真直度測定装置
【課題】真直度を効率よく測定することができる真直度測定装置を提供すること。
【解決手段】本発明の真直度測定装置10は、被測定物M上を自走可能であり反射ミラーを載置した筐体11と、筐体11とは別に設置されたオートコリメータ12と、筐体11の走行距離データ、及びオートコリメータ12からの傾斜データを処理し被測定物Mの真直度を算出する解析用コンピュータ13とを備えている。筐体11は、その底面側にタイヤ8a、8bを有し、タイヤ8bの回転によって筐体11の走行距離が求められ、その走行距離は解析用コンピュータ13に入力されて被測定物M上における筐体11の位置が算出される。
【解決手段】本発明の真直度測定装置10は、被測定物M上を自走可能であり反射ミラーを載置した筐体11と、筐体11とは別に設置されたオートコリメータ12と、筐体11の走行距離データ、及びオートコリメータ12からの傾斜データを処理し被測定物Mの真直度を算出する解析用コンピュータ13とを備えている。筐体11は、その底面側にタイヤ8a、8bを有し、タイヤ8bの回転によって筐体11の走行距離が求められ、その走行距離は解析用コンピュータ13に入力されて被測定物M上における筐体11の位置が算出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真直度測定装置、特に連続的で容易な測定を可能ならしめるための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に長尺物の真直度の測定にはオートコリメータが用いられることが多い。オートコリメータによる真直度測定は、測定対象物の上に反射ミラーを載せ、反射ミラーを支持する脚の間隔だけ反射ミラーの位置を変えながら、各位置における測定対象物表面の傾きを観察する。そして、得られた各位置での傾斜角を積分することにより真直度を算出するものである(非特許文献1を参照)。
【0003】
【非特許文献1】新版計量技術ハンドブック、コロナ社(1987)、637〜638頁、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような真直度測定装置によれば反射ミラーの位置を変えながらの測定は手動で行われるため、その作業には多大な時間と手間を要する。また、測定位置を所定位置に合わせるためには別途スケールを用意する必要もある。例えば直定規の作成は、真直度の測定と、その測定値を参照とする加工(ラッピング)との繰り返しにより行われるが、真直度の測定に多大な時間を要するために生産性が非常に悪い。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は真直度を効率よく測定することができる真直度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の請求項1に係る真直度測定装置は、自走可能な筐体と、筐体の走行距離を測定する走行距離計と、筐体の傾きを計測する傾斜計と、走行距離計の出力する走行距離および傾斜計の出力する傾きから走行ラインの真直度を算出する真直度算出器と、を備えたものであることを特徴とする。
このような真直度測定装置は測定機構を自走可能な筐体に搭載しているので、測定作業を簡易にし、かつ効率的にする。
【0007】
請求項1の真直度測定装置において、走行距離計は筐体に設置された車輪の回転数、或いは周速より算出するものであることが好適である。
このような真直度測定装置は自走用の車輪を走行距離計として兼用できる。
【0008】
また、請求項1の真直度測定装置において、走行距離計は筐体に搭載した光源からの光を被測定物に大きい入射角度で入射し、上方への反射光を画像センサで検出する位置検出機構によるものであってもよい。
このような真直度測定装置は車輪がタイヤであって、真円度に欠けるような場合においても、走行距離を正確に測定する。
【0009】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体とは別途設けられた発光部、受光部、およびコリメートレンズを有するオートコリメータと、筐体に載置された反射ミラーとを有し、オートコリメータの発光部からコリメートレンズを経て照射された光を反射ミラーで反射し、筐体の傾きに伴う帰還光がコリメートタレンズを経て受光部に至る系の発光位置と帰還光位置との変位を測定するものであることが好適である。
このような真直度測定装置はオートコリメータにおいて使用する反射ミラーを自走可能な筐体に載置していることから、真直度の測定を簡易化させる。
【0010】
上記の反射ミラーは筐体に対して揺動可能なミラー支持体に設置され、該ミラー支持体の下端部は筐体下に突出して被測定物に常に接しており、被測定物の傾斜をミラー支持体の揺動を介して反射ミラーの角度変化に変換するものであってもよい。
このような真直度測定装置は、車輪の真円度とは無関係に、ミラー支持体が常に被測定物に接しているので、車輪の真円度、すなわち筐体の傾斜とは無関係に被測定物の傾斜を忠実に捕捉する。
【0011】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体に載置されたオートコリメータ発光部と第1コリメートレンズ、および筐体とは別途に設けられた第2コリメートレンズとオートコリメータ受光部とからなり、発光部と受光部が水平な位置関係にある場合の受光位置を基準位置として、測定時における受光位置の基準位置からの変位を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置は反射ミラーを必要とせず、筐体の傾斜をそのまま被測定物の傾斜とすることができる。
【0012】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体とは別途に設けられた発光部および受光部を有するオートコリメータと、筐体に載置されたペンタプリズムとを有し、発光部から水平方向に照射される光がペンタプリズムの一方の入出射面に入射し、ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された光が被測定物で反射されてペンタプリズムの他方の入出射面へ入射し、一方の入出射面から出射する受光部へ帰還する帰還角度を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置はオートコリメータに変えてペンタプリズムを傾斜計として使用するものであり、ペンタプリズムへの水平な入射光は垂直な出射光となって被測定物に至って反射させることができ、筐体の傾斜とは無関係に被測定物の傾斜を忠実に捕捉するほか、筐体のピッチングをキャンセルする。
