説明

真核生物の寿命を変更するための方法

真核生物の寿命を変更するための方法。当該方法は、寿命変更化合物を提供する工程、および有効量のその化合物を真核生物に投与して、その真核生物の寿命を変更させる工程を含む。一実施形態において、前記化合物はDeaDアッセイを用いて同定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年12月21日に出願された米国仮特許出願61/016362号および2008年1月25日に出願された米国仮特許出願61/023801号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願の開示は参照によりそれぞれ本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本明細書中に記載される研究は、全体的または部分的に、アメリカ国立衛生研究所からの助成金(助成金番号1R03AG023270-0-1A1、1R03MH076395-01および1R03NS05050798-01)によって資金提供を受けた。その結果として、連邦政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、寿命を変更するための方法に関する。詳細には、本発明は、真核生物の寿命を延ばす方法に関する。
【背景技術】
【0004】
多くの研究において、カロリー制限(CR)(同意語として、食事制限)によって、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、蠕形動物(Caenorhabditis elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)およびマウス(Mus musculus)をはじめとした一連の非ヒト生物において寿命が延長することが確かめられている。動物におけるCRの広範な保存に基づいて、CRベースの寿命の延長に対する同様の機構が、ヒトにおいても機能する可能性がある。この興味深い知見は、食事の変更、社会経済的状況、保健医療へのアクセスなどとは対照的に(または、それらに対する補完として)経口薬剤または他の介入によってヒトの寿命延長の可能性を切り開くものである。
【0005】
寿命に対するCRの効果に加えて、他の研究から、CRが、癌、糖尿病および循環器疾患をはじめとしたヒトにおける加齢性疾患の発症を遅延させるか、または発生率を低下させる可能性があることが示唆され、ゆえに、CRの作用に関する機構を研究する第2の重大な理由がもたらされた。例を挙げれば、例えば、赤ワインの成分である植物生成物のリスベラトロールは、例えば、糖尿病(例えば、Baur et al, Nature (2006) 444:337-342を参照のこと)に対する保護的な方法と相関し得る方法で「中年の」または過体重のマウスの健康状態および生存に対して正の効果を有することが示されており、また、代謝性疾患からの保護をもたらすことも示されている(例えば、Lagouge et al., Cell (2006) 127:1109-1122を参照のこと)。両方の場合において、リスベラトロールの作用は、CRベースの寿命の延長と関連する同じ機構のいくつかによって、例えば、CRr媒介性の寿命延長応答に関与すると考えられる遺伝子のtuinファミリーによって、少なくとも部分的に媒介されると考えられている。それゆえ、この論拠に基づいて、CRの作用に対する論拠または根拠を理解することにより、長寿命を延長する方法に加えて、これらの加齢性疾患に対する処置法がもたらされ得る可能性がある。
【0006】
上記で観察された長寿命および疾患に対するCRの効果に基づいて、例えば、遺伝子を変更するかまたは変異させることによって、およびCR応答を変化させる遺伝子の変更または変異についてスクリーニングすることによって、CR経路の構成要素を同定することによって、これらの効果をもたらすCRの作用機序を理解することに対してかなりの労力が捧げられてきた。そのような研究の1つの結果は、サーチュインとしても知られるタンパク質脱アセチル化酵素のサイレント情報制御因子(silent information regulator)2(Sir2)ファミリーの同定であり、これは、細菌からヒトに及ぶ多岐にわたる生物において見出され、例えば、酵母および線虫において、長寿命を延長すると示された。例えば、Bitterman et al, Microbiol.Mol.Biol.Rev. (2003) 67:376-399を参照のこと。しかしながら、他の研究では、サーチュインが関与する経路と平行して作用する他のCRベースの長寿命経路が存在する可能性があることが示され、このことから、ヒトの長寿命を増加させるためまたはヒトの疾患を減少させるための介入に対するさらなる経路の可能性がもたらされる。例えば、Kaeberlein et al.,PLOS Biology (2004) 2:1381-1387およびKaberlein et al., PLOS Biology (2007) 3:0655-0660(plosgenetics.orgにおいて入手可能)を参照のこと;Medvedik et al., PLOS Biology (2007) 5:e261もまた参照のこと。
【0007】
遺伝子の変更または変異によってCR経路の構成要素を同定することの代替案として、CR応答を変化させる化合物を同定し、次いで、それらの化合物がどの分子と相互作用するかを決定することによっても、これらの構成要素は、特徴づけられ得る。上述のように、サーチュインは、CR応答と関与し得るが、他のCRベースの長寿命経路、例えば、SIRT1を活性化し(精製されたSIRT1を用いてインビトロにおける生化学的スクリーニングによって同定された)、かつマウスにおいて重要な生理学的効果を有する、リスベラトロールに無関係の化合物が存在することを示唆する証拠が存在する。SIRT1は、出芽酵母のサイレント情報制御因子2(SIR2)の哺乳動物のホモログであり、これは、CR制御機構による寿命の制御および加齢関連疾患の緩和に関わるヒストン脱アセチル化酵素をコードする。Milne et al., Nature (2007) 450:712-716を参照のこと。これらの経路の同定は、以前に特徴付けられた経路の外側で作用すると同定された化合物の分子の効果を理解することによって行われ得、いったん同定されると、これらの経路の構成要素は、CR応答を調節するための新規の標的分子として機能し得る。例えば、Petrascheck et al., Nature (2007) 450:553-557を参照のこと。
【0008】
さらに、化合物ベースのスクリーニングは、これらのスクリーニングによって同定された化合物が、単に、CR経路の構成要素の同定の際に有用であるということだけでなく、これらの化合物自体またはその改変型が、CR応答を刺激するための薬物として使用され得るという理由で、有用性を有するという点において、別の異なる利点を有する。したがって、例えば、特定のモデル系(例えば、酵母、蠕形動物、ショウジョウバエ、マウス)においてCR応答を変化させると示された化合物が、直接または化学的に改変された形態で使用されることにより、サルおよび究極的にはヒトにおいて同じ結果が達成され得る。CR応答を変化させる種々の化合物についての必要性は、明らかである;例えば、リスベラトロールは、低バイオアベイラビリティを有するので、必ずしも、CR応答を変化させるために特に好適な化合物ではない。
【0009】
