説明

真珠光沢を有するミルキー化粧料

【課題】 水性成分を含有する化粧料に於いて、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめることを課題とする。
【解決手段】 水性成分を含有する化粧料に於いて、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、フコースを構成糖とする多糖類とを組み合わせることにより、パール粉体の配位・分散性が高まり、以て、真珠様光沢の発色性が著しく向上した化粧料が得られることを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パール粉体を含有する化粧料に関し、更に詳細にはパール粉体及び水性成分を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体類を水性担体に分散させるには、通常電気二重層による反発力と、系の粘度を高めることが利用される。これは粉体類の比重が水の比重に比して非常に大きいため、これを分散維持するための応力が必要であるためである。化粧料に於いては、かかる応力を系の粘度維持に依存しているが、該粘度維持には脂肪酸石鹸ゲルなどの界面活性剤ゲルを使用する場合が多い。これは、化粧料で通常粘度維持に用いているカルボキシビニルポリマーやキサンタンガムなどの増粘剤が、電離部分を多数有するが故に、等電点を有する粉体との共存においては、電気二重層の層厚を減じ、凝集や沈降を引き起こすためである。又、この様な相互作用により、カルボキシビニルポリマー等においてはファンデルワールス力による架橋構造が壊され、減粘する場合も存する。
【0003】
この様な凝集・沈降と言ったマクロな系の変化のみならず、前記増粘成分は、沈降などの安定性に係わる系の変化のみならず、系の色彩などの光学的効果に影響を与えることも少なくない。特に、パール粉体においては、前記増粘成分の存在下では、真珠様光沢を著しく損なう現象が存することが知られており、「パール死に」と称されることもある。これはパール粉体の真珠様光沢の発生が、アスペクト比の高い粉体上に被覆された金属酸化物の格子を、連続平面に近い状況で配位させることにより生ずる干渉縞に起因するものであるからである。パール粉体の連続平面的配位が崩れれば、その真珠様の光沢は著しく損なわれる。従って、従前の技術では、水性成分を含有する化粧料剤形で真珠様光沢を美しく呈させるのは非常に困難な技術であったといえる。この為、パール粉体の真珠様光沢を生かすためには、非水系のオイルゲル剤形や固形粉末化粧料剤形に頼らざるを得ないのが実状であったと言える。
【0004】
この様なオイルゲル剤形や固形粉末剤形の化粧料にパール粉体を含有させて使用することは、パール粉体の扁平性が高いが故に皮膚を過剰に閉塞する場合が存し、安全性の面では刺激感を呈しやすく、敏感な人が使用することには問題の存する場合もあった。この様な観点から、酸素透過性を有する水相成分による皮膜を形成し、水性成分の介在により、パール粉体の過剰な皮膚閉塞を防ぐ試みがなされ、アクリル酸アルキル共重合体エマルションと微生物由来の多糖類を併用する方法が開発された(例えば、特許文献1を参照)。この方法では、グリッターなどの有機高分子の積層したパール粉体の分散・配向性を維持する作用は優れていたが、チタンマイカなどの電離部分の多い無機パール粉体の分散ではその効果を十分に発揮できない場合が存した。特に、粘度が微生物由来多糖類にのみ依存していることは、比重の大きい金属酸化物であるチタンマイカの沈降に抗し得ない場合が少なくない原因となった。
【0005】
一方、オキナワモズクに含有される成分であるフコイダン、アルカリゲネス・レータスが産生するアルカリゲネスポリサッカライドなどのフコースを構成糖とする多糖類は既に化粧料に配合することが知られており、化粧料用の原料として市販もされている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)。しかしながら、水性成分を含有する化粧料であって、1)パール粉体と2)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と3)フコースを構成糖として含有する多糖類とを含有する化粧料は全く知られていないし、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、フコースを構成糖とする多糖類とを組み合わせることにより、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめることも全く知られていない。
【0006】
【特許文献1】特開2005−97148号公報
【特許文献2】特開2005−330257号公報
【特許文献3】特開2004−315468号公報
【特許文献4】特開2002−53426号公報
【特許文献5】特開2005−97148号公報
【特許文献6】特開2003−313131号公報
【特許文献7】WO02/006351
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、水性成分を含有する化粧料に於いて、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、水性成分を含有する化粧料に於いて、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめる技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と、フコースを構成糖とする多糖類とを組み合わせることにより、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1>水性成分を含有する化粧料であって、1)パール粉体と2)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と3)フコースを構成糖として含有する多糖類とを含有することを特徴とする、化粧料。
<2>前記フコースを構成糖とする多糖類は、フコイダン乃至はアルカリゲネスポリサッカライドであることを特徴とする、<1>に記載の化粧料。
<3>前記パール粉体の含有量は、化粧料全量に対して、15〜35質量%であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の化粧料。
<4>前記パール粉体は、チタンマイカを基体とするものであることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の化粧料。
