説明

眼科用組成物

【課題】光照射による粘度低下が抑制された眼科用組成物、及び眼科用組成物の粘度低下を抑制する方法を提供する。
【解決手段】(A)カルボキシビニルポリマー、及び
(B)ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を含有する眼科用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科用組成物、及び眼科用組成物の粘度低下を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点眼剤、洗眼剤などの眼科用組成物において、眼球表面への滞留時間を長くしたり、涙液の蒸発を抑制するために、高分子増粘剤を添加して粘度を向上させることが行われている。
例えば、特許文献1には、眼に用いるのに適した調剤薬であって、調剤上受容可能なキャリアと、薬剤成分と、涙液膜の蒸発を減少させる成分とを含む薬が記載されている。また、涙液膜の蒸発を減少させる成分として、ポリアクリル酸が記載されている。
しかし、高分子増粘剤であるカルボキシビニルポリマーは、長時間光に暴露されると粘度が低下してしまう。一方、特に、点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物などの眼科用組成物は、品質管理上の観点などから透明性の高い容器に充填される事が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007-526292(請求項1、段落0077)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、カルボキシビニルポリマーを含有しながら、光照射による粘度低下が抑制された眼科用組成物、及び眼科用組成物の粘度低下を抑制する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために研究を重ね、(A)カルボキシビニルポリマーを含む眼科用組成物に、(B) ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を含有させることにより、光照射による眼科用組成物の粘度低下が抑制されることを見出した。
本発明は、この知見に基づき完成されたものであり、以下の組成物及び方法を提供する。
項1.
(A)カルボキシビニルポリマー、及び
(B) ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を含有する眼科用組成物。
項2.
カルボキシビニルポリマーの含有量が、組成物の全体に対して、0.001〜10w/v%である項1に記載の組成物。
項3.
粘度低下抑制剤の含有量が、組成物の全体に対して、0.0001〜3w/v%である項1又は2に記載の組成物。
項4.
粘度が10〜10000mPa・sである項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
透明容器に充填されている項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6.
(A)カルボキシビニルポリマーを含有する眼科用組成物に、(B)ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を添加する、眼科用組成物の粘度低下抑制方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の眼科用組成物は、光照射による粘度低下が抑制されている。このため、必ずしも遮光容器を用いる必要がなく、また長期にわたり保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例において粘度測定に用いた単一円筒形回転粘度計の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の眼科用組成物は、(A)カルボキシビニルポリマー、及び(B)ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を含有する組成物である。
【0009】
(A)カルボキシビニルポリマー
カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主成分として重合して得られる親水性ポリマーであり、ポリアクリル酸、又はポリアクリル酸塩の何れであってもよい。
各成分の混合時にポリアクリル酸を使用する場合でも、pHを調整すると、結果として得られる組成物中では、その一部又は全部がポリアクリル酸塩になっている場合がある。好ましくは、カルボキシビニルポリマーとその他の成分とを混合する時に低粘度のポリアクリル酸を使用し、pH調整により、場合によりその一部又は全部をポリアクリル酸塩として組成物の粘度を上げればよい。また、混合時からポリアクリル酸塩を使用するのも好ましい。
ポリアクリル酸塩としては、ポリアクリル酸のナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;ポリアクリル酸のモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩のようなアミン塩;ポリアクリル酸のアンモニウム塩などを使用できる。中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
また、ポリアクリル酸またはその塩は架橋型、又は非架橋型のいずれであってもよいが、増粘効果が高く本願発明の効果をより一層発揮し易い点で架橋型ポリマーが好ましい。
【0010】
カルボキシビニルポリマーは市販品を利用できる。市販品としては、カーボポール(商品名)(Noveon社、ルーブリゾール社)、シンタレン(商品名)、ハイビスワコー(商品名)(和光純薬社)、アクペック(商品名)(住友精化)、ジュンロン(商品名)(日本純薬)等を使用することができる。
カルボキシビニルポリマーは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
カルボキシビニルポリマーの含有比率は、眼科用組成物全体に対して、カルボキシビニルポリマーの総量として0.001〜10w/v%程度が好ましく、0.05〜5 w/v%程度がより好ましく、0.075〜3 w/v%程度がさらに好ましく、0.1〜1 w/v%程度がさらにより好ましい。上記含有比率の範囲であれば、所望の増粘効果及び粘度低下抑制効果が得られる。また、上記含有比率の範囲であれば、良好な使用感が得られ、また洗眼剤として用いる場合には、充分な洗浄効果及び再付着抑制効果が得られ、眼の周囲への洗眼剤の付着も抑えることができる。
【0011】
(B)粘度低下抑制剤