そのような化合物ベースのスクリーニングの1つの例は、Goldfarbに対する米国特許出願第10/790456号(その内容が、本明細書中にその全体が参考として組み込まれる)に提供されている細胞ベースの表現型の「娘細胞の死(Death of Daughters)」(DeaD)アッセイである。この参考文献に記載されているように、DeaDアッセイは、「複製老化」と呼ばれるもの、すなわち、個別の酵母細胞が死滅するまでに起こす分裂の回数と定義される加齢を延長するかまたは短縮する化合物についての、酵母細胞における化合物のハイスループットスクリーニングを可能にする。酵母では、細胞分裂が非対称であるので、新しく形成された小さい「娘」細胞を、分裂によってその娘を生じさせたそれよりも大きい「母」細胞と識別することは、簡単であり、ゆえに、これらの細胞をその子孫と識別することによって、母細胞が起こす分裂の回数をモニターすることが可能である。典型的には、この識別は、熟練の顕微鏡使用者によって行われるものであり、簡単であるがきわめて大きな労働力および時間を要するものである。しかしながら、DeaDアッセイは、娘細胞が死滅するように遺伝的に操作された酵母株を利用することにより、娘は死滅するので本質的には母だけである細胞のバルク集団の成長特性に基づいた複製アッセイが可能、すなわち、それらは、詳細な顕微鏡的解析ではなくバルク特性(吸光度)に基づくので、迅速であり、かつ行うのに比較的少ない労力で済む方法が可能になる。
【0010】
DeaDアッセイを用いて行われる酵母細胞における化合物のハイスループットスクリーニングは、試験化合物のみに曝露された酵母細胞に対して行われ得る;あるいは、またはさらに、DeaDアッセイは、長寿命またはCR応答の他の態様を変化させる薬剤の効果を無効にする試験化合物を同定するために、この薬剤で処理された酵母細胞を用いても行われ得る。例えば、Sir2タンパク質は、他のサーチュインと同様に、反応産物としてニコチンアミド(本明細書中でNICまたはNAMとも称される)を生成するNAD依存性脱アセチル化酵素である。ニコチンアミドは、インビトロおよびインビボにおいて、Sir2タンパク質およびSir2様酵素の非競合的阻害剤として作用し、そしてSir2を阻害することによって酵母の加齢を加速し得る。例えば、Anderson et al., Nature (2003) 423:181-185を参照のこと。ゆえに、無処理の酵母細胞においてCR応答を変化させる化合物についてスクリーニングするDeaDアッセイを用いることに加えて、ニコチンアミドで処理された酵母細胞を使用することによって、すなわち、化合物が、ニコチンアミドの長寿命短縮効果を無効にする能力に基づいて選択される状況において、CR応答を変化させる化合物についてのさらなる情報を得ることができる。
【特許文献1】米国特許出願第10/790,456号
【非特許文献1】Anderson et al., Nature (2003) 423:181-185
【発明の概要】
【0011】
本発明は、真核生物の寿命を変更するための方法に関し、該方法は:寿命変更化合物を提供する工程、および有効量のその化合物を真核生物に投与して、その真核生物の寿命を増加させる工程を包む。
【0012】
真核生物の例としては、単細胞生物、および高等生物(例えば、ヒトを含む哺乳動物)を含む多細胞生物が挙げられる。
【0013】
1つの実施形態において、化合物は、長寿命およびCR関連疾患状態に対する効果について化合物をスクリーニングするハイスループット法としてDeaDアッセイを用いて同定される。
【0014】
1つの実施形態において、化合物は、10μM以下のEC50を有する。そのような化合物の例は、表1の化合物1〜245として提供される。別の実施形態では、化合物は、5μM以下のEC50を有し、そのような化合物の例は、表1に列挙されている最初の77個の化合物として提供される。さらに他の実施形態において、化合物は、SID 14724551、SID 14732512、SID 7972147およびSID 17511642からなる群から選択される。
【0015】
1つの態様において、本発明は、ニコチンアミドの長寿命短縮効果を緩和する能力を含む化合物を、DeaDアッセイを用いてハイスループットスクリーニングすることによる寿命変更化合物の同定に関する。別の態様では、本発明は、このスクリーニングによって得られた化合物の使用方法に関する。EC50などの所望の基準を有する化合物が、選択され得る。
【0016】
例えば、本発明の実施例2および3において同定される特定の化合物の使用に加えて、本発明は、図6に定義されている骨格を含むがこれらに限定されない、本発明において同定される化合物の共通の構造上の特徴の解析によって特定される共通の基礎構造または骨格を有する化合物の使用にも関する。
【0017】
本発明は、本発明の化合物の効果を媒介する細胞経路の1つ以上の構成要素を単離するための方法にも関し、そのような方法の非限定的な例は、実施例8に提供される。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項ならびに添付の図面から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、DeaDアッセイにおける寿命が、SIR2発現レベルに適切に応答することを証明しているプロットを提供している。パネルA:相対的なDeaD寿命は、親SIR2系統(SIR2)の寿命に対して正規化されている。染色体のSIR2遺伝子の上流の強度を増加させる一連のプロモーターの組み込みが、低い発現(弱いCYCプロモーター)によってDeaD寿命が短縮されること、および高いSIR2発現(強いTEFおよびGDPプロモーター)によって寿命が延長されることを示している。パネルB:標準的な顕微解剖寿命アッセイを用いて、同じ近似の結果が得られた。
【図2】図2は、DeaD寿命がニコチンアミドによって減少することを証明しているプロットを提供している。パネルA:グルコース中での成長(非許容条件)下において、DeaD寿命は、高くなっていく濃度のニコチンアミドによって用量依存的様式で減少する。パネルB:ガラクトース中での成長(許容条件)下において、これらの濃度のニコチンアミドは、成長を変更しない。パネルAに示されている線は、(上から下に向かって)0、0.5、0.75および1mM NICに対応する。パネルBに見られる3本の線は、(一番上から一番下に向かって)、0.5、0.75または1mM NICに対応し、0mM NICの線は、見られない。
【図3】図3は、ニコチンアミドの存在下および非存在下における化合物SID855620(ナリジクス酸)に対するDeaDアッセイを示しているプロットを提供している。ナリジクス酸を、1.5mMニコチンアミドの存在下および非存在下において、2.5、5.0および10μM(マイクロモル濃度)の濃度での非許容条件下における成長中の細胞とともにインキュベートした。薬物を含まずに、ニコチンアミドの存在下および非存在下における成長に対するコントロール実験を含める。線の表示を示している最後の3つの記載事項は、1.5mMニコチンアミドおよびそれぞれ2.5、5または10μMナリジクス酸を用いて得られたすべての結果である。この図に示されているデータの線は(データの線が最も右側に見られるときの一番上から一番下に向かって):2.5、10または5μMナリジクス酸(ニコチンアミド無し);ブランク細胞(「no NIC」と表示されている);5または10μMナリジクス酸+1.5mMニコチンアミド(両方の場合において);10μMナリジクス酸(ニコチンアミド無し);および1.5mMニコチンアミドを含むブランク細胞(「1.5mM NIC」と表示されている)に対応する。
【図4】図4は、ナリジクス酸の存在下におけるニコチンアミドおよび5mMニコチンアミドに対する標準的な顕微解剖寿命を提供している。3つの濃度のナリジクス酸を含む3つの実験のすべてが、平均寿命(括弧内に示されている)および最長寿命を増加させた。この図において、「#864」とは、ナリジクス酸のことを指し、例えば、凡例における2番目の記載事項は、54μMナリジクス酸のことを指し、3番目の記載事項は、107μMナリジクス酸のことを指すなど。この図の凡例における括弧内に示されている数値は、この図に示されている各実験におけるその集団の平均寿命のことを指し、例えば、コントロール集団(5mMニコチンアミドのみ)は、14.2世代の平均寿命を有するなどである。
【図5】図5は、細菌DNAジャイレースのAサブユニットのインヒビターであり、限定的な殺菌スペクトルを有する合成1,8−ナフチリジン抗菌剤であるナリジクス酸の構造を提供している。
