説明

真空処理装置

【課題】 低コストで信頼性の高い真空処理装置を提供する。
【解決手段】 2つの真空容器203,204の間に配置され各々を連通して一方から他方に処理対象の試料が搬送される封止されたゲート110と、このゲートの経路上に配置され第1の開口205および第2の開口206の各々に面する第1の弁体210aおよび第2の弁体210bとこれら弁体が連結されたシャフト211とを有して前記開口の各々を選択的に開閉するゲートバルブ208とを備えた真空処理装置であって、ゲートバルブ208は、211シャフトの他端側に連結されシャフトをその軸の方向に移動させる軸方向駆動部301と、シャフト211の一端側と他端側との間に配置されシャフト211の軸と交差する所定の回転軸207の周りにシャフトを回転させる回転駆動部213とを有し、シャフト211の軸方向について回転軸207と他端との間のシャフト上の部位に回転させる力が伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラズマを用いて処理対象の試料を処理するプラズマ処理装置のような真空処理装置に係り、試料が移動される複数の室の間を仕切るバルブを備えた真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような真空処理装置としては、試料を収納したカセットの少なくとも1つが搭載されてこのカセットとの間で試料が大気圧下で搬送されてやりとりされる大気搬送室と、減圧されて真空に維持された内部に試料を保持して搬送するためのロボットアームが配置され平面形状がほぼ多角形状の真空搬送室と、この周囲に配置された複数の処理容器と、大気搬送室と真空搬送室との間でこれらと接続され真空搬送室内部と同等の減圧された圧力(真空)の状態と大気搬送室内部と同等の圧力(大気圧)との間でその内部の圧力が変更もしくは設定可能であり試料が大気圧の大気搬送室と真空圧の真空搬送室との間でやりとりされるロードロック室あるいはアンロードロック室と、を備えたものが知られている。
【0003】
さらに、真空搬送室と各処理容器との間や真空搬送室とロードロック室あるいはアンロードロック室との間あるいはロードロック(アンロードロック)室と大気搬送室との間には、これら接続された室同士の間を仕切り試料が開口部内を搬送されるゲートと、これを閉塞および開放を行うこれをゲートバルブとが配置された構成がある。
【0004】
このような真空処理装置は、装置の使用者の有するクリーンルーム等の所定の条件に調節された室内に複数配置されて複数の試料に同時に処理を施すのが一般的であり、その使用者にとって試料の処理の全体的な効率や処理された試料から得られる素子等の生産物の製造の効率を向上させる上で、このような装置を限度の有る室内の面積内に多くの装置を設置できることが重要であり、このため、装置の大きさを低減して設置面積を抑制することが求められてきた。
【0005】
このような課題に対して、従来から、ゲートバルブの大きさを低減することで装置の設置面積を低減することが行われている。この従来技術では、各室の間に複数のゲートとこれを閉塞/開放する2つのバルブとを有し、さらにこれらのバルブを1つのシャフトに接続して、このシャフトを上下動、および各ゲート方向へ回動させることで、各ゲートをそれぞれに対応するバルブで選択的に閉塞する動作をさせている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−009125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術では、次の点について考慮が不十分であり問題が有った。すなわち、上記従来の技術では、2つのゲートの間においてこれらゲート方向に回転可能に軸支持された第1のクレードルと、このクレードルに接続されてゲート方向に回転可能に軸支持され2つのバルブが取り付けられたシャフトを上下に移動させるシリンダが取り付けられた第2のクレードルとを備えており、構成が複雑となり上下方向に大きくなってしまう。
【0007】
さらに、2つのゲートを閉塞あるいは開放するバルブの構成が複雑となり、メンテナンス等の作業に必要な時間が多くなってしまう。また、これらを収納するハウジングが大きくなり、ひいては処理装置全体の設置面積が大きくなってしまう。
【0008】
さらには、振動が発生しやすくなり、ハウジング内に収納される部材からのゴミや塵埃等が発生しやすく、ウエハへの異物付着、汚染が生じやすいという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、低コストで信頼性の高い真空処理装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、設置面積の小さい真空処理装置を提供することにある。
また、本発明のさらに別の目的は、処理の効率の高い真空処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、2つの真空容器の間に配置されてこれらの真空容器の各々を連通して一方から他方に処理対象の試料が搬送される封止されたゲートと、このゲートの経路上に配置されこのゲートの一方の真空容器側の第1の開口および他方の真空容器側の第2の開口の各々に面する第1の弁体および第2の弁体とこれら弁体が連結されたシャフトとを有して前記開口の各々を選択的に開閉するゲートバルブとを備えた真空処理装置であって、前記ゲートバルブは、前記シャフトの他端側に連結され前記シャフトをその軸の方向に移動させる軸方向駆動部と、前記シャフトの前記一端側と前記他端側との間に配置され前記シャフトの軸と交差する所定の回転軸の周りに前記シャフトを回転させる回転駆動部とを有し、前記シャフトの軸方向について前記回転軸と前記一端との間又は前記他端との間のこのシャフト上の部位に前記回転させる力が伝達される真空処理装置により達成される。
