説明

眼の健康を増進するための組成物

本発明は、コンパニオンアニマルにおける眼の健康を増進するための組成物に関する。その組成物は、ローズマリー、ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、ククルミン、ブルーベリー抽出物、ブドウの種抽出物、ローズマリー酸、茶抽出物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のポリフェノールを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパニオンアニマルにおける眼の健康を増進するための組成物に関する。該組成物は、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、ククルミン(cucurmin)、ブルーベリー抽出物、ブドウの種抽出物、ローズマリー酸(rosemarinic acid)、茶抽出物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のポリフェノールを含む。
【背景技術】
【0002】
コンパニオンアニマルにおける視力喪失は、コンパニオンアニマルの水晶体及び角膜上皮細胞のフリーラジカル的損傷、日光などの環境ストレス、並びにコンパニオンアニマルの加齢に伴う通常のストレスに関連することが多い。フリーラジカルは身体構成要素に結合しそれを破壊する、高度に反応性の分子である。コンパニオンアニマルの、適切に機能する眼の光への依存性の結果として、その眼はフリーラジカルの攻撃に対して特別に弱い。一方で、光はコンパニオンアニマルの識別能力に役立つけれども、光はまた追加のフリーラジカルを発生させ、そのラジカルはコンパニオンアニマルの眼の細胞及び膜の損傷を促進することによって視力喪失を増大させる。
【0003】
比較的高いエネルギーを有する可視スペクトルの青色光(400〜500nm)は、生体組織に侵入でき、光化学的損傷及び細胞のアポトーシス細胞死を含んで、受光体や網膜上皮細胞の機能に対して主に悪影響することが示されてきている。青色光はまばゆく光る雪や水の反射によってもたらされ、スポーツ犬、猟犬、ワーキングドッグ、救助犬、フィッシングドッグに危険である可能性がある。可視青色光への曝露は、ミトコンドリアDNAと核DNAの両方の損傷の増加、並びに網膜上皮細胞におけるフリーラジカル産生の増加を引き起こす。ミトコンドリアに対する青色光誘導のフリーラジカル損傷は、ミトコンドリアの電子伝達鎖の阻害によって、又はミトコンドリア特定の酸化防止剤によって、のどちらかで防御できる。
【0004】
加えて、コンパニオンアニマルの加齢に伴い、フリーラジカルはコンパニオンアニマルの眼の老化に関与する。コンパニオンアニマルの眼に対するフリーラジカルストレスによって誘起されると考えられている白内障発症は、主として、コンパニオンアニマルの加齢と関係がある。
【0005】
コンパニオンアニマルの眼を治療し、眼の健康を増進する助けとなる組成物に対するニーズが依然としてある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、コンパニオンアニマルにおける環境ストレスの予防又は治療、加齢に伴うストレスの予防又は治療、白内障進行の抑制、視力の向上、及び若い眼を維持する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ローズマリー酸、ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、ククルミン、ブルーベリー抽出物、ブドウの種抽出物、ローズマリー酸、茶抽出物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のポリフェノールを含む、コンパニオンアニマルにおける眼の健康を増進するための組成物に関する。
【0008】
本発明はまた、上記の組成物を調製する非限定的な方法をも対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の組成物は、ローズマリー酸、ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、ククルミン、ブドウの種子抽出物、ローズマリー酸、茶抽出物、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールを含む。
【0010】
本発明の組成物及び方法のこれらの及び他の制限事項、並びに本明細書に使用するのに適した任意成分の多くについては、以下で詳細に説明する。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「使用に適している」とは、記載された動物フード製品が、時折修正される可能性のあるアメリカ飼料検査官協会(American Association of Feed Control Officials)(AAFCO)の、動物用の動物フード製品を提供するための安全用件を満たすことができることを意味する。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「コンパニオンアニマル」とは、好ましくは(例えば)、犬、猫、子猫、幼犬、成犬、老犬、老猫、成犬、成猫、馬、牛、豚、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、シロイタチ、馬、動物園哺乳類等、を包含する動物を意味する。犬、猫、子猫、幼犬、老犬、老猫、成犬、成猫が特に好適である。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「成長した」又は同様なものとは、約3才〜約6才のコンパニオンアニマルである。成犬は少なくとも約3才の家犬であり、そして成猫は少なくとも約3才の家猫である。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「組成物」とは、コンパニオンアニマルによって摂取され得る組成物、コンパニオンアニマル用の栄養補助食品、ペットフード、ドッグフード、キャットフード、トリーツ(treats)、ビスケット、生皮、トリーツ、チュー(chews)、増量剤、グレービー(gravy)、ソース、飲料、補助水(supplemental water)、及びそれらの組み合わせを意味する。組成物は、ぬれた、湿った、及び/又は乾燥したものであってよい。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「完全な及び栄養バランスがとれた(complete and nutritionally balanced)」とは、特に指定のない限り、全ての既知の必要な栄養素を適切な量で及び動物の栄養の分野で認められている専門家の推奨に基づく割合で有する組成物のことをいう。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「子ネコ」は、約3才以下、或いは約2才以下、或いは約1才以下の飼いネコを指す。