説明

眼科疾患を治療するためのトコトリエノールキノンの製剤

眼科的有効量の1種または複数のトコトリエノールキノン、特にアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤を開示する。神経変性または外傷性障害に関連する眼科障害の予防、軽減、改善または治療のための、1種または複数のトコトリエノールキノンを含む製剤の使用についても論じる。1種または複数のトコトリエノールキノンを含む製剤を用いて、神経変性疾患または外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法についても論じる。1種または複数のトコトリエノールキノンを含む製剤を用いて、ミトコンドリアミオパチーに関連する眼の症状を治療または制御する方法についても論じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年4月28日に出願された米国仮特許出願第61/214,795号および2010年3月29日に出願された米国仮特許出願第61/318,737号の優先権の利益を主張する。これらの出願の全内容は本明細書において参照として援用される。
【0002】
説明
本発明は、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、本明細書において記載されている通りの1種もしくは複数の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。本発明は、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または神経変性疾患もしくは外傷に関連する視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、本明細書において記載されている通りの1種もしくは複数の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。本発明は、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、またはレーバー遺伝性視神経症(LHON)もしくは優性遺伝性視神経萎縮症(DOA)も包含しないミトコンドリアミオパチーに関連する視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、本明細書において記載されている通りの1種もしくは複数の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ミトコンドリアミオパチーは、細胞の「発電所」としての役割を果たす小さなエネルギー生成構造体であるミトコンドリアへの損傷によって引き起こされる疾患の群である。ミトコンドリアDNAにおける遺伝性変化は、身体系の成長、発達および機能の問題を引き起こし得る。これらの突然変異は、細胞のエネルギーを効率的に産生するミトコンドリアの能力を破壊し、最も高いエネルギーが必要な臓器に常に悪影響を及ぼす。遺伝性ミトコンドリアDNA突然変異の健康に及ぼす結果は広く変動するが、いくつかの頻繁に観察される特色は、視力喪失および失明、眼瞼下垂症、眼筋麻痺視神経萎縮症、後天性斜視、ならびに網膜色素変性症を包含するがこれらに限定されない、眼および視力が関与する異常を包含する(非特許文献1および非特許文献2)。
【0004】
ミトコンドリアミオパチーは、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス(Lactacidosis)および脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症を包含するがこれらに限定されない。本発明は、レーバー遺伝性視神経症(LHON)によって、または優性遺伝性視神経萎縮症(DOA)によって引き起こされるミオパチーおよび関連眼科障害に対処するものではない。
【0005】
運動失調症状を包含するミトコンドリアミオパチーの患者の多くは、眼球運動異常(とりわけ、緩慢な跳躍性運動、異常な追跡および眼振)、視神経症(とりわけフリードライヒ(Friedrich)運動失調症の患者の中で)、および網膜変性(脊髄小脳失調症)を有する。非特許文献3。
【0006】
慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)は、外眼筋の緩徐進行性の麻痺を特徴とする障害である。患者は通常、両側性、対称性、進行性眼瞼下垂症、続いて数か月から数年後に眼筋麻痺を経験する。毛様体および虹彩筋は関与していない。CPEOは、ミトコンドリアミオパチーの最も頻度の高い兆候である。ミトコンドリアDNA(mtDNA)における突然変異に関連するCPEOは、他に臨床徴候が何ら存在しなくても発生し得るが、通常は骨格筋虚弱に関連する。
【0007】
リー症候群(リー病または亜急性壊死性脳脊髄症としても公知である)は、多くのミトコンドリア障害の1つである。これは、ミトコンドリアDNA(mtDNA)または核DNAにおける多種多様な遺伝子突然変異(遺伝子SURF1およびいくつかのCOX集合因子)による進行性神経変性障害である。これは、通常は生後3か月から2歳の間の乳幼児に影響を及ぼすが、稀にティーンエイジャーおよび成人にも影響を及ぼす遺伝性障害である。症状のいくつかは、視力喪失および異常な眼球運動を包含する。
【0008】
典型的には、症状は2歳になる前に提示され、幼児期後期または成人期における提示は珍しい。症状は、大脳基底核および脳幹機能不全の徴候の重複を伴う精神運動遅滞/退行:運動失調、眼筋麻痺およびジストニアを包含する。
【0009】
フリードライヒ運動失調症(FRDA)は、タンパク質フラタキシンのレベル低下によって引き起こされる、常染色体劣性神経変性および心臓変性障害である。該疾患は、随意運動協調性の進行性消失(運動失調)および心臓合併症を引き起こす。症状は、典型的には幼児期に始まり、該疾患は患者が年齢を重ねるにつれて次第に悪化し、患者は最後には運動障害により車椅子生活を強いられるようになる。フリードライヒ運動失調症の患者は、視力(visual acuity)の喪失または色覚の変化を発症する。ほとんどが律動性眼球運動(眼振)を有するが、これらの運動単独では必ずしも視力に干渉しない。
【0010】
ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS)は、乳幼児、小児または若年成人において現れ得る疾患である。MELAS症候群における眼変化は、可逆性の暗点、眼筋麻痺および色素性網膜症を包含するとされている。
【0011】
カーンズ・セイアー症候群(KSS)は、(1)20歳未満の人において典型的な発病;(2)慢性進行性外眼筋麻痺;および(3)網膜の色素変性を包含する3つの特色を特徴とする。加えて、KSSは、白内障を包含し得る。
【0012】
マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA)は、歩行の緩徐進行性の協調不全を特徴とし、多くの場合、手、発語および眼球運動の協調不良と関連している。眼振および黄斑変性症が、この疾患の2つの特徴である。非特許文献4)は、色素性網膜ジストロフィーに続発する視力喪失を伴う脊髄小脳失調症の診断を開示している。
【0013】
呼吸鎖障害によって生じるまた別の壊滅的な症候群は補酵素Q10(CoQ10)欠損症であり、その症状は、脳筋症、精神遅滞、運動不耐性、赤色ぼろ線維、および再発性ミオグロビン尿症を包含する。CoQ10欠損症は、眼球運動症状とも関連するとされている。
【0014】
重複症候群と命名されるまた他の症候群は、異なる典型的なミトコンドリア症候群の臨床的特色を組み合わせたものである。ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とし、かつtRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、1つのそのような症候群は、非特許文献5によって記載されている。この特定の重複症候群は、感音難聴、非定型色素性網膜症、ミオクローヌスてんかん、眼瞼下垂症、眼筋麻痺、片頭痛、甲状腺機能低下症およびテストステロン不足を現す。
【0015】
緑内障は、視神経症の特徴的パターンにおける網膜神経節細胞の喪失が関与する視神経疾患群の一部である。眼圧(intraocular pressure)上昇は、緑内障を発症する重大な危険因子である(22mmHg超)。ある人は比較的低い圧力で神経損傷を発症し得、また別の人は高い眼圧(eye pressure)を長年にわたって有し得るが、決して損傷を発症しない。未治療の緑内障は、視神経の永久的な損傷および結果として起こる視野喪失につながり、これが失明に進行し得る。
【0016】
緑内障は、「開放隅角」つまり慢性緑内障および「閉塞隅角」つまり急性緑内障という2つの主なカテゴリーに大まかに分類できる。閉塞隅角、急性緑内障は、多くの場合辛い副作用を伴って突然出現するため、通常は迅速に診断されるが、視力の損傷および喪失も極めて突然発生し得る。原発性開放隅角緑内障(POAG)は、視神経損傷および最終的には視力喪失につながる進行性疾患である。緑内障は、網膜および視神経頭の神経変性をもたらす。積極的な医療ケアおよび外科治療を用いても、該疾患は概して、網膜神経細胞の漸進的喪失、視覚機能の減退および最終的には失明を引き起こし続ける。
【0017】
糖尿病性網膜症(DR)は、糖尿病の一般的な合併症であり、労働年齢の成人における法的盲の主要原因である。DRの臨床的特質は、浮腫につながる血管透過性の増大、および内皮細胞増殖を包含する。研究努力の多くは血管変化に焦点を合わせたものであったが、網膜の血管細胞以外にも他の退行性変化が発生することが明らかになりつつある。これらは、アポトーシスの増加、グリア細胞反応性、ミクログリア活性化、およびグルタミン酸代謝の改変を包含する。一緒に発生する場合、これらの変化は神経変性とみなされ得、糖尿病の発病直後に始まる視力における機能的欠損のいくつかを説明することができる。
【0018】
加齢黄斑変性症(AMD)は、鮮明な中心視を徐々に損なう、加齢に関連する疾患である。中心視は、物体を明確に見るため、ならびに読書および運転等の一般的な日常動作のために必要である。AMDは、詳細部分を見るための能力をヒトに提供する眼の一部である黄斑に影響を及ぼす。AMDは疼痛を引き起こさない。いくつかの症例において、AMDは非常にゆっくり進むため、人々は自らの視力の変化にほとんど気付かない。他では、該疾患はより速く進行し、両眼における視力喪失または法的盲につながり得る。AMDは、60歳以上の米国人における視力喪失の主要原因である。該疾患は、湿性および乾性という2つの形態で発生する。
【0019】
時に若年性黄斑変性症(JMD)の名で取り扱われる黄斑変性症(MD)の他の形態は、シュタルガルト病、ベストの卵黄状黄斑ジストロフィー、ドインのハニカム網膜ジストロフィー、マラッティア・レベンティネーズ(Malattia leventinese)、ソースビー黄斑変性症、および常染色体優性出血性黄斑ジストロフィーを包含する。シュタルガルト病は、JMDの最も一般的な種類である。症状は、典型的には、幼児期またはティーンの時期において発症する。症状は、視力の減退、黄斑上のドルーゼン斑および黄斑の瘢痕を包含する。二番目に一般的なJMDであるベストの卵黄状黄斑ジストロフィーは、通常、黄斑変性症の比較的軽度な形態である。その最も特殊な症状は、初期段階における黄斑上の「卵黄」大型ドルーゼン斑であり、これが後に解体して「スクランブルエッグ」ドルーゼンとなる。
【0020】
アルツハイマー病は、米国において約400万人に影響を及ぼしている一般的な進行性神経変性疾患である。アルツハイマーの症例の約3分の1において、「視覚」提示が優性であり、ここで視覚大脳皮質機能不全の症状が優位を占める。これらの患者は、通常、視力不良についての曖昧な愁訴、案内路確認の問題および読書の問題を提示する。
【0021】
進行性核上麻痺(PSP)は、保存された前庭眼反射運動を伴う随意眼球運動の異常性、後方への転倒を伴う姿勢反射障害、およびパーキンソニズムが組み合わさった稀な神経変性障害である。
【0022】
パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる)は、疾病が進行するにつれて頻繁に視力の問題を増加させる。PDまたは関連疾患が進行するにつれて、多くの患者がますます視界不良(機能的に低減した視力)を発症する。
【0023】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者は、典型的には、運動能力を制御する神経系における機能不全によって引き起こされると考えられている眼球異常を経験する。長期にわたって人工呼吸器を装着している患者は、眼を自発的に閉じることができない、または完全な眼球麻痺(眼筋麻痺)等、高頻度の眼球異常を有し得る。いくつかの症例において、ALS患者は複視および霧視を患っている。
【0024】
非特許文献6において記載されている通りの、視神経症に関連するいくつかのさらなる神経変性疾患は、シャルコー・マリー・トゥース病、ムコ多糖体沈着症、副腎脳白質ジストロフィー、ニーマン・ピック病、クラッベ病、ペリツェウス・メルツバッハー病、リーの亜急性壊死性脳脊髄症、進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)を包含する。
【0025】
外傷性眼球負傷(injuries)は、眼を突かれることまたは頭を打つこと等の事故によって発生する。外傷の種類に応じて、症状は、霧視、眼球突出、熱傷、複視、ドライアイ、飛蚊症、光感受性、および眼または眼の周辺の疼痛または不快感を包含し得る。発生し得る他の出来事は、腫脹、拡張したまたは光に反応しない瞳孔、視力喪失、制限された眼球もしくは眼瞼運動または下垂症(下垂した眼瞼)を包含する。負傷したイラク戦争の退役軍人の推定10から13パーセントは、典型的には、爆発物の破片を次々と放つ近代兵器の結果として、直接的な穿通性眼損傷を被った。これらの軍人の幾人かは、視覚神経経路に影響を及ぼす脳内の外傷を原因とする負傷を患っている。
【0026】
外傷性視神経症(TON)は、外傷に続発する視神経の急性負傷を指す。視神経軸索は、直接的にまたは間接的にのいずれかで損傷され得、視力喪失は部分的または完全となり得る。視神経への間接的負傷は、典型的には、鈍的頭部外傷から視神経管への力の伝達によって発生する。これは、穿通性眼窩外傷による視神経線維の解剖学的破壊、視神経管内の骨片、または神経鞘血腫によって生じる直接的なTONとは対照的である。眼細胞の角膜移植または幹細胞移植を受けている患者は、外傷も受けることがある。
【0027】
急性眼窩コンパートメント症候群は、顔面外傷の結果としての限られた眼窩空間内における圧力上昇の、稀ではあるが治療可能な合併症である。該状態は、認識できる身体所見および進行性視覚欠損を提示する。
【0028】
ミトコンドリア病の治療のための、式Iのトコトリエノールキノンの使用は、共同所有される特許文献1において記載されているが、この出願は、神経変性障害または外傷に関連する眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための製剤については記載していない。
【0029】
【化1】

非特許文献7は、アルファ−トコトリエノールの濃度が、それが投与されたすべての組織において著しく増大し、アルファ−トコフェロールの場合には有意な増大が観察されないことを示した。Tanitoは、トコトリエノールキノンについては記述していない。
【0030】
眼科用組成物における、トコトリエノールでもトコトリエノールキノンでもないビタミンEトコフェリル誘導体の使用は、特許文献2において記載されているが、これらの誘導体は、ある特定の難溶性眼科用剤の水溶解性を増大させるために使用され、眼神経変性疾患の改善、治療または抑制における活性化合物として使用されるものではない。しかしながら、ビタミンEトコフェリル誘導体が、眼用製剤にさらなる快適さおよび無刺激性を提供するために前記製剤に包含され得ることは、本発明の趣旨内に想定されている。
【0031】
