説明

相溶化剤、その相溶化剤により相溶されてなる複合体、相溶化剤の製造方法及びその相溶化剤により相溶されてなる複合体の製造方法

【課題】
脂肪族ポリエステルと天然繊維の複合体をより高強度なものとさせるための相溶化剤及びその相溶化剤によりもたらされる複合体、そして、相溶化剤の製造方法及びそれによりもたらされる複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】
脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤をセルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる際に用いる相溶化剤及びその相溶化剤により相溶されてなる複合体、そして、相溶化剤の製造方法さらに、その相溶化剤により相溶されてなる複合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、生分解性樹脂に注目が集まっているが、この生分解性樹脂は、ある程度のコストがかかってしまうため、メリットである機械的強度を維持したまま、低コスト化を目指すことが求められてきている。そこで、生分解性樹脂と繊維等とを複合させた複合体を作製し、それを利用することが多くなってきており、例えば、特許文献1には、天然繊維と直径が0.0001mm〜1mmである微粒子状生分解性樹脂を混合し、熱プレス成形をすることによりなる生分解性複合材料の製造方法について開示されている。この生分解性複合材料の製造方法によると、高強度の生分解複合材が得られるので、大きな外力が作用する構造部材の素材として利用可能となるという効果が奏されるとしている。
【0003】
また、特許文献2には、天然繊維により補強された生分解性樹脂が開示されており、生分解性樹脂の高強度化が図られていることが分かる。またさらに、特許文献3には、ココナッツ繊維と生分解性樹脂を含有することを特徴とする生分解性複合材料について開示されており、この生分解性複合材料は、機械的強度が高いとされている。
【0004】
そして、特許文献4には、生分解性樹脂にセルロース及びリグニンを含有する植物繊維1〜70重量%、イソシアネート系樹脂0.05〜8重量%を共に加えて加熱混練してなる複合材が開示されており、この複合材によると、引張強さ、曲げ強さなどの力学特性が従前の複合材よりも格段に向上するとされている。
【0005】
一方、上述の特許文献に記載されているような複合材料は、強度、剛性、耐衝撃性そして、耐熱性が弱いとされる生分解性樹脂に天然繊維を合わせることにより、その強度を高めることを目的としているが、通常は、生分解性樹脂材料と天然繊維との間に空隙が生じてしまうことから、界面密着性に関して様々な問題が指摘されてきている。
【0006】
そこで、しばしば生分解性樹脂と天然繊維を混練させる際に、相溶化剤を用い、生分解性樹脂と天然繊維との間の空隙を消滅させ、上記の界面密着性の問題を解決する手法が採られることがあり、例えば、ヒドロキシカルボン酸であるポリ乳酸やポリカプロラクトンからなる縮合体をセルロースアセテート上に導入させ、それを相溶化剤として用いることも有用ではないかと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−146219公報
【特許文献2】特開2002−356562公報
【特許文献3】特開2006−273888公報
【特許文献4】特開2008−163284公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記各特許文献に開示されている技術だけでは、ある程度な強度の複合材料を得ることが出来るが、過酷な使用条件等にも耐えうるための複合材料の高強度化は、未だ必須の課題であり、また、ヒドロキシカルボン酸であるポリ乳酸やポリカプロラクトンの縮合体をセルロースアセテート上に導入させたものを相溶化剤として用いた場合、脂肪族ポリエステルであるポリ乳酸やポリカプロラクトンと天然繊維とを相溶化させるには有効だが、その他の脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶化させる場合には、うまく作用しないのではないかと予想される。
【0009】
本発明が解決しようとしている課題は、上述の問題に対応するためのもので、様々な種類の脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶させてなる複合体をより高強度なものとさせるための相溶化剤及びその相溶化剤によりもたらされる複合体、そして、相溶化剤の製造方法及びそれによりもたらされる複合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤において、当該相溶化剤は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むことを特徴とする相溶化剤である。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤において、当該相溶化剤は、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体を含むことを特徴とする相溶化剤である。
【0012】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1記載の相溶化剤であって、前記化合物は、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体により、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなるものであることを特徴としている。
【0013】
