説明

相殺データの読出しチャネル記憶を有する磁気記録システムにおけるハードウェア・ベース・トラック間干渉軽減

【課題】磁気記録システムにおけるトラック間干渉軽減のための、ハードウェア・ベース方法および装置が提供される。
【解決手段】トラック間干渉(ITI)相殺データは、磁気記録システムの読出しチャネルのメモリに記憶される。メモリは、読出しチャネルの書込みデータ経路または読出しデータ経路内にありうる。トラック間干渉相殺データは、任意選択で、書込みデータ経路の少なくとも一部分を使用して、たとえば制御信号に基づいてトラック間干渉軽減回路に提供される。トラック間干渉相殺データの記憶は、第2の制御信号に応答しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組込まれる、「Hardware−Based Methods and Apparatus for Inter−Track Interference Mitigation in Magnetic Recording Systems」という名称の2011年9月30日に出願された米国特許出願番号第13/250,246号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
磁気記録(MR)システムでは、データは、通常、小さな磁気領域のシーケンスとして磁気媒体上の同心円トラック上に記録される。所与のトラックの近傍のトラック上に書込まれるデータは、所与のトラックの媒体から読出される信号に影響を及ぼすことになる。所与のトラックの読出し中に、1つまたは複数の近傍のトラックの結果として誘起される信号は、クロストークまたはトラック間干渉(inter−track interference)(ITI)と呼ばれる。所与のトラックの読出された信号において近傍のトラックによって引起されるITI雑音の軽減は、通常、近傍のトラックからのデータ・パターンに基づく相殺データによる。相殺データは、所与のトラックが磁気媒体から読出されるときに、ITI軽減回路またはプロセスに供給される。近傍のトラックは、たとえば、所与のトラックに対して論理的に左または右であるとすることができる。
【0003】
ITIは、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)において特に関心が高く、HDDにおいて、データの同心または渦巻トラックが、読出しヘッドのサイズに対して互いに非常に接近して媒体上に記録される。ディスク・ドライブの容量は、トラックをより近くに配置することによって増加する。ITIは、スケーリング技術と共に増加することが知られているが、トラック分離距離が小さくなるにつれて有意の雑音源になる。トラックがより近くに配置されるにつれて、近傍のトラックは、所与のトラックの信号が媒体から読出されるときに所与のトラックの信号に影響を及ぼす可能性が高く、総合信号対雑音比を減少させる。したがって、ITIは、磁気媒体の所与のエリアに確実に記憶されうるトラックの数を制限する。ITIは、シングルド磁気記録(Shingled Magnetic Recording)(SMR)システムにおいてさらに関心が高く、SMRシステムでは、トラックが、データを書込むときに、ある場合には、互いに接触し、他の場合には、さらに互いにオーバラップしうるように十分近くに配置される。
【0004】
磁気記録システムにおけるITIの作用を軽減するためのいくつかの技法が提案されている。既存のSMR実装形態では、たとえば、軽減プロセスは、通常、ハード・ディスク・コントローラ(HDC)のソフトウェアによって実施される。しかし、ITI軽減がイネーブルされると、HDCが、ディスクの複数のレボリューション(revolution)について2つ以上のセクタのデータを回復するのに十分に速くデータを処理できないことがわかった。しかし、ディスクの各レボリューションは、(たとえば使用される特定のディスク・ドライブ、ディスクのサイズ、およびディスク上の各トラックの半径方向位置に応じて)たとえば500以上のセクタのデータを含むことができる。
【0005】
「Hardware−Based Methods and Apparatus for Inter−Track Interference Mitigation in Magnetic Recording Systems」という名称の2011年9月30日に出願された米国特許出願番号第13/250,246号は、磁気記録システム内の読出しチャネルの書込みデータ経路を使用して、読出し動作中にITI相殺データをITI軽減回路に提供することによってITIを軽減する。ITI相殺データは、たとえば外部メモリから取得されうる。開示されるITI軽減技法は、こうした磁気記録システムにおいてITIを効果的に減少するが、読出しチャネルにITI相殺データを記憶するITI軽減技法についての必要性が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願番号第13/186,174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、磁気記録システムにおけるトラック間干渉軽減のためのハードウェア・ベース方法および装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、トラック間干渉(ITI)相殺データは、磁気記録システムの読出しチャネルのメモリに記憶される。メモリは、読出しチャネルの書込みデータ経路または読出しデータ経路内にありうる。トラック間干渉相殺データは、任意選択で、書込みデータ経路の少なくとも一部分を使用して、たとえば第1の制御信号に基づいてトラック間干渉軽減回路に提供される。トラック間干渉相殺データの記憶は、第2の制御信号に応答しうる。
【0009】
トラック間干渉相殺データは、第2の制御信号に基づいて、たとえば回復されたデータに実質的に整列する第2の制御信号に基づいて、たとえば読出しデータ経路から選択的に取得されうる。トラック間干渉相殺データは、たとえばマルチプレクサを使用して読出しデータ経路から選択的に取得されうる。マルチプレクサは、読出しデータ経路からデータを選択しうる、かつ/または、ハード・ディスク・コントローラからデータを選択しうる。読出しデータ経路からの選択データは、メモリに記憶するために書込みデータ経路に提供されうる。1つの例示的な実装態様では、読出しデータ経路からの選択データは、ユーザ・データ形式および/または媒体データ形式である。
【0010】
本発明の別の態様によれば、トラック間干渉相殺データを取得するための手段とトラック間干渉相殺データを記憶するための手段とを備える磁気記録システムの読出しチャネルが提供される。さらに、読出しチャネルは、任意選択で、制御信号に基づいてメモリにトラック間干渉相殺データを選択的に記憶するための手段をさらに備える。
【0011】
例証的な実施形態のトラック間干渉軽減技法は、先に述べた従来の技法に関連する問題の1つまたは複数を克服し、相殺データを読出しチャネル内のメモリに記憶することによって、改善されたトラック間干渉軽減を提供する。さらに、普通ならアイドル状態である既存のメモリが使用されることができ、それにより、どんな内部メモリをも付加することなく、既存の読出しチャネルにおいて本発明が実装されうる。本発明のこれらのまた他の特徴および利点は、添付図面および以下の詳細な説明からより容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】シングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体上のいくつかの例示的なトラックの一部分を示す図である。
【図2】米国特許出願番号第13/250,246号の教示による、ITI軽減を組込む磁気記録システムの所定部分の略ブロック図である。
【図3】読出しチャネル内への相殺データの記憶を使用する本発明による、ITI軽減を組込む磁気記録システムの所定部分の略ブロック図である。
【図4】読出しチャネル内への相殺データの記憶を使用する本発明による、ITI軽減を組込む磁気記録システムの所定部分の略ブロック図である。
