説明

真偽判別可能な印刷物

【課題】 本発明は、少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が格子状に規則的に複数配列されて成る真偽判別効果に優れた真偽判別可能な印刷物に関する。
【解決手段】 基材上に印刷模様を設け、印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が格子状に規則的に複数配列されて成り、印刷模様は、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、微細構成子は、少なくとも2色を有し、第1の微細構成子と第2の微細構成子の形状を異ならせるか、又は、形状が同一で、第1の微細構成子と第2の微細構成子は互いに配置角度を異ならせて印刷物を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が格子状に規則的に複数配列されて成る真偽判別効果に優れた真偽判別可能な印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品は、その価値を保証・維持するために、偽造防止技術が施されている。そのため、このような貴重品には、特殊な印刷パターンが施され、印刷パターンに万線フィルタから成る判別具やレンチキュラーレンズからなる判別具を重ね合わせることによって、潜像画像が視認され、真偽判別が行われている。
【0003】
例えば、万線フィルタから成る判別具によって真偽判別する技術として、万線画線で印刷された背景画像部と、背景画像部と異なった万線角度の万線画線で潜像画像部を印刷し、一見しては、背景画像部と潜像画像部は区分けして視認し難いが、所定の角度で万線フィルタを印刷物に重ね合わせて観察した場合に、背景画像部と潜像画像部が区分けされて視認できる技術が知られている。
【0004】
レンチキュラーレンズから成る判別具によって真偽判別する技術として、nを2以上の所定の整数とし、第1〜nの順番に並列する第1〜n帯によって組帯を形成し、並列する複数の前記組帯によって画像を形成する印刷物であって、前記第1〜n帯から第1所定画像の前記帯に対応する領域を排他的に貼り付ける帯として2つを選択し、隠し画像の輪郭において前記選択した一方の帯から他方の帯へと前記貼り付ける帯を変化させることにより形成した画像が印刷されているようにした印刷物に、レンチキュラーレンズを重ね合わせることによって隠し画像が顕在化する印刷物が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−094790号公報(第1−8頁、第1−7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、万線フィルタから成る判別具によって真偽判別される印刷物及び特開2003−094790号公報記載の印刷物は、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は線画で構成するか、若しくは、隠し画像となる潜像画像部及びその周辺の背景画像部は網点による万線画線で構成され、更に、潜像画像部と背景画像部の万線の配列にズレを有しているため、印刷物のみで観察した場合においても潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認される問題があった。また、万線画線で形成しているため潜像画像部のデザインに制限があった。
【0006】
また、万線フィルタからなる判別具は、印刷物と重ね合わせた場合に、ある特定角度のみで潜像画像部が視認されるため、ある特定角度で重ねた場合のズレに対する許容範囲が狭いため、判別具と重ね合わせて真偽判別する段階で、潜像画像部を出現させるのに手間がかかっていた。また、万線フィルタの万線ピッチが印刷物の万線パターンのピッチに合わせる必要があり、万線フィルタの万線ピッチと印刷物を形成する万線パターンのピッチをほぼ同一にする必要があり、万線フィルタの万線ピッチのピッチ幅に制限があった。更に、万線フィルタは万線画線の画線部に遮断され、潜像画像部は明瞭に視認されるものではなかった。
【0007】
また、特開2003−094790号公報は潜像画像を万線画線で形成しているため、構成が単純で複製されるおそれがあり、更に、万線状のレンチキュラーレンズを印刷物の万線に対して、直角方向又は万線方向に重ねた場合に潜像画像が視認し難い問題があった。
【0008】
以上のことから、本発明は前述した問題点を解決することを目的としたもので、基材上に印刷模様を設け、印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、微細構成子は、少なくとも二色を有し、第1の微細構成子と第2の微細構成子の形状を異ならせるか、又は、形状が同一で、第1の微細構成子と第2の微細構成子は互いに配置角度、配置位置を異ならせることによって、印刷物のみで観察した場合においても潜像画像部と背景画像部の境が肉眼で視認されるおそれがなく、潜像画像部のデザインに制限がなく、また、判別具にレンチキュラーレンズを用い、微細構成子によって印刷物を形成することによって、ある特定角度で重ねた場合のズレに対する許容範囲が広く、レンチキュラーレンズと重ね合わせて真偽判別する段階で、手間がかかることなく、また、レンチキュラーレンズの凹凸ピッチと印刷物の微細構成子の配列ピッチをほぼ同一にする必要がなく、潜像画像部は従来よりも明瞭に視認され、印刷物とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度によって、異なった色の潜像画像が視認できるため、真偽判別効果に優れる。また、少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子は複雑に形成することも可能であるため複製し難い印刷物となり得る。また、潜像画像部と背景画像部で画線にズレを持たせることなく、スクリーン線数を異ならせる必要もない。更に、複写機で複写した複製物は背景画像部と潜像画像部の色調が異なって視認されるため、複写防止効果を有する。本発明は上記記載の真偽判別可能な印刷物を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、前記微細構成子は、少なくとも二色を有し、前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0010】
また、本発明は、基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、前記微細構成子は、少なくとも二色を有し、前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が同一で形成され、前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子は互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【0011】
また、本発明は、基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、前記微細構成子は、少なくとも二色を有し、前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が同一で形成され、前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子を形成する同色の画素の配置位置が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、基材上に印刷模様を設け、印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、微細構成子は、少なくとも2色を有し、第1の微細構成子と第2の微細構成子の形状を異ならせるか、又は、形状が同一で、第1の微細構成子と第2の微細構成子は互いに配置角度を異ならせることによって、従来のような万線の構成で、潜像画像部と背景画像部を形成することなく、微細構成子で潜像画像部と背景画像部を形成しているため、印刷物のみで肉眼で観察した場合に、従来よりも潜像画像部と背景画像部を区分けして視認されることがない非視認性に優れる。
【0013】