粘度低下抑制剤としては、ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の化合物を使用することができる。
ネオスチグミンは、遊離のネオスチグミンであってもよく、硫酸塩、メチル硫酸塩、臭化物などの塩であってもよい。ネオスチグミン又はその塩のうち、好ましいのはメチル硫酸ネオスチグミンである。
タウリンは、別名アミノエチルスルホン酸または2-アミノエタンスルホン酸とも呼ばれる。アミノエチルスルホン酸は、塩であってもよい。好ましくはアミノエチルスルホン酸(タウリン)である。
パントテン酸類とは、パンテノール、パントテン酸、又はそれらの塩を指す。パントテン酸類は、遊離のパントテン酸類であってもよく、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などの塩であってもよい。パントテン酸類のうち、好ましいのはパントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、パンテノールであり、特に好ましくはパンテノールである。
テトラヒドロゾリンは、遊離のテトラヒドロゾリンであってもよく、塩酸塩などの塩であってもよい。テトラヒドロゾリン又はその塩のうち、好ましいのは塩酸テトラヒドロゾリンである。
ベルベリンは、遊離のベルベリンであってもよく、塩酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩などの塩であってもよい。ベルベリン又はその塩のうち、好ましいのは塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンである。
ピリドキシンは、遊離のピリドキシンであってもよく、塩酸塩などの塩であってもよい。ピリドキシン又はその塩のうち、好ましいのは塩酸ピリドキシンである。
【0012】
アスパラギン酸は、遊離のアスパラギン酸であってもよく、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などの塩であってもよい。アスパラギン酸又はその塩のうち、好ましいのはアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(混合物)である。
上記の粘度低下抑制剤の中でも、ピリドキシン、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、又はそれらの塩が好ましく、ネオスチグミン、タウリン、ピリドキシン、又はそれらの塩がより好ましい。粘度低下抑制剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、眼科用組成物の粘度低下がより一層抑制される点で、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0013】
粘度低下抑制剤の含有比率は、眼科用組成物全体に対して、粘度低下抑制剤の総量として、0.0001〜3w/v%程度が好ましく、0.001〜3w/v%程度がより好ましく、0.005〜3w/v%程度がさらにより好ましく、0.01〜2w/v%程度が特に好ましい。上記含有比率の範囲であれば、眼に対して安全であり、かつ十分に眼科用組成物の粘度低下を抑制することができる。
具体的には、眼科用組成物全体に対する各粘度低下抑制剤の好ましい含有比率は、以下の通りである。
粘度低下抑制剤としてネオスチグミン又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、ネオスチグミン又はその塩の総量として、0.0001〜0.1 w/v%程度が好ましく、0.0001〜0.05w/v% 程度がより好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.001〜0.1w/v%程度、より好ましくは0.001〜0.005w/v%程度、さらにより好ましくは0.003〜0.005 w/v%程度である。その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.0001〜0.001w/v%程度、より好ましくは0.0001〜0.0005 w/v%程度、さらにより好ましくは0.0003〜0.0005 w/v%程度である。
粘度低下抑制剤としてタウリン又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、タウリン又はその塩の総量として0.001〜1 w/v%程度が好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.1〜1 w/v% 程度、より好ましくは0.5〜1 w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、0.01〜0.1 w/v%程度、より好ましくは0.05〜0.1 w/v%程度である。
粘度低下抑制剤としてパントテン酸類を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、パントテン酸類の総量として0.0005〜0.1 w/v%程度が好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.005〜0.1 w/v%程度、より好ましくは0.01〜0.1 w/v%程度、特に好ましくは0.05〜0.1 w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.0005〜0.01 w/v%程度、より好ましくは0.001〜0.01 w/v%程度、特に好ましくは0.005〜0.01 w/v%程度である。
粘度低下抑制剤としてテトラヒドロゾリン又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、テトラヒドロゾリン又はその塩の総量として0.001〜0.1w/v%程度が好ましく、0.001〜0.05 w/v%程度がより好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.001〜0.1w/v%程度、より好ましくは0.001〜0.05 w/v%程度、さらに好ましくは0.01〜0.05 w/v%程度、特に好ましくは0.01〜0.03 w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.001〜0.01 w/v%程度、さらに好ましくは0.001〜0.005 w/v%程度である。
