説明

眼圧降下剤としての8−アザプロスタグランジン類似体

【課題】高眼圧及び緑内障の処置に有効な新規8−アザプロスタグランジン類似体を提供する。
【解決手段】本発明は、処置有効量の式I:


[式中、X、Y、Z、DおよびR3は明細書中に定義する通りである。]
の化合物を、高眼圧または緑内障の動物に投与することを含んで成る、高眼圧または緑内障の処置方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑内障の処置に特に適当な有効な眼圧降下剤としての8−アザプロスタグランジン類似体に関する。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、多様な高眼圧症状、例えば術後およびレーザートラベクレクトミー後の高眼圧や、緑内障の処置において、並びに術前の補助薬として有用である。
【0003】
緑内障は、眼圧の上昇により特徴付けられる眼疾患である。緑内障は、その病因により、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角緑内障であるか、または急性もしくは慢性の閉塞隅角緑内障であり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または拡大した白内障のような既存の眼疾患から生じる。
【0004】
原発性緑内障の原因は、未だ解明されていない。その眼圧上昇は、房水流出遮断による。慢性開放隅角緑内障においては、前房およびその解剖学的構造は正常に見えるが、房水の排出は妨げられる。急性または慢性の閉塞隅角緑内障においては、前房が浅く、透過角が狭く、虹彩がシュレンム管の入口の小柱網を閉塞し得る。瞳孔の拡張により、虹彩根部が隅角に対して前方に押され、および瞳孔ブロックを起こして、病状を急進し得る。前房隅角の狭い眼は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障に患る素因を有する。
【0005】
続発性緑内障は、後房から前房、次いでシュレンム管への房水の流れのいかなる妨害によっても起こる。前房の炎症性疾患は、膨隆虹彩における完全な虹彩後癒着を起こすことにより房水排出を妨げ得、排液路を滲出物で閉塞し得る。他の通常の原因は、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞、眼の外傷、手術操作および眼内出血である。
【0006】
すべての種類を考慮すると、緑内障は、40歳を超えるすべての人の約2%に起こり、視力が急速に損われるまで何年間も無症候性であり得る。手術が指示されない場合、局所用β−アドレナリン受容体拮抗剤が、従来、緑内障処置薬物として選択されている。
【0007】
ある種のエイコサノイドおよびその誘導体は、眼圧降下活性を有することが報告されており、緑内障処置に使用することが推奨されている。エイコサノイドおよび誘導体は、プロスタグランジンおよびその誘導体のような、多くの生物学的に重要な化合物を包含する。プロスタグランジンは、下記式で示されるプロスタン酸の誘導体であるといえる:
【化1】

【0008】
プロスタン酸骨格の脂環上の構造および置換基によって、様々な種類のプロスタグランジンが知られている。更なる分類は、側鎖中の不飽和結合数に基づいてなされ、プロスタグランジンの種類の後に数字で示され[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]、また、脂環上の置換基の配置に基づいてもなされ、αまたはβで示される[例えば、プロスタグランジンF(PGF)]。
【0009】
プロスタグランジンはかつて、有効な眼圧上昇剤であると見なされていた; しかし、過去10年間に蓄積された証拠によると、いくつかのプロスタグランジンは非常に有効な眼圧降下剤であり、緑内障の長期処置に好適であることがわかった(例えば、Bito,L.Z.,Biological Protection with Prostaglandins,Cohen,M.M.編,Boca Raton,Fla,CRC Press Inc.,1985,第231〜252頁;並びにBito,L.Z.,Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas,Drance,S.M.およびNeufeld,A.H.編,New York,Grune & Stratton,1984,第477〜505頁参照)。そのようなプロスタグランジンは、PGF、PGF、PGE2、およびそれらの脂溶性エステル(例えば、1−イソプロピルエステルのようなC1−C2アルキルエステル)を包含する。
【0010】
プロスタグランジンによる眼圧降下の詳しいメカニズムは未だわかっていないが、実験結果により、ブドウ膜強膜流出の増加によるものであることが示された[Nilssonら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl),284(1987)]。
【0011】
PGFのイソプロピルエステルは、親化合物よりもはるかに大きい降圧活性を有することがわかっている。これは、角膜透過性がより高いことによると考えられる。1987年にこの化合物は、「かつて報告されたうちで最も強力な眼圧降下剤」であると文献に記載された[例えば、Bito,L.Z.,Arch.Ophthalmol.,105、1036(1987)、およびSieboldら,Prodrug 5、3(1989)参照]。
【0012】
プロスタグランジンは顕著な眼内副作用を持たないと考えられるが、眼表面(結膜)充血および異物感は、ヒトの眼に対するそのような化合物(とりわけPGFおよびそのプロドラッグ、例えば1−イソプロピルエステル)の局所適用に伴って必ず起こる。高眼圧を伴う症状(例えば緑内障)の処置におけるプロスタグランジンの臨床的使用可能性は、上記のような副作用の故に非常に制限されている。
【0013】
Allergan,Inc.に譲渡された一連の同時係属米国特許出願において、眼圧降下活性が高く、副作用は無い、または実質的に副作用の無いプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属米国特許出願第596430号(1990年10月10日出願、米国特許第5446041号に対応)は、ある種の11−アシル−プロスタグランジン、例えば11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、および11−イソバレリルPGFに関する。同時係属米国特許出願第175476号(1993年12月29日出願)には、眼圧降下作用を有する15−アシルプロスタグランジンが開示されている。同様に、プロスタグランジンの11,15−、9,15−および9,11−ジエステル、例えば11,15−ジピバロイルPGFも、眼圧降下活性を有することが知られている。同時係属米国特許出願第385645号(1989年7月7日出願、米国特許第4994274号に対応)、第584370号(1990年9月18日出願、米国特許第5028624号に対応)、および第585284号(1990年9月18日出願、米国特許第5034413号に対応)参照。これらすべての特許出願の開示を、特に引用により本発明の一部とする。
8−アザプロスタグランジン類似体が、PCT特許出願WO01/46140A1に開示されている。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、処置有効量の下記式Iの化合物を高眼圧の哺乳動物に投与することを含んで成る高眼圧の処置方法に関する:
【化2】