また、本発明の印刷物にレンチキュラーレンズを重ねて観察した場合に潜像画像部と背景画像部が区分けされ、潜像画像として視認できるため、その印刷物が本物か否か判別することが可能である。レンチキュラーレンズを用いることによって従来よりも明瞭に潜像画像部が視認できる。更に、本発明の印刷物とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度を変化させることによって、異なった色の潜像画像が視認できるため、真偽判別効果に優れる。また、重ね合せる位置又は角度によっては色にグラデーションを有する潜像画像が視認される。よって、銀行券、パスポート、有価証券、カード、印紙類、商品タグ、有料道路等の回数券、各種チケット等の貴重品に適用可能である。
【0014】
また、潜像画像部と背景画像部を微細構成子で形成しているため、複雑なデザインを形成することが可能であり、また、判別具にレンチキュラーレンズを用い、微細構成子によって印刷物を形成することによって、ある特定角度で重ねた場合のズレに対する許容範囲が広いため、万線状のレンチキュラーレンズと重ね合わせて真偽判別する段階で、容易に潜像画像を視認することができる。また、万線状のレンチキュラーレンズの凹凸ピッチと印刷物の微細構成子の配列ピッチをほぼ同一にする必要がなく、万線状のレンチキュラーレンズの凹凸ピッチと印刷物の微細構成子の配列ピッチの差の許容範囲を広く形成することができる。
【0015】
また、印刷物と万線状のレンチキュラーレンズの重ね合せる角度によって、異なった色の潜像画像が視認できるため、真偽判別効果に優れる。また、従来のような万線フィルタから成る判別具ではなく、万線状のレンチキュラーレンズから成る判別具を用いることによって、潜像画像を出現させるため、万線フィルタよりも潜像画像が明瞭に視認される。
【0016】
また、少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子は、複雑に形成することも可能であるため複製し難い印刷物となり得る。また、微細構成子のデザインによっては、潜像画像部と背景画像部で画線にズレを持たせることなく、スクリーン線数を異ならせる必要もない。更に、微細構成子のデザインによっては、複写機で複写した場合に、複写機の走査線の関係から、その複写物は潜像画像部と背景画像部に区分けされ、潜像画像として視認されるため複写防止効果を有する。解像度の高いカメラ付携帯電話、デジタルビデオカメラ又はデジタルカメラで撮影した場合の表示画像でも潜像画像部及び背景画像部の色が区分けして視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
【0018】
図1は本発明の真偽判別可能な印刷物(A1)の一例とその一部拡大図である。図1に示すように基材(1)上に第1の微細構成子及び前記第2の微細構成子が格子状に複数配列されて成る印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は背景画像部と成る第1の印刷領域(3)と潜像画像部と成る第2の印刷領域(4)を含む真偽判別可能な印刷物(A1)である。第1の印刷領域(3)は第2の印刷領域(4)の周辺に形成される。図1の拡大図に示すように第1の印刷領域(3)内は、2色(図面ではシアン、イエロー)の画素(5a、5b)から成る第1の微細構成子(5)が規則的に複数配列されている。第2の印刷領域(4)内は、第1の微細構成子(5)と同一形状の画素(6a、6b)から成る第2の微細構成子(6)が規則的に複数配列されている。また、第1の微細構成子(5)を形成するシアンの色の画素の面積(5a1)と第2の微細構成子を形成するシアンの画素の面積(6a1)は、同一又はほぼ同一の関係を有している必要がある。更に、第1の微細構成子(5)を形成するイエローの色の画素の面積(5b1)と第2の微細構成子を形成するイエローの画素の面積(6b1)は、同一又はほぼ同一の関係を有している必要がある。第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、所定の角度(図面では右回りに30°)で回転して規則的に複数配列されて成る。なお、色については特に限定されるものではない。つまり、第1の微細構成子と第2の微細構成子は、互いに配置角度が異なっていればよい。
【0019】
ここでの、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は同一の形状から成り、各微細構成子は少なくとも2色以上(図1では2色)を有する必要がある。また、図1では微細構成子を形成している2色の画素(5a,5b)及び画素(6a、6b)は、互いに離れて形成しているが、互いに接していても、一部が重なり合っていてもよい。よって、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は、図2に示すような形状で形成することができる。ただし、図2は一例であり本発明はこれに限定されるものではない。また、図1では第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに30°で回転して規則的に複数配列されているが、第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、10°乃至350°の間で回転して形成することができる。更に好ましくは、30°乃至150°又は210°乃至330°の範囲で回転させて形成することによって、潜像画像は明瞭に視認することができる。図3(a)は第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに90°で回転、図3(b)は第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに120°で回転、図3(c)は第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに180°で回転、図3(d)は第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに210°で回転、図3(e)は270°で回転、図3(f)は第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、右回りに330°で回転させた例を示す。
【0020】
また、図1で示した真偽判別可能な印刷物(A1)は図4に示すように第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子はX方向及びY方向に一定の間隔で規則的に配列されている。つまり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子は格子状内に付与される。このように形成することによって、後述する図7に示すようなレンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A1)を肉眼で観察した場合に、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けして視認されることがない非視認性に優れ、図8に示すようにレンチキュラーレンズを重ねて真偽判別可能な印刷物(A1)を肉眼で観察した場合に、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、潜像画像として視認される視認性に優れる。図4では格子状の形状は一定の間隔で規則的に形成されているが、図5に示すようにズレ(S)を有して第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)を配列してもよい。また、本発明は潜像画像部と背景画像部でスクリーン線数を異ならせなくても作製可能である。つまり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は各ユニット内に付与される。
【0021】
更に、真偽判別可能な印刷物(A1)の第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、所定の角度(図面では右回りに30°)で回転して規則的に複数配列されているが、図6(a)に示すように、第2の微細構成子(6)は第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらして規則的に複数配列してもよい。図6(a)ではズレ(s)を有している。また、図6(b)に示すように、第2の微細構成子(6)は第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらし、かつ、所定の角度で回転して規則的に複数配列してもよい。図6(b)ではズレ(s)を有し、右回りに30°回転している。
【0022】