【図6】図6A〜6Cは、本発明のアッセイにおいて定義された活性な化合物に対する共有の構造上の骨格を同定するための、そのアッセイのデータの骨格解析を提供している。この図は、12個のそのような骨格を示している;骨格c1〜c3(6A)、特にc1は、偶然そのデータに生じる見込みが低いので、本発明のアッセイの結果をもたらすことができる化合物をさらに定義するための有望な骨格として働く。図6Bは、cc1、cc2およびcc3aである。図6Cは、cc3b、cc4、cc5、cc6、cc7およびcc8である。
【図7】図7は、c1骨格を含み、かつ775アッセイにおいて「活性」と同定された、SID A)14732512、B)14724551、C)17511642およびD)7972147の構造を提供している。
【図8】図8は、c1骨格を含み、かつ775アッセイにおいて「不活性」と同定された、SID A)7972920、B)14732962、C)4245034およびD)842694の構造を提供している。
【図9】図9は、c1骨格を含み、かつ809アッセイにおいて「活性」と同定された、SID A)14724551、B)14732512およびC)17511642の構造を提供している。
【図10−12】図10〜12は、表2に示されているいくつかの化合物に対する顕微解剖アッセイを提供している。表3は、図10〜12を作成するために使用したデータを提供している。
【図13−14】図13〜14は、これらの図に提供されているような種々の化合物に対するDeaD寿命アッセイを提供している。
【図15】図15は、C.elegansにおける本発明の化合物のうちの1つ(化合物3−11;表2を参照のこと)のアッセイの例を提供している。
【図16】図16は、809DeaDアッセイの結果を示している表1を表している。
【図17】図17は、市販のLAC化合物の例を示している表2を表している。
【図18】図18は、図10〜12に対するデータを示している表3を表している。
【図19】図19は、表1の化合物1〜77の名称を示している表4を表している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、真核生物の寿命を変更するための方法を提供し、該方法は:寿命変更化合物を提供する工程、および有効量のその化合物を真核生物に投与して、その真核生物の寿命を増加させる工程を包む。
【0021】
寿命変更化合物(「LAC」)は、寿命短縮剤(例えば、ニコチンアミドまたはパラコートなどの環境物質)の寿命短縮効果を逆転させる、および/または真核生物(寿命短縮剤に曝露されていないか、または寿命短縮剤で処理されていない真核生物)の寿命を増加させる、化合物である。寿命とは、本明細書中で使用されるとき、細胞もしくは細胞集団が分裂することができる回数(複製寿命)、または細胞もしくは生物が死滅するまでに生存する時間の長さ(例えば、日または年)(経時寿命)のことを意味する。
【0022】
LACは、CR、食事制限(DR)または他のいくつかの経路によって寿命を変更し得る。別の実施形態では、LACは、真核生物の寿命を短縮する薬剤(例えば、NIC)の効果を逆転させる。別の実施形態では、LACは、DeaDアッセイにおいて酵母細胞の複製寿命を増加させる。別の実施形態では、LACは、寿命短縮剤(例えば、NIC)の存在下または非存在下において酵母細胞の複製寿命を増加させる。さらに別の実施形態において、LACは、環境物質(例えば、パラコート)の存在下または非存在下において酵母細胞の複製寿命を増加させる。別の実施形態では、LACは、DeaDアッセイにおいて5マイクロモル濃度以下のEC50値を有する。さらに別の実施形態において、LACは、DeaDアッセイにおいて10マイクロモル濃度以下のEC50値を有する。別の実施形態では、LACは、C.elegansなどの高等生物の寿命を増加させる。さらに別の実施形態において、LACは、ヒトなどの哺乳動物の寿命を増加させる。
【0023】
有効量のLACは、真核生物の寿命を増加させるかまたは減少させる。1つの実施形態において、有効量のLACは、無処置の生物の寿命と比べて統計学的に有意に真核生物の寿命を増加させる。無処置の生物の寿命は、平行して測定されてもよいし、別々に行われる研究(コントロール)から得られてもよい。別の実施形態では、有効量のLACは、真核生物の寿命を少なくとも5%増加させる。他の実施形態において、有効量のLACは、真核生物の寿命を、コントロールに対して少なくとも10、15、20、25、35、50%または100%増加させる。
【0024】
真核生物の例としては、単細胞生物、および高等生物(例えば、ヒトを含む哺乳動物)を含む多細胞生物が挙げられる。
【0025】
1つの実施形態において、本方法は、概して真核生物の細胞の寿命を増加させるため、ならびにその細胞をストレスおよび/またはアポトーシスから保護するために、使用され得る。いかなる特定の理論にも拘束するつもりはないが、本方法の使用は、被験体をホルメシス、すなわち、生物にとって有益であり、その寿命を延長し得る、軽度のストレスに供することと似ていると考えられる。
【0026】
様々な他の実施形態において、本方法は、被験体において細胞老化によって誘導されるかまたは悪化する疾患または状態を処置するためまたは予防するために;被験体の寿命を延長するために;寿命に関する疾患または状態を処置するためまたは予防するために;細胞の増殖能力に関する疾患または状態を処置するためまたは予防するために;細胞の損傷または死に起因する疾患または状態を処置するためまたは予防するために、使用され得る。
【0027】
様々な実施形態において、本方法は、加齢および加齢関連の結果または疾患(例えば、脳卒中、心疾患、心不全、関節炎、高血圧およびアルツハイマー病)を予防するために使用され得る。処置され得る他の状態としては、眼球の障害、例えば、眼の加齢に関連する障害(例えば、白内障、緑内障および黄斑変性症)が挙げられる。本方法は、細胞を細胞死から保護するために、細胞死に関連する慢性疾患を処置するためにも使用され得る。例示的な疾患としては、神経細胞死、ニューロンの機能不全または筋細胞の死もしくは機能不全に関連する疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症および筋ジストロフィ);AIDS;劇症肝炎;クロイツフェルト・ヤコブ病、網膜色素変性症および小脳変性症などの脳の変性に関係する疾患;再生不良性貧血などの脊髄形成異常;心筋梗塞および脳卒中などの虚血性疾患;アルコール性肝炎、B型肝炎およびC型肝炎などの肝臓疾患;変形性関節症などの関節疾患;アテローム性動脈硬化症;脱毛症;UV光に起因する皮膚に対する損傷;扁平苔癬;皮膚の萎縮;白内障;および移植片拒絶が挙げられる。細胞死は、外科術、薬物治療、化学物質曝露または放射線曝露によっても引き起こされ得る。
【0028】
本方法は、急性疾患、例えば、臓器または組織に対する損傷、例えば、脳卒中もしくは心筋梗塞に罹患している被験体または脊髄損傷に罹患している被験体を処置するためにも使用されてもよいし、アルコール中毒者の肝臓を修復するためにも使用されてもよい。
【0029】
1つの実施形態において、本発明は、真核細胞を本発明の化合物と接触させることによって、真核細胞の寿命を延長するか、真核細胞の増殖能力を伸ばすか、真核細胞の加齢を減速させるか、真核細胞の生存を促進するか、真核細胞における細胞老化を遅延させるか、カロリー制限の効果を模倣するか、ストレスに対する真核細胞の抵抗性を高めるか、または真核細胞のアポトーシスを予防する方法を提供する。
【0030】
例えば、本明細書中に記載される方法は、真核細胞、特に、初代真核細胞(すなわち、生物、例えば、ヒトから得られた細胞)が細胞培養において生存し続け得る時間を増加させるために使用され得る。また、胚性幹(ES)細胞および多能性細胞、ならびにそれらから分化した細胞は、本発明の化合物で処理されることにより、それらの細胞またはその子孫がより長い期間にわたって培養において維持され得る。そのような細胞は、例えば、エキソビボ修飾の後の、被験体への移植のためにも使用され得る。
【0031】
