説明

眼用マイクロインプラントの製造方法

【課題】 均一な組成、形状、サイズ、および形態を有する眼用マイクロインプラントの集団を商業的に実行可能な規模で製造できる方法を提供する。
【解決手段】 活性成分および生分解性ポリマーを混合・ブレンドして混合物を得、円錐形スクリューおよびバレルを有する二軸押出機を用いて、該混合物をフィラメントに押出成形し、自動ギロチンカッターを用いて該フィラメントを正確に切断して、所望の目標重量を有する複数のマイクロインプラントを得る工程を含んでなる眼用マイクロインプラントの集団の製造方法であって、各マイクロインプラントが、活性成分および生分解性ポリマーの均質混合物を含み、483μm(0.019インチ)以下の直径を有し、所望の目標質量の10wt%以内の質量を有する、又は複数のマイクロインプラントの質量標準偏差は5以下である、製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分、例えば、薬剤または他の治療薬を含むマイクロインプラントの製造方法に関する。より詳細には、本発明は眼疾患または症状を治療するために眼内に挿入できるマイクロインプラントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼の疾患または症状の治療における主な難題は、活性成分、例えば、薬剤または他の治療薬を眼中に導入し、これらの活性成分を必要な期間、治療的に有効な濃度で眼中に維持することである。全身的投与は理想的な解決策ではない可能性がある。なぜなら、有効な眼内濃度を達成するためには許容できないほど高レベルの全身的投薬が必要であることが多く、活性成分の許容できない副作用の発生率が増加するからである。簡単な点眼または投与は、多くの場合において許容できる代替案ではない。なぜなら、活性成分は涙の作用により迅速に洗い流され得るか、または眼内から流れ出して全身循環へと移行し得るからである。薬剤溶液の脈絡膜上腔注入も行われてきたが、ここでも薬物の利用可能時間は短い。繰り返し投薬することなく適切な期間、薬物の治療レベルを維持することは依然として困難である。
【0003】
この問題を解決しようとする努力が、制御された量の所望の活性成分を数日、数週間、またはさらには数ヶ月にわたって絶えず放出できるように眼中に挿入できるインプラントの開発につながっており、多くのこの種の装置がすでに報告されている。例えば、眼症状の治療のために眼の前部または後部に導入するための生体適合性インプラントを開示する米国特許第4,853,224号を参照できる。米国特許第5,164,188号は、眼の脈絡膜上腔または扁平部中へ有効な薬物を含む生分解性インプラントを導入することにより眼症状を治療する方法を開示している。米国特許第5,824,072号;第5,476,511号;第4,997,652号;第4,959,217号;第4,668,506号;および第4,144,317号も参照できる。他の方法は、薬剤を含有するプラグまたはタック(鋲状体)を眼の強膜中に固定することを含む(例えば、米国特許第5,466,233号参照)。
【0004】
インプラントを挿入するための様々な部位が、眼中、例えば、硝子体、眼の前眼房または後眼房、あるいは眼の他の部分、例えば、網膜内、網膜下、脈絡膜内、脈絡膜上、強膜内、強膜上、結膜下、角膜内、あるいは角膜上の場所に存在する。所望の挿入位置がどこであろうとも、挿入の典型的な方法はすべて、比較的侵襲的な外科的処置を必要とし、眼に過度の外傷の危険性をもたらし、インプラントの必要以上の処理を要求する。例えば、硝子体中への典型的な配置法においては、強膜を切開し、鉗子または他の同様の手で把持する装置を用いて、インプラントを硝子体中に挿入する。挿入した時点で、鉗子(または把持装置)を抜去し、切開部を縫合する。別法として、強膜を切開し、切開部からトロカールを進入させ、トロカールを通してインプラントを送達できる。類似した方法を用いて他の位置からインプラントを送達することができる(例えば、角膜の切開による前眼房中への挿入)。
【0005】
このような技術は多くの欠点を有する。これらの技術においてはインプラントの広範囲に及ぶ処理が必要とされ、インプラントがその過程で損傷する危険性をもたらす。多くのこのようなインプラントはポリマーベースであり、比較的脆弱である。このようなインプラントの部分が損傷または破損した場合、いったん配置されたインプラントにより送達される有効な薬用量は著しく変化する。加えて、これらの方法を用いて全患者について再現可能な配置を達成することは本質的に困難になる。すべてのこのような技術は、縫合を必要とするほど十分大きな眼中の切開または穿刺を必要とするという事実も重要である。したがって、このような技術は典型的には外科的設定(セッティング)において行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,853,224号
【特許文献2】米国特許第5,164,188号
【特許文献3】米国特許第5,824,072号
【特許文献4】米国特許第5,476,511号
【特許文献5】米国特許第4,997,652号
【特許文献6】米国特許第4,959,217号
【特許文献7】米国特許第4,668,506号
【特許文献8】米国特許第4,144,317号
【特許文献9】米国特許第5,466,233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、手術の必要性を最小にするか、またはさらには排除するインプラントを眼中に導入する低侵襲的方法、例えば、挿入後に縫合を必要とせずに、眼が自己閉鎖することを可能にするのに十分小さいインプラントを導入する方法が望ましい。このような低侵襲的方法における重要な特性は、可能なかぎり小さなインプラントの使用であり、その結果、移植に際しての眼の外傷は少なくなる。しかしながら、このような小さなインプラントは製造するのが困難である。なぜなら、特に、所望の期間にわたって所望の用量レベルの活性成分を提供するために、これらの小さなインプラントは均一な組成を有さなければならず、一貫した形状、サイズ、および形態を有さなければならないからである。これらの小さなインプラントの組成の均一性または形状、サイズ、または形態の一貫性におけるわずかな違いさえも、予想されるよりも大幅に異なる量の活性成分の送達をもたらし得、眼疾患または症状の治療を変更し得る。従って、均一な組成、形状、サイズ、および形態を有する小さなインプラントを製造すること、特にこれらを商業的に実行可能な規模で製造することは非常に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、これらの要求を満たし、他の利点をもたらす。本発明のある態様において、1種またはそれ以上の治療薬などの活性成分、および生分解性ポリマー(1つまたは複数)の均質混合物を含むマイクロインプラントであって、508μm(0.020インチ)以下、好ましくは483μm(0.019インチ)以下、最も好ましくは457μm(0.018インチ)以下の直径を有するマイクロインプラントが提供される。好ましくは、これらの直径は、例えば上記の直径のような平均直径の±7.62μm(±0.0003インチ)以内である。本発明の他の態様において、マイクロインプラントならびにそれより大きなインプラントは、厳格な規格を満たすバッチ、例えば、所望の目的質量の10wt%以下より少ない特定の質量許容範囲において製造することができる。同様に、このようなインプラントまたはマイクロインプラントは、約5%以下の質量標準偏差を有するバッチにおいて製造することができる。本発明の一つの態様において、抗炎症剤、例えば、デキサメタゾンを含むマイクロインプラントが提供され、使用される生分解性ポリマーはポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーベースである。このようなマイクロインプラントは長さが約7mm以下であり、483μm(0.019インチ)以下の直径を有し得る。一つのバリエーションにおいて、このようなマイクロインプラントはさらに、遊離酸末端基を有するポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーの添加を含む。本発明はさらに、所望の目標質量の特定の重量パーセント以内、および/または特定の質量標準偏差を有するマイクロインプラントのバッチまたは集団を提供する。
【0009】
本発明の他の態様において、組成および/または寸法における変動の非常に狭い許容範囲内のインプラントおよびマイクロインプラントを製造する方法が提供される。このような方法は、1種またはそれ以上の活性成分、ポリマー、および/または他の任意の賦形剤(例えば、放出調節剤、緩衝剤など)の粒子または粉末を得、これらの粒子を混合物中にブレンドし、この混合物を押し出してフィラメントにし、二軸押出機を用いてフィラメントをペレット化し、押し出して、高度の均一性を得、これらのフィラメントを正確に切断して、所望のマイクロインプラントを得る工程を含む。一軸および二軸押出法を用いることができる。
【0010】
本発明のさらに別の態様において、光学、質量、寸法または他の測定に基づいてマイクロインプラントのバッチを受容または拒絶する方法および基準が提供される。
【0011】
本明細書に記載されるあらゆる特性、および2またはそれ以上のかかる特性のあらゆる組み合わせは、かかる組み合わせに含まれる特性が相互に矛盾したものでないならば、本発明の範囲内に含まれる。加えて、任意の特性または特性の組み合わせは、本発明の任意の実施態様から特に排除されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をさらによく理解するために、以下において、多くの具体的な詳細、例えば、具体的な構造、パラメータなどを説明する。しかしながら、このような説明は本発明の範囲を制限することを意図しておらず、例示的な実施態様をより詳しく説明することを意図している。
【0013】
眼疾患および症状を治療するために、本発明に従って調製されるマイクロインプラントを眼中に挿入することができる。このようなマイクロインプラントは典型的には活性成分および生分解性ポリマーの組成物と任意にさらなる賦形剤を含む。
【0014】
