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眼の障害を処置するためのCTGFのRNAi阻害
説明

眼の障害を処置するためのCTGFのRNAi阻害

【課題】CTGF発現を伴う眼疾患における結合組織増殖因子mRNAの発現を阻害するRNA干渉を提供すること。
【解決手段】異常CTGF発現を伴う眼障害には、緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症、脈絡膜血管新生、増殖性硝子体網膜症、及び創傷治癒が含まれる。そのような障害は、本発明の干渉RNAを投与することによって治療される。本発明の実施形態は、被験体の眼において結合組織増殖因子mRNAの発現を減衰させる方法を提供する。この方法は、長さ19〜49個のヌクレオチドを有する二本鎖(ds)siRNA又は一本鎖(ss)siRNAのような干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含む組成物を被験体の眼に投与することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、眼障害における結合組織増殖因子(CTGF)の発現を阻害する干渉RNA組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
大部分の眼障害は、細胞繁殖、生存、移動、分化、及び血管新生を含む細胞プロセスに関連する。CTGFは、これらの細胞プロセスにおける分泌サイトカインであり、中心的なメディエーターである。特に、CTGFは、主にI型コラーゲン及びフィブロネクチンの付着の増加によって細胞外マトリックスの産生を増大させることが知られている。CTGFの過剰発現は、細胞外マトリックス成分の過剰蓄積を生じる、強皮症、線維増殖性疾患及び瘢痕のような病態を引き起こす主な原因因子として関連してきた。
【0003】
小柱網(TM)領域における細胞外マトリックス物質の過剰蓄積は、多くの形態の緑内障を示す特徴であり、そのような増加は、水溶液の流出に対する抵抗を増大させ、それによって眼内圧を増加させると考えられている。Fleenor等の国際特許出願番号第PCT/US2003/012521号(特許文献1として2003年11月13日に公告、Alcon, Inc.に譲渡)には、正常なTM細胞と緑内障TM細胞におけるCTGF mRNAの存在の増加が記載されている。したがって、CTGFは、小柱網細胞による細胞外マトリックスの産生において役割を果たすと考えられている。
【0004】
黄斑変性は、黄斑と呼ばれ、高い視力の原因となる網膜中心部分における光受容体の損失を指す。黄斑変性は、網膜色素上皮と血管脈絡膜の間の膜における細胞外マトリックス成分の異常付着に関連する。この細片様物質はドルーゼと呼ばれる。ドルーゼは、検眼の眼底検査で観察される。正常な眼では、黄斑にドルーゼが存在しない場合もあるが、網膜周辺にドルーゼが豊富に存在する場合がある。黄斑視覚の喪失の非存在下での黄斑における軟質ドルーゼの存在は、初期段階のAMDと考えられている。
【0005】
黄斑変性では、他の眼障害に加えて、一般的に脈絡膜血管新生が起こり、これは、脈絡膜内皮細胞の繁殖、細胞外マトリックスの過剰産生、及び維管網膜下膜の形成に関連する。血管新生促進因子の網膜色素上皮細胞の繁殖及び産生は、脈絡膜血管新生を生じると思われる。
【0006】
糖尿病網膜症は、毛細管基底膜の肥厚並びに毛細管の周皮細胞と内皮細胞の接触の損失に起因する、糖尿病で発症する眼障害である。周皮細胞の損失は、毛細血管の漏出を増大し、血管網膜関門の崩壊をもたらす。
【0007】
増殖性硝子体網膜症は、硝子体膜内及び網膜の表面における細胞及び線維膜の細胞繁殖に関連する。網膜色素上皮細胞の繁殖及び移動は、この眼障害において一般的である。増殖性硝子体網膜症に関連する膜は、I型、II型及びIV型コラーゲン並びにフィブロネクチンのような細胞外マトリックス成分を含有し、進行的に線維性になる。
【0008】
創傷治癒障害は、炎症細胞の活性化、増殖因子及びサイトカインの放出、眼細胞の繁殖及び分化、毛細血管透過性の増加、基底膜マトリックス組成の変化、細胞外マトリックスの付着の増加、線維症、血管新生、及び組織再構築を介して、重篤な眼組織損傷をもたらす場合がある。
したがって、CTGFの過剰発現は、これらの眼障害における主な原因因子として関連してきた。現行の治療は、これらの障害の病原機序に直接対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/092584号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、CTGF mRNAを標的にして、CTGF mRNAの発現に干渉する干渉RNAを対象とする。本発明の干渉RNAは、緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症、脈絡膜血管新生、増殖性硝子体網膜症及び異常創傷治癒のようなCTGF関連眼障害の治療に有用である。
【0011】
本発明の実施形態は、被験体の眼において結合組織増殖因子mRNAの発現を減衰させる方法を提供する。この方法は、長さ19〜49個のヌクレオチドを有する二本鎖(ds)siRNA又は一本鎖(ss)siRNAのような干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含む組成物を被験体の眼に投与することからなる。
【0012】
二本鎖siRNAは、センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域からなる。更に、アンチセンス配列は、生理学的条件下で、配列番号1(ヒトの結合組織増殖因子のDNAのセンス鎖配列、ジェンバンク参照番号NM_001901)に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と共に、少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する。そのような組成物を投与することによって、被験体の眼における結合組織増殖因子mRNAの発現を減衰させることができる。
【0013】
一本鎖siRNAは、長さ19〜49個のヌクレオチドを有し、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666から始まる配列番号1に対応するmRNAの部分に、生理的条件下でハイブリダイズし、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する。
【0014】
本発明の実施形態において、二本鎖干渉RNAのアンチセンス配列は、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660若しくは1666から始まる、又はこれらを含む配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている。
本発明の更なる実施形態は、治療を必要とする被験体における結合組織増殖因子関連眼障害を治療する方法である。この方法は、長さ19〜49個のヌクレオチドを有する干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含む組成物を患者の眼に投与する工程を包含し、該干渉RNAは、センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域からなる。アンチセンス配列は、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する。それによって、結合組織増殖因子関連眼障害が治療される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体の眼における結合組織増殖因子mRNAの発現を減衰させる方法であって、
長さ19〜49個のヌクレオチドを有する干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含む組成物を被験体の眼に投与する工程を包含し、該干渉RNAは;
センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を含み;
該アンチセンス配列が、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし;配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と、少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有し、
結合組織増殖因子mRNAの発現が減衰される、方法。
(項目2)
前記被験体が結合組織増殖因子関連眼障害を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記被験体が結合組織増殖因子関連眼障害を発症する危険性がある、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記結合組織増殖因子関連眼障害が、緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症、脈絡膜血管新生、増殖性硝子体網膜症又は創傷治癒である、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記アンチセンス配列が、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも21〜23ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有し、該センス及び該アンチセンス配列それぞれの3’末端に追加のTT配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記センスヌクレオチド配列及び前記アンチセンスヌクレオチド配列が、ループヌクレオチド配列により結合している、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記組成物が局所、硝子体内又は経強膜的経路を介して投与される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666から始まる配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、901又は1488から始まる配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666を含む配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、901又は1488を含む配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTcccguuuuucacguaggca−5’ 配列番号33
を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTcccggagaagacacugaag−5’ 配列番号31
を含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28
を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記干渉RNAが、
5’−gggccucuucugugacuucTT−3’ 配列番号30、及び
3’−TTcccggagaagacacugaag−5’ 配列番号31
を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記干渉RNAが、
5’−gggcaaaaagugcauccguTT−3’ 配列番号32、及び
3’−TTcccguuuuucacguaggca−5’ 配列番号33
を含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記干渉RNAが、
5’−gguuaguaucaucagauagTT−3’ 配列番号27、及び
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28
を含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
更に、長さ19〜49個のヌクレオチドを有し、センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19個のヌクレオチドの少なくともほぼ完全に相補的な領域を含む、第2干渉RNAを前記被験体の眼に投与する工程を包含する、項目1に記載の方法であって;
該第2干渉RNAのアンチセンス配列が、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの第2部分にハイブリダイズし、該アンチセンス配列が、配列番号1に対応するmRNAの第2のハイブリダイズする部分と、少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する、方法。
(項目19)
前記被験体の眼における結合組織増殖因子mRNAの発現を減衰させる方法であって、
長さ19〜49個のヌクレオチドを有する一本鎖干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含む組成物を被験体の眼に投与する工程を包含し、
該一本鎖干渉RNAが、生理学的条件下で、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666から始まる配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし、該干渉RNAが、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分とほぼ完全に相補的な領域を有し、
結合組織増殖因子mRNAの発現が減衰される、方法。
(項目20)
治療を必要とする被験体における結合組織増殖因子関連眼障害を治療する薬剤の製造における使用であって、
組成物が、長さ19〜49個のヌクレオチドを有する干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含み、該干渉RNAが:
センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を含み、
該アンチセンス配列が、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし;配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する、使用。
(項目21)
前記結合組織増殖因子関連眼障害が、緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症、脈絡膜血管新生、増殖性硝子体網膜症又は異常創傷治癒である、項目20に記載の使用。
(項目22)
前記アンチセンス配列が、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも21〜23ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有し、該センス及び該アンチセンス配列それぞれの3’末端に追加のTT配列を含む、項目20に記載の使用。
(項目23)
前記センスヌクレオチド配列及び該アンチセンスヌクレオチド配列が、ループヌクレオチド配列により結合している、項目20に記載の使用。
(項目24)
前記組成物が局所、硝子体内、又は経強膜的経路のために調製される、項目20に記載の使用。
(項目25)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666から始まる配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目20に記載の使用。
(項目26)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、901又は1488から始まる配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目20に記載の使用。