[式中、
ハッチングした線は、α配置を表し;
三角形の線は、β配置を表し;
波線は、α配置またはβ配置を表し;
破線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Dは、共有結合またはCH2、O、SもしくはNHを表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化3】

であり、
Yは、
【化4】

であり;
Zは、CH2または共有結合であり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1-C5低級アルキルまたはアルケニルであり;
R3は、R2、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチルまたはそれらの置換誘導体(ここで、置換基は、C1-C5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択しうる。)から成る群から選択する。]。
【0015】
さらに他の局面において、本発明は、
内容物を計量形態でディスペンスするのに適した容器;および
該容器中の、先に定義した眼用液剤
を含んで成る医薬生成物に関する。
最後に、前記の式で示され、下記に開示し、本発明の方法に使用する化合物のいくつかは、新規であり自明でない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、眼圧降下剤としての8−アザプロスタグランジン類似体の使用に関する。本発明に使用する化合物は、下記の構造式Iで示される:
【化5】

【0017】
本発明化合物の好ましい群は、下記の構造式IIで示される化合物を包含する:
【化6】

上記式中、置換基および記号は前記と同意義である。
【0018】
上記式中、
Dは好ましくは、共有結合またはCH2、より好ましくはCH2であり;
Zは好ましくは、共有結合であり;
Rは好ましくは、HまたはC1-C5低級アルキルであり;
R1は好ましくは、Hである。
R3は好ましくは、フェニルおよびそのモノ置換誘導体(例えばクロロおよびトルフルオロメチルフェニル)から成る群から選択する。
Xは好ましくは、CO2Rであり、より好ましくはRはHおよびエチルから成る群から選択する。
【0019】
前記の本発明化合物は、当分野で既知の方法によるか、または下記の実施例に従って製造しうる。下記の化合物は、特に好ましい本発明化合物例である:
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3R-ヒドロキシ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3R-ヒドロキシ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸; 7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
【0020】
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3R-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
【0021】
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
【0022】
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
【0023】
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸; 7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル。
【0024】
医薬組成物は、少なくとも1種の本発明化合物または医薬的に許容し得るその酸付加塩の処置有効量を活性成分として、眼科的に許容し得る通常の薬剤賦形剤と組み合わせることによって、および眼への局所適用に適当な単位用量形態を形成することによって調製し得る。処置有効量は通例、液体製剤中約0.0001〜5%(w/v)、好ましくは約0.001〜1.0%(w/v)である。
【0025】
眼科的な適用のためには、主な賦形剤として生理食塩液を用いて液剤を調製することが好ましい。そのような眼用液剤のpHは、適当な緩衝系によって6.5〜7.2に保つことが好ましい。このような製剤は、医薬的に許容し得る通常の保存剤、安定剤および界面活性剤をも含有し得る。
【0026】
本発明の医薬組成物中に使用し得る好ましい保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤は、例えば、Tween 80である。
同様に、本発明の眼用製剤中に種々の好ましい賦形剤を使用し得る。このような賦形剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0027】
必要に応じて、または好都合に、浸透圧調整剤を添加し得る。浸透圧調整剤は、塩、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリンを包含するが、これらに限定されるものではなく、眼科的に許容し得る他の適当な浸透圧調整剤も使用し得る。
【0028】
眼科的に許容し得る製剤が得られるのであれば、pH調整のためにどのような緩衝剤および手段を用いてもよい。緩衝剤は、酢酸、クエン酸、リン酸およびホウ酸の緩衝剤を包含する。製剤のpHを調整するために、必要に応じて酸または塩基を使用し得る。
【0029】
同様に、本発明において使用するための眼科的に許容し得る抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0030】
本発明の眼用製剤が含有し得る他の佐剤成分はキレート剤である。好ましいキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、その代わりに、またはそれと組み合わせて他のキレート剤も使用し得る。
【0031】
上記成分は通例、次のような量で使用する:

【0032】
本発明の活性化合物の実際の用量は、化合物によって、および処置する症状によって異なる。当業者はその知識の範囲内で、適当な用量を選択することができる。
本発明の眼用製剤は、眼への適用を容易にするよう、計量適用に適した形態(例えばドロッパー付き容器)に充填することが好都合である。滴下適用に適した容器は通例、不活性で無毒性の適当なプラスチック材料製であり、液剤を通例約0.5〜15ml収容する。
【0033】
以下の実施例によって本発明を制限することなく更に説明する。
〔実施例1〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例1a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0034】
〔実施例2〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例2a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
【0035】
〔実施例3〕
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例3a〕
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0036】
〔実施例4〕
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例4a〕
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例5〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオリメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例5a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオリメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0037】
〔実施例6〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオリメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例6a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオリメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
【0038】
〔実施例7〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオリメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例7a〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオリメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0039】
〔実施例8〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオリメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例8a〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオリメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
実施例1〜8aの化合物は、公開されたPCT特許出願WO01/46140(引用により本発明の一部とする)の実施例1および2に開示された方法に従って合成する。
【0040】
〔実施例9〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例9a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0041】
〔実施例10〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例10a〕
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
【0042】
〔実施例11〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
〔実施例11a〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸
【0043】
〔実施例12〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
〔実施例12a〕
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル
実施例9〜12aの化合物は、実施例1〜8の化合物と同様の方法で、[3-(3-クロロフェニル)-2-オキソ-プロピル]-ホスホン酸ジメチルエステルの代わりに[3-(フェニル)-2-オキソ-プロピル]-ホスホン酸ジメチルエステルを用いて合成する。
【0044】
これらの化合物のインビトロ活性を後述のように試験する。結果を次表に示す。
【表1−1】

