説明

眼疾患を治療するための組成物

本発明は、カロテノイドと、相乗的治療可能性を提供する補助薬との混合物を含有する医薬組成物に関する。本発明の組成物は、眼に対して経口的に又は局所的に投与することができ、加齢性黄斑変性症(AMD)、緑内障、糖尿病性網膜症及び白内障などの眼疾患を予防、軽減又は治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科学の分野、詳細には加齢性黄斑変性症(AMD)及びその他の眼疾患を治療するのに有用な組成物に関する。新規な製剤は、カロテノイドと生物学的活性のあるそれらの補助薬との混合物を含有し、相乗的な治療可能性を提供する。
【背景技術】
【0002】
眼の病理学
加齢性黄斑変性症(AMD)、白内障、糖尿病性網膜症及び緑内障を含む眼疾患は、世界的には数百万の人々を襲う失明の主要原因である。世界的な集団が高齢化するので、襲われた個人の数は相当に増加すると予想される。
【0003】
黄斑変性、又は加齢性黄斑変性症(AMD)は、網膜の中心部分を襲い、米国の65歳を超える人々における失明の主要原因である。AMDは、1,300万の人々を襲い、約120万人に障害を引き起こす。AMDの罹患率は、年齢と共に、55〜64歳の患者での16.8%から65〜74歳の患者での25.6%に、さらには75歳以上の患者での42%まで増大する。AMDには2つのタイプ、すなわち、乾性及び湿性がある。乾性AMDは、患者全体の約90%を占め、時には萎縮性、非滲出性、又はドルーゼン状黄斑変性と呼ばれる。乾性AMDでは、ドルーゼンと呼ばれる沈着物が、黄斑の下の網膜色素上皮(RPE)組織に蓄積する。これらの沈着物は、これらの細胞の進行性変性を引き起こして黄斑中の光受容体の機能を妨害すると考えられる。乾性AMDに由来する視力喪失は、多年にわたって極めて徐々に現われる。乾性AMDは、湿性AMDに進行することも多い。湿性AMDでは、異常な血管が黄斑の下で成長する。これらの血管は、血液及び分泌液を黄斑中に漏出し、それによって、光受容体細胞を損傷する。湿性AMDは、急速に進行し、中央部視力に重篤な損傷を引き起こす場合がある。湿性AMDが早期に診断されたなら、レーザー手術が、漏れやすい血管を破壊することによって、中央部視力の広範な喪失を防ぐことができる。非外科的治療は、有効でない。
【0004】
糖尿病性網膜症(DR)は、網膜血管の変化によって引き起こされる、糖尿病の合併症である。網膜中の損傷血管は、血液を漏出し、壊れ易いブラシ状支流及び瘢痕組織を成長させる。このことが、網膜が脳に送る視覚画像を不鮮明にするか、又はゆがませる。DRは、米国における失明の主要原因であり、非治療糖尿病は、一般的集団よりも失明のリスクが高い。
【0005】
白内障は、世界における失明の主要原因であり、65歳以上の人々に関する可逆的失明の主要原因である。白内障は、眼水晶体の透明性の喪失であり、かすみ目、眩しさ、光敏感性、夜間視力低下、光周辺のハロー、及び色歪みを引き起こす。米国では、約400万人が白内障を有し、1年に4万人が白内障を発症する。76歳を超える平均余命で、白内障の罹患率は、次の12年で倍増すると予想される。白内障手術は、高齢者に対する最も普通の外科的処置である。
【0006】
緑内障は、世界における不可逆的失明の主要原因であり、米国における不可逆的失明の2番目に最も普通の原因であり、黒人の中での失明の最も普通の原因である。米国では、250万の人々が緑内障を有すると推定される。世界的には、約6680万の人々が、緑内障に由来する視力障害を有し、670万人が失明に苦しんでいる。緑内障は、単一の疾患ではなく、むしろ、視神経を損傷する一群の障害である。このパターンは、通常、高い眼内圧の存在下で発生するが、正常な、或いは正常以下の眼圧でさえも発生する場合がある。
【0007】
食餌性栄養補給物は、特定の眼疾患のリスクを低減すること、及び該疾患を治療することにおいて効果的であることが示されている。AMD及び白内障の進行に対する高経口投与量の抗酸化剤及び亜鉛の効果を評価するために実施された主な臨床試験である、加齢性眼疾患研究(The Age−Related Eye Disease Study)(AREDS)は、高レベルの高酸化剤及び亜鉛の摂取が、進んだAMDを進行させるリスクを約25%まで低減することを明らかにした。AREDSの組成物は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、並びに無機物の亜鉛及び銅を含有する。この組成物の摂取は、尿生殖器の問題、貧血、皮膚黄色化、及び喫煙者における肺癌リスクの増加を含む副作用と関連することが示された。
【0008】
別の研究、ルテイン抗酸化剤栄養補給物試験(Lutein Antioxidant Supplement Trial)(LAST)は、萎縮性(乾性)AMDに対する経口で投与されたルテイン及び抗酸化剤と併用したルテインの効果を評価した。双方の治療とも、眩しさの平癒、コントラスト感度、及び視力を含む視覚機能のいくつかの尺度を有意に改善した。食餌性ルテイン栄養補給物の長期安全性は、まだ確定されていない。
【0009】
食餌性抗酸化剤
カロテノイドは、特定の植物及び藻類中に見出される天然に存在する色素である。例えば、トマトの赤色及びトウモロコシの黄色は、カロテノイドに由来する。哺乳動物は、in situでカロテノイドを合成する能力がなく、食餌を通してそれらを獲得しなければならない。カロテノイドの高い食餌性摂取は、特定タイプの癌、心血管疾患、及び高血圧の罹患率の低減に関連していることが示された。皮膚の光防護効果も、カロテノイドの高い食餌性摂取と関連している。
【0010】
疫学的研究は、カロテノイドなどの食餌性抗酸化剤が、白内障及びAMDの進行を含め、眼疾患の進行を遅延させることを示した。トマトの主なカロテノイドであるリコペンなどのカロテノイドは、より徹底的な調査の対象となった。疫学的研究は、カロテノイド、特にリコペンの低い血清中濃度が、AMDのリスクに関連していることを確立した。ルテイン及びゼアキサンチンを含め、その他のカロテノイドは、白内障及び黄斑変性の進行に関して予防的役割を有することが示された(Mares−Perlman、2002年)。
【0011】
リコペン
リコペンは、食餌中に存在する主なカロテノイドであり、トマト製品のよく知られた赤色を提供する。リコペンの食餌性摂取の80%超が、ケチャップ、トマトジュース、スパゲッティソース、トマトスープ、及びピザソースなどのトマト供給源に由来する。リコペンは、合成的に調製することができ、或いは天然トマト抽出物として得ることができる。例えば、リコペンは、トマトリコペン、トコフェロール、β−カロテン、フィトエン、フェトフルエン、トマトオイル、リン脂質、及びトマト含油樹脂中に天然に存在するその他の重要な生理活性植物化学物質を含有する総天然抗酸化剤処方物としてLyc−O−Mato(登録商標)(LycoRed、イスラエル)の名称で入手できる。
【0012】
リコペンは、経口で投与された場合に、眼の保護、及びUVで誘発される皮膚損傷の内因性保護を提供することが示されている。いくつかの研究が、動物における食餌性リコペンの白内障抑制効果を示した(Pollackら)。リコペンは、培養ヒト水晶体細胞におけるガラクトースで誘発される形態学的変化を防止し、白内障抑制剤としてのその使用を示唆している(Mohanty,I.ら)。理論に拘束されることを望むものではないが、リコペンは、ルテイン及びゼアキサンチンに対する防護効果を有する。