更に、図1の説明では、微細構成子を回転させているが、第2の微細構成子を形成する少なくとも一種類の画素は、第2の微細構成子を形成する少なくとも一種類の画素と同色の前記第1の微細構成子を形成する画素に対して、所定の位置にズレ及び/又は所定の角度で回転することによっても本発明の効果を得ることができる。
【0023】
図7は、万線状のレンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A1)のみを肉眼で観察した場合の図である。図7に示すように、第2の印刷領域(4)を形成する第2の微細構成子(6)は、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、右回りに30°を回転して規則的に複数配列されているが、形状が同一であり、第1の微細構成子(5)の画素(5a)及び第2の微細構成子(6)の画素(6a)の面積が同一又はほぼ同一であり、第1の微細構成子(5)の画素(5b)及び第2の微細構成子(6)の画素(6b)の面積が同一又はほぼ同一であり、更に、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は微細構成子であるため、肉眼では第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)を区分けされず、第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)は同一又はほぼ同一の色調に視認され、潜像画像は視認することができない。よって、印刷模様(2)のみが視認され、印刷模様(2)の色は、シアン、イエローから成る画素(5a,5b)及びシアン、イエローから成る画素(6a、6b)の混色であるグリーンが視認される。
【0024】
図8は、真偽判別可能な印刷物(A1)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。レンチキュラーレンズ(L)は蒲鉾状のレンズが万線のように複数形成されている。図8(a)は第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合の図であり、図8(b)は第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、10°の角度で重ねた場合の図であり、図8(c)は第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合の図である。
【0025】
図8(a)のように、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)はシアンと下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)はシアンに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。また、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)はイエローと下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)はイエローに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。
【0026】
図8(b)のように、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、10°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)はシアン、イエロー及び下地色のストライプに視認されるが、しかし、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)ではストライプに位相差が生じ、ストライプの位相差によって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。
【0027】
図8(c)のように、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)はシアン、イエロー及び下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)は下地の拡大される領域がほとんどなく、シアンとイエローの混色に視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。このように、真偽判別可能な印刷物(A1)とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度によって、異なった色の潜像画像が視認できるため、真偽判別効果に優れる。ただし、本発明は微細構成子の色、微細構成子の形状、微細構成子の配列ピッチ、判別するレンチキュラーレンズの線数によって、潜像画像を視認するための印刷物とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度は異なり、また、潜像画像が視認される色は異なるため、本発明は上記説明に限定されるものではない。
【0028】
図9乃至図13は、真偽判別可能な印刷物(A1)の第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)とレンチキュラーレンズとの関係を示す。ただし、レンチキュラーレンズの線数は、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)のピッチと等しい場合であり、一例である。図9(a)及び図10(a)は、下地が白である真偽判別可能な印刷物(A1)の第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)の境界部分を拡大したものであり、レンチキュラーレンズを0°で重ねた時に拡大される部分を示してある。レンチキュラーレンズは、第1の印刷領域(3)内では、画素(5a、5b)の一部分又は下地を拡大し、第2の印刷領域(4)内では、画素(6a、6b)の一部分又は下地を拡大する。
【0029】
図9(b)は、図9(a)に示した画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)の拡大図を示すが、第1の印刷領域(3)内では、画素(5a)と下地の白色が拡大されるため、図9(c)のように低濃度のシアンで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)が拡大されるため、図9(c)のように高濃度のシアンで拡大表示される。よって、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。図10(b)は、図10(a)に示した画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)の拡大図を示すが、第1の印刷領域(3)内では、画素(5b)と下地の白色が拡大されるため、図10(c)のように低濃度のイエローで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6b)が拡大されるため、図10(c)のように高濃度のイエローで拡大表示される。よって、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像が観察できる。以上のことから、レンチキュラーレンズを0°で重ねた場合、レンチキュラーレンズを重ねる位置を変えることで、色が異なる潜像を観察できることから、レンチキュラーレンズをずらすことで、色の異なる潜像画像が交互に現れて観察できるようになる。
【0030】
図11は、下地が白である真偽判別可能な印刷物(A1)の第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)の境界部分を拡大したものであり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)のピッチと等しいレンチキュラーレンズを10°で重ねた時に拡大される部分を示してある。第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)では、画素(5a)、画素(5b)、画素(6a)、画素(6b)及び下地が、規則的に選ばれて拡大されるため、シアン、イエロー及び下地の白色の規則的なストライプパターンとして観察される。しかし、レンチキュラーレンズで拡大表示される画像は、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)で規則的に選ばれる微細構成子の領域が異なるため、図12に示すように、観察されるストライプパターンに位相差が生じる。よって、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。