本明細書において用いられる場合、「インプラント」なる用語は、眼中の任意の数の位置に挿入でき、長期間にわたって、例えば、数日、数週間、またはさらには数ヶ月にわたって制御された量の活性成分を放出できる任意の眼用インプラントまたは薬剤送達装置を含むことを意図する。このようなインプラントは生体適合性であり、すべてではないが多くの場合、生分解性物質、例えば、生分解性ポリマーで形成される。「マイクロインプラント」とは、送達に関連した穿刺部位で眼が結果的に自然にふさぐような方法に従って送達するのに十分小さな断面積を有するインプラントをいう。特に、このようなマイクロインプラントは、20ゲージ、21ゲージまたは22ゲージ以下のサイズのカニューレを通して送達可能であるような寸法を有する。711μm(0.028インチ)までの内径を有する21ゲージ針の薄壁バージョンを製造でき、従ってかかるカニューレを通して送達可能な円筒形マイクロインプラントは711μm(0.028インチ)未満の外径を有する。マイクロインプラントは、対応する断面形状を有するカニューレを通して送達するための非円形断面形状を有することもできる。マイクロインプラントが非円形断面を有する場合、断面積は特定の断面形状に応じて、最高0.0016cm(0.00025平方インチ)またはそれ以上である。マイクロインプラントを包含するインプラントは、比較的小さな単位の1種またはそれ以上の活性成分を含むと理解される。例えば、インプラントは活性成分の粒子の集団を含み得る。本明細書において用いられる場合、粒子は任意の形状を有し、眼症状を治療するために患者に投与されるインプラントよりもサイズが小さい。液体眼科組成物とは対照的に、本発明のインプラントは、少なくとも最初は、眼治療を必要とする患者に投与される前は実質的に固体である。
【0015】
本明細書において用いられる場合、「活性成分」とは、単独または組み合わせのいずれかで、薬理学的に活性な薬剤を意味し、持続または制御放出が望ましく、本明細書において列挙された薬剤を包含するものを用いることができるが、これらに限定されない。
【0016】
「生分解性ポリマー」なる用語は、生体内で(in vivo)分解するポリマーを意味し、時間の経過に伴うポリマーの侵食が、所望の薬剤放出動態を得るために必要とされる。
【0017】
本発明に従って調製されるマイクロインプラントは、サイズおよび形状において十分小さいか、または小型化することができるので、大きなインプラントを移植する場合に典型的であったように、通常、修復するために縫合または他の外科的処置を必要とする眼の切開または穿刺創を必要とせずに眼中に挿入できる。本発明のマイクロインプラントを用い、以下にさらに説明する挿入技術に従って、眼はマイクロインプラントの挿入後に「セルフシール(自己閉鎖)」ができ、これにより、縫合または手術の必要性と、それに伴う痛みおよび外傷が排除され、また外科的設定(セッティング)においてかかる処置を行う費用、時間および他の不都合が回避される。本明細書において用いられる場合、マイクロインプラントを眼中に送達する「セルフシーリング」法(自己閉鎖法)は、1またはそれ以上のマイクロインプラントを、カニューレを通して、カニューレ穿刺部位で、縫合、または他の類似の閉鎖手段を必要とせずに、患者の目の所望の位置に導入する方法をいう。このような「セルフシーリング」法は、カニューレを引き抜くと直ちに穿刺部位が完全にふさぐことを必要とするのではなく、むしろ場合により生じる初期漏出が最小であり、迅速に消散することを必要とするので、執刀医またはその他の当業者はその臨床的判断で、縫合または他の方法で穿刺部位に対して他の同様の閉鎖手段を提供しなくてもよい。
【0018】
本発明に従って調製されるマイクロインプラントは、非常に均一な特性を有し、したがって厳密かつ正確な用量の活性成分を送達する能力を保持し、これにより、特定の時間にわたって眼中への活性成分の放出の非常に制御された速度を提供する。本発明のインプラントから放出される活性成分は、眼のある領域を選択的に標的とすることができる。例えば、患者の後眼部に配置されたインプラントは、眼の網膜、またはインプラントが配置される眼の網膜の部分に活性成分が治療的有用性をもたらすように、活性成分をインプラントから放出させることができる。
【0019】
本発明のマイクロインプラントは、活性成分の粒子および生分解性ポリマーの粒子を組み合わせることにより製造できる。特定のプロセスによると、マイクロインプラントは、活性成分から作られた粒子および生分解性ポリマーから作られた粒子をサイズに従って分別し、これらの粒子をブレンドして活性成分および生分解性ポリマーの均質混合物にし、この混合物を(一軸または二軸押出法を使用して)押し出してフィラメントにし、これらのフィラメントを正確に切断してマイクロインプラントにし、これらのマイクロインプラントを所望の特徴について検査することを含む製造方法により製造することができる。この製造方法は、所望の均一な特徴、例えば、重量、寸法(例えば、長さ、直径、面積、体積)、活性成分の局所的分布、放出動態などを有するマイクロインプラントのバッチまたは集団を製造するために使用できる。例えば、これらのバッチを特定の許容基準、例えば、特定の質量基準、例えば、所望の目標重量/マイクロインプラントのある重量パーセンテージ内、または例えば、各バッチのマイクロインプラントの特定の許容可能な質量標準偏差の対象とすることができる。インプラントのバッチまたは集団の各インプラントが同じ量の活性成分を含有できるような特定の薬剤/ポリマー比を得ることもできる。従って、インプラントのバッチ、例えば、パッケージ中のインプラントのバッチに、上記バッチの個々のインプラントの活性成分の特定のラベル強度または用量の活性成分を付与することができる。
【0020】
1.インプラントおよびマイクロインプラントの組成
一般に、本発明に従って製造されるインプラントおよびマイクロインプラントは、活性成分および生分解性ポリマーの混合物を用いて製剤化することができ、これは一緒になって活性成分の眼中への放出動態を制御することができる。具体的な処方は、例えば、好ましい薬剤放出特性、使用される特定の活性成分、移植部位、治療される症状、および患者の病歴に応じて変化し得る。本発明のインプラントは、生分解性ポリマーマトリックス内に取り込まれた活性成分の粒子を用いて製剤化される。活性成分の放出は、ポリマーを浸食させ、続いて先に取り込まれたか、または分散された活性成分粒子を眼と接触させ、その後、薬剤を溶解させ、放出させることにより達成される。放出動態を決定するパラメータは、薬剤粒子のサイズ、薬剤の水溶性、薬剤とポリマーの比、具体的な製造方法、インプラントの形状、暴露される表面積、およびポリマーの浸食速度を包含するが、これらに限定されない。
【0021】
活性成分
対象とする様々な薬理活性剤、治療薬、および薬剤を本発明のインプラント中に提供することができる。薬理活性剤の非制限的例としては、抗緑内障薬、例えば、ベータブロッカー(遮断薬);チモロールマレエート、ベタキソロールおよびメチプラノロール;有糸分裂薬:ピロカルピン、アセチルコリンクロリド、イソフルロフェート、デマカリウムブロミド、ヨウ化エコチオフェート、ヨウ化ホスホリン、カルバコール、およびフィソスチンジミン;エピネフリンおよび塩、例えば、ジピベフリン塩酸塩;およびジクロルフェナミド、アセタゾラミドおよびメタゾラミド;抗白内障および抗糖尿病網膜症薬、例えば、アルドース還元酵素阻害剤;トルレスタット、リシノプリル、エナラプリル、およびスタチル;すでに考慮されているもの以外のチオール架橋薬;抗癌剤、例えば、レチノイン酸、メトトレキサート、アドリアマイシン、ブレオマイシン、トリアムシノロン、マイトマイシン、シスプラチナム、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、ara-c、ビサントレン、CCNU、活性化サイトキサン、DTIC、HMM、メルファラン、ミスラマイシン、プロカルバジン、VM26、VP16、およびタモキシフェン;すでに表示されたもの以外の免疫調節剤;抗凝固剤、例えば、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキナーゼ、およびストレプトキナーゼ;抗組織障害剤、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ;タンパク質および核酸、例えば、モノおよびポリクローナル抗体、酵素、タンパク質ホルモンおよび遺伝子、遺伝子フラグメントおよびプラスミド;ステロイド、特にステロイド系抗炎症剤または抗線維薬、例えば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、プロゲステロン様化合物、メドリゾン(HMS)およびフルオロメトロン;非ステロイド系抗炎症剤、例えば、ケトロラックトロメタミン、ジクロフェナックナトリウムおよびスプロフェン;抗生物質、例えば、ロリジン(セファロリジン)、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、アミカシン、トブラマイシン、メチシリン、リンコマイシン、オキシシリン、ペニシリン、アンホテリシンB、ポリミキシンB、セファロスポリン科、アンピシリン、バシトラシン、カルベニシリン、セホロチン、コリスチン、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシン、スルファセタミド、バンコマイシン、硝酸銀、スルフィソキサゾールジオラミン、およびテトラサイクリン;他の抗病原体、例えば、抗ウイルス薬、例えば、イドキスリジン、トリフルオロウリジン、ビダラビン(アデニンアラビノシド)、アシクロビル(アシクログアノシン)、ガンシクロビル、ピリメタミン、トリスルファピリミジン-2、クリンダマイシン、ナイスタチン、フルシトシン、ナタマイシン、ミコナゾールおよびピペラジン誘動体、例えば、ジエチルカルバマジン;毛様体筋麻痺薬および散瞳薬、例えば、アトロピン、シクロゲル、スコポラミン、ホマトロピンおよびミドリアシルが挙げられる。
【0022】
他の薬剤としては、抗コリン作用薬、抗凝固剤、抗線溶剤、抗ヒスタミン剤、抗マラリア薬、抗毒素、キレート化剤、ホルモン、免疫抑制剤、血栓溶解剤、ビタミン、塩、抗感作剤、プロスタグランジン、アミノ酸、代謝体および抗アレルギー剤が挙げられる。
【0023】
幾つかの活性成分を本発明のインプラント中に放出調節剤とともに提供することができる。ある治療的に活性な疎水性剤であって、放出調節剤からさらに恩恵を受け得るものとしては、シクロスポリン、例えば、シクロスポリンA、シクロスポリンGなど;ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン;メトトレキサート;レチノイン酸;ある抗生物質、例えば、アンサマイシン、例えば、リファンピン;ニトロフラン、例えば、ニフロキサジン;非ステロイド系抗炎症剤、例えば、ジクロフェナック、ケテロラック、フルルビプロフェン、ナプロキセン、スプロフェン、イブプロフェン、アスピリンなどが挙げられる。すでに記載されたもの、並びに他のもの、例えば、エストロゲン、プロゲステロンなどをはじめとするステロイドが重要である。
【0024】
本発明のインプラントは、2種またはそれ以上の活性剤の治療的組み合わせであって、薬剤の持続放出を提供するものも含み得る。組み合わせは、上記のステロイドを疎水性薬として、また水溶性抗生物質、例えば、アミノグリコシド、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、およびバンコマイシン;アムフェニコール、例えば、クロラムフェニコール;セファロスポリン、例えば、セファゾリンHCl;ペニシリン、例えば、アンピシリン、ペニシリン、カルベニシリン、オキシリン、メチシリン;リンコサミド、例えば、リンコマイシン;ポリペプチド抗生物質、例えば、ポリミキシンおよびバシトラシン;テトラサイクリン、例えば、テトラサイクリン;キノロン、例えば、シプロフラキシンなど;スルホンアミド、例えば、クロラミンT;およびスルホン、例えば、スルファニリン酸を親水性物質として含み得る。上記の非ステロイド系抗炎症剤と水溶性抗生物質の組み合わせも重要である。抗ウイルス薬、例えば、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシンと上記のステロイド系または非ステロイド系抗炎症剤との組み合わせが重要である。