そして、請求項4記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維からなる複合体であって、当該複合体は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤により相溶せしめてなるものであることを特徴とする複合体である。さらに、請求項5記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維からなる複合体であって、当該複合体は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤と、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体を含む相溶化剤とを含む縮合剤により相溶せしめてなるものであることを特徴とする複合体である。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の複合体であって、前記天然繊維は、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維、バナナ繊維及び麻繊維のうち、少なくとも1つから選択されるものであることを特徴としている。そして、請求項7記載の発明は、請求項4〜6いずれか1項記載の複合体であって、前記天然繊維は、当該天然繊維に含まれるリグニン成分の一部が除去されたものであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項8記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤の製造方法であって、ジオール及びジカルボン酸を等モル量にて70〜180℃の温度条件下で、且つ減圧状態にて反応させることによりジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を得る工程と、続いて、前記ジオール及びジカルボン酸からなる縮合体とセルロースアセテートを70〜180℃の温度条件下で、且つ減圧状態にて反応させる工程とを含むことを特徴とする相溶化剤の製造方法である。
【0016】
また、請求項9記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維を混練させてなる複合体の製造方法であって、前記脂肪族ポリエステルと前記天然繊維を120℃〜200℃の温度条件下で混練させる際に、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を添加することを特徴とする複合体の製造方法である。
【0017】
さらに、請求項10記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維を混練させてなる複合体の製造方法であって、前記天然繊維に含まれるリグニンの一部を除去するアルカリ処理を行う工程と、前記アルカリ処理によってリグニンの一部が除去された天然繊維と前記脂肪族ポリエステルを120℃〜200℃の温度条件下で混練させる際に、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を添加する工程とを含むことを特徴とする複合体の製造方法である。
【0018】
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の複合体の製造方法であって、前記天然繊維は、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維、バナナ繊維及び麻繊維のうち、少なくとも1つから選択されるものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に用いると、当該相溶化剤が、主鎖としてのセルロースアセテートにエステル側鎖長の長いジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むことにより、脂肪族ポリエステルとの相溶性が極めて良好なものとなるため、当該脂肪族ポリエステルが改質し、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させることができ、その結果、脂肪族ポリエステルと天然繊維との密着性・接着性が増し、従来の複合体と比して破断歪み及び強度の向上が見られる複合体を製造することが可能となる。
【0020】
また、請求項2記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に用いると、脂肪族ポリエステルと天然繊維それぞれの水酸基と、当該相溶化剤に含まれる縮合体の分子内にある2つのイソシアナート基がそれぞれ反応するため、脂肪族ポリエステルと天然繊維との密着性・接着性が増し、従来の複合体と比して破断歪み及び強度の向上が見られる複合体を製造することが可能となる。
【0021】
また、請求項3記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に用いると、当該相溶化剤が、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体によってセルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させた化合物を含むため、脂肪族ポリエステルとの相溶性が極めて良好なものとなり、当該脂肪族ポリエステルが改質し、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させることができる。そして、その結果、脂肪族ポリエステルと天然繊維との密着性・接着性が増し、従来の複合体と比して破断歪み及び強度の向上が見られる複合体を製造することが可能となる。
【0022】
また、請求項4記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に、セルロースアセテートにエステル側鎖長の長いジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を用いることで、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させ、これらの密着性及び接着性が改善されているため、より高強度なものとなり、過酷な使用条件等にも耐えうる複合体として用いることが可能である。
【0023】
さらに、請求項5記載の発明は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に用いると、脂肪族ポリエステルとの相溶性が極めて良好なものとなるため、当該脂肪族ポリエステルが改質し、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させることができ、且つ、脂肪族ポリエステルと天然繊維それぞれの水酸基と、当該相溶化剤に含まれる縮合体の分子内にある2つのイソシアナート基がそれぞれ反応するため、脂肪族ポリエステルと天然繊維との密着性・接着性がさらに増し、従来の複合体と比して破断歪み及び強度の向上が見られる複合体を製造することが可能となる。
