省電力制御装置と画像形成装置
【課題】 省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くする。
【解決手段】 状態制御操作判定部18は、画像形成装置が省電力状態のとき、ノイズフィルタ16およびエッジ検出部17を介して入力された入力キーの種類と入力順を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶された複数の入力キーと入力順との組み合わせと一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力して画像形成装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させ、最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに上記複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻す。
【解決手段】 状態制御操作判定部18は、画像形成装置が省電力状態のとき、ノイズフィルタ16およびエッジ検出部17を介して入力された入力キーの種類と入力順を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶された複数の入力キーと入力順との組み合わせと一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力して画像形成装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させ、最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに上記複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御装置と、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、並びにそれらの装置の機能を備えた複合機を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ装置等の原稿読取記録装置において、記録部への通電量を低下させて省エネルギー状態とした場合、予め登録された組合せの複数の操作キーが操作されたことを条件に省エネルギー状態を解除する原稿読取記録装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、省エネルギー状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、省エネルギー状態を解除するためにキー操作を初期状態に戻した後、省エネルギー状態を解除するためのキー操作をしなければならないので、操作性が良くないという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段と、複数種類の入力キーを備えた入力手段と、省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段と、入力手段によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段と、上記装置が省電力状態のときに検出手段によって検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、記憶手段に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段と、その判定手段によって一致すると判定された場合、省電力制御手段によって上記装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段と、検出手段によって最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段を備えた省電力制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
この発明による省電力制御装置と画像形成装置は、省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図2に示す省電力制御部の操作監視部の内部構成を省電力復帰条件監視部と共に示すブロック図である。
【図2】発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す画像形成装置のコントローラ部と電源系統の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示す操作表示部の主要な入力キーの配置例を示す図である。
【図5】図2に示す画像形成装置における省電力状態遷移図である。
【図6】図5に示す各状態又は各モードにおける省電力制御部、I/O制御部およびメイン制御部への給電状態と給電停止状態を示す一覧表である。
【図7】複数種類の省電力状態間の移行要因の一例を示す一覧表である。
【図8】図1に示す状態制御操作判定部が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰する処理を示すフローチャート図である。
【図9】図2に示す画像形成装置における省電力状態復帰遷移図である。
【図10】図2に示す画像形成装置における省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【図11】図2に示す画像形成装置における他の例の省電力状態復帰遷移図である。
【図12】図2に示す画像形成装置における他の例の省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【図13】図4に示す操作表示部の各キー及び各LEDを用いた店頭表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、発明の一実施形態である画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、スキャナ装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、並びにそれらの装置の機能を備えた複合装置等である。
この画像形成装置1は、コントローラ部2、エンジン部3、ROM(Read Only Memory)4、操作表示部5、USB(Universal Serial Bus)メモリ6及び外部RAM(Random Access Memory)7を備えている。
【0008】
また、画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(NW)9に接続されており、NW9上のパーソナルコンピュータ(PC)、他の画像形成装置を含む外部装置と通信可能である。
さらに、画像形成装置1は、PC8と直接接続し、PC8と通信可能である。
エンジン部3は、原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像をRGBで読み取る画像読取部、コントローラ部2からのCMYKの画像データに基づいてカラー画像を印刷用紙等の記録媒体に形成する印刷部(「プロッタ」ともいう)を含むエンジンである。
【0009】
上記RGBは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色である。
また、上記CMYKは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の色である。
ROM4は、画像形成装置1の全体の制御手順からなる制御プログラムを含むプログラムと、画像形成装置1が各種の処理を実行する際に必要なデータを予め記憶する記憶装置である。
【0010】
操作表示部5は、画像形成装置1をユーザが操作するのに必要な各種の入力キー(「操作キー」ともいう)を備えた操作部を有する。
また、操作表示部5は、ユーザに各種の作業画面や情報を表示するための液晶ディスプレイを含む表示画面と、ユーザに画像形成装置1の各種の状態を点灯又は消灯で知らせるためのLED(Light Emitting Diod)を含むランプを備えた表示部を有する。
【0011】
USBメモリ6は、画像形成装置1に着脱可能であり、画像処理装置1との間でデータの授受が可能であり、画像データを含む各種のデータを記憶する記録媒体である。
外部RAM7は、画像形成装置1のワークメモリ等として使用され、例えば、エンジン部3の画像読取部で読み取られた画像データ、エンジン部3の印刷部で印刷する画像データ及びその他のワークデータの記憶に利用される記憶媒体である。
コントローラ部2の内部は、省電力制御部10、インプットアウトプット(I/O)制御部20及びメイン制御部30の3つの機能ブロックを備えている。
【0012】
省電力制御部10は、省電力復帰条件監視部11、操作監視部12、USBペリフェラルI/F部13、RAM14及びタイマ(TMR)15を備えている。
また、I/O制御部20は、CPU21、ネットワーク制御部22及びメモリコントローラ部23を備えている。
さらに、メイン制御部30は、CPU31、画像処理部32、エンジン制御部33、エンジンI/F部34、外部バスI/F部35、操作表示I/F部36及びUSBホストI/F部37を備えている。
【0013】
そして、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の間、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30内の各部は、互いに通信可能にバスで接続されている。
省電力制御部10は、省電力移行要因の発生を検出すると、省電力制御部10、I/O制御部20又はメイン制御部30への電源の電力の供給停止を要求する。
この省電力移行とは、予め決められた省電力モードにおける各部への電源の電力の供給を停止して画像形成装置1を省電力状態にすることである。また、省電力移行要因には、例えば、キー入力、所定時間ジョブの要求が無かった場合などがある。
【0014】
さらに、省電力制御部10は、省電力状態のときに省電力復帰条件監視部11によって省電力復帰要因の発生を検出すると、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30への電源の電力の供給を要求する。
この省電力復帰とは、電源の電力の供給停止状態を解除して供給を開始させることである。また、省電力復帰要因の発生は、例えば、キー入力、ジョブの要求などがある。
省電力復帰条件監視部11は、省電力状態から通常動作可能な状態への移行要因、すなわち、電源の電力が供給される待機状態への省電力復帰要因の発生を検出する。
【0015】
省電力制御部10のUSBペリフェラルI/F部13は、USBケーブルによってPC8を接続している。
そして、USBペリフェラルI/F部13は、そのPC8との間で、データの授受の制御を司る。
このUSBペリフェラルI/F部13は、例えば、PC8からの印刷要求を受信すると、バスを介して、メイン制御部30のCPU31に印刷要求を渡すと共に、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力する。
【0016】
上記復帰リクエスト信号は、この画像形成装置1を省電力状態から通常の給電状態へ復帰させる要求を示す信号である。
省電力制御部10のRAM14は、省電力制御部10の動作に必要な各種データを記憶する。
省電力制御部10のTMR15は、各種時間の計時をする。
この、TMR15は、例えば、画像形成装置1が待機状態に入ってから予め設定されている省電力状態へ移行する待ち時間の計時をする。
【0017】
そして、TMR15は、上記待ち時間が経過すると、省電力復帰条件監視部11に省電力移行リクエスト信号を出力する。
上記省電力移行リクエスト信号は、この画像形成装置1を通常の給電状態から省電力状態へ移行させる要求を示す信号である。
省電力復帰条件監視部11は、省電力移行リクエスト信号を受信すると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42にそれぞれ電源制御信号を出力し、省電力制御部10については給電状態のままにし、I/O制御部20とメイン制御部30は給電状態から省電力状態へ移行させる。
【0018】
また、省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12から復帰リクエスト信号を受信すると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42にそれぞれ電源制御信号を出力し、省電力制御部10については給電状態のままにし、I/O制御部20とメイン制御部30は省電力状態から給電状態に復帰させる。
すなわち、省電力復帰条件監視部11は、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段の機能を果たす。
【0019】
操作監視部12は、操作表示部5と信号を送受する信号線で接続されている。
この操作監視部12は、操作表示部5から信号線を介して予め省電力復帰操作用として登録されている入力キーのキー入力信号を受信すると、ユーザによるキー入力によって省電力復帰操作が行われたと判断する。
そして、操作監視部12は、省電力復帰操作が行われたと判断すると、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力する。
【0020】
省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12、TMR15及びUSBぺリフェラルI/F部13とそれぞれ信号を送受する信号線で接続されている。
この省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12、TMR15又はUSBぺリフェラルI/F部13のいずれかから復帰リクエスト信号を受信すると、後述する図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41又は第3電源制御部42への電源制御信号を出力する。
【0021】
この電源制御信号は、第1電源制御部40、第2電源制御部41又は第3電源制御部42に対して給電再開を指示する信号である。
省電力制御部10は、I/O制御部20のCPU21又はメイン制御部30のCPU31からの省電力制御部10へのレジスタ値の設定により、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30への電力の供給と供給停止を制御する。
I/O制御部20は、ネットワーク制御部22によってNW9と接続している。
【0022】
ネットワーク制御部22は、I/O制御部20のCPU21の制御下でNW9上の装置との通信を制御する。すなわち、このネットワーク制御部22は、データ通信の機能の処理を行う処理手段の機能を果たす。このデータ通信には、ファクシミリ通信及びインターネットを介したメール通信も含む。
I/O制御部20のメモリコントローラ部23は、外部RAM7を接続すると共にメイン制御部30のバスとも接続している。
【0023】
このメモリコントローラ部23は、I/O制御部20のCPU21及びメイン制御部30のCPU31からの要求に応じて、外部RAM7への読み書きのアクセスを制御する。
外部RAM7は、I/O制御部20のCPU21とメイン制御部30のCPU31の双方によって利用される。
I/O制御部20のCPU21は、ネットワーク制御部22及びメモリコントローラ部23を制御して各種I/O制御を行う。
【0024】
メイン制御部30は、エンジンI/F部34にエンジン部3を、外部バスI/F部35にROM4を、操作表示I/F部36に操作表示部5を、USBホストI/F部37にUSBメモリ6をそれぞれ接続している。
メイン制御部30のCPU31は、ROM4内のプログラムを実行することにより画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行すると共に、後述する省電力復帰処理の設定処理を行う。
【0025】
画像処理部32は、エンジン部3のスキャナ部で読み取られた画像データに対する各種画像処理(例えば、補正処理、変倍処理、回転処理等)を行うと共に、エンジン部3のプロッタ部で記録出力に使用する画像データに対して、プロッタ部に応じた画像データへの変換等の各種画像処理を行う。この画像処理部32は、画像読取、印刷、及び複写を含む機能の処理を行う処理手段の機能を果たす。
エンジン制御部33は、CPU31の制御下で、エンジンI/F34を介してエンジン部3の動作を制御する。
【0026】