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「ポリフェノール」とは1分子当たりの2個以上のフェノール基の存在を特徴とするが植物性化学物質の群をいう。ポリフェノールは一部の植物の着色又は芳香の原因である場合がある。ポリフェノールは、潜在的に健康に役立つ強力な酸化防止剤であり、例えば、抗ウイルス性、抗菌性、抗炎症性、抗がん性、老化防止性(神経変性の)のような効用及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「子イヌ」は、約3才以下、或いは約2才以下、或いは約1才以下の飼いイヌを指す。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「老齢」又は同様なものは、当業界で一般的に使用されている基準に従って中年又はそれ以上と見なされるコンパニオンアニマルを意味する。但し、老犬は少なくとも約6才の飼い犬であり、老猫は少なくとも約6才の飼い猫である。老犬の体重が22.7kg(50ポンド)以上を意味する大型犬である場合は、老犬は少なくとも約5才の飼い犬である。
【0020】
全ての百分率、部及び比率は、本明細書で用いる時、別段の指定がない限り、全組成物の重量を基準とする。列記された成分に関するこのような重量は全て、活性レベルに基づくものであり、従って特に指定しない限り、市販材料に含まれることのある溶媒又は副産物を含まない。
【0021】
本発明の組成物及び方法は、本明細書に記述のいかなる付加的、若しくは任意の成分、構成要素、又は制限、若しくはそうでなければ、コンパニオンアニマル用の消費を目的とした組成物において有用である、本明細書に記述する必須要素及び制限を含み、それらからなり、又は本質的にそれらからなることができる。
【0022】
製品形態
その組成物はコンパニオンアニマルによって使用されるため適している。本発明の組成物は好ましくは眼の健康を増進するために投与される。眼の健康には、コンパニオンアニマルにおける環境ストレスの予防又は治療、加齢に伴うストレスの予防又は治療、白内障進行の抑制、視力の向上、及び若齢眼の維持、を挙げることができる。
【0023】
本発明の組成物は、湿った組成物(即ち、製品中約16重量%〜約50重量%の全水分含量を有するもの)、及び/又はぬれた組成物(即ち、製品中50重量%より多い全水分含量を有するもの)、及び/又は乾燥組成物(即ち、製品中約0重量%〜約16重量%の全水分含量を有するがもの)であることができる。本明細書で明記がなければ、ぬれた組成物、湿った組成物及び/又は乾燥組成物はそれらの組成又は調製方法で制限されない。
【0024】
本明細書の組成物は完全であり、栄養バランスがとれていることができる。完全な及び栄養のバランスがとれた動物フード組成物は、単独で食料として与えられるように混合されてもよく、水以外の摂取される任意の追加物質を加えることなく、寿命を維持し、及び/又は繁殖を促進することができる。
【0025】
本発明の組成物及び構成要素は動物による消費のために選択され、ヒトによる消費を目的としない。組成物の非制限的な例には、動物用の栄養補助食品、ペットフード、ドッグフード、キャットフード、トリーツ、ビスケット、生皮、トリーツ、チュー、増量剤グレービー、ソース、飲料、補助水、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
更に、本発明に従う投与は、例えば、受容者の生理学的条件、投与の目的が治療又は予防のいずれであるか、及び熟練実務者に既知の他の要因に応じて、継続的であっても断続的であってもよい。
【0027】
ポリフェノール
組成物は少なくとも1種のポリフェノールを含む。ポリフェノールは、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、コーヒー抽出物、カフェ酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウの種子抽出物、茶抽出物、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
組成物は、乾燥体基準で組成物中、約0.01重量%〜約90重量%の該ポリフェノールを含む。組成物は、乾燥体基準で組成物中、約0.1重量%〜約35重量%の該ポリフェノール、約1重量%〜約15重量%の該ポリフェノール、約1重量%〜約10重量%の該ポリフェノール、約3重量%〜約10重量%の該ポリフェノールを含む。
【0029】
ポリフェノールの使用は、コンパニオンアニマルの眼の健康を増進するのに有益であることが証明されている。ポリフェノールは酸化防止活性を有し、水晶体の細胞DNA、蛋白質、及び脂質に対する光酸化ストレスの又はフリーラジカルの損傷の防止、及び炎症から水晶体を保護する抗炎症効果を有する。ポリフェノールは抗血糖上昇の効果があり、糖尿病状態に付随する眼の水晶体損傷を減じるであろう。加えて、ポリフェノールは蛋白質−結合又はプロテオグリカン結合の特性を有し、眼圧を低下させ、眼の不快感を解放する。
【0030】
ローズマリー抽出物
ローズマリー抽出物はポリフェノールである。ローズマリー又はローズマリー抽出物の構成成分は、カフェ酸及びローズマリー酸のようなカフェ酸の誘導体類である。これらの化合物は酸化防止活性及び抗炎症効果を有する。カフェ酸は、水晶体上皮細胞の形質転換によって後水晶体嚢混濁を防止する。
【0031】
本発明に使用する非限定的なローズマリー抽出物の供給源はローズマリーである。
【0032】
ローズマリー抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該ローズマリー抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該ローズマリー抽出物、約1重量%〜約15重量%の該ローズマリー抽出物、約1重量%〜約10重量%の該ローズマリー抽出物、約3重量%〜約10重量%の該ローズマリー抽出物を含む。
【0033】
ローズマリー酸が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該ローズマリー酸を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該ローズマリー酸、約1重量%〜約15重量%の該ローズマリー酸、約1重量%〜約10重量%の該ローズマリー酸、約3重量%〜約10重量%の該ローズマリー酸を含む。
【0034】
コーヒー抽出物
コーヒー抽出物はポリフェノールである。コーヒー抽出物の主構成成分はカフェ酸であり、それが酸化防止活性を示すと考えられ、白内障を防止又は治療できる。
【0035】
コーヒー抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該コーヒー抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該コーヒー抽出物、約1重量%〜約15重量%の該コーヒー抽出物、約1重量%〜約10重量%の該コーヒー抽出物、約3重量%〜約10重量%の該コーヒー抽出物を含む。
【0036】