【図5A】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【図5B】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【図6A】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【図6B】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【図7A】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【図7B】いくつかの例示的な動作モードの1つの動作モードについてのインタフェース信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、磁気記録システムにおけるトラック間干渉軽減のためのハードウェア・ベース方法および装置を提供する。ITI軽減は、媒体から読出されるデータを、付加的データ(以降で、「相殺データ(cancellation data)」と呼ぶ)と組合せて、正しいデータ回復の可能性を改善する。相殺データは、ITI軽減回路またはプロセスに供給されなければならない。本発明の一態様によれば、相殺データは、読出しチャネル内のメモリから取得される。こうして、ITI軽減は、ハード・ディスク・コントローラを変更することなく、または、相殺データを転送または記憶するためのさらなる容量を提供することをハード・ディスク・コントローラに要求することなく実施されうる。1つの例示的な実装態様では、相殺データの少なくとも一部分は、1つまたは複数の近傍のトラックの読出し動作中に収集され、(必要である場合に)符号化され記憶される書込みデータ経路に直接転送されて、中央トラックの後続の読出しを待つ。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、トラック間干渉軽減のための、開示されるハードウェア・ベース技法は、読出しチャネル内のローカル・メモリから相殺データを取得し、また、ITI計算を実施するための処理ユニットをHDC内に必要としない。本発明の別の態様によれば、後続のデジタル信号処理(DSP)のために、読出しデータ経路に提示するための相殺データを記憶し、供給し、操作し、それにより、書込み済みデータを正しく回復する機会を改善するシステムが開示される。
【0015】
読出しチャネル(RC)は、通常、所与の時刻に読出しモードまたは書込みモードのいずれかであるスレーブ・デバイスである。各モードにおいて、データは、通常、一方向に流れる。たとえば、データは、書込みモードでは、ハード・ディスク・コントローラ(HDC)から読出しチャネル(RC)、媒体に、読出しモードでは、媒体からRCへ、その後HDCへ流れる。読出しチャネルが読出しモードで読出し動作を実行しているとき、書込みデータ経路(WDP)の少なくとも一部分は、通常、アイドル状態である。
【0016】
そのため、以下でさらに論じるように、書込みデータ経路(読出し動作中に、通常、アイドル状態または休止状態である)は、ローカル・メモリから読出しデータ経路内のITI軽減回路に相殺データを送出するために使用される。そのため、書込みデータ経路は、読出しチャネル内へ相殺データを提供するために、読出し動作中に使用される。そのため、読出しデータ経路は、読出しデータを収集するために使用され、書込みデータ経路は、相殺データを記憶し、記憶された相殺データを、読出しデータ経路に供給するために使用される。
【0017】
1つの例示的な実施形態では、相殺データは、磁気媒体から読出しデータ経路によって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路に提供される。別の例示的な実施形態では、相殺データは、磁気媒体から読出しデータ経路によって取得される対応する媒体データの前または後に、ITI軽減回路に提供される。数ある利益の中でもとりわけ、書込みデータ経路は、データを符号化し、スクランブルし、バッファリングし、(その後、媒体に書込まれる)誤り訂正データを計算する機能を含み、この機能は、ITI軽減のために本発明に従ってレバレッジされうる。こうして、開示されるITI軽減システムは、書込み経路内の普通ならアイドル状態であるハードウェアおよび既存のバッファリング能力を利用して、設計労力、エリア犠牲(area expense)、および電力コストを低減した状態で、ITIをイネーブルする。
【0018】
図1は、例示的なシングルド磁気記録(SMR)システムの磁気媒体100上のいくつかの例示的なトラック110−1〜110−3の一部分を示す。トラック110−1〜110−3は、通常、(図1において左から右に示すように)数の昇順で書込まれる。本明細書で述べるいくつかの例は、所与のトラックの、それぞれ左および右に対して論理的に隣接するトラックに対する参照である、左および右のトラックなどの隣接するトラックを参照する。本明細書で述べる他の例は、所与のトラックの近傍にあるが、必ずしも所与のトラックに隣接(immediately adjacent)していないトラックに対する参照である、近傍のトラックを参照することができる。
【0019】
図1に示すように、例示的なトラック110−1、110−2、および110−3は、トラック110−1と110−2との間に第1のオーバラップ領域120−1を、トラック110−2と110−3との間に第2のオーバラップ領域120−2を持った状態で書込まれる。トラック110−2から読み出される信号は、トラック110−3が、先に書込まれたトラック110−2にオーバラップしながら書込まれるため、トラック110−3から読み出される信号によって著しく影響を受ける。トラック110−2から読み出される信号はまた、トラック110−2の左エッジが、トラック110−1の右エッジを覆って書込まれるため、トラック110−1上に先に書込まれたデータによって影響を受ける。トラック110−2用の読出し信号は、記録されたデータを読み出すための、トラック上に配置される読出しヘッドの位置およびサイズに大いに依存する。読出しヘッドが、たとえば、エッジ140などの他のトラック110−3のエッジに比べて、エッジ130などのトラック110−2の1つのエッジの近くに配置される場合、エッジ130に隣接する対応するトラック110−1は、エッジ140に隣接するトラック110−3に比べて、トラック110−2の読出し信号により多く影響を及ぼすことになる。読出しヘッドが、トラック110−2の非オーバラップ領域と同じサイズかまたはそれより大きい場合、トラック110−1および110−3は共に、トラック110−2に対してITI雑音を誘起する可能性がある。
【0020】
そのため、1つの隣接するトラックは、他の隣接するトラックに比べて有意のITI作用を有しうる。たとえば、隣接するトラック110−1および110−3の位置に対する中央トラック110−2上での読出ヘッドの位置、ならびに、中央トラック110−2の中央線に対する読出しヘッドの位置は、中央トラックに対するそれぞれの隣接するトラックによって寄与されるITIの量に影響を及ぼす場合がある。そのため、ITI軽減は、任意選択で、より有意のITI寄与を有する隣接するトラックについて最初に実施される。以下でさらに論じるように、本明細書で述べる例証的な実施形態は、ITI軽減のために使用されることができるトラックの数に関して、所与のトラックの1つのサイドまたは所与のトラックの他のサイドから1つまたは複数のトラックを使用することに関して、または、2サイデッド(two−sided)ITI軽減が実施される場合、サイド・トラックの順序に関して制約を全く課さない。開示されるITI軽減メカニズムは、成功裏のデータ回復が達成されると、ITI軽減プロセスが終了することを可能にするように、(経験的にわかっている場合)最も重要な相殺が最初に実施されることを可能にする。
【0021】
本発明は、例示的なSMRシステムの文脈で本明細書において示されるが、ITIがさらに非シングレッド・システムで起こることがやはり留意される。磁気媒体が、たとえオーバラップしないトラック110からなる(たとえば、トラック間に小さなギャップが存在する)場合でも、磁気媒体は、書込み動作中に書込みヘッドがトラックを外れる場合、まるで瓦書き(shingled)されたかのように見える場合がある(すなわち、ギャップおよび隣接するトラックの一部が、上書きされ、図1に示すSMRシステムと非常に似ているように見えることになる)。そのため、開示されるITI軽減技法は、当業者に明らかになるように、任意の磁気記録システムに適用されうる。
【0022】