【0013】
上記のペンタプリズムは、上記他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された出射光が、筐体下に設けられ被測定物に常に接している反射体であり、被測定物の傾斜に応じて傾斜する反射体の上面によって反射され、ペンタプリズムを経由して受光部へ入射する帰還光の角度変化を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置は被測定物が反射性に劣る場合に好適である。
【0014】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体に載置された電気式水準器であり、垂下された振り子の下端の検出体が該検出体の前後に設けられた2個の近接センサの何れかへの近接度から被測定物の傾斜角度を算出するものであってもよい。
このような真直度測定装置は、オートコリメータに変えて電気式水準器を傾斜計として使用するものであり、被測定物の傾斜をオートコリメータと同等以上の精度で検出することが可能である。
【0015】
請求項1の真直度測定装置において、走行距離を計測する車輪が前後の車軸の何れか一方に取り付けられた車輪であり、かつ筐体の傾斜によって被測定物の傾斜を計測する場合において、前後の車軸は間隔が変更可能とされていることが望ましい。
このような真直度測定装置は、車軸の間隔と被測定物の傾斜曲線のピッチが一致しており被測定物の傾斜が正確に測定されない場合において、車軸の間隔を変更することにより、被測定物の傾斜の測定が可能になる。
【0016】
そのほか、真直度測定装置によって平面を縦方向と横方向との格子状に、好ましくは更に放射状に真直度を測定し、得られる測定データを解析しスムージング処理し接続して平面形状を推定することができ、その推定された形状から平面度を求めることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明にかかる真直度測定装置によれば、測定対象物上を自走可能な筐体に自位置検出機構を設けたので、該筐体を走行させ、随時傾斜データを取得すれば、極めて効率よく真直度測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について説明する。
【0019】
<実施形態1>
図1は実施形態1の真直度測定装置10の構成を概略的に示す図である。この真直度測定装置10は、被測定物M上を自走可能であり反射ミラーを載置した筐体11と、筐体11とは別に設置されたオートコリメータ12と、筐体11の走行距離データ、及びオートコリメータ12からの傾斜データを処理し被測定物Mの真直度を算出する解析用コンピュータ13とを備えている。
【0020】
筐体11は、その底面側に設けられたタイヤ8a、8bを有し、タイヤ8bの回転が不図示のカウンタから解析用コンピュータ13に入力されて走行距離が求められ、その走行距離から被測定物M上における筐体11の位置が算出される。
【0021】
オートコリメータ12は発光部1と受光部2、およびコリメートレンズ4とを有しており、発光部1の発光位置P1から発光され,コリメートレンズ4で平行化された光は、筐体11内に固定された反射ミラー6で反射され、その反射光はコリメートレンズ4を経て受光部2に帰還して受光されるが、被測定物Mの傾斜によって筐体11が傾斜すると反射ミラー6も傾斜することから、受光部2における帰還光の位置P2は発光部1における発光位置P1と変位する。その変位は解析用コンピュータ13に入力されて、反射ミラー6が存在する位置、すなわち筐体11が存在する位置における傾斜角度が算出される。
【0022】
上記のような測定が、筐体11を走行させて、タイヤ8aとタイヤ8bとの間隔毎に繰り返され、それらの計測結果である被測定物Mの真直度が解析用コンピュータ13のモニタに表示される。
【0023】
<実施形態2>
上記の真直度測定装置10は、タイヤ8a、タイヤ8bが真円度に劣るものであると、被測定物Mの真直度とは無関係に反射ミラー6が傾斜するという欠点がある。そのような欠点を克服するものが次の実施形態2に示す真直度測定装置20である。
【0024】
図2は実施形態2の真直度測定装置20の構成を概略的に示す図である。なお、図1に示した解析用コンピュータ13の図示は省略している。なお、解析用コンピュータ13の図示の省略は以降の図においても同様である。そして実施形態2の真直度測定装置20の構成要素において、図1の真直度測定装置10の構成要素と同一のものには同じ符号を付しているので、それらの説明は省略する。実施形態2の真直度測定装置20が実施形態1の真直度測定装置10と異なるところは、反射ミラー6が筐体11に固定されずに、筐体11に揺動可能に設けたミラー支持体21に取り付けられていることにある。
【0025】
そのミラー支持体21の取り付けを詳しく説明するに、筐体11下に突出されているミラー支持体21の下端に設けられた平板部22の上面と筐体11の底面との間にはスプリング24が介装されている。すなわち、平板部22の下面の接触端子23はスプリング24によって押圧されており, 筐体11の停止中は勿論、走行中も常に被測定物Mの面と接触しているように構成されている。
【0026】
上記のように構成されており、被測定物Mの面の傾斜はミラー支持体61の揺動を介して反射ミラー6の傾斜に変換されるので、タイヤ8a、タイヤ8bが真円度に劣るものであっても、それに影響されることはなく、換言すれば、筐体11の傾斜とは無関係に被測定物Mの真直度が計測されるようになっている。
【0027】
<実施形態3>
図3は図1の真直度測定装置10における走行距離を計測するためのタイヤ8bに替えて、光学式面内位置検出機構31を使用した真直度測定装置30の構成を概略的に示す図である。光学式面内位置検出機構31以外の構成要素は図1の構成要素と同様であるから、それらには同一の符号を付して説明は省略した。
【0028】
