省エネアドバイス装置
【課題】省エネ行動を実施する順番を判明させることができ、容易かつ効果的に省エネを行うことが可能な省エネアドバイス装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値(例えば、基準値データ8a)とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(例えば、制御部2および比較判定プログラム7b)と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(例えば、制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備える省エネアドバイス装置1。これにより、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。
【解決手段】複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値(例えば、基準値データ8a)とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(例えば、制御部2および比較判定プログラム7b)と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(例えば、制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備える省エネアドバイス装置1。これにより、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物内における複数の分岐回路別のエネルギー消費量について省エネアドバイスを行うための省エネアドバイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギー消費者(居住者)のエネルギー消費パターンデータに基づいて、省エネ行動を促進する指針を提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のような技術によれば、所定の出力端末から、随時、現時点における目標達成に必要な省エネ行動の候補とその候補を実施した場合の省エネ効果値とを確認することができ、どのような省エネ行動を実施すれば、どれだけの省エネ効果を得ることができるのかが判明することになり、効果的な省エネ行動を促進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、目標達成に必要な省エネ行動の候補が多数あると、どの省エネ行動から実施すればよいのかが分かりにくいという問題がある。省エネ行動の優先順位が分からないために、例えば省エネ効果値のより高い省エネ行動を優先して実施してしまうと、猛暑日の昼間に冷房を停止してしまったり、入りたい時間に入浴できなかったり等、生活の快適性を損なう場合もある。
そこで、分電盤から分岐するとともにエネルギーを消費する機器が接続された分岐回路のうち、どの分岐回路を優先的に省エネすべきかが分かるような技術の開発が望まれている。
【0005】
本発明の課題は、省エネ行動を実施する順番を判明させることができ、容易かつ効果的に省エネを行うことが可能な省エネアドバイス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、省エネアドバイス装置1であって、例えば図1〜図14に示すように、分電盤20から分岐する複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値(例えば、基準値データ8a)とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(例えば、制御部2および比較判定プログラム7b)と、
基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(例えば、制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるので、電力の省エネだけを行うのではなく、ガスおよび水道の省エネを行うこともでき、建物全体の省エネ効果を高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されているので、居住者に対して、過大にエネルギーを消費している分岐回路だけを省エネの対象と認識させることができる。これによって、より容易かつ効果的に省エネすることができるとともに、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記複数の分岐回路21〜36の過去のエネルギー消費量が記憶されており、
前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされているので、居住者の生活に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量(例えば、標準値データ8d)に基づいて設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定されているので、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量の程度を、標準値に照合して判定できることとなる。これによって、分岐回路21〜36別の標準的なエネルギー消費量を知ることができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促すことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されているので、前記建物が建築される地域の生活環境に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者に対して、省エネ意識の深化を促しながら、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段(例えば、制御部2および基準値変更プログラム7e)を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えているので、居住者の生活に見合った基準値となるように、居住者の任意で基準値の数値を変更することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されているので、居住者に対して、基準値が高くなりすぎないように注意喚起することができ、省エネ効果の低下を確実に防ぐことができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段(例えば、制御部2および出力手段3、表示プログラム7a)を備えていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えているので、前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別の基準値とを確実に認識できるとともに容易に比較できる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図10に示すように、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されているので、警告が表示されたことを確実に認識することができるので、速やかに省エネ行動を実施することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、分電盤から分岐する複数の分岐回路別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る省エネアドバイス装置の一例を示すもので、その概略構成を示す図である。
【図2】同、分岐回路の配置の概略構成を示す図である。
【図3】同、省エネアドアイス装置とガスメーターとの接続状態の概略構成を示す図である。
【図4】同、省エネアドアイス装置と流量センサーとの接続状態の概略構成を示す図である。
【図5】省エネアドバイスの流れを示すフローチャートである。
【図6】表示モニタに表示される期間別エネルギー消費量画面の一例を示す概略図である。
【図7】表示モニタに表示される分岐回路別エネルギー消費量画面の一例を示す概略図である。
【図8】表示モニタに表示される比較判定結果画面の一例を示す概略図である。
【図9】表示モニタに表示される比較判定結果画面の一例を示す概略図である。
【図10】表示モニタに表示される警告画面の一例を示す概略図である。
【図11】表示モニタに表示されるアドバイスモード選択画面の一例を示す概略図である。
【図12】アドバイスデータの概要を示す図である。
【図13】表示モニタに表示される省エネアドバイス画面の一例を示す概略図である。
【図14】表示モニタに表示される基準値設定画面の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る省エネアドバイス装置の一例を示すもので、その概略構成を示す図である。
図1において符号1は、省エネアドバイス装置を示す。この省エネアドバイス装置1は、出力手段3である表示モニタと、操作者が該装置1を操作するための諸情報を入力するための入力手段4と、各種プログラムを実行して各種の機能を制御する制御部2と、各種プログラムや各種データを記憶するための記憶手段6、居住者の外出を認識する外出認識手段5とを具備している。
これら制御部2、出力手段3、入力手段4、外出認識手段5、記憶手段6とは、バス9を介してそれぞれ接続されている。また、前記出力手段3である表示モニタと、操作部である入力手段4とは、図6〜図11,図13および図14に示すように、隣り合うようにして筺体の表面に設けられており、前記制御部2と、外出認識手段5と、記憶手段6とは筺体内に設けられている。
【0029】
また、この省エネアドバイス装置1は、前記制御部2によって各種プログラムを実行することによって、省エネを促進するための各種手段を行えるように構成されている。
そして、本実施の形態の省エネアドバイス装置1は、図1〜図4に示すように、分電盤20から分岐する複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(制御部2および比較判定プログラム7b)と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備えている。
【0030】
本実施の形態の出力手段3は、上述のように表示モニタとされているが、これに限られるものではない。
すなわち、例えば、音声によって諸情報を出力するものでもよいし、表示モニタ3と音声とを組み合わせてもよいし、家庭にあるテレビを出力手段として利用してもよいし、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の出力手段で諸情報を出力できるようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0031】
前記入力手段4は、前記表示モニタ3に隣接して設けられる操作部を指している。この入力手段4である操作部では、「切替」キーを押すことによって表示モニタ3の画面を切り替えたり、「メニュー」キーを押すことによってメニュー画面を表示モニタ3に表示させたり、方向キーを押すことによってカーソルを上下左右に動かしたり、「決定」キー押すことによって各種プログラムを実行したり、「戻る」キーによって画面を前の表示画面に戻したり、「TOP」キーを押すことによってトップメニュー画面を表示することができるようになっている。
【0032】
ここで、本実施の形態の省エネアドバイス装置1は、図2〜図4に示すように、通信ケーブル等の通信手段によって、複数の分岐回路21〜36が設けられるとともに該複数の分岐回路21〜36別の電力の消費量を計測する電力計測手段37を有する分電盤20と、ガスの消費量を計測するガスメーター38と、水の流量を計測する流量センサー39…とにそれぞれ接続されている。
【0033】
電力消費量の判定結果を表示するため、前記省エネアドバイス装置1は、図2に示すように、前記分電盤20に搭載されるとともに前記複数の分岐回路21〜36ごとの電力消費量を計測する電力計測手段37に接続されている。この分電盤20は、幹線20aからの配線を分岐するものである。
なお、前記複数の分岐回路21〜36は、コンセント回路や照明回路等の一般回路と、接続される機器の電力消費量に基づいて一般回路と区別される専用回路とに区分されている。この専用回路には、200ボルト専用回路が必要なエアコンや、1KW以上の電子レンジ等が接続される。
【0034】
また、このような一般回路と専用回路とに区分された各分岐回路21〜36の電力消費量の計測結果は、前記記憶手段6のプログラム記憶部7に格納された表示プログラム7aを実行することによって、期間別・分岐回路別・エネルギー種類別に表示可能となっている。