【0024】
また、請求項6記載の発明は、天然繊維として、バナナ繊維、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維及び麻繊維のうち、少なくとも1つから選択されるものを利用することができるため、多様なニーズに応えることが可能となる。さらに、請求項7記載の発明のように、天然繊維に含まれるリグニンの一部を残す処理を行うことにより、残ったリグニンに起因する複合体の強度は維持させたまま、上記ジオール及びジカルボン酸からなる縮合体との接着性を向上させることができる。
【0025】
さらに、本発明に係る相溶化剤の製造方法によると、脂肪族ポリエステルとの相溶性が極めて良好な相溶化剤が得られるため、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶させる際に用いれば、脂肪族ポリエステルを改質させることによって、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させることが可能となるため、その結果、脂肪族ポリエステルと天然繊維との密着性・接着性が増し、従来の複合体と比して破断歪み及び強度の向上が見られる複合体を製造することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る複合体の製造方法によると、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させる際に、セルロースアセテートにエステル側鎖長の長いジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を用いることで、脂肪族ポリエステルと天然繊維との間の空隙を消滅させ、これらの密着性及び接着性が改善されているため、より高強度なものとなり、過酷な使用条件等にも耐えうる複合体として用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る相溶化剤の第1の実施形態における、相溶化剤の製造工程の概略を示した一例図である。
【図2】本発明に係る相溶化剤の第1の実施形態における、相溶化剤を用いて複合体を製造する工程の概略を示した一例図である。
【図3】本発明に係る相溶化剤の第2の実施形態における、相溶化剤を用いて製造した複合体の引張強度に関する試験結果を示した図である。
【図4】本発明に係る相溶化剤の第3の実施形態における、相溶化剤の製造工程の概略を示した一例図である。
【図5】本発明に係る複合体の製造に用いる縮合剤の概略を示した一例図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る相溶化剤の第1の実施形態について説明する。
本実施形態における相溶化剤は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる際に用いるもので、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むものとなっている。
【0029】
本実施形態においては、図1(a)に一例として示しているように、ジオールとして、石油由来原料である1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリブチレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートに導入することで、相溶化剤を得ている。
【0030】
具体的には、1,4−ブタンジオールとコハク酸をそれぞれ等モル量にて70℃〜180℃の温度条件下で、且つ、減圧状態にて反応させることでポリブチレンサクシネートを有する縮合体を得て、さらに、その縮合体とセルロースアセテートを70℃〜180℃の温度条件下で、且つ、減圧状態にて、ポリブチレンサクシネート分子内のカルボキシル基とセルロースアセテート分子内の水酸基とを反応させることによって、本実施形態における相溶化剤を得るという手法を採用している。
【0031】
上記によって得られる相溶化剤を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体を作製し、相溶化剤を用いずに作製した複合体との引張強度を比較するため、両者について引張試験を行った(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AG-10TD)。
【0032】
(複合体の作製)
まず、図2に一例として示すように、脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)、天然繊維は、バナナ繊維を用い、さらに、本実施形態における相溶化剤を添加し、それらをバッチ式混練機によって120℃〜200℃の温度条件下で10分間混練させ、その後、140℃〜220℃の温度条件下にて射出成形により、ダンベル型の複合体(ダンベル型試験片)を作製した。
【0033】
なお、相溶化剤を用いて作製する複合体は、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維とを併せて100として、それに対し、相溶化剤の添加量が0.5と1となるものをそれぞれ作製した。
【0034】
ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維の混合比率は、80:20となるようにしており、また、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部(例えば、繊維の表面)を除去するため、予め1〜20%水酸化ナトリウム水溶液3000ml中にバナナ繊維100gを入れ、2時間攪拌させた後、当該バナナ繊維を取り出し、洗浄水が中性付近になる程度まで、水洗処置を施し、さらに、所定の時間乾燥させたものを所定量利用した。なお、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部を除去するのは、リグニンを全て除去すると、複合体の強度が保たれなくなるためである。
【0035】
上記の工程により作製された複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体をそれぞれ、引張機械により引張させて計測した結果、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、相溶化剤を用いて作製した複合体の方が、引張強度が高いことが判明した。