別の例として、長い期間にわたって保存されることが意図された真核細胞は、本発明の方法を用いて処理され得る。それらの細胞は、懸濁液(例えば、血液細胞、血清、生物学的増殖培地など)中、または組織もしくは臓器に存在し得る。例えば、輸血の目的で個体から採取された血液または法医学的な活動のために使用される血液は、長期間にわたってその血液細胞を保存するために本発明を用いて処理され得る。寿命を延長するためまたはアポトーシスから保護するために処理され得る他の細胞としては、消費するための細胞、例えば、非ヒト哺乳動物由来の細胞(例えば、肉)または植物細胞(例えば、野菜)が挙げられる。
【0032】
さらに別の例として、本発明の方法は、例えば、発生プロセスおよび/または成長プロセスを変更するため、遅らせるため、または加速するために、哺乳動物、植物、昆虫または微生物における発生段階および成長段階においても適用され得る。
【0033】
さらに別の実施形態として、本方法は、例えば、固体組織移植片、臓器移植、細胞懸濁液、幹細胞、骨髄細胞などをはじめとした移植または細胞治療に有用な細胞を処理するために使用され得る。それらの細胞または組織は、自家移植片、同種移植片、同族移植片または異種移植片であり得る。それらの細胞または組織は、被験体への投与/移植の前、投与/移植と同時に、および/または投与/移植の後に、本方法に従って処理され得る。それらの細胞または組織は、ドナー個体から細胞を取り出す前に、ドナー個体から細胞もしくは組織を取り出した後にエキソビボで、またはレシピエントへの移植の後に、処理され得る。
【0034】
さらに別の例として、細胞は、寿命を増加させるためまたはアポトーシスを予防するために、本発明の方法を用いて処理され得る。例えば、皮膚または上皮細胞を本発明の方法で処置することによって、皮膚は、加齢(例えば、しわの発生、弾性の喪失など)から保護され得る。本明細書中に記載される方法に従って処置され得る例示的な皮膚の苦痛または皮膚の状態としては、炎症、日焼けによる損傷あるいは自然老化に関連するかもしくはそれらによって引き起こされる障害または疾患が挙げられる。例えば、本方法は、接触皮膚炎(刺激性接触皮膚炎およびアレルギー性接触皮膚炎を含む)、アトピー性皮膚炎(アレルギー性湿疹としても知られる)、光線性角化症、角質化障害(湿疹を含む)、表皮水疱症(天疱瘡を含む)、剥脱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、紅斑(多形性紅斑および結節性紅斑を含む)、日光または他の光源によって引き起こされる損傷、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、乾癬、皮膚癌および自然老化の効果の予防または処置において有用性を見出し得る。別の実施形態では、本発明の方法は、創傷および/または熱傷(例えば、第1度、第2度または第3度熱傷および/または熱的、化学的もしくは電気的な熱傷を含む)を処置して治癒を促進するために使用され得る。
【0035】
本化合物は、化合物送達に適した任意の利用可能な方法および経路(経口、非経口、皮下、腹腔内、肺内および鼻腔内経路を含む)を用いて真核生物に送達され得ると予想される。本発明の方法において使用される特定の投薬レジメンの形態および特徴が、投与経路および他の周知の変量(例えば、真核生物のサイズおよび年齢)によって必然的に決定されることが当業者によって認識されるだろう。そのような投薬レジメンの決定は、当業者の範囲内である。本化合物の投与は、局所的、経口または注射可能物質を含む、加齢に関連する疾患または障害を処置することが意図された任意の従来の治療とともに行われ得る。LACの投与は、細胞を、有効量のLACを含む環境(そのような増殖培地または培養液)に曝露するか、または接触させることによっても、行われ得る。
【0036】
1つの実施形態において、化合物は、長寿命およびCR関連疾患状態に対するそれらの効果について化合物をスクリーニングするハイスループット法としてDeaDアッセイを用いて同定される。他の実施形態は、これらの化合物の活性に関与するそれらの構造上の特徴を、より正確に同定するためにこれらの化合物を使用すること、これらの化合物の活性を媒介する細胞経路を同定する方法、およびこれらの結果を高等生物に外挿する方法を含む。
【0037】
本発明において、「活性」とは、概して、化合物がCR効果またはCR様効果を発揮する能力のことを指す。「活性」の正確な意味は、使用されるアッセイに依存し、例えば、そのアッセイが、単一の濃度のニコチンアミドを含むか(実施例2)、複数の濃度のこの化合物を含むか(EC50活性を定義するために必要である)(実施例3)に依存する。したがって、「活性」は、本明細書中で使用されるとき、これらの意味の両方を包含する。
【0038】
様々な実施形態において、LACは、表1の化合物から選択される。これらの化合物は、当業者によって容易に認識されるSID(物質識別)番号によって特定される。そのSID番号は、United States National Institutes of Health (NIH)の一部であるNational Library of Medicineの構成機関のNational Center for Biotechnology Information (NCBI)によって維持されている化学分子のPubChemデータベースにおける分野である。
【0039】
様々な実施形態において、LACは、表1に列挙されている最初の77個の化合物から選択される。これらの表1に列挙されている最初の77個の化合物のIUPAC名および一般名は、表4に列挙されている。さらに、表4の化合物15は、以下の構造:
【化1】

を有する。様々な実施形態において、化合物は、表2に列挙されている化合物からなる群から選択される。様々な実施形態において、化合物は、SID 14724551、SID 14732512およびSID 17511642からなる群から選択される。
【0040】
以下の非限定的な実施例は、本発明のさらなる説明を提供する。
【実施例】
【0041】
[実施例1−DeaDアッセイの確認]
DeaDアッセイは、酵母の複製老化を測定するために使用される従来の顕微解剖アッセイに対するハイスループットの代用物として開発された。このアッセイが従来の顕微解剖アッセイの結果に相当する結果をもたらす能力を確認するために、DeaDアッセイ(パネルA)を用いるか、または顕微解剖(パネルB)を介して、図1のデータを得た。この図が示すように、高いSIR2発現は、DeaDアッセイと従来の顕微解剖との間で同様に寿命を増加させる。図2は、DeaDアッセイの確認の追加の確証を示している;詳細には、図2のデータは、ニコチンアミドが、許容条件下において成長を変更せずに(パネルB)、用量依存的様式でDeaD系統の寿命を減少させること(パネルA)を示している。
【0042】
従って、これらのデータから、試験化合物の従来の顕微解剖アッセイに対するハイスループットの代用物としてのDeaDアッセイの全般的な適用性が確認され、そして以下で述べられるような化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニングに対するDeaDアッセイの使用に道を開いた。
【0043】
[実施例2−ニコチンアミドの寿命短縮を無効にする能力について約132,000個の化合物の「775」DeaDアッセイによる最初のスクリーニング]
顕微解剖に対する代用物としてDeaDアッセイの適合性が確立されたので、DeaDアッセイを用いることにより、ライブラリー中の化合物がニコチンアミドの寿命短縮効果を無効にする能力について132,796個の化合物ライブラリーをスクリーニングした。
【0044】
