説明

真空システムにおけるノイズ低減のための装置

本発明は、搬送物質の輸送動作を適応させる装置に関し、該装置は、第1の圧力レベルに繋ぐことが可能な第1容器と、第2の圧力レベルに繋ぐことが可能な第2容器と、第1容器から第2容器まで搬送物質を輸送するための接続ラインと、減圧装置であって、該装置を用いることで、第1容器と第2容器との間の圧力差を制御可能に可変的とする減圧装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年3月23日に提出した独国特許出願第10 2005 013 566.8号及び2005年3月23日に提出した米国特許仮出願第60/664,329号の出願日の利益を請求し、その開示内容をここに参照として援用する。
【0002】
本発明は、搬送物質の輸送動作を適応させる装置及び方法と、移動手段、そして航空機における搬送物質の輸送動作を適応させる装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
用語「真空システム」は、特別な空圧式搬送装置をいう。一般的に言えば、そのような搬送装置では、搬送物質に圧力差を与えることで輸送が行われ、つまり搬送物質は、圧力差の結果として生じる流体中で運ばれ、通常は空気が搬送用媒体として使用される。
【0004】
特に航空機では、真空システムが、キャビンからの廃棄物の輸送、例えばトイレ又は調理室から中央収集タンクまでの廃棄物の輸送に用いられる。この装置では、搬送物質が、パイプラインのネットワークによって収集タンクに運ばれる。キャビン圧に対して収集タンクを負圧にすることで、必要な圧力差が与えられる。
【0005】
加圧キャビンを有する航空機において、キャビンと周囲環境との間の圧力差を直接的に利用して、空圧式搬送用の負圧を発生させる。この圧力差が十分でない場合、例えばタールマック(路)上又は低空では、必要な圧力差を圧縮機で発生させる。
【0006】
航空機システムの空圧式搬送システムを用いたトイレの場合、大きなノイズレベルを生じることが多い。このノイズには、キャビンにいる乗客でさえも気付き、乗客は不快と認知する。
【0007】
送り込み位置でのノイズレベルを減らすための従来の手段は、ノイズを抑えるために、水を流すフラッシュ動作を行う前に搬送システムの蓋を閉じることである。更にまた、特定の看板を用いて、乗客が、例えばトイレ蓋を閉じるといったノイズ低減措置をとるように、乗客に指示を与える試みがなされる。これまで、搬送物質の運動エネルギーについては、タンク入口の保護装置を用いてタンクへの入口にて低減してきたが、これは損傷及び磨耗を防止するためである。
【0008】
しかしながら、上記のノイズ低減措置は今まで、ある程度の成功を収めたものの、乗客の快適さについての効果的な改善を伴うものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
搬送物質を輸送するための空圧式システムにおいて、ノイズ発生量を低減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、独立請求項に従って、搬送物質の輸送動作を適応させる装置及び方法と、移動手段と、航空機における、搬送物質の輸送動作を適応させる装置の使用法が提供される。
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、搬送物質の輸送動作を適応させるための装置が設けられる。本装置は、第1の圧力レベルに繋ぐことが可能な少なくとも1つの第1容器と、第2の圧力レベルに繋ぐことが可能な少なくとも1つの第2容器と、1つ以上の第1容器から1つ以上の第2容器まで搬送物質を輸送するための接続ラインと、を備える。更に、本装置は減圧装置を備え、該装置を用いて、1つ以上の第1容器と1つ以上の第2容器との間の圧力差が制御可能に可変的とされる。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、搬送物質の輸送動作を適応させる方法が得られる。本方法では、少なくとも1つの第1容器を第1の圧力レベルに繋ぎ、少なくとも1つの第2容器を第2の圧力レベルに繋いで、搬送物質を1つ以上の第1容器から1つ以上の第2容器まで輸送する。更に、1つ以上の第1容器と1つ以上の第2容器との間の圧力差を変化させる減圧装置を制御する。
【0013】
本発明の更に別の例示的な実施形態によれば、上記特徴をもった装置を有する移動手段が得られる。本発明の更に別の例示的な実施形態によれば、上記特徴をもった、搬送物質の輸送動作を適応させる装置が、航空機において使用される。
【0014】
本発明の一実施形態によると、使用者(例えば、航空機の乗客)がノイズレベルを嫌悪的に認知しない程度にまで、搬送動作中のノイズレベルを減らすことができる。本発明の実施形態による装置及び方法を用いることで、ノイズの低減が、特に航空機に関する限り、経済的で軽量な解決策によって可能となる。更に、圧力差、従って輸送速度を適応させることで、流体が減速されるため、搬送物質の運動エネルギーに起因する損傷が低減される。航空機の重量を最低限に保つことは、非常に特別な目的である。
【0015】