【0031】
図13(a)は、下地が白である真偽判別可能な印刷物(A1)の第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)の境界部分を拡大したものであり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)のピッチと等しいレンチキュラーレンズを90°で重ねた時に拡大される部分を示してある。図13(b)は、図13(a)に示した画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)の拡大図を示すが、第1の印刷領域(3)では、下地の白色と、画素(5a)及び画素(5b)の一部が同面積で選ばれて拡大され、第2の印刷領域(4)では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)及び画素(6b)の一部が同面積で選ばれて拡大される。しかし、拡大される第1の印刷領域(3)の画素(5a、5b)と拡大される第2の印刷領域(4)の画素(6a、6b)とでは、微細構成子形状が異なるため、よって、図13(c)に示すようにレンチキュラーレンズによる拡大画像の面積において、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)で差異が生じる。よって、濃淡画像として、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)とで、シアン、イエロー及び下地の白色の混色であるグリーンの濃淡差が生じ、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。
【0032】
図14は、本発明の真偽判別可能な印刷物(A2)の一例とその一部拡大図である。図14に示すように基材(1)上に第1の微細構成子及び前記第2の微細構成子が格子状に複数配列されて成る印刷模様(2)を設け、印刷模様(2)は背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)を含む真偽判別可能な印刷物(A2)である。第1の印刷領域(3)は第2の印刷領域(4)の周辺に形成される。図14の拡大図に示すように第1の印刷領域(3)内は、2色(図面ではイエロー、シアン)の画素(5a、5b)から成る第1の微細構成子(5)が規則的に複数配列されている。第2の印刷領域(4)内は、2色(図面ではイエロー、シアン)の画素(6a、6b)から成る第1の微細構成子(5)と形状が異なった同色の第2の微細構成子(6)が規則的に複数配列されて成る。第1の微細構成子(5)を形成するイエローの色の画素の面積(5a1)と第2の微細構成子を形成するイエローの画素の面積(6a1)は同一又はほぼ同一の関係を有している必要がある。更に、第1の微細構成子(5)を形成するシアンの色の画素の面積(5b1)と第2の微細構成子を形成するシアンの画素の面積(6b1)は同一又はほぼ同一の関係を有している必要がある。つまり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は異なった形状から成り、第1の微細構成子(5)を形成する各々の色の画素の面積と第2の微細構成子(6)を形成する各々の色の画素の面積は同一又はほぼ同一の関係を有する必要がある。なお、上記色については特に限定されるものではい。
【0033】
ここでの、図14では、微細構成子を形成している2色の画素(5a,5b)及び画素(6a、6b)は、互いに接して形成しているが、互いに離れていても、一部が重なり合っていてもよい。よって、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は図15に示すような形状で形成することができる。ただし、図15は一例であり本発明はこれに限定されるものではない。また、第1の微細構成子(5)を形成する各々の色の面積と第2の微細構成子を形成する各々の色の面積(6)は同一又はほぼ同一の関係を有している必要があり、ここでいう「ほぼ同一」とは、例えば、第1の微細構成子(5)を形成する画素(5a)のイエローの面積を1とした場合に、第2の微細構成子を形成する画素(6a)のイエローの面積(6)は80%〜120%程度内で形成する必要がある。同様に、第1の微細構成子(5)を形成する画素(5b)のシアンの面積を1とした場合に、第2の微細構成子を形成する画素(6b)のシアンの面積(6)は80%〜120%程度内で形成する必要がある。この範囲内で形成しないと、後述するレンチキュラーレンズを重ね合わせないで印刷物を肉眼で観察した場合に、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、潜像画像(隠し画像)が視認されるおそれが生じる。
【0034】
更に、図14で示した真偽判別可能な印刷物(A2)は図16に示すように第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子はX方向及びY方向に一定の間隔で規則的に配列されている。つまり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子は格子状内に付与される。このように形成することによって、後述する図19に示すようなレンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A2)を肉眼で観察した場合に、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けして視認されることがない非視認性に優れ、図20に示すようにレンチキュラーレンズを重ねて真偽判別可能な印刷物(A2)を肉眼で観察した場合に、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、潜像画像として視認される視認性に優れる。図16では格子状の形状は一定の間隔で規則的に形成されているが、図17に示すようにズレ(S)を有して第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)を配列してもよい。また、本発明は潜像画像部と背景画像部でスクリーン線数を異ならせなくとも作製可能である。
【0035】
上記図1の説明では、第1の微細構成子(5)と第2の微細構成子(6)の形状が異なる必要があると記載し説明しているが、互いに同色である第1の微細構成子を形成する画素と第2の微細構成子を形成する画素は、同一面積又はほぼ同一面積であれば、第2の微細構成子を形成する少なくとも一種類の画素は、第2の微細構成子を形成する少なくとも一種類の画素と同色の第1の微細構成子を形成する画素に対して、形状を異なって形成すれば、本発明の効果を得ることができる。更に、図18(a)に示すように、第1の微細構成子(5)と第2の微細構成子(6)の形状が異なることに加え、第2の微細構成子(6)は第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらして規則的に複数配列してもよい。図18(a)ではズレ(s)を有している。また、図18(b)に示すように、第1の微細構成子(5)と第2の微細構成子(6)の形状が異なることに加え、第2の微細構成子(6)は第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらし、かつ、所定の角度で回転して規則的に複数配列してもよい。つまり、第1の微細構成子と第2の微細構成子は互いに配置角度が異なっている。図18(b)ではズレ(s)を有し、右回りに30°回転している。図18(b)ではズレ(s)を有している。
【0036】