詳細には、pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/assay/assay.cgi?aid=775における「PubChem」ウェブサイト上のAID775アッセイの結果(同意語として、「775」アッセイ結果)(その内容は、本明細書中でその全体が参照として組み込まれる)に記載されているように、ニコチンアミドの寿命短縮の阻害パーセント、すなわち、寿命に対するニコチンアミド効果の逆転パーセントを、ニコチンアミドの最大寿命短縮作用として1.5mMニコチンアミドで処理された細胞を含んでいるコントロールウェル(ニコチンアミドの0%阻害)および100%阻害の指標としてニコチンアミドを含まない培地中で生育された細胞を含んでいるウェルにおける光学濃度を用いて計算した。PubChem化合物ライブラリー(約1000万個の化合物の全ライブラリーから選択された約132,000個の化合物)中の適切な化合物を、1.5mMニコチンアミドの存在下の10μMにおいてスクリーニングした。さらなる詳細については、例えば、以下の参考文献:Jarolim, S., Millen, J., Heeren, G., Laun, P., Goldfarb, D.S. and M. Breitenbach. (2004). A novel assay for replicative lifespan in Saccharomyces cerevisiae. FEMS Yeast Res. 5, 169-177; Bitterman, K.J., Anderson, R.M., Cohen, H.Y., Latorre-Esteves, M., and D.A. Sinclair. (2002). Inhibition of silencing and accelerated aging by nicotinamide, a putative negative regulator of yeast Sir2 and human SIRT1. J. Biol. Chem. 277, 45099-45107; Tsuchiya, M., Dang, N., Kerr, E.O., Hu, D., Steffen, K.K., Oakes, J.A. , Kennedy, B.K. and M. Kaeberlein (2006) Sirtuin-independent effects of nicotinamide on lifespan extension from calorie restriction in yeast. Aging Cell. 5, 505-514を参照のこと。
【0045】
プロトコル
以下のとおりアッセイを行った。細胞を、YPGal寒天プレート上に画線し、30℃において48時間生育した。4つのコロニーを選択し、フラスコ内の50mLのYPGal培地に接種し、そして振盪しながら30℃において一晩生育した。OD600を測定した。そのODは、対数期の細胞について<0.7であるべきである。それらの細胞を遠心分離し、1回洗浄し、そしてCSMM−D制限増殖培地に再懸濁した。OD600を再度測定した。その培養物を、CSMM−D制限培地中に0.002というOD600に希釈した。その培養物を、30℃において4時間、振盪しながらフラスコ内でプレインキュベートした。プレインキュベートの終わりに、OD600を参照として測定した。ニコチンアミド(ネガティブコントロール)、培地のみ(ポジティブコントロール)、およびニコチンアミドの存在下における化合物を、10×濃度(最終濃度:ニコチンアミド1.5mM、化合物10μM、DMSO0.25%)で、384ウェルプレートに:5μL/ウェルで、DMSOとともにプレーティングした。そのプレートに:45μL/ウェルで酵母を加えた。加湿チャンバー内で30℃において、プレートをインキュベートした。48時間のインキュベートの後、プレートを30秒間振盪し、そしてEnVision(PerkinElmer)マルチラベルプレートリーダーにおいてOD615を読み出した。これらのアッセイのために、YPGal培地を、10グラムの酵母抽出物、20グラムのペプトン、900mLの水として調製し、121℃において15分間オートクレーブし、100mLの滅菌20%(w/v)ガラクトースを加えた。CSMM−D(Complete Synthetic Minimal Medium-Dextrose)(制限)培地を、アミノ酸を含まない6.7グラムの酵母窒素塩基、2.0グラムのDrop-out mix complete(DOC) (USBiological Cat. no. D9515)、100mLの20%(w/v)デキストロース、1.0Lとなる量の水として調製し、次いで、濾過滅菌した。
【0046】
結果
>26%の活性閾値を、化合物阻害の中央値から3標準偏差より大きいものとして算出した。ゆえに、>26%阻害を示した化合物は、活性と定義される。≦26%阻害を示した化合物は、不活性と定義される。単一用量のデータを拡大解釈する誤りを含むすべてのハイスループットスクリーニングにおける固有誤差を理由に、この実施例については、段階的スコアリングシステムを採用し、ここで、化合物を0〜40のスケールにおいて、活性に基づいてスコアづけした(評価された活性閾値は11である)。この段階的スコアリングシステムを用いて、それらの化合物をランクづけし、これらの化合物のうちの906個が、この段階的スコアリングシステムを用いて「活性」と定義された。この実施例において同定された活性および不活性な化合物の詳細な列挙は、pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/assay/assay.cgi?aid=775における「show results」リンクを介して提供される。これらの化合物に対応する化学構造およびIUPAC命名者を確定するために概してncbi.nlm.nih.gov/sites/entrezを参照のこと;この実施例の化合物に対応する特定の化学構造およびIUPAC命名者について、ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=pcassay&cmd=Link&LinkName=pcassay_pccompound&from_uid=775も参照のこと。
【0047】
考察
この実施例のデータは、上に提供された基準によって判断されるとき、ニコチンアミド阻害を克服する際に「活性」を示す約900個の化合物を定義するものである。そのような「活性」は、化合物がニコチンアミド阻害を克服する能力を測定するための有用な判定基準であるが、しかしながら、それは、「活性」の単なる1つの尺度でしかない。したがって、この判定基準は、例えば、顕微解剖アッセイなどを用いて、化合物の効果である化合物の用量依存性の効果(以下の実施例3を参照のこと)で補完されるべきである。
【0048】
[実施例3−50%有効濃度(EC50)値を得るための実施例1において同定された上位500個の化合物の用量依存性の「809」DeaDアッセイスクリーニング]
すでに述べたように、実施例2は、「775」DeaDアッセイを用いて1.5mMニコチンアミドの寿命減少効果を無効にする化合物を決定するデータを提供しており、この実施例では、約900個の「活性な」化合物を同定する。実施例2では、10μMというただ1つの化合物濃度を用いた;この実施例では、これらの「活性な」化合物のうちの上位500個を、DeaDアッセイを用いるが、ここでは0.078〜10μMの範囲の8つの濃度において、また、1.5mMニコチンアミドの存在下において、再度スクリーニングしたところ、表1に提供されるデータが得られた。このより広範囲のデータから、最大半数有効濃度(EC50)の決定が可能になった。pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/assay/assay.cgi?aid=809におけるPubChemウェブサイト上の「AID809」アッセイ(「809」アッセイ)の結果を参照のこと。
【0049】
このように、この実施例では、1.5mMニコチンアミドの存在下における0.078〜10μMの範囲の8点の2倍希釈系列において、化合物をスクリーニングした。寿命の活性化パーセント、すなわち、寿命に対するニコチンアミド効果の逆転パーセントを、ニコチンアミドの最大寿命短縮効果として1.5mMニコチンアミドで処理された細胞を含んでいるコントロールウェル(0%活性化)および100%活性化の指標としてニコチンアミドを含まない培地中で生育された細胞を含んでいるウェルにおける光学濃度を用いて計算した。様々な化合物濃度の%活性化値から、IDBS ActivityBaseソフトウェアおよび4パラメータロジスティックフィットに対するXLfit方程式205を用いて最大半数有効濃度(EC50)を計算した;最大値および最小値を100%および0%で固定した。
【0050】
プロトコル
