説明

眠気予測装置

【課題】ドライバが過去に車両で通ったことのない移動経路に対しても、ドライバの眠気の状態を良好に予測することのできる眠気予測装置の提供。
【解決手段】図5に例示するように、天候・時間帯・体調・道路パターンの組み合わせに対して、どれだけ継続して走行したら(継続距離)眠気レベルがどう遷移するか(眠気レベル遷移)が対応付けて記憶したデータベースを備えている。ドライバにより天候,時間帯,体調が入力され、ナビゲーション装置により移動経路が検索されてその移動経路の各セグメントの道路パターンが取得されると、データベースから眠気レベルが上昇するデータセットが抽出され、そのデータセットに対応した継続距離に基づいて眠気誘発エリアが予測される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転中のドライバの眠気を予測する眠気予測装置に関し、詳しくは、車両の移動経路が検索されたとき、その移動経路を移動中のドライバの眠気を事前に予測する眠気予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバの心拍数や顔の表情等に基づいて、ドライバの眠気レベルを検出する技術が種々提案されている。そして、そのような技術を用いて検出された眠気レベルの応用法として、目的地までの車両の移動経路を検索する経路検索手段を備えたいわゆるカーナビゲーション装置において、ドライバが過去に車両で走行したことのある移動経路の中から、そのドライバが眠気を催さなかった移動経路を推奨の移動経路とすることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1では、ドライバが過去に休憩をとった休憩場所を、その休憩場所におけるドライバの眠気レベル回復度と対応付けて記憶しておき、覚醒状態の回復に適した休憩場所を検索することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−223673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記特許文献1の技術では、ドライバが過去に車両で走行したことのある移動経路の中からしか眠気を催しにくい推奨の移動経路を提示することができない。このため、そのドライバが過去に行ったことのない目的地や経由地が指定され、それに応じてそのドライバが過去に車両で通ったことのない移動経路を検索する必要が生じた場合は、眠気を催しにくい移動経路が検索できない。
【0005】
そこで、本発明は、ドライバが過去に車両で通ったことのない移動経路に対しても、ドライバの眠気の状態を良好に予測することのできる眠気予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達するためになされた本発明の眠気予測装置は、道路の形態とドライバの眠気レベルの予測値に関するパラメータとを対応付けて記憶したデータベースと、車両の移動経路が設定されたとき、その移動経路を構成する各道路の形態を取得する道路形態取得手段と、前記道路形態取得手段が取得した前記各道路の形態に対応した前記パラメータを前記データベースから取得することにより、前記移動経路を移動中のドライバの眠気を予測する眠気予測手段と、を備えている。
【0007】
このように構成された本発明の眠気予測装置では、データベースは、道路の形態とドライバの眠気レベルの予測値に関するパラメータとを対応付けて記憶している。そして、車両の移動経路が設定されたとき、道路形態取得手段がその移動経路を構成する各道路の形態を取得し、眠気予測手段は、前記取得された前記各道路の形態に対応した前記パラメータを前記データベースから取得することにより、前記移動経路を移動中のドライバの眠気を予測する。すなわち、ドライバが催す眠気は、車両の移動経路を構成する道路の形態(例えば、当該道路が高速道路であるか一般道であるかなど)に応じて大きく変化する。そこで、移動経路を構成する各道路の形態に対応した前記パラメータから当該移動経路を移動中の眠気を予測することにより、眠気予測手段は、ドライバが過去に車両で通ったことのない移動経路に対しても、ドライバの眠気の状態を良好に予測することができる。
【0008】
なお、前記パラメータとしては種々の形態が考えられるが、当該形態の道路をどれだけの距離走行し続けるとドライバの眠気レベルが上昇するかを表す数値であってもよく、その場合、前記眠気予測手段は、前記移動経路に沿ってどれだけの距離走行し続けるとドライバの眠気レベルが上昇するかを予測してもよい。
【0009】
また、前記眠気予測手段は、前記眠気レベルが上昇すると予測される前記移動経路上の位置を予測し、前記移動経路を、前記眠気予測手段が予測した前記位置と共に地図上に表示する表示手段を、更に備えてもよい。その場合、眠気レベルが上昇すると予測される移動経路上の位置が、表示手段によって当該移動経路と共に地図上に視覚的に表示されるので、ドライバに一層良好に注意喚起を促すことができ、ドライバは覚醒状態を維持するための対策が立てやすくなる。
【0010】