図19はレンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A2)のみを肉眼で観察した場合の図である。図19に示すように、第2の印刷領域(4)を形成する第2の微細構成子(6)と、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)は異なった形状の微細構成子で形成されているが、第1の微細構成子(5)の画素(5a)及び第2の微細構成子(6)の画素(6a)の面積が同一又はほぼ同一であり、第1の微細構成子(5)の画素(5b)及び第2の微細構成子(6)の画素(6b)の面積が同一又はほぼ同一であり、更に、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は微細構成子であるため、肉眼では第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)を区分けされず、第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)は同一又はほぼ同一の色調に視認され、潜像画像は視認することができない。よって、印刷模様(2)のみが視認され、印刷模様(2)の色は、イエロー、シアンからなる画素(5a,5b)及びイエロー、シアンから成る画素(6a、6b)の混色であるグリーンが視認される。
【0037】
図20は、真偽判別可能な印刷物(A2)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。万線状のレンチキュラーレンズ(L)は蒲鉾状のレンズが万線のように複数形成されている。図20(a)は、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合の図であり、図20(b)は第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合の図である。
【0038】
真偽判別可能な印刷物(A2)にレンチキュラーレンズ(L)を0°の角度で重ねた場合では、第1の印刷領域(3)はシアンと下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)はイエローと下地色の混色に視認される。または、第1の印刷領域(3)はシアンと下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)は、下地部分の拡大される領域がほとんどなく、イエローとシアンの混色に視認されるか、又は、第1の印刷領域(3)は、下地部分の拡大される領域がほとんどなく、イエローで視認され、第2の印刷領域(4)は、イエローと下地色の混色に視認される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。このように、真偽判別可能な印刷物(A2)とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度によって、異なった色の潜像画像が視認できるため、真偽判別効果に優れる。ただし、本発明は微細構成子の色、微細構成子の形状、微細構成子の配列ピッチ、判別するレンチキュラーレンズの線数によって、潜像画像を視認するための印刷物とレンチキュラーレンズの重ね合せる位置又は角度は異なり、また、潜像画像が視認される色は異なるため、本発明は上記説明に限定されるものではない。
【0039】
真偽判別可能な印刷物(A2)にレンチキュラーレンズ(L)を90°の角度で重ねた場合では、第1の印刷領域(3)はイエローと下地色の混色に視認され、第2の印刷領域(4)はシアンと下地色の混色に視認される。又は、第1の印刷領域(3)はシアンとイエローの混色に視認され、第2の印刷領域(4)はイエローに視認される。色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認される。
【0040】
図21及び図22は、真偽判別可能な印刷物(A2)の第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)とレンチキュラーレンズとの関係を示す。ただし、レンチキュラーレンズの線数は、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)のピッチと等しい場合であり、一例である。図21(a)、図21(c)及び図21(e)は、下地が白である真偽判別可能な印刷物(A2)の第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)の画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)を拡大したものであり、レンチキュラーレンズを0°で重ねた時に拡大される部分を示してある。図21(a)のレンチキュラーレンズによる拡大画像を図21(b)に、図21(c)のレンチキュラーレンズによる拡大画像を図21(d)に、図21(e)のレンチキュラーレンズによる拡大画像を図21(f)に示している。
【0041】
図21(a)及び図21(b)では、第1の印刷領域(3)内では、画素(5b)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のシアンで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、画素(6a)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のイエローで拡大表示される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。図21(c)及び図21(d)では、第1の印刷領域(3)内では、画素(5b)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のシアンで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、画素(6a)と画素(6b)が拡大されるため、下地の白色が拡大される領域がほとんどなく、イエローとシアンの混色で拡大表示される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。図21(e)及び図21(f)では、第1の印刷領域(3)内では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(5a)が拡大されるため、高濃度のイエローで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、画素(6a)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のイエローで拡大表示される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像を観察できる。以上のことから、レンチキュラーレンズを0°で重ねた場合、レンチキュラーレンズを重ねる位置を変えることで、色が異なる潜像を観察できることから、レンチキュラーレンズをずらすことで、色の異なる潜像が交互に現れて観察できるようになる。
【0042】
図22(a)及び図22(c)は、下地が白である真偽判別可能な印刷物(A2)の第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)の画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)を拡大したものであり、レンチキュラーレンズを90°で重ねた時に拡大される部分を示してある。図22(a)のレンチキュラーレンズによる拡大画像を図22(b)に、図22(c)のレンチキュラーレンズによる拡大画像を図22(d)に示している。
【0043】
図22(a)及び図22(b)では、第1の印刷領域(3)内では、画素(5a)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のイエローで拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、画素(6b)と下地の白色が拡大されるため、低濃度のシアンで拡大表示される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像画像を観察できる。図22(c)及び図22(d)では、第1の印刷領域(3)内では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(5a)と画素(5b)が拡大されるため、イエローとシアンの混色で拡大表示され、第2の印刷領域(4)内では、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)が拡大されるため、高濃度のイエローで拡大表示される。よって、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)を区分けして視認することができ、潜像を観察できる。以上のことから、レンチキュラーレンズを90°で重ねた場合、レンチキュラーレンズを重ねる位置を変えることで、色が異なる潜像を観察できることから、レンチキュラーレンズをずらすことで、色の異なる潜像が交互に現れて観察できるようになる。
