説明

省燃費運転評価装置及び省燃費運転評価プログラム

【課題】エアコンディショナの使用状況に基づく省燃費運転評価を行うに際して、運転の安全性を高めるための必要性を考慮した適切な評価を行うことができる省燃費運転評価装置等を提供する。
【解決手段】エアコンディショナ11の使用可能期間に占めるエアコン使用期間の割合であるエアコン使用割合に応じて、当該エアコン使用割合が低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値を算出する評価手段2と、エアコンディショナの機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かの判定を行うデフォッガー使用判定手段3と、デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間の増加による前記評価の低下を抑制するように省燃費運転評価値を補正する補正手段4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエアコンディショナの使用状況に基づく省燃費運転評価を行う省燃費運転評価装置及び省燃費運転評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでにも、車両の各種情報を収集し、ユーザが省燃費運転を行っているか否かを所定の基準に従って判定すると共に、当該判定結果に基づく評価を行う技術が知られている。また、車両のエアコンディショナを使用すると燃費が悪化することは知られているため、このようなエアコンディショナの使用状態を、省燃費運転の評価に用いることも既に知られている。例えば、下記の特許文献1には、エアコンディショナの設定温度を省燃費運転の評価項目に含めることが記載されている。また、下記の特許文献2には、事前に規定したエアコンディショナの利用による単位時間あたりの燃料消費量とエアコンディショナの実際の利用時間とから求めた燃料消費量に基づいて省燃費運転の評価を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−293626号公報(第8−9頁、第3図)
【特許文献2】特開2009−023433号公報(第8−10頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、エアコンディショナの設定温度やエアコンディショナの利用時間に基づいて一律に省燃費運転評価を行い、当該評価結果に基づくポイント付与やアドバイスの提示等を行うと、ユーザに違和感を与える場合がある。一般に、車両のエアコンディショナは、乗員の快適性を高めるための装置であるのと同時に、運転の安全性を高めるための装置としても機能する。例えば、ユーザが結露や霜等による車窓の曇りの除去のためにデフォッガーを使用することは、運転の安全性を高めるために必要な行為である。このようなデフォッガーの使用に対しても、通常のエアコンディショナの使用と同様に燃費を悪化させる運転であると判定され、省燃費運転に関する評価が低下すると、例えば、そのような評価結果に基づいてポイントが低下し、或いはエアコンディショナを使用しないことを推奨するアドバイスがなされることになる。エアコンディショナの使用に関するこのような省燃費運転評価は、ユーザの共感を得ることができず、適切な省燃費運転評価とは言えない。
【0005】
そこで、エアコンディショナの使用状況に基づく省燃費運転評価を行うに際して、運転の安全性を高めるための必要性を考慮した適切な評価を行うことができる省燃費運転評価装置や省燃費運転評価プログラムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る省燃費運転評価装置の特徴構成は、エアコンディショナを使用可能である期間を使用可能期間とし、前記エアコンディショナが使用中である期間をエアコン使用期間とした場合における、前記使用可能期間に占める前記エアコン使用期間の割合であるエアコン使用割合に応じて、当該エアコン使用割合が低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値を算出する評価手段と、前記エアコンディショナの機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かの判定を行うデフォッガー使用判定手段と、前記デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴う前記エアコン使用期間の増加による前記評価の低下を抑制するように前記省燃費運転評価値を補正する補正手段と、を備えた点にある。なお、本願において「省燃費運転」とは、車両の燃料消費を抑える要因となる運転操作のことを指す。
【0007】
この特徴構成によれば、基本的にはエアコン使用割合が高くなるに従って省燃費運転に関する評価が低くなるところ、デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間の増加による評価の低下を抑制するように省燃費運転評価値を補正することができる。これにより、運転の安全性を高めるために必要なデフォッガーの使用によって省燃費運転評価が低下することを適切に抑制することができる。従って、運転の安全性を高めるためのエアコンディショナの使用の必要性を考慮した適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。
【0008】
ここで、前記補正手段は、前記デフォッガーの使用態様に応じた割合で当該デフォッガーの使用期間を前記エアコン使用期間から除外する構成とすると好適である。
【0009】
この構成によれば、デフォッガーの使用態様に応じて適切に省燃費運転評価値を補正することができる。従って、デフォッガーの使用態様が複数ある場合においても、当該デフォッガーの使用態様に応じた適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。ここで、デフォッガーの使用態様としては、例えば、吹出口の選択や風量等、デフォッガーの使用中に選択可能なエアコンディショナの各種設定が含まれる。例えば、吹出口の選択によって、デフォッガーのためのエアコンディショナの使用と乗員の快適性のためのエアコンディショナの使用との割合が定まる場合がある。そこで、このようなデフォッガーのためのエアコンディショナの使用の割合が定まる場合には、当該割合に応じてデフォッガーの使用期間を前記エアコン使用期間から除外することで、適切な省燃費運転評価値の補正を行うことが可能となるのでより好適である。
【0010】
また、車内湿度、車内気温、及び車外気温を含む車両環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記車両環境情報に基づいて前記デフォッガーを使用する必要性の有無を判定する必要性判定手段と、を更に備え、前記必要性判定手段により前記デフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合には、前記補正手段による補正を制限する構成とすると好適である。
【0011】
この構成によれば、車内湿度、車内気温、及び車外気温を含む車両環境情報に基づいて結露や霜等による車窓の曇りの発生の有無を推測することができるので、当該推測に基づいてデフォッガーを使用する必要性の有無を適切に判定することができる。そして、デフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合には補正手段による補正を制限することにより、デフォッガーを使用する必要性がないにも関わらず、不注意や乗員の快適性等のためにデフォッガーを使用した場合における省燃費運転評価を低くすることができる。従って、デフォッガーを使用する必要性を考慮した適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。
【0012】
また、前記必要性判定手段は、前記車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性がないと判定した場合、及び前記車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合であっても前記デフォッガーが使用中であるデフォッガー使用期間が当該車窓の曇りを除去するために必要な期間として設定された曇り除去必要期間を経過した場合に、前記デフォッガーを使用する必要性がないと判定する構成であると好適である。なお、本願において、「車窓の曇り」とは、少なくとも結露又は霜による車窓の曇りを含むものとする。
【0013】
この構成によれば、車窓の曇りが発生する可能性がないと判定される場合、或いは車窓の曇りが発生する可能性がある場合であってもデフォッガーの使用によって当該車窓の曇りを十分に除去できたと判定される場合に、デフォッガーを使用する必要性がないと判定して補正手段による補正を制限することになる。従って、デフォッガーを使用する必要性の有無をより適切に判定し、適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。
【0014】
また、前記デフォッガー使用判定手段は、前記エアコンディショナの吹出口を選択するための吹出口選択操作部及び前記デフォッガーの動作状態を選択するためのデフォッガー選択操作部の一方又は双方の操作に基づいて、前記デフォッガーが使用中であるか否かの判定を行う構成とすると好適である。
【0015】
この構成によれば、エアコンディショナが有するスイッチ、ダイヤル、レバー等の選択操作部に対するユーザの操作に基づいて、デフォッガーが使用中であるか否かの判定を容易且つ適切に行うことができる。
【0016】
また、前記エアコン使用期間を、前記エアコンディショナ用のコンプレッサが動作中である期間とすると好適である。
【0017】
この構成によれば、エアコンディショナの全使用期間の中で車両の燃費悪化に大きい影響を及ぼすコンプレッサの動作中の期間をエアコン使用期間とするので、単にエアコンディショナの全使用期間をエアコン使用期間とする場合に比べて、より適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。
【0018】
また、前記省燃費運転評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得手段を更に備え、前記評価情報取得手段は、前記省燃費運転評価値に応じて付与されるポイント、前記省燃費運転評価値に応じた内容のアドバイス文、及び前記省燃費運転評価値を視覚的に表すグラフ表示、の少なくとも一つの情報を前記評価情報として取得する構成とすると好適である。
【0019】
この構成によれば、取得した評価情報を用いて、省燃費運転評価値に基づく省燃費運転評価の内容を適切にユーザに伝えることができる。
【0020】