図2は、参照により本明細書に組込まれる、「Hardware−Based Methods and Apparatus for Inter−Track Interference Mitigation in Magnetic Recording Systems」という名称の2011年9月30日に出願された米国特許出願番号第13/250,246号の教示による、ITI軽減を組込む磁気記録システム200の所定部分の略ブロック図である。図2は、外部メモリ220が使用される、読出し動作中のITI軽減のための磁気記録システム200の構成を示す。図2に示すように、磁気記録システム200は、ハード・ディスク・コントローラ(HDC)210および読出しチャネル(RC)250を備える。読出しチャネル250は、読出しデータ経路(RDP)260−Rおよび書込みデータ経路(WDP)260−Wを備える。先に示したように、書込みデータ経路260−Wは、所与のトラックNに隣接する、トラックN−1およびN+1などの1つまたは複数の隣接するトラックについての相殺データを、読出しデータ経路260−R内のITI軽減回路280に送出するために使用される。相殺データは、磁気媒体から読出しデータ経路260−Rによって取得される媒体データと実質的に同時にITI軽減回路280に提供される。別の例示的な実施形態では、相殺データは、磁気媒体から読出しデータ経路260−Rによって取得される対応する媒体データの前または後に、ITI軽減回路280に提供される。
【0023】
通常、RDPアナログ・ブロック290は、AC結合(ACC)減衰器;適応制御、ベースライン補償、磁気抵抗非対称(MRA)補償、サーマル・アスペリティ(thermal asperity)(TA)検出を有する可変利得増幅器(VGA);デジタル信号処理用の適応制御を有する連続時間フィルタ(CTF);およびアナログ・デジタル変換器(ADC)などのいくつかのアナログ・コンポーネントを備える。一般に、サーマル・アスペリティは、磁気材料が存在するディスク・プラッタの平面の上に隆起する磁気材料の一部分に、読出しヘッドが遭遇すると起こり、信号振幅を実質的に増加させる。サーマル・アスペリティ検出ブロックは、こうした磁気材料部分を識別し、既知の方法でこれらを補償しようと試みる。
【0024】
デジタル化された信号は、その後、信号を等化するデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタ285によってフィルタリングされる。DFIRフィルタ285は、フィルタリング済み出力をITI軽減回路280に提供する。ITI軽減回路280によって生成されるITI相殺済み信号は、その後、ビタビ(Viterbi)検出器および低密度パリティ・チェック・デコーダなどのデコーダを含む反復復号ブロック270に提供される。読出しデータ経路260−Rは、所与のトラックNについての復号済みデータをハード・ディスク・コントローラ210に提供する。
【0025】
先に示したように、書込みデータ経路260−Wは、誤り訂正が、後続のデータの読出しに関して実施されうるように、通常、媒体上に書込まれるデータを符号化する機能を含む。さらに、書込みデータ経路260−Wは、データをスクランブルし、バッファリングし、この機能は、ITI軽減のために本発明に従ってレバレッジされうる。
【0026】
例示的なITI軽減回路280のより詳細な論議について、たとえば、参照により本明細書に組込まれる、「Systems and Methods for Inter−Track Interference Compesaion」という名称の2011年7月19日に出願された米国特許出願番号第13/186,174号を参照されたい。本発明によるITI軽減のためのいくつかの例示的な技法が、図5〜7に関連して以下でさらに論じられる。たとえば、種々の実装態様は、ITI軽減がある状態またはない状態で、磁気媒体295の直接読出しをサポートする。さらに、別の実装態様は、少なくともワン・サイデッドITI軽減によるオンザフライ(on−the−fly)(OTF)またはリアルタイム読出し動作をサポートする。さらに別の実装態様は、2サイデッドITI軽減までによるオフライン読出しをサポートする。
【0027】
図2の磁気記録システム200はまた、Y平均済みデータなどの後処理済みDFIRデータのITI軽減、および/または、ITI軽減済みデータのY平均などのITI軽減済みDFIRデータの後処理をサポートする。後処理済みDFIRデータおよびITI軽減済みDFIRデータのより詳細な論議については、たとえば、参照により本明細書に組込まれる、「Hardware−Based Methods and Apparatus for Inter−Track Interference Mitigation in Magnetic Recording Systems」という名称の2011年9月30日に出願された米国特許出願番号第13/250,246号を参照されたい。たとえば、Y平均済みデータのITI軽減は、複数の読出しにわたってY平均を取得すること、その後、ITI軽減を実施すること、および、Y平均済みサンプルを使用して復号することを含む。同様に、ITI軽減済みデータのY平均化は、あるセクタを読出すこと、ITI軽減を実施すること、任意選択で、目下の読出しセクタを使用して復号すること、および、複数回の読出しと、それに続く、次のセクタの読出しからのITI軽減済みサンプルを使用してY平均を取得することなどを含む。
【0028】
図2に示すように、ハード・ディスク・コントローラ210は、読出しデータ経路(RDP)26−Rおよび書込みデータ経路(WDP)260−W内の対応する長レーテンシ・インタフェース(LLI)255−R、255−Wと通信するための、例示的な長レーテンシ・インタフェース(LLI)240−R、240−Wをそれぞれ備える。
【0029】
ハード・ディスク・コントローラ210はまた、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)220などの外部DDRデバイスと通信するためのダブル・データ・レート(DDR)PHYインタフェース230を含む。図2では、相殺データは、たとえば外部DRAM220あるいは揮発性スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)または不揮発性フラッシュ・メモリなどの別のメモリに記憶されうる。例示的なDRAM220は、磁気媒体100(図1)または磁気媒体295(図2)の1つまたは複数のトラックについて相殺データを記憶しうる。たとえば、記憶される相殺データの量は、目下読出されているトラックについてのトラック間隔の関数でありうる。例示的なDRAM220はまた、DRAM220に記憶される必要があるデータの量を減らすために、1つだけのセクタまたは複数のセクタ(たとえば、直前の読出し動作中に成功裏に回復されることができなかったセクタ)について相殺データを記憶することができる。
【0030】
サイド・トラック(side−track)・データとも呼ばれる相殺データは、当業者に明らかになるように、いくつかの例示的形式を有しうる。一般に、例示的な相殺データは、書込み済み媒体波形に対応するコード化媒体データ、または、ハード・ディスク・コントローラ210によって通常供給されることになる未符号化ユーザ・データを含みうる。一般に、例示的な媒体データ形式は、低密度パリティ・チェック(LDPC)・オーバヘッド、ランレングス制限(RLL)符号化オーバヘッド、および誤り検出コード(EDC)オーバヘッドを含む符号化データを含む。
【0031】
以下でさらに論じる図3および図4は、読出しチャネル内への記憶を使用する本発明による、ITI軽減を組込む、それぞれ、磁気記録システム300、400の所定部分の略ブロック図である。以降で論じるように、図3および図4は、データを処理するための、互いに異なる実施形態を示す。図3および図4の実施形態は、処理されるデータのタイプ(たとえば、コード化媒体データまたは未符号化ユーザ・データ)に基づいて両方の実施形態の間で選択的に構成されうる単一システムに一体化されうることが留意される。図3および図4では、ランレングス制限および誤り検出コードのエンコーダおよびデコーダ機能ならびにスクランブラ機能は、「ESR」(すなわち、誤り検出コード、スクランブラ、およびRLL)としてラベル付けされる。
【0032】