以下のとおりアッセイを行った。細胞(DeaD系統BB579)を、YPGal寒天プレート上に画線し、30℃において48時間生育した。4つのコロニーを選択し、フラスコ内の50mLのYPGal培地に接種し、そして振盪しながら30℃において一晩生育した。OD600を測定した。そのODは、対数期である細胞について<0.7であるべきである。それらの細胞を遠心分離し、1回洗浄し、そしてCSMM−D制限増殖培地に再懸濁した。OD600を再度測定した。その培養物を、CSMM−D制限培地中に0.002というOD600に希釈した。その培養物を、30℃において4時間、振盪しながらフラスコ内でプレインキュベートした。プレインキュベートの終わりに、OD600を参照として測定した。ニコチンアミド(ネガティブコントロール)、CSMM−D培地のみ(ポジティブコントロール)、およびニコチンアミドの存在下における化合物を、10×濃度(最終濃度:ニコチンアミド1.5mM、化合物0.078〜10μM、DMSO0.5%)で、384ウェルプレートに:5μL/ウェルで、DMSOとともにプレーティングした。そのプレートに:45μL/ウェルで酵母を加えた。加湿チャンバー内で30℃において、プレートをインキュベートした。48時間のインキュベートの後、プレートを30秒間振盪し、そしてEnVision(PerkinElmer)マルチラベルプレートリーダーにおいてOD615を読み出した。これらのアッセイのために、YPGal培地を、10グラムの酵母抽出物、20グラムのペプトン、900mLの水として調製し、121℃において15分間オートクレーブし、100mLの滅菌20%(w/v)ガラクトースを加えた。CSMM−D(Complete Synthetic Minimal Medium-Dextrose)(制限)培地を、アミノ酸を含まない6.7グラムの酵母窒素塩基、2.0グラムのDrop-out mix complete(DOC)(USBiological Cat. no. D9515)、100mLの20%(w/v)デキストロース、1.0Lとなる量の水として調製し、次いで、濾過滅菌した。
【0051】
結果
EC50≦10μMの活性閾値を設定し、そしてこの判定基準を満たす化合物を活性と定義する。EC50>10μMを示した化合物を不活性と定義する。
【0052】
このデータに、表1の「ランクスコア」の欄に示されているように、段階的スコアリングシステムを適用した(これらは、これらの500個の化合物について得られた結果を示している)。このシステムにおいて、活性な化合物は、0μM〜10μMのEC50に対する逆線形相関を用いて、41〜80のスケールにおいてスコアづけされた。用量反応スクリーニングにおいて活性と確認されなかった化合物にスコア0を与えた。
【0053】
表1に示されるように、試験された500個の化合物のうちの77個が、5μM未満のEC50値をもたらし(すなわち、表1における#1〜77)、ゆえに、これらの77個の化合物は、このEC50判定基準によって活性であると考えられた。この実施例におけるおよび表1に示されている、48時間後において得られた600nmにおいて1回測定された光学濃度より長い時間にわたってこれらの結果を確証するために、以下の実施例4に示されるように、これらのおおよそ上位70個の化合物について、最大DeaD寿命時間経過を行った。
【0054】
[実施例4−実施例3において同定された上位約70個の化合物に対する最大DeaDアッセイ寿命時間経過]
実施例3の「809」実験の結果を実証するために、実施例3において同定された上位70個の化合物の効果についての時間経過が、例えば、これらの化合物の各々について140時間の区間にわたってDeaDアッセイを用いて行われ得る。図3は、表1の化合物#52、トポイソメラーゼIIの公知のインヒビターであり、ヒトにおける使用について承認されている抗菌薬である化合物のナリジクス酸(SID#855620、この化合物の構造については図5を参照のこと)を用いて行われたそのような実験の例示的なデータを提供している。この図が示すように、ナリジクス酸は、ニコチンアミドの存在下と非存在下との両方においてDeaD寿命を延長する。ナリジクス酸以外の他の化合物に対するデータは、同様に得られ得る。
【0055】
[実施例5−ナリジクス酸に対する実施例4のデータを実証する顕微解剖結果]
ナリジクス酸に対する実施例4のデータを実証するために、ニコチンアミドの効果を無効にするこの化合物を用いて顕微解剖実験を行った(これらの実験の結果を図4に示す)。
【0056】
[実施例6−実施例3において同定された他の(非ナリジクス酸)上位70個の化合物に対する実施例4のデータを実証する顕微解剖結果]
ナリジクス酸以外の実施例3の上位70個の化合物に対する実施例4のデータを実証するために、図4の実験について提供されたようなコントロールおよび実験条件を用いて、顕微解剖アッセイを行い、結果を得る。
【0057】
[実施例7−骨格解析]
前に述べたように、本発明の寿命アッセイは、酵母において長寿命を変更する化合物を定義するために有用であり、また、必要である場合には、高等生物、ヒトを含む高等生物に対して、酵母において得られたデータの実験検証によって補足されるようなこれらの機構の進化中の好適な保存によって、有用である。以下の実施例9も参照のこと。
【0058】
より詳細には、上に記載された実施例は、最初にスクリーニングされたもとの約132,000個のうち約70個の化合物という小さい活性サブセットを定義するDeaDアッセイを用いた酵母における化合物のスクリーニングを提供しており、ここで、活性は、上で述べたようなDeaDアッセイにおけるEC50によって定義される。これらの化合物自体が、長寿命またはCR効果に関連する疾患を変更する介入のための潜在的な薬物分子、ならびに潜在的に以前に特徴付けられていないかまたは未知のCR経路を同定するために使用され得る分子を提供する。しかしながら、前の実施例において得られたDeaDアッセイにおけるこれらの分子の活性を支持するそれらの分子の鍵となる機能的な態様、例えば、これらの化合物とDeaDアッセイにおいて見られた効果を媒介する細胞経路との相互作用に関与する、機能的部分または他の活性を付与する化学構造、骨格、側基などを同定するためには、これらの特定の化合物から推定することが特に有利である。
【0059】
それらの実施例において定義された活性な分子の鍵となる特徴に関するそのような情報を得るために、骨格解析を、これらの実施例のデータに基づいて行った(この解析の結果を図6に提供する)。
【0060】
したがって、例えば、図6の群「c1」とは、図6のc1列に示されている化学的骨格のことを指す。図6が示すように、この骨格は、本発明のアッセイの3つの「活性な」ヒットの基礎構造(すなわち、少なくともこの構造を含むが通常はさらなる化学構造を含む化合物内のその完全な形態におけるもの)として見られる。これが生じる見込みは、比較的まれであると計算され得る;それゆえ、c1骨格が本発明の活性な化合物とこれらの化合物の活性を媒介する細胞機構との相互作用にとって重要である妥当な確率が存在する。
【0061】
図6に示されている結果のさらなる詳説は、PubChemウェブサイトを介して行われ得る。c1群について、例えば、この群について示されている骨格を、http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/search/search.cgi(SMILES/STARTSフォーマット)の検索入力フィールドにおいてSMILES string C1(CC(CC(C1C(C)=O)=O)C)=Oとして入力し、次いで、「Substructure」に設定された「Search Type」を用いてこのページから検索され得る。この検索によって、この基礎構造を含む約1000万個の化合物(そのうちの約132,000個が本発明の活性アッセイに使用された;上記を参照のこと)のPubChemデータベース全体において351個の化合物が同定される。
【0062】