【0011】
さらに、上記目的は、前記ゲート内に配置され前記シャフトの移動に伴って前記第1の弁体および第2の弁体がその内部を移動するバルブ室とを有し、前記第1の弁体が第2の弁体上に取り付けられて連結された真空処理装置により達成される。さらには、前記第1の弁体が前記バルブ室を封止する蓋部材を開放して後、この開放された部分からバルブ室外へ取り外し可能に構成された真空処理装置により達成される。
【0012】
さらにまた、上記目的は、前記第2の弁体は前記第1の弁体がその面する開口を閉塞した状態で第2の弁体に体して着脱可能に構成された真空処理装置により達成される。さらにまた、上記目的は、前記第1の開口が連通する前記一方の真空容器内において前記試料が処理される真空処理装置により達成される。
【0013】
また、上記目的は、前記シャフトが、前記シャフトの前記他端側と前記軸方向駆動部との間で分割されて連結された第1および第2のシャフトとを有し、これらのシャフトの連結部において前記回転駆動部からの力を受ける前記第1のシャフトが前記第2のシャフトから回転してスライド可能に構成された真空処理装置により達成される。さらには、上記目的は、前記バルブ室外の前記第1のシャフトの周囲に取り付けられ前記ゲートバルブが前記バルブ室を有する容器に取り付けられた状態で前記バルブ室と前記シャフトの周囲との間を封止するベローズであってこのシャフトの移動に伴って圧縮されるベローズを備えた真空処理装置により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本願発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本願発明に係る真空処理装置の実施形態の構成の概略を示す全体図である。
【0015】
本図に示す真空処理装置100は、図上側に配置される真空側ブロック101と、これに接続された図下側に配置される大気側ブロック102の概略2つの部分に分けることができる。
【0016】
真空側ブロック101は、主に、内部が減圧されて真空に維持され処理対象の試料が搬送される複数の接続された真空容器から構成されており、図上略中心に平面形状がほぼ多角形(六角形)の真空搬送容器103と、この周囲にほぼ多角形状の各辺上に取り付けられた真空処理ユニット104a,104b,104c,104dおよびロードロックまたはアンロードロック室容器106,107が配置されている。なお、本実施の形態においてロードロックまたはアンロードロック室容器106,107は共に両方の動作が可能に構成されたものであり、以下、簡単のためロードロック室容器と記載する。
【0017】
また、真空処理ユニット104a〜dおよびロードロック室容器106,107は、それぞれその内側が真空搬送容器103内部と同等の真空度まで減圧され圧力が維持される真空容器を備えており、この真空容器内部にその上面に処理対象の試料が載置される載置面を備えた試料台105a〜dが配置されている。特に、試料は、真空処理ユニット104a〜d内に配置された試料台105a〜d上に載置された状態で処理される。
【0018】
真空搬送容器103内には、各真空処理ユニット104a〜d内の試料台105a〜dおよびロードロック室容器106,107内の試料台105e,105fとの間で試料を搬送するための真空搬送ロボット108が配置されている。この真空搬送ロボット108は2つのロボットアーム109,109’を備え、それぞれはその上面に試料を載せて搬送し各試料台の間で試料をやりとりする。
【0019】
さらに、これら真空処理ユニット104a〜dおよびロードロック室容器106,107と真空搬送容器103との間には、これらの間を仕切り試料が開口部内を搬送されるゲートと、このゲートを閉塞および開放を行うこれをゲートバルブとを有するゲートユニット110a〜fが配置されている。
【0020】
大気ブロック102は、主に、内部の圧力がほぼ大気圧であってその前面側(図中下側)に試料を内包する複数のカセット114が取り付け可能に構成された大気搬送容器112と、この大気搬送容器112内の大気搬送室内に配置され、この大気搬送室内においてカセット114とロードロック室容器106,107との間で試料を大気圧下でやりとりする大気搬送ロボット113とを備えている。
【0021】
さらに、大気搬送容器112の側方(図中左方)に取り付けられ、大気搬送ロボット113のロボットアーム113’によりカセット114から取出された処理対象の試料の向きや位置を調節するためのアライナ115が備えられている。
【0022】
また、ロードロック室106,107は、大気搬送容器112の後方(図中上方)側に配置され、大気搬送容器112の背面と接続されている。このロードロック室容器106,107内部は、装置外周の雰囲気圧(大気圧)と同等の圧力から真空搬送容器103内と同等の圧力までの間で圧力を変更することが可能に構成されている。
【0023】
ロードロック室容器106,107と大気搬送容器112との間には、それぞれゲートユニット111a,111bが配置されており、このゲートユニット111内のゲートを介して大気搬送室とロードロック室とが連通されているとともに、ゲートユニット111に備えられたゲートバルブを駆動することによりこのゲートが閉塞/開放可能となっている。