また、前記道路形態取得手段は、前記移動経路を構成する各道路を予め設定された複数のセグメントに分割してセグメント毎に前記形態を取得し、前記眠気予測手段は、前記移動経路を構成する道路の各セグメントの形態に対応した前記パラメータを前記データベースからそれぞれ取得することにより、前記眠気を予測してもよい。この場合、移動経路を構成する各道路がセグメントに分割され、各セグメント毎に前記形態の取得及びパラメータの取得がなされるので、眠気予測手段は一層正確にドライバの眠気の状態を予測することができる。
【0011】
また、前記道路の形態は、当該道路が高速道路若しくは自動車専用道路であるか否か、当該道路の曲率半径、当該道路におけるトンネルの有無、当該道路におけるトンネルの長さ、当該道路におけるトンネルの数、当該道路における右左折箇所の数、当該道路における信号機の数、当該道路が都市部にあるか地方部にあるか、または、当該道路が平地部にあるか山地部にあるかの、いずれか1つ、または、いずれか複数の組み合わせによって定義されるものであってもよい。
【0012】
また、本発明において更に、気温、または天候、または時刻、または前記移動経路上の道路に係る渋滞情報の、少なくともいずれか1つを含む外的環境を取得する外的環境取得手段と、ドライバの体調または前日睡眠時間の少なくともいずれか1つを含むドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、を備え、前記データベースは、前記外的環境と前記ドライバ情報と前記道路の形態との各組み合わせに対して、前記パラメータを対応付けて記憶し、前記眠気予測手段は、前記外的環境取得手段に取得された外的環境、前記ドライバ情報取得手段に取得されたドライバ情報、及び、前記道路形態取得手段が取得した前記各道路の形態に対応した前記パラメータを前記データベースから取得することにより、前記移動経路を移動中のドライバの眠気を予測してもよい。この場合、眠気予測手段は、外的環境取得手段に取得された外的環境及びドライバ情報取得手段に取得されたドライバ情報を、前述の道路の形態と合わせて参照し、それらの組み合わせに対応したパラメータをデータベースから取得する。このため、眠気予測手段は、当該取得したパラメータに基づいて、一層正確にドライバの眠気を予測することができる。
【0013】
また、本発明は、更に、前記車両の運転中に、ドライバの眠気レベルを検出する眠気レベル検出手段と、前記車両の運転中に、その車両が走行している道路の形態を検出する道路形態検出手段と、前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが変化した時点における車両の位置を記憶する位置記憶手段と、前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが前回変化した時点または前記車両の走行開始時から、前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが更に変化した時点までに、前記車両が走行した距離に基づいて前記パラメータを算出し、当該パラメータを前記更に変化した時点までに前記道路形態検出手段が検出した形態に対応するパラメータとして、前記データベースを更新するデータベース更新手段と、を備えてもよい。この場合、実際の運転中に眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルの変化に応じたパラメータが算出され、そのパラメータによって、データベースがデータベース更新手段によって更新される。このように算出されたパラメータは、ドライバ特有の事情を良好に反映しており、眠気予測手段は、このように更新されたパラメータに基づいて、一層正確にドライバの眠気を予測することができる。
【0014】
そして、その場合、前記データベースは、前記各形態に対応する前記パラメータとして予め初期値を記憶しており、前記データベース更新手段によって当該パラメータの値が順次更新されてもよい。その場合、例えば高速道路を車両で走行したことがないドライバなどのように、当該ドライバが車両で走行したことのない形態の道路が前記移動経路に含まれている場合でも、予め記憶された前記パラメータの初期値を用いることで、眠気予測手段は良好にドライバの眠気を予測することができる。
【0015】
また、道路の位置及び形態に関する道路データを記憶し、目的地が指示されたときに前記道路データに基づいて前記目的地までの車両の移動経路を設定する経路設定手段を、更に備え、前記道路形態取得手段は、前記経路設定手段によって車両の移動経路が設定されたとき、その移動経路を構成する各道路の形態を前記道路データに基づいて取得してもよい。本発明の眠気予測装置は、装置外で設定された車両の移動経路に対して前記処理を実行してもよいが、目的地までの車両の移動経路を設定する経路設定手段を備えてその経路設定手段に設定された移動経路に対して前記処理を実行する場合、移動経路の設定から眠気の予測までの一連の処理が一括して行える。
【0016】