以上の各構成を備えた本発明に係る省燃費運転評価装置の技術的特徴は、省燃費運転評価方法や省燃費運転評価プログラムにも適用可能であり、そのため、本発明は、そのような方法やプログラムも権利の対象とすることができる。
【0021】
その場合における、省燃費運転評価プログラムの特徴構成は、エアコンディショナを使用可能である期間を使用可能期間とし、前記エアコンディショナが使用中である期間をエアコン使用期間とした場合における、前記使用可能期間に占める前記エアコン使用期間の割合であるエアコン使用割合に応じて、当該エアコン使用割合が低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値を算出する評価機能と、前記エアコンディショナの機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かの判定を行うデフォッガー使用判定機能と、前記デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴う前記エアコン使用期間の増加による前記評価の低下を抑制するように前記省燃費運転評価値を補正する補正機能と、をコンピュータに実現させる点にある。
【0022】
当然ながら、この省燃費運転評価プログラムも上述した省燃費運転評価装置に係る作用効果を得ることができ、更に、その好適な構成の例として挙げたいくつかの付加的技術を組み込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る省燃費運転評価装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエアコン操作パネルの一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、エアコンの使用態様毎のエアコン使用判定及びデフォッガー使用判定の結果を表した表である。
【図4】本発明の実施形態に係る集中管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、評価情報を表示する総合評価画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る、省燃費運転評価値の変化を逐次表すための評価グラフ情報を表示した案内画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る、メモリに格納されたアドバイスデータの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る省燃費運転評価処理の全体の手順を示すフローチャートである。
【図9】ステップ#05の省燃費運転評価値算出処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、図1に示すように、本発明に係る省燃費運転評価装置1をナビゲーション装置としての機能を有する車載端末装置として構成した場合を例として説明する。この省燃費運転評価装置1は、エアコンディショナ11(以下「エアコン」と称する。)の使用割合に応じて省燃費運転に関する評価を行なう装置である。そして、この省燃費運転評価装置1は、このような省燃費運転評価に際して、運転の安全性を高めるためのデフォッガー使用の必要性を考慮した適切な評価を行うため、デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間の増加による評価の低下を抑制するように補正するための構成を備えていることを特徴としている。また、本実施形態では、図4に示すように、省燃費運転評価装置1が集中管理サーバ70と通信可能に構成され、これらにより省燃費運転評価システムが構成されている場合を例として説明する。この集中管理サーバ70は、複数の車両Cのそれぞれに搭載された複数の省燃費運転評価装置1から情報を収集して所定の評価情報Iを生成し、各省燃費運転評価装置1に配信する。
【0025】
1.省燃費運転評価装置の構成
まず、省燃費運転評価装置1の構成について説明する。図1に示す省燃費運転評価装置1の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、省燃費運転評価装置1の各機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、前記演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。地図データベース27は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。また、メモリ51は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体をハードウェア構成として備えている。このメモリ51は、地図データベース27が書き換え可能な記録媒体で構成される場合には、地図データベース27と共通の記録媒体内に設けられてもよい。以下、本実施形態に係る省燃費運転評価装置1の各部の構成について詳細に説明する。
【0026】
この省燃費運転評価装置1は、ナビゲーション装置としての機能を有するため、GPS(Global Positioning System)受信機23、方位センサ24、距離センサ25、自車位置情報取得部22、ナビゲーション用演算部26、及び地図データベース27を備えている。自車位置情報取得部22は、GPS受信機23、方位センサ24、及び距離センサ25からの出力に基づいて自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部22は、地図データベース27に基づいて、公知のマップマッチング処理を行うことにより自車位置を道路上に合わせる補正も行う。地図データベース27は、地図データが記憶されたデータベースである。ここで、地図データは、複数の交差点のそれぞれに対応する複数のノードと、各ノード間を接続する道路に対応する複数のリンクとにより構成される道路ネットワークデータを含んでいる。また、地図データは、表示処理部28による地図表示処理に必要な描画情報や、案内処理部29による経路案内処理に必要な各種の案内情報等を含んでいる。ナビゲーション用演算部26は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路探索、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するために所定のアプリケーションプログラムに従って動作する演算処理部である。
【0027】
送受信部21は、無線基地局等を介して集中管理サーバ70との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。このような無線通信方法としては、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)等の公知の通信網を用いることができる。本実施形態においては、送受信部21は、後述するように、省燃費運転評価値Vに関する情報を集中管理サーバ70へ送信する。また、送受信部21は、集中管理サーバ70から順位情報I4や階級情報I5等のような他の車両C(図4参照)との比較による評価情報I(図5及び図6参照)を受信する他、メモリ51に記憶されたポイント規則52やアドバイスデータ54を更新するための更新情報も受信する。これらの点については後述する。
【0028】
表示処理部28は、地図画像、施設等の検索用画面、各種の設定画面等、ナビゲーション機能として必要な各種の画像を生成し、表示・入力装置30に表示させ、或いは表示・入力装置30からの入力に従って表示する画像を切り替える等の処理を行う。また、表示処理部28は、後述するように、評価情報取得部46により取得された評価情報Iを表示・入力装置30に表示させる処理も行う(図5及び図6参照)。案内処理部29は、ナビゲーション用演算部26による演算結果に従って、表示・入力装置30による案内表示や音声出力装置31による音声案内等による案内を行う。ところで、表示・入力装置30は、液晶ディスプレイ等の表示装置とタッチパネルや操作スイッチ等の入力装置が一体となった装置である。音声出力装置31は、スピーカやアンプ等の音声を出力するための装置を有して構成されている。
【0029】
主電源監視部32は、車両Cの主電源スイッチ15の状態を監視する。そして、主電源スイッチ15がオンされて車両Cの各部に電力が供給されている状態を主電源のオン状態と判定し、主電源スイッチ15がオフされて車両Cの各部に電力が供給されていない状態を主電源のオフ状態と判定する。
【0030】
エアコン動作状態監視部33は、エアコン11の動作状態を監視する。ここで、エアコン11の動作状態としては、例えば、エアコン11自体のオン/オフ、コンプレッサ12のオン/オフ、吹出口の選択、風量、温度設定等が含まれる。本実施形態では、エアコン動作状態監視部33は、エアコン操作パネル60に対するユーザの操作を監視することにより、エアコン11の動作状態を監視する。エアコン操作パネル60は、エアコン11の動作状態をユーザが選択するための操作パネルであり、各種のスイッチ、ダイヤル、レバー等の選択操作部が設けられている。エアコン11及び当該エアコン11用のコンプレッサ12は、このエアコン操作パネル60に対する操作や選択に従って動作する。本実施形態では、コンプレッサ12がオン状態では、エアコン11のヒートポンプが動作し、設定温度に応じた冷房や除湿(暖房中の除湿も含む)等が行われる。一方、コンプレッサ12がオフ状態では、エアコン11のヒートポンプは動作せず、エンジンの排熱を利用した暖房や冷暖房を伴わない送風等が行われる。本実施形態では、後述するように、エアコン11の全使用期間の中で燃費悪化に大きい影響を及ぼすコンプレッサ12が動作中(オン状態)である期間をエアコン使用期間T2とする。従って、コンプレッサ12がオフ状態で暖房や送風のみが行われている期間は、エアコン使用期間T2に算入されない。
【0031】
図2は、エアコン操作パネル60の一例を示した図である。本例では、エアコン操作パネル60は、コンプレッサ動作スイッチ61、風量調整ダイヤル62、温度調整ダイヤル63、吹出口選択スイッチ64、及び導入切替スイッチ65を備えている。上述したコンプレッサ動作スイッチ61は、コンプレッサ12のオン又はオフを切り替える操作を行うためのスイッチであり、ここでは風量調整ダイヤル62の内側に配置された「A/C」の表示がなされたスイッチである。風量調整ダイヤル62は、エアコン11の吹出口からでる風量を調整する操作を行うためのダイヤルである。この風量調整ダイヤル62によりエアコン11の風量設定をオフ位置にするとエアコン11自体がオフ状態となり、風量設定がその他の位置ではエアコン11はオン状態とされる。エアコン11自体がオフ状態となっているときは、当然ながら、コンプレッサ動作スイッチ61の操作に関わらずコンプレッサ12もオフ状態となる。温度調整ダイヤル63は、エアコン11の温度設定を調整するためのダイヤルである。導入切替スイッチ65は、エアコン11を外気導入と内気循環とで切り替える操作を行うためのスイッチである。