そして、コントローラ部2は、上述したように、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の3つのブロックに分けられており、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の各ブロックの間は、アイソレーションセルにより電源分離されていて、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の各ブロック毎に電力の供給と供給遮断の制御が可能である。
【0027】
次に、操作表示部5の主要な入力キーについて説明する。
図4は、図2に示した操作表示部5の主要な入力キーの配置例を示す図である。
操作表示部5は、操作部の入力キーからは、この画像形成装置1を利用した複写処理に必要な各種操作や後述するように集約記録機能を使用した記録処理での各種操作に対応するキー入力が行われる。
すなわち、操作表示部5は、複数種類の入力キーを備えた入力手段の機能を果たす。
また、表示部(ディスプレイ)には、入力キーから入力された命令内容や画像形成装置1からオペレータに通知する各種情報が表示される。
【0028】
図4に示すように、操作表示部5は、キャンセル(CANCEL)キー50、電源(PWR)キー51を備えている。
キャンセルキー50は、各種動作指示の解除要求、及び省電力状態復帰要求を含む操作を行う入力キーとして用いられる。
また、電源キー51は、押下入力される毎に電源のオンとオフをそれぞれ入力操作することができる。
【0029】
このキャンセルキー50と電源キー51は、入力キーと共に、押下時に点灯して入力されたことを明示する機能を果たすLEDも備えている。また、電源キー51の場合は、電源のオンの場合にLEDを点灯し、電源のオフの場合にLEDを消灯する。
さらに、操作表示部5には、図2のエンジン部3のプロッタで使用しているCMYKのインクのニアエンドを通知するC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を備えている。
【0030】
このC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55は、ユーザが省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示すキー操作の際、操作表示部5の操作部によって入力キーの入力がある毎に、予め記憶された複数の入力キーに相当する入力数に達するまで、入力された入力キー数を示す情報を表示する手段としても使用する。
【0031】
次に、この画像形成装置1のコントローラ部2と電源系統の構成について説明する。
図2に示したコントローラ部2の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30は、それぞれ異なる電源制御部によって電力の給電が制御されている。
図3は、図2に示した画像形成装置1のコントローラ部2と電源系統の構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、省電力制御部10は第1電源制御部40と第1電源監視部43によって、I/O制御部20は第2電源制御部41と第2電源監視部44によって、メイン制御部30は第3電源制御部42と第3電源監視部45によって、それぞれ図示を省略した電源供給部からの電力の供給が制御される。
第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42は、後述する電源キー51が押下されて電源スイッチ信号pwr_swが入力されると、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30に電源の電力power1〜power3の供給を開始する。
【0033】
また、第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42は、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30から入力される電源制御信号power1en〜power3enがローレベルになると、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30に供給していた電源の電力power1〜power3の供給を停止する。
第1電源監視部43、第2電源監視部44、第3電源監視部45は、それぞれ対応する第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42への電源の電力power1〜power3の供給と供給停止とを監視する。
【0034】
そして、第1電源監視部43は、第1電源制御部40から省電力制御部10への電源の電力power1が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、省電力制御部10に対してリセット信号reset1を出力して、省電力制御部10をリセットさせる。
また、第2電源監視部44は、第2電源制御部41からI/O制御部20への電源の電力power2が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、I/O制御部20に対してリセット信号reset2を出力して、I/O制御部20をリセットさせる。
【0035】
さらに、第3電源監視部45は、第3電源制御部42からメイン制御部30への電源の電力power3が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、メイン制御部30に対してリセット信号reset3を出力して、メイン制御部30をリセットさせる。
【0036】
このように、省電力制御部10は、電源制御信号power1en、power2en、又はpower3enによって、第1電源制御部40から省電力制御部10への電源の電力の供給と供給停止を、第2電源制御部41からI/O制御部20への電源の電力の供給と供給停止を、第3電源制御部42からメイン制御部30への電源の電力の供給と供給停止をそれぞれ制御する。
省電力制御部10は、I/O制御部20のCPU21又はメイン制御部30のCPU31によって省電力制御部10内のレジスタ値が設定されることにより、電源制御信号power1en、power2en、又はpower3enを制御する。
【0037】
次に、図2に示した省電力制御部10の操作監視部12の内部構成を説明する。
図1は、図2に示した省電力制御部10の操作監視部12の内部構成を省電力復帰条件監視部11と共に示すブロック図である。
この省電力制御部10は、画像形成装置1を電力供給状態にすると共に、省電力状態の画像形成装置1を電力供給状態に復帰させる制御を行う省電力制御装置としての機能を果たす。
【0038】
図1に示すように、省電力制御部10の操作監視部12は、ノイズフィルタ16、エッジ検出部17、状態制御操作判定部18及びキー登録操作時間登録部19を備えている。
また、状態制御操作判定部18は、内部にカウンタ18aを備えている。
ノイズフィルタ16は、図2の操作表示部5で押下された入力キーに対応するローレベルにアサートされたキー入力信号が入力される。
【0039】
そして、ノイズフィルタ16は、キー入力信号に対してノイズ除去処理をしてエッジ検出部17に出力する。
なお、この実施形態では、便宜上、キー入力信号は入力キーの入力操作によってローレベルにアサートされる場合を示しているが、ローレベルにアサートされる信号に限るものではなく、例えば、ハイレベルにアサートされる信号であってもよい。
【0040】
エッジ検出部17は、ノイズフィルタ16でノイズが除去されたキー入力信号のエッジ(立ち下がりエッジ)を検出し、その検出信号を状態制御操作判定部18に出力する。
状態制御操作判定部18は、状態制御操作判定部18は、エッジ検出部17から入力されるキー入力信号に基づいて、キー登録操作時間登録部19のキー登録内容を参照して、図5に示す省電力状態遷移を制御する。
また、状態制御操作判定部18は、エッジ検出部17から入力されるキー入力信号に基づいて、図2の操作表示部5の操作部によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段の機能を果たす。
【0041】
この入力キーの種類の検出は、操作表示部5の各キー毎の入力信号線がそれぞれノイズフィルタ16に接続しており、状態制御操作判定部18は、ノイズフィルタ16のキー入力信号が入力された入力信号線に基いて判断することができる。また、入力順についても、入力信号線を介したキー入力信号の検出順によって判断できる。
【0042】
さらに、状態制御操作判定部18は、画像形成装置1が省電力状態のときに、上記検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、キー登録操作時間登録部19に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段の機能も果たす。
また、状態制御操作判定部18は、上記判定によって一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に移行リクエスト信号又は復帰リクエスト信号を出力し、その移行リクエスト信号によって省電力復帰条件監視部11に対して画像形成装置1を予め決められた種類の省電力状態に移行させる省電力移行指示手段の機能を果たす。
さらに、状態制御操作判定部18は、上記判定によって一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力し、その復帰リクエスト信号によって省電力復帰条件監視部11に対して画像形成装置1を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段の機能を果たす。
【0043】
また、状態制御操作判定部18は、上記検出によって最初の入力キーを検出するとカウンタ18bのカウントを開始し、最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでにキー登録操作時間登録部19に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、上記検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段の機能を果たす。
カウンタ18aは、省電力状態からの復帰を要求する最初の入力キーを検出してから全ての数のキー入力が完了するまでの所定時間を計測(カウント)する計測手段の機能を果たす。
【0044】
キー登録操作時間登録部19は、操作監視部12に内蔵されているレジスタ、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリである。
このキー登録操作時間登録部19は、省電力状態のときに、ユーザからのキー操作に基づいて、省電力復帰条件監視部11によって省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段の機能を果たす。
また、上記複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせは複数種類を記憶することができる。
【0045】
次に、この画像形成装置1における電力の状態遷移について説明する。
図5は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態遷移図である。
図6は、図5に示した各状態又は各モードにおける省電力制御部10、I/O制御部20、およびメイン制御部30への給電状態と給電停止状態を示す一覧表である。
図7は、複数種類の省電力状態間の移行要因の一例を示す一覧表である。
【0046】
図5に示す省電力状態に移行する前の待機・動作状態60は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3がそれぞれ供給されているオン(ON)状態である(図6のa欄参照)。
【0047】
また、図5に示す第2省エネモード(第2省電力状態)61は、図3の省電力制御部10とI/O制御部20に電力power1、power2がそれぞれ供給されていてオン(ON)状態であり、図3のメイン制御部30に電力power3が供給されていないオフ(OFF)状態である(図6のb欄参照)。
さらに、図5に示す第1省エネモード(第1省電力状態)62は、図3の省電力制御部10に電力power1が供給されていてオン(ON)状態であり、図3のI/O制御部20とメイン制御部30に電力power2、power3がそれぞれ供給されていないオフ(OFF)状態である(図6のc欄参照)。
【0048】
そして、図5に示す電源オフ(OFF)状態63は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30が、オフ状態であって電力power1、power2、power3がそれぞれ供給されていない状態である(図6のd欄参照)。
すなわち、待機・動作状態60、第2省エネモード61、第1省エネモード62、電源オフ状態63への移行は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30への電力power1、power2、power3の供給停止、供給再開によって行われる。
【0049】
この実施形態の画像形成装置1は、図5の電源オフ状態63において、図4の電源キー51が押下されて電源オン入力になり、電源スイッチ信号pwr_swがアサートされると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42が、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3をそれぞれ供給する。
そして、画像形成装置1は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30がそれぞれ動作可能な図5の待機・動作状態60に移行する。
【0050】
また、画像形成装置1は、図5の待機・動作状態60において、画像形成装置1に対する動作要求がない状態で予め設定された所定時間(待ち時間)が経過した場合、図3の省電力制御部10が第3電源制御部42に出力している電源制御信号power3enをローレベルに切り替える。
そして、画像形成装置1は、図3の第3電源制御部42がメイン制御部30に供給している電力power3をオフし、第2省エネモード61に移行する。
【0051】
さらに、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、ネットワーク受信等が発生していない状態で予め設定された所定時間(待ち時間)が経過した場合、図3の省電力制御部10がI/O制御部20の第2電源制御部41に出力している電源制御信号power2enをローレベルに切り替える。
そして、画像形成装置1は、図3の第2電源制御部41からI/O制御部20に供給している電力power2をオフにして、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0052】
また、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、図3の省電力制御部10は、ネットワーク送受信が発生しているときには、そのネットワーク送受信が完了した後に所定時間が経過した場合、上記と同様に、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0053】
さらに、画像形成装置1は、図5の第1省エネモード62では、図3のメイン制御部30及びI/O制御部20への電力power3、power2がそれぞれ供給されておらず、図3のメイン制御部30のCPU31及びI/O制御部20のCPU21への電源電力の供給も停止されているため、図3の省電力制御部10のハードウェアのみのが動作状態となる。
そして、画像形成装置1は、図5の第1省エネモード62において、図3の省電力制御部10が復帰イベント(省電力復帰要因)の発生を検知すると、後述するウェークアップ状態を経由して図5の第2省エネモード61へ移行する。
ここでの復帰とは、第1省エネモード62から第2省エネモード61への移行を示す。
【0054】
また、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、図3の省電力制御部10が復帰イベント(省電力復帰要因)の発生を検知すると、後述するウェークアップ状態を経由して図5の待機・動作状態60へ移行する。
そして、図3の省電力制御部10は、図7に示すように、USB受信、ネットワーク受信、タイマからのトリガ、インクカートリッジのカバーオープン及び操作表示部5の操作部からのキー入力を省電力復帰要因(省電力復帰条件)として、待機・動作状態60、第2省エネモード61、第1省エネモード62、電源オフ状態63への移行を制御する。
【0055】
図7に示すように、USB受信は、図2のUSBホストI/F部37に接続されるUSBメモリ6からの情報取得や印刷ジョブ等のUSB受信であり、ネットワーク受信は、図2のI/O制御部20のネットワーク制御部22に接続されているNW9からの情報取得、印刷ジョブの受信等である。