光学式面内位置検出機構31はパソコンで使用される光学式マウスと同様な原理に基づくものであり、図4は光学式面内位置検出機構31の一例を示す断面図である。光源32からの光がレンズ・プリズム体33によって屈曲され被測定物Mに大きい入射角度αで入射点Qへ入射される。そして入射点Qから直上への反射光がレンズ・プリズム体33のレンズを経て所定の画素数、解像度の画像センサ34に至り、入射点Pおよびその周辺部の画像が認識される。入射角度が大きいので、入射点Qおよびその周辺部の凹凸は長い影の像に強調されて認識される。画像センサ34は例えば1秒間に2000回以上で画像を捉えるので、一定の速度で移動する画像センサ34の画像には新旧の画像の共通点が存在し、新旧の画像を比較することにより光学式面内位置検出機構31の移動距離を把握することができる。
【0029】
<実施形態4>
図5は、反射ミラー6を筐体11に載置しない真直度測定装置40を示す断面図である。図1の真直度測定装置10と異なるところは筐体11に発光部1と第1コリメートレンズ6aとが載置され、筐体11とは別に受光部2と第2コリメートレンズ6bが設けられていることにある。被測定物Mが傾斜している場合、筐体11内の発光部1からの光は第1コリメートレンズ6aで平行光とされ、第2コリメートレンズ6bで絞られて受光部2の受光位置Q2で受光される。これに対し、被測定物Mが水平である場合には、発光部1からの一点鎖線で示す光は第1コリメートレンズ6a、第2コリメートレンズ6bを経て受光部2の受光位置Q1に受光される。すなわち、被測定物Mが傾斜している場合の受光位置Q2の受光位置Q1からの変位の大きさによって被測定物Mの傾斜の度合いが算出される。
【0030】
<実施形態5>
図6は傾斜計として例えば図1に示したオートコリメータ12に替えてペンタプリズム51を使用した真直度測定装置50を示す断面図である。すなわち、真直度測定装置50はペンタプリズム51を載置した自走可能な筐体11と、筐体11とは別体の発光部1と受光部2とを備えたオートコリメータ12とからなる。
【0031】
図6の左側の水平な筐体11に載置されているペンタプリズム51は、図6に示すように、発光部1からペンタプリズム51の一方の入出射面52へ水平方向に入射される光はペンタプリズム51の反射面53、54で順に反射され、入射光とは直角な垂直方向に偏光されて、他方の入出射面55から出射されて被測定物Mに至って反射される。その反射光は、再び他方の入出射面55からペンタプリズム51へ入射され、反射面54、53で反射されて、一方の入出射面52から出射され、水平線とは角度β1をなす光となって受光部2で受光される。
【0032】
これに対し、図6の右側に示す傾斜した筐体11の場合、同様に、発光部1からの光は一方の入出射面52から入射され、反射面53、54で反射され、同じく垂直方向に偏光されて被測定物Mに至って反射される。その反射光は再び他方の入出射面55から入射され、反射面54、53で反射されて、一方の入出射面52から出射されるが、筐体11と共にペンタプリズム51が傾斜していることにより、帰還光は水平線とは角度β2をなす光となって受光部2で受光される。このように帰還光の帰還角度の変化から被測定物Mの傾斜角度が求められる。
【0033】
上記したように、また図7に示すようにペンタプリズム51は被測定物Mの傾斜によって回転して水平面の角度が変わっても他方の入出射面55から垂直方向に出射されることから筐体11のピッチングがキャンセルされるという特性を有する。また図6ではペンタプリズム51から垂直方向に下方へ出射される光を被測定物Mで反射させる場合を説明したが、図8に示すように、筐体1の底面にスプリング57を介して反射体58を設け、常に接触端子59が被測定物Mと接触している反射体58の上面で反射させるようにしてもよい。被測定物Mの反射性が充分でない場合に好適である。
【0034】
<実施形態6>
図9は傾斜計として電気式水準器61を使用した真直度測定装置60を示す断面図である。電気式水準器61は筐体11に設置された箱62の天井部から垂下された振り子63の前後に近接センサ65a、65bを配置したものであり、振り子63の下端の金属からなる検出体64が近接センサ65a、65bの何れに接近しているかによって筐体11の傾斜、すなわち被測定物Mの傾斜を計測するものである。近接センサとしては高周波発振型、磁石型、静電容量型など各種のものを使用し得るが、一般的には高周波発振型が使用される。
【0035】
高周波発振型の近接センサを説明すれば、近接センサ65a、65bに高周波磁界を発生させる検出コイルが設けられており、振り子63の検出体64が近接すると、検出体64に渦電流が発生し、その電流によって検出コイルのインピーダンスが変化することを利用するものである。
【0036】
なお、筐体11の傾斜によって被測定物Mの傾斜を求める手法では、被測定物Mの傾斜が正弦波状であって、その周期が図9に示す筐体11の前後の車軸間隔と同じである場合には、筐体11の傾斜によって被測定物Mの傾斜を求めることはできない。従って筐体11は、図10A、図10B、図10Cに示すように、車軸間隔をl1、l2、l3の如く調整可能としたものであることが好ましい。なお、図6に示したように、傾斜計としてペンタプリズム51を使用し、被測定物Mに直接に光を入射させ、その反射光から被測定物Mの傾斜を求める場合や、図2に示したように、常に被測定物Mに接触している反射ミラー支持体21の平板部22の傾斜によって反射ミラー6を傾斜させる場合など、被測定物Mの傾斜を直接に計測する場合は車軸間隔の調整は不要である。
【0037】
<実施形態7>
図11は定盤の平面度の測定に本発明の真直度測定装置を適用した場合を説明する図である。図11Aは広い面積を有する定盤に対して、実施形態1から実施形態6までの何れかの真直度測定装置を適用して、平面を縦横の格子状に、更に放射状(対角方向)に真直度を測定して平面度を求める場合を示す。得られた真直度の測定データの傾斜角に自由度を与え、これらの全てに対して滑らかな曲面が得られるように曲面関数(例えば、2次元のスプライン関数、多項式、ないしはフーリエ関数など)を適用することにより測定面の形状を算出することができる。図11Bは算出された形状であり、この算出形状から平面度を求めることができる。
【0038】
平面度を測定するには真直度を格子状に、更に放射状に測定することを要し、真直度の測定に比して測定回数が多大になるが、本発明の自走可能は筐体11を使用する真直度測定装置を利用すれば、平面度の測定は大幅に簡易化される。
【0039】