(項目27)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666を含む配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目20に記載の使用。
(項目28)
前記アンチセンス配列が、ヌクレオチド379、901又は1488を含む配列番号1に対応するmRNAのヌクレオチド配列を標的にするように設計されている、項目20に記載の使用。
(項目29)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTcccguuuuucacguaggca−5’ 配列番号33
を含む、項目20に記載の使用。
(項目30)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTcccggagaagacacugaag−5’ 配列番号31
を含む、項目20に記載の使用。
(項目31)
前記アンチセンス配列が、
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28
を含む、項目20に記載の使用。
(項目32)
前記干渉RNAが、
5’−gggccucuucugugacuucTT−3’ 配列番号30、及び
3’−TTcccggagaagacacugaag−5’ 配列番号31
を含む、項目20に記載の使用。
(項目33)
前記干渉RNAが、
5’−gggcaaaaagugcauccguTT−3’ 配列番号32、及び
3’−TTcccguuuuucacguaggca−5’ 配列番号33
を含む、項目20に記載の使用。
(項目34)
前記干渉RNAが、
5’−gguuaguaucaucagauagTT−3’ 配列番号27、及び
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28
を含む、項目20に記載の方法。
(項目35)
前記組成物が更に、長さ19〜49個のヌクレオチドを有し、センスヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、及び少なくとも19個のヌクレオチドの少なくともほぼ完全に相補的な領域を含む、第2干渉RNAを含む、項目20に記載の使用であって;
該第2干渉RNAのアンチセンス配列が、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの第2部分にハイブリダイズし、該アンチセンス配列が、配列番号1に対応するmRNAの第2のハイブリダイズする部分と、少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する、使用。
(項目36)
治療を必要とする被験体における結合組織増殖因子関連眼障害を治療する薬剤の製造における使用であって、組成物が:
長さ19〜49個のヌクレオチドを有する一本鎖干渉RNAの有効量及び薬学的に許容される担体を含み、
該一本鎖干渉RNAが、生理学的条件下で、ヌクレオチド379、691、801、901、932、937、969、986、1119、1170、1201、1346、1473、1478、1481、1488、1626、1660又は1666から始まる配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし、該干渉RNAが、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する、使用。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1Aは、小柱網細胞のトランスフェクション効率が、図1Bのデータと一緒にした場合に律速的でないことを実証する、SITOXTMデータを示す。GTM3細胞を、SITOXTM(Dharmacon)トランスフェクション制御でトランスフェクトした。24時間後、トリパンブルー排除を使用してSITOXTM培養中に残る生存細胞の数を測定したが、この数が、相対的なトランスフェクション効率を反映する。白色の棒:トランスフェクションなし;黒色の棒:SITOXTMによるトランスフェクション。図1Bは、トランスフェクション効率が、図1Aのデータとともに考慮した場合に律速的でないことを実証する、GTM3細胞におけるsiRNA取り込みのSIGLOTM画像を示す。GTM3細胞を、LIPOFECTAMINE 2000TMを使用して、SIGLOTM siRNA(Dharmacon)によりトランスフェクトした。24時間後、蛍光顕微鏡を使用してSIGLOTM siRNAの取り込みを判定した(赤色の不均整形状)。個々の細胞核は、二本鎖DNA用の染料である、DAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)により確認した(青色円形領域)。図1Aのデータ及び図1Bの画像が示す通り、ほぼ全ての細胞が死亡しているか(SITOXTM)又は蛍光しているか(SIGLOTM)の何れかであった。
【図2】図2Aは、CTGF遺伝子エクソン(長方形)とイントロン(線)の構造、並びにその配列が配列番号1として提供されているジェンバンクCTFG配列NM_001901に対するsiRNA S1、S2及びS3並びにQPCRプライマー/プローブセットQ1及びQ2の位置を示す略図である。siRNA及びプライマー/プローブセットの配列は、実施例1に示す。図2Bは、エクソン5プライマー/プローブセットQ2を使用したCTGF mRNAのQPCR増幅を示す。S1及びS4のsiRNAでは、CTGF mRNAレベルの有意なノックダウンは検出されなかった。図2Cは、エクソン4/5架橋プライマー/プローブセットQ1を使用したCTGF mRNAのQPCR増幅を示す。それぞれのsiRNAでCTGF mRNAのノックダウンが観察され、S2 siRNAでは約90%のノックダウンが観察された。
【図3】種々の濃度のS2 siRNAでCTGF mRNAレベルのノックダウン効果を試験した滴定試験を示す。CTGF mRNAノックダウンを、プライマー/プローブセットQ1を使用してQPCR増幅により評価した。実施例1で記載されているように、0、1、3、10、30及び100nMのS2 siRNAにより24時間治療を行った後、GTM3細胞で約2.5nMのIC50が観察された。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
「RNAi」と呼ばれるRNA干渉は、小型一本鎖又は二本鎖RNA分子により生じる標的遺伝子の発現を減少させる方法である。干渉RNAには、二本鎖又は一本鎖の何れかの小型干渉RNA(ds siRNA又はss siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)等が含まれる。理論に束縛されるものではないが、RNA干渉は、dsRNA前駆体を長さ約20〜25個のヌクレオチドの小型RNAに切断することによりin vivoで起こると思われる。切断は、RNaseIII−RNAヘリカーゼ・ダイサーにより達成される。siRNAの「センス」鎖、即ち、標的mRNA配列と全く同じ配列を有する鎖を除去し、標的mRNAに相補的な「アンチセンス」鎖を残して、mRNAの発現を減少させる機能を果たす。siRNAのアンチセンス鎖は、RISC(RNA誘導サイレンシング複合体)として知られるタンパク質複合体をmRNAへ導くと、この複合体がRISCのAugonauteタンパク質によりmRNAを切断し、それによってこのmRNAによりタンパク質の産生を減少させると思われる。干渉RNAは触媒性であり、mRNAの発現の減少は、mRNAに対する干渉RNAの準化学量により達成することができる。mRNAの発現の減少は又、転写及び翻訳機序を介して生じる場合もある。
【0017】
本発明は、眼障害における結合組織増殖因子(CTGF)の発現を阻害する干渉RNAの使用に関する。本発明によると、眼の組織、特に眼の小柱網細胞は、siRNAサイレンシングを行い、外因によりもたらされるsiRNAがサイレンシングを引き起こす。更に、本発明の態様では、siRNAのノックダウン効果を判定するPCRベースの手法を使用する場合、PCR増幅プライマーは、サイレンシングを正確に測定するsiRNA標的配合を包含するように設計しなければならないことが判明している。