更に、前記眠気レベルは、少なくとも3段階以上のレベルに分類されていてもよい。その場合、ドライバの眠気レベルを一層詳細に予測することができ、車両走行中の安全の確保に一層良好に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用された眠気予測装置の構成を表すブロック図である。
【図2】その眠気予測装置で実行される眠気誘発エリア予測処理のメインルーチンを表すフローチャートである。
【図3】その眠気誘発エリア予測処理の眠気誘発エリア提示処理を詳細に表すフローチャートである。
【図4】その眠気誘発エリア提示処理の道路パターン分類処理を詳細に表すフローチャートである。
【図5】その眠気誘発エリア提示処理で用いるデータベースを表す説明図である。
【図6】その眠気誘発エリア提示処理の外的環境情報分類処理を詳細に表すフローチャートである。
【図7】その眠気誘発エリア提示処理の眠気誘発閾値算出処理を詳細に表すフローチャートである。
【図8】その眠気誘発エリア提示処理の眠気誘発エリア表示処理を詳細に表すフローチャートである。
【図9】その眠気誘発エリア表示処理の表示例を表す説明図である。
【図10】前記眠気予測装置で実行されるデータベース更新処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[眠気予測装置の全体構成]
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された眠気予測装置1の構成を表すブロック図である。この眠気予測装置1は、CPU,ROM,RAM等を備えた車両に搭載される処理装置として構成され、図1に示すように、後述の眠気誘発エリア予測処理を実行する眠気誘発エリア予測部2と、後述のデータベースZの他、各種データを記憶したハードディスク等からなる記憶部3とを備えている。
【0019】
また、眠気予測装置1には、当該車両に搭載されたナビゲーション装置(ナビ)4が接続され、眠気誘発エリア予測部2に情報を入力可能に構成されている。なお、このナビゲーション装置4は、道路の位置(経緯度)や形状をセグメント(例えば、等間隔距離のセグメントやいわゆるVICSリンク(登録商標)等)単位で記憶しており、目的地が指示されたときにその目的地までの車両の移動経路を設定できることはいうまでもないが、更に、ドライバの体調及び睡眠時間や、天候などがドライバの操作により入力可能とされている。
【0020】
また、眠気予測装置1には、ステアリングコラム(図示省略)に設置されて車両走行中のドライバの顔画像を撮影するカメラ5も、眠気レベル判定部6を介して接続されている。眠気レベル判定部6は、CPU,ROM,RAMを備えた処理装置として構成され、カメラ5を介して撮影されたドライバの顔画像に基づき、所定の時間毎に周知の計算方法でドライバの眠気レベルを0〜5の6段階(数値が大きいほど眠気が強い)で判定する。そして、眠気レベル判定部6が判定した眠気レベルは、記憶部3に当該眠気レベルの判定時間と対応付けて記憶される。
【0021】
なお、ドライバの眠気レベルは、ステアリングやシートに設置されたセンサ,サーモカメラ等によって体温や心拍などを自動計測することにより、それらの情報に基づいて周知の方法で判定して記憶部3に記憶されてもよい。
【0022】
[眠気誘発エリア予測処理の詳細]
次に、眠気誘発エリア予測部2で実行される眠気誘発エリア予測処理について説明する。図2は、その眠気誘発エリア予測処理のメインルーチンを表すフローチャートである。なお、この処理は、ドライバが車両に乗り込んで、ナビゲーション装置4に対して眠気誘発エリア予測モードの経路検索を指示したときに、眠気誘発エリア予測部2を構成するCPUによってROMに記憶されたプログラムに基づいて実行される。
【0023】
図2に示すように、この処理では、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、体調入力処理が実行される。この体調入力処理とは、ナビゲーション装置4に信号を送ることによってその画面にドライバの体調を音声または表示されたボタンで入力させるメッセージを表示し、そのメッセージに対する入力結果を読み込む処理である。なお、このメッセージに対しては、体調として「良い」「普通」「不調」「寝不足」の4項目のうち1つが選択される。
【0024】
続くS2では、ナビゲーション装置4に信号を送ることによってその画面に対してドライバに目的地を入力させるメッセージを表示する処理が実行される。そのメッセージに対してドライバが目的地を音声または表示されたボタンで入力すると、ナビゲーション装置4に備えられたCPU,ROM,RAMを備えた処理部によって周知の経路検索が実行され、検索された移動経路のデータが眠気誘発エリア予測部2へ返送される。眠気誘発エリア予測部2は、その移動経路のデータを受信することにより、次の眠気誘発エリア提示処理(S3)を実行する。
【0025】
図3は、S3の眠気誘発エリア提示処理を詳細に表すフローチャートである。この処理では、先ず、S31にて、道路パターン分類処理が実行される。図4は、この道路パターン分類処理を詳細に表すフローチャートである。
【0026】