【0032】
吹出口選択スイッチ64は、エアコン11の吹出し口を選択する操作を行うためのスイッチであり、本実施形態では、それぞれに異なる吹出し口又は吹出し口の組合せが割り当てられた複数の選択スイッチ64a〜64fを含んで構成されている。そして、複数の選択スイッチ64a〜64fの中から選択されたスイッチに割り当てられた吹出し口からエアコン11の風が吹き出す。本実施形態では、これら複数の選択スイッチ64a〜64fを含む吹出口選択スイッチ64が本発明における吹出口選択操作部13に相当する。図2に示す例では、吹出口選択スイッチ64は、6つの選択スイッチ64a〜64fを含んでいる。第一吹出口スイッチ64aは乗員の上半身への送風、第二吹出口スイッチ64bは乗員の上半身及び足元への送風、第三吹出口スイッチ64cは乗員の足元への送風、をそれぞれ選択するスイッチである。半デフォッガースイッチ64dは、デフォッガーとしての送風と乗員の足元への送風との双方を行う状態を選択するスイッチである。デフォッガースイッチ64eは、デフォッガーとしての送風を選択するスイッチである。オートスイッチ64fは、吹出し口をエアコン11側が自動的に選択する状態に設定するスイッチである。本実施形態では、半デフォッガースイッチ64d及びデフォッガースイッチ64eが、本発明におけるデフォッガー選択操作部14に相当する。
【0033】
車内湿度センサ34は車内の湿度を検出するセンサであり、車内気温センサ35は車内の気温を検出するセンサであり、車外気温センサ36は車外の気温を検出するセンサである。本実施形態では、これらのセンサ34〜36により、環境情報取得手段5が構成されている。従って、これらのセンサ34〜36により検出される車内湿度、車内気温、及び車外気温が車両環境情報となる。
【0034】
エアコン使用判定部41は、エアコン11が使用可能であるか否か、及びエアコン11が使用中であるか否かを判定する。そして、エアコン使用判定部41は、エアコン11を使用可能である期間を使用可能期間T1とし、エアコン11が使用中である期間をエアコン使用期間T2として、これらの期間T1、T2の情報を取得する。本実施形態では、エアコン11が使用可能な状態は、車両Cの主電源スイッチ15がオン状態とされて車両Cが走行可能な状態と一致している。従って、エアコン使用判定部41は、主電源スイッチ15がオン状態とされているときにエアコン11が使用可能であると判定し、この期間を使用可能期間T1として取得する。言い換えれば、エアコン使用判定部41は、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの期間を使用可能期間T1として取得する。また、本実施形態では、エアコン使用判定部41は、コンプレッサ12が動作中(オン状態)のときにエアコン使用中であると判定する。言い換えれば、エアコン使用判定部41は、コンプレッサ12がオンされてからオフされるまでの期間をエアコン使用期間T2として取得する。すなわち、本実施形態では、エアコン使用期間T2は、コンプレッサ12が使用中の期間であるコンプレッサ使用期間に相当する。なお、コンプレッサ12のオン/オフは、コンプレッサ動作スイッチ61の操作による他、風量調整ダイヤル62の操作によるエアコン11自体のオン/オフや主電源スイッチ15のオン/オフによっても行われる。
【0035】
デフォッガー使用判定部42は、エアコン11の機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かを判定する。本実施形態では、このデフォッガー使用判定部42が本発明におけるデフォッガー使用判定手段3に相当する。そして、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーが使用中である期間をデフォッガー使用期間T3として、当該デフォッガー使用期間T3の情報を取得する。本実施形態では、デフォッガーの使用態様として、半デフォッガースイッチ64dにより選択され、デフォッガーとしての送風と乗員の足元への送風との双方を行う状態(以下「半デフォッガー使用状態」と呼ぶ。)と、デフォッガースイッチ64eにより選択され、デフォッガーとしての送風のみを行う状態(以下「全デフォッガー使用状態」と呼ぶ。)と、がある。そこで、本実施形態では、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーが使用中であるか否かの判定に加えて、デフォッガーの使用態様が、全デフォッガー使用状態に相当するか半デフォッガー使用状態に相当するかの判定も行う。そして、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガー使用期間T3として、全デフォッガー使用状態の期間である全デフォッガー使用期間T3aと、半デフォッガー使用状態の期間である半デフォッガー使用期間T3bと、の2つを取得する。
【0036】
デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーの動作状態を選択するためのスイッチ64d、64e(デフォッガー選択操作部14)を含む吹出口選択スイッチ64(吹出口選択操作部13)の操作に基づいて、デフォッガーが使用中であるか否かの判定を行う。具体的には、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガースイッチ64eの操作によって全デフォッガー使用状態が選択されたときから他の吹出口選択スイッチ64が操作されるまでの期間を全デフォッガー使用期間T3aとして取得する。また、デフォッガー使用判定部42は、半デフォッガースイッチ64dの操作によって半デフォッガー使用状態が選択されたときから他の吹出口選択スイッチ64が操作されるまでの期間を半デフォッガー使用期間T3bとして取得する。なお、デフォッガーの使用態様が半デフォッガー使用状態である場合には、乗員の足元への送風も行われることからエアコン11の使用目的の半分は乗員の快適性のためであると考えることができる。従って、本実施形態では、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーの使用態様が半デフォッガー使用状態である場合にはデフォッガーの使用割合を「50%」と判定する。一方、デフォッガーの使用態様が全デフォッガー使用状態である場合には、基本的にはエアコン11の使用目的の全てがデフォッガーのためであると考えることができる。従って、本実施形態では、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーの使用態様が全デフォッガー使用状態である場合にはデフォッガーの使用割合を「100%」と判定する。
【0037】
図3は、エアコン11の使用態様毎のエアコン使用判定部41によるエアコン使用判定及びデフォッガー使用判定部42によるデフォッガー使用判定の結果を表した表である。この表において、「エアコン(11)」の列に示す「ON」又は「OFF」は、エアコン11自体のオン又はオフの状態を示し、「コンプレッサ(12)」の列に示す「ON」又は「OFF」は、コンプレッサ12のオン又はオフの状態を示している。「吹出口選択(64)」の各選択スイッチ64a〜64fに対応する列の「○」は当該「○」が付されたスイッチが選択された状態を示し、「△」は当該「△」が付された複数のスイッチのいずれかが選択された状態を示している。「エアコン使用判定(41)」の列に示す「○」はエアコン使用判定部41がエアコン使用中(コンプレッサ12が動作中)であると判定することを示し、「−」はエアコン使用判定部41がエアコン停止中(エアコン使用中ではない)と判定することを示している。「デフォッガー使用判定(42)」の列に示す「100%」はデフォッガー使用判定部42が全デフォッガー使用状態でデフォッガーが使用中であると判定することを示し、「50%」はデフォッガー使用判定部42が半デフォッガー使用状態でデフォッガーが使用中であると判定することを示し、「−」はデフォッガー使用判定部42がデフォッガー停止中(デフォッガー使用中ではない)と判定することを示している。
【0038】
この図3に示すように、エアコン使用判定部41は、主電源スイッチ15がオン状態とされていること(エアコン11が使用可能であること)を前提として、エアコン11自体のオン又はオフに関わらず、コンプレッサ12がオン状態である場合にエアコン使用中(図中のエアコン使用判定(41)の列に示す「○」)であると判定し、コンプレッサ12がオフ状態である場合にエアコン停止中と判定する。また、デフォッガー使用判定部42は、エアコン使用中(コンプレッサ12が動作中)であることを前提として、複数の吹出口選択スイッチ64(64a〜64f)の中で、デフォッガースイッチ64eが操作されて全デフォッガー使用状態が選択された状態をデフォッガー使用割合「100%」と判定し、半デフォッガースイッチ64dが操作されて半デフォッガー使用状態が選択された状態をデフォッガー使用割合「50%」と判定する。一方、デフォッガー使用判定部42は、これらデフォッガースイッチ64e及び半デフォッガースイッチ64d以外の吹出口選択スイッチ64(64a〜64c、64f)が操作されて乗員の快適性のための吹出口が選択された状態では、デフォッガー停止中と判定する。
【0039】
補正部43は、デフォッガーが使用中であると判定された場合に、当該デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間T2の増加により、省燃費運転評価が低下することを抑制するように、後述する省燃費運転評価値Vを補正する機能を果たす。従って、この補正部43が本発明における補正手段4に相当する。本実施形態においては、補正部43は、デフォッガーの使用態様に応じた割合で当該デフォッガーの使用期間であるデフォッガー使用期間T3をエアコン使用期間T2から除外することにより、省燃費運転評価値Vを補正する。そのため、補正部43は、デフォッガーの使用態様に応じたデフォッガー使用期間T3を表す除外期間T4を算出する。上記のとおり、本実施形態では、デフォッガーの使用態様として、全デフォッガー使用状態(デフォッガー使用割合「100%」)と半デフォッガー使用状態(デフォッガー使用割合「50%」)とが選択され得る。そこで、補正部43は、各デフォッガー使用態様に割り当てられたデフォッガー使用割合に応じた割合で全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bとのそれぞれをエアコン使用期間T2から除外すべく除外期間T4を算出する。具体的には、下記の式(1)に示すように、補正部43は、全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bの(1/2)の期間とを加算した期間を除外期間T4として算出する。