【0013】
ルテイン及びゼアキサンチン
ルテイン及びその立体異性体であるゼアキサンチンは、カロテノイドのキサントフィルファミリーに属し、血漿から特異的に蓄積し、水晶体及び黄斑中に沈着するたった2つの既知カロテノイドである。黄斑色素は、ルテイン及びゼアキサンチンを含有し、反応性酸素種(ROS)を消去することも知られている感光光受容体細胞を防護するためのフィルターとして機能する。これらのカロテノイドの食餌性摂取は、黄斑色素の増加をもたらし、AMD及びその他の眼疾患を有する患者の視力を改善する(Alves−Rodrigues及びShaoの論文中で概説されている)。
【0014】
緑葉野菜は、ルテインの最良の食餌性供給源であり、ホウレンソウ、ケール及びパセリは高い濃度を備えている。精製結晶ルテインは、安全(GRAS)として分類され、一般に認識されており、食物及び飲料に添加できる。純粋なルテインは、また、特定の植物から単離できる。例えば、米国特許第5382714号には、鹸化したマリゴールド含油樹脂からのルテインの単離、精製、及び再結晶法が記載されており、米国特許第5648564号には、植物からの可食性キサントフィル類の結晶の形成、単離及び精製方法が記載されており、ルテインが好ましい産物である。
【0015】
Seddonは、カロテノイド摂取とAMDリスクとの間の最も重要な直接的関係を報告した(Seddonら、1994年)。ルテイン及びゼアキサンチンは、AMDリスクの低下と最も強く関連していた。1日につき6%wt/wtの経口投与は、疾患のリスクを57%低下させることがわかった。
【0016】
カルノシン酸、フィトエン及びフィトフルエン
カルノシン酸は、ローズマリー(ローズマリヌス種)及びその他の香草から抽出される抗酸化剤であり、リコペンと一緒になって相乗的にLDLの酸化を抑制することがわかった。フィトエン及びフィトフルエンは、トマト中に見出されるカロテノイドであり、トマト含油樹脂中に見出すことができる。
【0017】
第II相酵素
一般には果物及び野菜の、特にトマトの防護効果に関連する生化学的機構は、完全にはわかっていない。近年、有益な作用が、少なくとも部分的には第II相解毒化酵素の誘導によることを示す証拠が蓄積されている(Talalay、2000年)。これらの酵素は、多くの有害な物質を、体から容易に排泄することのできる親水性代謝産物に変換することによって解毒する。
【0018】
NAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ(NQO1)及びγ−グルタミルシステインシンテターゼ(GCS)などの第II相酵素の調和した誘導は、抗酸化剤応答配列(ARE)として知られる、プロモーター又はエンハンサー領域中に配置されたシス調節DNA配列を介して仲介される。ARE転写系の刺激は、発癌物質及びその他の有害化合物に対する身体防御系の動員に関する確立済みの機構である。主なARE活性化転写因子Nrf2(核内因子E関連因子2)は、抗酸化剤及び解毒化遺伝子の誘導において中心的な役割を演じる。基礎的条件下で、Nrf2は、細胞質中に配置され、阻害タンパク質Keap1に拘束されている。誘導薬で攻撃すると、それは、Keap1から放出され、核に移行する。最近、本発明の若干の発明者らによって、一時的に形質移入された癌細胞において、リコペンは、ARE配列と融合したレポーター遺伝子の発現をトランス活性化する能力があることがわかった(Ben Dorら、2005年)。2つのその他のトマトカロテノイド、フィトエンとフィトフルエンとの混合物も、AREを活性化するのに有効であった。この系を活性化することによって、トマトカロテノイドは、第II相解毒化酵素の産生を誘導する。
【0019】
カロテノイド製剤
カロテノイドを含有する特定の製剤が、当技術分野で開示されている。米国特許第6261598号及び6509029号(以後、それぞれ‘598及び‘029号)は、β−カロテン、リコペン及びルテインの混合物を含有する、それぞれオイル含有分散液、及びエマルジョン又はそれから作られる乾燥粉末を開示している。米国特許出願公開第2003/0031706号は、β−カロテン、リコペン及びルテインの特定の混合物を含有するカロテノイド組成物を開示している。‘598及び‘029号特許は、Lyc−O−Mato(登録商標)を含有する経口組成物、特に、油性分散液の高いリン脂質含有量及び粘度のため高濃度のカロテノイドを含むゼラチンカプセルを含む経口組成物から教示しており、例示された製剤は、純粋の結晶性カロテノイドを含有する。
【0020】
米国特許第6103756号には、有効量のビタミン、ミネラル、及び植物抽出物を含有する経口組成物が教示されている。必須成分には、とりわけ、ビタミンA、C及びE、並びにビルベリー、ルテイン及びリコペン抽出物が含まれる。
【0021】
米国特許第6573299号には、少なくとも1種の浸透増強剤及び少なくとも1種のα−ヒドロキシ酸を含有する、外側眼瞼に局所適用するための組成物が教示されている。皮膚を通って、下にある組織に浸透するそれらの組成物は、シワ及び乾燥皮膚などの眼瞼に対する加齢性変化、並びに白内障及びAMDなどの疾患を含め、老化した眼と関連した障害を改善すると言われる。
【0022】
米国特許出願公開第2003/0050283号は、カルジオリピンのほかに少なくとも1種の負に帯電したリン脂質を必須の要素として含有する、病理学的網膜障害を治療するための眼科用組成物に関する。
【0023】
米国特許第6291519号には、UV照射の吸収、オゾン破壊、又はその双方に有効な量のビタミンA及びビタミンEを含有する組成物を眼に適用することによって、哺乳動物の眼組織に対する損傷を予防する方法が教示されている。
【0024】
米国特許第5527533号には、水性動物中に見出されるカロテノイド、アスタキサンチンの治療上有効な量を投与することを含む、網膜の損傷又は疾患に罹患している個体の視力の改善方法が教示されている。非経口、経口及び局所組成物を開示するが、非経口及び経口組成物によってのみ、本発明を例示する。
【0025】
米国特許出願公開第2004/0258769号には、眼用ビタミンの毎日の投与計画と結びついた酢酸アネコルタブを含有する眼内注射のための組成物が教示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
AMD、白内障、糖尿病性網膜症及び緑内障などの眼疾患を予防及び治療するのに有効である当技術分野の組成物における未対処の必要性が相変わらず存在する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、眼疾患を治療するのに有効な組成物に関する。該組成物は、緑内障、白内障、糖尿病性網膜症(DR)及び加齢性黄斑変性症(AMD)を含む眼疾患を軽減、及び治療する際に相乗効果を生み出す植物化学物質の混合物を含有する。具体的には、該組成物は、乾性AMD(非血管新生性)の湿性AMD(血管新生性)への進行を予防するのに有効である。
【0028】