図2の例示的な実施形態では、ITI軽減回路280は、「Yデータ(Y−Data)」と呼ばれる、等化されたアナログ・デジタル変換器(ADC)サンプルを処理することがさらに留意される。代替の実施形態では、ITI軽減回路280は、「ADCデータ(ADC data)」と本明細書で呼ばれる未処理(未等化)ADCサンプルを処理することができる。YデータまたはADCデータは、たとえば、媒体上に書込まれた各媒体ビットについて6ビットのデータとすることができる。ADCデータまたはYデータは、磁気媒体295から読出され、ADCまたはDFIR等化器出力でそれぞれ利用可能である。反復復号ブロック270は、各Yデータ・サンプルを、単一ビットの検出済み媒体データに、(そして、パリティおよび他のオーバヘッド・ビットを除去した後に)単一ビットの検出済みユーザ・データに変換する。反復復号ブロック270は、たとえばよく知られているLDPCデコーダを使用して具現化されることができる。
【0033】
書込みデータ経路260−Wは、あるいは、ITI相殺データをユーザまたは媒体データ形式で表しうる。代替の実施形態では、ITI相殺データをADCまたはYデータ形式で表し、その場合、媒体ビットについて複数のビットが、DRAMに記憶され、HDCから書込みデータ経路260−Wに供給される。ITI軽減回路280は、書込みデータ経路260−Wが何を供給するかに応じて、媒体データ、ADCデータ、またはYデータに基づいてITIを軽減する。HDCが、ユーザ・データ形式でITI相殺データを読出しチャネルに提供する場合、書込みデータ経路は、図3および図4に述べるようにユーザ・データを媒体データに変換する。
【0034】
制御信号
1つの例示的な実施形態では、磁気記録システム200は、ITI相殺データが所与の読出し動作のために使用されるべきかどうかを示すために、たとえばMETACMD[1]またはITI_GATEと呼ばれるITI制御信号またはレジスタを含む。ITI相殺データが所与の読出し動作のために使用されるべきでないことをITI制御信号が示す場合、ITI軽減回路280は、図3〜4において以下でさらに示すように、(ITI軽減のために使用されるデータが存在しないため)任意選択で、バイパスされうる。さらに、例示的な磁気記録システム200は、任意選択で、たとえばITI_SIDESと呼ばれるモード制御信号またはレジスタであって、例示的な実施形態においてITI軽減が1つだけの隣接するトラックについて実施される(たとえば、ITI_SIDESが、ITI_SIDES=0に設定される)かまたは2つの隣接するトラックについて実施される(たとえば、ITI_SIDESが、ITI_SIDES=1に設定される)かを示す、モード制御信号またはレジスタを含む。一般に、任意の数Nのトラックが、中央トラックにITI影響を及ぼしうる。さらに、MサイデッドITI軽減が、当業者に明らかになるように、Mステップで本発明に従って実施されうる。
【0035】
さらに、たとえばMETACMD[2]と呼ばれるITI制御信号またはレジスタは、読出しデータ経路260−R内の目下の読出しデータが、ITIメモリに記憶するために読出しデータ経路260−Rから書込みデータ経路260−Wへ転送されるべきかどうかを示すために使用されうる。目下の読出しデータは、その後、ITI相殺データとしてITIメモリから使用されうる。METACMD[1]およびMETACMD[2]などの例示的なITI制御信号またはレジスタは、図5〜7に関連して以下でさらに論じられる。
【0036】
図3は、読出しチャネル内への記憶を使用する、ITI軽減を組込む読出しチャネル300の略ブロック図である。図3に示すように、例示的な読出しチャネル300は、図2と同様の方法で読出しデータ経路360−Rおよび書込みデータ経路360−Wを備える。読出しデータ経路360−Rは、図2の読出しデータ経路260−Rと同様の方法で実装されることができる。先に示したように、書込みデータ経路360−Wは、ITI相殺データを記憶し、読出しデータ経路360−R内のITI軽減回路280にITI相殺データを提供するために、本発明によって使用される。図3の実施形態では、書込みデータ経路360−W内に記憶される、読出しデータ経路360−Rからの復号済みデータは、ユーザ・データ形式であり、書込みデータ経路360−Wは、ITIメモリ350に記憶し、その後、ITI軽減回路280に提示するために媒体データを生成する。
【0037】
ITI軽減モード中に、磁気媒体から読出しデータ経路360−Rによって取得される媒体データと実質的に同時に、相殺データが、書込みデータ経路360−WによってITI軽減回路280に提供される。別の例示的な実施形態では、磁気媒体から読出しデータ経路360−Rによって取得される対応する媒体データの前または後で、相殺データがITI軽減回路280に提供される。
【0038】
読出しデータ経路(RDP)360−Rおよび書込みデータ経路360−W内の長レーテンシ・インタフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様の方法で実装されることができる。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様の方法で実装されることができる。
【0039】
図3に示すように、読出しデータ経路360−Rは、HDC210(図2)に提供される所与のトラックNについての復号済みデータを生成する。さらに、所与のトラックNについての生成された復号済みデータは、任意選択で、本発明に従って書込みデータ経路360−Wに記憶するために転送されうる。読出しチャネル300は、書込みデータ経路360−W内で相殺データとして記憶される復号済みデータを転送するためのシャント経路380を含む。さらに、マルチプレクサ370は、DA_METACMD[2]、METACMD[2]の遅延されたデータ整列バージョンによって制御される。マルチプレクサ370は、読出しデータ経路360−Rからのシャントされた復号済みデータまたはHDC210からの書込みデータの選択を可能にする。
【0040】
図3の例示的な実施形態では、コード化媒体データが、書込みデータ経路360−Wによって生成される。種々のモードにおいて、マルチプレクサ370によって制御されるように、HDC210は、磁気媒体295上に記憶される(または、ITI相殺データとして記憶される)書込みデータを書込みデータ経路360−Wに提供する、または、読出しデータ経路360−Rは、ユーザ・データ形式で、ITI相殺データとして記憶される復号済みデータを書込みデータ経路360−Wに提供する。第1の例示的なモードでは、マルチプレクサ370は、HDC210から書込みデータを選択し、その書込みデータは、その後、書込みデータ経路360−W内で符号化され、通常書込み動作で磁気媒体295(図2)に書込まれる。第2の例示的なモードでは、マルチプレクサ370は、シャント経路380を選択し、シャント経路380は、書込みデータ経路360−W内で相殺データとして記憶される復号済みデータを読出しデータ経路360−Rから転送する。図3の例示的な実施形態では、第2のモード中に、復号済みデータは、ユーザ・データをコード化媒体データに符号化するESRエンコーダ320−WおよびLDPCエンコーダ330によって符号化される。コード化媒体データは、本発明の態様に従ってITIメモリ350に記憶され、その後、ITI相殺データとしてITI軽減回路に提供される。書込みデータ経路360−Wは、媒体への書込み動作中と同様の方式でユーザ・データを符号化する。
【0041】
図5〜7に関連して以下でさらに論じるように、制御信号METACMD[2]は、読出し動作からの復号済みデータが、後続のITI軽減モード中の使用のために、書込みデータ経路360−Wに記憶されるときに、RDGATE制御信号(磁気媒体295からのデータの読出しを始動する)に整列する。本明細書で論じるさらなる変形形態では、制御信号METACMD[2]は、RETRYGATE制御信号に整列しうる。制御信号DA_METACMD[2]は、制御信号METACMD[2]のアサーション(assertion)に応答して生成される制御信号である。制御信号DA_METACMD[2]は、RDGATE信号より著しく遅れる回復済みデータに整列するために遅延される。
【0042】