T4=T3a+T3b/2・・・(1)
【0040】
そして、補正部43は、算出した除外期間T4をエアコン使用期間T2から除外することにより、後述する評価値算出部45により算出される省燃費運転評価値Vを補正する。このような省燃費運転評価値Vの補正を行うことにより、デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間T2の増加による省燃費運転評価の低下を抑制することができる。これにより、車窓の曇りを除去して運転の安全性を高めるために必要なデフォッガーの使用によって省燃費運転評価が低下することを適切に抑制することができ、エアコン11の使用に関する適切な省燃費運転評価を行うことが可能となる。
【0041】
必要性判定部44は、環境情報取得手段5により取得された車両環境情報に基づいてデフォッガーを使用する必要性の有無を判定する。よって、この必要性判定部44が本発明における必要性判定手段6に相当する。上記のとおり、本実施形態では、省燃費運転評価装置1は、環境情報取得手段5として、車内湿度センサ34、車内気温センサ35、及び車外気温センサ36を備えており、車両環境情報として車内湿度、車内気温、及び車外気温を取得するように構成されている。必要性判定部44は、これらの車両環境情報に基づいて、車窓の曇りが発生する可能性があるか否かを判定する。例えば、必要性判定部44は、車内気温と車外気温との差である内外気温差と車内湿度とに関して車窓に結露等による曇りが発生する可能性がある条件を規定した曇り発生可能性テーブルを備え、当該曇り発生可能性テーブルと、判定時の内外気温差及び車内湿度とに基づいて車窓の曇りが発生する可能性があるか否かを判定する構成とすることができる。また、例えば、車内湿度、車内気温、及び車外気温の値を所定の計算式に代入して算出された値に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があるか否かを判定する構成とすることもできる。そして、必要性判定部44は、車窓の曇りが発生する可能性がないと判定した場合には、デフォッガーを使用する必要性がないと判定する。
【0042】
また、必要性判定部44は、車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合であっても、デフォッガー使用期間T3が所定の曇り除去必要期間T5を経過した場合には、デフォッガーを使用する必要性がないと判定する。ここで、曇り除去必要期間T5は、車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合における当該車窓の曇りを除去するために必要な期間として設定される期間である。本実施形態では、曇り除去必要期間T5は予め設定された一定の期間とし、デフォッガーの使用により車窓の曇りを除去するために十分な期間に設定する。また、曇り除去必要期間T5と比較するデフォッガー使用期間T3は、デフォッガーの使用態様に応じた期間とすると好適であるため、本実施形態では、そのようなデフォッガー使用期間T3を表す除外期間T4と同様に上記の式(1)により算出される期間とする。必要性判定部44は、デフォッガー使用判定部42により取得されるデフォッガー使用期間T3が、曇り除去必要期間T5を超えたか否かを判定する。そして、必要性判定部44は、車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合であっても、デフォッガー使用期間T3が曇り除去必要期間T5を超えた場合には、それ以上のデフォッガーを使用する必要性がないと判定する。なお、必要性判定部44は、車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合であって、デフォッガー使用期間T3が曇り除去必要期間T5以内である場合には、デフォッガーを使用する必要性があると判定する。なお、曇り除去必要期間T5と比較するデフォッガー使用期間T3を、単に全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bとの和とすることも可能である。
【0043】
省燃費運転評価装置1は、この必要性判定部44によりデフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合には、補正部43による省燃費運転評価値Vの補正を制限する。本実施形態では、必要性判定部44が、このような場合における補正部43による補正の制限を行う。具体的には、必要性判定部44は、デフォッガーを使用する必要性がないと判定した期間に含まれるデフォッガー使用期間T3(全デフォッガー使用期間T3a及び半デフォッガー使用期間T3b)が除外期間T4に算入されることを禁止する。これは、車窓の曇り除去の必要性の範囲を超えてデフォッガーを使用する行為は、運転の安全性を高めるために必要なデフォッガーの使用に含めることは適当ではなく、単に乗員の快適性のためのエアコン11の使用と同一視することが適当であることから、このようなデフォッガー使用期間T3を除外期間T4に含めないためである。このように補正部43による補正を制限することにより、デフォッガーを使用する必要性がないにも関わらず、不注意や乗員の快適性等のためにデフォッガーを使用した場合における省燃費運転評価を低くすることになる。従って、デフォッガーを使用する必要性を考慮した適切な省燃費運転評価値Vを算出することが可能となる。
【0044】
評価値算出部45は、使用可能期間T1に占めるエアコン使用期間T2の割合であるエアコン使用割合Rに応じて、当該エアコン使用割合Rが低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値Vを算出する。ここで、エアコン使用割合Rは、下記の式(2)により算出される。
R=T2/T1・・・(2)
そして、本実施形態では、評価値算出部45は、基本的に、このエアコン使用割合Rをそのまま省燃費運転評価値Vとして用いる。この場合、エアコン使用割合Rが低くなるに従って省燃費運転評価値Vも低くなる。従って、ここでは、省燃費運転評価値Vは、その値が低くなるに従って省燃費運転に関する評価が高くなるような評価値として規定されている。
【0045】
また、上記のとおり、デフォッガー使用判定部42によりデフォッガーが使用中であると判定された場合には、補正部43が、当該デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間T2の増加により省燃費運転評価が低下することを抑制するように、省燃費運転評価値Vを補正する。具体的には、補正部43は、上記の式(1)に従って、全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bの(1/2)の期間とを加算した期間を除外期間T4として算出する。そして、評価値算出部45による省燃費運転評価値Vの算出に際して、除外期間T4をエアコン使用期間T2から除外することにより省燃費運転評価値Vを補正する。従って、このような補正部43による補正を考慮した省燃費運転評価値Vは、下記の式(3)に示すように、エアコン使用期間T2から除外期間T4を差し引いた差分を使用可能期間T1により除算することにより、評価値算出部45において算出される。
V=(T2−T4)/T1・・・(3)
ここで、除外期間T4はエアコン使用期間T2以下(T4≦T2)となり、エアコン使用期間T2は使用可能期間T1以下(T2≦T1)となる。従って、省燃費運転評価値Vは、「0」〜「1」の値を取り得る。そして、最小値「0」で省燃費運転に関する評価が最も高く、最大値「1」で省燃費運転に関する評価が最も低くなる。
【0046】
上記のとおり、エアコン使用判定部41は、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの期間を使用可能期間T1として取得する。そこで、本実施形態では、評価値算出部45は、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの期間を一つの評価値算出期間とし、当該評価値算出期間毎に省燃費運転評価値Vを算出する。また、評価値算出部45は、主電源スイッチ15のオンから現時点までの期間についても省燃費運転評価値Vを算出する。このような各時点での省燃費運転評価値Vは、評価値算出期間の全体での省燃費運転評価値Vに対する途中経過に相当する。
【0047】
本実施形態では、補正部43は除外期間T4の算出までの処理を行うこととし、当該除外期間T4を用いて補正した省燃費運転評価値Vの算出の処理は、評価値算出部45が行うこととしている。ここで、除外期間T4が「0」である場合(T4=0)には、省燃費運転評価値Vはエアコン使用割合Rと一致する。このように除外期間T4が「0」である場合には、補正部43による省燃費運転評価値Vの補正は行われないことと同じになる。本実施形態では、上述したエアコン使用判定部41と評価値算出部45とにより本発明における評価手段2が構成されている。
【0048】
評価情報取得部46は、評価値算出部45により算出された省燃費運転評価値Vに基づいて評価情報Iを取得する。本実施形態においては、この評価情報取得部46が、本発明における評価情報取得手段7に相当する。ここでは図1に示すように、評価情報取得部46は、ポイント算出部47、グラフ生成部48、アドバイス文取得部49、及び外部情報取得部50を備えている。そして、評価情報取得部46は、評価情報Iとして、ポイント情報I1、アドバイス文情報I2、評価グラフ情報I3、順位情報I4、及び階級情報I5を取得する。また、メモリ51には、評価情報取得部46により参照されるポイント規則52及びアドバイスデータ54が記憶されている。図5及び図6は、評価情報取得部46により取得された評価情報Iを、表示・入力装置30に表示出力する際の画面の一例を示している。図5は、これまでの省燃費運転評価値Vに関して総合的に評価した結果を表示するための総合評価画面の一例であり、図6は、車両Cの走行中における省燃費運転評価値Vの変化を逐次表すための評価グラフ情報I3を表示した案内画面の一例である。なお、図6の例では、評価グラフ情報I3の他に、階級情報I5と、経路案内のための案内地図が表示されている。
【0049】
ポイント算出部47は、省燃費運転評価値Vに応じて付与されるポイントを算出する。この際、ポイント算出部47は、メモリ51に記憶されたポイント規則52を参照し、当該ポイント規則52に従って付与されるポイントの算出を行う。このポイント規則52は、評価値算出部45により算出された省燃費運転評価値Vと付与されるポイントとの関係を規定した規則である。上記のとおり、省燃費運転評価値Vは「0」〜「1」の値を取り得る。そこで、本実施形態においては、一例として、ポイント規則52は、省燃費運転評価値Vが取り得る最大値である「1」から省燃費運転評価値Vを差し引いた差分値に100を乗算した値をポイントとして付与するという規則となっている。具体的には、ポイント算出部47は、下記の式(4)に従ってポイントPを算出する。