コーヒー抽出物が存在する場合、コーヒー抽出物の非限定的な供給源としては、コーヒー、コーヒー豆、コーヒーベリー、及び/又はコーヒー果実が挙げられる。カフェ酸が存在する場合、カフェ酸の非限定的な供給源としては、コーヒー豆、コーヒー果実、コーヒー、茶、ベリー類、ローズマリー抽出物、及び/又はブドウ抽出物が挙げられる。
【0037】
カフェ酸が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該カフェ酸を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該カフェ酸、約1重量%〜約15重量%の該カフェ酸、約1重量%〜約10重量%の該カフェ酸、約3重量%〜約10重量%の該カフェ酸を含む。
【0038】
ウコン抽出物
ウコン抽出物はポリフェノールである。ウコン抽出物は、クルクミンである主要な活性化合物を含む香味料である。クルクミンは生物活性ポリフェノールの植物生体色素である。クルクミンは、反応性酸素種を除去し、酸化防止酵素であるGSH及びGSTの活性を高め、脂肪及びタンパク質の酸化を防止することによって酸化防止活性を有する。従って、ククルミンは脂質過酸化物産生及び蛋白質凝集を防止し、白内障の進行及び成熟の抑制をもたらす。加えて、ククルミンは糖尿病性白内障に付随する浸透圧ストレスを最小化できる。
【0039】
本発明で使用するウコン抽出物の非限定的な供給源は、ウコンである。
【0040】
ウコン抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該ウコン抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該ウコン抽出物、約1重量%〜約15重量%の該ウコン抽出物、約1重量%〜約10重量%の該ウコン抽出物、約3重量%〜約10重量%の該ウコン抽出物を含む。
【0041】
ブルーベリー抽出物
ブルーベリー抽出物はポリフェノールである。ブルーベリー抽出物はアントシアニン類が豊富であり、アントシアニンは一重項酸素を急冷することによって酸化防止活性を示し、従って色素の光酸化を防止する。
【0042】
本発明用のブルーベリー抽出物の非限定的な供給源はブルーベリーである。
【0043】
ブルーベリー抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該ブルーベリー抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該ブルーベリー抽出物、約1重量%〜約15重量%の該ブルーベリー抽出物、約1重量%〜約10重量%の該ブルーベリー抽出物、約3重量%〜約10重量%の該ブルーベリー抽出物を含む。
【0044】
ブドウの種抽出物
ブドウの種抽出物はポリフェノールである。ブドウの種抽出物は酸化防止活性を示すプロシアニジン類が豊富である。ブドウの種抽出物は約38.5%のプロシアニジン類を含む。プロシアニジン類及びそれらの代謝産物は、それらの酸化防止活性によって白内障発症の進行防止に役立ち、例えば、水晶体及び網膜微小血管のLDL酸化の防止である。プロシアニジン類はビタミンE節約効果を有することもできる。
【0045】
本発明用のブドウの種抽出物の非限定的な供給源はブドウの種である。
【0046】
ブドウの種抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該ブドウの種抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該ブドウの種抽出物、約1重量%〜約15重量%の該ブドウの種抽出物、約1重量%〜約10重量%の該ブドウの種抽出物、約3重量%〜約10重量%の該ブドウの種抽出物を含む。
【0047】
茶抽出物
茶抽出物はポリフェノールである。茶抽出物は、その結果一重項酸素、超酸化物及びヒドロキシルラジカルのような活性酸素種を急冷するために酸化防止活性を有する。この急冷は試験蛋白質の酸化的架橋を防止し、全細胞におけるDNAの一本鎖切断を阻止する;酸化防止酵素の活性を保存することによって酸化防止防御システムを強化する;アポトーシスを誘導することによって水晶体上皮細胞の増殖を阻止しグルコース代謝を向上させる。
【0048】
本発明用の茶抽出物の非限定的な供給源は紅茶、白茶、及び/又は緑茶である。
【0049】
茶抽出物が存在する場合、その組成物は組成物の乾燥体基準で約0.01重量%〜約90重量%の該茶抽出物を含む。その組成物は、組成物の乾燥体重量基準で、約0.1重量%〜約35重量%の該茶抽出物、約1重量%〜約15重量%の該茶抽出物、約1重量%〜約10重量%の該茶抽出物、約3重量%〜約10重量%の該茶抽出物を含む。
【0050】
本発明に従って利用されるポリフェノールは、更に医薬品及び/又は獣医組成物として処方されることができ、選択された投与経路、例えば、経口、非経口、静脈内、皮下などの経路に適応した様々な形態で動物に投与される。好ましい投与方法は、経口投与である。
【0051】
カロチノイド類
本発明の組成物はカロチノイドを含むことができる。「カロチノイド」は高等植物類、藻類、バクテリア類及び菌類の組織内に産出する生体色素の部類である。それらは通常、黄色乃至紅色の結晶固形物で、油脂やオイルに可溶であり、水に不溶であり、高融点であり、アルカリに安定であり、酸や酸化剤に不安定であり、それらの色相は水素添加又は酸化によって消失し、一部のものは光学活性である。カロチノイド類は植物及び微生物によって合成される天然生体色素であり、光合成の間に光を吸収する色素として機能し、光増感作用から細胞を保護する機能を有すると考えられる。構造上、カロチノイド類は8個のイソプレノイド単位を分子中央部で反転するような配置で結合して構成される。カロチノイド類は酸化バランスの維持に加えて生化学活性が実証されている。カロチノイドの構造は、これらの化合物の物理的特性、化学的反応性及び生物学的機能に強く影響を与える。個々のカロチノイドの大きさ、形状、疎水性及び極性は、哺乳動物において、生体内利用能、吸収、循環、組織内及び細胞下の分布及び排泄に劇的に影響を与えることが示唆されている。
【0052】
カロチノイドが存在する場合、カロチノイドはルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
ルテインは、脂質に可溶性の黄色−赤色の生体色素である部類に属するカロチノイドとして知られる酸化防止剤である。ルテインとゼアキサンチンは互の構造異性体である。ルテインはマリーゴールドから結晶の形で抽出できる。ルテインの食物源には、カラシ菜、ホウレン草、ケール、ブロッコリー、リーフレタス、グリーンピース、ブラッセルモヤシ、トウモロコシ、一部のカボチャ、及びグリーンビーンズが挙げられる。ルテインは肉体及び眼をフリーラジカル損傷から防護すると考えられる強力な酸化防止剤である。ルテインは眼の網膜内に見出される主要なカロチノイドであり、白内障の治療に有効である。ルテインは日光による損傷に対してすばらしく良く効き、ルテインは黄班変性症の発生を50%以上までも減少できる。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のルテイン、約0.01重量%〜20重量%のルテイン、約0.05重量%〜10重量%のルテインを含んでよい。