【0045】
【表1−2】

【0046】
【表1−3】

【0047】
【表2−1】

【0048】
【表2−2】

【0049】
【表2−3】

【0050】
ヒト組換えEP1、EP2、EP3、EP4、FP、TP、IPおよびDP受容体:安定トランスフェクタント
ヒトEP1、EP2、EP3、EP4、FP、TP、IPおよびDP受容体をコードするプラスミドを、それぞれをコードする配列を真核細胞発現ベクターpCEP4(Invitrogen)にクローニングすることによって調製した。pCEP4ベクターは、EBウイルス(EBV)複製起点を有し、それによりEBV核抗原(EBNA−1)を発現する霊長類細胞系においてエピソーム複製することができる。pCEP4ベクターはハイグロマイシン耐性遺伝子をも有し、これは真核細胞選抜に用いられる。安定トランスフェクションに使用した細胞は、EBNA−1タンパク質をトランスフェクトし、EBNA−1タンパク質を発現するヒト胚性腎細胞(HEK−293)であった。このHEK−293−EBNA細胞(Invitrogen)を、ジェネティシン(G418)含有培地中で増殖させてEBNA−1タンパク質の発現を維持した。HEK−293細胞は、10%ウシ胎仔血清(FBS)、250μg/ml G418(Life Technologies)および200μg/mlゲンタマイシンまたはペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM中で増殖させた。安定トランスフェクタントの選抜は、200μg/mlハイグロマイシンを用いて行い、この最適濃度は、予め行ったハイグロマイシン死滅曲線の実験により決定した。
【0051】
トランスフェクションを行うために、10cmプレート上で細胞を50〜60%コンフルエントに増殖させた。各ヒトプロスタノイド受容体用のcDNAインサートを組み込んだプラスミドpCEP4(20μg)を、250mM CaCl2 500μlに加えた。HEPES緩衝塩類液×2(2×HBS、280mM NaCl、20mM HEPES酸、1.5mM Na2HPO4、pH7.05〜7.12)を次いで室温でボルテックスを続けながら滴下して、総量500μlとした。30分後、その混合物にDMEM 9mlを加えた。次いで、そのDNA/DMEM/リン酸カルシウム混合物を細胞に加えた。細胞は予め10mlのPBSで濯いでおいた。次いで、細胞を、加湿95%空気/5%CO2中で37℃で5時間インキュベートした。次いで、リン酸カルシウム溶液を除去し、細胞を、DMEM中10%グリセロールで2分間処理した。次いで、グリセロール溶液を、10%FBS含有DMEMで取り替えた。細胞を一晩インキュベートし、培地を、250μg/mlのG418およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM/10%FBSで取り替えた。翌日に、ハイグロマイシンBを終濃度200μg/mlで加えた。
【0052】
トランスフェクションから10日後、ハイグロマイシンB耐性クローンを個別に選抜し、24ウェルプレートの各ウェルに移した。コンフルエンスになったら、各クローンを6ウェルプレートの1つのウェルに移し、次いで10cm皿に広げた。細胞を使用するまで、連続したハイグロマイシン選抜下に維持した。
【0053】
ラジオリガンド結合
ネコまたはヒト受容体で安定トランスフェクトした細胞について調製した細胞膜フラクションに対し、ラジオリガンド試験を次のように行った。TME緩衝液で洗った細胞をフラスコ底から掻き取り、Brinkman PT10/35ポリトロンを用いて30秒間ホモジナイズした。遠心管内で、要すればTME緩衝液を加えて、体積を40mlとした。TMEは、50mM TRIS塩基、10mM MgCl2、1mM EDTAから成り、1N−HClの添加によりpHを7.4とする。細胞ホモジネートを、Beckman Ti−60またはTi−70ローターを用いて4℃で20〜25分間、19000rpmで遠心した。次いで、ペレットをTME緩衝液に再懸濁させて、タンパク質の終濃度を1mg/mlとした(Bio−Radアッセイにより測定)。100μlまたは200μlの体積でラジオリガンド結合アッセイを行った。
【0054】
3H](N)PGE2(比放射能165Ci/ミリモル)の結合を、二重に、そして少なくとも3つの異なる実験として測定した。インキュベーションを25℃で60分間行い、氷冷50mM TRIS−HCl(4ml)を加えて停止し、次いでWhatman GF/Bフィルターで手早く濾過し、細胞ハーベスター(Brandel)内で更に3回、4mlでの洗浄を行った。終濃度2.5または5nMの[3H](N)PGE2を用いて競合試験を行い、10-5M非標識PGE2を用いて非特異的結合を測定した。
【0055】
一過性トランスフェクタントに対するラジオリガンド結合のために、細胞膜フラクションを次のように調製した。COS−7細胞をTME緩衝液で洗い、フラスコ底から掻き取り、Brinkman PT10/35ポリトロンを用いて30秒間ホモジナイズした。TME緩衝液を加えて、遠心管内での終体積を40mlとした。TMEの組成は、100mM TRIS塩基、20mM MgCl2、2M EDTAであり、10N−HClを加えてpHを7.4とする。
【0056】
細胞ホモジネートを、Beckman Ti−60ローターを用いて4℃で20分間、19000rpmで遠心した。得られたペレットをTME緩衝液に再懸濁させて、タンパク質の終濃度を1mg/mlとした(Bioradアッセイにより測定)。ラジオリガンドアッセイを、200μlの体積で行った。
【0057】
EP3D受容体における[3H]PGE2(比放射能165Ci/ミリモル)の結合、およびTP受容体における[3H]−SQ29548(比放射能41.5Ci/ミリモル)の結合を、二重に、そして少なくとも3つの異なる実験として測定した。ラジオラベルしたPGE2はAmershamから購入し、ラジオラベルしたSQ29548はNew England Nuclearから購入した。インキュベーションを25℃で60分間行い、氷冷50mM TRIS−HCl(4ml)を加えて停止し、次いでWhatman GF/Bフィルターで手早く濾過し、細胞ハーベスター(Brandel)内で更に3回、4mlでの洗浄を行った。
終濃度2.5もしくは5nMの[3H]PGE2または10nMの[3H]−SQ29548を用いて競合試験を行い、10μMの各非標識プロスタノイドを用いて非特異的結合を測定した。いずれのラジオリガンド結合試験についても、合意の基準は>50%特異的結合、および500〜1000の排除可能カウントまたはそれ以上であった。
【0058】
眼圧に対する本発明化合物の作用を次のように試験し得る。0.1%のポリソルベート80および10mM TRIS塩基を含んで成る賦形剤中に、所望の濃度で化合物を配合する。眼表面に25μlを投与することによってイヌを処置し、反対側の眼には賦形剤を対照として投与する。眼圧を、圧平眼圧測定法によって測定する。イヌの眼圧を、薬剤投与の直前、およびその後6時間で測定する。
本発明の化合物は、哺乳動物(例えばヒト)の上昇した眼圧を降下するのに有用である。
【0059】
先の記載は、本発明を実施するのに使用しうる特定の方法および組成物を説明するものであり、考えられる最良の方式を示すものである。しかし、所望の薬理学的特性を有する他の化合物を同様の方法で製造することができ、開示した化合物を種々の出発化合物から種々の化学反応によって得られることは、当業者に明らかである。同様に、種々の医薬組成物を製造し、使用して、実質的に同じ結果を得ることもできる。従って、本文における先の記載がいかに詳細なものであっても、それは全般的範囲を限定するものと解すべきでなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置有効量の下記式Iで示される化合物を、高眼圧または緑内障の動物に投与することを含んで成る、高眼圧または緑内障の処置方法:
【化1】