これらの351個の化合物のうち、21個が、PubChem生物活性アッセイにおいて見出される。この後者の群は、その検索を行った後に表示されるPubChemページの「BioAssay」タブをクリックし、次いで、「Display」ドロップダウンフォーマットを「Summary」から「PubChem BioActivity Summary」に変更することによって表示され得る。775アッセイにおいて活性と同定されたc1基礎構造を含む4つの化合物およびそのアッセイにおいて不活性と同定された4つのさらなる化合物が存在し、ここで、「活性」および「不活性」は、775アッセイに特有の定義である(上記の実施例2の「結果」の項を参照のこと)。これらの特定の化合物は、上記のように得られたPubChemの結果に表示される数字の記載事項をクリックすることによって表示され得る;本願において、これらの結果は、それらの図に対する凡例に提供されているこれらの化合物に対するPubChem Substance ID(SID)番号を用いて、それぞれ図7および8として示されている。
【0063】
同様に、図9は、c1骨格を含み、かつ809アッセイにおいて「活性」と同定された3つの化合物のSIDを提供している。これらの化合物がすべて、775アッセイにおいても活性と同定されたことに注意すること(すなわち、図9における3つの化合物は図7に要約されている結果にも示されている)。図9における化合物が、以下のとおり、表1の809アッセイの結果における列の記載事項に対応することにも注意すること:SID 14724551(図8A)は、表1の列21に見られ;SID 14732512(図8B)は、表1の列25に見られ;そしてSID 17511642(図8C)は、表1の列66に見られる。
【0064】
PubChemデータベースを用いて骨格c1について上で得られた結果は、図6に示されている残りの骨格についても同様に得られ得る。したがって、例えば、骨格c2は、SMILES string C1=CC=CC2=C1C(=C(C=O)CN2)Oに対応し、骨格c3は、SMILES string C1=CC=CC(=C1)N=CC2=C(CC(CC2=O)C3=CC=CC=C3)Oに対応するなどし、これらのストリング(string)を用いることにより、c1骨格について上で記載したようにPubChemデータベースが検索され得る。
【0065】
上述のように、この実施例におけるデータは、前の実施例の活性アッセイの結果から共通の化学構造または骨格を同定することに関し、この骨格は、1)活性、理想的には、より高い活性および/または選択性を有するさらなる化合物を見つけ出すために、および2)これらの洗練された化学構造データを使用することによって、これらの化合物の活性効果をもたらす、その化合物が相互作用する細胞経路を同定する化合物をより効果的に設計するために、使用され得る。
【0066】
したがって、さらなる化合物の同定に関しては、例えば、骨格c1は、例えば、809アッセイにおいて高活性を有する3つの化合物(これらの3つの化合物は、図9に示されている)が共有する共通の構造を定義する。この構造におけるどの化学基がこの共通の骨格を有する化合物によって示される活性を支持するのかを定義するために、この情報を用いることにより、c1構造またはc1構造のバリアントを含むさらなる化合物がPubChemデータベースから選択され得る。例えば、c1におけるC=O部分の1つ以上の除去、他の基によるこれらの部分の置換などを用いることにより、c1基を含む化合物の全体的な結合に対するこれらのC=O部分の各々の寄与が特徴づけられ得る。
【0067】
[実施例8−経路の同定]
本発明の化合物は、疾患を処置するため、長寿命を延長するためなどのために、その現在の形態、または例えば、医薬品化学者によって設計され得るような変更された形態で、直接使用され得る(以下の実施例9も参照のこと)。すでに述べたように、インビボにおいてこれらの化合物の活性を媒介する経路の知識によって、これらの経路と相互作用する他の化合物の設計、またはこれらの経路の構成要素の正常な相互作用を妨害する化合物の設計などが可能になり得るので、これらの化合物は、さらに、それらの経路を同定するためにも使用され得る。
【0068】
細胞経路を同定するための本発明の化合物の使用に関して、当業者は、これらの経路を同定する多数の手法を認識するだろう。そのような手法としては:酵母変異体ライブラリーを用いることにより、どの酵母変異体が本発明の化合物の活性を無くすかを決定する遺伝的手法;細胞抽出物が、本発明の化合物(または図6の規定された骨格から得られる化合物である、これらの化合物のバリアントなど)への結合についてスクリーニングされる手法などの直接的な手法;直接的な結合の他の方法;などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
[実施例9−高等真核生物におけるアッセイ]
前の実施例は、酵母におけるDeaDアッセイおよび顕微解剖アッセイの使用に関する。CR経路の広く高度に保存された性質に鑑みて、そのような結果がヒトを含む高等真核生物におそらく適用可能であることを示唆する広範なデータが存在する。さらに、直接的な実験データがなかったとしても、酵母における結果は、他のモデル系についてのデータに対する酵母の結果のインシリコ解析に基づいて、おそらく高等生物に外挿され得る。したがって、例えば、前の実施例において同定された化合物の標的として酵母において定義された特定の経路が、高等生物についてのデータに対してインシリコにおいて比較されることにより、そのような経路に対する遺伝子が、それらの高等生物に存在するか否か、それらの経路におけるタンパク質/核酸の相互作用が、高等生物においても酵母におけるときとおそらく同じであるか否かなどが判定され得る。
【0070】
さらに、酵母モデル系に対して本願において得られた結果を拡張するために、高等生物において実験研究が行われ得る。したがって、例えば、発生中の蠕形動物、ショウジョウバエなどのモデル系に対して、CR効果についての相当な試みがなされており(本願の背景の項およびそこに引用されている参考文献を参照のこと)、そしてこれらのモデル系を用いることにより、前述の実施例において得られた結果が、これらの実施例において得られた化合物について実証され得るかまたは拡張され得る。
【0071】
この点において、例えば、Petrascheck et al. (Nature (2007) 450:553-557)において使用された手法が、線形動物に対して上に記載した結果を拡張するために使用され得る。当業者に公知であり得るようなさらなる方法もまた、この点において使用され得る。
【0072】
[実施例10−さらなる化合物のDeaDおよび顕微解剖アッセイ]
図13〜14に示されるDeaDアッセイの結果について、DeaDアッセイ系統BB579を、SCRaff/Gal(2%ラフィノース/0.1%ガラクトース)中で対数初期まで一晩生育し、次いで、0.75mMニコチンアミドを含むかまたは含まず、かつその濃度の記載される化学物質を含むSCDまたはSCRaff/Gal中に0.0001というOD600に希釈した。培養物を30℃のBioScreenにおいて生育し、20分ごとにOD600を記録した。SCD中の60時間後における培養物のOD600を、SCRaff/Gal中の24時間後の培養物のOD600で除算し、次いで、この値を「薬物なし」コントロールについて正規化することによって、DeaD寿命を計算した。表2のデータについては、すべての培養物が0.75mMニコチンアミドを含むSCDにおけるものであり、60時間後におけるOD600を「薬物なし」コントロールに対する同じ値について正規化したことを除いて、プロトコルは同様のものだった。
【0073】
図10〜12の顕微解剖アッセイの結果については、野生株FY839を、対数中期までYPグリセロール中で一晩生育し、そして5mMニコチンアミドおよび記載されている濃度の化学物質(S1−6またはS1−9)を含むYPDプレート上に撒いた。各濃度について、20個の出芽細胞を整列させ、そして各出芽細胞の娘を移動させ、そしてその娘を、その系統に対する未分裂の母細胞とした。次いで、分裂し終わるまでに、その母細胞をその娘の各世代から取り除き、そして分裂の回数を記録した(表3)。全く分裂しなかったかまたはその娘細胞と区別できなかった未分裂の母は、解析から省かれた(そして、表3において空欄として記録されている)。
