説明

真空蒸着方法

基板に少なくとも一つの薄膜を堆積する真空蒸着方法であって、スパッターされる物質に対して化学的に不活性又は活性な少なくとも一つの気体スパッタリング物質種が選択されること、主として前記スパッタリング物質種を含むイオンの集束ビームが、工業規模の設備内部に配置された少なくとも一つの直線イオン源を用いて生成されること、前記ビームがスパッターされる物質をベースとする少なくとも一つのターゲットに向けられること、前記基板の少なくとも一つの表面部分が、ターゲットのイオン打撃によってスパッターされる前記物質、又は前記スパッターされる物質と少なくとも一つのスパッタリング物質種との反応から生ずる物質が前記表面部分に堆積されるような仕方で前記ターゲットに向き合うように配置されることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板、特にガラス基板に薄膜を堆積する蒸着方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、膜を蒸着するための工業的規模の真空設備(運動の方向に対して直角方向の基板の寸法が1.5mを超え、2mに達することもある)に組み込むことを意図した蒸着方法に関する。本発明は、また、いろいろな機能(日よけ、低放出能、電磁遮蔽、暖房、親水性、疎水性、光触媒)の層からなる多重層をコーティングされた基板に関し、これらの層が可視領域における反射のレベルを変え(ミラー、又は可視又は太陽赤外領域における反射防止)、活性なシステム(電磁的、エレクトロルミネッセント、光起電力、圧電、散乱、又は吸収システム)を組み込んでいる基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板、特にガラス基板に薄膜を堆積する蒸着方法は、マグネトロンスパッタリングの蒸着ラインで用いられている。これらの蒸着方法は大きな基板では満足できるものであるが、実際には、次のようにいくつか問題がある。
【0003】
(i)“スパッタリング・プラズマ”と呼ばれる放電プラズマを衝撃させるためには、少なくとも0.8〜1 mtorrの特定の運転圧力が必要になる。これより低い圧力にするときわめて強い磁場が必要になり、それは高価になり、工業的な環境では制御が困難になり、ターゲット物質の収率が非常に低くなる。また、比較的高い蒸着圧力は、(a)欠陥(例えばピンホール)密度の増加;(b)スパッターされた粒子のエネルギーの減少(衝突による熱平衡化);(c)プラズマ気体含入、等;いろいろな点で不利になることも周知である。
【0004】
(ii)マグネトロン法によって蒸着される膜は、Thorntonモデルに従う、すなわち、その微細構造は柱状構造が優勢であり、柱の密度と平均直径は堆積圧力やその他のパラメーター、例えば基板の温度によって変化する。このタイプの微細構造は、蒸着された膜にきわめて大きな粗さを生じ、その性質が低下する傾向がある。また、主として膜の面に直角になる粒界の成長が化学的な侵食(例えば、空気中の水分)の優先的チャンネルになる。
【0005】
(iii)薄膜のいくつかのミクロな性質は、その微細構造、結晶化の状態及び化学量論的な組成に強く依存する。与えられた物質に関するこれらの特性は、堆積条件、特に基板に到達するスパッターされた粒子のエネルギーに依存する。マグネトロンスパッタリング法では、これらの粒子(吸着原子)のエネルギーを制御することは困難である。容易に制御できるパラメーターの一つは堆積圧力であるが、運転圧力とターゲットからはじき出される中性原子のエネルギーとの間には、すべての物質で一般化できるような簡単な信頼できる関係は何もない。たいていの場合、スパッターされた粒子のエネルギーは不明であり、多くのパラメーターに依存する。膜の形態に影響を及ぼすもう一つのパラメーターはスパッタリング角度である。これは、従来のマグネトロンスパッタリングでは、電離気体原子はターゲットに直角に、すなわち、移動する基板の方向に直角にぶつかり、スパッターされた原子の運動エネルギーの大部分が基板に与えられ、吸着原子の移動には寄与しないからである。オフアクシス(off-axis)スパッタリング(すなわち、側方からのスパッタリング)はこの問題を回避するものであり、蒸着速度が低いことで定評がある。
【0006】
(iv)マグネトロンスパッタリング法は、2メートルを超える長さの陰極で(同様のサイズの基板への蒸着のために)用いることができるが、その場合、例えば正弦波又はパルス・バイアス電圧を、対応する波長が陰極の長さに比べて大きな周波数で印加しなければならない。すなわち、3 mの陰極とラジオ周波数スパッタリング(約13.56 MHzで)を用いて一様な蒸着をすることが難しいことは明らかである。
【0007】
