説明

眼の調節機能障害改善組成物

【課題】眼の調節機能障害、眼精疲労を感じている人に対して、眼の調節機能障害や眼精の改善させることが可能な食品組成物及び医薬品組成物の提供。
【解決手段】天然で生物によって大量生産されている色素であるキサントフィル(特にアスタキサンチン)と、赤身魚(特にサバ亜目魚類)由来のペプチドを含む抽出物を有効成分として、これら両方を配合した食品組成物及び医薬品組成物。該組成物は、顕著な眼の調節機能障害の改善、眼精疲労の改善を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キサントフィルおよびペプチドを有効成分として眼の調節機能障害の改善効果を有する組成物に関する。さらに詳しくは、アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物及びペプチドを含有する赤身魚抽出物を有効成分とする眼の調節機能障害の改善効果を有する組成物に関する。また、眼の調節機能障害組成物を含有する医薬品および食品、機能性食品に関する。
【背景技術】
【0002】
眼には、近くを見る時には水晶体を厚く、反対に遠くを見る時には水晶体を薄くして、網膜上に焦点を結ぶように自動的に調節する機能がある。この調節機能の障害としては、加齢変化により調節力が減退し近方視が困難になる老視、また病的異常では調節衰弱、調節不全、調節遅鈍、調節麻痺、調節緊張、調節痙攣等がある。特に、後者の病的異常の原因として眼の毛様体疲労、眼球を動かす眼筋の疲労、視神経の疲労、また全身病やその他の眼疾患が考えられる。老視の治療法はないといわれており、対症的に減退した調節力を眼鏡又はコンタクトレンズで補うことになる。病的異常に対しては、原因疾患の治療や環境改善を行う。対症療法として、眼鏡やビタミンB服用が用いられている。
【0003】
眼の調節機能障害に対する治療法は数少なく、特に予防的処置は余り無いのが現状である。本出願人はアスタキサンチンが眼の調節機能を改善する効果があること(特許文献1)を明らかにしている。カツオ抽出物は眼精疲労の回復効果があること(特許文献2)や、カツオ節だしを継続摂取することによって眼精疲労が改善される効果がある(非特許文献1)ことが知られている。しかしながら、キサントフィルとペプチドを含有する組成物が眼の調節機能障害の改善効果がより高いことは知られてはいない。
【0004】
【特許文献1】日本国特再WO2002/094253号公報
【特許文献2】国際公開WO2005/087022パンフレット
【非特許文献1】視覚の科学、27、95−101、2006年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、眼の調節機能障害改善物質を探索した結果、キサントフィルとペプチドを配合した組成物が優れた眼の調節機能障害改善する作用があることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、キサントフィルとペプチドを有効成分とする眼の調節機能障害組成物、並びにその眼の調節機能障害組成物を含有する医薬品、飲食物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、キサントフィル、ペプチドを含有する組成物が顕著な眼の調節機能障害改善を有することを見出した。本発明は係る知見に基づくものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の眼の調節機能障害改善組成物を医薬品、食品などの形態で摂取することによって、眼の調節機能障害の改善・予防、および眼の調節機能障害によって生じる眼精疲労などをも改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において、キサントフィルとは、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ツナキサンチン、サルモキサンチン、パラシロキサンチン、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ククルビタキサンチン、ディアトキサンチン、アロキサンチン、ペクテノール、ペクテノロン、マクトラキサンチン、カプサンチン、カプサンチノール、フコキサンチン、フコキサンチノール、ペリジニン、ハロシンチアキサンチン、アマロウシアキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン、ロドキサンチン、ビキシン、ノルビキシンなどであり、好ましくはアスタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、カンタキサンチン、カプサンチン、フコキサンチンであり、特に好ましくはアスタキサンチンである。これらのキサントフィルは、植物、動物、微生物などの天然物から抽出されたものや化学合成品を用いることができる。天然物からの物質を抽出物は、その原料種類、産地および製造方法は特に限定されない。
【0009】