ただし、ネットワーク環境下では、応答の不要なパケットや対応していないパケットを受信することがあるため、図2の省電力復帰条件監視部11は、パケットフィルタリング機能(図示省略)を備えており、予めパターンマッチングテーブルが設定されていて、受信したパケットが設定されているパターンマッチングテーブルとマッチした場合に移行条件が発生したと判断する。
【0056】
タイマからのトリガは、図2のTMR15からタイムアウトによって入力され、例えば、定期的にクリーニング(エンジン部3のインクジェットプロッタにおけるメンテナンス動作)用にTMR15に設定されたクリーニングタイムのタイムアウトによって入力されるトリガである。
インクカートリッジのカバーオープンはユーザ操作であり、画像処理装置1に設けられているインクカートリッジカバーの開閉を検出するカバー開閉検出センサ(図示省略)からの入力信号を監視して、そのカバー開閉検出センサからの検出信号のエッジを検出すると移行条件が発生したとする。
【0057】
図2の操作表示部5からのキー入力はユーザ操作であり、図2の操作表示部5でのキー入力によって入力されるキー入力信号であり、予め決められた種類の入力キーが予め決められた順番で入力された場合に発生する。
なお、上記タイマのトリガとして、この実施形態の画像処理装置1では、図2の省電力制御部10のTMR15を用いているが、長時間の計測が必要な場合は、コントローラ部2の外部に図示を省略したリアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock )を搭載し、そのRTCのアラーム機能を使用してコントローラ部2の外部から移行リクエスト信号を入力するようにしてもよい。
【0058】
そして、画像処理装置1は、図2のROM4に省電力制御に係る手順からなる省電力制御プログラムを記憶させることにより、図2のCPU31がその省電力制御プログラムを実行することによって省電力制御機能を実現するようにすることもできる。
上記省電力制御プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、上記ROM4の他、図示を省略したEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリがある。
【0059】
また、上記記録媒体として、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−RW(Compact Disc Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto−Optical Disc)等がある。
この省電力制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0060】
画像処理装置1は、図5に示したように、複数段階の省電力状態を備えており、省電力状態に移行する前の待機・動作状態60では、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30をオン(ON)状態にして電力power1、power2、power3を供給状態にする。
また、画像処理装置1は、第2省エネモード61では、図3の省電力制御部10とI/O制御部20をオン(ON)状態にして電力power1、power2を供給状態にして、メイン制御部30をオフ(OFF)状態にして電力power3を供給停止状態にする。
【0061】
さらに、画像処理装置1は、第1省エネモード62では、図3の省電力制御部10をオン(ON)状態にして電力power1を供給状態にして、I/O制御部20とメイン制御部30をオフ(OFF)状態にして電力power2、power3を供給停止状態にする。
また、画像処理装置1は、電源オフ状態63では、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30をオフ状態にして電力power1、power2、power3を供給停止状態にする。
【0062】
そして、画像処理装置1は、電源オフ状態63において、図4の電源キー51が押下されて電源スイッチ信号pwr_swがアサートされると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42が、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3を供給して、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30が動作可能な図5の状態待機・動作状態60に移行する。
【0063】
また、状態待機・動作状態60において、動作要求がなく所定の待ち時間が経過すると、図3の省電力制御部10が、メイン制御部30の第3電源制御部42に出力している電源制御信号power3enをローレベルに切り替えて、第3電源制御部42からメイン制御部30に供給している電力power3をオフさせて、図5の第2省エネモード61に移行する。
省電力制御部10は、第2省エネモード61において、ネットワーク受信等が発生していないときには、I/O制御部20の第2電源制御部41に出力している電源制御信号power2enをローレベルに切り替えて、第2電源制御部41からI/O制御部20に供給している電力power2をオフにさせて、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0064】
また、省電力制御部10は、第2省エネモード61において、ネットワーク送受信が発生しているときには、そのネットワーク送受信が完了した後、所定の待ち時間が経過するのを待って、上記同様に図5の第1省エネモード62に移行する。
そして、画像処理装置1は、図7に示したように、USB受信、ネットワーク受信、タイマからのトリガ、インクカートリッジのカバーオープン及び操作表示部5の操作部のキー入力を省電力復帰要因(省電力復帰条件)として第2省エネモード61、第1省エネモード62から復帰する。
【0065】
なお、例えば、省電力状態からの復帰要求としてキー入力を復帰要因とし、そのキー入力に2回のキー入力が必要な場合、1回目のキー入力によって、第1省エネモード62から第2省エネモード61へ復帰し、2回目のキー入力によって、第2省エネモード61から待機・動作状態60に復帰するようにすることもできる。
このキー入力を復帰要件とする場合、復帰要求の入力キーの種類と入力順を、ユーザが図2の操作表示部5の操作によって設定入力すると、メイン制御部30のCPU31が省電力制御部10の操作監視部12の図1に示すキー登録操作時間登録部19に記憶し、図1の状態制御操作判定部18が、図2の操作表示部5で入力された入力キーの種類と順番が、キー登録操作時間登録部19に記憶されているものと一致するか否かによって、復帰要因であるか否か判定して、復帰要因であると、第1省エネモード62、第2省エネモード61から待機・動作状態60に向かって順次状態を遷移させる。
【0066】
次に、図1の状態制御操作判定部18が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰するときの処理について説明する。
図8は、図1の状態制御操作判定部18が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰する処理を示すフローチャート図である。
図1のキー登録操作時間登録部19には、省電力状態から復帰する要求の入力キーの種類と入力順を登録しておく。入力キーの数n(nは2以上の整数)も予め登録しておく。
【0067】
図1の状態制御操作判定部18は、画像形成装置1が省電力状態に移行すると、ステップ(図中「S」で示す)1で第1キー入力待ち状態に移行する。
この第1キーとは、省電力状態から復帰する要求を示す複数のキー入力の内の第1番目に当たる入力キーである。
ステップ2では、キー入力ありか否かを判断する。この判断は、図1のエッジ検出部17からのキー入力信号の有無で判断する。
【0068】
ステップ2でキー入力なしと判断したら(Nの場合)、ステップ2の判断処理を繰り返し、キー入力ありと判断したら(Yの場合)、ステップ3で入力されたキーが第1キーに該当するか否かを判定する。この判定は、入力された入力キーの種類と入力順(この場合1番目)がキー登録操作時間登録部19に記憶されている入力キーの種類と入力順と一致するか否かを判定する。
【0069】
ステップ3で該当しないと判定したら(Nの場合)、ステップ2の処理へ戻り、該当すると判定したら(Yの場合)、ステップ4でx=1を設定し(xはキー番号をカウントするための変数)、ステップ5でx=x+1によってキー入力数を1つ進め、ステップ6で第xキー入力待ち状態に移行し、ステップ7で図1のカウンタ18aのカウントを開始する。
このカウンタ18aは、画像形成装置1の動作クロックの1周期毎に1をカウント(増加)し、予め設定されたカウント値までカウントする。この予め設定されたカウント値は、最初の入力キーを検出してから予め記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出するまでの待機時間に相当する値にする。
【0070】
ステップ8で、次のキー入力ありか否かを判断する。この判断も、図1のエッジ検出部17からのキー入力信号の有無で判断する。
ステップ8でキー入力なしと判断したら(Nの場合)、ステップ9で所定時間経過したか否かを判断する。この判断は、図1のカウンタ18aが予め設定したカウント値をカウントしたら所定時間を経過したと判断する。
ステップ9で所定時間経過していないと判断したら、ステップ8へ戻り、所定時間経過したと判断したら、ステップ10で図1のカウンタ18aをリセットし、ステップ1に戻って第1キー入力待ち状態に移行する。
【0071】
このようにして、状態制御操作判定部18は、第1キーを検出してから所定時間を経過するまでに予め記憶された複数の入力キーの数nまでの入力を検出しなかった場合、キー入力検出を最初の入力キーを検出する初期状態に戻す。
したがって、画像形成装置1の省電力状態を解除する複数の入力キーの入力操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、省電力状態を解除するために入力キーの操作を初期状態に戻すという繁雑な作業をせずに済む。
このように、ユーザに対して省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることができる。
【0072】
一方、ステップ8で、キー入力ありと判断したら(Yの場合)、ステップ11で入力されたキーが第xキーに該当するか否かを判定する。この判定は、入力された入力キーの種類と入力順(この場合x番目)がキー登録操作時間登録部19に記憶されている入力キーの種類と入力順と一致するか否かを判定する。
ステップ11で該当しないと判定したら(Nの場合)、ステップ1の処理へ戻り、該当すると判定したら(Yの場合)、ステップ12でx=nか否かを判断する。この判断は、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が完了したか否かを判断する。
【0073】
ステップ12でx=nではないと判断した場合(Nの場合)、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が完了していないので、ステップ5へ戻って次のキー入力待ち状態に移行する。
また、ステップ12でx=nと判断した場合(Yの場合)、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が所定時間内に完了しているので、ステップ13で図1の省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力し、省電力復帰条件監視部11によって画像形成装置1を省電力状態から電力供給状態に復帰させ、この処理を終了する。
【0074】
次に、この実施形態の画像処理装置1における省電力状態から復帰させる制御処理について説明する。
図9は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態復帰遷移図である。
図10は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
ここでは、省電力状態から2回の入力キーの入力操作が必要であり、そのキー入力として、1番目の入力に図4に示したキャンセルキー50を、2番目の入力に図4に示した電源キー51を割り当てた場合を説明する。
【0075】
図9に示すように、画像形成装置1がアイドル状態70から第2省エネモード61又は第1省エネモード62の省電力状態に移行すると、図1の状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態71に移行する。
状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態71において、図4のキャンセルキー50の入力を検出すると、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定し、第2キー入力待ち状態72に移行する。
【0076】
さらに、状態制御操作判定部18は、第2キー入力待ち状態72において、所定時間以内に図4の電源キー51の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、ウエイクアップ状態73に移行し、省電力状態を解除し、アイドル状態70に戻し、省電力状態から復帰する。
一方、第2キー入力待ち状態72において、電源キー51以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態71に戻す。
【0077】
このようにして、省電力状態のときに復帰要求のキー入力があっても、所定時間内に予め決められた入力キーに相当する入力数、この場合は2回のキー入力を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻すので、例えば、最初のユーザによって省電力状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、キー操作を初期状態に戻す繁雑な作業をしなくても、省電力状態からの復帰のキー操作を行える。
したがって、ユーザに対する省電力状態からの復帰に係るキー入力の操作性を良くすることができる。
【0078】
図10の(a)は、画像形成装置1の動作クロック信号(clk)の周期を示す波形である。
また、図10の(b)は、状態制御操作判定部18における図9の第1キー入力待ち状態71、第2キー入力待ち状態72、ウエイクアップ状態73の各状態の遷移例を示している。
さらに、図10の(c)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4のキャンセルキー50の押下によるキャンセルキー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、キャンセルキー50の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
【0079】
また、図10の(d)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4の電源キー51の押下による電源キー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、電源キー51の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
そして、図10の(e)は、図1のカウンタ18aによる所定時間の経過を計測するカウント動作の一例を示す。
【0080】
例えば、図10の(1)では、状態制御操作判定部18は、図9の第1キー入力待ち状態71のときに、図中時間t1のタイミングでキャンセルキー信号が入力されると、図9の第2キー入力待ち状態72へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を開始する。
図10の(2)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t2のタイミングで再びキャンセルキー信号が入力されると、図9の第1キー入力待ち状態71へ戻す。
【0081】
図10の(3)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t3のタイミングで電源キー信号が入力されると、図9のウエイクアップ状態73へ移行し、省電力状態を解除し、図9のアイドル状態70に戻し、省電力状態から復帰する。
【0082】