なお、上記の実施形態では筐体11自体が走行可能であるものとして説明したが、筐体11が自走可能な駆動車に牽引されて走行するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の真直度測定装置は定盤や直定規における真直度の測定に限らず、円筒体の円筒母線、円筒体の軸心線、テーパ状物体のテーパ母線の真直度測定に使用されるほか、定盤などの平面度の測定にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】被測定物上を自走可能な筐体にオートコリメータの反射ミラーを載置した真直度測定装置を示す図である。
【図2】筐体に揺動可能に設けたミラー支持体に反射ミラーを取り付けた真直度測定装置を示す図である。
【図3】筐体の走行距離の計測に光学式面内位置検出機構を設けた真直度測定装置を示す図である。
【図4】光学式面内位置検出機構の一例の断面図である。
【図5】反射ミラーを筐体に載置しない真直度測定装置を示す図である。
【図6】傾斜計としてペンタプリズムを使用した真直度測定装置を示す図である。
【図7】ペンタプリズムは筐体のピッチングがキャンセルされるという特性を示す図である。
【図8】ペンタプリズムからの出射光を反射体によって反射させる場合を示す図である。
【図9】傾斜計として電気式水準器を使用した真直度測定装置を示す図である。
【図10】前後の車軸の間隔を調整可能とした筐体を示す図である。
【図11】本発明の真直度測定装置を適用して算出された平面度を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・発光部、 2・・・受光部、
4・・・コリメートレンズ、 6・・・反射ミラー
8・・・タイヤ、 10・・・真直度測定装置、
11・・・筐体、 12・・・オートコリメータ、
13・・・解析用コンピュータ、 20・・・真直度測定装置、
21・・・ミラー支持体、 22・・・平板部、
23・・・接触端子、 24・・・スプリング、
30・・・真直度測定装置、 31・・・光学式面内位置検出機構、
32・・・光源、 33・・・レンズ・プリズム体、
34・・・画像センサ、 40・・・真直度測定装置、
50・・・真直度測定装置、 51・・・ペンタプリズム、
52・・・一方の入出射面、 53・・・反射面、
54・・・反射面、 55・・・他方の入出射面、
60・・・真直度測定装置、 61・・・電気式水準器、
63・・・振り子、 64・・・検出体、
65・・・近接センサ、 M・・・被測定物、
【技術分野】
【0001】
本発明は真直度測定装置、特に連続的で容易な測定を可能ならしめるための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に長尺物の真直度の測定にはオートコリメータが用いられることが多い。オートコリメータによる真直度測定は、測定対象物の上に反射ミラーを載せ、反射ミラーを支持する脚の間隔だけ反射ミラーの位置を変えながら、各位置における測定対象物表面の傾きを観察する。そして、得られた各位置での傾斜角を積分することにより真直度を算出するものである(非特許文献1を参照)。
【0003】
【非特許文献1】新版計量技術ハンドブック、コロナ社(1987)、637〜638頁、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような真直度測定装置によれば反射ミラーの位置を変えながらの測定は手動で行われるため、その作業には多大な時間と手間を要する。また、測定位置を所定位置に合わせるためには別途スケールを用意する必要もある。例えば直定規の作成は、真直度の測定と、その測定値を参照とする加工(ラッピング)との繰り返しにより行われるが、真直度の測定に多大な時間を要するために生産性が非常に悪い。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は真直度を効率よく測定することができる真直度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の請求項1に係る真直度測定装置は、自走可能な筐体と、筐体の走行距離を測定する走行距離計と、筐体の傾きを計測する傾斜計と、走行距離計の出力する走行距離および傾斜計の出力する傾きから走行ラインの真直度を算出する真直度算出器と、を備えたものであることを特徴とする。
このような真直度測定装置は測定機構を自走可能な筐体に搭載しているので、測定作業を簡易にし、かつ効率的にする。
【0007】
請求項1の真直度測定装置において、走行距離計は筐体に設置された車輪の回転数、或いは周速より算出するものであることが好適である。
このような真直度測定装置は自走用の車輪を走行距離計として兼用できる。
【0008】
また、請求項1の真直度測定装置において、走行距離計は筐体に搭載した光源からの光を被測定物に大きい入射角度で入射し、上方への反射光を画像センサで検出する位置検出機構によるものであってもよい。
このような真直度測定装置は車輪がタイヤであって、真円度に欠けるような場合においても、走行距離を正確に測定する。
【0009】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体とは別途設けられた発光部、受光部、およびコリメートレンズを有するオートコリメータと、筐体に載置された反射ミラーとを有し、オートコリメータの発光部からコリメートレンズを経て照射された光を反射ミラーで反射し、筐体の傾きに伴う帰還光がコリメートタレンズを経て受光部に至る系の発光位置と帰還光位置との変位を測定するものであることが好適である。
このような真直度測定装置はオートコリメータにおいて使用する反射ミラーを自走可能な筐体に載置していることから、真直度の測定を簡易化させる。
【0010】
上記の反射ミラーは筐体に対して揺動可能なミラー支持体に設置され、該ミラー支持体の下端部は筐体下に突出して被測定物に常に接しており、被測定物の傾斜をミラー支持体の揺動を介して反射ミラーの角度変化に変換するものであってもよい。
このような真直度測定装置は、車輪の真円度とは無関係に、ミラー支持体が常に被測定物に接しているので、車輪の真円度、すなわち筐体の傾斜とは無関係に被測定物の傾斜を忠実に捕捉する。