すなわち、前記複数の分岐回路21〜36は、図2に示すように、住宅内の所定のエリアに分けて配置されている。なお、これら複数の分岐回路21〜36が配置される住宅は、本実施の形態では2階建ての戸建て住宅が採用されており、1階には、リビングと、このリビングに隣接するダイニングと、このダイニングに隣接するキッチンと、住宅内と屋外とを連通する玄関と、浴室、洗面所、トイレからなる1階水周り室とが配設されている。1階と2階との間には階段が配置されており、2階には、階段の降り口付近のホールと、主寝室、子供部屋等の2階部屋が3つと、洗面所、トイレからなる2階水周り室とが配設されている。
【0035】
そして、分岐回路21は、リビングに配置されたコンセント回路であり、分岐回路22は、ダイニングに配置されたコンセント回路であり、分岐回路23は、リビング・ダイニング用のエアコンが接続される専用回路である。これら分岐回路21,22,23は、リビングエリアとしてエリア分けされている。
【0036】
また、分岐回路24は、キッチンに配置されたコンセント回路であり、冷蔵庫が接続されており、本実施の形態では第1キッチンと称する。分岐回路25は、キッチンに配置されたコンセント回路であり、本実施の形態では第2キッチンと称する。分岐回路26は、キッチンに配置された専用回路であり、大型の電子レンジが接続されている。これら分岐回路24,25,26は、キッチンエリアとしてエリア分けされている。
【0037】
また、分岐回路27は、玄関や水周り室に配置されたコンセント回路であり、分岐回路28は、トイレに配置された専用回路であり、洗浄便座が接続されている。これら分岐回路27,28は、1階水周りエリアとしてエリア分けされている。
また、分岐回路29は、1階の照明機器が接続される照明回路である。照明機器は、リビング、ダイニング、キッチン、玄関、水周り室に取り付けられており、その他に、屋外灯も用いられている。
【0038】
また、分岐回路30は、主寝室、子供部屋等の3つの2階部屋に配置されたコンセント回路であり、分岐回路31は、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第1エアコン)。分岐回路32も、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第2エアコン)。同じく、分岐回路33も、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第3エアコン)。
これら分岐回路30,31,32,33は、2階部屋エリアとしてエリア分けされている。
【0039】
また、分岐回路34は、階段、ホール、水周り室に配置されたコンセント回路であり、分岐回路35は、トイレに配置された専用回路であり、洗浄便座が接続されている。これら分岐回路34,35は、2階水周りエリアとしてエリア分けされている。
また、分岐回路36は、2階の照明機器が接続される照明回路である。照明機器は、3つの2階部屋、水周り室、階段、ホールに取り付けられている。
【0040】
さらに、前記リビングエリア21,22,23、キッチンエリア24,25,26、1階水周りエリア27,28、1階照明用の分岐回路29は、1階エリアとしてエリア分けされており、前記2階部屋エリア30,31,32,33、2階水周りエリア34,35、2階照明用の分岐回路36は、2階エリアとしてエリア分けされている。
【0041】
したがって、前記省エネアドバイス装置1は、分電盤20に搭載されるとともに該分電盤20から分岐された複数の分岐回路21〜36ごとの電力消費量を計測する電力計測手段37に接続されているので、前記表示モニタ3によって各分岐回路21〜36の電力消費量をそれぞれ表示することができ、住宅内の電力消費量を分岐回路21〜36別に詳細に把握できる。
また、前記表示プログラム7aに基づいて、住宅内の電力消費量の計測結果を分岐回路別はもちろんのこと、エリア別・住宅全体にも分類して表示可能となっている。
なお、分岐回路の数は適宜変更可能であることは言うまでもなく、どのように配置するかも適宜変更可能である。
【0042】
また、前記省エネアドバイス装置1は、ガス消費量を表示するため、図1および図3に示すように、住宅全体のガス消費量を計測するガスメーター38に接続されており、前記表示プログラム7aは、ガス消費量の計測結果を表示可能に構成されている。
【0043】
前記ガスメーター38は、ガス消費量に伴ってパルス信号を出力するパルス出力付ガスメーターであり、このガスメーター38と前記省エネアドバイス装置1との間には、単位時間当たりのパルス数をカウントするパルスカウンター38aが設けられている。
そして、前記省エネアドバイス装置1に備えられた演算手段(図示せず)により、このパルスカウンター38aから出力されたパルスカウント値を基にガス消費量を演算し、計測結果を表示モニタ3に表示できるようになっている。
【0044】
なお、本実施の形態においては、ガス消費量を計測するにあたって前記省エネアドバイス装置1をガスメーター38に接続したが、これに限られるものではなく、例えば住宅内の所定箇所に複数配管されたガス管のそれぞれに流量センサーを取り付け、これら流量センサーと前記省エネアドバイス装置1とを接続するようにしてもよい。
この時、これら流量センサーにはパルス信号を出力するパルス出力機能を有するものを採用することが好ましい。
【0045】
また、前記省エネアドバイス装置1は、水道消費量の計測結果を表示するために、図1および図4に示すように、住宅内の所定箇所に複数配管された水道管を流れる水の流量を測定する複数の流量センサー39…にそれぞれ接続されており、前記表示プログラム7aは、水道消費量の計測結果を、流量センサー39…別・住宅全体に分類して表示可能に構成されている。
【0046】
前記流量センサー39…は、水道消費量に伴ってパルス信号を出力するパルス出力付センサーであり、これら流量センサー39…と前記省エネアドバイス装置1との間には、単位時間当たりのパルス数をカウントするパルスカウンター39aが設けられている。
そして、前記省エネアドバイス装置1に備えられた演算手段(図示せず)により、このパルスカウンター39aから出力されたパルスカウント値を基に水道消費量を演算し、計測結果を表示モニタ3に表示できるようになっている。
【0047】
なお、本実施の形態においては、水道消費量を判定するにあたって前記省エネアドバイス装置1を複数の流量センサー39…に接続したが、これに限られるものではなく、住宅全体の水道使用量を測定する水道メーター(図示せず)に接続するようにしてもよい。
この時、この水道メーターにはパルス信号を出力するパルス出力機能を有するものを採用することが好ましい。
【0048】
以上のように、本実施の形態において、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるものとする。なお、これに加えて、太陽光発電や家庭用燃料電池等による発電エネルギーを含むものとしてもよい。
すなわち、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機や、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等は、電力とともにガスや水道、発電エネルギーを使用する仕組みとなっており、本実施の形態の住宅には、これら自然冷媒ヒートポンプ給湯機、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等のように、電力とともにガスや水道、または発電エネルギーが連携して使用される機器が採用されているものとする。
また、どの分岐回路に、どのような機器が接続されるかは、予め前記記憶手段6に記憶させておくようにする。
なお、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーが発電エネルギーを含んでいる場合は、単に発電エネルギーの消費量だけを考慮するのではなく、そのコストやCO2排出量を考慮した演算方法が採用される。
【0049】
前記外出認識手段5は、居住者が外出する際に、この外出認識手段5を介して居住者の外出を前記制御部2に認識させるためのものである。この外出認識手段5としては、例えば、筐体の外側に設けられる押ボタン式で、ボタンの「入」「切」で前記制御部2に外出を認識させるものや、表示モニタ3に外出認識のためのメニューとして表示し、操作部である入力手段4の操作によって前記制御部2に外出を認識させるようにしたものでもよい。本実施の形態においては後者を採用しているものとする。
そして、制御部2は、居住者の外出を認識した時に表示プログラムを実行し、現在のエネルギー消費量を表示モニタ3に表示し、エネルギー消費状況を居住者に知らせることができる。この時、予め、外出時用のエネルギー消費量の基準値を設定しておき、この外出用基準値と、外出時現在のエネルギー消費量とを比較し、過大なエネルギー消費の有無を確認できるようにしても良い。
なお、外出用の基準値とは、外出時には消費を完全に停止したいエネルギーや、消費を抑えた状態にしたいエネルギーや、消費を維持継続した状態を保持したいエネルギーを考慮したものである。例えば、外出時において、キッチンのガスや水道は完全に消費を停止したい、冷蔵庫や防犯装置は消費を維持継続した状態保持したい等の居住者の生活事情を考慮している。
このように外出認識手段5を備えることによって、外出時にも省エネを促進できるので好ましい。
【0050】
また、前記記憶手段6は、図1に示すように、前記制御部2の制御によって実行される各種プログラムが格納されるプログラム記憶部7と、これら各種プログラムを実行するために必要な各種データが格納されるデータ記憶部8とを有している。
【0051】
前記プログラム記憶部7には、前記表示モニタ3に諸情報を表示するための前記表示プログラム7aと、計測された分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と該分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とを比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定するための比較判定プログラム7bと、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うためのアドバイスプログラム7cと、例えば前記基準値を、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とする場合に該基準値を過去のデータから算出するための基準値算出プログラム7dと、例えば前記基準値の数値を変更するための基準値変更プログラム7eとが格納されている。
なお、このプログラム記憶部7に格納されるプログラムは、上述したものだけに限られるものではなく、適宜追加可能である。
【0052】
前記データ記憶部8には、エネルギー消費量と比較される基準値がデータ化された基準値データ8aと、前記アドバイスプログラム7cに基づいて表示モニタ3に表示される省エネアドバイスの用例となるアドバイスデータ8bと、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の過去データ8cと、例えば前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合の標準値データ8dとが格納されている。
なお、前記標準値データ8dは、複数の地域別に分類されており、前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合には、建物が建築される地域ごとに、適宜、標準値データ8dを決定する。
【0053】
基準値データ8aは、複数の分岐回路21〜36別に設定されており、本実施の形態においては、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値を算出することによって生成されている。なお、エネルギー消費量の過去のデータは、上述のように、過去データ8cとして前記記憶手段6のデータ記憶部8に格納されており、日常的にデータを蓄積している。
また、エネルギー消費量の過去データ8cから基準値を算出する際は、前記プログラム記憶部7に格納された基準値算出プログラム7dを実行することによって算出している。すなわち、この基準値算出プログラム7dは演算装置として機能しており、多数の過去データ8cから基準値を算出できる。
【0054】
また、このエネルギー消費量の過去データ8cから算出した平均値のデータを元に、居住者が任意に数値を変更して、基準値の数値を変更してもよい。基準値の数値を変更する際は、前記プログラム記憶部7に格納された基準値変更プログラム7eを実行する。