【0044】
本発明の真偽判別可能な印刷物は、少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子は複雑に形成することも可能であるため複製し難い印刷物となり得る。また、微細構成子のデザインによって、第1の印刷領域と第2の印刷領域で異なった形状の微細構成子又は、形状は同一であるが第1の印刷領域と第2の印刷領域で配列方向が異なった微細構成子で形成しているため、印刷物を複製した複製物は背景画像部と潜像画像部の色調が異なって視認される。ここでいう「複製した複製物」とは、印刷物を複写機で複写した複製物、解像度の高いカメラ付携帯電話、デジタルビデオカメラ又はデジタルカメラで撮影した場合の表示画像のことである。
【0045】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する画素の大きさは、50μm〜500μm程度にする必要がある。よって、微細構成子の大きさは、100μm〜1000μm程度にする必要がある。50μmより画素が小さいと印刷物を作製上困難となる、500μmより画素が大きいと肉眼で第1の印刷領域と第2の印刷領域に区分けされておそれが生じる。更に好ましくは画素の大きさは、100μm〜150μm程度にする必要があり、微細構成子の大きさは、200μm〜300μm程度にすることが好ましい。また、本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する微細構成子のピッチは、150μm〜1500μm程度にする必要があり、更に微細構成子のピッチを、250μm〜400μm程度にすることが好ましい。
【0046】
本発明の真偽判別可能な印刷物を判別するレンチキュラーレンズは、図23(a)に示すように万線状のレンズ、図23(b)に示すようにドット状のレンズ等、特に限定されるものではないが、万線状のレンチキュラーレンズが最も本発明の効果を得ることができる。
【0047】
例えば、本発明の真偽判別可能な印刷物の微細構成子を200μmで微細構成子のピッチを254μmにした場合に、真偽判別可能な印刷物を判別するレンチキュラーレンズは、80線〜100線(line/inch)程度の線数を有する必要がある。
【0048】
第1の微細構成子(5)を形成する色の画素(5a)と第2の微細構成子(6)を形成する色の画素(6a)は、面積が同一又はほぼ同一の関係を有している必要があり、色が同一である必要があり、第1の微細構成子(5)を形成する色の画素(5b)と第2の微細構成子(6)を形成する色の画素(6b)は、面積が同一又はほぼ同一の関係を有している必要があり、色が同一である必要がある。また、第1の微細構成子(5)を形成する色の画素(5a)と第1の微細構成子(5)を形成する色の画素(5b)は色が異なっている必要があり、第2の微細構成子(6)を形成する色の画素(6a)と第2の微細構成子(6)を形成する色の画素(6b)は色が異なっている必要がある。ここでは、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は画素(5a、5b)又は画素(6a、6b)の2色で説明しているが本発明は、これに限定されることなく、少なくとも2色以上の色で第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)を構成できる。つまり、3色で第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)を形成する場合、画素は3つからなり、4色で第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)を形成する場合、画素は4つから成る。
【0049】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する基材は、紙、プラスチック、フィルム、金属板等、特に限定されるものではない。
【0050】
本発明の真偽判別可能な印刷物を印刷する印刷方式は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等、特に限定されるものではない。
【0051】
印刷模様及び潜像画像は、文字、数字、記号及び絵柄の少なくとも一つで構成することができるため、デザインは、特に限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
CG(コンピュータグラフィック)ソフトで図24(a)に示すような第1の微細構成子及び前記第2の微細構成子が格子状に複数配列されて成る印刷模様(2)を作成した。印刷模様(2)は背景画像部と成る第1の印刷領域(3)と潜像画像部とから成る第2の印刷領域(4)を含む。図24(b)に画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)の拡大図を示す。第1の印刷領域(3)内は、画素(5a、5b)から成る第1の微細構成子(5)が規則的に複数配列されている。第2の印刷領域(4)内は、第1の微細構成子(5)と同一形状の画素(6a、6b)から成る第2の微細構成子(6)が規則的に複数配列されている。第2の微細構成子(6)は、第1の微細構成子(5)に対して、所定の角度(図面では右回りに30°)で回転して規則的に複数配列されている。画素(5a、5b)は、それぞれ80μm×200μmの同一の大きさをした長方形であり、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)は、200μmの大きさをした正方形であり、画素(5a)と画素(5b)が、短辺方向に40μmの間隔をとり並列して配置されて構成されており、縦方向及び横方向にピッチ254μmで規則正しく配列されている。この模様(2)をフィルム出力し、シアン用及びイエロー用の製版版面を作製し、画素(5a、6a)はシアン、画素(5b、6b)はイエローの色で白紙にオフセット印刷し、図25に示す真偽判別可能な印刷物(B1)を作製した。
【0054】
真偽判別可能な印刷物(B1)の印刷模様(2)はシアンとイエローの混色である緑で観察され、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けして観察することはできなかった。図26(a)に示すように、真偽判別可能な印刷物(B1)にスクリーン線数100(line/inch)のレンチキュラーレンズ(L)を、第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5a)及び下地の白色の混色である、低濃度のシアンに視認され、第2の印刷領域(4)は下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)である高濃度のシアンに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。さらに、図26(b)に示すように、X方向にレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5b)及び下地の白色の混色である、低濃度のイエローに視認され、第2の印刷領域(4)は下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6b)である高濃度のイエローに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。
【0055】
図27は、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、10°の角度で重ねた場合を示す。第1の印刷領域(3)及び第2の印刷領域(4)は画素(5a)、画素(5b)及び下地の白色のストライプに視認されるが、しかし、第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)ではストライプに位相差が生じ、ストライプの位相差によって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。
【0056】
図28は、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合を示す。第1の印刷領域(3)は画素(5a)、画素(5b)及び下地の白色の混色の低濃度のグリーンに視認され、第2の印刷領域(4)は下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)、画素(6b)の混色の高濃度のグリーンに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。