本発明の記載で、特に記載がない限り、キサントフィルはキサントフィルおよび/またはそのエステル体を含む。さらに、キサントフィルのエステルにはモノエステル体および/またはジエステル体を含む。
【0010】
本発明のキサントフィルとしては、キサントフィルの遊離体、モノエステル体、ジエステル体の少なくとも一種を用いることができる。ジエステル体は2つの水酸基がエステル結合により保護されているため化学的および物理的に遊離体やモノエステル体よりも安定性が高く本発明の組成物中で酸化分解されにくい。しかし、腸内で酵素により、または生体中に取り込まれると生体内酵素により速やかにキサントフィルに加水分解され、効果を示すものと考えられている。
【0011】
キサントフィルのモノエステルとしては、低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。前記低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸の具体例としては、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5−エイコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5,13−ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ステリング酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などをあげることができる。また、カロテノイドのジエステルとしては前記脂肪酸からなる群から選択される同一または異種の脂肪酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。
【0012】
さらに、キサントフィルのモノエステルとしては、グリシン、アラニンなどのアミノ酸;酢酸、クエン酸などの一価または多価カルボン酸;リン酸、硫酸などの無機酸;グルコシドなどの糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸などの糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸などの脂肪酸;グリセロリン酸などによりエステル化されたモノエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記モノエステル類の塩も含む。脂肪酸の誘導体としては、上記脂肪酸のリン脂質型、アルコール型、エーテル型、ショ糖エステル型、ポリグリセリンエステル型があげられる。
【0013】
キサントフィルのジエステルとしては、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価または多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される同一または異種の酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記ジエステル類の塩も含む。グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類、または高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類などをあげることができる。
【0014】
アスタキサンチンとは、天然物由来のものまたは合成により得られるものを意味する。天然物由来のものとしては、例えば、ヘマトコッカス藻などの微細藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、エビ、オキアミ、カニなどの甲殻類の甲殻、イカ、タコなどの頭足類の内臓、種々の魚介類の皮やヒレ、ナツザキフクジュソウなどのAdonis属植物の花弁、Paracoccus sp. N81106、Brevundimonas sp. SD212、Erythrobacter sp. PC6などのα−プロテオバクテリア類、Gordonia sp. KANMONKAZ-1129などの放線菌、Schizochytriuym sp. KH105などのラビリンチュラ類(特にヤブレツボカビ科)やアスタキサンチン産生遺伝子組み換え生物体などから得られるものをあげることができる。天然からの抽出物および化学合成品は市販されており、入手は容易である。
【0015】
アスタキサンチンは、3,3'−ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4'−ジオンであり、立体異性体を有する。具体的には、(3R,3'R)−アスタキサンチン、(3R,3'S)−アスタキサンチンおよび(3S,3'S)−アスタキサンチンの3種の立体異性体が知られているが、本発明にはそのいずれも用いることができる。本発明はこれらアスタキサンチン異性体のモノエステルおよびジエステルを含む。
【0016】
本発明において、アスタキサンチンの脂肪酸エステルは、天然物由来のものまたは合成により得られるもののいずれも用いることができるが、体内での吸収からアスタキサンチンエステルが各種の油脂に溶解した天然物由来が好ましい。天然物由来には、例えば、オキアミ抽出物、ファフィア酵母抽出物、ヘマトコッカス藻抽出物があるが、特に好ましいのはアスタキサンチンの安定性とアスタキサンチンのエステルの種類によりヘマトコッカス藻抽出物である。