この基準値変更プログラム7eは、前記表示プログラム7aと連動して表示モニタ3上に平均値データを表示するとともに、表示モニタ3上に、該平均値データの数値に任意の数値を加算・減算または直接入力可能な画面構成を構築するものである。
【0055】
また、このように基準値の数値を増減する際は、際限なく数値を増減させてしまうと好ましくないため、この基準値変更プログラム7eは、基準値の推奨上限値をアドバイスできるように構成されている。
この推奨上限値は、図14に示すように、「最大電力」・「中間電力」・「最小電力」の3種類に分けられており、居住者は、3種類の推奨上限値のうち、いずれか1つを選択できるようになっている。
「最大電力」は、例えば、過去7日間における電力消費量の各日最大値のうちの最大値に基づいて設定されている。
「最小電力」は、例えば、過去7日間における電力消費量の各日最小値のうちの最大値に基づいて設定されている。
「中間電力」は、「最大電力」と「最小電力」との中間値に基づいて設定されている。
【0056】
また、前記基準値は、上述のように、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定してもよい。この時、基準値は、前記標準値データ8dに基づいて決定される。また、この標準値データ8dは複数の地域別に分類されているため、基準値を決定する際は、建物が建築される地域の標準値データ8dに基づいて決定される。
なお、この標準値データ8dは、省エネアドバイス装置1に備えられる図示しない通信装置によって、データを更新できるようにしてもよい。
【0057】
なお、上述のように本実施の形態の基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値を算出するものとしたが、これに限られるものではなく、前記基準値変更プログラム7eを実行して数値を変更した基準値としてもよいし、推奨上限値を採用した基準値としてもよいし、前記標準値データ8dに基づいて決定された基準値としてもよい。
また、この基準値は、少なくとも、前記比較判定手段によって、計測されたエネルギー消費量と基準値とを比較する前に予め居住者が選択しておけばよい。
【0058】
前記表示プログラム7aは、前記表示モニタ3に、省エネを促進するための諸情報を表示することができる。
具体的には、図示はしないが、現在値として、住宅内全体のエネルギー消費量を種類別(電力・ガス・水道)に表示できるとともに、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示することができる。さらに、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示することができる。
また、前記外出認識手段5と連動して、上述のように外出時現在のエネルギー消費状況を表示することができる。
【0059】
また、累積値として、図6に示すように、住宅内全体の期間別(日間・週間・月間・年間)エネルギー消費量を表示することができる。図6に示す表示モニタ3の画面は、日間のエネルギー消費量であり、日間の場合は、AM(午前)・PM(午後)・24H(24時間)に分類して表示できるようになっている。図6では、AM(午前)の場合のエネルギー消費量が表示されている。
【0060】
また、累積値として、図7に示すように、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示することができる。図7に示す表示モニタ3の画面では、日間(AM)でのリビング(分岐回路21)のエネルギー消費量を示している。
【0061】
また、比較判定結果として、図8に示すように、住宅内全体の期間別(日間・週間・月間・年間)エネルギー消費量と、基準値とを隣り合うようにして表示することができる。
図8に示す表示モニタ3の画面では、月間での住宅内全体のエネルギー消費量および月間の基準値とが表示されている。
【0062】
また、比較判定結果として、図9に示すように、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とを隣り合うようにして表示することができる。さらに、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とは、期間別(日間・週間・月間・年間)にも表示できる。
図9に示す表示モニタ3の画面では、月間での、分岐回路21(リビングエリア)の種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とが表示されている。
【0063】
また、図10に示すように、表示モニタ3には、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示することができる。
なお、この警告表示は、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量と基準値とを比較判定した後だけでなく、現在値としてエネルギー消費量を表示モニタ3に表示する際に、分岐回路21〜36のエネルギー消費量が過大である場合にも表示できるように設定してもよい。
【0064】
また、図11に示すように、表示モニタ3には、アドバイスモード選択画面を表示することができる。このアドバイスモード選択画面は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36に対して行う省エネアドバイスの形式を複数表示し、これら複数の形式を選択可能に構成したものである。
これら複数の形式は、表示モニタ3の画面上で、選択ボタンとして構成されており、居住者は、入力手段4の操作により、複数の形式のうちいずれか1つを選択できるようになっている。
これら複数の形式は、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」とからなる。
【0065】
「消費量削減モード」は、本実施の形態における標準仕様のモードであり、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、単純に、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で、消費量の削減に向けたアドバイスを、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0066】
「消費量増加抑制モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量の増加が大きい順番で、増加抑制に向けたアドバイスを表示モニタ3上に表示するモードである。
【0067】
「コスト削減モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギーコストが大きい順番で、コスト削減に向けたアドバイスを表示モニタ3上に表示するモードである。
【0068】
「利用時間帯によるコスト削減モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36を、日間データにおける時間帯別電力料金を加味した分岐回路別のコスト削減アドバイスを、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0069】
「一般的アドバイスモード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36に接続された機器の適切な使用方法や、省エネに向けたヒント等をアドバイスとして、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0070】
なお、本実施の形態においては、複数のモードを用意したが、これら複数のモードを統合したものを表示できるようにしてもよい。
また、表示プログラム7aの設定次第で、モード選択画面を表示せずに、自動的に、標準仕様の「消費量削減モード」へと移行できるようにしてもよい。同じく、「消費量削減モード」以外の他のモードへ自動的に移行できるように設定してもよい。
【0071】
また、以上のような省エネアドバイスの具体例として、例えば図12に示すようなものがある。このような省エネアドバイスの具体例は、アドバイスデータ8bとして前記データ記憶部8に格納されており、前記複数のモードの選択に対応する省エネアドバイスを、表示モニタ3上に表示することができる。
【0072】
また、図13に示すように、前記表示モニタ3には、省エネアドバイスを表示することができる。この画面では、エネルギー消費量が多い順で並べられた分岐回路を適宜選択することによって当該分岐回路に対する省エネアドバイスを表示できるようになっている。
この図13では、例えば、分岐回路21のリビングエリア向けの省エネアドバイスが表示されている。
【0073】
なお、本実施の形態の表示プログラム7aは、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量が基準値よりも過大である場合には、上述のように警告を表示したり、省エネアドバイスを表示したりするが、過大ではない場合には、警告は表示されないのはもちろんのこと、省エネアドバイスも表示されないように設定されている。
【0074】
また、表示モニタ3には、図6〜図10,図14に示すように、表示画面に表示されている情報が、日間・週間・月間・年間のうち、どの期間に基づく情報なのかを判別するための期間判別部3aが表示されている。この期間判別部3aの「●」カーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、「●」カーソルを移動させることによって、期間別の表示を、日間・週間・月間・年間のいずれかに切り替えることができる。
なお、日間の場合は、さらに表示を、AM(午前)・PM(午後)・24H(24時間)のいずれかに切り替えることができる。
【0075】
また、表示モニタ3には、図6〜図10に示すように、表示画面に表示されている情報が、電力・ガス・水道のうち、いずれの種類のエネルギーに係る情報なのかを判別するためのエネルギー種類判別部3bが表示されている。このエネルギー種類判別部3bのアイコンを囲むカーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、カーソルを移動させることによって、エネルギー種類別の表示を、電力・ガス・水道のいずれかに切り替えることができる。
【0076】
また、表示モニタ3には、図6〜図9に示すように、計測されたエネルギー消費量を確認するための消費量表示部3cが表示されている。
この消費量表示部3cでは、計測されたエネルギー消費量だけでなく、消費されたエネルギーの料金も表示できるようになっている。さらに、図示はしないが、これらエネルギー消費量および料金とともに、消費されたエネルギーのCO2排出量も表示できるようにしてもよい。さらに、住宅全体のエネルギー消費量に対する当該分岐回路のエネルギー消費量の割合や、住宅全体のエネルギーコストに対する当該分岐回路のエネルギーコストの割合を表示することもできる。
【0077】
また、表示モニタ3には、図8および図9に示すように、計測されたエネルギー消費量と比較される基準値が表示される基準値表示部3dが表示されている。
エネルギー消費量の比較判定プログラムが実行された際には、消費量表示部3cと隣接するようにして表示され、居住者が、計測されたエネルギー消費量の数値と基準値の数値とを見比べて確認できるようになっている。
【0078】
また、表示モニタ3には、図7および図9に示すように、複数の分岐回路21〜36の一覧が表示される分岐回路表示部3eが表示されている。この分岐回路表示部3eの「■」カーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、「■」カーソルを移動させることによって、消費量表示部3cでの分岐回路21〜36別の表示を切り替えることができる。
なお、図9に示す分岐回路表示部3eでは、リビング・エアコン・第1キッチン・1階照明・第1エアコンの項目が、「四角枠」で囲まれた表示となっているが、これら四角枠で囲まれた分岐回路21,23,24,29,31は、比較判定の結果、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路を指している。
【0079】
また、表示モニタ3には、図6および図7に示すように、住宅内全体の期間別エネルギー消費量や、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示する画面から、図8および図9に示すような比較判定結果を表示する画面へと切り替えるための比較判定結果表示切替ボタン3fが表示されている。
この比較判定結果表示切替ボタン3fは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。
【0080】