病原体クラミジアの阻害のためのトコトリエノールの使用は、特許文献3において記載されている。この公報は、点眼剤を用いるクラミジアの治療におけるビタミンEトコクロマノールの適用モードを特許請求しているが、それについて記載していない。この公報は、トコトリエノールキノンを用いるいかなる治療についても記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】米国特許公開第2006/0281809号明細書
【特許文献2】米国特許第5,886,030号明細書
【特許文献3】米国特許公開第2006/0241174号明細書
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】Kosmorskyら、Neurol. Clin. (1991年)9巻:147〜61頁
【非特許文献2】Biousse, V.ら、Curr. Opin. Neurol.(2003年)16巻(1号):35〜43頁
【非特許文献3】Gouwら、Nature Genetics(1995年)10巻、89〜93頁
【非特許文献4】Gupta, Sら(Journal of Neurological Sciences(2008年)264巻:173〜176頁
【非特許文献5】Nishigaki, Yら、Neuromuscular Disorders(2003年)13巻:334〜340頁
【非特許文献6】Pelak, V.S.、Ophthalmol. Clin. N. Am.(2004年)、17巻:311〜320頁
【非特許文献7】Tanitoら、Distribution of Tocopherols and Tocotrienols to Rat Ocular Tissues after Topical Ophthalmic Administration、Lipids(2004年)、39巻、5号:469〜474頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0034】
発明の要旨
本発明は、眼科的有効量(ophthalmically effective amount)の1種または複数の式Iの化合物またはそれらの混合物を含む製剤に関する。
【0035】
一実施形態において、本発明は、眼科的有効量の1種または複数の式Iの化合物またはそれらの混合物を含み、薬学的にまたは眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む製剤に関する。
【0036】
本発明は、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明は、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンは、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有する。いくつかの実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0038】
別の態様において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者に有益な製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤と;眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。
【0039】
別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ベータ−トコトリエノールキノンを含む製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のベータ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のベータ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するベータ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0041】
別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ガンマ−トコトリエノールキノンを含む製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のガンマ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のガンマ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するガンマ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0042】
別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、デルタ−トコトリエノールキノンを含む製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のデルタ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者において有益な製剤であって、眼科的有効量のデルタ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するデルタ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0043】
別の実施形態において、本発明は、神経変性疾患または外傷に関連する眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種もしくは複数の式Iの剤またはそれらの混合物を含む該製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。いくつかの実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0044】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;他の神経疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障ならびに網膜外側の他の疾患および障害;黄斑変性症、特に加齢黄斑変性症または若年性黄斑変性症;網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON)から選択される疾患に関連する眼科障害、ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、および眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、該疾患はLHONでもDOAでもない。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0045】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリアミオパチーからの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、tRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とする重複症候群によって生じるミトコンドリアミオパチーからの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む製剤に関する。
【0046】
他の実施形態において、本発明は、レーバー遺伝性視神経症でも優性視神経症でもないミトコンドリアミオパチーからの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0047】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA)、リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症を包含するミトコンドリアミオパチーに関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。前述の実施形態において、製剤は、LHONまたはDOAの治療用ではない。
【0048】
別の実施形態において、本発明は、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患、他の神経疾患、ハンチントン病、および老化関連疾患を包含するがこれらに限定されない神経変性障害または外傷に関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0049】
別の実施形態において、本発明は、緑内障ならびに網膜外側の他の疾患および障害;ならびに黄斑変性症、特に加齢黄斑変性症を包含するがこれらに限定されない神経変性障害または外傷に関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、網膜虚血等の外傷に関連する眼科障害、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON);ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、および眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0051】
一実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用に関する。他の実施形態において、ミトコンドリアミオパチーは、遺伝性ミトコンドリア病、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症からなる群から選択され、但し、該ミトコンドリア病はLHONでもDOAでもない。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0052】
別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス、脳卒中(MELAS);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;およびフリードライヒ運動失調症(FRDA)からなる群から選択されるミトコンドリアミオパチーに罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0053】
本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、遺伝性ミトコンドリア病に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、ミトコンドリア障害、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス、および脳卒中(MELAS)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、カーンズ・セイアー症候群(KSS)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、リー症候群に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、重複症候群に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0054】
別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に関連する神経変性障害に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用であって、前記神経変性障害が、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を包含する黄斑変性症;アルツハイマー病、進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症、副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)からなる群から選択される、使用に関する。
【0055】
本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、アルツハイマー病に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、進行性核上麻痺(PSP)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0056】
本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、緑内障に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の他の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、原発性開放隅角緑内障(POAG)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0057】
本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、糖尿病性網膜症(DR)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0058】
本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、黄斑変性症(MD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、加齢黄斑変性症(AMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の他の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、若年性黄斑変性症(JMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、外傷性眼球負傷に罹患している患者の眼科障害を改善させ、もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、外傷性負傷は、外傷性視神経症(TON)である。他の実施形態において、本発明は、眼細胞の角膜移植または幹細胞移植を受けている患者の改善または治療のための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物の使用に関する。
【0060】
他の実施形態において、本発明は、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON);ならびに光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、および眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷の患者の改善または治療のための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的にまたは眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0061】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、経口投与によるものである。前述の実施形態のいずれかを包含する他の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、局所投与によるものである。
【0062】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤は、眼神経変性疾患および視力喪失の発生を予防するための予防薬として有用である。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。他の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症(但し、該ミトコンドリア病はLHONでもDOAでもない)からなる群に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0064】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス、脳卒中(MELAS);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;およびフリードライヒ運動失調症(FRDA)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0065】