<5>前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの含有量は、0.05〜1質量%であることを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載の化粧料。
<6>前記フコースを構成糖とする多糖類の含有量は、前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの含有量に対して1〜50質量%であることを特徴とする、<1>〜<5>何れか1項に記載の化粧料。
<7>水中油乳化剤形であることを特徴とする、<1>〜<6>何れか1項に記載の化粧料。
<8>アイカラーであることを特徴とする、<1>〜<7>何れか1項に記載の化粧料。
<9>更に、アシルアミノ酸のエステル、高重合度メチルポリシロキサン及び架橋型メチルポリシロキサンから選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、<1>〜<8>何れか1稿に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水性成分を含有する化粧料に於いて、パール粉体の配位・分散性を高め、以て、真珠様光沢の発色性を著しく向上せしめることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)本発明の化粧料の必須成分であるパール粉体
本発明のメークアップ化粧料は、パール粉体を必須構成成分として含有することを特徴とする。ここで、本発明に係るパール粉体とは、反射光沢或いは干渉光沢の著しい偏平粉体であり、化粧料で使用されているものであれば特段の限定なく使用できる。パール粉体としては、エポキシ樹脂薄片やアクリル樹脂薄片を積層し、1〜1000μmの大きさに細切した積層樹脂小片とマイカやセリサイトなどのアスペクト比の高い粉体の表面上に二酸化チタン等の金属酸化物の微粒子を被覆し、干渉格子状に配位させたチタンマイカなどの金属酸化物被覆板粉体(無機パール粉体)に大別できる。本発明ではその何れもが使用可能であるが、その効果の顕著さから無機パール粉体を使用することが好ましい。また、薄片状のガラスフレークの表面を二酸化チタンの薄膜で被覆したものも好ましく例示できる。例えば、チタンマイカとしては、エンゲルハード・コーポレーション(米)から、フラメンコ(Flamenco;登録商標)レッド100、フラメンコ(Flamenco;登録商標)ゴールド、フラメンコ(Flamenco;登録商標)グリーン、フラメンコ(Flamenco;登録商標)ブルー、クロイゾネ(CLOISONNE;登録商標)G ブロンズ、ジェムトン(登録商標)タン オパール、リフレクスポインポインツオブパール、フラメンコ(Flamenco;登録商標)スパークルオレンジなどが市販されており、メルク・ジャパン社から、チミロン1001、ティロン(登録商標)MP1005、ティロン(登録商標)MP115、ティロン(登録商標)MP149、コロロナ(登録商標)ブライトゴールド、コロロナ(登録商標)ブロンズファインなどが市販されており、またガラスフレーク系のパール粉体としは、日本光研(株)より、プロミネンス(PROMINENCE;登録商標)SFなどが市販されており、日本板硝子(株)よりメタシャイン(登録商標)MC1080RYS1などが市販されており、これらのものを購入して使用することができ、好ましい。本発明の化粧料に於いては、かかるパール粉体は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。これらのパール粉体は、その表面を、ハイドロ帰しメチルポリシロキサン焼付処理、時メチルポリシロキサン焼付処理、シリル化処理、金属石鹸被覆処理、アシルグルタミン酸の金属塩被覆処理、レシチン被覆処理などの表面処理を行った後に用いても良い。本発明のメークアップ化粧料に於いて、かかるパール粉体の好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、15〜35重量%であり、更に好ましくは20〜30重量%である。これは少なすぎると、メークアップ効果が損なわれる場合があり、多すぎると本願発明の効果が損なわれる場合が存するからである。
【0011】
(2)本発明の化粧料の必須成分であるアルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー
本発明の化粧料は、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩を必須成分として含有することを特徴とする。本発明の化粧料に於いて、かかる成分は、後記のフコースを構成糖とする多糖とともに働いて、前記必須成分であるパール粉体が配向を阻害され真珠様光沢を存することなく、且つ、系に於いて自重を支えきれずに沈降することなく、パール粉体を分散・配向せしめる作用を有する。この様な作用を発揮するためには、かかる成分は1種乃至は2種以上を0.05〜1質量%、より好ましくは、0.08〜0.5質量%含有することが好ましい。この様なカルボキシビニルポリマー類としては、炭素数10〜30のアルキル基でアルキル変性されている、「ペムレン(PEMULEN;登録商標)TR−1」、「ペムレン(PEMULEN;登録商標)TR−2」、カーボポール(CARBOPOL;登録商標)1382(何れもグッドリッチ社製)などが存し、アルキル変性されていないものとしてはカーボポール(CARBOPOL;登録商標)ULTREZ10、カーボポール(CARBOPOL;登録商標)940等が存する。かかるアルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー或いはその塩は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。これらの塩としては、化粧料で使用されるものであれば、特段の限定無く使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。本発明では、前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを中和率60〜120%で、用いることが好ましい。
【0012】
(3)本発明の化粧料の必須成分であるフコースを構成糖とする多糖類