米国特許第6,214,183号明細書は、ターゲットの物質をスパッターするのに適当なビームを出す線状イオン源とマグネトロンスパッタリング装置を組み合わせた蒸着方法を開示している。この方法は小さな面積(高々数十cm2)の基板にバッチ・モードで動作するチャンバーで蒸着できるように設計されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、マグネトロンスパッタリング法による蒸着方法の欠点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、基板に少なくとも一つの薄膜を堆積する真空蒸着方法は、
被スパッター物質に対して化学的に不活性又は活性である少なくとも一つのスパッタリング物質種が選択されること、
工業規模の設備内に配置された少なくとも一つの線状イオン源を用いて、主にスパッタリング物質種からなるイオンの集光されたビームが生成されること、
被スパッター物質をベースとする少なくとも一つのターゲットにビームが導かれること、そして
基板の少なくとも一つの表面部分が、ターゲットのイオン衝撃によってスパッターされた物質又はスパッターされた物質と少なくとも一つのスパッタリング物質種との反応から生じた物質がその表面部分に堆積されるようにターゲットに向き合う位置に配置されること
を特徴とする。
【0010】
このような配置を行った結果、工業規模でありかつ真空下で運転される薄膜蒸着装置において、基板のある表面部分に少なくとも一つの物質薄膜を堆積することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、以下の一つ以上の配置を任意にさらに用いてもよい:
イオン蒸着源と基板の間の相対運動を行わせる作業が実行されること;
線状イオン源が、0.2〜10 keV、好ましくは1〜5 keV、特に1.5 keVに近いエネルギーをもった集中されたビームを発生させること;
設備が、10-5〜8 x 10-3 torrの範囲にある圧力に加圧されること;
イオンビームとターゲットが、90°〜30°、好ましくは60°〜45°の角度αをなすこと;
堆積は、少なくとも線状イオン蒸着源を用いて、基板の異なる二つの表面部分に同時に又は順次行われること;
スパッタリング物質種に対する補完として、被スパッター物質に対して化学的に活性な追加物質種が導入されること;
追加物質種が、その追加物質種を含む気体の例えば基板の近くへの噴射によって得られること;
スパッタリング物質種のエネルギーを調整するためにターゲットにバイアスがかけられること;
バイアスがかけられるターゲットが陰極マグネトロンに固定されること;及び
多分近くの陰極マグネトロンからなるイオン中性化装置が近くに配置されること。
【0012】
本発明の別の様態では、本発明はまた、基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に酸化錫、又は酸化チタンから選ばれる金属酸化物、シリコン窒化物/酸化窒化物、をベースとしてAl、及び/又はZrがドープされた少なくとも一つ以上の第一の層、任意に、第一の層の上に堆積される特に酸化亜鉛又は酸化チタンをベースとする半導体又は金属酸化物の層、特に銀、プラチナ、金、及びニッケル−クロムから選ばれる機能的金属層、特にニッケル−クロム、チタン、ニオブ及びジルコニウムから選ばれる金属層、この金属層は銀層の上又は下(又は上と下の両方)に堆積され、さらにこの金属層に堆積される、特に酸化錫又は酸化チタン、及び窒化シリコンから選ばれ任意にドープされた半導体又は金属酸化物からなる、多分保護層又はオーバーコートである上方層から形成される薄膜多重層がコーティングされ、機能的金属層に関連する層の少なくとも一つは上述の方法によって堆積されることを特徴とする基板に関する。
【0013】
本発明のさらに別の様態では、本発明はまた、基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に銀をベースとする赤外及び/又は太陽放射における反射性質を有するn個の機能層Aと、(n+1)個のコーティングB(ここでn≧1)を交互に含み、前記コーティングBは特にシリコン窒化物又はシリコンとアルミニウムの混合物、又はシリコン酸化窒化物、又は酸化亜鉛をベースとする誘電体物質で作られる層、又はそれらの層の重畳から成り、各機能層Aが二つのコーティングBの間に位置するように配置されている薄膜多重層でコーティングされ、多重層はまた、機能層の上又は下に配置され、特に、任意に窒化又は酸化されたチタン、ニッケル−クロム、又はジルコニウムをベースとする可視領域で吸収する層Cを含み、コーティングB又はCの層の少なくとも一つが本発明の方法によって蒸着されることを特徴とする基板に関する。
【0014】