[式中、
ハッチングした線は、α配置を表し;
三角形の線は、β配置を表し;
波線は、α配置またはβ配置を表し;
破線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Dは、共有結合またはCH2、O、SもしくはNHを表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化2】

であり、
Yは、
【化3】

であり;
Zは、CH2または共有結合であり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1-C5低級アルキルまたはアルケニルであり;
R3は、R2、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチルまたはそれらの置換誘導体(ここで、置換基は、C1-C5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択しうる。)から成る群から選択する。]。
【請求項2】
化合物が式II:
【化4】

で示される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Zが共有結合を表す請求項1に記載の方法。
【請求項4】
DがCH2である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
XがCO2Rである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
RをHおよびエチルから成る群から選択する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
RがHまたはC1-C5アルキルである請求項5に記載の方法。
【請求項8】
R1がHである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
R3をフェニル、クロロフェニルおよびトルフルオロメチルフェニルから成る群から選択する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
化合物を、下記化合物から成る群から選択する請求項1に記載の方法:
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3R-ヒドロキシ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3R-ヒドロキシ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸; 7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3R-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(クロロフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[4-(3-クロロフェニル)-3-オキソ-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸; 7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;および
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル。
【請求項11】
処置有効量の下記式Iで示される化合物を、眼科学的に許容しうる無毒性液体賦形剤と共に含有し、計量適用に適した容器に充填した眼用液剤:
【化5】

[式中、
ハッチングした線は、α配置を表し;
三角形の線は、β配置を表し;
波線は、α配置またはβ配置を表し;
破線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Dは、共有結合またはCH2、O、SもしくはNHを表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化6】

であり、
Yは、
【化7】

であり;
Zは、CH2または共有結合であり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1-C5低級アルキルまたはアルケニルであり;
R3は、R2、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチルまたはそれらの置換誘導体(ここで、置換基は、C1-C5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択しうる。)から成る群から選択する。]。
【請求項12】
内容物を計量形態でディスペンスするのに適した容器;および
該容器中の請求項11に記載の眼用液剤
を含んで成る医薬生成物。
【請求項13】
下記式Iで示される化合物から成る、高眼圧または緑内障の処置に有用な化合物:
【化8】

[式中、
ハッチングした線は、α配置を表し;
三角形の線は、β配置を表し;
波線は、α配置またはβ配置を表し;
破線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Dは、共有結合またはCH2、O、SもしくはNHを表し;
Xは、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、またはSONR2であり、
Yは、
【化9】

であり;
Zは、CH2または共有結合であり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1-C5低級アルキルまたはアルケニルであり;
R3は、R2、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチルまたはそれらの置換誘導体(ここで、置換基は、C1-C5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択しうる。)から成る群から選択する。]。
【請求項14】
下記化合物から成る群から選択する化合物:
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸; 7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブチル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;
7-[2S-[3R-ヒドロキシ-(4-フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル;
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸;および
7-[2S-[3-オキソ-4-(フェニル)-ブタ-1-エニル]-5-オキソ-ピロリジン-1-イル]-ヘプタン酸エチルエステル。

【公開番号】特開2011−116768(P2011−116768A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43003(P2011−43003)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【分割の表示】特願2004−505329(P2004−505329)の分割
【原出願日】平成15年4月28日(2003.4.28)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】