例示的な読出しチャネル300は、HDC210から読出しチャネル300への「制御(control)」インタフェース305(たとえば、制御インタフェース・ワイヤ)を提供する。例示的な制御インタフェース305は、制御信号RDGATE、METAGATE[1]、METAGATE[2]、およびRETRYGATEを含む。制御信号METAGATE[1]および[2]は、例示的な実施形態では単一パルスである。図5〜7に関連して以下でさらに論じるように、RDGATE信号がアサートされると、例示的な読出しデータ経路360−Rは、読出し動作を始動することになる。さらに、METAGATE[2]信号がアサートされる(RDGATE信号またはRETRYGATE信号に整列する)と、例示的な読出しチャネル300は、データが完全に復号されるまで(たとえば、数千サイクル後でありうる)待ち、その後、データが読出しデータ経路360−R上のESR/LLI320−R、255−Rに渡されると、METAGATE[2](DA_METACMD[2])のデータ整列バージョンもまたアサートされる。
【0043】
DA_METACMD[2]は、目下のセクタ内の全てのデータをカバーするのに必要な長さの間、アサートされる。先に示したように、DA_METACMD[2]信号は、書込みデータ経路360−W内のMUX370を制御する。
【0044】
ITIメモリ350は、たとえばダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、またはフラッシュ・メモリなどの不揮発性メモリとして具現化されうる。ITIメモリ350の容量は、記憶される相殺データの量に基づいて確立されうる。(チップの残りと同じダイまたはあるタイプのオフチップ・メモリ上の)ITIメモリ350の物理的ロケーションは、たとえば、記憶される相殺データの量およびコストまたは製造制約に基づいて確立されうる。こうして、読出しチャネル300は、任意の数のセクタおよび任意の数の近傍のトラックを使用してITI軽減をサポートしうる。ITIメモリ350は、磁気媒体100(図1)または磁気媒体295(図2)の1つまたは複数のトラック上の1つまたは複数のセクタ(あるいは、セクタの所定の部分)について相殺データを記憶しうる。たとえば、ITIメモリ350は、直前の読出し動作中に成功裏に回復されることができなかった1つまたは複数のセクタを記憶しうる。
【0045】
図3に示すように、読出しデータ経路360−R内のITI軽減回路280は、任意選択で、所与の読出し動作についてITI相殺がイネーブルされないと、バイパスされうる。さらに、読出しデータ経路360−R内のESRエンコーダ320−Rは、任意選択で、媒体データ形式が回復されないと、バイパスされうる。
【0046】
図4は、読出しチャネル内への記憶を使用する、ITI軽減を組込む読出しチャネル400の略ブロック図であり、書込みデータ経路が、媒体データをITI軽減回路280に提供する。図4に示すように、例示的な読出しチャネル400は、図2および図3と同様の方法で読出しデータ経路460−Rおよび書込みデータ経路360−Wを備える。読出しデータ経路460−Rは、図2の読出しデータ経路260−Rと同様の方法で実装されることができる。先に示したように、書込みデータ経路460−Wは、相殺データを記憶し、読出しデータ経路460−R内のITI軽減回路280に相殺データを提供するために、本発明によって使用される。図4の実施形態では、書込みデータ経路460−W内に記憶される、読出しデータ経路460−Rからの復号済みデータは、媒体データ形式であり、書込みデータ経路460−Wは、ITI軽減回路280に提示するためにITIメモリ450に媒体データを記憶する。
【0047】
ITI軽減モード中に、磁気媒体から読出しデータ経路460−Rによって取得される媒体データと実質的に同時に、相殺データが、書込みデータ経路460−WによってITI軽減回路280に提供される。別の例示的な実施形態または動作モードでは、磁気媒体から読出しデータ経路460−Rによって取得される媒体データの前または後で、相殺データがITI軽減回路280に提供される。
【0048】
読出しデータ経路(RDP)460−Rおよび書込みデータ経路460−W内の長レーテンシ・インタフェース(LLI)255−R、255−Wは、それぞれ、図2と同様の方法で実装されることができる。さらに、反復復号ブロック270およびITI軽減回路280は、図2と同様の方法で実装されることができる。
【0049】
図4に示すように、読出しデータ経路460−Rは、HDC210(図2)に提供される所与のトラックNについての復号済みデータを生成する。さらに、所与のトラックNについての生成された復号済みデータは、任意選択で、本発明に従って書込みデータ経路460−Wに記憶するために転送されうる。読出しチャネル400は、書込みデータ経路460−Wに相殺データとして記憶される復号済みデータを転送するためのシャント経路480を含む。さらに、マルチプレクサ470は、図3と同様の方法で、DA_METACMD[2]、METACMD[2]の遅延されたデータ整列バージョンによって制御される。マルチプレクサ470は、読出しデータ経路460−Rからのシャントされた復号済みデータまたはHDC210からの書込みデータの選択を可能にする。種々のモードにおいて、マルチプレクサ470によって制御されるように、HDC210は、磁気媒体295上に記憶される(かつ/または、ITIメモリ450にITI相殺データとして記憶される)書込みデータを媒体データ形式で書込みデータ経路360−Wに提供する、または、読出しデータ経路360−Rは、ITI相殺データとして記憶される復号済みデータを媒体データ形式で提供する。第1の例示的なモードでは、マルチプレクサ470は、HDC210から書込みデータを選択し、その書込みデータは、その後、通常書込み動作で磁気媒体295(図2)に書込まれる。第2の例示的なモードでは、マルチプレクサ470は、シャント経路480を選択し、シャント経路480は、書込みデータ経路460−W内で相殺データとして記憶される復号済みデータを媒体データ形式で読出しデータ経路460−Rから転送する。コード化媒体データは、本発明の態様に従ってITIメモリ450に記憶され、その後、ITI相殺データとしてITI軽減回路280に提供される。
【0050】
読出しデータ経路460−Rからの媒体データは、(たとえば、LDPCデコーダの出力からの)復号済みデータでありうる、または、(たとえば、LDPCデコーダの入力からの)未復号データでありうることが留意される。選択は、構成されうる、または、動的でありうる(ある内部メカニズムまたは計算に基づいて選択されうる)。たとえば、所与のセクタがLDPCデコーダにおいて失敗した場合、LDPCデコーダの入力データは、失敗したLDPC出力データの代わりに、書込みデータ経路460−Wに転送されうる。
【0051】
例示的な読出しチャネル400は、HDC210から読出しチャネル400への「制御(control)」インタフェース405(たとえば、制御インタフェース・ワイヤ)を提供する。例示的な制御インタフェース405は、制御信号RDGATE、METAGATE[1]、METAGATE[2]、およびRETRYGATEを含む。
【0052】
図4の例示的な実施形態では、コード化媒体データは、読出しデータ経路460−Rで生成される。そのため、例示的な書込みデータ経路460−W内のESRエンコーダ420−WおよびLDPCエンコーダ430は、媒体データによってバイパス経路425を使用してバイパスされ、媒体データは、ITIメモリ450に記憶され、その後、ITI軽減回路280に提供される。書込みデータ経路460−W内のESRエンコーダ420−WおよびLDPCエンコーダ430はまた、媒体データが磁気媒体295に書込まれると、書込み動作中に媒体データによってバイパスされる。
【0053】
図4に示すように、読出しデータ経路460−R内のITI軽減回路280は、任意選択で、所与の読出し動作についてITI軽減がイネーブルされないと、バイパスされうる。さらに、読出しデータ経路460−R内のESRエンコーダ420−Rは、任意選択で、媒体データ形式が回復されないと、バイパスされうる。
【0054】
図3および図4に関連して先に論じた2つの例示的なモードにおいて、読出し動作のためにHDC210に提供される所与のトラックNについての復号済みデータは、ITI相殺データとして記憶される、それぞれ、シャント経路380、480を使用して書込みデータ経路360−W、460−Wに提供される復号済みデータと同じ形式(図3のユーザ・データ形式および図4の媒体データ形式)である。さらなる変形形態では、復号済みデータは、ユーザ・データ形式(たとえば、HDC210がオペレーティング・システムに渡すことができるデータ形式)でHDC210に提供され、一方、復号済みデータは、媒体データ形式で書込みデータ経路360−W、460−Wに提供されうる、またはその逆も同じである。この変換は、当業者に明らかになるように、たとえば構成レジスタを使用して扱われうる。