【0018】
本明細書で引用される核酸配列は、特に指示がない限り、5’から3’の方向で記述されている。本明細書で使用される「核酸」という用語は、DNA(アデニン「A」、シトシン「C」、グアニン「G」、チミン「T」)又はRNA(アデニン「A」、シトシン「C」、グアニン「G」、ウラシル「U」)に存在するプリン又はピリミジン塩基を含む、DNA若しくはRNA又はその修飾形態の何れかを指す。本明細書に提示される干渉RNAは、「T」塩基がRNAに天然に生じないにもかかわらず、T塩基を、特に3’末端に含む場合がある。「核酸」は、「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語を包含し、一本鎖分子又は二本鎖分子を指してもよい。二本鎖分子は、AとTの塩基、CとGの塩基、及びAとUの塩基のワトソン・クリック型塩基対合により形成される。二本鎖分子の鎖は、互いに部分的に、実質的に又は完全に相補的である場合があり、二重鎖ハイブリッドを形成するが、その結合力は、塩基配列の相補性の性質及び程度によって異なる。mRNA配列は、それをコード化するDNAのセンス又はアンチセンス鎖配列を知ることによって、容易に判定される。例えば、配列番号1は、結合組織増殖因子のmRNAに対応するDNAのセンス鎖配列を提供する。mRNAの配列は、DNAのセンス鎖の配合と同一であるが、「T」塩基は「U」残基に置換されている。したがって、結合組織増殖因子のmRNA配列は、配列番号1として知られている。
【0019】
結合組織増殖因子mRNA:全米バイオテクノロジー情報センター(ncbi.nlm.nih.gov)のジェンバンクデータベースには、ヒト結合組織増殖因子のメッセンジャーRNAの対応するDNA配列を、参照番号MW001901としており、以下ではこれを配列番号1とする。結合組織増殖因子のコード配列は、ヌクレオチド146〜1195である。
【0020】
配列番号1:
【0021】
【化1】

上述のCTGF mRNA配列の等価物は、代替的なスプライス形態、対立形態、又はその同族である。同族は、配列番号1と相同である別の哺乳類由来の結合組織増殖因子mRNAである。配列番号1と関連するCTGF核酸配列は、ジェンバンク受入番号AK092280、AK125220、AY395801、AY550024、BT019794、BT019795、CR541759、M92934、U14750及びX78947の配列であると共に、参考として本明細書に組み入れられる米国特許第5,585,270号の配列番号1の配列である。
【0022】
mRNAの発現の減衰:本明細書で使用される「mRNAの発現を減衰させる」という語句は、細胞における標的遺伝子の完全なmRNA転写レベルを減少させる干渉RNAの量を投与し、それによって、スクランブル配列を有する対照RNAよりも、タンパク質へのmRNAの翻訳を減らすことを意味する。mRNAの発現の減少は、一般的にmRNAの「ノックダウン」と呼ばれている。50%〜100%の間及びそれらを含む発現量のノックダウンが、本明細書の実施形態で考慮される。しかし、このようなノックダウンレベルが本発明の目的において達成される必要なわけではない。又、2組の干渉RNAは、個別ではノックダウンにおける効果が弱い場合があるものの、一緒に投与すると、遥かに効果的になる場合もある。一実施形態において、個別のds siRNAは、少なくとも70%までの量でノックダウンに効果的である。別の実施形態において、複数のds siRNAは、少なくとも70%までの量で共にノックダウンに効果的である。
【0023】
ノックダウンは、一般的に定量的ポリメラーゼ連鎖反応(QPCR)増幅法によりmRNAレベルを判定するか、又はウェスタン・ブロット若しくは酵素結合免疫測定法(ELISA)によりタンパク質レベルを判定定することによって測定される。タンパク質レベルを分析することで、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)によるmRNA分解と、翻訳阻害の両方を評価することができる。ノックダウンを測定する更なる技法には、RNA溶液ハイブリダイゼーション、ヌクレアーゼ保護、ノーザンハイブリダイゼーション、逆転写、マイクロアレイによる遺伝子発現モニタリング、抗体結合、ラジオイムノアッセイ、及び蛍光標識活性化細胞分析が含まれる。更なる測定方法には、CTGFを誘導するTGFβ2を過剰発現し、再度CTGF siRNAを添加した後、上述の方法の何れかによりCTGF mRNA/タンパク質ノックダウンを測定する方法が含まれる。
【0024】
CTGFの阻害は又、眼障害の改善を観察することによっても、ヒト又は哺乳動物において推測される。例えば、加齢黄斑変性において、視力喪失の減速又は逆転は、CTGFの阻害を示し、緑内障患者におけるCTGF mRNAのサイレンシングは、眼内圧の低下や、緑内障を発症する危険性がある被験体における症状発症の遅延又は予防をもたらす。
【0025】
本発明の実施形態の干渉RNAは触媒的に作用する。即ち、干渉RNAは、標的RNAを準化学量で阻害することができる。アンチセンス治療と比べると、治療効果をもたらすために必要となる干渉RNAが有意に少ない。
【0026】
二本鎖干渉RNA:本明細書で使用される二本鎖干渉RNA(siRNAとも呼ばれる)は、センスヌクレオチド配列及びアンチセンスヌクレオチド配列を有しており、該センス及びアンチセンス配列は、少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域からなる。干渉RNAの長さは、19〜49個のヌクレオチドを含み、長さ19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48又は49個のヌクレオチドからなる場合がある。ds siRNAのアンチセンス配列は、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの部分にハイブリダイズし、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する。
【0027】
siRNAのアンチセンス鎖は、細胞内でRISC複合体に結合し、アンチセンスRNAの配列と相補的な配列においてmRNAの配列と特異的に結合するようにこの結合した複合体を誘導し、それによってこの結合した複合体によるmRNAのその後の切断を可能にすることから、このアンチセンス鎖はsiRNAの活性誘導剤である。
【0028】
siRNAの標的配列を選択する技法は、ロックフェラー大学のウェブサイトより入手可能なTuschl, T., et al., ”The siRNA User Guide”(2004年5月6日改訂)により、Ambionのウェブサイトに掲載されるTechnical Bulletin #506, ”siRNA Design Guideline,” Ambion Inc.により、G/C含有量の最小30%、最大55%の検索パラメータを使用するInvitrogenウェブサイトにより、及びDhamaconウェブサイトにより提示される。標的配列は、mRNAのコード領域又は5’若しくは3’非翻訳領域に位置する場合がある。
【0029】
CTGFのDNA標的配列の実施形態は、配列番号1のヌクレオチド1488〜1506に存在する:
5’−ggttagtatcatcagatag−3’ 配列番号18 ヌクレオチド1488。
【0030】
配列番号18の対応するmRNA配列を標的にし、それぞれの鎖に3’UUオーバーハングを有する、本発明の二本鎖siRNAは、以下の通りである:
5’−gguuaguaucaucagauagUU−3’ 配列番号25
3’−UUccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号26。
【0031】
3’オーバーハングは、複数の「U」残基、例えば、2、3、4、5及び6個の間及びそれらを含む複数の「U」残基を有する場合がある。5’末端も又ヌクレオチドの5’オーバーハングを有する場合がある。配列番号18の対応するmRNA配列を標的にし、それぞれの鎖に3’TTオーバーハングを有する、本発明の二本鎖siRNAは、以下の通りである:
5’−gguuaguaucaucagauagTT−3’ 配列番号27
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28。
【0032】
二本鎖siRNAの鎖は、ヘアピンループにより結合されて、以下のように一本鎖siRNAを形成する場合がある:
5’−gguuaguaucaucagauagUUNNN\

3’−UUccaaucauaguagucuaucNNNNN/ 配列番号29
Nは、ヌクレオチドA、T、C、G、U、又は当業者に既知の修飾形態である。ヌクレオチドNの数は、3〜23、又は5〜15、又は7〜13、又は4〜9、又は9〜11の間及びそれらを含む数であるか、或いはヌクレオチドNの数は9である。
【0033】
表1には、配列番号1のCTGF DNA標的配列の例を一覧にする。これらから上述の方法により本発明のsiRNAが設計されている。
表1.siRNAのCTGF標的配列
【0034】
【表1】

上の例で引用されているように、当業者は、配列番号1における配列位置を参照し、配列番号1と相補的又はほぼ相補的なヌクレオチドを追加又は欠失することによって、表1に示す標的配列情報をもとに、表1に示す配列よりも長さが長い又は短い干渉RNAを設計することができる。
【0035】
ds siRNA又はss siRNAにより誘導される標的RNA切断反応は、極めて配列特異的である。一般的に、標的mRNAの部分と同一のセンスヌクレオチド配列と、センス配列と全く相補的なアンチセンス部分とを含有するsiRNAは、CTGF mRNAを阻害するsiRNAの実施形態である。しかし、siRNAのアンチセンス鎖と標的mRNAの間の100%配列相補性は、本発明を実施する上で必要ではない。したがって、本発明は、遺伝子突然変異、系統多型現象、又は進化的分岐に起因すると予測される配列変形を考慮する。例えば、標的配列に対する挿入、欠失又は一点突然変異を有するsiRNA配列は、阻害に有効である。
【0036】
siRNAのアンチセンス配列は、mRNAの標的配列と共に少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全な相補性を有する。本明細書で使用される「ほぼ完全な」という表現は、標的mRNAの少なくとも一部分と、siRNAのアンチセンス配列が「実質的に相補的」であり、siRNAのセンス配列が「実質的に同一」であることを意味する。当業者に知られている「同一性」とは、配列間のヌクレオチドの順番をマッチングすることによって決定される、ヌクレオチド配列間の配列関係の程度を指す。一実施形態において、標的mRNA配列と80%の、及び80%〜100%の相補性を有するアンチセンスRNAは、ほぼ完全に相補的であると考えられ、本発明で使用することができる。近接する「完全な」相補性は、隣接塩基対の標準的なワトソン・クリック型塩基対合である。近接する「少なくともほぼ完全な」相補性には、本明細書で使用される「完全な」相補性が含まれる。同一性又は相補性を判定するコンピュータ法は、ヌクレオチド配列の最高のマッチング程度を提供するように設計されており、例えば、BLASTP及びBLASTN(Altschul, S.F., et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:430−410)、並びにFASTAである。
【0037】
配列番号1の標的配列は、mRNAの5’及び3’非翻訳領域、並びにmRNAのコード領域にある場合がある。
【0038】
二本鎖干渉RNAの一方又は両方の鎖は、1〜6個のヌクレオチドからなる3’オーバーハングを有する場合があり、これらのヌクレオチドは、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド又はこれらの混合物である場合がある。このオーバーハングのヌクレオチドは塩基対ではない。本発明の一実施形態において、干渉ds RNAは、TT又はUUの3’オーバーハングからなる。
【0039】
二本鎖siRNAのセンス及びアンチセンス鎖は、上述の2本の一本鎖の二重形成において見られる場合もあれば、相補性の領域が塩基対であり、ヘアピン又はループにより共有結合して一本鎖を形成する、単一分子である場合がある。ヘアピンは、ダイサーと呼ばれるタンパク質により細胞内で切断され、二つの個別の塩基対RNA分子の干渉RNAを形成すると考えられる。
【0040】
干渉RNAは、1個以上のヌクレオチドの追加、欠失、置換又は修飾により天然に生じるRNAとは異なる場合がある。非ヌクレオチド物質は、5’末端、3’末端又は内部の何れかで干渉RNAと結合する場合がある。そのような修飾は一般的に、干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を向上させるため、細胞取り込みを改善するため、細胞標的化を増強するため、干渉RNAの追跡を助けるため、又は安定性を更に向上させるために設計される。例えば、干渉RNAは、オーバーハングの末端にプリンヌクレオチドを含む場合がある。例えば、ピロリジンリンカーによりコレステロールをds siRNA分子のセンス鎖の3’末端に結合することも、siRNAに安定性をもたらす。更なる修飾には、例えば、3’末端ビオチン分子、細胞侵入特性を有することが知られているペプチド、ナノ粒子、ペプチド模倣薬、蛍光染料、又はデンドリマーが含まれる。
【0041】
ヌクレオチドは、分子のその塩基部分、その糖部分、又はそのリン酸部分が修飾され、本発明の実施例において機能する場合がある。修飾には、例えば、アルキル、アルコキシ、アミノ、デアザ、ハロ、ヒドロキシル、チオール基、又はこれらの組み合わせによる置換が含まれる。ヌクレオチドは、より安定性のある類似体で置換される場合があり、例えば、Uを2’デオキシ−Tに置換したり、2’OHが、例えば、2’アミノ若しくは2’メチル基、2’メトキシエチル基、又は2’−0,4’−Cメチレン架橋で置換されるような糖修飾を有する場合がある。ヌクレオチドのプリン又はピリミジン類似体の例には、キサンチン、ヒポキサンチン、アザプリン、メチルチオアデニン、7−デアザ−アデノシン、並びにO−及びN−修飾ヌクレオチドが含まれる。ヌクレオチドのリン酸基は、リン酸基の1個以上の酸素を水素又は硫黄で置換することによって修飾される場合がある(ホスホロチオエート)。
【0042】
配列番号1に対応するmRNAの部分に相補的でないアンチセンスsiRNAの領域が存在する場合もある。非相補性領域は、相補性領域の3’末端、5’末端、又はその両末端に見られる場合がある。
【0043】
干渉RNAは、合成により生成され、例えば、in vitro転写、siRNA発現ベクター又はPCR発現カセットにより生成される場合がある。トランスフェクトされたsiRNAとして良好に機能する干渉RNAは、in vivoで発現されたsiRNAとしても良好に機能する。
【0044】
干渉RNAは、保護されたリボヌクレオシドホスホラミダイト及び従来のDNA/RNAシンセサイザーを使用して化学的に合成され、例えば、Ambion Inc.(米国テキサス州オースティン)、Invitrogen(米国カリフォルニア州カールスバッド)、又はDharmacon(米国コロラド州ラファイエット)のような民間の供給業者から得る場合がある。干渉RNAは、例えば、溶媒又は樹脂による抽出、沈殿、電気泳動、クロマトグラフィー、又はこれらの組み合わせにより精製される。或いは、干渉RNAは、試料の処理に起因する損失を回避するために、殆ど精製せずに使用される場合がある。
【0045】
干渉RNAは、当業者に既知のU6若しくはH1 RNA pol IIIプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、又はSP6、T3若しくはT7プロモーターのような構成的又は誘導的プロモーターを使用した、組み換えプラスミドからの発現により、被験体に提供される場合がある。例えば、InvivoGen(米国カリフォルニア州サンディエゴ)製のpsiRNATMは、RNA pol IIIプロモーターによる細胞内のsiRNA産生を可能にする。組み換えプラスミドから発現された干渉RNAは、標準的な技法によって単離される場合がある。