【0036】
また、上記複合体の作製において、脂肪族ポリエステルとして、ポリブチレンサクシネートに代わり、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)を用いた場合も、同様の結果が表れたため、本発明に係る相溶化剤を用いることで、しかも、その添加量が多ければ多いほど、複合体の強度が向上することが明白なものとなった。
【0037】
なお、本実施形態では、バナナ繊維を用いたが、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維及び麻繊維のいずれか1つから選択した天然繊維を用いた場合にも同様の結果が出ることも分かっている。
【0038】
続いて、1,4−ブタンジオール3.42ml(39mmol)とコハク酸ジメチル5.22ml(39mmol)、そして、2−エチルヘキサン酸スズ130μlを70℃の温度条件下で、且つ、減圧下(750mmHg以下)にて8時間攪拌し、さらに、酢酸セルロース1gを加え、70℃の温度条件下で、且つ、減圧下(750mmHg以下)にて8時間攪拌し、その後、エタノールで洗浄することで得られた相溶化剤(セルロースエステル系相溶化剤)を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体を作製し、相溶化剤を用いずに作製した複合体との引張強度を比較するため、両者についても引張試験を行った(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AG-10TD)。
【0039】
(複合体の作製)
複合体の作製は、図2に一例として示す工程にて行った。なお、図2には、射出成形の温度条件が、140℃〜220℃とされているが、本実験では、130℃で行っている。脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)、天然繊維は、バナナ繊維を用い、さらに、上記得られた相溶化剤を添加し、それらをバッチ式混練機によって130℃の温度条件下で10分間混練させ、その後、130℃の温度条件下にて射出成形により、ダンベル型の複合体(ダンベル型試験片)を作製した。
【0040】
なお、相溶化剤を用いて作製する複合体は、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維とを併せて100として、それに対し、相溶化剤の添加量が1となるものをそれぞれ作製した。また、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維の混合比率は、80:20となるようにしている。
【0041】
そして、本実験においては、リグニンを除去しないバナナ繊維と、リグニンの一部を除去したバナナ繊維をそれぞれ用いている。なお、リグニンの除去は、予め1〜20%水酸化ナトリウム水溶液3000ml中にバナナ繊維100gを入れ、2時間攪拌させた後、当該バナナ繊維を取り出し、洗浄水が中性付近になる程度まで、水洗処置を施し、さらに、所定の時間乾燥させることにより行った。
【0042】
上記の工程により作製された複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体をそれぞれ、引張機械により引張させて計測した結果を以下に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
まず、リグニンを除去しないバナナ繊維を用いた場合(結果1)、相溶化剤を用いない複合体は、引張強度(MPa)が24のところ、相溶化剤を用いた複合体は、引張強度(MPa)が31と、明らかに強度が向上していることが読み取れる。また、リグニンを20%除去したバナナ繊維を用いた場合には(結果2)、相溶化剤を用いない複合体は、引張強度(MPa)が30のところ、相溶化剤を用いた複合体は、引張強度(MPa)が34と、やはり、強度が向上していることが読み取れる。つまり、相溶化剤を用いることで、引張強度が向上するということが証明できたわけである。また、リグニンを除去する方が、引張強度が向上するということも分かった。
【0045】
さらに、図1(b)に一例として示すように、ジオールとして、バイオ由来原料である1,3−プロパンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリプロピレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートに導入することで得る相溶化剤を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体の引張試験を行ったところ(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AD-10TD)、先の試験同様に、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、引張強度が高いことが判明した。
【0046】
なお、天然繊維は、バナナ繊維を用い、脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)又は、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)をそれぞれ用いたもので試験を行ったが、どちらも同様の結果を出すことが分かった。
【0047】
続いて、本発明における相溶化剤の第2の実施形態について説明する。
本実施形態における相溶化剤は、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体を含むものであり、脂肪族ポリエステルと天然繊維それぞれの水酸基と、イソシアナート基とをそれぞれ反応させることにより、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめるものである。
【0048】
上記の相溶化剤を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体を作製し、相溶化剤を用いずに作製した複合体との引張強度を比較するため、両者について引張試験を行った(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AG-10TD)。