【0024】
図2を用いて、図1に示すゲートユニットの詳細を説明する。図2は、図1に示す真空処理装置のゲートユニットの構成の概略を示す縦断面図である。本実施の形態において、ゲートユニット110,111はそのゲート部やゲートバルブの構成はほぼ同一であり、図2では、処理ユニット104aと真空搬送室103との間のゲート110aを例として図示している。
【0025】
図2に示すゲートユニット110は、真空処理ユニット104を構成する真空容器201と真空搬送容器103との間に配置されてこれらと連結されており、真空容器201内の処理室203と真空搬送容器103内の真空搬送室204とを連通するゲートを開放あるいは遮断する仕切弁の機能を有している。
【0026】
ゲートユニット110は、上部のゲート容器202と下部のゲートバルブ部208とに上下に大きくわけて2つの部分を備えている。ゲート容器202は、真空容器取付金具202’を備えており、上記のように真空容器201と真空搬送室103とにボルト等で連結されており、その内側に処理室203と真空搬送室204とに各々連通する開口部であるゲート205,206を備えている。さらに、これらゲート205,206の開口が面しており、内側にこれら開口を閉塞/開放するバルブ210が配置された空間であるバルブ室209が配置されている。このバルブ210は、後述のように所定の駆動手段によりバルブ室209内を上下に移動して前記ゲート205,206の開口を覆うことが可能な位置へ移動することができ、さらに、これらの開口を選択的に閉塞するように各々のゲート205,206の方向(処理室203または真空搬送室204の方向に)移動することができる。
【0027】
つまり、ゲート205は、図上右側の処理室203とバルブ室209を連通するものであり、ゲート206は図上左側の真空搬送室204とバルブ室209とを連通するものである。また、本実施の形態においては、処理対象の試料はほぼ円形の半導体ウエハ等の基板であり、ゲート205,206は、この基板に合わせてその断面が水平方向に長いほぼ直方体形状に構成され、開口は垂直方向(図上上下方向)にほぼ同じ高さに配置されている。このため、バルブ210がバルブ室209の下部に移動して退避している状態では、一方のゲートを通過した搬送ロボット108(図1)に載せられた試料は、搬送ロボット108が大きな搬送経路の変更をすることなく他方のゲートへ進入して通過できるように構成されている。
【0028】
これらのゲート205,206を開閉するバルブ210は、上昇してゲート205,206を覆う高さ位置に配置された状態で、これらのゲートの開口に対向してそれぞれの開口が形成されたバルブ室209の壁面と接触する面を有している。さらに、これらの各々の面にはそれぞれの開口を気密に封止できる、Oリング等のシール部材が配置されている。さらに、バルブ210はその下方に配置された1つのシャフト211に連結されて位置が固定され、シャフト211の揺動に伴って、各ゲートの何れかを選択的に閉塞する。つまり、本実施例のバルブ210の動作により、一方のゲートが閉塞されるとともに他方のゲートが開放された状態となる。
【0029】
また、ゲート容器202の上部には、バルブ室209の上方を覆って外部と気密に封止可能な上蓋214が配置されており、バルブ室209内が大気開放されると上蓋214を開放してバルブ室209内が外部と連通される。この構成により、使用者が必要に応じて保守、点検、部品交換の作業のためにバルブ室内あるいはバルブ210に接近することができる。
【0030】
ゲートユニット110の下部には、バルブ210とシャフト211とを有し、シャフト211と連結されてこれを駆動するための駆動機構が配置されたゲートバルブ部208が配置されている。このゲートバルブ部208は、駆動機構を内側に有するケース212を備え、このケース212内にシャフト211を所定の回転軸207周りに揺動させて上記バルブ210をゲート205またはゲート206側に移動させてバルブ室209の壁面に押し付けるための複数の揺動シリンダ213a,213bが配置されている。
【0031】
この2つの揺動シリンダ213a,213bは、それぞれゲート206,205の方向にピストンを押し出してシャフト211の下方の一端部に押し付けて、シャフト211とその他端部側に取り付けられたバルブ210とをゲート205またはゲート206に向かって回転軸207周りに回転させる働きをする。特に、本実施の形態では、2つの揺動シリンダ213a,213bは相互に対向する位置に配置され、それぞれのピストンがシャフト211に押し当てる箇所はシャフト211の中心軸を挟んでほぼ反対の側に位置する。
【0032】
図3を用いて、さらにゲートバルブ部の構成について詳細に説明する。図3(a)は、図2に示すゲートバルブ部の構成を示す縦断面図であり、図3(b)は図3(a)の側方からみた縦断面図である。上記のように、ゲートバルブ部208には、シャフト211の駆動部を収納したケース212と、シャフト211およびこれに連結されたバルブ210とを備えている。
【0033】