本発明の化粧料は、フコースを構成糖とする多糖類を含有することを特徴とする。フコースを構成糖とする多糖類としては、オキナワモズクの抽出物のフコイダン分画を精製し、これを5%の溶液に調整した、株式会社ハクガン社製の「オキナワモズクフコイダン抽出液」や、アルカリゲネス・レータスB−16株が産生するアルカリゲネスポリサッカライドである、フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含有している、伯東株式会社より販売されている「アルカシーラン」が、好ましく例示できる。この内「アルカシーラン」が配向安定化作用に優れ、真珠様光沢特に美しく現れるので好ましい。本発明の化粧料におけるフコースを構成糖とする多糖類の含有量は、0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。又、かかる成分は前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの含有量に対して1〜50質量%であること、より好ましくは、5〜25質量%であることが、パール粉体の分散性、分散安定性、配位安定性に優れるので好ましい。かかる成分は、パール粉体が前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と相互作用を起こし、配位性を損ない、「パール死に」現象が起こることを抑制する。この作用は、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーがパール粉体との相互作用により、架橋構造を損ない減粘するのを防ぐ副次効果も存する。
【0013】
(4)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、水性成分を含有することを特徴とする。水性成分を含有する剤形としては、水性担体分散系、水中油乳化系、油中水乳化系等が存するが、本発明の化粧料としては何れもが適用可能である。これは、油相の有無に関わりなく、水性担体が存する状況では、該水性担体中の電解質とパール粉体が相互作用を起こし、「パール死に」する現象が起こるためである。この様な現象を本発明の化粧料は抑制する作用を有する。
【0014】
本発明の化粧料として、水中油乳化剤形や、油中水乳化剤形を採用した場合、該乳化剤形の油相には、パール光沢を美しく発現させる油剤を選択し、含有させることが好ましい。この様な油剤としては、アシルアミノ酸のエステル、高重合度メチルポリシロキサン及び架橋型メチルポリシロキサンから選択される1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。前記アシルアミノ酸のエステルとしては、アシル化グルタミン酸のジエステル体、アシル化サルコシンのエステル体が例示できる。このようなものの具体的な例示としてアシル化グルタミン酸のジエステル体としてはN−ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)が挙げられ、市販品としては、エルデュウ(登録商標)PS203、エルデュウ(登録商標)PS304として味の素株式会社より市販されており、アシル化サルコシンのエステル体としてはN−ラウロイルサルコシンイソステアリルが挙げられ、市販品としては、味の素株式会社よりエルデュウ(登録商標)SL205として市販されており、これらを購入して使用することができ、好ましい。高重合度メチルポリシロキサンとしては、1気圧、25℃での粘度が10,000〜1,000,000のものであることが好ましく、低粘度のシリコーンで希釈したものを用いるのが使用性がよい。このようなものとしては、信越化学工業株式会社より、シリコーンKF−9028、シリコーンKF−9030、シリコーンKF−9010などが市販されており、これらのものを購入して使用することができ、好ましい。部分架橋型のジメチルポリシロキサンは、ビニル基を結合したシリコーン油によって、一部が架橋されたジメチルポリシロキサンであり、信越化学工業株式会社より、シリコーンKSG−15、シリコーンKSG−16などが好ましく例示できる。化粧仕上がり後の化粧膜において、優れたツヤを化粧膜に付与し、パール配向性の良い効果を更に高めるためには、乳化剤形の化粧料の剤形を選択し、かかる成分から選ばれる1種乃至は2種以上を、化粧料全量に対して、0.1〜10質量%含有させることが好ましく、0.5〜5質量%含有させることがより好ましい。前記乳化剤形の化粧料としては、パール粉体に起因する乾燥感をより確実に抑制できる、水中油乳化剤形を採用することが好ましい。この様な剤形を選択することにより、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩の、乳化安定化作用を享受できる利点も存する。
【0015】
本発明の化粧料としては、パール粉体の光学的効果を最大限生かせるメークアップ化粧料に適用することが特に好ましいが、パール粉体の紫外線散乱効果を利用した紫外線防護化粧料等に適用することも可能である。前記メークアップ化粧料としては、アンダーメークアップ化粧料、ファンデーション、リップカラーなどのベースメークアップ化粧料、ハイライト、チークカラー、アイカラー、マスカラ、アイライナーなどのポイントメークアップ化粧料の何れにも適用できるが、乾燥感を抑制する作用に優れ、発色の良いことから、アイカラーに適用することが特に好ましい。
【0016】
本発明のメークアップ化粧料は、本発明の効果を妨げない範囲で、上記必須構成成分に加えて、通常化粧料で使用される成分を含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油の内、本発明の必須成分に分類されないもの等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、前記必須成分や任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0017】
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加える。
【実施例1】
【0018】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料である化粧料1を作成した。即ち、イの成分にハの成分を加えて、ディスパーで分散させた後、攪拌下徐々にロの成分を加え、中和した。比較例として、「カーボポールUltrez10」及び苛性カリを「アルカシーラン」に置換した比較例1、「アルカシーラン」を「カーボポールUltrez10」に置換した比較例2、「アルカシーラン」をキサンタンガムに置換した比較例3及び「アルカシーラン」をジュランガムに置換した比較例4を同様に製造した。パール感の比較サンプルとして、表2に示す組成のものを陽性対照(パール感100)、表3に示す処方のものを陰性対照(パール感0)としてパール感を透明便の外側からの比較観察で0〜100の値で評価した(相対的パール感評点)。結果を表4に示す。これより、本発明の化粧料はパール死にが抑制されていることが分かる。化粧料1はアイカラーとして適していた。
【0019】
【表1】