本発明のある変形例では、本発明は、基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に銀をベースとする赤外及び/又は太陽放射における反射性質を有するn個の機能層Aと、(n+1)個のコーティングB(ここでn≧1)を交互に含み、前記コーティングBは誘電体物質で作られる層、又はそれらの層の重畳から成り、各機能層Aが二つのコーティングBの間に位置するように配置されている薄膜多重層でコーティングされ、コーティングAの少なくとも一つが本発明の方法によって蒸着されることを特徴とする基板に関する。
【0015】
本発明のさらに別の特徴では、本発明は、グレージング機能を有する基板、特にガラス基板であって、その面の少なくとも一つに薄膜多重層(A)で作られた可視又は太陽赤外領域のミラー又は反射防止コーティングを含み、これらの層が交互に高い屈折率と低い屈折率の誘電体で作られ、これらの層の少なくとも一つが本発明の方法によって蒸着されることを特徴とする基板に関する。
【0016】
本発明による方法を実施するためのある好ましい方法では、本方法は、工業規模のライン(普通、ライン幅約3.5m)に、基板に薄膜の蒸着のための少なくとも一つの線状イオン蒸着源を挿入する工程を含む。本発明の文脈で、“工業規模”という表現は、そのサイズが一方においては連続運転をするのに適当であり、他方においては基板を処理するのに適当であり、その特徴的寸法の一つ、例えば基板の走行方向に直角な幅、が少なくとも1.5mである生産ラインを意味するものである。
【0017】
本発明の文脈において、“イオン蒸着源”という表現は、線状イオン源とターゲット及びターゲットホルダーを含むデバイスを組み込んだ完全なシステムを意味するものである。
【0018】
この線状イオン蒸着源は、処理チャンバー内に配置され、チャンバーの運転圧力は、容易に0.1 mtorr(約133 x 10-4 Pa)より低く、実際には1 x 10-5から5 x 10-3 torrまでに下げることができる。
【0019】
この運転圧力は、マグネトロンスパッタリングのラインの低い運転圧力よりも一般に2〜50倍も低いが、線状イオン蒸着源は従来のマグネトロン法の蒸着圧力でも作動させることができる。
【0020】
本発明のある有利な特徴によれば、あまり高すぎない運転圧力の範囲を用いることによって、堆積される層の内部のいくつかの性質を改善することが可能になる。
【0021】
従って、本発明の第一の様態によれば、本発明の方法によって蒸着された層の欠陥密度は、従来のマグネトロンラインを(その特定の運転圧力範囲で)用いた場合に比べてはるかに低くなる。こうして蒸着された層は、多重層積層の化学的耐久性を高めることを可能にする。何故なら、多重層の末端層における欠陥の数が減少すると化学的な侵食に体する耐性が高められることが知られている(欠陥は、末端層の空洞/空孔から出発する)。これらの欠陥は、実際、腐食性/破壊的物質(水、酸、いろいろな腐食物質)の優先的侵入箇所に成り、局所的に“空孔(ホール)”の形をしている。
【0022】
多重層の末端層における欠陥又は空孔の存在は、多重層が少なくとも一つの銀層を組み込んでいるときに特に有害である。空孔の存在は、例えば水又は湿潤雰囲気の存在下で、点食(pitting)の出現を生ずる危険がある。したがって、このタイプの多重層の化学的耐性は空孔の密度を減らすことによって高められる。
【0023】
水蒸気に敏感な材料で作られた少なくとも一つの層(普通、銀をベースとする層)を含み、末端層における欠陥の数を減らすために本発明による方法が用いられる実施形態について以下で説明する。
【0024】
すなわち、第一の実施の形態によれば、基板は、“熱絶縁が強化された”又は低E(低放出能)タイプのコーティングを有する。このコーティングは、少なくとも5つの層からなる少なくとも一つの系列を含む、すなわち、金属酸化物、特に酸化錫又は酸化チタンから選ばれる金属酸化物をベースとする(厚さが10から30nmの間にある)第一の層、第一の層の上に堆積される半導体又は金属酸化物の、特に酸化亜鉛又は酸化チタンをベースとする(厚さが5から15nmの間にある)層、銀層(厚さが5から15nmの間にある)、銀層の上に堆積された金属層、特にニッケル−クロム、チタン、ニオブ、及びジルコニウムから選択され、任意に窒化又は酸化された(厚さが5nm未満である)金属層、及びこの金属層の上に堆積される半導体又は金属酸化物からなる、特に酸化錫又は酸化チタンから選ばれる(厚さが5から45nmの間にある)少なくとも一つの上方層、なお、(複数の層からなる可能性がある)この上方層は、保護層又はオーバーコートを含むことが可能である。
【0025】
以下に示すものは、低E多重層を有する基板の一例である:
基板/SnO2/ZnO/Ag/NiCr/SnO2.
