説明

真贋判定システム

【課題】真贋判定システムに関し、シートを安価かつ製造容易で偽造し難くさせ、当該シートに対して容易、確実に真贋判定を可能とする。
【解決手段】シート情報と、第1保磁力の磁性体材料で形成される所定数の第1磁性体部a6,a7,b3,b6,c5,c6と、上記第1保磁力より小の第2保磁力の磁性体材料により形成されて上記第1磁性体部と平面的に混在されて設けられる所定数の第2磁性体部a2,a3,b1,b2,b4,b5,b7,c1,c2,c3,c4,c7とを備える偽造防止用シート31に対し、上記第1磁性体部及び第2磁性体部に対して第1保磁力より小で第2保磁力より大の保磁力に対応する磁界の強さで磁化パターンを記録し、当該記録した磁化パターンを読み込み、当該読み込んだ磁化パターンとシート情報に基づき真贋判定する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードなどの各種カード、各種金券、各種チケット等のシートの磁気による偽造防止、真贋判定を行う真贋判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカードなどの各種カード、各種金券、各種チケット等のシートは、偽造防止が要請され、偽造防止の手法と真贋判定は一体の関係にあり、安価かつ製造容易で偽造し難く、容易、確実に真贋判定を可能とすることが望まれている。
【0003】
従来、磁気カードの偽造防止技術として、以下の特許文献で提案されているものがある。下記特許文献には、磁気カードに、保磁力の異なる第1、第2、第3の磁性層を順次積層するもので、保磁力を、第1の磁性層を高保磁力(2750(Oe:エルステッド、1エルステッド=(1/4π)×103A/mであり、以下「エルステッド」を単位とする))として第2の磁性層の低保磁力(1000エルステッド)の2.5倍以上とすると共に、第3の磁性層に、上記第1及び第2の磁性層それぞれ別個に記録された信号磁界の干渉によって生じた磁界並びに配向磁界の影響により形成された磁性粒子の密度が不規則に異なる書き換え不能な固定パターンを記録することが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−045428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献では、第3の磁性層に固定パターンを形成させるために第1の磁性層の形成、書き込み、続く第2の磁性層の形成、書き込み、さらに第3の磁性層の形成のように、そのための製造工程数や製造時間を必要とする。例えば、製造等を考慮して第1及び第2の磁性層のみの2層とした場合、高保磁力材料による第1の磁性層と低保磁力材料による第2の磁性層とは保磁力に2.5倍以上の差があるか否かに拘わらず容易に判別し易く、偽造し易くなるという問題がある。一方で、共に低保磁力の磁性層同士として保磁力に差を設けた場合には判別し難くなるが、反面、それぞれを判別して偽造防止の何らかの手法を施すことは、例えば振動型磁力計などにより磁気ヒステリシス測定でもしない限りは困難であり、このような磁気ヒステリシス測定は装置が高価かつ大掛かりとなって現実的でないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、シートを安価かつ製造容易で偽造し難くさせ、当該シートに対して容易、確実に真贋判定を可能とする真贋判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、真贋判定のために付帯されるシート情報と、第1保磁力の磁性体材料で形成される所定数の第1磁性体部と、上記第1保磁力より小の第2保磁力の磁性体材料により形成されて上記第1磁性体部と平面的に混在されて設けられる所定数の第2磁性体部とを備える偽造防止用シートに対し、付帯された上記シート情報及び形成された第1磁性体部及び第2磁性体部に基づく磁化パターン又は磁気情報より真贋判定を行う真贋判定システムであって、前記偽造防止用シートの前記第1磁性体部及び第2磁性体部に対し、当該第1磁性体部には記録がされず、当該第2磁性体部にのみ記録可能な前記第1保磁力より小で前記第2保磁力より大の保磁力に対応する磁界の強さで磁化パターン又は磁気情報の記録を行わせる当該記録制御手段と、記録された前記第2磁性体部の磁化パターン又は磁気情報を読み取らせる読込制御手段と、前記読込制御手段により読み取った前記第2磁性体部の磁化パターン又は磁気情報と前記シート情報とに基づいて真贋を判定する判定手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