【0054】
ゼアキサンチンは、脂質に可溶性の黄色−赤色の生体色素である部類に属するカロチノイドとして知られる酸化防止剤である。ゼアキサンチンはマリーゴールドから結晶の形で抽出できる。ゼアキサンチンの食物源には、カラシ菜、ホウレン草、ケール、ブロッコリー、リーフレタス、グリーンピース、ブラッセルモヤシ、トウモロコシ、一部のカボチャ、及びグリーンビーンズが挙げられる。ゼアキサンチンは肉体及び眼をフリーラジカル損傷から防護すると考えられる強力な酸化防止剤である。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のゼアキサンチン、約0.01重量%〜20重量%のゼアキサンチン、約0.05重量%〜10重量%のゼアキサンチンを含んでよい。
【0055】
アスタキサンチンを、遊離型アスタキサンチン又はアスタキサンチンジエステルとして提供することができる。天然産生のアスタキサンチンは、菌類、甲殻類及び藻類、例えば、淡水緑藻から得ることができる。(例えば、米国特許第5,744,502号に記載のように)。アスタキサンチンはまた、野生型及び遺伝子組換えパフィア酵母(Pfaffia yeast)によって生成され、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社(Archer Daniels Midland Co.);アクアサーチ社(Aquasearch Inc.);アスタカロチンAB(AstaCarotene AB);シアノテック社(Cyanotech Corporation)、及びマイクロ・ガイア社(Micro Gaia,Inc.)から市販されている。また、合成的に生成されるアスタキサンチンは、ホフマン−ラロシュ・リミテッド(Hoffman-LaRoche,Ltd.)から市販されている。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のアスタキサンチン、約0.01重量%〜20重量%のアスタキサンチン、約0.05重量%〜10重量%のアスタキサンチンを含んでよい。
【0056】
ビキシンは天然産生のカロチノイドであり、B.orellana種子(アナトー種子とも称される)のパルプ中に見出され、飯米、チーズ、ソフトドリンク、油、バター、スープ及び化粧品を赤色−オレンジ色に着色する染料に世界中で使用される。アナトー抽出物のようにビキシンは食物の着色添加剤に使用される。ビキシンはフリーラジカルを除去することができ、生体外及び生体内の両方で、DNAの酸化損傷及び脂質の酸化を防止できる。データによれば、ビキシンは結腸直腸がんに対して化学的予防効果を有すると示唆される。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のビキシン、約0.01重量%〜20重量%のビキシン、約0.05重量%〜10重量%のビキシンを含んでよい。
【0057】
リコピンは開鎖した不飽和カロチノイドであり、トマト、グアバ、ローズヒップ、スイカに赤色を付与し、及びグレープフルーツにピンク色を付与する。リコピンは実証された酸化防止剤であり、肉体の細胞に損傷を与え得るフリーラジカルを消去し、それによって、前立腺がん、乳がん、アテローム性動脈硬化症及び冠状動脈疾患の合併に対して防護がもたらされる。リコピンはLDL酸化を低減し、血液中のコレステロールのレベルを下げるのに役立つ。加えて、予備調査によって、リコピンは黄班変性疾患のリスクを低減できることが示唆される。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のリコピン、約0.01重量%〜20重量%のリコピン、約0.05重量%〜10重量%のリコピンを含んでよい。
【0058】
アミノ酸類
本発明の組成物はアミノ酸を含むことができる。アミノ酸は肉体の「組立てブロック」である。細胞を組立て、組織を修復する他に、アミノ酸は侵入するバクテリア及びウイルスと戦うための抗体を形成し;アミノ酸は酵素及びホルモン系の一員であり;アミノ酸は核タンパク質(RNA及びDNA)を組立て;アミノ酸は肉体全体に酸素を運び筋肉活動に関与する。蛋白質は消化作用により分解され、22個の既知のアミノ酸をもたらす。8個は必須(人体内にて製造できない)であり、残りは非必須(適正な栄養で人体内にて製造できる)である。
【0059】
アミノ酸が存在する場合、アミノ酸はリジン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
L−リジンは必須アミノ酸であり、感染猫のウイルスの出芽を顕著に削減し、猫において非常に一般的な感染症である猫のヘルペスウイルス−1(FHV−1)感染の持続期間を減少させることが示されている。FHV−1は猫における多くの眼疾患と関連し、それには結膜炎、角膜潰瘍、眼瞼癒着の形成が含まれ、L−リジンは、ウイルスゲノムの中に組み込むためのアルギニンと競合することによって、FHV−1の複製を抑止する。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のリジン、約0.05重量%〜10重量%のリジン、約1.5重量%〜5重量%のリジンを含んでよい。
【0061】
タウリンは他の全てのアミノ酸の組立てブロックに使用されるアミノ酸であり;タウリンは、眼、心臓筋肉、白血球、骨格筋、及び中枢神経系の中に見出される。タウリン及び硫黄は、老化プロセス中で起こる、フリーラジカル廃物の清浄化に役立つ数多くの生化学的変化の制御に必要なファクターであると考えられている。タウリンは硫黄含有のアミノ酸であり、猫にとって必須のものである。猫は、大抵の動物種におけるアミノ酸の前駆体であるシステインから、タウリンを合成する能力が貧弱であるからである。従って、猫はタウリンに対して栄養的要求量を有する。栄養性網膜変性と網膜中心の変性は同質であり、猫におけるタウリン不足に関連がある。タウリン不足は網膜の錐体に悪影響を与え、影響は視神経乳頭に対してドーステンポラル(dorsetemporal)にある網膜中心窩野で最も顕著である。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のタウリン、約0.05重量%〜10重量%のタウリン、約0.1重量%〜5重量%のタウリンを含んでよい。
【0062】
ヒスチジンはヘモグロビン中に豊富に見出される。ヒスチジンはヒスタミンの前駆体であり、アレルギー反応の間に免疫系細胞によって放出される化合物である。ヒスチジンは組織の成長及び修復のため、並びに神経細胞の防護体として作用するミエリン鞘の維持のために必要である。ヒスチジンは更に、赤血球及び白血球の製造に必要であり、放射線照射によって引き起こされる損傷から身体を防護し、身体から重金属を取り除くのに役立つ。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のヒスチジン、約0.05重量%〜10重量%のヒスチジン、約0.1重量%〜5重量%のヒスチジンを含んでよい。