本発明の一実施形態による装置では、減圧装置が、空圧式搬送システムに設けられ、該装置を用いて、2つの容器間の圧力差が所期の方法で制御され、特にこの圧力差を低減でき、輸送特性が規定された方法で影響を受け、特に輸送速度が減衰し、その結果、ノイズ発生量が大幅に低減される。
【0016】
空気が搬送物質を運ぶ送り込み位置における、該空気の速度については、パイプシステムの受け入れタンクの位置と収集タンクの圧力に大きく左右される。同時に、この空気速度は、発生するノイズを決定する。圧力差の減少によって、発生するノイズを効果的に低減できる。巡航高度において内部のキャビン圧力と外部の周囲圧力との圧力差が大きくなると(従来のシステムではこの圧力差が、著しい速度を流体にもたらす)、送り込み位置での発生ノイズが著しく低減するように、この圧力差を所期の方法で低減できる。
【0017】
流体速度が減少することにより、特に受け入れ容器における容器壁での損傷を効果的に回避でき、その理由は、搬送物質が、流体速度の減少に従って減少した運動エネルギーでもって容器壁に当たるからである。
【0018】
送り込み位置で生じるノイズレベル及び搬送物質の運動エネルギーについては、搬送システムの圧力差に影響を与えてこれを適応させることで減少させるように実現できる。
【0019】
別の例示的な実施形態では、減圧装置が、第1容器と第2の圧力レベルとの間にある1つ以上の換気装置を備える。これにより、圧力差を一定に保ち、あるいは、第2容器の圧力が増加する際の、如何なる過剰な圧力差も補償できるようになる。この換気装置は、調節可能とされるか又は無調節であるように、任意選択的に設計できる。更に、換気装置は、ノイズ低減装置、特に消音装置を備えることができ、これはキャビンから入るノイズを低減するためである。例示的な実施形態では、換気装置を、第2容器と第2の圧力レベルとの間に設置でき、該換気装置については、搬送物質が第2の圧力レベルから第2容器へと戻る方向に流れることができるように制御可能である。別の例示的な実施形態において、減圧装置は、第1容器と第2の圧力レベルとの間にある1つ以上のスロットル要素を備え、該スロットル要素は調節可能とされるか又は無調節であるように設計できる。このスロットル要素は、流体の速度を調節し、つまり低減させることができ、換気装置と第2の圧力レベルとの間に設置できるが、その目的は、その場所での流入速度を減少させることにある。これに代わって、スロットル要素は、流体が周囲へと流出する速度を減少させるために、第2容器と第2の圧力レベルとの間に位置することができる。
【0020】
別の例示的な実施形態において、装置は、第2の圧力レベルと第2容器との間にある圧縮機要素を備えるが、これは第2容器に負圧を発生させるためであり、その結果、第2の圧力レベルが高い場合であっても、第1容器と第2容器との間に圧力差が生じ、例えば、第2容器の圧力が低くなる。圧縮機要素と並列に、追加的な選択肢として調節可能な又は無調節のスロットル要素を平行な分岐にて設置する場合があり、これは、圧力低減の結果として圧縮機の動作に影響を与えないためであり、換言すればスロットル(絞り)作用が生じないようにするためである。
【0021】
別の例示的な実施形態において、逆止弁又はチェック弁が、第2の圧力レベルと第2容器との間の接続ラインに取り付けられ、これは、流体が第2の圧力レベルから第2容器に流れ込まないように防止するためである。また、逆止弁は、圧縮機に対して並列に設置でき、更には、逆止弁が、統合化されたスロットル装置を成してもよい。
【0022】
別の例示的な実施形態では、セパレータが、流体から搬送物質を分離するために第2容器と圧力レベルとの間に設置される。別の例示的な実施形態において、第1容器は作動弁によって接続ラインに接続され、この作動弁が作動した後で、搬送物の輸送を開始し又は停止することができる。
【0023】
別の例示的な実施形態では、ノイズ低減装置が設けられ、該装置は特に、第1容器に設置される。
【0024】
別の例示的な実施形態において、入口保護装置が第2容器に付設されるが、これは、搬送物質が第2容器に入るときに、該搬送物質の運動エネルギーを減少させるためである。
【0025】
別の例示的な実施形態において、減圧装置は、第2の圧力レベルと第2容器との間で、統合したスロットル機能及び換気機能を有する少なくとも1つの構成要素を備える。
【0026】
本発明の例示的な一実施形態によれば、緊急時に、換気装置が基本的に、如何なる補助的エネルギーをも要することなく閉じるか、及び/又は、スロットル要素が基本的に、如何なる補助的エネルギーをも要することなく開く。
【0027】
方法に係る別の例示的な実施形態によれば、換気装置及び/又はスロットル要素を制御するために、第1容器と第2容器との間の圧力差が、コマンド変数として使われる。方法に係る別の例示的な実施形態では、換気装置を制御するためのコマンド変数及び/又はスロットル要素を制御するためのコマンド変数を、第1容器及び/又は第2容器の位置に応じて設定できる。
【0028】
方法に係る別の例示的な実施形態によれば、圧縮機要素及び換気装置は、搬送物質を運搬する前又は後で、時間的なオフセットをもって圧力を変化させ、圧力を設定できる。
【0029】