【0055】
さらに別の変形形態では、ITI軽減回路280(あるいは、読出しチャネル300、400内の別の専用回路またはプロセス)は、当業者に明らかになるように、ITIメモリ350、450に記憶されたデータを、記憶のために使用される任意の形式からITI軽減のために使用される任意の所望の形式に変換できる。
【0056】
図5Aおよび図5Bは、(単一セクタ、FULL3について)本発明に従って例示的な自動2サイデッドITI軽減を実装するための、それぞれ、図3および図4の例示的な読出しチャネル300、400についての、時間の関数としてのいくつかのインタフェース信号500、550を示す。一般に、以下の図において、MEDIA信号は、媒体上にあるもの(サーボ、フラグメント、またはフル・セクタ)を示す。図の用語「FRG」は、セクタのフラグメントを示し、用語「フル(FULL)」は、完全なセクタを示し、用語「サーボ(SERVO)」は、スプリット・セクタ(split sector)を示す。CHAN_RDY信号は、チャネルが、いつでも読出し動作できる状態にあるときを示す。さらに、RDGATE信号は、読出しゲートに相当し、媒体からの読出しを始動する。RDGATE信号は、各セクタおよびセクタ・フラグメントの開始時にアクティブである。さらに、例示的なITI制御信号、METACMD[2]は、読出しデータ経路260−R内の目下の読出しデータが、ITIメモリ350、450に記憶するために、読出しデータ経路260−Rから書込みデータ経路260−Wに転送されるべきかどうかを示し、目下の読出しデータは、その後、ITIメモリ350、450からITI相殺データとして使用されうる。
【0057】
本明細書で論じるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEまたはRETRYGATE信号とそれぞれ整列した)読出しまたはリトライによってITI軽減をトリガーする。制御信号DA_METACMDは、制御信号METACMD[2]のアサーションに応答して生成される制御信号である。DA_METACMD[2]は、RDGATE信号より著しく遅れる回復済みデータに整列するために遅延される。METACMD[2]のアサーションは、時間的に遅れて(その読出しに関連するデータに整列して)DA_METACMD[2]パルスを発生させる。DATA_VALID_R信号は、各読出しセクタが復号されたときを示す。信号NRZ_DATA_Rは、媒体から読出されたNRZデータを示す。
【0058】
図5Aは、所与のトラックNに対する、左隣接トラックN−1および右隣接トラックN+1についての読出しデータ信号500の集合を示す。左隣接トラックN−1は、図5Aの左側に示され、右隣接トラックN+1は、図5Aの右側に示される。図5Bは、ITI軽減がイネーブルされた状態の、所与のトラックNについての読出しデータ信号550の集合を示す。以降で論じるように、図5Aに示す隣接トラックN−1、N+1の読出し動作中に収集される読出しデータの一部分は、本発明に従って、ITIメモリ350、450内の相殺データとして記憶され、所与のトラックNについて実施される後続の読出し動作のための2サイデッドITI軽減のために使用される。特に、隣接トラックN−1、N+1からのセクタ3(FULL3)についての読出しデータは、ITIメモリ350、450に相殺データとして記憶される。
【0059】
本明細書で論じるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEまたはRETRYGATE信号とそれぞれ整列した)読出しまたはリトライによってITI軽減をトリガーする。図5Aに示すように、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=0になるように設定することによって、セクタ1、2、4、および5について隣接トラックN−1、N+1の通常の媒体読出し動作を実施する(すなわち、媒体は、ITI相殺データを記憶することなく読出す)。さらに、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=1になるように設定することによって、セクタ3(図5Aの領域510)について相殺データとしてセクタFULL3をITIメモリ350、450に記憶して、隣接トラックN−1、N+1の読出し動作を実施する。そのため、セクタFULL3は、HDC210に転送され、同様に、ITIメモリ350、450に記憶するために、書込みデータ経路360−W、460−Wに送られることになる。遅延したDA_METACMD[2]は、復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域515)に整列することになる。
【0060】
図5Bに示す所与のトラックNについての読出しデータの集合は、ITI軽減がイネーブルされた(METACMD[1]がアサートされた)状態で実施される。CHAN_RDY信号は、時刻560にて立ち上がって、先に論じたITIメモリ350、450に記憶されたITI相殺データがいつでも使用できる状態になったことを示す。セクタ3(FULL3)についてのITI軽減を用いた読出し動作は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[1]=1になるように設定することによって図5Bにて始動される。さらに、ITI軽減でその後使用するためにITI軽減済みデータをITIメモリ350、450に記憶することが所望される場合、METACMD[2]は、任意選択で、時刻570にてアサートされうる。2サイデッド相殺は、ITI軽減回路280によって実施され、回復されたデータは、読出しデータ経路360−R、460−Rによって生成され、HDC210に送信される。時刻580におけるDATA_VALID_R信号は、セクタ3(FULL3)が、成功裏に復号されたことを示す(NRZ_DATA_Rに関して、SECTOR_GOOD(図示せず)は「誤りなしの復号(error free decode)」を示す)。
【0061】
さらに、METACMD[2]が時刻570にてアサートされる場合、ITI軽減済みデータは、ITI軽減でその後使用するためにITIメモリ350、450に記憶されることになる。対応する遅延したDA_METACMD[2]は、復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域580)に整列することになる。
【0062】
図6Aおよび図6Bは、本発明に従って2つのシングル・サイデッドITI軽減の例示的バーストを実装するための、それぞれ、図3および図4の読出しチャネル300、400についての、時間の関数としてのいくつかのインタフェース信号600、650を示す。特に、2つのシングル・サイデッドITI軽減は、セクタ3および4(FULL3およびFULL4)について実施される。図6Aは、左隣接トラックN−1についての読出しデータ信号600の集合を示す。図6Bは、ITI軽減がイネーブルされた状態の、所与のトラックNについての読出しデータ信号650の集合を示す。以降で論じるように、図6Aに示す隣接トラックN−1の読出し動作中に収集される読出しデータの一部分は、本発明に従って、ITIメモリ350、450内の相殺データとして記憶され、所与のトラックNについて実施される後続の読出し動作のためのITI軽減のために使用される。特に、隣接トラックN−1からのセクタ3(FULL3)およびセクタ4(FULL4)についての読出しデータは、ITIメモリ350、450に相殺データとして記憶される。
【0063】
