計算の結果を使用して、位置情報の視覚表現(300)を生成する。そして、視覚表現(300)をユーザに対して表示する。視覚表現(300)と共に、又はコマンドに応答して、更なる位置情報を表示する場合もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は相互相関データから位置情報を計算し、表示する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
相互相関関数は、雑音から信号を抽出したり、共通要素を有する2つの異なる信号間の相対タイミングを決める手段として、広く受け入れられている。地理的位置探索アプリケーションは、少なくとも2つの異なる空間的位置から、信号を表わす一連のサンプルを取得することができる。そして、それらのサンプル間の相関を求めることにより、各位置において観測される一対の信号間における到着時間差(TDOA)が判定される。相互相関関数によってピーク振幅が生成される時間オフセットの判定のように、相互相関からTDOAを抽出する方法は多数存在する。マルチパス条件に起因する歪みが存在する場合に、補正データを使用してTDOA推定値を改善する、更に進んだ他の技術も開発されている。これらの技術の目的はすべて、2つの信号間の時間シフト、すなわちTDOAを表わす単一の数値を生成することにある。そして、得られた数値を他のレシーバ対から得られるTDOAと組み合わせれば、レシーバに対する信号源の位置を推定することができる。推定されたTDOAを使用して位置を推定する技術は多数存在する。
【0003】
TDOA推定を改良した技術や、その後TDOA結果から位置を求める方法は、マルチパス条件下、すなわち、2以上の信号が存在する場合、不正確な推定値や誤った推定値を生成する可能性がある。また、多くの場合、信号は良好な振る舞いをしない。つまり、信号の発信源が分からないため、干渉を引き起こす可能性がある。例えば、RF信号の場合、未知の携帯電話網では、信号発信器によって干渉が起きる場合がある。未知の信号の中には、軍事的脅威や犯罪活動を表わすものもある。信号や信号の存在している環境がよく分からな上に、複数の信号が同時に存在していることもあるため、そうした信号を頻繁に観測することは不可能かもしれない。複数の信号が存在する場合、相互相関プロットには、複数の相互相関ピークが発生する可能性があり、それらのピークをマルチパス条件下で簡単に区別することはできない。
【0004】
本発明によれば、相互相関データから位置情報を計算して表示する方法及びシステムが得られる。複数のレシーバの中から2以上のレシーバを選択し、各レシーバから信号データを得る。選択されたレシーバにおける各レシーバ対について、信号データの相互相関を計算する。そして得られた各相互相関を結合し、それをグラフィックインジケータ関数にマッピングする。グラフィックインジケータ関数は、計算された各相互相関を使用して、位置情報の視覚表現を生成する。次に、その視覚表現をユーザに対して表示する。また、その視覚表現と共に更なる位置情報を表示したり、コマンドに応じて更なる位置情報を表示してもよい。
【0005】
下記の説明は、当業者が本発明の実施形態を利用して本発明を実施できるようにする目的で提供するものであり、特許出願及びその要件の形で提供される。開示する実施形態に対して種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであり、本明細書に記載する汎用的原理は他の実施形態にも適用することができる。従って、出願人は本発明を開示した実施形態に限定するつもりはなく、本発明の範囲は特許請求の範囲並びに本明細書に記載する原理及び特徴に合致する最も広い範囲として規定される。
【0006】
図面の特に図1を参照すると、図1は、本発明の一実施形態によるレシーバシステムを示すブロック図である。レシーバシステム100は、レシーバ102及び104、並びに接続線110により表示装置108に接続された計算装置106を含む。本発明の一実施形態において、接続線110は無線接続として実施される。本発明の他の実施形態では、接続線110は、有線接続や、有線接続と無線接続の組み合わせなど、用途にあわせた任意の形態で実施される。ただし、それらの形態に限定はしない。
【0007】
本発明の一実施形態において、レシーバ102及び104は、建物、近隣地域、又は、市のような、同じ地理的領域内に配置される。本発明の他の実施形態において、レシーバ102及び104は長い距離によって隔てられている場合もあり、例えば、複数の市や州にまたがって配置される場合もある。また、レシーバ102及び104は様々な標高に配置することができ、室内に配置されるレシーバもあれば、室外に配置されるレシーバもあり、自由空間、空気及び水などを含む様々な媒体内に配置される場合がある。
【0008】
本発明の一実施形態において、計算装置106はコンピュータとして実施される。本発明の他の実施形態において、計算装置106は、システム100内の他のレシーバにおいて実施される場合もあれば、システム100内の2以上のレシーバにおいて実施される場合もある。また、本発明の種々の実施形態は、レシーバを2つしか有していないレシーバシステムに限らない。本発明の他の実施形態では、任意数のレシーバを使用する場合がある。
【0009】