【0026】
この例を用いて、従来の方法(マグネトロンスパッタリング法)によって製造されたこの多重層構造で得られる化学的耐久性を、本発明による方法によって製造された同じ構造と比較することが提案される。
【0027】
このために、下記の実施例で用いられるいろいろな機械的及び化学的耐久性テストの実施方法を以下に説明する:
【0028】
HClテスト:
10分;0.01 mol/l;37℃.
測定:8μmにおける反射の変化(ΔR)+欠陥の観察。
【0029】
NaOHテスト:
10分;0.1 mol/l;室温。
測定:8μmにおける反射+欠陥の観察。
【0030】
HH(高湿度)テスト:
8日間;相対湿度90%;60℃.
測定:欠陥の観察。
【0031】
Taber(テーバー)試験:
CS10Fホイールによる摩耗
測定:傷ついた面積のパーセンテージ。
【0032】
引っかき(スクラッチ)試験:
校正された曲率半径をもった成形鋼チップ(Bosch, R=0.75 mm)によって多重層を引っかく。その層に引っかき傷を付けるために加えることが必要な最小の力を測定。
【0033】
すなわち、従来技術によって銀をベースとし、ニッケル−クロムの犠牲ブロッキング金属層と酸化錫上方誘電体層を有する多重層が厚さ4mmのガラス基板に堆積された。基板/ SnO2/ZnO/Ag/NiCr/SnO2 (41 nm)MAGタイプの多重層E1が得られた。この多重層E1はマグネトロンスパッタリング法によって、チャンバーに基板を通し、堆積しなければならない物質をベースとする金属ターゲットを通過させ、アルゴン雰囲気中で金属層を堆積し、アルゴン/酸素雰囲気中で酸化物を堆積することによって製造された。
【0034】
この多重層E1が、多重層E2と比較された。ここで、多重層E2の末端層は二つに分けられるという特別な特徴を有していた:すなわち、最初の20ナノメーターは従来のマグネトロンスパッタリング法によって堆積され、他の21ナノメーター(外側部分)は本発明による方法で蒸着された:
【0035】
多重層E2:基板/ SnO2/ZnO/Ag/NiCr/SnO2 (20 nm)MAG/ SnO2 (21 nm)IBS.
【0036】
SnO2MAGは平面状の錫ターゲットの反応性スパッタリングによって堆積されたが、SnO2 IBSは同じ真空チャンバーに設置された装置を用いて上述の方法によって堆積された。したがって、二つの末端SnO2層の間で多重層は大気圧にさらされなかった。
【0037】
本明細書において、MAGは“マグネトロンによって堆積された”と同義であり、IBSは“本発明による方法で、すなわち、線状イオン蒸着源を用いて、又はIBS(イオンビーム・スパッタリング)方法によって、堆積された”と同義である。
【0038】
【表1】

【0039】
以下に示すものは、低E多重層でコーティングされた別の例である:
基板/ SnO2/ZnO/Ag/NiCr/ZnO/Si3N4.
【0040】
この例を用いて、従来の方法(マグネトロンスパッタリング法)によって製造されたこの多重層構造に関する化学的耐久性を、本発明による方法によって製造された同じ構造と比較した。
【0041】
すなわち、従来技術によって銀をベースとし、酸化亜鉛層に窒化シリコン末端層をコーティングした多重層が厚さ4mmのガラス基板に堆積された。基板/ SnO2/ZnO/Ag/NiCr/ZnO/Si3N4 (20 nm)MAGタイプの多重層E3が得られた。
【0042】
この多重層E3は、マグネトロンスパッタリング法によって、チャンバーに基板を通し、堆積しなければならない物質をベースとする金属ターゲットを通過させて製造された。
【0043】
この多重層E3が、多重層E4と比較された。ここで、多重層E4の末端層は二つに分けられるという特別な特徴を有していた:すなわち、最初の10ナノメーターは従来のマグネトロンスパッタリング法によって堆積され、他の10ナノメーター(外側部分)は本発明による方法で蒸着された:
【0044】
多重層E4:基板/ SnO2/ZnO/Ag/NiCr/ZnO/Si3N4 (10 nm)MAG /Si3N4 (10 nm)IBS.