特定のカロテノイド及びその他の植物化学物質は、特定の眼疾患リスクを低減するのに有効であることが知られており、高濃度で摂取された場合、視覚機能を向上させることさえできる。本発明の組成物は、それらの組成物が、カロテノイドと、相乗的に作用して低濃度のリコペンで予期しない結果を与える植物由来の補助薬との混合物を含有するので、既知製剤に優るかなりの利点を提供する。かくして、治療効果を提供するリコペン濃度は、これらの補助薬を含有しない対応する製剤と比較すると、低い(例えば、10倍低い)。
【0029】
一態様において、本発明は、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する組成物を提供する。
【0030】
組成物の成分は、総重量当たりのパーセント重量(%w/w)として規定される。
【0031】
1つの例示的実施形態において、ルテインは、組成物中に約0.025%w/w〜約5%w/wの濃度範囲で存在する。約0.25%w/w〜約2.5%w/wの範囲が好ましく、約2%w/wの濃度がより好ましい。若干の実施形態において、ルテインは、合成的に調製される。他の実施形態において、ルテインは、天然供給源から単離され、精製される。
【0032】
本発明の組成物は、ルテインの立体異性体であるゼアキサンチンをさらに含有する。1つの例示的実施形態において、ゼアキサンチンは、組成物中に約0.001%w/w〜約2%w/wの濃度範囲で存在する。約0.025%w/w〜約1%w/wの範囲が好ましく、約0.5%w/wの濃度がより好ましい。若干の実施形態において、ゼアキサンチンは、合成的に調製される。他の実施形態において、ゼアキサンチンは、天然供給源から単離され、精製される。
【0033】
他の実施形態において、ゼアキサンチンは、ルテイン画分に含まれる。これらの実施形態によれば、ルテインとゼアキサンチンとの合計濃度は、約0.035%〜約7%w/w、好ましくは約1.5%〜約2.5%w/wの範囲、より好ましくはルテインとゼアキサンチンを合わせて約2%〜約2.2%w/wである。
【0034】
リコペンは、好ましくは、天然化合物として組成物中に提供される。若干の実施形態において、リコペンは、抽出物として、例えば、Lyc−O−Mato(登録商標)のようなトマト含油樹脂の抽出物として提供される。若干の実施形態において、リコペン抽出物は、フィトエン、フィトフルエン、ルテイン及びゼアキサンチンをさらに含有する。1つの例示的実施形態によれば、リコペンは、本発明の組成物中に約0.025%w/w〜約5%w/wの濃度範囲で存在する。約0.25%w/w〜約2.5%w/wの範囲が好ましく、約1.5%w/wの濃度がより好ましい。
【0035】
フィトエン及びフィトフルエンは、本発明の組成物中に補助薬として提供される。例示的実施形態において、フィトエン及びフィトフルエンは、リコペンの約10%の濃度で存在する。別の例示的実施形態において、フィトエン及びフィトフルエンのそれぞれは、約0.0025%w/w〜約1.25%w/wの範囲の濃度で提供される。約0.025%w/w〜約0.25%w/wの各植物化学物質の範囲が好ましく、リコペン含有量の約10%に相当する、フィトエンとフィトフルエンの双方を合わせて0.15%w/の濃度がより好ましい。
【0036】
カルノシン酸又はその誘導体(例えば、カルノソール、6,7−デヒドロカルノシン酸又は7−ケトカルノシン酸)は、また、本発明の組成物中に補助薬として提供される。カルノシン酸又はその誘導体は、好ましくは、約0.025%w/w〜約2.5%w/wの濃度範囲で提供される。約0.25%w/w〜約2%w/wの範囲が好ましく、1%w/wの濃度がより好ましい。
【0037】
目下のところ好ましい別の実施形態において、組成物は、さらに、トマト含油樹脂を含有する。
【0038】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0039】
目下にところ好ましい実施形態において、本発明の組成物は、リコペンを約1.5%w/w、ルテインとゼアキサンチンを合わせて約2%w/w、フィトエンとフィトフルエンを合わせて約0.15%w/w、カルノシン酸又はその誘導体を約1%w/w、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。一実施形態において、組成物は、さらに、トマト含油樹脂を含有する。
【0040】
任意選択で、本発明の組成物中に、ビタミン、ミネラル、その他のカロテノイド、及び微量栄養素を含むさらなる治療薬剤を組み込むことができる。
【0041】
若干の実施形態において、組成物は、さらに、酸化亜鉛又は亜鉛塩でよい亜鉛供給源を含有する。眼と適合性のある任意の亜鉛塩が、許容される。亜鉛塩の例には、限定はされないが、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸亜鉛及びケイ酸亜鉛が含まれる。若干の実施形態において、約0.25%w/w〜約15%w/wの亜鉛濃度が提供される。好ましい実施形態では、約7.5%w/wの亜鉛濃度が提供され、好ましくはグルコン酸亜鉛の形態である。
【0042】
特定の実施形態において、本発明の組成物中に銅の供給源が、提供される。いくつかの実施形態では、酸化第二銅が好ましい。いくつかの実施形態において、銅は、約0.01%w/w〜約5%w/wの濃度、好ましくは約0.25%w/wの濃度で提供される。
【0043】
特定の好ましいビタミンには、ビタミンA,ビタミンC及びビタミンEが含まれる。ビタミンは、天然の又は合成で製造された化合物として提供できる。好ましいビタミンのプロビタミンを始めとする誘導体が許容される。若干の好ましい実施形態において、ビタミンAは、プロビタミンA、具体的にはβ−カロテンとして提供される。若干の実施形態では、上記ビタミンの組合せが組成物中に含められる。ビタミンE、ビタミンC及びβ−カロテンを添加することが好ましい。ビタミンE及びビタミンCは、本発明の組成物中に、それぞれ約0.25%w/w〜約25%w/wの濃度で含めることができる。ビタミンE及びビタミンCの好ましい濃度は、約12.5%である。β−カロテンは、本発明の組成物中に、約0.025%〜2.5%w/wの濃度で含めることができる。β−カロテンの好ましい濃度は、約0.75%w/wである。
【0044】
若干の実施形態によれば、本発明の組成物は、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、カルノシン酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、ビタミンA又はその誘導体(例えば、β−カロテン)、ビタミンC、亜鉛及び銅、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。好ましい一実施形態において、組成物は、
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンE、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンC、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのβ−カロテン、
約0.25%w/w〜約15%w/wのmg亜鉛、