レシーバ102及び104は信号データをサンプリングするものであり、本発明の一実施形態においてそれらはRFレシーバとして実施される。例えば、レシーバ102及び104は、ネットワークに接続された2つのスペクトルアナライザとして実施される場合がある。本発明の他の実施形態において、レシーバ102及び104は、音響受信機や光受信機(受光器)として実施される場合がある。例えば、レシーバ102及び104は、計算装置におけるデジタイジングサウンドカード(音声数値化カード)に接続された2つのマイクロフォンとして実施される場合がある。本発明の一実施形態において、レシーバ102とレシーバ104は共通の時刻に同期している。同期は様々なの手段で実現することができ、例えば、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)を使用したり、計算装置106とレシーバ102及び104との間で時刻情報をやりとりすることにより実現することができる。ただし、それらの手段に限定はしない。
【0010】
レシーバ102及び104は、ある地理的領域内にある複数の位置において同時に観測された信号を受信する。この信号は、地面、空気又は水といった、信号を伝達することが可能な何らかの媒体を通じて伝送される場合がある。レシーバ102及び104は、サンプリングされたデータを計算装置106へ送信し、計算装置106はそのサンプリングされたデータを使用して相互相関を計算する。そして、表示装置108を使用して、相互相関の結果が表示される。
【0011】
図2A〜図2Bは、本発明の一実施形態における、レシーバネットワークから受信した相互相関データを表示する方法を示すフロー図である。ブロック200に示すように、まず、全てのレシーバが、同じ時間間隔を有する信号データを取得する。レシーバ同士が時間的に同期しているため、レシーバは所与の時間に関連する同じ信号データを取得することになる。次に、ブロック202に示すように、各レシーバはそのデータを処理し、それを中央処理装置に送信する。例えばRF信号を受信した場合、レシーバは、その信号データをダウンコンバートし、デジタル化することにより、信号帯域幅とサンプリングレートを減少させ、そのデジタル信号データをメモリに記憶する。
【0012】
本発明の種々の実施形態では、ブロック202において更なるデータ、すなわち別のデータを使用する場合がある。相互相関に使用される信号データは、相互相関を計算する前に、あるいは、相互相関の計算の一部として、他の処理を受ける場合がある。例えば、データは、レシーバにおける周波数やタイミングの誤差が補償されたり、発信器とレシーバとの間の相対移動によって生じるドップラー効果の影響が補償されたりする場合がある。
【0013】
次に、ブロック204において、計算に使用する2以上のレシーバ及び対応する信号データを選択する。例えばユーザは、マウスやスタイラスのようなポインティングデバイスを用いてレシーバ(複数の場合もあり)を反転表示させ、チェックボックスやプルダウンメニューを有するユーザインタフェースを使用して、あるいは、レシーバの座標を入力することにより、レシーバを選択する。次に、ブロック260に示すように、中央処理装置は、全ての可能なレシーバ対について相互相関を計算する。例えば、3つのレシーバからなるネットワークからは3つのレシーバ対が生成され、4つのレシーバからなるネットワークからは6つのレシーバ対が生成される。本発明の一実施形態では、計算された相互相関データに信号を追加したり、相互相関を計算する前に、各レシーバから受信した信号データに信号を追加する場合がある。信号の追加により、位置情報の画像の視覚的作用を向上させることができる。
【0014】
本発明の一実施形態では、例えば、各RFレシーバから受信したRFデータに広帯域雑音を追加することにより、画像をランダム化する場合がある。信号の追加により、狭帯域ランダム雑音と興味のある信号との間の分離を改善することができる。また、広帯域雑音を使用すると、興味のある信号がレシーバに実際に存在しないときの、位置データの画像の誤った解釈を防止できる場合もある。
【0015】
次に、ブロック208において、1以上のレシーバから得られた相互相関データを無視すべきか否かを判定する。例えば、3つのレシーバにより3つのレシーバ対が生成される場合、本発明の一実施形態では、ユーザは、3つのレシーバ対のうちの2つを使用することを指定することができる。あるいは、本発明の他の実施形態において、ユーザは、或るレシーバに関連する全てのレシーバ対を除外する場合がある。
【0016】
レシーバ対を除外する場合、方法はブロック210へ進み、そこで1以上のレシーバ対を除外する。レシーバ対を除外するために、ユーザは例えば、特定のレシーバを除外すべきものとして選択する。本発明の他の実施形態では、ユーザは、相互相関データを見た後で、1以上の特定の相関を除外する場合がある。
【0017】
次に方法はブロック212へ進み、そこでユーザは、位置情報を計算したい領域のマップを選択、すなわち入力する。ユーザは例えば、データベースからマップをダウンロードすることにより、すなわち、読み込むことにより、マップを選択、すなわち入力することができる。
【0018】