図4に示すように、この処理では、先ず、S311にて、前述のようにS2でナビゲーション装置4を介して取得された移動経路について、等間隔距離のセグメント毎に道路区分(例えば、高速自動車国道または自動車専用道路であるかその他の道路であるかと、地方部であるか都市部であるかとの組合わせ)がナビ情報(ナビゲーション装置4のデータベースに記憶された情報)から取得される。続くS312では、S311で道路区分が取得されたセグメント毎に、地形(例えば、平地部であるか山地部である)がナビ情報から取得される。更に続くS313では、S311にて道路区分が取得されたセグメント毎に、道路形状(例えば、直線であるかカーブであるトンネルであるか)がナビ情報から取得される。なお、道路形状がカーブである場合は、その曲率半径も取得される。
【0027】
続いて処理がS314へ移行すると、記憶部3のデータベースZから、S311,S312,S313で取得された道路区分・地形・道路形状と合致するデータをセットにしたデータセットが抽出され、データベースAとして記憶部3に新たに記憶されて処理はS32(図3参照)へ移行する。なお、このデータセットは、天候・時間帯・体調・継続距離・眠気レベル遷移が異なるデータをセットにしたデータセットである。
【0028】
すなわち、データベースZでは、例えば図5に例示するように、天候・時間帯・体調・道路パターンの組み合わせに対して、どれだけ継続して走行したら(継続距離)眠気レベルがどう遷移するか(眠気レベル遷移)が対応付けて記憶されている。S314では、データベースZの各種組み合わせのうち、道路パターンがS311〜S313にて取得された情報と一致するものが、データベースAとして記憶部3に新たに記憶されるのである。
【0029】
なお、天候・時間帯・体調・道路パターンの各項目としては、次の表1に示すような項目が用意されている。また、継続距離及び眠気レベル遷移は、後述のデータベース作成処理によって車両の走行中にデータが更新されるが、各組み合わせに対して初期値として適宜の値が設定されている。更に、表1の道路パターンにおいて、地方部/都市部は地形よりも景色を重視した分類であり、平地部/山地部は起伏等の地形を重視した分類である。
【0030】
【表1】

【0031】
図3に戻って、こうして道路パターンによるデータベースZの絞り込みがなされると、続くS32にて、外的環境情報分類処理が実行される。図6は、この外的環境情報分類処理を詳細に表すフローチャートである。
【0032】
図6に示すように、この処理では、先ず、S321にて、ナビゲーション装置4に信号を送ることによってその画面に対してドライバに現在値(出発地点)の天候を入力させるメッセージを表示する処理が実行される。そのメッセージに対してドライバがナビゲーション装置4の画面上のタッチパネルを使い、晴れまたは曇りまたは雨等のアイコンを操作すると、その結果が眠気誘発エリア予測部2へ返送され、処理はS322へ移行する。S322では、内蔵された時計から現在の時刻が取得され、更に続くS323では、S322で取得された時刻から、時間帯(例えば、8時〜12時/12時〜16時など)が判定される。このように、人間のサーカディアンリズムや生活リズムに則り、眠気の変動の仕方が異なる区分毎に時間帯を分けることで、データベース作成及び眠気誘発エリアの予測を効率化することができる。
【0033】
続くS324では、S314で作成された記憶部3のデータベースAから、S321,S323で取得された、天候・時間帯と合致するデータを含むデータセットのみが抽出され、データベースBとして記憶部3に新たに記憶されて処理はS33(図3参照)へ移行する。
【0034】
図3に戻って、こうして、道路パターン及び外的環境情報によるデータベースZの絞り込みがなされると、続いて、S33にて、眠気誘発閾値算出処理が実行される。図7は、この眠気誘発閾値算出処理を詳細に表すフローチャートである。
【0035】
図7に示すように、この処理では、先ず、S331では、前述のようにS2でナビゲーション装置4を介して取得された移動経路上に出現する全道路パターンのうち、1つの道路パターンが選択される。続くS332では、記憶部3内のデータベースBについて、S331で選択された道路パターンを含むデータセットの有無が判定される。
【0036】
データセットがない場合には(S332:N)、処理は前述のS331へ移行し、次の道路パターンが選択されて処理はS332へ戻る。こうして、選択された道路パターンと合致するデータセットが見つかって(S332:Y)、処理がS333へ移行すると、S331で抽出された道路パターンを含むデータセットのみが、記憶部3内のデータベースBから抽出される。次に、S334では、S333で抽出されたデータセット群の中から、眠気レベルが覚醒から弱い眠気に遷移したデータセットのみが抽出される。すなわち、眠気レベルが0→1,0→2,または1→2と遷移しているデータセットが抽出される。
【0037】