図10の(4)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウント完了すると(図中時間t4のタイミング)、自動的に図9の第1キー入力待ち状態71へ戻す。
こうして、キー入力途中で所定時間が経過したら、キー入力状態を自動的に初期状態に戻す。
ここで、nは予め省エネ状態に移行する前に状態制御操作判定部18の図示を省略したレジスタに設定されており、カウンタ18aのカウントを開始するときに設定する。
また、カウンタ18aは、カウント値nをカウント完了すると0にクリアされる。
【0083】
次に、この実施形態の画像処理装置1における省電力状態から復帰させる他の制御処理について説明する。
図11は、図2に示した画像形成装置1における他の例の省電力状態復帰遷移図である。
図12は、図2に示した画像形成装置1における他の例の省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【0084】
ここでは、省電力状態から3回の入力キーの入力操作が必要であり、そのキー入力として、1番目の入力に図4に示したキャンセルキー50を、2番目の入力に再びキャンセルキー50を、3番目の入力に図4に示した電源キー51を割り当てた場合を説明する。
図11に示すように、画像形成装置1がアイドル状態80から第2省エネモード61又は第1省エネモード62の省電力状態に移行すると、図1の状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態81に移行する。
状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態81において、図4のキャンセルキー50の入力を検出すると、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定し、第2キー入力待ち状態82に移行する。
【0085】
さらに、状態制御操作判定部18は、第2キー入力待ち状態82において、所定時間以内に再びキャンセルキー50の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、第3キー入力待ち状態83に移行する。
一方、第2キー入力待ち状態82において、キャンセルキー50以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態81に戻す。
【0086】
次に、状態制御操作判定部18は、第3キー入力待ち状態83において、所定時間以内に図4の電源キー51の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、ウエイクアップ状態84に移行し、省電力状態を解除し、アイドル状態80に戻して省電力状態から復帰する。
一方、第3キー入力待ち状態83において、電源キー51以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態81に戻す。
【0087】
このようにして、省電力状態のときに復帰要求のキー入力があっても、所定時間内に予め決められた入力キーに相当する入力数、この場合は3回のキー入力を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻すので、例えば、最初のユーザによって省電力状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、キー操作を初期状態に戻す繁雑な作業をしなくても、省電力状態からの復帰のキー操作を行える。
したがって、ユーザに対する省電力状態からの復帰に係るキー入力の操作性を良くすることができる。
【0088】
図12の(a)は、画像形成装置1の動作クロック信号(clk)の周期を示す波形である。
また、図12の(b)は、状態制御操作判定部18における図9の第1キー入力待ち状態81、第2キー入力待ち状態82、第3キー入力待ち状態83、ウエイクアップ状態84の各状態の遷移例を示している。
さらに、図12の(c)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4のキャンセルキー50の押下によるキャンセルキー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
【0089】
図2の操作表示部5は、キャンセルキー50の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
また、図12の(d)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4の電源キー51の押下による電源キー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、電源キー51の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
【0090】
そして、図12の(e)は、図1のカウンタ18aによる所定時間の経過を計測するカウント動作の一例を示す。
例えば、図12の(1)では、状態制御操作判定部18は、図11の第1キー入力待ち状態81のときに、図中時間t11のタイミングでキャンセルキー信号が入力されると、図11の第2キー入力待ち状態82へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を開始する。
【0091】
図12の(2)では、状態制御操作判定部18は、図11の第2キー入力待ち状態82のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t12のタイミングで再びキャンセルキー信号が入力されると、図11の第3キー入力待ち状態83へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を継続する。
【0092】
図12の(3)では、状態制御操作判定部18は、図11の第3キー入力待ち状態83のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t13のタイミングで電源キー信号が入力されると、図11のウエイクアップ状態84へ移行し、省電力状態を解除し、図11のアイドル状態80に戻し、省電力状態から復帰する。
【0093】
図12の(4)では、状態制御操作判定部18は、図11の第2キー入力待ち状態82(又は第3キー入力待ち状態83)のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウント完了すると(図中時間t14のタイミング)、自動的に図11の第1キー入力待ち状態81へ戻す。
こうして、キー入力途中で所定時間が経過したら、キー入力状態を自動的に初期状態に戻す。
【0094】
ここで、nは予め省エネ状態に移行する前に状態制御操作判定部18の図示を省略したレジスタに設定されており、カウンタ18aのカウントを開始するときに設定する。
また、カウンタ18aは、カウント値nをカウント完了すると0にクリアされる。
上述のように、状態遷移の条件とするキー操作は、キャンセルキー50、電源キー51に限るものではなく、例えば、図4の52〜55のいずれかのキーを使用しても良い。
【0095】
なお、上記説明では、2段階の省エネモードの場合を説明したが、さらに多くのモードを設けても良い。
例えば、省電力状態として、第1省エネモード、第2省エネモード、第3省エネモードを設け、待機・動作状態で、待ち時間が経過するか省電力へ移行させるキー操作が行われると、最も消費電力の削減効果の高い第1省エネモードに移行して、第1省エネモードにおいて、操作表示部5での任意のキー操作によるキー入力信号が状態制御操作判定部18に入力されると、状態制御操作判定部18が、2番目に消費電力の削減効果の高い第2省エネモードに移行する。
【0096】
そして、状態制御操作判定部18は、このとき入力されたキー信号を、図示しないレジスタに記憶する。
また、第2省エネモードで、操作表示部5での任意のキー操作によるキー入力信号が状態制御操作判定部18に入力されると、状態制御操作判定部18が、3番目に消費電力の削減効果の高い第3省エネモードに移行する。
そして、状態制御操作判定部18は、このとき入力されたキー信号を、図示しないレジスタに記憶する。
【0097】
すなわち、状態制御操作判定部18は、第1省エネモードで操作されたキー信号と第2省エネモードで操作されたキー信号を順番にレジスタに記憶する。
そして、状態制御操作判定部18は、第3省エネモードにおいて、操作表示部5でのキー操作によってキー信号が入力されると、レジスタに記憶されている既に入力されたキーのキー信号とその入力に、第3省エネモードで入力されたキーのキー入力順を並べたキー信号列を、予めキー登録操作時間登録部19に登録されている3種類のキー信号とそのキー信号の入力順のキー信号列を比較し、一致すると、省電力解除要因が発生したとして、ウェークアップ状態を経由して、待機・動作状態に復帰する。
【0098】
ところが、第3省エネモードで入力されたキー信号を含めて第1省エネモード及び第2省エネモードで入力されたキー信号の種類と入力順のキー信号列がキー登録操作時間登録部19に登録されているキー信号列と一致しないときには、状態制御操作判定部18は、第1省エネモードに戻す。
したがって、省エネモードから復帰するためには、予め登録されている3つのキー操作を登録されている順番で入力して初めて、待機・動作状態に復帰するようにする。
【0099】
なお、第2省エネモードから第1省エネモードへの移動経路(遷移経路)を設けると、第2省エネモードから第1省エネモードに移行させると、何回目のキー操作が間違っていたかが分かってしまう。
そこで、第2省エネモードから第1省エネモードへの移動経路を設けないようにすれば、キー登録操作時間登録部19に登録されているキー信号列が第3者に分かってしまうことを防止すると共に、キー操作を複数登録できるようにすると、2回目、3回目の操作を判定する際にそれ以前の操作とひもづける必要があり、回路が複雑になることを防止することができる。
【0100】
また、第1省エネモードから第2省エネモードへ移行すると、その後、最低2回キー操作を行わないと、第1省エネモードに戻らないようにすることもできる。
なお、上記説明では、キー登録操作時間登録部19に登録する入力キーの種類と入力順のキー信号列(キー操作列)が1種類の場合について説明したが、1種類に限るものではなく、複数種類のキー信号列(キー操作列)を登録して、そのうちの1種類でも操作表示部5から入力されたキー操作のキー信号列(キー操作列)が一致すると、省電力復帰条件が発生したとして、省電力状態から復帰するようにしてもよい。
【0101】
また、ユーザ毎にキー信号列(キー操作列)を登録して、複数のユーザ毎に復帰のためのキー信号列(キー操作列)を使い分けてもよい。
したがって、画像処理装置1を複数ユーザで共有する場合に、ユーザ毎に復帰操作手順を設定することができ、ユーザビリティを向上させつつ、省電力効果を向上させることができる。
そして、復帰要因となるキー操作を、より一層複雑にするためには、回路規模が増えるおそれがあるため、ある程度少ないキー操作とすることが望ましい。
【0102】
複雑なキー操作を必要とする場合は、一旦、I/O制御部20に電源電力の供給を行う第2省エネモードに移行したときに、I/O制御部20のCPU21を使用して、さらに複雑な復帰判定を行ってもよい。
このようにすることで、単純な誤操作等による省電力状態からの復帰を防止して、消費電力の削減効果を向上させることができる。また、省電力状態からの復帰操作の操作性を向上させることができる。
【0103】
そして、画像処理装置1は、上記複数回のキー入力による省電力状態からの復帰において、現在の省電力状態を安価にかつ容易にユーザに分かるように、例えば、操作表示部5のインクのニアエンドを通知する発光素子であるC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を利用して、省電力状態を通知するようにしてもよい。
【0104】
例えば、省電力制御部10の操作監視部12が、操作表示部5のC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯制御を行っているが、この点灯/消灯を省電力状態に対応させて制御するデータ(省電力状態LED制御データ)を記憶するレジスタを備えており、ユーザが操作表示部5のキー操作によって、どの省電力状態でどのC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を点灯/消灯させるかを指示操作すると、メイン制御部30のCPU31が、その指示操作内容に応じた省電力状態LED制御データを操作監視部12のレジスタに書き込む。
【0105】
そして、操作監視部12は、第1省エネモード、第2エネモード(又は第3省エネモード)に応じて、C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯/消灯を制御する。
このようにすると、CPU21、31への電源電力が停止されている状態においても、操作表示部5のLEDの点灯を制御して、省電力状態のモードの種類をユーザに通知することができる。
【0106】
さらに、上記C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯状態によって、ユーザに省電力状態からの復帰の操作の入力段階を明示することができる。
例えば、操作監視部12は、第1キー入力待ち状態の場合、図13の(a)に示すように、操作表示部5のキャンセルキー50、電源キー51、C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の全てを消灯する。
【0107】
また、操作監視部12は、第2キー入力待ち状態の場合、C用LED52への電源信号をアサートして、図13の(b)に示すように、C用LED53のみを点灯させる(図中の矩形枠内に斜線を施して点灯状態を示す)。
さらに、操作監視部12は、第3キー入力待ち状態の場合、Y用LED54への電源信号をアサートして、図13の(c)に示すように、Y用LED54のみを点灯させる(図中の矩形枠内に斜線を施して点灯状態を示す)。
このようにすると、ユーザに省電力状態からの復帰の操作の操作のキー入力について、何番目の段階であるかを通知することができる。
この実施形態の画像形成装置は、ユーザが省エネルギー状態を解除させるための操作のユーザビリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0108】
1:画像形成装置 2:コントローラ部 3:エンジン部 4:ROM 5:操作表示部 6:USBメモリ 7:外部RAM 8:PC 9:NW 10:省電力制御部 11:省電力復帰条件監視部 12:操作監視部 13:USBペリフェラルI/F部 14:RAM 15:TMR 16:ノイズフィルタ 17:エッジ検出部 18:状態制御操作判定部 18a:カウンタ 19:キー登録操作時間登録部 20:I/O制御部 21、31:CPU 22:ネットワーク制御部 23:メモリコントローラ部 30:メイン制御部 32:画像処理部 33:エンジン制御部 34:エンジンI/F部 35:外部バスI/F部 36:操作表示I/F部 37:USBホストI/F部 40:第1電源制御部 41:第2電源制御部 42:第3電源制御部 43:第1電源監視部 44:第2電源監視部 45:第3電源監視部 50:キャンセルキー 51:電源キー 52:C用LED 53:M用LED 54:Y用LED 55:K用LED 60:待機・動作状態 61:第2省エネモード 62:第1省エネモード 63:電源オフ状態
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2002−135487号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御装置と、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、並びにそれらの装置の機能を備えた複合機を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ装置等の原稿読取記録装置において、記録部への通電量を低下させて省エネルギー状態とした場合、予め登録された組合せの複数の操作キーが操作されたことを条件に省エネルギー状態を解除する原稿読取記録装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、省エネルギー状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、省エネルギー状態を解除するためにキー操作を初期状態に戻した後、省エネルギー状態を解除するためのキー操作をしなければならないので、操作性が良くないという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段と、複数種類の入力キーを備えた入力手段と、省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段と、入力手段によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段と、上記装置が省電力状態のときに検出手段によって検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、記憶手段に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段と、その判定手段によって一致すると判定された場合、省電力制御手段によって上記装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段と、検出手段によって最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段を備えた省電力制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