ブロック214において、中央処理装置は、選択されたレシーバ対のそれぞれについて、推定TDOAデータを計算する。次に、本発明の一実施形態では、各レシーバ対について、TDOAによって指定された時間オフセットにおける相互相関の結果(例えば振幅)を計算し、結合する(ブロック216)。結合関数を使用してそれらの相関結果を結合し、インジケータレベルを生成する。本発明の一実施形態において、このインジケータレベルは数値である。
【0019】
本発明の一実施形態において、この結合関数には代数関数が使用される。この関数は例えば、相関結果(例えば振幅)同士を乗算又は加算することによりインジケータレベルを得るような数式であってもよい。本発明の他の実施形態において、この関数は、閾値の設定やクリッピングのような、プログラム的又は追加的な非線形要素を有する場合がある。
【0020】
次に、ブロック218に示すように、インジケータレベルをグラフィックインジケータ関数にマッピングする。本発明の一実施形態において、インジケータレベルは、振幅を表わす1以上の色に変換される。色の明るさは、振幅値の範囲に応じて変更される。本発明の他の実施形態では、インジケータレベルから等高線を更に生成する。位置計算が2次元である場合、2次元プロット技術及び3次元プロット技術において、地形高度のプロットに使用されるような緯度と経度を使用する場合がある。本発明の他の実施形態では、視認性を向上させるためのシャドーイング(陰影付け)のような、更に進んだプロット技術を使用する場合もある。また、3次元画像を表示する実施形態では、結果を半透明のボリュームとして表示したり、2次元スライスの集合として表示したりする場合もある。
【0021】
次に、ブロック220において、結合関数を変更するか否かを判定する。変更する場合、方法はブロック222へ進み、そこで結合関数を変更し、相関結果を新たな結合関数に結合する。本発明の一実施形態では、結合関数を変更することにより、画像品質を向上させる場合がある。例えば本発明の一実施形態では、3センサシステムにおいて、3つの振幅を互いに乗算し、1/3乗する場合がある。
【0022】
次に、ブロック224において、グラフィックインジケータ関数を変更すべきか否かを判定する。変更する場合、グラフィックインジケータ関数を変更し、結果を新たな関数に従ってマッピングする(ブロック226)。本発明の一実施形態において、インジケータレベルの色へのマッピングは、第1の表示可能色の集合(例えば16色)から第2の表示可能色(例えば64色)への量子化である。本発明の他の実施形態では、周波数に基づいて色を順序付けたり、逆の順序や、無作為に色を順序を付けたりする場合もある。
【0023】
次に、ブロック228において、結合関数又はグラフィックインジケータ関数を再度変更すべきか否かを判定する。変更する場合、方法はブロック220へ戻る。結合関数もグラフィックインジケータ関数も変更しない場合、プロセスはブロック230へ進み、そこでマッピングした結果を信号発信器の推定位置を示すインジケータと共にマップ上に表示する。
【0024】
また、ブロック232に示すように、レシーバ及び信号発信器に関連する更なる情報を同時に、もしくはコマンドに応じて表示してもよい。例えば、本発明の一実施形態では、信号発信器の位置の座標を表示する場合がある。本発明の他の実施形態では、レシーバ位置を信号発信器の位置と共に表示する場合がある。図5〜図9は、ユーザに対して表示することが可能な他の種類の情報を示している。
【0025】
本発明の種々の実施形態が、図2A〜図2Bに示したブロックに限定されることはなく、その順序に限定されることもない。本発明の他の実施形態では、ブロックを追加したり、移動させたり、除去したりする場合がある。例えば、本発明の他の実施形態では、ブロック220、222、224、226及び228を省略する場合がある。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態による位置情報の第1の画像を示す概略図である。画像300は、建物の一部の見取り図を示している。本発明の他の実施形態は、この表示に限定されることはない。画像は任意の領域に表示することができる。例えば、近所、1以上の建物、及び、街の画像をユーザに対して表示する場合がある。
【0027】
本発明の一実施形態では、信号発信器の推定位置を「X」302で表示し、領域304、306、308及び310は様々な振幅の領域をグラフィカルに表示している。本発明の一実施形態において、「X」302の位置は結合関数の出力であるデータから判定され、あるいは、もっと伝統的なTDOA計算を使用して相関データから判定される。本発明の一実施形態において、領域304、306、308及び310はそれぞれ、赤色、緑色、黄色及び青色といった異なる色にマッピングされる。また、各色の明るさは振幅に応じて変化し、振幅は位置302からの距離が増大するほど減少する。
【0028】
本発明の一実施形態では、領域を取り囲む各ラインに対してライン属性を使用することにより、信号の特性及び精度に関連する更なる情報を表示する場合がある。幅、色及びスタイルといった属性を変化させることにより、相互相関レベル、(ピークの)相互相関幅、又は、精度に影響を与えるその他のパラメータを表示することができる。例えば、図3に示されている様々なラインスタイルは、異なる相互相関レベルを表している。
【0029】