【0057】
(実施例2)
CGソフトで図29(a)に示すような第1の微細構成子及び前記第2の微細構成子が格子状に複数配列されて成る印刷模様(2)を作成した。印刷模様(2)は背景画像部と成る第1の印刷領域(3)と潜像画像部とから成る第2の印刷領域(4)を含む。図29(b)に画素(5a、5b)及び画素(6a、6b)の拡大図を示す。第1の印刷領域(3)内は、画素(5a、5b)から成る第1の微細構成子(5)が規則的に複数配列されている。第2の印刷領域(4)内は、第1の微細構成子(5)と形状が異なる画素(6a、6b)から成る第2の微細構成子(6)が規則的に複数配列されている。画素(5a)及び画素(6a)は80μm×200μmの同面積のシアン色であり、画素(5b)及び画素(6b)は80μm×100μm同面積のイエロー色である。第1の微細構成子(5)は画素(5a、5b)でL型形状に構成されており、第2の微細構成子(6)は画素(6a、6b)で凸型形状に構成されており、縦方向及び横方向にピッチ254μmで規則正しく配列されている。この模様(2)をフィルム出力し、シアン用及びイエロー用の製版版面を作製し、画素(5a、6a)はシアン、画素(5b、6b)はイエローの色で白紙にオフセット印刷し、図30に示す真偽判別可能な印刷物(B2)を作製した。
【0058】
真偽判別可能な印刷物(B2)の印刷模様(2)はシアンとイエローの混色であるグリーンで観察され、背景画像部となる第1の印刷領域(3)と潜像画像部となる第2の印刷領域(4)は区分けして観察することはできなかった。図31(a)に示すように、真偽判別可能な印刷物(B2)にスクリーン線数100(line/inch)のレンチキュラーレンズ(L)を、第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5b)及び下地の白色の混色である、低濃度のイエローに視認され、第2の印刷領域(4)は画素(6a)及び下地の白色の混色である、低濃度のシアンに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。図31(b)のように、Y方向にレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第1の印刷領域(3)は、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(5a)及び画素(5b)の混色であるグリーンが視認され、第2の印刷領域(4)は、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6b)である高濃度のイエローに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。
【0059】
図32(a)に示すように、第1の印刷領域(3)を形成する第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5b)及び下地の白色の混色である、低濃度のシアンに視認され、第2の印刷領域(4)は、画素(6b)及び下地の白色の混色である、低濃度のイエローに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。図32(b)のように、X方向にレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第1の印刷領域(3)は、画素(5b)及び下地の白色の混色である、低濃度のシアンに視認され、第2の印刷領域(4)は、下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(6a)及び画素(6b)の混色であるグリーンが視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。図30(c)のように、X方向にさらにレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第1の印刷領域(3)は下地の白色の拡大される領域がほとんどなく、画素(5b)である高濃度のイエローに視認され、第2の印刷領域(4)は、画素(6b)及び下地の白色の混色である、低濃度のイエローに視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。
【0060】
(実施例3)
潜像画像を二つ埋め込んだ場合の例を示す。CGソフトで図33に示すような第1の微細構成子及び前記第2の微細構成子が格子状に複数配列されて成る印刷模様(2)を作成した。印刷模様(2)は第1の背景画像部となる第1の印刷領域(3)と第1の潜像画像部とから成る第2の印刷領域(4)と、第2の背景画像部と成る第3の印刷領域(7)と第2の潜像画像部とから成る第4の印刷領域(8)とを含む。図33の拡大図に示すように第1の印刷領域(3)内は、画素(5a、5b)から成る第1の微細構成子(5)が規則的に複数配列されている。第2の印刷領域(4)内は、第1の微細構成子(5)と、形状が同一であるが、第1の微細構成子(5)と同色の画素の配置位置が異なる画素(6a、6b)から成る第2の微細構成子(6)が規則的に複数配列されている。第3の印刷領域(7)内は、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)と、形状が同一であるが、第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)と同色の画素の配置位置が異なる画素(9a、9b)からなる第3の微細構成子(9)が規則的に複数配列されている。図面では、第3の微細構成子(9)は第1の微細構成子(5)に対して、90°回転している例である。第4の印刷領域(8)内は、第1の微細構成子(5)、第2の微細構成子(6)及び第3の微細構成子(9)と、形状が同一であるが、第1の微細構成子(5)、第2の微細構成子(6)及び第3の微細構成子(9)と同色の画素の配置位置が異なる画素(10a、10b)から成る第4の微細構成子(10)が規則的に複数配列されている。図面では、第4の微細構成子(10)は第2の微細構成子(6)に対して、90°回転している例である。すべての画素は、50μm×100μmの長方形形状であり、画素(5a)、画素(6a)、画素(9a)及び画素(10a)は緑色、画素(5b)、画素(6b)、画素(9b)及び画素(10b)はマゼンタ色である。すべての微細構成子は、L字形状に構成されており、縦方向及び横方向に、重なることなくピッチ254μmで規則正しく交互に配列されている。この模様(2)をフィルム出力し、緑用及びマゼンタ用の製版版面を作製し、画素(5a、6a、9a、10a)は緑、画素(5b、6b、9b、10b)はマゼンタの色で白紙にオフセット印刷し、図34に示す真偽判別可能な印刷物(B3)を作製した。
【0061】
真偽判別可能な印刷物(B3)の印刷模様(2)は緑とマゼンタの混色であるグレーで観察され、第1の印刷領域(3)、第2の印刷領域(4)、第3の印刷領域(7)及び第4の印刷領域(8)は区分けして観察することはできなかった。図35(a)に示すように、真偽判別可能な印刷物(B3)にスクリーン線数100(line/inch)のレンチキュラーレンズ(L)を、第1の微細構成子(5)に対して、90°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5a)及び下地の白色の混色である、低濃度の緑に視認され、第2の印刷領域(4)は画素(6b)及び下地の白色の混色である、低濃度のマゼンタに視認され、又は、第1の印刷領域(3)は低濃度のマゼンタ、第2の印刷領域(4)は低濃度の緑に視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。図35(b)のように、Y方向にレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第3の印刷領域(7)は画素(9b)及び下地の白色の混色である、低濃度のマゼンタに視認され、第4の印刷領域(8)は画素(10a)及び下地の白色の混色である、低濃度の緑に視認され、又は、第3の印刷領域(7)は低濃度の緑、第4の印刷領域(8)は低濃度のマゼンタに視認され、色の違いによって第3の印刷領域(7)と第4の印刷領域(8)が区分けされ、第4の印刷領域(8)が潜像画像として視認された。