さらに、ゲートバルブ部208は、シャフト211の図上左右方向の両側にシャフト211を上下に移動させるための駆動シリンダ301a,301bが配置されている。この駆動シリンダ301a,301bは、その内側に、その軸方向がシャフト211の軸にほぼ平行に配置された駆動シャフト303a,303bが配置され、各駆動シリンダ301a,301b内の圧力の変動に応じてこれら駆動シャフト303a,303bがシャフト211の軸方向に移動する。また、これら駆動シリンダ301a,301bは、その上端部がゲート容器202と接するフランジ302の下面に取り付けられおり、ゲートバルブ部208の上部を構成する。
【0034】
さらに、ケース212は、上記駆動シリンダ301a,301bの外壁に取りつけられており、ケース212は駆動シリンダ301a,301bの動作にともない駆動シャフト303a,303bが移動する空間を内側に有している。
【0035】
このため、本実施の形態では、駆動シャフト303a,303bは、駆動シリンダ301a,301bのそれぞれについて、バルブ201と反対の方向である下方に延在して配置されている。つまり、それらの上端部は駆動シリンダ301a,301b内部でそれらのピストンと連結され、その下端部は連結ビーム304を介してシャフト211の上シャフト306下端部と連結されている。
【0036】
本実施の形態のシャフト211は、上シャフト306と下シャフト307に分割され、上シャフト306はバルブ210と連結され、下シャフト307は連結ビーム304を介して駆動シャフト303a,303bおよび駆動シリンダ301a,301bと連結されている。また、上下のシャフト306,307はその間に連結部308を有して、駆動シリンダ301a,301bおよび駆動シャフト303a,303bの動作に伴って、両者がシャフト211として上下に移動する。
【0037】
上シャフト306と下シャフト307の間の連結部308は、一方のシャフトの端面に凹まされて形成された所定の球面状の曲面部を有し、他方のシャフトの端部との間でこの曲面の内側に配置された球とを備えている。
【0038】
上シャフト306には、前述の揺動シリンダ213a,213bの動作による押し付け力が印加されて、回転軸207を中心に揺動するため、連結部308において上シャフト306の端部はフランジ302と接続された駆動シリンダ301a,301bに連結ビームを介して連結された下シャフト307に対してわずかにスライドするように移動する。本実施の形態では、この移動をより円滑に行えるように上記の曲面と球との構成を備えた連結部308を配置している。
【0039】
すなわち、揺動シリンダ213a,213b内のピストンの動作によってシャフトから伝えられる押し付け力により上シャフト306の下端部は、下端部に形成された球面状の凹み表面の曲面と下シャフト307の上端部との間に配置された球の表面との間の滑べりあるいは転がりにより、滑らかに下シャフト307の上端部上をスライドして、上シャフト306は回転軸207を中心に揺動できる。
【0040】
上シャフト307は、その上下方向に延在するほぼ円柱状の形状の円柱部の途中の高さ位置で、メカニカルロック310が円柱部表面をかしめることで固定されている。さらに、このメカニカルロック310の周囲には、その底部が接続され上シャフト306の周囲に側壁部分が配置されたカップ状のフランジ311が備えられている。
【0041】
このカップ状のフランジ311の外側側壁の上端部でシャフト211の左右の駆動シリンダ301a,301bにそれぞれ対向する側の位置には、ほぼ円柱状の回転軸312a,312bが配置され、それぞれ駆動シリンダ301a,301bの側面に取り付けられている。この回転軸312a,312bは駆動シリンダ301a,301bの上シャフト306に対向する面に上下方向に形成された溝305a,305b内に嵌め込まれて溝内で支持されている。このため、円柱状の軸312a,312bは溝305a,305b内で上下動および回転可能であるか、あるいは溝305a,305bに位置固定されて支持された回転軸312a,312bに対してカップ状のフランジ311が上下動および回転可能にされている。
【0042】
さらに、上記のようにメカニカルロック310は、カップ状のフランジ311の底部でこれと接続されるとともに、上シャフト306と連結されて位置が固定されている。このメカニカルロック310の直上方には、上シャフト306の円筒形状の表面を気密に封止するシール材を備えた真空シール313が配置されている。
【0043】
さらに、真空シール313の上部に内外を気密に封止するように接続されて、この真空シール313の上方の上シャフト306の円筒状の側壁の周囲を覆って、上シャフト306の軸方向に伸縮可能なベローズ314が配置されている。さらに、ベローズ314の上端部は前記フランジ302の下面に、ベローズ314の内側と外側との間を封止するように接続されている。
【0044】
本実施形態では、ベローズ314は金属製であり、下端部が真空シール313と接続されていることから、ベローズ314の内側と外側との間は気密に封止されており、フランジ302と上シャフト306の表面との間の隙間を介して連通されるバルブ室209およびベローズ314の内側は高度に真空状態にされ、一方、ベローズ314外側のゲートバルブ部208の内側は雰囲気圧にされることになり、両者に大きな圧力の差に基づく力が作用する。駆動シャフト303a,303bの上方向への動作により、シャフト211を構成する上シャフト306も上方に移動し、これに接続、連結されている真空シール313も上方に移動する。これにより、真空シール313に接続されて上方に配置されているベローズ314は、フランジ302に向かって圧縮される。
【0045】