本発明の他の実施形態では、領域304に2つの対照的な色を割り当て、領域306、308及び310に振幅の値の範囲を表わす1つの色を割り当てる場合がある。例えば、領域304は、最も強い値、すなわち最も高い値の範囲に黒色を使用し、残りの値に赤色を使用する場合がある。領域304内の2つの対照的な色の領域は、点線312で描かれている。
【0030】
また、本発明の更に他の実施形態では、領域304、306、308及び310は、地形図に使用されるものと似たような等高線を有する場合がある。例えば、領域302には、互いに短い間隔を有する多数のラインが描かれる場合があり、ライン間の距離は振幅に関連する。振幅が大きくなるほど、互いに接近したラインが描かれる。領域304、306、308及び310には、互いにあまり近接していないラインが表示されており、領域302からの距離が長くなるのに従って振幅は減少することを示している。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態における位置情報の第2の画像を示す概略図である。位置402、404、406及び408に配置された4つのレシーバについて、画像400が生成されている。画像400には、信号発信器の推定位置から測定された到着データの最も起こりうる時間差、すなわち差を表わす双曲線410がプロットされている。本発明の一実施形態において、この時間差は、例えば相関ピークの時間オフセットを指定することにより、自動的に計算することができる。本発明の他の実施形態では、ユーザが例えばスタイラスやマウスを使用して1以上の相関波形上の特定の点を選択し、時間オフセットを指定することにより、この時間差を入力する場合がある。
【0032】
双曲線間の間隔は、例えば600ナノ秒といった、所与の時間差を表している。各双曲線の幅、色及びスタイルなどの1以上の属性を変化させることにより、更なる情報を表示することもできる。本発明の一実施形態において、1以上のライン属性は、例えば相互相関レベル、(ピークの)相互相関幅、又は、精度に影響を与えるその他のパラメータを示す場合がある。
【0033】
図4は、ユーザに対して表示することが可能な更なる情報を示している。レシーバの位置402、404、406及び408、並びに双曲線410が、信号発信器の推定位置412と共に表示されている。本発明の他の実施形態において、画像400は、更に図3の画像と結合される場合がある。すなわち、領域304、306、308及び310が図4に表示される場合がある。本発明の他の実施形態において、マップや見取り図は、領域304、306、308及び310、レシーバの位置402、404、406及び408、双曲線410、並びに信号発信器の推定位置412と一緒には表示されない場合がある。
【0034】
本発明の他の実施形態では、他の位置情報をユーザに対して表示する場合がある。例えば、計算位置の座標や、計算位置を表わすアイコンを表示し、時刻、スペクトル、及び相互相関波形を表示し、経線と緯線からなるグリッドを画像に重ね合わせ、画像、すなわちマップ上を移動するカーソルの位置をユーザに対して表示する場合がある。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態による、図3に示す画像を生成する方法を示す概略図である。本発明の一実施形態において、グリッド500内の各正方形は、表示画面上の画素に対応する計算位置を表している。本発明の他の実施形態において、これらの計算位置は任意の配置に従って配置することができ、矩形グリッドに限定されることはない。
【0036】
レシーバは、グリッド500内の位置502、504、506及び508に配置される。位置510は、位置502、504、506及び508に配置されたレシーバから既知のの距離にある。この情報を、媒体中の信号の既知の伝搬速度と組み合わせて使用すると、各レシーバ対について推定TDOAを計算することができる。対応する各相互相関について、TDOAは、図6の点600の水平位置に直接関連する。点600における相関の値を組み合わせ、グラフィックインジケータ関数にマッピングし(例えば色を割り当て)、それを510に表示する。グリッド内の全ての位置についてこの処理を繰り返す。
【0037】
図7は、本発明の一実施形態における位置情報の第3の画像を示している。図7には、図5と同様のグリッド500が描かれ、グリッドを使用して、幾つかの追加情報が表示されている。追加情報は、図2Bのブロック230において表示することができる。本発明のい一実施形態において、位置700の選択は、例えば位置700の上にカーソルを置き、マウスボタンを押すことにより行われる。本発明の他の実施形態では、位置700の座標をデータベースから読み出したり、サーバからダウンロードしたりする場合があり、あるいは、ユーザが位置700の座標をユーザインタフェースに入力する場合もある。ユーザに対して表示される追加情報には、相互相関波形や、各レシーバのスペクトルがある。
【0038】
図8は、図5に示したレシーバ対に対応する相互相関波形を示している。各波形に示されている点800は、図7の点700における各レシーバ対についての計算上のTDOAを示している。
【0039】
図9は、図5に示したレシーバのスペクトルデータを示している。各レシーバ502、504、506及び508のスペクトルが、グラフに描かれている。
【0040】