約0.01%w/w〜約5%w/wの銅、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0045】
目下のところ好ましい別の実施形態において、組成物は、約1.5%w/wのリコペン、合わせて約2%w/wのルテインとゼアキサンチン、合わせて約0.15%w/wのフィトエンとフィトフルエン、約1%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、約12.5%w/wのビタミンE、約12.5%w/wのビタミンC、約0.75%w/wのβ−カロテン、約7.5%w/wの亜鉛、約0.25%w/wの銅、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0046】
本発明は、経口で使用するための、又は眼に局所投与するための医薬組成物に関する。一実施形態において、組成物は、経口で使用するために、錠剤、カプレット、カプセル、マイクロカプセル、ペレット、丸剤、散剤、シロップ、ゲル、スラリー、顆粒、懸濁液、分散液、乳液、液剤、溶液、糖衣錠、ビード、及びビードレットなどから選択される形態で製剤される。ビードレットは、有効物質を含む小滴を包埋したビード形状の多糖複合体である。特定の好ましい実施形態において、組成物は、軟質ゼラチンカプセルとして、又は硬質ゼラチンカプセルとして製剤される。他の実施形態において、組成物は、アルギン酸塩、ゼラチン又はその他の天然若しくは合成ポリマーをベースにしたビードレットとして製剤される。
【0047】
本発明は、また、眼に適用するために製剤された組成物に関する。該組成物は、液剤、クリーム、ペースト、軟膏、サブミクロン乳液を始めとする乳液、ゲル、サーモゲル、又は懸濁液として製剤化できる。
【0048】
組成物は、また、液剤、分散液、乳液又は懸濁液として再構成するための乾燥製剤として、例えば、散剤、顆粒、マイクロカプセル又はカプセルとして調剤できる。
【0049】
若干の実施形態において、組成物は、水性又は非水性媒質中で提供され、好ましくは無菌(微生物不含)である。
【0050】
別の態様において、本発明は、眼疾患を予防、軽減又は治療するのに有効な量でルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効量の組成物を投与するステップを含む、眼疾患の予防、軽減又は治療方法を提供する。眼疾患の非制限的例には、AMD(湿性及び乾性の双方)、緑内障、糖尿病性網膜症及び白内障が含まれる。
【0051】
本発明の更なる実施形態及び適用性の全範囲は、以下に示す詳細な説明から明らかとなろう。しかし、本発明の精神及び範囲内での種々の変更及び修正が、この詳細な説明から当業者に明らかとなるので、詳細な説明及び具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すとはいえ、単に例として提供されることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明は、カロテノイドとその他の植物化学物質との混合物を含有する組成物が、眼疾患を治療するのに有効であるという驚くべき発見に基づく。ある特定の理論又は機構に拘束されることを望むものではないが、リコペン、及び補助薬であるカルノシン酸、フィトエン及びフィトフルエンは、本発明の製剤中で相乗的に作用すると思われる。この相乗効果は、なお有益な治療効果を達成しながらも、より低い量のリコペン、例えば、既知製剤、すなわち、カルノシン酸、フィトエン及びフィトフルエンを含有しない製剤中のリコペン量よりも10倍低い包含を可能にする。リコペンは、順次に、ルテイン及びゼアキサンチンに対して保護効果を有する。
【0053】
したがって、本発明は、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、カルノシン酸、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する医薬組成物を提供する。
【0054】
好ましい実施形態において、リコペンは、トマト含油樹脂から抽出できる天然トマト抽出物として提供される。
【0055】
具体的な実施形態において、本発明の組成物は、
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0056】
目下のところ好ましい実施形態において、本発明の組成物は、リコペンを約1.5%w/w、ルテインとゼアキサンチンを合わせて約2%w/w、フィトエンとフィトフルエンを合わせて約0.15%w/w、カルノシン酸又はその誘導体を約1%w/w、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0057】
目下のところ好ましい別の実施形態において、組成物は、さらに、トマト含油樹脂を含有する。トマト含油樹脂は、トマト又は当業者に周知の方法によるトマト製品から得ることができる。
【0058】
組成物にさらなる治療薬を添加できる。治療薬には、抗炎症薬、かゆみ止め、疼痛緩和薬、抗生物質、湿潤剤、保湿剤、ビタミン、ミネラル、微量栄養素、及びカロテノイドを始めとするその他の植物化学物質が含まれる。
【0059】
特定の好ましいビタミンには、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンE、並びにこれらの誘導体が含まれる。ビタミンは、天然の又は合成で製造された化合物として提供できる。若干の好ましい実施形態において、ビタミンAは、プロビタミンAとして、具体的にはβ−カロテンとして提供される。ビタミンAのその他の許容される形態には、レチノール、レチノールのエステル、レチノイン酸などが含まれる。ビタミンEには、α−トコフェロール、及びα−トコフェロールの異性体及びラセミ化合物、並びにこれらの誘導体(例えば、酢酸トコフェロール)が含まれると解釈される。ビタミンCは、それ自体で、又はアスコルビン酸の誘導体として提供できる。例えば、アスコルビン酸パルミテート、脂溶性エステルは、安定で、本発明の組成物中で許容される。
【0060】
ビタミンEは、組成物中に、約0.25%w/w〜約25%w/wの濃度範囲、好ましくは約0.1%w/w〜約15%の濃度範囲、より好ましくは約12.5%w/wの濃度で含めることができる。ある特定の機構又は理論に拘束されることを望むものではないが、ビタミンEは、リコペンの安定性及び細胞内取り込みを増加させると考えられる。
【0061】
ビタミンA又はその誘導体、例えば、β−カロテンは、組成物中に、約0.025%w/w〜約2.5%w/wの濃度範囲、好ましくは約0.75%w/wの濃度で含めることができる。
【0062】
ビタミンC及びアスコルビン酸を含むその誘導体が、任意選択で、本発明の組成物中に含められる。特定の実施形態において、ビタミンCは、約0.25%w/w〜約25%w/wの範囲、好ましくは約0.1%〜約15%の濃度範囲、より好ましくは約12.5%w/wの濃度で含められる。
【0063】