【0017】
アスタキサンチンの脂肪酸エステルは突然変異原性が観察されず、安全性が高い化合物であることが知られて、食品添加物として広く用いられている(高橋二郎ほか:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験―Ames試験、ラット単回投与毒性試験、ラット90日反復経口投与性毒性試験―,臨床医薬,20:867−881,2004)。
【0018】
ヘマトコッカス藻は、ボルボックス目クラミドモナス科に属する緑藻類であり、通常は緑藻であるためクロロフィル含量が高く緑色であり、2本の鞭毛によって水中を遊泳しているが、栄養源欠乏や温度変化等の飢餓条件では休眠胞子を形成し、アスタキサンチン含量が高くなり赤い球形となる。本発明においては、いずれの状態でのヘマトコッカス藻を用いることができるが、アスタキサンチンを多く含有した休眠胞子となったヘマトコッカス藻を用いるのが好ましい。また、ヘマトコッカス属に属する緑藻類では、例えば、ヘマトコッカス・プルビイアリス(Haematococcus pluvialis)が好ましい。
【0019】
ヘマトコッカス緑藻類の培養方法としては、異種微生物の混入・繁殖がなく、その他の夾雑物の混入が少ない密閉型の培養方法が好ましく、例えば、一部解放型のドーム形状、円錐形状または円筒形状の培養装置と装置内で移動自在のガス吐出装置を有する培養基を用いて培養する方法(国際公開第99/50384号公報)や、密閉型の培養装置に光源を入れ内部から光を照射して培養する方法、平板状の培養槽やチューブ型の培養層を用いる方法が適している。
【0020】
本発明のヘマトコッカス藻から抽出物を得る方法としては、ヘマトコッカス藻を乾燥粉砕した後アセトンやアルコールなどの有機溶媒で抽出する方法、ヘマトコッカス藻を有機溶媒に懸濁させて粉砕し同時に抽出する方法、二酸化炭素などを用いる超臨界抽出する方法などで行うことができる。
【0021】
超臨界抽出法は、常法によって行うことができ、例えば、広瀬(Ind Eng Chem Res、2006、45(10)、3652-3657、Extraction of Astaxanthin from Haematococcus pluvialis Using Supercritical CO2 and Ethanol as Entrainer)らの方法で行うことができる。
【0022】
前記培養物または前記甲殻類から有機溶媒を用いて抽出および精製する方法については種々の方法が知られている。例えば、アスタキサンチンおよびそのエステルは油溶性物質であることから、アスタキサンチンを含有する天然物からアセトン、アルコール、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルムなどの油溶性有機溶媒でアスタキサンチン含有成分を抽出することができる。また、二酸化炭素や水などを用い超臨界抽出を行うこともできる。抽出後、常法に従って溶媒を除去してモノエステル型のアスタキサンチンとジエステル型のアスタキサンチンの混合濃縮物を得ることができる。得られた濃縮物は、所望により分離カラムやリパーゼ分解によりさらに精製することができる。
【0023】
前記のドーム型培養装置や密閉型の培養装置で培養したヘマトコッカス藻を乾燥させ、粉砕後にアセトンで抽出または、アセトン中で粉砕と抽出を同時に行ったのち、アセトンを除去してアスタキサンチン抽出する製法が、又は超臨界抽出を行い、精製したものは、空気に触れることがないことからアスタキサンチンの酸化がほとんどなく、夾雑物が少なく、すなわち本発明の効果を阻害する物質が少なく、アスタキサンチンとトリグリセリドを純度良く多く含むことができ好適である。
【0024】
本発明において、ペプチドとは、天然の動植物から得られるペプチドで抗疲労効果を有するものであり、赤身魚、特にミオグロビン色素を多く有している魚、例えば、アジ、イワシ、カタクチイワシ、カツオ、カンパチ、サバ、サワラ、サンマ、シマアジ、ニシン、ブリ、マグロ、ムロアジなどの回遊魚の赤身部分から抽出された抽出物に含まれるペプチドである。本発明では、これらのペプチドを含む抽出物として用いることができる。本発明で使用する赤身魚の抽出物は、その製法には特に制限はなく、常法により得ることができる。同様の組成であれば、これと異なる製法にて製造される抽出物であってもかまわない。
【0025】
本発明で利用される赤身魚の抽出方法としては、例えば、カツオ、マグロ、サバ、イワシなどの肉の煮汁および/または蒸煮汁を常法により、約20〜40倍に濃縮後濾過し、濾液をプロテアーゼなどの酵素で20〜60℃で1分〜24時間処理し、約40〜60倍に濃縮したものである。この抽出液に糖類(例えば、グルコースやフルクトースなど)などを0.1〜10%の範囲で添加した後、60〜150℃で1分〜24時間の範囲で加熱褐変処理し、粉末状にすることができる。また、上記の回遊魚の内臓、身および頭をミンチした後、麹醗酵させた後、火入れ、濾過ししてもよい(特開2002−191321号公報)。さらにまた、上記の回遊魚の肉の煮汁及び/又は蒸煮汁を常法により約20〜50倍に加熱濃縮したのち濾過したものを挙げることができる。