この発明による省電力制御装置と画像形成装置は、省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図2に示す省電力制御部の操作監視部の内部構成を省電力復帰条件監視部と共に示すブロック図である。
【図2】発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す画像形成装置のコントローラ部と電源系統の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示す操作表示部の主要な入力キーの配置例を示す図である。
【図5】図2に示す画像形成装置における省電力状態遷移図である。
【図6】図5に示す各状態又は各モードにおける省電力制御部、I/O制御部およびメイン制御部への給電状態と給電停止状態を示す一覧表である。
【図7】複数種類の省電力状態間の移行要因の一例を示す一覧表である。
【図8】図1に示す状態制御操作判定部が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰する処理を示すフローチャート図である。
【図9】図2に示す画像形成装置における省電力状態復帰遷移図である。
【図10】図2に示す画像形成装置における省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【図11】図2に示す画像形成装置における他の例の省電力状態復帰遷移図である。
【図12】図2に示す画像形成装置における他の例の省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【図13】図4に示す操作表示部の各キー及び各LEDを用いた店頭表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、発明の一実施形態である画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、スキャナ装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、並びにそれらの装置の機能を備えた複合装置等である。
この画像形成装置1は、コントローラ部2、エンジン部3、ROM(Read Only Memory)4、操作表示部5、USB(Universal Serial Bus)メモリ6及び外部RAM(Random Access Memory)7を備えている。
【0008】
また、画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(NW)9に接続されており、NW9上のパーソナルコンピュータ(PC)、他の画像形成装置を含む外部装置と通信可能である。
さらに、画像形成装置1は、PC8と直接接続し、PC8と通信可能である。
エンジン部3は、原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像をRGBで読み取る画像読取部、コントローラ部2からのCMYKの画像データに基づいてカラー画像を印刷用紙等の記録媒体に形成する印刷部(「プロッタ」ともいう)を含むエンジンである。
【0009】
上記RGBは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色である。
また、上記CMYKは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の色である。
ROM4は、画像形成装置1の全体の制御手順からなる制御プログラムを含むプログラムと、画像形成装置1が各種の処理を実行する際に必要なデータを予め記憶する記憶装置である。
【0010】
操作表示部5は、画像形成装置1をユーザが操作するのに必要な各種の入力キー(「操作キー」ともいう)を備えた操作部を有する。
また、操作表示部5は、ユーザに各種の作業画面や情報を表示するための液晶ディスプレイを含む表示画面と、ユーザに画像形成装置1の各種の状態を点灯又は消灯で知らせるためのLED(Light Emitting Diod)を含むランプを備えた表示部を有する。
【0011】
USBメモリ6は、画像形成装置1に着脱可能であり、画像処理装置1との間でデータの授受が可能であり、画像データを含む各種のデータを記憶する記録媒体である。
外部RAM7は、画像形成装置1のワークメモリ等として使用され、例えば、エンジン部3の画像読取部で読み取られた画像データ、エンジン部3の印刷部で印刷する画像データ及びその他のワークデータの記憶に利用される記憶媒体である。
コントローラ部2の内部は、省電力制御部10、インプットアウトプット(I/O)制御部20及びメイン制御部30の3つの機能ブロックを備えている。
【0012】
省電力制御部10は、省電力復帰条件監視部11、操作監視部12、USBペリフェラルI/F部13、RAM14及びタイマ(TMR)15を備えている。
また、I/O制御部20は、CPU21、ネットワーク制御部22及びメモリコントローラ部23を備えている。
さらに、メイン制御部30は、CPU31、画像処理部32、エンジン制御部33、エンジンI/F部34、外部バスI/F部35、操作表示I/F部36及びUSBホストI/F部37を備えている。
【0013】
そして、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の間、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30内の各部は、互いに通信可能にバスで接続されている。
省電力制御部10は、省電力移行要因の発生を検出すると、省電力制御部10、I/O制御部20又はメイン制御部30への電源の電力の供給停止を要求する。
この省電力移行とは、予め決められた省電力モードにおける各部への電源の電力の供給を停止して画像形成装置1を省電力状態にすることである。また、省電力移行要因には、例えば、キー入力、所定時間ジョブの要求が無かった場合などがある。
【0014】
さらに、省電力制御部10は、省電力状態のときに省電力復帰条件監視部11によって省電力復帰要因の発生を検出すると、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30への電源の電力の供給を要求する。
この省電力復帰とは、電源の電力の供給停止状態を解除して供給を開始させることである。また、省電力復帰要因の発生は、例えば、キー入力、ジョブの要求などがある。
省電力復帰条件監視部11は、省電力状態から通常動作可能な状態への移行要因、すなわち、電源の電力が供給される待機状態への省電力復帰要因の発生を検出する。
【0015】
省電力制御部10のUSBペリフェラルI/F部13は、USBケーブルによってPC8を接続している。
そして、USBペリフェラルI/F部13は、そのPC8との間で、データの授受の制御を司る。
このUSBペリフェラルI/F部13は、例えば、PC8からの印刷要求を受信すると、バスを介して、メイン制御部30のCPU31に印刷要求を渡すと共に、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力する。
【0016】
上記復帰リクエスト信号は、この画像形成装置1を省電力状態から通常の給電状態へ復帰させる要求を示す信号である。
省電力制御部10のRAM14は、省電力制御部10の動作に必要な各種データを記憶する。
省電力制御部10のTMR15は、各種時間の計時をする。
この、TMR15は、例えば、画像形成装置1が待機状態に入ってから予め設定されている省電力状態へ移行する待ち時間の計時をする。
【0017】
そして、TMR15は、上記待ち時間が経過すると、省電力復帰条件監視部11に省電力移行リクエスト信号を出力する。
上記省電力移行リクエスト信号は、この画像形成装置1を通常の給電状態から省電力状態へ移行させる要求を示す信号である。
省電力復帰条件監視部11は、省電力移行リクエスト信号を受信すると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42にそれぞれ電源制御信号を出力し、省電力制御部10については給電状態のままにし、I/O制御部20とメイン制御部30は給電状態から省電力状態へ移行させる。
【0018】
また、省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12から復帰リクエスト信号を受信すると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42にそれぞれ電源制御信号を出力し、省電力制御部10については給電状態のままにし、I/O制御部20とメイン制御部30は省電力状態から給電状態に復帰させる。
すなわち、省電力復帰条件監視部11は、省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段の機能を果たす。
【0019】
操作監視部12は、操作表示部5と信号を送受する信号線で接続されている。
この操作監視部12は、操作表示部5から信号線を介して予め省電力復帰操作用として登録されている入力キーのキー入力信号を受信すると、ユーザによるキー入力によって省電力復帰操作が行われたと判断する。
そして、操作監視部12は、省電力復帰操作が行われたと判断すると、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力する。
【0020】
省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12、TMR15及びUSBぺリフェラルI/F部13とそれぞれ信号を送受する信号線で接続されている。
この省電力復帰条件監視部11は、操作監視部12、TMR15又はUSBぺリフェラルI/F部13のいずれかから復帰リクエスト信号を受信すると、後述する図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41又は第3電源制御部42への電源制御信号を出力する。
【0021】
この電源制御信号は、第1電源制御部40、第2電源制御部41又は第3電源制御部42に対して給電再開を指示する信号である。
省電力制御部10は、I/O制御部20のCPU21又はメイン制御部30のCPU31からの省電力制御部10へのレジスタ値の設定により、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30への電力の供給と供給停止を制御する。
I/O制御部20は、ネットワーク制御部22によってNW9と接続している。
【0022】
ネットワーク制御部22は、I/O制御部20のCPU21の制御下でNW9上の装置との通信を制御する。すなわち、このネットワーク制御部22は、データ通信の機能の処理を行う処理手段の機能を果たす。このデータ通信には、ファクシミリ通信及びインターネットを介したメール通信も含む。
I/O制御部20のメモリコントローラ部23は、外部RAM7を接続すると共にメイン制御部30のバスとも接続している。
【0023】
このメモリコントローラ部23は、I/O制御部20のCPU21及びメイン制御部30のCPU31からの要求に応じて、外部RAM7への読み書きのアクセスを制御する。
外部RAM7は、I/O制御部20のCPU21とメイン制御部30のCPU31の双方によって利用される。
I/O制御部20のCPU21は、ネットワーク制御部22及びメモリコントローラ部23を制御して各種I/O制御を行う。
【0024】
メイン制御部30は、エンジンI/F部34にエンジン部3を、外部バスI/F部35にROM4を、操作表示I/F部36に操作表示部5を、USBホストI/F部37にUSBメモリ6をそれぞれ接続している。
メイン制御部30のCPU31は、ROM4内のプログラムを実行することにより画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行すると共に、後述する省電力復帰処理の設定処理を行う。
【0025】
画像処理部32は、エンジン部3のスキャナ部で読み取られた画像データに対する各種画像処理(例えば、補正処理、変倍処理、回転処理等)を行うと共に、エンジン部3のプロッタ部で記録出力に使用する画像データに対して、プロッタ部に応じた画像データへの変換等の各種画像処理を行う。この画像処理部32は、画像読取、印刷、及び複写を含む機能の処理を行う処理手段の機能を果たす。
エンジン制御部33は、CPU31の制御下で、エンジンI/F34を介してエンジン部3の動作を制御する。
【0026】
そして、コントローラ部2は、上述したように、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の3つのブロックに分けられており、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の各ブロックの間は、アイソレーションセルにより電源分離されていて、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30の各ブロック毎に電力の供給と供給遮断の制御が可能である。
【0027】
次に、操作表示部5の主要な入力キーについて説明する。
図4は、図2に示した操作表示部5の主要な入力キーの配置例を示す図である。
操作表示部5は、操作部の入力キーからは、この画像形成装置1を利用した複写処理に必要な各種操作や後述するように集約記録機能を使用した記録処理での各種操作に対応するキー入力が行われる。
すなわち、操作表示部5は、複数種類の入力キーを備えた入力手段の機能を果たす。
また、表示部(ディスプレイ)には、入力キーから入力された命令内容や画像形成装置1からオペレータに通知する各種情報が表示される。
【0028】
図4に示すように、操作表示部5は、キャンセル(CANCEL)キー50、電源(PWR)キー51を備えている。
キャンセルキー50は、各種動作指示の解除要求、及び省電力状態復帰要求を含む操作を行う入力キーとして用いられる。
また、電源キー51は、押下入力される毎に電源のオンとオフをそれぞれ入力操作することができる。
【0029】
このキャンセルキー50と電源キー51は、入力キーと共に、押下時に点灯して入力されたことを明示する機能を果たすLEDも備えている。また、電源キー51の場合は、電源のオンの場合にLEDを点灯し、電源のオフの場合にLEDを消灯する。
さらに、操作表示部5には、図2のエンジン部3のプロッタで使用しているCMYKのインクのニアエンドを通知するC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を備えている。
【0030】
このC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55は、ユーザが省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示すキー操作の際、操作表示部5の操作部によって入力キーの入力がある毎に、予め記憶された複数の入力キーに相当する入力数に達するまで、入力された入力キー数を示す情報を表示する手段としても使用する。
【0031】
次に、この画像形成装置1のコントローラ部2と電源系統の構成について説明する。
図2に示したコントローラ部2の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30は、それぞれ異なる電源制御部によって電力の給電が制御されている。
図3は、図2に示した画像形成装置1のコントローラ部2と電源系統の構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、省電力制御部10は第1電源制御部40と第1電源監視部43によって、I/O制御部20は第2電源制御部41と第2電源監視部44によって、メイン制御部30は第3電源制御部42と第3電源監視部45によって、それぞれ図示を省略した電源供給部からの電力の供給が制御される。