本発明の製剤にミネラルを添加できる。好ましいミネラルには、亜鉛が関連した貧血のリスクを低減するために好ましくは一緒に添加される亜鉛及び銅が含まれる。亜鉛塩又は酸化亜鉛の形態の亜鉛は、組成物中に、約0.25%w/w〜約15%w/wの範囲で含まれることが好ましく、約7.5%w/wの亜鉛が好ましい。好ましい亜鉛塩には、限定はされないが、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸亜鉛及びケイ酸亜鉛が含まれる。特定の実施形態において、組成物は、グルコン酸亜鉛を含有する。銅の供給源は、約0.01%w/w〜約5%w/wの濃度範囲で含めることができる。好ましい実施形態において、酸化第二銅は、約0.25%w/wの濃度で含められる。
【0064】
若干の実施形態によれば、本発明の組成物は、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、カルノシン酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、ビタミンA又はその誘導体(例えば、β−カロテン)、ビタミンC、亜鉛及び銅、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。好ましい一実施形態において、組成物は、
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンE、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンC、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのβ−カロテン、
約0.25%w/w〜約15%w/wのmg亜鉛、
約0.01%w/w〜約5%w/wの銅、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0065】
目下のところ好ましい別の実施形態において、組成物は、約1.5%w/wのリコペン、合わせて約2%w/wのルテインとゼアキサンチン、合わせて約0.15%w/wのフィトエンとフィトフルエン、約1%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、約12.5%w/wのビタミンE、約12.5%w/wのビタミンC、約0.75%w/wのβ−カロテン、約7.5%w/wの亜鉛、約0.25%w/wの銅、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する。
【0066】
作用機構
ある特定の機構及び理論で拘束されることを望むものではないが、リコペンは、順次に、第II相解毒化酵素の発現を誘導する抗酸化剤応答配列(ARE)を誘導することによって、その治療効果を発揮すると考えられる。これらの酵素は、多くの有害な物質を、体から容易に排泄できる親水性代謝産物に変換することによって解毒する。第II相酵素の例が、NAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ(NQO1)及びgグルタミルシステインシンテターゼ(GCS)である。主なARE−活性化転写因子Nrf2は、抗酸化剤及び解毒化遺伝子の誘導で中心的役割を演じる。
【0067】
限定のためではなく例示の目的で本明細書に記載される1つの非制限的実施形態において、リコペンは、Keap1付加体を形成することによってAREの活性を増加させる。このことは、順次、Nrf2からの解離及び後者の活性化を引き起こすことができる。Keap1は、Nrf2の活性化を負に調節するシステインに富んだ細胞質タンパク質である。Keap1の中心ドメインは、最もシステインに富むドメインであり、Nrf2の細胞質隔離及び阻害のために欠かせない。Keap1からのNrf2の解離は、Nrf2が核に移行し、ARE−依存性遺伝子の転写を活性化することを可能にする調節ステップを代表する。Keap1−Nrf2からのNrf2の解離は、これら特定のシステイン残基の酸化還元状態によって調節できる。特定アルデヒドの付加体が、精製ヒトKeap1のLC−MS−MS分析で観察された。これらの付加体の形成は、Nrf2安定化、核Nrf2の移行及びARE依存性遺伝子の活性化と一致した。
【0068】
本明細書中で考慮したように、本発明の製剤中のリコペン及び補助薬(すなわち、カルノシン酸、フィトエン及びフィトフルエン)は、相乗的に作用して、リコペンの低濃度で予期しない結果を与える。かくして、治療効果を提供するリコペン濃度は、これらの補助薬を含有しない対応する製剤と比較して、低い(例えば、2倍、5倍さらには10倍低い)。このことは、既知の製剤に優るかなりの利点を提供する。
【0069】
製剤
本明細書で開示するように、本発明の組成物は、ルテイン、リコペン、ゼアキサンチン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸を、生理学的に適切な担体及び賦形剤などの化学成分と組み合わせて含有する。
【0070】
本発明に従って使用するための医薬組成物は、活性化合物を処理して薬学上使用できる製剤にすることを容易にする賦形剤及び助剤を含有する1種又は複数の生理学上許容される担体を使用して、従来からの方法で製剤化できる。カロテノイドは、液体、固体、及び半固体など、種々の形態で医薬組成物として製剤され、ヒト患者などの哺乳動物対象に投与される。医薬組成物は、経口、局所、非経口、癌近傍(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋内、静脈内、皮内、皮下、腹膜内、心室内、頭蓋内、又は腫瘍内など、当業者に周知の任意の方法によって、対象に投与できる。
【0071】
経口投与の場合、化合物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学上許容される担体と組み合わせて製剤化できる。組成物は、限定はされないが、錠剤、カプレット、カプセル、マイクロカプセル、ペレット、丸剤、散剤、シロップ、ゲル、スラリー、顆粒、懸濁液、分散液、乳剤、液剤、溶液、糖衣錠、ビード及びビードレットを含む、当技術分野で周知の任意の固体又は液体剤形で製剤化できる。経口組成物は、即時放出製剤として、或いは予め決めた時間にわたる活性成分(群)の長期放出を可能にする制御又は持続放出製剤として製剤化できる。
【0072】
固体製剤に適した賦形剤には、限定はされないが、乳糖、蔗糖、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類などの増量剤;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプンなどのデンプンをベースにした賦形剤;ゼラチン;トラガカントガム;微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースをベースにした賦形剤が含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)及び架橋PVPなどのポリマーも使用できる。さらに、組成物は、結合剤(例えば、アラビアガム、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、グリコール酸デンプンナトリウム)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)をさらに含有できる。