【0026】
本発明の眼の調節機能改善組成物を用いる場合は、通常の飲食品、医薬品の形態で用いることができる。以下、キサントフィル、ペプチドの具体例として、それぞれアスタキサンチン、赤身魚由来のペプチドついて述べるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の眼の調節機能改善組成物における、キサントフィル、ペプチドの配合割合は、それぞれが消去する活性酸素種や抗酸化対象の親水性や親油性によって適宜選ぶことができ、それぞれ遊離体換算で1:0.1〜1000の割合で配合することができ、好ましくは1:1〜100である。本発明の調節機能改善組成物は、配合対象の全量に対して、0.001〜99.9重量%の範囲で配合することができ、好ましくは0.01〜90重量%である。
【0028】
本発明の眼の調節機能改善組成物の医薬品や飲食物に用いられるアスタキサンチンの量は、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人では1日あたり、0.01〜100mg、好ましくは0.1〜20mgの服用量で経口投与または非経口投与で行う。投与量は、投与される患者の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。本発明の医薬品におけるアスタキサンチン量は0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。
【0029】
本発明の眼の調節機能改善組成物の医薬品や飲食物に用いられるペプチドの量は、成人では1日あたり、0.1〜1000mg、好ましくは1〜100mgの服用量で経口投与または非経口投与で行う。投与量は、投与される患者の年齢、体重、性別、症状の程度、投与形態によって異なる。本発明の医薬品におけるペプチドの量は0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。
【0030】
本発明の調節機能改善組成物のすぐに体感できる投与量(摂取量)としては、通常の食品の形態では摂取が困難である量であり、成人ヒト1人当り1日あたり、アスタキサンチンは6mg以上、ペプチドは500mg以上である。これ以下では、長期の服用により効果を及ぼす。これらは、食事毎などに分けて1日の摂取量としてもよい。
【0031】
本発明の眼の調節機能改善組成物は、眼の調節機能の悪化が原因といわれている眼精疲労の改善・予防用の効果がある。特に、眼精疲労によって生じる首・肩のこり、腰痛、関節痛、冷え症に効果がある。本発明の組成物を配合した薬剤、飲食物、飼料はこれらの効果を有することができる。本発明の効果において、改善効果とは、発症している症状の改善・治療だけではなく、発症しやすい環境や体質で事前に摂取することによって予防することも含む。
【0032】
本発明の眼の調節機能効果を補助するため、補助効果を有する物質を添加することができる。例えば、ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボン、クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン、クマリンなどのポリフェノール類;リノール酸、α−またはγ−リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白、脾臓、胎盤、鶏冠、ローヤルゼリー、酵母、乳酸菌、ビフィズス菌、霊芝、ニンジン、センブリ、ローズマリー、オウバク、ニンニク、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ、サルビア、アルニカ、カミツレ、シラカバ、オトギリソウ、ユーカリ、ムクロジ、センプクカ、ケイケットウ、サンペンズ、ソウハクヒ、トウキ、イブキトラノオ、クララ、サンザシ、シラユリ、ホップ、ノイバラ、ヨクイニン、ドクダミ、海藻、納豆、レモングラス、ハイビスカスなどの天然物並びにそれらの抽出物;アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体;鉄、バナジウム、モリブデン、マンガン、銅、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素などのミネラル類;マンニトール、キシリトール、グルコサミンなどの単糖類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、グリコーゲン、キチン、キトサンなどの多糖類;デオキシリボ核酸、リボ核酸などの核酸類;その他のグリチルリチン酸、グアニン、ムチン、ユビキノン、α−リポ酸、オクタコサノール、アリシン、アリインなど、並びにそれらの混合物からなる群から1種または2種以上選択することができる。これらの成分は、医薬品全量に対して一般には0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量%配合され、一種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】