方法に係る例示的な一実施形態によれば、換気装置及び/又はスロットル要素を制御して調節するために、センサデータ、例えば、キャビン圧、周囲圧力、第2容器の圧力及び充填レベル、飛行高度又は温度を使用できる。これらのデータにより、真空システムを診断することが可能となる。例えば、空気のみを含むフラッシュ動作によって、そして、その結果として生じるタンク圧の勾配を測定することによって、圧力損失についての目標値を実際値と比較でき、こうして、如何なる故障をも確実かつ迅速に検出できる。
【0030】
また、装置の設計については方法や移動手段、それらの使用方法にも当てはまり、その逆の場合も同様である。
【0031】
上記の装置及び方法は、輸送される搬送物質についての有効なノイズ低減をもたらし、よって、例えば、乗客の快適さが大幅に向上する。運動エネルギーについては、制御可能な圧力比を用いて最適に設定でき、この最適設定の結果として、損傷及びノイズが防止され又は低減される。更に、この装置は重量において極めて軽く、実施する上で経済的である。
【0032】
本発明による移動手段については、例えば航空機、鉄道車両、トラック、乗用自動車、キャラバン(移動家屋)、ボート若しくは船、又は飛行船とすることができる。
【0033】
以下では、本発明を更に説明するために、そして本発明をより深く理解するために、本発明に係る幾つかの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
各図における同一又は同様の構成要素については、同じ参照符号をもつ。
【0035】
なお、図の具体例は概略的なものであって、正確な縮尺ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1は、加圧キャビンを有する航空機用の真空システムの装置構成を示す。いずれの場合においても、搬送物質2を収容する第1容器3は、作動弁4を用いて、中央の第2容器7に通じる接続ライン5に繋がっている。第2容器7への入口には、特別なタンク入口保護装置6があり、これは特に、第2容器7を保護するために、搬送物質2の運動エネルギーを低減させるように設計される。収集タンク7は、別の接続ライン11を用いて、タンク戻り部を含むセパレータ10を経由し、そして、圧縮機要素12を経由することで、第2の圧力レベル14へと繋がり、ここで、航空機の外部環境と通じる。圧縮機要素12と並列に、逆止弁13が配置されている。
【0037】
第1の圧力レベル1(送り込み位置3での周囲圧力、例えばキャビン圧)と第2の圧力レベルとの間の圧力差、すなわちキャビン1と外部環境14との間の圧力差が十分でない場合に、システムは圧縮機要素12を用いて動作する(動作モードI)。こうして、フラッシュ動作が要請されるときまでに、圧縮機要素12の動作が始まる。少なくとも作動弁4が開くまでの数秒間に、負圧が第2容器7において既に発生している。このように、フラッシュ弁4が開くと直ちに、タンクへの搬送物質2の運搬が始まる。作動弁4が再び閉じるまでの間、圧縮機要素12が動作し続けることで、連続した搬送のためにタンク7の負圧が維持される。セパレータ10は、如何なる搬送物質2をも、収集容器7から逃がさないように防止し、圧縮機要素12及び環境14を汚染から保護する。逆止弁13は、この動作モードにおいて閉じたままである。
【0038】
キャビン1と環境14との間に充分な圧力差をもった他の動作モードIIでは、圧縮機要素12が停止したままである。作動弁4が閉じると、タンク7は航空機外の環境14と同じ低圧下におかれる。フラッシュ弁4が開いている場合、逆止弁13を経由して空気が流出するため、タンク7の負圧が維持される。
【0039】
これまで、圧縮機要素12は殆どの場合、航空機が地上にいるときに、適正な搬送動作を提供するために設計されてきた。逆止弁は、小さな圧力差でも完全に開くことができ、これを通る気流は最小の圧力損失をもって生じる。セパレータ10の下流には、無調節のスロットル装置15aが、搬送動作を容易に適応させるために設けられている。しかしながら、一般的に言って、この絞り位置が、あらゆる適用形態について最適とみなされる訳ではなく、その理由は、費用をかけて生成した圧力差の一部が、圧縮機要素12の動作中に低下するからである。
【0040】
図2では、搬送物質2の送り込み位置においてノイズを低減させるために、好ましくは動作モードIIにおいて駆動用の圧力差を、フラッシュ動作に必要な程度にまで制限するようにした、別の装置構成が提供される。
【0041】
信頼性の高い動作のためには、この設計ポイントが、圧縮機動作を伴う挙動を上回ることが望ましい。このことは、巡航高度(通常、最大の圧力差が発生する)でノイズを減らすための未だ充分な可能性を残す。殆どの場合、この状態は、航空機の真空システムが使用される主要な時間を占めているので、上記のことは特に妥当である。
【0042】
基本的に、収集タンク7内の空気体積9によって、フラッシュ動作中、第2容器7における非定常の圧力勾配が生じる。よって、殆どの時間、収集タンク7の圧力は、定常状態に達するまでの間、増加する。この圧力増加については、定常状態において9から14まで流動損失によって判断される。キャビン1と収集タンク7との間の圧力差は、これに対応した空気の流入速度の時間的変化、延いては第1容器3で生じるノイズレベルの時間的変化をもたらす。
【0043】
