説明

省電力光源を用いた照明装置

【課題】LEDからの光を有効に利用するとともに、眩しさを感じさせないLEDを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】LEDを用いた照明装置10は、LED電球11と、LED電球11を中心として、LED電球11の周囲に放射状に延在するように設けられた複数のブレード12とを含む。放射状に延在する複数のブレード12は、LED電球11側において相互に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は省電力光源を用いた照明装置に関し、特に、全面から柔らかく暖かい光を周囲に提供できる省電力光源を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネの観点からLED(Light Emitting Diode)のような省電力光源を用いた照明装置が提供されている。従来のLEDを用いた照明装置が、例えば特開2010−123369号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によれば、LEDを用いた照明装置は、発光ダイオードと、発光ダイードの前方を囲み、前方向においてその径が拡大する形状を有する反射面を有する筒体と、筒体の前端部に設けられたアクリル樹脂からなる透光性のカバーとを含む。ここで筒体はたとえば、アルミダイキャストで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−123369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のLEDのような省電力光源を用いた照明装置は上記のように構成されていた。照明装置の光源による眩しさを避けるために、LED光の照射口には透光性のカバーが設けられていた。このような構成では、LEDからの光を一方向にしか照射できず、照明装置としてLEDの光が効率的に利用されていなかった。
【0005】
この発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、LEDのような省電力光源からの光を有効に利用するとともに、眩しさを感じさせない省電力光源を用いた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る省電力光源を用いた照明装置は、省電力光源と、省電力光源を中心として、省電力光源の周囲に放射状に延在するように設けられた複数のブレードとを含む。放射状に延在する複数のブレードは、省電力光源側において相互に接続されている。
【0007】
好ましくは、省電力光源はLEDである。
【0008】
さらに好ましくは、ブレードはプラスチックダンボールである。また、ブレードとして用いられるプラスチックダンボールの溝は水平方向に延在するのが好ましい。
【0009】
省電力光源と複数のブレードとの間にはアクリル製の円筒が設けられてもよい。
【0010】
この発明の一つの実施の形態においては、省電力光源を用いた照明装置は、複数のブレードと省電力光源とを保持するベースを含む。ベースは円筒状の壁を有し、ブレードは溝を有し、ブレードの溝がベースの壁に装着されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
省電力光源を中心として、その周囲に放射状に延在するように設けられた複数のブレードが省電力光源側において相互に接続されているため、省電力光源からの光は省電力光源を中心としてその周囲に照射されると共に、照射される光は直接外部に漏れない。
【0012】
その結果、省電力光源からの光を有効に利用するとともに、眩しさを感じさせない省電力光源を用いた照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施の形態に係るLEDを用いた照明装置の斜視図である。
【図2】図1に示したLEDを用いた照明装置を示す平面図および断面図である。
【図3】LEDを用いた照明装置のベースを示す図である。
【図4】ブレードの種類を示す図である。
【図5】図4に示したブレードを用いた場合のLEDを用いた照明装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る、省電力光源としてLED電球を用いた照明装置の斜視図である。図1を参照して、この実施の形態に係る、省電力光源としてLED電球を用いた照明装置10は、光源としての、図示のないLED電球と、LED電球の周囲に放射状に設けられた、半円形の板状のブレード12と、LED電球およびブレード12を支持するベース13とを含む。ここで、ブレード12はプラスチックダンボールで形成されている。
【0015】