【0074】
[実施例11−蠕形動物における化合物3−11のアッセイ]
図15は、蠕形動物(C.elegans)における本発明の化合物のうちの1つ(この場合、化合物3−11)のアッセイの例を提供している。
【0075】
蠕形動物のC.elegansは、加齢および寿命を調査するための強力な系である。さらに、酵母におけるように、NAMは、Pnc1およびSIR2のオルソログに依存的な様式でC.elegansの寿命を減少すると示されている(Van der horst et al., mech.ageing Develop.128:346-349, 2007)。図15に示されるように、DeaDアッセイを用いて同定された化合物3−11は、C.elegansの寿命を再現性よく延長し、蠕形動物における25mM NAMの寿命短縮効果を部分的に逆転する。この結果は、DeaDアッセイが、蠕形動物のような後生動物において加齢および寿命を変更する小分子を発見することができるという実証である。この結果は、DeaDアッセイがこの菌類だけに関連性がある結果をもたらし得るという懸念を退けるものである。これは、実証されるように事実と異なる。
【0076】
本願では、CR応答を変更する化合物をスクリーニングするためのDeaDアッセイの使用が説明され、それらのスクリーニングの結果についてのデータが示される。
【0077】
本発明の特定の例示的な実施形態および例を用いて、前述のものにおいて本発明を説明してきたが、添付の請求項に定義されているような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの等価物、改変、置換および変更が本発明に対して行われ得ることが、当業者によって認識されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)10μM以下のEC50を有する、表1に記載の化合物1〜245からなる群から選択される寿命変更化合物を提供する工程;および
b)有効量のその化合物を真核生物に投与して、その真核生物の寿命を変更させる工程
を含む、真核生物の寿命を変更するための方法。
【請求項2】
前記寿命変更化合物が、5μM以下のEC50を有し、表1に記載の化合物1〜77からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記寿命変更化合物の化学構造が図6の骨格のいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記骨格が、骨格c1,c2およびc3からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記骨格がc1である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記骨格がc2である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記骨格がc3である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記寿命変更化合物が、SID 14724551、SID 14732512、SID 7972147およびSID 17511642からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
a)表2に記載の化合物からなる群から選択される寿命変更化合物を提供する工程;および
b)有効量のその化合物を真核生物に投与して、その真核生物の寿命を変更させる工程
を含む、真核生物の寿命を変更するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図16−5】
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【図16−6】
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【図16−7】
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【図16−8】
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【図16−9】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図17−3】
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【図17−4】
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【図17−5】
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【図17−6】
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【図17−7】
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【図17−8】
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【図17−9】
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【図17−10】
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【図17−11】
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【図17−12】
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【図17−13】
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【図17−14】
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【図17−15】
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【図17−16】
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【図17−17】
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【図17−18】
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【図17−19】
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【図17−20】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図19−3】
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【図19−4】
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【図19−5】
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【図19−6】
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【公表番号】特表2011−507910(P2011−507910A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539936(P2010−539936)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/088016
【国際公開番号】WO2009/086303
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510170718)ユニバーシティー オブ ロチェスター (1)
【Fターム(参考)】