【0062】
図36(a)に示すように、真偽判別可能な印刷物(B3)にスクリーン線数100(line/inch)のレンチキュラーレンズ(L)を、第1の微細構成子(5)に対して、0°の角度で重ねた場合に、第1の印刷領域(3)は画素(5a)及び下地の白色の混色である、低濃度の緑に視認され、第2の印刷領域(4)は画素(6b)及び下地の白色の混色である、低濃度のマゼンタに視認され、又は、第1の印刷領域(3)は低濃度のマゼンタ、第2の印刷領域(4)は低濃度の緑に視認され、色の違いによって第1の印刷領域(3)と第2の印刷領域(4)が区分けされ、第2の印刷領域(4)が潜像画像として視認された。図36(b)のように、Y方向にレンチキュラーレンズ(L)を若干ずらして観察した場合に、第3の印刷領域(7)は画素(9b)及び下地の白色の混色である、低濃度のマゼンタに視認され、第4の印刷領域(8)は画素(10a)及び下地の白色の混色である、低濃度の緑に視認され、又は、第3の印刷領域(7)は低濃度の緑、第4の印刷領域(8)は低濃度のマゼンタに視認され、色の違いによって第3の印刷領域(7)と第4の印刷領域(8)が区分けされ、第4の印刷領域(8)が潜像画像として視認された。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】真偽判別可能な印刷物(A1)の一例とその一部拡大図を示す図である。
【図2】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の形状の一例を示す図である。
【図3】第2の微細構成子(6)が、第1の微細構成子(5)に対して、所定の角度で回転させた例を示す図である。
【図4】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子の配列された例を示す図である。
【図5】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子のズレを持って配列された例を示す図である。
【図6】第2の微細構成子(6)が、第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらして規則的に複数配列した例を示す図である。
【図7】レンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A1)のみを肉眼で観察した場合の図である。
【図8】真偽判別可能な印刷物(A1)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図9】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図10】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図11】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図12】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図13】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図14】真偽判別可能な印刷物(A2)の一例とその一部拡大図を示す図である。
【図15】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の形状の一例を示す図である。
【図16】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子の配列された例を示す図である。
【図17】第1の微細構成子(5)及び第2の微細構成子(6)の各微細構成子のズレを持って配列された例を示す図である。
【図18】第2の微細構成子(6)が、第1の微細構成子(5)に対して、所定の位置にずらして規則的に複数配列した例を示す図である。
【図19】レンチキュラーレンズを重ね合わせないで真偽判別可能な印刷物(A2)のみを肉眼で観察した場合の図である。
【図20】真偽判別可能な印刷物(A2)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図21】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図22】潜像画像が視認される原理を示す図である。
【図23】レンチキュラーレンズの例を示す図である。
【図24】CGでの印刷模様(2)を示す図である。
【図25】真偽判別可能な印刷物(B1)を示す図である。
【図26】真偽判別可能な印刷物(B1)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図27】真偽判別可能な印刷物(B1)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図28】真偽判別可能な印刷物(B1)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図29】CGでの印刷模様(2)を示す図である。
【図30】真偽判別可能な印刷物(B2)を示す図である。
【図31】真偽判別可能な印刷物(B2)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図32】真偽判別可能な印刷物(B2)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図33】CGでの印刷模様(2)を示す図である。
【図34】真偽判別可能な印刷物(B3)を示す図である。
【図35】真偽判別可能な印刷物(B3)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【図36】真偽判別可能な印刷物(B3)にレンチキュラーレンズ(L)を重ね合わせて肉眼で観察した場合の図である。
【符号の説明】
【0064】
1 基材
2 印刷模様
3 第1の印刷領域
4 第2の印刷領域
5 第1の微細構成子
6 第2の微細構成子
7 第3の印刷領域
8 第4の印刷領域
9 第3の微細構成子
10 第4の微細構成子
5a、5b、5c、6a、6b、6c、9a、9b、10a、10b 画素
5a1、6a1 イエローの面積
5b1、6b1 シアンの色の面積
A1、A2、B1、B2、B3 真偽判別可能な印刷物
L レンチキュラーレンズ
S ズレ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、
前記微細構成子は、少なくとも2色を有し、
前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項2】
基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、
前記微細構成子は、少なくとも2色を有し、
前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が同一で形成され、
前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子は互いに配置角度が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。
【請求項3】
基材上に印刷模様を設け、前記印刷模様は少なくとも二つの画素によって構成された微細構成子が格子状に規則的に複数配列されて成り、第1の微細構成子から成る少なくとも一つの潜像画像部とその周辺に第2の微細構成子から成る背景画像部を含む真偽判別可能な印刷物において、
前記微細構成子は、少なくとも2色を有し、
前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子の形状が同一で形成され、
前記第1の微細構成子と前記第2の微細構成子を形成する同色の画素の配置位置が異なって成る真偽判別可能な印刷物であって、
前記真偽判別可能な印刷物にレンチキュラーレンズを重ね合わせた場合に、前記潜像画像部が視認されて成る真偽判別可能な印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−51646(P2006−51646A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233961(P2004−233961)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】