ノイズの発生を制限するためには、1から7にかけての基本的に一定の圧力差を保証する必要がある。一般的に言えば、図2に示す付加的な換気弁16a乃至16dによって、フラッシュ動作の前や、その最中及びその後において、この作業を処理できる。しかしながら、これについては、接続ライン5又は11又はタンク7と換気弁16a乃至16dとの間における高速の流れ又は大量の流れと関係する。これは、換気弁16a乃至16dの下流で、調節可能なスロットル弁17a又は17bを更に用いて補償できる。スロットル弁15、17をそのまま用いる場合に、その影響はフラッシュ過程の継続期間中に限られる。
【0044】
タンク中の空気体積9が大きいほど、最初のタンク圧がフラッシュ過程に与える影響は、より大きくなる。この場合、定常状態は、フラッシュ弁4をかなり長時間に亘って開けた後にのみ生じることになる(図3参照)。よって、この場合には、換気が決定的な重要性をもつ。
【0045】
小さな第2容器7を用いる場合には、空気体積9が小さい。よって換気弁16a乃至16dをなくすことができる。少数の接続された受け入れ容器3であって、これがタンク7から同様の距離をもって設置される場合には、例えば位置15bに、無調節のスロットル要素を設けることができる。この位置では、圧縮機要素12の動作は、減少による影響を受けない。圧縮機要素12の動作を伴わない低空での搬送能力、すなわち小さな圧力差における減少した搬送能力については、必要であれば圧縮機動作を延長することで補償できる。なお、この境界領域でのシステムの使用は、典型的な適用状況を示すものではない。
【0046】
原則として、作動弁16は、16a乃至16dの位置に取り付けることができる。フラッシュ動作の要請直後に、作動弁16は、フラッシュ弁4が開くまでの間、必要なタンク圧に設定する。この手順は、圧縮機要素12の動作中の排出段階とは対をなすものとして解釈できる。その後、例えば、スロットル弁は、フラッシュ動作中、位置17a又は17bでのタンク圧を一定に保つ。
【0047】
1乃至9での圧力損失は、接続ライン5の長さ及び勾配に依存するので、圧力差の設定を、第1容器3の位置に応じて行う必要がある。こうして、収集タンク7から異なる距離をもった複数の受け入れ容器3についての、非常に異なる輸送動作を均一化できる。
【0048】
故障の際、換気弁16が完全に閉じた状態をとるのに対して、調節可能なスロットル弁17は全開の状態をとる必要があり、この両者において、如何なる補助的なエネルギーも伴わない。こうして、システムは機能を維持する。
【0049】
また、位置16d及び17aにおいて、換気機能及び絞り機能を組み合せて1つの部品にすることも本発明の対象である。
【0050】
調節に関する限り、航空機システムにおいて直ぐにも利用可能な、データへのアクセス、例えばキャビン圧、周囲圧力、及び(タンク内の空気体積を調べるための)タンク充填レベル等のデータへのアクセスが考えられる。更に、2つの絶対圧センサに基づいて充填レベルを調べることによって、タンク7内の圧力に関する情報が直接与えられる。追加的なセンサの使用については、適切なシステムの連携によって最小限に抑えられる。空気のみを含むフラッシュ動作についての、調節上の偏差から、領域1乃至9及び領域9乃至14において起こり得る障害に関する情報を得ることができる。また、この診断機能は従来の真空システムに適用することもできる。
【0051】
なお、「備える」という語は、その他の要素又はステップを排除せず、また、「1つの」は、複数を排除しないことを指摘しておく。更に指摘すべきことは、前記実施形態の1つを参照して述べた特徴又はステップを、他の前述の実施形態の異なる特徴又はステップと組み合わせて使用できることである。
【0052】
請求項における参照符号が、請求項の範囲を限定するものと解すべきでないことにも注意を要する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の例示的な実施形態による真空システムを示す概略図である。
【図2】通気速度を調節するための変形例に係る本発明の他の例示的な実施形態による真空システムを示す概略図である。
【図3】タンク内の空気体積の大きさに応じて、換気及び絞りが、送り込み位置での輸送速度及びノイズレベルに与える影響を示すダイヤグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物質(2)の輸送動作を適応させるための装置であって、
第1の圧力レベル(1)に繋ぐことが可能な1つ以上の第1容器(3)と、
第2の圧力レベル(14)に繋ぐことが可能な1つ以上の第2容器(7)と、
1つ以上の前記第1容器から、1つ以上の前記第2容器(7)まで搬送物質を輸送するための接続ライン(5、11)と、
減圧装置(15、16、17)であって、該装置を用いて、1つ以上の前記第1容器(3)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の圧力差を制御可能に可変的とする減圧装置と、
前記第1の圧力レベル(1)と前記第2の圧力レベル(14)との間の圧力差が、前記搬送物質(2)の輸送に十分でない場合、1つ以上の前記第2容器(7)に負圧を発生させるために、前記第2の圧力レベル(14)と1つ以上の前記第2容器(7)との間にある圧縮機要素(12)と、を備えた装置。