【0025】
組み合わせられた抗炎症剤、および抗生物質または抗ウイルス薬を、さらなる治療薬とさらに組み合わせることができる。さらなる薬剤は、独立して用いることもできるし、あるいは他の組み合わせにおいて用いることもでき、鎮痛剤、例えば、コデイン、モルフィン、ケテロラック、ナプロキセンなど、麻酔剤、例えば、リドカイン;βアドレナリン遮断薬またはβアドレナリン作用物質、例えば、エフェドリン、エピネフリンなど;アルドース還元酵素阻害剤、例えば、エパルレスタット、ポナルレスタット、ソルビニル、トルレスタット;抗アレルギー薬、例えば、クロモリン、ベクロメタゾン、デキサメタゾン、およびフルニゾリド;コルチシンであり得る。抗蠕虫薬、例えば、イベルメクチンおよびスラミンナトリウム;抗アメーバ薬、例えば、クロロキンおよびクロルテトラサイクリン;および抗真菌薬、例えば、アンホテリシンなどを独立して使用し、および/または抗生物質および/または抗炎症剤とともに同時処方することができる。眼内用途に関して、抗緑内障薬、例えば、アセトゾラミド、ベフノロールなどの単独または抗炎症剤および抗菌剤との組み合わせが重要である。腫瘍の治療に関して、抗腫瘍剤、または抗腫瘍剤、特に、ビンブラスチン、ビンクリスチン、インターフェロンα、βおよびγ、抗代謝体、例えば、葉酸類似体、プリン類似体、ピリミジン類似体との組み合わせを用いることができる。免疫抑制剤、例えば、アザチプリン、シクロスポリンおよびミゾリビンは単独または組み合わせにおいて重要である。有糸薬、例えば、カルバコール、散瞳薬、例えば、アトロピンなど、プロテアーゼ阻害剤、例えば、アプロチニン、カモスタット、ガベキサート、血管拡張薬、例えば、ブラジキニンなど、および様々な成長因子、例えば、上皮成長因子、塩基性線維芽細胞成長因子、神経成長因子なども有用な単独または組み合わせに含まれる。
【0026】
さらなる治療薬、例えば、抗代謝体および/または抗生物質は単独または組み合わせにおいて有用である。抗代謝体は、葉酸類似体(例えば、デノプテリン、エダトレキサート、メトトレキサート、ピリトレキシム、プテロプテリン、Tomudex(登録商標)、トリメトトレキサート)、プリン類似体(例えば、クラドリビン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チアグアニン)、およびピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ドキシフルリジン、エミテフル、エノシタビン、フロキスリジン、フルオロウラシル、ゲンシタビン、テガフル)を包含するが、これらに限定されない。
【0027】
ステロイド系抗炎症剤に関して、好ましくは、薬剤は、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニソロン、フルランドレノリド、フルチカソンプロピオネート、ホルモコルタール、ハルシノニド、ハロベタソールプロピオネート、ハロメタゾン、ハロプレドンアセテート、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノ-アセテート、燐酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、およびトリアムシノロンヘキサアセトニドからなる群から選択される。好ましい実施態様において、ステロイド系抗炎症剤は、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、およびトリアムシノロンからなる群から選択される。さらに好ましい実施態様において、ステロイド系抗炎症剤はデキサメタゾンである。もう一つ別の実施態様において、生分解性インプラントは、1より多いステロイド系抗炎症剤を含む。
【0028】
使用できる特定の抗生物質としては、抗菌性抗生物質、例えば、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、フォルチマイシン、ゲンタマイシン、イセパマイシン、カナマイシン、ミクロノマイシン、ネオマイシン、ネオマイシンウンデシレネート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、トロスペクトマイシン)、アムフェニコール(例えば、アジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール、チアムフェニコール)、アンサマイシン(例えば、リフアミド、リファムピン、リファマイシンsv、リファペンチン、リファキシミン)、β-ラクタム(例えば、カルバセフェム(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム(例えば、ビアペネム、イミペネム、メロペネム、パニペネム)、セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフカペンピボキシル、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェパイム、セフェタメット、セフィキシム、セフメトキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セファゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリルナトリウム、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン、セファロチン、セファピリンナトリウム、セフラジン、ピバセファレキシン)、セファマイシン(例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、セフミノクス、セフォテタン、セフォキシチン)、モノバクタム(例えば、アズトレナム、カルモナム、チゲモナム)、オキサセフェム、フロモキセフ、モキサラクタム)、ペニシリン(例えば、アミジノシリン、アミジノシリンピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アパルシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、カルベニシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリンナトリウム、メズロシリン、ナフシリンナトリウム、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメート塩酸塩、ペニシリンgベネタミン、ペニシリンgベンザチン、ペニシリンgベンズヒドリルアミン、ペニシリンgカルシウム、ペニシリンgヒドラバミン、ペニシリンgカリウム、ペニシリンgプロカイン、ペニシリンn、ペニシリンo、ペニシリンv、ペニシリンvベンザチン、ペニシリンvヒドラバミン、ペニメピシリン、フェネチシリンカリウム、ピペラシリン、ピバンピシリン、プロピシリン、キナシリン、スルベニシリン、スルタミシリン、タランピシリン、テモシリン、チカルシリン)、その他(例えば、リチペネム)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン)、マクロライド(例えば、アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンアシストレート、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシングルコヘプトネート、エリスロマイシンラクトビオネート、エリスロマイシンプロピオネート、エリスロマイシンステアレート、ジョサマイシン、ロイコマイシン、ミデカマイシン、ミオカマイシン、オレアンドマイシン、プリマイシン、ロキタマイシン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、トロレアンドマイシン)、ポリペプチド(例えば、アンホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンデュラシジン、エンビオマイシン、フサフンジン、グラミシジンs、グラミシジン(s)、ミカマイシン、ポリミキシン、プリスチナマイシン、リストセチン、テイコプラニン、チオストレプトン、ツベルアクチノマイシン、チロシジン、チロスリシン、バンコマイシン、ビオマイシン、バージニアマイシン、亜鉛バシトラシン)、テトラサイクリン(例えば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、グアメサイクリン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、テトラサイクリン)、その他(例えば、シクロセリン、ムピロシン、ツベリン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
合成抗菌剤、例えば、2,4-ジアミノピリミジン(例えば、ブロジモプリム、テトロキソプリム、トリメトプリム)、ニトロフラン(例えば、フラルタドン、フラゾリウムクロリド、ニフラデン、ニフラテル、ニフルホリン、ニフルピリノール、ニフルプラジン、ニフルトイノール、ニトロフラントイン)、キノロンおよび類似体(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、グレパフロキサシン、ロメフロキサシン、ミロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジキシン酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキソリニン酸、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ピペミジン酸、ピロミジン酸、ロソキサシン、ルフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トロバフロキサシン)、スルホンアミド(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、クロラミン-b、クロラミン-t、ジクロラミンt、n2-ホルミルスルフイソミジン、n4-β-d-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4’-(メチルスルファモイル)スルファニルアニリド、ノプリルスルファミド、フタリルスルフアセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンズアミド、スルフアセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジクラミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロキシン酸、スルファメラジン、スルファメター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニラミド、4-スルファニラミドサリチル酸、n4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、n-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、スルフィソキサゾール)スルホン(例えば、アセダプソン、アセジアスルホン、アセトスルホンナトリウム、ダプソン、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム、ソラスルホン、スクシスルホン、スルファニリン酸、p-スルファニリルベンジルアミン、スルホキソンナトリウム、チアゾールスルホン)、その他(例えば、クロフォクトール、ヘキセジン、メテナミン、メテナミンアンヒドロメチレン-シトレート、メテナミンヒプレート、メテナミンマンデレート、メテナミンスルホサリチレート、ニトロキソリン、タウロリジン、キシボルノール)。