図4〜図6及び図8は建物の一部の見取り図を描いたものであったが、本発明の他の実施形態では、他の情報を表示する場合もある。他の情報には例えば、通り、近所、郡及び州の地理的領域がある。ただし、それらに限定はしない。また、位置情報の画像が2次元画像に限定されることもない。本発明の種々の実施形態では、位置情報の3次元画像を表示する場合もある。本発明の一実施形態において、3次元画像には、建物や堆積が描かれる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態によるレシーバシステムを示す概略図である。
【図2A】本発明の一実施形態による、レシーバのネットワークから得られた相互相関データを表示する方法を示すフロー図である。
【図2B】本発明の一実施形態による、レシーバのネットワークから得られた相互相関データを表示する方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態による位置情報の第1の画像を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による位置情報の第2の画像を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による、図3に示した画像を生成する方法を示す図である。
【図6】図5に示したレシーバ対に対応するTDOA値の相関データを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による位置情報の第4の画像を示す概略図である。
【図8】図5に示したレシーバ対に対応する相互相関波形を示す図である。
【図9】図5に示したレシーバのスペクトルデータを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の計算位置に関する相互相関データから位置情報を表示する方法であって、
2以上のレシーバから信号データを取得するステップと、
可能な各レシーバ対について、レシーバ対の各レシーバから受信した前記信号データ間の相互相関データを計算するステップと、
選択された各レシーバ対について、到着(TDOA)値の推定時間差を計算するステップと、
選択された各レシーバ対について、TDOA値によって指定された時間オフセットにおける相互相関データを結合するステップと、
結合された相互相関データをグラフィックインジケータ関数にマッピングするステップと
からなる方法。
【請求項2】
前記グラフィックインジケータ関数の結果を画像(300)として表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像(300)上の位置を選択するステップと、
1以上のレシーバに関連する更なる情報を表示するステップと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像(300)上の位置を選択するステップと、
各相互相関を相関波形として表示し、前記位置における相互相関データを各波形上に表示するステップと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
1以上のレシーバ対を選択し、到着(TDOA)値の推定時間差の計算から除外するステップを更に含む、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記TDOA値によって指定された時間オフセットにおける相互相関データを結合する方法を変更するステップを更に含む、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
結合された相関データをグラフィックインジケータ関数にマッピングする方法を変更するステップを更に含む、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項8】
信号発信器に関連する更なる情報を表示するステップを更に含む、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
相互相関データから位置情報を表示するシステムであって、
中央処理装置(106)と、
前記中央処理装置(106)に接続された複数のレシーバ(102,104)と、
前記中央処理装置(106)に接続され、位置情報の1以上の画像(300)を表示するように構成された表示装置(108)と
からなり、前記中央処理装置(106)は、前記複数のレシーバ(102,104)のうちの1以上のレシーバ対について相互相関を計算し、該相互相関の結果を処理することにより、位置情報の1以上の画像(300)を得るように構成されるシステム。
【請求項10】
前記中央処理装置(106)は、前記複数のレシーバ(102,104)の中にコンピュータ又は少なくとも1つのレシーバを含む、請求項9に記載のシステム。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−308588(P2006−308588A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118782(P2006−118782)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】395 Page Mill Road Palo Alto,California U.S.A.
【Fターム(参考)】