【0049】
(複合体の作製)
まず、図2に一例として示す工程のように、肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)、天然繊維は、バナナ繊維を用い、さらに、本実施形態における相溶化剤を添加し、それらをバッチ式混練機によって120℃〜200℃(好ましくは、120℃〜170℃)の温度条件下で10分間混練させ、その後、140℃〜220℃(好ましくは、140℃〜170℃)の温度条件下にて射出成形により、ダンベル型の複合体(ダンベル型試験片)を作製した。
【0050】
なお、相溶化剤を用いて作製する複合体は、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維併せて100として、それに対し、相溶化剤の添加量が0.5と1となるものをそれぞれ作製した。
【0051】
ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維の混合比率は、80:20となるようにしており、また、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部(例えば、繊維の表面)を除去するため、予め1〜20%水酸化ナトリウム水溶液3000ml中にバナナ繊維100gを入れ、2時間攪拌させた後、当該バナナ繊維を取り出し、洗浄水が中性付近になる程度まで、水洗処置を施し、さらに、所定の時間乾燥させたものを所定量利用した。なお、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部を除去するのは、リグニンを全て除去すると、強度が保たれなくなるためである。
【0052】
上記の工程により作製された複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体をそれぞれ、引張機械により引張させて計測した結果を図3に示す。
図中、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)0%は、相溶化剤を用いずに作製した複合体の引張強度を示したもので、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維の混練時に添加するHMDIの量を多くすると、複合体の引張強度が向上していくことが分かる。
【0053】
また、上記複合体の作製において、脂肪族ポリエステルとして、ポリブチレンサクシネートに代わり、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)を用いた場合も、同様の結果が表れたため、本発明に係る相溶化剤を用いることで、しかも、その添加量が多ければ多いほど、複合体の強度が向上することが明白なものとなった。
【0054】
なお、本実施形態では、バナナ繊維を用いたが、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維及び麻繊維のいずれか1つから選択した天然繊維を用いた場合にも同様の結果が出ることも分かっている。
【0055】
なお、本引張試験においては、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体をヘキサメチレンジイソシアナートとしているが、例えば、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、L−リジンジイソシアナート等を代用しても、同様の結果が生じることが分かっている。
【0056】
続いて、本発明における相溶化剤の第3の実施形態について説明する。
本実施形態における相溶化剤は、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる際に用いるもので、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体によってセルロースアセテート上にジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むものとなっている。
【0057】
本実施形態においては、図4(a)に一例として示しているように、ジオールとして、石油由来原料である1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリブチレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートに分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体であるヘキサメチレンジイソシアナートを用いて導入させることで相溶化剤を得ている。
【0058】
具体的には、1,4−ブタンジオールとコハク酸をそれぞれ等モル量にて100℃〜180℃(好ましくは、100℃〜150℃)の温度条件下で、且つ、減圧状態(好ましくは、10mmHg〜60mmHg)で反応させ、ポリブチレンサクシネートを有する縮合体を得る。続いて、100℃〜180℃(好ましくは、100℃〜150℃)の温度条件下で、且つ、減圧状態(好ましくは、10mmHg〜60mmHg)にて、ヘキサメチレンジイソシアナートが分子内に有するイソシアナート基の一方をポリブチレンサクシネートの水酸基、そして、他方をセルロースアセテートの水酸基に反応させることによって、本実施形態における相溶化剤を得るという手法を採用している。
【0059】
上記によって得られる相溶化剤を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体を作製し、相溶化剤を用いずに作製した複合体との引張強度を比較するため、両者について引張試験を行った(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AG-10TD)。
【0060】
(複合体の作製)
まず、図2に一例として示す工程のように、肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)、天然繊維は、バナナ繊維を用い、さらに、本実施形態における相溶化剤を添加し、それらをバッチ式混練機によって120℃〜200℃(好ましくは、120℃〜170℃)の温度条件下で10分間混練させ、その後、140℃〜220℃(好ましくは、140℃〜170℃)の温度条件下にて射出成形により、ダンベル型の複合体(ダンベル型試験片)を作製した。