第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42は、後述する電源キー51が押下されて電源スイッチ信号pwr_swが入力されると、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30に電源の電力power1〜power3の供給を開始する。
【0033】
また、第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42は、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30から入力される電源制御信号power1en〜power3enがローレベルになると、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30に供給していた電源の電力power1〜power3の供給を停止する。
第1電源監視部43、第2電源監視部44、第3電源監視部45は、それぞれ対応する第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42への電源の電力power1〜power3の供給と供給停止とを監視する。
【0034】
そして、第1電源監視部43は、第1電源制御部40から省電力制御部10への電源の電力power1が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、省電力制御部10に対してリセット信号reset1を出力して、省電力制御部10をリセットさせる。
また、第2電源監視部44は、第2電源制御部41からI/O制御部20への電源の電力power2が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、I/O制御部20に対してリセット信号reset2を出力して、I/O制御部20をリセットさせる。
【0035】
さらに、第3電源監視部45は、第3電源制御部42からメイン制御部30への電源の電力power3が供給停止の状態から供給開始に切り替わったことを検知すると、メイン制御部30に対してリセット信号reset3を出力して、メイン制御部30をリセットさせる。
【0036】
このように、省電力制御部10は、電源制御信号power1en、power2en、又はpower3enによって、第1電源制御部40から省電力制御部10への電源の電力の供給と供給停止を、第2電源制御部41からI/O制御部20への電源の電力の供給と供給停止を、第3電源制御部42からメイン制御部30への電源の電力の供給と供給停止をそれぞれ制御する。
省電力制御部10は、I/O制御部20のCPU21又はメイン制御部30のCPU31によって省電力制御部10内のレジスタ値が設定されることにより、電源制御信号power1en、power2en、又はpower3enを制御する。
【0037】
次に、図2に示した省電力制御部10の操作監視部12の内部構成を説明する。
図1は、図2に示した省電力制御部10の操作監視部12の内部構成を省電力復帰条件監視部11と共に示すブロック図である。
この省電力制御部10は、画像形成装置1を電力供給状態にすると共に、省電力状態の画像形成装置1を電力供給状態に復帰させる制御を行う省電力制御装置としての機能を果たす。
【0038】
図1に示すように、省電力制御部10の操作監視部12は、ノイズフィルタ16、エッジ検出部17、状態制御操作判定部18及びキー登録操作時間登録部19を備えている。
また、状態制御操作判定部18は、内部にカウンタ18aを備えている。
ノイズフィルタ16は、図2の操作表示部5で押下された入力キーに対応するローレベルにアサートされたキー入力信号が入力される。
【0039】
そして、ノイズフィルタ16は、キー入力信号に対してノイズ除去処理をしてエッジ検出部17に出力する。
なお、この実施形態では、便宜上、キー入力信号は入力キーの入力操作によってローレベルにアサートされる場合を示しているが、ローレベルにアサートされる信号に限るものではなく、例えば、ハイレベルにアサートされる信号であってもよい。
【0040】
エッジ検出部17は、ノイズフィルタ16でノイズが除去されたキー入力信号のエッジ(立ち下がりエッジ)を検出し、その検出信号を状態制御操作判定部18に出力する。
状態制御操作判定部18は、状態制御操作判定部18は、エッジ検出部17から入力されるキー入力信号に基づいて、キー登録操作時間登録部19のキー登録内容を参照して、図5に示す省電力状態遷移を制御する。
また、状態制御操作判定部18は、エッジ検出部17から入力されるキー入力信号に基づいて、図2の操作表示部5の操作部によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段の機能を果たす。
【0041】
この入力キーの種類の検出は、操作表示部5の各キー毎の入力信号線がそれぞれノイズフィルタ16に接続しており、状態制御操作判定部18は、ノイズフィルタ16のキー入力信号が入力された入力信号線に基いて判断することができる。また、入力順についても、入力信号線を介したキー入力信号の検出順によって判断できる。
【0042】
さらに、状態制御操作判定部18は、画像形成装置1が省電力状態のときに、上記検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、キー登録操作時間登録部19に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段の機能も果たす。
また、状態制御操作判定部18は、上記判定によって一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に移行リクエスト信号又は復帰リクエスト信号を出力し、その移行リクエスト信号によって省電力復帰条件監視部11に対して画像形成装置1を予め決められた種類の省電力状態に移行させる省電力移行指示手段の機能を果たす。
さらに、状態制御操作判定部18は、上記判定によって一致すると判定された場合、省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力し、その復帰リクエスト信号によって省電力復帰条件監視部11に対して画像形成装置1を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段の機能を果たす。
【0043】
また、状態制御操作判定部18は、上記検出によって最初の入力キーを検出するとカウンタ18bのカウントを開始し、最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでにキー登録操作時間登録部19に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、上記検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段の機能を果たす。
カウンタ18aは、省電力状態からの復帰を要求する最初の入力キーを検出してから全ての数のキー入力が完了するまでの所定時間を計測(カウント)する計測手段の機能を果たす。
【0044】
キー登録操作時間登録部19は、操作監視部12に内蔵されているレジスタ、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリである。
このキー登録操作時間登録部19は、省電力状態のときに、ユーザからのキー操作に基づいて、省電力復帰条件監視部11によって省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段の機能を果たす。
また、上記複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせは複数種類を記憶することができる。
【0045】
次に、この画像形成装置1における電力の状態遷移について説明する。
図5は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態遷移図である。
図6は、図5に示した各状態又は各モードにおける省電力制御部10、I/O制御部20、およびメイン制御部30への給電状態と給電停止状態を示す一覧表である。
図7は、複数種類の省電力状態間の移行要因の一例を示す一覧表である。
【0046】
図5に示す省電力状態に移行する前の待機・動作状態60は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3がそれぞれ供給されているオン(ON)状態である(図6のa欄参照)。
【0047】
また、図5に示す第2省エネモード(第2省電力状態)61は、図3の省電力制御部10とI/O制御部20に電力power1、power2がそれぞれ供給されていてオン(ON)状態であり、図3のメイン制御部30に電力power3が供給されていないオフ(OFF)状態である(図6のb欄参照)。
さらに、図5に示す第1省エネモード(第1省電力状態)62は、図3の省電力制御部10に電力power1が供給されていてオン(ON)状態であり、図3のI/O制御部20とメイン制御部30に電力power2、power3がそれぞれ供給されていないオフ(OFF)状態である(図6のc欄参照)。
【0048】
そして、図5に示す電源オフ(OFF)状態63は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30が、オフ状態であって電力power1、power2、power3がそれぞれ供給されていない状態である(図6のd欄参照)。
すなわち、待機・動作状態60、第2省エネモード61、第1省エネモード62、電源オフ状態63への移行は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20、メイン制御部30への電力power1、power2、power3の供給停止、供給再開によって行われる。
【0049】
この実施形態の画像形成装置1は、図5の電源オフ状態63において、図4の電源キー51が押下されて電源オン入力になり、電源スイッチ信号pwr_swがアサートされると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42が、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3をそれぞれ供給する。
そして、画像形成装置1は、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30がそれぞれ動作可能な図5の待機・動作状態60に移行する。
【0050】
また、画像形成装置1は、図5の待機・動作状態60において、画像形成装置1に対する動作要求がない状態で予め設定された所定時間(待ち時間)が経過した場合、図3の省電力制御部10が第3電源制御部42に出力している電源制御信号power3enをローレベルに切り替える。
そして、画像形成装置1は、図3の第3電源制御部42がメイン制御部30に供給している電力power3をオフし、第2省エネモード61に移行する。
【0051】
さらに、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、ネットワーク受信等が発生していない状態で予め設定された所定時間(待ち時間)が経過した場合、図3の省電力制御部10がI/O制御部20の第2電源制御部41に出力している電源制御信号power2enをローレベルに切り替える。
そして、画像形成装置1は、図3の第2電源制御部41からI/O制御部20に供給している電力power2をオフにして、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0052】
また、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、図3の省電力制御部10は、ネットワーク送受信が発生しているときには、そのネットワーク送受信が完了した後に所定時間が経過した場合、上記と同様に、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0053】
さらに、画像形成装置1は、図5の第1省エネモード62では、図3のメイン制御部30及びI/O制御部20への電力power3、power2がそれぞれ供給されておらず、図3のメイン制御部30のCPU31及びI/O制御部20のCPU21への電源電力の供給も停止されているため、図3の省電力制御部10のハードウェアのみのが動作状態となる。
そして、画像形成装置1は、図5の第1省エネモード62において、図3の省電力制御部10が復帰イベント(省電力復帰要因)の発生を検知すると、後述するウェークアップ状態を経由して図5の第2省エネモード61へ移行する。
ここでの復帰とは、第1省エネモード62から第2省エネモード61への移行を示す。
【0054】
また、画像形成装置1は、図5の第2省エネモード61において、図3の省電力制御部10が復帰イベント(省電力復帰要因)の発生を検知すると、後述するウェークアップ状態を経由して図5の待機・動作状態60へ移行する。
そして、図3の省電力制御部10は、図7に示すように、USB受信、ネットワーク受信、タイマからのトリガ、インクカートリッジのカバーオープン及び操作表示部5の操作部からのキー入力を省電力復帰要因(省電力復帰条件)として、待機・動作状態60、第2省エネモード61、第1省エネモード62、電源オフ状態63への移行を制御する。
【0055】
図7に示すように、USB受信は、図2のUSBホストI/F部37に接続されるUSBメモリ6からの情報取得や印刷ジョブ等のUSB受信であり、ネットワーク受信は、図2のI/O制御部20のネットワーク制御部22に接続されているNW9からの情報取得、印刷ジョブの受信等である。
ただし、ネットワーク環境下では、応答の不要なパケットや対応していないパケットを受信することがあるため、図2の省電力復帰条件監視部11は、パケットフィルタリング機能(図示省略)を備えており、予めパターンマッチングテーブルが設定されていて、受信したパケットが設定されているパターンマッチングテーブルとマッチした場合に移行条件が発生したと判断する。
【0056】
タイマからのトリガは、図2のTMR15からタイムアウトによって入力され、例えば、定期的にクリーニング(エンジン部3のインクジェットプロッタにおけるメンテナンス動作)用にTMR15に設定されたクリーニングタイムのタイムアウトによって入力されるトリガである。
インクカートリッジのカバーオープンはユーザ操作であり、画像処理装置1に設けられているインクカートリッジカバーの開閉を検出するカバー開閉検出センサ(図示省略)からの入力信号を監視して、そのカバー開閉検出センサからの検出信号のエッジを検出すると移行条件が発生したとする。
【0057】
図2の操作表示部5からのキー入力はユーザ操作であり、図2の操作表示部5でのキー入力によって入力されるキー入力信号であり、予め決められた種類の入力キーが予め決められた順番で入力された場合に発生する。
なお、上記タイマのトリガとして、この実施形態の画像処理装置1では、図2の省電力制御部10のTMR15を用いているが、長時間の計測が必要な場合は、コントローラ部2の外部に図示を省略したリアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock )を搭載し、そのRTCのアラーム機能を使用してコントローラ部2の外部から移行リクエスト信号を入力するようにしてもよい。
【0058】
そして、画像処理装置1は、図2のROM4に省電力制御に係る手順からなる省電力制御プログラムを記憶させることにより、図2のCPU31がその省電力制御プログラムを実行することによって省電力制御機能を実現するようにすることもできる。
上記省電力制御プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、上記ROM4の他、図示を省略したEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリがある。
【0059】
また、上記記録媒体として、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−RW(Compact Disc Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto−Optical Disc)等がある。
この省電力制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0060】