【0046】
干渉RNAの発現に使用するウイルスベクターは、例えば、上に記載したプラスミド用のプロモーターを使用して、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクチニアウイルス、レトロウイルス(例えば、レンチウイルス、ラブドウイルス、マウス白血病ウイルス)、ヘルペスウイルス等から誘導される場合がある。ウイルスベクターの選択、ベクターによる干渉RNAの発現方法、及びウイルスベクターの送達方法は、当業者の技能の範囲内に含まれる。
【0047】
干渉RNAの発現は又、PCRによるヒトH1、ヒトU6又はマウスU6プロモーターを用いた発現カセットによるSILENCER EXPRESSTM(Ambion[米国テキサス州オースティン])(SEC)を使用することによってももたらされる。サイレンサー発現カセットは、ヘアピンsiRNAテンプレートをフランキングするプロモーター及びターミネイター配列を含むPCR産物である。細胞へトランスフェクションすると、ヘアピンsiRNAは、PCR産物から発現され、特異的サイレンシングを誘導する。
【0048】
生理学的条件下でのハイブリダイゼーション:「ハイブリダイゼーション」とは、一本鎖核酸(DNA又はRNA)が相補的又はほぼ相補的な塩基配列と相互作用して、ハイブリッドと呼ばれる水素結合複合体が一本鎖核酸により形成されるようにする技法を意味する。ハイブリダイゼーション反応は敏感で選択的であるため、対象となる特定の配列は低濃度で存在する試料中でも同定される。ハイブリダイゼーションの特異性(即ち、厳密性)は、例えば、in vitroでのプレハイブリダイゼーション溶液及びハイブリダイゼーション溶液における塩又はホルムアミドの濃度、並びにハイブリダイゼーション温度により制御され、当該技術においてもよく知られている。特に、厳密性は、塩の濃度を減少させる、ホルムアミドの濃度を増大させる、又はハイブリダイゼーション温度を上昇させることによって増加する。
【0049】
例えば、厳密性の高い条件は、約50%のホルムアミドにおいて37℃〜42℃の温度で生じることができる。厳密性の低い条件は、約35%〜25%のホルムアミドにおいて30℃〜35℃で生じることができる。ハイブリダイゼーションの厳密性の条件の例は、Sambrook, J., 1989, Molecular Cloning: A
Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Yに示されている。厳密なハイブリダイゼーション条件の更なる例には、400mMのNaCl、40mMのPIPES、pH6.4、1mMのEDTA、50℃又は70℃で12〜16時間保持後、洗浄;又は1XSSC中70℃若しくは1XSSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリダイゼーション後、0.3XSSC中70℃で洗浄;又は4XSSC中70℃、若しくは4XSSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリダイゼーション後、1XSSC中67℃で洗浄という条件が含まれる。ハイブリダイゼーションの温度は、ハイブリッドの融解温度(T)よりも約5〜10℃低い。ここでTは、長さ19〜49個の塩基対のハイブリッドの場合、以下の計算式を使用して求められ:T℃=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N);式中、Nは、ハイブリッドにおける塩基の数であり、[Na+]は、ハイブリダイゼーション緩衝剤中のナトリウムイオンの濃度である。
【0050】
本発明の実施形態において、高厳密性条件下でin vitroにおいてCTGF mRNAによりハイブリダイズする干渉RNAのアンチセンス鎖は、生理学的条件下でin
vivoにおいて特異的に結合する。高厳密性条件下で核酸とハイブリダイズしない関連する核酸の同定及び単離は、厳密性の低い条件下で実施される。
【0051】
一本鎖干渉RNA:上述の通り、干渉RNAは、最終的に一本鎖として機能する。ss
siRNAは、二本鎖RNAよりも効能は低いものの、mRNAサイレンシングを行うことが見出されている。したがって、本発明の実施形態は又、一本鎖siRNAが、生理学的条件下で、配列番号1に対応するmRNAの部分とハイブリダイズし、配列番号1に対応するmRNAのハイブリダイズする部分と少なくとも19ヌクレオチド連続する少なくともほぼ完全に相補的な領域を有する、ss siRNAの投与も定める。ss siRNAは、上述のds siRNAの場合と同様に、長さ19〜49個のヌクレオチドを有する。ss siRNAは、5’リン酸を有するか、又はin situ若しくはin
vivoにおいて5’位でリン酸化される。「5’リン酸化」という用語は、例えば、5’糖のC5ヒドロキシル(例えば、5’リボース若しくはデオキシリボース、又はそれらの類似体)にエステル結合を介して結合するリン酸基を有する、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを記述するために使用される。ss siRNAは、一リン酸、二リン酸又は三リン酸基を有する場合がある。
【0052】
ss siRNAは、ds siRNAの場合と同様に、化学的に又はベクターを介して合成される。5’リン酸基がキナーゼによって添加される場合もあれば、5’リン酸がRNAのヌクレアーゼ切断の結果として得られる場合もある。送達はds siRNAの場合と同様である。一実施形態において、保護末端及びヌクレアーゼ耐性修飾を有するss siRNAは、サイレンシングのために投与される。ss siRNAは、保存のために乾燥させる場合もあれば、水溶液に溶解させる場合もある。この溶液は、アニーリングを阻害するため又は安定化させるために、緩衝剤又は塩を含有する場合がある。
【0053】
ヘアピン干渉RNA:ヘアピン干渉RNAは、一本鎖であり、1本の鎖の中にセンスとアンチセンスの両方の配列を含有する。DNAベクターによる発現のため、センスsiRNA配列に対応する少なくとも19個のヌクレオチドの対応するDNAオリゴヌクレオチドは、短いスペーサーにより逆相補性アンチセンス配列と結合している。選択した発現ベクターに必要な場合は、3’末端T及びヌクレオチド形成制限部位を加える場合がある。得られたRNA転写物は、それ自体が折り畳んで、ステムループ構造を形成する。
【0054】
投与様式:干渉RNAは、眼周囲、結膜、テノン下、前房内、硝子体内、網膜下、眼球後部、又は小管内注入のような眼組織注入により;カテーテル又はその他の留置デバイス、例えば網膜ペレット、眼内インサート、坐剤、又は多孔性、非多孔性若しくはゼラチン状物質を含むインプラントを使用した眼への直接適用により;局所点眼剤又は軟膏により;盲嚢中の、又は強膜に隣接(経強膜的)若しくは眼の中に移植した徐放デバイスにより、眼に直接送達する場合がある。前房内注入は、作用物質が小柱網に到達するように、角膜を通して前眼房内に達成される場合がある。小管内注入は、シュレム管に排出する静脈収集チャンネルの中に、又はシュレム管の中に送達する場合がある。
【0055】
被験体:眼障害の治療を必要とする又は眼障害を発症する危険性がある被験体は、CTGFの発現又は活性に関連する病態、即ち、CTGF関連眼疾患を有する、又はその病態を有する危険性があるヒト又はその他の哺乳動物である。そのような眼障害には、例えば、内皮細胞の繁殖又は線維増殖を有する、緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症、脈絡膜血管新生、増殖性硝子体網膜症、創傷治癒、及び過剰な瘢痕を伴う病態が含まれる場合がある。そのような障害に関連する眼構造には、例えば、網膜、脈絡膜、水晶体、角膜、小柱網、桿体、錐体、神経節、黄斑、虹彩、強膜、眼房、硝子体眼房、毛様体、視神経円板、乳頭又は窩が含まれる場合がある。
【0056】
製剤及び投与量:医薬製剤は、本発明の干渉RNA又はその塩を、水、緩衝剤、生理食塩水、グリシン、ヒアルロン酸、マンニトール等のような生理学的に許容される眼用担体と混合して、99重量%まで含有する。