【0011】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体に載置されたオートコリメータ発光部と第1コリメートレンズ、および筐体とは別途に設けられた第2コリメートレンズとオートコリメータ受光部とからなり、発光部と受光部が水平な位置関係にある場合の受光位置を基準位置として、測定時における受光位置の基準位置からの変位を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置は反射ミラーを必要とせず、筐体の傾斜をそのまま被測定物の傾斜とすることができる。
【0012】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体とは別途に設けられた発光部および受光部を有するオートコリメータと、筐体に載置されたペンタプリズムとを有し、発光部から水平方向に照射される光がペンタプリズムの一方の入出射面に入射し、ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された光が被測定物で反射されてペンタプリズムの他方の入出射面へ入射し、一方の入出射面から出射する受光部へ帰還する帰還角度を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置はオートコリメータに変えてペンタプリズムを傾斜計として使用するものであり、ペンタプリズムへの水平な入射光は垂直な出射光となって被測定物に至って反射させることができ、筐体の傾斜とは無関係に被測定物の傾斜を忠実に捕捉するほか、筐体のピッチングをキャンセルする。
【0013】
上記のペンタプリズムは、上記他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された出射光が、筐体下に設けられ被測定物に常に接している反射体であり、被測定物の傾斜に応じて傾斜する反射体の上面によって反射され、ペンタプリズムを経由して受光部へ入射する帰還光の角度変化を測定するものであってもよい。
このような真直度測定装置は被測定物が反射性に劣る場合に好適である。
【0014】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、傾斜計は筐体に載置された電気式水準器であり、垂下された振り子の下端の検出体が該検出体の前後に設けられた2個の近接センサの何れかへの近接度から被測定物の傾斜角度を算出するものであってもよい。
このような真直度測定装置は、オートコリメータに変えて電気式水準器を傾斜計として使用するものであり、被測定物の傾斜をオートコリメータと同等以上の精度で検出することが可能である。
【0015】
請求項1の真直度測定装置において、走行距離を計測する車輪が前後の車軸の何れか一方に取り付けられた車輪であり、かつ筐体の傾斜によって被測定物の傾斜を計測する場合において、前後の車軸は間隔が変更可能とされていることが望ましい。
このような真直度測定装置は、車軸の間隔と被測定物の傾斜曲線のピッチが一致しており被測定物の傾斜が正確に測定されない場合において、車軸の間隔を変更することにより、被測定物の傾斜の測定が可能になる。
【0016】
そのほか、真直度測定装置によって平面を縦方向と横方向との格子状に、好ましくは更に放射状に真直度を測定し、得られる測定データを解析しスムージング処理し接続して平面形状を推定することができ、その推定された形状から平面度を求めることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明にかかる真直度測定装置によれば、測定対象物上を自走可能な筐体に自位置検出機構を設けたので、該筐体を走行させ、随時傾斜データを取得すれば、極めて効率よく真直度測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について説明する。
【0019】
<実施形態1>
図1は実施形態1の真直度測定装置10の構成を概略的に示す図である。この真直度測定装置10は、被測定物M上を自走可能であり反射ミラーを載置した筐体11と、筐体11とは別に設置されたオートコリメータ12と、筐体11の走行距離データ、及びオートコリメータ12からの傾斜データを処理し被測定物Mの真直度を算出する解析用コンピュータ13とを備えている。
【0020】
筐体11は、その底面側に設けられたタイヤ8a、8bを有し、タイヤ8bの回転が不図示のカウンタから解析用コンピュータ13に入力されて走行距離が求められ、その走行距離から被測定物M上における筐体11の位置が算出される。
【0021】
オートコリメータ12は発光部1と受光部2、およびコリメートレンズ4とを有しており、発光部1の発光位置P1から発光され,コリメートレンズ4で平行化された光は、筐体11内に固定された反射ミラー6で反射され、その反射光はコリメートレンズ4を経て受光部2に帰還して受光されるが、被測定物Mの傾斜によって筐体11が傾斜すると反射ミラー6も傾斜することから、受光部2における帰還光の位置P2は発光部1における発光位置P1と変位する。その変位は解析用コンピュータ13に入力されて、反射ミラー6が存在する位置、すなわち筐体11が存在する位置における傾斜角度が算出される。
【0022】
上記のような測定が、筐体11を走行させて、タイヤ8aとタイヤ8bとの間隔毎に繰り返され、それらの計測結果である被測定物Mの真直度が解析用コンピュータ13のモニタに表示される。
【0023】
<実施形態2>
上記の真直度測定装置10は、タイヤ8a、タイヤ8bが真円度に劣るものであると、被測定物Mの真直度とは無関係に反射ミラー6が傾斜するという欠点がある。そのような欠点を克服するものが次の実施形態2に示す真直度測定装置20である。
【0024】
図2は実施形態2の真直度測定装置20の構成を概略的に示す図である。なお、図1に示した解析用コンピュータ13の図示は省略している。なお、解析用コンピュータ13の図示の省略は以降の図においても同様である。そして実施形態2の真直度測定装置20の構成要素において、図1の真直度測定装置10の構成要素と同一のものには同じ符号を付しているので、それらの説明は省略する。実施形態2の真直度測定装置20が実施形態1の真直度測定装置10と異なるところは、反射ミラー6が筐体11に固定されずに、筐体11に揺動可能に設けたミラー支持体21に取り付けられていることにある。
【0025】