【0030】
抗真菌性抗生物質、例えば、ポリエン(例えば、アンホテリシンb、カンジシジン、デルモスタチン、フィリピン、フンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペシロシン、ペリマイシン)、その他(例えば、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ネオマイシンウンデシレネート、ピロルニトリン、シカニン、ツベルシジン、ビリジン)。
【0031】
合成抗真菌剤、例えば、アリルアミン(例えば、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン)、イミダゾール(例えば、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロルダントイン、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾールニトレート、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール)、チオカルバメート(例えば、トルシクレート、トルインデート、トルナフテート)、トリアゾール(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、テルコナゾール)、その他(例えば、アクリソルシン、アモロルフィン、ビフェナミン、ブロモサリチルクロルアニリド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロクス、クロキシキン、コパラフィネート、ジアムタゾール二塩酸塩、エキサラミド、フルシトシン、ハレタゾール、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、プロピオン酸ナトリウム、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウジョチオン、ウンデシレン酸、プロピオン酸亜鉛)。
【0032】
他の抗生物質および類似体(例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシンfl、アンスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、プロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ジノスタチン、ゾルビシン)、抗代謝体(例えば、葉酸類似体(例えば、デノプテリン、エダトレキサート、メトトレキサート、ピリトレキシム、プテロプテリン、Tomudex(登録商標)、トリメトトレキサート)、プリン類似体(例えば、クラドリビン、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン)、ピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ドキシフルリジン、エミテフル、エノシタビン、フロキスリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフル)も有用である。
【0033】
重要であるさらなる薬剤としては、ヒドロコルチゾン、ゲンタマイシン、5-フルオロウラシル、ソルビニル、IL-2、TNF、Phakan-a(グルタチオンの一成分)、チオラ-チオプロニン、ベンダザック、アセチルサリチル酸、トリフルオロチミジン、インターフェロン(α、βおよびγ)、免疫調節剤、例えばリンホカイン、モノカイン、および成長因子、サイトカイン、抗成長因子などが挙げられる。使用できる他の薬剤は、例えば、米国特許第4,327,725号、第4,474,451号、および第4,997,652号において見出すことができ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
インプラントまたはマイクロインプラントの均一性を最大にするために、活性成分を乾燥形態で提供し、均一な粒子サイズになるように調製することが望ましい。特に、活性成分を直径約80μm以下の粒子サイズで提供することが有利であるが、必要ではない。所望の活性成分に応じて、粒子は粒子サイズに従って分級することができ、所望の均一な粒子が得られる。本明細書においてさらに詳細に説明するように、かかる分別法は、ふるいおよび/または超求心粉砕装置の使用を含み得る。活性成分の粒子は、あるサイズ範囲内で提供することができる。例えば、活性成分粒子の集団は約50μmの平均直径を有し得る。かかる集団を用いて形成されるインプラントは、この平均粒子直径から1または2の標準偏差内の粒子を含み得る。ある実施態様において、活性成分粒子は3μmより大きな直径、または他の類似のサイズを有する。インプラントにおいて提供される粒子集団の粒子サイズを制御することにより、活性成分の放出特性および治療結果の増進を得ることができる。例えば、3μmより大きな直径を有する活性成分から形成されるインプラントは、活性成分の持続型放出を提供し、3μm未満の直径を有する粒子を用いては達成されないことのある治療効果をもたらす。
【0035】
ポリマー
用いられるポリマー組成物の選択は投与の部位、所望の治療期間、患者の耐容性、治療される疾患の性質などによって変わる。ポリマーの特性は、移植の部位での生分解性、重要である薬剤との適合性、生理学的環境における所望の半減期、水溶性などを包含する。選択されたポリマーまたはポリマー混合物は通常、形成されたインプラントの約10wt%から90wt%までのどこかであるが、特定の活性成分およびポリマーの組み合わせおよび所望の放出動態に応じて他の比も想定される。
【0036】
用いることができる生分解性ポリマー組成物は、有機エステルまたはエーテルであり、分解した場合、モノマーを包含する生理学的に許容される分解生成物を生じる。無水物、アミド、オルトエステルなどは、それ自体または他のモノマーとの組み合わせにおいて使用できる。ポリマーは縮合ポリマーである。ポリマーは架橋または非架橋であり得、通常、軽く架橋する程度で、一般に5%未満、通常1%未満架橋する。ほとんどの場合、炭素および水素以外に、ポリマーは酸素および窒素、特に酸素を含む。酸素はオキシ、例えば、ヒドロキシまたはエーテル、カルボニル、例えば、非オキソ−カルボニル、例えば、カルボン酸エステルなどとして存在することができる。窒素はアミド、シアノおよびアミノとして存在することができる。生分解性ポリマー、例えば、Helle, Biodegradable Polymers in Controlled Drug Delivery, in: CRC Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 第1巻 CRC Press、Boca Raton, FL (1987) に記載されているものが使用できる。
【0037】
ヒドロキシ脂肪族カルボン酸のポリマー(ホモポリマーまたはコポリマーのいずれか)、および多糖類が特に重要である。重要なポリエステルには、D-乳酸のポリマー、L-乳酸、ラセミ乳酸、グリコール酸、ポリカプロラクトン、およびその組み合わせが含まれる。L-ラクテートまたはD-ラクテートを用いることにより、ゆっくりと生分解するポリマーが得られ、一方、分解はラセミ化合物で実質的に促進される。グリコール酸および乳酸のコポリマーが特に重要であり、ここで、生分解の速度はグリコール酸と乳酸の比により制御される。ポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマー中のポリ乳酸の%は0〜100%、好ましくは約15〜85%、さらに好ましくは約35〜65%である。特に好ましい実施態様において、50/50 PLGAコポリマーが使用される。最も急速に分解するコポリマーは、ほぼ等量のグリコール酸と乳酸を有し、ここで、いずれかのホモポリマーが分解に対してより耐性である。グリコール酸と乳酸の比は、インプラントにおける脆性にも影響を及ぼし;サイズ、形状およびインプラントの意図される移植部位に応じて、より柔軟性の高いインプラントが望ましい。単独または組み合わせのいずれかにおいて、遊離酸末端基を有するPLGAコポリマーも重要である。ポリマー粒子のサイズは、好ましくは直径約1〜100μm、さらに好ましくは直径約5〜50μm、さらに好ましくは直径約9〜12μmであり、なおいっそう好ましくは直径約10μmである。本発明のインプラントの製造において用いられるポリマー粒子は、あるサイズ範囲において提供することができる。例えば、ポリマー粒子は約5μm〜約15μmの直径、または他のサイズを有することができる。ある実施態様において、ポリマー粒子の集団において約50%より多いポリマー粒子が約5μm〜約15μmの直径を有する。さらなる実施態様において、90%を超えるポリマー粒子が20μm未満の直径を有する。
【0038】
付加的成分
さらに、促進剤および遅延剤、例えば、米国特許第5,869,079号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものを包含する放出調節剤をインプラント中に含めることができる。使用される放出調節剤の量は、所望の放出特性、調節剤の活性、および調節剤の不在下での活性剤の放出特性に依存する。
【0039】
促進剤は、生理学的に不活性な水溶性ポリマー、例えば、低分子量メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);糖類、例えば、単糖類、例えばフルクトースおよびグルコース、二糖類、例えば、ラクトース、スクロース、または多糖類、例えば、セルロース、アミロース、デキストランなどである。あるいは、促進剤は生理活性剤であって、併用治療製剤を可能にする。このような場合における促進剤の選択は、治療活性の所望の組み合わせにより決定される。