また、表示モニタ3には、図9に示すように、複数の分岐回路21〜36の表示を並べ替えるための並べ替えボタン3gが表示されている。すなわち、この並べ替えボタン3gは、前記表示プログラム7aと連動しており、表示モニタ3に表示される画面を適宜切り換えることができるものである。この並べ替えボタン3gは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。
なお、この並べ替えボタン3gによる並べ替えで表示できる画面としては、上述のような住宅全体のエネルギー消費量に対する当該分岐回路のエネルギー消費量の割合や、住宅全体のエネルギーコストに対する当該分岐回路のエネルギーコストの割合を表示できるようになっている。
【0081】
また、表示モニタ3には、図10に示すように、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示する警告表示部3hが表示されている。
なお、この警告表示部3hに表示される警告内容は、少なくとも、どの分岐回路が、どれだけエネルギー消費量が過大であるかという情報が含まれている。また、このように警告表示部3hが表示された後は、自動的に前記アドバイスモード選択画面へと移行する。
【0082】
また、図11に示すアドバイスモード選択画面には、上述のように、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」を選択するための選択ボタンが表示されている。
すなわち、消費量削減モード選択ボタン3iと、消費量増加抑制モード選択ボタン3jと、コスト削減モード選択ボタン3kと、利用時間帯によるコスト削減モード選択ボタン3lと、一般的アドバイスモード選択ボタン3mとが表示されている。
これら各選択ボタン3i,3j,3k,3l,3mは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。そして、それぞれの選択ボタンを押すことによって、それぞれのモードに対応した省エネアドバイス表示画面へと画面を移行させることができる。
【0083】
また、表示モニタ3には、図13に示すように、省エネアドバイスの対象とされ、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路の順位および当該分岐回路の名称が表示されるアドバイス対象表示部3nが表示されている。
消費量順位表示欄は、「▽」ボタンを押すことによって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路の順位が候補として表示されるように設定されており、分岐回路名称表示欄は、順位に対応した分岐回路の名称が自動的に表示されるように設定されている。
例えば、本実施の形態においては、リビングエリアの分岐回路21が、エネルギー消費量順位において2位とされている。したがって、図13に示すアドバイス対象表示部3nの消費量順位表示欄を「2位」に合わせると、分岐回路名称表示欄には「リビング」と表示されるようになっている。
なお、このアドバイス対象表示部3nの表示が完了すると、これに対応する省エネアドバイスが画面上に自動的に表示されるように設定されている。
【0084】
なお、本実施の形態のアドバイス手段は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うように設定されている一方、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されている。
【0085】
省エネアドバイス装置1によって省エネアドバイスを行う手順について説明する。
図5は本発明に係る省エネアドバイス装置1による省エネアドバイスの処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
まず、前記分電盤20に搭載された電力計測手段37(図2)や、省エネアドバイス装置1とガスメーター38との間に設けられたパルスカウンター38a(図3)や、省エネアドバイス装置1と流量センサー39…との間に設けられたパルスカウンター39a(図4)により、各分岐回路21〜36別にエネルギー消費量を計測し、そのデータを過去データとして前記記憶手段6のデータ記憶部8へと蓄積する(ステップS1)。
なお、各分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の計測およびデータの蓄積は常時行われている。
【0087】
続いて、前記比較判定手段によって、複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較する(ステップS2)。
【0088】
続いて、前記比較判定手段によって、ステップS2で基準値と比較された複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量が、該基準値よりも過大であるか否かの判定を行う(ステップS3)。
ここで、エネルギー消費量が基準値よりも過大であると判定された分岐回路については次のステップS4へと移行し、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路については、省エネアドバイスは行われずに処理が終了となる。
【0089】
ステップS4では、図11に示すようなアドバイスモード選択画面において、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」の複数のアドバイスモードから、居住者が、任意のアドバイスモードを選択する。
【0090】
続いて、図13に示すように、ステップS4で選択されたアドバイスモードに対応した省エネアドバイス表示画面を表示して、居住者に対して最適な省エネアドバイスを行う(ステップS5)。例えば「消費量削減モード」における省エネアドバイスは、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で、消費量の削減に向けたアドバイスが表示モニタ3上に表示される。
以上のような流れが省エネアドバイスの処理の基本的な流れとなっている。ただし、ステップS4におけるアドバイスモードの選択は、上述のように省略可能となっているので、ステップS3からステップS5へと直接移行するもある。
【0091】
本実施の形態によれば、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【0092】
また、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるので、電力の省エネだけを行うのではなく、ガスおよび水道の省エネを行うこともでき、建物全体の省エネ効果を高めることができる。
【0093】
また、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されているので、居住者に対して、過大にエネルギーを消費している分岐回路だけを省エネの対象と認識させることができる。これによって、より容易かつ効果的に省エネすることができるとともに、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0094】
また、前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされているので、居住者の生活に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0095】
また、前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合は、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量の程度を、標準値に照合して判定できる。これによって、分岐回路21〜36別の標準的なエネルギー消費量を知ることができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促すことができる。
また、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量は、前記建物が建築される地域ごとに決定される。これによって、前記建物が建築される地域の生活環境に見合った基準値を設定することができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促しながら、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0096】
また、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えているので、居住者の生活に見合った基準値となるように、居住者の任意で基準値の数値を変更することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0097】
また、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されているので、居住者に対して、基準値が高くなりすぎないように注意喚起することができ、省エネ効果の低下を確実に防ぐことができる。
【0098】
また、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えているので、前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別の基準値とを確実に認識できるとともに容易に比較できる。
【0099】
また、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されているので、警告が表示されたことを確実に認識することができるので、速やかに省エネ行動を実施することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 省エネアドバイス装置
2 制御部
3 出力手段(表示モニタ)
4 入力手段
6 記憶手段
7 プログラム記憶部
8 データ記憶部
8a 基準値データ
8b アドバイスデータ
20 分電盤
21〜36 分岐回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物内における複数の分岐回路別のエネルギー消費量について省エネアドバイスを行うための省エネアドバイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギー消費者(居住者)のエネルギー消費パターンデータに基づいて、省エネ行動を促進する指針を提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のような技術によれば、所定の出力端末から、随時、現時点における目標達成に必要な省エネ行動の候補とその候補を実施した場合の省エネ効果値とを確認することができ、どのような省エネ行動を実施すれば、どれだけの省エネ効果を得ることができるのかが判明することになり、効果的な省エネ行動を促進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、目標達成に必要な省エネ行動の候補が多数あると、どの省エネ行動から実施すればよいのかが分かりにくいという問題がある。省エネ行動の優先順位が分からないために、例えば省エネ効果値のより高い省エネ行動を優先して実施してしまうと、猛暑日の昼間に冷房を停止してしまったり、入りたい時間に入浴できなかったり等、生活の快適性を損なう場合もある。
そこで、分電盤から分岐するとともにエネルギーを消費する機器が接続された分岐回路のうち、どの分岐回路を優先的に省エネすべきかが分かるような技術の開発が望まれている。
【0005】
本発明の課題は、省エネ行動を実施する順番を判明させることができ、容易かつ効果的に省エネを行うことが可能な省エネアドバイス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、省エネアドバイス装置1であって、例えば図1〜図14に示すように、分電盤20から分岐する複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値(例えば、基準値データ8a)とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(例えば、制御部2および比較判定プログラム7b)と、