本発明の別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、カーンズ・セイアー症候群(KSS)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、リー症候群に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、重複症候群に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。
【0066】
別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に関連する神経変性障害に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用であって、前記神経変性障害が、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を包含する黄斑変性症;アルツハイマー病、進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症、副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)からなる群から選択される、使用に関する。
【0067】
本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、アルツハイマー病に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、進行性核上麻痺(PSP)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。いくつかの実施形態において、アルファトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0068】
本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、緑内障に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の他の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、原発性開放隅角緑内障(POAG)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0069】
本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、糖尿病性網膜症(DR)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0070】
本発明の別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、黄斑変性症(MD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明のいくつかの実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、加齢黄斑変性症(AMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。本発明の他の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、若年性黄斑変性症(JMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためである。
【0071】
別の実施形態において、本発明は、外傷性眼球負傷に罹患している患者の眼科障害を改善させ、もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるためのアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、外傷性負傷は、外傷性視神経症(TON)である。他の実施形態において、本発明は、眼細胞の角膜移植または幹細胞移植を受けている患者の改善または治療のための、アルファ−トコトリエノールキノンの使用に関する。
【0072】
他の実施形態において、本発明は、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、外傷性視神経症(TON)、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷の患者の改善または治療のための、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的にまたは眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0073】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、経口投与によるものである。前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の使用は、局所投与によるものである。
【0074】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤は、眼神経変性疾患および視力喪失の発生を予防するための予防薬として有用である。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は、経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0075】
別の実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0076】
別の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、眼科製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0077】
別の実施形態において、本発明は、tRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とする重複症候群等の重複症候群に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0078】
別の実施形態において、本発明は、神経変性疾患もしくは外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される薬学的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0079】
別の実施形態において、本発明は、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を含む黄斑変性症;アルツハイマー病;進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミア;および視神経萎縮症(PEHO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0080】
別の実施形態において、本発明は、外傷に関連する眼の症状、術後合併症、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、外傷性視神経症(TON)、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、眼細胞の角膜移植および幹細胞移植に関連する損傷を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。前述の実施形態のいくつかにおいて、製剤は経口製剤である。他の実施形態において、製剤は局所製剤である。
【0081】
別の実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの眼科的有効量を含む、方法に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの眼科的有効量を含む、方法に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの眼科的有効量を含む、方法に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0083】
別の実施形態において、本発明は、tRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とする重複症候群等の重複症候群に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの眼科的有効量を含む、方法に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0084】
別の実施形態において、本発明は、神経変性疾患もしくは外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの薬学的有効量を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0085】
別の実施形態において、本発明は、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を含む黄斑変性症;アルツハイマー病;進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミア;および視神経萎縮症(PEHO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤が眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む、方法に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0086】
別の実施形態において、本発明は、外傷に関連する眼の症状、術後合併症、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、外傷性視神経症(TON)、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、眼細胞の角膜移植および幹細胞移植に関連する損傷を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に製剤を投与するステップを含み、該製剤がアルファ−トコトリエノールキノンの眼科的有効量を含む、方法に関する。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0087】
本発明はさらに、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため;または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記眼科用製剤に関する。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明は、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、アルファ−トコトリエノールキノンは、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有する。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明の眼科用製剤は、点眼剤として局部的に投与される。他の実施形態において、本発明の眼科用製剤は、潅注溶液として投与される。他の実施形態において、本発明の眼科用製剤は、眼周囲に投与される。他の実施形態において、本発明の眼科用製剤は、眼内に投与される。
【0090】
別の態様において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者における神経保護に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤と;眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。
【0091】
別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者における神経保護に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に罹患している、またはそのリスクがある患者における神経保護に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容されるビヒクルとを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の、局所、眼周囲または眼内使用に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ベータ−トコトリエノールキノンを含む製剤の、局所、眼周囲または眼内使用に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ガンマ−トコトリエノールキノンを含む製剤の、局所、眼周囲または眼内使用に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、デルタ−トコトリエノールキノンを含む製剤の、局所、眼周囲または眼内使用に関する。
【0092】
別の実施形態において、本発明は、神経変性疾患または外傷に関連する眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種もしくは複数の式Iの剤またはそれらの混合物を含む前記眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0093】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;他の神経疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障ならびに網膜外側の他の疾患および障害;黄斑変性症、特に加齢黄斑変性症または若年性黄斑変性症;網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷;手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷;角膜移植に関連する損傷;および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷から選択される疾患に関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0094】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリアミオパチーからの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物と、眼科的に許容されるビヒクルとを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。他の実施形態において、本発明は、レーバー遺伝性視神経症でも優性視神経症でもないミトコンドリアミオパチーからの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物と、眼科的に許容されるビヒクルとを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0095】