そのミラー支持体21の取り付けを詳しく説明するに、筐体11下に突出されているミラー支持体21の下端に設けられた平板部22の上面と筐体11の底面との間にはスプリング24が介装されている。すなわち、平板部22の下面の接触端子23はスプリング24によって押圧されており, 筐体11の停止中は勿論、走行中も常に被測定物Mの面と接触しているように構成されている。
【0026】
上記のように構成されており、被測定物Mの面の傾斜はミラー支持体61の揺動を介して反射ミラー6の傾斜に変換されるので、タイヤ8a、タイヤ8bが真円度に劣るものであっても、それに影響されることはなく、換言すれば、筐体11の傾斜とは無関係に被測定物Mの真直度が計測されるようになっている。
【0027】
<実施形態3>
図3は図1の真直度測定装置10における走行距離を計測するためのタイヤ8bに替えて、光学式面内位置検出機構31を使用した真直度測定装置30の構成を概略的に示す図である。光学式面内位置検出機構31以外の構成要素は図1の構成要素と同様であるから、それらには同一の符号を付して説明は省略した。
【0028】
光学式面内位置検出機構31はパソコンで使用される光学式マウスと同様な原理に基づくものであり、図4は光学式面内位置検出機構31の一例を示す断面図である。光源32からの光がレンズ・プリズム体33によって屈曲され被測定物Mに大きい入射角度αで入射点Qへ入射される。そして入射点Qから直上への反射光がレンズ・プリズム体33のレンズを経て所定の画素数、解像度の画像センサ34に至り、入射点Pおよびその周辺部の画像が認識される。入射角度が大きいので、入射点Qおよびその周辺部の凹凸は長い影の像に強調されて認識される。画像センサ34は例えば1秒間に2000回以上で画像を捉えるので、一定の速度で移動する画像センサ34の画像には新旧の画像の共通点が存在し、新旧の画像を比較することにより光学式面内位置検出機構31の移動距離を把握することができる。
【0029】
<実施形態4>
図5は、反射ミラー6を筐体11に載置しない真直度測定装置40を示す断面図である。図1の真直度測定装置10と異なるところは筐体11に発光部1と第1コリメートレンズ6aとが載置され、筐体11とは別に受光部2と第2コリメートレンズ6bが設けられていることにある。被測定物Mが傾斜している場合、筐体11内の発光部1からの光は第1コリメートレンズ6aで平行光とされ、第2コリメートレンズ6bで絞られて受光部2の受光位置Q2で受光される。これに対し、被測定物Mが水平である場合には、発光部1からの一点鎖線で示す光は第1コリメートレンズ6a、第2コリメートレンズ6bを経て受光部2の受光位置Q1に受光される。すなわち、被測定物Mが傾斜している場合の受光位置Q2の受光位置Q1からの変位の大きさによって被測定物Mの傾斜の度合いが算出される。
【0030】
<実施形態5>
図6は傾斜計として例えば図1に示したオートコリメータ12に替えてペンタプリズム51を使用した真直度測定装置50を示す断面図である。すなわち、真直度測定装置50はペンタプリズム51を載置した自走可能な筐体11と、筐体11とは別体の発光部1と受光部2とを備えたオートコリメータ12とからなる。
【0031】
図6の左側の水平な筐体11に載置されているペンタプリズム51は、図6に示すように、発光部1からペンタプリズム51の一方の入出射面52へ水平方向に入射される光はペンタプリズム51の反射面53、54で順に反射され、入射光とは直角な垂直方向に偏光されて、他方の入出射面55から出射されて被測定物Mに至って反射される。その反射光は、再び他方の入出射面55からペンタプリズム51へ入射され、反射面54、53で反射されて、一方の入出射面52から出射され、水平線とは角度β1をなす光となって受光部2で受光される。
【0032】
これに対し、図6の右側に示す傾斜した筐体11の場合、同様に、発光部1からの光は一方の入出射面52から入射され、反射面53、54で反射され、同じく垂直方向に偏光されて被測定物Mに至って反射される。その反射光は再び他方の入出射面55から入射され、反射面54、53で反射されて、一方の入出射面52から出射されるが、筐体11と共にペンタプリズム51が傾斜していることにより、帰還光は水平線とは角度β2をなす光となって受光部2で受光される。このように帰還光の帰還角度の変化から被測定物Mの傾斜角度が求められる。
【0033】
上記したように、また図7に示すようにペンタプリズム51は被測定物Mの傾斜によって回転して水平面の角度が変わっても他方の入出射面55から垂直方向に出射されることから筐体11のピッチングがキャンセルされるという特性を有する。また図6ではペンタプリズム51から垂直方向に下方へ出射される光を被測定物Mで反射させる場合を説明したが、図8に示すように、筐体1の底面にスプリング57を介して反射体58を設け、常に接触端子59が被測定物Mと接触している反射体58の上面で反射させるようにしてもよい。被測定物Mの反射性が充分でない場合に好適である。
【0034】
<実施形態6>
図9は傾斜計として電気式水準器61を使用した真直度測定装置60を示す断面図である。電気式水準器61は筐体11に設置された箱62の天井部から垂下された振り子63の前後に近接センサ65a、65bを配置したものであり、振り子63の下端の金属からなる検出体64が近接センサ65a、65bの何れに接近しているかによって筐体11の傾斜、すなわち被測定物Mの傾斜を計測するものである。近接センサとしては高周波発振型、磁石型、静電容量型など各種のものを使用し得るが、一般的には高周波発振型が使用される。
【0035】
高周波発振型の近接センサを説明すれば、近接センサ65a、65bに高周波磁界を発生させる検出コイルが設けられており、振り子63の検出体64が近接すると、検出体64に渦電流が発生し、その電流によって検出コイルのインピーダンスが変化することを利用するものである。
【0036】
なお、筐体11の傾斜によって被測定物Mの傾斜を求める手法では、被測定物Mの傾斜が正弦波状であって、その周期が図9に示す筐体11の前後の車軸間隔と同じである場合には、筐体11の傾斜によって被測定物Mの傾斜を求めることはできない。従って筐体11は、図10A、図10B、図10Cに示すように、車軸間隔をl1、l2、l3の如く調整可能としたものであることが好ましい。なお、図6に示したように、傾斜計としてペンタプリズム51を使用し、被測定物Mに直接に光を入射させ、その反射光から被測定物Mの傾斜を求める場合や、図2に示したように、常に被測定物Mに接触している反射ミラー支持体21の平板部22の傾斜によって反射ミラー6を傾斜させる場合など、被測定物Mの傾斜を直接に計測する場合は車軸間隔の調整は不要である。