【0061】
なお、相溶化剤を用いて作製する複合体は、ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維併せて100として、それに対し、相溶化剤の添加量が0.5と1となるものをそれぞれ作製した。
【0062】
ポリブチレンサクシネートとバナナ繊維の混合比率は、80:20となるようにしており、また、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部(例えば、繊維の表面)を除去するため、予め1〜20%水酸化ナトリウム水溶液3000ml中にバナナ繊維100gを入れ、2時間攪拌させた後、当該バナナ繊維を取り出し、洗浄水が中性付近になる程度まで、水洗処置を施し、さらに、所定の時間乾燥させたものを所定量利用した。なお、バナナ繊維に含まれるリグニンの一部を除去するのは、リグニンを全て除去すると、強度が保たれなくなるためである。
【0063】
上記の工程により作製された複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体をそれぞれ、引張機械により引張させて計測した結果、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、相溶化剤を用いて作製した複合体の方が、引張強度が高いことが判明した。
【0064】
また、上記複合体の作製において、脂肪族ポリエステルとして、ポリブチレンサクシネートに代わり、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)を用いた場合も、同様の結果が表れたため、本発明に係る相溶化剤を用いることで、しかも、その添加量が多ければ多いほど、複合体の強度が向上することが明白なものとなった。
【0065】
なお、本実施形態では、バナナ繊維を用いたが、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維及び麻繊維のいずれか1つから選択した天然繊維を用いた場合にも同様の結果が出ることも分かっている。
【0066】
さらに、図4(b)に一例として示すように、ジオールとして、バイオ由来原料である1,3−プロパンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリプロピレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートにヘキサメチレンジイソシアナートを用いて導入することで得る相溶化剤によって、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを混練させてなる複合体の引張試験を行ったところ(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AD-10TD)、先の試験同様に、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、引張強度が高いことが判明した。
【0067】
なお、天然繊維は、バナナ繊維を用い、脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)又は、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)をそれぞれ用いたもので試験を行ったが、どちらも同様の結果を出すことが分かった。
【0068】
また、本実施形態では、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体をヘキサメチレンジイソシアナートとしているが、例えば、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、L−リジンジイソシアナート等を代用しても、同様の結果が生じることが分かっている。
【0069】
次に、本発明に係る複合体の製造の際に用いる縮合剤について説明する。
本発明に係る複合体は、図5(a)に一例として示すように、ジオールとして、石油由来原料である1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリブチレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートに導入することで得られる相溶化剤と、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体であるヘキサメチレンジイソシアナートを含む相溶化剤とを混ぜ合わせることによりなる縮合剤を得ている。そして、この縮合剤によって、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめて複合体を得ることができる。
【0070】
本発明に係る複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体との引張強度を比較するため、両者について引張試験を行った(使用機材:島津製作所製AUTOGRAPH AG-10TD)。なお、複合体(ダンベル型試験片)の作製は、本発明に係る相溶化剤の第1の実施形態における試験で用いた製造方法により行った。
【0071】
本発明に係る複合体と、相溶化剤を用いずに作製した複合体をそれぞれ、引張機械により引張させて計測した結果、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、本発明に係る複合体の方が、引張強度が高いことが判明した。
【0072】
また、上記複合体の作製において、脂肪族ポリエステルとして、ポリブチレンサクシネートに代わり、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)を用いた場合も、同様の結果が表れた。
【0073】
なお、本実施形態では、バナナ繊維を用いたが、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維及び麻繊維のいずれか1つから選択した天然繊維を用いた場合にも同様の結果が出ることも分かっている。
【0074】