続くS335では、S334で抽出されたデータセット群について、S1において入力されたドライバの体調と合致するデータセットの有無が判定される。合致する体調を含むデータセットが、データセット群にない場合は(S335:N)、S334で抽出されたデータセット群を全てそのまま保持した状態で処理は337へ移行する。一方、合致する体調を含むデータセットがS334で抽出されたデータセット群にある場合は(S335:Y)、該当するデータセットのみがS336にて抽出され、処理はS337へ移行する。S337では、S334またはS336で抽出されたデータセット群について、継続距離(同一道路パターンにおいて、眠気レベルが遷移するまでに連続走行した距離)の平均値が算出される。なお、S334またはS336で抽出されたデータセット数が1セットである場合も同様に平均値算出処理(S337)が実行される。
【0038】
続くS338では、S337で算出された平均距離が、S331で選択した道路パターンにおいて眠気を誘発する連続走行距離閾値として記憶部3に記憶され、処理はS339へ移行する。なお、過去に同じ移動経路を車両が走行してそのときのデータセットがデータベースZに記憶されている場合には、S337では当該データセット(群)のみから連続走行距離閾値を算出してもよい。
【0039】
S339では、S2でナビゲーション装置4を介して取得された移動経路上に出現する全道路パターンに対して、S331で未選択の他の道路パターンの有無が判定される。未選択の他の道路パターンがある場合には(S339:Y)、処理はS331へ移行し、前述のS331〜S338の処理が同様に実施される。そして、この処理は、未選択の他の道路パターンがなくなるまで繰り返され、未選択の他の道路パターンがなくなった場合に(S339:N)、この眠気誘発閾値算出処理(S33)が終了して処理はS34の眠気誘発エリア表示処理(図3参照)へ移行する。
【0040】
図8は、この眠気誘発エリア表示処理を詳細に表すフローチャートである。図8に示すように、この処理では、先ず、S341にて、S2でナビゲーション装置4を介して取得された移動経路上に出現するセグメントが出発地点に近いものから順に1つ選択される。続くS342では、S341で選択されたセグメントの道路パターンが、直前に選択されたセグメントの道路パターンと同一であるか否かが判定される。直前のセグメントの道路パターンと同一の場合は(S342:Y)、処理は後述のS345へ直接移行し、異なる場合は(S342:N)、処理はS343へ移行する。なお、出発地点のセグメントなどのように、直前のセグメントが存在しない場合も、S342では否定判断されて処理はS343へ移行する。
【0041】
S343では、セグメントの累計距離がリセットされる。これによって、経路上の道路パターン毎に、同一道路パターンが連続する累計距離を算出することができる。続くS344では、S341で選択された道路パターンに対応してS338で記憶部3に記憶された連続走行距離閾値が記憶部3から呼び出される。続くS345では、S341で選択された道路パターンについて、累計距離(セグメントの距離)が合算される。すなわち、同一道路パターンが継続しているときは(S342:Y)、処理がS342からこのS345へ直接移行することにより、当該道路パターンの累計距離が合算される。
【0042】
S346では、S345で合算された累計距離と、S344で呼び出された連続走行距離閾値とが比較され、合算後の累計距離が連続走行距離閾値以上であるか否かが判定される。合算後の累計距離が、連続走行距離閾値未満である場合は(S346:N)、処理は前述のS341へ移行し、連続走行距離閾値以上である場合は(S346:Y)、処理は続くS347へ移行する。
【0043】
S347では、合算後の累計距離が連続走行距離閾値以上になるセグメントが、例えば図9に例示するように、ナビゲーション装置4の画面に表示された経路上に眠気誘発エリアとして強調表示される。なお、図9の例では、セグメントをA,B,…,Zと移動する間に道路パターンがI,II,III と変化しており、そのうちの道路パターンI,IIにおいて、道路パターンの累積距離が連続走行距離閾値に達したセグメントが強調表示されている。
【0044】
続くS348では、S341で選択されたセグメントが、移動経路の最終セグメントであるか否かが判定される。最終セグメントでない場合は(S348:N)、処理は前述のS341へ移行し、次のセグメントが選択されて同様の処理が繰り返される。そして、S341で選択されたセグメントが最終セグメントとなると(S348:Y)、この眠気誘発エリア表示処理(S34)が終了し、処理は図2のS4へ移行する。
【0045】
S4では、S347の処理によってナビゲーション装置4に表示された移動経路上の眠気誘発エリアの場所や数の結果を参考にしてドライバが移動経路を決定するまで待機し、移動経路が決定されるとこの眠気誘発エリア予測処理が終了する。ドライバは、優先的に通行する道路(高速道路または一般道)や、通行料金、所要時間と同様に、眠気誘発エリアの場所や数を参考にして、ナビゲーション装置4にて検索された複数の移動経路の中から所望の移動経路を決定し、周知のようにナビゲーション装置4に案内を開始させる。
【0046】
[データベース更新処理]