粘度低下抑制剤としてベルベリン又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、ベルベリン又はその塩の総量として、0.0001〜0.1 w/v%程度が好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.004〜0.1 w/v%程度、さらに好ましくは0.005〜0.025 w/v%程度、さらにより好ましくは0.01〜0.025w/v%程度、特に好ましくは0.0125〜0.025 w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.0001〜0.01w/v%程度、より好ましくは0.0001〜0.003w/v%程度、さらに好ましくは0.0005〜0.0025 w/v%程度、特に好ましくは0.00125〜0.0025 w/v%程度である。
粘度低下抑制剤としてピリドキシン又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、ピリドキシン又はその塩の総量として、0.0005〜0.1w/v%程度が好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.005〜0.1w/v%程度、より好ましくは0.01〜0.1 w/v%程度、特に好ましくは0.05〜0.1w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.0005〜0.01w/v%程度、より好ましくは0.001〜0.01w/v%程度、特に好ましくは0.005〜0.01w/v%程度である。
【0014】
粘度低下抑制剤としてアスパラギン酸又はその塩を使用する場合のその含有量は、眼科用組成物全体に対して、アスパラギン酸又はその塩の総量として0.01〜2 w/v%程度が好ましい。中でも、点眼剤、コンタクトレンズ装着液の場合は、好ましくは0.1〜2w/v%程度、より好ましくは0.2〜2 w/v%程度、特に好ましくは0.5〜1 w/v%程度である。また、その他の眼科用組成物(洗眼剤等)の場合は、好ましくは0.01〜2 w/v%程度、より好ましくは0.02〜0.2 w/v%程度、特に好ましくは0.05〜0.1 w/v%程度である。
【0015】
(A)成分と(B)成分との比率
本発明の眼科用組成物において、カルボキシビニルポリマー((A)成分)に対する粘度低下抑制剤( (B)成分)の含有比率は、特に制限されるものではないが、本願発明の効果をより一層発揮させる観点から、(A)成分の総量100重量部に対して、(B)成分の総量が約0.5〜1000重量部であることが好ましく、約1〜500重量部であることが更に好ましく、約2〜350重量部であることが特に好ましい。より具体的には、(A)成分の総量100重量部に対する(B)成分の含有比率として、以下の範囲が例示される。
【0016】
(B)成分がネオスチグミン又はその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約0.5〜100重量部が好ましく、約1〜40重量部がより好ましく、約2〜30重量部が特に好ましい。
(B)成分がタウリン又はその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約10〜1000重量部が好ましく、約20〜500重量部がより好ましく、約30〜450重量部がさらに好ましく、約40〜350重量部が特に好ましい。
(B)成分がパントテン酸類である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約1〜100重量部が好ましく、約2〜50重量部がより好ましく、約4〜35重量部が特に好ましい。
(B)成分がテトラヒドロゾリン又はその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約1〜100重量部が好ましく、約2〜50重量部がより好ましく、約4〜35重量部が特に好ましい。
(B)成分がベルベリン又はその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約1〜100重量部が好ましく、約2〜50重量部がより好ましく、約4〜35重量部が特に好ましい。
(B)成分がピリドキシン又はその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約1〜100重量部が好ましく、約3〜40重量部がより好ましく、約4〜30重量部が特に好ましい。
(B)成分がアスパラギン酸またはその塩である場合の、(A)成分100重量部に対する(B)成分総量の比率は、約10〜1000重量部が好ましく、約20〜500重量部がより好ましく、約40〜350重量部が特に好ましい。
【0017】
ホウ酸緩衝剤
本願発明の眼科用組成物は、(A)成分及び(B)成分に加えて、さらにホウ酸緩衝剤を含有することが好ましく、それにより上記説明した本願発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、並びにホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂のようなホウ酸塩などが挙げられる。中でも、ホウ酸又はホウ砂が好ましく、ホウ酸及びホウ砂を組み合わせて用いることがより好ましい。
ホウ酸緩衝剤の含有比率は、眼科用組成物全体に対して、0.05〜3w/v%程度が好ましく、0.2〜2.5w/v%程度がより好ましく、0.7〜2w/v%程度がさらにより好ましい。上記範囲であれば、その効果を十分に発揮できるとともに、組成物中の成分の析出が回避される。
【0018】
任意成分
本発明の眼科用組成物には、上記の成分に加えて、有効成分(薬理活性成分や生理活性成分等)を配合することができる。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼筋調節薬成分、抗炎症薬成分又は収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分又は殺菌薬成分、糖類、高分子化合物又はその誘導体、セルロース又はその誘導体、局所麻酔薬成分、緑内障治療成分、白内障治療成分等が例示できる。本発明において好適な薬理活性成分及び生理活性成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
【0019】
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0020】
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピンなど。
【0021】
抗炎症薬成分又は収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど。
【0022】