、真贋判定のために付帯されるシート情報、第1保磁力の磁性体材料で形成される所定数の第1磁性体部、及び、上記第1保磁力より小の第2保磁力の磁性体材料により形成されて上記第1磁性体部と平面的に混在されて設けられる所定数の第2磁性体部を備える偽造防止用シートに対し、上記第1磁性体部及び第2磁性体部に対して第1保磁力より小で第2保磁力より大の保磁力に対応する磁界の強さで磁化パターン又は磁気情報を記録し、当該記録した磁化パターン又は磁気情報を読み込み、当該読み込んだ磁化パターン又は磁気情報とシート情報に基づき真贋判定する構成とすることにより、記録時に保磁力の高い第1磁性体部は磁化されないことから、真正の磁化パターン又は磁気情報が得られ、シートを安価かつ製造容易で偽造し難くさせ、当該シートに対して容易、確実に真贋判定をさせることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る真贋判定システムのブロック構成図等を示す。図1(A)において、真贋判定システム11は、制御処理部12にリーダライタ13及び撮像カメラ15が接続され、当該リーダライタ13は磁気ヘッド部14を備える。リーダライタ13は、後述の図2に示す偽造防止用シート(31)における照合用磁性体部(33)の各第1磁性体部及び各第2磁性体部に対して記録(書き込み)を行い、当該記録が行われた偽造防止用シート(図4)に対して当該各第1磁性体部の磁化パターンを読み取るもので、磁気ヘッド部14を備える。当該磁気ヘッド部14は、ここでは後述の図4に示すように各第1磁性体部及び第2磁性体部の配置位置に対応した5つの磁気ヘッド(1〜5)で構成される。
【0010】
上記撮像カメラ15は例えばCCDカメラであり、後述の図2に示す偽造防止用シート31に印刷等されたシート情報(34)を撮像し、例えばビットマップの撮像データを後述の撮像データ認識手段26に送出する。この撮像カメラ15は、例えばシート31を搬送する搬送経路上にリーダライタ13と共に配置されるが、上記リーダライタ13内に設けることとしてもよい。
【0011】
上記制御処理部12は、制御手段21、バス22、インタフェース(IF)23、RAM24、リード/ライト制御処理手段25、撮像データ認識手段26及び判定手段27を適宜備え、当該判定手段27は照合テーブル28を適宜備える。上記制御手段21は、当該システムをアルゴリズム処理により統括的に制御するもので、そのためのプログラムが図示しないROM等に備えられている。上記RAM35は、一時記憶のためのメモリであり、各種プログラムの作業領域となる半導体メモリや仮想的に設定されるハードディスクである。
【0012】
上記リード/ライト制御処理手段25は、リーダライタ13に対して、読み込み、書き込み(記録)を指令するプログラムで、書き込みの場合には磁気ヘッドの記録磁界の強さを指定し、読み込みの場合には読み取った磁化の磁気データから磁化パターンを特定してデータ化する。当該リード/ライト制御処理手段25は、記録制御手段及び読込制御手段を構成する。すなわち、詳細は後述するが、後述の図2で示す偽造防止用シートの第1磁性体部及び第2磁性体部に対し、当該第1磁性体部には記録がされず、当該第2磁性体部にのみ記録可能な第1保磁力より小で第2保磁力より大の保磁力に対応する磁界の強さで磁化パターンの記録を行わせ、記録された第2磁性体部の磁化パターンを読み取らせるものである。
【0013】
上記画像データ認識手段26は、撮像カメラ15より送られてくる撮像データ(例えばビットマップデータ)を解析してデータとして認識を行うものであって、ここでは後述の偽造防止用シート31に印刷等されたシート情報34をデジタルデータとして認識するプログラムである。上記撮像カメラ15及び画像データ認識手段26により情報認識手段を構成させる。
【0014】
上記判定手段27は、リード/ライト制御手段25により読み取った偽造防止用シートの第2磁性体部の磁化パターンと付帯されたシート情報とに基づき照合テーブル28を参照して真贋を判定するプログラムである。当該照合テーブル28は、図1(B)に示すように、磁化パターンのデータとシート情報のデータとが関連付けられたもので、シート情報は画像データ認識手段26により認識されて特定され、磁化パターンは各第2磁性体部から読み取られた磁化状態から特定される。
【0015】