基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(例えば、制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるので、電力の省エネだけを行うのではなく、ガスおよび水道の省エネを行うこともでき、建物全体の省エネ効果を高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されているので、居住者に対して、過大にエネルギーを消費している分岐回路だけを省エネの対象と認識させることができる。これによって、より容易かつ効果的に省エネすることができるとともに、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記複数の分岐回路21〜36の過去のエネルギー消費量が記憶されており、
前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされているので、居住者の生活に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量(例えば、標準値データ8d)に基づいて設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定されているので、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量の程度を、標準値に照合して判定できることとなる。これによって、分岐回路21〜36別の標準的なエネルギー消費量を知ることができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促すことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されているので、前記建物が建築される地域の生活環境に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者に対して、省エネ意識の深化を促しながら、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段(例えば、制御部2および基準値変更プログラム7e)を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えているので、居住者の生活に見合った基準値となるように、居住者の任意で基準値の数値を変更することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されているので、居住者に対して、基準値が高くなりすぎないように注意喚起することができ、省エネ効果の低下を確実に防ぐことができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図1〜図14に示すように、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段(例えば、制御部2および出力手段3、表示プログラム7a)を備えていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えているので、前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別の基準値とを確実に認識できるとともに容易に比較できる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の省エネアドバイス装置1において、例えば図10に示すように、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されているので、警告が表示されたことを確実に認識することができるので、速やかに省エネ行動を実施することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、分電盤から分岐する複数の分岐回路別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る省エネアドバイス装置の一例を示すもので、その概略構成を示す図である。
【図2】同、分岐回路の配置の概略構成を示す図である。
【図3】同、省エネアドアイス装置とガスメーターとの接続状態の概略構成を示す図である。
【図4】同、省エネアドアイス装置と流量センサーとの接続状態の概略構成を示す図である。
【図5】省エネアドバイスの流れを示すフローチャートである。
【図6】表示モニタに表示される期間別エネルギー消費量画面の一例を示す概略図である。
【図7】表示モニタに表示される分岐回路別エネルギー消費量画面の一例を示す概略図である。
【図8】表示モニタに表示される比較判定結果画面の一例を示す概略図である。
【図9】表示モニタに表示される比較判定結果画面の一例を示す概略図である。
【図10】表示モニタに表示される警告画面の一例を示す概略図である。
【図11】表示モニタに表示されるアドバイスモード選択画面の一例を示す概略図である。
【図12】アドバイスデータの概要を示す図である。
【図13】表示モニタに表示される省エネアドバイス画面の一例を示す概略図である。
【図14】表示モニタに表示される基準値設定画面の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る省エネアドバイス装置の一例を示すもので、その概略構成を示す図である。
図1において符号1は、省エネアドバイス装置を示す。この省エネアドバイス装置1は、出力手段3である表示モニタと、操作者が該装置1を操作するための諸情報を入力するための入力手段4と、各種プログラムを実行して各種の機能を制御する制御部2と、各種プログラムや各種データを記憶するための記憶手段6、居住者の外出を認識する外出認識手段5とを具備している。
これら制御部2、出力手段3、入力手段4、外出認識手段5、記憶手段6とは、バス9を介してそれぞれ接続されている。また、前記出力手段3である表示モニタと、操作部である入力手段4とは、図6〜図11,図13および図14に示すように、隣り合うようにして筺体の表面に設けられており、前記制御部2と、外出認識手段5と、記憶手段6とは筺体内に設けられている。
【0029】
また、この省エネアドバイス装置1は、前記制御部2によって各種プログラムを実行することによって、省エネを促進するための各種手段を行えるように構成されている。
そして、本実施の形態の省エネアドバイス装置1は、図1〜図4に示すように、分電盤20から分岐する複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段(制御部2および比較判定プログラム7b)と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段(制御部2およびアドバイスプログラム7c)とを備えている。
【0030】
本実施の形態の出力手段3は、上述のように表示モニタとされているが、これに限られるものではない。
すなわち、例えば、音声によって諸情報を出力するものでもよいし、表示モニタ3と音声とを組み合わせてもよいし、家庭にあるテレビを出力手段として利用してもよいし、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の出力手段で諸情報を出力できるようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0031】
前記入力手段4は、前記表示モニタ3に隣接して設けられる操作部を指している。この入力手段4である操作部では、「切替」キーを押すことによって表示モニタ3の画面を切り替えたり、「メニュー」キーを押すことによってメニュー画面を表示モニタ3に表示させたり、方向キーを押すことによってカーソルを上下左右に動かしたり、「決定」キー押すことによって各種プログラムを実行したり、「戻る」キーによって画面を前の表示画面に戻したり、「TOP」キーを押すことによってトップメニュー画面を表示することができるようになっている。
【0032】
ここで、本実施の形態の省エネアドバイス装置1は、図2〜図4に示すように、通信ケーブル等の通信手段によって、複数の分岐回路21〜36が設けられるとともに該複数の分岐回路21〜36別の電力の消費量を計測する電力計測手段37を有する分電盤20と、ガスの消費量を計測するガスメーター38と、水の流量を計測する流量センサー39…とにそれぞれ接続されている。
【0033】
電力消費量の判定結果を表示するため、前記省エネアドバイス装置1は、図2に示すように、前記分電盤20に搭載されるとともに前記複数の分岐回路21〜36ごとの電力消費量を計測する電力計測手段37に接続されている。この分電盤20は、幹線20aからの配線を分岐するものである。
なお、前記複数の分岐回路21〜36は、コンセント回路や照明回路等の一般回路と、接続される機器の電力消費量に基づいて一般回路と区別される専用回路とに区分されている。この専用回路には、200ボルト専用回路が必要なエアコンや、1KW以上の電子レンジ等が接続される。
【0034】
また、このような一般回路と専用回路とに区分された各分岐回路21〜36の電力消費量の計測結果は、前記記憶手段6のプログラム記憶部7に格納された表示プログラム7aを実行することによって、期間別・分岐回路別・エネルギー種類別に表示可能となっている。
すなわち、前記複数の分岐回路21〜36は、図2に示すように、住宅内の所定のエリアに分けて配置されている。なお、これら複数の分岐回路21〜36が配置される住宅は、本実施の形態では2階建ての戸建て住宅が採用されており、1階には、リビングと、このリビングに隣接するダイニングと、このダイニングに隣接するキッチンと、住宅内と屋外とを連通する玄関と、浴室、洗面所、トイレからなる1階水周り室とが配設されている。1階と2階との間には階段が配置されており、2階には、階段の降り口付近のホールと、主寝室、子供部屋等の2階部屋が3つと、洗面所、トイレからなる2階水周り室とが配設されている。
【0035】
そして、分岐回路21は、リビングに配置されたコンセント回路であり、分岐回路22は、ダイニングに配置されたコンセント回路であり、分岐回路23は、リビング・ダイニング用のエアコンが接続される専用回路である。これら分岐回路21,22,23は、リビングエリアとしてエリア分けされている。
【0036】
また、分岐回路24は、キッチンに配置されたコンセント回路であり、冷蔵庫が接続されており、本実施の形態では第1キッチンと称する。分岐回路25は、キッチンに配置されたコンセント回路であり、本実施の形態では第2キッチンと称する。分岐回路26は、キッチンに配置された専用回路であり、大型の電子レンジが接続されている。これら分岐回路24,25,26は、キッチンエリアとしてエリア分けされている。
【0037】
また、分岐回路27は、玄関や水周り室に配置されたコンセント回路であり、分岐回路28は、トイレに配置された専用回路であり、洗浄便座が接続されている。これら分岐回路27,28は、1階水周りエリアとしてエリア分けされている。
また、分岐回路29は、1階の照明機器が接続される照明回路である。照明機器は、リビング、ダイニング、キッチン、玄関、水周り室に取り付けられており、その他に、屋外灯も用いられている。
【0038】
また、分岐回路30は、主寝室、子供部屋等の3つの2階部屋に配置されたコンセント回路であり、分岐回路31は、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第1エアコン)。分岐回路32も、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第2エアコン)。同じく、分岐回路33も、2階部屋の1つに配置された専用回路であり、エアコンが接続されている(第3エアコン)。
これら分岐回路30,31,32,33は、2階部屋エリアとしてエリア分けされている。
【0039】
また、分岐回路34は、階段、ホール、水周り室に配置されたコンセント回路であり、分岐回路35は、トイレに配置された専用回路であり、洗浄便座が接続されている。これら分岐回路34,35は、2階水周りエリアとしてエリア分けされている。
また、分岐回路36は、2階の照明機器が接続される照明回路である。照明機器は、3つの2階部屋、水周り室、階段、ホールに取り付けられている。
【0040】
さらに、前記リビングエリア21,22,23、キッチンエリア24,25,26、1階水周りエリア27,28、1階照明用の分岐回路29は、1階エリアとしてエリア分けされており、前記2階部屋エリア30,31,32,33、2階水周りエリア34,35、2階照明用の分岐回路36は、2階エリアとしてエリア分けされている。
【0041】
したがって、前記省エネアドバイス装置1は、分電盤20に搭載されるとともに該分電盤20から分岐された複数の分岐回路21〜36ごとの電力消費量を計測する電力計測手段37に接続されているので、前記表示モニタ3によって各分岐回路21〜36の電力消費量をそれぞれ表示することができ、住宅内の電力消費量を分岐回路21〜36別に詳細に把握できる。
また、前記表示プログラム7aに基づいて、住宅内の電力消費量の計測結果を分岐回路別はもちろんのこと、エリア別・住宅全体にも分類して表示可能となっている。