【0073】
液体製剤の場合、薬学上許容される担体は、水性又は非水性溶液、懸濁液、乳液又はオイルでよい。非水性溶媒の例が、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び注射可能な有機エステルである。水性担体には、生理食塩水及び緩衝化媒質を含む、水、アルコール/水溶液、乳液又は懸濁液が含まれる。オイルの例には、限定はされないが、石油、動物、植物、又は合成起源のオイル、例えば、ピーナツ油、ダイズ油、ミネラルオイル、オリーブ油、ヒマワリ油及び魚肝油が含まれる。
【0074】
好ましい経口医薬組成物には、ゼラチンから作られるカプセル、及びゼラチンとグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤から作られる軟質密閉カプセルが含まれる。軟質カプセルでは、活性成分を、脂肪油、流動パラフィン、又は流動ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解又は懸濁させることができる。さらに、安定剤を添加できる。特定の好ましい実施形態において、動物起源の成分を除外したカプセルは、菜食主義者及び完全菜食主義者にとって許容できる。
【0075】
軟質ゼラチンカプセル及びそれらの調製方法は、当技術分野で周知である。非制限的例は、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6217902号、6258380号、5916591号、及び4891229号中に見出すことができる。
【0076】
別の実施形態において、本発明は、さらに、眼に適用するために製剤された組成物に関する。該組成物は、点眼薬、溶液(水性及び非水性)、クリーム、ペースト、軟膏、ゲル、乳液、懸濁液などとして製剤化できる。
【0077】
眼投与の場合、組成物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学上許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化できる。このような担体は、患者が眼で使用するために、本発明の化合物を、液剤、ゲル、乳液、サーモゲル、スラリー、懸濁液などとして製剤化することを可能にする。別法として、組成物は、再懸濁のための固体として製剤化できる。他の実施形態において、眼投与のための医薬組成物には、水溶性形態の活性成分の水性溶液が含まれる。
【0078】
当業者に周知のその他の許容される賦形剤及び添加物、例えば、安定剤、可溶化剤、張性増強剤、緩衝物質、保存剤、増粘剤、錯化剤、及びその他の賦形剤、並びにさらなる治療薬を、本発明の組成物中に含めることができる。
【0079】
可溶化剤は、例えば、チロキサポール、脂肪酸グリセロールポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、グリセロールエステル又はそれらの化合物の混合物でよい、眼によって許容される可溶化剤の具体例が、ポリオキシエチル化ヒマシ油、例えば、商業製品Cremophor(登録商標)又はCremophor(登録商標)RH40である。可溶化剤のもう1つの例がチロキサポールである。使用される濃度は、特に、活性成分の濃度によって決まる。添加量は、典型的には、活性成分を可溶化するのに十分な量である。例えば、可溶化剤の濃度は、活性成分の濃度の0.1〜5000倍である。
【0080】
緩衝物質の例は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、炭酸水素/炭酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩及びTRIS(トロメタミン)緩衝剤である。添加される緩衝物質の量は、例えば、生理学的に許容できるpH範囲を確保し、維持するのに必要な量である。pH範囲は、典型的には、5〜9、好ましくは5.2〜8.5の範囲である。
【0081】
張性増強剤は、イオン性又は非イオン性薬剤から選択される。例えば、イオン性化合物には、例えば、CaCl、KBr、KCl、LiCl、NaI、NaBr又はNaClなどのハロゲン化アルカリ金属又はアルカリ土類金属、或いはホウ酸が含まれる。非イオン性張性増強剤は、例えば、尿素、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、又はデキストロースである。例えば、十分な張性増強剤を添加して、即用性眼用製剤にほぼ50〜1000mOsmolの重量オスモル濃度を付与する。
【0082】
保存剤の例は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンズオキソニウム又はポリマー性第4級アンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩類;チオサリチル酸のアルキル水銀塩類(例えば、チオメルサールなど);硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀又はホウ酸フェニル水銀;例えばメチルパラベン又はプロピルパラベンなどのパラベン類;例えばクロロブタノール、ベンジルアルコール又はフェニルエタノールなどのアルコール類;例えばクロロヘキシジン又はポリヘキサメチレンビグアニドなどのグアニジン誘導体類;或いはソルビン酸である。適切なら、眼科用組成物に十分な量の保存剤を添加して、微生物によって引き起こされる使用中の二次的汚染に対する防護を確実にする。
【0083】
本発明の組成物は、例えば、乳化剤、湿潤剤又は充てん剤などの非毒性賦形剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG200、300、400及び600)又はカーボワックス(登録商標)(カーボワックス1000、1500、4000、6000及び10000)をさらに含むことができる。所望なら使用できるその他の賦形剤を以下に列挙するが、それらは、可能性のある賦形剤の範囲をいかなる意味でも限定するものではない。それらは、EDTA二ナトリウム又はEDTAなどの錯化剤;アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル−ヒドロキシアニソール、ブチル−ヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;チオ尿素、チオソルビトール、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム又はモノチオグリセロールなどの安定剤;或いは、例えば、ラウリン酸ソルビトールエステル、トリエタノールアミンオレイン酸塩又はパルミチン酸エステルなどのその他の賦形剤でよい。
【0084】
任意選択で、懸濁液は、また、化合物の溶解性を高めて濃厚溶液の調製を可能にする、適切な安定剤又は薬剤を含むことができる。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5576311号には、シクロデキストリン型の懸濁剤を含有する、眼への治療的投与に滴した薬剤の安定な水性懸濁液が教示されている。その他の有用な製剤には、眼用サブミクロン乳液、例えば、その内容があたかも完全に本明細書中に示された如く参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5496811号に開示されているような眼用薬物送達ビヒクルが含まれる。