画像処理装置1は、図5に示したように、複数段階の省電力状態を備えており、省電力状態に移行する前の待機・動作状態60では、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30をオン(ON)状態にして電力power1、power2、power3を供給状態にする。
また、画像処理装置1は、第2省エネモード61では、図3の省電力制御部10とI/O制御部20をオン(ON)状態にして電力power1、power2を供給状態にして、メイン制御部30をオフ(OFF)状態にして電力power3を供給停止状態にする。
【0061】
さらに、画像処理装置1は、第1省エネモード62では、図3の省電力制御部10をオン(ON)状態にして電力power1を供給状態にして、I/O制御部20とメイン制御部30をオフ(OFF)状態にして電力power2、power3を供給停止状態にする。
また、画像処理装置1は、電源オフ状態63では、図3の省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30をオフ状態にして電力power1、power2、power3を供給停止状態にする。
【0062】
そして、画像処理装置1は、電源オフ状態63において、図4の電源キー51が押下されて電源スイッチ信号pwr_swがアサートされると、図3の第1電源制御部40、第2電源制御部41、第3電源制御部42が、それぞれ対応する省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30に、電力power1、power2、power3を供給して、省電力制御部10、I/O制御部20及びメイン制御部30が動作可能な図5の状態待機・動作状態60に移行する。
【0063】
また、状態待機・動作状態60において、動作要求がなく所定の待ち時間が経過すると、図3の省電力制御部10が、メイン制御部30の第3電源制御部42に出力している電源制御信号power3enをローレベルに切り替えて、第3電源制御部42からメイン制御部30に供給している電力power3をオフさせて、図5の第2省エネモード61に移行する。
省電力制御部10は、第2省エネモード61において、ネットワーク受信等が発生していないときには、I/O制御部20の第2電源制御部41に出力している電源制御信号power2enをローレベルに切り替えて、第2電源制御部41からI/O制御部20に供給している電力power2をオフにさせて、図5の第1省エネモード62に移行する。
【0064】
また、省電力制御部10は、第2省エネモード61において、ネットワーク送受信が発生しているときには、そのネットワーク送受信が完了した後、所定の待ち時間が経過するのを待って、上記同様に図5の第1省エネモード62に移行する。
そして、画像処理装置1は、図7に示したように、USB受信、ネットワーク受信、タイマからのトリガ、インクカートリッジのカバーオープン及び操作表示部5の操作部のキー入力を省電力復帰要因(省電力復帰条件)として第2省エネモード61、第1省エネモード62から復帰する。
【0065】
なお、例えば、省電力状態からの復帰要求としてキー入力を復帰要因とし、そのキー入力に2回のキー入力が必要な場合、1回目のキー入力によって、第1省エネモード62から第2省エネモード61へ復帰し、2回目のキー入力によって、第2省エネモード61から待機・動作状態60に復帰するようにすることもできる。
このキー入力を復帰要件とする場合、復帰要求の入力キーの種類と入力順を、ユーザが図2の操作表示部5の操作によって設定入力すると、メイン制御部30のCPU31が省電力制御部10の操作監視部12の図1に示すキー登録操作時間登録部19に記憶し、図1の状態制御操作判定部18が、図2の操作表示部5で入力された入力キーの種類と順番が、キー登録操作時間登録部19に記憶されているものと一致するか否かによって、復帰要因であるか否か判定して、復帰要因であると、第1省エネモード62、第2省エネモード61から待機・動作状態60に向かって順次状態を遷移させる。
【0066】
次に、図1の状態制御操作判定部18が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰するときの処理について説明する。
図8は、図1の状態制御操作判定部18が入力キーによる操作によって省電力状態から復帰する処理を示すフローチャート図である。
図1のキー登録操作時間登録部19には、省電力状態から復帰する要求の入力キーの種類と入力順を登録しておく。入力キーの数n(nは2以上の整数)も予め登録しておく。
【0067】
図1の状態制御操作判定部18は、画像形成装置1が省電力状態に移行すると、ステップ(図中「S」で示す)1で第1キー入力待ち状態に移行する。
この第1キーとは、省電力状態から復帰する要求を示す複数のキー入力の内の第1番目に当たる入力キーである。
ステップ2では、キー入力ありか否かを判断する。この判断は、図1のエッジ検出部17からのキー入力信号の有無で判断する。
【0068】
ステップ2でキー入力なしと判断したら(Nの場合)、ステップ2の判断処理を繰り返し、キー入力ありと判断したら(Yの場合)、ステップ3で入力されたキーが第1キーに該当するか否かを判定する。この判定は、入力された入力キーの種類と入力順(この場合1番目)がキー登録操作時間登録部19に記憶されている入力キーの種類と入力順と一致するか否かを判定する。
【0069】
ステップ3で該当しないと判定したら(Nの場合)、ステップ2の処理へ戻り、該当すると判定したら(Yの場合)、ステップ4でx=1を設定し(xはキー番号をカウントするための変数)、ステップ5でx=x+1によってキー入力数を1つ進め、ステップ6で第xキー入力待ち状態に移行し、ステップ7で図1のカウンタ18aのカウントを開始する。
このカウンタ18aは、画像形成装置1の動作クロックの1周期毎に1をカウント(増加)し、予め設定されたカウント値までカウントする。この予め設定されたカウント値は、最初の入力キーを検出してから予め記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出するまでの待機時間に相当する値にする。
【0070】
ステップ8で、次のキー入力ありか否かを判断する。この判断も、図1のエッジ検出部17からのキー入力信号の有無で判断する。
ステップ8でキー入力なしと判断したら(Nの場合)、ステップ9で所定時間経過したか否かを判断する。この判断は、図1のカウンタ18aが予め設定したカウント値をカウントしたら所定時間を経過したと判断する。
ステップ9で所定時間経過していないと判断したら、ステップ8へ戻り、所定時間経過したと判断したら、ステップ10で図1のカウンタ18aをリセットし、ステップ1に戻って第1キー入力待ち状態に移行する。
【0071】
このようにして、状態制御操作判定部18は、第1キーを検出してから所定時間を経過するまでに予め記憶された複数の入力キーの数nまでの入力を検出しなかった場合、キー入力検出を最初の入力キーを検出する初期状態に戻す。
したがって、画像形成装置1の省電力状態を解除する複数の入力キーの入力操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、省電力状態を解除するために入力キーの操作を初期状態に戻すという繁雑な作業をせずに済む。
このように、ユーザに対して省電力状態から復帰させるキー入力の際の操作性を良くすることができる。
【0072】
一方、ステップ8で、キー入力ありと判断したら(Yの場合)、ステップ11で入力されたキーが第xキーに該当するか否かを判定する。この判定は、入力された入力キーの種類と入力順(この場合x番目)がキー登録操作時間登録部19に記憶されている入力キーの種類と入力順と一致するか否かを判定する。
ステップ11で該当しないと判定したら(Nの場合)、ステップ1の処理へ戻り、該当すると判定したら(Yの場合)、ステップ12でx=nか否かを判断する。この判断は、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が完了したか否かを判断する。
【0073】
ステップ12でx=nではないと判断した場合(Nの場合)、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が完了していないので、ステップ5へ戻って次のキー入力待ち状態に移行する。
また、ステップ12でx=nと判断した場合(Yの場合)、省電力状態から復帰を要求する複数の入力キーに相当するキー入力が所定時間内に完了しているので、ステップ13で図1の省電力復帰条件監視部11に復帰リクエスト信号を出力し、省電力復帰条件監視部11によって画像形成装置1を省電力状態から電力供給状態に復帰させ、この処理を終了する。
【0074】
次に、この実施形態の画像処理装置1における省電力状態から復帰させる制御処理について説明する。
図9は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態復帰遷移図である。
図10は、図2に示した画像形成装置1における省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
ここでは、省電力状態から2回の入力キーの入力操作が必要であり、そのキー入力として、1番目の入力に図4に示したキャンセルキー50を、2番目の入力に図4に示した電源キー51を割り当てた場合を説明する。
【0075】
図9に示すように、画像形成装置1がアイドル状態70から第2省エネモード61又は第1省エネモード62の省電力状態に移行すると、図1の状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態71に移行する。
状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態71において、図4のキャンセルキー50の入力を検出すると、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定し、第2キー入力待ち状態72に移行する。
【0076】
さらに、状態制御操作判定部18は、第2キー入力待ち状態72において、所定時間以内に図4の電源キー51の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、ウエイクアップ状態73に移行し、省電力状態を解除し、アイドル状態70に戻し、省電力状態から復帰する。
一方、第2キー入力待ち状態72において、電源キー51以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態71に戻す。
【0077】
このようにして、省電力状態のときに復帰要求のキー入力があっても、所定時間内に予め決められた入力キーに相当する入力数、この場合は2回のキー入力を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻すので、例えば、最初のユーザによって省電力状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、キー操作を初期状態に戻す繁雑な作業をしなくても、省電力状態からの復帰のキー操作を行える。
したがって、ユーザに対する省電力状態からの復帰に係るキー入力の操作性を良くすることができる。
【0078】
図10の(a)は、画像形成装置1の動作クロック信号(clk)の周期を示す波形である。
また、図10の(b)は、状態制御操作判定部18における図9の第1キー入力待ち状態71、第2キー入力待ち状態72、ウエイクアップ状態73の各状態の遷移例を示している。
さらに、図10の(c)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4のキャンセルキー50の押下によるキャンセルキー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、キャンセルキー50の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
【0079】
また、図10の(d)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4の電源キー51の押下による電源キー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、電源キー51の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
そして、図10の(e)は、図1のカウンタ18aによる所定時間の経過を計測するカウント動作の一例を示す。
【0080】
例えば、図10の(1)では、状態制御操作判定部18は、図9の第1キー入力待ち状態71のときに、図中時間t1のタイミングでキャンセルキー信号が入力されると、図9の第2キー入力待ち状態72へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を開始する。
図10の(2)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t2のタイミングで再びキャンセルキー信号が入力されると、図9の第1キー入力待ち状態71へ戻す。
【0081】
図10の(3)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t3のタイミングで電源キー信号が入力されると、図9のウエイクアップ状態73へ移行し、省電力状態を解除し、図9のアイドル状態70に戻し、省電力状態から復帰する。
【0082】
図10の(4)では、状態制御操作判定部18は、図9の第2キー入力待ち状態72のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウント完了すると(図中時間t4のタイミング)、自動的に図9の第1キー入力待ち状態71へ戻す。
こうして、キー入力途中で所定時間が経過したら、キー入力状態を自動的に初期状態に戻す。
ここで、nは予め省エネ状態に移行する前に状態制御操作判定部18の図示を省略したレジスタに設定されており、カウンタ18aのカウントを開始するときに設定する。
また、カウンタ18aは、カウント値nをカウント完了すると0にクリアされる。
【0083】
次に、この実施形態の画像処理装置1における省電力状態から復帰させる他の制御処理について説明する。
図11は、図2に示した画像形成装置1における他の例の省電力状態復帰遷移図である。
図12は、図2に示した画像形成装置1における他の例の省電力状態復帰遷移制御時のタイミングチャート図である。
【0084】
ここでは、省電力状態から3回の入力キーの入力操作が必要であり、そのキー入力として、1番目の入力に図4に示したキャンセルキー50を、2番目の入力に再びキャンセルキー50を、3番目の入力に図4に示した電源キー51を割り当てた場合を説明する。
図11に示すように、画像形成装置1がアイドル状態80から第2省エネモード61又は第1省エネモード62の省電力状態に移行すると、図1の状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態81に移行する。
状態制御操作判定部18は、第1キー入力待ち状態81において、図4のキャンセルキー50の入力を検出すると、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定し、第2キー入力待ち状態82に移行する。
【0085】
さらに、状態制御操作判定部18は、第2キー入力待ち状態82において、所定時間以内に再びキャンセルキー50の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、第3キー入力待ち状態83に移行する。
一方、第2キー入力待ち状態82において、キャンセルキー50以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態81に戻す。
【0086】
次に、状態制御操作判定部18は、第3キー入力待ち状態83において、所定時間以内に図4の電源キー51の入力を検出し、キー登録操作時間登録部19に記憶されたキー種類と入力順に一致すると判定すると、ウエイクアップ状態84に移行し、省電力状態を解除し、アイドル状態80に戻して省電力状態から復帰する。
一方、第3キー入力待ち状態83において、電源キー51以外のキー入力を検出した場合、又は所定時間を経過しても次のキー入力の検出がなかった場合、第1キー入力待ち状態81に戻す。
【0087】
このようにして、省電力状態のときに復帰要求のキー入力があっても、所定時間内に予め決められた入力キーに相当する入力数、この場合は3回のキー入力を検出しなかった場合、最初の入力キーを検出する初期状態に戻すので、例えば、最初のユーザによって省電力状態を解除する複数のキー操作が途中のまま放置された場合、次のユーザは、キー操作を初期状態に戻す繁雑な作業をしなくても、省電力状態からの復帰のキー操作を行える。
したがって、ユーザに対する省電力状態からの復帰に係るキー入力の操作性を良くすることができる。