図2(A)は図1に示す省電力光源としてLED電球を用いた照明装置(以下、「LED照明装置」という)を、図1において矢印II−IIで示す方向から見た平面図であり、図2(B)は図2(A)において、矢印IIB−IIBで示す部分の断面図である。図2(A)および(B)を参照して、LED照明装置10においては、LED電球11は、水平方向においても垂直方向においても、LED照明装置10のほぼ中央に位置するように、LED電球11への電源供給部(ソケット)14がベース13によって支持されている。図2(A)に示すように、省電力光源であるLED電球を中心として、その周囲に放射状に延在するように設けられた複数のブレードがLED電球側において周方向に相互に連続するように接続されている。また電源供給部14への電気の供給コード15はベース13の側面の一部に設けられた貫通孔16を介して外部へ取出されている。
【0016】
図2(B)から、この実施の形態においては、ブレード12の形状は半円形状である。また、この実施の形態においては、LED電球11および電源供給部14の周囲には上下方向に延在するアクリル製の筒18で覆われている。このアクリル製の筒18の上端部は開放されているが、この部分をブレードと同様の材質、すなわち、プラスチックダンボールで覆ってもよい。
【0017】
また、図2(B)に示すように、ブレード12は全体には半円形状であるが、その中央下端部は下方向に突出部を有し、この突出部がベース13に挿入される。なお、この構成については後述する。
【0018】
図3はベース13を示す図である。図3(A)は図2(B)において、矢印IIIA−IIIAで示す部分の矢視図であり、図3(B)は図3(A)において矢印IIIB−IIIBで示す部分の断面図であり、図3(C)は図3(A)において矢印IIIC−IIICで示す部分の矢視図である。なお、図3においてはブレードの図示は省略している。
【0019】
図3を参照して、ベース13はその中央部に設けられたLED電球11を保持する電源供給部(ソケット)14を保持するソケット保持部21と、ソケット保持部21の外周部に設けられたアクリル製の筒18を保持する筒保持用の段部22と、段部22の外周部に設けられたブレード保持部23とを含む。ブレード保持部23はソケット保持部21を中心として、内壁23aと底面23cと外壁23bとを有するU字状の円周方向に延在する溝である。段部22の外周端部はそのまま下方向へ延在して内壁23aを構成している。外壁23bの外周部はベース13の円筒状の部分13aを構成し、その厚さはg1である。
【0020】
ブレード保持部23は円周方向において、相互に等間隔で設けられた複数のブレード保持板24によって分割されており、このブレード保持板24の間にブレードが挿入される。ブレードの先端部はアクリル製の筒まで延在する。また、ブレード保持板24はLED電球側でその幅が狭く、その反対側でその幅が広くなったテーパ状である。
【0021】
また、ブレードの厚さは隣接するブレード保持板24間の寸法より若干大きくなっており、ブレードをブレード保持板24に挿入することによりブレードはブレード保持板24でしっかり保持される。その結果、LED電球からの光は外部に直接もれることはない。
【0022】
図3(B)に示すように、ブレード保持部23は径方向において寸法d1を有し、上下方向において寸法h1を有する。この寸法は後に説明するように、ブレードの下端部を保持するために定められている寸法である。
【0023】
図3(C)を参照して、ベース13は、LED電球を保持するソケット保持部21が設けられた円筒状の部分13aと、ソケット保持部が設けられた円筒状の部分13aの下側に設けられ、円筒状の部分13aより径方向に拡大して延在する台部13bとを含む。また、ブレードを保持するブレード保持板24は、円筒状の部分13aの外部から見ると、その上端部にのみ設けられているように見える。
【0024】
なお、ベース13のソケット保持部21の外周部および台部13bには、LED電球からの熱を逃がすために通気用の複数の貫通孔25,26が円周方向に設けられている。
【0025】
以上のように、この実施の形態においては、LEDを用いた照明装置において、LED光源を中心として、その周囲に放射状に延在するように設けられた複数の半円形状のブレードがLED光源側において相互に周方向に接続されているため、光源からの光は光源を中心としてその周囲に照射されると共に、照射される光は直接外部に漏れない。その結果、LEDからの光を有効に利用するとともに、眩しさを感じさせないLEDを用いた照明装置を提供できる。なお、周方向に接続されている隣接したブレードを接着してもよい。
【0026】
次にブレードについて説明する。図4は、この実施の形態で使用されるブレードの平面形状を示す図である。図4(A)は先の実施の形態で説明した半円形状のブレード12を示す図である。図4(A)を参照して、ブレード12は基本的には半円形状であるが、直径側の下端部には下方向に突出する矩形状の突出部12aが設けられている。また、突出部12aとそれ以外の半円形状部分との間には上方向に延在する溝12bが設けられている。ここで突出部12aの上下方向の寸法をh2とし、幅方向の寸法をd2、溝12bの幅の寸法をg2とする。
【0027】
これらの寸法は、図3(B)において説明したブレード保持部23の寸法に対して、h2<h1、d2<d1、g1<g2の関係を有する。これによってブレード12はベース13のブレード保持部23内、および、溝12bがベース13の円筒状の部分13aと外壁23bとの間に嵌り、ブレード12がしっかりとベース13によって保持される。