なお、分岐回路の数は適宜変更可能であることは言うまでもなく、どのように配置するかも適宜変更可能である。
【0042】
また、前記省エネアドバイス装置1は、ガス消費量を表示するため、図1および図3に示すように、住宅全体のガス消費量を計測するガスメーター38に接続されており、前記表示プログラム7aは、ガス消費量の計測結果を表示可能に構成されている。
【0043】
前記ガスメーター38は、ガス消費量に伴ってパルス信号を出力するパルス出力付ガスメーターであり、このガスメーター38と前記省エネアドバイス装置1との間には、単位時間当たりのパルス数をカウントするパルスカウンター38aが設けられている。
そして、前記省エネアドバイス装置1に備えられた演算手段(図示せず)により、このパルスカウンター38aから出力されたパルスカウント値を基にガス消費量を演算し、計測結果を表示モニタ3に表示できるようになっている。
【0044】
なお、本実施の形態においては、ガス消費量を計測するにあたって前記省エネアドバイス装置1をガスメーター38に接続したが、これに限られるものではなく、例えば住宅内の所定箇所に複数配管されたガス管のそれぞれに流量センサーを取り付け、これら流量センサーと前記省エネアドバイス装置1とを接続するようにしてもよい。
この時、これら流量センサーにはパルス信号を出力するパルス出力機能を有するものを採用することが好ましい。
【0045】
また、前記省エネアドバイス装置1は、水道消費量の計測結果を表示するために、図1および図4に示すように、住宅内の所定箇所に複数配管された水道管を流れる水の流量を測定する複数の流量センサー39…にそれぞれ接続されており、前記表示プログラム7aは、水道消費量の計測結果を、流量センサー39…別・住宅全体に分類して表示可能に構成されている。
【0046】
前記流量センサー39…は、水道消費量に伴ってパルス信号を出力するパルス出力付センサーであり、これら流量センサー39…と前記省エネアドバイス装置1との間には、単位時間当たりのパルス数をカウントするパルスカウンター39aが設けられている。
そして、前記省エネアドバイス装置1に備えられた演算手段(図示せず)により、このパルスカウンター39aから出力されたパルスカウント値を基に水道消費量を演算し、計測結果を表示モニタ3に表示できるようになっている。
【0047】
なお、本実施の形態においては、水道消費量を判定するにあたって前記省エネアドバイス装置1を複数の流量センサー39…に接続したが、これに限られるものではなく、住宅全体の水道使用量を測定する水道メーター(図示せず)に接続するようにしてもよい。
この時、この水道メーターにはパルス信号を出力するパルス出力機能を有するものを採用することが好ましい。
【0048】
以上のように、本実施の形態において、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるものとする。なお、これに加えて、太陽光発電や家庭用燃料電池等による発電エネルギーを含むものとしてもよい。
すなわち、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機や、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等は、電力とともにガスや水道、発電エネルギーを使用する仕組みとなっており、本実施の形態の住宅には、これら自然冷媒ヒートポンプ給湯機、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム等のように、電力とともにガスや水道、または発電エネルギーが連携して使用される機器が採用されているものとする。
また、どの分岐回路に、どのような機器が接続されるかは、予め前記記憶手段6に記憶させておくようにする。
なお、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーが発電エネルギーを含んでいる場合は、単に発電エネルギーの消費量だけを考慮するのではなく、そのコストやCO2排出量を考慮した演算方法が採用される。
【0049】
前記外出認識手段5は、居住者が外出する際に、この外出認識手段5を介して居住者の外出を前記制御部2に認識させるためのものである。この外出認識手段5としては、例えば、筐体の外側に設けられる押ボタン式で、ボタンの「入」「切」で前記制御部2に外出を認識させるものや、表示モニタ3に外出認識のためのメニューとして表示し、操作部である入力手段4の操作によって前記制御部2に外出を認識させるようにしたものでもよい。本実施の形態においては後者を採用しているものとする。
そして、制御部2は、居住者の外出を認識した時に表示プログラムを実行し、現在のエネルギー消費量を表示モニタ3に表示し、エネルギー消費状況を居住者に知らせることができる。この時、予め、外出時用のエネルギー消費量の基準値を設定しておき、この外出用基準値と、外出時現在のエネルギー消費量とを比較し、過大なエネルギー消費の有無を確認できるようにしても良い。
なお、外出用の基準値とは、外出時には消費を完全に停止したいエネルギーや、消費を抑えた状態にしたいエネルギーや、消費を維持継続した状態を保持したいエネルギーを考慮したものである。例えば、外出時において、キッチンのガスや水道は完全に消費を停止したい、冷蔵庫や防犯装置は消費を維持継続した状態保持したい等の居住者の生活事情を考慮している。
このように外出認識手段5を備えることによって、外出時にも省エネを促進できるので好ましい。
【0050】
また、前記記憶手段6は、図1に示すように、前記制御部2の制御によって実行される各種プログラムが格納されるプログラム記憶部7と、これら各種プログラムを実行するために必要な各種データが格納されるデータ記憶部8とを有している。
【0051】
前記プログラム記憶部7には、前記表示モニタ3に諸情報を表示するための前記表示プログラム7aと、計測された分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と該分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とを比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定するための比較判定プログラム7bと、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うためのアドバイスプログラム7cと、例えば前記基準値を、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とする場合に該基準値を過去のデータから算出するための基準値算出プログラム7dと、例えば前記基準値の数値を変更するための基準値変更プログラム7eとが格納されている。
なお、このプログラム記憶部7に格納されるプログラムは、上述したものだけに限られるものではなく、適宜追加可能である。
【0052】
前記データ記憶部8には、エネルギー消費量と比較される基準値がデータ化された基準値データ8aと、前記アドバイスプログラム7cに基づいて表示モニタ3に表示される省エネアドバイスの用例となるアドバイスデータ8bと、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の過去データ8cと、例えば前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合の標準値データ8dとが格納されている。
なお、前記標準値データ8dは、複数の地域別に分類されており、前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合には、建物が建築される地域ごとに、適宜、標準値データ8dを決定する。
【0053】
基準値データ8aは、複数の分岐回路21〜36別に設定されており、本実施の形態においては、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値を算出することによって生成されている。なお、エネルギー消費量の過去のデータは、上述のように、過去データ8cとして前記記憶手段6のデータ記憶部8に格納されており、日常的にデータを蓄積している。
また、エネルギー消費量の過去データ8cから基準値を算出する際は、前記プログラム記憶部7に格納された基準値算出プログラム7dを実行することによって算出している。すなわち、この基準値算出プログラム7dは演算装置として機能しており、多数の過去データ8cから基準値を算出できる。
【0054】
また、このエネルギー消費量の過去データ8cから算出した平均値のデータを元に、居住者が任意に数値を変更して、基準値の数値を変更してもよい。基準値の数値を変更する際は、前記プログラム記憶部7に格納された基準値変更プログラム7eを実行する。
この基準値変更プログラム7eは、前記表示プログラム7aと連動して表示モニタ3上に平均値データを表示するとともに、表示モニタ3上に、該平均値データの数値に任意の数値を加算・減算または直接入力可能な画面構成を構築するものである。
【0055】
また、このように基準値の数値を増減する際は、際限なく数値を増減させてしまうと好ましくないため、この基準値変更プログラム7eは、基準値の推奨上限値をアドバイスできるように構成されている。
この推奨上限値は、図14に示すように、「最大電力」・「中間電力」・「最小電力」の3種類に分けられており、居住者は、3種類の推奨上限値のうち、いずれか1つを選択できるようになっている。
「最大電力」は、例えば、過去7日間における電力消費量の各日最大値のうちの最大値に基づいて設定されている。
「最小電力」は、例えば、過去7日間における電力消費量の各日最小値のうちの最大値に基づいて設定されている。
「中間電力」は、「最大電力」と「最小電力」との中間値に基づいて設定されている。
【0056】
また、前記基準値は、上述のように、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定してもよい。この時、基準値は、前記標準値データ8dに基づいて決定される。また、この標準値データ8dは複数の地域別に分類されているため、基準値を決定する際は、建物が建築される地域の標準値データ8dに基づいて決定される。
なお、この標準値データ8dは、省エネアドバイス装置1に備えられる図示しない通信装置によって、データを更新できるようにしてもよい。
【0057】
なお、上述のように本実施の形態の基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値を算出するものとしたが、これに限られるものではなく、前記基準値変更プログラム7eを実行して数値を変更した基準値としてもよいし、推奨上限値を採用した基準値としてもよいし、前記標準値データ8dに基づいて決定された基準値としてもよい。
また、この基準値は、少なくとも、前記比較判定手段によって、計測されたエネルギー消費量と基準値とを比較する前に予め居住者が選択しておけばよい。
【0058】
前記表示プログラム7aは、前記表示モニタ3に、省エネを促進するための諸情報を表示することができる。
具体的には、図示はしないが、現在値として、住宅内全体のエネルギー消費量を種類別(電力・ガス・水道)に表示できるとともに、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示することができる。さらに、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示することができる。
また、前記外出認識手段5と連動して、上述のように外出時現在のエネルギー消費状況を表示することができる。
【0059】
また、累積値として、図6に示すように、住宅内全体の期間別(日間・週間・月間・年間)エネルギー消費量を表示することができる。図6に示す表示モニタ3の画面は、日間のエネルギー消費量であり、日間の場合は、AM(午前)・PM(午後)・24H(24時間)に分類して表示できるようになっている。図6では、AM(午前)の場合のエネルギー消費量が表示されている。
【0060】
また、累積値として、図7に示すように、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示することができる。図7に示す表示モニタ3の画面では、日間(AM)でのリビング(分岐回路21)のエネルギー消費量を示している。
【0061】
また、比較判定結果として、図8に示すように、住宅内全体の期間別(日間・週間・月間・年間)エネルギー消費量と、基準値とを隣り合うようにして表示することができる。
図8に示す表示モニタ3の画面では、月間での住宅内全体のエネルギー消費量および月間の基準値とが表示されている。
【0062】