ここで、図2に、本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第1実施形態の構成図を示す。図2(A)、(B)に示す偽造防止用シート31において、シート基部32上の、例えば右下部分に照合用磁性体部33が設けられると共に、例えば左上部分にシート情報34が例えば文字情報「A001」として印刷等により付帯される。ここでは、偽造防止用シート31の構成を、一例として磁気記憶部を備えていない商品券などの金券に適用させる場合としている。
【0016】
上記照合用磁性体部33には、第1磁性体部a6,a7,b3,b6,c5,c6と第2磁性体部a2,a3,b1,b2,b4,b5,b7,c1,c2,c3,c4,c7とを平面的に混在させ、各第1磁性体部と各第2磁性体部との配置位置で、例えば3桁の数字パターンとして視認可能に設けたもので、当該各第1磁性体部と各第2磁性体部との配置により真正の磁化パターンが決定される。
【0017】
また、上記各第1磁性体部は第1保磁力の磁性体材料で形成され、上記各第2磁性体部は当該第1保磁力より小の第2保磁力の磁性体材料で形成される。これら第1保磁力及び第2保磁力は、JIS規格JISX6302−6で規定されている高保磁力よりも低い保磁力の範囲内で設定させるのが好ましい。これは、上記規格に準拠して市販されているリーダライタにおいては保磁力の違いを判別することができず、偽造防止効果を発揮させることができるからである。例えば、第1保磁力を650エルステッドとし、第2保磁力を325エルステッドと設定する。上記第1保磁力とさせる磁性体材料としてはビデオテープのハイポジションタイプとして知られている例えばコバルト被着ガンマ酸化鉄が使用され、上記第2保磁力とさせる磁性体材料としてはノーマルタイプのビデオテープで知られている例えばガンマ酸化鉄が使用される。
【0018】
これら第1保磁力及び第2保磁力の各第1磁性体部及び各第2磁性体部は、それぞれの磁性体材料をインキに混入させて例えばグラビアコートにより形成することができ、視覚的に数字パターン「488」として認識させる。ここでは、上記真正の磁化パターン上記数字パターンとことにして形成させる。
【0019】
なお、上記第1保磁力及び第2保磁力を、当該高保磁力の範囲内で異ならせて設定させてもよい。上記低保磁力とJIS規格JISX6302−6でいう高保磁力と混在させなければ、偽造防止効果は向上する。
【0020】
そこで、図3に図2の真贋判定システムによる真贋判定の処理フローチャートを示すと共に、図4及び図5に図3の真贋判定の説明図を示す。図3において、図2のように各第1磁性体部及び各第2磁性体部が形成されたシート31が、リーダライタ13内に送り込まれたときに、制御手段21が上記リード/ライト制御処理手段25に、当該シート31が各第1磁性体部を650エルステッドの保磁力の磁性体材料で形成させ、各第2磁性体部を325エルステッドの保磁力の磁性体材料で形成させた場合として、図4に示すように、例えば400G(ガウス、1G=10-4T(テラス)であり、以下「G」を単位とする)で記録(書き込み)を行わせる(ステップ(S)1)。
【0021】
この400Gの記録磁界は、上記のように第1保磁力(650エルステッド)より小であり第2保磁力(325エルステッド)より大の保磁力に対応する磁界の強さである。すなわち、これによって、各第1磁性体部a6,a7,b3,b6,c5,c6には記録が行われず、各第2磁性体部a2,a3,b1,b2,b4,b5,b7,c1,c2,c3,c4,c7にのみ記録(書き込み)が行われることとなる。このガウスとエルステッドの数値は同等と考えてよい。
【0022】
なお、記録を行わせる磁界の強さ(ここでは400G)をI、第1保磁力をOe1、第2保磁力をOe2としたときに、記録が第1保磁力の磁化に悪影響を及ぼさないように、Oe1>>I>Oe2であることが好ましい。
【0023】
ところで、図2に示すシート31に、例えば偽造するものが市販のリーダライタで書き込みを行った場合には、記録のための磁界の強さを設定することができないことから、各第1磁性体部及び第2磁性体部の総てに記録を行うこととなる。
【0024】
続いて、制御手段21が、リード/ライト制御処理手段25にリーダライタ13に対する読み込みを指令させると共に、撮像データ認識手段26に撮像カメラ15に対するシート31のシート情報34の撮像を指令させる(S2)。リード/ライト制御処理手段25では、図5(A)に示すように、磁気ヘッド1〜5が磁化されている各第2磁性体部のみが読み込まれ、図5(B)に示すように、当該各第2磁性体部の配置位置による磁気データの磁化パターン「123」を特定し、また、撮像データ認識手段26が撮像データからシート情報34のデータを特定する(S3)。
【0025】
