説明

真空トイレット用の中間タンク

本発明は、真空トイレット用のポリエチレンで作られた中間タンクに関わる。該中間タンクの材料は、高エネルギーの照射によって架橋結合されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
この種のタンクにおいて、その形状は純粋な安定性の配慮に基づいて選択することが出来ないので、その限りにおいて重要なパラメーターである。一般的なタンク製造において、圧力タンク(正圧にしても真空にしても)は、その寸法と壁厚に関して、圧力負荷に対して最適なふるまいが得られるように選択される。それにしたがって、最も多くのアプローチとしては、円筒状あるいは球形のタンクに行き着き、それは最も少ない材料で最も大きな容量を閉じ込めることが出来るという追加の利点を生じる。
【0002】
しかし、実際の適用においては、空間的な制限があり、この“理想的形状”のタンクに頼ることは出来ないで、外側の境界を制約として考慮せねばならず、タンクがそれを越えることは許されずにその閉じた空間に適合するように比較的小さなタンクにしかならず、したがって容量が問題となってしまう。このように、純粋に空間と囲まれる容量の観点からは、外側の境界に近接して境を接するか、またはタンクの部品が装置自体の外側の境界の部品を形成するタンクが有利である。しかし、そのようなタンクは、従来の適用可能な方法では製造が困難であるという不利益さを伴い、結果的に比較的費用のかかる製造となってしまう。比較的高い、その上変動する圧力負荷を考慮すると、金属製のタンクのみが可能であり、それは、しかし入り組んだ溶接工程が必要で製造を複雑にするだけでなく、複雑な場所に溶接接合部が設けられて、もし溶接工程が完璧に行われなければ腐食を起こす可能性もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
理想的な解決策は、与えられた外側の空間境界に近接に境を接するタンクが容易に製造され、依然としてその圧力負荷に関して最高の要求に適合するタンクである。これが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明において、第1に外側の空間境界は意図する用途のために設定され、これが実際の圧力タンクの製造上の外側の境界として用いられる。モールド型は金属部品から比較的単純な手段で製作することができ、以後のモールド工程の条件に耐えなければならない。このプレモールドが手に入ると、それはプラスチックのための射出成形型として用いられるか、またはローテーション工程中のマニピュレーターに吊り下げられる。ローテーション工程はその動きを良く指示されて行うことが出来、そしてプレモールドのほとんど全ての地点が一時的に最短測地線レベル(the lowest geodesic level)を呈することを可能にする。 粉末のプラスチックがモールド型の中に挿入され、上述した動きの間中モールド型を熱することによってプレモールドの表面からプラスチックが溶け始め、このようにして最終的なタンクの形状を形成し、それは上述した条件に適合、すなわち、形状は意図した外側の境界に合致し、壁は、正圧であれ負圧であれ高圧力に抗する厚みで構成される。
【0005】
真空トイレットの上記中間タンクについて、そのようなタンクの好ましい、意図した用途として述べる。この中間タンクにおいて、運搬固形物が流出するようにトイレットのボール状容器(bowl)を空にするために負圧が作られる。流出した固形物を最終の容器に運搬するために中間タンク内部に正圧がかけられ、放出固形物が最短の時間で運搬される。
【0006】
特に糞尿に抵抗力のある材料として、ポリエチレンを使用することができる。特にトイレットに関しては、この中間タンクは、トイレットのフタの下のいわゆるトイレットの便座内であって、しかもボール状容器の下に装備されなければならないので、中間タンクのための空間的な囲いが特に重要である。寸法に関しては、圧力が比較的高い可能性があり、この点で実質的な制約を負わされる。排出固形物のかなり短い運搬時間と安全な運搬をさらに確実にするために、中間タンクはそのサイズに関して充分な大きさを持つ必要がある。
【0007】
そのような中間タンクでは、−0.8から1.4バールの作用圧を取り扱うことが出来、容量51で壁厚は8mm、曲面の半径16mmを超えそれ以上を維持することが出来る。
【0008】
本発明によれば、中間タンクはポリエチレンで作られ、少なくともいくつかの領域でポリエチレンを架橋結合(cross-link)させるために少なくとも部分的に放射線が当てられる。
【0009】
放射線(ベータおよびガンマ線)架橋結合によって、PEのような大規模生産プラスチックに高性能プラスチックの機械的、熱的および化学的特性が付与される。放射線架橋結合の方法は多くの工業分野で知られており、特に、チューブ、パイプ、ケーブル、または形状部品に適用されている。高エネルギーの電子またはガンマ線の照射は分子の内部結合に影響をあたえる。照射のエネルギーは物質に吸収される。それによって化学基が形成され、それが更なる化学反応において反応し所望の結合を生じる。
【0010】
真空トイレットの中間タンクに対する放射架橋結合の適用は成形後に行われ、別な製造ステップと考えるべきである。もちろん、この追加の製造ステップはタンクの値段を何%かは増加させるが、強度は何倍も増加する。放射架橋結合は壁厚を少なくすることを許容する。
【0011】
図は請求項の中で示された真空トイレットの要素を展開図の一種で示しており、実質的に立方形(cuboid)の形状をした中間タンクと、そこから他の要素が存在しない領域に展開している突出物を図示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
原文に記載なし。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空トイレット用のポリエチレン製の中間タンクであって、前記真空トイレットが、便座と、該便座の下に配置されたボール状容器と、配管と、排泄物を前記ボール状容器から前記中間タンクへ、およびそこから排出ラインに移送するための被制御バルブとを含み、上述した前記真空トイレットの要素が実質的に前記便座の下のスペースに装備されたものにおいて、
前記中間タンクの材料は高エネルギー放射によって少なくとも部分的に、またはいくつかの領域が架橋結合されていることを特徴とする中間タンク。

【公表番号】特表2008−527211(P2008−527211A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549883(P2007−549883)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007905
【国際公開番号】WO2007/017280
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(506124631)エバック ゲーエムベーハー (4)
【氏名又は名称原語表記】EVAC GMBH
【Fターム(参考)】