また、比較判定結果として、図9に示すように、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とを隣り合うようにして表示することができる。さらに、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とは、期間別(日間・週間・月間・年間)にも表示できる。
図9に示す表示モニタ3の画面では、月間での、分岐回路21(リビングエリア)の種類別エネルギー消費量と、分岐回路21〜36別に設定された基準値とが表示されている。
【0063】
また、図10に示すように、表示モニタ3には、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示することができる。
なお、この警告表示は、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量と基準値とを比較判定した後だけでなく、現在値としてエネルギー消費量を表示モニタ3に表示する際に、分岐回路21〜36のエネルギー消費量が過大である場合にも表示できるように設定してもよい。
【0064】
また、図11に示すように、表示モニタ3には、アドバイスモード選択画面を表示することができる。このアドバイスモード選択画面は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36に対して行う省エネアドバイスの形式を複数表示し、これら複数の形式を選択可能に構成したものである。
これら複数の形式は、表示モニタ3の画面上で、選択ボタンとして構成されており、居住者は、入力手段4の操作により、複数の形式のうちいずれか1つを選択できるようになっている。
これら複数の形式は、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」とからなる。
【0065】
「消費量削減モード」は、本実施の形態における標準仕様のモードであり、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、単純に、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で、消費量の削減に向けたアドバイスを、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0066】
「消費量増加抑制モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量の増加が大きい順番で、増加抑制に向けたアドバイスを表示モニタ3上に表示するモードである。
【0067】
「コスト削減モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギーコストが大きい順番で、コスト削減に向けたアドバイスを表示モニタ3上に表示するモードである。
【0068】
「利用時間帯によるコスト削減モード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36を、日間データにおける時間帯別電力料金を加味した分岐回路別のコスト削減アドバイスを、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0069】
「一般的アドバイスモード」は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36に接続された機器の適切な使用方法や、省エネに向けたヒント等をアドバイスとして、表示モニタ3上に表示するモードである。
【0070】
なお、本実施の形態においては、複数のモードを用意したが、これら複数のモードを統合したものを表示できるようにしてもよい。
また、表示プログラム7aの設定次第で、モード選択画面を表示せずに、自動的に、標準仕様の「消費量削減モード」へと移行できるようにしてもよい。同じく、「消費量削減モード」以外の他のモードへ自動的に移行できるように設定してもよい。
【0071】
また、以上のような省エネアドバイスの具体例として、例えば図12に示すようなものがある。このような省エネアドバイスの具体例は、アドバイスデータ8bとして前記データ記憶部8に格納されており、前記複数のモードの選択に対応する省エネアドバイスを、表示モニタ3上に表示することができる。
【0072】
また、図13に示すように、前記表示モニタ3には、省エネアドバイスを表示することができる。この画面では、エネルギー消費量が多い順で並べられた分岐回路を適宜選択することによって当該分岐回路に対する省エネアドバイスを表示できるようになっている。
この図13では、例えば、分岐回路21のリビングエリア向けの省エネアドバイスが表示されている。
【0073】
なお、本実施の形態の表示プログラム7aは、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量が基準値よりも過大である場合には、上述のように警告を表示したり、省エネアドバイスを表示したりするが、過大ではない場合には、警告は表示されないのはもちろんのこと、省エネアドバイスも表示されないように設定されている。
【0074】
また、表示モニタ3には、図6〜図10,図14に示すように、表示画面に表示されている情報が、日間・週間・月間・年間のうち、どの期間に基づく情報なのかを判別するための期間判別部3aが表示されている。この期間判別部3aの「●」カーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、「●」カーソルを移動させることによって、期間別の表示を、日間・週間・月間・年間のいずれかに切り替えることができる。
なお、日間の場合は、さらに表示を、AM(午前)・PM(午後)・24H(24時間)のいずれかに切り替えることができる。
【0075】
また、表示モニタ3には、図6〜図10に示すように、表示画面に表示されている情報が、電力・ガス・水道のうち、いずれの種類のエネルギーに係る情報なのかを判別するためのエネルギー種類判別部3bが表示されている。このエネルギー種類判別部3bのアイコンを囲むカーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、カーソルを移動させることによって、エネルギー種類別の表示を、電力・ガス・水道のいずれかに切り替えることができる。
【0076】
また、表示モニタ3には、図6〜図9に示すように、計測されたエネルギー消費量を確認するための消費量表示部3cが表示されている。
この消費量表示部3cでは、計測されたエネルギー消費量だけでなく、消費されたエネルギーの料金も表示できるようになっている。さらに、図示はしないが、これらエネルギー消費量および料金とともに、消費されたエネルギーのCO2排出量も表示できるようにしてもよい。さらに、住宅全体のエネルギー消費量に対する当該分岐回路のエネルギー消費量の割合や、住宅全体のエネルギーコストに対する当該分岐回路のエネルギーコストの割合を表示することもできる。
【0077】
また、表示モニタ3には、図8および図9に示すように、計測されたエネルギー消費量と比較される基準値が表示される基準値表示部3dが表示されている。
エネルギー消費量の比較判定プログラムが実行された際には、消費量表示部3cと隣接するようにして表示され、居住者が、計測されたエネルギー消費量の数値と基準値の数値とを見比べて確認できるようになっている。
【0078】
また、表示モニタ3には、図7および図9に示すように、複数の分岐回路21〜36の一覧が表示される分岐回路表示部3eが表示されている。この分岐回路表示部3eの「■」カーソルは、操作部である入力手段4の操作によって移動させることができ、「■」カーソルを移動させることによって、消費量表示部3cでの分岐回路21〜36別の表示を切り替えることができる。
なお、図9に示す分岐回路表示部3eでは、リビング・エアコン・第1キッチン・1階照明・第1エアコンの項目が、「四角枠」で囲まれた表示となっているが、これら四角枠で囲まれた分岐回路21,23,24,29,31は、比較判定の結果、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路を指している。
【0079】
また、表示モニタ3には、図6および図7に示すように、住宅内全体の期間別エネルギー消費量や、分岐回路21〜36別での種類別エネルギー消費量を表示する画面から、図8および図9に示すような比較判定結果を表示する画面へと切り替えるための比較判定結果表示切替ボタン3fが表示されている。
この比較判定結果表示切替ボタン3fは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。
【0080】
また、表示モニタ3には、図9に示すように、複数の分岐回路21〜36の表示を並べ替えるための並べ替えボタン3gが表示されている。すなわち、この並べ替えボタン3gは、前記表示プログラム7aと連動しており、表示モニタ3に表示される画面を適宜切り換えることができるものである。この並べ替えボタン3gは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。
なお、この並べ替えボタン3gによる並べ替えで表示できる画面としては、上述のような住宅全体のエネルギー消費量に対する当該分岐回路のエネルギー消費量の割合や、住宅全体のエネルギーコストに対する当該分岐回路のエネルギーコストの割合を表示できるようになっている。
【0081】
また、表示モニタ3には、図10に示すように、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示する警告表示部3hが表示されている。
なお、この警告表示部3hに表示される警告内容は、少なくとも、どの分岐回路が、どれだけエネルギー消費量が過大であるかという情報が含まれている。また、このように警告表示部3hが表示された後は、自動的に前記アドバイスモード選択画面へと移行する。
【0082】
また、図11に示すアドバイスモード選択画面には、上述のように、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」を選択するための選択ボタンが表示されている。
すなわち、消費量削減モード選択ボタン3iと、消費量増加抑制モード選択ボタン3jと、コスト削減モード選択ボタン3kと、利用時間帯によるコスト削減モード選択ボタン3lと、一般的アドバイスモード選択ボタン3mとが表示されている。
これら各選択ボタン3i,3j,3k,3l,3mは、操作部である入力手段4の操作によって動作させることができる。そして、それぞれの選択ボタンを押すことによって、それぞれのモードに対応した省エネアドバイス表示画面へと画面を移行させることができる。
【0083】
また、表示モニタ3には、図13に示すように、省エネアドバイスの対象とされ、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路の順位および当該分岐回路の名称が表示されるアドバイス対象表示部3nが表示されている。
消費量順位表示欄は、「▽」ボタンを押すことによって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路の順位が候補として表示されるように設定されており、分岐回路名称表示欄は、順位に対応した分岐回路の名称が自動的に表示されるように設定されている。
例えば、本実施の形態においては、リビングエリアの分岐回路21が、エネルギー消費量順位において2位とされている。したがって、図13に示すアドバイス対象表示部3nの消費量順位表示欄を「2位」に合わせると、分岐回路名称表示欄には「リビング」と表示されるようになっている。
なお、このアドバイス対象表示部3nの表示が完了すると、これに対応する省エネアドバイスが画面上に自動的に表示されるように設定されている。
【0084】
なお、本実施の形態のアドバイス手段は、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うように設定されている一方、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されている。
【0085】
省エネアドバイス装置1によって省エネアドバイスを行う手順について説明する。
図5は本発明に係る省エネアドバイス装置1による省エネアドバイスの処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
まず、前記分電盤20に搭載された電力計測手段37(図2)や、省エネアドバイス装置1とガスメーター38との間に設けられたパルスカウンター38a(図3)や、省エネアドバイス装置1と流量センサー39…との間に設けられたパルスカウンター39a(図4)により、各分岐回路21〜36別にエネルギー消費量を計測し、そのデータを過去データとして前記記憶手段6のデータ記憶部8へと蓄積する(ステップS1)。