さらに、図5(b)に一例として示すように、ジオールとして、バイオ由来原料である1,3−プロパンジオール、ジカルボン酸として、コハク酸を用い、これらを組み合わせて得られるポリプロピレンサクシネートを有する縮合体をグラフト側鎖として、主鎖としてのセルロースアセテートに導入することで得られる相溶化剤と、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体であるヘキサメチレンジイソシアナートを含む相溶化剤とを混ぜ合わせることによりなる縮合剤を得ることができる。また、この縮合剤を用いて、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめてなる複合体の引張試験を行ったところ(使用機
材:島津製作所製AUTOGRAPH AD-10TD)、先の試験同様に、相溶化剤を用いずに作製された複合体よりも、引張強度が高いことが判明した。
【0075】
なお、天然繊維は、バナナ繊維を用い、脂肪族ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ#1020)又は、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製PLACCEL H7)をそれぞれ用いたもので試験を行ったが、どちらも同様の結果を出すことが分かった。
【0076】
また、本実施形態では、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体をヘキサメチレンジイソシアナートとしているが、例えば、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、L−リジンジイソシアナート等を代用しても、同様の結果が生じることが分かっている。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶させてなるより高強度な複合体を得ることができるため、多様なニーズに対応するに有用である。また、天然繊維を用いるため、従来から廃棄処分となっていたものを利用することができるため、低コスト化や、国内外における新たな産業の創出、並びに、天然繊維を多く産出可能なアフリカや中南米諸国等の発展途上国における農家の社会的地位向上にも一役を買うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤において、当該相溶化剤は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含むことを特徴とする相溶化剤。
【請求項2】
脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤において、当該相溶化剤は、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体を含むことを特徴とする相溶化剤。
【請求項3】
前記化合物は、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体により、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなるものであることを特徴とする請求項1記載の相溶化剤。
【請求項4】
脂肪族ポリエステルと天然繊維からなる複合体であって、当該複合体は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤により相溶せしめてなるものであることを特徴とする複合体。
【請求項5】
脂肪族ポリエステルと天然繊維からなる複合体であって、当該複合体は、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤と、分子内に2つのイソシアナート基を有する縮合体を含む相溶化剤とを含む縮合剤により相溶せしめてなるものであることを特徴とする複合体。
【請求項6】
前記天然繊維は、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維、バナナ繊維及び麻繊維のうち、少なくとも1つから選択されるものであることを特徴とする請求項4又は5記載の複合体。
【請求項7】
前記天然繊維は、当該天然繊維に含まれるリグニン成分の一部が除去されたものであることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項記載の複合体。
【請求項8】
脂肪族ポリエステルと天然繊維とを相溶せしめる相溶化剤の製造方法であって、
ジオール及びジカルボン酸を等モル量にて70〜180℃の温度条件下で、且つ減圧状態にて反応させることによりジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を得る工程と、
続いて、前記ジオール及びジカルボン酸からなる縮合体とセルロースアセテートを70〜180℃の温度条件下で、且つ減圧状態にて反応させる工程と、
を含むことを特徴とする相溶化剤の製造方法。
【請求項9】
脂肪族ポリエステルと天然繊維を混練させてなる複合体の製造方法であって、
前記脂肪族ポリエステルと前記天然繊維を120℃〜200℃の温度条件下で混練させる際に、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を添加することを特徴とする複合体の製造方法。
【請求項10】
脂肪族ポリエステルと天然繊維を混練させてなる複合体の製造方法であって、
前記天然繊維に含まれるリグニンの一部を除去するアルカリ処理を行う工程と、
前記アルカリ処理によってリグニンの一部が除去された天然繊維と前記脂肪族ポリエステルを120℃〜200℃の温度条件下で混練させる際に、セルロースアセテートにジオール及びジカルボン酸からなる縮合体を導入させてなる化合物を含む相溶化剤を添加する工程と、
を含むことを特徴とする複合体の製造方法。
【請求項11】
前記天然繊維は、ケナフ繊維、竹繊維、さとうきび繊維、とうもろこし繊維、バナナ繊維及び麻繊維のうち、少なくとも1つから選択されるものであることを特徴とする請求項9又は10記載の複合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32517(P2013−32517A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151440(P2012−151440)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】