本発明の眼の調節機能改善組成物を含む医薬品は、経口で投与することができる。経口用の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投薬形態、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態で投与される。なお、医薬品には医薬部外品も含まれる。
【0034】
本発明の眼の調節機能改善組成物を含む医薬品は、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を適当量含んでいてもよい。このような添加剤として、例えば賦形剤、結合剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、界面活性剤などが挙げられる。賦形剤としては、例えばトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギコデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔製品名「ノイシリン」、富士化学工業(株)製〕、ハイドロタルサイト、無水リン酸カルシウム〔製品名「フジカリン」、富士化学工業(株)製〕、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などの無機化合物などがあげられる。結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、寒天、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース、F−MELT〔商標、富士化学工業(株)製〕などがあげられる。酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などがあげられる。発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。香料としては、例えばレモン油、オレンジ油、メントールなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄などが挙げられる。安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、トコフェロール、シクロデキストリン等が挙げられる。pH調整剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。界面活性剤として、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどがあげられる。アスタキサンチンやペプチドの吸収や製剤化をより良くするためには粉末状態にすることができる。
【0035】
本発明の組成物は、飲食品や飼料に配合して用いることができ、医薬品と同様の効果を得ることができる。
【0036】
飲食品としては、サプリメント、保健機能食、特別用途食品、一般食品として用いることができ、摂取のしやすさや摂取量が決めやすいことから、サプリメント、保健機能食、特別用途食品が好ましく、前述医薬品と同様の形態、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投与形態、シロップおよび懸濁液のような液体投与形態で摂取することができる。上記医薬品用製剤で用いる成分に加え、食品で使用可能なものを選択でき、その他に乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン蛋白質など、または、これらの分解物である卵白オリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物を併用することもできる。また、ドリンク形態で提供する場合は、栄養バランス、摂取時の風味を良くするためにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料および色素などを配合してもよい。本発明の飲食物の形態は、これらに限定されるものではない。
【0037】
本発明において、症状の改善・予防が許可されている飲食品とは、国や公共団体が許可・指定している医薬品的な効能を有する食品であり、例えば、栄養機能食品や特定保健用食品などの保健機能食品、特別用途食品などである。なお、状況や時代、各国の制度により名称や規程が変化するが、本質的に同じであるものは本発明に含まれる。
【0038】