【0088】
図12の(a)は、画像形成装置1の動作クロック信号(clk)の周期を示す波形である。
また、図12の(b)は、状態制御操作判定部18における図9の第1キー入力待ち状態81、第2キー入力待ち状態82、第3キー入力待ち状態83、ウエイクアップ状態84の各状態の遷移例を示している。
さらに、図12の(c)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4のキャンセルキー50の押下によるキャンセルキー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
【0089】
図2の操作表示部5は、キャンセルキー50の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
また、図12の(d)は、画像形成装置1が省電力状態のときに、図4の電源キー51の押下による電源キー信号の入力タイミングの一例を示す波形図である。
図2の操作表示部5は、電源キー51の押下時に上記動作クロックに同期した1クロック(clk)分のパルス信号によるキー入力信号を発生させる。そのパルス信号が図1のノイズフィルタ16に入力されて検出される。
【0090】
そして、図12の(e)は、図1のカウンタ18aによる所定時間の経過を計測するカウント動作の一例を示す。
例えば、図12の(1)では、状態制御操作判定部18は、図11の第1キー入力待ち状態81のときに、図中時間t11のタイミングでキャンセルキー信号が入力されると、図11の第2キー入力待ち状態82へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を開始する。
【0091】
図12の(2)では、状態制御操作判定部18は、図11の第2キー入力待ち状態82のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t12のタイミングで再びキャンセルキー信号が入力されると、図11の第3キー入力待ち状態83へ移行し、図1のカウンタ18aのカウント動作を継続する。
【0092】
図12の(3)では、状態制御操作判定部18は、図11の第3キー入力待ち状態83のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウントするまでに(0<m<n)、図中時間t13のタイミングで電源キー信号が入力されると、図11のウエイクアップ状態84へ移行し、省電力状態を解除し、図11のアイドル状態80に戻し、省電力状態から復帰する。
【0093】
図12の(4)では、状態制御操作判定部18は、図11の第2キー入力待ち状態82(又は第3キー入力待ち状態83)のときに、図1のカウンタ18aによる所定時間に相当するカウント値n(nは正の整数)をカウント完了すると(図中時間t14のタイミング)、自動的に図11の第1キー入力待ち状態81へ戻す。
こうして、キー入力途中で所定時間が経過したら、キー入力状態を自動的に初期状態に戻す。
【0094】
ここで、nは予め省エネ状態に移行する前に状態制御操作判定部18の図示を省略したレジスタに設定されており、カウンタ18aのカウントを開始するときに設定する。
また、カウンタ18aは、カウント値nをカウント完了すると0にクリアされる。
上述のように、状態遷移の条件とするキー操作は、キャンセルキー50、電源キー51に限るものではなく、例えば、図4の52〜55のいずれかのキーを使用しても良い。
【0095】
なお、上記説明では、2段階の省エネモードの場合を説明したが、さらに多くのモードを設けても良い。
例えば、省電力状態として、第1省エネモード、第2省エネモード、第3省エネモードを設け、待機・動作状態で、待ち時間が経過するか省電力へ移行させるキー操作が行われると、最も消費電力の削減効果の高い第1省エネモードに移行して、第1省エネモードにおいて、操作表示部5での任意のキー操作によるキー入力信号が状態制御操作判定部18に入力されると、状態制御操作判定部18が、2番目に消費電力の削減効果の高い第2省エネモードに移行する。
【0096】
そして、状態制御操作判定部18は、このとき入力されたキー信号を、図示しないレジスタに記憶する。
また、第2省エネモードで、操作表示部5での任意のキー操作によるキー入力信号が状態制御操作判定部18に入力されると、状態制御操作判定部18が、3番目に消費電力の削減効果の高い第3省エネモードに移行する。
そして、状態制御操作判定部18は、このとき入力されたキー信号を、図示しないレジスタに記憶する。
【0097】
すなわち、状態制御操作判定部18は、第1省エネモードで操作されたキー信号と第2省エネモードで操作されたキー信号を順番にレジスタに記憶する。
そして、状態制御操作判定部18は、第3省エネモードにおいて、操作表示部5でのキー操作によってキー信号が入力されると、レジスタに記憶されている既に入力されたキーのキー信号とその入力に、第3省エネモードで入力されたキーのキー入力順を並べたキー信号列を、予めキー登録操作時間登録部19に登録されている3種類のキー信号とそのキー信号の入力順のキー信号列を比較し、一致すると、省電力解除要因が発生したとして、ウェークアップ状態を経由して、待機・動作状態に復帰する。
【0098】
ところが、第3省エネモードで入力されたキー信号を含めて第1省エネモード及び第2省エネモードで入力されたキー信号の種類と入力順のキー信号列がキー登録操作時間登録部19に登録されているキー信号列と一致しないときには、状態制御操作判定部18は、第1省エネモードに戻す。
したがって、省エネモードから復帰するためには、予め登録されている3つのキー操作を登録されている順番で入力して初めて、待機・動作状態に復帰するようにする。
【0099】
なお、第2省エネモードから第1省エネモードへの移動経路(遷移経路)を設けると、第2省エネモードから第1省エネモードに移行させると、何回目のキー操作が間違っていたかが分かってしまう。
そこで、第2省エネモードから第1省エネモードへの移動経路を設けないようにすれば、キー登録操作時間登録部19に登録されているキー信号列が第3者に分かってしまうことを防止すると共に、キー操作を複数登録できるようにすると、2回目、3回目の操作を判定する際にそれ以前の操作とひもづける必要があり、回路が複雑になることを防止することができる。
【0100】
また、第1省エネモードから第2省エネモードへ移行すると、その後、最低2回キー操作を行わないと、第1省エネモードに戻らないようにすることもできる。
なお、上記説明では、キー登録操作時間登録部19に登録する入力キーの種類と入力順のキー信号列(キー操作列)が1種類の場合について説明したが、1種類に限るものではなく、複数種類のキー信号列(キー操作列)を登録して、そのうちの1種類でも操作表示部5から入力されたキー操作のキー信号列(キー操作列)が一致すると、省電力復帰条件が発生したとして、省電力状態から復帰するようにしてもよい。
【0101】
また、ユーザ毎にキー信号列(キー操作列)を登録して、複数のユーザ毎に復帰のためのキー信号列(キー操作列)を使い分けてもよい。
したがって、画像処理装置1を複数ユーザで共有する場合に、ユーザ毎に復帰操作手順を設定することができ、ユーザビリティを向上させつつ、省電力効果を向上させることができる。
そして、復帰要因となるキー操作を、より一層複雑にするためには、回路規模が増えるおそれがあるため、ある程度少ないキー操作とすることが望ましい。
【0102】
複雑なキー操作を必要とする場合は、一旦、I/O制御部20に電源電力の供給を行う第2省エネモードに移行したときに、I/O制御部20のCPU21を使用して、さらに複雑な復帰判定を行ってもよい。
このようにすることで、単純な誤操作等による省電力状態からの復帰を防止して、消費電力の削減効果を向上させることができる。また、省電力状態からの復帰操作の操作性を向上させることができる。
【0103】
そして、画像処理装置1は、上記複数回のキー入力による省電力状態からの復帰において、現在の省電力状態を安価にかつ容易にユーザに分かるように、例えば、操作表示部5のインクのニアエンドを通知する発光素子であるC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を利用して、省電力状態を通知するようにしてもよい。
【0104】
例えば、省電力制御部10の操作監視部12が、操作表示部5のC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯制御を行っているが、この点灯/消灯を省電力状態に対応させて制御するデータ(省電力状態LED制御データ)を記憶するレジスタを備えており、ユーザが操作表示部5のキー操作によって、どの省電力状態でどのC用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55を点灯/消灯させるかを指示操作すると、メイン制御部30のCPU31が、その指示操作内容に応じた省電力状態LED制御データを操作監視部12のレジスタに書き込む。
【0105】
そして、操作監視部12は、第1省エネモード、第2エネモード(又は第3省エネモード)に応じて、C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯/消灯を制御する。
このようにすると、CPU21、31への電源電力が停止されている状態においても、操作表示部5のLEDの点灯を制御して、省電力状態のモードの種類をユーザに通知することができる。
【0106】
さらに、上記C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の点灯状態によって、ユーザに省電力状態からの復帰の操作の入力段階を明示することができる。
例えば、操作監視部12は、第1キー入力待ち状態の場合、図13の(a)に示すように、操作表示部5のキャンセルキー50、電源キー51、C用LED52、M用LED53、Y用LED54、K用LED55の全てを消灯する。
【0107】
また、操作監視部12は、第2キー入力待ち状態の場合、C用LED52への電源信号をアサートして、図13の(b)に示すように、C用LED53のみを点灯させる(図中の矩形枠内に斜線を施して点灯状態を示す)。
さらに、操作監視部12は、第3キー入力待ち状態の場合、Y用LED54への電源信号をアサートして、図13の(c)に示すように、Y用LED54のみを点灯させる(図中の矩形枠内に斜線を施して点灯状態を示す)。
このようにすると、ユーザに省電力状態からの復帰の操作の操作のキー入力について、何番目の段階であるかを通知することができる。
この実施形態の画像形成装置は、ユーザが省エネルギー状態を解除させるための操作のユーザビリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0108】
1:画像形成装置 2:コントローラ部 3:エンジン部 4:ROM 5:操作表示部 6:USBメモリ 7:外部RAM 8:PC 9:NW 10:省電力制御部 11:省電力復帰条件監視部 12:操作監視部 13:USBペリフェラルI/F部 14:RAM 15:TMR 16:ノイズフィルタ 17:エッジ検出部 18:状態制御操作判定部 18a:カウンタ 19:キー登録操作時間登録部 20:I/O制御部 21、31:CPU 22:ネットワーク制御部 23:メモリコントローラ部 30:メイン制御部 32:画像処理部 33:エンジン制御部 34:エンジンI/F部 35:外部バスI/F部 36:操作表示I/F部 37:USBホストI/F部 40:第1電源制御部 41:第2電源制御部 42:第3電源制御部 43:第1電源監視部 44:第2電源監視部 45:第3電源監視部 50:キャンセルキー 51:電源キー 52:C用LED 53:M用LED 54:Y用LED 55:K用LED 60:待機・動作状態 61:第2省エネモード 62:第1省エネモード 63:電源オフ状態
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2002−135487号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段と、
複数種類の入力キーを備えた入力手段と、
省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段と、
前記装置が省電力状態のときに前記検出手段によって検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、前記記憶手段に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって一致すると判定された場合、前記省電力制御手段によって前記装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段と、
前記検出手段によって最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに前記記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、前記検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段とを備えたことを特徴とする省電力制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段に複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを複数種類記憶したことを特徴とする請求項1記載の省電力制御装置。
【請求項3】
前記入力手段によって入力キーの入力がある毎に、前記記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数に達するまで、入力された入力キー数を示す情報を表示する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の省電力制御装置。
【請求項4】
装置を省電力状態に移行させる手段を有し、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の省電力制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
省電力状態の装置を電力供給状態に復帰させる省電力制御手段と、
複数種類の入力キーを備えた入力手段と、
省電力状態から電力供給状態に復帰させる要求を示す予め決められた複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを記憶する記憶手段と、
前記入力手段によって入力された入力キーの種類と入力順を検出する検出手段と、
前記装置が省電力状態のときに前記検出手段によって検出した複数の入力キーと入力順との組み合わせと、前記記憶手段に記憶されている複数の入力キーの種類と入力順との組み合わせが一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって一致すると判定された場合、前記省電力制御手段によって前記装置を省電力状態から電力供給状態に復帰させる省電力復帰指示手段と、
前記検出手段によって最初の入力キーを検出してから所定時間を経過するまでに前記記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数を検出しなかった場合、前記検出手段を最初の入力キーを検出する初期状態に戻すキー入力検出初期化制御手段とを備えたことを特徴とする省電力制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段に複数の入力キーの種類と入力順の組み合わせを複数種類記憶したことを特徴とする請求項1記載の省電力制御装置。
【請求項3】
前記入力手段によって入力キーの入力がある毎に、前記記憶手段に記憶された複数の入力キーに相当する入力数に達するまで、入力された入力キー数を示す情報を表示する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の省電力制御装置。
【請求項4】
装置を省電力状態に移行させる手段を有し、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の省電力制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−51468(P2013−51468A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186863(P2011−186863)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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