【0040】
放出遅延剤は、親水性薬剤の放出速度を遅らせ、さらに長期にわたる放出特性を許容する疎水性化合物である。重要な親水性薬剤であって、放出調節から恩恵を受け得るものとしては、上記の水溶性抗生物質、ヌクレオチド類似体、例えば、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシン;エピネフリン;イソフルルフェート;アドリアマイシン;ブレオマイシン;マイトマイシン;ara-C;アクチノマイシンD;スコポラミンなどが挙げられる。
【0041】
放出遅延剤として重要な薬剤としては、非水溶性ポリマー、例えば、高分子量メチルセルロースおよびエチルセルロースなど、低水溶性有機化合物、および上記の医薬活性疎水性剤が挙げられる。
【0042】
他の薬剤を様々な目的のための製剤において用いることができる。例えば、緩衝剤および保存料を用いることができる。用いることができる水溶性保存料としては、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ポリビニルアルコールおよびフェニルエチルアルコールが挙げられる。これらの薬剤は、約0.001〜約5wt%、好ましくは約0.01〜約2%の各量で存在し得る。用いることができる好適な水溶性緩衝剤は、所望の投与経路に関してFDAにより認可された炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどである。これらの薬剤は、系のpHを2から9の間、好ましくは4から8の間に維持するために十分な量において存在し得る。したがって、緩衝剤は全組成物の重量基準で5wt%であり得る。電解質、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムも製剤中に含まれ得る。緩衝剤または促進剤が親水性である場合、これは放出促進剤としても作用し得る。親水性添加剤は、薬剤粒子を取り巻く物質のより速い溶解により放出速度を増加させるような働きをし、露出した薬剤の表面積を増大させ、これにより薬剤生体内分解の速度を増大させる。同様に、疎水性緩衝剤または促進剤は、よりゆっくりと溶解し、薬剤粒子の暴露を遅らせ、これにより薬剤生体内分解速度を遅らせる。
【0043】
活性成分、ポリマー、および他の改良剤の割合は、幾つかのインプラントを様々な割合で製剤化することにより実験的に決定できる。溶解または放出試験に関するUSP認可法を用いて、放出速度を測定することができる(USP 23; NF18 (1995) pp.1790〜1798)。例えば、無限シンク法(infinite sink method)を用いて、薬剤送達装置の秤量されたサンプルを、0.9% NaClを含有する測定された体積の水溶液に添加し、ここで、溶液体積は、薬剤濃度が放出後に飽和の5%未満であるようにする。混合物を37℃に維持し、ゆっくりと撹拌して、インプラントを懸濁液中に維持する。時間の関数としての溶解した薬剤の外観を当該分野において既知の様々な方法、例えば、分光光度法、HPLC、質量分析などにより、吸光度が一定になるまで、または90%を超える薬剤が放出されるまで追跡することができる。
【0044】
2.マイクロインプラントの特性
記載したように、本発明に従って調製されるインプラントおよびマイクロインプラントは、サイズ、形状および質量が非常に均一である。マイクロインプラントに関して、高度の均一性は非常に重要である。なぜなら、小さなサイズのマイクロインプラント、特に体積特性に対して大きな表面積を有するマイクロインプラントに関して、マイクロインプラントにおける小さな変動は放出された薬剤の量およびタイミングに大きく影響を及ぼし得るためである。特に、ポリマーに対して活性成分の濃度がより高いかまたは低いマイクロインプラント内の比較的小さな局在化スポットまたは領域(いわゆる「ホットスポット」または「コールドスポット」)でさえも、悪影響を及ぼし得る。特に、混合物における均一性のあらゆる変動は、局所的変化であっても、予想されるよりも大きく異なる量の活性成分の送達をもたらし得、眼の疾患または症状の治療を変更し得る。一方、より大きなインプラントにおける類似の局在化「ホットスポット」または「コールドスポット」はそれでも十分許容され、許容できる全体的な放出特性をもたらす。これは単により大きなインプラントの全体的な質量および表面積がより大きいためである。インプラントにおける活性成分の分布は、当業者により理解されるように、インプラントのバッチのインプラントのサンプルの含量均一性を調べることにより観察できる。
【0045】
本発明のマイクロインプラントは好ましくはモノリシック、すなわち、ポリマーマトリックス全体にわたって均一に分布した活性成分を有する。好ましくは初期に加熱された組成物から製造できるインプラントは、活性成分の均一なサイズの粒子および生分解性ポリマーの均一なサイズの粒子の均質な分布を含む。例えば、上記のように、あるサイズ範囲において活性成分粒子および/またはポリマー粒子を提供することができる。均一なサイズの粒子を用いることにより、インプラントの押し出しまたはさらなる加工の前に、活性成分およびポリマーの適切な混合ができる。押し出し後または押し出し中に、ポリマー粒子を溶融させて、連続マトリックスが形成される。用いられる特定のポリマー組成物の選択は、所望の放出動態、所望の移植部位、患者の耐容性、治療される疾患の性質などに応じて変わる。ポリマーの特性は、移植の部位での生分解性、関係のある薬剤との適合性、封入の容易性、水不溶性などを包含する。好ましくは、ポリマーマトリックスは薬物負荷が放出されるまでは完全に分解しない。
【0046】
本発明のマイクロインプラントの放出動態は、一つにはその表面積に依存する。表面積が大きいほど、より多くのポリマーが移植部位の局所的環境に暴露され、ポリマーによって取り込まれる薬剤粒子のより速い浸食および溶解をもたらす。マイクロインプラントの特定のサイズおよび形状を用いて、放出速度、治療期間、および移植部位での薬剤濃度を制御することができる。インプラントが大きいほど、それに比例してより多くの用量を送達するが、表面積対体積比に応じて、より遅い放出速度を有し得る。マイクロインプラントは、マイクロインプラントが所望の放出動態を有する限り、選択された挿入部位と適合性の任意のサイズまたは形状をとることができる。好ましくは、マイクロインプラントは押出フィラメントから(または射出成形フィラメントにより)製剤化され、これを次いで切断して、所望の製品が製造される。マイクロインプラントサイズの上限は、所望の放出動態、インプラントについての許容度、挿入に関するサイズの制限、取り扱いの容易さなどの因子により決定される。マイクロインプラントは、インプラントの挿入およびインプラントの順応の両方を促進するように、好ましくは少なくともいくらか柔軟性(すなわち、非脆性)である。非常に脆性であるマイクロインプラントは移植および取り扱いの間に破壊する危険性がある。脆性であるインプラントは、眼中へインプラントを挿入するために有用なインプラントアプリケーター中で移植および/または提供することができる。前述のように、アプリケーターが1またはそれ以上のマイクロインプラントを含有する場合、アプリケーターを挿入し、縫合する必要がなく眼から取り出すことができる。従って、前述のように、柔軟性または脆性インプラントを包含する本発明のインプラントは、少なくとも患者の眼中に設置する前に、実質的に固体のエレメントまたは薬剤送達装置であると理解され得る。形成されたマイクロインプラントが、眼中に挿入された後に、患者の視覚を妨害しない長さ(サイズ)を有するのがさらに望ましい。従って、マイクロインプラントの所望の長さは挿入位置に依存し得る。たとえば、硝子体腔中に眼の後方で挿入されたマイクロインプラントは、約10mmまで、好ましくは7mmまでの長さを有し、患者の視覚を妨害しないように選択できる。したがって、本発明のマイクロインプラントは、一般に、様々な用途および眼内の様々な位置での移植に関して、約10mm未満の長さを有することができる。強膜貫通移植の場合、長さよりもむしろ厚さがより重要である。
【0047】
本発明のインプラントの具体的実施態様において、円筒形または457μm(0.018インチ)以下の直径を有する円形断面積を有するマイクロインプラントが本明細書に記載されたプロセスを使用して形成される。このような寸法のマイクロインプラントは、22ゲージ薄壁または典型的には、483〜584μm(0.019〜0.023インチ)の内径を有する超薄壁ニードルに対応する寸法を有するカニューレを通して眼中に挿入できる。本発明のもう一つ別の具体的実施態様において、381μm(0.015インチ)以下の直径を有するマイクロインプラントが形成され、これは23ゲージ薄壁または406〜508μm(0.016〜0.020インチ)の典型的な内径を有する超薄壁ニードルに対応する寸法を有するカニューレを通過させることができる。これらの寸法を有するカニューレを挿入し、当業者に慣例的な技術、方法を用いて眼から抜き取ることができる。カニューレはインプラント注入装置の一構成要素であり、眼内の正常な流体圧にもかかわらず、眼に過度の流体を漏出させることなく、本発明のインプラントを挿入するように構成される。このような技術、方法、および装置は、マイクロインプラントを眼中に送達するセルフシーリング法を可能にし、カニューレが抜き取られた場合の穿刺部位の修復のための縫合または他の外科的処置の必要性を排除する。
【0048】
本発明のインプラントの他の実施態様において、非円形形状を有するマイクロインプラントを本明細書に記載された方法を用いて提供することができ、これは対応する断面形状を有するカニューレを通して送達することができる。例えば、本発明のインプラントの一実施態様において、このようなマイクロインプラントは、特定の断面形状に応じて、0.0016cm(0.00025平方インチ)以上の断面積を有するような構成にすることができる。
【0049】
3.製造方法
記載された寸法を有するマイクロインプラントを本明細書に記載された製造方法に従って高度の均一性で製造することができる。その結果、バッチ量のマイクロインプラントを調製することができ、ここで、各マイクロインプラントは、局所的変動、および/または寸法を包含する組成の変動に関して非常に狭い許容度内で製造される。製造方法の一例において、マイクロインプラントは、非常に高度の均一性を有する粒子サイズを有する1種またはそれ以上の活性成分、ポリマー、および/または他の任意の賦形剤(例えば、放出調節剤、緩衝剤など)の粒子を得、これらの粒子をブレンドして混合物にし、この混合物を押し出してフィラメントにし、これらのフィラメントを正確に切断して、所望のマイクロインプラントにすることにより製造される。これらのマイクロインプラントを所望の特徴に関して検査するためのさらなる品質制御法が提供される。別法として、これらの非常に均質なフィラメントをペレット化し、再押し出しするか、または射出成形することができる。少なくとも1つの実施態様において、本発明のマイクロインプラントはインプラント材料の二軸押出法を含む方法により形成される。