一般食品、すなわち飲食物の形態例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、魚製品、漬け物、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、かきもち、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、クラッカー、マカロニ、パスタ、ラーメン、蕎麦、うどん、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、または果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料または非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、ココアなどの非アルコールまたはリキュール、薬用酒などのアルコール飲料などの一般食品への添加例を挙げることができる。
【0039】
飲食品では、アスタキサンチンおよびペプチドを一般食品の原料と共に配合し、常法に従って加工製造することにより製造される。アスタキサンチンおよびペプチドの配合量は食品の形態などにより異なり特に限定されるものではないが、一般にはアスタキサンチンおよびペプチドの使用量は当業者が飲食物の種類に応じて適宜選択でき、前述の量を配合することができる。
【0040】
本発明の調節機能改善組成物を飼料に配合した場合も、医薬品や飲食品と同様の効果を得ることができ、例えば、ラット、ウサギ、サル、犬、猫、豚、牛、羊、馬、トカゲ、カエル、ワニ、魚類に投与することができる。
【0041】
本発明の飼料は、固形製剤、固形、ペレット状、粒状、ビスケット状、練り状などの形態およびドライフード、セミドライフード(例えば、水分含有量10〜50重量%程度の飼料)、または缶詰などのウェットフード(例えば、水分含有量が50〜80重量%程度の飼料)等に特に制限されない。従来の飼料製造の過程において適当な工程でアスタキサンチンおよびペプチドを飼料の材料に添加混合、またはアスタキサンチンおよびペプチドの水溶液を飼料にふりかけて製造することができる。また、人用の栄養補助食品と同様に、摂取が容易である錠剤、舌下錠、丸剤、散剤、粉剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤および軟カプセルなどの固形製剤で製造することができる。
【0042】
配合可能な原料としては、飼料として使用し得るものなら特に制限はないが、飼料の原料としては、飼料の種類に応じて、慣用の成分、例えば、魚粉、魚肉、魚介類、フィッシュミール、畜肉、肉粉、肉骨粉、血粉、フェザーミール、蚕蛹油粕、脱脂粉乳、動物性油脂(牛油、豚油、骨油など)、鶏卵類、乳類などの動物性原料;ビール酵母、トルラ酵母などの微生物;トウモロコシ、マイロ、小麦、大麦、ライ麦、エン麦、小麦粉、玄米、アワ、大豆、キナコ、キャッサバなどの穀類;アルファー化デンプン、デンプンなどのデンプン類;大豆油粕、脱皮大豆油粕、ナタネ油粕、ラッカセイ油粕、ヤシ油粕、ヒマワリ油粕、アマニ油粕、ゴマ油粕、サフラワー油粕、パーム核油粕、カポック油粕などの油粕類;米ヌカ、大麦ヌカ、ふすまなどのヌカ類;グルンフィード、グルテンミール、澱粉粕、精蜜、醤油粕、ビール粕、ビートパルプ、バガス、豆腐粕、麦芽根、ミカン皮、蜜柑ジュース粕などの製造粕類;アルファルファミール、チモシー乾草、藁などの繊維素;賦形剤、結合剤、崩壊剤、食塩、砂糖などの糖類、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などの成分を一種または二種以上配合して使用することができる。
【0043】
固形製剤に配合可能な原料としては、前述の原料の他に、例えば、人の食品分野で一般的に用いられる担体と均一に混合して製造できる。具体的には、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ゴマ油、菜種油、オリーブ油、大豆油などの油類、ストロベリー・フレーバー、ペッパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、散剤、丸剤、カプセル、軟カプセル、錠剤の形態で、ラクトース、グリコース、シュークロース、乳糖、マニトール、コーンスターチ、二酸化ケイ素などの賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼインなどの結合剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニン、レシチンなどの乳化剤、グアーガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ペクチン、アラビアガム、結晶セルロースなどの増粘剤、グリセリンなどの可塑剤を用いて製造できる。錠剤型としては錠剤およびカプセル剤は摂取が容易であるので好ましい。
【実施例】
【0044】
本発明を以下の実施例及び製剤例にて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
[実施例1] アスタキサンチンの眼の調節力改善作用
(試験方法) 下記選択基準を満たす人を被験者とした。
(1)眼が疲れる自覚症状のある人、又はVDT作業に従事している人。(2)矯正視力両目で1.0以上。(3)年齢33〜45歳。(4)常時、医薬品や健康食品を服用していない人。(5)遵守事項を守り、試験方法に定められた診察を受けることができる人。試験責任医師が、疾病等の理由で試験参加不適当と判断した人。
【0046】