別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状に対する保護に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状の軽減に有益な、局所眼科用製剤であって、眼科的有効量の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状に対する改善に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状の治療に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む前記製剤に関する。前述の実施形態のいずれかを包含するいくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。前述の実施形態のいずれかを包含するいくつかの実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状に対する保護に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状の軽減に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状の改善に有益な、局所眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)からの眼の症状の治療に有益な、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤であって、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む前記製剤に関する。前述の実施形態のいずれかを包含するいくつかの実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0097】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症、および複合体V欠損症を包含するミトコンドリアミオパチーに関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0098】
別の実施形態において、本発明は、パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;他の神経疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障ならびに網膜外側の他の疾患および障害;黄斑変性症、特に加齢黄斑変性症;網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷、手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷、角膜移植に関連する損傷;および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷を包含するがこれらに限定されない神経変性障害または外傷に関連する眼科障害からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0099】
別の実施形態において、本発明は、網膜虚血等の外傷に関連する眼科障害、外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、および眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷からの保護、それらの軽減、改善または治療に有益な、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0100】
別の態様において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、アルファ−トコトリエノールキノンを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。別の実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、75%から99%の、または約75%から約99%の純度を有するアルファ−トコトリエノールキノンを含む製剤の、局所、眼周囲または眼内使用に関する。一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ベータ−トコトリエノールキノンを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、ガンマ−トコトリエノールキノンを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。一実施形態において、本発明は、そのような治療を必要とする個体において、眼科障害を予防、軽減、改善または治療するための、デルタ−トコトリエノールキノンを含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。他の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症からなる群から選択されるミトコンドリアミオパチーに罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0102】
別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス、脳卒中(MELAS);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);フリードライヒ運動失調症(FRDA);および重複症候群からなる群から選択される眼科障害または視力喪失に関連するミトコンドリアミオパチーに罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0103】
本発明の別の実施形態において、本発明は、遺伝性ミトコンドリア病に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、ミトコンドリア障害ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシス、および脳卒中(MELAS)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、ミトコンドリア障害カーンズ・セイアー症候群(KSS)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、ミトコンドリア障害リー症候群に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、重複症候群に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、tRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とするミトコンドリア障害に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0104】
別の実施形態において、本発明は、眼科障害または視力喪失に関連する神経変性障害に罹患している、またはそのリスクがある患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用であって、前記神経変性障害が、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を含む黄斑変性症;アルツハイマー病、進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)からなる群から選択される、使用に関する。
【0105】
本発明の別の実施形態において、本発明は、アルツハイマー病に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、進行性核上麻痺(PSP)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の別の実施形態において、本発明は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0106】
別の実施形態において、本発明は、緑内障に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。本発明の他の実施形態において、本発明は、原発性開放隅角緑内障(POAG)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0107】
別の実施形態において、本発明は、糖尿病性網膜症(DR)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0108】
本発明の別の実施形態において、本発明は、黄斑変性症(MD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、加齢黄斑変性症(AMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。他の実施形態において、本発明は、若年性黄斑変性症(JMD)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0109】
別の実施形態において、本発明は、眼科障害を改善させ、もしくは治療するため、または外傷性眼球負傷に罹患している患者の視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、外傷性視神経症(TON)に罹患している患者の眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。他の実施形態において、本発明は、眼細胞の角膜移植または幹細胞移植を受けている患者の改善または治療のための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。
【0110】
他の実施形態において、本発明は、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON)、ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、および眼細胞の角膜移植と幹細胞移植とに関連する損傷の患者の改善または治療のための、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用に関する。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0111】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤の使用は、局所投与によるものである。前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、眼周囲投与によるものである。前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤の使用は、眼内投与によるものである。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0112】
前述の実施形態のいずれかを包含する別の実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含む製剤は、眼神経変性疾患および視力喪失の発生を予防するための予防薬として有用である。いくつかの実施形態において、式Iのトコトリエノールキノンは、アルファ−トコトリエノールキノンである。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0113】
別の実施形態において、本発明は、LHONを除き、かつDOAを除くミトコンドリアミオパチーに関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。別の実施形態において、本発明は、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内製剤を投与するステップを含み、該製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0114】
別の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0115】
別の実施形態において、本発明は、tRNALeu(UUR)遺伝子のヌクレオチド3255(G3255A)におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)突然変異による、ミオクローヌスてんかん赤色ぼろ線維(MERRF)およびカーンズ・セイアー症候群(KSS)両方の臨床的特色を特徴とする重複症候群等の重複症候群に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、局所眼科用製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0116】
別の実施形態において、本発明は、神経変性疾患または外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、局所、眼周囲または眼内眼科用製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0117】
別の実施形態において、本発明は、緑内障;糖尿病性網膜症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症を含む黄斑変性症;アルツハイマー病;進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患(パーキンソニズムと呼ばれる);筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0118】
別の実施形態において、本発明は、外傷に関連する眼の症状、術後合併症、外傷性視神経症(TON)、ならびに、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法、手術照明灯により誘発される医原性網膜症、眼細胞の角膜移植および幹細胞移植に関連する損傷を治療または制御する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、局所、眼周囲または眼内製剤を投与するステップを含み、前記製剤が、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む。他の実施形態において、局所、眼周囲または眼内製剤は、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む。
【0119】
上述したすべての製剤および方法について、所望の場合、組成物をそのキノン型の代わりにその還元型(ハイドロキノン型)で使用してよい。
【発明を実施するための形態】
【0120】
発明の詳細な説明
本発明は、患者において使用するための、化合物、製剤、方法およびキットを開示する。患者は、哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0121】
本発明の製剤の活性成分は、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノンおよびそれらの混合物から選択される。一実施形態において、本発明の製剤は、アルファ−トコトリエノールキノンを活性成分として含む。他の実施形態において、本発明の製剤は、薬学的に許容されるビヒクル中に1種もしくは複数の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含み、他の実施形態において、本発明の製剤は、薬学的に許容されるビヒクル中にアルファ−トコトリエノールキノンを含む。他の特定の実施形態において、製剤は、経口的に投与される。他の実施形態において、本発明の製剤は、局所、眼周囲または眼内投与のために、眼科的に許容されるビヒクル中に、1種もしくは複数の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物を含み、他の実施形態において、本発明の製剤は、眼科的に許容されるビヒクル中にアルファ−トコトリエノールキノンを含む。