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、ジフェンヒドラミン又はその塩酸塩など、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、レボカバスチン又はその塩酸塩など、アンレキサノクス、イブジラスト、タザノラスト、トラニラスト、オキサトミド、スプラタスト又はそのトシル酸塩など、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウムなど。
【0023】
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、ユビキノン誘導体など。
【0024】
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、イプシロン−アミノカプロン酸、グリシン、アラニン、アルギニン、リジン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ吉草酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
【0025】
抗菌薬成分又は殺菌薬成分:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、アシクロビルなど。
【0026】
糖類:例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
【0027】
高分子化合物又はその誘導体:例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、デキストラン、ペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリビニルアルコール(完全、または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴールおよびその薬学上許容される塩類など。
【0028】
セルロース又はその誘導体:例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロースなど。
【0029】
局所麻酔薬成分:例えば、クロロブタノール、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなど。
【0030】
眼科用組成物の分野において各種成分の配合割合は既知であり、本発明の眼科用組成物中の薬理活性成分又は生理活性成成分の配合割合は、その成分の種類や眼科用組成物の剤型等に応じて適宜設定され得る。薬理活性成分又は生理活性成成分の配合割合は、例えば、組成物の総量に対して0.0001〜30w/v%程度、好ましくは0.001〜10 w/v%程度の範囲から選択できる。
【0031】
また、本発明の眼科用組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させることができる。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水性溶媒、水性又は油性基剤など)、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、キレート剤、緩衝剤、安定化剤等の各種添加剤を挙げることができる。
【0032】
以下に本発明の眼科用組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
【0033】
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
【0034】
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)−ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)ブロックコポリマー (具体的には、ポロクサマー407など)、エチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物(具体的には、ポロキサミンなど)、POEソルビタン脂肪酸エステル(具体的には、ポリソルベート80など)、POE硬化ヒマシ油(具体的には、POE(60)硬化ヒマシ油など)、ステアリン酸ポリオキシルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)の陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0035】
香料又は清涼化剤:例えば、テルペン類(具体的には、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。)、精油(ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など)など。
【0036】
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩化ポリドロニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩酸塩など)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。
【0037】
pH調節剤:例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸など。
【0038】
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
【0039】
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸など。
【0040】
緩衝剤:クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤など。具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂 、リン酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど。
【0041】
安定化剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリンなど。
任意成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0042】
粘度