【0045】
【表2】

【0046】
本発明の第二の様態によれば、本発明による蒸着方法は、一般に、圧縮応力レベルをコントロールすることによって多重層の機械的耐久性を向上させることを可能にする。さらに詳しくは、この機械的耐久性の向上は、多重層でコーティングされたグレージングが変換されるとき又はその寿命における諸段階で引っかき又は摩耗タイプの“機械的攻撃”に対する抵抗の増加として現れる。
【0047】
従来の公知の真空蒸着方法(マグネトロン法)は、一般に非常に高い圧縮応力を有する層を形なする。
【0048】
この特性を説明するために、日よけコーティングを含み、(強靱化タイプの)熱処理を行うのに適した、自動車における特定用途のために設計された基板の例を以下に示す。
【0049】
このコーティングは、特に銀をベースとする赤外及び/又は太陽放射の領域における反射性質を有する(厚さが5から15 nmの間にある)n個の機能層Aと、特に窒化シリコンをベースとする(厚さが5から80 nmの間にある)又はシリコンとアルミニウムの混合物、又は酸化窒化シリコン、又は酸化亜鉛をベースとする(厚さが5から20 nmの間にある)誘電体で作られた層又はそれらの層の重畳からなる(n+1)個のコーティングB(ただし、n≧1)を交互に含み、各機能層Aが二つのコーティングBの間に配置される薄膜多重層から成り、この多重層はまた、特にチタン、ニッケル−クロム、又はジルコニウムをベースとし、任意にそれが窒化又は酸化されている、機能層の上及び/又は下に配置された、可視領域で吸収する層Cも含む。
【0050】
以下に示すものは、このタイプの多重層でコーティングされた別の例である:
基板/ Si3N4 /ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4/ ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4.
【0051】
この多重層では、従来の真空蒸着法(マグネトロンスパッタリング)と本発明による蒸着方法を用いて応力レベルが高いことは定評がある窒化シリコンの層が堆積された。
【0052】
多重層E5は、次のようなものであった:
基板/ Si3N4 MAG/ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4 MAG/ ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4MAG.
【0053】
線状イオン蒸着源を用いて、窒化シリコンをベースとする層を低い応力レベルで堆積するようにその集中ビームを最適化して得られた多重層E6は、次のようなものであった:
基板/ Si3N4 MAG/ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4IBS/ ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4IBS.
【0054】
マグネトロンスパッタリング(MAG)とIBSを用いた本発明による方法によって製造されたSi3N4層の蒸着条件及び対応する圧縮応力と粗さ測定値を次の表に示す:
【0055】
【表3】

【0056】
圧縮応力が低く粗さが小さい誘電体層の組み合わせで引っかき抵抗が改良された:
【0057】
【表4】

【0058】
IBSによって得られた層は、他の蒸着法に比べて粗さが非常に小さい−読者は次の刊行物を参照されたい:Applied Surface Science, 205 (2003), 309-321.
【0059】
本発明の第三の様態によれば、本発明による蒸着方法は、一般に、堆積された層の性質を改善することを可能にする。特にこの方法は、層の粗さを減少させる。
【0060】
これは、問題の層が、機能層又は機能層をコーティングしなければならない下地層であるときに、最適の(又は最小の)粗さを達成することがきわめて重要であるためである。
【0061】
特に、機能層が銀をベースとしている場合、得られる最適の放出能、導電性及び赤外領域における反射能は銀層の粗さに依存し、銀層の粗さはそれに先行する層の粗さに依存することが知られている。
【0062】
以下に示す例6aは、機能層に関するこの性質を示している:
基板/Si3N4 /ZnO/Ti/Ag/ZnO/Si3N4.
【0063】
この多重層構造で、10 nmの銀層は従来のマグネトロン法及び本発明による方法で堆積された。
【0064】
【表5】

【0065】
誘電体に見られるように、本発明による蒸着方法は粗さを減少させ、したがって前述のように、表面抵抗を減少させる(低い抵抗率及び低い放出能)。
【0066】
例6bは、シリコン層の粗さに関する改善を例示する。
【0067】
本発明の方法によって堆積されたSiO2層の粗さ(AFMによって0.5 x 0.5 μm2 のクアドラントで決定)は、同じ厚さのマグネトロン蒸着によるSiO2層の粗さより小さい。
【0068】
【表6】

【0069】
以下に示すものは、本発明の有利な特徴を例示するいろいろな多重層構造であり、その成分層のいくつかは従来の方法又は本発明による方法で堆積された。
【0070】
すなわち、マグネトロン法の代わりに本発明の方法によって堆積されたZnO成分層を用いることによって、銀のヘテロエピタキシーのために必要な結晶性を維持しながら層の粗さを減らすことが可能になる。この効果はまた、酸化亜鉛の下方の酸化物の下の層が(マグネトロンの代わりに)ターゲットに集束される線状イオン源を用いる方法を利用することによって粗さが減少した場合にも検出できる。これは、銀層の粗さの減少につながり、それは導電性を改善することになる。
【0071】
対照の多重層E7は、次のようなものである:
基板/ZnOMAG(32 nm)/Ag(10 nm)/NiCr(1 nm)/SnO2(25 nm).