【0037】
<実施形態7>
図11は定盤の平面度の測定に本発明の真直度測定装置を適用した場合を説明する図である。図11Aは広い面積を有する定盤に対して、実施形態1から実施形態6までの何れかの真直度測定装置を適用して、平面を縦横の格子状に、更に放射状(対角方向)に真直度を測定して平面度を求める場合を示す。得られた真直度の測定データの傾斜角に自由度を与え、これらの全てに対して滑らかな曲面が得られるように曲面関数(例えば、2次元のスプライン関数、多項式、ないしはフーリエ関数など)を適用することにより測定面の形状を算出することができる。図11Bは算出された形状であり、この算出形状から平面度を求めることができる。
【0038】
平面度を測定するには真直度を格子状に、更に放射状に測定することを要し、真直度の測定に比して測定回数が多大になるが、本発明の自走可能は筐体11を使用する真直度測定装置を利用すれば、平面度の測定は大幅に簡易化される。
【0039】
なお、上記の実施形態では筐体11自体が走行可能であるものとして説明したが、筐体11が自走可能な駆動車に牽引されて走行するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の真直度測定装置は定盤や直定規における真直度の測定に限らず、円筒体の円筒母線、円筒体の軸心線、テーパ状物体のテーパ母線の真直度測定に使用されるほか、定盤などの平面度の測定にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】被測定物上を自走可能な筐体にオートコリメータの反射ミラーを載置した真直度測定装置を示す図である。
【図2】筐体に揺動可能に設けたミラー支持体に反射ミラーを取り付けた真直度測定装置を示す図である。
【図3】筐体の走行距離の計測に光学式面内位置検出機構を設けた真直度測定装置を示す図である。
【図4】光学式面内位置検出機構の一例の断面図である。
【図5】反射ミラーを筐体に載置しない真直度測定装置を示す図である。
【図6】傾斜計としてペンタプリズムを使用した真直度測定装置を示す図である。
【図7】ペンタプリズムは筐体のピッチングがキャンセルされるという特性を示す図である。
【図8】ペンタプリズムからの出射光を反射体によって反射させる場合を示す図である。
【図9】傾斜計として電気式水準器を使用した真直度測定装置を示す図である。
【図10】前後の車軸の間隔を調整可能とした筐体を示す図である。
【図11】本発明の真直度測定装置を適用して算出された平面度を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・発光部、 2・・・受光部、
4・・・コリメートレンズ、 6・・・反射ミラー
8・・・タイヤ、 10・・・真直度測定装置、
11・・・筐体、 12・・・オートコリメータ、
13・・・解析用コンピュータ、 20・・・真直度測定装置、
21・・・ミラー支持体、 22・・・平板部、
23・・・接触端子、 24・・・スプリング、
30・・・真直度測定装置、 31・・・光学式面内位置検出機構、
32・・・光源、 33・・・レンズ・プリズム体、
34・・・画像センサ、 40・・・真直度測定装置、
50・・・真直度測定装置、 51・・・ペンタプリズム、
52・・・一方の入出射面、 53・・・反射面、
54・・・反射面、 55・・・他方の入出射面、
60・・・真直度測定装置、 61・・・電気式水準器、
63・・・振り子、 64・・・検出体、
65・・・近接センサ、 M・・・被測定物、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な筐体と、
前記筐体の走行距離を測定する走行距離計と、
前記筐体の傾きを計測する傾斜計と、
前記走行距離計の出力する走行距離および前記傾斜計の出力する傾きから走行ラインの真直度を算出する真直度算出器と、を備えたことを特徴とする真直度測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
前記走行距離計は、前記筐体に設置された車輪の回転数、或いは周速より算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
前記走行距離計は、筐体に搭載した光源からの光を被測定物に大きい入射角度で入射し、上方への反射光を画像センサで検出する位置検出機構によって算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体とは別途設けられた発光部、受光部、およびコリメータレンズを有するオートコリメータと、前記筐体に載置された反射ミラーとを有し、前記オートコリメータの発光部からコリメータレンズを経て照射された光を前記反射ミラーで反射し、前記筐体の傾きに伴う帰還光が前記コリメータレンズを経て受光部に至る系の発光位置と受光位置の変位を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の真直度測定装置において、
前記反射ミラーは、前記筐体に対して揺動可能なミラー支持体に設置され、該ミラー支持体の下端部は前記筐体下に突出して前記被測定物に常に接しており、前記被測定物の傾斜をミラー支持体の揺動を介して反射ミラーの角度変化に変換することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体に載置されたオートコリメータ発光部と第1コリメートレンズ、および前記筐体とは別途に設けられた第2コリメートレンズとオートコリメータ受光部とからなり、前記発光部と前記受光部が水平な位置関係にある場合の受光位置を基準位置として、測定時における受光位置の前記基準位置からの変位を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体とは別途に設けられた発光部および受光部を有するオートコリメータと、前記筐体に載置されたペンタプリズムとを有し、前記発光部から水平方向に照射される光が前記ペンタプリズムの一方の入出射面に入射し、前記ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された光が前記被測定物で反射されて前記ペンタプリズムの前記他方の入出射面へ入射し、前記一方の入出射面から出射して前記受光部へ帰還する帰還角度の変化を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の真直度測定装置において、