【0050】
さらに詳細には、本発明のプロセス例に従って、活性成分粒子、生分解性ポリマー粒子、および任意の賦形剤粒子を分別法に付して、非常に均一な粒子サイズを有する粒子を得ることができ、したがって、よく混合された場合に、混合物は活性成分およびポリマー粒子の非常に均一な分散物(dispersement)を含む。例えば、混合物の粒子は、粒子の混合物の平均粒子サイズの1または2の標準偏差以内にあり得る。すでに記載されているように、粒子サイズが十分制御されず、比較的広範囲の粒子サイズの活性成分が存在するならば、より大きな、またはより小さな粒子は混合物のある局所的領域における活性成分および結果として得られるインプラントのより高い、またはより低い濃度の原因となり得る。高濃度のこれらの領域は、混合物から製造される生分解性インプラント中の一貫しない用量レベルにつながり、従って、生分解性インプラントが治療するように設計された眼疾患または症状の治療が有効でなくなり得る。これもすでに記載されているが、粒子サイズにおけるある程度の変動は、大きなインプラントについては許容でき、多くの場合、活性成分における局所的変化はインプラントの全体的なサイズを考えれば本質的に自動的に無効になり得る。しかしながら、本発明のマイクロインプラント、特に高い表面積対体積比を有するものに関して、このような局所的変化はマイクロインプラント全体の比較的大きな部分を構成し得るので、このような程度の変動はマイクロ製造方法インプラントをあまり適さないものとし、所望の放出動態における望ましくない山および谷をもたらし得る。
【0051】
粒子は、装置、例えば、ふるいおよび/または超求心粉砕装置によって、粒子サイズに応じて分別することができる。プロセス例において、求心粉砕装置が用いられる。活性成分、ポリマー、および任意の賦形剤粒子の目標サイズは、個々のマイクロインプラントの最終処方要件に応じて変わり得る。一般的に、ポリマーに関して、ポリマー粒子のサイズは約1〜100μmの間、または約5〜50μmの間、または約9〜12μmの間、または約10μmである。本明細書において検討されるように、ポリマー粒子の集団の大部分は20μm未満の直径を有し得る。例えば、90%を超えるポリマー粒子の集団は、20μm未満の直径を有し得る。ある実施態様において、ポリマー粒子は、約10μm〜約15μmの平均粒子サイズを有し得る。活性成分粒子は約80ミクロン未満、または約1μm〜約20μm、または約2μm〜約8μm、または約5μmの直径を有し得る。本明細書において議論されるように、ある実施態様において、活性成分粒子は3μmを超える直径を有する。最適の結果を得るために、粒子が所望の目標直径の±10%間、好ましくは、±5%、さらに好ましくは、所望の目標直径の±2%の粒子サイズにおける許容度になるように分別されるのが望ましい。ランダムに生じる活性成分またはポリマーの微粒子を減少および/または排除し、過度に大きな粒子を減少および/または排除するなどによって、制御された粒子サイズを提供することにより、本発明のインプラントにおいて活性成分の高められた均一性または均質性を得ることができる。
【0052】
一つの特定の実施態様において、マイクロインプラントを形成するためにデキサメタゾン粒子が使用される。この実施態様において、デキサメタゾン粒子のすべては15μm未満の直径を有し、デキサメタゾン粒子の90%は5μm以下の直径を有する。
もう一つ別の特定の実施態様において、デキサメタゾン粒子の75%以上は10μm未満の直径を有し、デキサメタゾン粒子の99%以上は20μm未満の直径を有する。
【0053】
必要な許容度を満たす均一な粒子が得られた後、所望の量の活性成分を所望の量の生分解性ポリマー粒子および任意の賦形剤粒子とよくブレンドして、活性成分を混合物全体にわたって比較的均一に分散させる。所望の放出動態などをはじめとする様々な因子に応じて、具体的な相対量を調節することができる。それほど限定されないが、使用できる活性成分および生分解性ポリマーの具体的な割合の例は、米国特許第5,869,079号および米国特許第6,726,918号(米国特許出願第09/693,008号)に記載されており、いずれの特許も全体として参照により本明細書に組み込まれる。粒子のブレンド法の一例は1またはそれ以上のボールベアリングなどを容器中に所望の量の粒子とともに入れることを含む。この容器を次に市販のブレンダーまたは類似の装置中に入れ、混合物が十分にブレンドされるまで十分な期間撹拌することができる。
【0054】
粒子が十分ブレンドされた後、押出用に調製する。スクリュー押出機を使用する方法などの押出法の配合および混合効果は、活性成分およびポリマーのさらに高い均一性をもたらし、かつ保証し、ポリマーを活性成分粒子の周りに同時に融解させて、最終マイクロインプラント製品において局所的変化が起こる機会をさらに減少させる。
【0055】
ピストン押出機が使用されるならば、典型的には、ブレンドされた混合物を少しずつ適当なパッキングバレルに移し、加圧装置中に入れて、圧縮し、混合物から空気ボイドを除去する。ピストン押出機を用いる場合、インプラント成分の均質性を改善するために追加の加工段階が望ましい。パッキングバレル中で混合物の第一部分を適切に圧縮した後、混合物の別の部分をパッキングバレルに添加し、パッキングバレルが完全にロードされるまでプロセスをさらに数サイクル繰り返すことができる。所望の量の混合物がパッキングバレルに添加された後、パッキングバレルを押出機中に充填し、押し出して、フィラメントを形成することができる。
【0056】
混合物が押し出されてフィラメントになる際に、混合物を融解させ、連続して撹拌する二軸押出機が好ましい。さらに、通常のスクリューおよびバレルに対して円錐形スクリューおよびバレルを有する二軸押出機を用いるのが好ましい。混合物の融解および連続攪拌のこの組み合わせは、押し出されたフィラメント中の混合物の均質性の程度を維持し、さらには改善することもでき、これにより押し出されたフィラメントの長さに沿った活性成分における局所的変化の形成に対して保護する。さらに高い均質性を得るために、これらの押し出されたフィラメントを通常の切断または粉砕によりペレットにし、次いで再押出または射出成形のいずれかをすることができる。
【0057】
押出機スクリューの回転速度、押出機のバレルの温度および圧力、および/またはダイ形状を制御することにより、所定の形状を有するフィラメントが押し出される。押出機ダイまたはノズルの形状、特に、直径、長さ−直径(l/d)比、およびダイまたはノズル加工は、適用された押出引っ張り速度と一緒に、押し出されたフィラメントの最終直径を決定する。ダイまたはノズルは典型的には、約1:1〜10:1のl/d比を有し、さらに円筒形または非円形断面形状を包含する様々な形状を有することができる。一例として、22ゲージカニューレを通した送達が可能なマイクロインプラントを得るために、例えば、5cc容量(閉鎖バッチ)を有し、連続方式において使用できる二軸スクリュー押出機および円錐バレルおよびスクリューを用いることができる。押出機は、90〜110℃の温度、100〜150rpmのスクリュー速度で操作することができる。ある実施態様において、混合物を押出機のバレル中、第一温度、例えば、105℃で押し出し、押出機のノズルにおいて第二温度、例えば、102℃で、120rpmの回転で押し出すことにより、インプラントを製造することができる。これは、第一押出段階であると理解される。押し出された混合物を次いで、バレル中107℃、ノズル中90℃の温度での第二押出に付し、スクリュー中100rpmで回転させ得る。押出機に直径0.4〜0.5mmの範囲、全長/直径比が約1〜10、例えば2〜6であるノズルを取り付けることができる。結果として得られるフィラメントは483μm(0.019インチ)以下の直径を有することができ、切断して、同じ寸法の直径を有するマイクロインプラントを得ることができる。本発明のインプラントのある実施態様において、フィラメントまたはマイクロインプラントの目標直径は、457μm(0.018インチ)である。
【0058】
押し出されたフィラメントに関する引っ張り速度は、フィラメントの最終直径にも影響を及ぼし得る。例えば、押し出されたフィラメントが押出機から、押し出されたフィラメントの直径が縮小する速度で引っ張られるならば、押し出されたフィラメントの最終直径は押出ダイまたはノズルよりも小さくなる。このようにして、例えば、直径48.3μm(0.0019インチ)未満の押し出されたフィラメントを、直径483μm(0.019インチ)以上の押出ダイまたはノズルを取り付けた押出機から形成することができる。
【0059】
連続フィラメントが押出ダイから出てくる際、このフィラメントを切断して、さらなる加工および取り扱いにとって都合のよい長さ、典型的には15.2cm(6インチ)程度にすることができる。フィラメントを押し出し、実用的長さにした後、フィラメントをさらに所望の長さに正確に切断して、所望のマイクロインプラントを形成することができる。形成されたマイクロインプラントの長さは1mm以下であるか、または6または7mmまたはさらにはそれ以上の長さであってよい。形成されたマイクロインプラントの長さに対する制限は、それ自体製造プロセスの関数でなく、むしろマイクロインプラントの使用における実際的制限の関数である。例えば、10mm以上のような長いマイクロインプラントは、硝子体中に配置された場合に患者の視覚に影響を及ぼし得る。さらに、このような長いマイクロインプラントは単にその長さのために通常の取り扱いにおいてより破損しがちになり得る。
【0060】
第二押出後、押し出されたフィラメントを均一な長さに正確に切断する能力は、特にマイクロインプラントが比較的高い長さ対直径比を有し、従って比例して高い表面積対体積比を有することを考慮すると、所望の用量の活性成分を均一に送達することができるインプラントまたはマイクロインプラントを得るために重要になる。すなわち、長さにおける変化は、典型的な大きなインプラントの場合のように、これらの比が小さい場合に起こるよりも大きな影響を送達される活性成分の量に対して及ぼす。マイクロインプラントを正確に切断するための一方法は、振動ワイヤソーと、押し出されたフィラメントを保持するために設計された切断プラットホームまたは支持体とを組み合わせた系を使用する。この例において、プラットホームまたは他の支持体は、フィラメントを所定の位置に、例えば、真空を用いて保持するような構成である。ワイヤソーは好ましくは、より高い切断正確性のためにダイアモンドを埋め込まれたワイヤを有する構成である。振動運動でフィラメントをゆっくりと切断することによりフィラメントを比較的なめらかに切断することができる。なめらかで正確な切断を維持するために、切断中に生じた任意の破片を除去して、切断部位が付着物のない状態に維持することが有利である。ここでも、例えば、真空源の使用によりこれを達成することができる。第一の所望の切断がなされた後、プラットホームまたはワイヤソーのいずれかを再配置してフィラメントにおける別の切断を可能にする。あるいは、プラットホームおよびワイヤソーのどちらもを再配置して、フィラメントにおいて別の切断を可能にする。バッチ量の所望のマイクロインプラントを製造するために、このプロセスを繰り返すことができる。