上シャフト306の上方へ移動してこれに連結されたバルブ210がゲート205,206の開口を覆う位置に達すると、駆動ピストン301a,301bの動作は停止してシャフト306の上昇も停止する。この状態から揺動シリンダ213a,213bのいずれかが駆動されて上シャフト306が回転軸207つまり円柱状の回転軸312を中心に揺動される。このとき上記回転軸207すなわち回転軸312はフランジ302の近傍まで接近しており、この状態でシャフト211(上シャフト306)を回転させることで、上シャフト306とフランジ302との間の隙間を小さくできる。
【0046】
なお、本実施の形態では、揺動シリンダ213a,213bのシャフトが上シャフト306に押し付けられる位置の近傍には、上シャフト306の回転または揺動による変位に対してその反対の方向に付勢するための弾性体であるバネ315が配置されている。これにより、上シャフト306に押し付けていた揺動シリンダ213aまたは213bのピストンの押し付け力が弱まるか取り除かれた場合には、揺動してスライドしていた上シャフト306を変位と逆の方向へ戻す力を印加する。図面状ではこのバネ315は、一方のゲートの方向にのみ配置されているが、反対の方向へのバネも取り付けられていることが好ましい。
【0047】
次に、図4を用いて、ゲートユニット110におけるゲートバルブ部208の動作を詳細に説明する。図4は、図2に示す真空処理装置のゲートバルブの動作を示す縦断面図である。図4(a)は、バルブが上昇した状態を示す縦断面図であって、バルブは左右のゲートのいずれをも閉塞していない状態であり、図4(b)は、上昇したバルブが真空容器側のゲートを閉塞した状態を示す縦断面図である。
【0048】
まず、図4(a)を用いて、処理室203側のゲート205を閉塞する動作の説明をする。この動作の後、処理室203と真空搬送室204およびバルブ室209との間はバルブ210の処理室側ゲート205の側に対向するバルブ210aによってシールされ、処理室203内において試料台上に載置された試料が処理される。この処理の際に生じる反応性生物やプラズマ、ガス等がゲート205を介して真空搬送室204、バルブ室209の側に移動することが抑制される。
【0049】
まず、図3に示すように各ゲート205,206の下方にバルブ210が位置した状態から、各ゲート205,206にそれぞれ対向してこれらを覆うことができる位置まで、バルブ210を上昇させる。このために、駆動シリンダ301a,301bが動作され、これらの内部のガス圧力が調節されてシリンダ内部のピストンの位置が移動され、これらに接続された駆動シャフト303a,303bが上方に移動される。これら駆動シャフト303a,303bの下端部と連結された連結ビーム304を介して駆動シリンダ301a,301bと連結された下シャフト307とこれに連結部308を介して連結された上シャフト306とが上方に移動される。このようにしてシャフト211の上端部に連結されたバルブ210が上昇し、上述のように各ゲートを覆える所定の高さ位置まで移動され、この高さ位置で保持される。
【0050】
この上シャフト306の上昇に伴って、この上シャフト306の外周に接続されたメカニカルロック310およびこの上部に接続された真空シール313も上昇する。この真空シール313の上昇に伴って、真空シール313とこの上方に位置するフランジ302との間に、接続部を封止して接続されたベローズ314が圧縮される。
【0051】
さらに、メカニカルロック310の外周側に接続されたフランジ311とこれに接続された回転軸312a,312bも上昇する。特に、回転軸312a,312bはそれぞれが嵌入された駆動シリンダ301a,301bの側面に形成された溝305a、305b内部をこれに沿って上昇する。バルブ210がゲート205,206を覆える所定の高さ位置にまで達した状態で、回転軸312a,312bはフランジ302の直下まで上昇している。つまり、これら回転軸312a,312bが内部を移動する溝部305a、305bはフランジ302の直下方まで達している。
【0052】
各ゲート205,206が覆える高さ位置までバルブ210が上昇した図4(a)に示した状態では、処理室側バルブ210aおよび真空搬送室側バルブ210bと各ゲート205,206の開口部との間には微小な隙間が開けられた状態であり、何れのゲートも処理室側バルブ210aまたは真空搬送室側バルブ210bと接触または閉塞されていない。次に、上シャフト306を揺動させてその一端部をいずれかのゲート方向に移動させ、この端部に連結されたバルブ210を一方のゲート方向に移動させこのゲートの開口部を覆うように押し付けられる。この際、他方のゲートに対してバルブ210は離間するように移動する。図4(b)にこの状態を示した。
【0053】
図4(b)では、バルブ210の処理室側バルブ210aが、処理室側ゲート205の開口部を有するバルブ室209の内側壁面に押し付けられて、開口部が閉塞された状態を示している。すなわち、上シャフト306は回転軸312を中心にして図上時計周り方向に回転、揺動してゲート205側に移動し押し付けられている。
【0054】
この際に、まず、上シャフト306の下端部において各ゲート方向に上シャフト306を挟んでその駆動されるピストンまたはシャフトが対向して配置された揺動シリンダ213a,213bのうち、処理室203の側に配置された(そのピストンまたはシャフトが反対側の真空搬送室204側に向いて配置された)揺動シリンダ213aが駆動される。この駆動により、揺動シリンダ213aに連結されて配置されたピストンまたはシャフトが上シャフト306の方向に押し出されて、上シャフト306の下端部の円筒形状部の処理室の側に設けられた平坦部に押し付けられる。この結果上シャフト306は、連結部308においてその下端部が下シャフト307に対して処理室203と反対の側の真空搬送室204の側にスライドして移動し、回転軸312を中心に回転運動する。