【請求項2】
前記減圧装置が、1つ以上の前記第1容器(3)と前記第2の圧力レベル(14)との間にある少なくとも1つの換気装置(16a乃至16d)を備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
1つ以上の前記換気装置(16a乃至16d)が、調節可能とされるか又は無調節に設計された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記換気装置(16a乃至16d)が、ノイズ低減装置、特に消音装置を備えた、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記減圧装置が、1つ以上の前記第1容器(3)と前記第2の圧力レベルとの間にある、少なくとも1つのスロットル要素(15a、15b)を備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
1つ以上の前記スロットル要素(15a、15b)が、調節可能とされるか又は無調節に設計された、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのスロットル要素が、一方における前記換気装置(16a乃至16d)と、他方における、1つ以上の前記第2容器(7)又は前記接続ライン(5、11)との間に設置された、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記スロットル要素(15a、15b、17a、17b)が、1つ以上の前記第2容器(7)と前記第2の圧力レベル(14)との間に設置された、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
調節可能であるか又は無調節のスロットル要素(15a、15b、17a、17b)が前記圧縮機要素(12)に対して並列に接続された、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の圧力レベル(14)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の接続ライン(11)において逆止弁(13)を更に備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記逆止弁(13)が前記圧縮機要素(12)に対して並列に接続された、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記逆止弁(13)が統合化したスロットル要素を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
セパレータ(10)が、1つ以上の前記第2容器(7)と前記第2の圧力レベル(14)との間に設置されており、前記セパレータ(10)は前記搬送物質(2)を収容して、前記搬送物質(2)が1つ以上の前記第2容器(7)から前記第2の圧力レベルへと輸送されないように防ぐ、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
1つ以上の前記第1容器(3)と前記接続ライン(5、11)との間に作動弁(4)を更に備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
ノイズ低減装置が、1つ以上の前記第1容器(3)に設置された、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
入口保護装置(6)が、前記接続ラインと1つ以上の前記第2容器(7)との境界領域に付設された、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記減圧装置(15、16、17)が、前記第2の圧力レベルと1つ以上の前記第2容器(7)との間で、統合化したスロットル機能及び換気機能を有する構成要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記減圧装置(15、16、17)は、これを用いて前記搬送物質(2)を輸送するための、前記第1容器(3)と前記第2容器(7)との間の圧力差が、低減されたノイズ発生量をもって制御可能に可変的であるように設計された、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
1つ以上の前記第1容器(3)と1つ以上の前記第2容器(7)との間における前記搬送物質(2)について1つ以上の輸送特性を検出するように設計したセンサを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記センサに接続される監視装置であって、前記センサによって検出される1つ以上の前記輸送特性に基づいて、装置の機能的能力を判断する監視装置を更に備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
搬送物質の輸送動作を適応させるための方法であって、
1つ以上の第1容器(3)を第1の圧力レベル(1)に繋げるステップと、
1つ以上の第2容器(7)を第2の圧力レベル(14)に繋げるステップと、