P=(1−V)×100・・・(4)
上記のとおり、評価値算出部45は、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの期間を一つの評価値算出期間として、「0」〜「1」の範囲内で省燃費運転評価値Vを算出する。従って、ポイント算出部47は、算出された省燃費運転評価値Vに応じて、評価値算出期間毎に0〜100ポイントを算出して付与することになる。
【0050】
また、ポイント算出部47は、上記のように算出された評価値算出期間毎のポイントを積算し、これまでに取得した総ポイントを算出する。総ポイントは、所定期間毎、例えば一年毎に積算及び集計され、年が変われば再度ゼロから積算される構成とし、或いはこれまでに取得した全てのポイントの積算値とされる。ポイント算出部47により算出された評価値算出期間毎のポイント及び総ポイントは、車両ポイントデータ53としてメモリ51に記憶される。そして、ポイント算出部47は、メモリ51に記憶された車両ポイントデータ53に基づいて、前回の走行により取得したポイント(前回取得ポイント)及び総ポイントを表すポイント情報I1を表示・入力装置30に表示させる。図5に示す例では、このようなポイント情報I1を総合評価画面の一部に表示している。
【0051】
ポイント算出部47により参照されるポイント規則52は、集中管理サーバ70(図4参照)から受信した更新情報により更新可能とされている。この更新処理は、更新処理部56により行われる。すなわち、更新処理部56は、送受信部21を介して集中管理サーバ70からポイント規則52の更新情報を受信した場合には、当該更新情報に基づいて、メモリ51に記憶されたポイント規則52を更新する。これにより、例えば、付与されるポイントがより適切な値となるように規則を随時変更することや、期間限定で付与されるポイントを多くするように規則を変更すること等が可能となる。なお、上記ポイント規則52の内容は単なる一例であり、この規則の内容は任意に設定することが可能である。従って、例えば、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの評価値算出期間の長さに応じて、同じ省燃費運転評価値Vであっても付与されるポイントを変えるようにポイント規則52を設定しても好適である。
【0052】
グラフ生成部48は、各時点での省燃費運転評価値Vを視覚的に表すグラフ表示を生成する。具体的には、図6に示すように、エアコンを使用可能な期間(使用可能期間T1)における省燃費運転評価値Vの変化を逐次表すための評価グラフ情報I3を生成する。また、グラフ生成部48は、生成した評価グラフ情報I3を表示・入力装置30に表示させる。上記のとおり、本実施形態では、省燃費運転評価値Vは、その値が低くなるに従って省燃費運転に関する評価が高くなるような評価値となっている。そこで、上述したポイントPと同様に、省燃費運転評価値Vが取り得る最大値である「1」から省燃費運転評価値Vを差し引いた差分値に100を乗算した値を、省燃費運転評価値Vをグラフ表示するための表示値とし、当該表示値をグラフ化した評価グラフ情報I3を生成する。この評価グラフ情報I3は、省燃費運転評価値Vの現在値のグラフと、省燃費運転評価値Vの過去平均値のグラフとを有して構成され、互いに対比可能な状態となるように隣接配置されている。ここで、省燃費運転評価値Vの現在値のグラフは、主電源のオンから現時点までの期間についての省燃費運転評価値Vを、時間経過に伴って逐次更新しながら表示するためのグラフである。また、省燃費運転評価値Vの過去平均値のグラフは、主電源スイッチ15がオンされてからオフされるまでの評価値算出期間の省燃費運転評価値Vについての過去の情報の平均値を表示するためのグラフであり、評価値算出期間が終了する毎に値が更新される。図示の例では、両グラフは、いずれも棒グラフとされている。なお、過去の省燃費運転評価値Vの情報としては、省燃費運転評価装置1において記憶され、或いは集中管理サーバ70において車両C毎に記憶された情報が用いられる。
【0053】
アドバイス文取得部49は、省燃費運転評価値Vに応じた内容のアドバイス文情報I2を取得する。ここでは、アドバイス文取得部49は、メモリ51に格納されたアドバイスデータ54から省燃費運転評価値Vに応じた内容のアドバイス文情報I2を読み出して取得する。また、アドバイス文取得部49は、取得したアドバイス文情報I2を表示・入力装置30に表示させる。このアドバイス文情報I2は、省燃費運転評価値Vに応じて、省燃費運転評価値Vに応じた評価の内容をユーザに伝えるための文章の情報である。本実施形態においては、このアドバイス文情報I2は、エアコン11の使用を控えることにより省燃費運転を行うことができることに対するユーザの意識向上を図るための文章の情報となっている。図7は、メモリ51に格納されたアドバイスデータ54の一例を示している。この例によれば、省燃費運転評価値Vが「0」〜「0.50」と低い(省燃費運転に関する評価が高い)場合には、そのことを褒める内容の文章がアドバイス文情報I2として取得される。一方、省燃費運転評価値Vが「0.51」〜「0.80」と比較的高い(省燃費運転に関する評価が比較的低い)場合には、エアコン11の使用を控えることを推奨する内容の文章がアドバイス文情報I2として取得され、省燃費運転評価値Vが「0.81」〜「1.00」と更に高い(省燃費運転に関する評価が更に低い)場合には、やや強めにエアコン11の使用を控えることを推奨する内容の文章がアドバイス文情報I2として取得される。図5に示す例では、アドバイス文情報I2を、総合評価画面の一部に表示している。
【0054】
メモリ51に格納されたアドバイスデータ54は、集中管理サーバ70から受信した更新情報により更新可能とされている。この更新処理は、更新処理部56により行われる。すなわち、更新処理部56は、送受信部21を介して集中管理サーバ70からアドバイスデータ54の更新情報を受信した場合には、当該更新情報に基づいて、メモリ51に記憶されたアドバイスデータ54を更新する。これにより、例えば、ユーザのエアコン使用傾向等に応じてアドバイス文情報I2の内容を変更する等のように、アドバイス文情報I2の内容をより適切なものに随時変更することが可能となる。なお、上記アドバイスデータ54の内容は単なる一例であり、その内容は任意に設定することが可能である。
【0055】
外部情報取得部50は、車両Cの外部に設けられた集中管理サーバ70(図4参照)からの評価情報Iを取得するための処理を行う。具体的には、外部情報取得部50は、送受信部21を介して集中管理サーバ70と通信を行い、順位情報I4や階級情報I5等の他車両Cとの比較による評価情報Iを受信する。後述するように、集中管理サーバ70は、複数の車両Cに搭載された省燃費運転評価装置1と通信可能に設けられ、これら複数の車両Cから省燃費運転評価値Vに関する情報を収集して集計する。本実施形態においては、集中管理サーバ70は、各車両Cの省燃費運転評価装置1から省燃費運転評価値Vに応じて付与されるポイント、並びに省燃費運転評価値Vの情報を収集して集計し、その集計結果として順位情報I4及び階級情報I5を生成する。各省燃費運転評価装置1の外部情報取得部50は、このように生成された順位情報I4及び階級情報I5を集中管理サーバ70に対して所定のタイミングで要求し、取得する。本実施形態においては、外部情報取得部50は、主電源15がオンされた時に、集中管理サーバ70に対して順位情報I4及び階級情報I5を要求する。
【0056】
順位情報I4は、他車両Cとの比較での省燃費運転評価値Vに関する各車両Cの順位を表す情報である。この順位情報I4としては、例えば、各車両の所定期間内での省燃費運転評価値Vの平均値の順位や、各車両が所定期間内で取得したポイント合計の順位等の情報とすることができる。ここで、所定期間としては、例えば、一年、一月、一週間、一日等のように、各種の期間を設定することができる。そして、外部情報取得部50は、取得した順位情報I4を表示・入力装置30に表示させる。本実施形態においては、図5の例に示すように、順位情報I4は、各車両Cが月毎に取得したポイント合計の他車両Cとの比較での順位、及び当該順位が前月に対して上昇したか下降したかを示す矢印画像を含んでいる。
【0057】
階級情報I5は、他車両Cとの比較での各車両Cの過去の省燃費運転評価値Vに基づいて付与される階級を表す情報である。この階級情報I5としては、例えば、各車両の所定期間内での省燃費運転評価値Vの平均値の順位や、各車両Cが所定期間内で取得したポイント合計の順位、各車両Cがこれまでに取得した総ポイント等に応じて、各車両を複数の階級に区分した際における各車両Cの属する階級の情報とすることができる。本実施形態においては、階級情報I5は、所定期間(例えば1年間)に取得したポイント合計の順位に応じて、現在の階級を上下させることにより決定される。ここで、階級としては、例えば、A、B、C、・・・の区分や、1、2、3、・・・の区分等を用いることができる。そして、外部情報取得部50は、取得した階級情報I5を表示・入力装置30に表示させる。本実施形態においては、図5の例に示すように、階級情報I5は、A、B、C、・・・の階級を用いており、図示の例では車両Cは「B」階級に属することが表示されている。
【0058】
送信処理部55は、所定のタイミングで省燃費運転評価値Vに関する情報を集中管理サーバ70へ送信する処理を行う。より具体的には、送信処理部55は、主電源15がオフされた時に、主電源15のオンからオフまでの評価値算出期間の省燃費運転評価値Vに関する情報を集中管理サーバ70へ送信する処理を行う。主電源15のオン及びオフは、主電源監視部32により判定される。本実施形態においては、送信処理部55は、省燃費運転評価値Vに応じて付与される評価値算出期間毎のポイント情報、並びに省燃費運転評価値Vの情報を、集中管理サーバ70へ送信する。
【0059】
2.集中管理サーバの構成
次に、集中管理サーバ70の構成について説明する。図4に示すように、集中管理サーバ70は、複数の車両Cのそれぞれに搭載された複数の省燃費運転評価装置1と通信可能に設けられている。そして、集中管理サーバ70は、各省燃費運転評価装置1から省燃費運転評価値Vに関する情報を収集して集計するとともに、集計した情報に基づいて各省燃費運転評価装置1についての評価情報Iを生成する。また、集中管理サーバ70は、各省燃費運転評価装置1からの要求に従って、生成した評価情報Iを配信する。
【0060】