そこで、判定手段27が、磁化パターンのパターンデータ及びシート情報のデータに基づき、図1(B)に示す照合テーブル28を参照して、一致するか否かを判定する(S4)。判定結果(S5)、不一致であれば[NG」と判定し(S6)、一致すれば「真正」と判定するものである(S7)。
【0026】
このように、第1保磁力(650エルステッド)より小であり第2保磁力(325エルステッド)より大の保磁力に対応する磁界の強さで記録することで保磁力の高い第1磁性体部は磁化されないことから、真正の磁化パターンが得られて確実に真贋判定をさせることができるものであり、このような真贋判定を可能とするシートを安価かつ製造容易で偽造し難くさせることができるものである。
【0027】
ところで、上記実施形態では、真贋判定を行うためのシート情報34をシート基部32上に形成した場合を示したが、例えばチケットや各種磁気カードのように、磁気媒体が設けられている場合には、当該磁気媒体上にシート情報のデータを記録させておき、真贋判定時にリード/ライト制御処理手段25で読み込ませることとしてもよい。この場合には、上記撮像カメラ15、撮像データ認識手段26及び照合テーブル28を不要とさせることができる。このことは、以下の各実施形態においても同様である。
【0028】
次に、図6に、本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第2実施形態の構成説明図を示す。図6(A)において、偽造防止用シート31は、照合用磁性体部41を、例えば5つの角形状(その形状を問わない)のマークとし、650エルステッドの第1磁性体部e4,e5及び325エルステッドの第2磁性体部e1〜e3として所望の間隔で平面的に混在させたもので、他の形態は図1と同様である。すなわち、各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5のそれぞれの配置で真正の磁化パターンが決定される。
【0029】
このような偽造防止用シート31に対し、真贋判定時に、図6(B)に示すように、磁気ヘッド24により各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5に対して磁界の強さ400Gで書き込んで磁化する。これによって、保磁力(650エルステッド)の高い第1磁性体部e4,e5は磁化されず、保磁力(325エルステッド)の低い第2磁性体部e1〜e3のみが磁化され、これが真正の磁化パターンとなる。
【0030】
そして、図6(C)に示すように、各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5に対して読み込みを行わせることで各第2磁性体部e1〜e3のみの磁気データによる磁化パターンが特定されるものである。
【0031】
このように、第1磁性体部及び第2磁性体部を視覚上の数字や文字としなくとも実現することができるものである。
【0032】
次に、図7に、本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第3実施形態の構成説明図を示す。図7(A)において、偽造防止用シート31は、照合用磁性体部51を、例えばテープ状とし、325エルステッドの第2磁性体部e1〜e3及び650エルステッドの第1磁性体部e4,e5を連続状として平面的に混在させたもので、他の形態は図1と同様である。すなわち、各第1磁性体部と各第2磁性体部e1〜e5のそれぞれの配置や長さで真正の磁化パターンが決定される。
【0033】
例えば、図7(B)に示すように、各第1磁性体部と各第2磁性体部e1〜e5に対して磁気ヘッド24により磁界の強さ400Gで磁化する書き込みを行うと各第1磁性体部e4,e5は磁化されず、各第2磁性体部e1〜e3のみが磁化される。
【0034】
そして、図7(C)に示すように、各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5に対して読み込みを行わせることで各第2磁性体部e1〜e3のみの磁気データによる磁化パターンが磁気ヘッド24による磁化検出の長さ(検出波形の長さ)として当該各第2磁性体部e1〜e3の磁化パターンが特定されるものである。すなわち、記録以前の例えば偽造のための記録に対しては各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5の総ての長さの磁化パターンとして認識されることから偽造防止、真贋判定が可能となるものである。
【0035】
次に、図8に、本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第4実施形態の構成説明図を示す。上記各実施形態は、第1磁性体部及び第2磁性体部で磁化パターンを形成させた場合を示したが、本実施形態では磁気情報とした場合を、図7の実施形態を用いて説明する。