次に、データベースZを車両の走行中に更新するデータベース更新処理について説明する。図10は、データベース更新処理を表すフローチャートである。なお、この処理は、ナビゲーション装置4による案内がなされている間に、眠気誘発エリア予測部2のCPUがROMに記憶されたプログラムに基づいて実行する処理である。
【0047】
図10に示すように、この処理では、先ず、S51にて、カメラ5に対して走行中のドライバの顔画像撮影が指示され、続くS52にて、カメラ5が撮影したドライバの顔画像をもとに眠気レベル判定部6が6段階で判定したドライバの眠気レベルが読み込まれる。続くS53では、直前の眠気レベルと比較して、現在の眠気レベルに変化があるか否かが判定され、変化がない場合には(S53:N)、処理は前述のS51へ移行する。
【0048】
一方、ドライバの眠気レベルに変化がある場合には(S53:Y)、処理はS54へ移行する。S54では、ドライバの眠気レベルが変化するまでの間に車両走行したセグメントの道路パターンのうち、最も出現率の多かった道路パターンがナビゲーション装置4から取得される。そして、その道路パターン及びその道路パターンの連続走行距離、並びに、出発時にナビゲーション装置4に入力されたドライバの体調,天候,及び時間帯が、当該眠気レベルの遷移情報とセットにして記憶部3のデータベースZに記憶される。続くS55では車両が走行中であるか否かが判定され、走行中の場合は(S55:Y)、処理は前述のS51へ移行し、走行中でない場合は(S55:N)、この処理が一旦終了する。
【0049】
なお、S54では、次にS53で肯定判断されてS54へ移行した場合に備えて、少なくともその処理がなされた時点における車両の位置(メータの走行距離であってもよい)が記憶される。また、前述のように、データベースZには道路パターン等の各種組み合わせに対して継続距離と眠気レベル遷移とが対応付けて記憶されているが、最初にS54にてデータセットが作成された場合は、当該S54にて作成されたデータセットが初期値としてのデータセットに上書きされる。道路パターン等が同一の組み合わせに対して2回目以降にデータセットが作成された場合は、そのデータセットは上書きされてもよいし、タイムスタンプと共にデータベースZに追加記入されてもよい。後者の場合、前述のS337にて、過去に同じ移動経路を車両が走行してそのときのデータセットがデータベースZに記憶されている場合には、当該データセット(群)のみから連続走行距離閾値を算出する処理が容易になる。また、その場合、S337では、平均をとるのではなく、タイムスタンプの最も新しいデータセットを抽出するようにしてもよい。
【0050】
また、データベースZに記憶される初期値の設定方法としては、次のように種々考えられる。例えば、一般的に眠気を誘発しやすいとされる天候、時間帯、体調、及び道路パターンのデータセット群に対して記憶されてもよい。この場合、一般的に眠気を誘発しやすい条件は、過去の事故データ(警察庁・損害保険会社の調査結果)などから決定する。例えば、「曇り、寝不足、0時〜4時または12時〜16時、高速道路、直線、100km」といったデータセットが考えられる。
【0051】
また、他車の眠気予測装置1から収集したデータベースZを元に、眠気を誘発しやすい天候・時間帯・体調及び道路パターンの頻度を分析した結果をデータセット群として、通信によりダウンロードまたはディーラーにてインストールしてもよい。他車のデータベースZは、通信やディーラーを介して特定のセンターで管理して、頻度分析を実施すればよい。この場合も、各車両の眠気予測装置1では、ドライバの走行回数が増えることで、ドライバ専用のデータセット群、すなわちデータベースが構築されていく。
【0052】
前述のように記憶部3にドライバ専用に作成されるデータベースZに加えて、定期的に(ナビ情報更新のタイミングなどで)センター管理データベースにある眠気誘発データセットを追加し、一般的な眠気誘発エリアもナビゲーション装置4で検索した移動経路上に表示してもよい。
【0053】
[実施の形態の効果及びその変形例]
以上説明したように、前記実施の形態では、記憶部3は、天候・時間帯・体調・道路パターンの組み合わせに対して、どれだけ継続して走行したら(継続距離)眠気レベルがどう遷移するか(眠気レベル遷移)を対応付けてデータセットとして記憶したデータベースZを備えている。そして、そのデータベースZを用いて、眠気誘発エリア予測部2が眠気誘発エリアを予測するので、ドライバが過去に車両で通ったことのない移動経路に対しても、眠気誘発エリアを良好に予測することができる。しかも、その予測結果は、ナビゲーション装置4の画面に図9に例示したように表示されるので、ドライバに一層良好に注意喚起を促すことができ、ドライバは覚醒状態を維持するための対策が立てやすくなる。
【0054】
また、前記眠気誘発エリアの予測に当たっては、道路パターンのみならず、天候,時間帯,ドライバの体調等も参照しているので、一層正確に眠気誘発エリアを予測することができる。しかも、データベースZのデータは図10のデータベース更新処理によってそのドライバに応じたデータに順次更新されるので、更に一層正確に眠気誘発エリアを予測することができる。なお、データベースZの項目には、天候・時間帯・体調・道路パターンの他に渋滞状態も加えてもよく、道路パターンとして右左折箇所の数や信号機の数を含めてもよく、その場合、更に一層正確に眠気誘発エリアを予測することができる。