(試料) ソフトカプセル剤
常法によりソフトカプセル剤皮100mg(ゼラチン75重量%、グリセリン25重量%)に下記成分からなるカプセル内容物200mgを混練してから充填し、1粒300mgのソフトカプセルを得た。なお、配合量は重量%である。アスタキサンチンはフリー体換算で5重量%のアスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出オイルから製造した抽出物である。かつお抽出物は市販のカツオエキス〔理研ビタミン製〕を用いた。
【0047】
[表1] ソフトカプセル内容物

【0048】
I.摂取前
試験は、試験者および被験者に食品内容が分からないように、二重盲検的に実施された。すなわち、試験担当者は、被験者のワック社製両眼開放定屈折近点計(D'ACOMO)〔VDT症候群をはじめとする調節異常の鮮明な検出が可能である。〕による調節力試験終了後、性別及び試験成績により被験者を層別して名簿を作成しコントローラに渡した。コントローラはこの名簿を基に被験者を試験食群及び対照食群に分け、割付表を作成した。さらに割付表に従い、試験食又は対照食に各被験者の氏名が記されたラベルを貼付した。割付表はコントローラが封印した。コントローラーが試験成績を解析修了するまで割付表の開示は禁止された。
【0049】
II.摂取中
上記処方によりカプセル剤を調製し、各群で男女12名をパネルとし、毎日、夕食直後に2粒、4週間に渡って摂取した。
【0050】
III.摂取終了後
被験者はD'ACOMOによる調節力の試験を受けた。
その結果を表1に示す。表には、試験食群のヒト眼調節力と対照群のヒト眼調節力を示す。
なお、表中の調節力(度ジオプター)の値は平均値± 標準偏差で表され、有意差はp<0.05とした。を aは摂取前vs.摂取後、bは摂取後における製剤2vs.製剤4、cは摂取後における製剤3vs.製剤4のt−testの有意差であることを示す。
【0051】
[表2] 調節力試験の結果

【0052】
上記表2の結果から、アスタキサンチン摂取開始前と4週間連続摂取後のヒト眼調節力を比較すると、試験食群(製剤2,3,4)では統計的有意差をもって向上が認められた。一方、対照群(製剤1)ではそのような差は認められなかった。さらに、摂取後の値について、製剤4と製剤2または製剤3を比べると、製剤4は製剤2および3よりも有意に改善した。このことより、アスタキサンチンおよびかつお抽出物を併用すると、単独に用いたときよりも、眼の調節力を向上させることがわかる。
【0053】
[実施例2] 眼精疲労の自覚症状
実施例1の各群に対して、「眼が疲れる」、「眼がかすむ」、「肩・腰が凝る」、「頭が痛い」の項目について、被験者にアンケートを行った。症状の程度について、「なし」、「少し」、「中程度」、「非常に」の4段階に分け、各段階の症状を示した被験者数を表3−6に示した。
【0054】
[表3] 自覚症状:眼が疲れる

【0055】
[表4] 自覚症状:眼がかすむ

【0056】
[表5] 自覚症状:肩・腰が凝る

【0057】
上記表3−6の結果から、製剤1に比べて、製剤2,3,4とも自覚症状の改善が認められた。さらに、製剤4は製剤2および3と比べてもより改善している事が認められた。この事より、アスタキサンチンおよびかつお抽出物は単独でも効果が見られるが、両者を併用すると、より相乗的に効果が認められる
【0058】
[製造例1] 錠剤
常法に従って下記成分を下記組成比(重量%)で均一に混合・打錠し、1粒300mgの錠剤とした。
アスタリールパウダー 66.7重量部
ほんだし 33.3重量部
乳糖 5重量部
バレイショデンプン 12重量部
ポリビニルアルコール 2重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
アスタリールパウダー〔富士化学工業(株)製〕はフリー体換算で1重量%のアスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出オイルから製造した粉末であり、ほんだし〔味の素(株)製〕はかつお抽出物%を含む粉末である。
【0059】
[製造例2] 口腔内速崩壊錠剤
常法に従って下記成分を下記組成比(重量%)で均一に混合・打錠し、1粒300mgの錠剤とした。
アスタリールパウダー 25重量部
ほんだし 13重量部
F−MELT 30重量部
ライススターチ 10重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
F−MELT〔富士化学工業(株)製〕は、口腔内速崩壊剤を直打で製造可能な賦形剤である。
【0060】
[製剤例3] 粉末ジュース
常法に従って下記成分を適量の水を加えて下記組成比(重量%)で均一に混合し、顆粒を調製した。
アスタリールパウダー 66.7重量部
ほんだし 33.3重量部
バレイショデンプン 12重量部
ゼラチン 2重量部
【0061】
[製剤例4] ドリンク剤
下記成分を配合し、常法に従って、水を加えて10Lとし、ドリンク剤を調製した。
水溶性アスタキサンチン液 50g
ほんだし 4g
液糖 1000g
DL−酒石酸ナトリウム 1g
クエン酸 10g
ビタミンC 10g