【0063】
カルノシンは、ヒドロキルラジカル除去性、一重項酸素除去性及び脂質ペルオキダーゼ活性を有する天然の酸化防止剤として作用するための非常に高い可能性を有する。カルノシンの顕著な効果は、実証されている、水晶体白内障を予防又は部分的にリバースさせる能力である。カルノシンは酸化ストレスにより誘発される損傷から水晶体を防護する。ビタミンE及びその他の酸化防止剤と併用した時に、カルノシンは最高効果を有する。カルノシンは、グリコキシル化として知られるプロセス、即ち砂糖分子による有益な蛋白質及びDNAの破壊、を減少させることができると考えられる。カルノシンは、その系から異常物質を取り除き、系が自由に最適に機能できるようにさせるので、グリコシル化による損傷を回避するのに役立つ。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のカルノシン、約0.05重量%〜10重量%のカルノシン、約0.1重量%〜5重量%のカルノシンを含んでよい。
【0064】
アラニンは非必須アミノ酸であり、必要に応じて他の供給源からコンパニオンアニマルによって製造できる。アラニンは最も単純なアミノ酸の一つであり、エネルギー産生するグルコースの分解に関与している。突発的な嫌気性エネルギーが必要とされる常態では、筋肉の蛋白質がエネルギーのために分解される時に、アラニンは窒素含有アミノ基をより毒性の少ない尿素に変化させる役割の肝臓へ運ぶキャリア分子として作用し、こうして臨時のエネルギー必要時における筋肉細胞内での毒性生成物の蓄積を回避する。アラニンは広範囲の種々の食物に見出されるが、特に肉の中に濃縮されている。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のアラニン、約0.05重量%〜10重量%のアラニン、約1重量%〜5重量%のアラニンを含んでよい。
【0065】
システインは酸化防止剤として機能し、放射線照射及び環境汚染に対する防護において強力な身体補助手段である。システインは老化プロセスを抑制し、フリーラジカルを不活性化し、毒物を除毒するのに役立ち、蛋白質合成に役立ち細胞に変化を与えることができる。本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.05重量%のシステイン、約0.05重量%〜10重量%のシステイン、約0.2重量%〜5重量%のシステインを含んでよい。
【0066】
酸化防止剤
本発明の組成物は酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、酸素の組織における損傷作用を打ち負かすことができる、酵素又はその他の有機分子である。その用語は技術的には酸素と反応する分子に適用されるけれども、あらゆるフリーラジカルから守る分子に適用されることが多い。酸化防止剤が存在する場合、その酸化防止剤はビタミンE、ビタミンCビタミンA、コエンザイムQ10、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0067】
ビタミンEは脂質可溶性の化合物であり、ビタミンEの最も顕著な酸化防止剤活性は細胞膜に限局される。ビタミンEは、細胞膜を脂質の過酸化から防護することによって酸化バランスを維持する。ビタミンEは脂質可溶性の酸化防止剤であり、細胞の酸化損傷を防御する。コンパニオンアニマルにおける全てのビタミンEは食物に由来し、多様な化学的形態で含まれる。ビタミンEの主たる食物供給源は植物油、マーガリン、及びショートニングであり、ナッツ類、種子類、穀類、及び胚芽が追加的な供給源となる。「ビタミンE」には、8種の異なった化学的形態が含まれ、その4種はトコフェロール類であり、4種はトコトリエノール類である。ビタミンEの最も生物学的に活性な形態はα−トコフェロールである。ビタミンEは犬に重要である。リン脂質は光受容体の重要な構造的構成成分であり、網膜の生体色素上皮による正常の菌排出及び食菌作用は細胞中のリソソームから過酸化されたリポ蛋白質又脂褐素を産出する。ビタミンEの欠乏は、筋肉、中枢神経系、生殖器官及び網膜に病理学的変化をもたらすこと可能性がある。犬において、白内障、盲目に至る視力減少及び網膜変性のような眼病変は長期のビタミンE欠乏によって起こる。ビタミンEの栄養補助食品は酸化されたリポ蛋白質又は脂褐素生体色素の細胞内蓄積を遅延させる。
【0068】
本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のビタミンE、約0.01重量%〜10重量%のビタミンE、約0.2重量%〜5重量%のビタミンEを含んでよい。
【0069】
ビタミンC(アスコルビン酸カルシウムとして)は水溶性であり、水性の細胞区画内に見出され、直接的なフリーラジカル曝露(例えば、放射線照射、日光)に対する防御手段である。ビタミンCは、水性細胞の細胞質で生成されたフリーラジカルを効果的に除去し、細胞膜におけるビタミンEを再生利用(防護)することによって酸化バランスを維持する。ビタミンCの好適な形態はアスコルビン酸カルシウムである。ビタミンCの化学的中核構造は、2官能性ジオール基及び隣接するカルボニル基を含有する5員環のラクトン環から構成される。アスコルビン酸塩は非常に良く水に溶ける。アスコルビン酸塩に観察される、異常な化学構造、熱力学的酸化還元電位及び急速な反応速度は、生物学的系において末端の小型分子の酸化防止剤としての独特な役割を担う。アスコルビン酸(ASC)は生物学的系において3つの異なった酸化還元状態で存在し、即ち、ASC、セミデヒドロアスコルビン酸(SDA)、及びデヒドロアスコルビン酸(DHA)である。DHAは、2種の連続的及び可逆的な、1電子酸化プロセスの結果として形成される。不対電子は高度に非局在化したπシステムにあるので、アスコルビン酸ラジカルは比較的非反応性である。従って、アスコルビン酸化学の熱力学及び動力学によりASCは優れた生物学的な供与型酸化防止剤になる。SDA及びDHAは内因性酵素系によって還元を経由して元のアスコルビン酸に再生利用される。アスコルビン酸はトコフェロキシルラジカルの還元を低減することによってビタミンEの酸化防止作用を高めると考えられる。トコフェロキシルラジカルとアスコルビン酸との間の反応により細胞膜から酸化性フリーラジカルを遠くに運び去る機構が設けられる。要するに、トコフェロールは脂質過酸化ラジカルの伝播反応を停止させることによって膜を防護し、アスコルビン酸はトコフェロールラジカルによる損傷可能性に対して膜を防御する作用を有する。こうして、アスコルビン酸はフリーラジカルを除去し、ビタミンEのような他の酸化防止剤の有用な形態を再生利用することによって酸化バランスを維持するのを助ける。
【0070】
本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のビタミンC、約0.01重量%〜10重量%のビタミンC、約0.2重量%〜5重量%のビタミンCを含んでよい。
【0071】