【0122】
本発明の製剤は、例えば硝酸セリウムアンモニウム(CAN)のような適切な酸化剤を用いる酸化によって各トコトリエノールから合成的に生成され得るトコトリエノールキノンを含む。特に、本発明の製剤は、アルファ−トコトリエノールの酸化によって生成されるアルファ−トコトリエノールキノン(CAS登録番号1401−66−7)を含む。アルファ−トコトリエノールの生成のための好ましい過程は、「Process for Enrichment and Isolation of alpha−Tocotrienol from Natural Extracts」と題された共有米国仮出願第61/197,585号において記載されている。
【0123】
d,l−または(RS)−型のトコトリエノールファミリーの種々のメンバーの合成が公開されており、例えば、Schudelら、Helv. Chim. Acta(1963年)46巻、2517〜2526頁、H. Mayerら、Helv. Chim. Acta(1967年)50巻、1376〜11393頁、H.−J. Kabbeら、Synthesis(1978年)、888〜889頁、M. Kajiwaraら、Heterocycles(1980年)14巻、1995〜1998頁、S. Uranoら、Chem. Pharm. Bull.(1983年)31巻、4341〜4345頁、Pearceら、J. Med Chem.(1992年)、35巻、3595〜3606頁およびPearceら、J. Med. Chem.(1994年)37巻、526〜541頁を参照されたい。これらの報告されている過程のいずれも天然型のトコトリエノールにはつながらず、むしろラセミ混合物を生成する。天然型d−トコトリエノールの合成が公開されている。例えばJ. Scottら、Helv. Chim. Acta(1976年)59巻、290〜306頁、Satoら(日本国特許第63063674号)、Satoら(日本国特許第JP01233278号)およびCouladourosら(米国特許第7,038,067号)を参照されたい。
【0124】
合成および天然トコフェロールは市場において容易に入手可能であるが、天然トコトリエノール供給は限定されており、概してトコトリエノールの混合物を含む。トコトリエノールが豊富な(800〜1500ppm)粗製ヤシ油は、天然トコトリエノールの潜在源となる。Carotech(Malaysia)は、米国特許第5,157,132号において特許取得された過程により、粗製ヤシ油からトコトリエノールを抽出し、濃縮することができる。Tocomin(登録商標)−50は、典型的には、約25.32%の混合トコトリエノール(7.00%のアルファ−トコトリエノール、14.42%のガンマ−トコトリエノール、3.30%のデルタ−トコトリエノールおよび0.6%のベータ−トコトリエノール)、6.90%のアルファ−トコフェロール、ならびに、植物(plant)スクワレン、植物ステロール、補酵素Q10および混合カロテノイド等の他のファイトニュートリエントを含む。
【0125】
ある特定の植物油および植物油副生成物からのトコトリエノールの単離または富化のための他の方法は、文献において記載されている。そのような単離および精製過程のいくつかの例については、例えば、Top A.G.ら、米国特許第5,190,618号、Lane Rら、米国特許第6,239,171号、Bellafiore,L.ら、米国特許第6,395,915号、May,C.Yら、米国特許第6,656,358号、Jacobs,Lら、米国特許第6,838,104号、Sumner,Cら、国際特許公開第WO99/38860号、またはJacobs,L、国際特許公開第WO02/500054号を参照されたい。本発明において使用するための化合物および他の治療活性剤は、推奨最大臨床投薬量で、またはそれより低い用量で投与され得る。本発明において使用するための組成物中における活性化合物の投薬量レベルは、投与ルート、疾患の重症度および患者の応答に応じて所望の治療応答が得られるように変動され得る。他の治療剤と組み合わせて投与される場合、治療剤は、同時もしくは異なる時に与えられる別個の組成物として製剤化されてもよく、または治療剤は単一組成物として与えられてもよい。
【0126】
一実施形態において、トコトリエノールキノン調製物等の化合物の調製物の純度は、あらゆる医薬担体もしくは添加剤、またはあらゆるさらなる活性剤の添加前に測定される。例えば、国際特許出願第PCT/US2009/062212号または米国特許出願第12/606,923号において記載されている方法のいずれかに従ってアルファ−トコトリエノールキノンが調製される場合、アルファ−トコトリエノールキノンの純度は、選択された方法の最終生成物について、医薬担体(複数可)もしくは添加剤(複数可)またはさらなる活性剤(複数可)を添加する前に測定される。所望のトコトリエノールキノンまたは他の化合物の純度は、あらゆる医薬担体もしくは添加剤、またはあらゆる追加活性剤の添加前、重量で、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%となり得る。モル分率で、または任意の他の相対測定(重量/体積等)でも、これらと同じ数値の純度レベルが使用され得る。
【0127】
別の実施形態において、トコトリエノールキノン調製物等の化合物の調製物の純度は、調製物中におけるトコトリエノールキノンおよび(存在する場合)トコトリエノールの総量に対する所望のトコトリエノールキノンの分率として測定される。例えば、100mgのアルファ−トコトリエノールキノン、50mgのベータ−トコトリエノールキノンおよび50mgのガンマ−トコトリエノールキノンを含有する組成物は、調製物中に存在する他の非トコトリエノールまたは非トコトリエノールキノン化合物の量に関係なく、50重量%のアルファトコトリエノールキノンとして記述されるであろう。この純度測定は、医薬担体もしくは添加剤の添加前もしくは後、または任意の非トコトリエノール/非トコトリエノールキノン活性剤の添加前もしくは後のいずれで測定されるかにかかわらず、同じになるであろう。所望のトコトリエノールキノンまたは他の化合物の純度は、重量で、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%となり得る。モル分率で、または任意の他の相対測定(重量/体積等)でも、これらと同じ数値の純度レベルが使用され得る。
【0128】
本発明の方法において使用される化合物は、十分な血漿中レベルの化合物を提供するであろう任意の適切な形態で投与され得る。化合物は、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、添加剤、アジュバントおよびビヒクルを必要に応じて含有する単位投薬量製剤で、経腸的に、経口的に、非経口的に、舌下に、吸入によって(例えば、ミストまたはスプレー剤として)、経直腸的にまたは局所的に投与され得る。例えば、適切な投与モードは、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオントフォレーシス、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内(例えば、鼻粘膜を介して)、硬膜下、直腸、胃腸等、および特定のまたは冒された臓器または組織へ直接を包含する。非経口という用語は、本明細書において使用される場合、皮下注射、静脈注射、動脈注射、筋肉注射、胸骨内注射または注入技術を包含する。化合物は、所望の投与ルートに適した薬学的に許容される担体、添加剤、アジュバントおよびビヒクルと混合される。
【0129】
経口投与は、その実行の容易さおよび患者(または介護者)コンプライアンスにより有利である。ある特定の実施形態において、活性化合物および許容される担体は、本発明の脂溶性キノンの取り込みおよび吸収を促進するために、クリームチーズ、ピーナッツバター、または少なくともカロリーの25%が脂肪由来である任意の他の食品等の食品とともに投与される。
【0130】
用語「栄養補助食品」は、食品または食品の一部であり、かつ、疾患の予防および治療を包含する医療または健康上の利益を提供する、任意の物質を指すために使用されてきた。それ故、「栄養補助食品」のラベルに該当する組成物は、単離された栄養素、ダイエタリーサプリメントおよび特定治療食から、遺伝子組換えのデザイナーフード、ハーブ製品、ならびに、シリアル、スープおよび飲料等の加工食品にまで及び得る。より技術的な意味では、該用語は、食品から単離または精製された生成物を指すために使用され、概して、通常は食品とは関係なく、かつ生理学的利益を有するまたは慢性疾患からの保護を提供することが実証された医薬形態で販売されてきた。したがって、本明細書において使用するために記載される化合物を、栄養補助食品的にまたは栄養的に許容される添加剤、栄養補助食品的にまたは栄養的に許容される担体、および栄養補助食品的にまたは栄養的に許容されるビヒクル等の添加物とともに、栄養補助食品または栄養製剤として投与してもよい。そのような製剤は、時に医療食品と呼ばれる。適切な栄養補助食品的に許容される添加剤は、ゴマ油等の1種もしくは複数の植物(vegetable)由来の油、および/または1種もしくは複数の動物由来の油、および/または1種もしくは複数の魚由来の油を含む溶液等の液体溶液を包含し得る。本発明の化合物を、脂肪の多い食品と混合し、医療食品として投与してもよい。
【0131】
本明細書において使用するために記載される化合物は、固体形態で、液体形態で、エアゾール形態で、または、錠剤、丸剤、散剤混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射剤、クリーム剤、液剤、坐剤、浣腸剤、結腸洗浄剤、乳剤、分散剤、食品プレミックスの形態で、および他の適切な形態で投与され得る。化合物をリポソーム製剤で投与してもよい。化合物は、プロドラッグとして投与されてもよく、該プロドラッグは、治療されている対象において治療上有効な形態への転換を受ける。さらなる投与方法は、当技術分野において公知である。
【0132】
注射用調製物、例えば滅菌注射用の水性または油脂性懸濁剤は、適切な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、当技術分野において公知の方法に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容される賦形剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液、例えば、プロピレングリコール中の溶液等であってもよい。許容されるビヒクルおよび溶媒の中でも、用いられ得るのは、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌固定油が溶媒または懸濁化媒体として慣行的に用いられる。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを包含する任意の無刺激性固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が注射液の調製における使用を見出している。
【0133】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を包含し得る。そのような固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプン等の少なくとも1種の不活性賦形剤と混和され得る。そのような剤形は、不活性賦形剤以外のさらなる物質、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤も含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。錠剤および丸剤は、追加で腸溶コーティングを用いて調製することができる。
【0134】
経口投与用の液体剤形は、水等の当技術分野において一般に使用される不活性賦形剤を含有する、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含し得る。そのような組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、シクロデキストリン等のアジュバント、ならびに甘味剤、香味剤および着香剤も含み得る。代替として、適切ならば、化合物を未希釈形態で投与してもよい。
【0135】
本発明において使用するための化合物は、リポソームの形態で投与してもよい。当技術分野において公知の通り、リポソームは概してリン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散された単膜または多重膜の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる非毒性の、生理的に許容され、かつ代謝可能な脂質が使用され得る。リポソーム形態の本組成物は、本発明において使用するための化合物に加えて、安定剤、保存剤、添加剤等を含有し得る。好ましい脂質は、天然および合成両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、Prescott編、Methods in Cell Biology、XIV巻、Academic Press、New York, N.W.、33頁以下参照(1976年)を参照されたい。
【0136】
本発明に従って投与される局所眼科用製剤は、界面活性剤、等張化剤、緩衝剤、保存剤、共溶媒および粘度構築剤(viscosity building agents)を包含するがこれらに限定されない種々の他の原料も包含し得る。
【0137】
本発明の方法によれば、眼の結膜嚢または前房への局所眼科投与または移植のための、1種もしくは複数の式Iの化合物またはそれらの混合物、好ましくはアルファ−トコトリエノールキノンと、眼科的に許容される担体とを含む局所眼科用製剤が、眼の結膜嚢または前房への局所眼科投与または移植を必要とする患者に投与される。製剤は、当技術分野において公知の方法に従って所望される特定の投与ルートのために製剤化される。
【0138】
局所的に、眼周囲にまたは眼内に投与される局所眼科用製剤は、眼科的有効量の1種もしくは複数の式Iの化合物またはそれらの混合物、好ましくはアルファ−トコトリエノールキノンを含む。本明細書において使用される場合、「眼科的有効量」は、本明細書において記載されている眼科障害の徴候または症状を軽減または解消するのに十分な量である。概して、点眼剤または眼軟膏剤の形態で眼に局所的に投与されることが意図されている製剤について、トコトリエノールキノンの総量は0.001から1.0%(w/w)となる。点眼剤として適用される場合、1〜2滴(約20〜45μlずつ)のそのような製剤が、1日当たり1回から数回投与されることになる。
【0139】
1つの投与ルートは局所である。本発明の化合物は、眼科的に許容されるビヒクル中の溶液、懸濁液または乳液(分散液)として投与され得る。「眼科的に許容される」成分は、本明細書において使用される場合、意図された濃度で意図された使用時間にわたって、いかなる重大な眼損傷も眼の不快感も引き起こさない成分を指す。可溶化剤および安定剤は、非反応性であるべきである。「眼科的に許容されるビヒクル」は、化合物に非反応性であり、患者への投与に適切な任意の物質または物質の組合せを指す。適切なビヒクルは、シリコーン油、USP鉱油、ホワイト油、ポリ(エチレン−グリコール)、ポリエトキシル化ヒマシ油および植物油、例えば、トウモロコシ油、ピーナッツ油等の生理的に許容される油を包含する非水性液体媒体であってよい。他の適切なビヒクルは、患者の眼への局所適用に適した水性または水中油型溶液であってよい。これらのビヒクルは、製剤化の容易さ、および1から2滴の液剤を冒された眼に滴注することによってそのような製剤を容易に投与する患者の能力に基づいて好適となり得る。製剤は、懸濁剤、粘性もしくは半粘性ゲル、または他の種類の固体もしくは半固体製剤、および、天然ワックス、例えば、白蜜ワックス、カルナウバワックス、羊毛ワックス(羊毛脂)、精製ラノリン、脱水ラノリン等の脂肪基剤;石油ワックス、例えば、固形パラフィン、微晶質ワックス;炭化水素、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、黄色ワセリン;またはそれらの組合せであってもよい。製剤は、手、またはワイプ、コンタクトレンズ、滴瓶もしくはスプレー等のアプリケーターの使用によって適用され得る。本発明において使用するための化合物および製剤は、米国特許出願公開第2009/0060981号において記載されているもの等のコンタクトレンズベースの生物活性剤送達系を使用して投与され得る。