【0057】
本発明の干渉RNAは、液剤、懸濁剤又は乳剤として投与される。以下は、本発明に包含される可能性ある配合の例である。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

一般的に、本発明の実施形態の干渉RNAの有効量は、眼部位における又は該部位に隣接する、200pM〜100nM、又は1nM〜50nM、又は5nM〜約25nMの細胞間濃度からなる。局所組成物は、熟練した臨床医の日常的な裁量に従って、1日1〜4回眼の表面に送達される。製剤のpHは、pH4〜9又はpH4.5〜pH7.4である。
【0060】
正確なレジームは臨床医の裁量に委ねられているが、干渉RNAは、1日1〜4回それぞれの眼に1滴点眼するか、又は臨床医の指示に従って投与される場合がある。製剤の有効量は、例えば、被験体の年齢、人種及び性別、又は眼障害の重篤度のような要因により異なる場合がある。一実施形態において、干渉RNAは眼に局所送達され、治療用量で小柱網、網膜又は眼神経乳頭に到達し、それによってCTGF関連疾患過程を改善する。
【0061】
許容される担体:眼に許容される担体は、多くても全く又は殆ど眼に刺激を与えることがなく、必要に応じて適切な保存をもたらし、本発明の1つ以上の干渉RNAを同一投与で送達する担体を意味する。本発明の実施形態の干渉RNAの投与に許容される担体には、Mirus TransIT(登録商標)−TKO siRNA Tranfection Reagent(Mirus Corporation[米国ウィスコンシン州マディソン])、LIPOFECTIN(登録商標)、リポフェクタミン、OLIGOFECTAMINE(登録商標)(Invitrogen[米国カリフォルニア州サンディエゴ])、CELLFECTIN(登録商標)、DHARMAFECTTM(Dharmacon[米国イリノイ州シカゴ])又はポリリシンのようなポリカチオン、リポソーム、又はコレステロールのような脂溶性剤が含まれる。リポソームは、標準的な小胞形成脂質及びコレステロールのようなステロールから形成され、これには、例えば内皮細胞表面抗原に対する結合親和性を有するモノクローナル抗体のような標的分子が含まれる場合がある。更に、リポソームはペグ化リポソームとなる場合がある。
【0062】
眼への送達では、干渉RNAは、眼科学的に許容される防腐剤、共溶媒、界面活性剤、粘度増強剤、浸透促進剤、緩衝剤、塩化ナトリウム、又は水性で無菌の眼科用懸濁液若しくは溶液を形成する水と混合される場合がある。眼科用溶液製剤は、生理学的に許容される等張水性緩衝剤にインヒビターを溶解することによって調製される場合がある。更に、眼科用溶液には、インヒビターの溶解を助ける眼科学的に許容される界面活性剤が含まれる場合がある。ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等のような粘度上昇剤を本発明の組成物に添加して、化合物の保持を改善する場合もある。
【0063】
眼科用無菌軟膏製剤を調製するには、干渉RNAを、鉱油、液体ラノリン又は白色ワセリンのような適切なビヒクル中の防腐剤と混合させる。眼科用無菌ゲル製剤は、他の眼科用製剤の技術で既知の方法に従って、例えばCARBOPOL(登録商標)−940(BE Goodrich[米国ノースカロライナ州シャーロット])等の組み合わせから調製した親水性基剤中に干渉RNAを懸濁することによって調製される場合がある。例えば、VISCOAT(登録商標)(Alcon Laboratories, Inc.[米国テキサス州フォートワース])は眼内注入に使用される場合がある。本発明の他の製剤は、干渉RNAが眼にあまり浸透しない場合に、クレモフォール(cremephor)及びTween(登録商標) 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Sigma Aldrich[米国ミズーリ州セントルイス])のような浸透促進剤を含有する場合がある。
【0064】
キット:本発明の実施形態は、細胞におけるCTGF mRNAの発現を減衰させる試薬を含むキットを提供する。キットは、干渉RNAに対応する二つの相補性一本鎖RNAをコード化するヌクレオチド配列にそれぞれ作動可能に結合する、T7プロモーター、T3プロモーター又はSP6プロモーターのような二つの異なるプロモーターを有するDNAテンプレートを含有する。RNAは、DNAテンプレートから転写され、アニールされて、標的mRNAの発現を減衰させるのに効果的な二本鎖RNAを形成する。キットは場合により、DNAテンプレートからDNA配列を増幅する増幅プライマー、及びRNAを合成するヌクレオチド三リン酸(即ち、ATP、GTP、CTP及びUTP)を含有する。場合により、キットは、それぞれ、DNAテンプレートのプロモーターに結合することができ、且つプロモーターが作動可能に結合するヌクレオチド配列を転写することができる、二つのRNAポリメラーゼ、サイズ排除カラムのような、一本鎖RNAを精製する精製カラム、1つ以上の緩衝剤、例えば一本鎖RNAをアニーリングして二本鎖RNAを生じる緩衝剤、及び二本鎖RNAを精製するRNAse A又はRNAse Tを含有する。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
小柱網細胞におけるCTGFをサイレンシングする干渉RNA、及びサイレンシングを測定する基準
本試験では、ヒト小柱網(TM)細胞における内皮CTGF発現のレベルをノックダウンするCTGF干渉RNAの能力を試験する。本試験は又、QPCRプライマーを使用して測定した際のmRNAレベルに対する干渉RNAの効果を判定する基準も提供する。
【0066】
GTM3又はHTM−3と呼ばれる形質転換ヒトTM細胞株のトランスフェクション(Pang, I.H., et al., 1994, Curr. Eye Res.
13:51−63を参照)は、標準的なin vitro濃度のCTGF干渉RNA(100nM)及びLIPOFECTAMINETM 2000(Invitrogen[米国カリフォルニア州カールスバッド])を1:1(w/v)の比率で使用して達成した。既知の配列の商業的に設計された干渉RNAのプール(siGENOME SMARTPOOL(登録商標) CTGF干渉RNA(本明細書ではsiRNA S4と呼ぶ);Dharmacon[米国コロラド州ラファイエット])を使用して、CTGFを標的にした。スクランブル及びラミンA/C siRNA(Dharmacon)を対照として使用した。
【0067】
対照実験は、スクランブル干渉RNA対照と比べると、ラミンA/C干渉RNAを使用したラミンA/Cのほぼ90%のノックダウン効果をもたらした。初期試験は、エクソン5におけるCTGF mRNA 3’UTRに対するプライマー/プローブセットQ2を使用するsiGENOME SMARTPOOL(登録商標) CTGF siRNA M−012633−00−0020(siRNA S4)を使用した場合、CTGFの約20〜30%のノックダウンの効率を示した(図2B)。Q2は、ABI(Applied Biosystems[米国カリフォルニア州フォスターシティー])製のQPCR
TAQMAN(登録商標)プライマー/プローブセットである。
【0068】
CTGF siRNAの乏しい効果の理由を究明するために、幾つかの変形を試験した。CTGF干渉RNAの用量反応を試験して、最適以下の干渉RNA濃度又は最適以下の干渉RNAと脂質の比率が使用されているかを判定した。得られたデータでは、使用された干渉RNA濃度又は干渉RNAと脂質の比率に関係なく、乏しいCTGF mRNAノックダウンが示された。siRNA活性に対する細胞取り込みの重要性、及びTM細胞をトランスフェクトする固有の問題点を考慮の上、TM細胞トランスフェクション効率を上述の条件下で決定した。トランスフェクション効率は、細胞質へのSITOXTM(Dharmacon)送達により誘導される細胞死、又はSIGLOTM(Dharmacon)による細胞質蛍光で測定される細胞蛍光の何れかの反映として試験した。何れの場合でも、ほぼ全ての細胞が死亡したか(図1A;SITOXTM)又は蛍光を示し(図1B;SIGLOTM)、トランスフェクション効率は、ほぼ定量的であり、本プロセスにおいて律速的な手順ではなかったことを示唆している。