ビタミンA及びカロチンは肉源又は野菜源のどちらか一方から得ることができる。動物形態はレチノール及びデヒドロレチノールに分けられ、一方野菜カロチンは4つの非常に強力なグループ、即ち、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン及びクリプトカロチンに分けられる。ビタミンAは夜間視力に必要である。ビタミンAは免疫システムに役立ち、及びその酸化防止特性のために、環境汚染及びその他の病気に対する防護が優れている。ビタミンAは老化の遅延に役立つと考えられる。ビタミンAは、粘膜や皮膚において上皮細胞の発育と維持に必要であり、骨及び歯の形成に、脂肪の貯蔵に、並びに蛋白質やグリコーゲンの合成に重要である。
【0072】
本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のビタミンA、約0.01重量%〜10重量%のビタミンA、約0.2重量%〜5重量%のビタミンAを含んでよい。
【0073】
コエンザイムQは化学反応を促進させる、強力な天然産の化合物であり、コンパニオンアニマルをフリーラジカルから防護するのに役立ち、それはまたユビキノンとも称される。コエンザイムQ10(CoQ10)は食物中に自然に存在し、コンパニオンアニマルによって、アミノ酸チロシンから多段階(17段階)に渡って8種のビタミン及び7種の微量元素を必要とするプロセスで合成される。コエンザイムQ10は酸化防止剤特性をもたらし、並びそれが及ぼす細胞内における酸素の流れの制御、心血管系機能化の補助、エネルギーの製造、他の栄養素の吸収の補助、加えてその免疫増強特性を提供する。コエンザイムQ10は少なくとも3種のミトコンドリア酵素並びに細胞内の他の酵素に対する補酵素である。ミトコンドリアの機能は加齢に関連した黄班変性に中心的役割を果たす。
【0074】
本発明の組成物は、組成物中、少なくとも約0.01重量%のコエンザイムQ10、約0.01重量%〜10重量%のコエンザイムQ10、約0.2重量%〜5重量%のコエンザイムQ10を含んでよい。
【0075】
組成物
本発明に記述のポリフェノールはコンパニオンアニマルへの投与に適応する任意の組成物に添加できることが予期される。
【0076】
典型的な処方は当業界に周知である。蛋白質材料及びデンプン質材料に加えて、本発明の組成物は一般に、ビタミン類、ミネラル類、並びに香味料、防腐剤、乳化剤及び保湿剤のような添加剤を含むことができる。ビタミン、ミネラル、タンパク質、脂肪及び炭水化物の割合を包含する栄養バランスは、獣医学及び栄養学分野で既知の食事基準に従って決定される。
【0077】
乾燥組成物の非限定限定的な例は、乾燥体基準で、組成物の約1重量%〜約50重量%の粗蛋白質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約10重量%の補足的繊維、及び約1重量%〜約30重量%の水分を場合により含有してよい。或いは、乾燥組成物は、乾燥体基準で、組成物の約5重量%〜約35重量%の粗蛋白質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約2重量%〜約8重量%の補足的繊維、及び約2重量%〜約20重量%の水分を含有してよい。或いは、乾燥組成物は、乾燥体基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低蛋白質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約3重量%〜約8重量%の最低水分レベル、約3重量%〜約7重量%の最低補足的繊維レベルを含有してよい。乾燥した組成物はまた、約14.7kJ/g(3.5Kcal/g)の最低代謝エネルギーレベルを有してもよい。
【0078】
湿った組成物の非限定的な例は、乾燥体基準で、組成物の約0.5量%〜約50重量%の粗蛋白質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.5重量%〜約15重量%の補足的繊維、約30重量%〜約50重量%の水分を場合により含有してよい。或いは、湿った組成物の非限定的な例は、乾燥体基準で、組成物の約5量%〜約35重量%の粗蛋白質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約5重量%の補足的繊維、及び約35重量%〜約45重量%の水分を含有してよい。或いは、湿った組成物は、乾燥体基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低蛋白質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約38重量%〜約42重量%の最低水分レベル、約2重量%〜約3重量%の最低補足的繊維レベルを含有してよい。湿った組成物はまた、約14.7kJ/g(3.5Kcal/g)の最低代謝エネルギーレベル及び約0.1%〜約20%の灰分を有してもよい。
【0079】
ぬれた組成物の非限定的例は、乾燥体基準で組成物の約0.5量%〜約50重量%の粗蛋白質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.01重量%〜約15重量%の補足的繊維、及び約50重量%〜約90重量%の水分を場合により含有してよい。或いは、ぬれた組成物は、乾燥体基準で、組成物の約5量%〜約35重量%の粗蛋白質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.05重量%〜約5重量%の補足的繊維、及び約60重量%〜約85重量%の水分を含有してよい。或いは、ぬれた組成物は、乾燥体基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最低蛋白質レベル、約8重量%〜約13重量%の最低脂肪レベル、約65重量%〜約80重量%の最低水分レベル、約0.1重量%〜約3重量%の最低補足的繊維レベルを含有してよい。ぬれた組成物はまた、約4.2kJ/g(1.0Kcal/g)の最低代謝エネルギーレベル及び約0.1%〜約20%の灰分を有してもよい。
【0080】
本発明の一実施形態では、組成物は乾燥、湿った、ぬれた、又はその他にかかわらず、乾燥体基準で、約5重量%〜約50重量%、或いは約20重量%〜約50重量%の動物由来の成分を含む組成物である。動物由来成分の非限定例としては、鶏肉、牛肉、豚肉、子羊の肉、七面鳥の肉(又は他の動物)のタンパク質若しくは脂肪、卵、魚粉などが挙げられる。
【0081】
組成物がグレービー形態である場合、その組成物は少なくとも10%の肉汁、又はだし汁を含んで良く、非限定的な例としては野菜牛肉(vegetable beef)、鶏肉、又はハムのだし汁が挙げられる。典型的なグレービー組成物は、乾燥体基準で、約0.5%〜約5%の粗タンパク質、及び約2%〜約5%の粗脂肪を含んでよい。
【0082】
組成物がビスケット、チュー、及びその他のトリーツのような栄養補助食品の形態である場合には、その栄養補助食品は、乾燥体基準で、栄養補助食品組成物の約20重量%〜約60重量%の蛋白質、約22重量%〜約40重量%の蛋白質を含んでよい。別の例として、サプリメント組成物は、乾燥体基準で、該サプリメント組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、又は約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでよい。