【0072】
この多重層E7は、次のような特性の多重層R8及びE9と比較される:
多重層E8:基板/ZnOIBS(32 nm)/Ag(10 nm)/NiCr(1 nm)/SnO2(25 nm).
多重層E9:基板/SI3N4IBS(25 nm)/ZnO(10 nm)/Ag(10 nm)/NiCr(1 nm)/SnO2(25 nm).
【0073】
【表7】

【0074】
本発明の第三の様態によれば、本発明による蒸着方法は、一般に、多重層の光学的性能を改善すること、特に誘電体層のみを含む反射防止多重層又は反射多重層の性能を改善することを可能にする。
【0075】
これまでに開発された真空蒸着方法を用いる反射防止コーティングは、大部分が法線入射での光の反射を最小にするように最適化され、斜めに見たときのグレージングの光学的外観や審美的特性、多重層の機械的耐久性、及び製品が熱処理(強靱化、アニーリング、又は曲げタイプ)に耐える能力を考慮に入れていない。高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層からなる4層の多重層で、法線入射に対して非常に低い光反射率RLを得ることが可能であることは知られている。高屈折率層は一般に、それぞれ約2.45及び2.35という高い実効屈折率を有するTiO2又はNb2O5で作られ、低屈折率層は通常、約1.45という屈折率を有するSiO2で作られる。
【0076】
多重層が熱処理(曲げ及び/又は強靱化)においてその光学的性質、機械的性質(硬さ、引っかき耐性、及び耐摩耗性)及び化学的耐性を維持することが望まれる場合、高屈折率層としてSi3N4をベースとする層を用いることは公知である。しかし、その屈折率は550 nmで約2.0であり、それが光学的な最適化の可能性を制限している。
【0077】
本発明による方法は、上記の多重層の光学的性能を大きく改善することを可能にする。これは、本発明の方法が従来の方法(マグネトロンスパッタリング)よりも高い密度の薄膜を得ることを可能にするからであり、この密度の増加は屈折率を増加させることになる。
【0078】
この方法を実施する方法の別の例によれば、基板、特にガラス基板上に、その面の少なくとも一つに、水に対する表面エネルギーを変化させるための少なくとも一つの末端層を含む薄膜多重層を製造することが可能になる。この末端層は、疎水性を有するようにしてもよく(静的接触角が80°以上)、又は逆に、親水性を有するようにしてもよい(静的接触角が20°未満)。
【0079】
以下に、高屈折率の材料の屈折率を比較した表を示す(nは550 nmにおけるエリプソメトリーによって測定):
【0080】
【表8】

【0081】
この特性は、例えば同一の対称構造の多重層E10からE14まで:すなわち、SiO2MAG/TiO2/SiO2MAG /M/基板/M/SiO2MAG /TiO2/SiO2MAGの光学的性能(光学的シミュレーションで得られたもの)によって示される。
【0082】
【表9】

【0083】
従来のマグネトロンスパッタリングが可能な物質とIBS蒸着が可能な物質を組み合わせることによって反射防止コーティングの光学的性能を高めることが可能になるということが明らかである。
【0084】
例に関わりなく、少なくとも一つの線状イオン源が用いられるが、その動作原理は次の通りである:
【0085】
線状イオン源は、非常に概略的に言うと、陽極と、磁場デバイス、及び気体注入源を含む。このタイプの生成源の例は、例えば、ロシア特許第2 030 807号、米国特許第6,002,208号、又は国際公開(WO)第02/093987号に記載されている。陽極はDC電源によって正電位に高められ、陽極と陰極の間の電位差によって近くに注入された気体がイオン化される。この場合、注入される気体は、酸素、アルゴン、窒素、又はヘリウム、希ガス、例えばネオン、又はこれらの気体の混合物をベースとする気体混合物であってもよい。
【0086】
次に、気体プラズマは、磁場(永久磁石又は非永久磁石によって発生される)の作用を受け、イオンビームが加速され集束される。こうして、イオンは集束され、スパッターしようとする物質で作られ多分バイアスがかけられた少なくとも一つのターゲットの方へ加速されるが、その強度は、特に生成源の幾何形状、気体の流量、気体の性質、及び陽極に加えられた電圧に依存する。特にイオン蒸着源の動作パラメーターは、集束されたイオンに与えられるエネルギー及び加速が、その質量と実効スパッタリング断面積によってターゲットを形成している物質の塊をスパッターさせるのに十分であるように調節される。
【0087】
1つもしくはそれ以上のイオン源の方位とターゲットの方位は、それぞれ、生成源から放出されるイオンビーム(単数又は複数)が予め決められた一つ以上の平均角度(それは90°〜30°、好ましくは60°〜45°である)でターゲットをスパッターさせるようなものである。スパッターされた原子蒸気は、幅が少なくとも1 mある移動している基板に到達することができなければならない(1 mというのは、それ以上になれば設備を工業設備と呼ぶことができる限界サイズである)。
【0088】
ある変形例では、ターゲットをマグネトロンスパッタリング装置に組み込むことができる。
【0089】
基板の近くで、任意であるが、気体注入装置を用いて、ターゲットから出てくるスパッターされた又は打撃された物質に対して化学的に活性な第二の物質種を気体又はプラズマの形で注入することが可能である。