前記ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された出射光が、前記筐体下に設けられて前記被測定物に常に接しており、前記被測定物の傾斜に応じて傾斜する反射体の上面によって反射され、前記ペンタプリズムを経由して前記受光部へ入射する帰還角度を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体に載置された電気式水準器であり、垂下された振り子の下端の検出体が、該検出体の前後に設けられた2個の近接センサの何れかへの近接度から前記被測定物の傾斜角度を算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項10】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
走行距離を計測する前記車輪が前後の車軸の何れか一方に取り付けられた車輪であり、かつ前記筐体の傾斜によって前記被測定物の傾斜を計測する場合において、前記前後の車軸は間隔が変更可能とされていることを特徴とする真直度測定装置。
【請求項11】
真直度測定装置によって平面を縦方向と横方向との格子状に、好ましくは更に放射状に真直度を測定し、得られる測定データを解析しスムージング処理して接続することを特徴とする平面度測定方法。
【請求項1】
自走可能な筐体と、
前記筐体の走行距離を測定する走行距離計と、
前記筐体の傾きを計測する傾斜計と、
前記走行距離計の出力する走行距離および前記傾斜計の出力する傾きから走行ラインの真直度を算出する真直度算出器と、を備えたことを特徴とする真直度測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
前記走行距離計は、前記筐体に設置された車輪の回転数、或いは周速より算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
前記走行距離計は、筐体に搭載した光源からの光を被測定物に大きい入射角度で入射し、上方への反射光を画像センサで検出する位置検出機構によって算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体とは別途設けられた発光部、受光部、およびコリメータレンズを有するオートコリメータと、前記筐体に載置された反射ミラーとを有し、前記オートコリメータの発光部からコリメータレンズを経て照射された光を前記反射ミラーで反射し、前記筐体の傾きに伴う帰還光が前記コリメータレンズを経て受光部に至る系の発光位置と受光位置の変位を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の真直度測定装置において、
前記反射ミラーは、前記筐体に対して揺動可能なミラー支持体に設置され、該ミラー支持体の下端部は前記筐体下に突出して前記被測定物に常に接しており、前記被測定物の傾斜をミラー支持体の揺動を介して反射ミラーの角度変化に変換することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体に載置されたオートコリメータ発光部と第1コリメートレンズ、および前記筐体とは別途に設けられた第2コリメートレンズとオートコリメータ受光部とからなり、前記発光部と前記受光部が水平な位置関係にある場合の受光位置を基準位置として、測定時における受光位置の前記基準位置からの変位を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体とは別途に設けられた発光部および受光部を有するオートコリメータと、前記筐体に載置されたペンタプリズムとを有し、前記発光部から水平方向に照射される光が前記ペンタプリズムの一方の入出射面に入射し、前記ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された光が前記被測定物で反射されて前記ペンタプリズムの前記他方の入出射面へ入射し、前記一方の入出射面から出射して前記受光部へ帰還する帰還角度の変化を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の真直度測定装置において、
前記ペンタプリズムの他方の入出射面から出射する垂直方向に偏光された出射光が、前記筐体下に設けられて前記被測定物に常に接しており、前記被測定物の傾斜に応じて傾斜する反射体の上面によって反射され、前記ペンタプリズムを経由して前記受光部へ入射する帰還角度を測定することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の真直度測定装置において、
前記傾斜計は、前記筐体に載置された電気式水準器であり、垂下された振り子の下端の検出体が、該検出体の前後に設けられた2個の近接センサの何れかへの近接度から前記被測定物の傾斜角度を算出することを特徴とする真直度測定装置。
【請求項10】
請求項1に記載の真直度測定装置において、
走行距離を計測する前記車輪が前後の車軸の何れか一方に取り付けられた車輪であり、かつ前記筐体の傾斜によって前記被測定物の傾斜を計測する場合において、前記前後の車軸は間隔が変更可能とされていることを特徴とする真直度測定装置。
【請求項11】
真直度測定装置によって平面を縦方向と横方向との格子状に、好ましくは更に放射状に真直度を測定し、得られる測定データを解析しスムージング処理して接続することを特徴とする平面度測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【公開番号】特開2009−300180(P2009−300180A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153250(P2008−153250)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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