【0055】
なお、前記実施の形態において、記憶部3のデータベースZがデータベースに、眠気誘発エリア予測部2が道路形態取得手段,眠気予測手段,外的環境取得手段,ドライバ情報取得手段,表示手段,道路形態検出手段,及びデータベース更新手段に、ナビゲーション装置4が経路設定手段に、カメラ5及び眠気レベル判定部6が眠気レベル検出手段に、それぞれ相当する。また、眠気誘発エリア予測部2が実行する処理のうち、S31が道路形態取得手段に、S33,S34が眠気予測手段に、S32が外的環境取得手段に、S1がドライバ情報取得手段に、S347が表示手段に、S54の処理のうち道路パターンを取得する処理が道路形態検出手段に、S54の処理のうちデータベースZにデータセットを記憶する処理がデータベース更新手段に、S54の処理のうちその処理がなされた時点における車両の位置を記憶する処理が位置記憶手段に、それぞれ相当する。
【0056】
また、本発明は前記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、前記実施の形態では、天候・時間帯・体調・道路パターンといった全ての項目が一致しなければ初期値として記憶されたデータセットを使用しているが、時間帯など一部のパラメータが異なっても、データベース更新処理で更新されたデータセットから類推してもよい。
【0057】
また、前記実施の形態では、道路のパターンが変化した場合はS343に累計距離をリセットしているが、それまでの累計距離が道路パターンが変化した後の累計距離にも反映されるようにしてもよい。例えば、旧道路パターンの累計距離を当該旧道路パターンの連続走行距離閾値で割った商を新たな道路パターンの連続走行距離閾値に掛けた値を、新たな累計距離としてもよい。そして、その場合、道路パターンが変化することによって眠気レベルが上昇することもあれば低下することもあるので、前記商に当該道路パターンの変化に応じた係数を掛けた値を新たな道路パターンの連続走行距離閾値に掛けてもよい。この場合は、道路パターンの変化態様と係数とを対応付けたテーブルを用意しておく。
【0058】
更に、前記実施の形態では、パラメータとして継続距離をデータベースZに記憶しているが、パラメータとしてはそれ以外にも種々の形態が考えられる。例えば、1km走行する毎に蓄積される疲労度(数十段階に分類した眠気レベルであってもよい)をパラメータとしてデータベースに記憶し、その疲労度を積算することによって眠気誘発エリアを推定してもよい。その場合、道路パターンが変化しても前記疲労度は徐々に蓄積され、眠気を予測することができる。また、頻繁に道路パターンが変化する場合は、時間のみを考慮して眠気誘発エリアを設定してもよい。
【0059】
また、前記実施の形態では、眠気予測装置1が当初からナビゲーション装置4に接続されているが、一般のナビゲーション装置に後付けしてもよい。その場合、後付であるが故にナビゲーション装置の画面に対して働きかけができない可能性もあるが、その場合でも、スピーカ等を備えておくことによって次のような制御を行えば当該後付装置内で処理が完結する。例えば、眠気誘発エリアの手前に車両が達した時点で「そろそろ休憩しませんか?」などといった休憩を促すメッセージを発声する、移動経路が検索された時点で「○○付近で休憩場所に立ち寄るような移動経路を設定しておくと安全です。」などといった休憩場所の登録を促すメッセージを発声する、などの制御が考えられる。
【0060】
更に、本発明で参照される車両の移動経路は、必ずしもナビゲーション装置によって検索されたものでなくてもよい。例えば、「1.○○交差点を右折、2.××交差点を左折、…」といった具合にマニュアルで移動経路が設定されてもよい。その場合でも、眠気予測装置がナビ情報を備えていれば、前記実施の形態と同様に眠気予測を行うことができる。また、図10のデータベース更新処理は、ナビゲーション装置4から道路パターンを取得しているが、ステアリング操作量,アクセル操作量と速度,ETC車載器の情報等からから道路パターンを取得してもよい。また更に、移動経路を構成する道路はVICSリンクのように細分化しなくてもよく、例えば、道路の形態が高速道路,主要地方道,それ以外の一般道といったような大分類のみである場合は、前記移動経路の当該道路への合流点から離脱点までを1つの単位としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…眠気予測装置 2…眠気誘発エリア予測部 3…記憶部
4…ナビゲーション装置 5…カメラ 6…眠気レベル判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の形態とドライバの眠気レベルの予測値に関するパラメータとを対応付けて記憶したデータベースと、
車両の移動経路が設定されたとき、その移動経路を構成する各道路の形態を取得する道路形態取得手段と、