【0055】
この動作に伴って、上シャフト306の上端部に取り付けられたバルブ210は、その処理室側バルブ210aが、処理室側ゲート205に向かって移動し、このゲート205の開口の周囲のバルブ室209の内壁面に押し付けられる。処理室側バルブ210aの壁面と接触する面上には、Oリング等のシール手段が配置されており、例えばこのOリングはゲート205の開口の外周側を囲んでバルブ室209の壁面に押し当てられて変形することで、開口およびそれを有するゲート205の内側とバルブ室209内側との間を封止する。
【0056】
次に、図5を用いて、真空搬送室側204とバルブ室209との間を真空搬送室側バルブ210bにより閉塞し封止した状態を説明する。図5は、図2に示す真空処理装置のゲートバルブの動作を示す縦断面図であり、バルブが真空搬送室側のゲートを閉塞した状態を拡大して示す縦断面図である。
【0057】
真空搬送室204側のゲート206の開口部を閉塞する場合は、図4に示した動作とは反対の方向にバルブ210を移動させることが行われる。まず、上シャフト306の下端部の揺動シリンダのうち、真空搬送室204の側に配置された(そのピストンまたはシャフトが反対側の処理室203側に向いて配置された)揺動シリンダ213bが駆動される。この駆動により、揺動シリンダ213bの内側でこれに連結されて配置されたピストンまたはシャフトが上シャフト306の方向に押し出されて、上シャフト306の下端部の円柱形状部の真空搬送室204の側に設けられた平坦部に押し付けられる。この結果上シャフト306は、連結部308においてその下端部が下シャフト307に対して真空搬送室204と反対の側の処理室203の側にスライドして移動し、回転軸312を中心に回転運動する。
【0058】
図5では、バルブ210の真空搬送室側バルブ210bが、真空搬送室側ゲート206の開口部を有するバルブ室209の内側壁面に押し付けられて、開口部が閉塞された状態を示している。すなわち、上シャフト306は回転軸312を中心にして図上反時計周り方向に回転すなわち揺動してゲート206側に移動し押し付けられている。
【0059】
上記揺動シリンダ213bおよび上シャフト306の動作に伴って、上シャフト306の上端部に取り付けられたバルブ210は、その真空搬送室側バルブ210bが、真空搬送室側ゲート206に向かって移動し、このゲート206の開口の周囲のバルブ室209の内壁面に押し付けられる。処理室側バルブ210aと同様に、真空搬送室側バルブ210bの壁面と接触する面上には、Oリング等のシール手段が配置されており、例えばこのOリングはゲート206の開口の外周側を囲んでバルブ室209の壁面に押し当てられて変形することで、開口およびそれを有するゲート206の内側とバルブ室209内側との間を封止する。
【0060】
このような状態では、バルブ室209内と処理室203内とはゲート205を介して連通された状態であり、一方が大気開放されて雰囲気圧と同等の圧力にされる場合には、他方も同様の圧力にされる。例えば、真空処理ユニット104に対して処理室203内部の部材の交換や保守、メンテナンス等の作業を施すために、処理室203内部を大気圧にする場合がある。
【0061】
本実施の形態ではこの場合に、真空搬送室204側のゲート206をバルブ210bにより閉塞させて、真空搬送室204内を減圧して真空状態を維持したままで処理室203を大気開放することができる。真空搬送室204内部まで大気開放する必要が無く、真空処理ユニット104(真空容器201)に対する作業を行いつつ、真空搬送室204および真空搬送容器103に接続された他の処理ユニットやロードロック室等を利用した試料の処理動作を行うことができるので、装置の稼働率や作業の効率が向上して、試料のスループットが向上する。
【0062】
また、処理室203が大気開放された状態で、バルブ室209も大気開放されていることから、バルブ210やバルブ室209内に対して、作業者が接近して作業を施すことができるようにすることで、真空処理ユニット104側の箇所に対する作業と並んでゲートユニット110に対する作業を行うことができる。
【0063】
図6に、ゲートユニット110のバルブ210を取り付け/取り外しを行う際の動作を説明する。図6は、図2に示す真空処理装置のゲートバルブのバルブ210を取り外した状態を上部に示す縦断面図である。
本実施例において、この図6に示す、バルブ210に対する作業は図5の状態から行う。本実施の形態では、バルブ210は処理室側バルブ210aと真空搬送室側バルブ210bとに分割されて取り外しが可能に構成されている。さらに、処理室側バルブ210aは、真空搬送室側バルブ210bがゲート206を閉塞してシールしている状態で作業者が作業を施して取り外し/取り付け等を施すことが可能に構成されている。
【0064】
図6に示すように、図5と同様に、バルブ210の真空搬送室側バルブ210bがバルブ室209の真空搬送室204側の内壁面に押し付けられた状態で、つまり、処理室203とバルブ室209とが連通された状態で両者の内部を大気開放してほぼ大気圧にする。その後、ゲートユニット110のゲート容器202上部に配置された上蓋214を、この上蓋214を上方から締結するボルト601a,601bを取り外してから取り外し、バルブ室209内を開放する。