【0085】
添加される賦形剤の量及びタイプは、個々の要件に合わせ、一般には、約0.0001〜約90重量%の範囲である。
【0086】
投与される組成物の量は、当然、治療される対象、苦痛の重篤度、投与方式、及び処方する医師の判断を含む多くの因子によって決まる。しかし、採用される投与量は、一般に、患者の年齢及び性別、治療される正確な障害、及びその重篤度を含むいくつかの因子によって決まる。
【0087】
好ましくは、製剤は、経口投与を意図した単位剤形である。このような形態において、製剤は、適切な量の活性成分を含む単位用量に再分割される。単位剤形は、包装された製剤でよく、包装は、分離された量の製剤、例えば、錠剤、カプセル、及び瓶又はアンプル入りの散剤を含んでいる。単位剤形は、また、カプセル、カシェ剤、又は錠剤それ自体でよく、或いは包装された形態の適切な任意の数のこれらでよい。
【0088】
本発明の組成物の投与計画は、個々の適用及び活性成分の効力に応じて変更できる。適した投与量の決定は、当業者の範囲内である。好都合には、1日に1回の投与が好ましい。別法として、1日当たりの総投与量を分割し、1日2回、1日3回などに分けてその日の間に投与できる。週に2回、週に1回、月に2回、月に1回の投与も想定される。
【0089】
治療的使用
別の態様において、本発明は、ルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を投与するステップを含む、眼疾患の予防、軽減又は治療方法を提供する。眼疾患の非制限的例には、AMD(湿性及び乾性の双方)、緑内障、糖尿病性網膜症及び白内障が含まれる。
【0090】
かくして、一実施形態において、本発明は、AMDを予防、治療又は軽減するのに有効な量でルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を投与するステップを含む、AMDの予防、軽減又は治療方法を提供する。本明細書中で使用する場合、用語「AMD」には乾性及び湿性AMDに両方、並びに乾性AMDから湿性AMDへの移行が含まれる。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、緑内障を予防、治療又は軽減するのに有効な量でルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を投与するステップを含む、緑内障の予防、軽減又は治療方法を提供する。
【0092】
別の実施形態において、本発明は、糖尿病性網膜症を予防、治療又は軽減するのに有効な量でルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を投与するステップを含む、糖尿病性網膜症の予防、軽減又は治療方法を提供する。
【0093】
別の実施形態において、本発明は、白内障を予防、治療又は軽減するのに有効な量でルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を投与するステップを含む、白内障の予防、軽減又は治療方法を提供する。
【0094】
本明細書中で使用する場合、用語「軽減する」は、前記眼疾患のいずれかの症状を鎮め、和らげ、又は緩和することを意味する。本明細書中で使用する場合、用語「治療する」には、予防的治療及び疾患緩和治療が含まれる。
【0095】
本明細書中で使用する場合、用語「投与する」は、対象を本発明の製剤と接触させることを指す。一実施形態において、本発明は、本発明の製剤をヒト対象に投与することを包含する。
【0096】
本発明の若干の実施形態をより完全に説明するために、以下の実施例を提供する。しかし、決して、それらの実施例は、本発明の広範な範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本発明の範囲から逸脱しないで、本明細書で開示される原理の多くの変形形態及び修正形態を容易に考案できる。
【実施例】
【0097】
(実施例1):経口組成物
製剤を次のように調製した。
製剤1:
約6mgのリコペン(約1.5%w/w)、
約8mgのルテイン及びゼアキサンチン(組み合わせて約2%w/w)、
約0.6mgのフィトエン及びフィトフルエン(組み合わせて約0.15%)、及び
約4mgのカルノシン酸(約1%w/w)。
製剤2:
製剤2は、製剤1のすべての成分と、さらに
約3mgのβ−カロテン(約0.75%)、
約30mgの亜鉛(約7.5%w/w)、
約1mgの銅(約0.25%w/w)、
約50mgのビタミンE(約12.5%w/w)、及び
約50mgのビタミンC(約12.5%w/w)を含有する。
製剤3:
製剤3は、次の成分を含有する。
【表1】

【0098】
上記組成物を、ミネラルオイル及び/又は植物油と混合し、合計重量約400mgを含む軟質ゼラチンカプセルとして調製した。
【0099】
別法として、上記組成物を、充てん剤及び賦形剤と混合し、合計重量約400mgを含む固体経口剤形として調製した。
【0100】
(実施例2):眼用組成物
上記製剤1〜3のそれぞれを、眼科上許容される担体と混合し、眼用製剤に製剤した。
【0101】
本発明の特定の実施形態を例示し、説明してきたが、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されるものでないことは明らかであろう。添付する特許請求の範囲によって説明される通りの本発明の精神及び範囲から逸脱しない多数の修正形態、変更、変形形態、置換及び等価形態は、当業者にとって明らかであろう。
【0102】
(参考文献)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、カルノシン酸、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項2】
前記リコペンが、天然トマト抽出物として提供される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リコペンが、トマト含油樹脂から抽出される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記リコペン、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸が、相乗的に作用して、フィトエン、フィトフルエン及びカルノシン酸を含まない対応する製剤と比較してより低い濃度でリコペンの治療効果を達成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
合わせて約2%w/wのルテインとゼアキサンチン、
約1.5%w/wのリコペン、
合わせて約0.15%w/wのフィトエンとフィトフルエン、