本発明の眼科用組成物の粘度は、約10mPa・s以上が好ましく、約30mPa・s以上がより好ましく、約100mPa・s以上がより好ましく、約200mPa・s以上がより好ましく、約500mPa・s以上がより好ましく、約700mPa・s以上がより好ましく、約1000mPa・s以上がより好ましく、約1200mPa・s以上が特に好ましい。また、約10000mPa・s以下が好ましく、約8000 mPa・s以下がより好ましく、約5000mPa・s以下がより好ましく、約4000mPa・s以下がより好ましく、約3000 mPa・s以下がより好ましく、約2000 mPa・s以下が特に好ましい。
本発明の眼科用組成物は、上記範囲で、実用上十分な粘度となると共に、粘度低下抑制効果をより一層効果的に発揮できる。
本発明において、粘度は、第十五改正日本薬局方に記載の、一般試験法、粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(2)単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」の項に記載の方法で、B型回転粘度計(RB−80L;東機産業社)を用いて測定した値であり、具体的には実施例の項目に記載の方法で測定した値である。
【0043】
その他
本発明の眼科用組成物の剤型は特に制限されず、液剤、懸濁剤、乳剤等の剤型が挙げられる。これらの場合、水の含有量は、通常、約90重量%以上、好ましくは約95重量%以上とすればよい。好ましくは液剤である。
また、本発明の眼科用組成物のpHは、約3〜10とすればよく、約4〜9が好ましく、約5〜8.5がより好ましく、約7〜8.5が特に好ましい。
本発明の眼科用組成物を保存する為の容器の材質としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチック製やガラス製などの透明容器が挙げられる。本発明の眼科用組成物は、光照射による粘度低下が抑制されているため、このような透明容器(異物を観察するのに差し支えない程度の透明性を備えた容器)に充填することができる。特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアリレートを含有する容器が好ましく、特にポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートを含有する容器がさらに好ましい。また、本発明の眼科用組成物は、遮光された容器に充填されてもよい。遮光は、例えば上記した透明容器材料に着色剤を添加することにより行ってもよいし、容器をシュリンクフィルム、外箱などで覆うことにより、遮光してもよい。
【0044】
製造方法
本発明の眼科用組成物は、慣用の方法で調製できる。例えば、各成分を水などの担体に分散させた後、ホモジナイザーなどを用いて均一化、溶解又は乳化させ、pH調整剤でpHを調整することにより調製すればよい。また、製剤の滅菌方法としては、オートクレーブ滅菌、ろ過滅菌等の方法が選択される。
【0045】
用途・使用方法
本発明の眼科用組成物として、具体的には、点眼剤(点眼薬、点眼液を含む)、洗眼剤(洗眼薬、洗眼液を含む)、眼軟膏薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用ケア用剤(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)等が例示される。点眼剤及び洗眼剤には、コンタクトレンズを装用したまま使用可能な点眼剤及び洗眼剤が含まれる。また、本明細書において、コンタクトレンズには、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフトコンタクトレンズ等のあらゆるタイプのコンタクトレンズが包含される。
点眼剤や洗眼剤等のような医薬品の場合には、製造工程における容器内の異物検査が必須である他、粘度の変化もより少ない方が望ましいなど特に高い品質保証が要求される。本発明の眼科用組成物は、粘度低下が抑制されているため、このような品質保証に耐えることができる。従って、本発明の眼科用組成物は、点眼剤、洗眼剤として好適に使用することができ、特に点眼剤として好適に使用することができる。
【0046】
発明のその他の態様
本発明は、(A)カルボキシビニルポリマーを含む眼科用組成物に、(B)粘度低下抑制剤を添加する眼科用組成物の粘度低下抑制方法を包含する。各成分の種類、含有量、任意成分、眼科用組成物の剤型、粘度、pH、用途・使用方法は、上記した眼科用組成物と同様である。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試料の調製、光照射
後掲の表1〜6に記載の組成を有する眼科用組成物を以下のようにして調製した。即ち、各眼科用組成物処方の組成のうちカルボキシビニルポリマー(CVP)及びpH調整剤(塩酸又は水酸化ナトリウム)以外の成分を適量の精製水に加え、さらに、105℃で3時間乾燥させたCVP(AQUPEC HV-505E(住友精化)、又はカーボポール980(ルーブリゾール社))を粘度500〜3000mPa・s(25℃)になるように加えて、溶液が均一になるまで充分に攪拌した。塩酸もしくは水酸化ナトリウム溶液を加え、pHが7.0〜8.5になるように調整し、さらに適量の精製水を加えて各成分が所定の濃度となるよう調製した。ヒプロメロース(HPMC SH65-4000;信越化学工業)についてもCVPと同様に、約3000mPa・s(25℃)になるように調製した。
【0048】
これらの眼科用組成物を30ml容量のガラス容器に30ml充填した。これらの組成物を充填した容器に、光照射装置であるサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所)を用いて放射照度350W/mで8時間又は12時間光照射した。放射照度350W/mで8時間の光照射は10000kJ/mに該当し、放射照度350W/mで12時間の光照射は15000kJ/mに該当する。
照射終了後、光を照射していない試料(未照射試料)及び光を照射した試料(照射試料)を25℃で一晩遮光保管した。その後すみやかに、粘度計で25℃における粘度を測定した。
未照射試料及び照射試料の粘度(25℃)を測定し、未照射試料の粘度を100として、照射後の粘度をそれに対する相対粘度で表して、各処方における粘度低下を比較、評価した。
相対粘度=〔照射試料の粘度(25℃)/未照射試料の粘度(25℃)〕×100
【0049】
粘度測定
試験に用いた各サンプルの粘度を、第十五改正日本薬局方に記載の、「一般試験法、粘度測定法、第2法回転粘度計法」に記載されている「(2)単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」の項に記載の試験法に準拠して測定した。粘度計としてB型回転粘度計(RB−80L;東機産業社)を使用した。
粘度の測定条件は以下の通りである。
測定温度 25℃
測定値 1分後の粘度を測定値とした
回転数及びローターNo.