前記道路形態取得手段が取得した前記各道路の形態に対応した前記パラメータを前記データベースから取得することにより、前記移動経路を移動中のドライバの眠気を予測する眠気予測手段と、
を備えたことを特徴とする眠気予測装置。
【請求項2】
前記パラメータは、当該形態の道路をどれだけの距離走行し続けるとドライバの眠気レベルが上昇するかを表す数値であり、
前記眠気予測手段は、前記移動経路に沿ってどれだけの距離走行し続けるとドライバの眠気レベルが上昇するかを予測することを特徴とする請求項1に記載の眠気予測装置。
【請求項3】
前記眠気予測手段は、前記眠気レベルが上昇すると予測される前記移動経路上の位置を予測し、
前記移動経路を、前記眠気予測手段が予測した前記位置と共に地図上に表示する表示手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の眠気予測装置。
【請求項4】
前記道路形態取得手段は、前記移動経路を構成する各道路を予め設定された複数のセグメントに分割してセグメント毎に前記形態を取得し、
前記眠気予測手段は、前記移動経路を構成する道路の各セグメントの形態に対応した前記パラメータを前記データベースからそれぞれ取得することにより、前記眠気を予測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の眠気予測装置。
【請求項5】
前記道路の形態は、当該道路が高速道路若しくは自動車専用道路であるか否か、当該道路の曲率半径、当該道路におけるトンネルの有無、当該道路におけるトンネルの長さ、当該道路におけるトンネルの数、当該道路における右左折箇所の数、当該道路における信号機の数、当該道路が都市部にあるか地方部にあるか、または、当該道路が平地部にあるか山地部にあるかの、いずれか1つ、または、いずれか複数の組み合わせによって定義されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眠気予測装置。
【請求項6】
更に、
気温、または天候、または時刻、または前記移動経路上の道路に係る渋滞情報の、少なくともいずれか1つを含む外的環境を取得する外的環境取得手段と、
ドライバの体調または前日睡眠時間の少なくともいずれか1つを含むドライバ情報を取得するドライバ情報取得手段と、
を備え、
前記データベースは、前記外的環境と前記ドライバ情報と前記道路の形態との各組み合わせに対して、前記パラメータを対応付けて記憶し、
前記眠気予測手段は、前記外的環境取得手段に取得された外的環境、前記ドライバ情報取得手段に取得されたドライバ情報、及び、前記道路形態取得手段が取得した前記各道路の形態に対応した前記パラメータを前記データベースから取得することにより、前記移動経路を移動中のドライバの眠気を予測することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の眠気予測装置。
【請求項7】
更に、
前記車両の運転中に、ドライバの眠気レベルを検出する眠気レベル検出手段と、
前記車両の運転中に、その車両が走行している道路の形態を検出する道路形態検出手段と、
前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが変化した時点における車両の位置を記憶する位置記憶手段と、
前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが前回変化した時点または前記車両の走行開始時から、前記眠気レベル検出手段が検出した眠気レベルが更に変化した時点までに、前記車両が走行した距離に基づいて前記パラメータを算出し、当該パラメータを前記更に変化した時点までに前記道路形態検出手段が検出した形態に対応するパラメータとして、前記データベースを更新するデータベース更新手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の眠気予測装置。
【請求項8】
前記データベースは、前記各形態に対応する前記パラメータとして予め初期値を記憶しており、前記データベース更新手段によって当該パラメータの値が順次更新されることを特徴とする請求項7に記載の眠気予測装置。
【請求項9】
道路の位置及び形態に関する道路データを記憶し、目的地が指示されたときに前記道路データに基づいて前記目的地までの車両の移動経路を設定する経路設定手段を、
更に備え、
前記道路形態取得手段は、前記経路設定手段によって車両の移動経路が設定されたとき、その移動経路を構成する各道路の形態を前記道路データに基づいて取得することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の眠気予測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−69151(P2013−69151A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207764(P2011−207764)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】