【0065】
この際、真空搬送室側バルブ210bはバルブ室209内の真空搬送室204側に対して、上シャフト306を介して揺動シリンダ213bからの押し付け力と、真空搬送室204内とほぼ大気圧となっているバルブ室209との間の圧力差に起因する気圧による押し付け力とが作用して、ゲート206の開口部に対して位置固定されている。この状態で処理室側バルブ210aを取り外すことができる。
【0066】
このために、処理室側バルブ210aは、その上部で真空搬送室側バルブ210bと連結されている。連結部での処理室側バルブ210aの断面は、逆L字の形状を有するフランジ部を備え、このフランジ部の上方からフランジ部を貫通する孔を通してボルト602によりバルブ210あるいは上シャフト306上端部と連結されている。処理室側バルブ210aのフランジ部は、取り外しおよび取り付けが容易なように、真空搬送室側バルブ210b上に取り付けられた状態で、バルブ室209内壁面とは接触しない形状となっている。このような構成により、処理室側バルブ210aは、真空搬送室側バルブ210b上にこれを取り付けて連結するボルト602を取り外して後、バルブ室209の内壁面と隙間を保ったまま上方に抜き取って取出すことが可能である。
【0067】
また、処理室側バルブ210aはシャフト211の軸とバルブ室209の内壁面との間の角度に応じて、ゲート205の開口部の周囲の壁面に自らの接触面を回転して合わせる回転機構を有しておらず、処理室側バルブ210aの弁体が真空搬送室側バルブ210b或いは上シャフト306の上端部に取り付けられ、真空搬送室側バルブ210bにボルトにより連結された構成となっている。このため、回転機構を有するよりも構成が簡略化でき、さらに上方からの作業が容易となり、取り外し、取り付け等の作業を施す際の処理室側バルブ210aおよびその弁体とバルブ室209内壁面との接触や異物、塵埃の発生が抑制される。さらに、バルブ210とバルブ室209の内壁との間の距離を小さくして両者を接近させることができ、ゲートユニット110aの容積や設置面積が小さくされて、真空処理装置全体の設置面積が押えられる。
【0068】
処理室側バルブ210aが取出された際、この処理室側バルブ210aの処理室側ゲート205の開口部を封止するOリング等のシール部材や弁体、処理室側バルブ210a本体の保守、点検、交換を行った後、再度バルブ室209内で取り付け作業を行って、真空搬送室側バルブ210bあるいは上シャフト306の上端部に取り付けられる。この際、処理室側バルブ210aと真空搬送室側バルブ210bとの間の相互の位置を規定して、バルブ210によるシールの性能を高めるため、図7に示すように、真空搬送室側バルブ210bの上面に位置決めピン603が配置されており、これに対応する処理室側バルブ210aの下面に位置決めピン603が嵌入される位置決め孔604が形成されている。これら位置決めピン603と位置決め孔604とを合わせて取り付けることで、精度良く両者が連結されるので、ゲート205に処理室側バルブ210aが押し付けられた際に封止性能が損なわれて、洩れが発生することが抑制される。
【0069】
処理室側バルブ210aが上シャフト306上端に取り付けられた後、バルブ室209あるいはゲート部202の上蓋214がゲート部202上に載せられて、ボルト601a,601bを用いて締結されてバルブ室209と外部とが封止される。このようにして上蓋214がゲート部に装着される。
【0070】
次に、図7を用いて、バルブ210を構成する処理室側バルブ210aと真空搬送室側バルブ210bとの間の連結の構成を説明する。図7は、図2に示す真空処理装置のゲートバルブのバルブ210の構成を示す斜視図である。
【0071】
この図に示すように、本実施の形態では、バルブ210を構成する処理室側バルブ210aは、対応するゲート205の開口の周囲を閉塞するために、そのシール面701上にOリング702が配置され、真空搬送室側バルブ210bの上部に図面上の上方から取り付けられてボルト602a,602bにより連結されている。特に、図7(b)に示すように、真空搬送室側バルブ210bは搬送される処理対象の半導体ウエハ等の試料の形状に合わせたゲートの開口を閉塞するため横長の形状のほぼ直方体形状を有し、その上部に複数の段差710,711,712を有している。これらの段差に合わせて接するように処理室側バルブ210aの下面が形成されている。このうち段差710上に配置された位置決めピン603と処理室側バルブ210a下面に配置された位置決め孔604とが嵌合して両者が取り付けられる。
【0072】
また、真空搬送室側バルブ210bは、上シャフト306の上部に配置された連結フランジ713と、その段差704上に形成された位置決め突起705と真空搬送室側バルブ210bの位置決め孔706とを介して、そのシール面と反対の側の接続用の平面を有する凹み部709で接続される。連結フランジ713と真空搬送室側バルブ210bは、ボルト707によって締め付け固定される。
【0073】
このような構成により処理室側バルブ210aは、真空搬送室側バルブ210bがゲート206の開口を閉塞している状態において、真空搬送室側バルブ210bと着脱可能に構成されている。また、真空搬送室側バルブ210bは、平面状のフランジ部でシャフト211(306)と連結されており、ゲート205の開口を閉塞する際に大きな力を均等に印加することができ、バルブとしてのシール性能が向上される。処理室側バルブ210aも同様にシール性能が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】真空処理装置の構成の概要を説明する平面図。