なお、各分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の計測およびデータの蓄積は常時行われている。
【0087】
続いて、前記比較判定手段によって、複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と、該該複数の分岐回路21〜36別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較する(ステップS2)。
【0088】
続いて、前記比較判定手段によって、ステップS2で基準値と比較された複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量が、該基準値よりも過大であるか否かの判定を行う(ステップS3)。
ここで、エネルギー消費量が基準値よりも過大であると判定された分岐回路については次のステップS4へと移行し、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路については、省エネアドバイスは行われずに処理が終了となる。
【0089】
ステップS4では、図11に示すようなアドバイスモード選択画面において、「消費量削減モード」・「消費量増加抑制モード」・「コスト削減モード」・「利用時間帯によるコスト削減モード」「一般的アドバイスモード」の複数のアドバイスモードから、居住者が、任意のアドバイスモードを選択する。
【0090】
続いて、図13に示すように、ステップS4で選択されたアドバイスモードに対応した省エネアドバイス表示画面を表示して、居住者に対して最適な省エネアドバイスを行う(ステップS5)。例えば「消費量削減モード」における省エネアドバイスは、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で、消費量の削減に向けたアドバイスが表示モニタ3上に表示される。
以上のような流れが省エネアドバイスの処理の基本的な流れとなっている。ただし、ステップS4におけるアドバイスモードの選択は、上述のように省略可能となっているので、ステップS3からステップS5へと直接移行するもある。
【0091】
本実施の形態によれば、前記複数の分岐回路21〜36別のエネルギー消費量と基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36を判定する比較判定手段と、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路21〜36のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えているので、どの分岐回路の省エネ行動を優先的に実施すべきかを容易に判明させることができる。これによって、居住者は、前記アドバイス手段によってアドバイスされる省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施するだけで、容易かつ効果的に省エネすることが可能となる。また、基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路だけを省エネの対象とするので、省エネアドバイスに従って省エネ行動を実施したとしても、居住者の生活の快適性が損なわれることを確実に防ぐことができる。
【0092】
また、前記分岐回路21〜36で消費されるエネルギーは、該分岐回路21〜36に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいるので、電力の省エネだけを行うのではなく、ガスおよび水道の省エネを行うこともでき、建物全体の省エネ効果を高めることができる。
【0093】
また、前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路21〜36については省エネアドバイスを行わないように設定されているので、居住者に対して、過大にエネルギーを消費している分岐回路だけを省エネの対象と認識させることができる。これによって、より容易かつ効果的に省エネすることができるとともに、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0094】
また、前記基準値は、分岐回路21〜36別の過去のエネルギー消費量の平均値とされているので、居住者の生活に見合った基準値を設定することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0095】
また、前記基準値を、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定する場合は、前記複数の分岐回路21〜36のエネルギー消費量の程度を、標準値に照合して判定できる。これによって、分岐回路21〜36別の標準的なエネルギー消費量を知ることができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促すことができる。
また、前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量は、前記建物が建築される地域ごとに決定される。これによって、前記建物が建築される地域の生活環境に見合った基準値を設定することができるので、居住者に対して、省エネ意識の深化を促しながら、居住者の生活の快適性が損なわれることを、より確実に防ぐことができる。
【0096】
また、前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えているので、居住者の生活に見合った基準値となるように、居住者の任意で基準値の数値を変更することができる。これによって、居住者の生活の快適性が損なわれることを、さらに確実に防ぐことができる。
【0097】
また、前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されているので、居住者に対して、基準値が高くなりすぎないように注意喚起することができ、省エネ効果の低下を確実に防ぐことができる。
【0098】
また、少なくとも前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えているので、前記複数の分岐回路21〜36の現在のエネルギー消費量と、分岐回路21〜36別の基準値とを確実に認識できるとともに容易に比較できる。
【0099】
また、前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路21〜36が判定された場合に警告を表示するように設定されているので、警告が表示されたことを確実に認識することができるので、速やかに省エネ行動を実施することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 省エネアドバイス装置
2 制御部
3 出力手段(表示モニタ)
4 入力手段
6 記憶手段
7 プログラム記憶部
8 データ記憶部
8a 基準値データ
8b アドバイスデータ
20 分電盤
21〜36 分岐回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤から分岐する複数の分岐回路別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定する比較判定手段と、
基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えていることを特徴とする省エネアドバイス装置。
【請求項2】
前記分岐回路で消費されるエネルギーは、該分岐回路に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項3】
前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路については省エネアドバイスを行わないように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項4】
前記複数の分岐回路の過去のエネルギー消費量が記憶されており、
前記基準値は、分岐回路別の過去のエネルギー消費量の平均値とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項5】
前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項6】
前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されていることを特徴とする請求項5に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項7】
前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項8】
前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項9】
少なくとも前記複数の分岐回路の現在のエネルギー消費量と、分岐回路別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路が判定された場合に警告を表示するように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項1】
分電盤から分岐する複数の分岐回路別のエネルギー消費量と、該複数の分岐回路別に設定されたエネルギー消費量の基準値とをそれぞれ比較し、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路を判定する比較判定手段と、
基準値よりも過大にエネルギーを消費していると判定された分岐回路のうち、エネルギー消費量が多い分岐回路から少ない分岐回路の順番で省エネアドバイスを行うアドバイス手段とを備えていることを特徴とする省エネアドバイス装置。
【請求項2】
前記分岐回路で消費されるエネルギーは、該分岐回路に接続された機器に使用される電力と、電力と連携して使用されるガスおよび水道とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項3】
前記アドバイス手段は、エネルギー消費量が基準値と略同量および基準値以下であると判定された分岐回路については省エネアドバイスを行わないように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項4】
前記複数の分岐回路の過去のエネルギー消費量が記憶されており、
前記基準値は、分岐回路別の過去のエネルギー消費量の平均値とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項5】
前記基準値は、略同一規模の世帯における標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項6】
前記標準的な複数の分岐回路別のエネルギー消費量に基づいて設定される基準値は、前記建物が建築される地域ごとに決定されていることを特徴とする請求項5に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項7】
前記基準値の数値を変更する基準値変更手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項8】
前記アドバイス手段は、前記基準値変更手段によって基準値の数値を変更する際に、該基準値の推奨上限値についてアドバイスを行うように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項9】
少なくとも前記複数の分岐回路の現在のエネルギー消費量と、分岐回路別のエネルギー消費量の基準値とを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の省エネアドバイス装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記比較判定手段によって、基準値よりも過大にエネルギーを消費している分岐回路が判定された場合に警告を表示するように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の省エネアドバイス装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−48511(P2012−48511A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190233(P2010−190233)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
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