図4に示す集中管理サーバ70の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、集中管理サーバ70の各機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、前記演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、ユーザデータベース71は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係る集中管理サーバ70の各部の構成について詳細に説明する。
【0061】
送受信部72は、無線基地局等を介して複数の車両Cに搭載された省燃費運転評価装置1との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。この無線通信方法には、省燃費運転評価装置1の送受信部21と共通のものが使用される。上記のとおり、本実施形態においては、送受信部72は、省燃費運転評価値Vに関する情報、具体的には、省燃費運転評価値Vに応じて付与されるポイント、並びに省燃費運転評価値Vの情報を省燃費運転評価装置1から受信する。また、送受信部72は、順位情報I4や階級情報I5等の他の車両Cとの比較による評価情報I、及び省燃費運転評価装置1のメモリ51に記憶されたポイント規則52やアドバイスデータ54を更新するための更新情報を省燃費運転評価装置1へ送信する。
【0062】
格納処理部73は、送受信部72により各車両Cに搭載された省燃費運転評価装置1から受信した省燃費運転評価値Vに関する情報を、車両C毎に区分してユーザデータベース71に格納する処理を行う。上記のとおり、本実施形態においては、省燃費運転評価値Vに関する情報には、省燃費運転評価値Vに応じて付与されるポイント、並びに省燃費運転評価値Vの情報が含まれる。これらの情報は、各車両Cにおいて主電源がオフされた時に、当該車両Cの評価値算出期間毎の情報として省燃費運転評価装置1から送信され、送受信部72において受信される。格納処理部73は、受信した省燃費運転評価値Vに関する情報を、各車両Cの識別情報及び受信日時の情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納する。ここで、各車両Cの識別情報としては、例えば、各車両C又は各省燃費運転評価装置1の識別コードや各車両Cのナンバープレートの番号等を用いることができる。
【0063】
集計処理部74は、ユーザデータベース71に記憶された車両C毎の省燃費運転評価値Vに関する情報を集計し、各車両C(各省燃費運転評価装置1)についての評価情報Iを生成する処理を行う。具体的には、集計処理部74は、各車両Cから受信した評価値算出期間毎のポイントの情報を所定期間毎に集計し、複数の車両Cを比較したポイント合計の順位を表す順位情報I4を生成する。本実施形態においては、集計処理部74は、各車両Cが月毎に取得したポイントの合計を演算し、他車両Cとの比較での順位を表す順位情報I4を生成する。更に、集計処理部74は、各車両Cが所定期間内で取得したポイントを集計し、その集計結果に応じて付与される階級を表す階級情報I5を生成する。本実施形態においては、集計処理部74は、所定期間(例えば1年間)に取得したポイント合計の順位に応じて、順位が高ければ階級を上昇させ、順位が低ければ階級を下降させることにより、各車両Cの階級を決定する。最初に所定期間が経過するまでの階級は、最も低い階級や中間の階級等、任意に設定することができる。生成された順位情報I4及び階級情報I5は、各車両Cの識別情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納される。なお、順位情報I4及び階級情報I5は、ポイントに代えて省燃費運転評価値Vに基づいて生成しても好適である。
【0064】
また、集計処理部74は、各車両Cから受信した評価値算出期間毎のポイントの情報を車両C毎に積算し、これまでに取得した総ポイントを算出をする。上記のとおり、総ポイントは、所定期間毎に積算された積算値とされ、或いはこれまでに取得した全てのポイントの積算値とされる。算出された総ポイントの情報は、各車両Cの識別情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納される。このようにユーザデータベース71に格納される総ポイントの情報は、各省燃費運転評価装置1のメモリ51に記憶された総ポイントの情報のバックアップ及び確認等のために用いられる。従って、この情報は、省燃費運転評価装置1において車両ポイントデータ53としてメモリ51に記憶される総ポイントの情報と一致する。
【0065】
配信処理部75は、各省燃費運転評価装置1の外部情報取得部50からの要求に応じて、集計処理部74により生成した評価情報Iとしての順位情報I4及び階級情報I5をユーザデータベース71から読み出し、各省燃費運転評価装置1へ送信する処理を行う。また、配信処理部75は、図示しない更新情報生成部により、ポイント規則52やアドバイスデータ54を更新するための更新情報が生成された際には、当該更新情報を省燃費運転評価装置1へ送信する処理を行う。
【0066】
3.動作処理の手順
次に、本実施形態に係る省燃費運転評価装置1において実行される省燃費運転評価処理の手順(省燃費運転評価方法)について説明する。図8は、本実施形態に係る省燃費運転評価処理の全体の手順を示すフローチャートである。また、図9は、図8のステップ#05の省燃費運転評価値算出処理の手順を示すフローチャートである。以下、これらのフローチャートに従って説明する。
【0067】
まず、省燃費運転評価処理の全体の手順について説明する。図8に示すように、省燃費運転評価装置1が搭載された車両Cの主電源スイッチ15がオンされた場合には(ステップ#01:Yes)、外部情報取得部50により、集中管理サーバ70に対して、当該車両Cに対する評価情報Iとしての順位情報I4及び階級情報I5を要求し、これらの情報を受信する(ステップ#02)。そして、総合評価画面を表示する(ステップ#03)。この総合評価画面は、図5に示すように、前回の走行により取得したポイント(前回取得ポイント)及び総ポイントを表すポイント情報I1、アドバイス文情報I2、順位情報I4、及び階級情報I5の表示を含んでいる。ここで、ポイント情報I1は、ポイント算出部47により算出され、メモリ51に記憶された車両ポイントデータ53から取得される。アドバイス文情報I2は、アドバイス文取得部49により、メモリ51に格納されたアドバイスデータ54から、前回の走行時の省燃費運転評価値Vに応じた内容のアドバイス文情報I2を読み出すことにより取得される。順位情報I4及び階級情報I5は、ステップ#02により集中管理サーバ70から受信して取得される。図5に示す総合評価画面は、これらの情報を所定の形式に従って配置して構成される。
【0068】
その後、ステップ#05の省燃費運転評価値算出処理を繰り返す間隔として予め設定された所定の演算期間が経過したか否かを判定する(ステップ#04)。この演算期間は、省燃費運転評価値Vを更新する間隔となるので、例えば1秒以下等の比較的短い時間に設定すると好適である。演算期間が経過していなければ(ステップ#04:No)、処理はステップ#07へ進む。そして、演算期間が経過すれば(ステップ#04:Yes)、当該演算期間をリセットしてステップ#05へ進む。次に、省燃費運転評価装置1の各機能部により、省燃費運転評価値Vを算出する省燃費運転評価値算出処理が行われる(ステップ#05)。この省燃費運転評価値算出処理については、後に図9のフローチャートに基づいて詳細に説明する。次に、グラフ生成部48により、評価グラフ情報I3を生成し、表示する(ステップ#06)。この評価グラフ情報I3は、図6に示すように、各時点での省燃費運転評価値Vを視覚的に表すグラフ表示である。ステップ#05及び#06の処理は、主電源スイッチ15がオフされるまでの間、所定の時間間隔で繰り返し実行される。したがって、車両Cの主電源スイッチ15がオン(ステップ#01:Yes)されてからオフ(ステップ#07:No)されるまでの間(評価値算出期間)は、各時点での省燃費運転評価値Vが随時算出されるとともに、当該各時点での省燃費運転評価値Vを視覚的に表す評価グラフ情報I3が表示・入力装置30に表示される。
【0069】
その後、主電源スイッチ15がオフされた場合には(ステップ#07:Yes)、送信処理部55により、主電源スイッチ15のオンからオフまでの評価値算出期間の省燃費運転評価値Vに関する情報を集中管理サーバ70へ送信する(ステップ#08)。ここで、送信される省燃費運転評価値Vに関する情報には、上記のとおり、評価値算出期間毎のポイント情報、及び省燃費運転評価値Vの情報が含まれる。そして、評価値算出期間の省燃費運転評価値Vは、主電源スイッチ15がオフされる直前にステップ#05により算出された当該時点での省燃費運転評価値Vに等しい。以上で省燃費運転評価処理の全体の手順を終了する。
【0070】
次に、図8のステップ#05における省燃費運転評価値算出処理の手順について説明する。図9に示すように、この処理においては、まず、エアコン使用判定部41が、エアコン11の使用可能期間T1を更新する(ステップ#11)。具体的には、エアコン使用判定部41は、前回取得した使用可能期間T1に前回演算後の使用可能期間T1(ステップ#04の演算期間に等しい)を加算して使用可能期間T1を更新する。これにより、エアコン使用判定部41は、主電源スイッチ15がオン(ステップ#01:Yes)されてから現時点までの経過時間を使用可能期間T1として取得する。また、エアコン使用判定部41は、エアコン11が使用中であるか否かを判定する(ステップ#12)。上記のとおり、本実施形態では、エアコン使用判定部41は、コンプレッサ12が動作中(オン状態)のときにエアコン使用中であると判定する。エアコン11が使用中である場合には(ステップ#12:Yes)、エアコン使用判定部41は、エアコン使用期間T2を更新する(ステップ#13)。具体的には、エアコン使用判定部41は、前回取得したエアコン使用期間T2に前回演算後のエアコン使用期間T2を加算してエアコン使用期間T2を更新する。これにより、エアコン使用判定部41は、エアコン11が使用可能となってから現時点までにおけるエアコン11が使用中(コンプレッサ12が動作中)であった期間をエアコン使用期間T2として取得する。すなわち、エアコン使用判定部41は、使用可能期間T1内において断続的にエアコン11が使用された場合には、当該エアコン11が使用中であった期間のみを積算してエアコン使用期間T2として取得する。一方、エアコン11が停止中である場合(ステップ#12:No)には、エアコン使用期間T2を更新せず、処理はそのままステップ#21へ進む。この場合、ステップ#21の省燃費運転評価値Vの算出処理では、前回取得したエアコン使用期間T2が使用される。
【0071】