前記搬送物質(2)を、1つ以上の前記第1容器(3)から1つ以上の前記第2容器(7)まで輸送するステップと、
1つ以上の前記第1容器(3)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の圧力差を変更するために減圧装置(15、16、17)を制御するステップと、
前記第1の圧力レベル(1)と前記第2の圧力レベル(14)との間の圧力差が前記搬送物質(2)の輸送に十分でない場合に、圧縮機要素を用いて1つ以上の前記第2容器(7)の圧力を低減させるステップと、を有する方法。
【請求項22】
1つ以上の前記第1容器(3)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の圧力差を一定に保つ、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上の前記第2容器(7)の圧力が増加する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
換気装置(16a乃至16d)を用いて、前記第1の圧力レベル(1)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の圧力差が増加し又は一定に保たれる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
スロットル要素(15b、17a、17b)を用いて、搬送物質(2)の輸送速度が調節される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
1つ以上の前記第2容器(7)と前記第2の圧力レベル(14)との間に配置した換気装置(16d)を用いて、前記搬送物質(2)が1つ以上の前記第2容器(7)へと流れ込めるように圧力を制御する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
故障の場合、換気装置(16a乃至16d)は基本的に、如何なる補助的エネルギーをも要することなく閉じる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
故障の場合、スロットル要素(15b、17a、17b)は基本的に、如何なる補助的エネルギーをも要することなく閉じる、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
換気装置(16a乃至16d)及び/又はスロットル要素(15b、17a、17b)を制御するために、1つ以上の前記第1容器(3)と1つ以上の前記第2容器(7)との間の圧力差を、コマンド変数として使用する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
換気装置(16a乃至16d)を制御し及び/又はスロットル要素(15b、17a、17b)を制御するための前記コマンド変数は、1つ以上の前記第1容器(3)の位置及び1つ以上の前記第2容器(7)の位置に応じて設定されるようにした、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記搬送物質(2)の搬送前又は搬送後に時間的オフセットをもって、前記圧縮機要素(12)及び換気装置(16a乃至16d)によって圧力が変更されて設定されるようにした、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
換気装置(16a乃至16d)を調節し及び/又はスロットル要素(15b、17a、17b)を調節するために必要なセンサデータが、キャビン圧力データ、周囲圧力データ、1つ以上の前記第2容器(7)の充填レベルデータ及び圧力データ、飛行高度データ、温度データより成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記センサデータから、特に測定されたタンクの圧力勾配から、目標値と実際値とを比較して、比較結果から故障を診断する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
搬送物質(2)の輸送動作を適応させる請求項1に記載の装置を備えた移動手段。
【請求項35】
移動手段が航空機である、請求項34に記載の移動手段。
【請求項36】
航空機において、搬送物質の輸送動作を適応させる請求項1に記載の装置を使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−534340(P2008−534340A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502301(P2008−502301)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002530
【国際公開番号】WO2006/100016
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(504467484)エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】