【図2】ゲートユニットの構成を説明する縦断面図。
【図3】ゲートバルブ部の構成を説明する縦断面図。
【図4】ゲートユニットの動作を説明する縦断面図。
【図5】ゲートユニットの真空搬送室側の閉塞状態を説明する要部縦断面図。
【図6】ゲートバルブの取り外し状態を説明する縦断面図。
【図7】ゲートの構造を説明する斜視図。
【符号の説明】
【0075】
100…真空処理装置、101…真空側ブロック、102…大気側ブロック、103…真空搬送容器(真空搬送室)、104…真空処理ユニット、105…試料台、106,107…ロードロック室容器(ロードロック室)、108…真空搬送ロボット、109…ロボットアーム、110,111…ゲートユニット、112…大気搬送容器、113…大気搬送ロボット、113’…ロボットアーム、114…カセット、115…アライナ、201…真空容器、202…ゲート容器、202’…真空容器取付金具、203…処理室、204…真空搬送室、205,206…ゲート、207…回転軸、208…ゲートバルブ部、209…バルブ室、210…バルブ、210a…処理室側バルブ、210b…真空搬送室側バルブ、211…シャフト、212…ケース、213…揺動シリンダ、214…上蓋、301…駆動シリンダ、302…フランジ、303…駆動シャフト、304…連結ビーム、306…上シャフト、307…下シャフト、308…連結部、310…メカニカルロック、311…フランジ、312…回転軸、313…真空シール、314…ベローズ、315…バネ、601、602,707…ボルト、603,705…位置決め突起、604,706…位置決め穴、701…シール面、702,703…Oリング、704,710,711,712…段差、713…連結フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの真空容器の間に配置されてこれらの真空容器の各々を連通して一方から他方に処理対象の試料が搬送される封止されたゲートと、このゲートの経路上に配置されこのゲートの一方の真空容器側の第1の開口および他方の真空容器側の第2の開口の各々に面する第1の弁体および第2の弁体とこれら弁体が一端に連結されたシャフトとを有して前記開口の各々を選択的に開閉するゲートバルブとを備えた真空処理装置であって、
前記ゲートバルブは、前記シャフトの他端側に連結され前記シャフトをその軸の方向に移動させる軸方向駆動部と、前記シャフトの前記一端側と前記他端側との間に配置され前記シャフトの軸と交差する所定の回転軸の周りに前記シャフトを回転させる回転駆動部とを有し、
前記シャフトの軸方向について前記回転軸と前記一端との間又は前記他端との間のこのシャフト上の部位に前記回転させる力が伝達される真空処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の真空処理装置であって、前記ゲート内に配置され前記シャフトの移動に伴って前記第1の弁体および第2の弁体がその内部を移動するバルブ室とを有し、前記第1の弁体が第2の弁体上に取り付けられて連結された真空処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の真空処理装置であって、前記第1の弁体が前記バルブ室を封止する蓋部材を開放して後、この開放された部分からバルブ室外へ取り外し可能に構成された真空処理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の真空処理装置であって、前記第2の弁体は前記第1の弁体がその面する開口を閉塞した状態で第2の弁体に対して着脱可能に構成された真空処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の真空処理装置であって、前記第1の開口が連通する前記一方の真空容器内において前記試料が処理される真空処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の真空処理装置であって、前記シャフトが前記シャフトの前記他端側と前記軸方向駆動部との間で分割されて連結された第1のシャフトおよび第2のシャフトとを有し、これらのシャフトの連結部において前記回転駆動部からの力を受ける前記第1のシャフトが前記第2のシャフトから回転してスライド可能に構成された真空処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の真空処理装置であって、前記バルブ室外の前記第1のシャフトの周囲に取り付けられ前記ゲートバルブが前記バルブ室を有する容器に取り付けられた状態で前記バルブ室と前記シャフトの周囲との間を封止するベローズであってこのシャフトの移動に伴って圧縮されるベローズを備えた真空処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−214489(P2006−214489A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26611(P2005−26611)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】