【0083】
任意成分
本発明の組成物は広範囲のその他の任意成分を更に含むことができる。
【0084】
追加の構成要素の非限定的な実施例としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質の物質、野菜、果物、卵系材料、非変性タンパク質、食品用ポリマー接着剤、ゲル、ポリオール、デンプン、ゴム類、風味剤、調味料、塩、着色剤、徐放性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、芳香変性剤、非平滑化小麦タンパク質、非平滑化大豆タンパク質、非平滑化ルピンタンパク質、非平滑化野菜タンパク質、パン粉、挽肉、粉、粉砕パスタ、水、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0085】
任意成分の非限定的な例としては、少なくとも1つの野菜を挙げることができる。野菜の非限定的な例としては、ニンジン、エンドウ、ジャガイモ、キャベツ、セロリ、豆類、トウモロコシ、トマト、ブロッコリー、カリフラワー、ネギ及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
充填剤もまた、任意成分として、本明細書において有用である。充填剤は、固体、液体、又は圧縮空気(packed air)であることができる。充填剤は、可逆的(例えば、ゼラチンが挙げられる熱可逆的なもの)及び/又は非可逆的(例えば、卵白が挙げられる熱非可逆的なもの)であることができる。充填剤の非限定的な例としては、グレービー、ゲル、ゼリー、アスピック、ソース、水、空気(例えば、窒素、二酸化炭素、及び大気など)、ブロス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0087】
着色剤の非限定例としては、合成又は天然の着色剤、及びそれらのいずれかの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。着色剤が存在する場合、乾燥体基準で、該着色剤は約0.0001%〜約5%、更には約0.0001%〜約1%、その上更には約0.005%〜約0.1%である。
【0088】
更に、ラクトバシラス又はビフィドバクテリウム種のようなプロバイオティク微生物は、例えば、組成物又は動物フード組成物自体に添加されてよい。
【0089】
少なくとも1つの果物もまた、任意成分として、本明細書で有用である。非限定例としては、トマト、リンゴ、アボカド、西洋ナシ、モモ、サクランボ、アンズ、プラム、ブドウ、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、スイカ、カンタロープ(cantelope)、マスクメロン(mushmellon)、ハネジューメロン(honeydew melon)、イチゴ、バナナ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0090】
組成物は、長鎖脂肪酸及び亜鉛のようなその他の活性剤を含有してよい。好適な長鎖脂肪酸にはα−リノール酸、γ−リノレン酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸が挙げられる。魚油は、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)の好適な供給源である。DHA量は、全て乾燥体基準で、動物フード組成物の少なくとも約0.05%、或いは少なくとも約0.1%、或いは少なくとも約0.15%である。EPA量は、全て乾燥体基準で、動物フード組成物の少なくとも約0.05%、或いは少なくとも約0.1%、或いは少なくとも約0.15%である。
【0091】
本発明の組成物は、更に炭水化物供給源を含んでよい。米、トウモロコシ、ミロ、ソルガム、大麦、小麦などの穀物又は穀類が、例となる供給源である。
【0092】
組成物はまた、乾燥乳清及び他の乳製品副産物のような他の物質もまた含有してよい。
【0093】
製造方法
本発明の組成物は、所望の組成物を製造及び処方するために好適である、いかなる既知の、さもなければ有効な技法によっても調製できる。
(a)商業的に調製された又は購入されたポリフェノールを受け入れる工程と、
(b)該ポリフェノールと追加の成分とを重量によって組み合わせる工程と、
(c)該ポリフェノールと追加成分とをブレンドする工程と、
(d)該ポリフェノールと追加成分とを処理して組成物を形成する工程と、からなるプロセスを含む、組成物を製造することが有効である。
【0094】
組成物は、蒸気トンネル、押出成形、凍結非平坦化(freeze-texturization)、焼成、ゲル化、レトルト、マイクロ波加熱、オーム加熱、及びそれらの組み合わせを含む、様々な周知の手段によって加工されることができる。
【0095】
総水分含量の方法
その方法には組成物中の全水分含量の分析が含まれる。分析は、AOAC法930.15及びAACC法44−19に概説されている手順に基づく。
【0096】
組成物試料は、1つのユニット容積例えば組成物の375gを採取し、フードプロセッサでペーストのような均一な稠度に均質化することによって調製される。375gより大きい組成物は、375gの試料が得られるように、その全体の同等で代表的な画分に形成するよう再分割されるであろう。
【0097】
組成物のペーストを、100mL未満又は同等の容量で3倍に試料化し、それぞれを100mLのナスコ・ワールパック(Nasco Whirl-Pak)(登録商標)(フォート・アトキンソン(Fort Atkinson)ウィスコンシン州53538−0901)に入れ、密封する。ワールパック(登録商標)密封のプロセスの間、過剰な空気を、まさに最終的な密閉の前に容器から手動で抜き、それにより容器のヘッドススペースを最小限にする。ワールパック(登録商標)をメーカーの指示に従い密閉する−バッグを3度きつく折り畳み、タブを180度曲げる。
【0098】
サンプルは全て、含水量分析の48時間前よりも後に6℃で冷蔵する。
【0099】
総湿分分析のために、各湿分用スズ缶(moisture tin)及び蓋の自重を0.0001gまで記録する。水分用スズ缶及び蓋は、乾燥した清潔なピンセットを用いて扱われる。水分用スズ缶及び蓋は、密閉されたデシケータ内の乾燥剤上で、乾燥した状態で保たれる。試料を包含するワールパック(登録商標)を開き、2.0000+/−0.2000グラムの試料を覆われていない水分用スズ缶中へと秤量する。水分用スズ缶中の試料の重量を記録する。エアオーブンでの乾燥中、水分を失わせるが全ての他の材料は収容されるように、開いた状態の水分用スズ缶の上部に蓋を置く。蓋とサンプルの入った湿分用スズ缶とを135℃で作動している空気乾燥器内に6時間置く。カウントダウンタイマーを用いて時間を監視する。
【0100】