約1%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1種のミネラルをさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ミネラルが、亜鉛である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記亜鉛が、酸化亜鉛として提供される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ミネラルが、銅である、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記銅が、酸化第二銅として提供される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種のビタミンをさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種のビタミンが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、これらの誘導体、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、カルノシン酸、β−カロテン、ビタミンE、ビタミンC、亜鉛、銅、及び薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
約0.025%w/w〜約5%w/wのルテイン、
約0.001%w/w〜約2%w/wのゼアキサンチン、
約0.025%w/w〜約5%w/wのmgリコペン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのmgフィトエン、
約0.0025%w/w〜約1.25%w/wのフィトフルエン、
約0.025%w/w〜約2.5%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンE、
約0.25%w/w〜約25%w/wのビタミンC、
約0.025%〜約2.5%w/wのβ−カロテン、
約0.25%w/w〜約15%w/wのmg亜鉛、
約0.01%w/w〜約5%w/wの銅、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
合わせて約2%w/wのルテインとゼアキサンチン、
約1.5%w/wのリコペン、
合わせて約0.15%w/wのフィトエンとフィトフルエン、
約1%w/wのカルノシン酸又はその誘導体、
約12.5%w/wのビタミンE、
約12.5%w/wのビタミンC、
約0.75%w/wのβ−カロテン、
約7.5%w/wの亜鉛、
約0.25%w/wの銅、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記リコペンが、第II相酵素の産生を誘導する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
トマト含油樹脂をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、経口投与のために製剤化される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
錠剤、カプレット、カプセル、マイクロカプセル、ペレット、丸剤、散剤、シロップ、ゲル、スラリー、顆粒、懸濁液、分散液、乳液、液剤、溶液、糖衣錠、ビード、ビードレットからなる群から選択される形態の、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記カプセルが、軟質ゼラチンカプセル及び硬質ゼラチンカプセルから選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、眼に対する局所投与のために製剤化される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
溶液、点眼薬、液剤、クリーム、ペースト、軟膏、乳液、サブミクロン乳液、ゲル、サーモゲル、半固体、固体及び懸濁液からなる群から選択される形態の、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
眼疾患を予防、軽減又は治療するのに有効な量のルテイン、リコペン、フィトエン、フィトフルエン、ゼアキサンチン及びカルノシン酸、並びに薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する有効な量の組成物を、それを必要とする対象に対して投与することを含む、眼疾患の予防、軽減又は治療方法。
【請求項25】
前記製剤が、経口で投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記製剤が、眼に対して局所的に投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記眼疾患が、緑内障、白内障、糖尿病性網膜症(DR)及び加齢性黄斑変性症(AMD)からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記眼疾患が、乾性AMDである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記眼疾患が、湿性AMDである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
約6mgのリコペン(約1.5%w/w)、
約8mgのルテイン及びゼアキサンチン(約2%w/w)、
約0.6mgのフィトエン及びフィトフルエン(約0.15%)、
約4mgのカルノシン酸(約1%w/w)、
約50mgのビタミンE(約12.5%w/w)、
約50mgのビタミンC(約12.5%w/w)、
約3mgのβ−カロテン(約0.75%)、
約30mgの亜鉛(約7.5%w/w)、
約1mgの銅(約0.25%w/w)、及び
薬学上許容される担体又は賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項31】
トマト含油樹脂をさらに含有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
軟質ゼラチンカプセル及び硬質ゼラチンカプセルから選択される形態の、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記亜鉛が、酸化亜鉛として提供される、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記銅が、酸化第二銅として提供される、請求項30に記載の組成物。


【公表番号】特表2009−515821(P2009−515821A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535182(P2008−535182)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/IL2006/001168
【国際公開番号】WO2007/046083
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508109818)リコレッド リミテッド (2)
【Fターム(参考)】