説明

相変化型記録素子を有するプリペイドカード

【目的】 高密度記録が可能で、書き替え可能回数の長い相変化型記録素子を有するプリペイドカードを得る。
【構成】 相変化型光学的書換え可能な化合物を記録媒体とする記録素子において、記録部がその記録部と異なる高さを有する堰により区画されて存在していることを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、光学的に書換え可能な化合物を記録媒体とする記録素子を有するプリペイドカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学的に書換え可能な記録素子は、金属あるいは無機化合物の相変化型、光磁気型が実用化されており、また、有機化合物を用いた記録素子も、成形のし易さやコスト面から研究が盛んに行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
これらの内、相変化型はオーバーライトが容易である等の特徴があり、性能向上のための研究が進められている。それらの要求性能の中でも、相変化型は書換え可能な回数が光磁気型に比してかなり低いことが大きな問題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、相変化型光学的書換え可能な化合物を記録媒体とする記録素子において、記録部がその記録部と異なる高さを有する堰により区画されて存在していることを特徴とする。
【0005】
【作用】
高密度記録が可能で、書き替え可能回数の長い相変化型記録素子を得ることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本考案に係るプリペイドカードの要部断面図である。本考案の記録素子は、縞状の堰3、4が表面に格子状に現れている。この縞が2つの方向、この例では互いに直交する方向に現れている。これにより、縞の堰の間の部分が記録部10となり、周囲の堰3、4よりも高さが低くなっている。この記録部10には相変化型書換え可能な化合物2が設けられている。なお、1は記録素子の基板である。
【0007】
これらの記録用の化合物2はそのまま平面状の基板に用いると、加熱時に流動がおき、繰り返し使用している間に薄膜化してしまい、寿命が短くなるという問題点を有している。しかし、本考案によれば、記録部10がその記録部と異なる高さを有する堰3、4により区画化されているので、この加熱時の流動による薄膜化が生じにくい。このため、長寿命が得られやすくなる。
【0008】
本考案で記録部を区画するために形成される堰3、4は、高さが記録部10よりは高くなっていればよく、縞状に形成される。
【0009】
この堰3、4の高さは、記録用の化合物2の流動抑止効果から、記録用の化合物2の厚みよりも高くなるようにされることが好ましい。
【0010】
この堰3、4は、光に反応する光反応性の化合物層を用いて形成することが生産性がよい。
【0011】
本考案の相変化型記録素子では、記録部10はレーザーにより記録がされる。
この記録部10の記録用の化合物2がレーザーにより加熱された際に、流動化しても、高さの高い堰3、4が設けられているので、記録用の化合物2が流れて薄膜化する危険がほとんど無い。
【0012】
【考案の効果】
本考案の相変化型記録素子を有するプリペイドカードは、記録部が記録部と高さが異なる堰により区画されているので、記録用の化合物が融解された場合にも、周囲に流れて行きにくい。このため、記録用の化合物が流れて薄膜化して、記録できなくなるまでの寿命が長くなる。
【0013】
さらに、2方向から光を照射して光の干渉を利用して縞状に堰を形成することにより、生産よく記録素子を製造することができる。
【提出日】平成7年2月10日

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 相変化型光学的書換え可能な化合物を記録媒体とする記録素子において、記録部がその記録部と異なる高さを有する堰により区画されて存在していることを特徴とする相変化型記録素子を有するプリペイドカード。

【図1】
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