次に、デフォッガー使用判定部42が、デフォッガーが使用中であるか否かを判定する(ステップ#14)。デフォッガーが使用中である場合には(ステップ#14:Yes)、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガー使用期間T3を取得する(ステップ#15)。上記のとおり、本実施形態では、デフォッガーの使用態様には、全デフォッガー使用状態と半デフォッガー使用状態とが含まれる。従って、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガー使用期間T3として、全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bとの2つをそれぞれ取得する。この際、デフォッガー使用判定部42は、前回取得したデフォッガー使用期間T3に前回演算後のデフォッガー使用期間T3を加算してデフォッガー使用期間T3を更新する。これにより、デフォッガー使用判定部42は、エアコン11が使用可能となってから現時点までにおけるデフォッガーが使用中であった期間をデフォッガー使用期間T3として取得する。すなわち、デフォッガー使用判定部42は、使用可能期間T1内において断続的にデフォッガーが使用された場合には、当該デフォッガーが使用中であった期間のみを積算してデフォッガー使用期間T3として取得する。ここでは、全デフォッガー使用期間T3aと半デフォッガー使用期間T3bとがそれぞれ取得される。一方、デフォッガーが停止中である場合(ステップ#14:No)には、デフォッガー使用期間T3を更新せず、処理はそのままステップ#21へ進む。この場合、ステップ#19及び#20の除外期間T4の算出処理では、前回取得したデフォッガー使用期間T3(全デフォッガー使用期間T3a、半デフォッガー使用期間T3b)が使用される。
【0072】
その後、必要性判定部44が、環境情報取得手段5により取得された車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があるか否かを判定する(ステップ#16)。車窓の曇りが発生する可能性がある場合には(ステップ#16:Yes)、更に、デフォッガー使用期間T3が曇り除去必要期間T5以下(T3≦T5)であるか否かを判定する(ステップ#17)。上記のとおり、本実施形態では、曇り除去必要期間T5と比較するデフォッガー使用期間T3は、除外期間T4と同様に上記の式(1)により算出される期間とする。なお、デフォッガー使用停止後に再度車窓の曇りが発生する場合もあることから、曇り除去必要期間T5と比較するデフォッガー使用期間T3については、デフォッガーの使用中止から所定時間(例えば1時間等)が経過したときにゼロに初期化されるようにすると好適である。そして、車窓の曇りが発生する可能性がない場合には(ステップ#16:No)、又は車窓の曇りが発生する可能性がある場合(ステップ#16:Yes)であってもデフォッガー使用期間T3が曇り除去必要期間T5を経過した場合(ステップ#17:No)には、デフォッガー使用判定部42は、それらの条件下でのデフォッガーの使用は車窓の曇りを除去するために必要な使用ではないと判定し、処理はそのままステップ#21へ進む。この場合、ステップ#19及び#20の追加除外期間T4aの算出処理は行われず、除外期間T4が更新されないので、ステップ#21では前回取得した除外期間T4が使用される。
【0073】
一方、デフォッガー使用期間T3が曇り除去必要期間T5以下である場合には(ステップ#17:Yes)、デフォッガー使用判定部42は、デフォッガーを使用する必要性があったと判定する。そこで、補正部43が、デフォッガーの使用態様を判定し(ステップ#18)、当該デフォッガーの使用態様に応じた追加除外期間T4aを算出する(ステップ#19又は#20)。本実施形態では、デフォッガーの使用態様には、全デフォッガー使用状態と半デフォッガー使用状態とが含まれる。そこで、補正部43は、デフォッガーの使用態様が全デフォッガー使用状態であった場合には、全デフォッガー使用期間T3aをそのまま追加除外期間T4a(=T3a)として算出する(ステップ#19)。また、補正部43は、デフォッガーの使用態様が半デフォッガー使用状態であった場合には、半デフォッガー使用期間T3bの(1/2)の期間を追加除外期間T4a(=T3b/2)として算出する(ステップ#20)。そして、補正部43は、これらのステップ#19又は#20で算出された追加除外期間T4aを用いて除外期間T4を更新する(ステップ#21)。具体的には、補正部43は、前回取得した除外期間T4に今回算出した追加除外期間T4aを加算して除外期間T4を更新する。
【0074】
その後、評価値算出部45が、省燃費運転評価値Vを算出する(ステップ#22)。すなわち、評価値算出部45は、上記の式(3)に示すように、エアコン使用期間T2から除外期間T4を差し引いた差分を使用可能期間T1により除算して省燃費運転評価値Vを算出する。ここで、使用可能期間T1は、ステップ#11による更新後の値が用いられる。一方、エアコン使用期間T2は、ステップ#13による更新が行われた場合には更新後の値が用いられ、更新が行われなかった場合には前回取得した値が用いられる。同様に、除外期間T4も、ステップ#21による更新が行われた場合には更新後の値が用いられ、更新が行われなかった場合には前回取得した値が用いられる。以上により、各時点での省燃費運転評価値Vが算出される。
【0075】
4.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、全デフォッガー使用状態のデフォッガー使用割合を「100%」とし、半デフォッガー使用状態のデフォッガー使用割合を「50%」とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、デフォッガーの使用態様のデフォッガー使用割合は、各使用態様でのデフォッガーの使用状態に応じて適宜決定することが可能である。従って、例えば、全デフォッガー使用状態においても乗員の快適性のためのエアコン11の使用が20%程度は含まれていると考え、全デフォッガー使用状態のデフォッガー使用割合を「80%」とし、半デフォッガー使用状態のデフォッガー使用割合を「40%」としても好適である。また、デフォッガーの使用態様が3つ以上存在する場合にも、同様に各使用態様に応じたデフォッガー使用割合を適宜決定すると好適である。これらの場合においても、補正部43(補正手段4)は、各使用態様に割り当てられたデフォッガー使用割合に応じた割合でデフォッガー使用期間T3をエアコン使用期間T2から除外する構成とすると好適である。なお、デフォッガーの使用態様が複数存在する場合であっても、当該使用態様によらずデフォッガー使用割合を一律としてデフォッガー使用期間T3や除外期間T4を算出する構成とすることも可能である。
【0076】
(2)上記の実施形態では、補正部43がデフォッガー使用期間T3を除外期間T4としてエアコン使用期間T2から除外することにより省燃費運転評価値Vを補正する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、デフォッガーの使用に伴うエアコン使用期間T2の増加により、省燃費運転評価が低下することを抑制するように省燃費運転評価値Vを補正する様々な構成が本発明に含まれる。従って、例えば、デフォッガー使用期間T3をそのまま除外期間T4として用いるのではなく、所定の補正係数Q(Q<1、例えばQ=0.7等)を乗算して得られる期間を除外期間T4として用いる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。なお、このような構成は、上記の実施形態と同様に、デフォッガーの複数の使用態様のそれぞれに応じた割合でデフォッガー使用期間T3をエアコン使用期間T2から除外する構成にも適用可能である。この場合、デフォッガー使用割合に応じた割合とされた各デフォッガー使用期間T3のそれぞれに補正係数Qを乗算して除外期間T4を算出することになる。例えば、上記の実施形態における式(1)は、以下の式(5)のようになる。
T4=Q{T3a+T3b/2}・・・(5)
【0077】
(3)上記の実施形態では、曇り除去必要期間T5を一定期間とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、必要性判定部44が、車両環境情報に基づいて車窓に発生する曇りの程度を判定する曇り度判定手段を備える構成とし、曇り除去必要期間T5を、曇り度判定手段により判定される車窓の曇りの程度に応じた可変期間として設定する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、車窓の曇りの程度が大きくなるに従って曇り除去必要期間T5を長くする構成とすると好適である。
【0078】
(4)上記の実施形態では、必要性判定部44によりデフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合に、当該デフォッガーを使用する必要性がないと判定した期間に含まれるデフォッガー使用期間T3が除外期間T4に算入されることを禁止する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、デフォッガーを使用する必要性がないと判定した期間に含まれるデフォッガー使用期間T3の一部が除外期間T4に算入されることを禁止する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、例えば、デフォッガーを使用する必要性がないと判定した期間に含まれるデフォッガー使用期間T3に対して所定の必要性補正係数N(N<1、例えばN=0.3等)を乗算して得られる期間を除外期間T4に算入する構成とすることができる。また、デフォッガーを使用する必要性がないと判定した期間に含まれるデフォッガー使用期間T3も、デフォッガーを使用する必要性がある場合と同様に除外期間T4に算入する構成とすることも、当然に可能である。この場合には、デフォッガーの使用を停止することを促すアドバイスや、エアコン11の使用を停止することを促すアドバイス等を適宜出力する構成とすると好適である。
【0079】
(5)上記の実施形態では、必要性判定部44によりデフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合に、当該必要性判定部44が、補正部43による補正を制限する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、必要性判定部44によりデフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合に、補正部43が自らによる省燃費運転評価値Vの補正を制限する構成としても好適である。この場合において、省燃費運転評価値Vの補正を制限するための具体的手法は、上述した必要性判定部44による場合と同様にすることができる。
【0080】