【0140】
本発明に従って投与される局所眼科用製剤は、界面活性剤、等張化剤、緩衝剤、保存剤、共溶媒および粘度構築剤を包含するがこれらに限定されない種々の他の原料も包含し得る。
【0141】
組成物の張度を、好ましくは眼科用組成物用に自然涙の張度に調整するために、種々の等張化剤を用いてよい。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、デキストロースおよび/またはマンニトールを組成物に添加して、生理学的張度に近似することができる。等張化剤のそのような量は、添加される特定の剤に応じて変動することになる。しかしながら、概して、製剤は、最終組成物に眼科的に許容されるオスモル濃度を有させるのに十分な量(概して約200〜400mOsm/kg)の等張化剤を有することになる。
【0142】
保存条件下でのpHドリフトを防止するために、適切な緩衝系(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸)を製剤に添加してよい。特定の濃度は、用いられる剤に応じて変動することになる。しかしながら、好ましくは、緩衝剤は、標的pHをpH6〜7.5の範囲内に維持するように選択される。
【0143】
神経変性疾患および障害に関連する眼科障害の治療のための局所眼科用製剤は、ドライアイ型状態の即時の短期的緩和を提供するように設計された水性担体を含んでもよい。そのような担体は、リン脂質担体もしくは人工涙液担体、または両方の混合物として製剤化され得る。本明細書において使用される場合、「リン脂質担体」および「人工涙液担体」は、(i)潤滑化し、「湿らせ」、内因性の涙の粘稠度に近似し、自然涙の蓄積を補助し、または別様にして眼投与時にドライアイ症状および状態の一時的緩和を提供する、1種もしくは複数のリン脂質(リン脂質担体の場合)または他の化合物を含み、(ii)安全であり、かつ(iii)有効量の指定されるサイトカイン阻害剤の1種または複数の局所投与に適した送達ビヒクルを提供する、水性製剤を指す。人工涙液担体として有用な人工涙液組成物の例は、Tears Naturale(登録商標)、Tears Naturale II(登録商標)、Tears Naturale Free(登録商標)およびBion Tears(登録商標)(Alcon Laboratories,Inc.、Fort Worth、Tex.)等の市販の製品を包含するがこれらに限定されない。リン脂質担体製剤の例は、米国特許第4,804,539号(Guoら)、同第4,883,658号(Holly)、同第4,914,088号(Glonek)、同第5,075,104号(Gresselら)、同第5,278,151号(Korbら)、同第5,294,607号(Glonekら)、同第5,371,108号(Korbら)、同第5,578,586号(Glonekら)において開示されているものを包含し、前述の特許は、それらが本発明のリン脂質担体として有用なリン脂質組成物を開示する程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
潤滑化し、「湿らせ」、内因性の涙の粘稠度に近似し、自然涙の蓄積を補助し、または別様にして眼投与時にドライアイ症状および状態の一時的緩和を眼に提供するように設計された他の化合物は、当技術分野において公知である。そのような化合物は、組成物の粘度を増強することができ、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール等の単量体ポリオール;ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の重合体ポリオール;デキストラン70等のデキストラン;ゼラチン等の水溶性タンパク質;ならびにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポビドンおよびカルボマー等のビニルポリマーを包含するがこれらに限定されない。
【0145】
担体の粘度を増大させるために、本発明の局所眼科用製剤に他の化合物を添加してもよい。粘度増強剤の例は、ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸およびその塩、デキストラン、セルロースファミリーの種々のポリマー等の多糖類;ビニルポリマー;ならびにアクリル酸ポリマーを包含するがこれらに限定されない。概して、リン脂質担体または人工涙液担体組成物は、1から400センチポアズの粘度を呈することになる。
【0146】
局所眼科用生成物は、典型的には、多回用量形態で包装される。故に、使用中の微生物汚染を防止するために、保存剤が必要である。適切な保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、臭化ベンゾドデシニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸2ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム−1、または当業者に公知である他の剤を包含する。そのような保存剤は、典型的には、0.001から1.0%w/vのレベルで用いられる。本発明の単位用量組成物は、無菌となるが、典型的には保存されない。したがって、そのような組成物は、概して保存剤を含有しない。
【0147】
本発明の式Iのトコトリエノールキノンまたはそれらの混合物は、眼内投与用の溶液または懸濁液中で製剤化され得る。本発明の製剤は、損傷または負傷を予防するために、網膜および視神経頭組織が関与する外傷性事象後、または眼科手術の前もしくは最中に、眼内に投与され得る。眼内投与に有用な製剤は、概して、眼内注射製剤または手術用潅注溶液となる。
【0148】
式Iの化合物またはそれらの混合物は、負傷による外傷によって生じる網膜もしくは視神経頭損傷を治療するため、または手術の侵襲性によって生じる損傷を予防するために、眼科手術の最中に使用される眼用潅注溶液中で製剤化されてもよい。
【0149】
式Iの化合物またはそれらの混合物は、眼周囲投与を介して投与されてもよく、眼周囲投与用の溶液または懸濁液中で製剤化され得る。本発明の製剤は、損傷または負傷を予防するために、網膜および視神経頭組織が関与する外傷性事象後、または眼科手術の前もしくは最中に、眼周囲に投与され得る。眼周囲投与に有用な製剤は、概して、眼周囲注射製剤または手術用潅注溶液となる。眼周囲投与は、眼球の周りおよび眼窩内の組織または空間への投与等、眼付近の組織への投与を指す。眼周囲投与は、注射、堆積、または任意の他の配置モードによって行われ得る。眼周囲投与ルートは、結膜下、脈絡膜上、強膜近傍、後強膜近傍、テノン嚢下、後部テノン嚢下、球後、球周囲または球側方(laterobulbar)送達を包含するがこれらに限定されない。Raghavaら、Expert Opin. Drug Deliv.、1巻(1号):99〜114頁(2004年)、Ghateら、Investigative Ophthalmology and Visual Science、48巻(5号):2230頁(2007年)、Karl G. Csaky、Retina Today、32〜35頁(2007年3月/4月)、WO2009/023877、およびEP1611879は、眼周囲投与の種々のルートについて記載している。
【0150】
概して、上述した目的のために利用される用量は変動することになるが、網膜または視神経頭神経症を予防、軽減または改善させるための有効量となる。本明細書において使用される場合、「眼科的有効量」または「治療有効量」は、網膜または視神経頭神経症を予防、軽減または改善させる活性剤の量を指す。トコトリエノールキノンは、概して、約0.001から約10.0重量/体積%(「%w/v」)の量で、本明細書において企図されている局所、眼周囲または眼内製剤に含有されることになる。好ましい濃度は、約0.1から約5.0%w/vの範囲となる。局所製剤は、概して、熟練した臨床医の裁量で、1日当たり1から6回、眼に送達されることになる。
【0151】
共投与される剤
本発明の製剤は、さらなる薬学的活性剤を含有し得る、または他の医薬組成物と同時に投薬され得る。例えば、緑内障性網膜症の予防、軽減、治療または改善のために哺乳動物を治療する場合、本発明の製剤は、さらなる「抗緑内障」剤を含有し得る、または抗緑内障剤組成物と同時にもしくは順次に投薬され得る。抗緑内障剤の例は、プロスタグランジンもしくはプロスタノイド、炭酸脱水酵素阻害剤、ベータ−アドレナリン作動性アゴニストおよびアンタゴニスト、アルファ−アドレナリン作動性アゴニスト、または当業者に公知である他の抗緑内障剤を包含する。
【0152】
本明細書において記載されている化合物が唯一の活性医薬剤として投与され得る場合、該化合物を、視覚性ミオパチーの治療または抑制において使用される1種または複数の他の剤と組み合わせて使用することもできる。視覚性ミオパチーの治療または抑制のための、本明細書において記載されている化合物と組み合わせて有用となる代表的な剤は、コエンザイムQ10を包含するコエンザイムQ:イデベノン;MitoQ;アセチルカルニチン(アセチル−L−カルニチンまたはアセチル−DL−カルニチン等);パルミトイルカルニチン(パルミトイル−L−カルニチンまたはパルミトイル−DL−カルニチン等);カルニチン(L−カルニチンまたはDL−カルニチン等);ケルセチン(quercetine);マンゴスチン;アサイー;ウリジン;N−アセチルシステイン(NAC);レスベラトロル等のポリフェノール;ビタミンA;ビタミンC;ルテイン;ベータ−カロテン;リコペン;グルタチオン;α−リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)等のオメガ3脂肪酸を包含する脂肪酸;リポ酸;およびリポ酸誘導体;ビタミンB複合体;ビタミンB1(チアミン);ビタミンB2(リボフラビン);ビタミンB3(ナイアシン、ニコチンアミドまたはナイアシンアミド);ビタミンB5(パントテン酸);ビタミンB6(ピリドキシンまたはピリドキサミン);ビタミンB7(ビオチン);ビタミンB9(葉酸、ビタミンB11またはビタミンMとしても公知);ビタミンB12(シアノコバラミン等のコバラミン);イノシトール;4−アミノ安息香酸;フォリン酸;ビタミンE;他のビタミン;ならびに抗酸化化合物を包含するがこれらに限定されない。
投薬量
本発明の方法において使用される化合物は、種々の量で投与され得る。使用され得る1日投薬量の例は、体重1kgにつき約0.1mgから約300mg、または体重1kgにつき約0.1mgから約100mg、または体重1kgにつき約0.1mgから約80mg、または体重1kgにつき約0.1mgから約50mg、または体重1kgにつき約0.1mgから約30mg、または体重1kgにつき約0.1mgから約10mg、または体重1kgにつき約1.0mgから約80mg、または体重1kgにつき約1.0mgから約50mg、または体重1kgにつき約1.0mgから約30mg、または体重1kgにつき約1.0mgから約10mg、または体重1kgにつき約10mgから約80mg、または体重1kgにつき約50mgから約150mg、または体重1kgにつき約100mgから約200mg、または体重1kgにつき約150mgから約250mg、または体重1kgにつき約200mgから約300mg、または体重1kgにつき約250mgから約300mg、または約もしくは最大約1mg、約もしくは最大約5mg、約もしくは最大約10mg、約もしくは最大約15mg、約もしくは最大約20mg、約もしくは最大約25mg、約もしくは最大約30mg、約もしくは最大約40mg、約もしくは最大約50mg、約もしくは最大約60mg、約もしくは最大約70mg、約もしくは最大約75mg、約もしくは最大約80mg、約もしくは最大約90mg、約もしくは最大約100mg、約もしくは最大約125mg、約もしくは最大約150mg、約もしくは最大約175mg、約もしくは最大約200mg、約もしくは最大約225mg、約もしくは最大約250mg、約もしくは最大約275mg、約もしくは最大約300mg、約もしくは最大約325mg、約もしくは最大約350mg、約もしくは最大約375mg、約もしくは最大約400mg、約もしくは最大約425mg、約もしくは最大約450mg、約もしくは最大約500mg、約もしくは最大約550mg、約もしくは最大約600mg、約もしくは最大約650mg、約もしくは最大約700mg、約もしくは最大約750mg、約もしくは最大約800mg、約もしくは最大約850mg、約もしくは最大約900mg、約もしくは最大約950mg、または合計約もしくは最大約1000mgの投薬量範囲内の有効量である。化合物(複数可)が単回日用量で投与され得、または、総1日投薬量が、1日当たり2、3または4回の分割投薬量で投与され得る。これらの投薬量は、長期間、例えば、数か月、数年にわたって、または患者の生涯にまでわたって、投与され得る。
【0153】
特定患者に適した特定の投薬量は、用量漸増法によって決定される。例えば、アルファ−トコトリエノールキノン投与の動物研究は、ラットにおいて、10mg/kgで、バイオアベイラビリティが高く(約90%)、Cmax=931ng/mL、Tmax=3.5時間かつt1/2=3.5時間であることを示した。2.4:6:10:20の用量における増大に対し、AUCにおける増大は1.5:2.8:4.0:6.7しかないため、用量比例性がより低くなる。この用量比例性の欠如は、用量範囲にわたってt1/2の変化がないことから、吸収低下によるものであり得る。ラットにおいて試験したアルファ−トコトリエノールキノンは、最大2000mg/kgを急性的に与えた際には安全であった。絶食したイヌにおいて、10mg/kgで、バイオアベイラビリティは低く(約16%)、Cmax=442ng/mL、Tmax=2.8時間かつt1/2=7.6時間である。
【0154】
アルファトコトリエノールキノンについての単回用量および反復用量血漿プロファイルは、Cmax<10μMおよびCmin>0.5μMを達成するように調整された用量を使用してシミュレートした。70kg成人についての日用量および線形動力学と仮定すると、C24時間で220.5ng/ml(0.5μM)を達成するために、総用量は379mg(5.41mg/kg)となる必要があろう。
【0155】
開始用量は、「Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers」と題された米国食品医薬品局ガイドライン(2005年7月)および「Guidance on Non−clinical Safety Studies for the Conduct of Human Clinical Trials and Marketing Authorization for Pharmaceuticals」と題された日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン(2008年7月)に基づいて推定され得る。ICHガイドラインに準拠して、開始用量からの予測暴露は、より感受性の高い種においては、mg/mベースでNOAEL(最大無毒性量)の1/50を超えてはならない。アルファ−トコトリエノールキノンの単回経口用量に続いて、雌ラットのNOAELは500mg/kg、すなわち3,000mg/mと確立された。この投薬量は、成体ヒトにおける81mg/kgに相当するであろう。81mg/kgの1/50は1.6mg/kgであり、すなわち、70kg成人では110mg、または10kg小児では16mgである。この用量を、1日当たり1、2または3回投与してよい。
治療有効性をモニタリングする
日常血漿分析物:ラクテート:ピルベートおよびベータ−ヒドロキシブチレート:アセトアセテートを包含する血中ケトン体比は、電子収支を反映している。これらの比率における変調を使用して、全身の代謝機能を評価することができる。血中ラクテートの上昇、血中ピルベートの上昇、血中アラニンの上昇、および血液pH(代謝性アシドーシスを確認するため)をモニタリングしてもよい。