【0061】
本発明のマイクロインプラントを製造するためのもう一つ別の方法は、ギロチンカッター装置の使用を含む。好ましくは、カッター装置の操作は自動化される。例えば、自動ギロチンカッター装置はフィラメントからインプラントを正確かつ再現性よく形成するために使用することができる。ある実施態様において、これは、フィラメントが移動する速度に基づく所定の速度でインプラントを切断または形成するように構成された切断器具を、1またはそれ以上のフィラメントに通過させることにより行うことができる。自動化ギロチンカッター装置などを使用して他の方法を用いることができる。
【0062】
フィラメントが所望の長さに正確に切断されて、マイクロインプラントのバッチが得られた後、バッチ中のマイクロインプラントのそれぞれを検査し、分別することができる。様々な技術を用いることができ、そのそれぞれはマイクロインプラントの特定の態様、例えば、寸法、質量、重量、含量均一性、活性成分有効性、活性成分放出特性などを測定して、マイクロインプラントそれ自体および/またはマイクロインプラントのバッチが分散の精度要件を満足するかどうかを判定する。かかる測定に基づいて、マイクロインプラントまたはマイクロインプラントのバッチは使用に関して受容されるか、または拒絶され得る。
【0063】
このような一方法において、異なる所定の位置または角度からマイクロインプラントのバッチまたは集団の各マイクロインプラントの光学測定値を得ることができる。光学測定値をアルゴリズムと比較して、マイクロインプラントがマイクロインプラントの測定されたサイズおよび形状に基づいて所望の目標量の活性成分を含むかどうか、および活性成分の適切な放出動態を行うためにマイクロインプラントが適切な形状および/または表面特性を含むかどうかを判定することができる。この比較は、所望の含量均一性、例えば、活性成分/ポリマー比に基づき得る。この比較に基づいて、マイクロインプラントは受容されるかまたは拒絶されるかのいずれかである。
【0064】
マイクロインプラントが活性成分および生分解性ポリマーのモノリシック混合物である、もう一つ別の方法において、マイクロインプラントの容認または拒絶は、マイクロインプラントのそれぞれの質量が許容差内であるかどうかに基づいて決定できる。この許容度は、活性成分の許容可能な用量レベルに基づいて決定できる。ほとんどの用途に関して、許容度はインプラントの所望の目標質量±10wt%、好ましくは±5wt%、さらに好ましくは±2wt%である。あるいは、質量における任意の変化は正規分布である可能性が高く、従って平均質量は目標質量に対応し、標準偏差が小さいほど、所望の目標質量からのいずれか一つのインプラントの偏りが小さいという原則に基づいて、マイクロインプラントのバッチの合格はバッチの相対的質量標準偏差の関数であり得る。ここでも、ほとんどの用途に関して、マイクロインプラントのバッチの許容可能な質量標準偏差は、6以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。質量標準偏差基準を使用する利点は、バッチのひとつひとつのマイクロインプラントを個々に秤量するのでなく、多数のマイクロインプラントを含有するバッチを確実に容認または拒絶するために統計的に有意な数のマイクロインプラントの質量測定に基づくことができる点である。マイクロインプラントの許容度および検査を用いて、とりわけ薬剤含量、含量均一性、および薬物放出特性を、個別に、または組み合わせのいずれかで調べることができる。
【0065】
4.インプラント/マイクロインプラントの投与
すでに記載されているように、本発明のインプラントおよびマイクロインプラントは、眼疾患および症状を治療するために眼の様々な位置に挿入または移植することができる。従って、本発明のインプラントは、眼疾患の1またはそれ以上の症状を治療するため、または疾患を完全に治療するために、患者、例えば、個人に投与することができる。インプラントまたはマイクロインプラントは、インプラントの形状および処方、治療される症状などに応じて、様々な部位に移植することができる。好適な部位としては、前房、後房、硝子体腔、脈絡膜上腔、結膜下、強膜上、角膜内、角膜上および強膜が挙げられる。硝子体の外側の好適な部位は、脈絡膜上腔、扁平部などを含む。移植は脈絡膜内または脈絡膜上であってよい。脈絡膜上は強膜壁と併置脈絡膜間にある潜在空隙である。脈絡膜上に導入されるインプラントは、インプラントの薬剤からの拡散、インプラント中に含まれる薬剤の濃度などに応じて、薬剤を脈絡膜および解剖学的に併置された網膜に送達することができる。移植は網膜内または網膜下、ならびに強膜内または強膜上であってもよい。さらに髄膜腔、視神経、および/または視神経中への移植は、中枢神経系中への薬剤送達を可能にし、これにより血液−脳バリヤが交差し得るメカニズムを提供する。
【0066】
硝子体中に直接導入されるインプラントは、硝子体腔中に薬剤を放出して、薬剤を眼組織の後ろ、例えば、網膜に到達させるか、または眼の前部に移動させて、水晶体または前房組織を治療することができる。インプラントおよびマイクロインプラントを、無血管領域上または中に導入することができる。無血管領域は、天然に存在する、例えば扁平部であってもよいし、あるいは外科的方法により無血管にされる領域であってもよい。手術により誘発された無血管領域は、当該分野において既知の方法、例えば、レーザー切断、光凝固、凍結療法、加熱凝固、焼灼などにより眼において生成させることができる。このような無血管領域を治療の所望の部位、特に治療の所望の部位が扁平部から離れているか、あるいは扁平部でのインプラントの配置が不可能である場所の上またはその付近で生成させるのが特に望ましい。インプラントを無血管領域上に導入することにより、薬剤がインプラントから眼の内部へ拡散することが可能になり、薬剤の血流への拡散が回避される。移植の他の部位は、抗腫瘍薬の腫瘍性病変、例えば、腫瘍、または病巣部分、例えば、周辺組織への送達、あるいは腫瘍塊が除去された状況においては、あらかじめ除去された腫瘍に隣接する組織および/または腫瘍の除去後に残存する空洞への送達を包含する。
【0067】
インプラントおよびマイクロインプラントを様々な通常の方法、例えば、外科的手段、例えば外科的切開および配置法、またはトロカールの使用により投与することができる。すでに示されているように、このような方法は典型的には、外科的設定(セッティング)において行われ、まず眼において切開することを必要とし、処置の完了時に縫合しなければならない。本発明に従って生成したマイクロインプラントの多くの利点のうちの一つは、その非常に小さなサイズのために、このような他の方法により必要とされる切開および縫合を回避するセルフシーリング法を用いて移植できることである。特に、マイクロインプラントを投与するセルフシーリング法は、当業者に既知の技術、方法により行うことができる。
【実施例】
【0068】
以下の実施例は、本発明のよりよい理解を与えることを意図する。しかしながら、これらの実施例は説明のためのものであって、制限のためのものではない。
【0069】
実施例1
一軸押出されたマイクロインプラントの調製
眼の硝子体腔中に挿入されるマイクロインプラントを次のようにして調製した。活性剤デキサメタゾンを生分解性ポリマーとしての50/50ポリ乳酸-ポリグリコール酸(PLGA)と混合した。薬剤およびポリマーを、60/30/10重量比で、デキサメタゾン(Pharmacia Corp.、Peapack、NJ)、50/50の遊離酸末端を有するPLGA(RG502H、Boehringer Ingelheim GmbH、Germany)、および50/50のPLGA(RG502、Boehringer Ingelheim GmbH、Germany)とそれぞれ十分に混合した。
【0070】
20g以下の薬剤−ポリマーブレンドのバッチを次いで、連続方式で使用できる5cc容量(閉鎖バッチ)二軸押出機(DACA MicroCompounder、DACA Instruments、Goleta、CAまたはHaake Minilab、Thermo Haake、Madison、WI)中に供給した。押出機は、通常の円筒形バレルに対して、円錐スクリューおよびバレルを有する構成である。押出機を90〜110℃の温度、20〜30 rpmのスクリュー速度、500〜2000Nで操作した。0.4〜0.5mmの範囲の直径を有し、全長/直径比が2〜6である様々なノズルを押出機に取り付けた。典型的には25.4cm(10インチ)までの長さの押し出されたフィラメントを集め、フィラメントの最終直径を押出引っ張り速度により調節した。
【0071】
自動ギロチンカッターを使用して、直径約457μm(約0.018インチ)のフィラメントをさらに正確に切断して、直径約457μm(約0.018インチ)、長さ6mm、マイクロインプラントあたり約700μgのデキサメタゾンを含有する円筒形マイクロインプラントのバッチを製造した。
【0072】
同様に、直径381μm(0.015インチ)のフィラメントを長さ10mmに正確に切断し、直径381μm(0.015インチ)、長さ10mm、同様にマイクロインプラントあたり約700μgのデキサメタゾンを含有する円筒形マイクロインプラントのバッチを製造した。
【0073】
実施例2
二軸押出されたマイクロインプラントの調製
Haake Minilabでの二軸押出を用いて実施例1に記載されている80gの薬剤/ポリマーブレンドのバッチを押出フィラメントに形成した。実施例1に記載されるように、自動ギロチンカッターを用いてマイクロインプラントを形成した。
【0074】
実施例3
質量測定に基づくデキサメタゾンマイクロインプラント(700μg)の検査および容認
実施例2と同様に、マイクロインプラントのバッチを製造した。バッチの一部を重量、寸法、含量均一性、および放出特性の検査に付した。各マイクロインプラントの目標質量は、合計約1.2mg(例えば、1.167mg)であり、その700μgはデキサメタゾンであり、残りはポリマーである。目標質量±10%(±0.1167mg)以内の重量のマイクロインプラントは許容できると見なされる(例えば、1.050mg〜1.284mgの重量範囲を有するインプラント)。
【0075】
インプラントの含量均一性は85.0%LS〜115.0%LSであった。
【0076】
以下の表に、インプラントの1つのバッチからのインプラントの重量の結果をまとめて示す。
【0077】
【表1】

【0078】
上記インプラントの平均重量は1.176mgであった。このインプラントのバッチは0.012の標準偏差および1.06%の%RSD(相対標準偏差)を有していた。
【0079】
上記方法により製造されるマイクロインプラントの集団において、1321マイクロインプラントの平均直径は457μm(0.0181インチ)であり、標準偏差は0.0002、%RSDは1.10%であった。