【0090】
いくつかの生成源を生産ラインに組み込み、それらの生成源が基板の同じ面に、又は基板の各面に(例えば、アップ&ダウン・スパッタリング・ライン)、同時に又は引き続き働くようにすることが可能である。
【0091】
さらに、線状イオン蒸着源にイオン中性化デバイス(電子源)を装備してターゲットが帯電することを防ぎ、蒸着チャンバー内部にアークが発生することを防ぐことができる。このデバイスは近くで作動する陰極マグネトロンであってもよい。
【0092】
表面に薄膜を堆積しようとする基板は、好ましくは透明であり、平坦又は湾曲しており、ガラス又はプラスチック(PMMA, PC, 等)で作られる。
【0093】
さらに一般に、本発明による方法は、工業規模のチャンバーにおいて、基板、特にガラス基板であって、その面の少なくとも一つに前記方法によって堆積された少なくとも一つの層を含む薄膜多重層を備え、その粗さ/応力/欠陥密度/結晶化状態/光学的分散法則が、マグネトロンスパッタリングによって堆積された層のみを含む多重層に比べて変化している基板を製造することを可能にする。
【0094】
工業規模のチャンバーにおいて、ターゲットに向けられた線状イオン源を、ターゲットをスパッターして得られる基板を覆う層の方に向けられる別の線状イオン源と結合することが可能である。
【0095】
同様に、平面又はロータリー陰極である従来の陰極を組み込んだ、チャンバー内又はチャンバーのすぐ近くにあるターゲットに向けられるイオン源を一つ又は二つのチューブと結合することが可能である。
【0096】
イオン蒸着デバイス内で用いられるターゲットは、複数のプレート又はチューブであってもよく、プロセスの間に静止していても移動できるものであってもよい。
【0097】
こうしてコーティングされたこれらの基板は、自動車産業における用途のための、特に自動車のサンルーフ、サイド・ウインドー、フロントガラス、リア・ウインドー、後方ミラー、建物のシングル又はダブル・グレージング・ユニット、特に建物のインテリア及びエクステリア・ウインドー、ディスプレー・キャビネット、ストア・カウンター、これは湾曲していることもある、油彩タイプのものを保護するグレージング・ユニット、コンピューターの防眩スクリーン、ガラス家具、胸壁、又は防汚システム、などの用途のためのグレージング・ユニットとなる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の1態様を示す写真である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、特にガラス基板に少なくとも一つの薄膜を堆積する真空蒸着方法であって、
被スパッター物質に対して化学的に不活性又は活性な少なくとも一つの気体スパッタリング物質種が選択され、
主としてスパッタリング物質種を含むイオンの集束ビームが、工業規模の設備内部に配置された少なくとも一つの線状イオン源を用いて生成され、
前記ビームが、被スパッター物質をベースとする少なくとも一つのターゲットに向けられ、そして
前記基板の少なくとも一つの表面部分が、ターゲットのイオン衝撃によってスパッターされる物質又は前記被スパッター物質と少なくとも一つのスパッタリング物質種との反応から生ずる物質が前記表面部分に堆積されるように前記ターゲットに向き合うように配置されることを特徴とする方法。
【請求項2】
イオン蒸着源と基板の間で相対運動を生じさせる動作が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
直線イオン源が、エネルギーが0.2〜10 keV、好ましくは1〜5 keV、特に1.5 keVに近い、集束されたイオンビームを発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記設備が10-5〜8 x 10-3 torrの圧力に加圧されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
イオンビームとターゲットが、90°〜30°、好ましくは60°〜45°の角度αをなすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも線状イオン蒸着源を用いて基板の二つの異なる表面部分に同時に又は引き続き蒸着が行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記スパッタリング物質種を補完するものとして、被スパッター物質に対して化学的に活性である追加の物質種が導入されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記追加の物質種は、その追加の物質種を組み込んだ、例えば基板の付近への気体の注入から得られることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲットは、スパッタリング物質種のエネルギーを調整するようにバイアスがかけられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
イオン蒸着源の近くに、多分近くの陰極マグネトロンからなるイオン中性化デバイスが配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
バイアスがかけられたターゲットは、陰極マグネトロンに固定されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