【0069】
更に、siRNA S1、S2及びS3と呼ばれるAmbion Inc.(米国テキサス州オースティン)製の三つの個別の追加的なCTGF siRNA配列を、Q2及びQ1と呼ばれる二つの異なるQPCR TAQMAQ(登録商標)プライマー/プローブセット(ABI, Applied Biosystems[米国カリフォルニア州フォスターシティー])と組み合わせて試験した。AmbionのsiRNAの標的配列は、以下のジェンバンク参照配列番号NM_001901のCTGFのヌクレオチド(nts)である。
【0070】
S1の標的:(ヌクレオチド379〜397):gggcctcttctgtgacttc 配列番号2
S2の標的:(ヌクレオチド901〜919):gggcaaaaagtgcatccgt 配列番号5
S3の標的:(ヌクレオチド1488〜1506):ggttagtatcatcagatag 配列番号18。
【0071】
上記の各標的配列の各鎖の3’TTオーバーハングを有する二本鎖siRNAは、以下である。
【0072】
siRNA S1:
5’−gggccucuucugugacuucTT−3’ 配列番号30
3’−TTcccggagaagacacugaag−5’ 配列番号31
siRNA S2:
5’−gggcaaaaagugcauccguTT−3’ 配列番号32
3’−TTcccguuuuucacguaggca−5’ 配列番号33
siRNA S3:
5’−gguuaguaucaucagauagTT−3’ 配列番号27
3’−TTccaaucauaguagucuauc−5’ 配列番号28。
【0073】
QPCR Q1プライマーは、ABI ASSAY ON DEMANDTM Hs00170014_m1(Applied BioSystems)の専有配列である。
【0074】
QPCR Q2順方向プライマーは、以下の配列:
5’−CAGCTCTGACATTCTGATTCGAA−3’ 配列番号34
を有し、Q2逆方向プライマーは、以下の配列:
5’−TGCCACAAGCTGTCCAGTCT−3’ 配列番号35を有する。
【0075】
Q2プローブは以下の配列:
5’−AATCGACAGGATTCCGATTCCTGAACAGTG−3’ 配列番号36を有し、5’末端にFAM基(6−カルボキシフルオレセイン)を、3’末端にTAMRA基を有する(Applied Biosystems)。
【0076】
個別のsiRNAにおけるsiRNA標的部位に対するプライマー/プローブセットの位置を、図2Aに示す。又、図2Aの略図には、CTGF遺伝子エクソン(長方形)とイントロン(線)の構造、並びに配列番号1として配列が示されているジェンバンクCTFG配列NM_001901に対するsiRNA S1、S2及びS3と、QPCRプライマー/プローブセットQ1及びQ2の位置も示す。
【0077】
図2Bには、エクソン5プライマー/プローブセットQ2及びsiRNA S1〜S4を使用したCTGF mRNAのQPCR増幅を示す。S1及びS4のsiRNAでは、Q2プライマー/プローブセットにより、CTGF mRNAレベルの有意なノックダウンは検出されなかった。ノックダウンはsiRNA S2及びS3で実証した。プライマー/プローブセットQ2は、S1 siRNAの標的よりも、S2及びS3 siRNAの標的により密接に近似する。
【0078】
図2Cには、エクソン4/5架橋プライマー/プローブセットQ1を使用したCTGF mRNAのQPCR増幅を示す。CTGF mRNAのノックダウンはそれぞれのsiRNAで実証され、S2 siRNAでは、検出にQ1プライマー/プローブセットを使用して、約90%のノックダウンが観察された。プライマー/プローブセットQ1は、Q2プライマープローブセットよりも、siRNAによるノックダウンを実証するのにより効果的であると思われる。
【0079】
図2B及び図2Cのデータでは、3’−UTRに向けられたプライマー/プローブセットQ2を使用して増幅した特定の領域が比較的安定している場合があるため、標的siRNAによるCTGF mRNAの切断及び分解を評価するにはあまり良い選択ではないことが示唆されている。したがって、QPCR増幅領域がsiRNA標的領域の外側にある特定の場合では、siRNAの効果が過小に報告される場合がある。
【0080】
非特異的で標的を外す効果の機会を減らすために、CTGF mRNAの発現を阻害する可能な限り低いsiRNA濃度を判定した。CTGF mRNAノックダウンは、プライマー/プローブセットQ1を使用するQPCR増幅により評価した。GTM3細胞におけるCTGF S2 siRNAの用量反応を図3に示す。0、1、3、10、30、及び100nM用量範囲のS2 siRNAにより24時間治療を行った後、GTM3細胞で約2.5nMのIC50が観察された。データは、GraphPad Prison 4ソフトウェア(GraphPad Software, Inc.[米国カリフォルニア州サンディエゴ])を使用して、勾配変化、S字型用量反応アルゴリズム、及び頂点拘束100%によりフィッティングした。
【0081】
この実施例の結果からは、i)小柱網細胞がsiRNAのサイレンシングを実施すること、ii)本明細書に記載する全てのsiRNAは、ある程度のサイレンシングを行うこと、及びiii)siRNAノックダウン効果を判定するPCRベースの手法を使用する場合、PCR増幅プライマーは、サイレンシングを最適に検出するsiRNA標的配列を包含するように設計されていることが示されている。
【0082】
RISCエンドヌクレアーゼによる標的mRNAの切断は、siRNA標的配列の中心近くで起こることが示されており(Elbashir, S.M., et al., 2001. Genes Dev 15:188−200)、Argonaute RNaseH活性を伴う(Liu, J., et al., 2004. Science 305:1437−1441)。しかし、残ったmRNAの完全な分解は保証されないように思われる。mRNAの安定したフラグメントが、Argonaute切断の後に残る場合があり、QPCRによるこれらのフラグメントの何れかの増幅によって、本明細書に示すsiRNAの効果が過小報告される場合がある。本発明は、QPCRプライマーセットが最適なsiRNA効率の読み取りを可能にするsiRNA標的配列を包含する実施形態を提供する。
【0083】
本明細書に引用する参考文献は、これらが本明細書の記載内容の補足となる例示的な手順又はその他の詳細を示す限りにおいて、参考として明確に組み入れられる。
【0084】
本発明の開示内容に照らして、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態の明白な変更を行えることを理解する。本明細書に開示される全ての実施形態は、本発明の開示内容に照らして、過度の実験を行うことなく実行及び実施することができる。本発明の全ての範囲は、本開示内容及びその同等の実施形態に記載されている。本明細書は、本発明が権利を受ける保護の全範囲を過度に狭めるものとして解釈されるべきではない。
【0085】
本明細書で使用される「a」及び「an」という冠詞は、特に指示がない限り、「1つ」、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の意味をとる。
(配列表)
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

【数9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−97119(P2012−97119A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−29499(P2012−29499)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2007−548380(P2007−548380)の分割
【原出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)
【Fターム(参考)】