乾燥後、オーブンからスズ缶を取り出し、乾燥された蓋をピンセットを用いてスズ缶の上部に置く。乾燥された試料を有する覆われた水分用スズ缶を直ぐにデシケータに入れて冷却する。密閉されたデシケータに、ステージの下まで活性乾燥剤を満たす。室温まで冷却した時点で、乾燥サンプルの入った湿分用スズ缶を蓋をした状態で0.0001gまで秤量し、重量を記録する。各試料の総水分含量を、以下の式を用いて計算する。
総水分含量(%)=100−(スズ缶、蓋、及び乾燥後の試料の重量−空のスズ缶及び蓋重量)×100/初期試料重量
【0101】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆる低い数値の限定を、あたかもそのような低い数値の限定がここにはっきりと表現されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にある、あらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0102】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【実施例】
【0103】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証する。これら実施例は、説明の目的のためのみに提示するものであって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。以下の全ての実施例は、コンパニオンアニマルによって利用される組成物である。
【0104】
(実施例1〜6)
【表1】

【0105】
実施例1、2、3、4、5、及び6の組成物は、最初に穀物類をビタミン類、及びミネラル類及び繊維供給源及びローズマリー抽出物又はローズマリー酸又はコーヒー抽出物又はカフェ酸又はウコン抽出物又はククルミン又はブルーベリー抽出物又はブドウの種抽出物又は茶抽出物、ルテイン、リジン及びタウリンと粉砕し、混合して製造できる。次に、穀物グレインを、肉製品及び他のタンパク質源に添加する。成分をキブルへと押出成形する。キブルを乾燥する。最終製品を包装する。
【0106】
(実施例7〜12)
【表2】

【0107】
実施例7、8、9、10、11、及び12のぬれた組成物は、最初に穀物類を乾燥し粉砕して製造できる。乾燥した穀物類、ビタミン類、ミネラル類、及び繊維分供給源及びローズマリー抽出物又はローズマリー酸又はコーヒー抽出物又はカフェ酸又はウコン抽出物又はククルミン又はブルーベリー抽出物又はブドウの種抽出物又は茶抽出物、ルテイン、リジン及びタウリンを混合する。乾燥成分を、肉製品及び他のタンパク質供給源とブレンドする。最終製品を提供するために、混合物は、缶内に包装され、レトルトプロセスにて調理される。予め形成された部分(グレービー中の塊)については、安全な最終製品を提供するために、混合物を押し出し、予め調整するために蒸気トンネルに通し、所望の形状に切断し、添加水と共に包装し、レトルト化する。
【0108】
(実施例13〜18)
【表3】

【0109】
実施例13、14、15、16、17、及び18の湿った組成物の実施例は穀物類をビタミン類及びミネラル類及び繊維分供給源及びルテイン、リジン、ローズマリー抽出物又はローズマリー酸又はコーヒー抽出物又はカフェ酸又はウコン抽出物又はククルミン又はブルーベリー抽出物又はブドウの種抽出物又は茶抽出物、及びタウリンと粉砕し混合して製造できる。次に、穀物グレインを、水分活性を調整するために湿潤剤と共に肉製品及び他のタンパク質源に添加し、成型する。成分を所望の形状へと押出成形する。最終製品を包装する。
【0110】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0111】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。
【0112】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるかような全ての変更及び修正を、付加された特許請求の範囲でカバーするものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、ククルミン、ブルーベリー抽出物、ブドウの種抽出物、ローズマリー酸、茶抽出物、ローズマリー、及びそれらの混合物から選択される供給源から抽出される、少なくとも1つのポリフェノールを含む、コンパニオンアニマルの眼の健康を増進するための組成物。
【請求項2】
前記ポリフェノールが、ローズマリー抽出物、コーヒー抽出物、カフェ酸及びローズマリー酸からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリフェノールが、好ましくは0.01%〜90%、より好ましくは0.1%〜35%、更により好ましくは1%〜15%及び1%〜10%で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるカロチノイドを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記カロチノイドがルテインである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
リジン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアミノ酸を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、コエンザイムQ10、及びそれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
コンパニオンアニマルによる使用のための組成物であって、前記コンパニオンアニマルは、犬、猫、子猫、子犬、老犬、老猫、成犬、成猫である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記コンパニオンアニマルが、少なくとも6才の老犬又は少なくとも6才の老猫である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、ペットフード、ドッグフード、キャットフード、トリーツ、チュー、ビスケット、グレービー、ソース、飲料、補助水、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養バランスがとれたペットフード組成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−538353(P2009−538353A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512757(P2009−512757)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052166
【国際公開番号】WO2008/007244
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(506203512)ザ アイムス カンパニー (16)
【氏名又は名称原語表記】The IAMS Company
【Fターム(参考)】