【0080】
上記方法により製造されるマイクロインプラントの集団において、1302マイクロインプラントの平均長さは5.83mm(0.2295インチ)で、標準偏差は0.0011、%RSDは0.48%であった。
【0081】
10個のマイクロインプラントのもう一つ別の集団において、マイクロインプラントの平均重量は1177.8μgで、標準偏差は13.77、%RSDは1.17%であった。マイクロインプラントのこの集団中のデキサメタゾンの平均重量(mg)は0.70mgであり、標準偏差は0.01、%RSDは1.24%であった。デキサメタゾンの平均パーセンテージ(規格化重量)は99.11%であって、標準偏差は0.22、%RSDは0.22であった。目標質量0.7mgでのデキサメタゾンの平均パーセンテージは100.06%であって、標準偏差は1.24、%RSDは1.24であった。マイクロインプラントのこの集団の一部の放出特性は、約10%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約7日で放出され、約40〜50%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約14日で放出され、約70〜80%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約21日で放出されたことを示していた。
【0082】
10個のマイクロインプラントのもう一つ別の集団において、マイクロインプラントの平均重量は1160.5μgであって、標準偏差は8.33、%RSDは0.72%であった。マイクロインプラントのこの集団中のデキサメタゾンの平均重量は0.684mgであった。デキサメタゾンの平均パーセンテージ(重量正規化)は98.14%であり、標準偏差は0.50、%RSDは0.51であった。目標質量0.7mgのデキサメタゾンの平均パーセンテージは97.62%であって、標準偏差は0.75、%RSDは0.77であった。マイクロインプラントのこの集団の一部の放出特性は、10%未満のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約7日で放出され、約50〜70%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約14日で放出され、約80〜90%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約21日で放出されたことを示していた。
【0083】
10個のマイクロインプラントのもう一つ別の集団において、マイクロインプラントの平均重量は1.1582mgであり、標準偏差は0.02、%RSDは2.1%であった。マイクロインプラントのこの集団中のデキサメタゾンの平均重量は0.682mgであった。デキサメタゾンの平均パーセンテージ(重量正規化)は98.02%であって、標準偏差は0.24、%RSDは0.25であった。目標質量0.7mgでのデキサメタゾンの平均パーセンテージは97.31%であり、標準偏差は2.18、%RSDは2.24であった。マイクロインプラントのこの集団の一部の放出特性は、10%未満のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約7日で放出され、約40〜60%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約14日で放出され、約70〜80%のデキサメタゾンが水性環境中に配置後約21日に放出されたことを示していた。
【0084】
本発明をある実施態様、構成、実施例、用途、および実験に関して記載したが、様々な修正および変更を本発明から逸脱することなく行うことができることは当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.1種またはそれ以上の活性成分および1種またはそれ以上の生分解性ポリマーを混合し、ブレンドして混合物を得る工程、
b.円錐形スクリューおよびバレルを有する二軸押出機を用いて、該混合物をフィラメントに押出成形する工程、
c.自動ギロチンカッターを用いて該フィラメントを正確に切断して、所望の目標重量を有する複数のマイクロインプラントを得る工程
を含んでなる眼用マイクロインプラントの集団の製造方法であって、
各マイクロインプラントが、1種またはそれ以上の活性成分および1種またはそれ以上の生分解性ポリマーの均質混合物を含み、483μm(0.019インチ)以下の直径を有し、所望の目標質量の10wt%以内の質量を有する、製造方法。
【請求項2】
各マイクロインプラントが所望の目標質量の5wt%以内の質量を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
各マイクロインプラントが381μm(0.015インチ)以下の直径を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
各マイクロインプラントが10mm以下の長さを有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
各マイクロインプラントが7mm以下の長さを有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
各マイクロプラントが1mm以下の長さを有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーがポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーである請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記1種またはそれ以上の活性成分が抗炎症剤である請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記抗炎症剤が、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、およびトリアムシノロンからなる群から選択されるステロイド系抗炎症剤である請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記抗炎症剤がデキサメタゾンである請求項8に記載の製造方法。
【請求項11】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーがポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーである請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーが、ポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーおよび遊離酸末端を有するポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーの混合物を含む請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をさらに含む請求項8に記載の製造方法。
【請求項14】
a.1種またはそれ以上の活性成分および1種またはそれ以上の生分解性ポリマーを混合し、ブレンドして混合物を得る工程、
b.円錐形スクリューおよびバレルを有する二軸押出機を用いて、該混合物をフィラメントに押出成形する工程、
c.自動ギロチンカッターを用いて該フィラメントを正確に切断して、所望の目標重量を有する複数のマイクロインプラントを得る工程
を含んでなる眼用マイクロインプラントの集団の製造方法であって、
各マイクロインプラントが1種またはそれ以上の活性成分および1種またはそれ以上の生分解性ポリマーの均質混合物を含み、483μm(0.019インチ)以下の直径を有し、複数のマイクロインプラントの質量標準偏差は5以下である、製造方法。
【請求項15】
複数のマイクロインプラントの質量標準偏差が2以下である請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
各マイクロインプラントが381μm(0.015インチ)以下の直径を有する請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
各マイクロインプラントが10mm以下の長さを有する請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
各マイクロインプラントが7mm以下の長さを有する請求項14に記載の製造方法。
【請求項19】
各マイクロインプラントが1mm以下の長さを有する請求項14に記載の製造方法。
【請求項20】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーがポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーである請求項14に記載の製造方法。
【請求項21】
前記活性成分が抗炎症剤である請求項14に記載の製造方法。
【請求項22】
前記抗炎症剤が、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、およびトリアムシノロンからなる群から選択されるステロイド系抗炎症剤である請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記抗炎症剤がデキサメタゾンである請求項21に記載の製造方法。
【請求項24】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーがポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーである請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記1種またはそれ以上の生分解性ポリマーが、ポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーおよび遊離酸末端を有するポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーの混合物を含む請求項23に記載の製造方法。
【請求項26】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をさらに含む請求項21に記載の製造方法。

【公開番号】特開2013−67644(P2013−67644A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−271663(P2012−271663)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2007−558066(P2007−558066)の分割
【原出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】