イオンビームがターゲットに向けられる少なくとも一つの線状イオン源と、少なくとも一つの陰極マグネトロンが蒸着チャンバーの同じコンパートメント内で結合されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
イオンビームがターゲットに向けられる線状イオン源と、それからのビームがターゲットのスパッタリングから得られる膜に向けられる別のイオン源が、蒸着チャンバーの1つの同じコンパートメント内で結合されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に銀をベースとする、赤外領域及び/又は太陽放射における反射性質を有するn個の機能層Aと、特に窒化シリコン、又はシリコンとアルミニウムの混合物、又は酸化亜鉛、又は酸化錫、又は酸化チタンをベースとする誘電体物質で作られる層又はそれらの層の重畳を含む(n+1)個のコーティングB(ただしn≧1)を交互に、各機能層Aが二つのコーティングBの間に配置されるように含む薄膜多重層でコーティングされ、コーティングBの層の少なくとも一つが請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積されていることを特徴とする基板。
【請求項15】
基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に銀をベースとする、赤外領域及び/又は太陽放射における反射性質を有するn個の機能層Aと、誘電体物質で作られる層又はそれらの層の重畳を含む(n+1)個のコーティングB(ただしn≧1)を交互に、各機能層Aが二つのコーティングBの間に配置されるように含む薄膜多重層でコーティングされ、コーティングAの層の少なくとも一つが請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積されていることを特徴とする基板。
【請求項16】
基板、特にガラス基板であって、その少なくとも一つの表面部分が、特に銀をベースとする、赤外領域及び/又は太陽放射における反射性質を有するn個の機能層Aと、特に窒化シリコン、又はシリコンとアルミニウムの混合物、又は酸化亜鉛、又は酸化錫、又は酸化チタンをベースとする誘電体物質で作られる層又はそれらの層の重畳を含む(n+1)個のコーティングB(ただしn≧1)を交互に、各機能層Aが二つのコーティングBの間に配置されるように含む薄膜多重層でコーティングされ、該多重層がまた、該機能層の上及び/又は下に配置された可視領域を吸収する少なくとも一つの金属層Cを含み、それが特にチタン、ニッケル−クロム、又はジルコニウムをベースとし、任意に窒化又は酸化され、前記層Cが請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積されていることを特徴とする基板。
【請求項17】
基板、特にガラス基板であって、その面の少なくとも一つに、交互に高及び低屈折率の誘電体で作られた層からなる薄膜多重層で作られる可視又は太陽赤外領域におけるミラー又は反射防止コーティングを備え、該層の少なくとも一つが請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積されていることを特徴とする基板。
【請求項18】
基板、特にガラス基板であって、その面の少なくとも一つに、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積された少なくとも一つの層を含む薄膜多重層を備え、その粗さ/応力/欠陥密度/結晶化状態/光学的分散法則が、マグネトロンスパッタリングによって堆積された層のみを含む多重層に比べて変化していることを特徴とする基板。
【請求項19】
基板、特にガラス基板であって、その面の少なくとも一つに、表面エネルギーを変化させる又は摩擦係数を変化させることを目的とする少なくとも一つの末端層を含む薄膜多重層を備え、前記末端層が請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって堆積されることを特徴とする基板。
【請求項20】
自動車産業のために、特に自動車サンルーフ、サイド・ウインドー、フロントガラス、リア・ウインドー、後方ミラー、建物のシングル・グレージング又はダブル・グレージング・ユニット、特に建物のインテリア又はイクステリア・ウインドー、ディスプレー・キャニネット、湾曲することもあるストア・カウンター、油彩タイプのものを保護するためのグレージング・ユニット、防眩スクリーン、ガラス家具、これは場合によって光起電力システムを組み込む、ディスプレー・スクリーン、胸壁、又は防汚システムを意図した基板であることを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の基板。

【公表番号】特表2007−533856(P2007−533856A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508949(P2007−508949)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050250
【国際公開番号】WO2005/106070
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】