【0156】
血奬および尿のメタボロミクス解析:尿分析は、患者に対して実施され得、下記の有機酸の測定を包含し得る:乳酸、ピルビン酸、コハク酸、フマル酸、2−ケトグルタル酸、メチルマロン酸、3−OH酪酸、アセト酢酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、2−ケト−イソカプロン酸、2−ケト−イソ吉草酸、エチルマロン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、4−OH−フェニル酢酸、4−OH−フェニル乳酸、4−OH−フェニルピルビン酸、スクシニルアセトンおよびクレアチニン。患者に対して実施される尿分析は、下記のアミノ酸の測定も包含し得る:プロリン、グルタミン、スレオニン、セリン、グルタミン酸、アルギニン、グリシン、アラニン、ヒスチジン、リシン、バリン、アスパラギン、メチオニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、ヒドロキシプロリン、クレアチニン、アスパラギン酸、システイン、オルニチン、シトルリン、ホモシステインおよびタウリン。代謝分析物のパネルにおいて、下記が測定され得る:ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、アニオンギャップ、グルコース(血清)、尿素窒素(血液)、クレアチニン、カルシウム、ビリルビン、アスパラギン酸塩アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、総タンパク質量(血清)、アルブミン(血清)および溶血指数。最近、クリティカルパス・イニシアチブは、腎ミトコンドリア機能も反映し得る薬物毒性を予測するためのバイオマーカーの電池を提案した。KIM−1、アルブミン、総タンパク質量、β2−ミクログロブリン、シスタチンC、クラステリン、トレフォイル因子−3、および好中球ゼラチナーゼ関連リポカリンにおける変調を使用して、(存在する場合)無症候性腎症を検出することおよびSURF1腎機能の自然経過のより正確な描写を結集することの両方ができる。最後に、Haasら、Mol Genet Metab.(2008年)94巻(1号):16〜37頁は、本発明において使用され得るMRSベースの生化学分析等の種々の試験について記載している。
【0157】
光干渉断層法(OCT):OCTは、眼底の内側にある多層感覚組織である網膜を撮像するために使用される非侵襲的技術である。医師が網膜の断面像を見ることができるようにするための最初の機器であるOCTは、黄斑円孔、網膜前膜、黄斑腫脹およびさらには視神経損傷等の眼の状態の早期検出および治療に革命をもたらしつつある。
【0158】
網膜厚は、網膜厚解析装置(RTA;Talia Technology,Ltd.、Mevasseret Zion、Israel)およびハイデルベルグレチナトモグラフ(HRT;Heidelberg Engineering GmbH、Heidelberg、Germany)等の他のデバイスを使用して測定することもできる。当業者であれば、網膜厚の傾斜は無数の距離にわたって算出できること、および最短距離は本発明の方法を実践するために使用されるデバイスの解像度によってのみ限定されることを理解するであろう。
【0159】
石原式色覚検査:石原式色覚検査は、赤緑色覚異常についての検査である。該検査は、石原表と呼ばれる多数の彩色プレートからなり、そのそれぞれは、色およびサイズが無作為に表示されたドットの集合体を含有する。パターン内には、正常な色覚の人々には可視であり、かつ赤緑色覚欠損の人々には不可視または見ることが困難な、番号を形成するドットがある。全検査は38のプレートからなるが、通常、数枚のプレートを終えたところで欠損症があることが明確になる。最初の24のプレートの検査をすることにより、色覚欠損の重症度についてより正確な診断が為される。
【0160】
一般的なプレートは、褐色の色合いで識別される数字を伴う緑色および薄青色の色合いのドットの集合体、または、緑色の色合いの数字を伴う赤色、橙色および黄色の色合いのドットの集合体を包含し、1つ目は赤色盲について検査するもの、2つ目は緑色盲について検査するものである。
キット
本発明は、LHONを除き、かつDOAを除く視覚性ミオパチーを治療するために有用な材料を含有する、製造品およびキットも提供する。製造品は、ラベル付き容器を含む。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアルおよび試験管を包含する。容器は、ガラスまたはプラスチック等の様々な材料から形成され得る。容器は、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される化合物、または、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される活性剤を含む組成物を保持する。一実施形態において、化合物はアルファ−トコトリエノールキノンである。一実施形態において、活性剤はアルファ−トコトリエノールキノンである。容器に付されたラベルは、組成物が視覚性ミオパチーを治療するために使用されるものであることを示し、治療において使用するための指示も示し得る。
【0161】
本発明は、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される化合物、または、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される活性剤を含む組成物の任意の1つまたは複数を含むキットも提供する。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される化合物、または、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される活性剤を含む組成物を保持する、上述した容器を含む。他の実施形態において、本発明のキットは、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される化合物、または、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される活性剤を含む組成物を保持する、上述した容器と、ゴマ油等の1種もしくは複数の植物由来の油、および/または1種もしくは複数の動物由来の油、および/または1種もしくは複数の魚由来の油等、化合物または組成物のためのビヒクルを含む第二の容器とを含む。他の実施形態において、本発明のキットは、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される化合物、または、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノンおよびデルタ−トコトリエノールキノンから選択される活性剤を含む組成物を保持する、上述した容器を含み、ここで、該化合物または組成物は、ゴマ油等の1種もしくは複数の植物由来の油、および/または1種もしくは複数の動物由来の油、および/または1種もしくは複数の魚由来の油等の、化合物または組成物のためのビヒクルと予め混合されたものである。キットは、LHONを除き、かつDOAを除く視覚性ミオパチーの治療のための、他のビヒクル、緩衝剤、賦形剤、フィルター、針、シリンジ、および本明細書において記載されている方法のいずれかを実施するための使用説明書付き添付文書を包含する、商業的観点および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに包含し得る。
【0162】
他の態様において、キットは、例えば、LHONを除き、かつDOAを除く視覚性ミオパチーの個体を治療することを包含する、本明細書において記載されている方法のいずれかに使用され得る。
【実施例】
【0163】
(実施例1)
FRDA細胞株アッセイおよび有効な化合物のための初期スクリーニング
Coriell Cell Repositories(Camden、NJ;保管番号GM04078)から入手したフリードライヒ運動失調症(FRDA)線維芽細胞をL−ブチオニン−(S,R)−スルホキシミン(BSO)の添加によって及ぼされるストレスから救済するその能力について、アルファ−トコトリエノールキノンを、Jauslinら、Hum. Mol. Genet.、11巻(24号):3055頁(2002年)、Jauslinら、FASEB J.、17巻:1972〜4頁(2003年)、および国際特許出願第WO2004/003565号において記載されている通りに試験した。試験化合物およびその酸化還元サイレントバージョンのEC50濃度を決定し、比較した。
【0164】
MEM(アミノ酸およびビタミンが豊富な培地、カタログ番号1−31F24−I)およびMedium 199(M199、カタログ番号1−21F22−I)(アール平衡塩含、フェノールレッド不含)は、Bioconceptから購入した。ウシ胎仔血清は、PAA Laboratoriesから入手した。塩基性線維芽細胞成長因子および上皮成長因子は、PeproTechから購入した。ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン混合物、L−ブチオニン(S,R)−スルホキシミン、およびウシ膵臓由来のインスリンは、Sigmaから購入した。カルセインAMは、Molecular Probesから購入した。125mLのM199 EBS、50mlのウシ胎仔血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、10μg/mLのインスリン、10ng/mLのEGFおよび10ng/mLのbFGFを合わせることによって細胞培養培地を作製した。体積が500mlになるまでMEM EBSを添加した。444mgのBSOを200mLの培地に溶解し、その後、濾過滅菌を行うことにより、10mMのBSO溶液を調製した。実験の経過中、この溶液を+4℃で貯蔵した。
【0165】
試験試料を1.5mLのガラスバイアルに投入した。化合物を、DMSO、エタノールまたはPBSで希釈して、5mMの貯蔵液にした。溶解したら、それらを−20℃で貯蔵した。
【0166】
試験試料は、下記のプロトコールに従ってスクリーニングした。FRDA線維芽細胞を用いる培養は、液体窒素中で貯蔵された約500,000細胞を加えた1mLのバイアルから開始した。細胞を、9つのプレートが利用可能になるまで3日ごとに1:3の比率で分割することにより、10cmの細胞培養皿に播種した。集密的になったら、線維芽細胞を収穫した。54枚のマイクロタイタープレート(96ウェル−MTP)には、100μLの培地に3,000細胞/ウェルを加えたものに相当する、計1430万個の細胞(8継代)を480mLの培地に再懸濁させた。残った細胞は、繁殖のために10cmの細胞培養プレートに分布させた(500,000細胞/プレート)。プレートを、95%の湿度および5%のCOを有する雰囲気中、37℃で終夜インキュベートして、細胞を培養プレートに付着させた。
【0167】
MTP培地(243μL)をマイクロタイタープレートのウェルに添加した。試験化合物を解凍し、243μLの培地を含有するウェルに7.5μLの5mM貯蔵液を溶解して、150μMの原液(master solution)にした。原液からの連続希釈を作製した。単一の希釈ステップ間の期間は、可能な限り短く保った(概して1秒未満)。
【0168】
プレートを細胞培養インキュベーター内で終夜保存した。翌日、10μLの10mM BSO溶液をウェルに添加し、1mMの最終BSO濃度にした。48時間後、3つのプレートを位相差顕微鏡下で検査して、0%対照(ウェルE1−H1)中の細胞が明らかに死亡していることを検証した。すべてのプレートから培地を廃棄し、ペーパータオルの上に反転させたプレートを軽くたたくことにより、残った液体を除去した。
【0169】
次いで、1.2μMのカルセインAMを含有する100μLのPBSを各ウェルに添加した。プレートを室温で50〜70分間インキュベートした。その時間の後、PBSを廃棄し、ペーパータオル上でプレートを軽くたたき、蛍光(励起/発光波長はそれぞれ485nmおよび525nm)をGemini蛍光リーダーで読み取った。データをMicrosoft Excel(EXCELは、表計算プログラムを表すMicrosoft Corporationの登録商標である)に取り込み、各化合物についてEC50濃度を算出するために使用した。
【0170】
化合物を3回試験した、すなわち、実験を3回実施し、細胞の継代数は繰り返しごとに1だけ増加させた。
【0171】
溶媒(DMSO、エタノール、PBS)は、試験した最高濃度(1%)でも、非BSO処理細胞の生存率に対する有害作用も有さず、BSOで処理した線維芽細胞に対する有益な影響も有さなかった。いずれの化合物も自己蛍光を示さなかった。非BSO処理線維芽細胞の生存率を100%として設定し、BSOおよび化合物で処理した細胞の生存率をこの値に対して算出した。
【0172】
アルファ−トコトリエノールキノンは、37nMのED50でFRDA細胞を保護する。
【0173】
(実施例2)
フリードライヒ運動失調症と診断された女性の治療
フリードライヒ運動失調症の女性患者を、アルファ−トコトリエノールキノンで治療する。アルファ−トコトリエノールキノンを患者に経口的に投与し、薬物は投与用のゴマ油と混合し、ヨーグルトまたはアイスクリーム等の脂肪の多い食品とともに摂取する。アルファ−トコトリエノールキノンの下記の投薬を使用する。
【0174】
1日目、用量は100mgTIDである。8日目には200mgTIDまで増量し、この投薬量で継続する。
【0175】
アルファトコトリエノールキノンで治療されている間、患者の医療チームは、何らかの改善の徴候または疾患の悪化の徴候について、視力、色覚、視野およびOCTを測定することによって患者の眼をモニタリングする。
【0176】
研究中において、あらゆる有害事象を検出するために患者の緊密なモニタリングが実施される。加えて、研究者は、対象の安全性が危険にさらされた場合、研究を中止する権限を与えられている。
【0177】
確認のための引用によって本明細書において参照したすべての刊行物、特許、特許出願および公開された特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0178】
明瞭な理解を目的として、説明および実施例によって前述の発明を一部詳細に記述してきたが、ある一定の小改正および修正が実践されるであろうことが当業者には明らかである。したがって、これらの記述および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において、眼科障害を予防、軽減、改善もしくは治療するため、または視力喪失の進行を停止し、もしくは視力喪失を回復させるための製剤であって、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、それらの対応するハイドロキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む製剤。
【請求項2】
前記治療上有効な眼科用剤がアルファ−トコトリエノールキノンである、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項6】
眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項7】
前記アルファ−トコトリエノールキノンが、約75%から約99%の純度を有する、請求項2に記載の製剤。
【請求項8】
経口的に投与される、請求項3に記載の製剤。
【請求項9】
点眼剤として局所的に投与される、請求項4に記載の製剤。
【請求項10】
前記眼科用製剤が潅注溶液として局所的に投与される、請求項4に記載の製剤。
【請求項11】
眼周囲に投与される、請求項4に記載の製剤。
【請求項12】
眼内に投与される、請求項4に記載の製剤。
【請求項13】
遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害;黄斑変性症;加齢黄斑変性症;若年性黄斑変性症;網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷;手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷;角膜移植に関連する損傷;および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷の群から選択される、神経変性または外傷性障害に関連する眼科障害に罹患している、またはそのリスクがある、そのような治療を必要とする患者に投与される、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病の群に関連する眼科障害に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項1に記載の製剤。
【請求項15】
フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
緑内障;糖尿病性網膜症;黄斑変性症;加齢黄斑変性症;若年性黄斑変性症からなる群から選択される眼科障害に罹患している、もしくはそのリスクがある患者に投与される;または前記眼科障害が、アルツハイマー病;進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患;筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)に関連する、請求項1に記載の製剤。
【請求項17】
緑内障に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
黄斑変性症に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項16に記載の製剤。
【請求項19】
糖尿病性神経症に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項16に記載の製剤。
【請求項20】
遺伝性ミトコンドリア病;慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;複合体V欠損症;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害;黄斑変性症;加齢黄斑変性症;若年性黄斑変性症;網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷;手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷;角膜移植に関連する損傷;および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷の群から選択される、障害に関連する眼科障害に罹患している、またはそのリスクがある、そのような治療を必要とする患者に投与される、請求項2に記載の製剤。
【請求項21】
慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);リー症候群;重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択される、ミトコンドリア病の群に関連する眼科障害に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項2に記載の製剤。
【請求項22】
フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項21に記載の製剤。
【請求項23】
緑内障;糖尿病性網膜症;黄斑変性症;加齢黄斑変性症;若年性黄斑変性症からなる群から選択される眼科障害に罹患している、もしくはそのリスクがある患者に投与される;または前記眼科障害が、アルツハイマー病;進行性核上麻痺(PSP);パーキンソン病(PD)および他のパーキンソン様疾患;筋萎縮性側索硬化症(ALS);シャルコー・マリー・トゥース病;ムコ多糖体沈着症;副腎脳白質ジストロフィー;ニーマン・ピック病;クラッベ病;ペリツェウス・メルツバッハー病;リーの亜急性壊死性脳脊髄症;ならびに進行性脳症、浮腫、ヒプスアリスミアおよび視神経萎縮症(PEHO)に関連する、請求項2に記載の製剤。
【請求項24】
緑内障に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項23に記載の製剤。
【請求項25】
黄斑変性症に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項23に記載の製剤。
【請求項26】
糖尿病性神経症に罹患している、またはそのリスクがある患者に投与される、請求項23に記載の製剤。
【請求項27】
神経変性疾患または外傷に関連する眼科障害または視力喪失の予防のための、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤と、薬学的にまたは眼科的に許容されるビヒクルとを含む、請求項1に記載の製剤の使用。
【請求項28】
神経変性疾患または外傷に罹患している、またはそのリスクがある患者における、眼科障害または視力喪失の予防のための、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンと、薬学的にまたは眼科的に許容されるビヒクルとを含む、請求項2に記載の製剤の使用。
【請求項29】
慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群、補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病に罹患している、またはそのリスクがある患者における、眼科障害または視力喪失の予防のための、請求項27に記載の製剤の使用。
【請求項30】
フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に罹患している、またはそのリスクがある患者における、眼科障害または視力喪失の予防のための、請求項29に記載の製剤の使用。
【請求項31】
パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害;黄斑変性症;加齢黄斑変性症;または若年性黄斑変性症に罹患している、またはそのリスクがある患者における、眼科障害または視力喪失の改善のための、請求項27に記載の製剤の使用。
【請求項32】
外傷に関連する、眼科障害または視力喪失の改善のための、請求項27に記載の製剤の使用。
【請求項33】
網膜虚血;外傷に関連する急性網膜症;術後合併症;外傷性視神経症(TON);光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷;手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷;角膜移植に関連する損傷;および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷に罹患している、またはそのリスクがある患者における、眼科障害または視力喪失の改善のための、請求項32に記載の製剤の使用。
【請求項34】
神経変性疾患または外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、治療または制御を必要とする患者に、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、それらの対応するハイドロキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む製剤を投与するステップを含む方法。
【請求項35】
前記製剤が、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む経口製剤である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記経口製剤が、薬学的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記眼の症状が、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病に関連する、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記眼の症状が、フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記眼の症状が、パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害、黄斑変性症、加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症から選択される神経変性疾患に関連する、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記眼の症状が、外傷に関連する、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記眼の症状が、網膜虚血、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷、外傷性視神経症(TON)、手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷、角膜移植に関連する損傷、および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記眼の症状が、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病に関連する、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記眼の症状が、フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記眼の症状が、パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害、黄斑変性症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症から選択される神経変性疾患に関連する、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記眼の症状が、外傷に関連する、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記眼の症状が、網膜虚血、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON)、および光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷、手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷、角膜移植に関連する損傷、および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
神経変性疾患または外傷に関連する眼の症状を治療または制御する方法であって、治療または制御を必要とする患者に、アルファ−トコトリエノールキノン、ベータ−トコトリエノールキノン、ガンマ−トコトリエノールキノン、デルタ−トコトリエノールキノン、それらの対応するハイドロキノン、またはそれらの混合物からなる群から選択される眼科的有効量の1種または複数の剤を含む局所眼科用製剤を投与するステップを含む方法。
【請求項48】
前記局所眼科用製剤が、眼科的有効量のアルファ−トコトリエノールキノンを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記局所眼科用製剤が、眼科的に許容されるビヒクルを追加で含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記眼の症状が、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病に関連する、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記眼の症状が、フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記眼の症状が、パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害、黄斑変性症、加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症から選択される神経変性疾患に関連する、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記眼の症状が、外傷に関連する、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
前記眼の症状が、網膜虚血、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON)、および光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷、手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷、角膜移植に関連する損傷、および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記眼の症状が、慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO);マシャド・ジョセフ病とも呼ばれる脊髄小脳失調症(SCA);リー症候群;フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;補酵素Q10(CoQ10)欠損症;複合体I欠損症;複合体II欠損症;複合体III欠損症;複合体IV欠損症;および複合体V欠損症から選択されるミトコンドリア病に関連する、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記眼の症状が、フリードライヒ運動失調症(FRDA);ミトコンドリアミオパチー、脳症、ラクトアシドーシスおよび脳卒中(MELAS);赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん(MERRF);リー症候群;カーンズ・セイアー症候群(KSS);重複症候群;または慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)に関連する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記眼の症状が、パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);運動ニューロン疾患;ハンチントン病;老化関連疾患;緑内障;網膜外側の障害、黄斑変性症;加齢黄斑変性症および若年性黄斑変性症から選択される神経変性疾患に関連する、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
前記眼の症状が、外傷に関連する、請求項49に記載の方法。
【請求項59】
前記眼の症状が、網膜虚血、外傷に関連する急性網膜症、術後合併症、外傷性視神経症(TON)、および光力学的療法(PDT)を包含するレーザー療法に関連する損傷、手術照明灯により誘発される医原性網膜症に関連する損傷、角膜移植に関連する損傷、および眼細胞の幹細胞移植に関連する損傷から選択される、請求項58に記載の方法。

【公表番号】特表2012−525397(P2012−525397A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508606(P2012−508606)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/032621
【国際公開番号】WO2010/126909
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(507393285)エジソン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】