【0036】
図8(A)において、偽造防止用シート31は、テープ状の照合用磁性体部51に、325エルステッドの第2磁性体部e1〜e3及び650エルステッドの第1磁性体部e4,e5を連続状として平面的に混在させることは図7(A)と同様である。そして、真贋判定時に、図8(B)に示すように、例えば各第2磁性体部e1〜e3に磁気情報(磁気データをとしてそれぞれ「1,2,3」)を書き込み、各第1磁性体部e4,e5に磁気情報(磁気データをとしてそれぞれ「4,5」)をそれぞれ書き込むものである。すなわち、第2磁性体部e1〜e3には磁気情報「1,2,3」が記録されるが、第1磁性体部e4,e5には記録磁界より保磁力の方が高いことから、記録は行われない。
【0037】
そして、図8(C)に示すように、各第1磁性体部及び各第2磁性体部e1〜e5に対して読み込みを行わせることで各第2磁性体部e1〜e3のみの磁気情報が特定されるものである。
【0038】
なお、真贋判定用の磁気情報をテープ状の照合用磁性体部51に記録した場合を示したが、図1〜図6についても適用することができる。例えば、アジマス記録方式を用いれば、図1や図6に示すような幅の狭い磁性体部にも磁気情報を記録することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の真贋判定システムは、クレジットカードなどの各種カード、各種金券、各種チケット等のシートに対する磁気による真贋判定技術に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る真贋判定システムのブロック構成図等である。
【図2】本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第1実施形態の構成図である。
【図3】図2の真贋判定システムによる真贋判定の処理フローチャートである。
【図4】図3の真贋判定の説明図(1)である。
【図5】図3の真贋判定の説明図(2)である。
【図6】本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第2実施形態の構成説明図である。
【図7】本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第3実施形態の構成説明図である。
【図8】本発明の真贋判定システムに使用される偽造防止用シートの第4実施形態の構成説明図である。
【符号の説明】
【0041】
11 真贋判定システム
12 制御処理部
13 リーダライタ
14 磁気ヘッド
25 リード/ライト制御処理手段
26 撮像データ認識手段
27 判定手段
28 照合テーブル
31 偽造防止用シート
32 シート基部
33,41,51 照合用磁性体部
34 シート情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真贋判定のために付帯されるシート情報と、第1保磁力の磁性体材料で形成される所定数の第1磁性体部と、上記第1保磁力より小の第2保磁力の磁性体材料により形成されて上記第1磁性体部と平面的に混在されて設けられる所定数の第2磁性体部とを備える偽造防止用シートに対し、付帯された上記シート情報及び形成された第1磁性体部及び第2磁性体部に基づく磁化パターン又は磁気情報より真贋判定を行う真贋判定システムであって、
前記偽造防止用シートの前記第1磁性体部及び第2磁性体部に対し、当該第1磁性体部には記録がされず、当該第2磁性体部にのみ記録可能な前記第1保磁力より小で前記第2保磁力より大の保磁力に対応する磁界の強さで磁化パターン又は磁気情報の記録を行わせる当該記録制御手段と、
記録された前記第2磁性体部の磁化パターン又は磁気情報を読み取らせる読込制御手段と、
前記読込制御手段により読み取った前記第2磁性体部の磁化パターン又は磁気情報と前記シート情報とに基づいて真贋を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする真贋判定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−140449(P2010−140449A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319020(P2008−319020)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】