本明細書で論じるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEまたはRETRYGATEに整列した)読出しまたはリトライによってITI軽減をトリガーする。図6Aに示すように、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=0になるように設定することによって、セクタ1、2、および5について隣接トラックN−1の通常の媒体読出し動作を実施する(すなわち、媒体は、ITI相殺データを記憶することなく読出す)。さらに、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=1になるように設定することによって、セクタ3および4(図6Aの領域610および620)について相殺データとしてセクタFULL3およびセクタFULL4をITIメモリ350、450に記憶して、隣接トラックN−1の読出し動作を実施する。そのため、セクタFULL3およびセクタFULL4は、HDC210に転送され、同様に、ITIメモリ350、450に記憶するために、書込みデータ経路360−W、460−Wに送られることになる。遅延したDA_METACMD[2]は、復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域615)に整列することになる。
【0064】
図6Bに示す所与のトラックNについての読出しデータの集合は、ITI軽減がイネーブルされた(METACMD[1]がアサートされた)状態で実施される。CHAN_RDY信号は、時刻660にて立ち上がって、先に論じたITIメモリ350、450に記憶されたITI相殺データがいつでも使用できる状態になったことを示す。セクタ3(FULL3)についてのITI軽減を用いた読出し動作は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[1]=1になるように設定することによって図6Bの時刻670にて始動される。さらに、セクタ4(FULL4)についてのITI軽減を用いた読出し動作は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[1]=1になるように設定することによって図6Bの時刻675にて始動される。さらに、たとえばITI軽減でその後使用するためにセクタ4(FULL4)についてのITI軽減済みデータをITIメモリ350、450に記憶することが所望される場合、METACMD[2]は、任意選択で、時刻675にてアサートされうる。ITI低減は、ITI軽減回路280によって実施され、回復されたデータは、読出しデータ経路360−R、460−Rによって生成され、HDC210に送信される。セクタ3用の時刻680におけるDATA_VALID_R信号およびセクタ4用の時刻685におけるDATA_VALID_R信号は、セクタ3および4(FULL3およびFULL4)が、成功裏に復号されたことを示す(NRZ_DATA_Rに関して、SECTOR_GOOD(図示せず)は「誤りなしの復号」を示す)。
【0065】
さらに、METACMD[2]がセクタ4について時刻675にてアサートされる場合、ITI軽減済みデータは、ITI軽減でその後使用するためにITIメモリ350、450に記憶されることになる。対応する遅延したDA_METACMD[2]は、復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域685)に整列することになる。
【0066】
3サイデッドITI軽減などの、さらなるトラックを使用するITI軽減は、当業者に明らかになるように、本発明に従って実施されうることが留意される。
【0067】
図7Aおよび図7Bは、本発明の態様に従って、同じセクタについて2つの連続するシングル・サイデッドITI軽減の例示的なバーストを実装するための、それぞれ、図3および図4の読出しチャネル300、400についての、時間の関数としてのいくつかのインタフェース信号700、750を示す。特に、2つの連続するシングル・サイデッドITI軽減は、1回につき1つのサイドで、セクタ3(FULL3)について実施される。図7Aは、左隣接トラックN−1および右隣接トラックN+1についての読出しデータ信号700の集合を示す。図7Bは、ITI軽減がイネーブルされた状態の、所与のトラックNについての読出しデータ信号750の集合を示す。以降で論じるように、図7Aに示す隣接トラックN−1およびN+1の読出し動作中に収集される読出しデータの一部分は、本発明に従って、ITIメモリ350、450内の相殺データとして記憶され、所与のトラックNについて実施される後続の読出し動作のためのITI軽減のために使用される。特に、隣接トラックN−1およびN+1からのセクタ3(FULL3)についての読出しデータは、ITIメモリ350、450に相殺データとして記憶される。
【0068】
本明細書で論じるように、信号METACMD[1]は、(RDGATEの整列した)読出しまたはリトライによってITI軽減をトリガーする。図7Aに示すように、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=0になるように設定することによって、セクタ1、2、4、および5について隣接トラックN−1、N+1の通常の媒体読出し動作を実施する(すなわち、媒体は、ITI相殺データを記憶することなく読出す)。さらに、読出しチャネル300、400は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[2]=1になるように設定することによって、セクタ3(図7Aの領域710)について相殺データとしてセクタFULL3およびセクタFULL4をITIメモリ350、450に記憶して、隣接トラックN−1の読出し動作を実施する。そのため、トラックN−1およびN+1についてのセクタFULL3は、HDC210に転送され、同様に、ITIメモリ350、450に記憶するために、書込みデータ経路370−W、470−Wに送られることになる。遅延したDA_METACMD[2]は、対応する復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域715)に整列することになる。
【0069】
図7Bに示す所与のトラックNについての読出しデータの集合は、ITI軽減がイネーブルされた(METACMD[1]がアサートされた)状態で実施される。CHAN_RDY信号は、時刻760にて立ち上がって、先に論じたITIメモリ350、450に記憶されたITI相殺データがいつでも使用できる状態になったことを示す。セクタ3(FULL3)についてのシングル・サイデッドITI軽減を用いた読出し動作は、制御信号をRDGATE=1およびMETACMD[1]=1になるように設定することによって図7Bの時刻770にて始動される。
【0070】
セクタ3の2回目の復号は、内部に記憶されたデータを再使用し、セカンド・サイドITI相殺を実施し、データを回復させるために、制御信号をRETRYGATE=1およびMETACMD[1]=1になるように設定することによって図7Bの時刻775にて始動される。さらに、たとえばITI軽減でその後使用するためにセクタ3(FULL3)についてのITI軽減済みデータをITIメモリ350、450に記憶することが所望される場合、METACMD[2]は、任意選択で、時刻775にてアサートされうる。ITI低減は、ITI軽減回路280によって実施され、回復されたデータは、読出しデータ経路370−R、470−Rによって生成され、HDC210に送信される。セクタ3用の時刻780におけるDATA_VALID_R信号は、セクタ3(FULL3)が、成功裏に復号されたことを示す(NRZ_DATA_Rに関して、時刻790におけるSECTOR_GOODは「誤りなしの復号」を示す)。
【0071】
さらに、METACMD[2]が時刻775にてセクタ3についてアサートされる場合、トラックNからの復号済みデータは、ITI軽減でその後使用するためにITIメモリ350、450に記憶されることになる。対応する遅延したDA_METACMD[2]は、復号済みデータ(DATA_VALID_R)(領域785)に整列することになる。
【0072】
本発明の態様は、参照により本明細書に組込まれる、「Hardware−Based Methods and Apparatus for Inter−Track Interference Mitigation in Magnetic Recording Systems」という名称の2011年9月30日に出願された米国特許出願番号第13/250,246号に記載される全ての動作モードをサポートする。たとえば、以下の動作モードは、当業者に明らかになるように、本開示および米国特許出願番号第13/250,246号の開示に基づく、本明細書で述べる実施形態によってサポートされる。以下の動作モードとは、
シングル・サイデッドITI軽減(リトライまたはオンザフライ(OFT))、
どのセクタが書込みデータ経路360−W、460−Wに収集されるか、および、どのセクタが収集されないかに関する完全な選択可能性、