(6)上記の実施形態では、省燃費運転評価装置1が必要性判定部44を備え、デフォッガーを使用する必要性の有無に応じて補正部43による省燃費運転評価値Vの補正を制限する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、省燃費運転評価装置1が必要性判定部44を備えない構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、例えば、車両環境情報に基づくデフォッガーの使用の必要性に関わらず、全てのデフォッガー使用期間T3を除外期間T4に算入する構成とすることが可能である。
【0081】
(7)上記の実施形態では、補正部43は除外期間T4の算出までの処理を行い、評価値算出部45が除外期間T4を用いて補正した省燃費運転評価値Vの算出を上記の式(3)に従って行う場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、評価値算出部45が省燃費運転評価値Vとしてエアコン使用割合R(=T2/T1)を算出し(V=R)、補正部43が除外期間T4を使用可能期間T1により除算した補正値M(=T4/T1)を算出すると共に、当該補正値Mを省燃費運転評価値V(=R)から差し引いて補正する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、補正後の最終的な省燃費運転評価値V´は、下記の式(6)により算出される。
V´=V−M=(T2/T1)−(T4/T1)・・・(6)
この場合にも、最終的な省燃費運転評価値V´は、上述した実施形態と同様の値として算出される。
【0082】
(8)上記の実施形態では、エアコン使用期間T2をコンプレッサ12が動作中である期間とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。従って、例えば、エアコン使用期間T2を、エアコン11自体が動作中(オン状態)である期間とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、エアコン使用期間T2には、コンプレッサ12が動作中である期間の他、コンプレッサ12が停止中であってエンジンの排熱を利用した暖房や冷暖房を伴わない送風等が行われている期間も含まれる。
【0083】
(9)上記の実施形態では、省燃費運転評価値V、ポイント情報I1、及びアドバイス文情報I2等を、予め定められた規則に従って一律に決定する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこのような構成に限定されるものではなく、これらの決定規則を各種条件に応じて変更する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。例えば、エアコン11の使用態様は気温や湿度等によって大きく異なることから、これらの省燃費運転評価値V、ポイント情報I1、及びアドバイス文情報I2等の決定規則を、各種のセンサにより検出される車両環境情報(車内湿度、車内気温、車外気温等)に応じて変更する構成とすると好適である。この場合、例えば、車内湿度や車内気温が高く、エアコン11(コンプレッサ12)を使用する要望が強い場合には、車内湿度や車内気温が低い場合に比べて、同じようなエアコン11の使用態様であっても省燃費運転に関する評価が高くなるように前記決定規則を調整する構成とすると好適である。
【0084】
(10)上記の実施形態では、評価情報Iとして、ポイント情報I1、アドバイス文情報I2、評価グラフ情報I3、順位情報I4、及び階級情報I5を取得し、ユーザが知ることができるように出力する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。したがって、これらの中の一部の情報のみを評価情報Iとして取得する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、これら以外の省燃費運転評価値Vに関しての評価を表す各種の情報を評価情報Iとして取得する構成としても好適である。
【0085】
(11)上記の実施形態において説明した、省燃費運転評価装置1と集中管理サーバ70とのそれぞれが備える機能部の割り当ては単なる一例である。したがって、例えば自車位置情報取得部22等のように、省燃費運転評価装置1側に備える必要がある機能部を除き、各機能部は、省燃費運転評価装置1と集中管理サーバ70とのいずれに備えていてもよい。したがって、例えば、省燃費運転評価装置1の一部又は全部の構成が、車載端末装置と通信可能に設けられた集中管理サーバ70に備えられた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0086】
(12)上記の実施形態では、本発明に係る省燃費運転評価装置1が、ナビゲーション装置としての機能を有する車載端末装置として構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。したがって、例えば、本発明に係る省燃費運転評価装置1を、ナビゲーション装置とは無関係な車両Cの制御装置や車載端末等として構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、車両のエアコンディショナの使用状況に基づく省燃費運転評価を行う省燃費運転評価装置及び省燃費運転評価プログラムとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1:省燃費運転評価装置
2:評価手段
3:デフォッガー使用判定手段
4:補正手段
5:環境情報取得手段
6:必要性判定手段
7:評価情報取得手段
11:エアコン(エアコンディショナ)
12:コンプレッサ
13:吹出口選択操作部
14:デフォッガー選択操作部
T1:使用可能期間
T2:エアコン使用期間
T3:デフォッガー使用期間
T4:除外期間
T5:曇り除去必要期間
V:省燃費運転評価値
R:エアコン使用割合
I:評価情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンディショナを使用可能である期間を使用可能期間とし、前記エアコンディショナが使用中である期間をエアコン使用期間とした場合における、前記使用可能期間に占める前記エアコン使用期間の割合であるエアコン使用割合に応じて、当該エアコン使用割合が低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値を算出する評価手段と、
前記エアコンディショナの機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かの判定を行うデフォッガー使用判定手段と、
前記デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴う前記エアコン使用期間の増加による前記評価の低下を抑制するように前記省燃費運転評価値を補正する補正手段と、
を備えた省燃費運転評価装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記デフォッガーの使用態様に応じた割合で当該デフォッガーの使用期間を前記エアコン使用期間から除外する請求項1に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項3】
車内湿度、車内気温、及び車外気温を含む車両環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記車両環境情報に基づいて前記デフォッガーを使用する必要性の有無を判定する必要性判定手段と、を更に備え、
前記必要性判定手段により前記デフォッガーを使用する必要性がないと判定された場合には、前記補正手段による補正を制限する請求項1又は2に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項4】
前記必要性判定手段は、前記車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性がないと判定した場合、及び前記車両環境情報に基づいて車窓の曇りが発生する可能性があると判定した場合であっても前記デフォッガーが使用中であるデフォッガー使用期間が当該車窓の曇りを除去するために必要な期間として設定された曇り除去必要期間を経過した場合に、前記デフォッガーを使用する必要性がないと判定する請求項3に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項5】
前記デフォッガー使用判定手段は、前記エアコンディショナの吹出口を選択するための吹出口選択操作部及び前記デフォッガーの動作状態を選択するためのデフォッガー選択操作部の一方又は双方の操作に基づいて、前記デフォッガーが使用中であるか否かの判定を行う請求項1から4のいずれか一項に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項6】
前記エアコン使用期間を、前記エアコンディショナ用のコンプレッサが動作中である期間とする請求項1から5のいずれか一項に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項7】
前記省燃費運転評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得手段を更に備え、
前記評価情報取得手段は、前記省燃費運転評価値に応じて付与されるポイント、前記省燃費運転評価値に応じた内容のアドバイス文、及び前記省燃費運転評価値を視覚的に表すグラフ表示、の少なくとも一つの情報を前記評価情報として取得する請求項1から6のいずれか一項に記載の省燃費運転評価装置。
【請求項8】
エアコンディショナを使用可能である期間を使用可能期間とし、前記エアコンディショナが使用中である期間をエアコン使用期間とした場合における、前記使用可能期間に占める前記エアコン使用期間の割合であるエアコン使用割合に応じて、当該エアコン使用割合が低くなるに従って省燃費運転に関する評価を高くするように省燃費運転評価値を算出する評価機能と、
前記エアコンディショナの機能の一つであるデフォッガーが使用中であるか否かの判定を行うデフォッガー使用判定機能と、
前記デフォッガーが使用中であると判定された場合には、当該デフォッガーの使用に伴う前記エアコン使用期間の増加による前記評価の低下を抑制するように前記省燃費運転評価値を補正する補正機能と、
をコンピュータに実現させるための省燃費運転評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−195037(P2011−195037A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64519(P2010−64519)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】