ビタミンE 20g
シクロデキストリン 25g
塩化カリウム 2g
硫酸マグネシウム 1g
水溶性アスタキサンチン液〔富士化学工業(株)製〕はフリー体換算で0.5重量%のアスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出オイルを水溶液化したものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明により、キサントフィル及びペプチドからなる眼調節力障害改善剤、及びアスタキサンチン及びペプチドからなる眼調節力障害の改善作用を有する飲食物を提供することができた。キサントフィル及びペプチドからなる組成物はヒトの眼の調節力をより有効に向上させるので、眼の調節力に障害が起きる状況、すなわち、眼精疲労、加齢変化により調節力が減退し近方視が困難になる老視、VDT又は眼をよく使う作業に従事した際の疲れ眼、また病的異常の調節衰弱、調節不全、調節遅鈍、調節麻痺、調節緊張、調節痙攣等の障害における予防及び/又は治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キサントフィルおよびペプチドからなる眼の調節機能障害改善組成物。
【請求項2】
キサントフィルが0.01〜100mg、ペプチドが0.1〜1000mgからなる請求項1に記載の眼の調節機能改善用組成物。
【請求項3】
キサントフィルがアスタキサンチンである請求項1〜2のいずれか1項に記載の眼の調節機能障害改善組成物。
【請求項4】
ペプチドが赤身魚由来の抽出物に含まれるペプチドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼の調節機能障害改善組成物。
【請求項5】
赤身魚が、アジ、イワシ、カタクチイワシ、カツオ、カンパチ、サバ、サワラ、サンマ、シマアジ、ニシン、ブリ、マグロ、ムロアジの群からなる1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼の調節機能障害改善組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物に、以下の群のいずれかの1種または2種以上を含んでなる眼の調節機能改善用組成物;
ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボン、クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン、クマリンなどのポリフェノール類;リノール酸、α−またはγ−リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白、脾臓、胎盤、鶏冠、ローヤルゼリー、酵母、乳酸菌、ビフィズス菌、霊芝、ニンジン、センブリ、ローズマリー、オウバク、ニンニク、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ、サルビア、アルニカ、カミツレ、シラカバ、オトギリソウ、ユーカリ、ムクロジ、センプクカ、ケイケットウ、サンペンズ、ソウハクヒ、トウキ、イブキトラノオ、クララ、サンザシ、シラユリ、ホップ、ノイバラ、ヨクイニン、ドクダミ、海藻、納豆、レモングラス、ハイビスカスなどの天然物並びにそれらの抽出物;アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体;鉄、バナジウム、モリブデン、マンガン、銅、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素などのミネラル類;マンニトール、キシリトール、グルコサミンなどの単糖類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、グリコーゲン、キチン、キトサンなどの多糖類;デオキシリボ核酸、リボ核酸などの核酸類;その他のグリチルリチン酸、グアニン、ムチン、ユビキノン、α−リポ酸、オクタコサノール、アリシン、アリイン。
【請求項7】
眼の調節機能障害改善により、眼精疲労、筋肉疲労、疲労を改善する請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼の調節機能障害改善組成物を含有してなる医薬品。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼の調節機能障害改善組成物を含有してなる飲食物。
【請求項10】
眼の調節機能障害改善効果およびその改善による症状の改善が許可されている請求項9の飲食物。
【請求項11】
眼の調節機能障害改善用組成物を製造するためのキサントフィルおよびペプチドの使用方法。

【公開番号】特開2008−297222(P2008−297222A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142468(P2007−142468)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(390011877)富士化学工業株式会社 (53)
【Fターム(参考)】