ダブル・サイデッド自動ITI軽減、
複数の連続するシングル・サイデッドITI軽減、1回につき1つのサイド、
平均、その後、ワン・サイデッドITI軽減、
シングル・サイデッドITI軽減、その後、平均、
読出しデータ経路360−R、460−RおよびITIメモリ350、450からの媒体データ形式、および、
読出しデータ経路360−R、460−Rからのユーザ・データ形式、そして、書込みデータ経路360−W、460−Wは、ITIメモリ350、450に記憶するために、ユーザ・データ形式を媒体データ形式に変換する
である。
【0073】
先に示したように、本明細書で述べる磁気記録システムおよび読出しチャネルの機構は、従来の機構に対していくつかの利点を提供する。やはり、本発明の上述した実施形態が単に例証であることを意図されることが強調されるべきである。一般に、例示的な磁気記録システムは、当業者に明らかになるように修正されて、書込みデータ経路を使用してITI軽減データを提供するITI軽減スキームを組込みうる。さらに、ITI軽減のための開示される技法は、仮想記憶システムなどの任意の磁気記録システム/独立ディスク冗長アレイ(RAID)システムなどの記憶仮想化システムで使用されうる。
【0074】
本明細書で述べるインタフェースおよびデータ・フロー・メカニズムは、当業者に明らかになるように、修正なしで、さらなる動作モードおよび構成をサポートする。たとえば、開示されるITI軽減技法は、示すように干渉する複数のサイド・トラックを有する従来のドライブ(Nサイデッド軽減についての潜在的な使用)、整列済みのまたは未整列状態のセクタを有するシングルドまたは従来のドライブ(既知データの潜在的な使用)、および、(シングルド・ドライブでなくても、ITI回復を必要とするように)意図しないスクイージング(squeezing)を有する従来のドライブにおいて実装されることができる。一般に、隣接セクタのデータが整列しないとき、セクタの未整列状態が起こる。たとえば、図1を参照して、中央トラック110−2が、隣接トラック110−1、110−3の1つまたは両方に整列しない場合、そのトラックは、未整列状態であると言われる。トラックが未整列状態である場合、本発明は、所与のトラックのセクタのITI軽減を、所与のトラックのセクタに整列する隣接トラックの所定部分を使用して、隣接トラックの整列状態の部分が属するセクタによらずに可能にする。
【0075】
さらに、例示的な実施形態は、さらなる変形形態においてインタフェース・ピンとして、METACMD[2]などの制御信号を使用するが、制御信号の1または複数は、採取(capture)、個々のセクタがセクタ読出しのストリーム内で読み出されることを実質的に識別する内部メカニズムによって置換されうる。たとえば、「この1つのセクタをループする(loop this one sector)」を示す単純なレジスタが使用されうる。別の変形形態では、セクタ識別子が存在する(すなわち、セクタが、番号付けされる、またはその他の方法で一意に識別される)場合、「数字によるセクタ(sector by number)」または「一意の識別子によるセクタ(sector by unique identifier)」を示すレジスタが使用されうる。
【0076】
本発明の例示的な実施形態が、デジタル論理ブロックに関して述べられたが、当業者に明らかになるように、種々の機能は、ソフトウェア・プログラムの処理ステップとしてデジタル領域で、回路要素または状態機械によってハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアの両方の組合せで実装されることができる。こうしたソフトウェアは、たとえば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、または汎用コンピュータで使用されることができる。こうしたハードウェアおよびソフトウェアは、集積回路内に実装される回路内で具現化されることができる。
【0077】
本発明の集積回路の実施形態では、複数の集積回路ダイが、通常、ウェハの表面上の反復パターン内に形成される。それぞれのこうしたダイは、本明細書で述べるデバイスを含む場合があり、また、他の構造または回路を含む場合がある。ダイは、ウェハから切断またはダイシングされ、その後、集積回路としてパッケージングされる。パッケージ済み集積回路を生成するために、ウェハおよびパッケージ・ダイをどのようにダイシングするかを当業者はわかっている。こうして製造された集積回路は、本発明の一部と考えられる。
【0078】
そのため、本発明の機能は、これらの方法を実施するための方法および装置の形態で具現化されうる。本発明の1つまたは複数の態様は、たとえば、記憶媒体に記憶されようが、機械にロードされようがおよび/または機械によって実行されようが、何らかの伝送媒体を通じて送信されようが、プログラム・コードの形態で具現化されることができ、プログラム・コードが、コンピュータなどの機械にロードされ、実行されると、その機械は、本発明を実施するための装置になる。汎用プロセッサ上に実装されると、プログラム・コード・セグメントは、プロセッサと結合して、特定の論理回路と同様に動作するデバイスを提供する。本発明はまた、集積回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラの1つまたは複数で実装されうる。
【0079】
本明細書で示し述べる実施形態および変形形態は、本発明の原理を例証するだけであること、および、種々の変更形態が、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者によって実装されることができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録システムにおいてトラック間干渉(ITI)相殺データを取得するための方法であって、
前記トラック間干渉相殺データを取得するステップと、
前記磁気記録システムの読出しチャネル内のメモリに前記トラック間干渉相殺データを記憶するステップとを含む方法。
【請求項2】
書込みデータ経路の少なくとも一部分を使用して、トラック間干渉軽減回路に前記トラック間干渉相殺データを提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トラック間干渉相殺データの前記記憶は、第2の制御信号に応答する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
磁気記録システムの読出しチャネルであって、
トラック間干渉相殺データを取得するための手段と、
前記トラック間干渉相殺データを記憶するためのメモリとを備える読出しチャネル。
【請求項5】
トラック間干渉軽減回路をさらに備え、前記トラック間干渉相殺データは、書込みデータ経路の少なくとも一部分を使用して、前記トラック間干渉軽減回路に提供される請求項4に記載の読出しチャネル。
【請求項6】
マルチプレクサをさらに備え、前記トラック間干渉相殺データは、前記マルチプレクサを使用して読出しデータ経路から選択的に取得される請求項4に記載の読出しチャネル。
【請求項7】
磁気記録システムの読出しチャネルであって、
前記トラック間干渉相殺データを記憶するためのメモリと、
制御信号に基づいて、前記トラック間干渉相殺データを前記メモリに選択的に記憶するための手段とを備える読出しチャネル。
【請求項8】
前記トラック間干渉相殺データは、第2の制御信号に基づいて、前記メモリからトラック間干渉軽減回路に提供される請求項7に記載の読出しチャネル。
【請求項9】
前記トラック間干渉相殺データは、前記制御信号に基づいて読出しデータ経路から選択的に取得される請求項7に記載の読出しチャネル。
【請求項10】
前記トラック間干渉相殺データは、回復されたデータに実質的に整列する前記制御信号に基づいて読出しデータ経路から選択的に取得される請求項7に記載の読出しチャネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2013−80554(P2013−80554A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−215800(P2012−215800)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】