・粘度100 mPa・s未満:回転数60rpm、ローターNo.M2
・粘度100 mPa・s以上2500mPa・s未満:回転数12rpm、ローターNo.M2
・粘度2500mPa・s以上10000mPa・s未満:回転数12rpm、ローターNo.M3
【0050】
単一円筒形回転粘度計は、液体中の円筒を一定角速度で回転させたときのトルクを測定する粘度計である。装置の概略を図1に示す。あらかじめ粘度計校正標準液を用いて実験的にKBを定めることにより、液体の粘度ηを次式によって算出する。
η=KB × T/ω
η:液体の粘度(mPa・s)
KB:装置定数(rad/cm3
ω:角速度(rad/s)
T:円筒面に作用するトルク(10-7N・m)
浸透圧測定
浸透圧は、第十五改正日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定した。
【0051】
結果
各試料の組成、並びに光照射前後における試料の粘度、相対粘度、組成物の性状、浸透圧、及びpHを下記の表1〜6に示す。
表1〜6において、CVPはカルボキシビニルポリマーを示す。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

表1〜6より、ピリドキシン塩酸塩は、カルボキシビニルポリマーを含む眼科用組成物の光照射による粘度低下を、濃度依存的に抑制したことが分る。また、ピリドキシン塩酸塩による粘度低下抑制効果は、ヒプロメロースとの組み合わせでは奏されず、特にカルボキシビニルポリマーとの組み合わせで奏されることも分る。
また、ネオスチグミン、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、パントテン酸類、タウリン、及びアスパラギン酸カリウムも、同様に、カルボキシビニルポリマーを含む眼科用組成物の光照射による粘度低下を効果的に抑制した。
光照射前の組成物の粘度が高い場合は光照射による粘度低下が大きい(相対粘度が小さい)が、本発明の組成物は、このような場合も光照射による粘度低下が効果的に抑制されている。
また、カルボキシビニルポリマーの配合量や種類を変化させても、同様の粘度低下効果が認められた。
【0058】
本発明の眼科用組成物の処方例を、以下の表7〜11に示す。
【表7】

【0059】
【表8】

【0060】
【表9】

【0061】
【表10】

【0062】
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の眼科用組成物は、光暴露による粘度低下が効果的に抑制されているので、汎用の透明容器に充填しても、長期にわたり保存することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシビニルポリマー、及び
(B)ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を含有する眼科用組成物。
【請求項2】
カルボキシビニルポリマーの含有量が、組成物の全体に対して、0.001〜10w/v%である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
粘度低下抑制剤の含有量が、組成物の全体に対して、0.0001〜3w/v%である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
粘度が10〜10000mPa・sである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
透明容器に充填されている請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
(A)カルボキシビニルポリマーを含有する眼科用組成物に、(B) ネオスチグミン、タウリン、パントテン酸類、テトラヒドロゾリン、ベルベリン、ピリドキシン、及びアスパラギン酸、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上の粘度低下抑制剤を添加する、眼科用組成物の粘度低下抑制方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−93891(P2011−93891A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219798(P2010−219798)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】