【0028】
ここで、ブレード12の材質は、上記したようにプラスチックダンボールが好ましく、特に、その溝が水平方向に延在するように取り付けるのが好ましい。しかしながら、光を直接透過しないものであれば紙等の任意の素材でよい。また、光の照射方向が決められる溝等を有するものが好ましい。
【0029】
なお、ブレード12を構成するプラスチックダンボールの溝の方向を図4(A)および(B)において、参照番号31で示す。ここでは、溝は水平方向に延在している。
【0030】
このようにプラスチックダンボールをLED電球の周囲に放射状に取付けることにより、光がプラスチックダンボールの溝に沿って照射され、独特の照明効果が得られる。
【0031】
なお、プラスチックダンボールの溝の方向は水平横方向に限らず、斜め上方向や斜め下方向、これらの部分的な組合せ等であってもよい。プラスチックダンボールであれば、これらの部分的なものを相互に容易に接続できるためである。
【0032】
なお、上記実施の形態においては、ブレード12の形状が半円形状である場合について説明したが、これに限らず、図4(B)〜(E)に示すように、矩形状、三角形状、下部が矩形状で、その上に上部が広く下部が狭いテーパ状を組み合わせた形状、下部が矩形状で、その上に上部が広く下部が狭くなる円弧状を組み合わせた形状、等の任意の形状であってもよい。これらの場合においても、ブレード12のベース13への取付け方法は先の実施の形態と同様である。
【0033】
また、これらのブレードを用いた場合のLEDを用いた照明装置の、図2(B)に対応する図を図5に示す。図4(B)に示すブレードを用いた照明装置を図5(A)に示し、図4(C)に示すブレードを用いた照明装置を図5(B)に示し、図4(D)に示すブレードを用いた照明装置を図5(C)に示し、図4(E)に示すブレードを用いた照明装置を図5(D)に示す。
【0034】
これらの実施の形態においても、先の実施の形態において説明したのと同様の効果を奏する。
【0035】
なお、上記実施の形態においては、省電力光源としてLED電球を用いた場合について説明したが、これに限らず、蛍光灯を用いた電球のような省電力光源であれば任意の光源を用いてもよい。また、LEDそのものを用いてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態においては、LED光源を用いた照明装置を床等に載置するように、底部が広がったベースを下方向に有する場合について説明したが、これに限らず、逆向に天井に取付けて、下方向を照明してもよいし、壁に取付けて、横方向から照明するようにしてもよい。なお、ベースの形状は、その設置されるものによって変えてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態においては、LED光源とブレードとの間にアクリル製の筒を設けた場合について説明したが、これに限らず、アクリル製の筒はなくてもよい。
【0038】
図面を参照してこの発明の一実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明に係る省電力光源としてLEDを用いた照明装置はLEDからの光を有効に利用するとともに、眩しさを感じさせないLEDを用いた照明装置を提供できるため、照明装置として有利に利用される。
【符号の説明】
【0040】
10 LEDを用いた照明装置、11 LED電球、12 ブレード、13 ベース、14 電源供給部、15 電気の供給コード、16 貫通孔、18 アクリル製の筒、21 ソケット保持部、22 段部、23 ブレード保持部、24 ブレード保持板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力光源と、
前記省電力光源を中心として、前記省電力光源の周囲に放射状に延在するように設けられた複数のブレードとを含み、
放射状に延在する前記複数のブレードは、省電力光源側において相互に接続されている、省電力光源を用いた照明装置。
【請求項2】
前記省電力光源はLED電球である、請求項1に記載の省電力光源を用いた照明装置。
【請求項3】
前記ブレードはプラスチックダンボールである、請求項1または2に記載の省電力光源を用いた照明装置。
【請求項4】
前記ブレードとして用いられるプラスチックダンボールの溝は水平方向に延在する、請求項3に記載の省電力光源を用いた照明装置。
【請求項5】
前記省電力光源と前記複数のブレードとの間にはアクリル製の円筒が設けられる、請求項1〜4のいずれかに記載の省電力光源を用いた照明装置。
【請求項6】
前記省電力光源を用いた照明装置は、前記複数のブレードと前記省電力光源とを保持するベースを含み、
前記ベースは円筒状の壁を有し、
前記ブレードは溝を有し、
前記ブレードの溝が前記ベースの壁に装着される、請求項1〜5のいずれかに記載の省電力光源を用いた照明装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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