【0020】
(注*1)
パール粉体(*1)の組成
(チタンマイカ)
フラメンコレッド100 10 重量部
ジェムトン タン オパール 10 重量部
チミロンMP115 10 重量部
コロロナブライトゴールド 20 重量部
フラメンコスパークルオレンジ 20 重量部
(ガラスフレーク)
プロミネンスSF 30 重量部
【0021】
【表2】

【0022】
【表3】

【0023】
【表4】

【実施例2】
【0024】
以下に示す処方に従い、(イ)を75℃で加熱溶解し、撹拌下、これに(ロ)を添加して乳化し、(ハ)を添加撹拌し、(ニ)を加えて中和し、撹拌冷却し、本発明の化粧料である、水中油乳化剤形の化粧料2を製造した。このものを3人のパネラーを用いて、実施例1の陽性対照、陰性対照とともに前腕内側部に塗布し、実施例1と同様に塗布状態での相対パール感評価値を求めた。評価値は90、95、90で平均92点で、乳化化粧料における本発明の効果を、塗布後の化粧膜のパール感として捉えることが出来た。「アルカシーラン」をジュランガムに置換した比較例5、キサンタンガムに置換した比較例6も同様に作成し評価したが、比較例5が40、40、45で平均42点、比較例6が40、40、40で40点であり、これも再現された。この化粧料2はアイカラーとして適していた。
【0025】
【表5】

【実施例3】
【0026】
実施例2と同様に、下記の処方に従って、本発明の化粧料である化粧料3を作成し、相対パール感評価値を求めたところ、90、90、90で平均90であった。高重合度ジメチルポリシロキサンもアシルグルタミン酸ジエステルと同様の効果を有することが判明した。化粧料3はアイカラーとして好適であった。
【0027】
【表6】

【実施例4】
【0028】
実施例2と同様に下記処方に従って、本発明の化粧料である化粧料4を作成した。相対パール感評価値は80、75、80で平均78点であり、水中油乳化剤形では、アシルアミノ酸のエステル、高重合度メチルポリシロキサン及び架橋型メチルポリシロキサンから選択される1種乃至は2種以上を含有することが好ましいことが分かった。化粧料4はアイカラーに好適であった。
【0029】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、アイカラーなどの化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性成分を含有する化粧料であって、1)パール粉体と2)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩と3)フコースを構成糖として含有する多糖類とを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記フコースを構成糖とする多糖類は、フコイダン乃至はアルカリゲネスポリサッカライドであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記パール粉体の含有量は、化粧料全量に対して、15〜35質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記パール粉体は、チタンマイカを基体とするものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの含有量は、0.05〜1質量%であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記フコースを構成糖とする多糖類の含有量は、前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの含有量に対して1〜50質量%であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
水中油乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
アイカラーであることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。
【請求項9】
更に、アシルアミノ酸のエステル、高重合度メチルポリシロキサン及び架橋型メチルポリシロキサンから選択される1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜8何れか1稿に記載の化粧料。

【公開番号】特開2009−179601(P2009−179601A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20082(P2008−20082)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【出願人】(000234166)伯東株式会社 (135)
【Fターム(参考)】